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成年後見人を解任しても成年後見は解除できない
1成年後見人(法定後見人)を解任できる
認知症や精神障害や知的障害などで判断能力が低下すると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。
記憶があいまいになる人もいるでしょう。
ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。
成年後見人(法定後見人)は、本人をサポートする人です。
成年後見人(法定後見人)がサポートに適さない場合、家庭裁判所は成年後見人(法定後見人)を解任することができます。
本人のサポートと無関係な理由で解任することはできません。
2成年後見人(法定後見人)を解任する条件は厳しい
①不正な行為があった場合は成年後見人(法定後見人)を解任できる
不正な行為の典型例は、本人の財産の使い込みです。
本人の財産を成年後見人(法定後見人)が自分の生活費などに使う行為は、横領などの犯罪でもあります。
利益相反行為は、不正な行為にあたります。
利益相反とは、一方がトクすると他方がソンする関係のことです。
例えば、成年後見人(法定後見人)が自分の借金をするために、本人の不動産を担保に差し出すことは、利益相反になります。
利益相反にあたる場合、成年後見人(法定後見人)は本人を代理できません。
②著しい不行跡があった場合は成年後見人(法定後見人)を解任できる
著しい不行跡とは、品性または素行が甚だしく悪いことです。
成年後見人(法定後見人)の品性や素行が著しく悪い場合、本人の財産管理に悪影響が起きかねないからです。
③後見の任務に適さない場合は成年後見人(法定後見人)を解任できる
財産管理が不適当である
成年後見人(法定後見人)としての義務違反
成年後見人(法定後見人)が病気療養のため、職務ができない
成年後見人(法定後見人)が遠方に転居したため、職務ができない
任務に適さない場合には、上記のような理由が考えられます。
④家族の希望で成年後見人(法定後見人)を解任できない
家族の意向をかなえてくれないから成年後見人(法定後見人)を代えて欲しいという希望は多いものです。
ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。
本人を適切にサポートをしているのであれば、成年後見人(法定後見人)を解任できません。
成年後見人(法定後見人)の愛想がよくないから、代えて欲しい
成年後見人(法定後見人)が家族でないから、代えて欲しい
成年後見人(法定後見人)の後見方針に賛成できないから、代えて欲しい
成年後見人(法定後見人)が気に入らないから、代えて欲しい
成年後見人(法定後見人)が誠実に職務を行っている場合、成年後見人(法定後見人)を解任できません。
家族の意向をかなえてくれない、愛想がよくないなどは、本人のサポートとは無関係な理由です。
本人のサポートと無関係な理由で解任することはできません。
3成年後見人(法定後見人)を解任するのは家庭裁判所
①成年後見人解任の申立てが必要
成年後見人(法定後見人)を解任する条件は、法律に定めがあります。
解任する条件は、とても厳しいです。
厳しい条件にあてはまる事実があった場合、家庭裁判所に申立てをします。
成年後見人(法定後見人)を解任する条件にあてはまると家庭裁判所が認める場合、家庭裁判所が解任します。
成年後見人(法定後見人)が不正な行為をしていることが明白な場合であっても、家族は解任することはできません。
家族は、成年後見人(法定後見人)が不正な行為をしている客観的証拠を集めて、申立てをします。
家庭裁判所に対して成年後見人解任の申立てをして、家庭裁判所に解任してもらいます。
家族が不正な行為をしているというだけでは、家庭裁判所は認めてくれないでしょう。
解任してもらうためには、家庭裁判所が納得できる客観的証拠を準備しなければなりません。
②成年後見人解任の申立てができる人
成年後見人解任の申立てができる人は、次のとおりです。
(1)後見監督人
(2)被後見人
(3)被後見人の親族
(4)検察官
家庭裁判所は、申立てがなくても職権で成年後見人(法定後見人)を解任することができます。
③成年後見人解任の申立先
成年後見人解任の申立書の提出先は、成年後見開始の審判をした家庭裁判所です。
④成年後見人解任の申立ての必要書類
成年後見人解任の申立てに必要な書類は、次のとおりです。
(1)申立人の戸籍謄本(親族が申し立てる場合)
(2)本人の戸籍謄本
(3)本人の住民票または戸籍の附票
(4)後見登記事項証明書
成年後見人解任の申立てには、手数料がかかります。
手数料は、申立書に収入印紙を貼り付けて納入します。
収入印紙は、郵便局やコンビニエンスストアで購入することができます。
収入印紙は貼り付けるだけで、消印をせずに提出します。
必要書類とは別に、家庭裁判所が使う郵便切手を提出する必要があります。
提出する郵便切手は、各家庭裁判所で異なりますから問い合わせをするといいでしょう。
⑤成年後見人(法定後見人)が解任されたら後任の成年後見人(法定後見人)が選任される
ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。
本人が物事のメリットデメリットを充分に判断することができないことを確認して、成年後見開始の審判がされます。
本人は物事のメリットデメリットを充分に判断することができないから、サポートする人をなしにするわけにはいきません。
成年後見の制度は本人のサポートのための制度だからです。
家族が、本人のサポートは不要ですと主張しても意味はありません。
成年後見人(法定後見人)が解任されたら、新しい成年後見人(法定後見人)が選任されます。
後任の成年後見人(法定後見人)をだれにするのか、家庭裁判所が決めます。
家庭裁判所の人選に家族が不服を言うことはできません。
4成年後見を解除することはできない
①判断能力が回復したら成年後見をやめることができる
成年後見人(法定後見人)が解任されたら、新しい成年後見人(法定後見人)が選任されます。
成年後見制度の利用をやめたわけではないからです。
成年後見制度を使い続ける限り、成年後見人(法定後見人)が死亡しても、解任されても、辞任しても、新しい成年後見人(法定後見人)が選任されます。
成年後見制度は、原則として、やめることができません。
成年後見制度をやめることができるのは、本人の判断能力が回復したときです。
判断能力が回復した診断書がある場合、成年後見制度をやめることができます。
本人や家族が、判断能力が回復したと主張するだけでは、成年後見をやめることができません。
②遺産分割や不動産の売却が終わっても成年後見をやめることはできない
認知症の人が相続人になる相続が発生した場合があります。
認知症の人の不動産を売却する必要がある場合があります。
遺産分割協議や不動産の売却の必要がある場合、成年後見開始の審判を申し立てるきっかけになります。
成年後見制度を使うきっかけとなった遺産分割や不動産売却が終わった場合でも、成年後見をやめることはできません。
ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度だからです。
ひとりで判断することができない人を放置することは許されません。
家族が成年後見人(法定後見人)は不要だからやめたいと希望しても、本人の保護のため成年後見(法定後見)は続きます。
5成年後見開始の申立てを司法書士に依頼するメリット
認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。
また、記憶があいまいになる人もいるでしょう。
このような場合に、ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。
本人自身も不安になりますし、家族も不安になります。
身のまわりの不自由を補うために、身近な家族がお世話をすることが多くなるでしょう。
成年後見の申立ては家庭裁判所へ手続が必要です。
身のまわりのお世話をしている家族が本人の判断能力の低下に気づくことが多いです。
身のまわりのお世話をしながら、たくさんの書類を用意して煩雑な手続をするのは負担が大きいでしょう。
司法書士は裁判所に提出する書類作成もサポートしております。
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孫が代襲相続人
1孫が代襲相続する
①代襲相続とは
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は次のとおりです。
(1)配偶者は必ず相続人になる
(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども
(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
(4)被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。
これを代襲相続と言います。
相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。
代襲相続ができるのは、相続人になるはずだった人の子どもなど被代襲者の直系卑属だけです。
相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。
被代襲者の子どもなど被代襲者の直系卑属以外は代襲相続ができません。
被代襲者の配偶者も、被代襲者の親などの直系尊属も、被代襲者の兄弟姉妹も、代襲相続ができません。
②代襲相続になる原因
(1)相続人が死亡したら代襲相続する
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合です。
実際に死亡した場合の他に、失踪宣告を受けて死亡したものと扱われる場合も、代襲相続が発生します。
被相続人の死亡後、相続手続の途中で相続人が死亡した場合には、数次相続になります。
相続が発生したときに相続人が健在であれば、その後死亡しても代襲相続にはなりません。
(2)相続人が欠格になったら代襲相続する
欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度のことです。
欠格になる理由は法律で定められています。
主な理由は、被相続人を殺害したり、殺害しようとしたり、遺言書を偽造したり、遺言書を隠したりしたなどです。
法律で決められた理由があれば、家庭裁判所などの手続はなく、当然に、相続資格を失います。
相続人が相続欠格になる場合、代襲相続ができます。
(3)相続人が廃除されたら代襲相続する
相続人廃除とは、被相続人の意思で、相続人の資格を奪う制度のことです。
例えば、被相続人に虐待をした人に、相続をさせたくないと考えるのは自然なことでしょう。
相続人廃除は家庭裁判所に申立をして、家庭裁判所が判断します。
被相続人が相続人廃除したいと言い、相続人が廃除されていいと納得していても、家庭裁判所が相続人廃除を認めないことがあります。
相続人が相続人廃除になる場合、代襲相続ができます。
③子どもの子どもは代襲相続人になる
代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することです。
相続人になるはずだった人の子どもは、実子だけに限られません。
相続人になるはずだった人の養子も含まれます。
養子は、実子と同様に子どもになるからです。
相続人になるはずだった人の子どもは、他の人の養子になっても、相続人になるはずだった人の子どもです。
相続人になるはずだった人が離婚をした後、子どもが元配偶者に引き取られることがあります。
元配偶者が再婚する際に、子どもが再婚相手と養子縁組することがあります。
子どもが元配偶者に引き取られると、寂しい気持ちになるかもしれません。
元配偶者の再婚相手と養子縁組をしたと聞くと、子どもとの絆を失ったように感じるかもしれません。
元配偶者に引き取られても再婚相手と養子縁組をしても、子どもであることに変わりはありません。
相続人になるはずだった人の子どもだから、代襲相続人になります。
代襲相続人と疎遠になっていても音信不通でも、代襲相続人になります。
④直系の代襲相続はどこまでも続く
相続人になるはずだった人の子どもは、代襲相続人になります。
相続人になるはずだった人の子どもも被相続人より先に死亡した場合、子どもの子どもが代襲相続人になります。
直系の代襲相続には制限がありません。
直系の代襲相続は、どこまでも続きます。
2代襲相続人の相続分
①子どもの相続分が細分化される
相続人が配偶者と子どもの場合、相続分は配偶者2分の1、子ども2分の1です。
子どもが複数いる場合、法定相続分は人数で均等に分割します。
例えば子どもが3人の場合、配偶者2分の1、子どもは6分の1ずつです。
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった人の子どもが代襲相続します。
被相続人の子どもが被相続人より先に死亡した場合、子どもの子どもが代襲相続します。
孫が代襲相続をする場合、相続人になるはずだった人の相続分を細分化して引き継ぎます。
相続人になるはずだった人の相続分が6分の1だった場合、代襲相続人は6分の1の相続分を細分化して引き継ぎます。
代襲相続人が2人の場合、12分の1ずつです。
②他の相続人の相続分に影響はない
孫が代襲相続をする場合、相続人になるはずだった人の相続分を細分化して引き継ぎます。
他の相続人の相続分に影響はありません。
代襲相続が発生しても代襲相続が発生していなくても、他の相続人の相続分は変わりません。
他の相続人の相続分は、代襲相続があったことで増えることも減ることもありません。
③子どもの遺留分を代襲相続人が引き継ぐ
孫が代襲相続をする場合、相続人になるはずだった人の相続分を細分化して引き継ぎます。
孫が代襲相続をする場合、相続人になるはずだった人の遺留分も細分化して引き継ぎます。
遺留分とは、相続財産に対して、認められる最低限の権利のことです。
兄弟姉妹以外の相続人に認められます。
子どもは遺留分権利者です。
孫が代襲相続をする場合、子どもの遺留分を引き継いでいます。
3遺言書の内容は代襲相続できない
①財産を受け取る人が遺言者より先に死亡したら遺言内容は無効
遺言書を作成したときには元気だったのに、財産を受け取る人が遺言者より先に死亡することがあります。
財産を受け取る人がいない場合、その財産は相続人全員の共有財産になります。
財産を受け取るはずだった人の子どもなどが、代わりに受け取るのではありません。
遺言書は、遺言者が死亡したときに効力が発生します。
遺言書の効力が発生したときに財産を受け取る人がいない場合、遺言書の内容は無効になります。
遺言書の内容全体が無効になるのではありません。
先に死亡した人が受け取るはずだった財産の定めだけが無効になります。
②予備的遺言で孫に相続させることができる
財産を受け取る人が遺言者より先に死亡した場合、財産を受け取るはずだった人の子どもに相続させたいことがあります。
「遺言者より先に受遺者が死亡した場合、受遺者の子どもに遺贈する」遺言を作ることができます。
遺言者がこのような遺言をしたいのであれば、遺言書に明記しておく必要があります。
遺言書に書いてないのに、自動的に先に死亡した受遺者の子どもが代わりに受け取ることはできません。
③遺言書に記載がない財産は遺産分割協議が必要
遺言書の効力が発生したときに財産を受け取る人がいない場合、遺言書の内容は無効になります。
遺言書の内容が無効だから、遺言書に記載のない財産になります。
遺言書に記載のない財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の話し合いによる合意で決める必要があります。
4代襲相続させない遺言が見つかったら
①孫には遺留分がある
孫が代襲相続をする場合、相続人になるはずだった人の遺留分も細分化して引き継ぎます。
孫が代襲相続をする場合、子どもの遺留分を引き継いでいます。
孫が代襲相続人である場合、遺留分侵害額請求をすることができます。
②遺言書があっても遺産分割協議ができる
孫が代襲相続をする場合、子どもの遺留分を引き継いでいます。
孫の遺留分を侵害するような遺言書であっても、無効になるわけではありません。
一部の相続人の遺留分を侵害するような遺言書をそのまま執行した場合、大きなトラブルになるでしょう。
大きなトラブルに発展するのに、あえて執行する必要はありません。
相続人全員の話し合いで遺産分割をした方が合理的です。
遺言書があっても、相続財産の分け方について相続人全員の合意で決めることができます。
5代襲相続がある相続を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、被相続人のものは相続財産になります。
相続財産は相続人全員の共有財産ですから、分け方を決めるためには相続人全員の合意が必要です。
相続人の一部を含めない合意や相続人でない人を含めた合意は無効になります。
相続財産の分け方の話し合いの前提として、相続人の確定はとても重要です。
代襲相続や数次相続が発生している場合、一挙に難易度が上がります。
インターネットが普及したことで、多くの情報を手軽に得ることができるようになりました。
簡単に情報発信ができるようになったこともあって、適切でない情報も有益な情報もたくさん出回っています。
相続の専門家と名乗っていながら、適切でないアドバイスを見かけることも度々あります。
代襲相続や数次相続が発生している場合、信頼できる専門家のサポートが欠かせません。
スムーズに相続手続を行いたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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相続放棄しても債権者に通知義務はない
1家庭裁判所は本人にだけ通知する
被相続人が多額の借金を残して死亡したとき、相続人は相続放棄をするでしょう。
分かっている借入先だけでも相続人が返せる額ではない、あちこちから借りていたので、他からも借りているだろう、借入先を把握し切れないという場合があります。
相続放棄の申立をすると、借入先から何か言われるのではないかと心配する人がたくさんいます。
相続放棄の申立をすると、何かしら不利益を受けるのではないかと心配する人がたくさんいます。
被相続人の借金だけでも大変なのに、自分や家族が将来に渡って困ることがあるのではないかと不安になっている場合です。
家庭裁判所に相続放棄の手続をしても、だれかに通知する義務はありません。
相続放棄の申立を提出しても、家庭裁判所からだれかに通知されることはありません。
相続放棄が認められた後、家庭裁判所は申立てをした人に結果を通知する義務があります。
家庭裁判所がわざわざ他の人に通知する義務は、ありません。
裁判所の掲示板に貼りだすことはありません。
家庭裁判所に相続放棄の申立をしても、通常は、だれにも知られることはないのです。
債権者などの利害関係人は、家庭裁判所に対して相続放棄をしているか照会することができます。
家庭裁判所が通知するのは、わざわざ照会があったときのみです。
2相続放棄をしても債権者に通知する義務はない
相続放棄の手続は、家庭裁判所に対して必要書類を添えて相続放棄の申立てを提出します。
相続放棄の申立てに必要な書類は、次のとおりです。
①被相続人の戸籍謄本
②被相続人の除票
③相続放棄する人の戸籍謄本
この他に、裁判所が使う郵便切手や収入印紙が必要です。
債権者の同意書や債権者に通知したことの証明書などはありません。
家庭裁判所は、提出された書類を見て審査をします。
相続放棄の審査をするにあたって、被相続人の債権者が相続放棄を知っているのか知らないのかは関係ありません。
提出された書類を見て、必要な書類が揃っているか提出された戸籍や住民票に矛盾したことはないか点検をします。
家庭裁判所は、債権者がだれであるのか債権者が相続放棄の申立てについて知っているのかについて、関心がありません。
債権者について、家庭裁判所が独自で調査することはありません。
家庭裁判所も相続放棄をした人も、債権者に相続放棄をしたことを通知する義務はありません。
債権者に相続放棄をしたことを通知しなかった場合、ペナルティーはありません。
ほとんどの場合、気付かないうちに相続放棄の手続をしていて、知らないうちに相続放棄が認められていた、となります。
債権者は、借主の戸籍や住民票を取り寄せることができます。
債権者は借金を返して欲しいので、相続人を調べて連絡してきます。
相続放棄について何も知らないから、債権者は被相続人の借金を相続人に払ってもらいたいと考えて催促をしてきます。
催促されたら相続放棄が認められたことを知らせてあげるといいでしょう。
ほとんどの場合、相続放棄申述受理通知書のコピーを渡せば催促をやめてくれます。
わざわざ債権者を調査して、相続放棄が認められたことを知らせる義務はありません。
借金の返済を催促されてから、対応すればいいでしょう。
相続放棄申述受理通知書を紛失してしまった場合、相続放棄申述受理証明書を家庭裁判所に作ってもらうことができます。
相続放棄申述受理証明書は、債権者が家庭裁判所に請求することもできます。
3債権者は相続放棄をしたか確認することができる
相続放棄の申立てをしても相続放棄が認められても、家庭裁判所は申立てをした人にだけ通知します。
相続放棄をした人は、相続放棄をしたことを債権者に通知する義務はありません。
相続放棄をした人が通知してくれなくても、債権者は困ることがありません。
債権者は、家庭裁判所に対して相続放棄をしたか確認することができます。
相続放棄をしたかどうかを家庭裁判所に質問する制度のことを、相続放棄申述の有無の照会と言います。
債権者は、借用書や契約書を提出して照会します。
返信用の封筒と切手を同封しておくと、郵送で回答してもらえます。
相続放棄申述の有無の照会に手数料はかかりません。
相続放棄申述の有無の照会申請書を提出してから、回答がされるまでにはおおむね半月ほどかかります。
4債権者は相続放棄の無効を主張することができる
相続放棄申述受理通知書を見せても、被相続人の借金の取立が続く場合があります。
債権者が相続放棄は無効だと主張している場合です。
相続放棄が無効になる場合、無効にするための手続はありません。
無効の法律行為は、何もしなくても無効だからです。
例えば、債権者は相続放棄は無効だから、相続人に借金を払って欲しいと交渉することができます。
相続放棄は、家庭裁判所の書類審査だけで認められます。
相続放棄の要件をきちんと満たしているか、家庭裁判所が独自で調査することはありません。
相続放棄の要件を満たしていないのに、相続放棄の書類がきちんと揃っている場合、家庭裁判所は事情が分からず、相続放棄を認めてしまいます。
債権者は裁判所の決定に不服があれば、相続放棄は無効だから、相続人に借金を払って欲しいと訴えを起こすことができます。
債権者が相続放棄は無効だと主張して、裁判所に訴えを起こしたら、裁判所から訴状が届きます。
裁判所から訴状が届いたら、すぐに専門家に相談することをおすすめします。
たとえ債権者が不適切なことを主張している場合でも、適切に主張と立証をしないと裁判で負けてしまうからです。
裁判に欠席すると、相手方の言い分を全面的に認めたことになってしまいます。
裁判に負けると、払う必要のない借金を払うことになります。
債権者が不適切なことを言っているからと思っても絶対に放置してはいけません。
適切に相続放棄をしたことを、裁判所の法廷で、裁判官に分かってもらう必要があるのです。
5相続放棄が無効になる場合
①本人が知らないうちに相続放棄がされていた
本人に無断で、相続放棄の書類が作られて相続放棄の手続きがされた場合です。
本人の意思がないので、相続放棄は無効になります。
家庭裁判所は意思確認を厳格にしていますから、相続放棄が認められるのは、めったにありません。
②相続財産を処分・利用していた場合
相続放棄をする前に単純承認をしていた場合、相続放棄はできません。
相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できないからです。
相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。
相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。
家庭裁判所は事情が分からず書類に問題がなければ、相続放棄を受理してしまいます。
家庭裁判所が相続放棄を受理した後でも、相続財産を処分したり利用した場合は、無効です。
6相続放棄を司法書士に依頼するメリット
実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続人の関係性が良くない場合や疎遠な場合、相続放棄をしたことを知らせてあげた方がいいと思っていても先延ばししがちです。
ほとんどの場合、次順位の相続人が相続人になったのを知るのは相続発生から3か月以上経過しています。
相続発生から3か月以上経っている場合、相続放棄の申立は、原則として認められません。
相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。
通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。
3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
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相続放棄しても次順位相続人に通知義務はない
1相続放棄とは
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。
被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。
相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
だから、被相続人が莫大な借金を負っていた場合でも、一切借金の返済をする必要がなくなります。
被相続人が返済を滞らせていて遅延損害金が発生していた場合であっても、遅延損害金も払う必要はありません。
相続放棄をするとマイナスの財産すべて受け継ぐことがなくなります。
仮に自己破産した場合、借金は免除されますが、滞納していた税金は免除されません。
相続放棄では、被相続人が滞納していた税金すら受け継ぐことがなくなります。
自己破産と比べても、相続放棄は強力な効果があります。
2相続放棄をしても次順位相続人に通知する義務はない

相続放棄をすると相続人でなくなります。
例えば、相続人が配偶者と子どもである場合、子ども全員が相続放棄をしたら子どもはいないものとして扱われます。
子どもがいない場合、次順位の相続人は親などの直系尊属になります。
子どもがいる場合、親などの直系尊属は相続人になりません。
子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいないものとして扱われるから、親などの直系尊属が相続人になります。
相続放棄の手続は、家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の届出をします。
家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、相続放棄申述受理通知書が届きます。
家庭裁判所は、相続放棄をしたい旨の届出をした人にだけ、相続放棄申述受理通知書を送ります。
家庭裁判所から、他の人に連絡してくれることはありません。
被相続人に莫大な借金がある場合、相続人になったら相続放棄をしたいと考えるでしょう。
先順位の相続人がいる場合、次順位の人は相続人ではありません。
次順位の人は、先順位の相続人全員が相続放棄をするまで、相続放棄の手続ができません。
被相続人の莫大な借金を相続してしまうのではないか、不安な日々を送ることになります。
先順位の相続人が自主的に相続放棄したことを知らせてくれるといいのですが、次順位の相続人に知らせる義務はありません。
疎遠な相続人は、知らせてくれないことが多いものです。
疎遠な相続人は、次順位の相続人に対して連絡する手段がないかもしれません。
親戚と関わりたくないと思って相続放棄をした場合、相続放棄をしたことを通知することもしたくないと思うでしょう。
3家庭裁判所から次順位相続人に通知されない
①家庭裁判所は次順位相続人を知らない
家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、相続放棄申述受理通知書が届きます。
相続放棄申述受理通知書が届くのは、相続放棄をしたい旨の届出をした人にだけです。
相続放棄の手続は、家庭裁判所に対して必要書類を添えて相続放棄の申立てを提出します。
相続放棄の申立てに必要な書類は、次のとおりです。
(1)被相続人の戸籍謄本
(2)被相続人の除票
(3)相続放棄する人の戸籍謄本
この他に、裁判所が使う郵便切手や収入印紙が必要です。
家庭裁判所は、提出された書類を見て審査をします。
家庭裁判所は、だれが次順位相続人であるのか知りません。
家庭裁判所は、だれが次順位相続人であるのか自主的に調査をすることはありません。
家庭裁判所は、次順位相続人について関心はありません。
②家庭裁判所は次順位相続人に通知しない
家庭裁判所は、相続放棄をしたい旨の届出をした人に対してだけ相続放棄申述受理通知書を送ります。
家庭裁判所から、次順位相続人に連絡してくれることはありません。
家庭裁判所は、だれが次順位相続人であるのか知らないから通知することができません。
家庭裁判所は、次順位相続人に自主的に通知することはありません。
③次順位相続人は相続放棄申述の有無の照会ができる
先順位の相続人がいる場合、次順位の人は相続人ではありません。
次順位の人は、先順位の相続人全員が相続放棄をするまで、相続放棄の手続ができません。
被相続人の莫大な借金を相続してしまうのではないか、不安な日々を送ることになります。
相続放棄をしたかどうかを家庭裁判所に質問することができます。
相続放棄をしたかどうかを家庭裁判所に質問する制度のことを、相続放棄申述の有無の照会と言います。
次順位相続人は、相続放棄申述の有無の照会をすることができます。
相続放棄申述の有無の照会をする先の家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
家庭裁判所の管轄は裁判所のホームページで調べることができます。
相続放棄申述の有無の照会に手数料はかかりません。
家庭裁判所に対して、相続放棄申述の有無の照会をすることで先順位相続人が相続放棄をしたか相続放棄をしていないのか確認することができます。
先順位の相続人全員が相続放棄をしている場合で、かつ、自分も相続放棄をしたいのであれば、すぐに手続きをしましょう。
4次順位相続人の相続放棄3か月のスタートは知ってから
相続放棄は、原則として、相続があったことを知ってから3か月以内に届出をする必要があります。
相続があったことを知ってからとは、必ずしも、被相続人の死亡してからではありません。
被相続人が死亡した後3か月以上経過してから、相続放棄の届出をして、認められることもあります。
相続放棄ができる3か月以内のスタートは、相続があったことを知ってからだからです。
相続があったことを知らなかった場合、相続放棄ができる3か月がスタートしていません。
先順位相続人が相続放棄をしたことによって相続人になる場合、相続放棄が認められるまで相続人ではありません。
先順位相続人が相続放棄をしたことを知らなかった場合、相続があったことを知らなかったと言えます。
先順位相続人や他の相続人と疎遠な場合、長期間相続放棄をしたことを知らないことがあるでしょう。
先順位相続人が相続放棄をして長期間経過した後、相続があったことを知った場合、知ってから3か月以内であれば相続放棄は認められます。
このポイントは、相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらうことです。
3か月届出ができなかったのは仕方なかったと家庭裁判所が納得できる理由があるときだけは、家庭裁判所も相続放棄を認めてくれるのです。
債権者や市役所などから手紙が来て相続があったことを知った場合、この通知は大切です。
この手紙を見て相続があったことを知ったという証拠になるからです。
5期限を過ぎた相続放棄を司法書士に依頼するメリット
実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。
通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。
さらに、通常の相続放棄と同様に戸籍や住民票が必要になります。
お仕事や家事、通院などでお忙しい人には平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。
戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできますが、書類の不備などによる問い合わせはやはり役所の業務時間中の対応が必要になりますから、やはり負担は軽いとは言えません。
このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。
3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
特定財産承継遺言
1特定財産承継遺言とは
遺言書に書く内容は、財産の分け方に関することがまず思い浮かぶでしょう。
遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と財産を具体的に書いてある場合、この遺言書のことを特定財産承継遺言と言います。
特定の相続人に特定の財産を受け継いで欲しい場合、特定財産承継遺言が適切でしょう。
遺言書の書き方は、これ以外にも「財産の3分の1を相続人〇〇に相続させる」のように、財産を具体的に書かない場合があります。
遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてある場合、相続が発生した後に相続財産の分け方の話し合いは不要です。
相続が発生した時に、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものになるからです。
2特定財産承継遺言の効力
遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてある場合、相続が発生した時に、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものになります。
相続が発生した後、遺言書があることや遺言書の内容について、家族の中で情報共有をするでしょう。
家族の中では、遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてあるから、「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張することができます。
家族の中で主張するために特段の手続は必要ありません。
家族の中では周知の事実になっていても、家族以外の人には分かりません。
一部の相続人から遺言書は無かったと聞かされた場合、家族以外の人は疑いようがないでしょう。
遺言書は無いと信じた第三者が土地などの相続財産を買うケースがあります。
遺言書は無いと信じた第三者の人に対して、「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張する場合、対抗要件を備えなければなりません。
土地などの不動産の対抗要件は、相続登記をすることです。
相続登記をしなければ、法定相続分以上について家族以外の人に主張できません。
遺言書は無いと信じた第三者に対して、遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてあるから、「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張することができません。
相続が発生した時に、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものになりますから、相続登記をしておく必要があります。
相続登記をしないまま放置した場合、家族以外の人に対して「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張することができなくなります。
土地などの財産を買った人は、通常、すぐに所有権移転登記をします。
所有権移転登記をしないまま放置している間に、売主は別の人にその土地を売るかもしれないからです。
所有権移転登記をしない場合、登記簿は売主の名義のままだから、事情を知らない人は売主の土地だと信じてしまうでしょう。
後から買った別の人が所有権移転登記をした場合、「私が買った土地だから私のものだ」と主張することができます。
私が先に買った土地だから私のものだと文句を言うことはできません。
土地は、先に登記をした人のものになります。
このようなトラブルになるのは困るから、土地などの財産を買った人はすぐに所有権移転登記をします。
このようなトラブルになった場合、先に登記をした人のものになるのが登記の効果です。
土地などの財産を買った人が先に登記をした場合、土地は買った人のものになります。
遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてあっても、私が買った土地だから私のものだと主張することができます。
遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてあるから私のものだと主張するためには、相続登記をしておかなければなりません。
相続登記をしないまま放置した場合、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものにならなくなります。
「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張することができなくなるとは、私が買った土地だから私のものだと主張することができるという意味です。
私が買った土地だから私のものだと主張することができるから、土地は買った人のものになります。
相続登記をしておくことは、とても重要です。
3特定財産承継遺言は遺言執行者におまかせできる
遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてある場合、相続が発生した時に、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものになります。
財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものであることを第三者に主張するためには、登記などの対抗要件が必要です。
遺言執行者がいる場合、遺言執行者に対抗要件を備えるところまでおまかせすることができます。
通常、マイホームを購入したときなど不動産が自分のものになった場合、すぐに登記をします。
所有権移転登記をしないまま放置している間に、他の人がその不動産を購入して自分のものだと主張するかもしれないからです。
相続で不動産が自分のものになった場合、家族以外の人が自分のものだと主張するかもしれないと心配することはあまりないかもしれません。
相続登記は相続手続の中でも手間がかかる難易度が高い手続です。
不動産が自分のものになったと安心して、相続登記を先延ばししたくなるかもしれません。
遺言執行者がいれば、相続登記をするところまで依頼することができます。
2019年7月1日以前作成の遺言書で遺言執行者に指名された場合、止むを得ない理由があれば司法書士などの専門家にその任務を任せることができます。
遺言執行者に指名されたのが2019年7月1日以降作成の遺言書であれば、遺言執行者は自己の責任で司法書士などの専門家にその任務を任せることができます。
止むを得ない理由がなくても、専門家に任せることができるように変更になりました。
4特定遺贈とのちがい
①特定財産承継遺言は相続人に対してだけ
遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。
遺贈では、法定相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができます。
特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。
遺贈は、相続人に対して財産を譲ってあげることができるし、相続人以外の人に対して財産を譲ってあげることができます。
相続させることができるのは、相続人に対してだけです。
相続人以外の人に対して財産を受け継いでもらう場合、遺贈することになります。
遺言書に相続人以外の人に対して相続させると書いてあった場合、遺贈の意思と考えられます。
②特定財産承継遺言は単独で相続手続ができる
遺言書に「遺贈する」とあれば、譲ってもらう人が相続人であっても相続人以外の人でも、遺贈で手続します。
遺贈で相続手続をする場合、遺言執行者がいなければ相続人全員の協力が必要です。
一部の相続人が相続手続に協力しない場合、手続が進まなくなってしまいます。
③特定遺贈の放棄は手続がカンタン
特定財産承継遺言の内容をご辞退したい場合があるでしょう。
特定財産承継遺言の内容をご辞退したい場合、3か月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続が必要です。
家庭裁判所で相続放棄をする場合、はじめから相続人でない取り扱いがされます。
相続人でなくなりますから、他の財産も受け継ぐことができなくなります。
特定遺贈をご辞退したい場合、家庭裁判所の手続は不要です。
遺贈された財産のうち、全部の財産をご辞退することもできるし一部の財産だけご辞退することもできます。
3か月以内という制限もありません。
④特定財産承継遺言は農地でも許可が不要
相続財産に農地が含まれている場合があります。
農地を相続する場合、農業委員会の許可は必要ありません。
特定遺贈の場合、農業委員会の許可を受けなければなりません。
⑤特定財産承継遺言は賃借権の相続でも同意が不要
被相続人が賃貸マンションに住んでいる場合があります。
賃貸マンションを借りる権利が賃借権の代表例です。
賃貸マンションを借りる権利は相続財産になります。
賃借権を相続する場合、大家の同意は必要ありません。
賃借権は包括遺贈の場合も特定遺贈の場合も、大家の同意を受ける必要があります。
⑥配偶者居住権設定は遺贈で
相続が発生した時、一定の条件を満たしていれば配偶者居住権を得ることができます。
配偶者居住権は、(1)遺産分割協議(2)遺言による遺贈(3)死因贈与契約のどれかで得ることができます。
配偶者居住権を相続させることはできません。
遺言書に「配偶者居住権を相続させる」と記載された場合、配偶者居住権を遺贈すると解釈されることになるでしょう。
配偶者居住権を第三者に主張するためには、登記が必要です。
「配偶者居住権を相続させる」と書かれた遺言書を提出して登記申請があった場合、配偶者居住権を遺贈すると解釈して登記が認められます。
5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書は遺言者の意思を示すものです。
自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。
いろいろ言い訳を考えて先延ばしします。
先延ばしした結果、認知症などで遺言書を作れなくなって、その先には家族のもめごとが待っています。
家族がトラブルに巻き込まれることを望む人はいないでしょう。
死んだ後のことを考えるのは不愉快などと言えるのは、判断力がしっかりしている証拠ですから、まず遺言書を書くことをおすすめします。
遺言書があることでトラブルになるのは、ごく稀なケースです。
遺言書がないからトラブルになるのはたくさんあります。
そのうえ、遺言書1枚あれば、相続手続きは格段にラクになります。
状況が変われば、遺言書は何度でも書き直すことができます。
家族を幸せにするために遺言書を作ると考えましょう。
遺言書の書き直しのご相談もお受けしています。
家族の喜ぶ顔のためにやるべきことはやったと安心される方はどなたも晴れやかなお顔です。
家族の幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続土地国庫帰属制度を利用する要件
1相続土地国庫帰属制度とは
相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度ができました。
相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。
相続土地国庫帰属制度は、令和5年4月27日からスタートします。
望まないで不動産を所有している場合、管理が負担になりがちです。
管理負担の重さから、適切な管理ができなくなり不動産が荒廃します。
適切な相続登記がされず、所有者不明土地の対策になると期待されています。
2相続土地国庫帰属制度を利用できる人とは
①土地の単独所有者で相続や遺贈で土地を受け継いだ人
相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。
だれでも利用できるわけではありません。
相続土地国庫帰属制度を利用できるのは、土地を相続で取得した人です。
法定相続人が土地を遺贈で取得した場合は、相続土地国庫帰属制度を利用できます。
遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。
相続人以外の人が遺贈によって財産を譲ってもらうことができます。
遺贈によって土地を譲ってもらった人が相続人の場合、相続土地国庫帰属制度を利用できます。
遺贈によって土地を譲ってもらった人が相続人でない場合、相続土地国庫帰属制度を利用できません。
②土地の単独所有者で土地の共有持分を相続や遺贈で土地を受け継いだ人
被相続人とお金を出し合って、土地を購入することがあるでしょう。
被相続人と土地を共有している場合があります。
被相続人の土地の共有持分が相続財産になります。
土地の共有者の一方が相続人である場合、被相続人の土地の共有持分を相続します。
相続人は相続によって単独所有者になります。
土地の共有持分の一部は売買によるものですが、残りは相続によって受け継いだものです。
土地の単独所有者は土地の所有権の一部を相続や遺贈によって受け継いだ場合、相続土地国庫帰属制度を利用できます。
土地の所有権の一部を遺贈によって譲ってもらった人が相続人の場合、相続土地国庫帰属制度を利用できます。
土地の所有権の一部を遺贈によって譲ってもらった人が相続人でない場合、相続土地国庫帰属制度を利用できません。
③土地の共有者で土地の共有持分を相続や遺贈で土地を受け継いだ人
被相続人と第三者がお金を出し合って、土地を購入することがあるでしょう。
被相続人と第三者が土地を共有している場合があります。
被相続人の土地の共有持分が相続財産になります。
相続人が被相続人の土地の共有持分を相続します。
相続人は第三者と土地を共有することになります。
相続土地国庫帰属制度を利用する場合、土地の共有持分を対象にすることはできません。
土地の共有者の一部が相続や遺贈によって土地を受け継いだ場合、他の共有者全員が共同申請をすることで相続土地国庫帰属制度を利用できます。
他の共有者は、株式会社などの法人でも差し支えありません。
他の共有者が土地を取得した理由は、売買や贈与であっても差し支えありません。
3相続土地国庫帰属制度を利用できる土地とは
相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。
国に引き取ってもらえるのは、土地だけです。
建物は、引き取ってもらえません。
宅地や雑種地だけでなく、山林、原野や農地を引き取ってもらうことができます。
農地の取引には、通常、農業委員会の許可等が必要になります。
相続土地国庫帰属制度を利用する場合、農業委員会の許可等は不要です。
土地であればどんな土地でも引き取ってもらえるわけではありません。
相続で取得した土地だけです。
法定相続人が遺贈で取得した土地は、相続土地国庫帰属制度を利用できます。
売買や贈与で取得した土地は、引き取ってもらうことができません。
原野商法の被害を受けて所有している土地は、引き取ってもらうことができません。
被相続人が原野商法の被害を受けて所有していた土地は、相続人が相続した後に、引き取ってもらうことができます。
4相続土地国庫帰属制度で門前払いになる土地とは
次の土地は、国に引き取ってもらうことはできません。
①建物がある土地
国に引き取ってもらうことができるのは、土地のみです。
建物は引き取ってもらえません。
建物がある場合、土地も引き取ってもらえません。
建物自体は取り壊されているのに、建物の登記が残っている場合があります。
建物が取り壊されている場合、建物滅失登記が必要です。
②担保権や利用権がある土地
お金の貸し借りをするとき、返済が滞るときに備えて不動産などを担保に差し出すことがあります。
お金を貸した人は、不動産を担保に取ります。
順調に返済されているときは、不動産は担保に差し出した人が使うことができます。
返済が滞った場合、担保に取った人は不動産を取り上げて売り払うことができます。
不動産の売却金から貸したお金を返してもらうことができます。
担保権とは、返済が滞った場合に取り上げて売り払うことができる権利です。
担保権がある土地を国に引き取ってもらえるとすると、国の財産が急に取り上げられることになりかねません。
担保権がある不動産を国に引き取ってもらうことはできません。
利用権とは、地上権、地役権、賃借権など土地を使う権利のことです。
土地を使う権利がある人がいる土地を国に引き取ってもらえるとすると、国は土地を使う権利について配慮をしなければならなくなります。
利用権がある土地を国に引き取ってもらうことはできません。
③他人が利用する土地
地上権、地役権、賃借権など土地を使う権利がなくても、他人が土地を使用することが予定されている土地があります。
他人の使用が予定されている土地とは、次の土地です。
以下に該当する土地を国に引き取ってもらうことはできません。
(1)通路の土地
現在通路として使われている土地です。
(2)墓地内の土地
墓地として都道府県知事の許可を受けた土地です。
(3)境内地
宗教法人が所有していない土地も含まれます。
(4)水道、悪水路、ため池の土地
水道の水源地、貯水池として現在使用されている土地です。
かんがい用や悪水路として現在使用されている土地です。
生活用水、農業用水、工業用水のための水路を含みます。
耕地かんがい用ため池、防災用用水貯留池として現在使用されている土地です。
④土壌汚染など有害物質がある土地
土壌汚染がある土地は、有害物質の除去に多大な費用がかかります。
土壌汚染がある土地を国に引き取ってもらうことはできません。
⑤境界不明の土地
隣接する土地と境界について争いがある土地です。
申請する人以外に、その土地の所有権を主張する人がいる土地も含まれます。
このような土地を国に引き取ってもらえるとすると、国が争いに巻き込まれて土地が管理できなくなります。
測量や境界確認書を提出する必要はありませんが、争いがないことが条件です。
申請をした場合、法務局から隣接所有者に境界争いがないかお尋ねがあります。
境界不明の土地を国に引き取ってもらうことはできません。
5相続土地国庫帰属制度の審査で引き取ってもらえない土地とは
次の土地は、審査のうえで承認してもらうことはできません。
①崖地
勾配30度以上で、かつ、高さ5メートル以上の土地で、通常の管理に過分の費用や労力がかかる土地を国に引き取ってもらうことはできません。
通常の管理に過分の費用や労力がかかる土地とは、土砂災害が起きる土地や擁壁工事が必要な土地などです。
②工作物、車両、樹木がある土地
工作物、車両、樹木があるだけで引き取ってもらえない土地になるわけではありません。
工作物、樹木があって、かつ、土地の管理処分が困難になる場合、国に引き取ってもらえなくなります。
民家、公道、線路近くで倒木のおそれがある場合や災害防止のため定期的伐採が必要になる場合は、国に引き取ってもらえません。
放置すると周辺の土地に侵入する竹がある場合、定期的伐採が必要になるから、国に引き取ってもらえません。
建物がある土地は、国に引き取ってもらえません。
建物と言えないまでも、廃屋がある土地も、国に引き取ってもらえません。
放置車両がある土地は車両、国に引き取ってもらえません。
③地下にある有体物の除去が必要な土地
産業廃棄物や建築資材、建物基礎やコンクリート片がある土地は、国に引き取ってもらえません。
古い水道管、浄化槽、井戸、大きな石がある土地は、国に引き取ってもらえません。
④袋地、不法占拠者がいる土地
他の土地を通らないと行動に出られない土地は、国に引き取ってもらえません。
第三者が不法占拠している土地は、国に引き取ってもらえません。
別荘管理組合から管理費用を請求されるなどトラブルになる可能性の高い土地は、国に引き取ってもらえません。
⑤管理に費用や労力が多くかかる土地
(1)災害の危険がある土地
土砂崩れ、地割れ、陥没、水の漏出などの災害が起きるおそれがある土地は、国に引き取ってもらえません。
(2)鳥獣、病害虫などが生息している土地
スズメバチ、ヒグマなどにより周辺土地に被害が起きるおそれがある土地は、国に引き取ってもらえません。
(3)森林整備が必要な土地
造林、間伐、保育が必要な山林は、国に引き取ってもらえません。
(4)国に金銭負担が発生する土地
(5)所有者が負担すべき債務を国が負担することになる土地
土地改良事業の負担金などが発生する土地は、国に引き取ってもらえません。
6相続土地国庫帰属制度の利用を司法書士に依頼するメリット
土地を証有している場合、管理をしなければなりません。
希望せずに土地を所有している場合、管理が負担になることがあります。
管理負担の重さから、適切な管理が難しくなります。
希望しないのであれば、相続放棄をすることができます。
相続放棄をしたら、他の財産を相続することもできなくなります。
管理負担の重い土地だけ選択して、放棄をすることはできません。
相続土地国庫帰属制度を利用した場合、管理負担の重い土地だけ選択して利用することができます。
相続人にとって選択肢が増えたと言えるでしょう。
相続土地国庫帰属制度を利用するハードルは低いものではありません。
条件に合う土地だけ国は引き取ってくれます。
相続は、家族ごとに事情が違います。
制度をよく知って、適切に対応しましょう。
適切な選択ができるように司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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相続放棄したのに借金の請求
1相続放棄をしても債権者には通知されない
被相続人が多額の借金を残して死亡したとき、相続人は相続放棄をするでしょう。
分かっている借入先だけでも相続人が返せる額ではない、あちこちから借りていたので、他からも借りているだろう、借入先を把握し切れないという場合があります。
相続放棄の申立をすると、借入先から何か言われるのではないかと心配する人が多くいます。
分かっている借入先から、返済を求められているだけでも大変なのに、把握していない借入先からも返済を求められるのではないかと不安になっている場合です。
家庭裁判所に相続放棄の手続をしても、債権者に知らせる必要はありません。
相続放棄の申立を提出しても、家庭裁判所から債権者に通知されることはありません。
相続放棄が認められた後でも、家庭裁判所がわざわざ債権者に通知することはありません。
家庭裁判所に相続放棄の申立をしても、通常は、債権者に知られることはないのです。
債権者から家庭裁判所に相続放棄をしているか照会することができます。
家庭裁判所から債権者に通知されるのは、わざわざ照会があったときのみです。
2相続放棄の手続の方法
家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の申立てをします。
相続放棄の申立書につける書類は次のとおりです。
①被相続人の戸籍謄本
②被相続人の除票
③相続放棄する人の戸籍謄本
この他に、裁判所が使う郵便切手や収入印紙が必要です。
必要書類を見ても、債権者名簿はありません。
被相続人と相続人の戸籍謄本や住民票を提出するだけですから、通常、家庭裁判所は債権者がだれなのか分かりません。
確かに、家庭裁判所は、相続放棄を認めるか認めないか審査をします。
家庭裁判所は、必要な書類がきちんと揃っているかという点や提出された戸籍や住民票から矛盾したことはないかという点で審査します。
債権者がだれなのか家庭裁判所が独自で調査することはありません。
債権者がだれなのか分からないから、当然、債権者の意見を聞くこともありません。
債権者から見ると、ほとんどの場合、気付かないうちに相続人が相続放棄の手続をしていて、知らないうちに相続放棄が認められていた、となります。
3債権者が取立をしてきたら
相続放棄を申し立てても、相続放棄が認められても、債権者には通知されません。
相続人が相続放棄をしていても、債権者は知らないのが通常です。
相続放棄しても知らないから、被相続人が借金をしたまま死亡したら、相続人に払ってもらおうと考えます。
だから、相続放棄しても請求がされるのです。
借金の請求がされても、心配することはありません。
家庭裁判所で相続放棄が認められているのなら、相続放棄が認められていると伝えれば済みます。
口頭で伝えるだけでは信用されないでしょうから、家庭裁判所の通知を見せると分かってもらえるでしょう。
家庭裁判所から届いた通知とは、相続放棄申述受理通知書のことです。
多くの場合、相続放棄申述受理通知書のコピーを渡すと分かってもらえます。
この通知書は1通しかないので、同じ内容の書類を作ってもらうと安心です。
同じ内容の書類とは、相続放棄申述受理証明書のことです。
手数料がかかりますが、申請すれば必要な数だけ作ってくれます。
相続放棄した人は相続人ではないと扱われます。
被相続人に莫大な借金があっても、払う必要はありません。
債権者は債権回収が順調にいかないと、相続人でないと分かっていても、請求してくることがあります。
債務者でない人に請求することは、違法です。
毅然とした態度で対応しましょう。
あまり何度も請求してくるようであれば、警察に相談しましょう。
4他の相続人に相続しないと申し入れをした場合は相続放棄ではない
時々、相続放棄をしたが家庭裁判所の書類はないという方がいます。
相続放棄申述受理通知書は1通だけなので、相続放棄申述受理通知書を紛失することもあるでしょう。
単に紛失したのなら、相続放棄申述受理証明書を申請すれば、必要なだけ作ってもらえます。
家庭裁判所で相続放棄が認められたのであれば、書類がないということはあり得ません。
話をよく聞くと、他の相続人に相続財産は一切もらわないと申し入れたという場合があります。
プラスの財産を一切もらわないと申し入れたから、マイナスの財産も相続しないと考えている場合です。
他の相続人に相続しないと申し入れた場合は、相続放棄とは言えません。
他の相続人に相続しないと申し入れて、相続人全員で合意した場合、遺産分割になります。
法定相続分と異なる内容で、債務を相続することを相続人全員で合意することもできます。
相続人同士では、そのような合意も有効です。
マイナスの財産の分け方について、相続人全員で合意しても、債権者には主張できません。
相続人全員で合意しても、相続人同士の内部的な合意に過ぎないからです。
プラスの財産を一切もらわない場合でも、マイナスの財産を相続してしまいます。
債権者は、それぞれの相続人に法定相続分で、請求することができます。
相続人同士で合意したから、借金の返済はしないと文句を言うことはできません。
4債権者は相続放棄の無効を主張することができる
相続放棄申述受理通知書を見せても、被相続人の借金の取立が続く場合があります。
債権者が相続放棄は無効だと主張している場合です。
相続放棄が無効になる場合、無効にするための手続はありません。
無効の法律行為は、何もしなくても無効だからです。
例えば、債権者は相続放棄は無効だから、相続人に借金を払って欲しいと交渉することができます。
相続放棄は、家庭裁判所の書類審査だけで認められます。
相続放棄の要件をきちんと満たしているか、家庭裁判所が独自で調査することはありません。
相続放棄の要件を満たしていないのに、相続放棄の書類がきちんと揃っている場合、家庭裁判所は事情が分からず、相続放棄を認めてしまいます。
債権者は裁判所の決定に不服があれば、相続放棄は無効だから、相続人に借金を払って欲しいと訴えを起こすことができます。
債権者が相続放棄は無効だと主張して、裁判所に訴えを起こしたら、裁判所から訴状が届きます。
裁判所から訴状が届いたら、すぐに専門家に相談することをおすすめします。
たとえ債権者が不適切なことを主張している場合でも、適切に主張と立証をしないと裁判で負けてしまうからです。
裁判に欠席すると、相手方の言い分を全面的に認めたことになってしまいます。
裁判に負けると、払う必要のない借金を払うことになります。
債権者が不適切なことを言っているからと思っても絶対に放置してはいけません。
適切に相続放棄をしたことを、裁判所の法廷で、裁判官に分かってもらう必要があるのです。
5相続放棄が無効になる場合
①本人が知らないうちに相続放棄がされていた
本人に無断で、相続放棄の書類が作られて相続放棄の手続きがされた場合です。
本人の意思がないので、相続放棄は無効になります。
家庭裁判所は意思確認を厳格にしていますから、相続放棄が認められるのは、めったにありません。
②相続財産を処分・利用していた場合
相続放棄をする前に単純承認をしていた場合、相続放棄はできません。
相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できないからです。
相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。
相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。
家庭裁判所は事情が分からず書類に問題がなければ、相続放棄を受理してしまいます。
家庭裁判所が相続放棄を受理した後でも、相続財産を処分したり利用した場合は、無効です。
6相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。
相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。
つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。
同時に、家庭裁判所で相続放棄が認められたとしても、絶対的なものではありません。
相続放棄の要件を満たしていない場合、その後の裁判で相続放棄が否定されることもあり得ます。
相続の単純承認にあたる行為は、建物の取壊しや高価な宝石などの形見分けなども含まれます。
相続が発生すると、家族はお葬式の手配から始まって膨大な手続きと身辺整理に追われます。
相続するのか、相続を放棄するのか充分に判断することなく、安易に相続財産に手を付けて、相続放棄ができなくなることがあります。
相続に関する手続の多くは、司法書士などの専門家に任せることができます。
手続を任せることで、大切な家族を追悼する余裕もできます。
相続人の調査や相続財産調査など適切に行って、充分に納得して手続を進めましょう。
相続放棄は3か月以内の制限があります。
3か月の期間内に手続きするのは思ったよりハードルが高いものです。
相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
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代襲相続とは
1代襲相続とは
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は次のとおりです。
①配偶者は必ず相続人になる
②被相続人に子どもがいる場合、子ども
③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
④被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。
これを代襲相続と言います。
相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。
代襲相続ができるのは、相続人になるはずだった人の子どもなど被代襲者の直系卑属だけです。
相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。
被代襲者になれるのは、被相続人の子どもなどの直系卑属と被相続人の兄弟姉妹だけです。
被相続人の配偶者は、被代襲者になることはできません。
被相続人の親などの直系尊属は、被代襲者になることはできません。
代襲相続ができるのは、被相続人の卑属で、かつ、被代襲者の子どもなどの直系卑属だけです。
被代襲者の配偶者も、被代襲者の親などの直系尊属も、被代襲者の兄弟姉妹も、代襲相続ができません。
被相続人の孫や孫の子孫などの直系卑属は、代襲相続人になることができます。
甥姪は、代襲相続人になることができます。
2代襲相続が発生する原因
①相続人が死亡したら代襲相続が発生する
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。
被相続人が死亡したときには元気だったのに相続手続中に相続人が死亡した場合は、代襲相続は発生しません。
被相続人が死亡したときには元気だったのに相続手続中に相続人が死亡した場合、数次相続が発生します。
相続人が被相続人より先に死亡した場合は、代襲相続です。
相続人が被相続人より後に死亡した場合は、数次相続です。
代襲相続と数次相続では、相続手続に参加する人が異なります。
②相続人が欠格になったら代襲相続が発生する
欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度のことです。
欠格になる理由は法律で定められています。
主な理由は、被相続人を殺害したり、殺害しようとしたり、遺言書を偽造したり、遺言書を隠したりしたなどです。
相続人としてふさわしくない理由に該当した場合、相続資格を失います。
相続人が欠格になったら代襲相続が発生します。
③相続人が廃除されたら代襲相続が発生する
相続人廃除とは、被相続人の意思で、相続人の資格を奪う制度のことです。
相続人廃除は家庭裁判所に申立をして、家庭裁判所が判断します。
相続人が被相続人に対して、重大な侮辱をしたり虐待をしたと家庭裁判所に認められた場合、廃除されます。
単なる親子げんかや相続人が気に入らないなどで廃除は認められません。
家庭裁判所で廃除が認められた場合、代襲相続が発生します。
④相続人が相続放棄をしても代襲相続は発生しない
相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。
相続人でなくなるから、代襲相続も発生しません。
相続放棄をした後、相続放棄をした人の子どもが代襲相続することはできません。
3代襲相続ができる範囲
①被代襲者が子どもや子どもの子孫の場合
相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。
被相続人の子どもが被代襲者の場合、被相続人の子どもの子どもが代襲相続人になります。
子どもの子どもも被相続人より先に死亡した場合、子どもの子どもの子どもが代襲相続人になります。
相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。
被代襲者が子どもや子どもの子孫の場合、再代襲相続に制限はありません。
何代でも代襲相続をすることができます。
②被代襲者が兄弟姉妹の場合
被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。
兄弟姉妹の子どもが代襲相続することができます。
兄弟姉妹の代襲相続は、一代限りです。
兄弟姉妹の子どもが被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹の子どもの子どもは代襲相続をすることができません。
被代襲者が兄弟姉妹の場合、再代襲相続はできません。
昭和23年1月1日から昭和55年12月31日に開始した相続については、再代襲相続ができました。
③養子の子どもは代襲相続できる場合とできない場合がある
代襲相続人になるのは、被相続人の卑属のみです。
被相続人の養子は、被相続人の子どもだから被相続人の卑属です。
被相続人の養子の子どもは、被相続人の卑属である場合と被相続人の卑属でない場合があります。
養子縁組をしたときすでに誕生していた子どもは、原則として、被相続人の卑属になりません。
養子縁組をした後に誕生した子どもは、被相続人の卑属になります。
被相続人の実子の配偶者と養子縁組をするケースがあります。
被相続人の実子と養子の間に子どもがいる場合もあるでしょう。
この子どもは、被相続人の卑属になります。
被相続人の実子の子どもだからです。
養子縁組をしたときすでに誕生していた子どもであっても、被相続人の卑属です。
被相続人の卑属だから、代襲相続をすることができます。
相続が発生したとき、養子が先に死亡している場合、代襲相続ができます。
4代襲相続人がいるときの相続分と遺留分
①代襲相続人は被代襲者の相続分を引き継ぐ
代襲相続人の相続分は、被代襲者の相続分と同じです。
被代襲者の相続分を引き継ぐだけだから、他の相続人の相続分は変更されません。
代襲相続が発生した場合、他の相続人の相続分が減ることもないし増えることもありません。
代襲相続が発生しても発生しなくても、他の相続人の相続分に影響はありません。
②代襲相続人は被代襲者の遺留分を引き継ぐ
遺留分とは、相続財産に対して、認められる最低限の権利のことです。
代襲相続人の遺留分は、被代襲者の遺留分と同じです。
被代襲者の遺留分を引き継ぐだけだから、他の相続人の遺留分は変更されません。
子どもは遺留分がありますが、兄弟姉妹は遺留分がありません。
被代襲者が子どもの場合、遺留分は代襲相続人に引き継がれます。
被代襲者が兄弟姉妹の場合、代襲相続人も遺留分はありません。
兄弟姉妹は遺留分がないから、引き継ぐことができないからです。
③代襲相続人が複数いる場合は相続分も遺留分も均等に分割
代襲相続が発生した場合、被代襲者の権利が引き継がれます。
被代襲者の権利が引き継がれるだけだから、他の相続人の権利は変更されません。
代襲相続人が複数いる場合、被代襲者の権利を平等に分割します。
被代襲者が子どもの場合、被代襲者の相続分と遺留分が均等に代襲相続人に引き継がれます。
被代襲者が兄弟姉妹の場合、被代襲者の相続分が均等に代襲相続人に引き継がれます。
5代襲相続がある相続を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、被相続人のものは相続財産になります。
相続財産は相続人全員の共有財産ですから、分け方を決めるためには相続人全員の合意が必要です。
相続人の一部を含めない合意や相続人でない人を含めた合意は無効になります。
相続財産の分け方の話し合いの前提として、相続人の確定はとても重要です。
代襲相続や数次相続が発生している場合、一挙に難易度が上がります。
インターネットが普及したことで、多くの情報を手軽に得ることができるようになりました。
簡単に情報発信ができるようになったこともあって、適切でない情報も有益な情報もたくさん出回っています。
相続の専門家と名乗っていながら、適切でないアドバイスを見かけることも度々あります。
代襲相続や数次相続が発生している場合、信頼できる専門家のサポートが欠かせません。
スムーズに相続手続を行いたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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相続手続で実印と印鑑証明書が必要になる
1印鑑証明書とは
①市区町村役場に印鑑を登録することができる
15歳以上の人は、自分の印鑑を住民票のある市区町村役場に登録することができます。
印鑑証明書は、本人の登録した印鑑による印影であることを証明する書類です。
市区町村役場に登録した印鑑を実印と言います。
②印鑑証明書が必要になる理由
相続手続を進めようとすると、印鑑証明書を用意するように言われます。
重要な契約や大切な場面では、本人の意思確認のために押印をしてもらうことが多くあります。
特に重要な場面では、実印で押印してもらいます。
実印は本人が大切に保管しているから実印で押印されている場合、本人の意思で押印されたと言えるでしょう。
実印で押印したことを証明するために、印鑑証明書が必要になります。
実印で押印し印鑑証明書を添付することで本人の意思であることが間違いないと第三者にも信用してもらえます。
2遺産分割協議書を作成すると実印と印鑑証明書が必要になる
①相続人全員の合意を証明するため
相続が発生した後、相続財産は相続人全員の共有財産になります。
相続人のひとりが勝手に処分することはできません。
相続財産の分け方について相続人全員で合意をする必要があります。
相続財産の分け方にについて、相続人全員でする話し合いのことを遺産分割協議と言います。
相続財産の分け方について、相続人全員で合意したら、確定して話し合いは終了になります。
全ての財産をまとめて合意しなければならないといったこともありません。
一部の財産についてだけ合意をすることもできます。
相続人全員の合意ができたら、合意内容を文書に取りまとめます。
相続財産の分け方にについて相続人全員の合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書と言います。
遺産分割協議書は、相続人全員が記名して実印で押印します。
遺産分割協議書の押印が実印であることを証明するために、印鑑証明書を添付します。
相続人全員が実印で押印し印鑑証明書を添付することで、相続手続先に対して相続人全員の合意があることを証明することができます。
②相続登記で遺産分割協議書が必要なとき実印と印鑑証明書が必要になる
相続人が複数である場合や遺言書がない場合、遺産分割協議が必要になります。
相続登記で遺産分割協議書を提出する場合、実印で押印し印鑑証明書を添付します。
相続人が一人の場合、話し合いをするべき他の相続人はいません。
遺言書がある場合、相続人全員の話し合いは必要ありません。
遺産分割協議が必要ない場合、遺産分割協議書は必要ありません。
遺産分割協議書を作成しない場合、印鑑証明書を提出する必要もありません。
印鑑証明書は、遺産分割協議書の押印が実印によるものであることを証明するために添付するからです。
相続登記で遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、印鑑証明書に期限はありません。
古い印鑑証明書を提出しても差し支えありません。
相続登記で提出した遺産分割協議書と印鑑証明書は、希望すれば原本還付をしてもらうことができます。
③相続税申告で遺産分割協議書が必要なとき実印と印鑑証明書が必要になる
相続税の申告書等の書類には実印を押印する必要はありません。
認印で差し支えありません。
実印で押印が必要になるのは、遺産分割協議書です。
遺産分割協議書に相続人全員が実印で押印する必要があります。
遺産分割協議書に実印で押印したことを証明するために印鑑証明書を添付します。
相続人が一人の場合や遺言書がある場合、印鑑証明書は不要です。
相続税申告で遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、印鑑証明書に期限はありません。
古い印鑑証明書を提出しても差し支えありません。
相続税申告で提出した印鑑証明書は、原本還付をしてもらうことができません。
④相続放棄は実印と印鑑証明書は不要
家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の届出をします。
届出をする先の家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
家庭裁判所の管轄は裁判所のホームページで調べることができます。
相続放棄をしたい旨の届出の書類のことを、相続放棄申述書と言います。
相続放棄申述書は、相続放棄の届出をする人が押印をします。
実印で押印してももちろんいいのですが、押印は認印で充分です。
実印を押さないから、印鑑証明書を提出することもありません。
にもかかわらず、相続放棄の手続のため実印と印鑑証明書を用意して欲しいと他の相続人に言われたというケースがあります。
相続放棄のためと称していますが、相続放棄の手続のはずがありません。
相続放棄の手続は、相続放棄をする相続人が自分でするものだからです。
相続放棄の手続には、実印も印鑑証明書も不要です。
実印と印鑑証明書を渡して欲しいと言ってきた場合、別の手続をしようとしています。
具体的には、遺産分割協議と相続放棄を混同していると言えます。
自称専門家の場合、遺産分割協議と相続放棄を混同しているケースは度々あります。
3預金の解約や生命保険の請求で印鑑証明書が必要になる
①銀行預金を解約する場合
口座の持ち主が死亡したことを金融機関が知った場合、口座を凍結します。
口座が凍結されると、口座から引き出しや振り込みができなくなります。
口座の凍結解除に印鑑証明書が必要になります。
金融機関によって相続手続が異なりますが、多くの場合、次の人の印鑑証明書が必要です。
(1)相続人が一人だけの場合
預貯金を相続する人の印鑑証明書
(2)遺産分割協議書がある場合
相続人全員の印鑑証明書
銀行預金の解約などで遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、独自ルールで印鑑証明書に期限をもうけています。
期限は3か月や6か月以内のことが多いです。
古い印鑑証明書を提出した場合、印鑑証明書を取得し直すことになります。
銀行預金の解約などで遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、多くは原本還付をしてもらえます。
(3)遺言書がある場合
預貯金を相続する人の印鑑証明書
(4)裁判所の手続で相続する人が決まった場合
預貯金を相続する人の印鑑証明書
②生命保険の死亡保険金を請求をする場合
生命保険の死亡保険金を請求する場合、受取人の確認のため、印鑑証明書が必要になります。
4実印を押してもらえない場合
①実印がない場合は印鑑登録をしてもらう
実印は、本人の意思が特に重視される重要な場面でのみ使います。
相続人の中には、印鑑登録をしたことがない人がいるかもしれません。
印鑑登録をしていない場合、印鑑証明書は発行されません。
実印は、重要な場面でのみ使うものだから、普段は人目にさらすことはないでしょう。
大切に保管して、そのままどこに保管したか分からなくなることがあります。
過去に印鑑登録をしたものの実印を紛失した場合、印鑑の廃止をすることができます。
あらためて印鑑登録をすることで登録した印鑑を実印として使うことができます。
②相続人が海外在住者の場合は署名証明書
15歳以上の人は、自分の印鑑を住民票のある市区町村役場に登録することができます。
住民票のない人は、自分の印鑑を登録する市区町村役場がありません。
印鑑を登録できないから、印鑑証明書を発行してもらうことができません。
海外在住者は、印鑑証明書の代わりに署名証明書を添付します。
署名証明書は、在外公館で発行してもらうことができます。
署名すべき遺産分割協議書を在外公館に持参して、領事の面前で署名します。
領事の面前で署名したことを証明してくれます。
署名した遺産分割協議書と署名証明書を綴り合せます。
③相続人が収監中の場合は施設長の証明書
相続人が刑事施設などに収監されている場合があります。
刑事施設などでは実印を保管していないし、印鑑証明書を取り寄せることができません。
遺産分割協議書を差入し、署名し指印を押してもらいます。
指印の横に、本人の指印に相違ありませんと書いて、施設長に証明をしてもらいます。
④相続人が相続財産の分け方に合意していない場合は裁判手続
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意によって決定します。
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を取りまとめたもののはずです。
遺産分割協議書に実印を押印しない場合や印鑑証明書を渡してくれない場合、相続財産の分け方に合意していない可能性があります。
遺産分割協議は、相続人全員の合意でなければなりません。
多数決で決めることはできませんから、一人でも反対の人がいると相続手続を進めることはできなくなります。
まずは粘り強く話し合いをするのが大切です。
どうしても話し合いができない場合、家庭裁判所の助力を借りて遺産分割をすることになります。
5印鑑証明書を渡したくない場合
①司法書士などの専門家に相続手続を依頼する
遺産分割協議書は、相続人全員が記名して実印で押印します。
遺産分割協議書の押印が実印であることを証明するために、印鑑証明書を添付します。
相続人全員の印鑑証明書がない場合、原則として、相続手続を進めることはできません。
一部の相続人から一方的に印鑑証明書を渡すように迫られた場合、不安な気持ちになるでしょう。
日ごろから金遣いが荒い相続人や多額の借金を負っている相続人から言われた場合、印鑑証明書を悪用されるのではないかと疑心暗鬼になるかもしれません。
遺産分割協議の内容に納得しているが、印鑑証明書などの悪用が心配な場合です。
相続手続は、司法書士などの専門家に依頼することができます。
司法書士などの専門家に依頼して、直接、司法書士に渡すといいでしょう。
相続手続が終わった後も、直接返して欲しい旨を伝えると直接やり取りができます。
②自分が代表相続人として相続手続をする
司法書士などの専門家に依頼しない場合で、自分が代表相続人として相続手続をする方法があります。
相続手続は、一般的に手間と時間がかかります。
自分が面倒な手続をすると申し出ると、喜んで印鑑証明書などの相続書類を渡してくれるかもしれません。
6相続手続を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。
ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。
インターネットの普及で多くの人は簡単に多くの情報を手にすることができるようになりました。
多くの情報の中には正しいものも、適切でないものも同じように混じっています。
相続登記も簡単にできる、ひとりでできたという記事も散見されます。
不動産は重要な財産であることも多いので、登記手続きは一般の方から見ると些細なことと思えるようなことでやり直しになることも多いものです。
法務局の登記相談を利用すれば、シンプルな事例の申請書類などは教えてもらえますが、通常と異なる事例に関しては、相談する側から話さないとわざわざ説明してくれません。
知識のない方にとっては、通常と異なっているかどうか判断がつかないでしょう。
司法書士などの専門家から見れば、トラブルのないスムーズな相続手続であっても、知識のない一般の方はへとへとになってしまいます。
住所がつながらない場合など、シンプルな事例とは言えない事情がある場合は申請を取下げて、やり直しになることが多いでしょう。
司法書士は登記の専門家です。
スムーズに相続手続を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
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「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続放棄の順位と範囲
1相続人になる人は法律で決まっている
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は次のとおりです。
①配偶者は必ず相続人になる
②被相続人に子どもがいる場合、子ども
③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
④被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
2相続放棄とは
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も相続人が受け継ぎます。
被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も受け継がないことを相続の放棄といいます。
相続放棄は、家庭裁判所に対して申立てが必要です。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、プラスの遺産を引き継がなくなりますが、マイナスの遺産も引き継ぐことがなくなります。
だから、親の借金を引き継がないために相続放棄をするなどのケースが一般的です。
3相続放棄ができるのは相続人だけ
①先順位の人がいる場合は相続人ではない
被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。
子どもがいるのに、親などの直系尊属が相続人になることはありません。
子どもは、親などの直系尊属より先順位の相続人だからです。
②先順位の相続人が相続放棄をしたら相続人になる
子どもがいるのに、親などの直系尊属が相続人になることはありません。
相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。
子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいないものと扱われます。
被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
③相続放棄をする順番は相続人になる順番と同じ
被相続人が莫大な借金がある場合、家族全員が相続放棄を希望するでしょう。
家族全員が相続放棄を希望する場合であっても、家族全員が一度に相続放棄の手続をすることはできません。
相続放棄ができるのは、相続人だけだからです。
被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。
子どもがいるのに、親などの直系尊属が相続人になることはありません。
子どもと親などの直系尊属が一度に相続放棄の手続をしても、親などの直系尊属は受け付けてもらえません。
子ども全員の相続放棄が認められていないうちは、親などの直系尊属は相続人ではないからです。
子どもは何人でも一緒に相続放棄の手続をすることができます。
相続放棄は、相続人各自が判断することができるからです。
子ども全員の相続放棄が認められた場合、親などの直系尊属が相続放棄の手続をすることができます。
親などの直系尊属のうち親等が違う人がいる場合、親等が近い人が相続人になります。
父母と祖父母がいる場合、父母は1親等、祖父母は2親等です。
父母と祖父母がいる場合、父母が相続人になります。
父母が相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。
父母が相続人でなくなった場合、祖父母が相続人になります。
父母の相続放棄が認められた場合、祖父母が相続放棄の手続をすることができます。
相続放棄をする順番は相続人になる順番と同じです。
相続人だけが相続放棄をすることができるからです。
④相続放棄をする範囲は相続人になる範囲と同じ
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、被相続人のマイナスの遺産を引き継ぐことがなくなります。
相続放棄をしても、被相続人のマイナスの財産は消えてなくなりません。
相続放棄をした場合、次順位の相続人が相続することになります。
被相続人のマイナスの財産は、家族みんなを追いかけてきます。
被相続人のマイナスの財産を引き継ぎたくないのであれば、相続放棄をしなければなりません。
相続放棄をする人の範囲は、相続人の範囲と同じです。
相続人でない人に相続財産が相続されることはないからです。
子ども全員の相続放棄が認められた場合、親などの直系尊属が相続放棄の手続をすることができます。
親などの直系尊属全員の相続放棄が認められた場合、兄弟姉妹が相続放棄の手続をすることができます。
兄弟姉妹員の相続放棄が認められた場合、相続する人はいません。
相続人になることができるのは、兄弟姉妹までです。
4相続放棄をしても代襲相続はできない
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。
これを代襲相続と言います。
相続放棄をした場合、代襲相続はできません。
代襲相続になる原因は、次のとおりです。
①相続人が死亡したら代襲相続する
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合です。
実際に死亡した場合の他に、失踪宣告を受けて死亡したものと扱われる場合も、代襲相続が発生します。
②相続人が欠格になったら代襲相続する
欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度のことです。
③相続人が廃除されたら代襲相続する
相続人廃除とは、被相続人の意思で、相続人の資格を奪う制度のことです。
例えば、被相続人に虐待をした人に、相続をさせたくないと考えるのは自然なことでしょう。
代襲相続になる原因には、相続人が相続放棄をしたときは含まれていません。
相続放棄をしても、代襲相続することはありません。
子どもが相続放棄をしても、孫が代襲相続することはありません。
孫は代襲相続することはないから、被相続人の借金に追われることはありません。
兄弟姉妹が相続放棄をしても、甥姪が代襲相続することはありません。
甥姪は代襲相続することはないから、被相続人の借金に追われることはありません。
被相続人が子どもの子どもと養子縁組をしている場合があります。
養子縁組をした孫は、子どもの子どもの身分と養子の身分があります。
養子の実親は、被相続人の子どもです。
被相続人の子どもである養子の実親が相続放棄をした場合、代襲相続をしません。
養子は、被相続人の子どもだから子どもとして相続人になります。
被相続人の養子になった孫は、子どもとして相続放棄をする必要があります。
5相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから
相続放棄の申立てをしてから、家庭裁判所で認められるまで1か月程度かかります。
相続放棄の期限は3か月以内と聞いて、気が気でないかもしれません。
相続放棄の期限3か月は被相続人の死亡からではありません。
相続があったことを知ってから3か月以内に届出をすれば充分認められます。
相続があったことを知ってからとは、必ずしも、被相続人の死亡してからではないからです。
相続人が疎遠である場合、相続放棄が認められたことを他の相続人に知らせないことがあります。
相続放棄が認められた相続人は、他の相続人に知らせる義務はないからです。
家庭裁判所は、相続放棄の申立てをした人にだけ相続放棄を認めた通知を送ります。
家庭裁判所は、他の相続人について情報がないからです。
相続があったことを知らなかった場合、相続放棄ができる3か月がスタートしていません。
このポイントは、相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらうことです。
3か月届出ができなかったのは仕方なかったと家庭裁判所が納得できる理由があるときだけは、家庭裁判所も相続放棄を認めてくれるのです。
債権者や市役所などから手紙が来て相続があったことを知った場合、この通知は大切です。
この手紙を見て相続があったことを知ったという証拠になるからです。
6相続人全員が相続放棄をしても管理義務がある
相続放棄をするとはじめから、相続人でなかったと扱われます。
プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなるから、被相続人の遺産などに関与しなくていいと考えてしまうかもしれません。
相続放棄をした人は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまで管理を続けなければなりません。
自分が相続放棄をしたことによって次順位の人が相続人になる場合、その人が相続財産を管理してくれます。
固定資産税などの費用や実家の管理なども、次順位の相続人が引き受けてくれます。
自分の他に相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合、相続放棄をした人は相続財産の管理を続けなければなりません。
相続財産の管理を続ける義務は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまでです。
相続財産を管理すべき人が管理を始めた場合、管理を終了することができます。
7相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄するためには、家庭裁判所に手続をする必要があります。
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
相続放棄をすると、初めから相続人でなかったと扱われます。
このことから、相続放棄が認められたら相続に関する手続には関与しなくて済むと安心してしまいがちです。
相続財産は引き継ぐことはなくなりますが、管理責任があります。
管理責任があることは、あまり知られていません。
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合であっても、相続財産を処分した場合、相続放棄が無効になります。
相続放棄は簡単そうに見えて、実はいろいろなことを考慮しなければならない手続です。
相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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