Archive for the ‘相続放棄’ Category

相続放棄の理由は関わりたくないから

2026-07-05

1関わりたくないからを理由に相続放棄ができる

①相続放棄の理由は重要ではない

相続放棄をすると、一切の相続財産を引き継ぎません。

プラスの財産もマイナスの財産も、引き継がなくなります。

相続放棄の理由で多いのは、「被相続人の借金を引き継ぎたくない」です。

その他でも、構いません。

「被相続人や他の相続人と疎遠で、関わりたくない」でも差し支えありません。

「裕福で生活に困っていないから」も問題ありません。

明確な理由がなくても、構いません。

プラスの財産がほとんどないから、万が一にもマイナスの財産があったときの安全のため相続放棄をするというケースもあります。

相続放棄をするために重要なのは、相続放棄をする意思です。

相続放棄をする理由は、あまり重要ではありません。

②相続放棄をするときに財産調査は不要

相続放棄をするか相続を単純承認するか判断するために、財産調査をすることが多いものです。

自称専門家が高額な報酬を目的に、財産調査は必須と無意味なアドバイスをしています。

相続放棄をする理由が「裕福で生活に困っていないから」の場合、財産調査自体が無意味です。

「被相続人や他の相続人と疎遠で、関わりになりたくない」場合、プラスの財産が多くても相続放棄をするケースは少なくありません。

どのような財産状況であっても相続放棄を希望する場合、財産調査は必要ありません。

相続放棄申述書に被相続人の財産状況を書く欄がありますが、記入しなくても差し支えありません。

③何もしないといつまでも関わることになる

被相続人や他の相続人と疎遠な場合、面倒な相続手続に関わりたくないと考えるでしょう。

見知らぬ相続人から連絡が来ても、返事を先延ばしするかもしれません。

相続財産は、相続人全員の共有です。

相続財産の分け方を決めるためには、相続人全員の合意が不可欠です。

相続人である以上、相続財産の分け方について合意がないと手続ができません。

疎遠だから返事を先延ばしすると、いつまでたっても関わることになります。

相続財産の分け方について合意するまで、相続手続ができないからです。

ときには、司法書士などの専門家から連絡が来る場合があります。

見知らぬ他の相続人より司法書士などの専門家の方が話しやすいかもしれません。

司法書士であれば、相続放棄をしたい場合に相談に応じてもらえます。

面倒な相続手続に関わりたくないのであれば、すぐに行動を起こしましょう。

2相続放棄の理由が関わりたくないからの場合の相続放棄申述書の書き方

①関わりたくないからの場合「放棄の理由」欄は6その他

相続放棄をしたい場合、家庭裁判所に対して相続放棄をしたい旨の申立てをします。

相続放棄をしたい旨の申立書のことを、相続放棄申述書と言います。

相続放棄申述書の様式は、家庭裁判所のホームページに出ています。

相続放棄申述書の2ページ目の左下に、放棄の理由欄があります。

1被相続人から生前に贈与を受けている

2生活が安定している

3遺産が少ない

4遺産を分散させたくない

5債務超過のため

6その他(          )

上記のように理由の例が並んでいます。

関わりたくないからを理由に相続放棄をする場合、6その他に〇をつけます。

かっこの中に、疎遠なので関わりたくないなどと記入します。

生活が安定しているから関わりたくない場合、2生活が安定しているに〇をつけます。

遺産が少ないから関わりたくない場合、3遺産が少ないに〇をつけます。

②長文になるなら上申書に書く

相続放棄をする理由は、あまり重要ではありません。

疎遠なので関わりたくないなどで問題はありません。

事情によっては理由を詳細に申し立てたい場合があるでしょう。

相続放棄申述書の「放棄の理由」欄に書き切れない場合、上申書を提出することができます。

③相続放棄照会書の回答書に書いてもよい

家庭裁判所に対して相続放棄をしたい旨の届出をした場合、家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。

家庭裁判所から届く相続放棄照会書とは、相続放棄についての意思確認です。

相続放棄は、影響の大きい手続なので間違いがないように慎重に確認します。

多くの場合、相続放棄照会書には「相続放棄をする理由を具体的に書いてください」といった質問があります。

回答書に具体的な理由を記載するといいでしょう。

相続放棄をするために重要なのは、相続放棄をする意思です。

家庭裁判所は、本人の意思に反して相続放棄の申立てをしたのではないか確認します。

自分の意思で相続放棄の申立てをしたことが伝わるように、回答書を書くといいでしょう。

3熟慮期間3か月のスタートは知ってから

①相続放棄の期限内に手続が必要

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月以内です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

3か月の期限内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをする必要があります。

②被相続人の死亡を知ってから3か月

相続があったことを知ってからとは、必ずしも、被相続人の死亡してからではありません。

被相続人や被相続人の家族と疎遠だった場合、死亡直後に連絡がされないことがあります。

3か月の期限内に相続放棄の手続をしないと、自動で単純承認になります。

被相続人が死亡した後3か月以上経過してから、被相続人の死亡を知ることがあります。

被相続人の死亡を知ってから3か月以内なら、相続放棄を認められます。

③上申書で事情説明

被相続人が死亡した後3か月以上経過した場合、期限後の手続に見えてしまいます。

家庭裁判所は、相続があったことを知った日が分からないからです。

相続放棄の申立てをする際に、上申書を一緒に提出します。

上申書で、相続があったことを知った日や相続があったことを知った事情を詳しく説明します。

債権者や他の相続人から手紙を受け取って相続があったことを知った場合、手紙は重要です。

相続があったことを知った日を裏付ける重要な証拠になるからです。

4関わりたくないなら連絡無視より相続放棄

①相続放棄で相続人でなくなる

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

②遺産分割協議成立には相続人全員の合意が必要

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が受け継ぎます。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

相続財産の分け方について話し合うため、相続人全員に連絡を取ります。

相続手続に関わりたくないなら、連絡無視はおすすめできません。

相続人全員の合意がないと、遺産分割協議が成立しないからです。

連絡を無視すると、遺産分割協議が成立しません。

遺産分割協議を成立させるため、いつもでも何度でも連絡をしてきます。

連絡を無視すると、いつまでも関わることになります。

相続人になる人は、法律で決められています。

連絡を無視しても、相続人から除外することはできません。

相続人だから、相続手続に関与する必要があります。

連絡を無視しても、結局のところ相続手続に関与することになります。

③相続放棄をした人は相続手続に関与しない

相続放棄をした人は、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄をした人は、相続財産を一切引き継ぎません。

相続放棄をした人は、相続手続に一切関与しません。

相続放棄をした人は、遺産分割協議に参加する権利義務がありません。

相続手続に関わりたくないなら、相続放棄がおすすめです。

家庭裁判所で相続放棄を認められたら、相続放棄申述受理通知書が届きます。

相続放棄申述受理通知書を見せると、分かってもらうことができます。

5相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。

通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。

家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。

さらに、通常の相続放棄と同様に戸籍や住民票が必要になります。

お仕事や家事、通院などでお忙しい人には平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。

戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできますが、書類の不備などによる問い合わせはやはり役所の業務時間中の対応が必要になりますから、やはり負担は軽いとは言えません。

このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。

3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄の順位と範囲

2026-07-05

1相続放棄をする順位は相続人になる順位と同じ

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は、次のとおりです。

(1)配偶者は、必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②先順位の人がいる場合は相続人ではない

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもが相続人なのに、親などの直系尊属が相続人になることはありません。

子どもは、親などの直系尊属より先順位の相続人だからです。

先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人ではありません。

③相続放棄をしたら相続人でなくなる

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

子どもが相続放棄をした場合、子どもははじめから相続人でなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。

一部の子どもだけが相続放棄をした場合、被相続人に子どもがいる場合です。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

一部の子どもだけが相続放棄をした場合、親などの直系尊属が相続人になりません。

相続放棄をしない子どもは、相続人だからです。

④相続放棄ができるのは相続人だけ

(1)子ども同士で相続放棄の順位はない

相続放棄ができるのは、相続人だけです。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

子どもは相続人だから、相続放棄をすることができます。

被相続人に子どもが複数いる場合、相続放棄の順位はありません。

だれが先でもだれが後でも、自由に相続放棄をすることができます。

(2)先順位相続人が相続放棄をしてから後順位相続人が相続放棄

相続人以外の人は、相続放棄をすることはできません。

先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人ではありません。

先順位の人がいる場合、後順位の人は相続放棄をすることはできません。

家庭裁判所で相続放棄が認められるまで、後順位の人は相続人ではありません。

家庭裁判所で相続放棄が認められるまで、後順位の人は相続放棄をすることはできません。

一部の子どもだけが相続放棄をした場合、親などの直系尊属が相続人になりません。

一部の子どもだけが相続放棄をした場合、親などの直系尊属は相続放棄はできません。

相続放棄ができるのは、相続人だけだからです。

先順位相続人全員が相続放棄をしてから、後順位相続人が相続放棄をします。

(3)先順位相続人と後順位相続人は同時に相続放棄はできない

相続放棄ができるのは、相続人だけです。

先順位相続人に相続放棄が認められるまで、後順位の人は相続人ではありません。

相続人でないのに、相続放棄をすることはできません。

先順位相続人と後順位相続人は、同時に相続放棄ができません。

先順位相続人に相続放棄が認められたら、相続放棄をする気持ちであったとしても受付けてもらえません。

先順位相続人に相続放棄が認められた後に、後順位相続人が相続放棄を申し立てます。

⑤相続放棄をしても代襲相続はしない

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したとき、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することです。

相続人になるはずだった人が相続放棄をした場合、代襲相続は発生しません。

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、被相続人の孫は相続人になりません。

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、被相続人の孫は相続放棄をすることはできません。

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、被相続人の孫は相続放棄をする必要がありません。

被相続人の孫は相続放棄をしなくても、借金を引き継ぐことはありません。

2相続放棄をする範囲は相続人になる範囲と同じ

①相続放棄をしても借金は消えない

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

被相続人が莫大な借金を抱えていても、相続放棄をした人は借金を引き継ぎません。

相続放棄をした人が借金を引き継がないだけで、借金は消えません。

借金は、次順位相続人に引き継がれます。

②相続放棄をする範囲は相続人だけ

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続財産を相続したくない場合、相続人は相続放棄をすることができます。

相続人以外の人は、相続財産を相続することはありません。

相続人以外の人は、相続放棄をすることができません。

相続人以外の人は、相続放棄をする必要がありません。

相続人以外の人は何の手続をしなくても、借金を引き継ぐことがないからです。

相続放棄をする範囲は、相続人になる範囲と同じです。

相続人になるから、相続放棄をする必要があります。

③相続人全員が相続放棄ができる

相続放棄は、多くの場合、被相続人のマイナスの遺産を引き継がないために行われます。

相続人が全員相続放棄をしたら、被相続人の借金なのに、だれも責任をとらないことになります。

だれも責任をとらないことに後ろめたく思う人もいるかもしれません。

相続放棄は、相続人ひとりひとりが自分の意思で自由に判断できるものです。

結果として、相続人全員が相続放棄を選択することになっても、法律上、やむを得ないことです。

相続人にならない人は、相続できません。

たとえ莫大な借金があっても、相続人以外の人が引き継ぐことはありません。

たとえ相続人全員が相続放棄をしても、相続人以外の人が引き継ぐことはありません。

3相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

①相続放棄には3か月の期限がある

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

相続放棄の期限3か月を経過したら、自動で単純承認になります。

②被相続人の死亡を知ってから3か月

大切な家族が死亡したら、他の家族や知人には真っ先に連絡するでしょう。

さまざまな家族の事情から、被相続人や被相続人の家族と疎遠になっていることがあります。

行方不明の家族や連絡が取れない家族がいることがあるでしょう。

被相続人の死亡を知らなかった場合、相続があったことを知らないと言えます。

熟慮期間3か月がスタートしていません。

被相続人が死亡してから3か月以上経過しても、相続放棄をすることができます。

③先順位相続人の相続放棄をしてから3か月

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもが相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、次順位の人が相続人になります。

被相続人に子どもがいれば、子どもが相続人になると考えるでしょう。

家庭裁判所は、相続放棄の申立てをした人にだけ結果を通知します。

相続放棄が認められても、次順位相続人に通知する義務はありません。

自分が相続人であることを知らなかった場合、相続があったことを知らないと言えます。

熟慮期間3か月がスタートしていません。

被相続人が死亡してから3か月以上経過しても、相続放棄をすることができます。

④上申書を書いて事情説明

相続放棄ができるのは、相続があったことを知ってから3か月以内のみです。

相続があったことを知ってから3か月以上経過したら、相続放棄はできません。

相続放棄の申立てをした人に対して、家庭裁判所は結果を通知します。

相続放棄が認められた人には、相続放棄申述受理通知書が届きます。

相続放棄申述受理通知書には、発出された日が記載されています。

発出された日から3か月以内であれば、相続があったことを知ってから3か月以内であることは明らかです。

先順位相続人に相続放棄が認められるまで、後順位の人は相続人ではないからです。

家庭裁判所は、次順位相続人に通知する義務はありません。

相続放棄が認められた人は、次順位相続人に通知する義務はありません。

発出された日から3か月以上経過してから、先順位相続人の相続放棄を知ることがあります。

説明をしないと、家庭裁判所は期限後の相続放棄と勘違いをしてしまうおそれがあります。

相続放棄の期限3か月が過ぎたら、相続放棄は認められません。

相続放棄の期限3か月が過ぎたら、自動で単純承認になるからです。

発出された日から3か月以上経過しても、相続があったことを知ってから3か月以内であることをアピールする必要があります。

相続放棄の申立てをする際に、上申書を作成して提出します。

上申書は、相続があったことを知ってから3か月以内であることの事情説明です。

手紙などで相続があったことを知った場合、手紙は重要な証拠です。

上申書に添付して、家庭裁判所に提出します。

⑤熟慮期間3か月を知らなかったは認められない

相続放棄の申立ては、3か月の期限があります。

熟慮期間3か月を知らなかったから、教えてもらえなかったからは、通用しません。

熟慮期間3か月の期限を知らなくても、相続放棄は認められません。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄するためには、家庭裁判所に手続をする必要があります。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったと扱われます。

このことから、相続放棄が認められたら相続に関する手続には関与しなくて済むと安心してしまいがちです。

相続財産は引き継ぐことはなくなりますが、管理責任があります。

管理責任があることは、あまり知られていません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合であっても、相続財産を処分した場合、相続放棄が無効になります。

相続放棄は簡単そうに見えて、実はいろいろなことを考慮しなければならない手続です。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄しても次順位相続人に通知義務はない

2026-07-05

1相続放棄しても次順位相続人に通知義務はない

①相続人になったことを通知する制度はない

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

相続人になったことを知らせてくれる制度は、ありません。

相続人であるのか、自分で判断します。

相続放棄ができることを知らせてくれる制度は、ありません。

相続放棄ができるか、自分で判断します。

②相続放棄申述受理通知書は相続放棄の結果通知

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

家庭裁判所が相続放棄を認める決定をしたら、相続放棄申述受理通知書が届きます。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の結果通知です。

相続放棄の申立てをした人に、審査結果を通知します。

相続放棄の申立てをした人以外の人に、審査結果を通知しません。

相続放棄申述受理通知書は、相続人でなくなったことを示す重要な書類です。

他の相続人が相続手続をする場合、相続手続先に対して相続放棄申述受理通知書を提示します。

家庭裁判所にとっては、事務的な結果通知に過ぎません。

相続放棄の結果通知に過ぎないから、相続放棄の申立てをした人以外の人に通知しません。

③次順位相続人を調べる権限がない

相続人になる人は、法律で決められています。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

子どもが相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、次順位の人が相続人になります。

一部の子どもが相続放棄をした場合、他の子どもが相続人になります。

次順位の人は、相続人になりません。

相続放棄をした人は、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄をした人は、相続手続に関与しません。

相続放棄をした人は、相続人を調査する義務はありません。

相続放棄をした人は、他の相続人を調査する権限がありません。

相続放棄をした人は、相続手続に関与する必要がないからです。

理由なく戸籍謄本などを取得することは、許されません。

相続放棄をした子どもは、他の相続人を調査する権限がありません。

相続人になる子どもが他にいるのか、調べることができません。

相続人になる子どもが他にいるのか調べることができるのは、他の相続人です。

子ども全員が相続放棄をしたのか、調べる術がありません。

相続放棄をした人は、次順位相続人に通知する義務はありません。

④家庭裁判所は次順位相続人が分からない

相続放棄をする場合、たくさんの戸籍謄本などを提出します。

例えば、被相続人の子どもが相続放棄をする場合、次の書類を提出します。

(1)被相続人の戸籍謄本

(2)被相続人の除票

(3)相続放棄する人の戸籍謄本

(4)相続放棄の手数料 収入印紙800円分

(5)連絡用郵便切手

家庭裁判所は、提出された書類を見て審査をします。

相続放棄の審査をする場合、家庭裁判所は相続放棄の申立てをした人が相続人であるか確認します。

相続人以外の人は、相続放棄ができないからです。

相続放棄の申立てをした人の他に、子どもがいるのか審査しません。

相続放棄の申立てをした人以外の子どもが相続放棄をしたのか、審査しません。

相続放棄の申立てをした人の次順位相続人がだれなのか、確認しません。

相続放棄の申立てをした人に、相続放棄を認めるか認めないかだけ審査の対象です。

家庭裁判所は、次順位の人が相続人になるか知りません。

家庭裁判所は、だれが次順位相続人なのか知りません。

家庭裁判所は、独自で調査をしません。

家庭裁判所は、捜査機関ではないからです。

家庭裁判所は、次順位の人が相続人になるか調べる権限がありません。

家庭裁判所は、次順位の人が相続人になるのか調べる権限がありません。

家庭裁判所は、通知する義務がありません。

2利害関係人は相続放棄の有無の照会ができる

①次順位相続人は相続放棄申述の有無の照会ができる

先順位の人が相続人になる場合、後順位の人は相続人になりません。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、次順位の人は相続放棄をすることができません。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、次順位の人は相続人ではないからです。

相続放棄をした人には、次順位相続人に通知する義務はありません。

家庭裁判所は、自主的に次順位相続人に通知することはありません。

被相続人の莫大な借金を相続してしまうのではないか、不安な日々を送ることになります。

利害関係人は、家庭裁判所に対して相続放棄の有無の照会をすることができます。

待っていても、だれも通知をしません。

相続人であるのか、自分で判断します。

相続人になったことを知らせてくれる制度は、ありません。

家庭裁判所に対して相続放棄の有無の照会をすると、相続放棄をしたか回答してもらえます。

回答結果を確認すれば、相続人になったのか知ることができます。

②相続放棄申述の有無の照会をする方法

(1)照会先

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

被相続人の最後の住所地は、被相続人の住民票や附票を取得すると判明します。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで調べることができます。

(2)照会ができる人

相続放棄申述の有無の照会ができるのは、次の人です。

・同順位や次順位の相続人

・被相続人の債権者などの利害関係人

(3)必要書類

相続放棄申述の有無の照会申請書に添付する書類は、次のとおりです。

・被相続人死亡の戸籍謄本

・被相続人死亡の住民票か戸籍の附票

・照会者の身分証明書

・照会者が相続人の場合、相続人の戸籍謄本

・照会者が債権者などの場合、借用書や契約書

(4)郵送で提出できる

相続放棄申述の有無の照会申請書は、窓口に出向いて提出することができます。

郵送で、提出することができます。

返信用の封筒と切手を同封すると、郵送で回答してもらえます。

(5)手数料無料

手数料は、かかりません。

無料で、回答してもらえます。

(6)回答までの期間

提出書類にまったく問題がない場合で、2~4週間程度で回答されます。

(7)調査対象期間は家庭裁判所によって異なる

照会の対象となる期間は、家庭裁判所によって異なります。

多くの家庭裁判所では、被相続人の死亡後3か月、先順位の相続人が相続放棄を認められてから3か月です。

3通知がなくても相続放棄の期限切れにならない

①相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

相続放棄の手続をしないまま3か月が経過した場合、自動で単純承認になります。

相続があったことを知らないまま、相続放棄が期限切れになることはありません。

通知がなければ、相続があったことを知らないままでしょう。

相続があったことを知らなければ、相続放棄の期限3か月はスタートしません。

相続があったことを知ってから3か月以内であれば、相続放棄をすることができます。

相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからです。

②相続人でない人は相続放棄ができない

先順位の人が相続人になる場合、後順位の人は相続人になりません。

相続放棄ができるのは、相続人だけです。

相続人以外の人は、相続放棄をすることができません。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、相続人ではありません。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、相続放棄をすることができません。

③先順位の人全員が相続放棄をするまで3か月の期限はスタートしない

相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからです。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、相続人ではありません。

相続放棄をしたいと考えても相続人ではないから、受付けてもらうことはできません。

相続が発生するだけでは、相続放棄の期限3か月はスタートしません。

相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからだからです。

先順位相続人全員が相続放棄をしたことを知ってから、相続放棄の期限3か月がスタートします。

相続放棄の期限3か月以内なら、相続放棄を受付けてもらうことができます。

④特別な事情は上申書で説明

相続放棄を認める決定をした場合、家庭裁判所には記録が残っています。

相続放棄申述受理通知書には、日付が記載してあります。

相続放棄申述受理通知書の日付から3か月以内であれば、相続放棄の期限3か月以内であることは明白です。

相続放棄をしても、次順位相続人に通知する義務はありません。

先順位相続人に相続放棄を認める決定がされてから長期間経過した後、相続があったことを知ることがあります。

相続放棄の期限3か月以内であると言える特別な事情がある場合、家庭裁判所に積極的にアピールする必要があります。

特別な事情がないと誤解されると、期限後の手続に見えてしますからです。

相続放棄の期限3か月以内であると言える特別な事情は、上申書に詳しく記載して提出します。

家庭裁判所が知りたいポイントを押さえて、簡潔に書くことが重要です。

4期限を過ぎた相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。

通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。

さらに、通常の相続放棄と同様に戸籍や住民票が必要になります。

お仕事や家事、通院などでお忙しい人には平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。

戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできますが、書類の不備などによる問い合わせはやはり役所の業務時間中の対応が必要になりますから、やはり負担は軽いとは言えません。

このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。

3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄なのに実印と印鑑証明書が必要と言われる理由

2026-06-30

1相続放棄申述書に実印や印鑑証明書は不要

①相続放棄は自分で手続

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

相続人が自分で、相続放棄の手続をします。

相続放棄は、相続放棄をする人の意思が重視される手続だからです。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄は、家庭裁判所の手続です。

家庭裁判所の手続なしで、相続放棄はできません。

家庭裁判所の手続なしで、相続放棄をする例外はありません。

②相続放棄申述書の押印は認印でいい

相続放棄を希望する場合、相続放棄申述書を提出します。

相続放棄申述書とは、相続放棄の申立てのための書類です。

相続放棄申述書には、相続放棄を希望する人が押印します。

相続放棄申述書の押印は、認印で充分です。

家庭裁判所は、印章の種類を指定していません。

認印でも実印でも、家庭裁判所は確認しません。

認印でも実印でも、相続放棄が認められます。

③相続放棄の必要書類

(1)共通で必要になる書類

・相続放棄申述書

・被相続人の住民票または戸籍の附票

・相続放棄をする人の戸籍謄本(発行後3か月以内)

(2)配偶者・子どもが相続放棄をするケース

・被相続人の死亡の戸籍謄本

(3) 父母が相続放棄をするケース

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・子どもや孫の死亡の戸籍謄本

(4)兄弟姉妹が相続放棄をするケース

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・子どもや孫の死亡の戸籍謄本

・父母や祖父母の死亡の戸籍謄本

④相続放棄の手続で印鑑証明書は不要

相続放棄申述書の押印は、認印で充分です。

実印を押しても差し支えありませんが、わざわざ実印を押す必要はありません。

認印でも実印でも、区別しません。

実印で押印したか確認しないから、印鑑証明書は不要です。

家庭裁判所に、印鑑証明書の提出を求めません。

⑤相続放棄照会書の回答書は同一印で押印

相続放棄申述書を提出してから2週間程度で、相続放棄照会書が届きます。

相続放棄照会書とは、相続放棄の意思確認です。

相続放棄が認められると、相続財産は一切相続できません。

相続放棄は影響が大きい手続なので、家庭裁判所は慎重に確認します。

相続放棄照会書の回答書は、押印が必要です。

相続放棄照会書の回答書は、相続放棄申述書に使った印章と同一印で押印します。

同一印で押印することで、相続放棄申述書を提出した人と回答書を提出した人が同一人物と確認できます。

2相続放棄なのに実印と印鑑証明書が必要と言われる理由

①遺産分割協議では実印と印鑑証明書が必要

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

相続人全員の合意がまとまったら、遺産分割協議書に合意内容は書面に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。

遺産分割協議書には、相続人全員が記名し実印で押印します。

実印による押印であることを確認するため、印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議を成立させたら、実印と印鑑証明書が必要になります。

②財産を受け取らない合意は相続放棄ではない

相続人全員の合意ができれば、相続財産はどのように分けても問題はありません。

一部の相続人が相続財産を一切引き継がない合意をすることがあります。

相続人全員の合意ができれば、相続財産を一切引き継がない相続人がいても差し支えありません。

相続財産を一切引き継がない合意をする場合、相続放棄をしたと表現することがあります。

相続放棄をしたと表現するだけで、相続放棄ではありません。

相続放棄は、家庭裁判所の手続だからです。

家庭裁判所の手続なしで、相続放棄はできません。

③財産を受け取らない相続人も実印と印鑑証明書が必要

遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。

相続人全員が記名し、実印で押印します。

相続財産を一切引き継がない合意をしても、相続人のままです。

相続財産を一切引き継がない合意をしても、遺産分割協議書に記名し実印を押印する必要があります。

実印による押印であることを確認するため、印鑑証明書が必要になります。

遺産分割協議書に記名し実印を押印しないと、相続人全員の合意があるか分からないからです。

相続人全員の合意があるか分からないと、相続手続を進めることができなくなります。

④財産を受け取らない相続人も借金を請求される

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続財産を一切引き継がない合意をする場合、プラスの財産とマイナスの財産を一切引き継がないと合意するでしょう。

遺産分割協議の内容は、相続人間の内部的合意です。

債権者は、相続人全員に法定相続分で借金の返済を請求することができます。

相続人間の合意内容にかかわらず、借金の返済を請求することができます。

相続財産を一切引き継がない合意をしたから、返済しないなどと拒否することはできません。

遺産分割協議の内容は、相続人間の内部的合意だからです。

遺産分割協議書に記名し実印で押印しても、債権者には無関係な合意です。

遺産分割協議書に記名し実印で押印しても、債権者は借金の返済を請求することができます。

家庭裁判所で相続放棄をした人に、借金の請求をすることはできません。

相続放棄と遺産分割協議では、結論が正反対になります。

⑤遺産分割協議は単純承認

遺産分割協議は、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

相続人以外の人は、遺産分割協議に参加しません。

遺産分割協議に参加することは、相続人であることが前提です。

遺産分割協議を成立させることは、相続人であることを認めたと言えます。

遺産分割協議を成立させると、相続放棄はできません。

遺産分割協議を成立させる行為は、単純承認と考えられるからです。

3相続放棄の手続の流れ

段階①相続発生を知る

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

3か月経過してしまうと、自動で単純承認になります。

相続があったことを知った日は、重要です。

相続放棄の期限の起算点になるからです。

段階②相続放棄の期限内に判断

(1)単純承認するか相続放棄をするか判断

相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄の期限3か月は、相続人が判断するための期間です。

(2)相続放棄の期限3か月を知らなかったからは認められない

相続放棄ができる期間は3か月を知らないまま3か月経過した場合、相続放棄は認められません。

法律の定めを知らなくても、3か月過ぎてしまえば、単純承認になります。

段階③必要書類を準備する

相続放棄では、たくさんの戸籍謄本や住民票が必要です。

相続放棄では、印鑑証明書は不要です。

段階④家庭裁判所へ提出

(1)相続放棄の期限3か月以内に家庭裁判所へ提出

相続放棄の期限3か月は、家庭裁判所へ提出するまでの期間です。

相続放棄の期限3か月以内に家庭裁判所へ提出できないと、自動で単純承認になります。

郵送で提出する場合も、相続放棄の期限3か月以内に家庭裁判所に届く必要があります。

(2)提出先は被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所

提出先は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所です。

被相続人の住所地は、被相続人の住民票を取得すると判明します。

段階⑤家庭裁判所から相続放棄照会書が届く

(1)書類に不備があれば補正指示

相続放棄の申立てが受付けたら、提出された書類を審査します。

必要書類に不備がある場合、家庭裁判所から補正指示があります。

必要書類が不足しても、追完することができます。

(2)相続放棄照会書が届く

提出された書類に問題がなければ、2週間ほどで家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。

相続放棄照会書とは、家庭裁判所から届く相続放棄についての意思確認です。

相続放棄は、影響の大きい手続なので間違いがないように慎重に確認します。

相続放棄照会書は、省略されることがあります。

相続放棄申述書を提出してから2週間程度経過しても相続放棄照会書が届かない場合、家庭裁判所に確認するといいでしょう。

段階⑥相続放棄申述受理通知書が届く

(1)相続放棄の結果通知

家庭裁判所が相続放棄を認める決定をしたら、相続放棄申述受理通知書を送ります。

相続放棄申述受理通知書とは、相続放棄の結果通知です。

(2)相続放棄申述受理通知書が届かなくても無効にならない

相続放棄申述受理通知書は、簡素な通知書です。

家庭裁判所にとっては単なる結果通知なので、普通郵便で送られてきます。

相続放棄申述受理通知書が届かなくても、相続放棄は無効になることはありません。

相続放棄申述受理通知書を紛失したら、相続放棄申述受理証明書の発行請求をすることが合理的です。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する届出です。

相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。

相続放棄は取消できないと言われますが、これは撤回できないの意味で使われています。

日常使う言葉が法律上異なる意味で使われると分かりにくくなります。

相続放棄は撤回できませんが、条件を満たせば取消できるし、無効になることもあります。

家庭裁判所から相続放棄を認められた後でも、お金を貸した人から取立が続くこともあります。

相続放棄は無効だと主張されることもあります。

詐害行為にあたるから取り消すなどと主張されることがあります。

お金を貸した人に詐害行為取消権がありますが、相続放棄は詐害行為ではありません。

さらに、詐害行為取消権は、裁判で主張する必要があります。

このようなことは、法律知識がないと対応できないでしょう。

詐害行為でなくても、相続放棄することは権利濫用だなどと主張されることもあります。

相続放棄することは権利濫用だという主張も意味がない主張です。

相続放棄は、相続人が多大な借金を引き継いでしまうことで人生が破綻することから守るための制度です。

お金を貸す人が負うべきリスクを押し付けられるいわれはありません。

相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄と連帯保証人の地位の扱い

2026-06-28

1ヒトと債務の混同で混乱が生まれる

①被相続人の義務と相続人の義務を混同する

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続が発生したら、被相続人の義務は相続人が相続します。

相続が発生しても、相続人の義務は相続人の義務のままです。

相続が発生しても、相続人の義務は影響がありません。

被相続人の義務と相続人の義務は、別の義務です。

被相続人の義務と相続人の義務を混同すると、混乱します。

ヒトの混同で、混乱が生まれます。

②借金と連帯保証債務を混同する

被相続人が借金を抱えていた場合、借金は相続人が相続します。

被相続人以外の人が借金を抱えていても、相続人は相続しません。

被相続人以外の人の借金は、債務者が負担します。

第三者が借金をするとき、被相続人が連帯保証人になることがあります。

連帯保証人とは、債務者が借金を返済できないとき肩代わりをする人です。

連帯保証人には、肩代わりをする義務があります。

連帯保証債務とは、肩代わりをする義務です。

被相続人が連帯保証人だった場合、連帯保証債務は相続人が相続します。

被相続人が連帯保証人だった場合、借金は相続人が相続しません。

第三者の借金は、第三者の借金のままです。

連帯保証人に相続が発生しても、第三者の借金は相続人が相続しません。

借金と連帯保証債務は、別の義務です。

借金と連帯保証債務を混同すると、混乱します。

債務の混同で、混乱が生まれます。

2相続放棄と連帯保証人の地位の扱い

①相続放棄で被相続人の借金を相続しない

被相続人が借金を抱えていた場合、借金は相続人が相続します。

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄をしたら、被相続人の借金を相続しません。

被相続人が借金を抱えていた場合、相続放棄で借金から逃れることができます。

②相続放棄で被相続人の連帯保証人の地位を相続しない

被相続人が連帯保証人だった場合、連帯保証人の地位は相続人が相続します。

相続放棄をしたら、連帯保証債務を相続しません。

相続放棄をしたら、連帯保証人の地位を相続しません。

被相続人が連帯保証人だった場合、相続放棄で連帯保証債務から逃れることができます。

③相続放棄で相続人の借金はそのまま

相続人が借金を抱えている場合、借金は相続人本人が負担します。

相続人の借金は、相続とは無関係です。

相続放棄をしても、相続人の借金に影響はありません。

④相続放棄で相続人の連帯保証人の地位はそのまま

連帯保証人には、肩代わりをする義務があります。

第三者が借金をするとき、相続人が連帯保証人になることがあります。

肩代わりをする義務は、連帯保証人の固有の義務です。

肩代わりをする義務は、相続とは無関係です。

相続放棄をしても、連帯保証人の義務に影響はありません。

⑤被相続人の借金を相続放棄しても連帯保証人の地位はそのまま

被相続人が借金をするときに、家族が連帯保証人になることがあります。

借金と連帯保証債務は、別の義務です。

被相続人が借金を抱えていた場合、借金は相続人が相続します。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、被相続人の借金から逃れることができます。

家庭裁判所で相続放棄が認められても、連帯保証人の地位はそのままです。

連帯保証債務は、連帯保証人の固有の義務だからです。

債務者がだれになっても、連帯保証債務はそのままです。

相続人全員が相続放棄をしたら、相続人不存在になります。

借金を返済する債務者がいなくなったら、債権者は連帯保証人に肩代わりを請求するでしょう。

相続放棄をしたから肩代わりをしたくないと、拒否することはできません。

相続放棄をしても、肩代わりの義務に影響はないからです。

⑥被相続人の連帯保証人の地位を相続放棄しても借金はそのまま

相続人が借金をするときに、被相続人が連帯保証人になることがあります。

借金と連帯保証債務は、別の義務です。

被相続人が連帯保証人だった場合、連帯保証人の地位は相続人が相続します。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、被相続人の連帯保証債務から逃れることができます。

家庭裁判所で相続放棄が認められても、相続人の借金はそのままです。

相続人の借金は、相続人本人が負担します。

相続放棄をしなければ、連帯保証人の地位は相続人が相続します。

相続人が借金を返済できなくなったら、債権者は連帯保証人に肩代わりを請求するでしょう。

借金をしていない相続人であっても、連帯保証人の相続人は肩代わりの義務があります。

⑦連帯保証人は求償できる

連帯保証人が肩代わりをした場合、債務者に肩代わりをしたお金を請求することができます。

求償とは、肩代わりをしたお金を請求することです。

被相続人が債務者である場合、債務者の相続人に求償することができます。

債務者の相続人全員が相続放棄をした場合、相続財産法人に求償します。

⑧相続放棄で次順位の人が相続人になる

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもが相続放棄をした場合、子どもははじめから相続人でなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。

子どもがいない場合、親のなどの直系尊属が相続人になります。

親のなどの直系尊属がいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。

相続放棄をすると、次順位の人が相続人になります。

相続放棄をすることは、相続人が自由に選択することができます。

相続放棄をすることは、家族に迷惑をかけることではありません。

被相続人の借金や連帯保証債務を相続したくない場合、次順位相続人も相続放棄をすることができます。

相続人全員が相続放棄をすることができます。

3借金と連帯保証債務の探し方

①自宅などで書類や郵便物を探す

自宅などで、重要書類を探します。

具体的には、次の書類です。

・金銭消費貸借契約書、連帯保証契約書

・公正証書

・借入明細書

・督促状

・返済予定表

・期限の利益喪失通知

銀行などの金融機関からの郵便物があれば、内容の詳細を確認します。

②通帳記帳して取引履歴を確認

通帳を記帳して取引履歴を確認すると、ローンの引落が見つかることがあります。

ネット銀行などでは、紙の通帳がないことがあります。

被相続人のパソコンやスマートフォンなどから、手がかりが見つかることがあります。

パソコンやスマートフォンのメールやアプリを確認します。

③信用情報機関に照会する

信用情報機関とは、借入や返済状況などの情報を管理する機関です。

相続人は、信用情報機関に開示請求をすることができます。

主に、次の3つの信用情報機関があります。

(1)日本信用情報機構(JICC) 消費者金融からの借入

(2)株式会社シー・アイ・シー(CIC) クレジット会社からの借入 

(3)全国銀行協会全国銀行個人信用情報センター 銀行からの借入       

信用情報機関に連帯保証人が登録されていることがあります。

④連帯保証債務は丁寧に調査

連帯保証債務は、肩代わりの義務です。

債務者がきちんと返済している間は、債権者は何も言ってきません。

肩代わりは不要だから、通知などが見つかりません。

連帯保証債務は気が付きにくいから、より丁寧な調査が重要です。

⑤相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

相続があったことを知ってから3か月経過すると、自動で単純承認になります。

連帯保証債務は、気づきにくい債務です。

被相続人と疎遠で目立った財産が見つからなければ、連帯保証人だったことに気づけないでしょう。

債務者が返済を滞らせて債権者から連絡があったときが相続があったことを知ったときと、考える余地があります。

相続があったことを知ってから3か月以内であれば、相続放棄をすることができます。

4身元保証人の地位と根保証債務の特殊性

①身元保証人の地位の扱い

(1)身元保証人の地位は一身専属

被相続人が就職などの身元保証人になっていることがあります。

身元保証人の地位は、一身専属の義務と考えられています。

身元保証人の地位は、相続されません。

被相続人の死亡によって、義務は消滅します。

(2)既発生の損害賠償債務は相続される

相続発生前に、身元保証人として損害賠償債務を負担していることがあります。

既発生の損害賠償債務は、相続人に相続されます。

相続人が相続放棄をしたら、既発生の損害賠償債務は引き継ぎません。

既発生の損害賠償債務は、単なる金銭債務だからです。

②根保証債務の扱い

(1)根保証契約は一定の範囲の債務を保証する

根保証とは、一定の範囲内の債務を保証する契約です。

今の民法では、個人が保証人になる場合、保証の限度額を決めていないと無効になります。

古い契約であれば、保証の上限を決めていなくても有効です。

(2)根保証人死亡で元本が確定する

根保証人が個人である根保証契約では、根保証人が死亡したとき元本が確定します。

根保証人が死亡した後に発生した債務は、保証の対象外です。

(3)相続放棄で保証債務を引き継がない

根保証人が死亡するまでに発生した債務について、相続人が保証債務を引き継ぎます。

相続人が相続放棄をした場合、被相続人の保証債務を引き継ぎません。

5相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄は、その相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできます。

高等裁判所の手続で2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙に、ハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続が発生してから3か月以内に申立てができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。

通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。

家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています。

認めてもらえやすい書類を作成することができます。

通常の相続放棄と同様に戸籍や住民票が必要になります。

仕事や家事、通院などで忙しい人には平日の昼間に市区町村役場に出向いて手続するのは負担が大きいものです。

戸籍謄本や住民票は、郵便による取り寄せもできます。

書類の不備などによる問い合わせは、市区町村役場の業務時間中の対応が必要になります。

負担は、軽いとは言えません。

手続に必要な戸籍謄本や住民票の取り寄せも、司法書士は代行します。

3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

家族信託と相続放棄の危険な組合せ

2026-06-25

1家族信託と相続放棄は安全な制度

①家族信託は安全な制度

(1)家族信託とは財産の管理処分を依頼する契約

家族信託とは、家族間で財産の管理処分を依頼する契約です。

家族信託の登場人物は、主に次の3者です。

・委託者 財産の管理処分を依頼する人

・受託者 財産の管理処分を任される人

・受益者 財産から得られる利益を受け取る人

信託契約をする場合、契約当事者に判断能力が必要です。

信託契約の定めに従って、受託者が自由に財産を管理処分することができます。

委託者の認知症対策で家族信託をする場合、委託者と受益者は同じ人です。

委託者兼受益者が重度の認知症になった後で、信託契約をすることはできません。

家族信託をすれば、たとえ委託者が認知症になっても財産が凍結されることがありません。

信託契約の範囲内で、受託者が財産を管理処分するからです。

受託者が適切に財産管理をする範囲において、危険はありません。

(2)家族信託に遺言書の機能がある

家族信託をするとき、契約書でさまざまなことを決めておきます。

信託契約で、家族信託が終了する理由を決めておくことができます。

信託契約で、帰属権利者を決めておくことができます。

帰属権利者とは、家族信託が終了したとき残った信託財産を引き継ぐ人です。

委託者の相続人でも相続人以外の人でも、帰属権利者に指名することができます。

信託終了による信託財産の引継ぎは、相続ではないからです。

遺言書を作成する場合、遺言者の財産を引き継ぐ人を指名することができます。

遺言書がある場合、遺言書の内容どおり遺産分割をすることができます。

認知症対策で家族信託をする場合、委託者の死亡で家族信託を終了させることが一般的です。

委託者の死亡で家族信託が終了した場合、信託契約の内容どおりに信託財産を引き継ぎます。

家族信託で残った信託財産を引き継ぐことと遺言書で財産を引き継ぐことは、同じ機能と言えます。

家族信託には、遺言書の機能があります。

遺言書の機能を適切に活用する範囲において、危険はありません。

②相続放棄は安全な制度

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄をした人は、相続財産を一切引き継ぎません。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、撤回することはできません。

撤回とは、相続放棄が受理されたときには何も問題がなかったのに、後から問題が発生したので、なかったことにすることです。

「借金ばかりと思っていたから相続放棄をしたのに、莫大なプラスの財産が見つかったから相続放棄はなかったことにしたい」は、撤回です。

相続放棄は、撤回できません。

相続放棄が認められたのに撤回を認めると、相続の現場が混乱するからです。

適切に相続放棄をする範囲において、危険はありません。

2家族信託と相続放棄の危険な組合せ

①信託財産は独立した財産になる

信託財産とは、信託契約で管理処分を依頼した財産です。

家族信託をすると、信託財産は受託者名義になります。

受託者名義になるけど、受託者の固有の財産になるわけではありません。

信託契約によって、管理処分を依頼されただけだからです。

信託財産は、委託者の固有の財産とは別に扱われます。

信託財産は、受託者の固有の財産とは別に扱われます。

委託者の財産ではなく受託者の財産でもない、独立した財産です。

信託財産は受託者の名義になっているだけで、独立した財産です。

②相続放棄の効力は相続財産にのみ及ぶ

家族信託をしても、相続人は相続放棄をすることができます。

相続放棄をした人は、相続財産を一切引き継ぎません。

相続放棄で引き継ぐことができないのは、相続財産のみです。

家族信託をした場合、委託者が管理処分を依頼した財産は信託財産です。

信託財産は、委託者の固有の財産とは別に扱われます。

委託者が死亡したら、委託者の固有の財産のみ相続財産になります。

委託者の死亡で家族信託が終了する場合、信託財産は帰属権利者が引き継ぎます。

帰属権利者が相続人であっても相続人でなくても、帰属権利者が引き継ぎます。

帰属権利者が相続放棄をしても単純承認をしても、信託契約は影響を受けません。

信託財産を引き継ぐのは、相続ではないからです。

③借金逃れで家族信託を悪用することはできない

(1)委託者に借金があるケースで問題になる

信託財産は、委託者の固有の財産ではありません。

委託者が死亡しても、信託財産は相続財産になりません。

帰属権利者が相続人であっても相続人でなくても、帰属権利者が引き継ぎます。

委託者に莫大な借金がある場合、問題になることがあります。

委託者の財産がわずかなプラスの財産と莫大なマイナスの財産であるケースです。

信託契約を締結して、わずかなプラスの財産すべてを信託財産にすることが考えられます。

莫大なマイナスの財産は、委託者の固有の財産のままです。

この後、委託者が死亡した場合、相続人は相続放棄をするでしょう。

(2)原則どおりでは債権者に理不尽な結果になる

原則どおりなら、わずかなプラスの財産は帰属権利者が引き継ぎます。

原則どおりなら、莫大なマイナスの財産は相続人は引き継ぎません。

多くの場合、帰属権利者は委託者に近い関係の家族です。

相続が発生したら、相続人になるでしょう。

わずかなプラスの財産を引き継いで莫大なマイナスの財産を引き継がないことになってしまいます。

原則どおりでは、債権者に理不尽な結果になってしまいます。

(3)詐害信託は取消請求ができる

債権者は裁判所に訴えて、詐害信託の取消し請求をすることができます。

詐害信託の取消し請求では、受託者が裁判の被告になります。

詐害信託とは、債権者を害することを知って設定した信託です。

借金逃れで信託契約をした場合、委託者兼受益者は債権者を害することを知っているはずです。

委託者兼受益者は、自分の経済状況を知っているからです。

自分の財産状況から主要な財産を信託すれば、債権者を害することは分かります。

委託者兼受益者が債権者を害することを知って設定した信託は、詐害信託です。

委託者兼受益者が認知症などで認識できなかったら、詐害信託以前の問題です。

契約当事者に充分な判断能力がない場合、家族信託は無効だからです。

有効に信託契約をするためには、充分な判断能力が必要です。

受託者は債権者を害することを知っていても知らなくても、関係はありません。

受託者は、委託者から信託財産を管理処分を依頼されただけの人だからです。

信託財産を預かっているだけだから、知っていても知らなくても保護する必要がありません。

受託者が債権者を害することを知らなかったと主張しても、詐害信託になります。

裁判所に詐害信託と認められたら、信託は取り消されます。

(4)信託が取消されると信託財産は固有の財産に復帰する

信託が取消されると、信託財産は委託者の固有の財産に復帰します。

信託財産は、もともと委託者の固有の財産だったからです。

委託者が死亡したら、委託者の固有の財産は相続財産になります。

固有の財産は相続財産だから、相続人が引き継ぎます。

相続放棄をした人は、相続財産を一切引き継ぎません。

信託が取消されても、相続放棄は撤回できません。

相続放棄の撤回を認めると、相続の現場が混乱するからです。

④家族信託の悪用は発覚する

(1)不動産を信託すると登記簿で公示される

家族信託をする場合、自宅などの不動産を信託財産にすることがほとんどです。

不動産を信託財産にした場合、次の事項が登記簿にに記録されます。

・所有者 受託者

・信託による所有権移転であること

・信託目録

不動産の登記簿謄本は、だれでも取得することができます。

登記簿の内容は個人情報ではなく、公示情報だからです。

債権者などの第三者であっても、登記簿謄本を取得することができます。

登記簿謄本を確認すれば、信託したことは判明します。

債権者は登記簿謄本を取得するだけで、信託の存在を知ることができます。

(2)家族や親族から情報漏洩

家族信託は、家族間で財産の管理処分を依頼する契約です。

家族間の秘密にすれば、債権者に知られないと感じるかもしれません。

家族間でトラブルがあると、信託の存在が債権者に伝わります。

相続人間に不満があると、家族や親族から情報漏洩が起きます。

人間関係の中で、秘密は成立しません。

詐害行為取消訴訟の多くは、家族や親族からの情報提供で始まります。

(3)裁判所からの文書提出命令に強制力がある

債権者が金融機関に信託口口座の有無を照会しても、個人情報を盾に回答しません。

債権者は、裁判所に対して文書提出命令の申立てをすることができます。

家族や親族からの情報を疎明して、文書提出命令の申立てをすることができます。

裁判所による文書提出命令によって、文書の提出義務が課されます。

裁判所からの文書提出命令には、強制力があります。

金融機関は、裁判所の文書提出命令に従います。

提出する文書によって、次の点が明らかになるでしょう。

・信託契約書

・信託口口座の開設記録

・委託者から受託者への資金移動の記録

・信託口口座の取引履歴

家族信託を悪用すると、必ず露見します。

⑤遺留分逃れで家族信託を悪用することはできない

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

相続財産に対する一定の割合の財産が最低限の権利として認められています。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

家族信託をすると、信託財産は相続財産でなくなります。

家族信託を悪用して、遺留分侵害額請求を回避することは許されません。

遺留分侵害額請求を回避する目的の家族信託は、公序良俗に反するからです。

3家族信託を司法書士に依頼するメリット

家族信託は、信託契約によって柔軟に設計することができます。

今までの遺言書や後見などでできないことも実現することができます。

柔軟で自由に設計できるからこそ、契約内容や手続きは難しく専門家のサポートが欠かせません。

委託者の固有の財産から切り離して、だれの財産でもない独立した財産にできることも大きな魅力でしょう。

一方で、このような魅力を悪用することを考える人がいるかもしれません。

借金から逃れるために信託を利用するなどは、典型例でしょう。

このようなことをすると大きなトラブルになってしまいます。

これ以外にも、委託者の固有の財産から切り離して、だれの財産でもない独立した財産にできることから、遺留分を侵害する恐れもあります。

遺留分侵害額請求から逃れるために信託を悪用する事例もあります。

委託者、受託者、受益者の関係者がすべて家族で完結するから安心と言えますが、全員に知識がないことが多くトラブルに発展しやすいと言えます。

家族全員が家族信託について話し合い、充分知識をつけて、何でも相談できるのであれば、円滑に運用することができるでしょう。

充分な知識がないのに、信託を設定するとトラブルが起きると言えます。

受託者監督人など家族以外の専門家のサポートを受ける方が安心できる場合もあります。

家族信託は、公正証書で契約しなくても有効になります。

公正証書は公証人という専門家の目も通るし、契約内容についてのトラブルを防ぐこともできます。

やはり専門家のサポートが欠かせないというべきでしょう。

家族信託を考えている方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄申述受理通知書とは

2026-06-02

1相続放棄申述受理通知書とは

①家庭裁判所が相続放棄を認めた通知

相続放棄とは、被相続人の財産や借金を引き継がないための手続です。

家庭裁判所に対して、相続放棄を希望する申立てをします。

相続放棄申述受理通知書とは、家庭裁判所が相続放棄を認めた通知です。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てをした人に送付されます。

複数の相続人が同時に相続放棄をした場合であっても、相続放棄申述受理通知書はそれぞれ別に届きます。

②相続放棄申述受理通知書は再発行されない

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果の通知です。

相続放棄の申立てをした人に結果を通知したら、完了します。

相続放棄申述受理通知書は、再発行されません。

相続放棄申述受理通知書を紛失しても、再発行を受ける制度はありません。

③紛失しても相続放棄は無効にならない

相続放棄申述受理通知書を紛失しても、相続放棄が無効になることはありません。

相続放棄申述受理通知書は、単なる結果通知に過ぎないからです。

家庭裁判所が相続放棄の申立てを受理した時点で、相続放棄は認められています。

相続放棄申述受理通知書は、単なる結果通知です。

たとえ通知書がどこかで迷子になって届かなくても、結果は変わりません。

相続放棄申述受理通知書が届かなくても、相続放棄は無効になりません。

家庭裁判所は、相続放棄の申立てについて必ず結果を通知します。

相続放棄の申立てをした人にとっては、相続放棄が認められたことを示す重要な書類です。

家庭裁判所にとっては、単なる結果のお知らせです。

相続放棄申述受理通知書は、書留や本人限定郵便などではなく普通郵便で届きます。

気を付けていないと、DMなどに紛れてしまうかもしれません。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立ての書類を作成した司法書士などの専門家に代わりに受け取ってもらうことができます。

④相続放棄申述受理通知書はA4の紙1枚

相続放棄申述受理通知書は、家庭裁判所から相続放棄の申立てをした人に対するお知らせです。

裁判所が身近でないことから、何か大げさな仕様があると予想しているかもしれません。

戸籍謄本や住民票のような地模様の入った紙ではなく、見慣れたコピー紙に印刷されています。

家庭裁判所にとっては、単なるお知らせに過ぎません。

簡素な通知書であるから、拍子抜けするかもしれません。

相続放棄が認められたことをお知らせする重要な書類です。

⑤相続放棄照会書に回答してから1~2週間で届く

家庭裁判所に相続放棄をする申立てをした場合、相続放棄照会書が届きます。

相続放棄照会書は、相続放棄の意思確認のための裁判所からのお尋ねです。

相続放棄をした場合、相続ができなくなるから慎重に判断します。

相続放棄の申立てと照会書に対する回答を見て、相続放棄を認めるか判断します。

相続放棄照会書に対する回答書を提出してから、1~2週間ほどで相続放棄申述受理通知書が届きます。

家庭裁判所によっては、相続放棄照会書の有無やタイミングが異なります。

相続放棄をする申立てをした後1~2週間経過しても相続放棄照会書が届かない場合、家庭裁判所に問い合わせをするといいでしょう。

⑥相続放棄申述受理証明書を発行してもらえる

相続放棄申述受理通知書は、再発行されません。

相続放棄が認められた人は、相続放棄申述受理証明書の発行を受けることができます。

相続放棄申述受理証明書の発行手数料は、150円です。

相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書の記載内容は、ほとんど同じです。

相続放棄申述受理通知書を紛失した場合、相続放棄申述受理証明書を発行してもらうことが合理的です。

⑦他の相続人や債権者に通知されない

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てをした人以外の人に送付されません。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果の通知だからです。

家庭裁判所は、他の相続人に対して自主的に通知しません。

家庭裁判所は、債権者に対して積極的に通知しません。

2相続放棄申述受理通知書の使い道

①債権者に提示

相続放棄が受理されたら、家庭裁判所は相続放棄の申立てをした人にだけ結果を通知します。

相続放棄が受理されても、債権者に相続放棄申述受理通知書を送付しません。

債権者が何も知らないところで、相続放棄の申立てが受理されています。

債務者が死亡したから債務者の相続人に借金を返済してもらおうと考えて、請求をしてきます。

相続放棄が認められた後に、債権者が請求してきます。

債権者は、相続放棄が認められたことを知らないからです。

相続放棄が認められると、被相続人の借金を相続しません。

相続放棄申述受理通知書は、家庭裁判所で相続放棄が認められたことの通知書です。

債権者に相続放棄申述受理通知書を提示すると、被相続人の借金の請求を止めてくれます。

相続放棄申述受理通知書のコピーを渡すといいでしょう。

債権者は、相続放棄申述受理通知書の原本が必要になることはほとんどありません。

②次順位相続人に提示

被相続人の子どもが相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。

被相続人の子ども全員が相続放棄をしたら、相続人になる子どもはいません。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属は、次順位相続人だからです。

相続放棄をしても、被相続人の借金は消えません。

相続放棄をした人が相続しないで、次順位相続人が相続することになります。

次順位相続人も相続放棄を希望するなら、家庭裁判所に相続放棄の申立てをする必要があります。

相続放棄を認める決定をしても、家庭裁判所は次順位相続人に対して通知しません。

相続放棄をした人は、次順位相続人に通知する義務はありません。

できることなら、次順位相続人に通知すると親切でしょう。

先順位の人が相続すると思って安心していたのに、債権者から請求されるとびっくりするからです。

あらかじめ相続放棄申述受理通知書を提示して、相続放棄をしたことを知らせることができます。

③他の相続人に提示

家庭裁判所に相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄が受理されても、他の相続人に相続放棄申述受理通知書を送付しません。

相続財産の分け方を決めるためには、相続人全員の合意が必要です。

家庭裁判所で相続放棄が認められた人は、遺産分割協議に参加する必要がありません。

遺産分割協議に参加する権利と義務がないことを示すため、他の相続人に相続放棄申述受理通知書を提示します。

相続放棄が認められた人を含めずに、遺産分割協議を成立させることができると明らかになります。

④相続手続先に提示

遺産分割協議を成立させたら、相続人は相続手続をします。

相続人が相続手続をする際に、遺産分割協議書を提出します。

遺産分割協議書とは、相続財産の分け方について相続人全員による証明書です。

相続手続先の人は、相続人全員が遺産分割協議書に記名し実印で押印をしているか確認します。

家庭裁判所で相続放棄が認められた人は、遺産分割協議に参加しません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた人は、遺産分割協議書に記名し押印をしません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた人は、相続人ではないからです。

相続人でないことを示すため、相続手続先に相続放棄申述受理通知書を提示します。

相続放棄が認められた人を含めずに、遺産分割協議が成立したことが明らかになります。

例えば、相続登記で遺産分割協議書を提出する場合、相続放棄申述受理通知書を提出します。

口座凍結解除で遺産分割協議書を提出する場合、相続放棄申述受理通知書を提出します。

法務局や金融機関に相続手続をする場合、相続放棄申述受理通知書のコピーで手続できません。

相続放棄申述受理通知書原本を渡してくれない場合、家庭裁判所に相続放棄申述受理証明書を発行してもらいます。

⑤事件番号の確認

家庭裁判所は、相続放棄の申立てを受付けたら事件番号を決定します。

事件番号とは、相続放棄の申立てを管理するための管理番号です。

相続放棄申述受理通知書には、事件番号が記載されています。

相続手続先に相続放棄申述受理通知書を提示したくても、相続放棄をした人の協力が得られないことがあります。

相続放棄申述受理通知書を渡してくれない場合、他の相続人は相続放棄申述受理証明書の発行請求をすることができます。

相続放棄申述受理証明書の発行を受ける場合、相続放棄の事件番号が必要です。

相続放棄申述受理通知書を渡してくれなくても、事件番号を確認してくれることがあります。

事件番号を確認してくれなくても、相続放棄の事件番号を調べることができます。

相続放棄申述受理証明書を発行してもらって、相続手続を進めることができます。

3相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書のちがい

ちがい①書類の性質

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果通知です。

相続放棄の申立てをした人に、送付されます。

相続放棄申述受理証明書は、相続放棄を受理した事実の証明書です。

相続放棄が認められた人だけでなく、債権者や他の相続人が取得することができます。

ちがい②取得方法

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てをした人に自動で送付されます。

相続放棄申述受理証明書は、受理証明の発行請求をした人が取得できます。

家庭裁判所の窓口へ請求することもできるし、郵送請求をすることもできます。

ちがい③手数料

相続放棄申述受理通知書は、無料で発行されます。

相続放棄申述受理証明書は、発行手数料がかかります。

1通150円です。

発行請求書に収入印紙を貼り付けて、納入します。

ちがい④再発行

相続放棄申述受理通知書は、再発行されません。

相続放棄申述受理証明書は、必要数を発行してもらうことができます。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は撤回ができないので、慎重に判断する必要があります。

せっかく、相続放棄が認められても、相続財産を処分した判断されたら無効になりかねません。

このような行為をしてしまわないように、予め知識を付けておく必要があります。

相続放棄を自分で手続きしたい人の中には、相続放棄が無効になることまで考えていない場合が多いです。

司法書士は、相続放棄が無効にならないようにサポートしています。

せっかく手続しても、相続放棄が無効になったら意味がありません。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

孫が相続放棄

2026-05-24

1相続放棄ができるのは相続人だけ

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

相続人になる人は、民法で決められています。

相続人になる人は、次のとおりです。

(1)配偶者は、必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②孫が相続人になったときだけ孫が相続放棄

相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続人になる人は、法律で決められています。

相続人以外の人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができません。

相続人以外の人は、相続放棄をすることができません。

孫が相続人になる場合、孫は相続放棄をすることができます。

孫が相続放棄をするのは、孫が相続人になったときだけです。

被相続人の子どもが相続人になる場合、原則として孫は相続人ではありません。

相続人でないのに、相続放棄をすることはできません。

家庭裁判所に相続放棄の書類を提出しても、受付けてもらえません。

③遺贈を受けても相続人ではない

相続人以外の人に、財産を引き継ぎたいことがあります。

被相続人は遺言書を作成して、相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことができます。

遺贈とは、遺言書で相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

遺贈で財産を引き継ぐ人は、相続人ではなく受遺者です。

相続人であっても相続人以外の人であっても、受遺者になることができます。

受遺者と相続人は、どちらも相続財産を引き継ぎます。

遺贈を受けても、相続人になるわけではありません。

受遺者は遺言書で自由に決めることができるけど、相続人は民法で決められているからです。

遺贈を受けても、相続人でない孫は相続人ではありません。

遺贈を受けても、相続人である孫は相続人です。

相続人以外の人が遺贈を受けても、相続放棄をすることはできません。

相続放棄ができるのは、相続人だけだからです。

④遺贈の放棄は別の手続

遺言者は、ひとりで遺言書を作成することができます。

相続人や受遺者の意見を聞かずに、一方的に遺言書を作成することができます。

遺言書に書いてあるとは言っても、遠慮したいことがあります。

受遺者に、財産を受け取る義務はありません。

受遺者は、遺贈を放棄することができます。

遺贈の放棄は、相続放棄とは別の手続です。

遺贈を放棄したい場合、相続放棄ではなく遺贈を放棄する手続をします。

2孫が相続放棄

①孫が代襲相続人だから相続放棄

(1)子どもが先に死亡したら代襲相続

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

相続人になるはずだったのに、子どもが先に死亡することがあります。

相続人になるはずだった子どもが先に死亡した場合、孫が相続人になります。

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合に相続人になるはずだった人の子どもが相続することです。

孫が相続人になるから、孫が相続放棄をすることができます。

(2)他の子どもが健在でも代襲相続

被相続人に複数の子どもがいる場合、複数の子どもは平等に相続人になります。

一部の子どもが先に死亡した場合、先に死亡した子どもについて代襲相続が発生します。

他の子どもが健在であっても、代襲相続が発生します。

先に死亡した子どもの子どもが代襲相続人です。

代襲相続人である孫は、相続放棄をすることができます。

代襲相続人は、相続人だからです。

(3)代襲相続人が各自で相続放棄の手続

先に死亡した子どもに、複数の子どもがいることがあります。

先に死亡した子どもの子ども全員が代襲相続人です。

各相続人が単独で、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

一部の孫が単純承認をしても、他の孫が相続放棄をすることができます。

相続放棄を希望する場合、代襲相続人が各自で相続放棄の申立てをします。

一部の孫が勝手に、他の孫の相続放棄の手続をすることはできません。

②孫と養子縁組をしたから相続放棄

(1)養子縁組で親子になる

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

養子縁組とは、法律上の親子関係を作る手続です。

相続人になる子どもとは、血縁関係がある子どもだけではありません。

被相続人と養子縁組をした養子は、被相続人の子どもです。

血縁関係がある子どもがいても、養子は相続人になります。

血縁関係がある子どもがいても、養子は被相続人の子どもだからです。

被相続人が孫と養子縁組をすることがあります。

孫と養子縁組をした場合、孫は被相続人の子どもになります。

孫と養子縁組をして、被相続人は孫と親子になったからです。

(2)被相続人の子どもが健在でも孫は相続人

相続人になるはずだった子どもが先に死亡した場合、孫が相続人になります。

相続人になるはずだった子どもが先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

相続人になるはずだった子どもが死亡などした場合のみ、孫が代襲相続人になります。

孫と養子縁組をした場合、養子は被相続人の子どもです。

被相続人の実子である養子の親が死亡していても健在でも、養子は相続人になります。

養子は、被相続人の子どもだからです。

養子は相続人になるから、相続放棄をすることができます。

(3)養子の親が先に死亡したとき養子は代襲相続人になる

被相続人が孫と養子縁組をした場合、孫には2つの身分があります。

子どもである身分と子どもの子どもである身分です。

普通養子による養子縁組をしても、養子と実親との親子関係は終了しません。

被相続人の実子である養子の親が先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

孫は被相続人の子どもだから、相続人です。

孫は被相続人の実子の子どもだから、代襲相続人です。

被相続人が孫と養子縁組をした場合、孫には相続人と代襲相続人の身分があります。

(4)養子は相続人と代襲相続人をまとめて相続放棄ができる

養子の親が先に死亡した場合、孫には相続人と代襲相続人の身分があります。

孫は、相続人と代襲相続人の身分両方をまとめて相続放棄をすることができます。

③再転相続で孫が相続放棄

(1)相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

(2)相続があったことを知らないまま相続人が死亡

被相続人と子どもが疎遠になっていることは、少なくありません。

相続があったことを知らないまま、疎遠な相続人が死亡することがあります。

相続があったことを知らないまま死亡しているので、相続放棄の期限3か月がスタートしていません。

疎遠な相続人の子どもは、再転相続人です。

再転相続人とは、相続人の死亡によって相続を単純承認するか相続放棄をするか選択する権利を引き継いだ人です。

孫は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択する権利を引き継いでいます。

(3)再転相続人が各自で相続放棄の手続

相続があったことを知らないまま死亡した子どもに、複数の相続人がいることがあります。

相続があったことを知らないまま死亡した子どもの相続人全員が再転相続人です。

各相続人が単独で、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

一部の孫が単純承認をしても、他の孫が相続放棄をすることができます。

相続放棄を希望する場合、再転相続人が各自で相続放棄の申立てをします。

一部の孫が勝手に、他の孫の相続放棄の手続をすることはできません。

④未成年の孫は自分で相続放棄ができない

未成年者は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができません。

通常、契約などの法律行為をする場合、親などの親権者が代わりに手続をします。

親などの親権者と孫が同時に相続人である場合、親などの親権者は原則として未成年者を代理することはできません。

親などの親権者と孫が同時に相続人である場合、利益相反になるからです。

利益相反とは、一方がソンすると他方がトクする関係です。

未成年者の利益を守るため、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらいます。

特別代理人が未成年者を代理して、相続放棄をします。

⑤親権者と未成年者は同時に相続放棄ができる

特別代理人が未成年者を代理するのは、未成年者の利益を守るためです。

未成年者の利益が守られるなら、親権者が未成年者を代理することができます。

親権者があらかじめ相続放棄をした場合や親権者が未成年者と同時に相続放棄をする場合、未成年者の利益が侵害されません。

親権者が未成年者を代理して、相続放棄をすることができます。

3子どもが相続放棄をしても孫は相続人ではない

①相続放棄で代襲相続は発生しない

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、子どもの子どもは相続しません。

子どもが相続放棄をした場合、代襲相続が発生しないからです。

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、はじめから相続人でなかったとみなされます。

相続人でなくなるから、代襲相続もあり得ません。

被相続人の借金から逃れるために相続放棄をした場合、代襲相続がされないので安心です。

②孫が相続放棄をする必要はない

被相続人の子どもが相続放棄をしても、孫は相続人になりません。

孫は相続人でないから、相続放棄をすることはできません。

孫は相続人でないから、借金を相続する心配はありません。

被相続人の子ども全員が相続放棄をしても、孫は相続人になりません。

被相続人の子ども全員が相続放棄をしたら、親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属は、次順位の人だからです。

4相続放棄と遺贈の放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄も包括遺贈の放棄もプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。

相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。

実は、放棄ができるのはその相続でチャンスは実質的には1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらえやすい書類を作成することができます。

しかも相続放棄も遺贈の放棄も、原則として、撤回ができません。

3か月の期間内に手続するのは思ったよりハードルが高いものです。

特定遺贈は、承認する場合も放棄する場合も、法律の知識が欠かせません。

相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄ができなくなる行為と問題ない行為

2026-04-24

1単純承認で相続放棄は無効になる

①相続放棄は家庭裁判所の手続

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。

相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

②相続財産を利用処分すると単純承認

相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続人でなくなるから、相続財産を利用処分することはできません。

相続財産を利用処分したら、単純承認をしたと見なされます。

単純承認をしたら、相続放棄はできません。

相続財産を利用処分する行為は、単純承認を前提とする行為だからです。

相続財産を利用処分したか、客観的に判断します。

相続財産を利用処分する意図はなかったなどは、理由になりません。

家庭裁判所が相続放棄申述受理通知書を発行しても、相続放棄は無効です。

相続財産を利用処分したら、債権者は相続放棄の無効を主張して裁判を起こすことができます。

③相続放棄は各相続人が自分で判断する

相続が発生したら、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続を単純承認するか相続放棄をするか、各相続人が自分の意思で判断することができます。

財産を処分するか、他の相続人に強制されることはありません。

他の相続人や親族に言われて財産処分をしても、単純承認と判断されます。

客観的に単純承認を見なされる行為をしたら、取り返しが尽きません。

・焦っていた

・財産が分からなかった

・親族に言われた

どれも、理由になりません。

2相続放棄ができなくなる行為と問題ない行為

①処分行為の判断基準

処分とは、財産の現状、価値、帰属を変更する行為です。

処分行為にあたるか、次の点で判断されます。

・財産の経済的価値を減少させたか

・財産の経済的価値を移転させたか

・財産の権利関係を変更させたか

・相続人として所有者的意思を外形的に表現したか

②売却や譲渡→相続放棄ができなくなる行為

売却や譲渡は、相続財産の権利が第三者に移転する行為です。

具体的には、不動産や株式などを売却することや譲渡することです。

財産の経済的価値を移転させたと言えます。

財産の権利関係を変更させたと言えます。

相続財産の売却や譲渡をした場合、単純承認と判断されます。

③贈与や無償譲渡→相続放棄ができなくなる行為

(1)贈与や無償譲渡は処分行為

贈与や無償譲渡は、相続財産を自分のものとして扱う行為です。

具体的には、高価な形見分けや財産の持出すことです。

自分のものとして扱うから、贈与や無償譲渡ができるからです。

相続人として所有者的意思を外形的に表現したと言えます。

贈与や無償譲渡をした場合、単純承認と判断されます。

(2)廃棄物の処分→問題ない行為

被相続人の自宅などで、古新聞や壊れた家具などが見つかることがあります。

古新聞や壊れた家具などに、経済的価値がないことは明らかです。

古新聞や壊れた家具などを廃棄しても、財産の経済的価値を減少させたとは言えません。

廃棄物を処分しても、単純承認と判断されません。

(3)軽微な形見分け→問題ない行為

被相続人の自宅などで、家族にとっての思い出の品が見つかることがあります。

例えば、家族の写真や被相続人の日記などです。

家族の写真や被相続人の日記などに、経済的価値がないことは明らかです。

家族にとっての思い出の品を受け取っても、財産の経済的価値を減少させたとは言えません。

経済的価値がほとんどない形見分けを受け取っても、単純承認と判断されません。

(4)事故車や不動車の廃車→ほとんど問題ない行為

経済的価値がある財産を処分したら、単純承認と判断されるのは明らかです。

経済的価値が高い自動車を処分したら、単純承認と判断されます。

事故車や不動車を廃車にするとき、わずかにパーツ代やスクラップ代が発生することがあります。

金銭の受け取りがあれば、売却と評価される余地があります。

わずかなパーツ代やスクラップ代は、相続財産全体に対する影響は少ないでしょう。

ほとんど影響がない場合、処分行為と評価されることはほとんどありません。

事故車や不動車を廃車にしても、ほとんど単純承認と判断されません。

④遺産分割協議→相続放棄ができなくなる行為

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺産分割協議を成立させる行為は、単純承認と考えられています。

たとえ相続財産を一切受け取らない合意をしても、単純承認と判断されます。

遺産分割協議は、相続人であることを前提とした処分行為だからです。

遺産分割協議を成立させた場合、単純承認と判断されます。

⑤相続登記や名義変更→相続放棄ができなくなる行為

(1)名義変更は権利取得を前提とする行為

被相続人が不動産を保有していた場合、相続人は不動産の名義変更をします。

相続登記とは、不動産の名義変更です。

相続財産の名義変更は、相続人として財産を取得する意思の表れです。

相続人として所有者的意思を外形的に表現したと言えます。

相続登記や名義変更をした場合、単純承認と判断されます。

(2)他の相続人が相続登記→問題ない行為

遺産分割協議が成立した後に、相続登記をすることが一般的です。

遺産分割協議が長引く場合、法定相続分で相続人全員が共有する相続登記をすることができます。

法定相続分で相続人全員が共有する相続登記は、一部の相続人が申請することができます。

自分が関与していないのに、相続登記がされることがあります。

相続登記がされても、相続人として所有者的意思を外形的に表現したとは言えません。

他の相続人が相続登記をした場合、単純承認と判断されません。

⑥権利の設定や変更→相続放棄ができなくなる行為

相続が発生した後に、新たな権利関係を設定したり変更したりする行為です。

具体的には、不動産に抵当権を設定する行為や賃貸借契約を締結する行為です。

財産の権利関係を変更させたと言えます。

権利の設定や変更をした場合、単純承認と判断されます。

⑦債権の回収や受領→相続放棄ができなくなる行為

(1)債権回収は財産の減少行為

被相続人が第三者に対して、売掛金や貸金などの債権を持っていることがあります。

被相続人の債権は、相続財産です。

売掛金や貸金などの債権を回収すると、債権が減少します。

財産の経済的価値を減少させたと言えます。

債権の回収や受領をした場合、単純承認と判断されます。

(2)還付金の受取り→相続放棄ができなくなる行為

被相続人の死亡によって、納め過ぎになった税金や保険料が還付されることがあります。

還付金は、本来、被相続人が受け取るはずの金銭です。

還付金を受け取ると、単純承認と判断されます。

還付金を受け取る権利は、相続財産だからです。

たとえ市区町村役場などから還付金の案内があっても、還付金を受領する行為は単純承認と判断されます。

わずかな金額であっても、相続放棄ができなくなります。

市区町村役場は行政サービスの一環として、一律に案内しているだけです。

市区町村役場からの案内に応じただけであっても、相続放棄ができなくなります。

⑧銀行などの預貯金の解約→相続放棄ができなくなる行為

(1)口座凍結→問題ない行為

銀行などの預貯金口座の持ち主が死亡した場合、金融機関は口座を凍結させます。

口座凍結とは、口座取引の停止です。

金融機関が持ち主の死亡を知ったタイミングで、凍結させます。

金融機関が口座を凍結させても、単純承認と判断されません。

口座凍結は、財産を保全する行為だからです。

相続人が口座凍結の連絡をしても、単純承認と判断されません。

口座凍結は、相続放棄に問題ない行為です。

(2)預貯金の引出して自分のために使う→相続放棄ができなくなる行為

口座の持ち主が死亡しても、相続人が連絡しなければ口座は凍結されません。

口座凍結前に、相続人が預貯金を引き出すことがあります。

相続人が預貯金を引き出して自分のために使った場合、財産の経済的価値を減少させたと言えます。

財産の経済的価値を減少させたから、単純承認と判断されます。

遺産分割協議は、相続人であることを前提とした処分行為だからです。

(3)預貯金の引出して保管→問題ない行為

凍結前の口座から預貯金を引き出すだけでは、単純承認と判断されません。

預貯金の引出して自分のために使った場合に、単純承認と判断されます。

預貯金の引出して保管していたことは、引出した人が立証する必要があります。

引出した後すぐに保管用口座に移していた場合、保管していたことを立証できるでしょう。

引出した後、現金で保管した場合、証拠がありません。

引出した人が自分のために使った可能性があると判断されます。

引出した人が自分のために使った可能性がある場合、単純承認と判断されます。

確かに預貯金を引出して保管は、問題ない行為です。

わざわざ預貯金を引出して保管する行為は、おすすめできません。

⑨相続財産調査→問題ない行為

相続放棄をするか単純承認をするか判断するために、相続財産調査をすることができます。

相続人は単独で、相続財産調査をすることができます。

相続財産調査では、次の点を調査することが多いでしょう。

・通帳記入や残高証明書の発行請求

・名寄帳の取得、不動産の登記簿謄本の取得

・信用情報機関への照会

相続財産調査は、財産処分とは無関係です。

相続財産調査をしても、単純承認と判断されません。

相続財産調査をしても相続財産調査をしなくても、相続放棄をすることができます。

⑩葬儀費用は固有の財産から支出が安全

(1)社会通念上相当の葬儀費用は相続財産から支出できる

葬儀は、人生最後の儀式として重要なものです。

社会通念上相当の葬儀費用は、相続財産から支出しても単純承認にならないという判例があります。

(2) 社会通念上相当はあいまいな基準

相続財産から支出しても単純承認にならないのは、社会通念上相当の葬儀費用です。

社会通念上相当と言える基準は、あいまいです。

一律〇万円など、分かりやすい基準ではありません。

相続人が社会通念上相当と言えると考えても、他の人はちがう考えがあります。

社会通念上相当以上の葬儀費用である場合、単純承認と判断されます。

(3)安全なのは固有の財産から支出

葬儀費用は、葬儀の主宰者や親族などが負担することが一般的です。

葬儀の主宰者や親族などが固有の財産から支出する場合、単純承認と判断される心配はありません。

安全なのは、固有の財産から支出する方法です。

3相続放棄の期限3か月が迫っても単純承認

①相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月以内です。

相続があったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に手続をします。

②期限3か月以内でも単純承認

相続財産を利用処分すると、単純承認と見なされます。

相続放棄の期限3か月以内であっても、単純承認と見なされたら相続放棄はできなくなります。

③分からないときは専門家に相談

相続財産を利用処分すると、取り返しがつきません。

単純承認は、客観的に判断されるからです。

相続放棄の期限3か月が迫ると、焦りから財産処分をしてしまいがちです。

単純承認になるか分からないときは、あらかじめ専門家に相談することがおすすめです。

単純承認となる行為をした後に、できることはほとんどありません。

④熟慮期間伸長の申立て

相続を単純承認するか相続放棄をするか、相続人の自己責任と考えられています。

相続人は財産を調査して、判断しなければなりません。

相続財産が海外に多数存在するなどの事情があると、3か月の期限内に調査しきれないことがあるでしょう。

家庭裁判所に対して、熟慮期間伸長の申立てをすることができます。

家庭裁判所の判断で、熟慮期間を伸長してもらうことができます。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。

相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

家庭裁判所で認められないと、相続放棄のメリットは受けられません。

実は、相続放棄はその相続でチャンスは実質的には1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできます。

高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます

一挙に、ハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は慎重に判断する必要があるうえ、いろいろな誤解から利用をためらうことがあるでしょう。

利用をためらっていると、期限3か月はあっという間です。

3か月以内に必要書類を揃えて手続をするのは想像以上にハードルが高いものです。

相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

死亡届提出後も相続放棄ができる理由

2026-04-06

1相続放棄で相続人でなくなる

①相続放棄は家庭裁判所の手続

相続が発生したら、一定の人が相続人になります。

相続人になる人は、法律で決められています。

相続人は、相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

相続放棄は、家庭裁判所の手続です。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

②相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月以内です。

相続があったことを知ってから3か月以内の期間のことを熟慮期間と言います。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

被相続人が死亡してから、3か月以内ではありません。

相続財産を相続することを知ってから、3か月以内です。

③死亡届は戸籍法上の義務

人が死亡したら、死亡届を提出します。

死亡届を提出することは、事実の報告です。

死亡届には、提出義務があります。

次の人には、届出義務が課されています。

(1)同居の親族

(2)その他の同居者

(3)家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人

上記の順序に従って、死亡届の届出義務が課されます。

先順位の届出義務者がいても、死亡届を提出することができます。

届出義務者でなくても、届出資格者は死亡届を提出することができます。

届出義務者には、相続人でない人が含まれています。

家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人は、相続人ではないでしょう。

相続とは無関係に、死亡届の届出義務が課されます。

2死亡届提出後も相続放棄ができる理由

理由①制度の目的がちがうから

(1)死亡届は事実の報告

死亡届を提出することは、事実の報告です。

その人の死亡という事実を公的に記録する手続です。

事実を報告するだけの単なる届出です。

死亡届は事実の報告だから、医師による死亡診断書に基づき提出します。

死亡の事実を報告しただけだから、相続とは無関係です。

(2)相続放棄は相続しない意思表示

相続放棄は、家庭裁判所に対する意思表示です。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄は、相続人としての地位を引き受けない意思表示です。

制度の目的がちがうから、死亡届提出後も相続放棄ができます。

理由②死亡届は財産処分ではないから

相続人は、相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。

相続を単純承認したら、相続放棄をすることはできません。

単純承認も相続放棄も、撤回することができないからです。

相続放棄をする前に相続財産を利用処分したら、単純承認とみなされます。

相続財産を利用処分することは、単純承認を前提とする行為だからです。

相続放棄をする前に単純承認をしたら、家庭裁判所が相続放棄を認めても無効です。

死亡届を提出することは、相続財産を利用処分することではありません。

単なる事実の報告だから、単純承認と見なされることはありません。

死亡届は財産処分ではないから、死亡届提出後も相続放棄ができます。

理由③死亡届には義務が課されているから

死亡届の提出は、戸籍法上の義務が課されています。

死亡届を提出しないと、火葬することができません。

死亡届を提出しないと、戸籍に死亡が記載されません。

相続放棄の手続では、被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本を提出します。

死亡届を提出しないと、相続放棄の手続が進められなくなります。

仮に死亡届を提出したことで相続放棄ができないとすると、不合理な結果となります。

相続手続を進めることはできないし、死後事務を進めることができなくなるからです。

死亡届には義務が課されているから、死亡届提出後も相続放棄ができます。

理由④相続放棄3か月のスタートと無関係

死亡届の提出には、提出期限があります。

死亡の事実を知ってから、7日以内です。

現実的には死亡届が提出されないまま、放置されることはあまりありません。

死亡届を提出しないと、火葬ができないからです。

相続放棄の期限は、相続があったことを知ってから3か月以内です。

死亡届を提出した後に相続放棄の申立てをするのが現実的です。

死亡届の提出と相続放棄3か月のスタートは、無関係です。

相続放棄の期限3か月のスタートは、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってからだからです。

死亡届の提出しても、相続放棄の期限3か月がスタートしていないことがあります。

相続放棄3か月のスタートと無関係だから、死亡届提出後も相続放棄ができます。

3死亡届提出後に借金が発覚

①被相続人の財産状況が分からない

相続が発生したら、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産はすべて相続人が相続します。

被相続人の財産状況をすべて共有する家族は、ほとんど存在しません。

被相続人の経済活動も、共有していないことが多いでしょう。

借金があることを家族に秘密にすることは、割とよくあります。

借金があるか分からないのは、当然と言えます。

②死亡届提出後に各相続人が相続財産調査

相続を単純承認するか相続放棄をするか判断するため、相続財産を調査することが一般的です。

相続財産を調査するにあたって、他の相続人が協力しないことは珍しくありません。

相続人はだれでも、単独で相続財産を調査することができます。

遺産分割をするためには、相続人全員の協力が不可欠です。

相続財産を調査することは、遺産分割ではありません。

相続を単純承認するか相続放棄をするか判断するための前提行為に過ぎません。

他の相続人の協力がなくても、判断を先延ばしすることはできません。

自分で相続財産調査をして、自分で相続を単純承認するか相続放棄をするか判断します。

③借金があるか分からないときの調査リスト

方法(1)信用情報機関に開示請求

信用情報機関とは、個人の借入れや返済状況を管理している機関です。

相続人はだれでも単独で、信用情報機関に対しての開示請求をすることができます。

他の相続人の同意は、不要です。

主な信用情報機関は、次の3つです。

・株式会社シー・アイ・シー(CIC)

・株式会社日本信用情報機構(JICC)

・全国銀行個人信用情報センター

被相続人の信用情報を確認すると、次のことが判明します。

・銀行からの借入れ

・クレジットカード債務

・カードローン

・消費者金融からの借入れ

・保証債務の一部

借金があるか分からない不安の多くを客観的に確認することができます。

方法(2)郵便物の確認

相続が発生しても、債権者は死亡を知らないことがほとんどです。

被相続人あてに、郵便物が届くことがあります。

郵便物を確認すると、借金があるか手がかりをつかむことができます。

・督促状

・金融機関などからの通知

方法(3)預貯金口座の取引履歴を取得

銀行などの預貯金口座は、日常生活に欠かせません。

被相続人の預貯金口座を探して、取引履歴を取得します。

相続人はだれでも相続人であることを証明して、単独で取引履歴を請求することができます。

被相続人の取引履歴を確認すると、次のことが判明します。

・定期的な返済

・利息の引落

・不審な送金

取引履歴から被相続人の経済活動を把握することができます。

方法(4)不動産の担保確認

被相続人が不動産を保有している場合、不動産を担保に差し出していることがあります。

法務局で、登記簿謄本を取得します。

不動産の登記簿謄本は、相続人でも相続人以外の人でも取得することができます。

不動産を担保に差し出すと、抵当権や根抵当権が登記されています。

登記簿謄本を確認すると、抵当権者や根抵当権者が判明します。

方法(5)会社関係の確認

被相続人が会社を経営していたケースがあります。

被相続人が代表者である場合、会社に債務について連帯保証をしていることがあります。

会社が借入をする場合、代表者が連帯保証をする慣行があるからです。

代表者が連帯保証をしているか確認するためには、会社の協力が必要です。

④借金を相続することを知ってから相続放棄の期限3か月がスタート

債務者が死亡しても、金融機関などの債権者は死亡の事実を知ることができません。

たとえ死亡の事実を知っても、積極的に債権があることを通知しません。

相続放棄の期限は、3か月です。

死亡から長期間経過した後に、返済の催促があるかもしれません。

相続放棄の期限3か月がスタートするのは、知ってからです。

相続財産を相続することを知ってから、3か月以内なら手続をすることができます。

借金は、相続財産です。

返済の催促があってから3か月以内であれば、相続放棄をすることができます。

⑤単純承認をすると相続放棄が無効になる

相続を単純承認したら、相続放棄をすることはできません。

単純承認も相続放棄も、撤回することができないからです。

相続放棄をする前に相続財産を利用処分したら、単純承認とみなされます。

相続財産を利用処分することは、単純承認を前提とする行為だからです。

例えば、次の行為は単純承認と見なされます。

・被相続人の預貯金を引き出して自分のために使う

・不動産などの名義変更

・遺産分割協議を成立させる

・経済的価値がある財産の売却

例えば、次の行為は単純承認と見なされません。

・段ボールや古新聞など明らかに不用品の廃棄

・郵便物の確認や開封

・死亡届の提出

・金融機関などへの問合わせ

返済の催促があってから3か月以内であっても、単純承認をしていたら相続放棄はできません。

⑥葬儀の主宰者になっても相続放棄はできる

死亡届を提出する人は、葬儀の主宰者であることが多いでしょう。

死亡届を提出しても、相続放棄をすることができます。

葬儀の主宰者になっても、相続放棄をすることができます。

葬儀の主宰者になることは、相続財産の処分ではないからです。

葬儀費用を相続財産から支出すると、相続財産の処分と判断されるでしょう。

確かに相当な葬儀費用であれば相続財産から支出しても、単純承認とは言えません。

葬儀費用を相続財産から支出することは、おすすめできません。

相当な葬儀費用は、あいまいな基準だからです。

あえて危ない橋を渡る必要は、ありません。

葬儀の主宰者の固有の財産から支出するほうが安全です。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は撤回ができないので、慎重に判断する必要があります。

被相続人の死亡後3か月以内の相続放棄と較べると、3か月以上経過した相続放棄は難易度が高くなります。

認められる条件を満たしていても、書面で適切に表現しなければ伝わらないからです。

家庭裁判所が知りたいことを無視した作文では、何の意味もありません。

相続放棄が認められる条件を満たしていることを家庭裁判所に納得してもらう必要があります。

相続放棄を自分で手続したい人の中には、戸籍や住民票だけで認められるとカンタンに考えている人がいます。

司法書士は、このような難易度が高い相続放棄にも対応しています。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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