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遺言書がないときの相続登記の必要書類
1不動産の名義変更とは
被相続人が生前所有していたものは相続財産になります。
相続財産は、原則として、相続人全員の共有財産になります。
相続財産は相続人全員で話し合いによる合意をして、分け方を決めることになります。
相続人全員による話し合いによる合意で、不動産を相続する人が決まったら、不動産の名義を書き換えます。
この不動産の名義の書換のことを相続登記といいます。
ほとんどの場合、相続人全員の話し合いによる合意で分け方を決めます。
ときには、相続人全員が法定相続分で不動産を共有する場合があります。
不動産を共有した場合、デメリットが大きいのでおすすめできません。
2遺言書がないときの相続登記の必要書類
相続登記をする場合、相続関係説明図に次の書類を添えて提出します。
①被相続人に関する書類
(1) 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
被相続人の最終の戸籍謄本を確認すると、出生事項と死亡事項が記載されています。
出生事項と死亡事項が記載されているから、出生から死亡までの戸籍があると誤解してしまうかもしれません。
多くの人は、結婚や離婚、転籍などでいくつもの戸籍を渡り歩いています。
被相続人の身分に関することは、必ず、戸籍に記載されます。
戸籍が作り直しになる場合、出生事項は書き写される項目です。
結婚歴や子どもがいることを家族に秘密にしているかもしれません。
出生から死亡までの戸籍をすべて確認したら、秘密にしていたことが明るみに出ます。
戸籍が作り直しになる場合に、新しい戸籍に書き写しがされない項目があります。
被相続人が子どもを認知した場合、戸籍に記載されます。
認知した後、新しい戸籍が作られる場合、子どもを認知したことは新しい戸籍に書き写されません。
被相続人の最終の戸籍謄本だけを確認した場合、認知した子どもがいることに気づくことができないでしょう。
被相続人が認知した子どもは相続人になります。
このような子どもを見落とさないために、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要です。
被相続人が認知した子どもがいない場合も、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本は欠かせません。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本は、認知した子どもがいないことの証明になるからです。
認知した子どもがいないことは、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を揃える以外で証明できないからです。
(2) 被相続人の住民票の除票
被相続人の住民票の除票は、被相続人の死亡時の住所を証明するために提出します。
被相続人の死亡時の住所を証明するためだから、死亡後に発行してもらったものである必要があります。
被相続人の戸籍の附票でも構いません。
戸籍の附票は、本籍地のある役所に請求します。
住民票の除票は、住民票のある役所に請求します。
相続登記をする場合、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を用意します。
戸籍謄本は、本籍地のある役所に請求します。
本籍地のある役所に戸籍を請求するときに一緒に戸籍の附票も請求すると効率よく書類を集めることができます。
被相続人の住民票の除票は、本籍地の記載が必要です。
戸籍謄本には、本籍の記載はあるけど住所地の記載がないからです。
登記簿には所有者の住所だけ登記されています。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本だけを見ても、登記簿の所有者と同一人物であるとは証明できません。
被相続人の住民票の除票に住所と本籍が記載してあるから、登記簿の所有者と戸籍謄本の被相続人が同一人物であると認めてもらえます。
②相続人に関する書類
(1)相続人全員の現在戸籍
相続人の戸籍は、相続が発生した時に相続人が健在であったことを証明するためのものです。
相続が発生した時に相続人が健在であったことを証明するため、相続人の戸籍謄本は相続発生後に取得したものでなければなりません。
(2)不動産を相続する人の住民票
不動産を相続する人の住民票は、不動産を相続する人の住所を証明するために提出します。
住民票を取得してから、何年経過していても問題はありません。
住民票を取得してから長期間経過した場合、相続人が転居する場合や住居表示が実施される場合があります。
古い表記の住民票は、相続する人の住所を証明する書類とは言えません。
最新の住所が記載されている住民票を取り直す必要があります。
③不動産に関する書類
(1)固定資産税の評価証明書
相続登記をする場合、登録免許税を納める必要があります。
登録免許税は、登記申請年度の固定資産税評価額をもとにして計算します。
固定資産税の評価証明書は、4月1日に新年度になります。
登記申請が4月1日を越して新年度になった場合、新年度の固定資産税の評価証明書が必要です。
登記申請が3月31日までであれば、登記完了が4月以降になったとしても、新年度の固定資産税の評価証明書は必要ありません。
3遺産分割協議で相続登記をするときの追加の必要書類
相続財産は、原則として、相続人全員の共有財産になります。
相続財産は相続人全員で話し合いによる合意をして、分け方を決めることになります。
①遺産分割協議書
相続人全員で合意がまとまったら、遺産分割協議書に取りまとめます。
1通の遺産分割協議書に取りまとめ相続人全員が記名押印する形式が多いです。
相続人全員の人数分の遺産分割証明書に各自が記名押印する形式でも差し支えありません。
相続人が集まりやすいのであれば、1通の遺産分割協議書に相続人全員が記名押印する形式がいいでしょう。
相続人が各地に散らばっている場合、相続人全員の人数分の遺産分割証明書に各自が記名押印する形式が便利です。
相続人全員を証明できるのであれば形式はいずれでも構いません。
②相続人全員の印鑑証明書
相続人全員で合意がまとまったら、遺産分割協議書に取りまとめます。
相続人全員が合意したことを証明するために、記名し実印で押印します。
押印が実印によるものであることを証明するために、印鑑証明書を添付します。
相続登記で提出する印鑑証明書に期限はありません。
4相続人全員で共有する相続登記の追加の必要書類
①相続人全員の住民票
相続人全員で法定相続分で共有する相続登記の場合、相続人全員の住民票が必要になります。
共有者全員が法定相続分で共有する場合、必要書類は少なく済みます。
5不動産を共有するデメリット
①共有物を処分するには共有者全員の合意が必要
共有財産は、共有している人全員が合意しないと、処分はできません。
処分するとは、共有物を売却する、第三者に賃貸することなどです。
たくさんの人で共有していると合意がまとまりにくくなります。
合意できる場合でも、合意するために時間がかかりがちになります。
売却したいという場合でも、合意に時間がかかるとチャンスを逃すことになります。
親族同士であっても共有物の管理方針が違うと、共有者の意見対立が起きやすくなります。
②共有者に相続が発生する
共有物を売却するためには、共有者全員の合意が必要になります。
共有者全員の合意がしにくくなると、売却などの判断は先延ばししがちです。
先延ばしにより長期間経過すると、共有者に相続が発生することがあります。
共有者に相続が発生すると、共有者の持分は相続財産になります。
死亡した共有者の共有持分を、複数の相続人が法定相続分で細分化して共有することがあります。
このような相続が何人もの共有者の間で発生すると、共有者がたくさんになり、持分が細分化されます。
適切に相続登記がされないと、だれにどれだけの持分があるのか分からなくなります。
③共有持分を売却するおそれ
共有物全体を売却するためには共有者全員の合意が必要です。
それぞれの共有者が持っている共有持分を売却するためには、他の共有者の合意は不要です。
あまり知られていませんが、共有者が持っている共有持分を買い取る業者がいます。
ひょっとすると、経済的に困っている共有者がいる場合、共有持分を売却してしまうかもしれません。
通常、市場価格よりはるかに低廉な価格でしか売れません。
共有持分を買い取る業者はビジネスですから、遠慮なく共有者としての権利を主張してきます。
6相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。
相続手続は多くの場合、何度も経験するものではありません。
だれにとっても不慣れで聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。
不動産は重要な財産なので、一般の人が些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
インターネットなどで多くの情報を手にすることができるようになりました。
相続登記を自分でやった、カンタンにできたという記事を見かけることもあります。
司法書士などの専門家から見てカンタンな登記申請であっても、一般の人が手続しようとすると思わぬ落とし穴があることがあります。
相続が発生してから長期間経過した後の登記申請は、想像以上に難解です。
自分で登記申請をしてみても、法務局から不足や不備を指摘されるでしょう。
ときには、何が問題なのか分からなかったというケースもあります。
自分でやってみて挫折した場合も司法書士はサポートします。
相続登記をスムーズに終わらせたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
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数次相続があった後に相続放棄
1数次相続とは
①数次相続とは
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産になります。
共有財産になった相続財産は、相続人全員で話し合いによる分け方の合意が不可欠です。
相続財産の分け方について、話し合いがまとまる前に、相続人が死亡して新たな相続が発生することがあります。
最初の相続の手続中に相続人が死亡して、さらに相続が発生した状態を数次相続と言います。
数次相続は、どこまででも続きます。
どこまで続くかについて、法律上の制限はありません。
最初の相続を一次相続、相続人が死亡した相続を二次相続と言います。
二次相続の相続人が死亡すると、三次相続、さらに、四次相続、五次相続という場合もあります。
相続人が死亡して新たな相続が発生することを、まとめて、数次相続と言います。
②数次相続と代襲相続のちがい
数次相続も代襲相続も相続が複雑になる代表例です。
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。
これを代襲相続と言います。
数次相続は、相続が発生した「後」に、相続人が死亡した場合です。
代襲相続は、相続が発生する「前」に、相続人が死亡した場合です。
数次相続では、死亡した相続人の相続人が最初の相続の遺産分割協議に参加します。
代襲相続では、死亡した相続人の直系卑属が最初の相続の遺産分割協議に参加します。
数次相続と代襲相続では、遺産分割協議に参加する人が異なります。
2相続放棄は被相続人ごとに手続が必要
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。
被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。
相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
相続の放棄は被相続人ごとに判断できますから、例えば、父について相続放棄をするが、母について単純承認するでも差し支えありません。
相続の放棄は相続人ごとに判断しますから、例えば、父の相続人ついて長男は相続放棄するが、長女は単純承認するでも差し支えありません。
3最初の相続で相続放棄ができないが次の相続で相続放棄できるケース
相続放棄ができるのは、相続人だけです。
相続人でない人は、相続放棄はできません。
例えば、被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
被相続人に兄弟姉妹がいる場合であっても、被相続人の兄弟姉妹は相続人になりません。
被相続人の兄弟姉妹は、相続放棄はできません。
相続人でないから、相続放棄をする必要がないからです。
最初の相続で親などの直系尊属が相続人になる場合、最初の相続の被相続人の兄弟姉妹は相続人になりません。
この後、相続人になった親などの直系尊属に相続が発生する場合があります。
最初の相続の被相続人の兄弟姉妹は、相続人になった親などの直系尊属から見ると子どもにあたります。
親などの直系尊属に相続が発生した場合、最初の相続の被相続人の兄弟姉妹は相続人になります。
最初の相続の被相続人に大きなマイナスの財産があったことが判明することがあります。
大きなマイナスの財産から逃れたい場合、相続放棄をしたいと考えます。
最初の相続の被相続人の借金だから、最初の相続の被相続人について相続放棄をしたいと考えるかもしれません。
最初の相続の被相続人について、相続放棄をすることはできません。
最初の相続で相続人になったのは、親などの直系尊属だからです。
最初の相続で相続人でなかったのだから、相続放棄をすることはできないのです。
大きなマイナスの財産から逃れたい場合、次の相続で相続放棄をします。
最初の相続の被相続人の兄弟姉妹は、次の相続で相続人になります。
親などの直系尊属に相続が発生した場合、最初の相続の被相続人の兄弟姉妹は相続放棄をすることができます。
親などの直系尊属が相続した大きなマイナスの財産から逃れることができます。
4最初の相続で相続放棄も承認もしないまま相続人が死亡したケース
相続放棄は、家庭裁判所に対して手続が必要です。
この届出は相続があったことを知ってから、原則として、3か月以内にする必要があります。
最初の相続があったことを知ってから3か月以内に、相続人が死亡することがあります。
死亡した相続人は、本来、相続放棄をすることも相続を承認することもできたはずです。
最初の相続について、相続放棄をするか相続を承認するか決める権利は、死亡した相続人の相続人に相続されます。
死亡した相続人の相続人は、最初の相続について相続放棄をするか相続を承認するか決めることができます。
死亡した相続人の相続人は、死亡した相続人の相続について相続放棄をするか相続を承認するか決めることができます。
最初の相続で相続放棄も承認もしないまま相続人が死亡したケースでは、死亡した相続人の相続人は次の選択ができます。
①最初の相続を承認し、次の相続を承認する
②最初の相続を放棄し、次の相続を承認する
③最初の相続を放棄し、次の相続を放棄する
最初の相続を承認し、次の相続を放棄することは、できません。
最初の相続を承認した後で、次の相続を放棄するのであれば、承認したことが無意味になります。
次の相続を放棄した後は、最初の相続について相続放棄をするか相続を承認するか決める権利を放棄しているはずです。
最初の相続を放棄し、次の相続を承認することは、できます。
最初の相続の相続財産にマイナスの財産があるが、次の相続の相続財産にプラスの財産がある場合、有効だからです。
最初の相続のマイナスの財産を受け継がずに、次の相続のプラスの財産を受け継ぐことができます。
5スタートは相続があったことを知ってから
相続が発生した場合、家族や親戚には真っ先に知らせるでしょう。
家族の状況によっては、長期間音信不通であることがあります。
ときには家族が知らない相続人が現れることがあります。
家族が相続人の存在を知らない場合、すぐに知らせることはできません。
相続が発生してから、長期間経過した後、相続人であることを知ることがあります。
相続放棄は、相続があったことを知ってから3か月以内に手続をする必要があります。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
つまり、被相続人が死亡してから3か月以内ではなく、相続財産を相続することを知ってから3か月以内です。
最初の相続における相続人が相続放棄をするか相続を承認するか決めないまま死亡した場合、あらためて3か月がスタートします。
死亡した相続人の相続人は、死亡した相続人について相続の発生を知ってから、3か月以内に相続放棄の手続をすることができます。
死亡した相続人が最初の相続の発生について知ってから3か月ぎりぎりで死亡した場合、死亡した相続人の相続人に酷になるからです。
6相続放棄を司法書士に依頼するメリット
実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。
通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。
家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。
さらに、通常の相続放棄と同様に戸籍や住民票が必要になります。
お仕事や家事、通院などでお忙しい人には平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。
戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできますが、書類の不備などによる問い合わせはやはり役所の業務時間中の対応が必要になりますから、やはり負担は軽いとは言えません。
このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。
相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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遺産分割協議書が複数
1遺産分割協議書とは
相続が発生した後、相続財産は相続人全員の共有財産になります。
相続人のひとりが勝手に処分することはできません。
相続人全員で相続財産の分け方について話し合いによる合意をして、分け方を決める必要があります。
相続財産の分け方にについて、相続人全員でする話し合いのことを遺産分割協議と言います。
遺産分割協議がまとまったら、相続人全員の合意内容を文書に取りまとめます。
相続人全員の合意内容を取りまとめた文書のことを遺産分割協議書と言います。
遺産分割協議は、必ず、全員で合意する必要がありますが、全員が一つの場所に集まる必要はありません。
電話でもメールでも差し支えありません。
一度に全員合意する必要もありません。
一部の相続人と合意をして、次に、残りの相続人と合意をすることでも問題ありません。
最終的に相続人全員が合意できれば良いのです。
全ての財産をまとめて合意しなければならないといったこともありません。
一部の財産についてだけ合意をすることもできます。
遺産分割協議書は、司法書士などの専門家に作ってもらうこともできるし相続人のひとりが作ることもできます。
2遺産分割協議書は相続人の人数分作成する
①相続人が各自保管する
相続人全員の合意内容を文書に取りまとめた文書が遺産分割協議書です。
単に銀行などの相続手続をするだけであれば、1通あれば足ります。
後々、合意したはずの内容について争いになるかもしれません。
争いになったときに遺産分割協議書を確認する必要があります。
遺産分割協議書には、相続人全員の合意内容が書いてあるから、相続人間のトラブルを防止することができます。
各自遺産分割協議書を確認することができるように、遺産分割協議書は各自保管しておく必要があります。
②遺産分割証明書は取りまとめがラク
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を取りまとめた文書です。
合意内容を文書に取りまとめた後、間違いないことを確認して相続人全員が記名し実印で押印します。
多くの場合、1通の文書に相続人全員が連続して記名し押印します。
相続人が多人数の場合や遠隔地に住んでいる人がいる場合、1通の文書に相続人全員が連署することは難しいものです。
相続人が集まりにくい場合、相続人のひとりが記名押印した後、持ち回りで各相続人の記名押印をしてもらうことになります。
遠隔地に住んでいる人がいる場合、相続人のひとりが記名押印した後、郵便で次の人に送ることになります。
大きなな労力と時間がかかります。
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を取りまとめた文書です。
合意していることを確認できれば、相続人の連署にこだわる必要はありません。
遺産分割の内容を各相続人が証明することができます。
遺産分割の内容を各相続人が証明する場合、遺産分割証明書と言います。
相続人全員の合意内容を取りまとめた文書を相続人の人数分用意して、各相続人が記名押印をする方法です。
相続人全員が合意内容に記名押印をして、相続人全員の印鑑証明書が揃った場合、相続人全員の合意があったことが確認できます。
遺産分割協議書と遺産分割証明書は、どちらも同じ効力です。
遺産分割証明書の場合、郵送の手間と時間を節約することができます。
途中で紛失したり、汚してしまう心配も減ります。
3遺産分割協議書が複数ページに渡るとき
①ページの抜き取りや差し替えができる状態では相続手続を進められない
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を取りまとめた文書です。
合意内容を文書に取りまとめた後、間違いないことを確認して相続人全員が記名し実印で押印します。
記名押印がされた後に一部のページが抜き取られたり差し替えがあった場合、文書の内容は真正な合意内容ではなくなってしまいます。
遺産分割協議書が抜き取りや差し替えができる状態である場合、文書の内容は真正な内容でないおそれがあります。
遺産分割協議書の内容が真正でないおそれがある場合、相続手続は進めることができなくなります。
遺産分割協議書をクリップなどで簡単に綴じただけの場合、相続手続を進めることは難しいでしょう。
②遺産分割協議書を両面印刷する
遺産分割協議書の内容が2ページ以内の場合、紙の両面に印刷することができます。
2ページ以内の制約はあるものの、両面印刷は手軽にすることができるのでおすすめです。
③A3に見開きで印刷する
一般的な家庭用プリンターではA4の紙しか印刷ができない場合が多いです。
A4の紙を2枚並べて、A3の紙にコピーすることができます。
コピーした紙に相続人全員が記名し実印で押印をすることができます。
A3の紙にコピーするのであれば、コンビニエンスストアのコピー機で作ることができます。
④相続人全員で契印を施す
遺産分割協議書の内容が多い場合、複数ページに渡ることがあります。
複数ページに渡る場合、一般的なのが契印を施すことです。
契印とは、文書が複数ページに渡るときに1通の文書であることを証明するためページの見開きにまたがって押印することです。
契印は、最初のページから最後のページまで施します。
最初のページから最後のページまで契印がある場合、書類の改ざんがないことを証明できます。
遺産分割協議書では、相続人全員が実印で契印を施します。
記名押印がされた後に一部のページが抜き取られたり差し替えがあった場合、契印がつながらなくなります。
契印がつながっている場合、改ざんがないと言えます。
⑤袋とじにして相続人全員で契印を施す
財産内容が複雑であったり、相続財産の分け方の合意内容が複雑である場合、遺産分割協議書は長文になります。
ときには何十ページにも及ぶ場合があります。
最初のページから最後のページまで契印を施すのは、手間がかかります。
遺産分割協議書を袋とじにするといいでしょう。
袋とじにするとき、製本テープを使うと便利です。
袋とじにしてあれば、最初のページから最後のページまで契印を施す必要はありません。
製本テープと文書にまたがるように相続人全員の契印が必要になります。
4遺産分割協議書は財産ごとに複数作ることができる
遺産分割協議書は、すべての財産についてまとめて作成してもいいし、一部の財産について作成しても構いません。
まとめて作成した遺産分割協議書も、一部の財産についてだけ作成した遺産分割協議書も有効です。
不動産についてだけ合意した遺産分割協議書の他に、銀行の預貯金についてだけ合意した遺産分割協議書があることがあります。
相続登記用の遺産分割協議書の場合、不動産だけについて合意した遺産分割協議書を作るのが通例です。
一部の不動産を売却する場合、売却する不動産についてだけ先に遺産分割協議書を作ることはよくあります。
相続財産すべてについて合意したと相続人全員が考えて遺産分割協議書を作成した後で、新たに財産が見つかることがあります。
新たな財産について、あらためて相続人全員で合意し、新たな財産についてだけの遺産分割協議書を作成します。
新たな財産が重要財産であって、かつ、新たな財産の存在を知っていたら当初の遺産分割の合意をしなかったと言えるような特別の場合、当初の遺産分割協議は無効になります。
5遺産分割協議書に収入印紙は不要
不動産を売買するときなど高額な契約書を作成する場合、収入印紙を貼ります。
遺産分割協議書は、普段目にする金額より大きな金額の財産についての書類です。
遺産分割協議書を作成した場合、収入印紙が必要ではないかと心配になるかもしれません。
遺産分割協議書は、収入印紙の貼付不要な文書です。
遺産分割協議書を複数作成しても、収入印紙は必要ありません。
収入印紙が必要な文書を課税文書と言います。
①印紙税法別表第一に書いてある20種類の文書で課税事項が書いてあること
②当事者間で課税事項の証明目的で作成されたこと
③非課税文書でないこと
①~③すべてにあてはまる場合、課税文書です。
遺産分割協議書は、①にあてはまりません。
遺産分割協議書は、相続人全員で共有していた相続財産の分け方を記載した文書です。
不動産の譲渡をする契約ではありません。
遺産分割協議書は、印紙税法別表第一に書いてある1号の1の文書ではありません。
国税庁ホームページ>法令等>法令解釈通達>第1号の1文書で調べることができます。
6遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。
つまり、書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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法定相続情報一覧図と相続登記の同時申請
1法定相続情報一覧図は登記官の認証がされている
相続が発生すると、相続人は多くの役所や銀行などの金融機関などで相続手続をすることになります。
相続手続のたびに、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と相続人の現在戸籍の束を提出しなければなりません。
大量の戸籍を持ち歩くと汚してしまったり、紛失する心配があるでしょう。
受け取る役所や銀行などの金融機関にとっても、戸籍謄本の束を読解するのは手間のかかる事務です。
被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのか一目で分かるように家系図のように取りまとめてあると便利です。
この家系図と戸籍謄本等を法務局に提出して、登記官に点検してもらうことができます。
登記官は内容に問題がなかったら、地模様の入った専用紙に認証文を付けて印刷して、交付してくれます。
これが法定相続情報証明制度です。
登記官が地模様の入った専用紙に印刷してくれた家系図のことを法定相続情報一覧図と言います。
多くは家系図のように書きますが、相続人をずらっと書き並べることもできます。
税務申告など連記式の法定相続情報一覧図は提出できない場合があるので、作成前によく確認しましょう。
2法定相続情報一覧図を使って相続登記をすると添付書類が少なく済む
登記申請書には、通常、相続関係説明図を添えます。
事例によっては追加書類が必要になる場合がありますが、遺言書がない場合ではおおむね次の書類が必要です。
①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
②相続人の現在戸籍
③被相続人の住民票の除票
④不動産を相続する人の住民票
⑤遺産分割協議書
⑥相続人全員の印鑑証明書
法定相続情報一覧図を使って相続登記をする場合、①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本②相続人の現在戸籍は提出する必要はありません。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をするときに、被相続人の死亡時の住所や相続人の住所を記入した家系図を提出することができます。
相続手続では、被相続人の死亡時の住所や相続人の住所を必要とされることが多いものです。
被相続人や相続人の住所を記載していない家系図を提出しても差し支えありませんが、住所が記載されている方が便利でしょう。
被相続人の死亡時の住所や相続人の住所を記入した家系図を提出するする場合、③被相続人の住民票の除票や相続人の住民票を一緒に提出します。
法定相続情報一覧図に、被相続人の死亡時の住所や相続人の住所が記載されている場合、相続登記で③被相続人の住民票の除票④不動産を相続する人の住民票も提出不要です。
法定相続情報一覧図を使って相続登記をすると添付書類が少なく済みます。
3法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記は同時申請ができる
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記は同時申請ができます。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出に添付する戸籍謄本は、コピーを添付しなくても原本還付されます。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をする人の本人確認書類として提出する住民票の写しは原則として原本還付されません。
原本還付を希望する場合、住民票のコピーに「原本に相違ありません。」と記載して記名する必要があります。
住民票のコピーは記名が必要ですが、押印は不要です。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記を同時申請する場合、司法書士などの専門家が記名することができます。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記を司法書士などの専門家に依頼する場合、それぞれ委任が必要です。
委任状を2枚書いてもいいし、1枚の委任状にまとめて記載しても差し支えありません。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出の委任状は、記名のみで押印不要です。
相続登記の委任状は押印が必要です。
4法定相続情報一覧図のメリット
相続が発生すると、相続人は多くの役所や銀行などの金融機関などで相続手続をすることになります。
相続手続のたびに、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と相続人の現在戸籍の束を提出しなければなりません。
法定相続情報一覧図は、たくさんの戸籍謄本の束の代わりに銀行などの金融機関に提出することができます。
被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのか一目で分かるように家系図のように取りまとめてあるからとても便利です。
一目で分かるから、金融機関などの手続がスムーズに進みます。
金融機関なども、戸籍の束を読み解くのは手間のかかる事務です。
複雑な相続である場合、戸籍の束でなく法定相続情報一覧図を提出するように求められることがあります。
5法定相続情報一覧図のデメリット
①法務局で手続する手間と時間がかかる
法定相続情報一覧図は書き方が厳格に決まっています。
登記官は、提出された戸籍謄本等と家系図の点検をするだけです。
法務局で家系図を作ってくれるわけではありません。
必要な事項が書いてなかったり、余計なことが書いてあると書き直しになります。
法定相続情報一覧図の書き方ルールに合わない場合、何度でも書き直しになります。
登記官は内容に問題がなかったら、地模様の入った専用紙に認証文を付けて印刷して、交付してくれます。
登記官が点検して認証文を付けて問題がない場合だけ、法定相続情報一覧図を交付してくれるのです。
一般の人から見て、些細なことと思えるようなことで書き直しになります。
相続手続をする先が1か所か2か所であれば、戸籍の束を提出した方がいいかもしれません。
②法定相続情報一覧図が使えない場合がある
法務局に戸籍謄本等の点検をお願いすることを法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出といいます。
戸籍等が集められないと保管及び交付の申出ができません。
戸籍謄本は保存期間があります。
古い戸籍謄本は、順次処分されてしまいます。
戸籍が戦災や災害で滅失してしまっている場合があります。
被相続人に日本国籍がない場合、戸籍等を提出することができません。
相続人に日本国籍がない場合、戸籍等を提出することができません。
戸籍謄本が集められない場合、法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出はできません。
③相続人が変更になると法定相続情報一覧図が使えなくなる
法定相続情報一覧図は、戸籍謄本や住民票の内容を分かりやすく取りまとめたものです。
戸籍謄本や住民票に現れないことは、記載することができません。
相続放棄した相続人は、そのまま記載します。
戸籍謄本から分からないからです。
廃除された相続人は相続人でないから、法定相続情報一覧図に記載できません。
欠格になった証明書を提出した場合であっても、法定相続情報一覧図に相続欠格であることを記載することはできません。
法定相続情報一覧図が交付された後に、子どもが認知される場合があります。
父親が死亡した後でも、死亡後3年以内であれば、認知を求める訴えを起こすことができるからです。
6法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記を司法書士に依頼するメリット
法定相続情報一覧図は、後に登記官が認証文を付して交付されるので、書き方が厳格に決まっています。
法定相続情報一覧図と似たものに、相続関係説明図があります。
相続関係説明図は、登記官が点検をするものではなく、単なる事情説明の書類に過ぎませんから、比較的自由に書くことができます。
これらの違いを理解して、ポイントを押さえて書くことが重要です。
相続手続が少ない場合など、法定相続情報一覧図を作るまでもないこともあるでしょう。
逆に、銀行口座をたくさん持っているなど、相続手続をする手続先が多い場合は、法定相続情報一覧図は大変便利です。
相続が発生した場合、家族はたくさんの相続手続でとても忙しくなります。
葬儀の費用などの支払のため、銀行口座の相続手続を先行させたいと考えるかもしれません。
自宅不動産などの相続登記を後回しにしがちです。
要領よく相続手続を進めるためには、不動産の相続登記を先行させるのがおすすめです。
相続登記は、相続手続の中でも難易度が高い手続です。
司法書士などの専門家は、相続登記に必要な戸籍謄本などの書類をすべて準備してくれるからです。
お仕事や家事で忙しい方は戸籍謄本などの収集だけでも、タイヘンです。
相続登記が終わった後、登記に使った書類は原本還付をしてもらえます。
難易度の高い相続登記で使った書類がすべてあれば、銀行などで書類の不足を指摘されることは大幅に減ります。
銀行の預貯金などの相続手続についてもサポートを受けることができます。
すみやかな手続を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
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相続放棄照会書と回答書の書き方
1相続放棄とは
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も相続人が受け継ぎます。
被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も受け継がないことを相続の放棄といいます。
相続放棄をすると、プラスの遺産を引き継がなくなりますが、マイナスの遺産も引き継ぐことがなくなります。
家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の届出をします。
相続人間で、一部の相続人がプラスの遺産もマイナスの遺産も受け継ぐから、他の相続人は何も引き継がないことを合意することがあります。
このような合意のことも、一般的には、相続放棄ということがあります。
このような合意は相続放棄ではありません。
このような合意をしても、相続放棄の効果は得られません。
相続放棄は、家庭裁判所に対して手続をして認めてもらうことです。
一部の自称専門家は、家庭裁判所に手続するのは煩雑だから、相続人間の合意で済ませばよいと言っています。
「相続人〇〇がプラスの遺産もマイナスの遺産も受け継ぐ。他の相続人は、一切の遺産を引き継がない。」
遺産分割協議書にこのように書いてあって、相続人全員の実印を押せば、相続放棄の効果が得られると勘違いしそうです。
知識がない人は自称専門家から自信満々に言われたら、そのまま信じてしまうでしょう。
相続放棄は家庭裁判所に対してする手続です。
相続人間の合意は、相続放棄ではありません。
2相続放棄の申立てをすると相続放棄照会書が届く
①相続放棄照会書は家庭裁判所からの意思確認
家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをすると、相続放棄照会書が届きます。
相続放棄照会書とは、家庭裁判所から届く相続放棄についての意思確認です。
相続放棄は、影響の大きい手続なので間違いがないように慎重に確認します。
万が一、不適切な回答をすると相続放棄を認めてもらえなくなるかもしれません。
相続放棄照会書は家庭裁判所によって名前が違うことがあります。
②相続放棄照会書が届くのは2週間後くらい後
相続放棄照会書が届いた場合は、期限までに回答をしましょう。
相続放棄照会書が届かないこともあります。
届かない場合は、気にすることはありません。
相続放棄の申立てを出してから2週間程度経過しても何も届かなければ、家庭裁判所に確認するといいでしょう。
③相続放棄照会書の内容とは
家庭裁判所によって表現が違うことがありますが、相続放棄照会書の内容はおおむね、次のとおりです。
被相続人の死亡をいつ知りましたか。
被相続人の死亡をどのような経緯で知りましたか。
遺産の全部または一部を使ったり、処分したり、隠したりしましたか。
相続放棄をした理由は何ですか。
家庭裁判所に相続放棄の申立書が来ていますが、あなたの意思ですか。
だれかに脅されて相続放棄を届け出たものですか。
相続放棄の申立書に署名押印をしたのはだれですか。
相続放棄の意思は変わりませんか。
相続放棄をするとプラスの遺産もマイナスの遺産も相続できないですが、いいですか。
3相続放棄回答書を書くときの注意点
相続放棄の届出の内容と食い違いが出ないように、書類を提出する前に控えをとっておくといいでしょう。
質問内容は、難しいものではありません。
事実をありのままに書けばいいでしょう。
①死亡後3か月以上経過している場合の注意点
被相続人が死亡してから3か月以上経過してから申立てをした場合、いつ死亡の事実を知ったかが重要なポイントになります。
相続放棄の申立ての期限は、原則として、相続があったことを知ってから3か月以内だからです。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
相続があったことを知ってからですから、知らなかったのであれば3か月がスタートしません。
相続があったことを知ってから3か月以内であれば、相続放棄ができます。
家庭裁判所は、相続があったことを知ったのがいつなのか分かりません。
何らかの書類が届いたことによって、自己のために相続があったことを知ったのであれば、この書類は重要な証拠になります。
回答書に添付して提出するといいでしょう。
電話連絡であれば電話連絡で知ったと書けば差し支えありません。
②相続財産を使った場合の注意点
相続財産に手を付けてしまっている場合、単純承認になります。
単純承認になると、相続放棄は認められません。
家庭裁判所が気付かずに、相続放棄を認めてしまっても、裁判で相続放棄が無効にされてしまいます。
相続財産を使った場合でも、単純承認にあたることも、単純処分にあたらないこともあります。
相続財産である銀行の預貯金を引き出した場合が典型的です。
単に、引き出しただけであれば単純承認にならないことがほとんどでしょう。
自分のものにして使ってしまうと、単純処分にあたると判断されるでしょう。
引き出して、お葬式の費用に使った場合、状況によっては単純承認になると判断されることも、単純承認にあたらないと判断されることもあります。
重要なポイントは、正直に書くことです。
相続財産を使ってしまった場合、後から相続放棄の有効無効を争って裁判になるかもしれません。
家庭裁判所に提出する書類は、すべて記録として残ります。
正直に書いてない場合、裁判で不利になるでしょう。
お葬式の費用を払ったのであれば、回答書に領収書を添えて提出します。
③相続放棄をする理由は何でもよい
相続放棄をする理由の大部分は、被相続人の債務が多いからでしょう。
相続放棄をする理由は、何でも構いません。
「裕福で生活に困っていないから、他の人に相続させたい。」でも「他の相続人と絶縁しているから相続で関わりになりたくない」でも差し支えありません。
相続放棄をする理由は、相続放棄が認められるかとは関係がないからです。
④回答書の押印は相続放棄の申立ての印章と同一印で
相続放棄回答書は署名押印をする必要があります。
相続放棄回答書の押印で使う印章は、相続放棄の申立てに使った印章と同一印で押印します。
同一印で押印をすることで、相続放棄の届出をした人と同一人物が回答をしたと確認ができます。
相続放棄の届出のとき、どの印章を使ったのか分かるように目印を付けておきましょう。
どの印章を使ったのか分からなくなった場合、家庭裁判所に連絡して相談しましょう。
裁判所によっては、印影の大きさや形を教えてくれることがあります。
心当たりのある印章で並べて押してくださいと指示されることもあります。
4相続放棄が認められたら相続放棄申述受理通知書が届く
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、相続放棄申述受理通知書が届きます。
家庭裁判所は、相続放棄をした人に相続放棄申述受理通知書を送るだけです。
家庭裁判所から債権者などに自主的に連絡しません。
通常、債権者は相続放棄をしたことも相続放棄が認められたことも知りません。
債権者から見ると、知らないうちに相続放棄をして、知らないうちに相続放棄が認められたとなります。
何も知らないから、借金を返してもらおうと考えて、相続人に催促してきます。
催促されたら家庭裁判所から届いた相続放棄申述受理通知書を見せれば、分かってもらえます。
多くの場合、相続放棄申述受理通知書のコピーを渡すだけで充分でしょう。
相続放棄申述受理証明書は、必要と言われてから取り寄せればいいでしょう。
相続放棄申述受理通知書は相続放棄をした人に送るだけで、家庭裁判所は他の相続人に対しても自発的に連絡しません。
被相続人の子ども全員が相続放棄をした場合、子どもはいないものと扱われます。
子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
通常、子どもがいる場合、子どもが相続人になりますから、親などの直系尊属は自分が相続人にならないと思っているでしょう。
被相続人が莫大な借金を残している場合、子ども全員が相続放棄をしたのなら、親などの直系尊属が借金を相続することになります。
親などの直系尊属に借金の催促が来たら、びっくりして親族間のトラブルになりかねません。
子どもが相続放棄をした場合、他の相続人に連絡する義務はありません。
莫大な借金があることや相続放棄をしたことを連絡してあげると親切でしょう。
次順位の相続人も相続放棄をする場合、準備をしておいてもらいましょう。
5相続放棄を司法書士に依頼するメリット
実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続放棄は、家庭裁判所に申立てをすることです。
届出をすれば終わりでなく、家庭裁判所から来る相続放棄照会書にも適切に回答しなければなりません。
特に、相続が発生してから3か月以内に届出ができなかった場合などは、止むを得ない事情があったことを家庭裁判所に納得してもらう必要があります。
相続放棄の届出をするときに、上申書や事情説明書という書類を添えて、家庭裁判所を説得します。
同時に、相続放棄回答書でも止むを得ない事情があったことを説明し、納得してもらいます。
納得できる事情を適切に示すことで、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。
家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。
さらに、通常の相続放棄と同様に戸籍や住民票が必要になります。
お仕事や家事、通院などでお忙しい人には平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。
戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできますが、書類の不備などによる問い合わせはやはり役所の業務時間中の対応が必要になりますから、やはり負担は軽いとは言えません。
このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。
相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続登記で原本還付される書類
1相続登記の必要書類
事例によっては追加書類が必要になる場合がありますが、おおむね、次の書類が必要です。
①遺言書がない場合
(1)被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
(2)相続人の現在戸籍
(3)被相続人の住民票の除票
(4)不動産を相続する人の住民票
(5)遺産分割協議書
(6)相続人全員の印鑑証明書
(7)固定資産税評価証明書
②遺言書がある場合
(1)被相続人の除籍謄本
(2)相続人の現在戸籍
(3)被相続人の住民票の除票
(4)不動産を相続する人の住民票
(5)遺言書
(6)遺言書検認証明書
(7)固定資産税評価証明書
2相続登記で原本還付される書類
①添付書類は請求しないと返ってこない
相続手続には、たくさんの書類が必要になります。
相続登記の申請書には、たくさんの添付書類を提出します。
法務局に提出する相続登記の添付書類は、銀行などの相続手続でも必要になる書類です。
相続登記の申請書に添付した書類は、何も請求しなければ返ってきません。
添付書類を返してもらえれば、次の手続先で使うことができます。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本をすべて取得するのは、想像以上に時間と手間がかかります。
相続手続をする手続先がたくさんある場合、添付書類の原本還付を請求すると便利です。
添付書類を返してもらえないと、あらためて手間と時間をかけてたくさんの書類を取り寄せなければならなくなるからです。
②相続登記の添付書類はほとんど原本還付される
原本還付がされる書類は、法令や先例で決められています。
登記のためだけに作られた書類は、原本還付をしてもらえません。
相続登記のために準備する添付書類のほとんどは、登記のためだけに作られた書類ではありません。
登記のためだけに作られた書類でないから、原本還付を請求することができます。
③相続登記の添付書類で原本還付を請求できない書類
登記のためだけに作られた書類は、原本還付をしてもらえません。
登記のためだけに作られた書類のイメージがしにくいかもしれません。
相続登記は、相続手続の中でも難しい手続です。
多くの人は、司法書士などの専門家に相続登記を依頼します。
相続登記を依頼する場合、司法書士に登記委任状を渡します。
司法書士が相続登記を申請する場合、登記委任状を添付します。
登記委任状は、登記のためだけに作られた書類です。
登記委任状は、原本還付請求をしても返してもらえません。
特別な事情がある場合、法務局に対して相続人全員から上申書を提出します。
相続人全員から提出する上申書は、登記のためだけに作られた書類です。
上申書は、原本還付請求をしても返してもらえません。
法務局に対する上申書は、相続人全員から提出する必要があります。
遺産分割協議書も、相続人全員の記名と押印が必要です。
相続人全員の手間を省くため、法務局に対する上申書と遺産分割協議書を1枚の紙に取りまとめることがあります。
上申書と遺産分割協議書を1枚の紙に取りまとめた場合、原本還付を請求することができます。
3添付書類の原本還付の請求方法
①添付書類をコピーする
相続登記の添付書類はほとんど原本還付されます。
登記委任状や法務局あての上申書以外は、他の相続手続でも使います。
原本還付をしてもらいたい添付書類をコピーします。
すべてのページを、等倍片面でコピーします。
縮小するとコピーがないと扱われて、原本還付してもらえなくなるおそれがあります。
戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などは市区町村によってはマイナンバーカードを使ってコンビニエンスストアで取得することができます。
コンビニエンスストアで取得した戸籍謄本、住民票、印鑑証明書は、裏表両方をコピーする必要があります。
②「原本に相違ありません」と記載して記名押印する
原本還付をしてもらいたい添付書類のコピーの余白に「原本に相違ありません」と記載して、記名押印をします。
申請書に押印した印章と同一印で押印します。
添付書類のコピーの余白がない場合、コピーの裏に「原本に相違ありません」と記載して、記名押印をしても構いません。
コピーがたくさんある場合、コピーの長辺を綴じて契印を施します。
③相続関係説明図を提出すれば戸籍のコピーは不要
相続関係説明図とは、被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのかを一目で分かるように、家系図のように取りまとめた書類のことです。
通常、相続登記を申請する場合、添付書類の内容を説明するために一緒に添えて提出します。
相続関係説明図を添えて相続登記を申請する場合、戸籍謄本のコピーを提出しなくても戸籍謄本を原本還付してもらえます。
複雑な相続登記をする場合、戸籍謄本が大量になることがあります。
相続関係説明図を利用すれば、大量の戸籍謄本をコピーをしたり契印を施す手間と時間を省くことができます。
4法定相続情報一覧図を利用すれば戸籍謄本等の提出が不要
法定相続情報一覧図も相続関係説明図と同じように、被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのかを一目で分かるように、取りまとめた書類のことです。
法定相続情報一覧図は、作成後、戸籍や住民票と一緒に法務局に提出して内容確認してもらいます。
内容に問題がなければ、地模様や透かしの入った紙に印刷されて、登記官の認証文が入ります。
法定相続情報一覧図は、あらかじめ登記官が確認しているので証明力があります。
法定相続情報一覧図を利用する場合、戸籍謄本の提出を省略することができます。
法定相続情報一覧図は、被相続人や相続人の住所を記載することができます。
被相続人や相続人の住所が記載された法定相続情報一覧図の場合、被相続人の除票や相続人の住民票の提出も省略することができます。
5原本還付される書類は郵便で受け取ることができる
相続登記の申請書は、窓口まで出向いて提出することもできるし、郵送で提出することもできます。
相続登記が完了した場合、登記識別情報と完了証は窓口まで出向いて受け取ることもできるし、郵送で受け取ることもできます。
原本還付してもらいたい添付書類も同様に、窓口まで出向いて受け取ることもできるし、郵送で受け取ることもできます。
郵送で送り返してもらいたい場合、相続登記の申請書に「送付の方法による添付書類の原本還付を希望する」と記載します。
返信用の封筒と切手を一緒に提出する必要があります。
切手を多めに入れておけば、余った分は返してもらえます。
6相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。
ほとんどの方は相続を何度も経験するものではないから、手続に不慣れで聞き慣れない法律用語でへとへとになります。
一般的にいって、相続登記は、その中でも難しい手間のかかる手続です。
不動産は重要な財産であることが多いので、一般の方からすると些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。
法務局の登記相談に行っても、何が良くないのか分からなかったというケースも多いです。
司法書士はこのような方をサポートしております。
相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。
相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
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子どもが相続放棄すると孫は代襲相続をしない
1相続人になる人とは
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は次のとおりです。
①配偶者は必ず相続人になる
②被相続人に子どもがいる場合、子ども
③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
④被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。
これを代襲相続と言います。
相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。
代襲相続ができるのは、相続人になるはずだった人の子どもなど被代襲者の直系卑属だけです。
相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。
被代襲者の子どもなど被代襲者の直系卑属以外は代襲相続ができません。
被代襲者の配偶者も、被代襲者の親などの直系尊属も、被代襲者の兄弟姉妹も、代襲相続ができません。
2代襲相続になる原因
①相続人が死亡したら代襲相続する
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合です。
実際に死亡した場合の他に、失踪宣告を受けて死亡したものと扱われる場合も、代襲相続が発生します。
被相続人の死亡後、相続手続の途中で相続人が死亡した場合には、数次相続になります。
相続が発生したときに相続人が健在であれば、その後死亡しても代襲相続にはなりません。
②相続人が欠格になったら代襲相続する
欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度のことです。
欠格になる理由は法律で定められています。
主な理由は、被相続人を殺害したり、殺害しようとしたり、遺言書を偽造したり、遺言書を隠したりしたなどです。
法律で決められた理由があれば、家庭裁判所などの手続はなく、当然に、相続資格を失います。
相続人が相続欠格になる場合、代襲相続ができます。
③相続人が廃除されたら代襲相続する
相続人廃除とは、被相続人の意思で、相続人の資格を奪う制度のことです。
例えば、被相続人に虐待をした人に、相続をさせたくないと考えるのは自然なことでしょう。
相続人廃除は家庭裁判所に申立をして、家庭裁判所が判断します。
被相続人が相続人廃除したいと言い、相続人が廃除されていいと納得していても、家庭裁判所が相続人廃除を認めないことがあります。
相続人が相続人廃除になる場合、代襲相続ができます。
3子どもが相続放棄をしても子どもの子どもは相続しない
被相続人の子どもが相続放棄をした場合、子どもの子どもは相続しません。
子どもが相続放棄をした場合、代襲相続が発生しないからです。
被相続人の子どもが相続放棄をした場合、はじめから相続人でなかったとみなされます。
相続人でなくなるから、代襲相続もあり得ません。
被相続人の借金から逃れるために相続放棄をした場合、代襲相続がされないので安心です。
被相続人の子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。
子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続します。
4被相続人の親が死亡した場合、代襲相続ができる
被相続人が死亡したときに、被相続人の親が健在の場合があります。
被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。
子どもが被相続人を相続したくない場合、相続放棄の手続をします。
相続放棄の手続は、相続ごとにしなければなりません。
相続放棄の効力は、他の相続には及びません。
今回の相続で子ども全員が相続放棄をした場合、子どもはいないものと見なされます。
子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
今回相続人になった親などの直系尊属が死亡した場合、最初の被相続人の子どもは代襲相続人になります。
最初の被相続人は、親などの直系尊属の子どもになるからです。
子どもが先に死亡している場合、子どもの子どもが代襲相続人になります。
最初の相続で相続放棄をしたことは、親などの直系尊属の相続では関係ありません。
親などの直系尊属の相続で、単純承認をすることも相続放棄をすることもできます。
親などの直系尊属の相続で相続放棄を希望する場合、あらためて、相続放棄の申立てをしなければなりません。
5被相続人が孫と養子縁組をしていたら
①養子は相続人になる
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
相続人になる子どもとは、血縁関係がある子どもだけではありません。
被相続人と養子縁組をした養子も、被相続人と血縁関係がある子どもで第三者と養子縁組をした子どもも相続人になります。
養子縁組をした養子と第三者と養子縁組をした子どもと血縁関係がある子どもは、同じ被相続人の子どもです。
被相続人が孫と養子縁組をした場合、養子は被相続人の子どもであり、子どもの子どもでもあります。
養子の親は、被相続人の血縁関係のある子どもだから相続人になります。
被相続人の子どもが相続放棄をした場合、子どもの子どもは相続しません。
被相続人の子どもが相続放棄をした場合でも、被相続人が孫と養子縁組をしていたら孫は相続人になります。
孫は、子どもの子どもの身分と養子の身分があるからです。
子どもの子どもとして相続人にはならないけど、養子として相続人になります。
②養子の親が死亡していた場合、養子は代襲相続人になる
被相続人が孫と養子縁組をした場合、養子は被相続人の子どもであり、子どもの子どもでもあります。
被相続人の子どもが被相続人の死亡する前に死亡した場合、子どもの子どもが代襲相続をします。
養子の親が被相続人の死亡する前に死亡した場合、養子が代襲相続をします。
被相続人の養子は、子どもの子どもでもあるからです。
被相続人の養子は、被相続人の子どもの地位と代襲相続人の地位があります。
③相続したくないのであれば養子は相続放棄が必要
被相続人と養子縁組をした養子は、被相続人の子どもです。
被相続人の子どもだから、相続人になります。
被相続人を相続したくないのであれば、相続放棄の申立てが必要です。
被相続人の子どもである養子の親が相続放棄をしている場合でも相続放棄をしていない場合でも必要です。
被相続人の養子は、相続人の地位があるからです。
④養子と代襲相続人である場合はまとめて相続放棄ができる
被相続人の子どもが被相続人の死亡する前に死亡した場合、子どもの子どもが代襲相続をします。
養子の親が被相続人の死亡する前に死亡した場合、養子が代襲相続をします。
被相続人の養子は、被相続人の子どもの地位と代襲相続人の地位があります。
被相続人を相続したくない場合、子どもの地位と代襲相続人の地位両方をまとめて相続放棄をすることができます。
⑤養子が未成年の場合は自分で相続手続ができない
未成年者は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができません。
通常、契約などの法律行為をする場合、親などの親権者が代わりに手続をします。
被相続人が単独親権者である場合、家庭裁判所に未成年後見人を選んでもらう必要があります。
未成年後見人と未成年の養子が2人とも相続人になる場合、未成年後見人は未成年者を代理することができません。
一方がソンすると他方がトクする関係になるからです。
一方がソンすると他方がトクする関係のことを利益相反と言います。
利益相反になる場合、未成年後見人は未成年者を代理できません。
未成年後見人が未成年者を代理できない場合、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要があります。
特別代理人は、相続に利害関係がない親戚などが選ばれることが多いです。
特別代理人が未成年者の代わりに相続手続をします。
6相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。
相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。
つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。
実は、相続放棄はその相続でチャンスは実質的には1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続放棄は慎重に判断する必要がありますが、いろいろな誤解から利用をためらう人が多いのも事実です。
利用をためらっていると3か月はあっという間です。
相続が発生すると、家族は親戚や知人へ連絡などで悲しみに浸る暇もないくらい忙しくなります。
3か月以内に必要書類を揃えて手続をするのは想像以上にハードルが高いものです。
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相続放棄なのに実印と印鑑証明書
1相続放棄とは
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。
被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。
相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
相続の放棄は被相続人ごとに判断できますから、例えば、父について相続放棄をするが、母について単純承認するでも差し支えありません。
相続の放棄は相続人ごとに判断しますから、例えば、父の相続について長男は相続放棄するが、長女は単純承認するでも差し支えありません。
2相続放棄申述書の押印は認印でいい
家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の届出をします。
届出をする先の家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
家庭裁判所の管轄は裁判所のホームページで調べることができます。
相続放棄をしたい旨の届出の書類のことを、相続放棄申述書と言います。
相続放棄申述書は、相続放棄の届出をする人が押印をします。
実印で押印してももちろんいいのですが、押印は認印で充分です。
わざわざ実印である必要はありません。
認印でいいのだから、印鑑証明書が必要になることはありません。
朱肉を使う印章であれば、構いません。
相続放棄申述書に押印した印章がどれであったのか、覚えておきましょう。
家庭裁判所は、相続放棄の届出を受け付けた後、相続放棄照会書を送ってきます。
家庭裁判所から届く相続放棄照会書とは、相続放棄についての意思確認です。
相続放棄は、影響の大きい手続なので間違いがないように慎重に確認します。
相続放棄回答書の押印で使う印章は、相続放棄の届出に使った印象と同一印で押印します。
同一印で押印をすることで、相続放棄の届出をした人と同一人物が回答をしたと確認ができます。
3遺産分割協議で相続放棄はできない
相続放棄は、本来、家庭裁判所に対する手続です。
家庭裁判所に提出する書類には実印を押す必要はありません。
実印を押さないから、印鑑証明書を提出することもありません。
にもかかわらず、相続放棄の手続のため実印と印鑑証明書を用意して欲しいと他の相続人に言われたというケースがあります。
相続放棄のためと称していますが、相続放棄の手続のはずがありません。
相続放棄の手続は、相続放棄をする相続人が自分でするものだからです。
他の相続人が相続放棄の手続をするものではありません。
相続放棄の手続には、実印も印鑑証明書も不要です。
実印と印鑑証明書を渡して欲しいと言ってきた場合、別の手続をしようとしています。
具体的には、遺産分割協議と相続放棄を混同していると言えます。
自称専門家の場合、遺産分割協議と相続放棄を混同しているケースは度々あります。
他の相続人に対してプラスの財産を相続しないと宣言することを相続放棄と誤解しているケースでしょう。
プラスの財産を受け取らないことを相続放棄の手続と、表現しているのです。
相続財産の分け方は、相続人全員の話し合いによる合意が不可欠です。
話し合いがまとまったら、合意内容を文書に取りまとめます。
合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書と言います。
相続人は遺産分割協議書の内容に間違いがないことを確認して、記名し実印で押印をします。
実印であることの証明として印鑑証明書を添付します。
他の相続人に対してプラスの財産を相続しないと宣言したのだから、遺産分割協議書に取りまとめたのでしょう。
遺産分割協議書に取りまとめた場合、記名し実印で押印をします。
遺産分割協議書だから印鑑証明書が必要になります。
相続放棄と遺産分割は、まったく別の効果の別の手続です。
4マイナスの財産は遺産分割協議は引き継ぐが、相続放棄は引き継がない
家庭裁判所で相続放棄を認めてもらった場合、被相続人のマイナスの財産は引き継ぎません。
相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなかったとみなされるためです。
相続放棄をしたら相続人でなくなるから、プラスの財産もマイナスの財産も受け継ぐことがありません。
遺産分割をした場合、債権者は相続人全員に対して法定相続分で債務の支払を請求することができます。
マイナスの財産も相続財産ですから、財産の分け方を相続人全員で決めることができます。
債務は特定の相続人が引き継ぐことを相続人全員で合意することができます。
特定の相続人が引き継ぐ合意をした場合、合意は相続人間でのみ有効です。
相続人間でのみ有効な内輪の合意だから、債権者には関係ありません。
相続人間の合意があっても合意がなくても、債権者は相続人全員に対して法定相続分で債務の支払を請求することができます。
家庭裁判所で相続放棄を認めてもらった場合、相続放棄申述受理通知書が交付されます。
債権者に相続放棄申述受理通知書を提示すれば、それ以上の請求はされないでしょう。
5遺産分割協議は詐害行為になるおそれがあるが、相続放棄は詐害行為にならない
借りたお金を返さなければならないのに、自分の財産を不当に減少させて、結果、お金を返せなくなることがあります。
自分の財産を不当に減少させたら、お金を貸した人はお金を返してもらえなくなる結果になります。
お金を貸した人が困ることを知っているのに、自分の財産を不当に減少させることを詐害行為と言います。
①被相続人が借金をしていた場合相続放棄は詐害行為で取消ができない
被相続人が多額の借金を抱えたまま死亡した場合、お金を貸した人は相続人にお金を返してもらおうとするでしょう。
相続人は被相続人の借金を引き継がないために、相続放棄をすることが考えられます。
お金を貸した人は相続人にお金を返してもらおうと思っていたのに、相続放棄をされたら、請求できなくなって困ります。
お金を貸した人が困るのは知っていると言えるから、相続放棄を詐害行為として取り消したいと思うでしょう。
このような場合、相続放棄を詐害行為として取り消すことはできません。
②相続人が借金をしている場合、相続放棄は詐害行為で取消ができない
被相続人が多額のプラスの財産を残して死亡することがあります。
相続人が多額の借金を抱えている場合、お金を貸した人は相続した財産からお金を返してもらいたいと期待するでしょう。
プラスの財産が多いことを知っていても、他の相続人のために相続放棄をすることがあります。
例えば、被相続人のお世話をしていた人に相続させたい場合、被相続人と相続人の今までの経緯から相続したくない場合などです。
相続すれば多額の財産がたやすく手に入るのに、相続放棄をしたら相続財産は受け継ぐことはできません。
お金を貸した人は相続財産からお金を返してもらおうと思っていたのに、相続放棄をされたら、返してもらえなくなって困ります。
お金を貸した人が困るのは知っていると言えるから、相続放棄を詐害行為として取り消したいと思うでしょう。
このような場合、相続放棄を詐害行為として取り消すことはできません。
③遺産分割は詐害行為で取消ができる
プラスの財産を受け取らないことを申し入れをすることは、相続人全員の話し合いによる合意の一部と言えます。
遺産分割協議とは、相続が発生したことにより、相続人全員の共有になった相続財産の分け方を決めることです。
遺産分割協議は、財産を目的とする財産行為です。
お金を借りている人が、法定相続分よりはるかに少ない財産で相続する合意をした場合、自己の財産を減少させる合意と言えます。
お金を借りている人が、プラスの財産を一切受け取らない合意をした場合、自己の財産を減少させる合意と言えます。
自己の財産を減少させる遺産分割協議は、詐害行為にあたります。
お金を貸した人は、詐害行為を取り消すことができます。
6相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する届出です。
相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。
つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。
相続放棄は取消できないと言われますが、これは撤回できないの意味で使われています。
日常使う言葉が法律上異なる意味で使われると分かりにくくなります。
相続放棄は撤回できませんが、条件を満たせば取消できるし、無効になることもあります。
家庭裁判所から相続放棄を認められた後でも、お金を貸した人から取立が続くこともあります。
相続放棄は無効だと主張されることもあります。
詐害行為にあたるから取り消すなどと主張されることがあります。
お金を貸した人に詐害行為取消権がありますが、相続放棄は詐害行為ではありません。
さらに、詐害行為取消権は、裁判で主張する必要があります。
このようなことは、法律知識がないと対応できないでしょう。
詐害行為でなくても、相続放棄することは権利濫用だなどと主張されることもあります。
相続放棄することは権利濫用だという主張も意味がない主張です。
相続放棄は、相続人が多大な借金を引き継いでしまうことで人生が破綻することから守るための制度です。
お金を貸す人が負うべきリスクを押し付けられるいわれはありません。
相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続放棄でやってはいけないこと
1相続放棄とは
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。
被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。
相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
相続放棄は、家庭裁判所の書類審査だけで認められます。
相続放棄の要件をきちんと満たしているか、家庭裁判所が独自で調査することはありません。
相続放棄の要件を満たしていないのに、相続放棄の書類がきちんと揃っている場合、家庭裁判所は事情が分からず、相続放棄を認めてしまいます。
本当は要件を満たしていないから相続放棄は無効のはずです。
家庭裁判所は事情が分からないから、相続放棄を認めてしまうケースがあります。
2単純承認をすると相続放棄が無効になる
相続放棄をする前に単純承認をしていた場合、相続放棄はできません。
相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できないからです。
相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。
相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。
家庭裁判所は事情が分からないから相続放棄を認めてしまうケースがありますが、後から無効になります。
3相続放棄で心配になる具体例
①葬儀費用の支払いとお香典の受け取り
葬儀費用はお香典で賄われるのが一般的でしょう。
葬儀の参列者から受け取るお香典は、葬儀の主宰者への贈与です。
相続とは関係ない財産です。
お香典を受け取っても、相続放棄に影響はありません。
受け取ったお香典を葬儀費用に使っても、相続放棄に影響はありません。
お香典で足りない分については、原則として、相続財産から支払をしても差し支えありません。
葬儀は人生最後の儀式として執り行われるものであり、社会的儀式として必要性が高いものだからです。
葬儀を執り行うためには、相当額の支出を伴います。
相続財産を被相続人の葬儀費用に充当しても社会的見地から不当なものとは言えません。
相続財産があるにもかかわらず、これを使用することが許されず、相続人らに資力がないため被相続人の葬儀を執り行うことができないとすれば、むしろ非常識な結果になるからです。
もちろん、相続財産からでなく自分の固有の財産から支払をした方が安心です。
葬儀費用は、相続人が払うというより喪主が支払をしているでしょう。
相続放棄をすることと喪主として葬儀を主宰することはまったく別物です。
喪主として葬儀を主宰して自分の固有の財産で葬儀費用を支払っても、相続放棄に影響はありません。
②入院費用や介護費用の支払い
入院費用を相続財産から支払った場合、相続財産の処分にあたると判断されるおそれがあります。
すでに期限が到来した債務の弁済であれば、相続財産から支払っても差し支えありません。
入院費用の支払はすでに期限が到来した債務の弁済に、あたることもあたらないこともあります。
まだ期限が到来していない債務の支払の場合、相続財産の処分にあたると判断されることになります。
支払をしないままにしておくのが心苦しいのであれば、相続人の固有の財産から支払をしておくのがいいでしょう。
領収書の宛名は、相続人にしてもらいましょう。
相続人が入院時の身元保証人になっている場合があります。
身元保証人とはいうものの、入院費用の連帯保証人になっていることが多いです。
相続放棄をした場合、被相続人の入院費用などの債務は支払う必要がありません。
相続人として被相続人の債務を受け継がなくなったとしても、連帯保証人として入院費用は支払わなければなりません。
連帯保証人の義務は、相続人の義務と別の義務だからです。
③賃貸マンションの解約と家財道具の片付け
お部屋を借りる権利のことを、賃借権と言います。
原則として、お部屋を借りている人が死亡しても、賃貸借契約は終了しません。
相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続財産はプラスの財産とマイナスの財産があります。
どちらも、相続財産です。
賃借権などの権利もプラスの財産になります。
賃貸マンションを解約すると、賃借権を処分したと言われます。
お部屋の中の家財道具のうち、明かなゴミや腐りやすいものは処分しても差し支えありません。
家具や家電品などは、処分したり売却したりすることはおすすめできません。
貸主から片づけて欲しい、明け渡して欲しいと言われますが、相続放棄をしていることを伝えましょう。
貸主の責任で貸主が何かすることについては、相続人の相続放棄と関係ないのは当然です。
貸主が費用を出して、お部屋の中のものを処分しても、相続放棄をした相続人には請求できません。
通常は、このようなときのために敷金を受け取っていますから、敷金から差引します。
被相続人が借りていたお部屋に相続人が住み続けたい場合があるかもしれません。
このような場合、退去するのが建前です。
賃借権は相続財産だからです。
相続しないのなら、賃借権がありません。
同じお部屋に住み続けたい場合、あらためて貸主と賃貸借契約をし直します。
相続人と貸主が、賃貸マンションの契約をするだけですから、相続財産は関係ありません。
賃貸マンションの契約をしても、相続放棄に影響はありません。
未払家賃があると、貸主としてもいい印象は持ちません。
相続人が固有の財産で被相続人の未払家賃を払うのであれば、相続財産の処分と言われることはありません。
④賃貸マンションの家賃の支払い
すでに期限が到来した債務の弁済であれば、相続財産から支払っても差し支えありません。
わざわざ相続放棄が無効だと言われるリスクを取るメリットはないでしょう。
相続人の固有の財産から被相続人の未払い家賃を支払った方が安心です。
相続人が固有の財産から未払い家賃を支払った場合、領収書の宛名は相続人にしてもらいましょう。
通常は、未払家賃も敷金から差引します。
⑤借金や未払金の支払い
相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
借金や未払金は支払う必要がありません。
催促が来たら、相続放棄申述受理通知書を提示しましょう。
⑥電気、ガス、水道などの公共料金の支払い
電気、ガス、水道などの公共料金の未払金は支払う必要がありません。
しかし、公共料金は支払わないと電気、ガス、水道などが止められてしまいます。
同じ場所で住み続けるとしたら、困ってしまいます。
相続人が、固有の財産から支払えば安心です。
固有の財産から支払ったうえで、あらためて、相続人名義で契約をし直せばいいでしょう。
⑦預貯金の引き出しと解約
預貯金の引き出しや解約をする場合、相続人全員で相続財産の分け方の合意をする必要があります。
通常、分け方の合意がまとまったら文書に取りまとめて、銀行などの金融機関に提出します。
このような遺産分割協議は、単純承認にあたります。
預貯金の引き出し、解約、名義変更をすると、相続放棄は無効になります。
銀行には、口座の名義人が死亡したことを伝えれば十分です。
⑧クレジットカードの支払い
相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
クレジットカードの支払もする必要がありません。
カード会社に契約者が死亡したこと、相続放棄をしたことを伝えるだけで十分です。
⑨お墓や仏壇の購入
お墓や仏壇は、原則として、相続財産から支払をしても差し支えありません。
葬儀は人生最後の儀式として執り行われるものであり、社会的儀式として必要性が高いものです。
過分な葬儀の費用を相続財産から支出した場合、相続放棄が無効になる可能性があります。
一般的に、お墓や仏壇は、葬儀より必要性が低いと考えられています。
お墓や仏壇の費用を相続財産から支出した場合、相続放棄が無効になる可能性があります。
葬儀の費用とお墓や仏壇の費用を比べた場合、お墓や仏壇の費用を支出した場合の方が相続放棄が無効になるリスクが高いです。
お墓や仏壇は、葬儀より必要性が低いと考えられているからです。
あえてリスクを取るより、相続人の固有の財産から支払する方が安心でしょう。
⑩生命保険の受け取り
生命保険の受取人が相続人である場合、保険金を受け取る権利は相続人の固有の権利です。
相続財産ではありませんから、受け取っても相続放棄に影響はありません。
生命保険の受取人が被相続人である場合、保険金を受け取る権利は相続財産です。
相続財産を受け取ると、相続放棄が無効になります。
⑪年金の受け取り
遺族年金は遺族に支払われるものです。
遺族の固有の権利であって、相続とは関係ありません。
遺族年金を受け取っても、相続放棄に差し支えることはありません。
口座の持ち主が死亡した場合、銀行など金融機関は口座を凍結します。
口座凍結などで支払われるべき年金を受け取ることができなくなることがあります。
被相続人が受け取ることができなかった年金のことを、未支給年金と言います。
未支給年金を受け取る権利は、一定の遺族の固有の権利です。
遺族の固有の権利であって、相続とは関係ありません。
未支給年金を受け取っても、相続放棄に差し支えることはありません。
4相続放棄を司法書士に依頼するメリット
実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることができます。
即時抗告は高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続放棄は、撤回ができません。
相続放棄をする前に、慎重に判断する必要があります。
せっかく相続放棄が認められても、相続財産を処分したら無効になりかねません。
このような行為をしてしまわないように、あらかじめ知識を付けておく必要があります。
相続放棄を自分で手続したい人の中には、相続放棄が無効になることまで考えていない場合が多いです。
司法書士は、相続放棄が無効にならないようにサポートしています。
せっかく手続しても、相続放棄が無効になったら意味がありません。
相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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相続登記用の遺産分割協議書を自分で作成
1遺産分割協議書とは
2人以上相続人がいる場合や遺言書がない場合は、遺産の分け方について相続人全員で話し合いをする必要があります。
相続人全員で話し合いのことを遺産分割協議といいます。
話し合いの合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書といいます。
遺産分割協議は、相続人全員の合意が不可欠です。
相続人全員の合意の証明として、遺産分割協議書は相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。
相続登記では遺産分割協議書が必要な場合と必要ない場合があります。
次の場合は、遺産分割協議書が必要ありません。
①相続人がひとりだけの場合
他の相続人が相続放棄をした結果、相続人がひとりになった場合を含みます。
②遺言書があるため相続人全員による合意が必要ない場合
遺言書があれば遺言書のとおり分ければ済みます。
③法定相続をする場合
相続人全員で法定相続分で共有する相続です。
不動産を共有することになりますから、デメリットが大きくあまりおすすめできません。
④遺産分割調停の場合
相続人全員の話し合いで合意ができない場合、家庭裁判所の助力を借ります。
家庭裁判所が作成する調停調書で相続登記をします。
相続登記用の遺産分割協議書は、客観的に適切に作成されていないと相続登記ができなくなります。
遺産分割協議書は相続人のひとりが作成しても差し支えありませんが、相続登記と一緒に専門家に依頼する方が安心です。
2相続登記用の遺産分割協議書の書き方と注意点
①被相続人を特定する書き方
被相続人の最後の本籍、被相続人の最後の住所、被相続人のの氏名、被相続人の生年月日、被相続人の死亡日を記載します。
相続が発生した後、相続手続のために戸籍謄本や住民票を集めているでしょう。
戸籍謄本や住民票の記載どおりに、一字一句間違いなく記載しましょう。
記載例
被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
被相続人のの氏名 〇〇 〇〇
被相続人の生年月日 昭和〇〇年〇〇月〇〇日
被相続人の死亡日 令和〇〇年〇〇月〇〇日
共同相続人である私たちは、上記の相続について、下記のとおり遺産分割の協議をした。
②相続登記用の遺産分割協議書は不動産のみ記載でよい
合意の対象となった不動産を特定できるように記載します。
「自宅」などの記載は客観的に特定できるとは言えません。
家族にとっては自宅は当然のことですが、法務局など第三者にとっては自宅はどこにあるどの不動産なのか分からないからです。
不動産の所在は自宅住所と異なることが多いので、登記簿謄本を書き写しましょう。
固定資産税の課税明細書は、登記簿謄本と異なる表記がされていることや内容が省略されている場合があります。
登記簿謄本と異なる表記の場合、相続登記が認められない可能性があります。
登記簿謄本の記載を見て、書き写します。
財産すべてを1通の遺産分割協議書で作成することが多いですが、財産ごとに分けて作っても差し支えありません。
相続登記用の遺産分割協議書は、不動産だけ書いて預貯金などは別に作ることも多いものです。
たくさんの不動産がある場合、法務局の管轄ごとに別に作成することもあります。
それぞれの遺産分割協議書に添付書類を用意すれば、同時に相続登記を進めることができるからです。
(1)土地の記載例
所在 ○○市○○町○丁目
地番 ○番○
地目 宅地
地積 200㎡
(2)建物の記載例
所在 ○○市○○町○丁目
家屋番号 ○番○
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 50.00㎡ 2階 50.00㎡
(3)敷地権のあるマンションの記載例
(土地の表示)
所在 ○○市○○町○丁目
地番 ○番○
地目 宅地
地積 ○○○.○○㎡
持分 ○○○○○○分の○○○○○○(敷地権の割合)
(一棟の建物の表示)
所在 ○○市○○町○丁目○番地○
構造 鉄筋コンクリート造陸屋根3階建
床面積 1階 ○○○.○○㎡
2階 ○○○.○○㎡
3階 ○○○.○○㎡
(専有部分の建物の表示)
家屋番号 ○○町○丁目○番○の○
建物の名称 ○○○○マンション
種類 居宅
構造 鉄筋コンクリート造1階建
床面積 ○階部分 ○○.○○㎡
(4)被相続人が共有持分を持っていたときの記載例
所在 ○○市○○町○丁目
地番 ○番○
地目 宅地
地積 200㎡
持分 ○分の ○
③日付を記載する
相続が発生した日以降であれば、いつでも差し支えありません。
遺産分割協議はいつまでにやらなければならないといった期限はないからです。
④相続人全員の記名と実印で押印する
遺産分割協議は、相続人全員の合意が不可欠です。
話し合いの合意内容を取りまとめた文書が、遺産分割協議書です。
相続人全員が合意したことの証明として、遺産分割協議書に記名し、実印で押印をします。
本人が合意したことの証として、署名した方がよりいいでしょう。
記名でも署名でも、どちらでも問題ありません。
住所と氏名は印鑑証明書の記載どおり、一字一句間違いなく記入します。
遺産分割協議書は実印で押印します。
実印がない人は、あらかじめ印鑑登録をしなければなりません。
印鑑証明書を添付しない場合や印鑑証明書の印影と異なる印影の押印の場合、相続登記は認められません。
未成年者が相続人である場合、自分で相続財産の分け方の合意ができません。
未成年者は物事のメリットデメリットを充分に判断することができないからです。
合意ができないから、遺産分割協議書に記名押印をしても無効です。
未成年者は契約などの法律行為をする場合、親などの親権者が代理をします。
遺産分割協議は法律行為だから、親などの親権者が代理をするのが原則です。
親などの親権者が代理できる場合、遺産分割協議書には未成年者に代わって親などの親権者が記名押印をします。
未成年者と親などの親権者が2人とも相続人である場合、親などの親権者は未成年者を代理することはできません。
一方がソンすると他方がソンする関係になるからです。
一方がソンすると他方がソンする関係のことを、利益相反と言います。
利益相反になる場合、親などの親権者は未成年者を代理できません。
親などの親権者に代わって遺産分割協議をしてもらう人を選任してもらう必要があります。
親などの親権者に代わって遺産分割協議をしてもらう人を特別代理人と言います。
親などの親権者が代理できない場合、遺産分割協議書には未成年者に代わって特別代理人が記名押印をします。
⑤複数ページになるときは相続人全員の契印が必要
遺産分割協議書が複数ページにわたる場合には、相続人全員が実印で契印を施します。
袋とじにして、相続人全員が実印で契印を施しても構いません。
⑥印鑑証明書に有効期限はない
遺産分割協議書には、印鑑証明書を添付します。
印鑑証明書に有効期限はありません。
以前に取得したものがある場合、古い印鑑証明書を使うことができます。
古い印鑑証明書を添付する場合、印鑑証明書の住所や氏名と遺産分割協議書の氏名や住所が異なる場合があります。
氏名や住所が異なる場合、氏名や住所の移り変わりを証明する必要があります。
3遺産分割協議書は原本還付をしてもらうことができる
相続登記のために提出した遺産分割協議書や印鑑証明書などの添付書類は、手続をすれば原本を返してもらうことができます。
登記申請をする際に、返してもらいたい書類をコピーし、コピーに「原本に相違ありません」と記載して申請人が記名押印をします。
「原本に相違ありません」と記載して申請人が記名押印する場合は、認印で構いません。
「原本に相違ありません」と記載する余白がない場合は、コピーの裏に記載することができます。
4遺産分割協議証明書でも相続登記ができる
遺産分割協議書も遺産分割証明書も、相続人全員の話し合いの合意内容を取りまとめた文書です。
遺産分割協議書は、相続人全員が連名で記名押印する形式の文書です。
遺産分割協議証明書は、相続人全員の人数分の同じ書類を作り各自が記名押印する形式の文書です。
相続人の人数が少なく集まりやすい場合、遺産分割協議書で記名押印するといいでしょう。
相続人の人数が多く全国各地に住んでいて集まりにくい場合、相続人全員が連名で記名押印する形式では不便です。
各相続人が遺産分割証明書に記名押印して相続人全員の分が集まったら、相続人全員の合意を証明できます。
遺産分割協議書と遺産分割協議証明書は、同じ効力を持つものとして相続登記で提出することができます。
5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。
書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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