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相続人が認知症だから遺言書作成

2022-12-28

1認知症の相続人はひとりで相続手続ができない

①認知症の相続人はひとりで遺産分割協議ができない

相続が発生した後、相続財産は相続人全員の共有財産になります。

相続財産を分けるためには、相続人全員の合意が必要になります。

子どもがいない被相続人が高齢で死亡した場合、配偶者や兄弟が相続人になることが多いでしょう。

高齢化社会になって多くの方が長寿になりましたから、被相続人が100歳を超すことも珍しくありません。

そのような場合、配偶者や兄弟姉妹も高齢者です。

80歳後半になると、2人に1人は認知症になっているというデータもありますから、相続人が認知症になっていることもあります。

認知症になると物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったり、記憶があいまいになったりします。

物事のメリットデメリットを充分に判断できない状態では、相続財産の分け方について、有効な合意をすることは難しいでしょう。

このような場合であっても、相続財産の分け方は、相続人全員での合意しなければなりません。

認知症で判断できないからと言って、一部の相続人を含めないで遺産分割協議をしても無効です。

②子どもなどは代理できない

認知症で物事のメリットデメリットを充分に判断できないのなら、子どもなどが代わりに判断すればいいという考えもあるでしょう。

幼い子どもは物事のメリットデメリットを充分に判断できないので、親などの法定代理人が代わりに、契約などの法律行為をすることができます。

幼い子どもの代わりに、親などの法定代理人が法律行為ができるのは、未成年だからです。

認知症になっている人は、未成年ではないでしょう。

だから、子どもなどが勝手に合意をすることはできないのです。

③認知症の相続人はひとりで相続放棄ができない

認知症になると物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったり、記憶があいまいになったりします。

物事のメリットデメリットを充分に判断できない状態では、有効に相続放棄の届出をすることはできません。

認知症になったら、自分で相続放棄の届出をすることはできなくなります。

2認知症の相続人は成年後見人が代理する

①成年後見人が代理で手続をする

認知症になると物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなります。

物事のメリットデメリットを充分に判断できない状態では、相続財産の分け方について、有効な合意をすることは難しいでしょう。

物事のメリットデメリットを充分に判断できない状態では、相続放棄をするべきか単純承認をするべきか判断することはできません。

認知症の相続人はひとりで判断できないから、成年後見人が代わりに判断します。

成年後見人が認知症の相続人の代わりに相続手続をします。

②成年後見はデメリットが大きい

成年後見人は、家庭裁判所に申立てをして選任してもらう必要があります。

家庭裁判所で手続をする手間や費用がかかります。

成年後見人は、家庭裁判所が決めます。

家族が希望する人を成年後見人に選ぶことも、見知らぬ専門家を選任することもあります。

見知らぬ専門家だから他の人にして欲しいなどの不服を言うことはできません。

成年後見人は本人の利益のためにのみ、代理ができます。

成年後見の制度は、本人の財産を守るための制度だからです。

本人の財産を守るため、認知症の相続人の法定相続分を確保できない遺産分割協議には合意できません。

一部の相続人に財産を集中させたいなどの理由で相続放棄をすることはできません。

相続手続のために成年後見人を選任してもらった場合であっても、原則として成年後見制度をやめることはできません。

家族以外の専門家が成年後見人になったら、生涯に渡って報酬がかかり続けます。

成年後見人だけでなく成年後見監督人が選任されることがあります。

成年後見監督人に対しても、生涯に渡って報酬がかかり続けます。

相続手続が完了した後であっても、財産管理が制約されます。

成年後見の制度は、本人の財産を守るための制度だからです。

具体的には、贈与や貸付はできなくなります。

積極的な資産運用もできなくなります。

積極的な資産運用には、本人の財産を失うリスクがあるからです。

③家族が成年後見人に選ばれるのは困難

家族が成年後見人に選ばれるのは、およそ20%程度です。

成年後見の申立をするときに成年後見人の候補者を立てることはできますが、候補者を選任することも選任しないこともあります。

遺産分割協議をするためなど相続手続のために成年後見の申立をする場合、家族が成年後見人に選ばれることはあまりありません。

家族が成年後見人の候補者を立てる場合、子どもなど認知症の人と血縁関係が近い人でしょう。

その相続で、認知症の人と成年後見人の候補者は2人とも相続人になるでしょう。

認知症の人と成年後見人が2人とも相続人である場合、成年後見人は認知症の人を代理することができません。

一方がソンすると、他方がトクをする関係になるからです。

一方がソンすると、他方がトクをする関係のことを、利益相反と言います。

利益相反になる場合、成年後見人は認知症の人を代理することができません。

あらためて成年後見人の代わりの人を家庭裁判所に選任してもらわなければなりません。

成年後見人の代わりの人を家庭裁判所に選任してもらうことを、特別代理人選任の申立てと言います。

家庭裁判所としては、最初から利益相反にならない人を成年後見人に選任します。

3遺言書があれば成年後見は不要

①遺言書があれば遺産分割協議をしないで相続登記ができる

遺言書がある場合、相続財産は遺言書の内容どおりに分けられます。

相続財産の分け方について、相続人全員の合意は必要ありません。

相続人全員の合意は必要ないから、認知症の相続人がいても成年後見人は必要ありません。

遺言書を作成する場合、すべての財産の分け方を決めておくことがポイントです。

分け方を決めていない財産が見つかった場合、決めていない財産について相続人全員の合意が必要になるからです。

②遺言執行者がいれば相続手続はおまかせできる

遺言書で遺言執行者を指名しておくことができます。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現してくれる人です。

遺言執行者が遺言書の内容のとおりに実現してくれます。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する権限があるからです。

相続人は、遺言執行者にすべてお任せをすることができます。

例えば、認知症の相続人に自宅を相続させたい場合、遺言執行者が相続手続をします。

相続登記を司法書士などの専門家に依頼する場合、遺言執行のひとつとして遺言執行者が司法書士に登記委任状を出します。

認知症の相続人は、物事のメリットデメリットを充分に判断できないから、司法書士に登記委任状を出すことができません。

当然、自分で相続登記をすることはできないでしょう。

③遺言書は公正証書遺言がおすすめ

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作るケースがほとんどです。

自筆証書遺言は、専門家の関与がなくひとりで作ることができるのでお手軽です。

遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

厳格な書き方ルールに合わない遺言書は無効になります。

法律の知識がない人が遺言書を作る場合、厳格な書き方ルールに抵触して無効になってしまいます。

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が遺言書を作ってくれます。

法律の専門家が作ってくれますから、書き方ルールで遺言書が無効になることは考えられません。

さらに、作った遺言書は公証役場で厳重に保管されます。

紛失や改ざんの心配もありません。

公正証書遺言を作るのは手間がかかりますが、メリットが圧倒的に大きい遺言書です。

遺言書を作る場合は、公正証書遺言がおすすめです。

4認知症の相続人がいて遺言書がないのに成年後見を利用したくない場合

①不動産は法定相続で相続登記ができる

法定相続とは、相続人全員で法定相続分で相続することです。

相続人全員で法定相続分で相続する場合、遺産分割協議は必要ありません。

法定相続で相続登記した後、不動産を活用することができなくなります。

不動産を処分する場合は、共有者全員の合意が必要になるからです。

不動産を処分する場合とは、売却する場合や担保に差し入れる場合、賃貸に出す場合などを含みます。

認知症の共有者は、物事のメリットデメリットを充分に判断できません。

共有財産の処分について、有効な合意をすることは難しいでしょう。

不動産を活用する場合、成年後見人を選任してもらう必要があります。

②銀行の預貯金は遺産分割協議が必要

銀行の預貯金を解約する場合、預貯金を相続する人について相続人全員の合意が必要になります。

法定相続をしたいと言っても銀行が認めてくれることはないでしょう。

認知症の相続人がいる場合、相続人全員の合意ができないから預貯金は活用できなくなります。

預貯金の額がわずかである場合、代表相続人の請求で解約に応じてくれるケースがあります。

相続人全員の合意がなくても解約に応じてくれるのは、例外であると考えるべきでしょう。

③放置はおすすめできない

すぐに不動産を売却するのでなければ、目に見える不利益に気付きにくいため先延ばししがちです。

先延ばしすればするほど、デメリットは大きくなります。

相続登記は、相続手続の中でも難しい手続です。

長期間放置した相続登記は、飛躍的に難易度が高くなります。

長期間経過したことで必要な書類を集めることが困難になります。

長期間放置すると相続人が死亡してしまうことがあります。

相続人の相続人に協力をしてもらう必要があります。

相続人の相続人には、関係性の薄い人がいるでしょう。

関係性の薄い相続人がいると、相続手続が進みにくくなります。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

家族がトラブルに巻き込まれることを望む人はいないでしょう。

遺言書があることでトラブルになるのは、ごく稀なケースです。

遺言書がないからトラブルになるのはたくさんあります。

そのうえ、遺言書1枚あれば、相続手続きは格段にラクになります。

家族を幸せにするために遺言書を作ると考えましょう。

実際、家族の絆のためには遺言書が必要だと納得した方は遺言書を作成します。

家族の喜ぶ顔のためにやるべきことはやったと安心される方はどなたも晴れやかなお顔です。

家族の幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄後の共有持分

2022-12-07

1共有者は共有持分を放棄することができる

①共有者の一方的意思だけで共有持分の放棄ができる

共有者は自分の持分を放棄することができます。

持分を放棄した場合、放棄した共有持分は他の共有者のものになります。

他の共有者の持分割合に応じて、分割されます。

共有者の一方的な意思表示だけで、共有持分の放棄ができます。

他の共有者の承諾は必要ありません。

共有物を放棄するのに、決まった文書が必要といったことはありません。

口頭の意思表示であっても効果が発生します。

口頭で通知するより、文書で通知することをおすすめします。

後でトラブルになることを防止するため、内容証明郵便で通知するといいでしょう。

②持分移転登記は共同申請

共有者が持分を放棄した場合、他の共有者に持分が移転します。

他の共有者に持分が移転した場合、持分移転登記の申請が必要です。

持分の放棄は、一方的な意思表示で効果が発生しますが、登記は単独で申請することができません。

持分の放棄をする人を登記義務者、他の共有者全員を登記権利者として共同申請をします。

持分の放棄は、口頭の意思表示であっても効果が発生しますが、登記申請においては持分の放棄があったことを証明する書類が必要になります。

③共有持分が高額である場合、税金に注意

共有者の一方的な意思表示で、共有持分の放棄をすることができます。

財産を譲ってあげる人と譲ってもらう人の契約である贈与とは別物です。

法律においては贈与ではないにもかかわらず、税金においては贈与税が課されます。

共有持分が移転するという意味では、贈与と実質的に同じ効果だからです。

贈与税の免脱行為として、持分の放棄を使うことを防ぐためです。

共有持分の評価額が高額である場合、他の共有者に贈与税が課される場合があります。

固定資産税は、1月1日現在の登記名義人が課税対象者になります。

年内に持分の放棄の意思表示をした場合、年内に他の共有者に権利が移転します。

持分移転の登記が年を越した場合、所有権がないのに固定資産税の納税義務者のままになります。

2相続人全員が相続放棄してもいい

相続放棄は、多くの場合、被相続人のマイナスの遺産を引き継がないために行われます。

相続人が全員相続放棄をしたら、被相続人の借金なのに、相続人のだれも責任をとらないことになります。

相続人がだれも責任をとらないことに対して、後ろめたく思う人もいるかもしれません。

相続放棄は、相続人ひとりひとりが自分の意思で自由に判断できるものです。

結果として、相続人全員が相続放棄を選択することになっても、法律上、やむを得ないことです。

配偶者と子ども全員が相続放棄をした場合、次順位の親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属全員が相続放棄をした場合、次順位の兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹全員が相続放棄をした場合、次順位の相続人はいません。

相続人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在になります。

相続人が全員相続放棄をしたとしても、やむを得ません。

3共有者である被相続人に相続人がいない場合の共有持分の行方

被相続人が天涯孤独で親族がいないこともあります。

相続人がいても相続放棄をして相続人でなくなっている場合があります。

①相続債権者がいる場合

家庭裁判所に相続財産管理人を選んでもらいます。

通常、相続財産管理人を選んでもらうためには家庭裁判所に予納金を納めます。

予納金は管理する財産の状況によって違いますが、100万円程度かかる場合があります。

相続財産管理人によって相続財産は売却されて、相続債権者への支払にあてられます。

通常、共有持分は売却しようとしても、買い手が見つかりません。

買い手が見つかったとしても、著しく価格が低くなってしまいます。

共有持分を買い取る業者がいますが、買い取り額はおおむね時価の1~3割程度です。

多くの場合、被相続人と共有していた人に買取をお願いすることになります。

被相続人と不動産を共有していた人が対価を支払って、被相続人の共有持分を買い取ることになります。

②特別縁故者がいる場合

特別縁故者とは、内縁の配偶者や事実上の養子など被相続人と生計を同じくしていた者や被相続人の療養看護に努めた者など特別な縁故のあった人のことです。

家庭裁判所に認められれば、特別縁故者は被相続人の財産を受け取ることができます。

受け取る財産は、家庭裁判所が決めます。

被相続人の財産の全部のこともあるし、一部だけのこともあります。

被相続人がたくさんの財産を残しても、特別縁故者が受け継ぐ財産はほんの少ししか認められないこともあります。

③相続債権者も特別縁故者もいない場合

被相続人と不動産を共有していた人が共有持分を取得します。

共有持分を持つ人が死亡した場合、まずは相続人、次に相続債権者、その次に特別縁故者、特別縁故者もいなかったら他の共有者が受け継ぎます。

そのためには、手続が複雑で、費用も時間もかかります。

共有者が特別縁故者と話し合いをしたり、財産を勝手に分けたりすることはできません。

被相続人が死亡してから、共有者が受け継ぐまで1年以上の時間がかかります。

4マンションは共有者が取得できない

マンションは、建物部分と敷地権の共有部分があります。

建物部分は単独所有、敷地権は共有です。

建物部分と敷地権の共有部分は、所有者を一致させるルールになっています。

所有者を一致させないと、売却のとき混乱するからです。

相続債権者も特別縁故者もいない場合、相続財産は国庫に帰属します。

建物部分は単独所有なので、国庫に帰属します。

所有者を一致させるルールがあるから、敷地権が共有になっていても、他の共有者が取得することはできません。

所有者を一致させるルールを守れなくなるからです。

建物部分が国庫に帰属しますから、所有者を一致させるルールによって、敷地権も国庫に帰属します。

5生前対策がしてあると手続がラク

相続人がいないおひとりさまは、遺言書を書いて財産の行き先を指定しましょう。

共有持分は、遺言書で共有者に遺贈することや死因贈与をすることができます。

相続財産管理人と家庭裁判所の手を借りて、1年以上の時間をかけて手続するよりはるかにラクです。

遺贈は、相続人や相続人以外の人に、財産を受け取ってもらう制度です。

だれに受け取ってもらうかは遺言者本人が決めることができます

共有持分を特別縁故者に遺贈することや死因贈与をできます。

家庭裁判所は特別縁故者と認めてくれることも、認めてくれないこともあります。

被相続人がたくさんの財産を残しても、特別縁故者が受け継ぐ財産はほんの少ししか認められないこともあります。

6遺言書作成と遺言執行を司法書士に依頼するメリット

相続手続はタイヘンですが、相続人がいない場合もタイヘンです。

相続人がいないから、財産は国に持っていかれて、何もしなくていいと軽く考えがちです。

実際は、被相続人が死亡してから、国庫に帰属するまで1年以上の時間がかかります。

財産の内容によっては、100万円以上の費用の負担があることも見逃せません。

国に持っていかれるよりは、お世話になった人に受け継いでもらいたい、事情を知っている共有者に受け継いでもらいたい人もいるでしょう。

お世話になった人に受け継いでもらいたい、事情を知っている共有者に受け継いでもらいたいという意思は、遺言書で実現できます。

家庭裁判所の手続は一般の人にはハードルが高いものです。

遺言書に、遺贈することを書き、遺言執行者を決めておけば、手間はかかりません。

お世話になった人は待っているだけで済みます。

遺言書は書き方に細かいルールがあります。

適切な遺言書作成と遺言執行者選任は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書作成-相続させたくない

2022-11-09

1法定相続人と遺留分権利者とは

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

②~④の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

①配偶者は必ず相続人になる

②被相続人に子どもがいる場合、子ども

③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

④被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続します。

このような相続を代襲相続と言います。

遺留分は①配偶者②子ども③直系尊属に認められます。

④兄弟姉妹は遺留分がありません。

遺留分が認められる人のことを遺留分権利者と言います。

代襲相続があった場合、法定相続分と遺留分は受け継がれます。

④兄弟姉妹は遺留分がありませんから、兄弟姉妹が被相続人より先に死亡したため、兄弟姉妹の子どもが相続する場合、兄弟姉妹の子どもは遺留分がありません。

故意に被相続人や先順位・同順位の相続人を殺害した人や殺害しようとした人などは、相続欠格者となります。

相続欠格者は相続資格を失いますから、遺留分も失います。

被相続人に対して、虐待や重大な侮辱をした人は、廃除されます。

相続廃除者は相続資格を失いますから、遺留分も失います。

2絶縁しても絶交しても相続人

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になるかどうかは、法律の定めで決まります。

被相続人と絶縁していても、相続人になるかどうかとは関係ありません。

絶縁していたとか、絶交していたとかいう事情は、法律の定めとは無関係です。

たとえ何十年も音信不通でも親子は親子です。

何十年も会っていなくても兄弟姉妹は兄弟姉妹です。

子どもが重大な親不孝をした場合に、親が子どもを勘当にすることがあります。

子どもを勘当にして、絶縁状を作ることがあります。

絶縁状を配達証明付き内容証明郵便で送られてきても、法的な効力はありません。

家の敷居をまたぐなとか、お葬式に呼ばないなども法的効力はありません。

生まれる前に父母が離婚したので、一度も被相続人に会ったことがない人もいます。

生まれてから一度も会ったことがなくても、子どもであることには変わりはありません。

3相続させたくない場合は廃除の申立

被相続人を虐待したなど重大な理由がある場合、相続をさせたくないと考えることは自然と言えます。

絶縁状に法的な効力はありません。

家の敷居をまたぐなとか、お葬式に呼ばないなども法的効力はありません。

生きている間、交際をしない宣言に過ぎません。

相続をさせたくないと思ったら、まず、遺言書に虐待などをした相続人に相続をさせないと書くことが思い浮かぶでしょう。

虐待などをした相続人が兄弟姉妹であれば、遺言書を作成することで相続させないことが実現できます。

配偶者、子ども、親などの直系尊属に関しては、遺言書に書くだけでは不十分です。

兄弟姉妹以外の法定相続人には、遺留分があるからです。

遺言書を書いても、遺留分を奪うことはできません。

遺留分侵害額請求をしたら、相続財産のいくらかは虐待した相続人が受け継いでしまいます。

被相続人の意思で、相続人の資格を奪うのが、相続人廃除です。

相続人の資格を奪うというのは、実質的には、遺留分を奪うことです。

相続人廃除は家庭裁判所に申立てをして、家庭裁判所が判断します。

相続人が廃除されると、遺留分が奪われます。

相続人廃除の申立は被相続人が生前に申し立てることもできるし、遺言書で行うこともできます。

遺言書で相続人廃除の意思表示を行った場合、相続が発生した後、遺言執行者が家庭裁判所に申立てを行います。

遺言書で遺言執行者が選任されていない場合、家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらわなければなりません。

4「相続させない」遺言はトラブルのもとになる

絶縁状を渡した子どもに相続させたくない場合、「〇〇に相続させない」という遺言書を書くことが考えられます。

①子どもには遺留分がある

絶縁していたとか、絶交していたとかいう事情は、法律の定めとは無関係です。

たとえ何十年も音信不通でも親子は親子です。

子どもは、相続人になります。

兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分があります。

子どもには、遺留分があります。

絶縁状を渡していても、子どもは相続人になります。

音信不通でも、子どもには遺留分があります。

「〇〇に相続させない」という遺言書を書いた場合、家族のトラブルに発展するでしょう。

子どもは遺留分侵害額請求をすることができます。

②「相続させない」遺言は廃除の意思があるのか分からない

遺言書を書く場合は、内容を明確にしておかなければなりません。

「〇〇に相続させない」という遺言書は、遺言者の意思があいまいです。

(1)〇〇に財産を相続させないけど、遺留分侵害額請求をすることを認める。

(2)〇〇に財産を相続させないうえに、遺留分侵害額請求をすることも許さない。

「〇〇に相続させない」という遺言書は、(1)と(2)のいずれなのか分からないからです。

(2)「遺留分侵害額請求をすることも許さない」場合、遺言執行者は家庭裁判所に対して、相続人廃除の申立てをしなければなりません。

遺言書で遺言執行者を選任しておいても、明らかにトラブルになる遺言書であれば、就任をご辞退されるでしょう。

遺言執行者に選任しても、就任前であれば、ご辞退ができます。

「〇〇に相続させない」という遺言書の解釈をめぐって、家族のトラブルになるのは明らかです。

遺言書で遺言執行者が選任されていない場合、家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらわなければなりません。

家庭裁判所が遺言執行者を選任する場合、司法書士などの専門家が選ばれることがほとんどです。

家庭裁判所が選任した遺言執行者は家族の事情を全く知りません。

専門家は遺言執行者に選任されたら、遺言書に書いてあるとおりに相続人廃除の申立てをしてくれるでしょう。

相続人廃除の申立てをしてくれた場合であっても、相続人廃除が認められる可能性はとても低いでしょう。

家庭裁判所が選任した遺言執行者は、家族の事情を全く知らないからです。

家族の事情を全く知らない場合、相続人廃除が認められるような証拠を集めることは困難です。

家族のトラブルになるのは明らかですから、他の相続人が積極的に協力することは望めません。

被相続人は死亡していますから、家庭裁判所で証言することもできません。

(1)「遺留分侵害額請求をすることを認める」場合、遺留分に相当する財産を相続させる方がいいでしょう。

相続させたくない気持ちは分かりますが、家族をトラブルにしてまで相続させたくないのか充分に考える必要があります。

(2)「遺留分侵害額請求をすることも許さない」場合、生前に自ら相続人廃除の申立てをする方がいいでしょう。

家族の事情が分かっているから、証拠を集めることが容易です。

何よりも自ら家庭裁判所で証言することができますから、説得力が違います。

それでも家庭裁判所が廃除を認めることはめったにありません。

相続人廃除は、相続人の遺留分を奪う重大な決定だからです。

単に子どもが気に入らないとか、長期間会っていないからとか、再婚したから前婚の子どもには相続させたくないからなどの理由では認められません。

5遺言書を作れば兄弟姉妹に相続させないことができる

疎遠になっている兄弟姉妹より、配偶者に全財産を渡したい人も少なくありません。

兄弟姉妹には遺留分がありません。

配偶者に全財産を相続させる場合、兄弟姉妹は遺留分侵害額請求はできません。

財産を渡す相手は、親族以外でも構いません。

公益団体などに全財産を遺贈した場合でも、兄弟姉妹は何も言えません。

遺言書を作れば、兄弟姉妹に相続をさせないことが実現できます。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

疎遠になっている相続人に相続させたくない人は少なくありません。

自分の財産は、原則として、自分の思いどおりに処分することができます。

だから、自分の財産を自分の思いどおりに相続させたいと思うのでしょう。

兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分があります。

遺留分は、遺言書によっても侵害することはできません。

被相続人の名義になっている財産であっても家族の協力によって築いたものだからです。

遺留分を侵害するような遺言書は、トラブルに発展することが予想されます。

生前贈与して相続財産を減らせばよいと指南する自称専門家も散見します。

生前贈与に対して、遺留分侵害額請求をすることができます。

生命保険契約をして相続財産を減らせばよいと指南する自称専門家も散見します。

過大な生命保険に対して、遺留分侵害額請求をすることができます。

被相続人の財産は家族の協力があって築くことができたもののはずです。

すべてを自分の思いどおりにするより、家族へ感謝を伝えてあげる方が家族を幸せにすることができます。

一生をかけて築いた財産は、家族を幸せにするためのものだったでしょう。

せっかく築き上げた財産で家族がトラブルになったら、空しい苦労になります。

疎遠になっている相続人にも感謝を伝えてあげることで、家族も自分も幸せにすることができます。

トラブルになりにくい遺言書作成を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書作成後に書き換えができる

2022-11-07

1遺言書は書き換えができる

遺言書は遺言者の意思を示すものです。

遺言書の書き方ルールは民法という法律で、細かく決められています。

遺言書を書くこと自体を大げさに考えて、書いたら終わりと思われがちです。

民法には、いつでも、遺言書の撤回ができるとはっきり書いてあります。

遺言書は、新たな遺言書で書き換え(撤回)ができます。

書き直しをするのも遺言書なので、本人以外が書き直しをすることはできません。

他の人が代理で書き直すことはできませんし、相続人が撤回することもできません。

自筆証書遺言で、かつ、些細な書き間違いであれば、内容訂正する程度でも差し支えありません。

大きな修正をする場合は改めて作った方がいいでしょう。

一度書いたら書き直しがなくて済む場合もありますが、状況が変われば書き直しすることは割とよくあることです。

新たに誕生した孫や曽孫に財産を譲りたい場合、新たに書き直すことができます。

遺言書で財産を相続させる子どもがお世話をしてくれないのであれば、お世話をしてくれる子どもに財産を相続させると書き直すことができます。

何度も書き直すことで、よりいい遺言書にすることができます。

2遺言書を書き換えるときの注意点

①遺言書の書き換えをしたら原則新しい遺言書が有効    

新しい遺言書と古い遺言書がある場合、新しい遺言書が優先します。

古い遺言書は撤回されたと考えられるからです。

この場合、両立できない部分だけ、撤回されたと考えます。

古い遺言書

〇〇銀行の預貯金は相続人〇〇に相続させる

不動産〇〇は相続人●●に相続させる

新しい遺言書

不動産〇〇は相続人〇〇に相続させる

上記のように遺言書があった場合、新しい遺言書で、不動産についてのみ書き直されたと考えます。

預貯金については古い遺言書が効力を持っています。

複数の遺言書が見つかった場合でも、内容が両立できる部分は撤回されません。

新しい遺言書で内容が反映されていないと、トラブルの火種となります。

後から誤解を招くおそれがあることから、新たにすべての内容の遺言書を作成したほうがいいでしょう。

新しい遺言書の内容に〇年〇月〇日付遺言書は全部撤回するとして、撤回理由も書くと相続人も納得しやすくトラブルが減ります。

このうえで、古い遺言書を破り捨てると安心でしょう。

②遺言書の書き換えはいつでも何度でもできる

遺言書の書き直しは、遺言者が生きている間はいつでも何度でもできます。

相続人らと遺言書の書き直しはしませんと約束しても無効です。

書き直し回数の上限もありません。

何度でも書き直すことができます。

新たに孫や曽孫が誕生したから書き換える、財産の内容が変化したから書き直すこともよくあることです。

③遺言書の書き換えに承諾は不要

書き直しをするために相続人の承諾をもらう必要はありません。

書き直しをしたことをだれかに知らせなければならないといったこともありません。

最初に作った遺言書が公正証書遺言である場合、公正証書を作った公証役場に連絡する必要はありません。

新たに公正証書遺言を作る場合、以前公正証書遺言を作成したことを申告する必要はありません。

④自筆証書遺言でも公正証書遺言でも書き換えができる

遺言書を書き直す場合、遺言書の方式は問われません。

遺言の方式とは、自筆証書遺言、公正証書遺言といった遺言書の種類のことです。

自筆証書遺言、公正証書遺言いずれの方式でも書き換えることができます。

いずれの方式でも日付の新しいものが優先されます。

理論上は、日付の古い公正証書遺言を日付の新しい自筆証書遺言で書き直すことができます。

公正証書遺言は遺言内容を聞いた公証人が作るので、様式に不備がなく遺言書が確実に作ることができます。

自筆証書遺言はだれの確認も受けずに遺言者がひとりで作ることが多いので、遺言書が無効になりがちです。

後から書いた自筆証書遺言が無効になった場合、家族がトラブルになることが予想できるでしょう。

遺言書の書き直しは、できるだけ、公正証書遺言にすることをおすすめします。

⑤撤回遺言を撤回した場合は最初の遺言は復活しない

遺言書の書き換えはいつでも何度でもできます。

相続が発生した後、複数の遺言書が見つかることがあります。

例えば、1番目の遺言書が作られた後、2番目の遺言書が作られて、さらに3番目の遺言書が作られたようなケースです。

2番目の遺言書の内容が「1番目の遺言書を撤回する」の場合、1番目の遺言書は無効になります。

3番目の遺言書の内容が「2番目の遺言書を撤回する」の場合、2番目の遺言書は無効になります。

2番目の遺言書の内容が「1番目の遺言書を撤回する」で、かつ、3番目の遺言書の内容が「2番目の遺言書を撤回する」の場合、1番目の遺言書は復活しません。

2番目の遺言書で、撤回したからです。

「遺言書を撤回する」内容の遺言書を撤回遺言と言います。

撤回遺言を撤回した場合、最初の遺言書は無効のままです。

⑥撤回遺言を取り消した場合は最初の遺言は復活する

遺言書は遺言者の意思を示すものです。

遺言者が自分の意思で書くものです。

ときには、だれかに強迫されたりだまされて遺言書を書かされてしまう場合があります。

例えば、1番目の遺言書が作られた後、2番目の遺言書が作られた場合で、2番目の遺言書がだれかに強迫されたりだまされて書かされた遺言書であるケースです。

2番目の遺言書の内容が「1番目の遺言書を撤回する」の場合、通常は、1番目の遺言書は無効になります。

2番目の遺言書は、だれかに強迫されたりだまされて書いた遺言書です。

遺言者が自分の意思で書いた遺言書ではありません。

遺言者が自分の意思で書いたのではないから、遺言書を取り消すことができます。

2番目の遺言書を取り消した場合、2番目の遺言書は無効になります。

2番目の遺言書を取り消した場合、1番目の遺言書は復活します。

「1番目の遺言書を撤回する」は、遺言者の意思ではなかったからです。

⑦自筆証書遺言は検認が必要

遺言書の書き換えはいつでも何度でもできます。

自筆証書遺言を見つけた人は、家庭裁判所に対して検認の申立てをしなければなりません。

自筆証書遺言書がたくさんある場合、検認手続を何度もすることになります。

自筆証書遺言はだれの確認も受けずに遺言者がひとりで作ることが多いので、遺言書が無効になりがちです。

遺言書作成は書き換えも含めて公正証書遺言をおすすめします。

3撤回とみなされる行為がある

古い遺言書は新しい遺言書で撤回することができます。

新しい遺言書がなくても、撤回したとみなされることがあります。

撤回したとみなされるのは次の場合です。

①遺言書の内容と抵触する生前処分がされた場合

遺言書で不動産〇〇〇を相続人〇〇に相続させると書いた後、不動産〇〇〇を売ったり、贈与したりする場合です。

②遺言書を書いた人が故意に遺言書を捨てた場合

公正証書遺言原本は公証役場で保管されていますから、捨てることができません。

公正証書遺言を作成した後、正本と謄本が渡されます。

手元にある正本と謄本を破り捨てても意味はありません。

遺言書原本は公証役場に厳重に保管してあるからです。

公正証書遺言を撤回するためには、新たに遺言書を作る必要があります。

新たに作る遺言書は、トラブル防止のためにも、公正証書遺言をおすすめします。

③遺言書を書いた人が故意に目的物を捨てた場合

捨てるのは、物理的に捨てることをいいますが、経済的な意味で使えなくすることも捨てると同様だと解釈されます。

4家族信託契約は勝手に書き換えができない

家族信託では、信託契約の中でいろいろなことを自由に決めることができます。

家族信託がいつ終了するのか、信託契約の中で決めておくことができます。

信託が終了したら、だれが信託財産を受け継ぐのか、信託契約の中で決めておくことができます。

家族信託は契約ですから、当事者が一方的に書き換えをすることはできません。

家族の中に不信感がある場合、それぞれが自分に有利な遺言書を書いてもらいたいと考えます。

遺言書は何度でも書き換えができるからです。

身のまわりが不自由になって不安になっているときに、優しい言葉をかけられると有利な遺言書を書いてあげたくなります。

物事のメリットデメリットを充分に判断することが難しくなっても、遺言書の書き換えは続きます。

公正証書遺言を作成するのは、ほんの1時間程度でしょう。

見知らぬ公証人がいるときは、気丈にふるまうことが多いです。

1時間程度では気付かれずに遺言書を作ることができてしまいます。

家族信託契約の中で、だれが信託財産を受け継ぐのか決めておく方がいい場合があります。

家族信託契約は当事者が一方的に撤回することができないから、家族でよく話し合って契約することが重要です。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は遺言者の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

いろいろ言い訳を考えて先延ばしします。

先延ばしした結果、認知症などで遺言書を作れなくなって、その先には家族のもめごとが待っています。

家族がトラブルに巻き込まれることを望む人はいないでしょう。

死んだ後のことを考えるのは不愉快などと言えるのは、判断力がしっかりしている証拠ですから、まず遺言書を書くことをおすすめします。

遺言書があることでトラブルになるのは、ごく稀なケースです。

遺言書がないからトラブルになるのはたくさんあります。

そのうえ、遺言書1枚あれば、相続手続きは格段にラクになります。

状況が変われば、遺言書は何度でも書き直すことができます。

家族を幸せにするために遺言書を作ると考えましょう。

遺言書の書き直しのご相談もお受けしています。

家族の喜ぶ顔のためにやるべきことはやったと安心される方はどなたも晴れやかなお顔です。

家族の幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書作成-遺留分

2022-09-23

1遺留分とは

被相続人は、原則として、自分の財産を誰に受け継がせるかは自由に決めることができます。

とはいえ、財産は被相続人が1人で築いたものではなく、家族の協力があって築くことができたもののはずです。

被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすると今まで協力してきた家族に酷な結果となることもあります。

このため、被相続人に近い関係の相続人には相続財産に対して最低限の権利が認められています。

相続財産に対して、認められる最低限の権利のことを遺留分と言います。

遺留分は、法定相続分に総体的遺留分をかけて計算します。

2法定相続人と遺留分権利者

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

誰が相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

②~④の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

①配偶者は必ず相続人になる

②被相続人に子どもがいる場合、子ども

③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

④被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続します。

このような相続を代襲相続と言います。

遺留分は①配偶者②子ども③親などの直系尊属に認められます。

④兄弟姉妹は遺留分がありません。

遺留分が認められる人のことを遺留分権利者と言います。

代襲相続があった場合、法定相続分と遺留分は受け継がれます。

④兄弟姉妹は遺留分がありませんから、兄弟姉妹が被相続人より先に死亡したため、兄弟姉妹の子どもが相続する場合、兄弟姉妹の子どもは遺留分がありません。

故意に被相続人や先順位・同順位の相続人を殺害した人や殺害しようとした人などは、相続欠格者となります。

相続欠格者は相続資格を失いますから、遺留分も失います。

被相続人に対して、虐待や重大な侮辱をした人は、廃除されます。

相続廃除者は相続資格を失いますから、遺留分も失います。

3法定相続分

配偶者がいる場合、法定相続分は次のとおりです

①相続人が配偶者と子ども 配偶者2分の1 子ども2分の1

②相続人が配偶者と直系尊属 配偶者3分の2 直系尊属3分の1

③相続人が配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1

①で子どもが数人いる場合、②で直系尊属が数人いる場合、③で兄弟姉妹が数人いる場合は、人数で均等に分割します。

③で父だけ同じ兄弟姉妹や母だけ同じ兄弟姉妹は、父母同じ兄弟姉妹の半分になります。

例えば、

①で、子どもが3人の場合、配偶者2分の1、子どもはそれぞれ6分の1です。

②で、実親2人、養親1人の場合、配偶者3分の2、実親、養親それぞれ9分の1です。

③で、父だけ同じ兄弟姉妹1人、父母同じ兄弟姉妹2人の場合、配偶者4分の3、父だけ同じ兄弟姉妹20分の1、父母同じ兄弟姉妹それぞれ10分の1です。

配偶者がいない場合、法定相続分は人数で均等に分割します。

相続人が兄弟姉妹の場合、父だけ同じ兄弟姉妹や母だけ同じ兄弟姉妹は、父母同じ兄弟姉妹の半分になります。

代襲相続の場合、法定相続分は受け継がれます。

例えば、相続人が配偶者と生きている子ども1人、被相続人より先に死亡した子どもの子ども2人の場合、配偶者2分の1、生きている子ども4分の1、被相続人より先に死亡した子どもの子どもそれぞれ8分の1になります。

4遺留分は法定相続分の2分の1、直系尊属だけのときは3分の1

それぞれの人の遺留分は、法定相続分に総体的遺留分をかけて計算します。

総体的遺留分は相続人によって異なります。

①相続人が直系尊属だけの場合、3分の1です。

②直系尊属以外の人がいる場合、2分の1です。

例えば、

事例1

相続人が配偶者、子どもが2人の場合

法定相続分は、配偶者2分の1、子どもはそれぞれ4分の1です。

遺留分は、配偶者4分の1、子どもはそれぞれ8分の1です。

事例2

相続人が配偶者、実親2人、養親1人の場合

法定相続分は、配偶者3分の2、実親、養親それぞれ9分の1です。

遺留分は、配偶者3分の1、実親、養親それぞれ18分の1です。

事例3

相続人が配偶者、父だけ同じ兄弟姉妹1人、父母同じ兄弟姉妹2人の場合

法定相続分は、配偶者4分の3、父だけ同じ兄弟姉妹20分の1、父母同じ兄弟姉妹それぞれ10分の1です。

遺留分は、配偶者8分の3、父だけ同じ兄弟姉妹40分の1、父母同じ兄弟姉妹それぞれ20分の1です。

5遺留分は遺贈→死因贈与→生前贈与の順で請求する

遺留分は、相続財産に対して最低限の権利です。

遺留分を請求できる対象は次のとおりです。

①遺贈

遺言によって、財産を譲ることです。

②死因贈与

死亡を原因とした、財産を譲ってあげる人と譲ってもらう人の契約です。

③生前贈与

被相続人が生きているうちにした贈与契約です。

遺留分が侵害されたら、①遺贈→②死因贈与→③生前贈与の順に請求することができます。

①遺贈だけでは遺留分に足りない場合、②死因贈与にも請求できます。

③生前贈与がたくさんあるときは、日付の新しいものから順番に請求します。

遺贈や死因贈与、生前贈与をする場合、極端な分与をすると、遺留分を侵害することになります。

遺留分を侵害するような分与にならないように、配慮する必要があるでしょう。

相続が発生してから、遺留分侵害額請求をする場合、トラブルに発展していることが多いです。

家族がトラブルに巻き込まれるのを望む人はいないでしょう。

財産を分与する場合、トラブルのもとにならないように充分配慮しましょう。

6遺留分侵害額請求は金銭で請求する

遺留分が侵害されたら、遺留分を請求することができます。

請求するときは、遺留分に相当するお金を請求します。

不動産などの現物を請求することはできません。

遺留分侵害額請求は、侵害している人と話し合いから始めます。

侵害している人が相続人であれば、財産の分け方について、相続人全員で話し合いをしているのが通常ですから、穏やかな話し合いは難しいかもしれません。

侵害している人が遺贈を受けた人など相続人以外の人であれば、そもそも話し合いに応じてくれないかもしれません。

遺留分侵害額請求は時効があります。

相続の発生と遺留分侵害の事実を知ってから、1年です。

1年以内に請求しないと、遺留分侵害額請求はできなくなります。

穏やかな話し合いで解決できそうにない場合、弁護士に相談し内容証明郵便で遺留分侵害額請求書を送りましょう。

7遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

自筆証書遺言の多くは、専門家のサポートなしで一人で作ります。

その結果、遺言書の厳格な書き方ルールが守られておらず、無効になってしまいます。

形式的な書き方ルールは守られていても、内容があいまいで遺言書を実現できないことも多々あります。

さらに、相続人の遺留分に配慮されておらず、トラブルに発展する例もあります。

せっかく遺言書を作るのなら確実な公正証書遺言をおすすめします。

司法書士などの専門家は相続人になる予定の人の遺留分にも配慮して、遺言書文案作成から公正証書遺言作成、遺言執行までトータルでサポートします。

司法書士からトータルでサポートを受けると、遺言者は確実な遺言を遺せるので安心できるでしょう。相続発生後も、相続人は面倒な相続手続から解放されます。

遺言者も家族も安心できる公正証書遺言作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

公正証書遺言が無効になる

2022-09-02

1公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証人が作って公証役場で保管してもらえる遺言書のことです。

遺言書は、厳格な書き方ルールがあります。

書き方ルールに違反がある場合、せっかく書いたのに遺言書は無効になります。

専門家の関与なしで遺言書を書くと多くの場合、遺言書が無効になってしまいます。

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成してくれます。

遺言書の書き方ルールの違反で遺言書が無効になることは考えられません。

作成した遺言書の原本は公証役場で厳重に保管されます。

遺言書を紛失してしまったり、だれかに内容を書き換えられる心配がありません。

公正証書遺言はとても信頼できる安心できる遺言書作成の方法です。

2公正証書遺言が無効になる場合

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成してくれます。

遺言書の書き方ルールの違反で遺言書が無効になることは考えられません。

遺言書の書き方ルールには適合しているけど、無効になることはあり得ます。

①物事のメリットデメリットを適切に判断できる状態でなかった

重度の認知症などで判断能力がない状態になってしまったら、原則として、遺言書は作ることができません。

遺言書が作られたとき、自分の遺言書でどのような結果になるのかメリットデメリットを充分判断できなくなっていた場合、作られた遺言書は無効になります。

遺言書が無効の場合、遺言書はないものとして扱われます。

専門家が関与しない自筆証書遺言で多く発生しますが、公正証書遺言でもあり得ます。

認知症などで判断能力がないと言えるのは、医師だからです。

公証人などの専門家は、法律の専門家であって医療の専門家でないから、公正証書遺言でも遺言書が無効であると判断されてしまうことがあり得ます。

相応の高齢になって遺言書を作成した場合、すみやかに、医師に判断能力についての診断書を書いておいてもらうと安心です。

判断能力に問題がなかったという医師の診断書があれば、相続発生後、相続人が判断能力を理由に遺言書は無効だと争うことは、相当難しいでしょう。

②証人欠格者が証人になっていた

公正証書遺言を作成するためには、遺言内容を確認してもらう証人が2人必要です。

証人になるのに特別な資格はありません。

次の人は証人になれません。

(1)未成年者

(2)相続人になる予定の人

(3)遺贈を受ける予定の人

(4)相続人になる予定の人の配偶者や直系血族

(5)遺贈を受ける予定の人の配偶者や直系血族

証人になれない人なのに、証人として立ち会って作られた公正証書遺言は無効になります。

適切な証人が立ち会って遺言書を作成した後、公証人や証人が死亡した場合、遺言書の効力に影響はありません。

遺言者、公証人、証人が遺言書作成時に問題がなければ、作成後に認知症になったとしても遺言書は有効です。

③詐欺強迫で無理矢理遺言書を書かされた

遺言は、遺言をする人の自由意思で作られるものです。

本人は書きたくないのに、家族や第三者からだまされたり、脅されたりして作った遺言書は無効です。

公正証書遺言では、公証人が遺言者の意思を確認しますから、考えにくいことです。

相続が発生してから、相続人が遺言の有効無効を争うのは難しいです。

だまされたり、脅されたりして作った遺言書であることを、客観的に証明することが困難になるからです。

家族や第三者からだまされたり、脅されたりして遺言書を作ったのであれば、遺言をした人が自分で新たな遺言をするべきでしょう。

遺言は遺言で撤回することができます。

3遺言書があっても遺留分は請求できる

公正証書遺言は公証人が作ってくれますから、遺言書の書き方ルール違反になることはまずあり得ません。

公証人は遺言をする人の望みどおりの遺言書を作りますから、時には家族がトラブルを起こすような遺言書になることもあります。

一部の相続人の遺留分を侵害するような遺言書はトラブルになる代表例です。

一部の相続人の遺留分を侵害するような遺言書であっても、遺言書自体は有効です。

遺留分を侵害された相続人が、遺留分侵害額請求をすればいいだけだからです。

遺留分の権利は、遺言書の内容よりも強く保護されています。

遺留分侵害額請求がされた場合、家族間に大きなトラブルになるでしょう。

このようなトラブルは避けるに越したことはありません。

あらかじめ、専門家に相談してトラブルにならない遺言書原案を作り、公証人に公正証書遺言作ってもらうといいでしょう。

4遺言書があっても遺言書と異なる遺産分割ができる

遺言書は遺言をした人の意思を示すものです。

相続人は遺言をした人の意思を尊重し、遺言書の内容を実現させてあげたいと思うでしょう。

ときには、遺言書の内容があまりに偏ったものである場合、遺言書の内容をそのまま実現するとトラブルを起こしてしまう場合があります。

兄弟姉妹でない相続人は遺留分があるからです。

遺留分とは、相続財産に対して、最低限、受け取ることが認められる権利のことです。

遺留分を侵害するような遺言書である場合、遺留分侵害額請求されるおそれがあります。

このようなトラブルを起こすおそれのある遺言書なのに、あえて執行してトラブルを起こす必要はないでしょう。

相続財産の分け方について、相続人全員で、合意した方が合理的です。

このため、相続人全員が合意すれば、遺言書の内容と異なる内容で遺産分割することができます。

相続人全員の合意が必要ですから、一人でも反対の人がいたり、合意できない人がいたら、この方法は取れなくなります。

遺言執行者がいる場合は、遺言執行者の同意も必要になります。

遺言執行者は正当理由があれば、辞任できます。

「相続人全員の合意で遺言とは異なる内容の遺産分割をしたいから」は、辞任の正当理由に認められます。

遺贈で相続財産を受け取る人がいる場合、その人の同意も必要になります。

遺言書と異なる遺産分割の合意がされた場合、遺言書は有効ですが、実質的に無効になったのと同様になります。

5分割禁止の定めは無視できない

遺言者は遺言書の中で、相続開始から5年間は遺産分割を禁止することができます。

この定めを無視した場合、相続人全員で合意しても、無効になります。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書があれば、相続財産の分け方について、相続人全員で話し合いによる合意は不要です。

だから、多くの場合、遺言書があれば家族のもめごとが避けられると言えます。

しかし、自筆証書遺言など専門家の関与なしで作られた遺言書の中には、適切な形式で作られていないものがたくさんあります。

表現が不適切であったために残念ながら無効になってしまう遺言書もたくさんあります。

遺言書の効力を争う場合、法律の知識が不可欠なので弁護士に依頼して、交渉してもらうことになるでしょう。

一部の相続人が弁護士に依頼したら、他の相続人も弁護士に依頼しないととても太刀打ちできません。

弁護士は依頼人の利益最大化のために働きますから、家族が争う争族になってしまいます。

遺留分に配慮されていない遺言書も、相続人に感情的なしこりを残します。

これらのトラブルは、遺言書作成時にサポートを受けていれば、多くは回避できるものです。

さらに、遺言書作成のサポートを受けるだけでなく、遺言執行者になってもらうなど遺言の実現についてもサポートしてもらうと、より安心できます。

家族のトラブルを避けるため、公正証書遺言作成を考える方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

認知症の人が遺言書作成

2022-08-23

1遺言をするには遺言能力が必要

①遺言を作れるのは15歳以上

遺言は、15歳以上であれば書くことができます。

15歳未満の人は遺言をすることはできません。

15歳以上であれば未成年者であっても、親などに代わりに書いてもらう必要はありません。

親などの同意も必要ありません。

未成年が契約をした場合、親などは取消ができますが、遺言に関しては取消もできません。

②遺言をするには判断能力が必要

判断能力とは、遺言書に書いた内容を理解し、メリットデメリットを充分に判断できる能力のことです。

遺言を書くのは、家族からのすすめがきっかけということが多いです。

認知症などで物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなってから、作られることがあります。

認知症の症状が進んで物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなっている場合、遺言書を書いても無効になります。

2認知症でも遺言が有効になることもある

認知症であっても初期の症状であれば、物事のメリットデメリットを充分に判断できることもあるでしょう。

民法には、成年被後見人の遺言の方法について、定めがあります。

成年被後見人とは、成年後見人にサポートをしてもらっている人のことです。

成年後見とは、物事のメリットデメリットが充分判断できないため、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人にサポートしてもらう制度です。

民法は、遺言をする場合、多少の判断能力の低下であれば有効にすることを認めていると言えます。

遺言は、15歳以上であれば書くことができます。

通常の契約などであれば、親などの親権者の同意が必要です。

親などの同意がなくても、単独で遺言をすることができます。

成人と比べて多少判断能力が充分でなくても、有効に遺言をすることを認めていると言えます。

成年被後見人も有効に遺言書が作れる場合があります。

認知症であっても内容が簡単な遺言書であれば、物事のメリットデメリットを充分に判断できることもあるでしょう。

認知症であっても症状が進んでいなければ、物事のメリットデメリットを充分に判断できることもあるでしょう。

認知症でも遺言書が有効に作れる場合があります。

3遺言書の有効性の判断基準

認知症の人が書いた遺言書が有効であるかどうかは次の項目を総合的に判断します。

①遺言の内容

遺言がシンプルなものであれば、判断能力が多少低下していても内容を理解できたと判断されるでしょう。

遺言が複雑なものであれば、高度な判断能力が必要になりますから、遺言能力は認められにくくなります。

②遺言者の心身の状況

遺言者がいつも判断能力が低下しているのか、一時的に低下するだけなのか

認知症などの症状の内容や程度

遺言者が遺言書作成時やその前後の精神状態

上記の内容から遺言の内容を理解できたか判断します。

③遺言内容の合理性

遺言者と相続人や受遺者の関係から不合理な遺言であると、遺言能力が否定されやすくなります。

遺言の内容と遺言者の意図や動機から不自然な遺言であると、遺言能力が否定されやすくなります。

遺言が何度も変更されている場合、遺言能力が否定されやすくなります。

4遺言書を無効にされない対策

①内容をシンプルにする

内容が複雑なものであれば複雑なものであるほど、高度な判断能力が必要とされます。

できる限り、シンプルな遺言書にすることで遺言書が無効になるリスクを下げることができます。

②公正証書遺言をする

公正証書遺言は、証人2人の前で遺言内容を公証人に伝え、その内容を公証人が公正証書にする遺言です。

認知症でなくとも、隠ぺいや改ざんのおそれがなく、最も確実な遺言です。

公証人は、認知症の疑いがある場合、長谷川式スケールなどでテストをします。

遺言者の受け答えなどからも遺言能力があるかないかを判断します。

公証人が遺言能力があると判断しない場合、公正証書遺言を作成してくれません。

公正証書遺言を作成してくれたとしても、遺言能力がなかったと判断されるおそれもあります。

公証人は医師ではないからです。

③医療記録を集めておく

せっかく、遺言書を作っておいてくれても、一部の相続人から「認知症になってから書いた遺言書だから遺言書は無効だ」という主張がされるおそれがあります。

遺言書の有効無効を争う場合、最終的には裁判所が判断します。

裁判では、遺言者の判断能力の程度が焦点になります。

遺言書作成時に、遺言者の判断能力があれば遺言は有効です。

遺言書作成時に、遺言者の判断能力があった客観的証拠が重要です。

具体的には、医師に診断書を書いてもらうことや診療録の写しをもらっておくことが考えられます。

医師に診断書を書いてもらっても、診療録の写しをもらっても、間接的に判断能力があったと証明できるに過ぎません。

成年被後見人が遺言をする方法について、民法は次のとおり定めています。

(1)判断能力が一時的に回復したこと

(2)医師2名の立会い

(3)立会いをした医師が遺言書に、判断能力が一時的に回復したことを付記して署名押印

立会いをした医師が証明するのは、自筆証書遺言であれば、全文、日付、氏名を自書し、押印する時点です。

公正証書遺言であれば、遺言内容を公証人に伝え、その内容を公証人が公正証書にし、公証人が署名押印する時点です。

成年被後見人が遺言をする方法による遺言は、成年後見制度を使っていない人でも差し支えありません。

裁判で遺言書の有効無効を争う場合、遺言者の判断能力の程度が焦点になります。

遺言書作成時の判断能力の程度が焦点になります。

遺言書作成時に立会った医師の証明は、有力な証拠になります。

医師の診療科は、何科でも構いません。

遺言書が無効になるリスクを抑えることができるでしょう。

5遺言書があっても遺産分割ができる

遺言書は被相続人の意思を示すものです。

相続人は被相続人の意思を尊重し、遺言書の内容を実現させてあげたいと思うでしょう。

ときには、遺言書の内容があまりに偏ったものである場合、遺言書の内容をそのまま実現するとトラブルを起こしてしまう場合があります。

遺言書の有効無効を争う場合、なおさらトラブルが大きくなります。

家族のトラブルが大きくなる遺言書なのに、あえて固執する必要はないでしょう。

相続財産の分け方について、相続人全員で、合意した方が合理的です。

このため、相続人全員が合意すれば、遺言書の内容と異なる内容で遺産分割することもできます。

相続人全員の合意が必要ですから、一人でも反対の人がいたり、合意できない人がいたら、この方法は取れなくなります。

遺言執行者がいる場合は、遺言執行者の同意も必要になります。

遺言執行者は正当理由があれば、辞任できます。

「相続人全員の合意で遺言とは異なる内容の遺産分割をしたいから」は、辞任の正当理由に認められます。

遺贈で相続財産を受け取る人がいる場合、その人の同意も必要になります。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

認知症の人が書いた遺言書であっても無条件で無効になるわけではありません。

遺言書の内容に不満のある相続人からは、認知症で判断能力が低下していたから無効だと主張されることが考えられます。

遺言書が有効であれば、遺言書の内容どおりに相続手続を進めるのが原則です。

遺言書が有効か無効か争っていると、相続手続が滞ってしまいます。

遺言書作成を考えている方は、早めに取り掛かることをおすすめします。

認知症になってから、遺言書を作成するから、相続人らの争いになるのです。

相続人が争うことのないように、遺言書を作る方がほとんどでしょう。

家族を争族にしないために、遺言書を作ることは大切です。

認知症を疑う余地もないほど元気であるうちに、遺言書作成をすることが最善です。

遺言書など縁起でもないなどと言えるのは、元気な証拠と言えます。

まだまだ死なない!と言える今こそ遺言書作成のときです。

遺言書作成を考えている方は、早めに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書作成-包括遺贈

2022-08-15

1遺贈と相続のちがい

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺贈で財産を譲ってあげる人のことを遺贈者、譲ってもらう人を受遺者と言います。

相続では、法定相続人だけに譲ってあげることができます。

遺贈では、法定相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができます。

譲ってもらう人は自然人でもいいし、法人などの団体でも差し支えありません。

遺言書に「遺贈する」とあれば、譲ってもらう人が相続人であっても相続人以外の人でも、遺贈で手続します。

2包括遺贈とは

遺贈には、2種類あります。

特定遺贈と包括遺贈です。

特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。

2種類を組み合わせることもできます。

遺贈を受ける人のことを受遺者と言います。

①遺言書の記載は割合だけで、具体的財産は書いていない

特定遺贈では、遺言書に書いてある特定の財産を譲ってあげるだけ、特定の財産を譲ってもらうだけです。

財産の2分の1とは、どの財産なのか分かりません。

②包括受遺者全員と相続人全員で遺産分割協議が必要

包括遺贈を受けた場合、財産の分け方について、相続人全員と合意する必要があります。

遺言書の記載は2分の1などの割合だけで、具体的財産の記載がないからです。

包括遺贈では、財産を譲ってもらう人は相続人と同一の権利義務が与えられます。

相続財産の中にマイナスの財産がある場合、マイナスの財産も指定された割合で受け継ぐことになります。

③相続人が相続放棄をしても割合は変わらない

包括遺贈では、指定された割合の財産を受け継ぎます。

他の相続人が相続放棄をしても、指定された割合に影響はありません。

例えば、相続人2人、包括受遺者1人で、「財産の3分の1を包括遺贈する」遺言があるケースで、相続人1人が相続放棄した場合、放棄しない相続人が3分の2、包括受遺者3分の1受け継ぎます。

他の相続人が相続放棄をすると、相続の場合は相続分が増えます。

例えば、相続人3人で、それぞれの法定相続分3分の1のケースで、相続人1人が相続放棄した場合、放棄しない相続人2人が2分の1ずつ相続します。

④遺留分を請求できない

包括受遺者は相続人ではありませんから、遺留分はありません。

譲ってあげる人が生前に多額の贈与をしても、遺留分侵害額請求をすることはできません。

⑤寄与分がある

寄与分とは、被相続人の財産の維持、増加に貢献した人に対して、貢献の度合いを評価する制度です。

寄与分は、相続人だけが請求できます。

包括受遺者は相続人と同一の権利義務がありますから、寄与分が請求できるとされています。

もっとも包括遺贈がされること自体が、被相続人の財産の維持、増加に貢献した人に対する評価といえますから、寄与分は考慮済みと考えられることが多いです。

3包括遺贈も特定遺贈も放棄ができる

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺言書は相続人らの関与なしに作ることができます。

遺言で遺贈や相続のことを定める場合、遺言者が受け取る人の意見を聞かずに、一方的に決めることができます。

遺言に書いてあるからとは言っても、受け取ると相続人に気兼ねすることがあります。

相続人とトラブルになりたくないから、ご辞退したい場合もあるでしょう。

遺贈は、特定遺贈であっても、包括遺贈であっても、放棄することができます。

それぞれで、手続きの方法が違います。

①特定遺贈の放棄は遺贈義務者へ

遺贈義務者に対して、遺贈を放棄することを通知します。

通知の名宛人になるのは遺贈義務者です。遺贈義務者は次のとおりです。

(1)遺言執行者がいる場合、遺言執行者です。

(2)遺言執行者がいない場合、相続人です。

(3)遺言執行者も相続人もいない場合、相続財産管理人です。

②包括遺贈の放棄は家庭裁判所へ

包括遺贈を受ける人は相続人と同一の権利義務があります。

相続財産にマイナスの財産がある場合は、マイナスの財産も受け継ぎます。

包括遺贈を放棄する場合、相続を放棄する場合と同じ手続をします。

家庭裁判所に対して、包括遺贈放棄の申立をします。

自己のために包括遺贈があることを知ってから、3か月以内に手続きしなければなりません。

包括遺贈放棄の申立先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄はホームページで調べることができます。

4受遺者が先に死亡した場合、代襲相続はできない

遺言書に「△△に財産の2分の1を遺贈する」と書いてあるケースがあります。

財産を譲ってもらう人が遺言者より先に死亡している場合、遺言のその部分は無効になります。

△△が遺言者より先に死亡している場合、「△△に財産の2分の1を遺贈する」は無効になります。

遺言は死亡時に効力が発生するので、死亡時に受取人が存在している必要があるからです。

遺言によって財産を受け取る権利は、本人限りです。

「△△に財産の2分の1を遺贈する」は無効になりますから、財産の2分の1部分は遺言書に記載がない財産になります。

遺言書に記載がない財産は、相続人全員の共有財産になります。

△△の子どもが代襲相続をすることはできません。

相続財産は相続人全員の共有財産ですから、相続人全員で分け方の合意が不可欠です。

スムーズな相続手続のためには、一工夫、必要です。

「受遺者△△が遺言者よりも先に死亡した場合、受遺者の子△△△△に財産△△を遺贈する」のような内容を書いておくといいでしょう。

被相続人が死亡したとき、受遺者が生きていたが手続中に死亡した場合、「△△に財産の2分の1を遺贈する」は有効です。

受遺者の子どもが相続します。

遺言執行者は間違えないようにしましょう。

5包括遺贈のメリットデメリット

①メリット

相続財産の分け方について、相続人全員の話し合いに参加できるので、受け取る財産について希望を言うチャンスがあります。

譲ってもらうのは相続財産の割合なので、特定の財産が処分されても、指定された財産の割合は受け取ることができます。

相続人以外の人が不動産を譲ってもらう場合、不動産取得税の対象になりません。

②デメリット

マイナスの財産があれば、マイナスの財産も受け継ぐことになります。

遺贈を放棄する場合、3か月の期限があります。

遺贈の放棄をする場合、家庭裁判所に対して手続をする必要があります。

相続財産の分け方について、相続人全員の話し合いに参加する必要があるので、トラブルに巻き込まれるおそれがあります。

包括遺贈を受ける人は相続人と同一の権利義務がありますが、法定相続人ではありません。

包括遺贈を受ける人は相続人と同じように相続税がかかりますが、相続税の基礎控除を計算するときの法定相続人には含めることはできません。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

実は、民法に遺言書を作ることができるのは15歳以上と定められています。

死期が迫ってから書くものではありません。

遺言書は被相続人の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげるものです。

遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。

特に、受け継いでもらう財産に不動産がある場合、譲ってもらう人だけでは登記申請ができません。

遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力が必要です。

遺言書で遺言執行者を決めておきましょう。

遺言執行には法的な知識が必要になりますから、遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう心配もあります。

遺言の効力が発生した後の場合、遺言執行者は家庭裁判所に決めてもらう必要があります。

不動産以外の財産であっても、遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、受遺者に引渡そうとしないこともあります。

家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現するために、せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。

お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書作成-特定遺贈

2022-08-10

1遺贈と相続のちがい

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺贈で財産を譲ってあげる人のことを遺贈者、譲ってもらう人を受遺者と言います。

相続では、法定相続人だけに譲ってあげることができます。

遺贈では、法定相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができます。

譲ってもらう人は自然人でもいいし、法人などの団体でも差し支えありません。

遺言書に「遺贈する」とあれば、譲ってもらう人が相続人であっても相続人以外の人でも、遺贈で手続します。

2特定遺贈とは

遺贈には、2種類あります。

特定遺贈と包括遺贈です。

特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。

2種類を組み合わせることもできます。

遺贈を受ける人のことを受遺者と言います。

①遺言書に具体的財産が書いてある

特定遺贈では、遺言書に書いてある特定の財産を譲ってあげるだけ、特定の財産を譲ってもらうだけです。

遺言書に書いていないマイナスの財産を受け継ぐことはありません。

相続財産の内容は、不動産、預貯金、株式、借金などいろいろな種類があるのが通常です。

ポイントは、遺産のうちどの財産を譲ってあげるのか具体的に特定する必要がある点です。

銀行預金であれば、○○銀行○○支店普通預金口座番号○○○○などとしっかり明記しましょう。

不動産であれば、「自宅」などの記載は不明確です。

登記事項証明書を参考に書き写しましょう。

土地であれば、所在地、地番、土地の種類、地積を書いて特定します。

建物であれば、所在地、家屋番号、構造、面積を書いて特定します。

固定資産税の課税明細書は、記載が省略されていることがあります。

譲ってあげる財産が特定できないなどのトラブルになる可能性がありますから、登記事項証明書を見て、書き写しましょう。

遺言書に書いていない財産は譲ってあげることも、譲ってもらうこともありません。

自宅など土地と建物がある場合は、別々に両方書きます。

さらに、私道を共有している場合もあります。

よく確認して、書き漏らしのないようにしましょう。

②遺産分割協議が不要

特定遺贈では、受け継ぐ財産が具体的に特定されています。

特定の財産を譲ってあげるだけ、特定の財産を譲ってもらうだけです。

その他の財産については無関係です。

相続財産の分け方について、相続人全員で話し合いによる合意は不要です。

包括遺贈を受けた場合、財産の分け方について、相続人全員と合意する必要があります。

相続財産の中にマイナスの財産がある場合、マイナスの財産も指定された割合で受け継ぐことになります。

3特定遺贈も包括遺贈も放棄ができる

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺言書は相続人らの関与なしに作ることができます。

遺言で遺贈や相続のことを定める場合、遺言者が受け取る人の意見を聞かずに、一方的に決めることができます。

遺言に書いてあるからとは言っても、受け取ると相続人に気兼ねすることがあります。

相続人とトラブルになりたくないから、ご辞退したい場合もあるでしょう。

遺贈は、特定遺贈であっても、包括遺贈であっても、放棄することができます。

それぞれで、手続の方法が違います。

①特定遺贈の放棄は遺贈義務者へ

遺贈義務者に対して、遺贈を放棄することを通知します。

通知の名宛人になるのは遺贈義務者です。

遺贈義務者は次のとおりです。

(1)遺言執行者がいる場合、遺言執行者です。

(2)遺言執行者がいない場合、相続人です。

(3)遺言執行者も相続人もいない場合、相続財産管理人です。

特定遺贈は遺贈全部を放棄することもできるし、一部だけ放棄することもできます。

例えば、「株式と金100万円を遺贈する」と遺言にあった場合

株式は受け取るが、金100万円は放棄する。

金50万円は受け取るが、その他は放棄する。

具体的に分けることができるのであれば、一部だけ受け取ることができます。

遺贈を放棄することの通知は、相続発生後であればいつでも構いません。

相続が発生してから、何年もした後、放棄することもできます。

遺贈義務者や利害関係人は、相当の期間を決めて、遺贈を承認するのか放棄するのか、質問することができます。

放棄するのか、遺贈を承認するのか、はっきりしないと相続人が困るからです。

遺贈義務者や利害関係人からの質問に、返事をしないと遺贈を承認したものとみなされます。

遺贈を放棄したい場合は、期間内に放棄することを通知しましょう。

トラブルにならないように、配達証明付き内容証明郵便で通知するといいでしょう。

②包括遺贈の放棄は家庭裁判所へ

包括遺贈を受ける人は相続人と同一の権利義務があります。

包括遺贈を放棄する場合、相続を放棄する場合と同じ手続をします。

家庭裁判所に対して、包括遺贈放棄の申立をします。

自己のために包括遺贈があることを知ってから、3か月以内に手続きしなければなりません。

包括遺贈放棄の申立先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄はホームページで調べることができます。

4受遺者が先に死亡した場合、代襲相続はできない

遺言書に「□□に財産□□を遺贈する」と書いてあるケースがあります。

相続も、遺贈も、財産を譲ってもらう人が遺言者より先に死亡している場合、遺言のその部分は無効になります。

□□が遺言者より先に死亡している場合、「□□に財産□□を遺贈する」は無効になります。

遺言は死亡時に効力が発生するので、死亡時に受取人が存在している必要があるからです。

遺言によって財産を受け取る権利は、本人限りです。

「□□に財産□□を遺贈する」は無効になりますから、財産□□は遺言書に記載がない財産になります。

遺言書に記載がない財産は、相続人全員の共有財産になります。

□□の子どもが代襲相続をすることはできません。

相続財産は相続人全員の共有財産ですから、相続人全員で分け方の合意が不可欠です。

スムーズな相続手続のためには、一工夫、必要です。

「受遺者□□が遺言者よりも先に死亡した場合、受遺者の子□□□に財産□□を遺贈する」のような内容を書いておくといいでしょう。

被相続人が死亡したとき、受遺者が生きていたが手続中に死亡した場合、「□□に財産□□を遺贈する」は有効です。

受遺者の子どもが相続します。

遺言執行者は間違えないようにしましょう。

5特定遺贈のメリットデメリット

①メリット

譲ってもらう人と受け取ってもらう財産が具体的に特定されているので、相続人全員の協議が必要ありません。

遺言書の記載どおり受け継いでもらえばいいので、トラブルを避けることができます。

遺贈を受け取るか、お断りするかゆっくり考えることができます。

遺言書で特定された財産を受け取るだけで、マイナスの財産を受け継ぐ心配がありません。

遺言書を書いた後、財産が処分されてしまうと、財産を受け取ることができなくなります。

②デメリット

他の相続人の遺留分を侵害するような遺贈の場合、遺留分侵害額請求がされるおそれがあります。

相続人以外の人が譲ってもらう場合、相続税の対象になります。

贈与税ではありません。

相続人以外の人が不動産を譲ってもらう場合、登録免許税は1000分の20です。

相続人以外の人が不動産を譲ってもらう場合、不動産取得税の対象になります。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は遺言者の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

実は、民法に遺言書を作ることができるのは15歳以上と定められています。

死期が迫ってから書くものではありません。

遺言書は遺言者の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。

遺贈とは、遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげるものです。

遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。

特に、受け継いでもらう財産に不動産がある場合、譲ってもらう人だけでは登記申請ができません。

遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力が必要です。

遺言書で遺言執行者を決めておきましょう。

遺言執行には法的な知識が必要になりますから、遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう心配もあります。

遺言の効力が発生した後の場合、遺言執行者は家庭裁判所に決めてもらう必要があります。

不動産以外の財産であっても、遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、受遺者に引渡そうとしないこともあります。

家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現するために、せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。

お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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