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不在者財産管理人が権限外行為の許可の申立て

2026-06-14

1不在者財産管理人は行方不明者の代理人

①不在者財産管理人は行方不明者の財産を守る人

不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。

行方不明者の財産を守るため、家庭裁判所が選任します。

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。

家庭裁判所は、行方不明者に不利益な財産管理を許可しません。

不在者財産管理人制度は、行方不明者の財産を守る制度だからです。

②不在者財産管理人の任務は財産を守ること

不在者財産管理人は、行方不明者の財産を管理する人です。

不在者財産管理人の権限で、行方不明者の財産を守ります。

不在者財産管理人の権限は、行方不明者の財産を減らさないために行使されます。

不在者財産管理人には、行方不明者の利益を守る義務があるからです。

③不在者財産管理人は家族の希望をかなえる人ではない

家族にとって、家族の生活を守ることが行方不明者の利益にかなうと感じるかもしれません。

家族の希望をかなえることは、そのまま家族の生活を守ることのはずです。

法律が求める行方不明者の利益とは、行方不明者の財産を減らさないことです。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

家族の希望と行方不明者の利益が一致する場合に限って、家族の希望が考慮されます。

たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、行方不明者の利益を守る義務があります。

不在者財産管理人は、公的な立場だからです。

④処分行為には家庭裁判所による許可が必要

不在者財産管理人には、行方不明者の財産を保存管理する権限が与えられます。

本来、不在者財産管理人は、行方不明者の財産を処分することはできません。

行方不明者の財産を処分する行為は、不在者財産管理人の権限外の行為です。

不在者財産管理人が権限外の行為をする場合、家庭裁判所による許可が必要です。

財産の処分行為は、行方不明者に大きな影響があるからです。

行方不明者本人の意思が確認できないから、慎重に判断すべきです。

財産の処分行為をすると、原状回復が困難です。

家庭裁判所は、財産処分が客観的に合理的か慎重にチェックします。

家庭裁判所の許可なしで、不在者財産管理人が処分行為をしても無効です。

⑤家庭裁判所が許可する基準

家庭裁判所は、次のポイントを重点的にチェックします。

・行方不明者に不利益ではないか

・処分の必要があるか

・価格は妥当であるか

・タイミングは妥当であるか

・手続が適正であるか

・他の手段で代替できないか

処分行為が必要であり、かつ、処分行為に相当性が認められるときのみ、家庭裁判所は許可します。

実務上は次の場合、許可されないことが多いでしょう。

・今すぐ処分しなくても問題がない場合

・価格や条件が客観的に説明できない場合

・他の方法で対応できる場合

家族の希望や事情は、家庭裁判所の審査の対象ではありません。

家族が希望しても、家庭裁判所は許可しないことがあります。

2不在者財産管理人が権限外行為の許可の申立て

①遺産分割協議

(1) 遺産分割協議は処分行為

相続が発生したら、相続財産の分け方は相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺産分割協議を成立させることは、処分行為と考えられています。

遺産分割協議で、相続分を処分するからです。

(2)相続分を確保する→許可

行方不明者の相続分を確保する遺産分割協議案は、許可されやすい代表例です。

行方不明者の相続分を確保すると、行方不明者に不利益がないことが明確だからです。

(3)評価が明確な代償分割→許可

代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらう方法です。

他の相続人が不動産を相続し、行方不明者が代償を受け取る遺産分割協議案は、許可されやすい事例です。

代償分割では、不動産が適切に評価されていることが重要です。

不動産が適切に評価されていないと、代償金が適切か判断できないからです。

(4)換価分割で売却代金を取得→許可

換価分割とは、分けにくい財産を売却して金銭に換えた後、金銭を分ける方法です。

一部の相続人が不動産を相続した後に売却し、売却代金を分配します。

実質的に現金化された後に公平に分配するから、許可されやすい事例です。

換価分割で第三者に売却する場合、不動産評価が客観的です。

行方不明者が取得する相続分が明確になります。

(5)特定の相続人に偏った遺産分割→不許可

不在者財産管理人の任務は、財産を減らさないことです。

特定の相続人に偏った遺産分割は、許可されにくい事例です。

行方不明者の相続分が確保されない遺産分割協議に合意することはできません。

たとえ家族が不在者財産管理人であっても、相続分が確保されない遺産分割協議に合意することはできません。

不在者財産管理人は、行方不明者の利益を守る人だからです。

行方不明者の相続分が確保されない遺産分割協議に、家庭裁判所は許可しません。

(6)相続税を節税できる遺産分割→不許可

相続税が節税できることは、家族のメリットです。

家族のメリットは、家庭裁判所の審査の対象外です。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

行方不明者に不利益な遺産分割協議に、家庭裁判所は許可しません。

(7)帰来時弁済型遺産分割協議→厳格な条件

帰来時弁済型遺産分割協議とは、条件付きの遺産分割の方法です。

条件は、行方不明者が帰って来た時に代償金を支払うことです。

帰来時弁済型遺産分割協議は、厳格な条件を満たしたときだけ例外的に許可されます。

帰来時弁済型遺産分割協議が認められる条件は、明確ではありません。

次の条件を満たす場合、許可されやすい傾向があります。

・行方不明者が取得する金銭が100万円未満

・行方不明者が高齢

・行方不明者に相続人がいない

・行方不明が長期間

・代償金を払う人が事実上の保護者

・代償金を払う人に充分な資力

(8)必要な資料

・相続人全員を確定するための戸籍謄本

・相続財産目録

・財産評価資料

・遺産分割協議案

・売買契約書案

家庭裁判所は、客観的資料を重視します。

行為の必要性と公平性を客観的に示す資料を準備します。

②相続放棄

(1)相続放棄が認められると相続人でなくなる

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄は、相続人の地位を失う重大な決定です。

相続放棄は、処分行為と考えられます。

(2)相続財産が債務超過→許可

相続財産は、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も含まれます。

相続財産が債務超過である場合、相続すると行方不明者に不利益です。

不利益回避が明確である場合、家庭裁判所は許可します。

(3)遺産分割協議から除外したい→不許可

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。

相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄をした人は、遺産分割協議に関与しません。

遺産分割協議に関与してほしくないからなどの理由では、許可されません。

不在者財産管理人は、行方不明者の利益を守る義務があるからです。

たとえ家族の希望があっても、家庭裁判所は相続放棄をする許可をしません。

(4)必要な資料

・相続財産目録

・債務超過を示す資料

③不動産売却

(1)不動産売却は処分行為

不動産を売却すると、不動産が現金に変わります。

不動産売却は、典型的な処分行為と考えられています。

元に戻せない行為だから、慎重に判断する必要があります。

(2)管理費や維持費の負担が重い→許可

不動産には、管理の手間がかかります。

不動産が老朽化すれば、多額の修繕費や管理費がかかります。

多額の管理費や維持費がかかると、行方不明者の財産全体が減少するでしょう。

行方不明者の財産を守るため、不動産を売却することが適切と判断されます。

管理費や維持費の負担が重い場合、家庭裁判所は許可します。

(3)共有トラブル解決のため売却→許可

行方不明者が不動産を共有していることがあります。

共有する不動産の管理方針は、不在者財産管理人が他の共有者と協議して決定します。

共有不動産の管理方針が異なる場合、共有者間でトラブルになるでしょう。

管理方針が大きく異なる場合、共有物全体を売却する以外に、解決できなくなることがあります。

行方不明者の利益保護のため、不動産売却が許可されます。

(4)親族間売買で著しく低額で売却→不許可

第三者に売却する場合、不動産評価が客観的です。

親族に売却する場合、不動産評価が客観的ではありません。

不動産を親族間で売買する場合、相場より低額で売買することがあります。

時価の70%程度で売買する場合、修繕費などの資金需要によっては合理的と判断されることがあります。

時価と比べて著しく低額で売却する場合、行方不明者に不利益な財産処分と判断されるでしょう。

行方不明者に不利益な財産処分に、家庭裁判所は許可しません。

(5)買主が決まっているだけ→不許可

不動産売却の権限外行為の許可にあたって、家庭裁判所は次の点を重視します。

・行方不明者に不利益ではないか

・処分の必要があるか

・価格は妥当であるか

・タイミングは妥当であるか

家庭裁判所は、買主が決まっていることを重視しません。

買主が決まっていることは、プラス材料ですが決定打ではありません。

不在者財産管理人制度は、家族や買主の希望をかなえる制度ではないからです。

たとえ買主が決まっていても、行方不明者の利益を重視します。

行方不明者に不利益な売却は、買主が決まっていても許可されません。

(6)必要な資料

・不動産の登記簿謄本

・不動産の評価資料

・売買契約書案

・管理費や維持費の発生状況が分かる資料

④建物の取壊し

(1)建物の取壊しで財産が消滅する

行方不明者の建物を取壊すと、財産が消滅します。

建物の取壊しは、財産の処分行為と考えられています。

(2)老朽化で倒壊のリスク大→許可

建物が老朽化すると、損傷や倒壊のおそれが大きくなります。

建物が倒壊すると大きな損害になるから、取壊しには高い必要性が認められます。

建物が倒壊する前に、解体した方が少ない損失で済むことがあります。

解体した方が近隣へのリスクを減らせることが多いでしょう。

行方不明者の財産を守るため、建物の取壊しが許可されます。

(3)家族による開発目的→不許可

更地にして家族が開発をしたい場合、行方不明者の利益とは無関係です。

建物の取壊しで行方不明者の財産が消滅することを考えると、不利益と判断されるでしょう。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

家族による開発目的で建物の取壊しを希望しても、家庭裁判所は許可しません。

(4)必要な資料

・取壊す建物の外観写真

・登記簿謄本

・建築確認済証

・建築士や不動産鑑定士による劣化状況の報告書

・取壊し費用の見積書

⑤訴訟行為

(1)訴訟行為は処分行為

訴訟行為は、行方不明者の権利義務に大きな影響があります。

訴訟行為は、処分行為と考えられます。

(2)行方不明者の債権を回収→許可

債権を行使しないまま、行方不明になることがあります。

行方不明者のために不在者財産管理人が債権を行使することは、行方不明者の利益になります。

債権の実現のため、必要であれば訴訟行為をすることになります。

行方不明者の利益になる訴訟行為には、家庭裁判所は許可します。

(3)勝訴の可能性が著しく低い→不許可

勝訴の可能性が著しく低い場合、費用倒れになる可能性があります。

行方不明者に不利益になることから、家庭裁判所は許可しません。

(4)応訴→許可不要

応訴とは、裁判などで訴えられた場合に、反論などをすることです。

応訴は、保存行為や管理行為と考えられています。

本人の財産を守るための保存行為や管理行為のため、権限外行為の許可は不要です。

(5)必要な資料

・訴訟対象が分かる資料

・訴訟を行わないときの損害やリスク資料

・訴訟の正当性や必要性を証する資料

・訴訟費用見積書

⑥権限外行為の許可の申立ての流れ

(1)申立人

権限外行為の許可の申立てができるのは、不在者財産管理人のみです。

家族は、関与しません。

(2)申立先

不在者財産管理人を選任した家庭裁判所です。

(3)費用

・手数料

申立手数料は、800円です。

申立書に収入印紙を貼り付けて、納入します。

・連絡用郵便切手

家庭裁判所が手続で使う郵便切手を予納します。

家庭裁判所ごとに、必要な額面や枚数が異なります。

(4)必要書類

権限外行為の許可の申立書に添付する書類は、権限外行為が必要になることの資料です。

(5)許可されるまでの期間

権限外行為の許可の審判がされるまで1~3か月程度かかります。

3権限外行為の許可の範囲のみ権限がある

①不在者財産管理人の権限は確認できる

不在者財産管理人が遺産分割協議や不動産を売却する場合、権限外行為の許可の審判が必要です。

権限外行為の許可の審判書には、提出した遺産分割協議案や売買契約案が添付されています。

添付された遺産分割協議案や売買契約案と異なる内容で、財産処分をすることはできません。

権限外行為の許可は、包括的な許可ではないからです。

異なる内容で財産処分をする場合、あらためて許可を得る必要があります。

②許可なしで財産処分はできない

権限外行為の許可がされなかった場合、不在者財産管理人は財産処分行為ができません。

家庭裁判所の許可なしで、財産処分をしても無効です。

たとえ許可がされなくても、不在者財産管理人の落ち度ではありません。

家庭裁判所は、行方不明者の利益を最優先に判断するからです。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

失踪宣告7年の起算点は生存確認できた最後の日

2026-06-10

1失踪宣告で死亡と見なされる

①失踪宣告には条件がある

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

死亡したことが確認できないのに、死亡と見なされます。

失踪宣告には、2種類があります。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)です。

死亡と見なされるという強い効果があります。

失踪宣告が認められるためには、次の条件があります。

(1)行方不明の人が生死不明であること

(2)生死不明のまま一定期間継続していること

②普通失踪は7年で死亡と見なされる

一般的に失踪宣告といった場合、普通失踪を指しています。

生死不明の期間を失踪期間と言います。

普通失踪では、失踪期間が7年必要です。

生死不明のまま7年経過した場合に、自動的に死亡と見なされるわけではありません。

家庭裁判所が失踪宣告したときに、死亡と見なされます。

③普通失踪による法的な死亡日は7年満了した日

普通失踪では、失踪期間が7年必要です。

失踪宣告7年の起算日に、法的な効果はありません。

普通失踪による法的な死亡日は、7年満了した日です。

失踪宣告7年の起算点は、単なる事実認定の日に過ぎません。

起算点は、客観的事実に基づいて家庭裁判所が認定します。

2失踪宣告7年の起算点は生存確認できた最後の日

①起算点があいまいなまま申立ができる

家庭裁判所が失踪宣告をするには、家族などの申立人からの申立てが必要です。

失踪宣告の申立てによって、失踪宣告の手続が開始します。

失踪宣告の申立ては、家庭裁判所が失踪宣告をするきっかけに過ぎません。

普通失踪は、7年で死亡と見なされます。

失踪期間のスタートは、申立人が決めることはできません。

申立人が調査をしても、起算日はあいまいなままであることが多いでしょう。

起算日があいまいなまま、失踪宣告の申立てをすることができます。

失踪宣告7年の起算点は、申立人が決めることはできません。

失踪宣告を受けると、その人が死亡扱いになるという重大な法的効果があるからです。

申立人がするべきことは、家庭裁判所に調査の端緒を提供することです。

最後にあった日を覚えていなくても、失踪宣告の申立てをすることができます。

②家庭裁判所が生存確認できた最後の日を調査する

失踪宣告7年の起算点は、客観的に生存確認できた最後の日です。

失踪宣告の申立てを受付けても、申立人の主張をそのまま採用することはありません。

申立人が提出した書類を精査し、家庭裁判所は公的機関などに対して補充調査をします。

生きていれば当然あるはずの生活反応がないか、慎重に調査します。

例えば、生きていれば次のような外部的記録が見つかるでしょう。

・銀行口座の入出金

・住民票や戸籍の異動

・税金などの申告や納税

・運転免許証の更新

・出入国の記録

公的機関などに対して、家族は調査できないことが多いでしょう。

家庭裁判所は、客観的に生存確認できた日を慎重に確認します。

失踪宣告は、重大な法的効果があるからです。

失踪宣告で死亡と扱うから、客観的事実が重視されます。

家族の記憶や主張などで、人為的に操作できる日を起算点にすることはできません。

たとえ家庭裁判所であっても、起算日を人為的に操作することはできません。

③生存情報があれば取下げ・却下

家庭裁判所は、公的機関などに対して調査をすることができます。

家族などが得ることができない情報が寄せられることがあります。

直近の生存情報が見つかって失踪宣告の条件を満たさなくなった場合、失踪宣告はされません。

④補充調査が終わったら官報公告3か月以上

補充調査で生きていれば当然あるはずの生活反応が見つからない場合、官報公告をします。

公的機関が知らない情報を持つ人がいる可能性があるので、官報公告で情報収集します。

官報公告は、広く社会全体に呼び掛けて情報収集する手段です。

失踪宣告がされると死亡扱いになるから、家庭裁判所は慎重に調査します。

⑤失踪宣告7年の起算点は法的な死亡日ではない

生死不明のまま一定期間継続している場合、失踪宣告がされます。

失踪宣告7年の起算点は、生死不明のまま継続する一定期間のスタートです。

失踪宣告7年の起算点は、法的な死亡日ではありません。

失踪宣告7年の起算点に、直接的な法的効果はありません。

失踪宣告による法的な死亡日は、7年満了した日です。

⑥生存確認できた最後の日が重要な理由

理由(1)生きているのに誤って死亡扱いにしないため

失踪宣告を受けると、死亡と見なされます。

失踪宣告を受けた人を被相続人として、相続が発生します。

非常に重大な法的効果があります。

誤って死亡扱いにすると、重大な人権侵害や財産侵害を引き起こします。

最も安全な生存確認できた最後の日から、失踪期間を起算します。

理由(2)行方不明になった日は主観的だから

行方不明になった日は、不確実です。

実際には行方不明になった後も、生きている可能性があります。

主張する人の主観によって、行方不明になった日は容易に動かせます。

主張する人の恣意によって、死亡とみなす重大な法的効果が発生する危険があります。

生存確認できた最後の日は、客観的に確認することができます。

失踪宣告制度の透明性の確保のため、客観的証拠が重視されます。

客観的証拠によって確認できるから、死亡とみなす合理性を確保することができます。

理由(3)不正な利益誘導を排除するため

失踪宣告を受けると、相続が発生します。

普通失踪による法的な死亡日は、7年満了した日です。

死亡日によっては、代襲相続や数次相続が発生します。

死亡日を恣意的に動かせるとすると、都合よく代襲相続や数次相続を操ることになるでしょう。

不正な利益誘導は、許されません。

不正な利益誘導を排除するため、客観的証拠によって生存確認できた最後の日を認定します。

理由(4)法的安定性の確保

失踪宣告を受けると、第三者にも影響があります。

家庭裁判所が自由に起算点を決めると、同一事案に結論が相違します。

法的安定性を確保するため、客観的証拠によって生存確認できた最後の日を認定します。

理由(5)事後検証を可能にするため

失踪宣告をすれば、終わりではありません。

ときには失踪宣告の要件を満たしていたのか、争いになることがあります。

失踪宣告は、不確実な事実を前提に強制的に死亡とみなす制度です。

争いになったとき、起算点は確実に争点になります。

適切な失踪宣告であることを立証するため、厳格に起算点を認定します。

事後検証を可能にするため、客観的証拠を重視します。

3失踪宣告7年の起算点は相続手続の期限と直接関係しない

①失踪宣告がされたら失踪届で戸籍に反映

失踪宣告は、家庭裁判所の審判です。

家庭裁判所が失踪宣告の審判をした後、審判が確定しても市区町村役場に連絡されることはありません。

失踪宣告の審判が確定した後に、市区町村役場に届出が必要です。

失踪宣告の審判が確定した後に市区町村役場に提出する届出を失踪届と言います。

死亡したときに提出する死亡届とは別の書類です。

失踪届は、多くの市区町村役場でホームページからダウンロードができます。

失踪届が受理されることで、失踪宣告がされたことが戸籍に記載されます。

失踪宣告が記載された戸籍謄本を提出することで、生死不明の人が法的に死亡した取り扱いがされることを証明できます。

②相続放棄の期限3か月の起算点は知ってから

(1)失踪宣告を知ってからスタート

失踪宣告を受けた人は、死亡と見なされます。

普通失踪による法的な死亡日は、生存確認できた最後の日から7年満了した日です。

法的な死亡日から長期間経過した後に、失踪宣告されることが多いでしょう。

被相続人が莫大な借金を抱えていた場合、相続人は相続放棄を希望します。

相続放棄の期限3か月が過ぎてしまっていると、不安になるかもしれません。

相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからです。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

(2)官報公告があっても知ってから

失踪宣告があったら、申立人は審判書で内容を知ることができます。

他の相続人など申立人以外の人に、通知されません。

失踪宣告の審判後に、2回目の官報公告をします。

失踪宣告の審判後に行う官報公告は、失踪宣告確定のお知らせです。

官報公告を見ている人は、ほとんどいないでしょう。

失踪宣告があったことに気づかず、3か月以上経過するかもしれません。

相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからです。

失踪宣告があったことに気づかなければ、3か月はスタートしません。

失踪宣告があったことを知ってから3か月以内に、相続放棄の申立てをすることができます。

③相続登記義務化の期限3年の起算点は知ってから

被相続人が不動産を保有していた場合、相続人が相続します。

令和6年4月1日から相続登記は、3年以内に登記申請をする義務が課されました。

相続登記の期限3年のスタートは、知ってからです。

自己のために相続の開始があったことを知って、かつ、不動産を取得することを知った日から、スタートします。

相続があったことを知るまで、期限3年はスタートしません。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

失踪宣告の申立ては、家庭裁判所に手続が必要になります。

通常ではあまり聞かない手続になると、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

失踪宣告で相続が開始する

2026-06-09

1失踪宣告で死亡と見なされる

①残された家族のため失踪宣告

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

行方不明が長期化した場合、家族が困ります。

家族であっても、行方不明の人の財産を処分することができません。

行方不明者の配偶者は、再婚することができません。

残された家族のために、行方不明者を死亡したものと扱う制度が失踪宣告の制度です。

②普通失踪と特別失踪(危難失踪)のちがい

失踪宣告には、2種類あります。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)です。

一般的に失踪宣告といった場合、普通失踪を指しています。

特別失踪(危難失踪)とは、「戦地に行った者」「沈没した船舶に乗っていた者」「その他死亡の原因となる災難に遭遇した者」などを対象にする失踪宣告です。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)で、失踪期間が異なります。

失踪期間とは、生死不明の期間です。

普通失踪の失踪期間は、7年です。

生死不明のまま7年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。

特別失踪(危難失踪) の失踪期間は、1年です。

生死不明のまま1年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。

③失踪宣告による法的な死亡日

(1)普通失踪は7年満了の日

普通失踪では、生死不明になってから7年間経過したときに死亡と見なされます。

普通失踪による法的な死亡日は、生死不明になってから7年満了した日です。

(2)特別失踪(危難失踪)は危難の去った日

特別失踪(危難失踪)では、危難の去った日に死亡と見なされます。

特別失踪(危難失踪) の失踪期間は、1年です。

生死不明になってから1年満了した日に、死亡と見なされるわけではありません。

特別失踪(危難失踪) による法的な死亡日は、危難の去った日です。

(3)失踪宣告の申立日は法的な死亡日ではない

失踪宣告を受けるためには、失踪宣告の申立てが必要です。

失踪宣告の申立てをした日は、法的な死亡日と無関係です。

(4)失踪宣告の審判が確定した日は法的な死亡日ではない

失踪宣告の条件を満たしている場合、家庭裁判所は失踪宣告の審判をします。

多くの場合、失踪期間を大幅に超えてから失踪宣告の申立てをします。

失踪宣告の審判があった日も失踪宣告の審判が確定した日も、法的な死亡日ではありません。

2失踪宣告で相続が開始する

①死亡と見なされるから相続発生

失踪宣告は、行方不明の人を死亡扱いにする手続です。

失踪宣告を受けたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

失踪宣告を受けた人は死亡扱いがされるから、失踪宣告を受けた人に相続が開始します。

②相続開始日は死亡と見なされる日

失踪宣告を受けると、死亡と見なされます。

失踪宣告による法的な死亡日は、死亡と見なされる日です。

普通失踪による法的な死亡日は、生死不明になってから7年満了した日です。

特別失踪(危難失踪) による法的な死亡日は、危難の去った日です。

相続手続の基準になるのが、死亡と見なされる日です。

③死亡と見なされる日で相続人を確認

失踪宣告の申立てをしてから、裁判所が失踪宣告をするまで長期間かかります。

相続手続の基準は、死亡と見なされる日です。

死亡と見なされる日に、相続が発生するからです。

被相続人の法的な死亡日は、死亡と見なされる日です。

死亡と見なされる日を基準にして、相続人を確認します。

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

相続が発生したときに元気だった相続人が後に死亡した場合、数次相続が発生します。

数次相続は、相続人の地位が相続されます。

失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要です。

代襲相続も数次相続も、相続が複雑になります。

相続人を間違えると、相続手続がすべてやり直しになります。

④相続人全員の協力で相続手続を進める

(1)相続登記ができる

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。

失踪宣告を受けた人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。

失踪宣告を受けると、死亡の扱いを受けるからです。

相続登記には、3年の期限が決められました。

相続登記の義務を怠ると、ペナルティーの対象になります。

(2)預貯金の相続手続ができる

相続が発生すると、預貯金は相続人が相続します。

失踪宣告を受けた人の預貯金は、相続人が相続します。

失踪宣告で死亡扱いがされるから、相続手続を進めることができます。

(3)生命保険の死亡保険金を受け取れる

行方不明者に生命保険がかけてある場合、死亡保険金を請求することができます。

死亡保険金を請求する場合、多くの保険会社で失踪宣告の審判書と確定証明書が必要です。

失踪宣告の審判書を見ないと、災害特約などに該当しているか分からないからです。

(4)住宅ローンは団体信用生命保険で完済

団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済に特化した生命保険です。

住宅ローンの債務者が死亡したとき、保険金で住宅ローンが完済になります。

民間の金融機関で住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険の加入が条件になっているのがほとんどです。

住宅ローンの債務者が失踪宣告を受けた場合、保険金で住宅ローンが完済になります。

失踪宣告は、死亡と見なす制度だからです。

(5)失踪宣告で借金を引き継ぐ

借金を抱えたまま、債務者が行方不明になることがあります。

長期間生死不明のまま、失踪宣告を受けることがあります。

行方不明者の借金は、相続財産です。

行方不明者の相続人が借金を相続します。

(6)相続放棄ができる

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

長期間生死不明であっても、失踪宣告がされるまでは生きている扱いです。

被相続人の生前は、相続放棄をすることはできません。

失踪宣告を受けた後、相続人は相続放棄をすることができます。

相続放棄には、3か月の期限があります。

相続があったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

(7)相続税申告が必要になる

失踪宣告を受けた人の財産規模が一定以上である場合、相続税申告が必要になります。

⑤失踪宣告による相続手続でも手続方法は変わらない

(1)相続人全員の協力が必要

失踪宣告を受けた人は死亡扱いがされるから、相続が開始します。

相続手続は、相続人全員の協力で進めます。

相続人全員の協力がないと相続手続が進められないのは、通常の相続と同様です。

失踪宣告による相続は、相続人が複雑になりがちです。

慎重に確認して、相続人全員の協力を得ます。

通常の相続も失踪宣告による相続も、相続人全員の協力が必要です。

(2)必要書類は同じ

相続手続では、たくさんの書類を準備する必要があります。

通常の相続と失踪宣告による相続で、必要書類にちがいはありません。

失踪宣告による相続であることを理由として、特別な書類を準備する必要はありません。

(3)手続方法は全部同じ

失踪宣告による相続手続でも、手続方法にちがいはありません。

通常の相続も失踪宣告による相続も、同じ手続き方法です。

(4)ちがいは戸籍の記載内容だけ

通常の相続手続をする場合、戸籍に死亡が記載されている必要があります。

失踪宣告による相続手続をする場合、戸籍に失踪宣告が記載されている必要があります。

戸籍に失踪宣告が記載されていないと、相続手続を進められなくなります。

通常の相続と失踪宣告による相続のちがいは、戸籍の記載内容だけです。

3失踪宣告後は死亡届でなく失踪届

①失踪届提出で戸籍に記載される

失踪宣告は、家庭裁判所の審判です。

家庭裁判所が失踪宣告の審判をした後、審判が確定しても市区町村役場に連絡されることはありません。

失踪宣告の審判が確定した後に、失踪宣告の申立人は市区町村役場に届出が必要です。

失踪届とは、失踪宣告の審判が確定した後に市区町村役場に提出する届出です。

失踪届には、失踪宣告の審判書と確定証明書を添付します。

失踪届が受理されることで、失踪宣告がされたことが戸籍に記載されます。

失踪宣告が記載された戸籍謄本を提出することで、生死不明の人が法的に死亡した取り扱いがされることを証明できます。

戸籍には次のように記載されます。

【死亡とみなされる日】令和〇年〇月〇日

【失踪宣告の裁判確定日】令和〇年〇月〇日

【届出日】令和〇年〇月〇日

【届出人】親族 ○○○○

②失踪届は行方不明者届(捜索願)とは別物

失踪届は、失踪宣告の審判が確定した後に市区町村役場に提出する届出です。

市区町村役場は、失踪届を受理したら失踪宣告がされたことを戸籍に記載します。

失踪届を出しても、市区町村役場が生死不明の人を探してくれることはありません。

失踪届は、死亡と扱ってもらうための届出だからです。

生死不明の人を探してもらいたい場合、警察へ行方不明者届を提出します。

行方不明者届は、以前は捜索願と呼んでいました。

失踪届と行方不明者届(捜索願)は、まったく別の届出です。

4帰って来たら失踪宣告は取消

①生存が判明しても自動で失踪宣告は取消されない

長期間行方不明であっても、新天地で元気に生きていることがあります。

失踪宣告がされても、本人は何も困らず元気に生きているかもしれません。

何らかの手続のために戸籍謄本などを取得すると、失踪宣告がされていることに気が付きます。

失踪宣告がされた人の生存が判明しても、自動で失踪宣告は取消されません。

失踪宣告がされた人の生存が判明したら、家庭裁判所に対して失踪宣告取消の申立てをします。

失踪宣告が取消されると、死亡扱いもなくなります。

②失踪宣告取消で財産は返還

失踪宣告によって財産を受け取った人は、失踪宣告の取消で財産を返還する必要があります。

例えば、次の財産を受け取った場合、返還が必要です。

・生命保険の死亡保険金

・相続財産

・遺族年金

財産を受け取った人が行方不明の人が生きていることを知っていても知らなくても、返還義務があります。

返還する財産は、現に利益を受けている限度と考えられています。

現に利益を受けている限度とは、返還時点でその者の財産状態の中に残っている利得です。

例えば、受け取った財産を生活費として費消したら、生活費相当額の利益を受けていると言えます。

生活費相当額を返還する必要があります。

5生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

失踪宣告で死亡と見なされる

2026-06-09

1失踪宣告で死亡と見なされる

①残された家族のため失踪宣告

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

行方不明が長期化した場合、家族が困ります。

家族であっても、行方不明の人の財産を処分することができません。

行方不明者の配偶者は、再婚することができません。

残された家族のために、行方不明者を死亡したものと扱う制度が失踪宣告の制度です。

②失踪宣告の要件は長期間生死不明と申立て

長期間行方不明であっても、自動で失踪宣告がされることはありません。

失踪宣告は、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

役所や家庭裁判所が勝手に失踪宣告することはありません。

死亡したことが確認できないのに、死亡と見なされる重大な効果があるからです。

失踪宣告が認められるためには、次の条件があります。

(1)行方不明の人が生死不明であること

(2)生死不明のまま一定期間継続していること

家族などの利害関係人が失踪宣告の申立てをして、上記条件を満たしたとき失踪宣告がされます。

失踪宣告の要件は、長期間生死不明と失踪宣告の申立てです。

③普通失踪と特別失踪(危難失踪)のちがい

失踪宣告には、2種類あります。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)です。

一般的に失踪宣告といった場合、普通失踪を指しています。

特別失踪(危難失踪)とは、「戦地に行った者」「沈没した船舶に乗っていた者」「その他死亡の原因となる災難に遭遇した者」などを対象にする失踪宣告です。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)で、失踪期間が異なります。

失踪期間とは、生死不明の期間です。

普通失踪の失踪期間は、7年です。

生死不明のまま7年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。

特別失踪(危難失踪) の失踪期間は、1年です。

生死不明のまま1年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。

④失踪宣告による法的な死亡日

(1)失踪宣告の申立日は法的な死亡日ではない

失踪宣告を受けるためには、失踪宣告の申立てが必要です。

失踪宣告の申立てをした日は、法的な死亡日と無関係です。

(2)普通失踪は7年満了の日

普通失踪では、生死不明になってから7年間経過したときに死亡と見なされます。

普通失踪による法的な死亡日は、生死不明になってから7年満了した日です。

(3)特別失踪(危難失踪)は危難の去った日

特別失踪(危難失踪)では、危難の去った日に死亡と見なされます。

特別失踪(危難失踪) の失踪期間は、1年です。

生死不明になってから1年満了した日に、死亡と見なされるわけではありません。

特別失踪(危難失踪) による法的な死亡日は、危難の去った日です。

(4)失踪宣告の審判が確定した日は法的な死亡日ではない

失踪宣告の条件を満たしている場合、家庭裁判所は失踪宣告の審判をします。

多くの場合、失踪期間を大幅に超えてから失踪宣告の申立てをします。

失踪宣告の審判があった日も失踪宣告の審判が確定した日も、法的な死亡日ではありません。

⑤失踪宣告で相続が開始する

(1)失踪宣告による相続は相続人確認が重要

失踪宣告を受けると、死亡と見なされます。

死亡と見なされる日に、相続が発生します。

死亡と見なされる日を基準に、相続人を確認します。

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

相続が発生したときに元気だった相続人が後に死亡した場合、数次相続が発生します。

失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要です。

代襲相続も数次相続も、相続が複雑になる代表例です。

(2)相続登記ができる

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。

失踪宣告を受けた人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。

失踪宣告を受けると、死亡の扱いを受けるからです。

相続登記には、相続人であることを知ってから3年の期限が決められました。

相続登記の義務を怠ると、ペナルティーの対象になります。

(3)預貯金の相続手続ができる

相続が発生すると、預貯金は相続人が相続します。

失踪宣告を受けた人の預貯金は、相続人が相続します。

失踪宣告で死亡扱いがされるから、相続手続を進めることができます。

(4)生命保険の死亡保険金を受け取れる

行方不明者に生命保険がかけてある場合、死亡保険金を請求することができます。

死亡保険金を請求する場合、多くの保険会社で失踪宣告の審判書と確定証明書が必要です。

失踪宣告の審判書を見ないと、災害特約などに該当しているか分からないからです。

(5)相続放棄ができる

相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄には、3か月の期限があります。

相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからです。

死亡と見なされる日から長期間経過していても相続があったことを知ってから3か月以内なら、相続放棄をすることができます。

⑥失踪宣告で行方不明の配偶者と婚姻解消

失踪宣告を受けると、行方不明の配偶者は死亡と見なされます。

行方不明の配偶者との婚姻関係が終了します

失踪宣告がされると、配偶者は再婚をすることができます。

⑦帰ってきたら失踪宣告の取消

(1)生存が判明しても自動で失踪宣告は取消されない

長期間行方不明であっても、新天地で元気に生きていることがあります。

失踪宣告がされても、本人は何も困らず元気に生きているかもしれません。

何らかの手続のために戸籍謄本などを取得すると、失踪宣告がされていることに気が付きます。

失踪宣告がされた人の生存が判明しても、自動で失踪宣告は取消されません。

失踪宣告がされた人の生存が判明したら、家庭裁判所に対して失踪宣告取消の申立てをします。

失踪宣告が取消されると、死亡扱いもなくなります。

(2)失踪宣告取消で財産は返還

失踪宣告によって財産を受け取った人は、失踪宣告の取消で財産を返還する必要があります。

例えば、次の財産を受け取った場合、返還が必要です。

・生命保険の死亡保険金

・相続財産

・遺族年金

財産を受け取った人が行方不明の人が生きていることを知っていても知らなくても、返還義務があります。

返還する財産は、現に利益を受けている限度と考えられています。

現に利益を受けている限度とは、返還時点でその者の財産状態の中に残っている利得です。

例えば、受け取った財産を生活費として費消したら、生活費相当額の利益を受けていると言えます。

生活費相当額を返還する必要があります。

(3)第三者に渡った財産は取り返せない

財産を受け取った人は、自分の財産を処分することができます。

例えば、不動産を相続したら、第三者に売却することがあるでしょう。

財産を受け取った人と第三者の両方とも、行方不明者が生きていることは知らないでしょう。

失踪宣告取消前に第三者に売却した不動産は、取り返せません。

取消前に善意でなされた法律行為は、失踪宣告取消の影響を受けないからです。

失踪宣告の取消を受けた人は、相続人に対して現に利益を受けている限度で返還請求をすることができます。

(4)配偶者の再婚は有効のまま

失踪宣告が取消されたら、婚姻関係は復活します。

失踪宣告を受けた後、残された配偶者は再婚することができます。

再婚した後に、行方不明者が帰ってくることがあります。

行方不明者が帰ってきた場合、再婚は有効のままです。

行方不明者との婚姻関係は、復活しません。

再婚した人の生活の安定を保護するためです。

2失踪宣告後は死亡届でなく失踪届

①失踪届提出で戸籍に記載される

失踪宣告は、家庭裁判所の審判です。

家庭裁判所が失踪宣告の審判をした後、審判が確定しても市区町村役場に連絡されることはありません。

失踪宣告の審判が確定した後に、失踪宣告の申立人は市区町村役場に届出が必要です。

失踪届とは、失踪宣告の審判が確定した後に市区町村役場に提出する届出です。

失踪届には、失踪宣告の審判書と確定証明書を添付します。

失踪届が受理されることで、失踪宣告がされたことが戸籍に記載されます。

失踪宣告が記載された戸籍謄本を提出することで、生死不明の人が法的に死亡した取り扱いがされることを証明できます。

戸籍には次のように記載されます。

【死亡とみなされる日】令和〇年〇月〇日

【失踪宣告の裁判確定日】令和〇年〇月〇日

【届出日】令和〇年〇月〇日

【届出人】親族 ○○○○

②失踪届は行方不明者届(捜索願)とは別物

失踪届は、失踪宣告の審判が確定した後に市区町村役場に提出する届出です。

市区町村役場は、失踪届を受理したら失踪宣告がされたことを戸籍に記載します。

失踪届を出しても、市区町村役場が生死不明の人を探してくれることはありません。

失踪届は、死亡と扱ってもらうための届出だからです。

生死不明の人を探してもらいたい場合、警察へ行方不明者届を提出します。

行方不明者届は、以前は捜索願と呼んでいました。

失踪届と行方不明者届(捜索願)は、まったく別の届出です。

3失踪宣告がされるまで時間がかかる

手順①失踪の事実が発生

長期間、生死不明の状態が続きます。

失踪期間は、次のとおりです。

・普通失踪 7年以上

・特別失踪(危難失踪) 1年以上

手順②失踪宣告の申立て

家族など利害関係人が失踪宣告の申立てを提出します。

失踪宣告の申立日は、法的な死亡日ではありません。

法的な死亡日は、利害関係人などが自由に決めることはできないからです。

手順③家庭裁判所の審査

家庭裁判所は、公的機関などに対して生存の痕跡がないか慎重に調査します。

手順④官報公告

生存の痕跡がない場合、家庭裁判所が官報に公告を出します。

官報公告は、家庭裁判所からの呼びかけです。

官報による公告を出した日は、法的な死亡日ではありません。

官報公告が満了した日は、法的な死亡日ではありません。

手順⑤失踪宣告の審判

官報公告をしても生存情報がない場合、失踪宣告の審判がされます。

失踪宣告の審判によって、民法が定めた日に死亡と見なされます。

死亡と見なされる日は、次のとおりです。

・普通失踪 7年満了した日

・特別失踪(危難失踪) 危難が去った日

手順⑥失踪届の提出

市区町村役場に、失踪届を提出します。

失踪届提出には、失踪宣告の審判書と確定証明書が必要です。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

失踪宣告の申立ては、家庭裁判所に手続が必要になります。

通常ではあまり聞かない手続になると、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

再婚後の相続で直面する制度の現実

2026-06-07

1再婚後の相続で相続人の範囲に直面する

①相続人は心理的な家族観とは無関係な現実

被相続人に再婚歴がある場合、相続トラブルになりがちです。

被相続人の配偶者は、必ず相続人になります。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

相続人になる人は、法律で決められています。

相続人の範囲は、家族の認識で決まるものではありません。

再婚配偶者にとって、前婚の子どもは家族の認識が持てないでしょう。

前婚の子どもにとって、再婚配偶者は家族の認識が持てないでしょう。

当事者の心理的な家族観とは無関係に、相続で相続人の範囲に直面します。

②配偶者と子どもは両方とも大切な家族

被相続人が再婚した場合、配偶者は大切な家族です。

前婚に子どもがいる場合、前婚の子どもは大切な家族です。

被相続人にとって、配偶者も子どもも同じ家族です。

大切な家族と思っているから、分かってくれるはずと思っています。

配偶者と前婚の子どもに、血縁関係はありません。

もちろん被相続人の生前は、日常生活が成り立っているでしょう。

問題のタネはあっても、あいまいに日常生活を続けることができます。

あいまいな平穏は、相続が発生していないから成り立っているだけです。

生前はトラブル回避を優先していても、相続で相続人の範囲に直面します。

③配偶者の連れ子は相続人にならない

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

被相続人の配偶者に、連れ子がいることがあります。

配偶者の連れ子は、被相続人の子どもではありません。

被相続人が再婚しても、配偶者の子どもは被相続人の子どもになりません。

配偶者の連れ子は、相続人ではありません。

配偶者の連れ子は、配偶者にとって家族です。

配偶者にとって家族なのに、相続人になれないことを不合理に感じがちです。

当事者の心理的な家族観とは無関係に、相続人は決められています。

④養子縁組で親子になる

養子縁組とは、血縁関係による親子関係の他に、法律上の親子関係を作る制度です。

養子縁組をすると、養親と養子は親子になります。

養子は養親の子どもだから、養親に相続が発生したら相続人になります。

被相続人が生前に配偶者の連れ子と養子縁組をすることがあります。

被相続人が配偶者の連れ子と養子縁組をした場合、配偶者の連れ子は被相続人の子どもです。

被相続人の子どもだから、被相続人に相続が発生したら相続人になります。

前婚の子どもにとって、被相続人の養子は家族の認識が持てないでしょう。

当事者の心理的な家族観とは無関係に、相続で相続人の範囲に直面します。

2再婚後の相続で遺産分割協議の現実に直面する

①遺産分割協議成立には相続人全員の合意が必要

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。

一部の相続人を含めずに合意しても、遺産分割協議は成立しません。

②家族の認識を持てなくても協力が必要

再婚後の相続では、次の人が登場します。

・配偶者

・前婚の子ども

・再婚相手との子ども

・再婚相手の連れ子

それぞれの人に、それぞれの思惑があります。

法律上の立場が異なる人が混在し、利害が衝突します。

各当事者によって家族の範囲は、異なります。

遺産分割協議には相続人全員の合意が必要だから、相続人全員の協力が必要です。

たとえ家族の認識を持てなくても、相続人全員の協力なしに手続を進めることができません。

家族の認識を持てなくても、遺産分割協議成立のため協力が必要になる現実に直面します。

③相続財産が一覧化される

相続手続にあたって、相続財産が一覧化されます。

再婚した人は、夫婦で財産情報を共有するでしょう。

親子で財産情報を共有することはあまりありません。

配偶者は財産情報を知っているのに、前婚の子どもは何も知らされていないことになります。

相続が発生すると、相続財産が可視化されます。

前婚の子どもがイメージした財産状況と大きく異なると、不信感を募らせます。

財産が取られた奪われたなど認識が発生します。

相続財産が一覧化されると、相続人間に不信感が発生する現実に直面します。

④遺産分割協議では家族の貢献が評価対象になる

遺産分割協議では、被相続人に対する家族の貢献が議題に上ります。

生前の関係性の不均衡が法的な主張として可視化されます。

再婚した人が日常生活に不自由すると、同居する配偶者が介護などを担うでしょう。

前婚の子どもは、介護などに関与しないことがあります。

介護などに関与しなくても、相続人として主張するでしょう。

介護の不公平が遺産分割の場面で、強い対立を生みます。

家族の貢献が評価対象になるから、強い対立が発生する現実に直面します。

⑤自宅の分け方で利害が衝突する

相続財産の大部分が自宅である場合、遺産分割協議は難航しがちです。

自宅は、分けにくい財産の代表例だからです。

配偶者にとって、自宅は住む場所であり生活基盤です。

自宅を失うことは、住む場所を失うことに直結します。

前婚の子どもにとって、自宅は最大の財産的価値です。

自宅を失うことは、相続で財産を失うことに直結します。

配偶者が自宅を取得したいのなら、前婚の子どもに代償金を払う必要があるでしょう。

前婚の子どもが自宅を取得したいのなら、配偶者に代償金を払う必要があるでしょう。

どちらも代償金を準備できないなら、自宅を売却することが選択肢になります。

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。

自宅の分け方で利害が衝突するから、遺産分割協議が成立させられない現実に直面します。

⑥配偶者が取得した財産は配偶者の財産

被相続人にとって、配偶者も子どもも同じ家族です。

配偶者と前婚の子どもに、血縁関係はありません。

自宅を配偶者が取得した後は、自宅は配偶者の財産です。

配偶者が死亡した後は、配偶者の連れ子などの血縁関係者が相続します。

配偶者と前婚の子どもに血縁関係はないから、前婚の子どもは相続人になりません。

もともと被相続人の財産であっても、前婚の子どもが相続することはできません。

配偶者が死亡した後のことを考えると、配偶者が自宅を取得することに同意できなくなります。

⑦遺言書で遺贈は現実的ではない

遺言書で遺贈をする約束をすることを条件として、自宅を配偶者が取得することが考えられます。

遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

配偶者が遺言書を作成して、前婚の子どもに自宅を遺贈することができます。

前婚の子どもは相続人になることはできなくても、遺贈を受けることができます。

遺贈を条件にして、自宅を配偶者が取得する案は現実的ではありません。

いったん遺言書を作成しても、遺言書は書き直しができるからです。

前婚の子どもに遺贈すると遺言書を作成しても、いつでも書き直しができます。

前婚の子どもに遺贈すると遺言書を作成しても、前婚の子どもの同意なく書き直しができます。

書き直しをしない約束に、効力はありません。

書き直しをしない約束を無視して、書き直しができます。

遺言書は、遺言者の意思が重視されるからです。

遺言書で遺贈をする約束をして自宅の取得を希望するのは、現実的ではありません。

3遺言書作成で現実に直面することを回避できる

①遺言書があれば遺言書どおりに遺産分割ができる

(1)遺言書で遺産分割の方法を指定できる

遺言書を作成して、財産をだれに引き継ぐか決めておくことができます。

遺言書があれば、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。

遺産分割協議で財産の分け方を決める必要がなくなります。

(2)遺言書を作成するだけで遺留分を奪うことはできない

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人に、認められます。

遺言書を作成して、自分の財産をだれに受け継がせるかは自由に決めることができます。

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺留分には、相続人の生活保障の意味があるからです。

相続人の生活保障なのに、一方的に奪うことは許されません。

(3)遺留分侵害額請求を認めない遺言書に効力はない

遺言書で遺留分侵害額請求を認めないと書くことがあります。

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺言書には、法律上意味がないことを書くことができます。

遺留分侵害額請求を認めないと書いてある場合、法律上の意味がない条項と考えられます。

遺留分侵害額請求を認めないと書いてあっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

(4)配偶者居住権は万能ではない

配偶者居住権とは、被相続人が死亡した後も配偶者が自宅に住み続けられるようにするための権利です。

配偶者居住権を設定したうえで、自宅は前婚の子どもに相続させることができます。

配偶者居住権を設定すると、自宅を相続しなくても配偶者は自宅に住み続けることができます。

配偶者居住権は、万能ではありません。

配偶者は、配偶者居住権を第三者に譲渡することができません。

前婚の子どもは、配偶者居住権の負担がある自宅を第三者に譲渡することができません。

配偶者居住権を設定すると、配偶者と前婚の子ども両方に大きな制約を負わせることになります。

②遺言書で遺言執行者を指名

遺言書は、作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者がいると、遺言者にとって有益です。

遺言書の内容を確実に実現してくれるからです。

遺言執行者がいると、相続人にとって有益です。

手間と時間がかかる相続手続をおまかせできるからです。

③安全確実な公正証書遺言で作成

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言とは、遺言者が自分で書いて作る遺言書です。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

公証人は、法律の専門家です。

法律の専門家が関与するから、書き方ルールの違反などで無効になることがほとんどありません。

自筆証書遺言は、不備があることに気が付けません。

費用をかけてでも、安全確実な公正証書遺言で作成がおすすめです。

公正証書遺言の費用は、遺言書の安全を確保する対価だからです。

遺言書が無効になると、家族が現実に直面します。

4生前対策を司法書士に依頼するメリット

生前対策=相続「税」対策の誤解から、生前対策はする方はあまり多くありません。

争族対策として有効な遺言書ですら、死亡者全体からみると10%未満です。

対策しないまま認知症になると、家族に大きな面倒をかけることになります。

認知症になってからでは遅いのです。

元気なうちに、準備する必要があります。

大切な家族に面倒をかけないために生前対策をしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

不在者財産管理人選任の申立ての方法

2026-05-27

1不在者財産管理人が行方不明者の財産管理をする

①不在者財産管理人制度は生きている扱いが続く

不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。

不在者財産管理人制度を利用しても、行方不明者は生きている扱いのままです。

死亡扱いにしなくて済むから、家族の心理的抵抗が少なく済みます。

②不在者財産管理人は不利益な財産管理はできない

不在者財産管理人は、行方不明者のために財産管理をする人です。

行方不明者のためにとは、行方不明者に不利益な財産管理ができないという意味です。

不在者財産管理人は、家族の希望通りに財産を動かすことができません。

不在者財産管理人には、善管注意義務があるからです。

不在者財産管理人は、家族の代理人ではありません。

たとえ家族が望んでも、行方不明者に不利益な財産管理は許されません。

たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、不利益な不利益な財産管理はできません。

不在者財産管理人は、公的な立場だからです。

不在者財産管理人は、適切な財産管理を行っているか家庭裁判所の監督を受けます。

2不在者財産管理人選任の申立ての方法

①不在者財産管理人選任の申立ての条件

条件(1)行方不明であること

不在者財産管理人選任の申立ての対象になるのは、行方不明者です。

行方不明者とは、従来の住所や居所を去り、容易に戻る見込みがない人です。

客観的に、帰ってくる見込みが分からないことが重要です。

具体的には、次の人について不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。

・家を出たまま数年単位で消息不明

・住民票上の住所があるが居住実態がない、連絡が取れない

・連絡不能で所在が全く分からない

・海外に転出後、所在不明で連絡が取れない

・住民票が職権消除されている

単に連絡を拒否しているだけの人に、不在者財産管理人選任の申立てをすることはできません。

条件(2)財産管理人が置かれていないこと

不在者財産管理人制度は、財産管理をする人がいないときの補充制度です。

行方不明者に財産管理人がいる場合、不在者財産管理人制度を利用する必要はありません。

行方不明者に任意後見人がいる場合、任意後見人が財産管理をしているはずです。

行方不明者に成年後見人がいる場合、成年後見人が財産管理をしているはずです。

行方不明者に任意財産管理人がいる場合、任意財産管理人が財産管理をしているはずです。

財産管理をする人がいる場合、不在者財産管理人選任の申立てをすることはできません。

②不在者財産管理人選任の申立てをする典型的ケース

・遺産分割協議ができない

・預貯金の口座凍結解除ができない

・不動産の売却ができない

・不動産の管理費や維持費がかさむ

③申立てができる人は利害関係人のみ

(1)遺産分割協議のために他の相続人が申立て

相続人に行方不明者がいると、遺産分割協議を成立させることができなくなります。

遺産分割協議を成立させるため、他の相続人は不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。

(2)不動産売却で家族が申立て

行方不明者の推定相続人は、法律上の利害関係があると考えられます。

推定相続人とは、将来行方不明者が死亡したときに相続人になる予定の人です。

推定相続人によって、行方不明者の財産は将来相続する予定の財産です。

行方不明者の財産が減少すると、将来相続する予定の財産が減少すると言えます。

(3)共有物の処分のため他の共有者が申立て

一部の共有者が行方不明になると、共有物を処分することができなくなります。

共有物の処分には、共有者全員の合意が必要だからです。

(4)債権債務の実現のため債権者と債務者

行方不明者が財産を残したまま、返済を滞らせていることがあります。

債権者は債権の実現のため、不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。

返済を受けないまま行方不明になり、債務者が返済できないことがあります。

債務者は正当な弁済をすることで、債務から解放されることができます。

家族以外であっても利害関係人であれば、不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。

④申立先

不在者財産管理人選任の申立先は、行方不明者の住所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで調べることができます。

⑤費用

(1)手数料

手数料は、800円です。

申立書に収入印紙800円分を貼り付けて、納入します。

(2)連絡用郵便切手

裁判所が手続で使う郵便切手を予納します。

裁判所によって予納する郵便切手の額面や枚数が決められています。

例えば、名古屋家庭裁判所では、次のとおりです。

・350円 5枚

・110円 20枚

・10円 20枚

合計 3050円

(3)予納金

行方不明者の財産管理に必要な費用は、行方不明者の財産から支出されます。

行方不明者の財産内容によっては、費用に不足が出ることが考えられます。

予納金とは、不在者財産管理人が円滑に事務を行うように納付する金銭です。

申立後に、家庭裁判所から予納金を納付するように指示されます。

事案によっては、100万円程度になります。

不在者財産管理人の任務が終了した時点で余りがあれば、返還されます。

⑥申立てに必要な書類

(1)不在者財産管理人選任の申立書

不在者財産管理人選任の申立書は、家庭裁判所のホームページからダウンロードすることができます。

司法書士などの専門家に依頼する場合、専門家が準備します。

(2)行方不明者の戸籍謄本

行方不明者の実在を証明するために、提出します。

行方不明者の本籍地の市区町村役場で、取得します。

配偶者や直系血族は、戸籍謄本の広域交付を利用することができます。

(3)行方不明者の住民票または戸籍の附票

最後の住所の特定するために、提出します。

従来の住所を去った事実の基礎資料です。

住民票は、住民票を置く市区町村役場で取得します。

戸籍の附票は、本籍地の市区町村役場で取得します。

(4)不在者財産管理人候補者の住民票

不在者財産管理人選任の申立てにおいて、不在者財産管理人の候補者を立てることができます。

不在者財産管理人の候補者を立てても、家庭裁判所は自由に不在者財産管理人を選任することができます。

候補者を選任することも、候補者以外の専門家を選任することもできます。

不在者財産管理人の候補者の実在を証明するために、提出します。

(5)不在の事実を証する資料

●行方不明者の調査報告書

申立人の主張だけでは、不在者財産管理人を選任してもらえません。

行方不明者の調査報告書を作成して、提出します。

具体的には、次の事項を詳細に記述します。

・最後に連絡が取れた時期

・家族や友人知人に照会した結果

・郵便の返送状況

・電話やメールの状況

・警察などに相談した内容

客観的に調査を尽くしても、所在不明であることが重要です。

いつから不明か、どのような経緯で不明かを具体的に裏付けします。

●行方不明者届受理証明書

行方不明者届とは、捜索願の新しい名称です。

警察に行方不明者届を提出していた場合、受理証明書を発行してもらうことができます。

警察に行方不明者届を提出しても、警察署によっては受理証明書を発行しないことがあります。

受理証明書の発行を拒否されたことを家庭裁判所に報告します。

●職権消除された住民票または戸籍の附票

職権消除とは、その住所に居住していない場合に市区町村が本人申請なしで住民票を削除する手続です。

職権消除は、行政記録を正確に保つための措置です。

市区町村が実地調査などして、行方不明であると確認したときに職権消除をします。

職権消除された住民票は、市区町村が行方不明を確認した証明書と言えます。

●「あて所に尋ねあたりません」「転居先不明」の手紙

行方不明者に手紙を送っても、郵便は返戻されます。

差し出した郵便物に「あて所に尋ねあたりません」「転居先不明」とスタンプが押されます。

差出人に戻ってきた郵便物は、郵便局が行方不明を確認した証明書と言えます。

(6)行方不明者の財産に関する資料

●固定資産税課税明細書

不動産を持っていると、固定資産税が課されます。

課税明細書を確認すると、次のことが分ります。

・不動産の所有者

・固定資産税が課される不動産

・固定資産税評価額

不在者財産管理人が管理すべき財産が分かります。

●預貯金の通帳

金融資産が存在することを証明するため、提出します。

通帳の表紙と2ページ目、残高のページのコピーを提出します。

(7)利害関係を証する資料

●共同相続人が申し立てるケース

相続関係が分かる戸籍謄本を提出します。

●推定相続人が申し立てるケース

相続関係が分かる戸籍謄本を提出します。

●共有者が申し立てるケース

共有者であることが分る登記簿謄本を提出します。

●債権者や債務者が申し立てるケース

賃貸借契約書や金銭消費貸借契約書など、債権が分かる書類を提出します。

⑦申立てから選任されるまでの期間

不在者財産管理人選任の申立てを受付けたら、家庭裁判所で調査があります。

家庭裁判所が行方不明であることを認めたとき、不在者財産管理人が選任されます。

申立てから選任されるまでの期間は、半年程度かかります。

⑧不在者財産管理人が権限外行為の許可の申立て

不在者財産管理人の権限は、行方不明者の財産を保存管理する権限のみです。

遺産分割協議や不動産の売却は、保存管理する権限外です。

遺産分割協議や不動産の売却は、処分行為だからです。

不在者財産管理人が遺産分割協議や不動産の売却をする場合、あらためて家庭裁判所の許可が必要です。

たとえ家族が望んでも、行方不明者の相続分が確保されない遺産分割協議は許可されません。

行方不明者の相続分が確保されない遺産分割協議は、不利益な財産処分だからです。

⑨不在者財産管理人の任務は継続

遺産分割協議や不動産の売却が終了しても、不在者財産管理人の任務は継続します。

不在者財産管理人は、行方不明者の財産管理をする人だからです。

遺産分割協議や不動産の売却で取得した財産は、不在者財産管理人が管理します。

相続した財産や売却代金は、家族に渡されません。

たとえ家族が望んでも、家族に渡すと職務怠慢と評価されます。

⑩不在者財産管理人選任の流れ

手順(1)必要書類の準備

不在者財産管理人選任の申立てでは、たくさんの書類が必要になります。

手順(2)不在者財産管理人選任の申立て

不在者財産管理人選任の申立書と必要書類を取りまとめて、家庭裁判所に提出します。

窓口に出向いても、郵送でも提出することができます。

手順(3)家庭裁判所で審理

不在者財産管理人選任の申立書を受付けたら、家庭裁判所で審査します。

家庭裁判所の審査は、提出された書類の審査です。

提出書類に不足や不備がある場合、申立人に連絡があります。

その都度、速やかに対応すれば問題ありません。

手順(4)不在者財産管理人選任の審判

不在者財産管理人選任の申立てから半年ほどで、審判があります。

3失踪宣告と不在者財産管理人制度は目的がちがう

不在者財産管理人制度を利用しても、行方不明者は生きている扱いのままです。

失踪宣告は、行方不明者を死亡扱いにする手続です。

失踪宣告と不在者財産管理人制度は、目的がちがいます。

不在者財産管理人制度は、失踪宣告の代替手段ではありません。

失踪宣告の代替手段にしようとすると、家族の期待がデメリットになります。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

不在者財産管理人の終了事由は家庭裁判所が判断

2026-05-20

1不在者財産管理人が行方不明者の財産を管理する

①不在者財産管理人は行方不明者の財産を守る人

不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。

行方不明者の財産を守るため、家庭裁判所が選任します。

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。

家庭裁判所は、行方不明者に不利益な財産管理を許可しません。

不在者財産管理人制度は、行方不明者の財産を守る制度だからです。

②不在者財産管理人は行方不明者の代理人

相続人の中に行方不明の人がいると、とても困ります。

相続手続は、相続人全員の協力が必要だからです。

遺産分割協議は、相続人全員の合意がないと成立しません。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

不在者財産管理人は、行方不明者の代理人です。

行方不明の相続人に代わって、遺産分割協議に参加することができます。

不在者財産管理人と他の相続人全員が合意すれば、遺産分割協議が成立します。

行方不明の相続人がいても、相続手続を進めることができます。

③家族の希望を実現する制度ではない

不在者財産管理人は、行方不明者の財産を守る人です。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

家族の希望どおりに、財産処分をしてくれる人ではありません。

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。

たとえ家族が希望しても、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。

家族にとって合理的な財産管理であっても、行方不明者にとって不利益な管理になることがあるからです。

不在者財産管理人を立てると、家族は思いどおりの財産管理ができると期待しています。

不在者財産管理人制度は、家族の思いどおりの財産管理を実現する制度ではありません。

④不在者財産管理人は不利益な財産管理はできない

不在者財産管理人の任務は、行方不明者のために財産管理をすることです。

行方不明者のためにとは、行方不明者に不利益な財産管理ができないという意味です。

不在者財産管理人は、家族の希望通りに財産を動かすことができません。

不在者財産管理人には、善管注意義務があるからです。

たとえ家族が望んでも、行方不明者に不利益な財産管理は許されません。

たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、不利益な不利益な財産管理はできません。

不在者財産管理人は、公的な立場だからです。

不在者財産管理人は、適切な財産管理を行っているか家庭裁判所の監督を受けます。

2不在者財産管理人の終了事由は家庭裁判所が判断

①行方不明者が帰ってきたとき終了する

行方不明者が帰ってくることがあります。

行方不明者が帰って来たら、自分の財産は自分で管理できるはずです。

不在者財産管理人は必要ないから、不在者財産管理人の任務は終了します。

実際に任務が終了するのは、家庭裁判所の審判が告知された後です。

不在者財産管理人の終了は、家庭裁判所が判断します。

行方不明者が帰って来たと家族が主張するだけで、不在者財産管理人の任務は終了しません。

家族の主張だけで財産を引き渡すと、不在者財産管理人は責任を問われます。

②行方不明者が自分で管理人を置いたとき終了する

行方不明になる前に、行方不明者が自分で財産管理人を置くことがあります。

行方不明中に、行方不明者が自分で財産管理人を置くことがあります。

行方不明者が自分で財産管理人を置いた場合、不在者財産管理人の任務は終了します。

現実的に行方不明者が自分で財産管理人を置く例は、ほとんどありません。

家庭裁判所は、行方不明者が自分で財産管理人を置いたのか慎重に審査します。

行方不明者が自分で財産管理人を置いたと認められるのは、行方不明者の意思が明確に確認できるときに限られます。

客観的証拠によって、行方不明者本人の生存確認と行方不明者本人の意思確認ができたときに認められます。

行方不明者が自分で財産管理人を置いたと家族が主張するだけでは、任務は終了しません。

あいまいな証拠で不在者財産管理人の任務を終了すると、行方不明者に不利益になるおそれがあるからです。

不在者財産管理人制度は、行方不明者の利益を守るための制度です。

行方不明者の利益が守られるか、家庭裁判所は慎重に判断します。

③管理すべき財産がなくなったとき終了する

(1)費用の支払いで財産がなくなった

不在者財産管理人は、行方不明者の財産を減らさないように管理します。

行方不明者の財産を管理するために、費用を支出する必要があります。

不在者財産管理人の報酬は、行方不明者の財産から支出します。

行方不明が長期間になる場合、やがて管理すべき財産が尽きるでしょう。

管理すべき財産が尽きたら、不在者財産管理人が管理すべき財産はありません。

管理すべき財産がなくなったら、不在者財産管理人の任務は終了します。

(2)金銭を供託して任務終了

不在者財産管理人を選任するきっかけは、遺産分割協議や不動産売却が多いでしょう。

遺産分割協議で行方不明者が財産を取得した場合、財産は不在者財産管理人が管理します。

不動産売却で行方不明者が売却代金を取得した場合、売却代金は不在者財産管理人が管理するのが原則です。

不在者財産管理人が管理する財産が金銭である場合、金銭を法務局に供託することができます。

供託とは、管理すべき金銭を法務局に預けることです。

法務局が厳重に管理するから、不在者財産管理人の任務は終了します。

(3)供託した金銭は行方不明者に渡される

不在者財産管理人が供託した金銭は、行方不明者が受け取れます。

たとえ家族であっても行方不明者以外の人は、供託した金銭を受け取ることはできません。

(4)不動産があれば任務継続

行方不明者が不動産を保有している場合、不動産は供託できません。

不動産の管理を継続するため、不在者財産管理人の任務は終了しません。

(5)不動産売却は許可されにくい

不動産売却で行方不明者が売却代金を取得した場合、売却代金は金銭です。

不在者財産管理人が管理する財産が金銭である場合、金銭を法務局に供託することができます。

不在者財産管理人が不動産を売却する場合、家庭裁判所の許可が必要です。

行方不明者にとって不動産は、重要な財産であることが多いからです。

家庭裁判所は、次の条件を満たしたときに限って許可します。

・行方不明者に不利益な売却でないこと

・売却する必要があること

・売却代金が妥当であること

家族が売却してほしいと希望しても、行方不明者に不利益な売却に許可されません。

不在者財産管理人の任務終了のために不動産を売却したいなどは、売却する必要があると認められません。

たとえ買主が見つかっていると主張しても、不利益な売却に許可されません。

④行方不明者の死亡が確認されたら終了する

(1)相続人に財産を引き継ぎ

行方不明者の死亡が確認されることがあります。

死亡が確認された場合、相続が発生します。

行方不明者の財産は、相続財産です。

不在者財産管理人は、管理していた財産を相続人に引き継ぎます。

(2)相続財産清算人に引き継ぎ

行方不明者に相続人がいない場合、相続財産は国庫に帰属します。

相続財産清算人とは、相続財産を清算して国庫に帰属する人です。

家庭裁判所に対して相続財産清算人選任の申立てをして、相続財産清算人に引き継ぎます。

⑤失踪宣告が確定したら終了する

失踪宣告とは、長期間生死不明の人を死亡扱いにする手続です。

失踪宣告を受けると、行方不明者は死亡と見なされます。

死亡とみなされるから、相続人や相続財産清算人に引き継ぎます。

⑥遺産分割協議や売却が終わっても終了しない

不在者財産管理人選任の申立てをするとき、遺産分割協議や不動産の売却などのきっかけがあります。

遺産分割協議や売却が終わっただけでは、不在者財産管理人の任務は終了しません。

遺産分割協議で取得した財産や売却代金を管理する必要があるからです。

不在者財産管理人には、遺産分割協議で取得した財産や売却代金を家族に渡す権限はありません。

たとえ家族が希望しても、遺産分割協議で取得した財産や売却代金を渡すことはできません。

間違って家族に渡したら、任務懈怠と判断されるでしょう。

強い言い方をすれば、背任や横領の評価になりかねません。

⑦家族で管理できるから辞めてほしくても終了しない

不在者財産管理人制度は、家族の希望をかなえる制度ではありません。

家族で財産管理ができるから辞めてほしいと主張しても、家庭裁判所は終了を認めません。

行方不明者の利益を守るため、財産管理の公正性と透明性を確保する必要があるからです。

たとえ家族で財産管理ができるとしても、公正性と透明性を確保するため不在者財産管理人の任務は継続します。

⑧不在者財産管理人家族の希望をかなえてくれなくても終了しない

不在者財産管理人は、行方不明者の財産を守る人です。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

不在者財産管理人には、行方不明者の利益を守る義務が課されています。

たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、利益を守る義務は免除されません。

行方不明者の利益と家族の希望は、一致しないことがあります。

不在者財産管理人家族の希望をかなえてくれないと主張しても、家庭裁判所は終了を認めません。

不在者財産管理人制度は、家族の希望を優先する制度ではないからです。

3不在者財産管理人制度は失踪宣告の代替策にはならない

①不在者財産管理人は行方不明者が生きている扱い

不在者財産管理人は、行方不明者が生きている前提です。

死亡扱いにしなくて済むから、家族の心理的抵抗が少なく済みます。

②失踪宣告は行方不明者を死亡と見なされる

行方不明者が生きている扱いのままであると、デメリットが積み重なっていきます。

失踪宣告を受けると、行方不明者は死亡と見なされます。

失踪宣告が確定すると、相続が発生します。

③不在者財産管理人制度と失踪宣告は比べるものではない

不在者財産管理人制度を利用しても、行方不明者は生きている扱いのままです。

失踪宣告は、死亡扱いにする制度です。

不在者財産管理人制度と失踪宣告は、まったく目的が違う制度です。

不在者財産管理人制度は、失踪宣告の代替ではありません。

失踪宣告の代替として不在者財産管理人制度を利用すると、家族の期待がデメリットになります。

家族の事情によっては、失踪宣告の検討が必要になります。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

不在者財産管理人の権限と家族の期待に落差

2026-05-13

1不在者財産管理人が行方不明者の財産を管理する

①不在者財産管理人は行方不明者の利益を守る人

不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。

行方不明者の利益を守るため、家庭裁判所が選任します。

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。

家庭裁判所は、行方不明者に不利益な財産管理を許可しません。

不在者財産管理人制度は、行方不明者の利益を守る制度だからです。

②家族が期待する行方不明者の利益

行方不明者は、家族の希望を尊重してくれていたかもしれません。

行方不明者は、家族の生活を支えることを重視していたかもしれません。

家族の生活を守ることが行方不明者の利益にかなうと感じるでしょう。

不在者財産管理人は、行方不明者の利益を守る人です。

家族が期待する行方不明者の利益とは、家族の生活を守ることと考えがちです。

家族の生活を守るため、不在者財産管理人は家族の希望をかなえる人と期待しがちです。

③法律が求める行方不明者の利益

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。

法律が求める行方不明者の利益とは、行方不明者の財産を減らさないことです。

たとえ家族が希望しても、行方不明者の財産を減らすことは許されません。

家族の希望と行方不明者の利益が一致しないことがあります。

不在者財産管理人は、行方不明者の利益を基準に権限を行使します。

不在者財産管理人は、家族の希望を基準に権限を行使できません。

④家族の期待と法律の落差

家族の希望は、家族の生活を守ることです。

行方不明前の本人は、家族を支える行動をしていたかもしれません。

法律の趣旨は、行方不明者の財産を減らさないことです。

家族の期待と法律に、大きな落差があります。

不在者財産管理人は法律の趣旨に従って、権限を行使します。

家族の期待をかなえるため、権限を行使することはできません。

2不在者財産管理人の権限と家族の期待に落差

①不在者財産管理人の権限で財産を守る

不在者財産管理人は、行方不明者の財産を管理する人です。

不在者財産管理人の権限で、行方不明者の財産を守ります。

不在者財産管理人の権限は、行方不明者の財産を減らさないために行使されます。

不在者財産管理人には、行方不明者の利益を守る義務があるからです。

②不在者財産管理人は家族の希望をかなえる人ではない

家族にとって、家族の生活を守ることが行方不明者の利益にかなうと感じるかもしれません。

家族の希望をかなえることは、そのまま家族の生活を守ることのはずです。

法律が求める行方不明者の利益とは、行方不明者の財産を減らさないことです。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

家族の希望と行方不明者の利益が一致する場合に限って、家族の希望が考慮されます。

③不在者財産管理人の権限で保存行為ができる

保存行為とは、財産の現状を維持する行為です。

不在者財産管理人は、保存行為を単独で行うことができます。

④不在者財産管理人が行う保存行為の具体例

具体例(1)建物の軽微な補修

建物に雨漏りがしている場合、雨漏り補修が必要になります。

財産の現状を維持するため、軽微な補修をすることができます。

具体例(2)不法侵入の防止

第三者が無断で侵入することを防止するため、鍵の交換をすることができます。

行方不明者の不動産を権限なく利用することがないようにするためです。

空き家を狙った侵入者などを排除する目的です。

具体例(3)時効完成を阻止

第三者が長期間不動産を占有していた場合、取得時効が完成することがあります。

明渡請求などをして、取得時効の完成を阻止します。

貸金債権があるのに長期間請求をしない場合、消滅時効が完成することがあります。

貸金返還請求などをして、消滅時効の完成を阻止します。

具体例(4)固定資産税など費用の支払い

不動産を保有していると、固定資産税が課されます。

行方不明になっても、固定資産税は免除されません。

固定資産税などの費用の支払いは、保存行為です。

⑤不在者財産管理人の権限で管理行為ができる

管理行為とは、財産の利用や改良をする行為です。

不在者財産管理人は、管理行為を単独で行うことができます。

⑥不在者財産管理人が行う管理行為の具体例

具体例(1)日常的な契約管理

だれも住まない建物は、傷みやすくなります。

清掃・管理委託契約を締結して、管理を委託することができます。

第三者による無断侵入を防止するため、警備契約をすることができます。

具体例(2)預貯金の管理

行方不明者の預貯金は、不在者財産管理人が管理します。

元本を維持する範囲の運用がされます。

具体例(3)返済金の受領

金銭などを貸したまま、債権者が行方不明になることがあります。

債務者は不在者財産管理人に返済して、債務から解放されることができます。

返済金の受領すると、債権は金銭に変わります。

債権という財産が金銭に変わるから、管理行為と考えられます。

⑦処分行為は不在者財産管理人の権限外

不在者財産管理人は、行方不明者のために財産管理をする人です。

保存行為と管理行為をする場合、単独で行うことができます。

不在者財産管理人は、本来、処分行為をする権限はありません。

処分行為とは、財産の内容価値を不可逆的に変更する行為です。

処分行為は、本来、不在者財産管理人の権限外です。

不在者財産管理人が処分行為をする場合、家庭裁判所の許可が必要です。

権限外行為の許可の申立ては、不在者財産管理人が行います。

家族は、権限外行為の許可の申立てに関与しません。

家庭裁判所の許可を得ずに処分行為をしても、無効です。

⑧家族でも専門家でも同じ義務

不在者財産管理人は、家庭裁判所が選任します。

家族が選任されることも、家族以外の専門家が選任されることもあります。

不在者財産管理人には、行方不明者の利益を守る義務があります。

家族でも家族以外の専門家でも、同じ義務を負います。

不在者財産管理人は、公的な立場だからです。

家族が不在者財産管理人に選任されても、不利益な財産管理をすることはできません。

家族が不在者財産管理人に選任されても、家族の希望を優先することはできません。

行方不明者の利益を守る義務に違反したら、任務懈怠と判断されます。

強い言い方をすれば、背任や横領と評価されるおそれがあります。

家族が不在者財産管理人に選任されれば、自由に財産管理ができると考えるのは誤解です。

3権限外行為の許可の現実

①行方不明者に不利益な処分に許可をしない

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。

家庭裁判所は、不在者財産管理人が適切な財産管理をしているか監督をします。

権限外行為の許可の審判は、形式的なものではありません。

不在者財産管理人が行方不明者に不利益な処分行為をしようとしても、家庭裁判所は許可しません。

家庭裁判所は、不利益な処分行為でないか実質的に厳しくチェックします。

家庭裁判所の許可なしで、不在者財産管理人は処分行為をすることができません。

②遺産分割協議で権限外行為の許可が必要

(1)遺産分割協議は処分行為

遺産分割協議では、相続人全員の合意で相続財産の分け方を決定します。

遺産分割協議は、処分行為です。

各相続人が持つ相続分を処分する行為だからです。

不在者財産管理人が遺産分割協議をする場合、家庭裁判所の許可が必要です。

(2)不在者財産管理人は行方不明者の相続分を確保

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理はできません。

行方不明者の相続分を確保できない遺産分割協議に合意できません。

行方不明者の相続分を確保できない遺産分割協議は、不利益な財産管理だからです。

たとえ家族が望んでも、行方不明者に不利益な財産管理はできません。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではないからです。

たとえ相続税を節税できる遺産分割協議であっても、不利益な財産管理はできません。

(3)家族が不在者財産管理人になっても相続分を確保

家族が不在者財産管理人に選任されても、家族の希望を優先することはできません。

家族が不在者財産管理人に選任されても、相続分を確保する必要があります。

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理はできないからです。

(4)相続手続に権限外行為の許可の審判書

遺産分割協議が成立したら、相続手続を行います。

遺産分割協議書には、不在者財産管理人の選任審判書と権限外行為の許可の審判書を添付します。

権限外行為の許可の審判書には、遺産分割協議書案が添付されています。

不在者財産管理人は、審判書添付の遺産分割協議をする権限のみが与えられています。

審判書添付の遺産分割協議の内容と異なる内容の遺産分割協議をすることはできません。

家庭裁判所の許可は、協議書案を前提に、その内容で行うことだけが認められる許可です。

異なる内容の遺産分割協議をする場合、あらためて許可が必要です。

③不動産売却で権限外行為の許可が必要

(1)行方不明者の利益になるときだけ許可

不在者財産管理人の任務は、財産を管理して減らさないことです。

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理はできません。

不動産の売却が行方不明者に利益になるときだけ、不在者財産管理人は売却をすることができます。

(2)売却の必要性があるときだけ許可

行方不明者の財産を管理するだけでなく、わざわざ売却する必要性が求められます。

単に家族が売却したいと望むだけでは、売却の必要性がないと判断されるでしょう。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではないからです。

たとえば次の場合、売却の必要性が認められる可能性があります。

・共有関係で紛争化して売却する以外に解決できないケース

・固定資産税などの費用が過大で維持することが不合理であるケース

・老朽化しているケース

上記のケースでも、客観的資料で家庭裁判所を説得する必要があります。

(3)価格が妥当なときだけ不動産売却

不在者財産管理人には、善管注意義務があります。

価格の妥当性が認められない場合、不在者財産管理人は不動産を売却することはできません。

親族間売買などで相場より安い場合、行方不明者に不利益な売却と判断されます。

(4)買主が決まっていても行方不明者の利益

買主が決まっていることは、プラス材料ですが決定打ではありません。

不在者財産管理人制度は、家族や買主の希望を叶える制度ではないからです。

たとえ買主が決まっていても、行方不明者の利益を重視します。

(5)所有権移転登記に権限外行為の許可の審判書

不動産を売却したら、名義変更をします。

不動産の所有権移転登記申請では、不在者財産管理人の選任審判書と権限外行為の許可の審判書を提出します。

権限外行為の許可の審判書には、売買契約書案が添付されています。

不在者財産管理人は、審判書添付の売買契約をする権限のみが与えられています。

家庭裁判所の許可は、契約書案を前提に、その内容で行うことだけが認められる許可です。

審判書添付の売買契約の内容と異なる内容の売買契約をすることはできません。

③権限外行為の許可があっても財産は使えない

(1)相続した財産は家族が自由に使えない

遺産分割協議が成立したら、行方不明者の相続分は確保されているはずです。

行方不明者の相続分が確保されないと、家庭裁判所が許可しないからです。

相続分に相当する財産は、行方不明者の財産です。

不在者財産管理人が行方不明者の財産を管理します。

相続分に相当する財産を家族が自由に使うことはできません。

不在者財産管理人は、家族に財産を渡す権限がないからです。

たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、家族が自由に使うことはできません。

(2)売却代金は家族が自由に使えない

行方不明者の不動産を売却したら、売却代金を取得します。

売却代金は、行方不明者の財産です。

不在者財産管理人が行方不明者の財産を管理します。

売却代金を家族が自由に使うことはできません。

不在者財産管理人は、家族に財産を渡す権限がないからです。

たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、家族が自由に使うことはできません。

④権限外行為の許可があっても不在者財産管理人の任務継続

不在者財産管理人選任の申立てをするに当たって、きっかけがあるはずです。

遺産分割協議をしたいから、行方不明者の不動産を売却したいからなどです。

申立てのきっかけとなった遺産分割協議や売却が終わっても、不在者財産管理人の任務は継続します。

不在者財産管理人の任務は、行方不明者の財産を管理することだからです。

相続した財産や売却代金を管理する必要があります。

不在者財産管理人の任務は継続するから、不在者財産管理人の報酬がかかり続けます。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

失踪宣告の申立人は法律上の利害関係人のみ

2026-05-07

1失踪宣告で死亡と見なされる

①残された家族のため失踪宣告

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

②普通失踪と特別失踪(危難失踪)

失踪宣告には、2種類があります。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)です。

死亡したことが確認できないのに、死亡と見なされます。

死亡と見なされるという強い効果があります。

失踪宣告が認められるためには、次の条件があります。

(1)行方不明の人が生死不明であること

(2)生死不明のまま一定期間継続していること

普通失踪は、7年で死亡と見なされます。

特別失踪(危難失踪)は、1年で死亡と見なされます。

③死亡と見なされる日に死亡

失踪宣告は、家庭裁判所の審判です。

失踪宣告の審判が確定した後に、市区町村役場に届出が必要です。

失踪宣告の審判が確定した後に市区町村役場に提出する届出を失踪届と言います。

失踪届が受理されることで、失踪宣告がされたことが戸籍に記載されます。

普通失踪は行方不明になってから、7年経過した日に死亡と見なされます。

特別失踪(危難失踪)は危難が去ったときに、死亡と見なされます。

死亡と見なされる日は、家庭裁判所が判断します。

失踪宣告の審判日は、死亡日と無関係です。

死亡と見なされる日に、死亡したと扱われます。

2失踪宣告の申立人は法律上の利害関係人のみ

①利害関係人ではなく法律上の利害関係人に限定

失踪宣告の申立人は、民法上、利害関係人と定められています。

利害関係人と定められているものの、法律上の利害関係人に限定されると考えられています。

単なる利害関係人は、申立人になることはできません。

法律上の利害関係人に限定される理由は、次のとおりです。

・失踪宣告は、死亡扱いと言う重大な効果があるため。

・失踪宣告の悪用や濫用を防止するため。

・本人の権利や利益を保護すべきだから。

法律上の具体的な利害関係がある人だけが申立人になることができます。

②配偶者は法律上の利害関係人

(1)配偶者は常に相続人

行方不明者が死亡すると、配偶者は相続人になります。

行方不明者に財産があれば、財産を相続することができます。

(2)死亡により婚姻関係が消滅

行方不明者が死亡すると、配偶者は再婚することができます。

行方不明者が死亡すると、婚姻関係が消滅するからです。

単に再婚したいだけなら、失踪宣告をする必要がないかもしれません。

配偶者が3年以上生死不明である場合、離婚訴訟によって離婚ができるからです。

③相続人は法律上の利害関係人

(1)行方不明者が被相続人になるときの相続人

行方不明者が死亡すると、相続が発生します。

行方不明者に財産があれば、財産を相続することができます。

(2)行方不明者が共同相続人になるときの他の相続人

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

一部の相続人が生死不明になると、相続財産の分け方について話し合いができなくなります。

④後順位相続人は法律上の利害関係人ではない

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

子どもが相続人になるから、親などの直系尊属や兄弟姉妹は相続人になりません。

行方不明者が死亡しても、財産を取得することはありません。

後順位相続人は事実上の利害関係があったとしても、法律上の利害関係が認められません。

⑤相続人以外の親族は法律上の利害関係人ではない

相続人以外の親族は、法律上の利害関係人に該当しません。

行方不明者が死亡しても、財産を取得することはありません。

相続人以外の親族は事実上の利害関係があったとしても、法律上の利害関係が認められません。

⑥受遺者は法律上の利害関係人

受遺者とは、遺贈を受ける人です。

遺贈とは、遺言書で相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

行方不明者が死亡すると、遺言書に効力が発生します。

遺言書に遺贈すると書いてあれば、財産を引き継ぐことができます。

失踪宣告の申立をする場合、受遺者であると証明する必要があります。

公正証書遺言を預かっている場合は、公正証書遺言で証明することができます。

封筒に入った自筆証書遺言や法務局保管の自筆証書遺言では、証明することができません。

受遺者と証明できないと、申立人と認められないでしょう。

⑦生命保険の死亡保険金の受取人は法律上の利害関係人

行方不明者に生命保険がかけてあった場合、死亡保険金が支払われます。

行方不明者が死亡すると、受取人は死亡保険金を受け取ることができます。

失踪宣告の申立をする場合、死亡保険金の受取人であると証明する必要があります。

生命保険の保険証書などを準備する必要があります。

⑧行方不明者の保証人は法律上の利害関係人

保証人とは、借金を肩代わりする人です。

借金を抱えたまま、債務者が長期間生死不明になることがあります。

債務者が返済を滞らせたまま生死不明になると、債権者は保証人に請求します。

保証人は肩代わりの約束をしているから、債権者からの請求を拒めません。

保証人は肩代わりをした後、債務者に請求することができます。

債権者からの請求を拒めない点と債務者に求償できる点に、法律上の利害関係があると考えられます。

⑨行方不明者の債権者は法律上の利害関係人ではない

行方不明者が死亡すると、債務は相続人に相続されます。

相続人に相続されても、債権自体に変化はありません。

債権者に利害関係があるとしても、事実上の利害関係に過ぎません。

失踪宣告は、債権回収の便宜のための制度ではありません。

行方不明の債務者に財産があるのなら、債権者は不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。

不在者財産管理人とは、行方不明の人の財産を管理する人です。

債権者は、行方不明者の財産から債権を回収する手段があります。

債権者に利害関係があるとしても、事実上の利害関係に過ぎません。

⑩推定相続人の債権者は法律上の利害関係人ではない

行方不明者が死亡すると、行方不明者の財産は相続人に相続されます。

行方不明者の財産を相続したら、相続財産から借金の返済を期待するかもしれません。

相続財産を相続するか相続放棄するか、相続人が自由に決めます。

推定相続人の債権者があれこれ言うことではありません。

債権者に利害関係があるとしても、事実上の利害関係に過ぎません。

⑪行方不明者の債務者は法律上の利害関係人ではない

行方不明者が死亡しても、債務者には影響がありません。

債権者が行方不明で弁済ができない場合、受領不能を理由に供託をすることができます。

債務者に利害関係があるとしても、事実上の利害関係に過ぎません。

⑫不法行為加害者が法律上の利害関係人

不法行為加害者とは、故意または過失によって他人に損害を与えた人です。

例えば、交通事故の加害者は、典型的な不法行為加害者です。

交通事故で被害者が死亡した場合、近親者は固有の慰謝料を請求することができます。

近親者が行方不明者である場合、不法行為加害者は法律上の利害関係人と言えます。

近親者が交通事故の前に死亡したと見なされたら、近親者による固有の慰謝料を請求されないからです。

近親者による固有の慰謝料請求権の発生の有無が法律上の利害関係です。

⑬不在者財産管理人は法律上の利害関係人

不在者財産管理人は、行方不明者が帰ってくるまで財産管理を続けます。

行方不明者が死亡すると、不在者財産管理人の任務は終了します。

行方不明者の財産は、相続人が相続するからです。

不在者財産管理人は、行方不明者の金銭を法務局に供託することができます。

行方不明者の財産が金銭のみであれば、供託することで不在者財産管理人の任務終了になります。

わざわざ失踪宣告をする必要はないでしょう。

⑭不動産の共有者は法律上の利害関係人

不動産など共有物の管理の決定は、持分割合の過半数で決定します。

不動産など共有物の処分の決定は、共有者全員の同意が必要です。

共有者の一部に行方不明者がいると、管理や処分の決定が停滞します。

行方不明者が死亡すると、共有持分は相続人が相続します。

相続人が意思決定に参加するから、他の共有者の法的地位が安定します。

⑮事実婚・内縁の配偶者は法律上の利害関係人ではない

法律婚の配偶者は、法律上の利害関係人です。

事実婚・内縁の配偶者は、法律上の利害関係人ではありません。

婚姻関係や相続関係に、具体的な権利がないからです。

事実婚・内縁関係の人は、遺言書を作成していることがあります。

遺言書で遺贈を受ける人であれば、法律上の利害関係があります。

事実婚・内縁の配偶者で法律上の利害関係がなくとも、受遺者なら法律上の利害関係があります。

⑯単なる友人知人は法律上の利害関係人ではない

「心配だから」「困っているから」だけの第三者は、法律上の利害関係人ではありません。

感情的理由だけで法律上の利害関係がないと、失踪宣告の申立てをすることはできません。

⑰役所や検察官は申立てができない

不在者財産管理人選任の申立ては、検察官が申立人になることができます。

失踪宣告の申立ては、役所や検察官が申立人になることができません。

財産管理と死亡扱いは、法的影響力の重さが大きく違います。

国家や自治体が職権で進める制度設計ではありません。

行方不明者の帰りを待つ親族の気持ちを尊重する目的もあります。

3失踪宣告の申立人になれないときの現実的対処法

①利害関係人に申立てを依頼

自分が法律上の利害関係人でなくても、法律上の利害関係人に依頼することはできます。

法律上の利害関係人が失踪宣告の申立てをすれば、結果的に失踪宣告がされます。

②不在者財産管理人選任の申立てをする

不在者財産管理人選任の申立ては、申立てできる人が広く認められています。

不在者財産管理人選任の申立てをして、不在者財産管理人が失踪宣告の申立てをすることができる可能性があります。

不在者財産管理人選任の申立てでは、予納金を納める必要があります。

事件によっては、予納金が100万円程度かかることがあります。

③所在等不明共有者持分取得制度を利用

所在等不明共有者持分取得制度とは、行方不明の共有者の持分を買取ることができる制度です。

不動産の共有者が行方不明者である場合、失踪宣告や不在者財産管理人制度より使いやすいことがあります。

④家庭裁判所で法律相談はできない

家庭裁判所は、法律相談をする機関ではありません。

裁判所の管轄や必要書類の有無を相談することはできます。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

失踪宣告の申立ては、家庭裁判所に手続が必要になります。

通常ではあまり聞かない手続になると、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

信託銀行などは、高額な手数料で相続手続を代行しています。

被相続人が生前、相続人のためを思って、高額な費用を払っておいても、信託銀行はこのような手間のかかる手続を投げ出して知識のない遺族を困らせます。

知識のない相続人が困らないように高額でも費用を払ってくれたはずなのに、これでは意味がありません。

税金の専門家なども対応できないでしょう。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

子どもがいなくても相続人は配偶者のみではない

2026-05-06

1子どもがいないと相続人は配偶者だけで当然と感じる理由

理由①夫婦の財産は夫婦のものが夫婦の常識

夫婦は、相互に助け合って生活しているはずです。

夫婦で築いた財産は、夫婦のものと考えるのは当然でしょう。

夫婦の財産は夫婦のものが夫婦の常識です。

夫婦の一方が死亡したら、当然に生存配偶者だけが相続人になると感じるでしょう。

子どもがいないと、相続人は配偶者だけで当然と感じやすくなります。

理由②生活共同体感覚が判断基準

相続を同居や家計の継続と、感じています。

相続人には、同居や家計の一体性だけが重点的に評価されると感じています。

生活共同体感覚が強いのは、配偶者のみと考えるのは当然でしょう。

親などの直系尊属や兄弟姉妹に、同居や家計の一体性はないことがほとんどです。

被相続人と別世帯であれば、生活共同体感覚はありません。

生活共同体感覚を基準にすると、配偶者以外は相続人になりません。

子どもがいないと、相続人は配偶者だけで当然と感じやすくなります。

理由③配偶者の心理的距離が判断基準

子どもがいないと、夫婦は日常生活や家計運営を共同しています。

夫婦の心理的距離は、当然に近いはずです。

配偶者は日常生活や家計運営において、労力や感情的コストを投下しています。

相続で、労力や感情的コストの対価を受け取るべきと感じます。

心理的距離が近いから、財産をだれが受け取るのか決めていいと感じます。

心理的距離が近いから、自分の判断が合理的と自然に感じます。

自分の判断こそ合理的だから、労力や感情的コストの対価を配偶者のみ受けとると判断します。

親などの直系尊属や兄弟姉妹は、配偶者から見て心理的距離が近くありません。

配偶者からは、合理的判断ができない存在と感じます。

配偶者の心理的距離を判断基準にすると、配偶者以外は相続人になりません。

子どもがいないと、相続人は配偶者だけで当然と感じやすくなります。

2子どもがいなくても相続人は配偶者のみではない

①相続人は配偶者の「当然」で決まらない

相続が発生したら、一定の範囲の親族が相続人になります。

相続人になる人は、法律で決められています。

だれが相続人になるか、生活共同体感覚は無関係です。

だれが相続人になるか、心理的距離は無関係です。

法律の定めに基づいて、客観的に相続人は決まるからです。

相続人は配偶者だけで当然と感じても、法律の定めが優先されます。

②相続人になる人は法律で決まっている

相続人になる人は、次のとおりです。

(1)配偶者は、必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になりません。

相続人になる人は、家族の感情や家族の常識で決めることはできません。

法律の定めに基づいて、客観的に相続人は決まるからです。

相続人は配偶者だけで当然と感じても、法律の定めが優先されます。

③子どもがいなくても相続人は配偶者のみにならない理由

理由(1)前婚の子どもが相続人になる

被相続人に、離婚歴があることがあります。

前婚配偶者との間に、子どもがいることがあるでしょう。

前婚配偶者との間の子どもは、被相続人の子どもです。

被相続人の子どもは、相続人になります。

養育費を払っていても払っていなくても、相続人になります。

被相続人が親権者であっても親権者でなくても、相続人になります。

被相続人が引き取っても前婚配偶者が引き取っても、相続人になります。

子どもは、被相続人の子どものままだからです。

被相続人が離婚しても、子どもは被相続人の子どものままです。

前婚の子どもが相続人になると、相続人は配偶者のみになりません。

理由(2)認知された子どもが相続人になる

認知とは、婚姻関係にないカップルの間に生まれた子どもについて自分の子どもと認めることです。

認知された子どもは、被相続人が自分の子どもと認めた子どもです。

被相続人の子どもは、相続人になります。

認知された子どもの存在を配偶者などの家族に秘密にしていることがあります。

被相続人が秘密にしても、相続の場面では明るみに出ます。

配偶者が認知された子どもの存在を知らなくても、相続人になります。

認知された子どもが相続人になると、相続人は配偶者のみになりません。

理由(3)普通養子による養子縁組をしても相続人になる

被相続人が離婚をするときに、前婚配偶者が子どもを引き取ることがあります。

前婚配偶者が再婚するとき、再婚相手と子どもが養子縁組をすることがあります。

普通養子による養子縁組をしても、実親との親子関係は継続します。

普通養子による養子縁組をしても、子どもは被相続人の子どものままです。

被相続人の子どもは、相続人になります。

普通養子による養子縁組をしても、被相続人の子どもは続人になります。

養子縁組をした子どもが相続人になると、相続人は配偶者のみになりません。

理由(4)親などの直系尊属が高齢でも相続人

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

相続人に年齢制限は、ありません。

相続が発生した時点で、生きていれば相続人になります。

親などの直系尊属が高齢でも寝たきりでも重度の認知症でも、相続人になります。

高齢でも寝たきりでも重度の認知症でも、相続資格を奪うことはできません。

親などの直系尊属が相続人になると、相続人は配偶者のみになりません。

理由(5)疎遠になっても兄弟姉妹が相続人になる

被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹が相続人になります。

配偶者の生活実感からは、家族の認識が持てないかもしれません。

配偶者の家族認識とは無関係に、相続人になります。

相続人になる人は、法律で決められているからです。

長期間連絡を取っていなくても、兄弟姉妹は相続人になります。

連絡が取れないまま行方不明になっても、兄弟姉妹は相続人になります。

配偶者との心理的距離は、無関係です。

疎遠な相続人がいると、相続人は配偶者のみになりません。

理由(6)半血兄弟が相続人になる

兄弟姉妹が相続人になると聞くと、父母が同じ兄弟姉妹だけ想像しがちです。

兄弟姉妹には、父母の一方だけ同じ兄弟姉妹が含まれます。

半血兄弟とは、異父兄弟と異母兄弟をまとめた言い方です。

異父兄弟と異母兄弟は、被相続人自身も知らないかもしれません。

異父兄弟と異母兄弟は、被相続人自身も家族と感じないかもしれません。

被相続人や配偶者の認識とは無関係に、半血兄弟は相続人になります。

相続人になる人は、法律で決められているからです。

半血兄弟が相続人になると、相続人は配偶者のみになりません。

理由(7)兄弟姉妹が先に死亡したら甥姪が相続人になる

兄弟姉妹が相続人になるはずだったのに、被相続人より先に死亡することがあります。

被相続人より先に死亡した場合、甥姪が代襲相続します。

配偶者の生活感覚では、甥姪は家族でないかもしれません。

相続人は法律で決まるから、甥姪が相続人になります。

甥姪が相続人になると、相続人は配偶者のみになりません。

理由(8)遺留分がなくても相続人になる

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人に、認められています。

兄弟姉妹や甥姪には、遺留分は認められていません。

遺留分がなくても、相続人から排除することはできません。

遺留分がないことと相続人であることは、別の話だからです。

遺留分がなくても相続人がいると、相続人は配偶者のみになりません。

④相続人は配偶者のみは限定的

子どもがいない夫婦は、相続人は配偶者のみと誤解しがちです。

配偶者のみになる条件は、次のとおりです。

・子どもがいない

・親などの直系尊属がいない

・兄弟姉妹がいない

・甥姪がいない

配偶者の生活感覚では、相続人は配偶者のみが常識です。

相続は、法律に従って手続します。

相続人は配偶者のみは、限定的です。

3相続人は配偶者だけで当然が違和感になる

①夫婦の常識が家族の常識に拡張する

夫婦の財産は夫婦のものが夫婦の常識です。

夫婦の一方が死亡したら、当然に生存配偶者だけが相続人になると感じるかもしれません。

夫婦の一方が死亡したら、夫婦の常識は家族の常識に拡張しがちです。

相続では、生存配偶者以外の家族が関与するからです。

生存配偶者は、相続人は配偶者だけで当然は家族の常識と信じます。

②被相続人の財産は相続財産

夫婦の財産は夫婦のものは、夫婦のみの常識のはずです。

夫婦の一方が死亡したら、被相続人の財産は相続財産です。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続人は配偶者のみは、限定的です。

相続財産は、配偶者のみの財産ではありません。

他の相続人全員と共有する財産です。

③他の相続人は家族の常識を共有していない

夫婦の財産は夫婦のものは、夫婦のみの常識のはずです。

生存配偶者は家族の常識と信じても、信じる家族は生存配偶者のみです。

他の家族は、生存配偶者が信じる家族の常識を共有していません。

④家族の常識がトラブルになる

家族の常識だから相続人は配偶者だけで当然と言っても、反発を招きます。

他の相続人にも、相続人としての権利があるからです。

他の相続人が家族の常識を共有してれば、配偶者が全財産を相続することに同意するでしょう。

配偶者が全財産を相続することに同意しないのは、家族の常識を押し付けているからです。

家族の常識を押し付けると、無自覚に他の相続人の権利を踏みにじることになります。

たとえ無自覚であっても、他の相続人の権利を奪う行為は深刻なトラブルになります。

配偶者にとって家族と感じない人が相続人になる場合、家族の常識が家族の常識でないことが少なくありません。

4配偶者に全財産を相続させる遺言書を作成

①遺言書を作成して遺産分割の方法を指定

子どもがいない夫婦であっても、残された配偶者のみが相続人になるのは珍しいケースです。

長年疎遠になっていても、相続手続では協力してもらう必要があります。

被相続人が遺言書を作成して、相続財産の分け方を指定することができます。

遺言書で遺産分割の方法を指定した場合、遺言書のとおりに分けることができます。

遺言書を作成して、遺産分割の方法を指定することができます。

②遺言執行者を指名して相続手続をおまかせ

遺言書を作成するだけでは、意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。

遺言書の中で、遺言執行者を指名することができます。

遺言執行者がいる場合、手間と時間がかかる相続手続をおまかせできます。

遺言執行者に相続手続をおまかせできるから、残された配偶者は安心です。

遺言執行者が遺言書の内容を実現してくれるから、遺言者は安心です。

遺言執行者を指名して、相続続をおまかせすることができます。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

実は、民法に遺言書を作ることができるのは15歳以上と定められています。

死期が迫ってから、書くものではありません。

遺言書はいつか書くものではなく、すぐに書くものです。

遺言書は遺言者の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。

子どものいない夫婦の場合、遺言書の威力は大きいものです。

遺言書があることで、残された配偶者が守られます。

お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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