Archive for the ‘遺産分割協議’ Category
代償分割で支払う現金がない
1代償分割で公平に遺産分割
①代償分割は代償金を支払ってもらう方法
被相続人の財産には、さまざまな財産があるでしょう。
現金や預貯金は、分けやすい財産です。
不動産は、分けにくい財産です。
相続財産の大部分が分けにくい財産の場合、相続人全員の合意が難しくなるでしょう。
相続財産の大部分が分けにくい財産の場合、代償分割をすることで合意ができることがあります。
代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらう方法です。
代償金を払ってもらうことで、公平な遺産分割をすることができます。
②代償分割で代償金の決め方
代償分割は、相続財産を分ける方法のひとつです。
どのような方法で相続財産を分けるのか、相続人全員の合意で決定します。
代償分割をすると決めた後、代償金をいくらにするのか相続人全員の合意で決定します。
代償金をいくらにするのかは、遺産分割協議の一部だからです。
不動産は、分けにくい財産の代表例です。
相続財産の大部分が不動産である場合、代償分割は有効です。
公平な遺産分割を実現しやすいからです。
不動産の評価方法は、複数あります。
代償分割の対象が不動産である場合、不動産の評価額をいくらと考えるかで話し合いがまとまらないおそれがあります。
不動産には、次の評価方法があります。
(1)公示地価
国土交通省が発表する1平方メートルあたりの標準価格です。
国土交通省という国の機関が発表しているから、信用があります。
(2)相続税評価額(路線価方式)
相続税や贈与税を申告するときに使う評価額です。
申告の便宜を図るため、国税局が発表します。
路線価は、公示価格の80%になるように定められています。
(3)固定資産税評価額
固定資産税を計算するときに使う評価額です。
固定資産税を課税するため、各市町村が発表します。
固定資産税評価額は、公示価格の60%になるように調整されています。
(4)時価
実際に、売買されるときの金額です。
市場の需要と供給で、決まります。
(5)鑑定評価額
不動産鑑定士が業として鑑定した評価額です。
公平な評価が必要なときに、用いられます。
評価方法によって、不動産の評価額は大きく異なります。
どの評価方法を採用するのか、相続人全員の合意で決定します。
どの評価方法を採用するのか決められないと、不動産の評価額をいくらと考えるか決められなくなります。
不動産をどの評価方法を採用して評価額をいくらと考えるのか、相続人全員の合意で決定します。
代償金をいくらにするのか、相続人全員の合意で決定します。
③代償分割は遺産分割協議書に明記
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。
相続人全員の合意内容がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。
遺産分割協議書とは、相続人全員の合意内容の証明書です。
書面に取りまとめた後、相続人全員に合意内容に間違いないか確認してもらいます。
間違いなければ、相続人全員が記名し実印で押印してもらいます。
遺産分割協議書の押印が実印によることを証明するために、印鑑証明書を添付します。
代償分割をする合意をした場合、遺産分割協議書に明記します。
遺産分割協議書に書いてない場合、単なる贈与であると判断されるおそれがあります。
単なる贈与と判断された場合、贈与税の対象になるでしょう。
贈与税は、想像以上に高額になりがちです。
代償分割の合意をした場合、遺産分割協議書にはっきり明記します。
2代償分割で支払う現金がない
①分割払いで滞納のリスクがある
代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらう方法です。
代償の支払は、一括払いが一般的です。
相続人が合意できるのであれば、分割払いにすることができます。
代償金の支払いを分割払いにした場合、将来、支払われなくなるリスクがあります。
将来、代償金が支払われなくても、債務不履行で解除はできません。
確実に支払ってもらうために、代償金を分割払いにすることができます。
分割払いにすると、滞納リスクがあります。
滞納リスクを承知したうえで、分割払いの合意をすることができます。
②不動産などで支払うと譲渡所得税の対象
代償の支払は、現金が一般的です。
代償金が支払えない場合、当事者が合意できれば、金銭以外の財産を代償にすることができます。
代償を支払う相続人が固有の財産である不動産を代償として、譲渡することができます。
代償として譲渡する不動産は、相続が発生したときの時価で譲渡されたと判断されます。
固有の財産を取得したときから相続が発生したときまでに、不動産が値上がりしていることがあります。
値上がり益に、譲渡所得税が課されます。
不動産を手放すうえに、譲渡所得税の対象になります。
代償の支払いを確実にするため代償を金銭以外にすることができるけど、税金に注意が必要です。
譲渡所得税が課されるデメリットを承知したうえで、現金以外の財産で支払うことができます。
③代償分割より換価分割
代償分割は、任意に代償を払ってもらう方法です。
代償金が払われない場合、そもそも代償分割が適切でないかもしれません。
相続財産の分け方には、換価分割の方法があります。
換価分割とは、不動産を売却してお金に換えた後、お金を分ける方法です。
売却代金を分けるから、代償金を払ってもらえないと心配する必要はありません。
換価分割では、不動産を売却してお金に換えます。
せっかく家族が守ってきた不動産を手放すことへの罪悪感にかられて、話し合いがまとまらなくなる点がデメリットです。
家族が守ってきた不動産を手放すデメリットを承知したうえで、換価分割が適切かもしれません。
④代償分割より分筆
代償分割は、任意に代償を払ってもらう方法です。
代償金が払われない場合、そもそも代償分割が適切でないかもしれません。
相続財産の分け方には、現物分割の方法があります。
現物分割とは、財産現物を分けて相続する方法です。
土地であれば、分筆して相続します。
便利がいい場所にある不動産は、小さくても高い評価額になることがあります。
分筆すると、小さくなりすぎて使い勝手が悪くなる点がデメリットです。
極端に小さな不動産は、財産的価値が低くなるでしょう。
小さくなりすぎて評価額が低くなるデメリットを承知したうえで、分筆した方が適切かもしれません。
⑤金融機関から借り入れ
不動産を購入するときに、金融機関から借り入れをすることがあります。
金融機関によっては、代償分割における代償金の支払いのために借り入れをすることができます。
代償分割で代償金の支払いが必要になる場合、不動産を相続しているでしょう。
相続した不動産を担保に差し入れることで、まとまった金額を借り入れることができます。
一般的に言って代償金の支払いのためにローンを組む場合、住宅ローンより高利になりがちです。
高利になるデメリットを承知したうえで、金融機関から借り入れをすることができます。
⑥共有はデメリットが大きい
代償金の支払いがなくても、債務不履行で遺産分割協議を一方的に解除することはできません。
相続人全員が合意できれば、遺産分割協議のやり直しができます。
代償金を支払う現金がない場合、不動産を共有するのが公平に見えるかもしれません。
共有財産は、共有している人全員が合意しないと、処分ができません。
不動産を自由に使うことができないから、共有者間でトラブルになりがちです。
共有の不便を解消するために、共有物分割協議をすることになるでしょう。
不動産の共有はデメリットが大きいので、おすすめできません。
3代償金の支払いに応じないときの対処法
相続財産の分け方について相続人全員合意ができた場合、遺産分割協議は成立します。
遺産分割協議で代償金を払うと約束したのに払ってもらえない場合でも、一方的に解除することはできません。
遺産分割協議の合意内容を守ってもらえない場合、遺産分割後の紛争調整調停を申し立てることができます。
遺産分割協議が成立してから長期間経過した後に、紛争調整調停を申し立てることができます。
調停とは、裁判所のアドバイスを受けてする当事者の話し合いです。
当事者同士で話し合いをした場合、感情的になってしまうかもしれません。
家庭裁判所の調停委員と話をすると、冷静に話ができるでしょう。
家庭裁判所の調停委員から公平な意見を根拠にしてアドバイスがされると、納得しやすくなるでしょう。
代償金の支払いについて合意ができた場合、合意内容は調停調書に取りまとめます。
調停調書の内容は、裁判による判決と同様の効力が与えられます。
代償金が支払われない場合、強制執行をすることができます。
②代償金支払い請求訴訟を提起
遺産分割後の紛争調整調停は、当事者の話し合いです。
話し合いで合意を目指します。
遺産分割後の紛争調整調停で話し合っても合意ができない場合、代償金支払い請求訴訟を提起することができます。
代償金支払い請求訴訟は、通常の裁判です。
家庭裁判所でなく、地方裁判所や簡易裁判所の管轄です。
当事者の話し合いで合意できる見込みがない場合、調停をせずに代償金支払い請求訴訟を提起することができます。
代償金支払い請求訴訟を提起した後、判決を得るには相当の時間と費用がかかります。
③遺産分割協議書を公正証書にすると直ちに強制執行
相続財産の分け方について相続人全員が合意できた場合、合意内容は書面に取りまとめます。
多くの場合、遺産分割協議書は私文書で作成します。
代償金の支払いを確実にするため、遺産分割協議書を公正証書にしてもらうことができます。
公正証書で遺産分割協議書を作成した場合、強制執行認諾文言を入れることができるからです。
強制執行認諾文言とは「代償金が支払われない場合、直ちに強制執行に服する」といった文言です。
強制執行認諾文言がある場合、公正証書は裁判による判決と同様の効力が与えられます。
代償金が支払われない場合、直ちに強制執行をすることができます。
④法定相続分で相続登記ができる
被相続人が不動産を持っていた場合、不動産について相続登記をします。
遺産分割協議で、相続人のひとりが不動産を相続する合意をするでしょう。
多くの場合、遺産分割協議で決めた相続人に名義変更をします。
代償金の支払いを担保するため、相続人全員で法定相続分で登記をすることができます。
相続人全員の登記名義があるから、勝手に売却したり担保に差し出すことができなくなります。
単独所有の相続登記を先行させた場合、代償金の支払をうやむやにされるおそれがあります。
代償金の支払いをしないと名義変更に応じてもらえないことは、分かるでしょう。
法定相続分で相続登記をすることで、プレッシャーをかけることができます。
4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。
書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
代償分割をするときの遺産分割協議書の書き方
1代償分割で公平な相続が期待できる
①代償分割は代償金を払ってもらう方法
相続財産には、いろいろな財産が含まれています。
現金や預貯金は、分けやすい財産です。
不動産は、分けにくい財産です。
相続財産の大部分が分けにくい財産の場合、相続人全員の合意が難しくなるでしょう。
相続財産の大部分が分けにくい財産の場合、代償分割をすることで合意ができることがあります。
代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらう方法です。
代償金を払ってもらうことで、公平な遺産分割をすることができます。
②代償分割で代償金の決め方
代償分割は、相続財産を分ける方法のひとつです。
どのような方法で相続財産を分けるのか、相続人全員の合意で決定します。
代償分割をすると決めた後、代償金をいくらにするのか相続人全員の合意で決定します。
代償金をいくらにするのかは、遺産分割協議の一部だからです。
不動産は、分けにくい財産の代表例です。
相続財産の大部分が不動産である場合、代償分割は有効です。
公平な遺産分割を実現しやすいからです。
不動産の評価方法は、複数あります。
代償分割の対象が不動産である場合、不動産の評価額をいくらと考えるかで話し合いがまとまらないおそれがあります。
不動産には、次の評価方法があります。
(1)公示地価
国土交通省が発表する1平方メートルあたりの標準価格です。
国土交通省という国の機関が発表しているから、信用があります。
(2)相続税評価額(路線価方式)
相続税や贈与税を申告するときに使う評価額です。
申告の便宜を図るため、国税局が発表します。
路線価は、公示価格の80%になるように定められています。
(3)固定資産税評価額
固定資産税を計算するときに使う評価額です。
固定資産税を課税するため、各市町村が発表します。
固定資産税評価額は、公示価格の60%になるように調整されています。
(4)時価
実際に、売買されるときの金額です。
市場の需要と供給で、決まります。
(5)鑑定評価額
不動産鑑定士が業として鑑定した評価額です。
公平な評価が必要なときに、用いられます。
評価方法によって、不動産の評価額は大きく異なります。
どの評価方法を採用するのか、相続人全員の合意で決定します。
どの評価方法を採用するのか決められないと、不動産の評価額をいくらと考えるか決められなくなります。
不動産をどの評価方法を採用して評価額をいくらと考えるのか、相続人全員の合意で決定します。
代償金をいくらにするのか、相続人全員の合意で決定します。
2代償分割をするときの遺産分割協議書の書き方
①代償が金銭である場合の書き方
記載例
相続人〇〇〇〇は第〇条に記載された財産を取得する代償として、相続人□□□□に対して金〇〇万円を令和□年□月□日限り、以下の口座に振込みの方法により支払う。
振込手数料は、相続人〇〇〇〇が負担する。
□□銀行□□支店
普通預金
口座番号□□□□□□□
口座名義人 □□□□
振込期限を明記し、振込手数料の負担についても記載しておくといいでしょう。
②代償が金銭以外である場合の書き方
記載例
相続人〇〇〇〇は第〇条に記載された財産を取得する代償として、相続人□□□□に対して相続人〇〇〇〇所有の下記不動産を譲渡する。
所有権移転登記手続は、令和□年□月□日までにする。
登録免許税、司法書士報酬等所有権移転のための費用は、相続人〇〇〇〇の負担とする。
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇〇番
地目 宅地
地積 〇〇平方メートル
代償分割をする場合、代償は金銭以外でも差し支えありません。
固有の財産である不動産を代償として贈与することができます。
不動産を特定するために、登記簿の内容を一字一句間違いなく書き写します。
③代償を受け取る相続人が複数いる場合の書き方
記載例
相続人〇〇〇〇は第〇条に記載された財産を取得する代償として、下記のとおり代償金を支払う。
いずれも、振込手数料は、相続人〇〇〇〇が負担する。
相続人□□□□に対して
代償金額 金□□万円
支払期限 令和□年□□月□□日限り
□□銀行□□支店
普通預金
口座番号□□□□□□□
口座名義人 □□□□
振込みの方法により支払う。
相続人◇◇◇◇に対して
代償金額 金◇◇万円
支払期限 令和◇年◇◇月◇◇日限り
◇◇銀行◇◇支店
普通預金
口座番号◇◇◇◇◇◇◇
口座名義人 ◇◇◇◇
振込みの方法により支払う。
④代償金を分割払いするときの書き方
記載例
第〇条
相続人〇〇〇〇は第〇条に記載された財産を取得する代償として、相続人□□□□に対して金〇〇万円を、次のとおり分割して支払う。
(1)令和□年□月から令和□年□月まで □回
毎月□日限り 金□万円
(2)令和□年□月□日限り 金□万円
第〇条
前条の支払は、以下の口座に振込みの方法により行う。
振込手数料は、相続人〇〇〇〇が負担する。
□□銀行□□支店
普通預金
口座番号□□□□□□□
口座名義人 □□□□
⑤代償金の支払に遅延損害金を合意したときの書き方
相続人〇〇〇〇が第〇条の支払いを怠り、その額が金〇万円に達したときは、当然に期限の利益を喪失し、相続人〇〇〇〇は相続人□□□□に対し第〇条の代償金から既払金を控除した残額及びこれに対する期限の利益を喪失した日の翌日から支払済まで年〇%の割合による遅延損害金を付加して支払う。
⑥代償金の支払い担保のため抵当権を設定するときの書き方
第〇条
相続人〇〇〇〇は、第〇条の支払いを担保するため、第〇条の土地及び建物に相続人□□□□を債権者とし債権額金〇〇万円とする第1順位の抵当権を設定し、登記手続をする。
登記手続費用は、相続人〇〇〇〇の負担とする。
第〇条
前条の抵当権設定登記は、相続人〇〇〇〇が第〇条の土地及び建物について相続登記をする際に同時に行うものとする。
3代償分割をするときの注意点
①代償分割であることは遺産分割協議書に明記
代償分割とは、遺産分割の方法のひとつです。
一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらいます。
代償分分割における代償金を受け取っても、贈与税の対象にならないのが原則です。
代償分割をする場合、遺産分割協議書に代償分割であることを明記します。
代償金の支払が遺産分割の一環であることを証明するためです。
遺産分割協議書に明記していない場合、代償金の受取りなのに単なる贈与と判断されるでしょう。
単なる贈与と判断された場合、贈与税の対象になります。
贈与税は、想像以上に高額になりがちです。
代償分割であることは、遺産分割協議に明記します。
②高額過ぎる代償金は贈与税の対象
代償金をいくらにするのか、相続人全員の合意で決定します。
代償分割であることを証明するため、遺産分割協議書に明記します。
遺産分割協議で決定しても、実質的に代償金でないことがあります。
代償分割は、分けにくい財産を相続した相続人が他の相続人に代償金を払う分割方法です。
分けにくい財産の評価額を大幅に超える代償金を払う合意をした場合、実質的に代償金とは認められないでしょう。
代償金名目の贈与と、判断されるおそれがあります。
例えば、相続財産が自宅1000万円のみで、相続人が長男と次男の2人のケースがあります。
自宅を長男が相続した場合、長男が固有の財産から500万円程度の代償金を支払うのであれば問題はありません。
長男が固有の財産から2000万円の代償金を支払う場合、代償金名目の贈与と判断されるでしょう。
例えば、自宅1000万円を長男が相続し、かつ、次男が生命保険の死亡保険金3000万円を受け取っているケースがあります。
次男から長男へ1000万円支払うのが平等に見えるかもしれません。
生命保険の死亡保険金を受け取った後、次男から長男に1000万円支払った場合、代償金とは認められないでしょう。
生命保険の死亡保険金は、受取人の固有の財産です。
相続財産では、ありません。
相続による遺産分割とは無関係に、贈与があったと言えます。
遺産分割協議書に代償金と明記しても、実質的に代償金とは認められません。
次男が生命保険の死亡保険金を受け取った後、長男に1000万円支払うこと自体はできないことではありません。
自分の固有の財産は、自由に贈与をすることができるからです。
自分の固有の財産を贈与した場合、金額によっては贈与税が課されます。
高額過ぎる代償金は、贈与税の対象です。
③不動産を代償にしたときに譲渡所得税・不動産取得税・登録免許税
代償分割をする場合、他の相続人に代償金を支払う必要があります。
代償金は、現金で払うのが一般的です。
現金を準備することが難しいことがあるでしょう。
相続人全員で合意できれば、現金以外の財産を代償とする代償分割をすることができます。
例えば、固有の財産である不動産を代償として、譲渡することができます。
固有の財産である不動産を代償として譲渡した場合、時価で譲渡したと考えられます。
固有の財産である不動産を取得してから、値上がりしていることがあるでしょう。
値上がり益が実現したから、譲渡所得税の対象になります。
相続で不動産を取得した場合、不動産取得税の対象にはなりません。
代償分割で不動産を代償として取得した場合、不動産取得税の対象です。
遺産分割協議書に代償分割と明記しても、不動産取得税は免れられません。
代償分割で不動産を代償として譲渡した場合、譲渡する不動産の名義変更をします。
不動産の名義変更をする場合、登録免許税が課されます。
相続による所有権移転登記の登録免許税は、不動産の評価額の1000分の4です。
代償分割による譲渡による所有権移転登記の登録免許税は、不動産の評価額の1000分の20です。
代償分割による譲渡の登記原因は、遺産分割による贈与です。
遺産分割協議書に代償分割と明記しても、登録免許税が1000分の4に軽減されません。
不動産を代償にしたときに、譲渡所得税・不動産取得税・登録免許税に注意が必要です。
④代償金を払ってもらえなくても一方的解除はできない
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続人全員で合意ができたら、遺産分割協議は成立し終了します。
一般的に、売買などで代金を払ってもらえない場合、売主は一方的に契約を解除することができます。
遺産分割協議に、一方的に解除する制度はありません。
代償金を払ってもらえなくても、遺産分割協議を一方的に解除することはできません。
遺産分割協議が終了した後は、代償金を支払う人と受け取る人の問題になります。
金銭を支払う人と受け取る人の話し合いで解決を図ります。
代償金を払ってもらえなくても、一方的解除はできません。
⑤遺産分割協議書を公正証書にできる
代償分割では、代償金を確実に支払ってもらうことが重要です。
はじめから代償金を払うつもりがないのに、合意だけするかもしれません。
合意したときは代償金を払うつもりだったけど、代償金が惜しくなるかもしれません。
遺産分割協議書は、相続財産の分け方について相続人全員の合意内容の証明書です。
代償分割をする場合、公正証書で遺産分割協議書を作成することがおすすめです。
公正証書で作成する場合、強制執行認諾文言を入れることができるからです。
強制執行認諾文言とは「代償金が支払われない場合、直ちに強制執行に服する」といった文言です。
強制執行認諾文言がある場合、公正証書は裁判による判決と同様の効力が与えられます。
遺産分割協議書を公正証書にすることができます。
4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は、相続財産の分け方について相続人全員の合意内容の証明書です。
合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できます。
書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。
もともとトラブルの火種があるのなら、いっそう慎重になる必要があるでしょう。
遺産分割協議書は、公正証書にしなくても済むことが多いものです。
慎重を期して、公正証書にした方がいいケースがあります。
せっかく合意ができたのに、その後にトラブルになるのは残念なことだからです。
公正証書にするためには、手間と費用がかかります。
公正証書にする手間と費用を惜しむと、後々大きな手間と高額な費用を負担することになります。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を公正証書にしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
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遺産分割協議書に不動産は登記簿謄本どおり記載
1遺産分割協議書に不動産は登記簿謄本どおり記載
①遺産分割協議書は相続人全員による合意内容の証明書
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人全員による合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。
遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。
合意内容を書面に取りまとめて、相続人全員に確認してもらいます。
合意内容に問題がなければ、相続人全員に記名し実印で押印をしてもらいます。
遺産分割協議書には、印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書の押印が実印によるものであることを確認するためです。
②合意した財産だけ遺産分割協議書に記載する
相続財産の分け方について相続人全員による合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。
全財産をまとめて合意しなければならないというルールはありません。
一部の財産だけ先に、合意ができることがあります。
一部の財産についてだけ、遺産分割協議が成立します。
合意できた財産だけ、合意内容を書面に取りまとめることができます。
書面に取りまとめておかないと、合意したかあいまいになるからです。
合意したはずなのに後から合意していないと言い出すと、相続人間でトラブルになります。
合意できた財産についてだけ、遺産分割協議書を作成します。
③遺産分割協議書作成のため登記簿謄本を取得
遺産分割協議書に不動産を記載するときは、登記簿謄本の記載通りに書き写します。
登記簿謄本は、相続登記の提出書類ではありません。
遺産分割協議書作成において、必須の準備資料です。
登記簿謄本がないと、遺産分割協議書を適切に作成することはできません。
法務局で手続すれば、だれでも登記簿謄本を取得することができます。
④登記簿謄本は住所で取得できない
登記簿謄本は、該当の不動産を特定して請求します。
被相続人が自宅を保有していた場合、自宅の不動産の登記簿謄本を請求します。
自宅の住所で登記簿謄本を請求しても、取得できないことは珍しくありません。
自宅の住所では、不動産を特定できないからです。
不動産は、不動産の所在と地番で特定します。
不動産の所在と住民票の住所とは、別物です。
異なる表現である場合、登記簿謄本を取得することできません。
被相続人が自宅を保有していた場合、固定資産税の納税通知書が届いているはずです。
固定資産税の納税通知書には、課税対象の不動産が記載されています。
固定資産税の納税通知書を参考にして請求すると、登記簿謄本を取得することができます。
⑤遺産分割協議書に不動産を書くときは特定が重要
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
不動産を特定して、記載することが重要です。
客観的に特定できないと、合意の対象が分からないからです。
「自宅」と書けば、家族にとって当然分かるかもしれません。
法務局にとっては、どこにあるどの不動産なのか分かりません。
合意の対象になった不動産が分からないから、相続登記をすることはできなくなります。
合意の対象になった不動産を特定するため、遺産分割協議書には登記簿謄本をそのまま書き写します。
登記簿謄本の記載どおり、一字一句そのまま書き写します。
自宅の住所で登記簿謄本を取得できないのは、不動産を特定できないことの証拠です。
遺産分割協議書に自宅住所を書くと、不動産を特定できなくなります。
遺産分割協議書に不動産を書くときは、不動産の特定が重要です。
⑥納税通知書や課税明細書は参考資料に過ぎない
遺産分割協議書を作成する場合、不動産は登記簿謄本どおりに記載します。
納税通知書や課税明細書は、登記簿謄本の取得するときの参考資料に過ぎません。
登記簿謄本と見比べると、記載が省略されていたり異なる記載がされていることがあります。
納税通知書や課税明細書を書き写すと、相続登記ができないことがあります。
登記簿謄本の記載と異なる場合、法務局が不動産を特定できないと判断するからです。
2遺産分割協議書に不動産を書くときの記載例と注意点
①被相続人を特定する書き方
(1)記載例
被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
被相続人の氏名 〇〇 〇〇
被相続人の生年月日 昭和〇〇年〇〇月〇〇日
被相続人の死亡日 令和〇〇年〇〇月〇〇日
共同相続人である私たちは、上記の相続について、下記のとおり遺産分割の協議をした。
(2)注意点
被相続人の最後の本籍、被相続人の最後の住所、被相続人の氏名、被相続人の生年月日、被相続人の死亡日を記載します。
相続が発生した後、相続手続のために戸籍謄本や住民票を集めているでしょう。
戸籍謄本や住民票の記載どおりに、一字一句間違いなく記載します。
②相続登記用の遺産分割協議書は不動産のみ記載でよい
(1)土地の記載例
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 200㎡
(2)建物の記載例
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
家屋番号 〇番〇
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 100.00㎡ 2階 100.00㎡
(3)敷地権のあるマンションの記載例
(一棟の建物の表示)
所在 〇〇市〇〇町〇丁目〇番地〇
建物の名称 〇〇〇〇マンション
(専有部分の建物の表示)
家屋番号 〇〇町〇丁目〇番〇の〇
建物の名称 〇〇〇
種類 居宅
構造 鉄筋コンクリート造1階建
床面積 〇階部分 〇〇.〇〇㎡
(敷地権の表示)
符号 1
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 〇〇〇.〇〇㎡
(敷地権の種類)
所有権
(敷地権の割合)
持分 〇〇〇〇〇〇分の〇〇〇〇〇〇
符号 2
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 〇〇〇.〇〇㎡
(敷地権の種類)
所有権
(敷地権の割合)
持分 〇〇〇〇〇〇分の〇〇〇〇〇〇
(4)被相続人が共有持分を持っていたときの記載例
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 200㎡
持分 〇分の〇
(5)複数の不動産があるときの記載例
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 200㎡
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
家屋番号 〇番〇
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 100.00㎡ 2階 100.00㎡
(6)不動産を特定できないと相続登記ができない
相続登記では、対象になる不動産を特定して申請します。
遺産分割協議書や登記申請書に、自宅住所を書きたくなります。
自宅住所を記載すると、不動産を特定できない可能性があります。
自宅住所で登記簿謄本を取得できないのは、不動産を特定できないからです。
遺産分割協議書に自宅住所を記載すると、相続登記ができません。
相続人全員による合意の対象になる不動産を特定できないからです。
相続登記で自宅住所を記載すると、相続登記ができません。
相続登記の対象になる不動産を特定できないからです。
不動産の所在と地番・家屋番号と間違いなく、書き写します。
(7)固定資産税の課税明細書でなく登記簿謄本を書き写す
遺産分割協議書に不動産を割く場合、合意の対象になった不動産を特定することが重要です。
登記簿謄本ではなく、固定資産税の課税明細書を書き写すことはおすすめできません。
登記簿謄本と異なる表記がされていることや内容が省略されていることがあるからです。
固定資産税の課税明細書は、概要を把握するための課税資料に過ぎません。
登記簿謄本と異なる表記の場合、適切な合意があるとは認められません。
相続登記ができなくなる可能性があります。
(8)敷地権はすべて記載
敷地権のあるマンションを記載する場合、敷地権まで正確に書き写します。
複数の敷地権がある場合、すべて書き写します。
一部の敷地権を記載していないと、不動産を特定できないと判断されるおそれがあるからです。
(9)共有持分は取得合計を記載する
被相続人が不動産の共有者であることがあります。
遺産分割協議書には、共有持分を記載します。
ときには共有持分を複数回に渡って、取得していることがあるでしょう。
登記簿謄本を見ると、取得履歴を確認することができます。
登記簿謄本には、共有者全員の取得履歴が時系列で並んでいます。
被相続人が複数回に渡って共有持分を取得している場合、取得履歴がそのまま並んでいます。
遺産分割協議書には、取得履歴ではなく共有持分の合計を記載します。
例えば、共有持分100分の1を3回取得している場合、合計して100分の3と記載します。
登記簿謄本で取得履歴を確認して、共有持分の合計を計算します。
③日付を記載する
相続が発生した日以降であれば、いつでも差し支えありません。
日付を空白のままにすると、相続登記はできなくなります。
④相続人全員が記名し実印で押印する
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
相続人全員が合意内容に間違いないことを確認します。
間違いないことを確認したら、相続人全員が記名し実印で押印します。
住所と氏名は印鑑証明書の記載どおり、一字一句間違いなく記入します。
実印がない人は、あらかじめ印鑑登録をする必要があります。
⑤複数ページの遺産分割協議書は相続人全員の契印が必要
遺産分割協議書が複数ページにわたる場合、相続人全員が実印で契印を施します。
袋とじにして、相続人全員が実印で契印を施しても構いません。
遺産分割協議書は、相続する財産と相続する人を証明する重要な書類だからです。
⑥未分割の財産を書くと誤解を招く
不動産のみの遺産分割協議書は、有効な遺産分割協議書です。
他の財産について、記載する必要はありません。
未分割の財産について、記載することはできません。
他の財産は未分割ですなどと、説明する必要もありません。
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
未分割の財産について記載してあると、相続手続先の人が誤解する可能性があるからです。
3後日合意できた財産はあらためて遺産分割協議書
①不動産のみの遺産分割協議書は有効
さまざまな事情から、不動産だけ先に遺産分割をしたいことがあります。
遺産分割協議は、相続人全員の合意があれば成立します。
全財産まとめて、合意しなければならないといったルールはありません。
一部の財産についてだけ、相続人全員の合意がまとまることがあります。
不動産についてのみ、遺産分割協議を成立させることができます。
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容の証明書です。
全財産まとめて、遺産分割協議書を作成しなければならないといったルールはありません。
相続人全員による合意ができた財産から、遺産分割協議書を作成することができます。
相続人全員による合意ができた不動産のみ、遺産分割協議書に取りまとめることができます。
不動産のみの遺産分割協議書は、有効です。
②相続登記用遺産分割協議書は不動産のみでいい
遺産分割協議によって相続登記をする場合、法務局に遺産分割協議書を提出します。
相続登記で提出する遺産分割協議書は、不動産のみで差し支えありません。
相続登記の対象になった不動産以外の財産について、法務局は関心がないからです。
相続登記の対象になった不動産以外の財産が書いてなくても書いてあっても、相続登記には影響がありません。
③未分割の財産があっても相続登記ができる
相続登記の申請があったら、法務局は対象になった不動産についてのみ審査をします。
相続登記の対象になった不動産以外の財産について、法務局は関心がありません。
相続登記の対象になった不動産以外の財産が未分割であっても、相続登記が止められることはありません。
全財産の遺産分割ができるまで、相続手続を進めてはならないといったルールはありません。
未分割の財産があっても、相続登記をすることができます。
④遺産分割協議書は複数作成していい
一部の財産だけ先に遺産分割をした場合、後日残りの財産について合意を目指します。
相続人全員の合意がまとまったら、あらためて遺産分割協議書を作成します。
先に作成した遺産分割協議書は、有効のままです。
後に作成した遺産分割協議書も、有効です。
遺産分割協議書は、複数作成することができます。
遺産分割協議書を複数作成してはならないといったルールはありません。
例えば、不動産のみの遺産分割協議書を作成した後で、預貯金のみの遺産分割協議書を作成することができます。
不動産と預貯金を別々に、記載することができます。
不動産のみの遺産分割協議書と預貯金のみの遺産分割協議書は、どちらも有効です。
全財産まとめて、遺産分割協議書を作成しなければならないといったルールはないからです。
4相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。
相続手続は多くの場合、何度も経験するものではありません。
だれにとっても不慣れで聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。
不動産は重要な財産なので、一般の人が些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
インターネットなどで多くの情報を手にすることができるようになりました。
相続登記を自分でやった、カンタンにできたという記事を見かけることもあります。
司法書士などの専門家から見てカンタンな登記申請であっても、一般の人が手続しようとすると思わぬ落とし穴があることがあります。
相続が発生してから長期間経過した後の登記申請は、想像以上に難解です。
自分で登記申請をしてみても、法務局から不足や不備を指摘されるでしょう。
ときには、何が問題なのか分からなかったというケースもあります。
自分でやってみて挫折した場合も司法書士はサポートします。
相続登記をスムーズに終わらせたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
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遺産分割協議中でも相続した不動産に固定資産税
1未払い固定資産税は相続財産
①1月1日現在の所有者に固定資産税納税義務
固定資産税とは、固定資産に対してかかる税金です。
固定資産税がかかる固定資産には、土地、家屋、製造設備や事業用資産などの償却資産があります。
固定資産が所在する市区町村に対して、税金を納めます。
固定資産税を納める人を納税義務者と言います。
納税義務者は、1月1日現在、土地、家屋、及び償却資産の所有者として、固定資産税課税台帳に登録されている人です。
1月1日現在の所有者は、固定資産税を納める義務があります。
②未払い固定資産税は相続人が相続する
固定資産税は、まとめて一括する方法と年4回の分割払いする方法があります。
例えば、名古屋市では4月、7月、12月、翌年2月に分割払いをすることができます。
年4回の分割払いをしていた人が途中で死亡することがあります。
4月分と7月分を納付した後8月に死亡した場合、12月分と翌年2月分は未納になります。
相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。
被相続人のプラスの財産とマイナスの財産が相続財産です。
被相続人が税金を納める義務を果たさないまま死亡した場合、税金を納める義務は相続財産です。
未払い固定資産税は、相続財産です。
③相続発生で口座凍結
固定資産税は、納付書で納付する方法と口座引き落としで納付する方法があります。
被相続人が固定資産税を口座引き落としで納付していることがあります。
口座の持ち主が死亡したことを金融機関が知った場合、口座を凍結します。
口座の凍結とは、口座取引をできなくすることです。
口座取引ができなくなるから、固定資産税の引落ができません。
固定資産税の口座引き落としができなかった場合、市区町村役場に連絡して納付書で納付します。
2遺産分割協議中でも相続した不動産に固定資産税
①相続発生後の固定資産税は相続人の固有の義務
1月1日現在の所有者は、固定資産税を納める義務があります。
所有者が死亡しても、固定資産税はかかります。
所有者が死亡したら、被相続人のものは相続人が相続するからです。
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
遺産分割協議が成立するまで、相続財産は相続人全員の共有財産です。
遺産分割が成立しないまま1月1日を迎えた場合、1月1日現在の所有者は相続人全員です。
相続人全員に対して、新年の固定資産税が課されます。
新年に課された固定資産税は、相続財産ではありません。
被相続人は、死亡後の固定資産税を払う義務を負っていません。
被相続人から引き継いだ義務ではないからです。
相続人全員が新たに負担した相続人全員の固有の義務です。
②遺産分割協議中は相続人全員の連帯納付義務
固定資産税は、相続人全員に連帯納付義務があります。
遺産分割協議中の不動産は相続人全員が共有しているから、固定資産税も連帯納付義務があります。
遺産分割協議が長期化すると、固定資産税も高額になります。
③被相続人名義で納税通知書
固定資産税は、1月1日現在の所有者に課されます。
遺産分割協議中であっても新たに固定資産税がかかります。
遺産分割協議中の場合、事実上、不動産の名義変更をすることができません。
相続登記がされない場合、被相続人の住所に被相続人名義で納税通知が送られます。
納税通知が被相続人名義になっていても、固定資産税の納税義務は相続人全員の義務です。
④期限が過ぎると延滞税
被相続人名義で納税通知書が送られても、固定資産税の納税義務は相続人全員の義務です。
被相続人の住所地にだれも住んでいないことがあります。
納税通知に気づかないまま、期限が過ぎてしまうおそれがあります。
納税通知が届けられず、市区町村役場に返送されてしまうことがあります。
固定資産税を納めないまま期限を過ぎてしまったら、延滞税がかかります。
⑤滞納を放置すると代位登記のおそれ
固定資産税等を滞納した場合、滞納処分が開始します。
滞納処分が開始した場合、納税義務者の財産を差押えることができます。
差押の前提として、債権者代位で相続登記をすることができます。
被相続人名義の不動産に対して、相続人の税金で差押をすることができないからです。
相続人の名義にするため、法定相続分で相続登記をします。
債権者が代位登記をする場合、相続人に連絡することはありません。
相続人がどのような遺産分割協議をしているのかお構いなしで代位登記をします。
相続人が知らないところで、勝手に登記を入れてきます。
遺産分割協議が成立したから消して欲しいと文句を言うことはできません。
税金を取り立てるために差押をしたものだからです。
税金の滞納を放置した場合、代位登記がされるおそれがあります。
3固定資産税を含めて遺産分割協議ができる
①相続人代表者指定届を提出しても連帯責任
被相続人の住所地が空き家になっている場合、納税通知に気づかないおそれがあります。
相続人代表者指定届とは、固定資産税の納税通知書を受け取る代表者を指定する届出です。
相続人代表者指定届を提出した場合、納税通知書は代表相続人のところに送られます。
代表相続人のところに送られるから、納税通知に気づかないといったことを減らすことができます。
相続人代表者指定届は、納税通知書を受け取る人を届け出ただけです。
納税通知書には、納付書が同封されます。
納付書が同封されても、代表相続人だけが納税義務者になるわけではありません。
相続財産は、相続人全員の共有財産だからです。
相続人代表者指定届は、納税通知書を受け取る代表者を指定したに過ぎません。
納税義務は、相続人全員の連帯責任です。
相続人代表者指定届を提出しても、納税義務は相続人全員の連帯責任のままです。
②固定資産税を納めても相続人全員の共有財産
1月1日現在の所有者は、固定資産税を納める義務があります。
相続人代表者指定届を提出した場合、代表相続人のもとに納税通知書が届きます。
納税通知書には、納付書が同封されます。
代表相続人が納付書で固定資産税を納付しても、所有者になるわけではありません。
固定資産税は、相続人全員に納付義務があります。
代表相続人が納付した場合、他の相続人のため立替払いをしたと言えます。
他の相続人に対して法定相続分で固定資産税を清算してもらうことができます。
固定資産税を納めても、不動産は相続人全員の共有財産です。
③遺産分割協議は相続人全員の合意で成立
相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めなければなりません。
相続財産の分け方は、相続人全員が合意できるのであればどのように分けても差し支えありません。
遺産分割協議中に新たに発生した固定資産税は、相続財産ではありません。
相続人全員の固有の義務だけど、固有の義務を含めて合意をすることができます。
固定資産税は、1月1日現在の所有者に課されます。
例えば、2026年8月に相続が発生した場合、2026年1月1日の所有者は被相続人です。
2026年12月と2027年2月に納める固定資産税は、被相続人が納めるべき固定資産税です。
2026年12月と2027年2月に納める固定資産税は、未払い固定資産税です。
遺産分割協議が成立しないまま2027年1月1日を迎えたら、所有者は相続人全員です。
固定資産税の納税義務者は、相続人全員です。
2027年4月、7月、12月、2028年2月の固定資産税納付義務は、相続人全員にあります。
2025年1月10日に遺産分割協議が成立した場合、その財産を取得する人が固定資産税を負担します。
2027年1月10日に遺産分割協議が成立しても、2027年4月、7月、12月、2028年2月の固定資産税納付義務は、相続人全員のままです。
固定資産税は、1月1日現在の所有者に課されるからです。
2027年1月10日に遺産分割協議が成立した場合、2028年4月以降は不動産を取得する人が固定資産税を負担します。
何となく納得できない気持ちになる人も多いでしょう。
納税義務は納税義務として、相続人全員で実際の負担者を合意することができます。
キチンと納税されれば、実際の負担者についてあれこれ言われることはありません。
不動産を取得する人だけでなく固定資産税の負担についても、まとめて合意するのが合理的です。
4相続放棄をしても固定資産税の納税義務
①未払い固定資産税は払わなくてもいい
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、申立てをした人だけに通知します。
家庭裁判所は自主的に市区町村役場などに相続放棄を認めたことを連絡しません。
被相続人に未払い固定資産税がある場合、税金を払ってくださいと通知してきます。
相続放棄が認められた場合、被相続人の未払い固定資産税は引き継ぎません。
市区町村役場は相続放棄をしたことを知らないから、通知してきただけです。
通知があっても、あわてて納付する必要はありません。
被相続人の未払金を払った場合、単純承認と見なされます。
単純承認をしたら、相続放棄が無効になるからです。
②相続発生後の固定資産税の納税義務を負う可能性がある
納税義務者は、1月1日現在、土地、家屋、及び償却資産の所有者として、固定資産税課税台帳に登録されている人です。
相続発生後の固定資産税は、納税義務者の固有の義務です。
被相続人から相続した義務ではありません。
相続放棄のタイミングによっては、所有者として固定資産税課税台帳に登録されることがあります。
所有者として固定資産税課税台帳に登録された場合、固定資産税の納税義務を負う可能性があります。
5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。
遺産分割協議書の書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
公正証書遺言の争いは遺産分割協議で解決
1公正証書遺言は無効になりにくい
①公正証書遺言は公証人が関与する
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。
自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。
公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。
②公証人が本人の意思確認をする
(1)公証人は遺言能力を確認する
遺言書を作成する場合、遺言者に遺言能力が必要です。
遺言能力とは、遺言書の内容を理解して遺言の結果を理解する能力です。
重度の認知症になると、遺言能力は失われたと言えるでしょう。
公正証書遺言は、公証人が本人確認のうえ本人の意思確認をして作成します。
遺言能力が失われている場合、意思確認の過程で気が付きます。
遺言能力がないと判断された場合、公証人は公正証書遺言を作成しません。
公正証書遺言を作成したことは、公証人が遺言能力ありと判断したことを示しています。
(2)詐欺強迫などの影響を排除
遺言書は、遺言者の意思を示すものです。
遺言者の真意に基づかない遺言書は、無効です。
詐欺強迫などの影響下にあっては、真意に基づく遺言書を作成できません。
公正証書遺言を作成する場合、相続人になる予定の人は同席することができません。
詐欺強迫などの影響を排除するためです。
③証人2人が確認する
証人2人は公正証書遺言に立会い、遺言書作成手続を見守ります。
遺言書作成手続が適切であることを確認します。
証人2人が署名押印をすることで、形式的にも手続の正当性が担保されます。
証人は、遺言書の有効性と信頼性を支える重要な役割を果たします。
2公正証書遺言の争いは遺産分割協議で解決
①公正証書遺言があっても遺産分割協議
(1)遺産分割協議で合理的決定ができる
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
公正証書遺言がある場合、遺言書の内容どおりに相続財産を分けることができます。
原則として、遺産分割協議は不要です。
遺言書が無効である場合、遺言書の内容どおりに相続財産を分けることはできません。
遺産分割協議によって、相続財産の分け方を決定します。
遺言書の有効無効をめぐって争いになると、相続人間で深刻なトラブルになります。
遺言書に無効の疑いある場合、わざわざ争って深刻なトラブルにする必要はありません。
遺言書の有効無効を争うより、相続人全員で相続財産の分け方を決定したほうが合理的です。
公正証書遺言があっても、遺産分割協議をすることができます。
(2)遺産分割協議で柔軟な合意形成ができる
遺産分割協議をする場合、自由に遺産分割することができます。
遺言書の内容に縛られずに合意できるから、柔軟な合意形成ができます。
柔軟な合意形成で、不公平感を和らげることができます。
(3)遺産分割協議で裁判手続の回避
遺産分割協議をする場合、遺言書の有効無効の立証をする必要がありません。
遺言書の有効無効を争う場合、多くの時間と手間がかかります。
主張立証を尽くすため、客観的証拠を準備する必要があるからです。
相続人全員で合意できれば、手間と時間を削減できます。
(4)遺産分割協議で家族関係の維持
遺産分割協議は、相続人全員による話し合いです。
話し合いによる合意ができれば、家族関係を壊しにくい結果になります。
遺産分割協議で、感情的対立を緩和することができます。
②公正証書遺言があっても遺留分侵害額請求ができる
(1)遺留分は最低限の権利
遺言書を確認すると、内容が大きく偏っていることがあります。
ときには相続人の遺留分を侵害しているかもしれません。
遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。
兄弟姉妹以外の相続人に、認められます。
配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。
(2)遺留分を侵害する遺言書も有効
遺言書の内容が大きく偏っている場合、相続人の遺留分を侵害していることがあります。
相続人の遺留分を侵害していても、遺言書は有効です。
遺留分は、相続人の権利だからです。
遺言書の内容に納得できるなら、相続人は遺留分侵害額請求をする必要はありません。
遺言書の内容に納得できないなら、相続人は遺留分侵害額請求をすることができます。
相続人自分で選択できるから、遺言書を無効にする必要はありません。
遺留分を侵害する遺言書も、有効です。
(3)遺留分侵害額請求を認めない遺言書に効力はない
遺言書には、さまざまなことを書くことができます。
法律上意味があることも意味がないことも、書くことができます。
例えば、家族への感謝の気持ちに、法律上の意味はありません。
法律上意味がない事項は、付言事項と言います。
遺言書に遺留分侵害額請求を認めないと書いてあっても、法律上の意味はありません。
遺留分侵害額請求を認めないことは、付言事項だからです。
遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。
配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。
遺言書に記載するだけで、遺留分を奪うことはできません。
遺留分侵害額請求を認めないと書いてあっても、遺留分侵害額請求をすることができます。
(4)遺産分割協議に応じる義務はない
公正証書遺言がある場合、遺言書の内容どおりに相続財産を分けることができます。
公正証書遺言があっても、遺産分割協議をすることができます。
遺産分割協議ができるのは、相続人全員の合意があるときのみです。
遺留分を侵害する遺言書があっても、他の相続人は遺産分割協議に応じる義務はありません。
遺産分割協議の申し入れを拒否して、様子を見ることが一般的です。
遺産分割協議を申し入れても、他の相続人は拒否することができます。
(5)遺留分侵害額請求は拒否できない
相続人の遺留分を侵害していても、遺言書は有効です。
遺言書が有効であっても、遺留分侵害額請求をすることができます。
遺留分侵害額請求を認めないと書いてあっても、遺留分侵害額請求をすることができます。
適切な遺留分侵害額請求は、拒否することができません。
(6)遺留分侵害額請求権は最短1年で時効消滅
配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。
遺留分侵害額請求権を行使しないまま長期間経過した場合、時効消滅します。
遺留分侵害額請求権の時効は、最短1年です。
時効期間が経過すると、遺留分侵害額請求ができなくなります。
(7)遺言書の無効を主張しても遺留分侵害額請求
遺言書の無効を主張することと遺留分侵害額請求をすることは、競合しません。
遺言書が無効であると確認されたら、遺言書の内容どおりに相続財産を分けることはできません。
相続人全員で遺産分割協議をします。
遺言書が無効であると確認されるまで、長期間かかることが一般的です。
遺留分侵害額請求権は、最短1年で時効消滅します。
遺言書の有効無効を争う間も、時効期間は経過します。
遺言書の無効を主張しても、遺留分侵害額請求をすることができます。
③家庭裁判所の手続は最終手段
(1)遺言無効確認調停で話し合い
遺言無効確認調停とは、家庭裁判所の助力を得て遺言書の有効無効を協議する手続です。
相続人間で話し合いをして、遺言書の有効無効の合意をします。
家庭裁判所は、有効無効について決定しません。
(2)遺言無効確認訴訟
遺言無効確認訴訟とは、遺言書の有効無効を家庭裁判所に決めてもらう訴訟手続です。
遺言無効確認調停をしてから、遺言無効確認訴訟をするのが望ましいと考えられています。
相続人間で話し合いができない場合、いきなり遺言無効確認訴訟をすることができます。
実際にも、遺言無効確認調停をせず遺言無効確認訴訟をします。
3公正証書遺言の無効主張の現実
①公正証書遺言は有効が推認される
公正証書遺言は、無効になりにくいように制度設計がされています。
作成プロセスに、公証人と証人2人が関与するからです。
公証人の関与によって、手続の適正が担保されます。
公証人の関与が適切であったのか、証人2人が確認します。
公正証書遺言原本は、公証役場で厳重に保管されます。
公正証書遺言は、偽造変造の余地がありません。
公正証書遺言は、有効が強く推認されます。
②遺言能力の証明は作成時点
公正証書遺言の無効を主張する場合、主張する側に重い立証責任があります。
最重要の論点は、遺言者の遺言能力です。
重度の認知症なのに複雑な内容の遺言書を作成した場合、遺言能力がなかったと判断される余地があります。
立証すべきは、遺言書作成時の遺言能力です。
重度の認知症の医療記録だけでは、遺言能力の有無について判断できません。
遺言書作成日前後の状態が重要だからです。
遺言書作成日と離れた時点の診断書は、証拠価値が低いでしょう。
認知症の症状は、日や時間によって異なることが一般的です。
認知症の医療記録があっても、作成時はしっかりしていた可能性があります。
よほど重度の認知症でない限り、遺言能力が否定されるのは困難です。
③詐欺強迫は客観的証拠が少ない
遺言者の自由意思がゆがめられた場合、遺言書は無効になります。
詐欺強迫があったとしても、客観的証拠が出にくいでしょう。
単なる付き添いでは、詐欺強迫とは言えません。
公正証書遺言は、公証人が本人の意思確認をして作成します。
詐欺強迫はなかった証拠と考えられます。
遺言書の無効を主張する人が詐欺強迫があったと主張するだけでは認められません。
④遺言無効確認訴訟は長期化する
遺言無効確認訴訟を提起すると、あらゆる主張立証を尽くすことになります。
相続人間の対立が激化するから、大量の資料を準備することになるでしょう。
遺言無効確認訴訟では、1年以上かかることが多いでしょう。
⑤家族関係が壊滅的に破壊
公正証書遺言の無効の立証には、高いハードルがあります。
遺言無効確認訴訟の結論は、有効か無効しかありません。
柔軟な解決ができないから、家族が鋭く対立します。
判決に納得できなければ、控訴することができます。
いっそう裁判は長期化し、いっそう対立は激化します。
3 遺言書の争いを激化する無効の誤解
誤解①一部の財産しか書いてない遺言書
遺言書は、遺言者が元気なときに作成します。
遺言書を作成してから、財産状況が変わることは少なくありません。
遺言書と財産状況を確認したところ、一部の財産についてのみ記載されていることがあります。
一部の財産のみ記載された遺言書は、有効の遺言書です。
遺言書に記載されていない財産は、遺産分割協議によって分け方を決めることができます。
誤解②作成後に長期間経過した遺言書
遺言書が作成してから長期間経過した後に、相続が発生することがあります。
遺言書に効力が発生するのは、遺言者が死亡したときです。
遺言書が作成されてから長期間経過しても、遺言書は無効になりません。
遺言書の効力に、消滅時効の制度はありません。
誤解③死亡後に長期間経過した遺言書
遺言者が死亡したときに、遺言書に効力が発生します。
遺言書の内容を実現しないまま長期間経過しても、遺言書は無効になりません。
遺言書に、有効期限はないからです。
誤解④勝手に開封した遺言書
公正証書遺言を作成すると、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。
遺言者には、正本と謄本が渡されます。
正本と謄本は、公正証書遺言のコピーです。
多くの場合、公証役場の封筒に入れて封をせず保管するでしょう。
公正証書遺言は、遺言者が死亡したら直ちに執行することができます。
公正証書遺言を勝手に開封しても、遺言書は無効になりません。
勝手に開封しても、相続資格を失うことはありません。
自筆証書遺言は、家庭裁判所に提出して開封してもらいます。
たとえ自筆証書遺言であっても、勝手に開封したことで無効になることはありません。
4生前対策と遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書作成は、相続手続最大の山場です。
相続財産の分け方を決めるのは、トラブルになりやすい手続だからです。
相続手続が大変だったという人は、分け方を決めることができないから大変だったのです。
生前に相続財産の分け方を対策しておくことが相続をラクにします。
相続財産の分け方が決まれば、遺産分割協議書作成は一挙にラクになります。
相続手続がラクに済めば、家族の絆が強まります。
家族の幸せのために、生前対策と遺産分割協議書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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不動産のみの遺産分割協議書を作成できる
1不動産のみの遺産分割協議書を作成できる
①遺産分割協議書は相続人全員による合意内容の証明書
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人全員による合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。
遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。
合意内容を書面に取りまとめて、相続人全員に確認してもらいます。
合意内容に問題がなければ、相続人全員に記名し実印で押印をしてもらいます。
遺産分割協議書には、印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書の押印が実印によるものであることを確認するためです。
②全財産書いていなくても遺産分割協議書は有効
遺産分割協議書に、全財産の分け方を書かなければならないというルールはありません。
一部の財産だけの遺産分割協議書を作成することができます。
相続する財産と相続する人が明確になっていれば、遺産分割協議書は有効です。
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書だからです。
遺産分割協議書に記載された財産について、分け方が明らかになれば証明書としては充分です。
全財産が記載されていなくても、遺産分割協議書は有効です。
全財産が記載されていなくても、記載された財産だけ相続手続を進めることができます。
③不動産のみの遺産分割協議書で相続登記ができる
被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。
相続登記とは、不動産の名義変更です。
遺産分割協議によって相続登記をする場合、法務局に遺産分割協議書を提出します。
遺産分割協議書に、全財産を書かなければならないというルールはありません。
不動産のみの遺産分割協議書で、相続登記を申請することができます。
法務局は、不動産以外の財産の分け方に関心はないからです。
相続する不動産と相続する人が明確になっていれば、相続登記を進めることができます。
一部の財産だけの遺産分割協議書は、有効だからです。
④一部の財産だけ遺産分割協議をすることができる
遺産分割協議では、相続人全員が相続財産の分け方について話し合います。
全財産の分け方について、まとめて話し合わなければならないというルールはありません。
一部の財産の分け方だけ、合意することができます。
一部の財産についてだけ、遺産分割協議を有効に成立させることができます。
合意できた財産についてだけ、合意内容を書面に取りまとめることができます。
合意できた財産について、遺産分割協議書を作成するとトラブル防止に役立ちます。
書面にしておかないと、合意していないと言い出す相続人が現れるおそれがあるからです。
⑤未分割の財産があっても相続登記ができる
不動産の分け方についてだけ合意ができた場合、不動産のみの遺産分割協議書を作成することができます。
全財産の分け方を書かなければならないというルールはないからです。
他の財産の分け方が決まっていなくても、相続手続をすることができます。
合意できた不動産についてだけ、相続登記を申請することができます。
他の財産の分け方が決まっていなくても、相続登記が止められることはありません。
法務局は、不動産以外の財産の分け方に関心はないからです。
全財産の分け方が決まってから、相続手続を進めなければならないというルールはありません。
2 不動産のみの遺産分割協議書の書き方と注意点
①被相続人を特定する書き方
(1)記載例
被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
被相続人の氏名 〇〇 〇〇
被相続人の生年月日 昭和〇〇年〇〇月〇〇日
被相続人の死亡日 令和〇〇年〇〇月〇〇日
共同相続人である私たちは、上記の相続について、下記のとおり遺産分割の協議をした。
(2)注意点
被相続人の最後の本籍、被相続人の最後の住所、被相続人の氏名、被相続人の生年月日、被相続人の死亡日を記載します。
相続が発生した後、相続手続のために戸籍謄本や住民票を集めているでしょう。
戸籍謄本や住民票の記載どおりに、一字一句間違いなく記載します。
②相続登記用の遺産分割協議書は不動産のみ記載でよい
(1)土地の記載例
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 200㎡
(2)建物の記載例
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
家屋番号 〇番〇
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 100.00㎡ 2階 100.00㎡
(3)敷地権のあるマンションの記載例
(一棟の建物の表示)
所在 〇〇市〇〇町〇丁目〇番地〇
建物の名称 〇〇〇〇マンション
(専有部分の建物の表示)
家屋番号 〇〇町〇丁目〇番〇の〇
建物の名称 〇〇〇〇
種類 居宅
構造 鉄筋コンクリート造1階建
床面積 〇階部分 〇〇.〇〇㎡
(敷地権の表示)
符号 1
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 〇〇〇.〇〇㎡
(敷地権の種類)
所有権
(敷地権の割合)
持分 〇〇〇〇〇〇分の〇〇〇〇〇〇
符号 2
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 〇〇〇.〇〇㎡
(敷地権の種類)
所有権
(敷地権の割合)
持分 ○○○○○○分の○○○○○○
(4)被相続人が共有持分を持っていたときの記載例
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 200㎡
持分 〇分の〇
(5)複数の不動産があるときの記載例
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 200㎡
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
家屋番号 〇番〇
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 100.00㎡ 2階 100.00㎡
(6)注意点
遺産分割協議書に不動産を書く場合、合意の対象になった不動産を特定することが重要です。
「自宅」などの記載は、客観的に特定できるとは言えません。
家族にとって、自宅は当然のことかもしれません。
法務局など第三者にとっては、自宅はどこにあるどの不動産なのか分からないからです。
不動産の所在は自宅住所と異なることが多いので、登記簿謄本を書き写します。
固定資産税の課税明細書を書き写すことは、おすすめできません。
登記簿謄本と異なる表記がされていることや内容が省略されていることがあるからです。
登記簿謄本と異なる表記の場合、適切な合意があるとは認められません。
相続登記ができなくなる可能性があります。
③日付を記載する
相続が発生した日以降であれば、いつでも差し支えありません。
日付を空白のままにすると、相続登記はできなくなります。
④相続人全員が記名し実印で押印する
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
相続人全員が合意内容に間違いないことを確認します。
間違いないことを確認したら、相続人全員が記名し実印で押印します。
住所と氏名は印鑑証明書の記載どおり、一字一句間違いなく記入します。
実印がない人は、あらかじめ印鑑登録をする必要があります。
⑤複数ページの遺産分割協議書は相続人全員の契印が必要
遺産分割協議書が複数ページにわたる場合、相続人全員が実印で契印を施します。
袋とじにして、相続人全員が実印で契印を施しても構いません。
⑥未分割の財産を書くと誤解を招く
不動産のみの遺産分割協議書は、有効な遺産分割協議書です。
他の財産について、記載する必要はありません。
未分割の財産について、記載することはできません。
他の財産は未分割ですなどと、説明する必要もありません。
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
未分割の財産について記載してあると、相続手続先の人が誤解する可能性があるからです。
⑦相続登記の印鑑証明書に有効期限はない
遺産分割協議書には、印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書の押印が実印によることを確認するためです。
相続登記で提出する印鑑証明書は有効期限がありません。
遺産分割協議が成立する前に取得した印鑑証明書を使うことができます。
相続が発生する前に取得した印鑑証明書を使うことができます。
古い印鑑証明書を使う場合、印鑑証明書の住所や氏名が異なることがあります。
遺産分割協議書と印鑑証明書の記載が異なる場合、住所や氏名の移り変わりを証明する必要があります。
住所や氏名が異なる場合、法務局は別人の印鑑証明書と判断します。
相続手続を進められなくなります。
あらためて取得してもらう方が簡単かもしれません。
3不動産のみの遺産分割協議書を作るケース
ケース①不動産を速やかに売却したい
(1)不動産を売却して金銭で分けたい
不動産は、分けにくい財産の代表例です。
不動産を売却して、金銭にして分けることができます。
金銭で分け方を調節できるから、他の財産の分け方の合意がしやすくなります。
不動産を売却する前提として、相続登記をします。
相続登記をするため、不動産のみの遺産分割協議書を作成します。
(2)固定資産税の負担をなくしたい
固定資産税とは、不動産を保有している人に課される税金です。
相続財産の分け方が決まっていなくても、固定資産税は課されます。
相続人にとって使い道がない不動産であっても、固定資産税は課され続けます。
不動産を手放すまで、固定資産税は課されるからです。
負担だけかさむ財産があると、遺産分割協議は難航しがちです。
速やかに売却できれば、固定資産税の負担から逃れることができます。
(3)空き家の管理負担をなくしたい
被相続人が死亡した後、被相続人の自宅が空き家になることがあります。
空き家を管理する人がいないと、老朽化が進みます。
相続人全員が遠方に住んでいると、管理負担が重くなります。
速やかに売却できれば、空き家の管理負担から逃れることができます。
ケース②預貯金は金融機関の書式で対応できる
銀行などの預貯金の相続手続では、金融機関の独自様式を利用することができます。
金融機関の独自様式で手続ができるから、遺産分割協議書に記載する必要がありません。
遺産分割協議書が必要な財産として、不動産だけが残ります。
結果として、遺産分割協議書に不動産のみ書くのが合理的です。
ケース③不動産の分け方のみ合意できた
一部の財産だけ、遺産分割協議をすることができます。
全財産について合意できなくても、有効な遺産分割協議です。
不動産のみ合意できた場合、不動産のみの遺産分割協議書を作成することができます。
合意できた財産のみの遺産分割協議書を作成しておくと、トラブル防止になるからです。
合意した部分を書面にしておかないと、合意していなかったと言い出すおそれがあるからです。
4相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。
相続手続は多くの場合、何度も経験するものではありません。
だれにとっても不慣れで聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。
不動産は重要な財産なので、一般の人が些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
インターネットなどで多くの情報を手にすることができるようになりました。
相続登記を自分でやった、カンタンにできたという記事を見かけることもあります。
司法書士などの専門家から見てカンタンな登記申請であっても、一般の人が手続しようとすると思わぬ落とし穴があることがあります。
相続が発生してから長期間経過した後の登記申請は、想像以上に難解です。
自分で登記申請をしてみても、法務局から不足や不備を指摘されるでしょう。
ときには、何が問題なのか分からなかったというケースもあります。
自分でやってみて挫折した場合も司法書士はサポートします。
相続登記をスムーズに終わらせたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
一人が全財産を相続するときの遺産分割協議書
1遺産分割協議が成立する前提条件
①相続人調査は不可欠
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立します。
遺産分割協議の前提として、相続人調査は欠かせません。
一部の相続人を含めずに、遺産分割協議を成立させることはできないからです。
②認知症の相続人は成年後見人が遺産分割協議
(1) 認知症の人は自分で判断できない
高齢の人が相続人である場合、認知症である可能性があります。
認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができません。
遺産分割協議のつもりで書面に押印しても、無効です。
(2)家族が勝手に遺産分割協議はできない
認知症で判断することができないなら、子どもなどが代わりに判断すればいいと考えるかもしれません。
例えば、赤ちゃんが契約などをする必要がある場合、親権者が代わりに判断します。
親権者は、赤ちゃんの代わりにあらゆることを判断することができます。
親権者が代わりに判断できるのは、赤ちゃんが未成年者だからです。
認知症の人は未成年者ではないから、家族が勝手に判断することはできません。
家族が勝手に遺産分割協議書に押印をしても、無効です。
(3)成年後見人が遺産分割協議をする
成年後見人とは、認知症の人をサポートする人です。
認知症の相続人の代わりに、成年後見人が判断します。
家庭裁判所に申立てをして、成年後見人を選任してもらう必要があります。
家庭裁判所が選任した成年後見人が遺産分割協議に参加します。
遺産分割協議書には、成年後見人が押印します。
③未成年の相続人は自分で遺産分割協議ができない
(1)未成年者は自分で判断できない
被相続人が若くして死亡した場合、相続人が未成年であることがあります。
相続人になるはずだった人が先に死亡した場合、代襲相続が発生します。
代襲相続人が未成年であることは、よくあるでしょう。
未成年者は、物事のメリットデメリットを適切に判断することができません。
未成年者が契約などをする必要がある場合、通常は親権者が代わりに判断します。
(2)利益相反になると親権者は代理できない
未成年者と未成年者の親権者が同時に相続人になることがあります。
未成年者と親権者が同時に相続人である場合、親権者は未成年者の代わりに遺産分割協議をすることはできません。
未成年者と親権者は、利益相反になるからです。
利益相反とは、一方がトクすると他方がソンする関係です。
利益相反であるか、客観的に判断されます。
未成年者の利益を犠牲にして、親権者が利益を得ようとは考えないでしょう。
親権者の主観的な意見は、考慮されません。
親権者が未成年者を代理できないから、サポートする人が必要です。
(3)特別代理人が遺産分割協議をする
未成年者の人の代わりに、特別代理人が判断します。
家庭裁判所に申立てをして、特別代理人を選任してもらう必要があります。
家庭裁判所が選任した特別代理人が遺産分割協議に参加します。
④子ども全員が相続放棄で次順位相続人
相続が発生したら、相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
配偶者にすべて相続させるつもりで、子ども全員が相続放棄を考えるかもしれません。
子どもが相続放棄をした場合、子どもは相続人ではなくなります。
子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。
子どもがいない場合、次順位の人が相続人になります。
親などの直系尊属や兄弟姉妹の合意がないと、配偶者がすべて相続することはできません。
2一人が全財産を相続するときの遺産分割協議書の書き方
①被相続人の書き方
(1)記載例
共同相続人である私たちは、以下の相続について、下記のとおり遺産分割の協議をした。
被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
被相続人のの氏名 〇〇 〇〇
被相続人の生年月日 昭和 〇〇年〇〇月〇〇日
被相続人の死亡日 令和 〇〇年〇〇月〇〇日
(2)注意点
被相続人の最後の本籍、被相続人の最後の住所、被相続人の氏名、被相続人の生年月日、被相続人の死亡日を記載します。
相続が発生した後、相続手続のために戸籍謄本や住民票を集めているでしょう。
戸籍謄本や住民票の記載どおりに、一字一句間違いなく記載しましょう。
②不動産の書き方
(1)記載例
相続財産中、次の不動産については、相続人〇〇〇〇が相続する。
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 200㎡
相続財産中、次の不動産については、相続人〇〇〇〇が相続する。
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
家屋番号 〇番〇
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 50.00㎡ 2階 50.00㎡
(2)注意点
遺産分割協議書に不動産を書く場合、相続登記ができるように記載することが重要です。
「自宅」などの記載は、客観的に特定できるとは言えません。
あいまいな記載であった場合、相続登記ができなくなります。
不動産を特定できるように、登記簿謄本を見て書き写します。
財産すべてを1通の遺産分割協議書で作成することが一般的ですが、財産ごとに分けて作っても差し支えありません。
相続登記用に、不動産のみの遺産分割協議書を作成することができます。
③預貯金の書き方
(1)記載例
相続財産中、次の被相続人名義の財産については、相続人〇〇〇〇が相続する。
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 普通預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 定期預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
(2)注意点
遺産分割協議書に預貯金を書く場合、口座凍結解除ができるように記載することが重要です。
あいまいな記載であった場合、口座凍結解除ができなくなります。
金融機関によっては「すべての財産」「すべての預貯金」などの記載で口座凍結解除ができません。
「すべて」では、どの金融機関のどの口座か具体的に特定できないからです。
相続トラブルに巻き込まれることをおそれて、遺産分割協議書を作り直すように言われるでしょう。
主要な財産を列挙した遺産分割協議書を作成するまで、相続手続を保留します。
④遺産分割協議書に記載のない財産が見つかったときの書き方
(1)記載例
本協議書に記載のない財産は、相続人〇〇〇〇が相続する。
(2)注意点
遺産分割協議の成立には、相続人全員の合意が必要です。
どんなに詳細に調査をしても、後日に財産が判明することがあります。
あらたに判明した財産について、相続人全員が改めて話し合いをするのはわずらわしいでしょう。
後日判明した財産について、あらかじめ相続人全員で合意しておくことができます。
3遺産分割協議をするときの注意点
①財産を一切受け取らない遺産分割協議ができる
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産は、相続人全員の合意で分け方を決めることができます。
法定相続分とは、相続財産の分け方の目安です。
相続人全員の合意がまとまれば、どのような分け方でも差し支えありません。
相続人全員の合意がまとまれば、一人が全財産を相続する遺産分割協議をすることができます。
相続人全員の合意がまとまれば、一部の相続人が一切財産を引き継がない遺産分割協議をすることができます。
②相続人全員で遺産分割協議成立
遺産分割協議成立には、相続人全員による合意が必要です。
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。
合意内容に間違いがないか、相続人全員に確認してもらいます。
問題がなければ、相続人全員が記名し実印で押印します。
実印であることを確認するため、印鑑証明書を添付します。
相続登記をする場合、印鑑証明書に有効期限はありません。
③遺産分割協議をしても借金は相続人全員に請求される
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。
相続人全員で合意ができれば、どのように分けても差し支えありません。
相続人全員の合意で、配偶者がすべて相続する遺産分割協議を成立させることができます。
相続財産にマイナスの財産がある場合、債権者は相続人全員に対して法定相続分で借金の返済を請求することができます。
配偶者がすべて相続する遺産分割協議を成立させても、相続人間の内部的合意に過ぎないからです。
遺産分割協議書を見せても、借金を払わないと文句を言うことはできません。
相続人間の内部的合意は、債権者には関係がない話だからです。
借金の請求がされると、相続人間でトラブルになるおそれがあります。
④相続人が一人だけなら遺産分割協議は不要
相続人が一人だけの場合、相続財産の分ける必要はありません。
一人だけの相続人が当然に全財産を相続します。
他に相続人がいないから、相続人全員の合意も意味がありません。
相続人が一人だけの場合、遺産分割協議は不要です。
遺産分割協議書は、相続財産の分け方についての相続人全員の合意を取りまとめた証明書です。
遺産分割協議が不要だから、遺産分割協議書も不要です。
4遺言書を作成して一人に全財産を相続させる
①遺言書で遺産分割の方法を指定できる
長年疎遠になっていても、相続手続では相続人全員協力してもらう必要があります。
被相続人が遺言書を作成して、相続財産の分け方を指定することができます。
遺言書で遺産分割の方法を指定した場合、遺言書のとおりに分けることができます。
②遺言書を作成するだけで遺留分は奪えない
遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。
被相続人に近い関係の相続人に認められます。
配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。
適切な遺遺留分侵害額請求があったら、拒否できません。
遺遺留分侵害額請求を受けた人は、遺留分を払う義務があります。
遺言書を作成する場合、相続人の遺留分に配慮するのがおすすめです。
③遺言執行者を指名して相続手続をおまかせ
遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。
遺言書の中で、遺言執行者を指名することができます。
遺言執行者がいる場合、手間と時間がかかる相続手続をおまかせできます。
認知症の相続人がいても未成年の相続人がいても、遺言執行をすることができます。
5相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。
相続手続は多くの場合、何度も経験するものではありません。
だれにとっても不慣れで聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。
不動産は重要な財産なので、一般の人が些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
インターネットなどで多くの情報を手にすることができるようになりました。
相続登記を自分でやった、カンタンにできたという記事を見かけることもあります。
司法書士などの専門家から見てカンタンな登記申請であっても、一般の人が手続しようとすると思わぬ落とし穴があることがあります
相続が発生してから長期間経過した後の登記申請は、想像以上に難解です。
自分で登記申請をしてみても、法務局から不足や不備を指摘されるでしょう。
ときには、何が問題なのか分からなかったというケースもあります。
自分でやってみて挫折した場合も司法書士はサポートします。
相続登記をスムーズに終わらせたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
配偶者がすべて相続する遺産分割協議書の書き方
1遺産分割協議が成立する前提条件
①相続人調査は不可欠
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立します。
遺産分割協議の前提として、相続人調査は欠かせません。
一部の相続人を含めずに、遺産分割協議を成立させることはできないからです。
②認知症の相続人は成年後見人が遺産分割協議
(1) 認知症の人は自分で判断できない
高齢の人が相続人である場合、認知症である可能性があります。
認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができません。
遺産分割協議のつもりで書面に押印しても、無効です。
(2)家族が勝手に遺産分割協議はできない
認知症で判断することができないなら、子どもなどが代わりに判断すればいいと考えるかもしれません。
例えば、赤ちゃんが契約などをする必要がある場合、親権者が代わりに判断します。
親権者は、赤ちゃんの代わりにあらゆることを判断することができます。
親権者が代わりに判断できるのは、赤ちゃんが未成年者だからです。
認知症の人は未成年者ではないから、家族が勝手に判断することはできません。
家族が勝手に遺産分割協議書に押印をしても、無効です。
(3)成年後見人が遺産分割協議をする
成年後見人とは、認知症の人をサポートする人です。
認知症の相続人の代わりに、成年後見人が判断します。
家庭裁判所に申立てをして、成年後見人を選任してもらう必要があります。
家庭裁判所が選任した成年後見人が遺産分割協議に参加します。
遺産分割協議書には、成年後見人が押印します。
③未成年の相続人は自分で遺産分割協議ができない
(1)未成年者は自分で判断できない
被相続人が若くして死亡した場合、相続人が未成年であることがあります。
相続人になるはずだった人が先に死亡した場合、代襲相続が発生します。
代襲相続人が未成年であることは、よくあるでしょう。
未成年者は、物事のメリットデメリットを適切に判断することができません。
未成年者が契約などをする必要がある場合、通常は親権者が代わりに判断します。
(2)利益相反になると親権者は代理できない
未成年者と未成年者の親権者が同時に相続人になることがあります。
未成年者と親権者が同時に相続人である場合、親権者は未成年者の代わりに遺産分割協議をすることはできません。
未成年者と親権者は、利益相反になるからです。
利益相反とは、一方がトクすると他方がソンする関係です。
利益相反であるか、客観的に判断されます。
未成年者の利益を犠牲にして、親権者が利益を得ようとは考えないでしょう。
親権者の主観的な意見は、考慮されません。
親権者が未成年者を代理できないから、サポートする人が必要です。
(3)特別代理人が遺産分割協議をする
未成年者の人の代わりに、特別代理人が判断します。
家庭裁判所に申立てをして、特別代理人を選任してもらう必要があります。
家庭裁判所が選任した特別代理人が遺産分割協議に参加します。
④子ども全員が相続放棄で次順位相続人
相続が発生したら、相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
配偶者にすべて相続させるつもりで、子ども全員が相続放棄を考えるかもしれません。
子どもが相続放棄をした場合、子どもは相続人ではなくなります。
子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。
子どもがいない場合、次順位の人が相続人になります。
親などの直系尊属や兄弟姉妹の合意がないと、配偶者がすべて相続することはできません。
2配偶者がすべて相続する遺産分割協議書の書き方
①財産を列挙する記載例
遺産分割協議書
共同相続人である私たちは、以下の相続について、下記のとおり遺産分割の協議をした。
被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
被相続人の氏名 〇〇 〇〇
被相続人の生年月日 昭和〇〇年〇〇月〇〇日
被相続人の死亡日 令和〇〇年〇〇月〇〇日
1.相続財産中、次の不動産については、相続人〇〇〇〇が相続する。
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 200㎡
所在 〇〇市〇〇町〇丁目
家屋番号 〇番〇
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 50.00㎡ 2階 50.00㎡
2.相続財産中、次の被相続人名義の財産については、相続人〇〇〇〇が相続する。
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 普通預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 定期預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
令和〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
相続人 〇〇〇〇
〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
相続人 〇〇〇〇
被相続人の財産を把握している場合、財産を詳細に列挙する方がいいでしょう。
遺産分割協議時点で相続人が把握していた財産を明らかにすることができるからです。
②遺産をまとめて書く記載例
遺産分割協議書
共同相続人である私たちは、以下の相続について、下記のとおり遺産分割の協議をした。
被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
被相続人の氏名 〇〇 〇〇
被相続人の生年月日 昭和〇〇年〇〇月〇〇日
被相続人の死亡日 令和〇〇年〇〇月〇〇日
1.被相続人の相続財産は、相続人〇〇〇〇がすべて相続する。
令和〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
相続人 〇〇〇〇
〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
相続人 〇〇〇〇
ひとりの相続人がすべての財産を相続する場合、財産をまとめて書くことができます。
財産を列挙する方法は、財産を特定する必要があります。
客観的に特定する方法は、項目が多く間違いやすいかもしれません。
遺産分割協議書を書く側からすると、まとめて書く方法は簡単でしょう。
ラクに間違いなく作成するため、まとめて書く方法はおすすめです。
3遺産分割協議の注意点
注意①相続人全員で遺産分割協議成立
遺産分割協議成立には、相続人全員による合意が必要です。
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。
合意内容に間違いがないか、相続人全員に確認してもらいます。
問題がなければ、相続人全員が記名し実印で押印します。
実印であることを確認するため、印鑑証明書を添付します。
相続登記をする場合、印鑑証明書に有効期限はありません。
注意②遺産分割協議をしても借金は相続人全員に請求される
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。
相続人全員で合意ができれば、どのように分けても差し支えありません。
相続人全員の合意で、配偶者がすべて相続する遺産分割協議を成立させることができます。
相続財産にマイナスの財産がある場合、債権者は相続人全員に対して法定相続分で借金の返済を請求することができます。
配偶者がすべて相続する遺産分割協議を成立させても、相続人間の内部的合意に過ぎないからです。
遺産分割協議書を見せても、借金を払わないと文句を言うことはできません。
相続人間の内部的合意は、債権者には関係がない話だからです。
借金の請求がされると、相続人間でトラブルになるおそれがあります。
注意③財産を特定できるように記載
(1)不動産は登記簿謄本を書き写す
遺産分割協議書に不動産を書く場合、相続登記ができるように記載することが重要です。
「自宅」などの記載は、客観的に特定できるとは言えません。
あいまいな記載であった場合、相続登記ができなくなります。
不動産を特定できるように、登記簿謄本を見て書き写します。
財産すべてを1通の遺産分割協議書で作成することが一般的ですが、財産ごとに分けて作っても差し支えありません。
相続登記用に、不動産のみの遺産分割協議書を作成することができます。
(2)預貯金は通帳を書き写す
遺産分割協議書に預貯金を書く場合、口座凍結解除ができるように記載することが重要です。
あいまいな記載であった場合、口座凍結解除ができなくなります。
金融機関によっては「すべての財産」「すべての預貯金」などの記載で口座凍結解除ができません。
「すべて」では、どの金融機関のどの口座か具体的に特定できないからです。
注意④後日判明した財産について記載できる
(1)後日判明した財産の分け方をあらかじめ決めておく
どんなに詳細に調査をしても、後日に財産が判明することがあります。
あらたに判明した財産について、相続人全員が改めて話し合いをするのはわずらわしいでしょう。
後日判明した財産について、あらかじめ相続人全員で合意しておくことができます。
あらかじめ相続人全員で合意した内容は、遺産分割協議書に明確に記載します。
明確に記載するから、将来の相続人間のトラブルを防止することができます。
(2)記載例
・本遺産分割協議書に記載のない財産が後日判明した場合、相続人○○○○が取得する。
・本遺産分割協議書に記載のない財産が後日判明した場合、相続人○○○○と相続人□□□□が各2分の1の割合で取得する。
・本遺産分割協議書に記載のない財産が後日判明した場合、相続人全員であらためて協議する。
4遺言書を作成して配偶者にすべて相続させる
①遺言書で遺産分割の方法を指定できる
子どもがいない夫婦であっても、残された配偶者のみが相続人になるのは珍しいケースです。
長年疎遠になっていても、相続手続では相続人全員協力してもらう必要があります。
被相続人が遺言書を作成して、相続財産の分け方を指定することができます。
遺言書で遺産分割の方法を指定した場合、遺言書のとおりに分けることができます。
②遺言執行者を指名して相続手続をおまかせ
遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。
遺言書の中で、遺言執行者を指名することができます。
遺言執行者がいる場合、手間と時間がかかる相続手続をおまかせできます。
認知症の相続人がいても未成年の相続人がいても、遺言執行をすることができます。
5相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。
相続手続は多くの場合、何度も経験するものではありません。
だれにとっても不慣れで聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。
不動産は重要な財産なので、一般の人が些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
インターネットなどで多くの情報を手にすることができるようになりました。
相続登記を自分でやった、カンタンにできたという記事を見かけることもあります。
司法書士などの専門家から見てカンタンな登記申請であっても、一般の人が手続しようとすると思わぬ落とし穴があることがあります
相続が発生してから長期間経過した後の登記申請は、想像以上に難解です。
自分で登記申請をしてみても、法務局から不足や不備を指摘されるでしょう。
ときには、何が問題なのか分からなかったというケースもあります。
自分でやってみて挫折した場合も司法書士はサポートします。
相続登記をスムーズに終わらせたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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遺産分割協議で不在者財産管理人が関与する現実
1不在者財産管理人が行方不明者の財産を管理する
①不在者財産管理人は行方不明者の利益を守る人
不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。
行方不明者の利益を守るため、家庭裁判所が選任します。
不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。
家庭裁判所は、行方不明者に不利益な財産管理を許可しません。
不在者財産管理人制度は、行方不明者の利益を守る制度だからです。
②不在者財産管理人は行方不明者の代理人
相続人の中に行方不明の人がいると、とても困ります。
相続手続は、相続人全員の協力が必要だからです。
遺産分割協議は、相続人全員の合意がないと成立しません。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
不在者財産管理人は、行方不明者の代理人です。
行方不明の相続人に代わって、遺産分割協議に参加することができます。
③不在者財産管理人は家庭裁判所が選任する
不在者財産管理人は、申立てによって家庭裁判所が選任します。
不在者財産管理人選任の申立てをする際に、候補者を立てることができます。
候補者を立てても、家庭裁判所は自由に不在者財産管理人を選任することができます。
行方不明者の家族を選任することも、家族以外の専門家を選任することもあります。
家庭裁判所の人選に、異議を述べることはできません。
④不在者財産管理人の任務は財産を減らさないこと
不在者財産管理人は、行方不明者の財産を管理する人です。
不在者財産管理人の権限で、行方不明者の財産を守ります。
不在者財産管理人の権限は、行方不明者の財産を減らさないために行使されます。
不在者財産管理人には、行方不明者の利益を守る義務があるからです。
⑤不在者財産管理人は家族の希望をかなえる人ではない
家族にとって、家族の生活を守ることが行方不明者の利益にかなうと感じるかもしれません。
家族の希望をかなえることは、そのまま家族の生活を守ることのはずです。
法律が求める行方不明者の利益とは、行方不明者の財産を減らさないことです。
不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。
家族の希望と行方不明者の利益が一致する場合に限って、家族の希望が考慮されます。
2遺産分割協議で不在者財産管理人が関与する現実
①行方不明者の代わりに不在者財産管理人が遺産分割協議
遺産分割協議の成立には、相続人全員の合意が不可欠です。
一部の相続人が行方不明である場合、相続人全員の合意をすることができなくなります。
不在者財産管理人は、行方不明者の代理人です。
不在者財産管理人は、行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加します。
不在者財産管理人と他の相続人全員が合意すれば、遺産分割協議が成立します。
行方不明の相続人がいても、相続手続を進めることができます。
②不在者財産管理人は行方不明者の相続分を確保
不在者財産管理人には、行方不明者の利益を守る義務があります。
不在者財産管理人が遺産分割協議に関与する場合、行方不明者の相続分を確保する必要があります。
行方不明者の相続分を確保できない遺産分割協議は、行方不明者の財産が守られていないと考えられるからです。
行方不明者の相続分を確保できない遺産分割協議に、不在者財産管理人は合意しません。
たとえ家族が望んでも、行方不明者の相続分を確保できない遺産分割協議に合意できません。
たとえ相続税を節税できる遺産分割協議であっても、行方不明者の相続分を確保できない遺産分割協議に合意できません。
不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではないからです。
③家族が不在者財産管理人でも相続分を確保
不在者財産管理人は、申立てによって家庭裁判所が選任します。
家庭裁判所は、家族を選任することも家族以外の専門家を選任することもあります。
不在者財産管理人が家族であっても家族以外の専門家であっても、行方不明者の利益を守る義務があります。
不在者財産管理人が家族であっても、利益を守る義務が免除されることはありません。
不在者財産管理人になったら、公的な立場になるからです。
不在者財産管理人が家族であっても、行方不明者の相続分を確保する必要があります。
行方不明者の相続分を確保しないと、行方不明者の利益を守る義務を果たせないからです。
④不在者財産管理人は家庭裁判所の監督を受ける
不在者財産管理人は、家庭裁判所の監督を受けます。
不在者財産管理人が家族であっても家族以外の専門家であっても、家庭裁判所の監督を受けます。
不在者財産管理人が行方不明者に不利益な財産管理をしていないか、厳しくチェックします。
家庭裁判所の監督によって、財産管理の公正性と透明性を確保します。
⑤遺産分割協議には家庭裁判所の許可が必要
不在者財産管理人は、本来、行方不明者の財産を管理する人です。
財産を管理する以上の財産の処分権限は、与えられていません。
遺産分割協議は、処分行為と考えられています。
不在者財産管理人が遺産分割協議をする場合、家庭裁判所の許可が必要です。
家庭裁判所の許可を受ける手続は、不在者財産管理人が行います。
家族は、権限外行為の許可の申立てに関与しません。
家庭裁判所は、行方不明者に不利益な遺産分割協議でないか厳しくチェックします。
権限外行為の許可の申立てでは、遺産分割協議書案を提出します。
遺産分割協議書案を見ないと、不利益な遺産分割協議でないか判断できないからです。
行方不明者の相続分を確保していない遺産分割協議に、家庭裁判所は許可しません。
たとえ家族が希望しても、家庭裁判所は許可しません。
不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではないからです。
家庭裁判所の許可なしで合意しても、無効の合意です。
⑥相続手続には家庭裁判所の許可の審判書
不在者財産管理人が遺産分割協議に関与する場合、遺産分割協議書には不在者財産管理人が記名し不在者財産管理人が押印します。
遺産分割協議書で相続手続をする場合、不在者財産管理人の選任審判書と権限外行為の許可の審判書を添付します。
権限外行為の許可の審判書には、申立てのとき提出した遺産分割協議書案が添付されています。
家庭裁判所が許可したのは、申立てのとき提出した遺産分割協議書案の合意のみです。
家庭裁判所の許可を受けた後に、異なる内容の遺産分割協議をすることはできません。
相続手続先は、家庭裁判所が与えた許可の内容を確認できます。
権限外行為の許可の審判書に、遺産分割協議書案が添付されているからです。
家庭裁判所の許可を受けた後に異なる内容の遺産分割協議をする場合、あらためて許可を受ける必要があります。
⑦遺産分割協議成立後も任務継続
不在者財産管理人選任の申立てをするきっかけが遺産分割協議だったかもしれません。
遺産分割協議が成立しても、原則として不在者財産管理人の任務は継続します。
不在者財産管理人の任務は、行方不明者の財産を管理することだからです。
遺産分割協議で行方不明者が財産を取得した場合、取得した財産は不在者財産管理人が管理します。
行方不明者が取得した財産は、家族に渡されません。
不在者財産管理人には、行方不明者が取得した財産を家族に渡す権限がありません。
たとえ家族が望んでも、行方不明者が取得した財産を家族に渡すことはできません。
間違えて家族に渡した場合、任務懈怠と判断されるでしょう。
強い言葉で言えば、背任や横領と評価されるおそれがあります。
⑧家族で管理できるから辞めてほしくても終了しない
不在者財産管理人制度は、家族の希望をかなえる制度ではありません。
家族で財産管理ができるから辞めてほしいと主張しても、家庭裁判所は終了を認めません。
行方不明者の利益を守るため、財産管理の公正性と透明性を確保する必要があるからです。
たとえ家族で財産管理ができるとしても、公正性と透明性を確保するため不在者財産管理人の任務は継続します。
⑨管理すべき財産がなくなったとき終了する
(1)費用の支払いで財産がなくなった
不在者財産管理人は、行方不明者の財産を減らさないように管理します。
行方不明者の財産を管理するために、費用を支出する必要があります。
不在者財産管理人の報酬は、行方不明者の財産から支出します。
行方不明が長期間になる場合、やがて管理すべき財産が尽きるでしょう。
管理すべき財産が尽きたら、不在者財産管理人が管理すべき財産はありません。
管理すべき財産がなくなったら、不在者財産管理人の任務は終了します。
(2)金銭を供託して任務終了
不在者財産管理人を選任するきっかけは、遺産分割協議や不動産売却が多いでしょう。
遺産分割協議で行方不明者が財産を取得した場合、財産は不在者財産管理人が管理します。
不動産売却で行方不明者が売却代金を取得した場合、売却代金は不在者財産管理人が管理するのが原則です。
不在者財産管理人が管理する財産が金銭である場合、金銭を法務局に供託することができます。
供託とは、管理すべき金銭を法務局に預けることです。
法務局が厳重に管理するから、不在者財産管理人の任務は終了します。
(3)供託した金銭は行方不明者に渡される
不在者財産管理人が供託した金銭は、行方不明者が受け取れます。
たとえ家族であっても行方不明者以外の人は、供託した金銭を受け取ることはできません。
(4)不動産があれば任務継続
行方不明者が不動産を保有している場合、不動産は供託できません。
不動産の管理を継続するため、不在者財産管理人の任務は終了しません。
(5)不動産売却は許可されにくい
不動産売却で行方不明者が売却代金を取得した場合、売却代金は金銭です。
不在者財産管理人が管理する財産が金銭である場合、金銭を法務局に供託することができます。
不在者財産管理人が不動産を売却する場合、家庭裁判所の許可が必要です。
家庭裁判所は、次の条件を満たしたときに限って許可します。
・行方不明者に不利益な売却でないこと
・売却する必要があること
・売却代金が妥当であること
家族が売却してほしいと希望しても、行方不明者に不利益な売却に許可されません。
不在者財産管理人の任務終了のために不動産を売却したいなどは、売却する必要があると認められません。
たとえ買主が見つかっていると主張しても、不利益な売却に許可されません。
⑩行方不明者の死亡が確認されたら終了する
(1)相続人に財産を引き継ぎ
行方不明者の死亡が確認されることがあります。
死亡が確認された場合、相続が発生します。
行方不明者の財産は、相続財産です。
不在者財産管理人は、管理していた財産を相続人に引き継ぎます。
相続人がいない場合、相続財産清算人に引き継ぎます。
(2)失踪宣告確定で終了する
失踪宣告とは、長期間生死不明の人を死亡扱いにする手続です。
失踪宣告が確定すると、法律上死亡扱いがされます。
不在者財産管理人は、管理していた財産を相続人に引き継ぎ任務が終了します。
3不在者財産管理人制度は失踪宣告の代替策にはならない
①不在者財産管理人は行方不明者が生きている扱い
不在者財産管理人は、行方不明者が生きている前提です。
死亡扱いにしなくて済むから、家族の心理的抵抗が少なく済みます。
②失踪宣告は行方不明者を死亡と見なされる
行方不明者が生きている扱いのままであると、デメリットが積み重なっていきます。
失踪宣告を受けると、行方不明者は死亡と見なされます。
失踪宣告が確定すると、相続が発生します。
③不在者財産管理人制度と失踪宣告は比べるものではない
不在者財産管理人制度を利用しても、行方不明者は生きている扱いのままです。
失踪宣告は、死亡扱いにする制度です。
不在者財産管理人制度と失踪宣告は、まったく目的が違う制度です。
不在者財産管理人制度は、失踪宣告の代替ではありません。
失踪宣告の代替として不在者財産管理人制度を利用すると、家族の期待がデメリットになります。
家族の事情によっては、失踪宣告の検討が必要になります。
4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。
行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。
相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。
自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。
困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。
途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。
相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
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遺産分割協議書で設定する支払期限の内容
1遺産分割協議で相続財産の分け方を決定する
①相続人全員の合意で遺産分割協議成立
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方を決めるため相続人全員でする話し合いです。
代表相続人が勝手に遺産分割を決定することはできません。
相続人全員の合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。
②遺産分割協議書は相続人全員の合意内容の証明書
相続人全員による合意内容を取りまとめた書面を遺産分割協議書と言います。
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
どのような分け方で合意したのか、遺産分割協議書にはっきり書いておきます。
支払期限を決めたら、遺産分割協議書にはっきり書いておきます。
相続人全員による合意内容がはっきりするから、相続人間のトラブルを減らすことができます。
③代償分割で公平な遺産分割
相続財産には、さまざまな種類の財産が含まれます。
不動産は、分けにくい財産の代表例です。
現金は、分けやすい財産の代表例です。
相続財産の大部分が不動産である場合、公平な遺産分割が難しくなりがちです。
不動産は、高価で分けにくいからです。
代償分割とは、一部の相続人が高価な不動産を相続し他の相続人が代償金を受け取る方法です。
代償金は相続分ではなく、調整金です。
代償金で調整するから、公平な遺産分割をすることができます。
2 遺産分割協議書で設定する支払期限の内容
①支払期限は代償金の支払期限
代償分割では、代償金が相続分を調整します。
代償金を支払ってもらえるからこそ、公平な遺産分割が実現します。
公平な遺産分割が実現するため、代償金に支払期限を設定します。
支払期限は、代償金の支払期限です。
遺産分割協議で合意した財産の支払期限ではありません。
遺産分割協議で合意した財産は、だれかが支払うものではないからです。
②自分の相続分はだれかが支払うものではない
遺産分割協議では、各相続人が受け取る財産を決定します。
遺産分割協議で決められた財産は、だれかが支払う財産ではありません。
自動で自分の相続分が支払われると考えるのは、誤解です。
代表相続人が支払う義務は、ありません。
自分の相続分は、原則として自分で相続手続をします。
支払期限を設定するものではありません。
遺産分割協議書は、相続財産の分け方について相続人全員による合意内容の証明書に過ぎません。
待っていても、自動で入金されることはありません。
遺産分割協議書は、相続手続を代表相続人に依頼する契約書ではないからです。
③支払期限があるとトラブル防止になる
代償金の支払期限は、法律上、必須ではありません。
支払期限があると、トラブル防止になります。
代償金の支払いが惜しくなると、支払いを先延ばしします。
支払期限がないと、あれこれと言い訳を始めるからです。
・まだ準備ができていない
・ローンの審査が通ってから支払う
・売却できてから支払う
あれこれと言い訳を始めると、相続人間で不信が募ります。
・約束を守ってくれない
・だまされた
・最初から払う気がなかった
相続人間で、トラブルに発展します。
代償金の支払期限を明確にしておくと、法的整理がはっきりします。
支払期限の翌日から、履行遅滞になります。
遅延損害金の請求が可能になります。
法的手続を進めやすくなります。
④遺産分割協議書に支払期限を書く方法
(1)一括払いの書き方
第〇条
相続人〇〇〇〇は、相続人〇〇〇〇に対し、本件遺産分割に基づく代償金として、金〇〇〇〇万円を令和〇年〇月〇日限り、相続人〇〇〇〇指定の口座に振り込みの方法で支払う。
振込手数料は、相続人〇〇〇〇の負担とする。
(2)遅延損害金を付ける書き方
前項の期限を経過しても支払いがない場合、相続人〇〇〇〇は、期限の翌日から完済に至るまで、年〇%の割合による遅延損害金を支払う。
(3)不動産売却後に支払う書き方
相続人〇〇〇〇は、第〇条の不動産の売却代金から、代償金〇〇〇万円を支払う。
ただし、令和〇年〇月〇日までに売却できない場合であっても、同日限り支払う。
(4)分割払いの書き方
相続人〇〇〇〇は、相続人〇〇〇〇に対し、本件遺産分割に基づく代償金として、金〇〇〇〇万円を次のとおり、分割して支払う。
①令和〇年〇月〇日限り 金〇〇〇万円
②令和〇年〇月〇日限り 金〇〇〇万円
③令和〇年〇月〇日限り 金〇〇〇万円
④令和〇年〇月〇日限り 金〇〇〇万円
⑤令和〇年〇月〇日限り 金〇〇〇万円
期限を1回でも怠ったときは、当然に期限の利益を失い、残額全額を直ちに支払う。
⑤代償金を払ってもらえなくても一方的解除はできない
代償金を払うと合意したのに、代償金の支払いが惜しくなることがあります。
代償の支払いがない場合、遺産分割協議をやり直ししたいと考えるかもしれません。
一般的な売買契約において、代金を支払わない場合、契約を一方的に解除することができます。
遺産分割協議においては、このような一方的な解除制度はありません。
いったん相続財産の分け方について相続人全員で合意した場合、遺産分割協議は終了します。
遺産分割協議が終了した後は、代償を支払う人と受け取る人の問題になります。
金銭を支払う人と受け取る人の話し合いで解決を図ります。
代償金を支払うと約束した人が支払ってくれなくても、相続財産の分け方の合意をなかったことにはできません。
⑥代償金を確実に支払ってもらう方法
(1)支払ってもらえなかった後より事前に対策
代償金を払ってもらえなくても、遺産分割協議は一方的解除はできません。
代償金が支払われなかった場合、最終的には裁判手続になります。
後で対処するより、確実に支払ってもらうように事前対策するほうが重要です。
(2)同時履行で押印と印鑑証明書
代償金の支払いと同時に、遺産分割協議書に押印し印鑑証明書を渡す方法です。
遺産分割協議書に押印し印鑑証明書を添付しないと、相続手続が進められなくなります。
(3)抵当権の設定
抵当権とは、代償の支払いを確実にするため担保に取る権利です。
代償が支払われなかった場合、抵当権を実行することができます。
(4)連帯保証人を立ててもらう
連帯保証人とは、代償の支払いを確実にするため主債務者と同様の返済の義務を負う人です。
代償が支払われなかった場合、連帯保証人に返済を請求することができます。
(5)公正証書で遺産分割協議書
遺産分割協議書は、相続財産の分け方について相続人全員の合意内容を取りまとめた文書です。
一般的に遺産分割協議書は、私文書で作成します。
代償金の支払いを確実にするため遺産分割協議書を公正証書にすることができます。
公正証書で遺産分割協議書を作成した場合、強制執行認諾文言を入れることができるからです。
(6)分割払いの合意には滞納リスクがある
代償金の支払いは、一括払いが一般的です。
相続人が合意できるのであれば、分割払いにすることができます。
代償金の支払いを分割払いにした場合、将来、支払われなくなるリスクがあります。
3自分の相続分は自分で相続手続をする
①相続人全員が他人まかせでトラブル
相続手続には、膨大な手間と時間がかかります。
だれもが他の相続人に任せたいと考えています。
相続人全員が他人まかせにすると、だれも相続手続を進めないでしょう。
代表相続人が相続手続を担っているのは、代表相続人の好意です。
代表相続人の好意に甘えて、相続分の支払いが遅いと不満が出ることがあります。
代表相続人は、都合よく使える便利屋ではありません。
他の相続人全員が代表相続人の好意に甘え続けると、トラブルに発展します。
代表相続人は、相続人全員の相続手続をする義務はないからです。
相続手続の膨大な負担に堪えかねることは、割とよくあることです。
②遺産分割協議で決めておく
遺産分割協議では、財産の分け方だけでなく相続手続の分担についても話し合うといいでしょう。
膨大な手間と時間を担うことを考慮して、財産の分け方を決めておくとトラブル防止になります。
③相続手続は各相続人が自分でできる
遺産分割協議書は、各相続人が1通ずつ保管するのが通常です。
代表相続人に、相続手続をする義務はありません。
各相続人が自分で、相続手続をすることができます。
戸籍謄本一式、遺産分割協議書と印鑑証明書等があれば、通常は相続手続を進めることができます。
④相続手続は専門家に依頼できる
相続手続は、各相続人が自分で進めることができます。
相続手続には、膨大な手間と時間がかかります。
膨大な手間と時間の負担を嫌って、他の相続人まかせにしたくなります。
相続人全員が他人まかせにするから、相続人間でトラブルに発展します。
相続手続は、専門家に依頼することができます。
家族と利害関係がない専門家であれば、相続手続の進捗で家族のトラブルになることはありません。
中立的立場の専門家だから、安心して印鑑証明書を預けることができます。
専門家に支払う報酬は、相続財産である預貯金で清算することができます。
相続財産である預貯金で清算すれば、相続人の痛みが少なく済むでしょう。
専門家は、確実に相続手続を進めることができます。
必要であれば、支払予定などの見通しを尋ねることができます。
代表相続人の好意に甘えるより、相続人全員が安心することができます。
4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。
書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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