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遺贈の登記で権利証がないときの対処法

2026-10-09

1遺贈は遺贈の手続で相続は相続の手続

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、一定の範囲の人が相続人になります。

相続人になる人は、法律で決められています。

法律で決められた人以外の人は、相続人になりません。

②相続人にも相続人以外にも遺贈ができる

遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

相続人になる人は、法律で決められています。

相続人以外の人は、相続をすることができません。

遺贈では、相続人に財産を引き継ぐことができます。

遺贈では、相続人以外の人に財産を引き継ぐことができます。

相続人は相続することができるし、遺贈を受けることができます。

受遺者は相続することができないけど、遺贈を受けることができます。

受遺者とは、遺贈を受ける人です。

遺言書を作成して、相続人にも相続人以外の人にも遺贈をすることができます。

③遺言書で遺言執行者を決めることができる

遺言書は、作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言書を作成するとき、遺言執行者を指名しておくことが一般的です。

遺言執行者が指名されていなくても、遺言書は有効です。

遺言執行者がいると、遺言者にとって有益です。

遺言執行者が確実に、遺言書の内容を実現してくれるからです。

遺言執行者がいると、家族にとって有益です。

遺言執行者に手間と時間がかかる相続手続をおまかせできるからです。

④相続と遺贈は別の手続

遺言書を作成して、財産をだれに引き継ぐのか決めておくことができます。

遺言書を作成して、相続させることができます。

相続は、相続の手続をします。

遺言書を作成して、遺贈をすることができます。

遺贈は、遺贈の手続をします。

相続人に遺贈するときでも、相続ではありません。

相続と遺贈は、別の手続だからです。

遺言執行者がいても、相続は相続の手続で遺贈は遺贈の手続です。

遺言執行者がいなくても、相続は相続の手続で遺贈は遺贈の手続です。

2相続人に遺贈する登記は権利証不要

①令和5年4月1日以降の申請で権利証不要

相続人は、相続することができるし遺贈を受けることができます。

相続による所有権移転登記は、相続人の単独申請です。

遺贈による所有権移転登記は、権利者と義務者の共同申請です。

令和5年4月1日に、法改正がありました。

相続人が不動産の遺贈を受ける場合、権利証は提出不要です。

令和5年4月1日以降に申請する登記は、権利証は提出不要です。

令和5年4月1日以前に相続が発生していても、権利証は提出不要です。

②相続人に遺贈するとき義務者の関与不要

相続人に遺贈する場合、単独申請ができます。

義務者の関与は、不要です。

遺贈による所有権移転登記をする場合、権利証だけでなく印鑑証明書も提出不要です。

③相続人であることは戸籍謄本で証明する

遺贈による所有権移転登記をする場合、権利証提出が原則です。

相続人に対する遺贈の場合のみ、権利証不要の取り扱いが認められます。

権利証不要の取り扱いをする場合、受遺者が相続人であることを証明する必要があります。

相続人であることは、戸籍謄本で証明します。

④相続人に遺贈するとき登録免許税は1000分の4

遺贈による所有権移転登記をする場合、原則として登録免許税の税率は1000分の20です。

相続人に遺贈である場合、登録免許税の税率は1000分の4に軽減されます。

3相続人以外の人に遺贈する登記で権利証がないときの対処法

①権利証がなくても登記はできる

相続人以外の人に遺贈する場合、権利証が必要になるのが原則です。

権利証がない場合であっても、登記申請ができなくなることはありません。

権利証がない場合、次の方法が準備されています。

・事前通知制度

・本人確認情報を提出

②事前通知制度は登記義務者の協力が不可欠

所有権移転登記で権利証が提出できない場合、登記義務者に対して事前通知が行われます。

事前通知とは、権利証が提出できないときの本人確認の方法です。

登記義務者に登記申請を受付けましたという内容の通知を送り、登記義務者が登記申請は真実ですと回答すると登記が実行される制度です。

事前通知制度では、登記義務者が通知を受け取って法務局に回答する必要があります。

事前通知制度は、登記義務者の協力が必要です。

登記義務者が回答するまで登記は保留されるから、登記完了まで通常より時間がかかります。

登記義務者が回答期限に間に合わなかった場合、登記申請は却下されます。

登記義務者が通知を受け取れないリスクや回答が間に合わないリスクがあります。

回答期限に間に合わないと登記が却下されるから、事前通知制度を使うのは限定的です。

③権利証に代わる本人確認情報を提出する

本人確認情報は、登記義務者であることを確認して作成する書類です。

権利証を提出できないとき、本人確認情報は第1選択肢です。

本人確認情報を利用する方法は、却下されるリスクを抑えることができるからです。

本人確認情報は、司法書士などの資格者代理人のみが作成できます。

権利証の代わりに、本人確認情報を提出します。

適切な本人確認情報である場合、事前通知なしで登記が実行されます。

④登記義務者は遺言執行者か相続人全員

遺贈の登記において登記義務者は、次の人です。

遺言執行者がいる場合、遺言執行者です。

遺言執行者がいない場合、相続人全員です。

遺言執行者がいると、登記手続に協力するのは遺言執行者のみで済みます。

事前通知制度を利用する場合、登記義務者が対象です。

遺言執行者がいる場合、遺言執行者に対して事前通知がされます。

遺言執行者がいない場合、相続人ひとりひとりに対して事前通知がされます。

一部の相続人が回答期限に間に合わなかった場合、登記申請は却下されます。

遺言執行者がいると、遺言執行者が回答期限に間に合えば登記を実行してもらえます。

本人確認情報を利用する場合、登記義務者が対象です。

遺言執行者がいる場合、遺言執行者に対して本人確認情報を作成し提出します。

遺言執行者がいない場合、相続人ひとりひとりに対して本人確認情報を作成し提出します。

遺言執行者がいると、遺言執行者のみの本人確認情報で済みます。

遺言執行者がいないと、遺贈の登記の難易度が上がります。

遺言執行者がいないと、権利証がないときの対処法の難易度が大幅に上がります。

遺言執行者がいると、相続人の協力がなくても登記手続を進めることができます。

⑤遺言執行者は家庭裁判所で選任してもらえる

遺言執行者が指名されていなくても、遺言書は有効です。

遺言執行者がいないと、遺贈の登記は難易度が上がります。

相続人全員の協力が必要になるからです。

遺言執行者がいない場合、家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをすることができます。

家庭裁判所が選任した遺言執行者と協力して、遺贈の登記を進めることができます。

⑥受遺者が遺言執行者でも権利証は必要

遺言書を作成するとき、遺言執行者を指名しておくことが一般的です。

受遺者を遺言執行者に指名することができます。

相続人以外の人に遺贈する登記では、遺言執行者と受遺者が協力して申請します。

受遺者が遺言執行者である場合、実質的にひとりで申請をすることができます。

実質的に単独申請になっても、権利証は省略できません。

権利証を提出できない場合、事前通知制度か本人確認情報提出か選択します。

登記義務者が通知を受け取れないリスクや回答が間に合わないリスクは、少ないでしょう。

郵便を確実に受け取って確実に回答できるなら、事前通知制度を利用することができます。

4不動産の名義変更を司法書士に依頼するメリット

大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。

やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いものです。

一般的に不動産は、家族にとって重要な財産でしょう。

登記手続は、一般の方から見ると些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

住所変更登記が必要になるか必要にならないかなども、そのひとつでしょう。

相続手続は、一生のうち何度も経験するものではありません。

だれにとっても、不慣れで手際よくできるものではありません。

相続手続で使われる言葉は、法律用語です。

一般の方にとって、日常で聞き慣れないものでしょう。

司法書士は、登記の専門家です。

相続手続も、登記手続も、丸ごとお任せいただけます。

相続手続でへとへとになる前に、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

失踪宣告による相続で新たに相続人になる人

2026-10-07

1失踪宣告で死亡と見なされる

①残された家族のため失踪宣告

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

行方不明が長期化した場合、家族が困ります。

家族であっても、行方不明の人の財産を処分することができません。

行方不明者の配偶者は、再婚することができません。

残された家族のために、行方不明者を死亡したものと扱う制度が失踪宣告の制度です。

②失踪宣告の要件は長期間生死不明と申立て

長期間行方不明であっても、自動で失踪宣告がされることはありません。

失踪宣告は、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

役所や家庭裁判所が勝手に失踪宣告することはありません。

死亡したことが確認できないのに、死亡と見なされる重大な効果があるからです。

失踪宣告が認められるためには、次の条件があります。

(1)行方不明の人が生死不明であること

(2)生死不明のまま一定期間継続していること

家族などの利害関係人が失踪宣告の申立てをして、上記条件を満たしたとき失踪宣告がされます。

失踪宣告の要件は、長期間生死不明と失踪宣告の申立てです。

③普通失踪と特別失踪(危難失踪)のちがい

失踪宣告には、2種類あります。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)です。

一般的に失踪宣告といった場合、普通失踪を指しています。

特別失踪(危難失踪)とは、「戦地に行った者」「沈没した船舶に乗っていた者」「その他死亡の原因となる災難に遭遇した者」などを対象にする失踪宣告です。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)で、失踪期間が異なります。

失踪期間とは、生死不明の期間です。

普通失踪の失踪期間は、7年です。

生死不明のまま7年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。

特別失踪(危難失踪) の失踪期間は、1年です。

生死不明のまま1年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。

④失踪宣告による法的な死亡日

(1)普通失踪は7年満了の日

普通失踪では、生死不明になってから7年間経過したときに死亡と見なされます。

普通失踪による法的な死亡日は、生死不明になってから7年満了した日です。

(2)特別失踪(危難失踪)は危難の去った日

特別失踪(危難失踪)では、危難の去った日に死亡と見なされます。

特別失踪(危難失踪) の失踪期間は、1年です。

生死不明になってから1年満了した日に、死亡と見なされるわけではありません。

特別失踪(危難失踪) による法的な死亡日は、危難の去った日です。

(3)失踪宣告の申立日は法的な死亡日ではない

失踪宣告を受けるためには、失踪宣告の申立てが必要です。

失踪宣告の申立てをした日は、法的な死亡日と無関係です。

(4)失踪宣告の審判が確定した日は法的な死亡日ではない

失踪宣告の条件を満たしている場合、家庭裁判所は失踪宣告の審判をします。

多くの場合、失踪期間を大幅に超えてから失踪宣告の申立てをします。

失踪宣告の審判があった日も失踪宣告の審判が確定した日も、法的な死亡日ではありません。

⑤帰ってきたら失踪宣告の取消

(1)生存が判明しても自動で失踪宣告は取消されない

長期間行方不明であっても、新天地で元気に生きていることがあります。

失踪宣告がされても、本人は何も困らず元気に生きているかもしれません。

何らかの手続のために戸籍謄本などを取得すると、失踪宣告がされていることに気が付きます。

失踪宣告がされた人の生存が判明しても、自動で失踪宣告は取消されません。

失踪宣告がされた人の生存が判明したら、家庭裁判所に対して失踪宣告取消の申立てをします。

失踪宣告が取消されると、死亡扱いもなくなります。

(2)失踪宣告取消で財産は返還

失踪宣告によって財産を受け取った人は、失踪宣告の取消で財産を返還する必要があります。

例えば、次の財産を受け取った場合、返還が必要です。

・生命保険の死亡保険金

・相続財産

・遺族年金

財産を受け取った人が行方不明の人が生きていることを知っていても知らなくても、返還義務があります。

返還する財産は、現に利益を受けている限度と考えられています。

現に利益を受けている限度とは、返還時点でその者の財産状態の中に残っている利得です。

例えば、受け取った財産を生活費として費消したら、生活費相当額の利益を受けていると言えます。

生活費相当額を返還する必要があります。

2失踪宣告による相続で新たに相続人になる人

①死亡と見なされる日に相続発生

失踪宣告を受けると、死亡と見なされます。

死亡と見なされる日に、相続が発生します。

失踪宣告で死亡と見なされる場合、行方不明になってから長期間経過していることがほとんどです。

死亡と見なされる日は、家族の都合で決めることはできません。

死亡と見なされる日は、事実に基づいて家庭裁判所が認定します。

死亡と見なされる日は、相続人に重大な影響があるからです。

死亡と見なされる日を基準に、相続人を確認します。

失踪宣告による相続は、相続人確認が重要です。

②失踪宣告を受けた人が共同相続人のひとり

(1)代襲相続で新たに相続人になる

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

失踪宣告で死亡と見なされた日が被相続人の死亡日より前である場合、代襲相続が発生します。

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したときに、相続人になるはずだった人の子どもや孫が相続することです。

相続人になるはずだった人の配偶者は、代襲相続人になりません。

失踪宣告が確定した後、被相続人の相続では代襲相続人が相続手続に参加します。

失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要です。

失踪宣告による相続で、新たに代襲相続人が相続人になります。

(2)数次相続で新たに相続人になる

相続が発生したときに元気だった相続人が後に死亡した場合、数次相続が発生します。

失踪宣告で死亡と見なされた日が被相続人の死亡日より後である場合、数次相続が発生します。

数次相続とは、相続が発生した時点で元気だった相続人が後に死亡したため、元気だった相続人の相続人が相続することです。

元気だった相続人の配偶者は、相続人になります。

失踪宣告が確定した後、数次相続人が相続手続に参加します。

失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要です。

失踪宣告による相続で、新たに数次相続人が相続人になります。

(3)次順位相続人が新たに相続人になる

相続人になる人は、法律で決められています。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

唯一の子どもが長期間行方不明で、失踪宣告を受けることがあります。

相続人になるはずだった子どもが被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

相続人になるはずだった子どもに子どもや孫がいない場合、代襲相続はできません。

相続人になるはずだった唯一の子どもが先に死亡したとみなされた場合、子どもがいない場合になります。

相続人になるはずだった唯一の子どもに配偶者がいても、配偶者は相続人になりません。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属が先に死亡している場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。

失踪宣告が確定した後、次順位相続人が相続手続に参加します。

失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要です。

失踪宣告による相続で、新たに次順位相続人が相続人になります。

③失踪宣告を受けた人が被相続人になる

(1)代襲相続で新たに相続人になる

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

失踪宣告で死亡と見なされた日が相続人になるはずだった人の死亡日より後である場合、代襲相続が発生します。

失踪宣告が確定した後、失踪宣告を受けた人の相続では代襲相続人が相続手続に参加します。

失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要です。

失踪宣告による相続で、新たに代襲相続人が相続人になります。

(2)数次相続で新たに相続人になる

相続が発生したときに元気だった相続人が後に死亡した場合、数次相続が発生します。

失踪宣告で死亡と見なされた日が相続人になるはずだった人の死亡日より前である場合、数次相続が発生します。

失踪宣告が確定した後、失踪宣告を受けた人の相続では数次相続人が相続手続に参加します。

失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要です。

失踪宣告による相続で、新たに数次相続人が相続人になります。

(3)次順位相続人が新たに相続人になる

相続人になる人は、法律で決められています。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

失踪宣告が確定した時点で、失踪宣告を受けた人の唯一の子どもが死亡していることがあります。

相続人になる人は、死亡と見なされる日を基準に判断します。

失踪宣告を受けた人の死亡と見なされる日と子どもが死亡した日を確認します。

唯一の子どもが死亡した後に失踪宣告を受けた人が死亡と見なされた場合、代襲相続が発生します。

唯一の子どもに子どもや孫がいない場合、代襲相続はできません。

相続人になるはずだった唯一の子どもが先に死亡した場合、子どもがいない場合になります。

相続人になるはずだった唯一の子どもに配偶者がいても、配偶者は相続人になりません。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属が先に死亡している場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。

失踪宣告が確定した後、次順位相続人が相続手続に参加します。

失踪宣告による相続で、新たに次順位相続人が相続人になります。

3生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

失踪宣告の申立ては、家庭裁判所に手続が必要になります。

通常ではあまり聞かない手続になると、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

認知症対策の家族信託で不動産の共有持分を信託

2026-10-05

1認知症になると契約ができない

①認知症になると判断ができない

認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいます。

物事のメリットデメリットを適切に判断できない場合、売買契約などの法律行為はできません。

自宅の持ち主であっても、判断能力が低下すると売却ができなくなります。

自宅を売却するためには、判断能力が必要だからです。

②判断能力低下で本人による財産管理ができなくなる

判断能力が低下すると、本人による財産管理が難しくなります。

自分の財産であっても、自分の判断で管理や処分をすることができません。

有効に財産の管理や処分をするには、充分な判断能力が必要だからです。

③共有する不動産の管理で日常的に調整が必要になる

共有する不動産の管理に関する事項は、原則として共有持分の過半数で決定します。

・空き家を賃貸するか

・雨漏り、外壁、設備などを修繕するか、どこまで修繕するか

・固定資産税、火災保険料、修繕費をどうやって負担するか

・庭木、残置動産、近隣苦情にどう対応するか

・駐車場として使うか、更地にして活用するか

共有者は、共有する不動産について日常的に判断を迫られます。

不動産管理で、日常的に共有者間の調整が必要になります。

④共有者が増えるほど認知症リスクが高まる

各共有者が持つ共有持分は、各共有者の財産です。

判断能力が低下すると、本人による財産管理が難しくなります。

共有する不動産の管理で日常的に調整が必要になるのに、判断ができなくなります。

共有者のうち一人が判断できなくなると、不動産全体の管理が難しくなるリスクがあります。

共有者のうち一人が判断できなくなると、不動産全体の処分ができなくなるリスクがあります。

共有する不動産全体の処分に関する事項は、共有者全員の合意で決定します。

共有者が増えると、認知症リスクが蓄積します。

物事のメリットデメリットを適切に判断できないと、有効な合意をすることができないからです。

共有者全員の合意がないと、不動産全体を処分することはできません。

認知症で判断能力が低下した共有者の共有持分がわずかであっても、不動産全体を処分することができなくなります。

共有者全員による有効な合意がないと、不動産全体を処分できないからです。

2認知症対策の家族信託で不動産の共有持分を信託

①信頼できる家族と信託契約

認知症になると、資産があるのに利活用ができなくなります。

認知症になる前に、資産凍結に備える必要があります。

認知症による資産凍結対策として、家族信託が有効です。

家族信託契約とは、信頼する家族に財産管理を依頼する契約です。

所有権をよく見ると、財産を管理する権利と財産を利用する権利に分けることができます。

家族信託を利用すると、財産を管理する権利と財産を利用する権利を別の人にすることができます。

財産を管理する権利を信頼できる家族に渡して、財産を利用する権利だけ自分が持っていることができます。

家族信託とは、財産を管理する権利を信頼できる家族に渡して、財産を利用する権利だけ持っている仕組みです。

家族信託を利用すると、認知症による資産凍結に効果的な対策になります。

財産を管理する権利を信頼できる家族に渡してあるからです。

資産凍結する理由は、所有者が自分で財産を管理できないからです。

家族信託を利用すると、信頼できる家族が財産を管理してくれます。

家族信託の当事者は、次の3つです。

・委託者 もともとの財産の所有者

・受託者 信託契約で財産管理を任される人

・受益者 財産を利用する権利を持つ人

認知症対策で家族信託を利用する場合、委託者と受益者は認知症の心配がある親、受託者は信頼できる家族です。

信頼できる家族と信託契約をすることで、効果的に認知症対策をすることができます。

②認知症になると信託契約はできない

家族信託契約は、信頼する家族に財産管理を依頼する契約です。

物事のメリットデメリットを適切に判断できない場合、契約などの法律行為はできません。

重度の認知症になると、有効に信託契約をすることはできなくなります。

家族信託契約をするなら、判断能力が低下する前である必要があります。

充分な判断能力がある間に、信託契約を締結します。

③委託者が認知症になった後も受託者が信託財産を管理

受託者は、信託契約で財産管理を任される人です。

信託契約を締結した後、信託した財産は受託者が管理処分をします。

委託者が認知症になって判断能力が低下しても、受託者の判断で管理処分をすることができます。

信託財産の管理方針は、信託契約で決めておきます。

受託者は信託契約で決められた信託財産の管理方針に従って、管理処分をします。

信託財産は受託者の名義になるけど、受託者の固有の財産ではありません。

受託者の判断で管理処分をすることができるけど、受託者が自由に使うことはできません。

信託財産は、信託契約の定めに従う財産だからです。

④不動産の共有持分を信託できる

不動産の共有者が持つ共有持分は、各共有者の財産です。

不動産の共有者は委託者となって、共有持分を信託することができます。

共有者は、共有する不動産について日常的に判断を迫られます。

委託者となった共有者は、自分で判断する必要がありません。

信託財産を管理するのは、受託者だからです。

委託者が認知症になって判断能力が低下しても、受託者の判断で管理処分をすることができます。

⑤一部の共有者が共有持分を信託できる

共有持分は、各共有者が自分の判断で処分することができます。

不動産の共有者が信託契約を締結する場合、他の共有者の同意は不要です。

共有持分を信託財産にする場合、他の共有者の同意は不要です。

受託者は、信託された財産についてのみ管理処分をすることができます。

他の共有者の共有持分について、管理処分をすることができません。

例えば父母が共有する不動産で、父が共有持分を信託した場合、受託者は父の共有持分のみ管理処分をします。

母の共有持分は、母が自分で管理処分をします。

不動産全体を売却などする場合、共有者全員の合意が必要です。

父が認知症で判断能力を失っても、受託者が信託契約の定めに従って合意をすることができます。

受託者と母に判断能力があれば、信託契約の定めに従って不動産全体を売却することができます。

母が認知症で判断能力を失ったら、不動産全体を売却することができません。

認知症で判断能力を失ったら、有効な合意ができなくなるからです。

⑥共有者全員が共有持分を信託できる

一部の共有者が共有持分を信託した場合、他の共有者の認知症リスクはそのままです。

共有者全員が共有持分を信託することができます。

共有者全員が共有持分を信託する場合、同一の受託者とすることができます。

共有者全員が共有持分を信託すれば、各共有者は自分で判断する必要はありません。

管理処分権限を受託者ひとりに集約することができます。

一人の受託者にすると、迅速な意思決定をすることができます。

受託者一人の合意で、信託契約の定めに従って不動産全体を売却することができます。

⑦信託の終了理由は信託契約で決めておく

信託は、永久に継続させることはできません。

信託契約を締結する際に、信託の終了理由を決めておきます。

信託の終了理由は、信託目的から考えます。

委託者の認知症対策で家族信託をする場合、委託者の死亡で信託を終了させる設計をするkとができます。

委託者の認知症対策の他に配偶者の生活の安定のため家族信託をする場合、委託者が死亡しても信託を終了させないことがあります。

配偶者の生活の安定のため、家族信託を継続させる方が信託目的にかなうでしょう。

委託者が死亡した後も、受託者は委託者の配偶者の生活の安定のため信託財産の管理処分を継続します。

委託者と委託者の配偶者が死亡したら、信託目的は達成したと言えます。

委託者と委託者の配偶者が死亡したことを終了理由にすることができます。

⑧信託財産は帰属権利者が引き継ぐ

信託が終了したとき、残った信託財産は帰属権利者に引き継ぎます。

信託契約を締結する際に、帰属権利者を決めておきます。

帰属権利者として、相続人でも相続人以外の人でも指定することができます。

信託財産は、信託契約の定めに従う財産です。

委託者が死亡しても、相続財産になりません。

信託が終了しても、相続財産とは別の財産です。

信託契約で、相続人のひとりを帰属権利者に指定することができます。

信託契約で、相続人以外の人を帰属権利者に指定することができます。

相続人であっても、信託財産は相続で引き継ぐのではありません。

相続人であっても相続人でなくても、信託契約で帰属権利者に指定されたから引き継ぎます。

複数の委託者が同一の帰属権利者を指定することができます。

共有者全員が共有持分を信託する場合、同一の帰属権利者を指定することができます。

共有者全員が同一の帰属権利者を指定した場合、最終的に共有を解消することができます。

3家族信託で共有持分を信託するときのメリットデメリット

メリット①管理処分権限の一元化

家族信託で共有持分を信託すると、受託者が信託財産の管理処分を担います。

受託者は信託契約の定めに従って、管理処分をすることができます。

共有者全員が同一の受託者に信託した場合、管理処分権限を一元化することができます。

売却や大規模修繕などの重要な意思決定を受託者のみの判断で行うことができます。

共有者全員による個別の同意を得る必要がなくなるから、迅速な意思決定をすることができます。

メリット②利益配分を維持したまま管理は一元化

管理処分をまかせても、経済的利益は各共有者に帰属させることができます。

従来どおりの利益配分を維持したまま、管理処分を一元化することができます。

メリット③相続による共有持分細分化の防止

共有者に相続が発生した場合、共有持分は相続財産の一部として共有者の相続人に相続されます。

共有持分の分け方を決められないまま、共有持分をさらに細分化して相続することがあります。

相続を繰り返すと、共有者が増え共有持分が細分化されます。

家族信託で共有持分を信託すると、信託財産は相続の対象になりません。

信託が継続する限り、管理処分の窓口は受託者です。

共有者が増えて意思決定が停滞することを防止することができます。

デメリット①受託者の権限集中によるリスクがある

家族信託では、受託者に権限が集中します。

受託者以外の家族から見ると、財産の管理や処分が分かりにくくなります。

家族の関係性によっては、不公平感や不信感が生まれることがあります。

不公平感や不信感を放置すると、トラブルに発展します。

実務では、受託者の権限を明確にし、報告義務を定めるなどして対策します。

デメリット②信託終了時の帰属権利者

信託終了時の帰属権利者は、信託契約で決めておくことが一般的です。

信託が終了したときに信託財産を引き継ぐ帰属権利者をあいまいにすると、終了時にトラブルになるおそれがあります。

信託を始めるときに、信託が終了したときのことを決めておく必要があります。

4家族信託を司法書士に依頼するメリット

家族信託は、信頼できる家族と締結する契約です。

委託者兼受益者と受託者だけでなく、家族みんなで意見共有が重要です。

家族信託を考え始めてから、実際に契約ができるまでに時間がかかることが通常です。

認知症は、進行性があります。

今日は元気だから、明日も元気で、これからずっと元気と思いたいものです。

急に、症状が進むことがあります。

認知症が心配になってから、家族信託の検討を始めるので、家族で争いが起きるのです。

まだまだ元気!若い者には負けない!と言える時こそ、対策のはじめどきです。

家族信託を考えている方は、早めに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄が受理された後は相続人でなくなる

2026-10-02

1相続放棄が受理された後は相続人でなくなる

①はじめから相続人でなくなる

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄とは、はじめから相続人でなくなるための手続です。

②相続放棄は撤回できない

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、撤回することはできません。

撤回とは、相続放棄が受理されたときには何も問題がなかったのに、後から問題が発生したので、なかったことにすることです。

「借金ばかりと思っていたから相続放棄をしたのに、莫大なプラスの財産が見つかったから相続放棄はなかったことにしたい」は、撤回です。

相続放棄は、撤回できません。

相続放棄が認められたのに撤回を認めると、相続の現場が混乱するからです。

相続の現場を混乱させる迷惑な行為だからです。

相続放棄には、3か月の期限があります。

たとえ3か月の期限内であっても、相続放棄の撤回はできません。

たとえ3か月の期限内であっても、相続の現場が混乱するからです。

③相続放棄で代襲相続は発生しない

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため相続人になるはずだった人の子どもなどが相続人になることです。

相続放棄をしても、相続放棄をした人の子どもなどは相続人になりません。

相続放棄は、代襲相続が発生する原因ではないからです。

莫大な借金を逃れるために相続放棄をした場合、子どもらに相続されないから安心です。

④次順位相続人が相続人になる

(1)自動で相続順位が繰り上がる

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

子どもが相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。

被相続人に子どもがいない場合、次順位の人が相続人になります。

自動で、相続順位が繰り上がります。

(2)相続放棄をした人にのみ相続放棄申述受理通知書が届く

相続放棄を認める決定をしたら、家庭裁判所は相続放棄申述受理通知書を送ります。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果通知です。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てをした人のみ送られます。

(3)家庭裁判所は次順位相続人に通知しない

相続放棄をした人は、はじめから相続人でなくなります。

相続人でなくなることによって、次順位の人が相続人になることがあります。

次順位の人が相続人になる場合であっても、家庭裁判所は自主的に通知しません。

家庭裁判所は、次順位の人が相続人になるか知らないからです。

家庭裁判所は、次順位の人が相続人になるのか調べる権限がありません。

家庭裁判所は、だれが次順位相続人であるか知らないからです。

家庭裁判所は、だれが次順位相続人であるか調べる権限がありません。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果通知に過ぎません。

次順位の人が相続人になる場合であっても、家庭裁判所は通知する義務はありません。

(4)相続放棄をした人は次順位相続人に通知する義務はない

相続放棄を受理しても、家庭裁判所は次順位相続人に通知しません。

相続放棄を受理されても、相続放棄をした人は次順位相続人に通知する義務はありません。

疎遠な相続人は連絡したくても、連絡する手段がないことも多いでしょう。

たとえ相続放棄をした人から連絡がなくても、やむを得ないことと言えます。

(5)次順位相続人は相続放棄申述の有無の照会ができる

被相続人に莫大な借金があっても、次順位の人に請求されることはありません。

子ども全員が相続放棄をしたら、莫大な借金は次順位相続人に請求されます。

相続放棄申述の有無の照会とは、家庭裁判所に対して相続放棄をしたか確認する手続です。

次順位相続人は、家庭裁判所に対して相続放棄申述の有無の照会をすることができます。

相続放棄をした人が通知しなくても、自分で確認することができます。

(6)次順位相続人も相続放棄ができる

相続放棄した人が相続人でなくなることによって、次順位の人が相続人になることがあります。

次順位相続人が相続人になったら、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、次順位相続人もはじめから相続人でなくなります。

相続人全員が相続放棄をしても、問題ありません。

⑤相続放棄申述受理通知書が届かなくても無効にならない

(1)相続放棄申述受理通知書は相続放棄の結果通知

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果通知に過ぎません。

相続放棄申述受理通知書が届かなくても、相続放棄は無効になりません。

相続放棄申述受理通知書の到達は、相続放棄の要件ではないからです。

(2)普通郵便で届くから紛れやすい

相続放棄申述受理通知書は、普通郵便で届きます。

注意していないと、DMなど日常の郵便物に紛れてしまうことがあるでしょう。

(3)結果通知は省略できない

相続放棄が認められない場合、不受理通知書が届きます。

家庭裁判所は、申立てに対して結果通知を省略することはできません。

(4)1か月以上経過したら家庭裁判所に確認

相続放棄の申立てをしてから1か月程度で、相続放棄申述受理通知書が届きます。

1か月以上経過しても届かない場合、家庭裁判所に確認するといいでしょう。

(5)相続放棄申述受理証明書の発行請求ができる

相続放棄が認められた人は、相続放棄申述受理証明書の発行請求をすることができます。

相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書の記載内容は、ほとんど同じです。

相続放棄申述受理通知書を紛失したら、相続放棄申述受理証明書の発行請求をすることが合理的です。

2相続放棄が受理された後は借金を引き継がない

①相続財産を引き継ぐ権利義務がなくなる

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が引き継ぎます。

相続人以外の人は、被相続人の財産を相続しません。

家庭裁判所で相続放棄をした人は、はじめから相続人でなくなります。

相続財産を引き継ぐ権利義務がなくなります。

家庭裁判所で相続放棄をした人は、プラスの財産を相続しません。

家庭裁判所で相続放棄をした人は、マイナスの財産を相続しません。

プラスの財産もマイナスの財産も、一切相続することがありません。

家庭裁判所で相続放棄をした人は、相続財産を処分する権利はありません。

相続財産を処分する行為は、自分が相続人であることを前提とした行為だからです。

②家庭裁判所は債権者に通知しない

相続放棄をした人は、被相続人の借金を引き継ぎません。

被相続人の債権者は、相続放棄をした人に借金の返済を求めることができません。

相続放棄を認める決定をしても、家庭裁判所は積極的に債権者に通知しません。

家庭裁判所は、被相続人の債権者を知らないからです。

家庭裁判所は、被相続人の債権者を調べる権限がありません。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果通知に過ぎません。

莫大な借金がある場合であっても、家庭裁判所は通知する義務はありません。

③相続放棄をした人は債権者に通知する義務はない

相続放棄を受理しても、家庭裁判所は債権者に通知しません。

相続放棄を受理されても、相続放棄をした人は債権者に通知する義務はありません。

相続人は連絡したくても、債権者の存在を知らないことも多いでしょう。

たとえ相続放棄をした人から連絡がなくても、やむを得ないことと言えます。

④債権者は相続人と信じて請求をする

相続放棄を受理しても、家庭裁判所は債権者に通知しません。

相続放棄を受理されても、相続放棄をした人は債権者に通知する義務はありません。

債権者は、相続放棄をしたことを知りません。

債務者が死亡したから相続人に返済してもらおうと考えて、借金の請求をして来ます。

借金の請求を受けたら、相続放棄申述受理通知書や相続放棄申述受理証明書を提示します。

相続放棄申述受理通知書や相続放棄申述受理証明書は、相続放棄をしたことの証明書だからです。

債権者に提示するときは、相続放棄申述受理通知書や相続放棄申述受理証明書にコピーで足りることがほとんどです。

⑤次順位相続人に借金の請求ができる

(1)債権者は相続放棄申述の有無の照会ができる

相続放棄申述の有無の照会ができる人は、相続放棄の利害関係人のみです。

被相続人の債権者は、利害関係人です。

相続放棄をした人に対して、借金の返済を請求することができなくなるからです。

相続放棄を受理しても、家庭裁判所は債権者に通知しません。

相続放棄をした人は債権者に通知する義務はありません。

債権者は、家庭裁判所に対して相続放棄をしたか確認することができます。

(2)債権者は次順位相続人を調査することができる

相続放棄をした人に対して、借金の返済を請求することができません。

債権者は、次順位相続人を調査することができます。

相続放棄をした人は、借金から逃れることができます。

相続放棄をしても、借金は消えません。

借金は、次順位相続人に引き継がれているからです。

次順位相続人を調査するため、債権者は戸籍謄本を請求することができます。

⑥相続財産を処分すると相続放棄が無効になる

相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。

相続人でないから、相続財産を処分する権限はありません。

相続財産を処分する行為は、相続人であると認めた行為と考えられます。

自分が相続人であると認めた行為だから、相続放棄は無効になります。

家庭裁判所は詳しい事情が分からないから、相続放棄を認める決定をしてしまうことがあるでしょう。

家庭裁判所の決定は、絶対ではありません。

債権者は、相続放棄は無効だから借金を払ってほしいと交渉することができます。

債権者は、相続放棄は無効だから借金を払ってほしいと訴訟を提起することができます。

相続財産を処分したと認められたら、相続放棄を無効になります。

3相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。

相続人らとの話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。

相続放棄は、その相続でチャンスは実質的には1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできます。

高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています。

認めてもらえやすい書類を作成することができます。

3か月の期間内に手続するのは、想像するよりハードルが高いものです。

相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

共有持分の放棄は単独行為でも登記は共同申請

2026-09-30

1共有持分の放棄は単独行為でも登記は共同申請

①共有持分の放棄に他の共有者の同意は不要

共有持分の放棄は、相手方のない単独行為と考えられています。

他の共有者の同意や承諾なく、単独で共有持分の放棄をすることができます。

他の共有者に対して通知をしなくても、共有持分の放棄は有効です。

共有持分の放棄について、法律上決められた特定の書式はありません。

実務的には、放棄した共有持分が他の共有者に帰属したことを伝えるため、配達証明付き内容証明郵便などで通知することが一般的です。

②共有持分の放棄で他の共有者に移転

共有持分が放棄されたら、放棄された共有持分は他の共有者に帰属します。

共有者が複数の場合、放棄された共有持分は他の共有者の共有持分に応じて帰属します。

不動産の共有者が大勢の場合、共有持分の帰属計算が複雑になります。

③共有持分を放棄しても登記は自動で変更されない

他の共有者の同意や承諾なく、単独で共有持分を放棄することができます。

共有持分を放棄すると、共有持分は自動で他の共有者に帰属します。

共有持分が自動で他の共有者に帰属しても、登記は自動で変更されません。

登記名義の変更には、当事者からの申請が必要です。

当事者からの申請がないと、登記簿は従前の共有者のまま記録が残ります。

④共有持分移転の登記は共同申請

共有持分を放棄した場合、放棄した共有持分について共有持分移転の登記をします。

共有持分の放棄による共有持分移転の登記は、単独で申請することはできません。

共有持分の放棄による共有持分移転の登記は、権利者と義務者による共同申請です。

権利者は、他の共有者全員です。

義務者は、共有持分を放棄した人です。

共有持分の放棄は単独行為でも、登記手続は共同申請です。

他の共有者に対して通知をしなくても、共有持分の放棄は有効です。

他の共有者に対して通知をしないと、登記手続に協力してもらいにくくなるでしょう。

⑤協力が得られないと訴訟が必要

共有持分を放棄したのに、登記手続に協力してもらえないことがあります。

他の共有者が登記に協力しなくても、共有持分の放棄そのものが無効になるわけではありません。

登記手続に協力してもらえない場合であっても、共有持分を放棄した人が勝手に登記名義を外すことはできません。

登記手続に協力してもらえない場合、登記手続を求める訴訟を提起することになります。

登記義務者は、登記権利者に対して登記引取請求権を有しているからです。

裁判所の判断によって、登記手続に必要な意思表示をしたものと扱うための手続です。

裁判所による勝訴判決などを得て、単独で判決などに基づいて共有持分移転の登記をすることができます。

共有名義を解消するために、訴訟まで発展する可能性があります。

相続で不動産を分けられないと、安易にとりあえず共有にすることがあります。

親族間の相続問題が訴訟まで発展することになることに、相続人全員が留意する必要があります。

⑥共有持分の放棄による共有持分移転登記で登録免許税

共有持分の放棄による共有持分移転の登記で、登録免許税が課されます。

登録免許税は、固定資産評価額を基に税率をかけて計算します。

共有持分の放棄による共有持分移転の登記の税率は、原則として1000分の20です。

例えば1億円の不動産の共有持分10分の1を移転する場合、移転する持分の価額は1000万円です。

登録免許税は、20万円です。

2登記を変更しないと解決しない

①登記を変更しないと第三者に主張できない

共有持分が放棄されたら、放棄された共有持分は他の共有者に帰属します。

共有持分を放棄したら、共有者でなくなります。

共有持分を放棄したことは、第三者からは分かりません。

登記を変更しなくても、共有者でなくなっています。

登記を変更しなくても、共有持分の放棄が無効になるわけではないからです。

登記を変更しないと、依然として第三者から共有者のひとりに見えます。

第三者は共有持分を放棄したのか放棄していないのか、知る由がないからです。

登記を変更しないと、第三者に対して共有者でなくなったと主張できません。

②登記を変更しないと固定資産税が課され続ける

不動産を保有していると、固定資産税が課されます。

固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者に課されます。

登記を変更しないと、市町村に対して共有者でなくなったと主張できません。

登記手続に協力してもらえない場合、裁判手続をすることになります。

裁判手続中は、登記はそのままのはずです。

登記を変更しないまま1月1日になると、新たに固定資産税が課されます。

固定資産税は、台帳課税主義を採用しています。

課税台帳に登載されたら、固定資産税から逃れられません。

登記を変更しないと、課税対象者になります。

共有持分を放棄して共有者でなくなっても、固定資産税が課され続けます。

登記を変更しないと、依然として市町村から共有者のひとりに見えるからです。

登記を変更しないと、固定資産税から逃れられません。

③登記を変更しないと近隣からの請求

不動産を保有していると、不動産を適切に管理して近隣に迷惑をかけない責任があります。

例えばブロック塀が倒れて通行人がけがをした場合、損害賠償を求められるおそれがあります。

登記を変更しないと、けがをした通行人に対して共有者でなくなったと主張できません。

登記を変更しないと、損害賠償などから逃れられなくなる可能性があります。

④共有持分を放棄した証明資料が必要になる

登記を変更しないと、依然として登記簿上は共有者のひとりに見えます。

共有持分を放棄した場合、共有者でなくなります。

共有持分を放棄していない場合、共有者のままです。

証拠がないと、共有持分を放棄したのか放棄していないのか確認できなくなります。

将来共有者でないことを主張するため、共有持分を放棄した証明資料を保管し続ける必要があります。

他の共有者が共有持分を放棄したのか放棄していないのか覚えているとは限らないからです。

⑤共有持分を放棄した人に相続発生

共有持分を放棄した場合、放棄した共有持分は他の共有者に帰属します。

他の共有者に帰属したのに登記を変更していないと、登記簿上は共有者のままです。

放棄した共有持分は他の共有者に帰属したから、共有持分は相続財産ではないはずです。

相続人が財産調査をすると、相続財産であるように見えます。

共有持分を放棄して相続財産でないことを確認する必要があります。

共有持分を放棄した証明資料が散逸すると、共有者なのか共有者でないのか分からなくなります。

他の共有者は、共有者なのか共有者でないのか正確に覚えているとは限りません。

共有する不動産を売却などしたいとき、手続に関与するのか分からなくなります。

共有持分を放棄した人に相続発生すると、共有のトラブルに相続人を巻き込むことになります。

3共有持分の放棄で注意すること

①共有持分の放棄で贈与税の対象になる可能性

共有持分を放棄すると、放棄した共有持分は他の共有者全員に帰属します。

放棄した共有持分の移転は、税法上贈与と見なされます。

移転した持分の価額によっては、贈与税の対象になります。

②共有持分の放棄は不動産取得税の対象

不動産取得税とは、不動産を取得したときに1回だけ課される税金です。

有償で取得しても無償で取得しても、不動産取得税が課されます。

遺産分割協議で不動産を取得する相続人を決めた場合、不動産取得税はかかりません。

遺産分割協議で共有すると決めた後、共有持分を放棄することがあります。

共有持分を放棄した場合、不動産取得税の対象になります。

③共有持分の放棄で農地法の許可は不要

共有する不動産が農地であることがあります。

農地を売買や贈与などで名義変更をする場合、原則として農地法の許可が必要です。

共有持分の放棄で共有持分が他の共有者に移転する場合、農地法の許可は不要です。

共有持分の放棄は、売買や贈与などと法律上の性質が異なるからです。

共有持分の放棄は、単独行為と考えられています。

共有持分が他の共有者に移転するのは、法律による効果です。

法律による当然の効果だから、農地法の許可は不要です。

4共有持分を放棄すればいいと考えて共有にしない

①とりあえず共有にするのはリスクが大きい

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続人全員の話し合いがつかない場合、とりあえず共有にすることがあります。

とりあえず共有にすることは、遺産分割の問題を解決しません。

とりあえず共有にしても後から放棄すればいいと考えるのは、共有にする理由になりません。

共有持分の放棄をしても、登記手続には他の共有者全員の協力が必要だからです。

他の共有者全員の協力が得られなかったら、訴訟に発展します。

最初から共有にしなければ、共有持分を放棄した後の登記手続をめぐる訴訟にはなりません。

②不動産を受け取らない遺産分割協議ができる

相続人全員の合意ができれば、どのような財産の分け方でもすることができます。

一部の相続人が不動産を受け取らない合意をすることができます。

せっかく相続できるのだから共有で相続しようと、考えることがあります。

不動産を共有すると、共有者は不動産の管理や処分に関わることになります。

後になって共有持分を放棄するなら、はじめから遺産分割協議で取得しない判断がおすすめです。

遺産分割協議で不動産を受け取らない合意をしたら、その後の管理や処分に関わる必要がありません。

最初から共有にしなければ、共有持分を放棄した後の登記手続をめぐる訴訟にはなりません。

欲しくない不動産を取得しないことは、遺産の分け方を決めるうえでの一つの選択です。

5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。

書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。

せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

遺言書はいつでも何度でも変更できる

2026-09-28

1遺言書はいつでも何度でも変更できる

①遺言書は遺言者の意思を示すもの

自分の財産は、自由に処分することができます。

自分の死亡後、自分の財産をだれに引き継がせるか自由に決めることができます。

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言書を作成して、自分の財産をだれに引き継がせるか自由に決めることができます。

②遺言者の意思はいつでも変更できる

遺言者は、いつでも遺言書を作ることができます。

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言者は、いつでも遺言書の内容を変更することができます。

遺言者は、いつでも意思を変更することができるからです。

③遺言書の作成数に制限はない

遺言書が複数見つかることは、珍しくありません。

遺言書を作成した後に気持ちが変わって、遺言書を再度作成することができます。

相続人や相続財産の状況が変われば、気持ちが変わるのはよくあることです。

遺言書の作成数に、制限はありません。

遺言書は、何通作成しても差し支えありません。

遺言者は、何度でも遺言書の内容を変更することができます。

内容を変更するため、遺言書は何通でも作成できる制度として設計されています。

④遺言書の変更に相続人の同意は不要

遺言書に効力が発生するのは、遺言者が死亡したときです。

遺言者が生きている間、遺言書には何の効力もありません。

遺言書を作成して財産を相続させると書いても、相続人には何の権利もありません。

遺言書の変更に、相続人の同意は不要です。

相続人は、遺言書の変更を妨害することはできません。

たとえ相続人が反対意見を述べても、遺言者は自由に遺言書を変更することができます。

遺言書は、遺言者の意思を示すものだからです。

⑤遺言書を変更しない約束は無効

遺言書を作成するときに、相続人と遺言書を変更しないと約束することがあります。

遺言書を変更しない約束は、無効の約束です。

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言者が意思を変更することができるのは、当然です。

たとえ遺言書を変更しないと約束しても、遺言書を変更することができます。

相続人であっても、遺言の自由を奪うことはできないからです。

⑥遺言者の財産は遺言者の財産のまま

(1)遺言者は財産を処分できる

遺言書を作成しても、遺言者の財産は遺言者の財産のままです。

遺言者は、自分の財産を自由に処分することができます。

(2)財産処分に相続人の同意は不要

遺言書を作成して財産を相続させると書いても、相続人には何の権利もありません。

自分の財産を処分するだけだから、相続人の同意は不要です。

相続人は、財産の処分を妨害することはできません。

たとえ相続人が反対意見を述べても、遺言者は自由に財産を処分することができます。

2遺言書作成後に変更する方法

①自筆証書遺言は破棄修正ができる

自筆証書遺言作成後、原則として、遺言者が自分で保管します。

遺言者は、手元で保管している自筆証書遺言を破棄することができます。

遺言者が故意に破棄した場合、遺言を撤回したと見なされます。

遺言者は、手元で保管している自筆証書遺言を修正することができます。

②公正証書遺言は破棄修正ができない

(1)破棄や修正する制度がない

公正証書遺言作成後、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。

公正証書遺言作成後は、破棄や修正をすることができません。

公正証書遺言には、破棄や修正をする制度がないからです。

たとえ遺言者本人が公証役場に出向いても、破棄することはできません。

たとえ遺言者本人が公証役場に出向いても、修正をすることはできません。

(2)正本や謄本はコピーに過ぎない

公正証書遺言を作成すると、遺言者には正本と謄本が渡されます。

遺言者が死亡したら、正本や謄本で遺言書の内容を実現します。

正本や謄本は、コピーに過ぎません。

正本や謄本を破棄しても、意味はありません。

正本や謄本に書き込みをしても、意味はありません。

遺言書原本は、公証役場で厳重保管されているからです。

正本や謄本を破棄しても、相続発生後に相続人は謄本を請求することができます。

正本や謄本に書き込みをしても、相続発生後に相続人は書き込みがない謄本を取得することができます。

相続人は、取得した謄本で遺言書の内容を実現することができます。

③法務局保管制度は保管を撤回することができる

(1)自筆証書遺言の法務局保管制度は保管場所の選択肢

自筆証書遺言作成後は、保管場所に困ります。

保管場所を家族と共有していないと、紛失リスクや見つけてもらえないリスクがあります。

保管場所を家族と共有していると、偽造変造リスクがあります。

自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管場所の選択肢です。

自筆証書遺言を提出して、保管してもらうことができます。

遺言者は法務局での保管を撤回して、自宅で保管することができます。

(2)保管を撤回しても遺言書は有効のまま

自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管場所の選択肢です。

法務局の保管を撤回しても、遺言書の効力に変更はありません。

有効な遺言書は、保管場所を変更しても有効なままです。

④遺言書を撤回して新遺言書を作成

(1)遺言書はいつでも何度でも撤回できる

遺言者は、作成した遺言書をいつでも何度でも撤回することができます。

遺言書は、遺言者の意思を示すものだからです。

遺言書を撤回すると、先に作成した遺言書は無効になります。

(2)新遺言書を作成して旧遺言書を撤回する

自筆証書遺言は、遺言者が故意に破棄することで撤回することができます。

公正証書遺言は、破棄する制度がありません。

自筆証書遺言と公正証書遺言は、どちらも新遺言書を作成して撤回することができます。

新遺言書に「先に作成した遺言書を撤回する」と、はっきり書いておきます。

新遺言書にはっきり書いておくことで、明確に旧遺言書を無効にすることができます。

(3)新遺言書に財産の分け方を書く

先に作成した遺言書を撤回すると、遺言書が無効になります。

そのまま遺言者が死亡したら、相続人全員による遺産分割協議が必要になります。

先に作成した遺言書を撤回したうえで、財産の分け方を決めておくことができます。

旧遺言書の撤回条項と一緒に新しい財産の分け方を1通の遺言書に取りまとめることができます。

旧遺言書の撤回条項と新しい財産の分け方を書くことで、旧遺言書を変更することができます。

遺言書の変更とは、旧遺言書の撤回と新遺言書の作成です。

⑤内容矛盾で旧遺言書を撤回

(1)内容が矛盾した条項だけ撤回

遺言書を複数作成する場合、内容が矛盾することがあります。

内容が矛盾した場合、古い遺言書が撤回されたと見なされます。

遺言書全体が撤回されたと見なされるのではなく、矛盾した内容の部分のみ撤回されたと見なされます。

(2)複数の遺言書があると相続手続が難航

複数の遺言書があると、相続手続が難航しがちです。

内容に矛盾がない条項は、古い遺言書で相続手続をします。

内容に矛盾がある条項は、新しい遺言書で相続手続をします。

どちらの遺言書を使うのか、検討する必要があるからです。

(3)新しい遺言書に撤回条項を置く

相続手続の混乱を防止するため、新しい遺言書に撤回条項を置くのがおすすめです。

新遺言書に「先に作成した遺言書を撤回する」と、はっきり書いておきます。

確実に古い遺言書を無効にできるから、内容の矛盾を検討する必要がなくなります。

⑥財産処分により旧遺言書を撤回

(1)遺言書を作成しても財産は遺言者のもの

遺言書を作成しても、遺言者の財産は遺言者のものです。

遺言者は、自分の財産を自由に処分することができます。

(2)生前に処分された財産の条項は撤回

遺言書に書いた財産であっても、遺言者は自由に処分することができます。

例えば遺言書に「自宅は、長男に相続させる」「預貯金は、長女に相続させる」と書いたのに、自宅を贈与することができます。

自宅を贈与した後に遺言者が死亡した場合、「自宅は、長男に相続させる」は撤回されたと見なされます。

「預貯金は、長女に相続させる」は、そのまま有効です。

撤回した見なされるのは、生前に処分された財産の条項だけだからです。

(3)遺言書の見直しがおすすめ

遺言書を作成する場合、相続人に配分する財産のバランスに配慮するでしょう。

遺言書を作成した後、財産を処分すると大きくバランスが崩れることがあります。

例えば遺言書に「自宅は、長男に相続させる」「預貯金は、長女に相続させる」と書いたのに、自宅を売却することができます。

売却代金を預貯金口座に入金すると、大きくバランスが崩れます。

重要な財産を処分する際は、遺言書を見直すことがおすすめです。

重要な財産を処分する際に、あらためて遺言書を作成することができます。

3新しい遺言書は公正証書遺言が合理的

①新たな遺言書が無効になると撤回が無効になる

新たに作成した遺言書が無効になることがあります。

無効になった遺言書の内容は、実現できません。

新たな遺言書で撤回しようとしても、無効の遺言で撤回することはできません。

新たな遺言書が無効になると、撤回が無効になります。

②公正証書遺言は書き方ルールの違反で無効にならない

遺言者は、遺言の方式で遺言書を撤回することができます。

新しい遺言書の方式に、制限はありません。

自筆証書遺言は、専門家が関与することなく作られます。

遺言者本人が遺言書の厳格な書き方ルールに詳しいことはあまりありません。

不備があっても、遺言者本人は気が付くことができないでしょう。

遺言書の書き方ルールに違反があると、遺言書は無効になります。

新しい遺言書で古い遺言書を撤回するつもりでも、無効の遺言書で撤回はできません。

新しい遺言書が無効になると、古い遺言書が有効です。

古い遺言書の内容が実現されます。

③公正証書遺言は紛失リスクや偽造変造リスクがない

自筆証書遺言を作成したら、原則として遺言者が自分で保管します。

自筆証書遺言は、保管場所に困ります。

保管場所を家族と共有していないと、紛失するリスクや見つけてもらえないリスクがあります。

保管場所を家族と共有していると、偽造変造リスクがあります。

公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。

公正証書遺言は、紛失リスクがありません。

公正証書遺言は、偽造変造リスクがありません。

4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

実は、民法に遺言書を作ることができるのは15歳以上と定められています。

死期が迫ってから書くものではありません。

遺言書は被相続人の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげるものです。

遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。

特に、受け継いでもらう財産に不動産がある場合、譲ってもらう人だけでは登記申請ができません。

遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力が必要です。

遺言書で遺言執行者を決めておきましょう。

遺言執行には法的な知識が必要になりますから、遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう心配もあります。

遺言の効力が発生した後の場合、遺言執行者は家庭裁判所に決めてもらう必要があります。

不動産以外の財産であっても、遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、受遺者に引渡そうとしないこともあります。

家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現するために、せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。

お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続登記で複数の不動産を一括申請する条件

2026-09-25

1相続登記で複数の不動産を一括申請する条件

①登記簿が別なら別の不動産

被相続人が複数の不動産を保有していることがあります。

不動産を保有している場合、相続登記をします。

複数の不動産がある場合、それぞれの不動産について相続登記をします。

登記簿は、不動産ごとに備えられています。

登記簿が別なら、別の不動産です。

複数の不動産とは、登記簿が別になっている不動産が複数あることです。

自宅には、土地と建物があるでしょう。

土地と建物は、それぞれ登記簿が備えられています。

登記簿が別だから、複数の不動産です。

自宅の敷地とは別に、私道を保有していることがあります。

自宅の敷地と私道は、それぞれ登記簿が備えられています。

自宅の敷地に至る私道は、近隣の人と共有していることがあります。

共有とは、1つの登記簿に複数の人が記録されている状態です。

自宅と駐車場が地続きになっていても、登記簿は別になっていることがあります。

自宅と駐車場を一体利用していても、登記簿が別になっていれば複数の不動産です。

自宅の敷地の上に、2棟の建物が存在することがあります。

2棟の建物に、それぞれ登記簿が備えられていることがあります。

2棟の建物を自宅として使っていても、登記簿が別になっていれば複数の不動産です。

②複数の不動産を一括申請する条件

(1)申請する法務局が同じ

登記申請は、不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。

法務局の管轄は、法務局のホームページで確認することができます。

法務局は、管轄外の登記申請を審査する権限がありません。

申請する法務局が同じ場合、複数の不動産を一括申請することができます。

例えば、名古屋市内の不動産管轄は、次のとおりです。

名古屋法務局本局

中区、東区、北区、中村区、西区、千種区、昭和区

熱田出張所

熱田区、南区、中川区、港区、瑞穂区、緑区

名東出張所

名東区、守山区、天白区

例えば、名古屋市中区と東区の不動産がある場合、一括申請することができます。

名古屋市内であっても、名古屋市中区と熱田区の不動産がある場合、一括申請することができません。

名古屋市中区は名古屋法務局本局管轄で、名古屋市熱田区は名古屋法務局熱田出張所の管轄だからです。

名古屋法務局本局は、名古屋法務局熱田出張所管轄の申請を審査する権限がありません。

(2)相続する権利が同じ

不動産には、さまざまな権利があります。

所有権は、最も一般的な権利です。

相続する権利が同じ場合、複数の不動産を一括申請することができます。

相続する権利が異なる場合、それぞれ別の申請書で申請します。

(3)登記名義人が同じ

登記簿の登記名義人が同じ場合、複数の不動産を一括申請することができます。

登記簿謄本を確認すると、一部の不動産について被相続人の名義になっていないことがあります。

被相続人が複数の不動産を保有していたのに、先代名義のままになっていることがあるからです。

登記名義人が異なる場合、別の相続です。

別の相続だから、一括申請をすることはできません。

例えば、自宅の土地は父名義で自宅に至る私道は亡祖父名義のままである場合、一括申請することができません。

登記簿の登記名義人が同一でない場合、一括申請することができません。

(4)不動産の取得者が同じ

不動産の取得者が同じ場合、複数の不動産を一括申請することができます。

例えば、自宅の土地は配偶者が相続し自宅建物は子どもが相続する場合、一括申請することができません。

不動産の取得者が異なる場合、それぞれ別の申請になるはずです。

登記申請は、不動産の取得者が手続するからです。

別の申請だから、一括申請をすることはできません。

不動産の取得者が異なる場合、それぞれ別の申請書で申請します。

(5)4条件全部を満たす必要がある

複数の不動産を一括申請することができるのは、4条件をすべて満たすときだけです。

一括申請することができないのに一括申請をすると、却下や取下げになります。

4条件をすべて満たすことができない場合、それぞれ別の申請書を提出します。

③単独所有権の不動産と共有の不動産は一括申請できる

被相続人が複数の不動産を保有していた場合、一部は単独所有で一部は共有であることがあります。

例えば自宅の土地は単独所有で自宅に至る私道は、近隣の人と共有しているケースです。

複数の不動産がある場合、それぞれ相続登記が必要です。

単独所有権の不動産と共有の不動産であっても、4条件を満たせば一括申請をすることができます。

④異なる共有持分の相続登記は一括申請できる

被相続人が複数の不動産を共有していた場合、それぞれ共有持分が異なることがあります。

例えば自宅建物は持分2分の1で、自宅に至る私道は5分の1で共有しているケースです。

共有持分が異なる不動産であっても、4条件を満たせば一括申請をすることができます。

⑤複数の相続登記を連件で提出できる

条件を満たせないときは、複数の登記申請をします。

同一管轄であれば、複数の登記申請をまとめて提出することができます。

複数の登記申請であっても、必要書類は共通することが多いでしょう。

連件申請をする場合、必要書類は1通提出するだけで済ませることができます。

2複数の不動産があっても法務局は申請した不動産だけ審査

①複数の不動産があるときは全部相続登記が必要

被相続人が複数の不動産を保有していた場合、保有していた不動産全部について相続登記が必要です。

自宅の土地について相続登記をしたら、名義変更ができるのは自宅の土地だけです。

自動で、自宅建物の名義変更がされることはありません。

自動で、自宅に至る私道の名義変更がされることはありません。

②法務局は申請があった不動産だけ審査する

法務局は、申請された不動産だけ審査をします。

自宅の土地について相続登記を申請したら、法務局は自宅の土地だけ審査します。

自宅建物の名義変更について、審査しません。

自宅に至る私道の名義変更について、審査しません。

複数の不動産があっても、申請されていない不動産について知らせてくれません。

自宅建物や自宅に至る私道の名義変更を見逃しても、法務局に文句を言うことはできません。

名義変更を見逃したのは、相続人の責任です。

不動産を売却などするときに、名義変更がされていないことに気づきます。

③名寄帳を取得して不動産を調査する

名寄帳は「なよせちょう」と読みます。

名寄帳とは、土地や家屋を所有者ごとにまとめた一覧表です。

不動産などの固定資産を保有していると、固定資産税の対象になります。

市町村は、固定資産税を賦課徴収するため、固定資産課税台帳を作成しています。

名寄帳は、固定資産課税台帳から所有者ごとに一覧表に取りまとめた書類です。

名寄帳を見ると、被相続人の不動産を一覧で確認できます。

名寄帳は、所有者ごとに情報が取りまとめてあります。

被相続人の不動産を一覧で確認できるから、名寄帳はとても便利です。

④令和8年2月2日から所有不動産記録証明制度

所有不動産記録証明制度とは、法務局で名寄せができる仕組みです。

名寄帳は、市町村ごとに請求する必要があります。

所有不動産記録証明制度では、日本中を対象に不動産を一覧で確認することができます。

所有不動産記録証明制度は、相続登記義務化に伴って導入された制度です。

3相続登記で複数の不動産を一括申請する方法

①申請書に対象不動産をまとめて記載

4条件を満たせば、一括申請をすることができます。

申請書に対象となる不動産をまとめて記載します。

例えば土地と建物をまとめて記載することができます。

土地の全所有権と土地の共有持分をまとめて記載することができます。

まとめて記載できる不動産の件数に、制限はありません。

②登録免許税は不動産の評価額合計から計算

相続登記をする際に、登録免許税を納める必要があります。

不動産が複数であっても、特別なルールはありません。

課税価格は、不動産の固定資産税評価額を合計した金額です。

登録免許税は、課税価格の1000分の4です。

③申請件数に応じて司法書士報酬

相続登記は、相続手続の中でも難しい手続です。

自分で手続せずに、司法書士などの専門家に依頼することができます。

司法書士報酬は、申請件数に応じて計算されることが一般的です。

一括申請ができるのに別で申請すると、司法書士報酬が高くなる可能性があります。

4相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

ほとんどの方は、相続を何度も経験するものではありません。

手続に不慣れで、聞き慣れない法律用語でへとへとになります。

一般的にいって、相続登記は、その中でも難しい手間のかかる手続です。

不動産は、重要な財産であることが多いものです。

一般の方からすると、些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

本人が自分で申請している場合、些細なことであれば法務局の窓口まで出向いて申請書の記載を補正することができるケースがあります。

申請書の記載誤りがあると、委任状も記載誤りになります。

代理人に依頼して申請している場合、委任状の記載も一緒に補正する必要があります。

委任状の記載内容は、本人が依頼したことのはずです。

代理人が補正することを認めてもらえない場合が多いものです。

申請書と委任状の記載が一致していない場合、適切な委任を受けていないと判断されます。

適切な委任を受けていない場合、申請書は受け付けてもらえません。

いったん申請を取り下げて、やり直しになります。

相続登記は簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

法務局の登記相談に行っても、何が良くないのか分からなかったというケースも多いです。

司法書士はこのような方をサポートしております。

相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

突然相続が起きたときの初動対応

2026-09-23

1 相続手続の全体像

①相続人全員を確認する

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

相続人になる人は、法律で決められています。

戸籍謄本を取得して、相続人全員を確認します。

戸籍謄本には、その人に身分事項がすべて記録されているからです。

相続人が分からないと、適切に相続手続を進められなくなります。

相続人全員を確認するためには、戸籍謄本が必要です。

②遺言書の有無を確認する

被相続人が生前に、遺言書を作成していることがあります。

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言書があれば、遺言書の内容どおりに財産を引き継ぐことができます。

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言は、自分で書いて作る遺言書です。

自宅などで保管する方法と法務局に提出して保管してもらう方法があります。

自宅などで遺言書を探し、法務局保管制度を利用しているか確認することができます。

自宅などで見つかった自筆証書遺言は、勝手に開封することはできません。

家庭裁判所に提出して、検認手続を受ける必要があるからです。

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に伝え公証人が作成する遺言書です。

公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。

相続人は、公証役場で公正証書遺言の有無を確認することができます。

③相続財産を調査する

被相続人の財産は、原則として相続人が相続します。

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産が含まれます。

相続人は、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産の両方を引き継ぎます。

相続財産を漏らさないようにするため、慎重に調査します。

④相続を単純承認するか相続放棄をするか判断する

相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所に手続をしないで、相続放棄をすることはできません。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続財産の状況によって単純承認するか相続放棄をするか判断するなら、相続財産を調査する必要があります。

相続財産の状況にかかわらず相続放棄を希望するなら、相続財産を調査する必要はありません。

相続放棄をする意思が重視されるのであって、相続財産の状況は重視されないからです。

相続放棄をするか判断できる程度に、相続財産調査をすれば問題はありません。

例えば、わずかなプラスの財産と莫大なマイナスの財産がある場合、莫大なマイナスの財産があると分かれば判断できます。

どこにいくらの借金があるのか、詳細に調査する必要はありません。

⑤遺産分割協議をする

遺言書がなければ、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

一部の相続人だけで、遺産分割協議を成立させることはできません。

多数決で、遺産分割協議を成立させることはできません。

遺産分割協議を成立させるには、相続人全員の合意が必要です。

⑥相続手続をする

遺言書がある場合、遺言書の内容どおりに財産を引き継ぎます。

遺産分割協議を成立させた場合、相続人全員の合意どおりに財産を引き継ぎます。

相続財産を引き継ぐため、相続手続が必要です。

被相続人が不動産を保有していた場合、法務局に対して相続登記をします。

相続登記をするときは、法務局のルールに従って手続をします。

被相続人が預貯金口座を持っていた場合、各金融機関に対して口座凍結解除をします。

口座凍結解除をするときは、各金融機関のルールに従って手続をします。

相続手続先によって、相続手続のルールは異なります。

2突然相続が起きたときの初動対応

①各相続人が自分で判断すること

相続手続は、各相続人が自分で判断する必要があることと他の人に依頼できることがあります。

自分で判断する必要があることは、家族であっても他人まかせにできません。

自分で判断する必要があること以外の事務作業は、他の人に依頼することができます。

他人まかせにできないことは、次のとおりです。

・相続を単純承認するか相続放棄をするか判断する

・相続財産の分け方を決定する

②相続手続は分担して進める

相続手続をするためには、手間と時間がかかります。

他人まかせにできないこと以外の事務作業は、分担することができます。

相続人全員で、手間と時間を分担することができます。

事務作業は、司法書士などの専門家に依頼することができます。

③相続の費用負担と事務負担を集中させない

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定することができます。

相続手続をするためには、手間と時間がかかります。

一部の相続人が多くの相続手続を担当すると、その人に事務負担が集中します。

受け取る財産を平等にしたのに事務負担が多大であるとなると、不満を覚えるでしょう。

一部の相続人に事務負担を押し付けると、相続トラブルに発展するおそれがあります。

事務負担を考慮して相続財産の分け方を決めた場合、相続トラブルを回避しやすくなります。

司法書士などの専門家に相続手続のサポートを依頼すると、費用がかかります。

一部の相続人に費用負担を押し付けると、相続トラブルに発展するおそれがあります。

相続手続のサポートを依頼したときの費用をどのように負担するのか、決めておくことが重要です。

例えば、相続財産には銀行などの預貯金があることが多いでしょう。

相続手続のための費用は、相続財産から支出する合意をすることができます。

相続手続のための費用を支出したうえで、残りを分ける合意をすることができます。

各相続人が直接費用を支出するより、相続財産から支出する方が合意しやすいでしょう。

④相続放棄には3か月の期限がある

(1)相続放棄3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知ってから、と考えられています。

相続財産が全くないと信じたことに相当の理由がある場合、相続財産の存在を知ってから3か月がスタートすると考えることができます。

相続放棄の期限3か月は、相続を単純承認するか相続放棄をするか判断する期間です。

被相続人が死亡してから3か月以上経過しても、相続があったことを知ってから3か月経過していないことがあります。

相続があったことを知ってから3か月以内であれば、相続放棄をすることがあります。

(2)相続放棄は撤回できない

相続があったことを知ってから3か月経過すると、相続放棄はできなくなります。

相続放棄の期限3か月は、相続を単純承認するか相続放棄をするか判断するための期間です。

いったん相続放棄をすると、相続することはできません。

相続放棄をしたのに新たなプラスの財産が見つかっても、相続放棄を撤回することはできません。

相続放棄の期限3か月以内であっても、相続放棄を撤回することはできません。

(3)相続財産を利用処分すると相続放棄ができなくなる

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続人でないから、相続財産を利用処分することはできません。

相続財産を利用処分することは、相続人を前提とする行為です。

相続財産を利用処分すると、相続放棄ができなくなります。

相続財産を利用処分すると、単純承認と見なされるからです。

⑤遺産分割をして相続手続

(1)遺言書があれば遺言書の内容どおりに引き継ぐことができる

遺言書を作成して、どの財産をだれに引き継ぐか決めておくことができます。

遺言書があれば、遺言書の内容どおりに財産を引き継ぐことができます。

相続手続をする場合、相続手続先に遺言書を提出します。

(2)遺言執行者に相続手続はおまかせできる

遺言書を作成するだけで、意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者は、遺言書で指名することができます。

遺言執行者がいると、遺言書の内容を実現してもらうことができます。

遺言執行者がいると、相続人は手や口を出すことができないからです。

善意であっても、手や口を出すと妨害行為に見えることがあります。

遺言執行者がいると、手間と時間がかかる相続手続をおまかせすることができます。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人だからです。

(3)遺言書がなければ遺産分割協議

遺言書がなければ、相続人全員で遺産分割協議をします。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続財産の分け方は、相続人全員が自分で判断する必要があります。

相続人全員による合意がまとまったら、合意内容は遺産分割協議書に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。

遺産分割協議書を作成することは、司法書士などの専門家に任せることができます。

相続財産の分け方を決定することは、各相続人が自分で判断します。

相続財産の分け方を決定することは、他人まかせにすることができません。

相続財産の分け方を決定した後、合意内容を伝えて専門家に書面を作ってもらうことは割とよくあることです。

3相続人調査を司法書士に依頼するメリット

本籍地の変更や国による戸籍の作り直し(改製)で多くの方は、何通もの戸籍を渡り歩いています。

古い戸籍は、現在と形式が違っていて読みにくいものです。

古い戸籍は、手書きの達筆な崩し字で書いてあって分かりにくいでしょう。

慣れないと、戸籍集めはタイヘンです。

本籍地を何度も変更している方や結婚、離婚、養子縁組、離縁を何度もしている方は、戸籍をたくさん渡り歩いています。

戸籍を集めるだけで、膨大な手間と時間がかかります。

役所や法務局の手続では、通常、戸籍謄本や住民票の期限は問われません。

銀行預金の解約など銀行の手続では、銀行独自で期限を設けている場合があります。

集めた戸籍謄本や住民票を手続後、返却してくれる場合、返却してくれない場合があります。

期限があって、かつ、返却してくれるところから優先して手続するといいでしょう。

集めた戸籍謄本や住民票を返却してくれないところをはじめに手続すると、集めた戸籍謄本や住民票の集め直しになるからです。

段取りよく要領よく手続するには、ちょっとしたコツがいります。

仕事や家事で忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続きを丸ごとおまかせすることができます。

家族にお世話が必要な方がいて、そばを離れられない方からの相談もお受けしております。

集めてみたけど、途中で挫折したことがあるでしょう。

全部集めたと思ったのに、金融機関や役所からダメ出しされることがあります。

このような場合、司法書士が目を通して、不足分を取り寄せします。

相続人調査でお困りのことがあれば、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。

戸籍謄本や住民票は、郵便による取り寄せもできます。

書類の不備などによる問い合わせは、市区町村役場の業務時間中の対応が必要になります。

負担は、軽いとは言えません。

戸籍謄本や住民票の取り寄せも、司法書士は代行します。

相続人調査でお困りの方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続人に相続財産の開示義務はない

2026-09-21

1相続人に相続財産の開示義務はない

①他の相続人に対して相続財産の開示請求をする権利はない

相続が発生したら、被相続人の財産は相続財産になります。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

被相続人の生前は、同居していた家族が財産管理をすることが多いでしょう。

相続が発生した後、被相続人の財産を開示してくれないことがあります。

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産の開示請求をする権利はありません。

相続が発生した後であっても、他の相続人に対して相続財産の開示請求をする権利はありません。

②他の相続人に対して相続財産を開示する義務はない

被相続人の生前に、同居していた家族が財産管理をすることは問題はありません。

相続財産の範囲が分からないと、相続財産の分け方について話し合いができません。

各相続人が受け取る財産が適切なのか、判断できないからです。

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産の開示請求をする権利はありません。

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産を開示する義務はありません。

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産を開示しなくても違法ではありません。

③内容証明郵便で請求しても開示義務はない

相続財産の開示請求をしても、応じてももらえないことがあります。

相続財産の開示請求は、単なるお願いに過ぎません。

内容証明郵便で請求しても、お願い以上の効力はありません。

内容証明郵便とは、郵便サービスのひとつです。

内容証明郵便を利用すると、郵便局が通知内容を証明してくれます。

相続財産の開示請求というお願いをしたことを証明してもらえます。

お願いをした事実を郵便局が証明してくれても、法的権利を発生させることはできません。

内容証明郵便で請求しても、相続財産の開示請求をする権利はありません。

お願いをした事実を郵便局が証明してくれても、法的義務を発生させることはできません。

内容証明郵便で請求しても、相続財産を開示する義務はありません。

④開示請求を拒否しても相続資格を奪えない

相続人は他の相続人に対して、相続財産の一覧を開示する一般的な義務はありません。

相続財産の開示請求を拒否しても、相続資格を奪うことはできません。

被相続人の遺言書を隠匿などした場合、相続人は欠格になります。

欠格とは、相続資格を奪う制度です。

相続財産を開示しなくても、相続人は欠格になりません。

他の相続人が勝手に、相続欠格などと決めつけて相続人から除外することはできません。

相続欠格になる理由は、法律で決められています。

相続財産を開示しなかったことは、相続欠格になる理由として認められていません。

相続財産の開示請求を拒否したことは、相続欠格になる理由として認められていません。

⑤お願いできるし断ることができる

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産の開示請求をしても違法ではありません。

相続財産の分け方を決めるため前提として、他の相続人にお願いすることはできるからです。

相続財産の開示請求は、単にお願いだからです。

相続財産の開示請求を受けても、開示を拒否することができます。

開示する義務がないから、当然に開示を拒むことができます。

相続財産の開示を断られたら、開示を強制することはできません。

開示義務はないから、開示を強制することはできません。

開示をお願いする人に権利はないし、開示を拒否する人に義務はないからです。

⑥遺言執行者には相続財産を開示義務がある

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者には、相続人に相続財産を開示する義務があります。

相続人が遺言執行者になった場合でも、遺言執行者は相続財産を開示する義務があります。

2各相続人は自分で相続財産を調査できる

①各相続人が納得できるところまで調査

相続財産は、各相続人が自分で調査することができます。

他の相続人に開示させることに、固執する必要はありません。

各相続人が納得できる程度に、相続財産調査をします。

もともと完璧な調査は、できるものではありません。

納得できる調査の程度は、各相続人によって異なります。

他の相続人による調査結果を見ても、納得できないことがあります。

一部の相続人にとって納得できる調査であっても、他の相続人にとって不充分な調査と感じる可能性があります。

他の相続人による調査に固執すると、納得できる調査の程度でトラブルに発展します。

自分が納得できる程度調査をすれば、自分は納得できるはずです。

各相続人が自分で納得できる程度、自分で調査します。

自分で調査して納得できたのなら、開示義務にこだわり続ける必要はありません。

②不動産は名寄帳を請求

(1)市町村に名寄帳を請求

名寄帳とは、土地や家屋を所有者ごとにまとめた一覧表です。

相続人は、不動産の所在する市町村に対して名寄帳を請求することができます。

名寄帳を見ると、被相続人の不動産をまとめて確認することができます。

(2)法務局に所有不動産記録証明書を請求

令和8年(2026年)2月2日から、所有不動産記録証明制度が開始しました。

所有不動産記録証明制度とは、法務局で不動産を一覧ができる仕組みです。

所有不動産記録証明書は、特定の所有者の不動産を一覧する証明書です。

名寄帳は、請求した市町村に所在する不動産のみ記載されています。

法務局が発行する所有不動産記録証明書は、不動産を探す手がかりです。

(3)登記簿謄本の取得

不動産が把握できたら、登記簿謄本を請求します。

不動産の登記簿謄本は、だれでも取得することができます。

不動産の登記簿謄本を取得したら、登記名義を確認します。

被相続人名義ではなく、先祖の名義のままになっていることがあるからです。

③預貯金は残高証明書・取引履歴を請求

(1)預貯金口座の把握

自宅などを探して、被相続人の通帳やキャッシュカードを確認します。

通帳やキャッシュカードが見つからなくても、金融機関から郵便物が保管してあるかもしれません。

金融機関に対して、口座を探してもらうことができます。

(2)残高証明書の取得

預貯金口座が把握できたら、残高証明書を請求します。

相続人はだれでも、残高証明書の請求をすることができます。

通帳やキャッシュカードがなくても、相続人は残高証明書の請求をすることができます。

(3)取引履歴の取得

預貯金口座の通帳を見ると、取引履歴が判明します。

取引履歴は、他の財産をさがす手がかりにもなります。

④株式・投資信託は証券保管振替機構に照会

(1)証券口座に通帳はない

被相続人が株式投資をしている場合、証券会社などで証券口座を持っているでしょう。

証券会社の証券口座は、銀行などの預貯金口座と異なり通帳はありません。

証券会社での取引内容は、取引報告書で確認します。

(2)証券保管振替機構に照会

証券保管振替機構へ登録済加入者情報の開示請求をすることで、口座がある証券会社を調査することができます。

相続人はだれでも、証券保管振替機構に照会することができます。

相続人が証券保管振替機構に照会する場合、5000~6000円程度の手数料がかかります。

自分で相続財産を調査する場合、調査に必要な手数料も自分で負担します。

(3)証券会社から預かり資産残高証明書を取得

登録済加入者情報の開示請求で分かるのは、口座を開設している証券会社のみです。

保有銘柄、保有株式数、取引履歴は、口座がある証券会社に照会します。

証券会社から預かり資産残高証明書を取得すると、詳しい内容が判明します。

⑤借金は信用情報機関に開示請求

(1)マイナスの財産も相続財産

相続財産は、プラスの財産だけではありません。

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。

被相続人のマイナスの財産も、相続人が相続します。

(2)借入先の把握

自宅などを探して、借用書や契約書を確認します。

借用書や契約書が見つからなくても、債権者から郵便物が保管してあるかもしれません。

請求書や督促状は、重要な手掛かりになります。

(3)信用情報機関に照会

信用情報機関に照会することで、被相続人の借金を調査することができます。

信用情報機関は、次の3つがあります。

・日本信用情報機構(JICC)

・株式会社シー・アイ・シー(CIC)

・全国銀行協会全国銀行個人信用情報センター(KSC)

相続人はだれでも、信用情報機関に照会することができます。

信用情報機関へ照会する場合、1か所500~1500円程度の手数料がかかります。

自分で相続財産を調査する場合、調査に必要な手数料も自分で負担します。

3相続財産に納得できれば遺産分割協議

①全財産が分からなくても遺産分割協議ができる

遺言書がなければ、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

全財産が分からなくても、遺産分割協議をすることができます。

全財産まとめて、遺産分割協議をする必要はありません。

一部の財産についてのみ、有効な遺産分割協議をすることができます。

相続人全員の合意がまとまれば、遺産分割協議は成立するからです。

②後日新たな財産が見つかっても原則としてやり直しはできない

遺産分割協議が成立した後に、新たに相続財産が見つかることがあります。

もともと完璧な調査はできないのだから、新たに相続財産が見つかることは当然の結果です。

後日新たな財産が見つかっても、原則として先に成立した遺産分割協議の効力は覆りません。

後日見つかった財産についてのみ、遺産分割協議をします。

先に成立した遺産分割協議の効力は覆らないからこそ、納得できる調査をすることが重要です。

先に成立した遺産分割協議の効力は覆らないからこそ、納得できる遺産分割協議をすることが重要です。

4財産調査を司法書士に依頼するメリット

もれなく迅速に相続財産を調査するのは、身体的にも精神的にも大きな負担になります。

相続財産調査を司法書士などの専門家に依頼すれば、家族の疲れも軽減されるでしょう。

被相続人の財産は、相続人もあまり詳しく知らないという例が意外と多いものです。

悲しみの中で被相続人の築いてきた財産をたどるのは切なく、苦しい作業になります。

相続財産調査で疲れが出る前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄申述書を提出した後の流れ

2026-09-18

1相続放棄申述書は家庭裁判所へ提出

①相続放棄申述書とは相続放棄の意思表示の書類

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。

相続放棄申述書とは、家庭裁判所に提出する相続放棄の意思表示書書類です。

相続放棄申述書が受付けられると、家庭裁判所が審査を開始します。

家庭裁判所で相続放棄が認められると、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄申述書を提出した後、次のとおり段階を経て進みます。

段階①相続放棄申述書の提出を確認

段階②補正指示があるときは対応する

段階③相続放棄照会書に回答する

段階④相続放棄申述受理通知書が届く

②家庭裁判所の手続なしで相続放棄はできない

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続人全員で合意ができれば、どのような分け方でもすることができます。

財産を一切引き継がない合意をしたとき、相続放棄をしたと表現することがあります。

財産を一切引き継がない合意をしても、相続放棄ではありません。

相続放棄をしたと表現しても、遺産分割協議を成立させたに過ぎません。

相続放棄は、家庭裁判所の手続だからです。

遺産分割協議で、相続放棄をすることはできません。

2相続放棄申述書を提出した後の流れ

段階①相続放棄申述書の提出を確認

(1)相続放棄申述書は郵送で提出ができる

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。

相続放棄申述書は家庭裁判所に出向いて窓口に提出する他に、郵送で提出することができます。

(2)相続放棄の期限は3か月

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

3か月経過してしまうと、自動で単純承認になります。

家庭裁判所に相続放棄申述書が提出されるまで、3か月です。

家庭裁判所に相続放棄申述書が提出されなければ、自動で単純承認になります。

(3)提出とは家庭裁判所へ届くこと

相続放棄申述書は、郵送で提出することができます。

相続放棄申述書の提出とは、相続放棄申述書が家庭裁判所へ届くことです。

郵便ポストに投函しても、家庭裁判所に届かなければ意味はありません。

相続放棄申述書は普通郵便で提出することができますが、レターパックなど記録が残る郵便がおすすめです。

普通郵便で提出すると、家庭裁判所に到着したのか分からないからです。

郵便物が迷子になったまま相続放棄の期限3か月を経過した場合、相続放棄を認められません。

家庭裁判所で相続放棄申述書が受付けられなければ、相続放棄はできません。

段階②補正指示があるときは対応する

(1)相続放棄申述書の不備は補正できる

相続放棄申述書を受付けると、家庭裁判所は内容を審査します。

相続放棄申述書に不備がある場合、家庭裁判所から連絡があります。

相続放棄申述書には、日中連絡が取れる電話番号を記載します。

家庭裁判所が連絡をする場合、相続放棄申述書に記載された連絡先に連絡をするからです。

家庭裁判所からの電話に出られなくても、すぐに折り返せば問題はありません。

相続放棄申述書に不備があっても、補正することができます。

家庭裁判所の指示どおり適切に補正をすれば、問題になることはありません。

(2)必要書類に不足があっても追完できる

相続放棄申述書には、たくさんの書類を添付します。

相続放棄で必要になる書類は、次のとおりです。

●共通で必要になる書類

・相続放棄申述書

・被相続人の住民票または戸籍の附票

・相続放棄をする人の戸籍謄本(発行後3か月以内)

●配偶者・子どもが相続放棄をするケース

・被相続人の死亡の戸籍謄本

●父母が相続放棄をするケース

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・子どもや孫の死亡の戸籍謄本

●兄弟姉妹が相続放棄をするケース

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・子どもや孫の死亡の戸籍謄本

・父母や祖父母の死亡の戸籍謄本

必要書類に不足がある場合、家庭裁判所から連絡があります。

相続放棄申述書に不足があっても、追完することができます。

家庭裁判所の指示どおり適切に追完をすれば、問題になることはありません。

(3)不備がなければ補正指示もない

相続放棄申述書が適切に作成されている場合、家庭裁判所から連絡がありません。

必要書類が適切に準備されている場合、家庭裁判所から連絡がありません。

相続放棄申述書を受付けても、何も連絡がないことが一般的です。

相続放棄申述書や添付書類に不備がなければ、補正指示も不要だからです。

段階③相続放棄照会書に回答する

(1)相続放棄照会書が届く

提出された書類に問題がなければ、2週間ほどで家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。

相続放棄照会書とは、家庭裁判所から届く相続放棄についての意思確認です。

相続放棄は、影響の大きい手続なので間違いがないように慎重に確認します。

(2)相続放棄申述書が未着なら相続放棄照会書は届かない

相続放棄申述書が受付されたら、家庭裁判所は相続放棄照会書を発送します。

相続放棄申述書が受付されないのに、相続放棄照会書が発送されるはずはありません。

相続放棄照会書が届かない場合、相続放棄申述書が受付されていない可能性があります。

相続放棄照会書が届いたのは、相続放棄申述書が受付された証拠と言えます。

(3)回答期限までに回答書を提出

相続放棄照会書の内容は、難しいものではありません。

事実をありのままに書けばいいでしょう。

回答期限までに、回答書を提出します。

(4)相続放棄照会書が届くのは2週間後くらい後

家庭裁判所の運用によっては、相続放棄照会書が省略されることがあります。

相続放棄の申立てを提出してから3週間程度経過しても相続放棄照会書が届かない場合、家庭裁判所に確認の連絡をすると安心です。

(5)相続があったことを知ったときを回答書で説明できる

相続放棄には、3か月の期限があります。

被相続人が死亡してから3か月以内に相続放棄申述書を提出した場合、相続放棄の期限内であることは明らかです。

被相続人が死亡しても、相続放棄の期限3か月がスタートしないことがあります。

被相続人が死亡しても、相続があったことを知らないことがあるからです。

被相続人の死亡後3か月以上経過してから相続放棄申述書を提出した場合、期限後に相続放棄申述書を提出したように見えてしまいます。

相続があったことを知ってから3か月以内であれば、相続放棄をすることができます。

相続があったことを知ったときを回答書で説明することができます。

手紙が届いたことで相続があったことを知った場合、届いた手紙は重要です。

相続があったことを知った証拠になるからです。

届いた手紙のコピーを回答書に添付して提出すると、説得力があります。

段階④相続放棄申述受理通知書が届く

(1)相続放棄の結果通知

家庭裁判所が相続放棄を認める決定をしたら、相続放棄申述受理通知書を送ります。

相続放棄申述受理通知書とは、相続放棄の結果通知です。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てをした人にだけ送られます。

相続放棄申述書を提出してから、1か月程度で届きます。

1か月程度経過しても相続放棄申述受理通知書が届かない場合、家庭裁判所に問合せをするといいでしょう。

相続放棄照会書の回答書が家庭裁判所に届いていない場合、相続放棄申述受理通知書が届きません。

相続放棄申述受理通知書を発送しても、郵便が迷子になる可能性があるからです。

(2)相続放棄申述受理通知書が届かなくても無効にならない

相続放棄申述受理通知書は、簡素な通知書です。

家庭裁判所にとっては単なる結果通知なので、普通郵便で送られてきます。

簡素な通知書であることを知らないと、DMなどに紛れてしまうかもしれません。

相続放棄申述受理通知書が届かなくても、相続放棄は無効になることはありません。

相続放棄申述受理通知書の到達は、相続放棄の要件ではないからです。

(3)相続放棄申述受理通知書紛失でも再発行されない

相続放棄申述受理通知書は、単なる相続放棄の結果通知です。

相続放棄申述受理通知書を紛失しても、再発行の制度はありません。

相続放棄をした人にとって、相続放棄が認められたことを示す重要な書類です。

相続放棄をした人は、相続放棄申述受理証明書の発行請求をすることができます。

相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書は、同じ記載内容です。

相続放棄申述受理通知書を紛失したら、相続放棄申述受理証明書の発行請求をすることが合理的です。

3名古屋家庭裁判所本庁なら即日審判

①相続放棄申述受理通知書が届くまで1か月以上

相続放棄申述書を提出した後、家庭裁判所は受付けた書類を審査します。

書類に問題がなければ、相続放棄を認める決定をします。

家庭裁判所の混雑状況によりますが、相続放棄申述受理通知書が届くまで1か月以上かかります。

②条件を満たせば即日審判が受けられる

名古屋家庭裁判所本庁など一部の家庭裁判所では、即日審判を受けることができます。

即日審判とは、家庭裁判所に出向いて相続放棄の手続をすると当日処理してもらえる制度です。

即日審判の申立てができる人は、家庭裁判所が定める条件を満たした人のみです。

即日審判を受けた場合、その日のうちに相続放棄申述受理通知書を受け取ることができます。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は、家庭裁判所に申立てをすることです。

届出をすれば終わりでなく、家庭裁判所から来る相続放棄照会書にも適切に回答しなければなりません。

特に、相続が発生してから3か月以内に届出ができなかった場合などは、止むを得ない事情があったことを家庭裁判所に納得してもらう必要があります。

相続放棄の届出をするときに、上申書や事情説明書という書類を添えて、家庭裁判所を説得します。

同時に、相続放棄回答書でも止むを得ない事情があったことを説明し、納得してもらいます。

納得できる事情を適切に示すことで、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。

家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。

さらに、通常の相続放棄と同様に戸籍や住民票が必要になります。

お仕事や家事、通院などでお忙しい人には平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。

戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできますが、書類の不備などによる問い合わせはやはり役所の業務時間中の対応が必要になりますから、やはり負担は軽いとは言えません。

このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。

相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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