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遺言書を見せない行動が相続手続に重大なリスク

2026-04-17

1遺言書を見せない理由

理由①スムーズに相続手続をしたい

遺言書がある場合、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。

遺産分割協議をする場合、相続人全員の合意が必要です。

相続人の合意が不要だから、自分の判断で相続手続を進められると考えます。

他の相続人へ説明したくないと、感じます。

他の相続人へ説明すると、感情的対立に巻き込まれると考えるからです。

他の相続人へ遺言書を見せずに、自分の判断で相続手続を進めようとします。

理由②他の相続人に口を出されたくない

遺言書を見せなければ、他の相続人は遺言書の内容を知りません。

他の相続人から口を出されないと、感じます。

遺言書を見せなければ、説明せずに済むと感じます。

他の相続人の反応を受け止める負担があると感じます。

他の相続人から口を出されずに、自分の思いどおりに相続手続を進められると考えます。

理由③他の相続人の感情的反応が不安

遺言書を見せないという場合、見せたくない相続人に有利な遺言書であることがほとんどです。

遺言書を見せると、感情的反応を向けられると感じます。

不公平だと感じて不満を向けられるのではないか、不安になります。

不満を覚えた相続人が相続手続を妨害するのではないか、心配になります。

他の相続人の感情的反応から逃れるため、遺言書を見せたくないと感じます。

理由④遺留分侵害額請求を回避したい

遺言内容が大きく偏っている場合、一部の相続人の遺留分を侵害していることがあります。

遺留分とは、相続人に認められる最低限の権利です。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求がされたら、拒否することはできません。

大きく偏った遺言書を見せると、遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。

遺留分侵害額請求を回避したい気持ちから、遺言書を見せたくないと感じます。

2遺言書を見せない行動が相続手続に重大なリスク

①他の相続人が不安と疑念を抱く

遺言書を見せないと、スムーズに相続手続ができると感じます。

スムーズに相続手続ができると感じるのは、自分が遺言書を見ているからです。

だれが何を相続するのか、情報を持っているからです。

現実は遺言書を見せないことで最も損をするのは、見せない人です。

遺言書を見せてもらえなくても、相続人の権利は失われません。

遺言書を見ていない相続人は、だれが何を相続するのか情報を持っていません。

相続手続が進んでいるのか、分かりません。

遺言執行者が何をしているのか、分かりません。

分からない状態に置かれるから、不安を感じます。

自分が不利益を受けているのではないか、不安になります。

何か権利を失うのではないか、不安になります。

自分が知らないところで何か決められていないか、不安になります。

相続手続で取り返しがつかないことに関する不安です。

強い不安があるのに情報がないと、推測で補う他ありません。

遺言書を見せないのは、後ろめたいことがあるのでないか疑います。

不正に財産を動かそうとしているのではないか、疑います。

遺言書を都合よく解釈して財産を奪おうとしているのではないか、疑います。

強い不安は、疑念に変わります。

強い不安と疑念は、そのままで終わりません。

だれが何を相続するのか、確認を繰り返します。

金融機関や相続手続先に、問合せをします。

結果として、スムーズな相続手続は実現しません。

遺言書を見せないと、説明負担が激増します。

他の相続人の不安と疑念が行動になり、相続手続の摩擦につながります。

②他の相続人の善意が口出しになる

遺言書を見せないと、他の相続人に口を出されないと感じます。

現実は遺言書を見せないことで最も損をするのは、見せない人です。

遺言書を見せないと、他の相続人は遺言執行者の存在を知りません。

どこまで相続手続を進めているのか、分かりません。

責任感がある相続人は、自分で相続手続をしようとします。

相続人全員のため、善意で相続手続をします。

良かれと思って、金融機関に問合せをします。

良かれと思って、預貯金の解約手続を進めようとします。

相続手続を進めて、感謝されると信じています。

勝手に預貯金の解約手続をされると、遺言書の内容を実現できなくなることがあります。

遺言執行者からは、勝手な相続手続が口出しに見えます。

他の相続人と遺言執行者の温度差が深刻なトラブルになります。

相続人に、遺言執行者に口出しをする意図はありません。

純粋に善意だったからこそ、温度差がトラブルを招きます。

遺言書を見せないから、自ら口出しを招いたと言えます。

③妨害行為でなくても口座凍結解除ができない

現実は遺言書を見せないことで最も損をするのは、見せない人です。

金融機関は口座の持ち主が死亡したことを知ったら、口座を凍結します。

口座凍結とは、口座取引を停止することです。

口座凍結がされても、手続をすれば口座凍結解除をすることができます。

遺言書を見せないと、他の相続人は遺言執行者の存在を知りません。

自分で、口座凍結解除をしようとするでしょう。

本来遺言執行者がいれば、相続人は相続財産を管理処分する権限はありません。

金融機関は、権限がある者からの請求に応じます。

遺言書を見せないと、相続人は強い不安を覚えるのが通常です。

遺言書を見せないのは、遺言書が無効だからではないかと疑念を持ちます。

遺言書が無効である場合、遺言執行者の権限も無効です。

遺言執行者の権限について、疑念があることを金融機関にも伝えるでしょう。

遺言執行者の権限に疑念がある場合、権限がある者からの請求とは言いにくくなります。

金融機関は、トラブルに巻き込まれることを非常に嫌います。

被相続人の財産を守れなかったとなると、信用失墜になるからです。

相続人間で遺言書の有効無効が争われる場合、トラブルが顕在化したと言えます。

トラブルに巻き込まれることを回避するため、相続人全員の同意書を要求します。

他の相続人には、遺言執行の妨害行為をしようとする意図はありません。

遺言書を見せないから、強い不安と疑念を持っただけです。

強い不安と疑念から、金融機関で相続手続をしようとしただけです。

金融機関には、遺言執行の妨害行為をしようとする意図はありません。

信用失墜を回避するため、慎重姿勢をとったに過ぎません。

遺言書を見せないから、口座凍結解除ができなくなります。

④遺留分侵害額請求から逃げられない

(1)遺留分を奪われる不安

遺言書を見せないと、他の相続人が不安と疑念を抱きます。

遺言内容が分からないと、不利益の可能性を想定するのが自然です。

遺留分すら確保されていない可能性を考えるのは、当然の流れです。

遺言内容を知らされない相続人は、強い不安で不利益の可能性を増幅させるからです。

(2)相続手続が終わると遺留分を奪われたと感じる

遺言書を見せなければ、スムーズに相続手続が進められると感じます。

他の相続人が遺言内容を知らないまま、相続手続が終了するかもしれません。

遺言内容が大きく偏っていても、相続手続を完了させることはできます。

大きく偏った遺言書をそのまま執行した場合、他の相続人は遺留分を侵害されたと感じます。

(3)遺留分侵害額請求がトラブルに発展する

遺言書を見せなくても、遺留分は奪われません。

相続手続を完了させた後であっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

現実は遺言書を見せないことで最も損をするのは、見せない人です。

遺留分を奪う意図で遺言内容を知らせないのだと、考えます。

現実にも遺留分侵害額請求を回避したいから、遺言書を見せません。

相続人同士のトラブルは、単に感情的トラブルに過ぎません。

遺留分侵害額請求は、深刻なトラブルに発展します。

(4)弁護士の介入

遺留分侵害額請求をすることは、複雑です。

多くの場合、弁護士に依頼して請求をします。

知識がない人は、弁護士を相手に対等に交渉することはできないでしょう。

一方が弁護士に依頼した時点で、相手方も弁護士に依頼することになります。

弁護士が介入する原因は、遺留分侵害額請求を回避しようとしたことです。

遺留分侵害額請求を回避する目的で、遺言書を見せなかったことです。

(5)法的解決だけで進められる

弁護士が介入した時点で、家族関係や家族の感情は考慮されません。

弁護士は、依頼者の利益を最大化する人で仲介者ではありません。

徹底的に法的手段を使って、依頼者の利益を最大化します。

(6)高額な費用があるからトラブルが激化

遺留分侵害額請求をする側も受ける側も、高額な費用がかかります。

トラブルが長引けば長引くほど、費用は高額になります。

高額な費用を負担したのだから、引けないという心理になります。

高額な費用がかかるから、トラブルが激化します。

⑤遺言書を見せないと最も損をする

遺言書を見せないと、相続人は不安になります。

遺言書を見せたくない動機がすべて、逆になります。

遺言書を見せない行動が重大なリスクになります。

遺言書を隠すことで、相続手続を進められなくなるからです。

3遺言書内容は自分で確認できる

①公正証書遺言は謄本請求ができる

(1)公正証書遺言は公証役場で厳重保管

遺言書を作成する場合、公正証書遺言か自筆証書遺言を作成することがほとんどです。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重に保管されます。

(2)公正証書遺言の有無を調べることができる

遺言者が死亡した後、相続人は単独で公証役場に公正証書遺言の有無を調べることができます。

公正証書遺言の有無は、日本中どこの公証役場でも調べてもらうことができます。

適切な書類があれば、相続人はだれでも調べることができます。

(3)謄本請求で内容確認ができる

公正証書遺言が作成されていることが判明したら、相続人は謄本請求をすることができます。

公正証書遺言の謄本を取得したら、遺言書の内容を知ることができます。

相続人は単独で、公正証書遺言の謄本を取得することができます。

公正証書遺言は、隠す余地がない遺言書です。

②法務局保管制度利用の自筆証書遺言は遺言書情報証明書

(1)自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる

自筆証書遺言は、遺言者が自分で書いて作る遺言書です。

自筆証書遺言は、保管場所に困ります。

保管場所を家族と共有すると、改ざんや破棄のリスクがあります。

保管場所を家族と共有しないと、紛失や見つけてもらえないリスクがあります。

自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。

法務局保管制度を利用すると、法務局が厳重に保管します。

(2)遺言書情報証明書で内容確認ができる

法務局保管制度を利用すると、自筆証書遺言を預かっていることが相続人に通知されます。

相続人に通知されるのは、自筆証書遺言を保管している事実のみです。

通知書で遺言書の内容を知ることはできません。

遺言書情報証明書とは、遺言書の内容の証明書です。

遺言書情報証明書を取得したら、遺言書の内容を知ることができます。

相続人は単独で、遺言書情報証明書を取得することができます。

法務局保管制度利用の自筆証書遺言は、隠す余地がない遺言書です。

③自宅保管の自筆証書遺言は検認手続

(1)検認とは家庭裁判所で開封してもらう手続

自宅などで遺品整理をしていると、自筆証書遺言が見つかることがあります。

自筆証書遺言を見つけた人や預かっていた人は、家庭裁判所へ届け出る必要があります。

検認手続とは、自筆証書遺言を家庭裁判所へ提出して開封してもらう手続です。

(2)検認調書謄本で内容確認

検認期日では、遺言書の内容や形状を確認します。

家庭裁判所が確認した内容は、検認調書に取りまとめられます。

検認手続は、遺言書の偽造変造を防止する手続だからです。

相続人は単独で、検認調書の閲覧やコピーを請求することができます。

たとえ検認期日に欠席しても、検認調書の閲覧やコピーを請求することができます。

検認調書を見れば、遺言書の内容を知ることができます。

検認調書は、相続人間で隠す余地がありません。

④他の相続人に開示義務はない

遺言書を保管している相続人に遺言書の開示を求めても、意味はありません。

遺言書を保管していても、他の相続人に開示する義務はないからです。

相続人は、自分で遺言書を確認する方法があります。

⑤遺言書を見せてもらえなくても遺留分侵害額請求ができる

遺言書は、自分で確認することができます。

相続財産は、自分で調査することができます。

相続手続が完了していても、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求権は、最短1年で時効消滅します。

速やかに、行動を起こすことが重要です。

4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。

遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。

せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。

同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。

さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

ルールが守られていない遺言書は無効になります。

書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。

せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。

司法書士は確実な遺言書を作るお手伝いをします。

家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言執行者は相続人に遺言内容の通知義務がある

2026-04-10

1遺言執行者が遺言書の内容を実現する

①遺言書は自動で実現しない

遺言書は、作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言者にとって遺言執行者がいると、遺言書の内容を確実に実現してもらえるから安心です。

相続人にとって遺言執行者がいると、相続手続をおまかせできるから安心です。

②遺言書で遺言執行者を指名できる

遺言執行者は、遺言書で指名することができます。

遺言執行者に、特別な資格は不要です。

相続人のひとりを遺言執行者に指名することができます。

③遺言執行者がいると相続人は処分権限がない

遺言執行者には、遺言書の内容実現のための権限が与えられます。

相続人は、遺言内容に反する行為をすることができません。

遺言書の内容実現のため、遺言執行者が相続財産を管理します。

相続人が財産を処分すると、遺言書の内容を実現できなくなるからです。

遺言者の意思を実現するため、遺言執行者に権限が集中しています。

④遺言書の内容と無関係な財産は相続人が管理

遺言執行者は、万能ではありません。

遺言書の内容と無関係な財産は、遺言執行者の権限が及びません。

遺言書の内容と無関係な財産は、相続人が管理します。

相続人全員の合意で、分け方を決めることができます。

2遺言執行者は相続人に遺言内容の通知義務がある

①就任したら遺言書の内容を確認する

遺言執行者に就任したら、まず遺言書の内容を確認します。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人だからです。

単に遺言執行者に指名されていることだけ、確認するのではありません。

遺言執行者として、どのような権限が与えられているのか確認します。

遺言書の内容と無関係な財産は、遺言執行者の権限が及ばないからです。

遺言執行者の権限は、遺言書の内容を実現する範囲のみです。

②遺言執行者の通知義務の対象は遺言内容

遺言執行者に就任した後、相続人全員に就任通知を送付します。

実務上は、遺言執行者の就任通知は不可欠です。

遺言執行者には、遺言書の内容実現のための権限が与えられます。

相続人は、遺言内容に反する行為をすることができません。

遺言執行者に就任したと自称するだけでは、信用されないでしょう。

相続人には、他の相続人に遺言書の内容を開示する義務はありません。

遺言執行者には、相続人全員に遺言書の内容を開示する義務があります。

相続人が遺言執行者になった場合、遺言執行者として開示する義務があります。

遺言執行者がいない場合、相続人が相続財産を管理します。

遺言執行者の権限が及ばない場合、相続人が相続財産を管理します。

遺言執行者の存在を知らなければ、相続人が相続財産を管理しようとするのが自然です。

遺言内容の通知義務の目的は、遺言執行者の職務を円滑にし透明性を確保する点にあります。

遺言執行者が遺言内容を通知しないと、結果として相続人による妨害行為を誘発します。

遺言執行者の行為は、相続財産を相続人から奪う行為に見えるからです。

実際に遺言執行者が就任承諾書を送付する場合、同時に遺言内容も開示します。

遺言内容を開示しないと、遺言執行者を信用できないからです。

③通知の対象は相続人全員

遺言執行者の通知義務の対象は、相続人全員です。

遺言書によって受け取る財産が少ない相続人や全くない相続人を除外することはできません。

利害関係がある相続人にのみ通知するとは、定めていません。

利益を受ける相続人にのみ通知するとは、定めていません。

受け取る財産の有無にかかわらず、相続人全員に通知する義務があります。

相続人は、遺言書の有効無効を争うことができます。

たとえ財産を受け取らない相続人であっても、重要な判断をする立場があります。

重要な判断をする立場があるから、遺言内容の通知する義務があります。

④遺留分がない相続人に通知する

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

遺留分は、被相続人に近い関係の相続人に認められます。

遺言執行者の通知義務の対象は、相続人全員です。

遺留分がない相続人であっても、遺言内容は通知する義務があります。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分がある相続人は遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分がない相続人は、遺留分侵害額請求をすることができません。

遺言内容の通知義務の目的は、遺言執行者の職務を円滑にし透明性を確保する点にあります。

例えば遺言内容の解釈に異議を述べる場合、遺留分の有無は無関係です。

遺言内容の適切な実現のため、相続人はだれでも遺言内容の解釈に異議を述べることができます。

遺言執行者の職務の透明性を図るため、相続人全員が遺言内容に利害関係があると考えられます。

遺留分がない相続人に対して、遺言内容を通知する義務があります。

⑤通知をしなくても遺言書は無効にならない

遺言執行者は、相続人に遺言内容の通知義務があります。

相続人に遺言内容の通知していなくても、遺言書が無効になることはありません。

遺言書の有効無効は、遺言書を作成したときの遺言者の判断能力や作成した遺言書の内容で決まります。

遺言執行者が遺言内容を通知しないことは、単に遺言執行者による職務の怠慢に過ぎません。

遺言執行者による職務の怠慢で、遺言書が無効になるのは不合理です。

⑥通知をしないと深刻なトラブルに発展する

(1)相続人との信頼関係の破綻

遺言執行者が遺言内容を通知しないと、相続人は何か隠されていると感じます。

遺言書があると称して相続財産を奪おうとしているのではないか、邪推します。

遺言書があると称して自分の権利がなくなるのではないかと、不安になります。

関係が薄い相続人や遠方の相続人は、情報不足から特に不安を強く感じやすくなります。

疑心暗鬼になった相続人は、遺言執行者に対して信頼ができません。

遺言執行者に対して、一切の協力を拒むようになるでしょう。

相続人との信頼関係を維持するため、遺言内容の通知は重要です。

(2)遺留分を奪われると感じる

遺言書の内容が大きく偏っている場合、相続人の遺留分を侵害していることがあります。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺言執行者が遺言内容を通知しないと、相続人は遺留分を奪われたと感じます。

遺留分侵害額請求を妨害するため、遺言内容を通知しなかったと考えるからです。

相続人の最低限の権利を奪われることに、大きなショックを受けます。

遺留分侵害額請求を奪われたと感じると、相続人間で深刻なトラブルに発展します。

他の相続人の遺留分を尊重するため、遺言内容の通知は重要です。

(3)相続人の善意が妨害になる

遺言執行者がいない場合、相続人が相続財産を管理します。

遺言執行者の権限が及ばない場合、相続人が相続財産を管理します。

遺言執行者の存在を知らなければ、相続人が相続財産を管理しようとするのが自然です。

責任感が強い相続人ほど、他の相続人のため相続手続を進めようとします。

他の相続人のため相続手続を進める行為は、善意の行動のはずです。

相続人には、妨害行為をする意図はありません。

善意でした行動のはずなのに、遺言執行者には善意には見えません。

相続人が相続手続を進めることは、遺言書の内容を無視した妨害に見えるからです。

善意でした行動のはずなのに悪意ある妨害行為と言われるから、深刻なトラブルになります。

相続人と遺言執行者の温度差を埋めるため、遺言内容の通知は重要です。

(4)遺言書の有効無効の争いに発展する

遺言執行者が遺言内容を通知しないことは、単なる遺言執行者の職務怠慢に過ぎません。

他の相続人からは、単なる職務怠慢には見えません。

遺言書が無効だから、遺言内容を通知しないのだろうと誤解します。

遺言執行者には、法律上、遺言内容の通知義務があるからです。

不都合なことが書いてある遺言書だから、遺言内容を通知しないのだろうと誤解します。

遺言書を隠したいから、遺言内容を通知しないのだろうと誤解します。

遺言内容を通知しないしないことは、遺言書の有効無効の争いに発展します。

遺言内容を通知しないしないことは、遺言書が無効であることを認めた証拠と決めつけられます。

遺言書が無効である場合、遺言執行者の権限も無効です。

遺言内容を通知しないしないと、遺言執行者は遺言書の有効無効の争いに巻き込まれます。

遺言書の有効無効の争いに巻き込まれると、対応負担が激増します。

遺言書の有効無効の争いに巻き込まれないため、遺言内容の通知は重要です。

⑦遺言内容の通知が信頼関係の基礎になる

遺言内容の通知をしなくても、法的なリスクはあまり大きくありません。

遺言内容の通知をしないと、実務的なリスクは甚大です。

不信感を募らせた相続人への説明負担が激増します。

相続人の善意の行動が遺言執行者への妨害行為になります。

遺言内容の通知をしないと、結果的に家族の信頼関係を壊滅的に壊すことになります。

遺言内容の通知は、相続人との関係を円滑に保つための基礎になります。

3相続人は通知義務に固執する必要はない

①公正証書遺言は謄本請求ができる

(1)公正証書遺言は公証役場で厳重保管

遺言書を作成する場合、公正証書遺言か自筆証書遺言を作成することがほとんどです。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重に保管されます。

(2)公正証書遺言の有無を調べることができる

遺言者が死亡した後、相続人は単独で公証役場に公正証書遺言の有無を調べることができます。

公正証書遺言の有無は、日本中どこの公証役場でも調べてもらうことができます。

適切な書類があれば、相続人はだれでも調べることができます。

(3)謄本請求で内容確認ができる

公正証書遺言が作成されていることが判明したら、相続人は謄本請求をすることができます。

公正証書遺言の謄本を取得したら、遺言書の内容を知ることができます。

相続人は単独で、公正証書遺言の謄本を取得することができます。

公正証書遺言は、隠す余地がない遺言書です。

②法務局保管制度利用の自筆証書遺言は遺言書情報証明書

(1)自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる

自筆証書遺言は、遺言者が自分で書いて作る遺言書です。

自筆証書遺言は、保管場所に困ります。

保管場所を家族と共有すると、改ざんや破棄のリスクがあります。

保管場所を家族と共有しないと、紛失や見つけてもらえないリスクがあります。

自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。

法務局保管制度を利用すると、法務局が厳重に保管します。

(2)遺言書情報証明書で内容確認ができる

法務局保管制度を利用すると、自筆証書遺言を預かっていることが相続人に通知されます。

相続人に通知されるのは、自筆証書遺言を保管している事実のみです。

通知書で遺言書の内容を知ることはできません。

遺言書情報証明書とは、遺言書の内容の証明書です。

遺言書情報証明書を取得したら、遺言書の内容を知ることができます。

相続人は単独で、遺言書情報証明書を取得することができます。

法務局保管制度利用の自筆証書遺言は、隠す余地がない遺言書です。

③自宅保管の自筆証書遺言は検認手続

(1)検認とは家庭裁判所で開封してもらう手続

自宅などで遺品整理をしていると、自筆証書遺言が見つかることがあります。

自筆証書遺言を見つけた人や預かっていた人は、家庭裁判所へ届け出る必要があります。

検認手続とは、自筆証書遺言を家庭裁判所へ提出して開封してもらう手続です。

(2)検認調書謄本で内容確認

検認期日では、遺言書の内容や形状を確認します。

家庭裁判所が確認した内容は、検認調書に取りまとめられます。

検認手続は、遺言書の偽造変造を防止する手続だからです。

相続人は単独で、検認調書の閲覧やコピーを請求することができます。

たとえ検認期日に欠席しても、検認調書の閲覧やコピーを請求することができます。

検認調書を見れば、遺言書の内容を知ることができます。

検認調書は、相続人間で隠す余地がありません。

④他の相続人に開示義務はない

遺言書を保管している相続人に遺言書の開示を求めても、意味はありません。

遺言書を保管していても、他の相続人に開示する義務はないからです。

相続人は、自分で遺言書を確認する方法があります。

遺言執行者からの通知に、固執する必要はありません。

4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。

もっともトラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。

せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。

同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。

さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

ルールが守られていない遺言書は無効になります。

書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。

せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。

司法書士は確実な遺言書を作るお手伝いをします。

家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

公正証書遺言が無効になる

2026-03-26

1公正証書遺言が無効になる

①遺言者に遺言能力がないと無効

公正証書遺言といえども、絶対に無効にならないといったことはありません。

ごくまれに、公正証書遺言が無効になることがあります。

遺言書を作成するためには、遺言者に遺言能力があることが必要です。

遺言能力とは、遺言書の内容を理解して遺言の結果を理解する能力です。

例えば、認知症になると物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。

重度の認知症になると、遺言能力は失われたと言えるでしょう。

高齢になってから遺言書を作成した場合、遺言能力の有無が争いになることがあります。

遺言書の内容に不満を持つ相続人が現れることがあるでしょう。

不利な遺言書が無効になれば、遺言書どおりに分ける必要はなくなります。

遺言書に不満があると、相続人が遺言者の遺言能力の有無を理由に無効を主張するでしょう。

公正証書遺言の有効無効を争うとき、深刻な相続トラブルになります。

公正証書遺言を作成する場合、公証人が遺言者の意思確認をします。

遺言能力がない場合、意思確認の過程で気付くでしょう。

公正証書遺言では、遺言能力が一定程度担保されていると言えます。

遺言者に遺言能力がないと、公正証書遺言が無効になります。

②証人が不適格で無効

公正証書遺言は、証人2人に確認してもらって作ります。

証人になる人に、特別な資格はありません。

次の人は、証人になれません。

(1)未成年者

(2)推定相続人、受遺者、これらの人の配偶者、直系血族

(3)公証人の配偶者、4親等内の親族、書記、使用人

公正証書遺言を作成する場合、公証人は証人についても本人確認をします。

上記欠格事由に該当しないか、確認されます。

証人が欠格に該当していることを秘密にしていると、不適格なまま公正証書遺言が作成されてしまうでしょう。

証人が欠格事由に該当していると、公正証書遺言が無効になります。

③詐欺強迫で作成されると無効

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言者の真意に基づかない遺言書は、無効です。

遺言者が第三者にだまされて遺言書を作成しても、真意に基づかないことは明らかです。

遺言者が第三者に強迫されて遺言書を作成しても、真意に基づかないことは明らかです。

真意に基づかない遺言書は、無効です。

遺言者が強迫されたり詐欺にあって、作成した遺言書に効力はありません。

遺言者本人が死亡した後に、詐欺強迫が認められるのは非常に困難です。

客観的な証拠がないと、詐欺強迫を証明できないからです。

詐欺強迫で作成されると、公正証書遺言が無効になります。

④口授がないと無効

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝えて作る遺言書です。

口授とは、遺言内容を公証人に伝えることです。

遺言者が高齢である場合、遺言内容をよどみなく伝えるのは難しいかもしれません。

遺言書の内容を読み聞かせて肯定的身振りや否定的挙動をしただけでは、口授があったとは認められない事例があります。

肯定的身振りや否定的挙動には、「うなずく」「首を振る」「手を握る」などがあります。

口授が必要とされる趣旨は、遺言者の真意の確保にあります。

遺言内容における遺言者の真意が確保されている場合、口授があったと認められやすいと言えます。

話すことや聞くことが不自由である人は、筆談や手話を使って口授をすることができます。

身体が不自由であっても、公正証書遺言を作成しやすくなっています。

口授がないと、公正証書遺言が無効になります。

⑤公序良俗に反すると無効

公序良俗に反する法律行為は、無効です。

遺言書の内容は、遺言者が自由に決めることができます。

公序良俗に反するか、相続人に与える影響を総合的に考慮して判断されます。

⑥遺言者が15歳未満で無効

15歳に達した人は、遺言書を作成することができます。

15歳未満の人が遺言書を作成しても、無効です。

⑦複数の遺言書で内容が両立しないと無効

遺言者が複数の遺言書を作成していることがあります。

複数の遺言書で内容が両立するなら、遺言書は全部有効です。

複数の遺言書で内容が両立しないと、古い遺言は撤回したと扱われます。

公正証書遺言であっても自筆証書遺言であっても、古い遺言が撤回されたと扱われます。

遺言書全体が撤回されるのではなく、両立しない条項だけ撤回されたと扱われます。

⑧付言事項に法的効力がない

遺言書には、財産の分け方以外のことを書くことができます。

家族への感謝の気持ちを持ちつつも、伝える機会を逃していることがあるでしょう。

家族への感謝の気持ちに、もちろん法律上の効力はありません。

遺言書に書くことで法律上有効になることは、法律で決められています。

法律上の効力がないことは、付言事項と言います。

公正証書遺言であっても、付言事項に法律上の効力はありません。

遺言書に遺留分侵害額請求を禁止すると書いてあることがあります。

遺留分侵害額請求を禁止すると書いてある場合、付言事項です。

遺留分侵害額請求を禁止する遺言に効力はありません。

2公正証書遺言が無効にならない

①書き方ルールの違反で無効はあり得ない

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

書き方ルールに違反した遺言書は、無効になります。

公証人が関与するから、公正証書遺言は書き方ルール違反で無効になることは考えられません。

②一部の財産だけでも有効

遺言書に書いてある財産が一部だけであることがあります。

遺言者が自分の財産全体を把握していなかったのかもしれません。

他の財産には関心がなく、重要な財産だけ書いたのかもしれません。

一部の財産だけ記載されても、遺言書は有効です。

一部の財産について分け方を指定した場合、その財産について遺言書は有効です。

分け方を指定されていない財産は、相続人全員の共有財産です。

相続人全員で、分け方を決定します。

一部の財産だけでも、公正証書遺言は有効です。

③長期間経過しても時効消滅しない

遺言書が作成されてから長期間経過して、相続が発生することがあります。

遺言書が作成された後、長期間経過しても無効になりません。

遺言書は、時効消滅しません。

遺言者が死亡したときに、遺言書の効力が発生します。

遺言者が死亡した後、長期間経過しても無効になりません。

遺言書を作成後長期間経過しても遺言者が死亡後長期間経過しても、公正証書遺言は有効です。

④遺留分を侵害しても有効

公正証書遺言の内容を確認したら、大きく偏った内容であることがあります。

相続人の遺留分を侵害しているかもしれません。

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

遺留分を侵害しても、遺言書は有効です。

遺留分は、権利に過ぎません。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分権利者は、権利を行使するか行使しないか選ぶことができます。

遺言書の内容に納得できたら、遺留分侵害額請求をしないでしょう。

遺留分権利者は選択できるから、遺言書を無効にする必要がありません。

遺留分を侵害しても、公正証書遺言は有効です。

公正証書遺言が有効であっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

3公正証書遺言は無効になる可能性が極めて低い

①公証人が取りまとめる

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が取りまとめる遺言書です。

証人2人確認してもらって、作ります。

公証人は、法律の専門家です。

公証人が本人確認のうえ本人の意思確認をして、取りまとめます。

本人の意思確認ができない場合、公証人は遺言書の作成を中止します。

遺言書の作成時点で、無効原因は排除されます。

②公正証書遺言原本は公証役場で厳重保管

公正証書遺言原本は、公証役場で厳重に保管されます。

公正証書遺言作成後に渡されるのは、正本と謄本です。

正本と謄本は、遺言書のコピーです。

遺言者の手元にあるのは遺言書のコピーに過ぎないから、変造や改ざんがあり得ません。

遺言者本人が紛失する心配も、ありません。

公正証書遺言原本は、公証役場で厳重に保管されるからです。

紛失による相続人トラブルを防ぐことができるから、公正証書遺言は安心確実です。

③無効原因の立証は極めて困難

公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。

遺言者が内容を理解しているか、他人から影響を受けていないか、公証人が確認します。

公証人が適切に確認しているか、証人2人が確認します。

公正証書遺言の無効を主張しても、無効原因の立証は極めて困難です。

4公正証書遺言があっても遺産分割協議

相続があったら、被相続人の財産は相続人が相続します。

遺言書で相続財産の分け方が指定されている場合、遺言書のとおりに分けることができます。

遺言書が無効である場合、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続人間で公正証書遺言の有効無効が争われると、熾烈なトラブルになります。

公正証書遺言が無効と判断される事例は、めったにないからです。

不公平な遺言書だと感じる相続人は、遺言書の無効を主張するでしょう。

相続トラブルに発展する前に、相続人全員で相続財産の分け方を合意した方が合理的です。

公正証書遺言があっても、遺産分割協議をすることができます。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書があれば、相続財産の分け方について、相続人全員で話し合いによる合意は不要です。

遺言書があれば、家族のもめごとが避けられると言えます。

遺言書の効力を争う場合、法律の知識が不可欠です。

弁護士に依頼して、交渉してもらうことになるでしょう。

一部の相続人が弁護士に依頼したら、他の相続人も弁護士に依頼しないととても太刀打ちできません。

弁護士は、依頼人の利益最大化のために働きます。

家族が争う争族になってしまいます。

家族のトラブルの多くは、遺言書作成時にサポートを受けていれば回避できるでしょう。

遺言書作成のサポートを受けるだけでなく、遺言執行者になってもらうなど遺言の実現についてもサポートしてもらうことがきます。

家族のトラブルを避けるため、公正証書遺言作成を考える方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

公正証書遺言は時効消滅しない

2026-03-26

1公正証書遺言は時効消滅しない

①遺言者死亡で公正証書遺言に効力発生

遺言書は、遺言者が元気なときに作成します。

遺言書を作成しても、遺言書に効力はありません。

遺言書の効力発生時期は、遺言者が死亡したときです。

遺言書にどんなことが書いてあっても、遺言者の生前は相続人には何の権利もありません。

遺言者の生前は、遺言書に効力がないからです。

遺言者死亡で、公正証書遺言に効力が発生します。

②遺言書作成後長期間経過しても時効消滅しない

公正証書遺言に、有効期限はありません。

遺言書を作成してから長期間経過しても、遺言書の効力が無くなることはありません。

作成後長期間経過しても、遺言書の効力が時効消滅することはありません。

何十年も前に作成した遺言書であっても、遺言者死亡で効力が発生します。

③死亡後長期間経過しても時効消滅しない

遺言者死亡で、公正証書遺言に効力が発生します。

遺言書に効力が発生してから長期間経過しても、遺言書の効力が無くなることはありません。

死亡後長期間経過しても、遺言書の効力が時効消滅することはありません。

遺言者が死亡した後長期間経過してから、相続財産が見つかることがあります。

死亡後何十年経過しても、遺言書を執行することができます。

④遺言が時効消滅しない理由

理由(1)遺言は意思表示だから

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言書を作成するというと、財産の分け方について書くことをイメージするでしょう。

財産の分け方について、遺言者が意思表示をしたと言えます。

消滅時効とは、長期間権利を行使しない場合に権利が消える制度です。

意思表示は、消滅時効の対象ではありません。

長期間経過しても、意思表示は消えません。

遺言は意思表示だから、時効消滅しません。

理由(2)行使する概念がないから

遺言書は、遺言者が死亡したときに効力が発生します。

遺言者が死亡したときに、自動で遺言書に効力が発生します。

遺言には、行使する概念がありません。

権利を行使しない場合、時効によって権利が消滅します。

遺言には権利を行使する概念がないから、時効消滅しません。

理由(3)時効制度の前提と合わないから

時効で権利が消滅するのは、権利を行使できるのに行使しないまま長期間経過した場合です。

権利が時効消滅するのは、次の前提があるときです。

・すでに行使できる権利が存在していること

・権利を行使するか行使しないか選べる状態であること

遺言には、上記前提がありません。

遺言は意思表示だから、権利は存在しません。

遺言は自動で効力が発生するから、行使するか行使しないか選べる状態ではありません。

権利を行使できるのに行使しないまま長期間経過することがないから、時効消滅の対象になりません。

遺言は時効制度の前提と合わないから、時効消滅しません。

⑥公正証書遺言で取得した権利は消滅する可能性がある

(1)相続した債権は時効消滅する

被相続人が持っていた債権は、相続財産です。

遺言書を作成してから長期間経過しても、遺言書は時効消滅しません。

被相続人が持っていた債権は、消滅時効の対象です。

債務者に返済を請求しないまま長期間経過すると、相続した債権は時効消滅します。

(2)遺留分侵害額請求は時効消滅する

内容が大きく偏っている場合、相続人の遺留分を侵害していることがあります。

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求権は、消滅時効の対象です。

遺留分侵害額請求権を行使できるのに行使しないまま長期間経過した場合、時効消滅します。

(3)相続登記をしないと権利主張ができない

相続登記とは、不動産の名義変更です。

第三者が他の相続人から不動産を購入したから明け渡して欲しいと、言ってくることがあります。

登記がある場合、不動産は自分のものだから明け渡す必要はないと言い返すことができます。

登記がない場合、不動産を明け渡さなければならなくなるかもしれません。

登記がないと第三者に権利主張できないから、不動産を失うことになります。

(4)第三者が時効取得すると所有権移転

長期間占有を継続すると、第三者が財産を時効取得します。

時効取得によって所有権が移転するから、不動産を失うことになります。

2時効以外で公正証書遺言が無効になる可能性

①手続不備は極めて稀

公正証書遺言作成におけるルール違反があった場合、公正証書遺言は無効になります。

公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。

手続不備で無効になることは、考えられません。

1年間に作成された公正証書遺言数万件に対して、無効判例はわずか数件です。

公証人は法律の専門家だから、手続不備がないように厳重にチェックするからです。

②遺言能力がないと無効

遺言書を有効に作成するには、次の条件を満たす必要があります。

・遺言者が15歳以上であること

・遺言者に遺言能力があること

遺言能力とは、遺言書に書いた内容を理解し遺言の結果のメリットデメリットを充分に判断できる能力です。

高齢になると、判断能力が低下することが多くなります。

多少判断能力が低下しても遺言書に書いた内容が簡単なら、遺言の結果のメリットデメリットを充分に判断できるかもしれません。

大幅に判断能力が低下して、かつ、遺言内容が複雑なら、遺言の結果のメリットデメリットを充分に判断できないでしょう。

遺言能力が失った後に作成した公正証書遺言は、無効になります。

③複数の遺言書が見つかったら古い遺言書は撤回

遺言書が複数見つかることがあります。

複数の遺言書があっても内容が両立できるなら、遺言書は有効です。

例えば、次の遺言書は2通とも有効です。

遺言書1 不動産〇〇は、相続人〇〇〇〇に相続させる。

遺言書2 不動産□□は、相続人□□□□に相続させる。

複数の遺言書があって内容が両立できない場合、古い日付の遺言書は撤回されたと扱われます。

例えば、次の遺言書は、遺言書1が撤回したと扱われます。

遺言書1令和7年3月1日作成 不動産〇〇は、相続人〇〇〇〇に相続させる。

遺言書2令和7年4月1日作成 不動産〇〇は、相続人□□□□に相続させる。

④付言事項に効力はない

遺言書を作成する場合、法律上意味がないことが書かれることがあります。

付言事項とは、法律上意味がないことです。

付言事項は、「ふげんじこう」と読みます。

遺言書の付言事項として、家族への感謝の気持ちを書くことができます。

付言事項に書いたことは、法律上意味がありません。

3不利な遺言書が見つかったときの現実的選択肢

選択肢①公正証書遺言があっても遺留分侵害額請求

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺言書に遺留分侵害額請求を認めないと書いてあることがあります。

遺留分侵害額請求を認めないと書いてあっても、付言事項と考えられます。

公正証書遺言があっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求権は、最短1年で時効消滅します。

選択肢②公正証書遺言があっても遺産分割協議

遺言書を確認したところ、内容が大きく偏っていることがあります。

相続人間でトラブルを起こす可能性がある遺言書なのに、あえて執行してトラブルにする必要はありません。

相続人全員で相続財産の分け方を合意した方が合理的です。

公正証書遺言があっても、相続人全員の合意で遺産分割協議をすることができます。

選択肢③家庭裁判所で遺言書無効確認訴訟

相続人間の話し合いができない場合、家庭裁判所に遺言書無効確認訴訟を提起することができます。

4公証役場は実質無期限保管

①古い遺言書でも取得できる

公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。

遺言者が死亡した後、相続人は遺言書の謄本を請求することができます。

公正証書の保管期間は、公証人法施行規則27条で20年と決められています。

特別な理由があるときは、理由がある間保管を続けます。

公正証書遺言は、特別な理由があると考えられています。

特別な理由とは、遺言者の生存や相続手続の必要性と言えます。

通常、次の期間保管されています。

・遺言者が死亡後50年

・公正証書遺言作成後140年

・遺言者の生後170年

多くの公証役場では、上記の期間を超えても保管を続けています。

公正証書遺言が必要なのに、取得できなくなることがないように運用されています。

②遺言検索システム利用で遺言書を探す

(1)公証役場の遺言検索システムに登録されている

公正証書遺言を作成したら、公証役場の遺言検索システムに登録されます。

遺言書が死亡した後、相続人は遺言検索システムで遺言書の有無を確認することができます。

遺言検索システムを利用することで、すみやかに公正証書遺言の有無が確認できます。

(2)遺言検索システムは日本中どこでも利用できる

日本中どこの公証役場でも、遺言書の有無を調べてもらうことができます。

(3)遺言検索システムを利用できる人

遺言者死亡後は、相続人などの利害関係人が利用できます。

利害関係人にあたる人は、次の人です。

・相続人

・受遺者

・遺言執行者

相続人本人が公証役場に出向くことができなくても、委任状を出して代理人に依頼することができます。

委任状には、「遺言検索」「謄本請求」を明記し、実印を押印する必要があります。

実印であることを証明するため、印鑑証明書が必要です。

(4)必要書類

遺言検索システムを利用するときの必要書類は、次のとおりです。

・遺言者が死亡したことが分かる戸籍謄本

・請求者が相続人であることが分かる戸籍謄本

・ 請求者の本人確認書類

運転免許証、マイナンバーカード、発行後3か月以内の印鑑証明書等

必要書類は、希望すれば原本還付してもらうことができます。

(5)手数料

遺言検索システムの利用料は、無料です。

(6)謄本請求は保管している公証役場へ

遺言検索システムを利用した場合、公正証書遺言の有無や保管している公証役場が判明します。

遺言検索システムを利用しても、遺言書の内容は分かりません。

公正証書遺言の謄本を請求すると、遺言書の内容が判明します。

公正証書遺言の謄本は、遺言書原本を保管している公証役場に直接請求します。

郵送で謄本請求をすることができますが、手続が複雑です。

遠方の公証役場の場合、司法書士などの専門家に依頼することがおすすめです。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。

トラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。

せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。

同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。

さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

ルールが守られていない遺言書は無効になります。

書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。

せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。

司法書士は、確実な遺言書を作るお手伝いをします。

1公正証書遺言は時効消滅しない

①遺言者死亡で公正証書遺言に効力発生

遺言書は、遺言者が元気なときに作成します。

遺言書を作成しても、遺言書に効力はありません。

遺言書の効力発生時期は、遺言者が死亡したときです。

遺言書にどんなことが書いてあっても、遺言者の生前は相続人には何の権利もありません。

遺言者の生前は、遺言書に効力がないからです。

遺言者死亡で、公正証書遺言に効力が発生します。

②遺言書作成後長期間経過しても時効消滅しない

公正証書遺言に、有効期限はありません。

遺言書を作成してから長期間経過しても、遺言書の効力が無くなることはありません。

作成後長期間経過しても、遺言書の効力が時効消滅することはありません。

何十年も前に作成した遺言書であっても、遺言者死亡で効力が発生します。

③死亡後長期間経過しても時効消滅しない

遺言者死亡で、公正証書遺言に効力が発生します。

遺言書に効力が発生してから長期間経過しても、遺言書の効力が無くなることはありません。

死亡後長期間経過しても、遺言書の効力が時効消滅することはありません。

遺言者が死亡した後長期間経過してから、相続財産が見つかることがあります。

死亡後何十年経過しても、遺言書を執行することができます。

④遺言が時効消滅しない理由

理由(1)遺言は意思表示だから

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言書を作成するというと、財産の分け方について書くことをイメージするでしょう。

財産の分け方について、遺言者が意思表示をしたと言えます。

消滅時効とは、長期間権利を行使しない場合に権利が消える制度です。

意思表示は、消滅時効の対象ではありません。

長期間経過しても、意思表示は消えません。

遺言は意思表示だから、時効消滅しません。

理由(2)行使する概念がないから

遺言書は、遺言者が死亡したときに効力が発生します。

遺言者が死亡したときに、自動で遺言書に効力が発生します。

遺言には、行使する概念がありません。

権利を行使しない場合、時効によって権利が消滅します。

遺言には権利を行使する概念がないから、時効消滅しません。

理由(3)時効制度の前提と合わないから

時効で権利が消滅するのは、権利を行使できるのに行使しないまま長期間経過した場合です。

権利が時効消滅するのは、次の前提があるときです。

・すでに行使できる権利が存在していること

・権利を行使するか行使しないか選べる状態であること

遺言には、上記前提がありません。

遺言は意思表示だから、権利は存在しません。

遺言は自動で効力が発生するから、行使するか行使しないか選べる状態ではありません。

権利を行使できるのに行使しないまま長期間経過することがないから、時効消滅の対象になりません。

遺言は時効制度の前提と合わないから、時効消滅しません。

⑥公正証書遺言で取得した権利は消滅する可能性がある

(1)相続した債権は時効消滅する

被相続人が持っていた債権は、相続財産です。

遺言書を作成してから長期間経過しても、遺言書は時効消滅しません。

被相続人が持っていた債権は、消滅時効の対象です。

債務者に返済を請求しないまま長期間経過すると、相続した債権は時効消滅します。

(2)遺留分侵害額請求は時効消滅する

内容が大きく偏っている場合、相続人の遺留分を侵害していることがあります。

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求権は、消滅時効の対象です。

遺留分侵害額請求権を行使できるのに行使しないまま長期間経過した場合、時効消滅します。

(3)相続登記をしないと権利主張ができない

相続登記とは、不動産の名義変更です。

第三者が他の相続人から不動産を購入したから明け渡して欲しいと、言ってくることがあります。

登記がある場合、不動産は自分のものだから明け渡す必要はないと言い返すことができます。

登記がない場合、不動産を明け渡さなければならなくなるかもしれません。

登記がないと第三者に権利主張できないから、不動産を失うことになります。

(4)第三者が時効取得すると所有権移転

長期間占有を継続すると、第三者が財産を時効取得します。

時効取得によって所有権が移転するから、不動産を失うことになります。

2時効以外で公正証書遺言が無効になる可能性

①手続不備は極めて稀

公正証書遺言作成におけるルール違反があった場合、公正証書遺言は無効になります。

公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。

手続不備で無効になることは、考えられません。

1年間に作成された公正証書遺言数万件に対して、無効判例はわずか数件です。

公証人は法律の専門家だから、手続不備がないように厳重にチェックするからです。

②遺言能力がないと無効

遺言書を有効に作成するには、次の条件を満たす必要があります。

・遺言者が15歳以上であること

・遺言者に遺言能力があること

遺言能力とは、遺言書に書いた内容を理解し遺言の結果のメリットデメリットを充分に判断できる能力です。

高齢になると、判断能力が低下することが多くなります。

多少判断能力が低下しても遺言書に書いた内容が簡単なら、遺言の結果のメリットデメリットを充分に判断できるかもしれません。

大幅に判断能力が低下して、かつ、遺言内容が複雑なら、遺言の結果のメリットデメリットを充分に判断できないでしょう。

遺言能力が失った後に作成した公正証書遺言は、無効になります。

③複数の遺言書が見つかったら古い遺言書は撤回

遺言書が複数見つかることがあります。

複数の遺言書があっても内容が両立できるなら、遺言書は有効です。

例えば、次の遺言書は2通とも有効です。

遺言書1 不動産〇〇は、相続人〇〇〇〇に相続させる。

遺言書2 不動産□□は、相続人□□□□に相続させる。

複数の遺言書があって内容が両立できない場合、古い日付の遺言書は撤回されたと扱われます。

例えば、次の遺言書は、遺言書1が撤回したと扱われます。

遺言書1令和7年3月1日作成 不動産〇〇は、相続人〇〇〇〇に相続させる。

遺言書2令和7年4月1日作成 不動産〇〇は、相続人□□□□に相続させる。

④付言事項に効力はない

遺言書を作成する場合、法律上意味がないことが書かれることがあります。

付言事項とは、法律上意味がないことです。

付言事項は、「ふげんじこう」と読みます。

遺言書の付言事項として、家族への感謝の気持ちを書くことができます。

付言事項に書いたことは、法律上意味がありません。

3不利な遺言書が見つかったときの現実的選択肢

選択肢①公正証書遺言があっても遺留分侵害額請求

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺言書に遺留分侵害額請求を認めないと書いてあることがあります。

遺留分侵害額請求を認めないと書いてあっても、付言事項と考えられます。

公正証書遺言があっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求権は、最短1年で時効消滅します。

選択肢②公正証書遺言があっても遺産分割協議

遺言書を確認したところ、内容が大きく偏っていることがあります。

相続人間でトラブルを起こす可能性がある遺言書なのに、あえて執行してトラブルにする必要はありません。

相続人全員で相続財産の分け方を合意した方が合理的です。

公正証書遺言があっても、相続人全員の合意で遺産分割協議をすることができます。

選択肢③家庭裁判所で遺言書無効確認訴訟

相続人間の話し合いができない場合、家庭裁判所に遺言書無効確認訴訟を提起することができます。

4公証役場は実質無期限保管

①古い遺言書でも取得できる

公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。

遺言者が死亡した後、相続人は遺言書の謄本を請求することができます。

公正証書の保管期間は、公証人法施行規則27条で20年と決められています。

特別な理由があるときは、理由がある間保管を続けます。

公正証書遺言は、特別な理由があると考えられています。

特別な理由とは、遺言者の生存や相続手続の必要性と言えます。

通常、次の期間保管されています。

・遺言者が死亡後50年

・公正証書遺言作成後140年

・遺言者の生後170年

多くの公証役場では、上記の期間を超えても保管を続けています。

公正証書遺言が必要なのに、取得できなくなることがないように運用されています。

②遺言検索システム利用で遺言書を探す

(1)公証役場の遺言検索システムに登録されている

公正証書遺言を作成したら、公証役場の遺言検索システムに登録されます。

遺言書が死亡した後、相続人は遺言検索システムで遺言書の有無を確認することができます。

遺言検索システムを利用することで、すみやかに公正証書遺言の有無が確認できます。

(2)遺言検索システムは日本中どこでも利用できる

日本中どこの公証役場でも、遺言書の有無を調べてもらうことができます。

(3)遺言検索システムを利用できる人

遺言者死亡後は、相続人などの利害関係人が利用できます。

利害関係人にあたる人は、次の人です。

・相続人

・受遺者

・遺言執行者

相続人本人が公証役場に出向くことができなくても、委任状を出して代理人に依頼することができます。

委任状には、「遺言検索」「謄本請求」を明記し、実印を押印する必要があります。

実印であることを証明するため、印鑑証明書が必要です。

(4)必要書類

遺言検索システムを利用するときの必要書類は、次のとおりです。

・遺言者が死亡したことが分かる戸籍謄本

・請求者が相続人であることが分かる戸籍謄本

・ 請求者の本人確認書類

運転免許証、マイナンバーカード、発行後3か月以内の印鑑証明書等

必要書類は、希望すれば原本還付してもらうことができます。

(5)手数料

遺言検索システムの利用料は、無料です。

(6)謄本請求は保管している公証役場へ

遺言検索システムを利用した場合、公正証書遺言の有無や保管している公証役場が判明します。

遺言検索システムを利用しても、遺言書の内容は分かりません。

公正証書遺言の謄本を請求すると、遺言書の内容が判明します。

公正証書遺言の謄本は、遺言書原本を保管している公証役場に直接請求します。

郵送で謄本請求をすることができますが、手続が複雑です。

遠方の公証役場の場合、司法書士などの専門家に依頼することがおすすめです。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。

トラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。

せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。

同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。

さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

ルールが守られていない遺言書は無効になります。

書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。

せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。

司法書士は、確実な遺言書を作るお手伝いをします。

家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

自筆証書遺言の法務局保管制度利用のデメリット

2026-03-19

1自筆証書遺言の法務局保管制度は保管だけ安心

①自筆証書遺言は保管場所に困る

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言とは、自分で書いて作る手軽な遺言書です。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

自筆証書遺言作成後は、保管場所に困ります。

保管場所を家族と共有すると、破棄や改ざんのリスクがあります。

保管場所を家族と共有しないと、紛失や見つからないリスクがあります。

自筆証書遺言は、保管場所に困ります。

②法務局に提出して保管してもらえる

自筆証書遺言を作成後、作成した遺言書を法務局に保管してもらうことができます。

提出された自筆証書遺言は、法務局で厳重に保管されます。

③法務局保管制度利用で検認不要

自宅などで自筆証書遺言を見つけたら、家庭裁判所に提出して開封してもらう必要があります。

検認手続とは、自筆証書遺言を家庭裁判所に提出して開封してもらう手続です。

検認手続は、遺言書の変造や改ざんを防止する手続です。

法務局保管制度を利用した場合、検認手続は不要です。

提出された自筆証書遺言は、法務局で厳重に保管されるからです。

2自筆証書遺言の法務局保管制度利用の法的デメリット

①形式のみチェックする

自筆証書遺言の保管申請を受け付けるとき、法務局は形式チェックをします。

形式チェックの具体的内容は、次の点です。

・自書してあるか

・署名があるか

・日付があるか

・押印があるか

形式面に問題がなければ、保管を受付けます。

②内容の有効性はチェックされない

遺言書の内容の有効性は、チェックしません。

例えば、次のような遺言書は、法務局は問題がないと判断します。

「お兄ちゃんに、家をまかせる」

上記遺言書は、次の点があいまいです。

・お兄ちゃんとは、だれか

・家とは、どの不動産か

・まかせるとは、何を意味するのか

上記遺言書のようなあいまいな表現では、遺言者が死亡した後に家族が困ります。

遺言書があっても、遺言書の内容を実現できないからです。

法務局が保管を受付けても、遺言書の内容が無効である可能性があります。

遺言書の内容を自分で適切に整えるためには、弁護士や司法書士レベルの法律知識が必要です。

知識がないまま遺言書を作成すると、保管されたのに最悪の結果になりかねません。

3自筆証書遺言の法務局保管制度利用の手続上のデメリット

①本人が法務局へ出向く必要がある

(1)出張してもらう制度はない

法務局保管制度を利用する場合、本人が法務局に出向く必要があります。

家族などが代理で、保管申請をすることはできません。

たとえ遺言者本人が病気であっても、本人が出向かないと法務局保管制度は利用できません。

公正証書遺言を作成するときのように、出張してもらう制度はありません。

(2)法務局の業務時間は平日昼間のみ

遺言者に体力があっても、時間が作れないことがあります。

法務局の業務時間は、平日の昼間のみだからです。

法務局の業務時間に出向くことができないと、法務局保管制度を利用することはできません。

②保管申請ができる法務局は限られている

(1)申請できる法務局は限られている

自筆証書遺言保管制度の保管申請は、全国どこの法務局でもできるわけではありません。

自筆証書遺言保管制度の保管申請は、次の地を管轄する法務局に申請できます。

・遺言者の住所地

・遺言者の本籍地

・遺言者所有の不動産の所在地

法務局の管轄は、法務局のホームページで確認することができます。

(2)遺言書保管所は限られている

遺言書保管事務を扱う法務局は、限られています。

遺言書保管所とは、遺言書保管事務を扱う法務局です。

近くの法務局が遺言書保管所に指定されていない場合、指定の法務局に出向く必要があります。

例えば、名古屋市内であれば熱田出張所や名東出張所は遺言書保管所に指定されていません。

近くに熱田出張所や名東出張所があっても、名古屋法務局本局まで出向く必要があります。

(3)地方では管轄が広い

地方では、法務局の管轄が非常に広域です。

最寄りの法務局であっても、距離が遠いことがあります。

例えば、岐阜県高山支局の管轄は、東京都23区よりはるかに広域です。

遺言書保管所まで数十キロ離れていることも、珍しくありません。

③指定の様式の遺言書のみ保管申請ができる

自筆証書遺言の保管申請をするためには、指定様式に適合する必要があります。

民法上自筆証書遺言として問題がなくても、保管申請ができません。

法務局保管制度を利用するための主なルールは、次のとおりです。

・A4サイズ

・模様や彩色がないもの

・上部余白5ミリ以上、下部余白10ミリ以上、左余白20ミリ以上、右余白5ミリ以上

・片面のみ記載

・ページ番号が書いてあること

例1/2、2/2等

・金属製の綴じ具で留められていないこと

上記のルールに違反する遺言書は、保管申請を受け付けてもらえません。

法務局保管制度を利用したいのであれば、作り直す必要があります。

④内容変更の手続が煩雑

(1)書き直しに二段階の手続

遺言書を作成した後に、内容変更をしたくなることがあるでしょう。

少し書き直しをしたいと、考えることがあります。

保管中の自筆証書遺言を書き直す場合、二段階の手続が必要です。

・法務局に出向いて、保管の撤回申請

・法務局に出向いて、書き直した遺言書の保管申請

(2)手続は完全予約制

法務局保管制度を利用する場合、完全予約制です。

体調に波がある人や移動が難しい人にとっては、大きな負担になります。

(3)保管の撤回をしても遺言書は有効

保管の撤回申請は、遺言書の効力を撤回するわけではありません。

法務局の保管を撤回して、自分で保管することができるからです。

遺言書の効力を撤回したい場合、自分で確実に破棄する必要があります。

相続発生後に複数の遺言書が見つかると、トラブルに発展するおそれがあります。

⑤住所や氏名に変更があるときは届出が必要

法務局保管制度を利用した後に、登録内容が変更になることがあります。

登録内容の変更の届出が必要です。

登録内容は、次のとおりです。

・遺言者の住所や氏名

・受遺者の住所や氏名

・遺言執行者の住所や氏名

・死亡時通知人の住所や氏名

適切に届出をしていないと、関係遺言書保管通知が届かなくなるおそれがあります。

4自筆証書遺言の法務局保管制度利用の死亡後のデメリット

①遺言書情報証明書を取得してから執行

(1)検認不要でも手間と時間がかかる

遺言者が死亡したら、公正証書遺言は直ちに執行することができます。

自筆証書遺言の法務局保管制度を利用した場合、すぐに執行することはできません。

遺言書情報証明書を取得しないと、内容を確認することができないからです。

法務局保管制度を利用すると、検認手続が不要になります。

検認手続が不要になっても、家族には遺言書情報証明書を取得する手間と時間がかかります。

窓口で遺言書情報証明書を請求する場合は、法務局の予約が必要です。

遺言書情報証明書を請求すると、審査のため相当時間待たされることになります。

(2)遺言書情報証明書を請求するときの必要書類

・遺言者の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・相続人全員の現在戸籍

・相続人全員の住民票または戸籍の附票

・請求者の本人確認書類

(3)手数料

手数料は、遺言書情報証明書1通につき1400円です。

収入印紙1400円分を手数料納付用紙に貼り付けて、納入します。

(4)遺言書情報証明書は郵送請求ができる

遺言書情報証明書の請求は、窓口に出向いて請求する方法の他に郵送請求ができます。

窓口請求は、法務局の予約が必要です。

郵送請求の場合、返信用封筒と切手を準備する必要があります。

往復の郵送時間も含めて、発行までに1か月程度の時間がかかります。

(5)関係遺言書保管通知では内容が分からない

法務局保管制度を利用した場合、遺言者が死亡すると法務局から通知があります。

関係遺言書保管通知とは、自筆証書遺言を保管していることをお知らせする通知です。

法務局保管制度を利用したことを一切伝えていなくても、保管事実が伝わります。

関係遺言書保管通知では、遺言書の内容は分かりません。

関係遺言書保管通知を受け取った後、あらためて遺言書情報証明書で確認します。

②遺言書は家族に返還されない

法務局保管制度を利用した場合、遺言書の返還を請求できるのは遺言者のみです。

遺言者が死亡した場合、家族が望んでも遺言書は返還されません。

遺言書の原本は、直接見ることはできません。

5法務局保管制度利用がおすすめの人

①保管だけ心配な人はおすすめ

法務局保管制度の最大のメリットは、遺言書を安全に保管できることです。

保管だけ心配な人は、法務局保管制度がおすすめです。

具体的には、弁護士や司法書士レベルの法律知識がある人です。

②とりあえず遺言書を作りたい人は公正証書遺言

とりあえず遺言書を作成したいと考える人は、おすすめできません。

法務局が遺言書を保管していても、トラブルに発展する可能性があるからです。

法務局が保管を受付けたことは、安心材料にはなりません。

③内容実現の確実性が心配な人は公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。

公証人は、遺言者の本人確認をして本人の意思確認をしたうえで公正証書遺言を作成します。

公証人は、法律の専門家です。

書き方ルールの違反で遺言書が無効になることは、考えられません。

遺言書内容があいまいで執行できなくなることは、考えられません。

確実に実現したい内容がある場合は、公証人が関与する公正証書遺言が安全です。

保管だけ心配な人は、法務局保管制度がおすすめです。

内容実現の確実性が心配な人は、公証人が関与する公正証書遺言がおすすめです。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。

トラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。

せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。

同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。

さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

ルールが守られていない遺言書は無効になります。

書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。

せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。

司法書士は、確実な遺言書を作るお手伝いをします。

家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

孫に代襲相続させたくない遺言書に誤解と限界

2026-03-02

1孫に代襲相続させたくない背景に誤解がある

①さまざまな誤解で孫に代襲相続させたくないと考えている

相続は、財産の承継です。

自分の財産をだれに引き継がせるのか、自分で決めたいと考えるのは自然なことです。

孫に代襲相続させたくないと考えることは、不自然なことではありません。

孫に代襲相続させたくないと考えるとき、背景にはさまざまな誤解が積み重なっています。

②遺言書は万能ではない

自分の財産をだれに引き継がせるのか、遺言書で決めておくことができます。

遺言書は、万能ではありません。

誤解をほどくと、遺言書の限界が見えてきます。

③子どもが相続人になると孫は相続人ではない

相続が発生すると、法律で決められた人が相続人になります。

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもが相続人になる場合、孫は相続人ではありません。

相続人になるはずだったのに子どもが先に死亡した場合、孫が代襲相続人になります。

家族ならだれでも、相続人になれるわけではありません。

相続人になれる人は、法律で決められているからです。

2 孫に代襲相続させたくない遺言書に誤解と限界

誤解①遺言書で自由に財産を配分できる

(1)遺言書のとおりに遺産分割ができる

遺言書を作成するというと、財産の配分について書くことをイメージするでしょう。

遺言書で相続財産の分け方を書いておくと、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。

相続人全員で相続財産の分け方について、話し合いをする必要がなくなります。

相続人全員の合意が不要になる点は、遺言書の大きなメリットです。

(2)孫は遺留分権利者

被相続人に近い関係の相続人には、遺留分が認められています。

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

遺留分が認められるのは、次の人です。

・配偶者

・子ども

・親などの直系尊属

孫が相続人になる場合、子どもの遺留分を引き継ぎます。

孫は、遺留分権利者です。

(3)遺言書があっても遺留分侵害額請求

確かに遺言書を作成して、どの人にどの財産を引き継がせるか決めておくことができます。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

一部の相続人に全財産を引き継がせる遺言書を作成すると、遺留分を侵害することが多いでしょう。

遺言書で自由に財産を配分できるは、誤解です。

遺言書があっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

(4)遺留分を認めない遺言に効力はない

法律上効力がない事項を遺言書に書くことができます。

遺留分を認めない遺言に、効力はありません。

遺留分侵害額請求を禁止すると書いても、法律上の効力は認められません。

遺留分を認めない遺言があっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

(5)遺留分に配慮した遺言書がおすすめ

遺留分を侵害する遺言書であっても、無効になりません。

遺留分侵害額請求権は、遺留分がある相続人の権利だからです。

遺留分を侵害する遺言書は、おすすめできません。

正当な遺留分侵害額請求を受けたら、拒否できません。

遺留分侵害額請求があると、家族間で深刻なトラブルになります。

孫に代襲相続させない遺言より、遺留分に配慮した遺言書がおすすめです。

誤解②遺言書だけで代襲相続をさせたくない

(1)法律の効力を遺言書で消せない

代襲相続は、法律で定められた相続の仕組みです。

遺言書を作成して、法律の定めを消すことはできません。

遺言書だけで、代襲相続をさせたくないは実現できません。

遺言書は、万能ではないからです。

(2)代襲相続させない遺言の解釈

遺言書を確認すると、代襲相続させないと書いてあることがあります。

代襲相続させないと書かれた遺言書は、2通りに解釈することができます。

解釈(1)相続させないが、遺留分侵害額請求は認める

解釈(2)相続させないうえに、遺留分侵害額請求も認めない

内容が不明な遺言書があると、家族が困ります。

(3)遺言書だけで遺留分は奪えない

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

遺言書を作成するだけで、一方的に遺留分を奪うことはできません。

遺留分を奪う手続は、家庭裁判所による廃除のみです。

代襲相続させない遺言が遺留分侵害額請求も認めない趣旨なら、廃除すると書くべきです。

(4)家庭裁判所による廃除には高いハードルがある

廃除とは、相続人の資格を奪う手続です。

相続人の資格を奪うとは、実質的に遺留分を奪うことです。

廃除できるのは、次の事情があると家庭裁判所が認めたときです。

・重大で継続的な被相続人に対する虐待

・親子関係が破壊される程度の重大な侮辱

・著しい非行

相続人に認められた最低限の権利が奪われるから、家庭裁判所は極めて慎重に審査します。

次のような軽い理由では、認められません。

・性格が合わない

・わがままを聞いてくれない

・言いなりにならない

・面倒を見てくれない

廃除が認められるのは、極めて厳しい条件を満たした例外的なケースのみです。

(5)相続人以外の人は廃除できない

廃除されると、相続人の資格が奪われます。

相続人以外の人は、廃除できません。

子どもが相続人になる場合、孫は相続人ではありません。

相続人以外の人だから、孫を廃除することはできません。

(6)子どもに非行があっても孫を廃除できない

子どもに重大な非行があると家庭裁判所に認められれば、廃除されます。

子どもの非行は、孫の非行ではありません。

子どもに非行があっても、自動で孫を廃除することはできません。

子どもを廃除しても、孫まで一括で家系すべてを廃除することはできません。

孫を廃除するためには、孫自身に重大な非行があることを立証する必要があります。

廃除は、血縁単位で相続人資格を奪う制度ではないからです。

(7)廃除で孫に代襲相続させたくないは実現できない

廃除が認められるのは、極めて厳格な条件を満たしたレアケースのみです。

廃除で孫に代襲相続させたくないは、事実上実現できません。

誤解③代襲相続と数次相続を混同している

(1)代襲相続と数次相続のちがい

孫が相続するのは、代襲相続と数次相続があります。

孫に代襲相続をさせたくないと考えている場合、代襲相続と数次相続を混同していることがあります。

代襲相続とは、相続人になるはずだった子どもが被相続人より先に死亡したため孫が相続することです。

数次相続とは、相続人になった子どもが相続手続中に死亡して孫が相続することです。

どちらも最終的には、孫が相続します。

(2)数次相続は子どもが相続している

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

相続が発生した時点が子どもが元気なら、子どもが財産を相続します。

相続手続をしないまま子どもが死亡しても、子どもは財産を相続しています。

(3)子どもが相続した財産は子どもの自由

子どもが相続した財産は、子どもの財産です。

子どもが自由に、処分することができます。

子どもが死亡したときにだれに引き継がせるか、子どもが判断します。

だれから引き継いだ財産であっても、子ども自身が判断します。

子どもが相続した財産は、子どもの自由だからです。

たとえ遺言書を作成しても、効力があるのは遺言者の相続についてのみです。

子どもが相続した財産は、子ども自身が決める領域です。

(4)孫に非行があれば子どもが廃除

相続人を廃除できるのは、自分の相続における相続人のみです。

自分以外の人の相続における相続人を廃除することはできません。

孫に非行があれば、廃除される可能性があります。

孫を廃除できるのは、孫の親である子どものみです。

たとえ自分の財産を引き継いだ子どもであっても、子どもの相続人を廃除することはできません。

だれから引き継いだ財産であっても、子ども自身が判断するべきことだからです。

たとえ遺言書を作成しても、効力があるのは遺言者の相続についてのみです。

子どもの相続人を廃除するか、子ども自身が決める領域です。

(5)子どもが遺言書作成

子どもが相続した財産は、だれに引き継がせるか子どもが判断します。

子どもが遺言書を作成して、自分でだれに引き継がせるか決定します。

子どもの死後の相続をコントロールすることはできません。

(6)相続は世代ごとに完結する

相続は、その世代で完結する制度です。

一つの世代の判断が、次の世代の相続まで及ぶことはありません。

受け継いだ財産は、その人の財産になります。

受け継いだ財産をどうするのか、その人自身に委ねられます。

誤解④遺言書の内容も孫が代襲相続できる

(1)子どもが先に死亡すると遺言が無効になる

遺言書を作成して、子どもに配分する財産を決めておくことができます。

遺言書を作成した後、遺言者が健在のまま子どもが先に死亡することがあります。

財産を受け取る予定の子どもが先に死亡した場合、遺言書の条項は無効になります。

遺言書全体が無効になるのではなく、死亡した相続人に関する事項だけ無効になります。

(2)受取人がない財産は遺産分割協議で決定

財産を受け取る予定の子どもが先に死亡したら、遺産分割協議が必要です。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

相続人全員の合意で、だれがその財産を受け取るのか決定します。

遺言書の内容も孫が代襲相続できるは、誤解です。

孫が財産を受け取るためには、相続人全員の合意が不可欠です。

(3)予備的遺言が有効

予備的遺言とは、遺言で指定した人が先に死亡したときに備えて代わりにだれに相続させるのか指定する遺言です。

予備的遺言があると無効を回避できるから、遺産分割協議を回避することができます。

(4)遺言書は作り直しができる

遺言書を作成するためには、遺言能力が必要です。

遺言能力とは、遺言書に書いた内容を理解し遺言の結果のメリットデメリットを充分に判断できる能力です。

遺言書を作成してから、遺言書に効力が発生するまで長い期間があることが多いでしょう。

遺言書作成後、財産や相続人の状況が大きく変わることがあります。

遺言者の気持ちが変わることもあるでしょう。

遺言書は、何度でも作り直しをすることができます。

財産や相続人の状況が大きく変わった場合、遺言書の作り直しが合理的です。

遺言書を作り直す場合、相続人などの許可や同意は不要です。

3甥姪に代襲相続させたくない遺言書は実現できる

①兄弟姉妹に遺留分はない

被相続人に子どもがなく親などの直系尊属が先に死亡した場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が被相続人より先に死亡した場合、甥姪が代襲相続します。

兄弟姉妹は相続人になっても、遺留分は認められません。

甥姪は代襲相続人になっても、引き継ぐべき遺留分はありません。

甥姪は、遺留分権利者ではありません。

②遺言書で自由に財産を配分できる

遺言書を作成して、どの人にどの財産を引き継がせるか決めておくことができます。

甥姪が代襲相続人になっても、遺留分は認められません。

遺言書で自由に財産を配分することができます。

家族ならだれでも、相続人になれるわけではありません。

相続人になれる人は、法律で決められているからです。

4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書を作成して、自分の財産をだれに引き継ぐのか自由に決めることができます。

書き方ルールに違反した遺言書は、無効になります。

遺言書の内容に不満を持つと、相続人は遺言書の無効を主張するでしょう。

ひとりで遺言書を作るより、司法書士などの専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

遺言書を作成するだけでは、意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言書で遺言執行者を指名するのがおすすめです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言書作成をサポートする司法書士に、遺言執行を依頼することができます。

遺言書の内容を見て遺留分を侵害しないように、アドバイスをしてもらうこともできます。

円滑に相続手続を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

公正証書遺言があっても遺留分侵害額請求

2026-02-23

1公正証書遺言は高い信頼性がある

①公正証書遺言は公証人が取りまとめる

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言がほとんどです。

自筆証書遺言は、自分で書いて作る遺言書です。

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

証人2人に確認してもらって、作ります。

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

書き方ルールに違反すると、遺言書が無効になります。

公証人は、法律の専門家です。

公正証書遺言は公証人が取りまとめるから、書き方ルールに違反することは考えられません。

公正証書遺言は、形式面で無効になりにくい遺言書です。

②公証人は本人確認と本人の意思確認をする

公正証書遺言を作成するにあたって、公証人は本人確認と本人の意思確認をします。

間違いなく遺言者本人が間違いなく遺言をしたと、公的に明らかになります。

公証人が本人確認と本人の意思確認をするから、公正証書遺言には高い信頼性があります。

③公証人は内容の妥当性を判断しない

公証人は、内容の妥当性を確認しません。

公平な遺言書であっても不公平な遺言書であっても、公正証書遺言を作成することができます。

遺留分を侵害する遺言書であっても、公証人は何も言いません。

遺留分を侵害する遺言書を作成しても、遺言書は無効になりません。

公正証書遺言は、内容の公平性や妥当性を保証する制度ではありません。

④遺言書の形式で効力にちがいはない

公正証書遺言は、安心確実です。

公証人が関与するから、無効になりにくいからです。

有効な遺言書であれば、他の形式の遺言書と同じ効力です。

例えば、有効な自筆証書遺言と有効な公正証書遺言は、同じ効力です。

公正証書遺言が強い効力があると言ったことはありません。

2遺留分は相続人の最低限の権利

①配偶者・子ども・親などの直系尊属に遺留分が認められる

遺言書を作成して、自分の財産をだれに引き継がせるか自由に決めることができます。

被相続人の名義になっていても、ひとりで築いた財産ではないでしょう。

家族の協力があってこそ、築くことができたはずです。

被相続人の名義になっていても、無制約の自由にすることはできません。

今まで協力してきた家族に、酷な結果となるからです。

被相続人に近い関係の相続人には、最低限の権利が認められています。

遺留分とは、相続人に認められる最低限の権利です。

配偶者・子ども・親などの直系尊属に、遺留分が認めらます。

②相続人廃除は非常にハードルが高い

相続人廃除とは、被相続人の意思で相続人の資格を奪う制度です。

相続人の資格を奪うとは、実質的には、遺留分を奪うことです。

相続人廃除は、次の理由があるときに認められます。

・相続人が重大な侮辱をした

・暴力を振るうなどの虐待をした

・重大な非行があった

家庭裁判所に申立てをしたうえで、家庭裁判所が慎重に判断します。

家庭裁判所に廃除を認めてもらうためには、廃除の根拠になる客観的証拠が不可欠です。

相続人廃除は、非常にハードルが高い手続です。

③遺留分放棄は厳格な条件で家庭裁判所の許可

相続人が希望すれば、遺留分を放棄することができます。

相続が発生する前に遺留分放棄を希望する場合、家庭裁判所の許可が必要です。

家庭裁判所は、非常に厳格な条件を満たしたときだけ許可をします。

家庭裁判所が認める条件は、次のとおりです。

条件(1)放棄が自由な意思で行われていること

精神的に追い詰められていないか親族などから圧力をかけられていないか、慎重に判断します。

少しでも強制された疑いがあれば、遺留分放棄は許可されません。

条件(2)放棄の理由が合理的であること

家庭裁判所は、遺留分放棄の理由を重視します。

合理的とは、遺留分放棄に見合う充分な財産を受け取っていることです。

被相続人から頼まれたから他の相続人とトラブルになりたくないからなどは、不充分です。

条件(3)遺留分放棄で不当な不利益をうけないこと

家庭裁判所は、遺留分放棄をする人の生活状況を確認します。

遺留分放棄によって生活が破綻する可能性がある場合、遺留分放棄は許可されません。

④遺留分侵害額請求がされないのは充分な財産を受けているケースだけ

遺留分侵害額請求は、最低限の権利を回復する救済手段です。

一方的に、遺留分を奪うことはできません。

遺留分侵害額請求がされないのは、充分な財産を受けているケースだけです。

3公正証書遺言があっても遺留分侵害額請求

①遺留分を侵害しても遺言書は有効

遺言書を作成して、財産をだれに引き継ぐか自由に決めることができます。

さまざまな家族の事情から、大きく偏った内容であるかもしれません。

一部の相続人の遺留分を侵害するような内容であっても、遺言書は無効になりません。

②遺言書作成だけで遺留分は奪えない

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

相続人の遺留分を奪う手続は、相続人廃除です。

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

③遺留分は後から請求する権利

遺留分は、遺言書の内容を無効にする権利ではありません。

遺留分を侵害する遺言書を作成しても、遺言書は無効になりません。

遺留分は、後から請求する権利です。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

公正証書遺言があっても、遺留分侵害額請求で救済を受けることができます。

相続人に認められた最低限の権利だからです。

④遺留分侵害額請求は救済手段

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求とは、相続人に認められた最低限の権利を回復する救済手段です。

公正証書遺言があっても、救済を受けることができます。

⑤持戻しの免除をしても遺留分侵害額請求

一部の相続人だけが被相続人から特別に利益を受けていることがあります。

一部の相続人だけが特別に利益を受けているのに、相続財産をそのまま分けるのは不公平です。

特別に受けた利益を相続財産に算入して、遺産分割をします。

持戻しとは、特別に受けた利益を相続財産に算入して遺産分割をすることです。

被相続人の意思で、持戻しの免除をすることができます。

持戻しの免除があると、特別に受けた利益を相続財産に算入せずに遺産分割をします。

遺留分を計算するとき、持戻しの免除をしても特別に受けた利益を相続財産に算入します。

持戻しの免除で、相続人の遺留分を一方的に奪うことになるからです。

持戻しの免除をしても、遺留分侵害額請求をすることができます。

⑥付言事項に法律上の効力はない

遺言書に、法律上意味がない事項を書くことができます。

付言事項とは、法律上意味がない事項です。

遺留分侵害額請求をしないようにと、遺言書に書いてあることがあります。

遺留分侵害額請求の自粛を書いても、付言事項と考えられます。

遺留分侵害額請求をしないように書いても、法律上の意味はありません。

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできないからです。

遺言書に遺留分侵害額請求をしないように書いてあっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

⑦遺留分侵害額請求の手順

手順(1)遺留分権利者であることの確認

手順(2)遺留分侵害額の計算

手順(3)遺留分侵害額請求の意思表示

遺留分侵害額請求には、法律上、次の期限があります。

・相続開始と侵害を知ってから1年

・相続開始から10年

手順(4)相手方と交渉

手順(5)遺留分侵害額調停の申立て

手順(6)遺留分侵害額請求訴訟を提起

4遺留分侵害額請求は拒否できない

①遺留分侵害額請求は金銭で請求する

遺留分が侵害されたら、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求をするときは、遺留分に相当する金銭を請求します。

②遺留分侵害額請求を無視すると裁判手続

正当な遺留分侵害額請求は、拒否できません。

正当な遺留分侵害額請求する手段は、法律上存在しません。

遺留分侵害額請求は、相手方の同意は必要ありません。

公正証書遺言があるから払いたくないなどの理由は、認められません。

遺留分侵害額請求を無視すると、裁判手続に移行します。

最終的には、遺留分侵害額請求訴訟で遺留分を回復します。

5遺言書作成段階で遺留分に配慮すべき

①家庭裁判所は金銭調整しかできない

遺留分の回復を求めて、家庭裁判所に持ち込まれることがあります。

家庭裁判所は、金銭による調整しかできません。

遺留分侵害額請求が家庭裁判所に持ち込まれたら、家族の絆は壊滅的に破壊されてしまいます。

家庭裁判所は、家族の絆や家族間の信頼関係を回復することはできません。

最低限の権利が回復されても、家族間の関係性は壊れたままになります。

②遺言者が遺留分に配慮すべき

遺留分侵害額請求が家庭裁判所に持ち込まれるのは、遺留分に配慮しない配分がされたときです。

家庭裁判所に持ち込まれるより、遺言者が遺留分に充分な配慮をするのが望ましい設計です。

遺言者が遺留分に充分な配慮をすれば、家族の絆が破壊されることは防げるからです。

③遺留分に配慮してスムーズな遺産分割を実現する

遺留分に充分な配慮をすると、相続人間のトラブルを最小限に抑えることができます。

配慮された財産分配で、遺留分侵害額請求自体を回避することができます。

遺留分が確保されることで、財産の分配が公平であることを示すことができます。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

自筆証書遺言の多くは、専門家のサポートなしで一人で作ります。

その結果、遺言書の厳格な書き方ルールが守られておらず、無効になってしまいます。

形式的な書き方ルールは守られていても、内容があいまいで遺言書を実現できないことも多々あります。

さらに、相続人の遺留分に配慮されておらず、トラブルに発展する例もあります。

せっかく遺言書を作るのなら確実な公正証書遺言をおすすめします。

司法書士などの専門家は相続人になる予定の人の遺留分にも配慮して、遺言書文案作成から公正証書遺言作成、遺言執行までトータルでサポートします。

司法書士からトータルでサポートを受けると、遺言者は確実な遺言を遺せるので安心できるでしょう。

相続発生後も、相続人は面倒な相続手続から解放されます。

遺言者も家族も安心できる公正証書遺言作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書を見せてくれないときの対処法

2026-02-22

1遺言者が遺言書を見せてくれない

①遺言者の生存中は遺言書に効力がない

被相続人は、自分の財産を自由に処分することができます。

被相続人は、遺言書を作成して自分の財産を自由に引き継いでもらうことができます。

遺言書を作成したと聞いたら、内容が気になることでしょう。

遺言書を作成しても、遺言者の生存中は効力がありません。

遺言書の効力が発生するのは、遺言者が死亡したときだからです。

②遺言者は遺言書を書き直しができる

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言者の最終の意思が優先されます。

遺言者は、遺言書を書き直すことができます。

遺言書を作成した後に、事情が変わることがあるからです。

財産の状況が変わる場合、書き直しが必要になるでしょう。

新たに誕生した孫や曽孫に、財産を譲りたくなるかもしれません。

財産を相続させる予定だった相続人が先に死亡することがあります。

遺言書は、何度でも書き直しができます。

複数の遺言書がある場合で、内容が両立しない場合、日付の新しい遺言書が有効になります。

相続人らと遺言書の書き直しはしないと約束しても、無効の約束です。

遺言書を書き直しするにあたって、相続人などの同意を受けなければならないと言ったルールはありません。

③遺言者は見せる義務はない

遺言書を作成したと言うのに、遺言書を見せてくれないことがあります。

たとえ、相続人になる予定の人であっても秘密にしておきたい内容があるでしょう。

遺言者の生存中、遺言書を見ることはできません。

遺言書を書き直しした場合、相続人などに報告する必要はありません。

遺言書は遺言者がひとりで作成できるから、ひとりで書き直しをすることができます。

遺言者本人は、他の人に遺言書を見せる義務はありません。

遺言者が見せてくれない場合、相続が発生するまで見ることはできません。

2相続開始後に公正証書遺言を見せてくれないときの対処法

①公正証書遺言は公証役場で厳重保管

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に取りまとめてもらって作る遺言書です。

証人2人に確認してもらって作成します。

公正証書遺言を作成した後、原本は公証役場で厳重保管されます。

公正証書遺言を作成した場合、遺言書の正本と謄本が渡されます。

正本や謄本を紛失しても、原本は公証役場で厳重保管されています。

公正証書遺言原本は公証役場に厳重保管されるから、紛失や改ざんの心配がありません。

②公証役場で検索ができる

公正証書遺言を作った場合、公証役場はデータを管理しています。

公証役場で遺言の有無を調べてもらうことができます。

昭和64年1月1日以降に作った公正証書遺言、秘密証書遺言が対象です。

コンピューターに登録されているのは、次の事項です。

・遺言した人の名前

・公証人の名前

・公証役場の名前

・遺言書を作った日

調べてもらうための手数料は、無料です。

全国どこの公証役場でも、調べてもらうことができます。

まずは近くの公証役場に出向いて、調べてもらいましょう。

郵便で調べてもらうように、請求することはできません。

遺言者が生存中は、遺言者本人と遺言者本人の代理人だけが調べてもらうことができます。

たとえ、家族の人が調べてもらおうとしても、答えてもらえません。

③公証役場で謄本請求ができる

遺言書の有無は、近くの公証役場で検索してもらうことができます。

公証役場のコンピューターで公正証書遺言があると分かった場合でも、内容については教えてもらえません。

公正証書遺言原本は、遺言書を作成した公証役場で厳重保管されています。

遺言書を作成した公証役場に対して、謄本を請求することができます。

謄本を見ると、遺言書の内容を知ることができます。

遺言者が生存中は、遺言者本人と遺言者本人の代理人だけが請求することができます。

たとえ、家族の人が請求しても、答えてもらえません。

遺言者の死亡後は、法律上の利害関係がある人だけが請求できます。

遺言者の相続人は、利害関係がある人です。

謄本を請求する場合、所定の手数料がかかります。

3相続開始後に自筆証書遺言を見せてくれないときの対処法

①自筆証書遺言は家庭裁判所に提出

相続が発生した後に遺品整理をしていると、自筆証書遺言が見つかることがあります。

自筆証書遺言を見つけた人や預かっていた人は、家庭裁判所に提出する必要があります。

遺言書を家庭裁判所に届出ることを遺言書検認の申立てと言います。

遺言書検認の申立てを受け付けたら、家庭裁判所は相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

封筒に入って封がされている遺言書は、相続人立会いで家庭裁判所で開封してもらいます。

勝手に開封すると、5万円以下のペナルテイーになるおそれがあります。

遺言書であることに気づかず開封してしまっても、遺言書は無効になりません。

慌てて小細工をせずに、正直にそのまま提出します。

②検認調書が作成される

遺言書の検認とは、家庭裁判所で遺言書の状態を確認してもらう手続です。

遺言書の有効無効を確認する手続ではありません。

検認手続では、遺言書のの状態や形、書き直しや訂正箇所、日付や署名がどうなっているか裁判所が確認します。

確認した内容は、検認調書に取りまとめられます。

検認期日以降に遺言の改ざんや変造があった場合、検認調書と照らし合わせて確認することができます。

検認調書を見ると分かってしまうから、改ざんや変造を予防することができます。

遺言書の検認手続は、遺言書の改ざんや変造を予防する手続です。

遺言書の検認手続で、検認調書が作成されます。

③検認調書の謄本請求ができる

遺言書検認の申立てを受け付けたら、家庭裁判所は相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

遺言書があることを相続人に知らせ、立会の機会を与えるためです。

遺言書の検認期日に呼び出しがあった場合、申立人以外の人は欠席して差し支えありません。

検認期日に出席しても欠席しても、財産を相続できなくなることはありません。

検認期日に出席すれば、遺言書の内容を見ることができるでしょう。

検認期日に欠席しても、検認調書の謄本を請求することができます。

検認調書には、提出された遺言書のコピーが付いています。

検認調書の謄本請求で、遺言書の内容を知ることができます。

④検認をしないと相続手続ができない

検認を受けても受けなくても、遺言書の効果に変わりはありません。

検認を受けても受けなくても、無効の遺言書は無効です。

検認を受けても受けなくても、有効の遺言書は有効です。

検認は遺言書の状態を確認してもらうことであって、遺言書が有効か無効かを判断してもらうことではないからです。

検認を受けても受けなくても遺言書の効果は変わりませんが、検認を受けていない遺言書で相続手続はできません。

検認の後、検認済証明書の交付を申請しましょう。

遺言書と検認済証明書を一緒にして、相続手続を行います。

⑤検認を怠ると欠格のおそれ

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

同時に、民法では相続人になれない人も決められています。

例えば、被相続人を殺した人が相続することは社会感情からみても許せない、相続する人としてふさわしくないということは納得できるでしょう。

相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度を相続欠格と言います。

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

相続人としても、遺言者の意思を実現させてあげたいでしょう。

相続人が遺言書を隠匿して不当な利益を得ようとする場合、相続する人としてふさわしくないと言えます。

自筆証書遺言を見つけた人は、家庭裁判所に提出して検認を受けなければなりません。

遺言書の検認を怠ると、遺言書の隠匿にあたると判断されるおそれがあります。

遺言書の内容が自分に不利な内容である場合、不当な利益を得ようとしたと言えるでしょう。

他の相続人が遺留分侵害額請求をするのを避ける目的がある場合、不当な利益を得ようとしたと言えるでしょう。

不当な利益を得る目的で遺言書を隠匿した場合、相続欠格になるおそれがあります。

4法務局保管の自筆証書遺言を見せてくれないときの対処法

①法務局保管の自筆証書遺言は検認不要

自筆証書遺言を作成した後、自分で保管するのが原則です。

自筆証書遺言は、保管場所に困ります。

遺言書の保管場所を家族と共有していないと、相続が発生した後に遺言書を見つけてもらえないかもしれません。

遺言書の保管場所を家族と共有していると、遺言書を破棄されたり改ざんされたりする心配があります。

自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。

法務局で保管してもらっている自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認手続が不要です。

法務局保管の自筆証書遺言は、法務局で厳重保管されているからです。

②自筆証書保管事実証明書の交付請求ができる

自筆証書遺言を預かった場合、法務局はデータを管理しています。

法務局で遺言の有無を調べてもらうことができます。

遺言の有無を調べてもらうことができる法務局は、遺言書保管事務を扱っている法務局のみです。

名古屋市内であれば、名古屋法務局本局のみです。

熱田出張所や名東出張所では、遺言の有無を調べてもらうことができません。

遺言書保管事務を扱っている法務局は、法務局のホームページで調べることができます。

遺言書保管事務を扱っている法務局であれば、日本中どこの法務局でも請求することができます。

自筆証書遺言を預かっているか調べてもらうことを、遺言書保管事実証明書の交付請求と言います。

遺言者が生存中は、たとえ家族であっても交付請求をすることはできません。

遺言書保管事実証明書の交付請求には、所定の手数料がかかります。

郵送で請求する場合は、返信用の切手と封筒を添付します。

遺言者が自筆証書遺言を法務局に預けたとき、法務局は保管証を渡します。

保管証があれば、遺言書保管事実証明書の交付請求を省略することができます。

③遺言書情報証明書の交付請求ができる

遺言をした人が預けた遺言書は、預けた本人以外には返してはもらえません。

遺言をした遺言者本人が死亡した後は、相続人であっても返還されません。

その代わりに、遺言書の画像を印刷して交付するように請求することができます。

遺言書の画像を印刷して交付するように請求することを遺言書情報証明書の交付請求と言います。

遺言書情報証明書を見ると、遺言書の内容を知ることができます。

相続手続では、遺言書原本の代わりとして使うことができます。

相続人が遺言書情報証明書を受け取ったら、法務局から他の相続人全員に対して、遺言書を預かっていることが通知されます。

5遺言執行者には遺言書の開示義務がある

遺言書は作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。

遺言書の内容を実現するために、必要な権限が与えられます。

遺言執行者が職務を開始した場合、相続人に遺言書の内容を通知をする義務があります。

遺言執行者がいる場合、遺言書の開示を求めることができます。

遺言書の内容によっては、相続人の遺留分が侵害されていることがあるでしょう。

遺留分侵害額請求をする機会を与えるためにも、遺言書の内容を知らせることは重要です。

遺言執行者には、遺言書の開示義務があります。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。

もっともトラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。

せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。

同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。

さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

ルールが守られていない遺言書は無効になります。

書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。

せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。

司法書士は確実な遺言書を作るお手伝いをします。

家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

公正証書遺言だけでは遺留分は奪えない

2026-01-11

1公正証書遺言は安心確実

①公正証書遺言は公証人が取りまとめる

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言がほとんどです。

自筆証書遺言は、自分で書いて作る遺言書です。

ひとりで通ることができるから、手軽です。

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

証人2人に確認してもらって、作ります。

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

書き方ルールに違反すると、遺言書が無効になります。

公証人は、法律の専門家です。

公正証書遺言は公証人が取りまとめるから、書き方ルールに違反することは考えられません。

公正証書遺言は、安心確実です。

②公正証書遺言は公証役場で厳重保管

自筆証書遺言を作成したら、原則として遺言者が保管します。

自筆証書遺言は、保管場所に困ります。

保管場所を家族と共有していないと、遺言書を見つけてもらえない可能性があります。

保管場所を家族と共有していると、遺言書の破棄や改ざんの可能性があります。

公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重に保管されます。

相続人らの手に渡らないから、破棄や改ざんのリスクはありません。

公正証書遺言は、安心確実です。

③遺言書の形式で効力にちがいはない

公正証書遺言は、安心確実です。

公証人が関与するから、無効になりにくいからです。

有効な遺言書であれば、他の形式の遺言書と同じ効力です。

例えば、有効な自筆証書遺言と有効な公正証書遺言は、同じ効力です。

公正証書遺言が強い効力があると言ったことはありません。

どちらの遺言書であっても、遺留分を奪うことはできません。

2 遺留分は相続人の最低限の権利

①配偶者・子ども・親などの直系尊属に遺留分が認められる

遺言書を作成して、自分の財産をだれに引き継がせるか自由に決めることができます。

被相続人の名義になっていても、ひとりで築いた財産ではないでしょう。

家族の協力があってこそ、築くことができたはずです。

被相続人の名義になっていても、無制約の自由にすることはできません。

今まで協力してきた家族に、酷な結果となるからです。

被相続人に近い関係の相続人には、最低限の権利が認められています。

遺留分とは、相続人に認められる最低限の権利です。

配偶者・子ども・親などの直系尊属に、遺留分が認めらます。

②兄弟姉妹に遺留分は認められない

遺留分が認められるのは、被相続人と近い関係の相続人のみです。

兄弟姉妹は相続人になっても、遺留分権利者ではありません。

遺留分権利者とは、遺留分が認められる人です。

③相続人廃除で遺留分は奪われる

例えば、被相続人に虐待をした人に、相続をさせたくないと考えるのは自然なことでしょう。

相続人廃除とは、被相続人の意思で相続人の資格を奪う制度です。

相続人の資格を奪うというのは、実質的には、遺留分を奪うことです。

相続人廃除は、次の理由があるときに認められます。

・相続人が重大な侮辱をした

・暴力を振るうなどの虐待をした

・重大な非行があった

家庭裁判所に申立てをしたうえで、家庭裁判所が非常に慎重に判断します。

家庭裁判所に廃除を認めてもらうためには、廃除の根拠になる客観的証拠が不可欠です。

相続人廃除は、非常にハードルが高い手続です。

相続人廃除で、遺留分が奪われます。

3公正証書遺言だけでは遺留分は奪えない

①公正証書遺言で遺留分を侵害する内容を書くことができる

遺留分を侵害する内容であっても、遺言書は無効になりません。

遺言書自体は、有効です。

遺留分を侵害する内容であっても、公証人は何も言いません。

公正証書遺言で、遺留分を侵害する内容を書くことができるからです。

公証人は、遺言内容を明確に書面に取りまとめる人です。

内容の妥当性は、判断しません。

公証人の任務は、相続人間の公平を守ることではありません。

たとえトラブルを起こす可能性が高い遺言書であっても、公証人は作成を拒否しません。

②遺留分は相続人の権利

遺留分とは、相続人に認められる最低限の権利です。

権利を行使するか、相続人が決めることができます。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分は、遺言書の内容を無効にする制度ではありません。

侵害されたら、後から請求する権利です。

遺留分を侵害する内容があっても、遺留分は失われません。

後から相続人が遺留分侵害額請求をするか、決めることができる権利だからです。

③遺留分侵害額請求は拒否できない

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求は、次の手順で行います。

(1)遺留分侵害額請求をする通知

(2)相続人間で協議

(3)遺留分侵害額請求調停の申立て

(4)遺留分侵害額請求訴訟を提起

遺留分を侵害した人は、遺留分侵害額請求を拒否することができません。

公正証書遺言があっても、遺留分侵害額請求を拒否することができません。

公正証書遺言を作成するだけでは、遺留分は奪えないからです。

遺留分侵害額請求は、最低限の権利を回復する救済手段です。

相続人の遺留分を奪う手続は、相続人廃除です。

遺留分侵害額請求を拒否することはできません。

④持戻しの免除をしても遺留分侵害額請求

一部の相続人だけが被相続人から特別に利益を受けていることがあります。

一部の相続人だけが特別に利益を受けているのに、相続財産をそのまま分けるのは不公平です。

特別に受けた利益を相続財産に算入して、遺産分割をします。

持戻しとは、特別に受けた利益を相続財産に算入して遺産分割をすることです。

被相続人の意思で、持戻しの免除をすることができます。

持戻しの免除があると、特別に受けた利益を相続財産に算入せずに遺産分割をします。

遺留分を計算するとき、持戻しの免除をしても特別に受けた利益を相続財産に算入します。

持戻しの免除で、相続人の遺留分を一方的に奪うことになるからです。

相続人の遺留分を一方的に奪うことは、許されません。

持戻しの免除をしても、遺留分侵害額請求をすることができます。

⑤生命保険で遺留分は奪えない

被相続人に生命保険が掛けてある場合、死亡保険金が支払われます。

生命保険の死亡保険金は、相続財産ではありません。

受取人の固有の財産です。

一部の相続人に財産を集中させたい場合、生命保険は使いやすい手段に見えます。

生命保険の死亡保険金は、特別受益と判断される可能性があります。

生命保険に加入することで、一部の相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺留分は、法律が相続人に認めた最低限の権利だからです。

特別受益と判断されたら、持ち戻して遺留分を計算します。

たとえ持戻しの免除をしても、遺留分の計算では持戻して計算します。

相続人の遺留分を一方的に奪うことは、許されないからです。

生命保険に加入しても、遺留分は奪えません。

⑥生前贈与で遺留分は奪えない

被相続人は、生前に自分の財産を自由に処分することができます。

一部の相続人に自由に財産を贈与することができます。

財産を贈与すると、贈与された財産は贈与を受けた人のものです。

相続財産でなくなります。

一部の相続人に財産を集中させたい場合、生前贈与は使いやすい手段に見えます。

生前贈与は、特別受益と判断される可能性があります。

生前贈与で、一部の相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺留分は、法律が相続人に認めた最低限の権利だからです。

生前贈与は、財産移転のタイミング調整です。

生前贈与をしても、遺留分は奪えません。

⑦遺留分侵害額請求がされないのは充分な財産を受けているケースだけ

遺留分侵害額請求は、最低限の権利を回復する救済手段です。

一方的に、遺留分を奪うことはできません。

遺留分侵害額請求がされないのは、充分な財産を受けているケースだけです。

家庭裁判所における遺留分放棄でも、充分な財産を受けているか厳重に審査されます。

⑧遺留分を奪う方法は廃除だけ

公正証書遺言を作成するだけで、遺留分を奪うことはできません。

生命保険に加入しても生前贈与をしても、遺留分を奪うことはできません。

持戻しの免除をしても、遺留分を奪うことはできません。

軽率に最低限の権利を奪うことは、許されません。

遺留分を奪う方法は、家庭裁判所による廃除だけです。

廃除は、非常に高いハードルがある制度です。

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利だからです。

⑨遺留分に配慮した分配を考えるべき理由

理由(1)相続人間でトラブルが激化しやすい

遺留分を侵害することは、相続人としての最低限の権利が認められなかったと言えます。

侵害された相続人から見ると、人間として軽んじられたという感情になりやすくなります。

多く受け取った他の相続人に対して、強い不公平感を覚えます。

強い不公平感が法的手段によって、敵対する当事者に関係性が変質します。

遺留分を侵害すると、相続人間でトラブルが激化しやすくなります。

理由(2)遺留分侵害額請求ができる

遺留分を侵害すると、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求を拒否することはできません。

遺留分を侵害すると、相続人間で深刻なトラブルに発展しやすくなります。

あえてトラブルに発展する遺言書を作成する意味はありません。

遺留分侵害額請求をすることができるから、遺留分に配慮した分配をする方が合理的です。

4遺留分に配慮した分配で相続手続がスムーズになる

①遺言執行がスムーズになる

遺留分に配慮した分配がされていると、遺言失効がスムーズになります。

遺留分を侵害していないから、相続人が遺留分侵害額請求をすることがありません。

相続人が遺留分侵害額請求をすると、相続人間の話し合いから裁判手続に進む可能性があります。

調停や訴訟などの裁判手続に進むと、手続が長期化することが多いでしょう。

②相続人間でトラブルを回避しやすい

遺留分に配慮した分配がされていると、相続人間トラブルを回避しやすくなります。

財産の分配が相続人間で多少ばらつきがあっても、最低限の権利は守られているからです。

最低限の権利が守られていると納得できるから、相続人間の関係を良好に保つことができます。

遺留分を侵害すると、相続人間の感情的なトラブルに発展します。

家族の絆が壊滅的に壊れるリスクが高まります。

③遺留分を侵害する遺言書を作成する注意点

遺留分を侵害する内容であっても、遺言書は無効になりません。

遺留分侵害額請求をされたら、拒否できません。

裁判手続で遺留分侵害額請求は、実現されます。

裁判手続の過程で、家族の絆は壊滅的に壊れるでしょう。

家族の絆を壊滅的に壊したうえで、遺留分は必ず実現されます。

遺言書が無効にならなくても、遺留分を侵害する内容を書く意義があるのか充分に検討する必要があります。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

自筆証書遺言の多くは、専門家のサポートなしで一人で作ります。

その結果、遺言書の厳格な書き方ルールが守られておらず、無効になってしまいます。

形式的な書き方ルールは守られていても、内容があいまいで遺言書を実現できないことも多々あります。

さらに、相続人の遺留分に配慮されておらず、トラブルに発展する例もあります。

せっかく遺言書を作るのなら確実な公正証書遺言をおすすめします。

司法書士などの専門家は相続人になる予定の人の遺留分にも配慮して、遺言書文案作成から公正証書遺言作成、遺言執行までトータルでサポートします。

司法書士からトータルでサポートを受けると、遺言者は確実な遺言を遺せるので安心できるでしょう。

相続発生後も、相続人は面倒な相続手続から解放されます。

遺言者も家族も安心できる公正証書遺言作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

公正証書遺言の内容は生前に確認できない

2026-01-02

1公正証書遺言は公証役場で作成する

①自筆証書遺言と公正証書遺言

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。

ひとりで作ることができるから、手軽です。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

証人2人に確認してもらって、作ります。

②家族は証人になることができない

公正証書遺言は、証人2人が立ち会って作成します。

公正証書遺言作成時の証人は、利害関係がない第三者であることが必要です。

③公正証書遺言は公証人が関与して作成

公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。

公証人は、遺言者の本人確認をします。

公証人は、遺言者本人の意思確認をします。

本人確認をしたうえで、本人の意思確認をして、公正証書遺言を作成します。

公証人は、法律の専門家です。

公証人は、遺言書の厳格な書き方ルールを熟知しています。

公証人が関与するから、公正証書遺言は無効になりにくい遺言書です。

④公正証書遺言は公証役場で厳重保管

公正証書遺言作成後は、遺言書原本は公

証役場で厳重に保管されます。

公正証書遺言は、隠す余地がありません。

遺言者には、正本と謄本が渡されます。

正本と謄本は、遺言書のコピーです。

遺言者が死亡した後は、正本や謄本で遺言書の内容を実現します。

遺言者が死亡した後も、原本は公証役場で厳重に保管され続けます。

遺言書原本は公証役場で厳重に保管されるから、遺言書を紛失することはあり得ません。

遺言書原本は公証役場で厳重に保管されるから、改ざんや変造のトラブルがあり得ません。

公正証書遺言は、家族のトラブルになりにくい遺言書です。

2公正証書遺言の内容は生前に確認できない

①生前に確認できるのは遺言者本人のみ

遺言書は、遺言者の最終の意思表示です。

遺言者の生前は、家族が遺言書の内容を知ることはできません。

生前に確認できるのは、遺言者本人のみです。

②公正証書遺言が生前に内容確認できない理由

理由(1)遺言の自由を守るため

遺言者がどのような遺言をするのか、自由に決めることができます。

遺言の自由を守る必要があります。

仮に遺言者の生前に家族が遺言内容を知ることができるとすると、不当な影響を受けるおそれがあります。

遺言の自由を守るため、不当な影響を排除する必要があります。

理由(2)相続人間のトラブルを防止するため

不当な影響を受けるのは、遺言者だけではありません。

家族が遺言内容を知ることができるとすると、遺言者の生前から相続トラブルに発展します。

相続人間のトラブルを防止するため、遺言書の内容は確認できません。

家族であっても相続人になる予定の人であっても第三者であっても、遺言書の内容は確認できません。

③証人は遺言内容を開示できない

公正証書遺言は、証人2人に確認してもらって作ります。

証人は、遺言書作成時に立会いをします。

遺言書作成時に立会いをするから、遺言書の内容を知ることになるでしょう。

遺言者の家族は、証人になることはできません。

遺言の自由と真正性を守るためと、考えられています。

遺言者の家族は、遺言内容に利害関係があります。

遺言者に、不当な影響を与えるおそれがあります。

公正証書遺言の作成において疑義が生じないように、中立公正な立場の証人が立ち会います。

証人に、守秘義務を定めた法律はありません。

遺言者との信頼関係から、秘密にすることが当然に求められると考えられています。

証人は、遺言内容を開示する人ではありません。

遺言者の家族が遺言内容の開示を求めても、応じるべきではありません。

④生前は遺言書作成の有無も確認できない

遺言者の生前は、遺言書作成の有無も確認できません。

遺言書があると知ると、自分に不利な内容かもしれないと不安になることがあります。

財産の分け方が決まっていると知ると、自分に有利な遺言書を作成するように不当な影響を与える可能性があります。

遺言書作成の有無は、重要な情報です。

遺言書の有無だけで、遺言者の意思形成の自由が侵害されるおそれがあるからです。

遺言者がだれにも気兼ねなく自由に遺言書を作成できることが重要です。

遺言者は、自由に遺言書を作成し、自由に遺言書を変更し、自由に遺言書を撤回することができます。

遺言の自由とは、自由に遺言書を作成し、自由に遺言書を変更し、自由に遺言書を撤回できることです。

生前に遺言書作成の有無も確認できないのは、遺言の自由を守るためです。

⑤公証役場の守秘義務は遺言の内容だけでなく有無も対象

公正証書遺言は、公証人が取りまとめます。

公証人には、守秘義務があります。

公証人の守秘義務の対象は、次のとおりです。

・遺言の内容

・遺言書を作ったか作っていないか

・いつ作ったか

・どの公証役場どの公証人が作ったか

遺言書は、重要なプライバシー情報です。

公証人には、重い守秘義務が課されています。

⑥遺言者が認知症になっても家族は確認できない

遺言書を作成するためには、遺言能力が必要です。

遺言能力とは、遺言書に書いた内容を理解し遺言の結果のメリットデメリットを充分に判断できる能力です。

元気なときに遺言書を作成し、後に認知症になることがあります。

重度の認知症になると遺言能力が失われるから、あらためて遺言を作ることができなくなります。

重度の認知症になっても、家族は遺言内容や遺言の有無を確認できません。

遺言者の生前は、遺言者のセンシティブな個人情報です。

重度の認知症になっても、プライバシーは保護されます。

遺言能力の有無は、遺言の秘密保持とは無関係です。

たとえ重度の認知症になっても、家族の干渉を防ぐ必要があります。

⑦成年後見人も遺言内容は確認できない

成年後見人は、認知症の人のサポートをする人です。

認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。

成年後見人は、認知症の人に代わって物事のメリットデメリットを判断します。

たとえ成年後見人であっても、遺言内容や遺言の有無は確認できません。

成年後見人が家族であっても専門家であっても、遺言内容や遺言の有無は確認できません。

成年後見人がサポートできるのは、認知症の人が生きている間のみです。

認知症の人が死亡した後は、権限を失います。

認知症の人が死亡した後、財産処理に関する権限はありません。

遺言書は、遺言者が死亡したときに効力が発生します。

成年後見人は、遺言内容に関与する必要がありません。

成年後見人は、本人の代わりに財産管理をする人です。

本人の意思を代弁する存在では、ありません。

遺言書は、遺言者の最終意思を示すものです。

遺言者以外の人が代理することや代弁することは、許されません。

成年後見人も、遺言内容や遺言の有無は確認できません。

⑧家族による遺言検索システム利用は遺言者死亡後のみ

公正証書遺言を作成すると、遺言検索システムに登録されます。

遺言検索システムを利用すると、遺言書の有無が判明します。

昭和64年1月1日以降に作った公正証書遺言、秘密証書遺言が対象です。

家族が遺言検索システムの利用請求ができるのは、遺言者が死亡した後のみです。

遺言検索システムの利用請求には、次の書類が必要です。

・遺言者死亡の記載がある戸籍謄本

・相続人であることが分かる戸籍謄本

・本人確認書類

3相続開始後に公正証書遺言を確認できる

①遺言検索システム利用で遺言書の有無が分かる

遺言者が死亡した後であれば、相続人は遺言検索システムを利用することができます。

日本中どこの公証役場でも、遺言検索システムで遺言書の有無を調べてもらうことができます。

②遺言書の謄本請求で内容確認ができる

遺言検索システムで分かるのは、遺言書作成の有無のみです。

遺言書内容は、遺言検索システムでは分かりません。

遺言書の謄本請求で、遺言書の内容確認ができます。

遺言書を作成した公証役場に対して、遺言書の謄本請求をします。

遺言書を作成した公証役場は、遺言検索システムで判明します。

4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は、被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

民法に遺言書を作ることができるのは、15歳以上と定められています。

遺言書を作成すれば、法定相続人や法定相続人以外の人に財産を引き継ぐことができます。

遺言書作成は、先延ばししがちです。

先延ばしすると、相続人間のトラブルに発展しがちです。

家族の幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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