Author Archive
共同相続人が行方不明のとき失踪宣告を使う状況
1相続人が失踪していると相続手続は進められない
①遺産分割協議には相続人全員の合意が必要
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人全員の合意がないと、遺産分割協議は成立しません。
一部の相続人の立場や事情で、相続人全員の合意を省略できません。
②相続人が失踪しても遺産分割協議から除外できない
遺産分割協議には、相続人全員の合意が必要です。
一部の相続人を除外して合意しても、無効の合意です。
たとえ相続人が失踪しても、相続人から除外することはできません。
失踪した相続人を除外して合意しても、無効の合意です。
一部の相続人の立場や事情で、相続人全員の合意を省略できないからです。
③多数決で相続手続は進められない
遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。
相続人の多数決で、合意をすることはできません。
たとえ一人でも合意していない相続人がいたら、遺産分割協議は成立しません。
合意していない相続人が失踪していても、遺産分割協議は成立しません。
遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立するからです。
多数決で、相続手続は進められません。
④法務局は相続登記を認めない
遺産分割協議が成立したら、相続人全員の合意内容を書面に取りまとめます。
相続登記をする場合、戸籍謄本と遺産分割協議書を提出します。
法務局は、提出された戸籍謄本で相続人全員を確認します。
法務局は、提出された遺産分割協議書で相続人全員の合意を確認します。
相続人全員の合意が確認できない場合、相続登記を認めません。
たとえ被相続人の子どもであっても、相続手続は進められなくなります。
⑤銀行は口座凍結解除を認めない
銀行などの口座の持ち主が死亡した場合、口座は凍結されます。
口座凍結とは、口座取引の停止です。
口座凍結解除をする場合、戸籍謄本と遺産分割協議書を提出します。
銀行は、提出された戸籍謄本で相続人全員を確認します。
銀行は、提出された遺産分割協議書で相続人全員の合意を確認します。
相続人全員の合意が確認できない場合、口座凍結解除を認めません。
たとえ被相続人の子どもであっても、相続手続は進められなくなります。
2相続手続を進めるために相続人の所在調査
①戸籍謄本取得で生死確認
相続人を確定するため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。
取得した戸籍謄本を読解すると、相続人が判明します。
相続人の戸籍謄本を取得すると、相続人の生死が確認できます。
②戸籍の附票取得で住所判明
相続人調査で相続人の戸籍謄本を取得するときに、一緒に戸籍の附票を請求します。
戸籍の附票とは、住所の異動が記録された書類です。
戸籍謄本や戸籍の附票は、相続人であれば、だれでも請求することができます。
③お手紙を書いて協力依頼
相続人の住所が判明したら、事情を説明したお手紙を送ります。
内容は、次の事項がいいでしょう。
・被相続人と手紙を送る人の関係
・被相続人が死亡した事実
・相続関係説明図
連絡先を書いて、連絡が欲しいとお願いします。
④海外で行方不明の相続人に所在調査依頼
外務省の所在調査制度とは、外務省が現地日本領事館と連携して行方不明になった日本人を探す制度です。
親族間において長きにわたり連絡がつかない状態が続いていて、所在も親族間で確認できない場合に限り依頼をすることができます。
3共同相続人が行方不明のとき失踪宣告を使う状況
①生死不明のまま長期間経過
失踪宣告の要件は、長期間の生死不明と申立てがあることです。
家庭裁判所が失踪宣告をするためには、失踪期間中生死不明が継続している必要があるからです。
失踪期間とは、生死不明の期間です。
失踪期間は、失踪宣告の種類によって異なります。
普通失踪の失踪期間は、7年です。
特別失踪(危難失踪)の失踪期間は、1年です。
特別失踪(危難失踪)は、大災害に遭遇したときの失踪宣告です。
死亡の可能性が非常に高いので、失踪期間は短い期間です。
②所在調査を尽くしても連絡が取れない
失踪宣告の申立てをするにあたって、申立人が調査をします。
家族は、完璧な調査ができるはずはありません。
家族は、捜査機関ではないからです。
申立人が行方不明と主張するだけでは、調査の端緒を得ることができません。
さまざまな調査をしたけど手がかりがなかったのなら、手がかりがなかったことを報告します。
手がかりがなかったことが調査の端緒の一部になるからです。
戸籍謄本を取得して、生死確認をします。
次に戸籍の附票を取得して、住所を確認します。
住民票が職権消除されている場合、市町村による調査で居住確認できなかったことが分かります。
行方不明者あてに郵便を出しても、郵便が「あて所に尋ねあたりません」とスタンプが押されて戻ってくることがあります。
「あて所に尋ねあたりません」で郵便返戻があった場合、転居先不明などで所在確認できなかったことが分かります。
警察に行方不明者届を提出した場合、行方不明者届受理証明書を取得します。
行方不明者届が受理されると、警察は照会や発見活動を行います。
家庭裁判所に調査の端緒を提供できれば、充分な調査をしたと言えます。
家族が調査によって取得した資料は、家庭裁判所に提出します。
家族が調査によって取得した資料は、失踪を書する資料だからです。
家族が所在調査をしても行方不明の場合、失踪宣告の申立てをする状況と言えます。
③生存が確認されてもペナルティーはない
申立人による調査は完璧でなくても、支障はありません。
もともと家族が完璧な調査をすることは、予定されていません。
申立人が調査の端緒を提供することを前提に、家庭裁判所が補充調査をする設計です。
家庭裁判所による補充調査で、行方不明者の生存が確認できることは珍しくありません。
行方不明者の生存が確認できるのは、制度が適切に機能した証拠です。
行方不明者の生存が確認できた場合、家庭裁判所から申立てを取り下げるように言ってきます。
家庭裁判所に指示に従って、申立てを取下げるだけです。
もともと家族ができる調査には、制限があるからです。
行方不明者の生存が確認されても、ペナルティーはありません。
できる範囲で調査して行方不明であれば、虚偽の申立てなどと非難されることはありません。
申立人が責任を問われることはありません。
④不在者財産管理人は家族の希望をかなえる人ではない
(1) 不在者財産管理人制度は生きている扱い
失踪宣告とは、行方不明者を死亡扱いにする手続です。
死亡扱いにする重大な効果があるから、家族には重い心理的負担があります。
不在者財産管理人制度は、行方不明者が生きている前提です。
死亡扱いにしなくて済むから、家族の心理的抵抗が少なく済みます。
(2)不在者財産管理人は不利益な財産管理ができない
不在者財産管理人には、行方不明者の財産を適切に管理する義務があります。
たとえ家族が希望しても、行方不明者に不利益な財産処分はできません。
不在者財産管理人は、行方不明者の財産を管理する人です。
不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。
行方不明者の利益を犠牲にして、家族の希望を優先させることは許されません。
たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、行方不明者に不利益な財産処分はできません。
不在者財産管理人は、公的な立場になるからです。
(3)取得した財産は家族に渡されない
遺産分割協議が成立した後は、行方不明者が取得した財産があるはずです。
行方不明者が取得した財産は、家族に渡さずに不在者財産管理人が管理します。
行方不明者が取得した財産は、家族が自由に使うことはできません。
家族で管理できるから財産を渡してほしいと希望することはできません。
(4)遺産分割協議が終わっても任務は継続
遺産分割協議が成立しても、不在者財産管理人の任務は継続します。
不在者財産管理人は、行方不明者の財産を保存管理する人だからです。
行方不明者が帰ってくるか死亡するまで、任務は継続し報酬がかかり続けます。
⑤不在者財産管理人は二度手間になるリスク
失踪宣告には、家族の心理的ハードルがあります。
不在者財産管理人のデメリットを飲めるなら、失踪宣告をする必要はありません。
失踪宣告をする義務は、ないからです。
心理的ハードルで不在者財産管理人を選択するなら、二度手間と費用を覚悟すべきです。
家族の平和のためデメリットを飲めるなら、それも適切な選択です。
4共同相続人は失踪宣告の申立てができる
①利害関係人ではなく法律上の利害関係人に限定
失踪宣告の申立人は、民法上、利害関係人と定められています。
利害関係人と定められているものの、法律上の利害関係人に限定されると考えられています。
単なる利害関係人は、申立人になることはできません。
行方不明者が共同相続人になるときの他の相続人は、法律上の利害関係があります。
一部の相続人が生死不明になると、遺産分割協議が成立させられなくなるからです。
②失踪宣告に家族の同意は不要
法律上の利害関係人は、失踪宣告の申立てをすることができます。
失踪宣告の申立てにあたって、法律上、家族の同意は不要です。
現実的には、家族の中で失踪宣告に反対する人がいれば、失踪宣告の申立てのハードルとなります。
法律で、解決できる問題ではありません。
5失踪宣告がされると相続が開始する
①相続開始日は死亡と見なされる日
失踪宣告がされると、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。
普通失踪では生死不明になってから7年間経過したときに、死亡したものと見なされます。
特別失踪(危難失踪)では危難が去ったときに、死亡したものと見なされます。
たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをするから、相続が開始します。
②死亡と見なされる日で相続人を確認
失踪宣告の申立てをしてから、裁判所が失踪宣告をするまで長期間かかります。
相続手続の基準になるのが、死亡と見なされる日です。
死亡と見なされる日に、相続が発生します。
被相続人は、死亡と見なされる日に死亡したと扱われます。
失踪宣告による死亡と通常の死亡に、法律上のちがいはありません。
死亡と見なされる日を基準にして、相続人を確認します。
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。
相続が発生したときに元気だった相続人が被相続人より後に死亡した場合、代襲相続が発生しません。
相続が発生したときに元気だった相続人が後に死亡した場合、数次相続が発生します。
数次相続は、相続人の地位が相続されます。
失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要になります。
代襲相続も数次相続も、相続が複雑になります。
③相続人全員で遺産分割協議
失踪宣告がされた場合、相続が発生します。
相続人全員で、遺産分割協議をします。
遺産分割協議が成立したら、相続手続をします。
6生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。
行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。
困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。
途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。
相続手続で不安がある方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
遺言書を開封するだけでは犯罪にならない
1遺言書を開封するだけでは犯罪にならない
①自宅などで見つけた自筆証書遺言は家庭裁判所で開封
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。
自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。
自筆証書遺言を作成した後、原則として自宅などで保管します。
公正証書遺言は、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
公正証書遺言を作成した後、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。
自宅などで見つけた自筆証書遺言は、家庭裁判所で開封してもらいます。
②違法行為であっても犯罪ではない
違法とは、法律に違反することです。
自宅などで自筆証書遺言を見つけた場合、家庭裁判所に提出して開封してもらうルールがあります。
自宅などで自筆証書遺言を見つけても、勝手に開封することはできません。
勝手に開封する行為は、違法行為です。
家庭裁判所に提出して、開封してもらうルールがあるからです。
勝手に開封すると、ペナルティーになるおそれがあります。
ペナルティーの内容は、5万円以下の過料です。
過料は、刑事罰となる罰金ではありません。
違法行為は、犯罪になる行為と犯罪にならない行為があります。
違法行為と犯罪は、同じ意味ではありません。
犯罪とは、法律で犯罪として定められ刑罰が科される行為です。
遺言書を勝手に開封すると、違法行為であっても犯罪ではありません。
違法行為と犯罪は、ちがいます。
5万円以下のペナルティーになっても、開封した人は犯罪者ではありません。
2遺言書を開封しても相続財産の独り占めはできない
①有利な遺言書なら隠す意味がない
遺言書を勝手に開封したと聞くと、相続財産を独り占めしようとしたのではないか不安になるかもしれません。
開封した人にとって有利な内容の遺言書なら、遺言書を隠す意味がありません。
見つかった遺言書を相続人全員に見せればいいだけです。
むしろ相続人全員に見せて、相続手続を進めればいいはずです。
②不利な遺言書なら遺産分割協議が必要
開封した人にとって不利な内容の遺言書なら、遺言書を隠すかもしれません。
遺言書がなければ、相続財産は相続人全員の共有財産です。
遺言書を隠しても、相続財産の独り占めはできません。
遺言書がなければ、相続人全員による遺産分割協議が必要です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺言書がなければ、相続人全員による合意が不可欠です。
相続人全員の合意がないと、遺産分割協議が成立しないからです。
③開封を独り占めと考えるのは短絡的
自宅などで自筆証書遺言を見つけたら、家庭裁判所で開封するルールがあります。
勝手に開封したら、ルール違反であることは間違いありません。
ルール違反であるからと言って、独り占めをしようとしたと考えるのは短絡的です。
遺言書を開封した事実だけで、財産を独り占めしようとしたと決めつけることはできません。
遺言書が開封したことで、相続財産を独り占めする権利は発生しません。
勝手に開封したことを責めても、だれにもメリットはありません。
ルール違反であるを責めても、相続手続を進められません。
短絡的に決めつけると、相続人間の対立をあおるだけの結果になります。
3自筆証書遺言を勝手に開封しない方がいい理由
①家庭裁判所の検認手続で開封してもらう
検認手続とは、自宅などで見つけた自筆証書遺言を開封してもらう手続です。
自筆証書遺言検認の申立てを受付けたら、相続人を家庭裁判所に呼び出します。
相続人に立会いをしてもらって、遺言書を開封するためです。
家庭裁判所は、開封したら遺言書の形状や内容を確認して調書に取りまとめます。
検認調書を確認すると、開封時の遺言書の形状や内容を確認することができます。
検認期日以降に変造や改ざんがあったら、検認調書と照らし合わせると発覚します。
検認調書と照らし合わせるだけで発覚するから、変造や改ざんができなくなります。
検認手続は、遺言書の変造や改ざんを防止する手続です。
封筒に入っていない遺言書や封筒に入っているだけで封がされていない遺言書であっても、家庭裁判所の検認手続が必要です。
封筒に入っていない遺言書や封筒に入っているだけで封がされていない遺言書も、変造や改ざんを防止する必要があるからです。
②他の相続人から変造・改ざんを疑われる
遺言書を勝手に開封すると、開封時の遺言書の状態が他の相続人には分かりません。
他の相続人から、変造や改ざんを疑われる可能性があります。
封がしてある遺言書は、外見上改ざんがされていない状態と言えます。
家庭裁判所で開封をすれば、開封時の遺言書の状態が他の相続人に明らかです。
検認期日で開封すれば、変造や改ざんを疑われることは大幅に減るでしょう。
③実際に変造・改ざんをしなくても疑われる
実際に変造や改ざんをしなければ、問題ないと感じるかもしれません。
開封しただけで変造や改ざんをしなくても、他の相続人は疑いを持ちます。
開封時の遺言書の状態が他の相続人には分からないからです。
遺言書が開封した相続人に有利な内容であった場合、より疑いは強まります。
遺言書に変造や改ざんの疑いがある場合、深刻な相続トラブルに発展します。
④遺言書の変造・改ざんは相続欠格
(1)相続欠格に該当すると相続資格を奪われる
相続人になる人は、民法で決められています。
相続人になれない人も、民法で決められています。
相続欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度です。
(2)遺言書を開封するだけでは相続欠格にならない
相続欠格になる条件は、民法で決められています。
民法に決められた条件に該当したときだけ、相続欠格になります。
遺言書を開封したことは、民法で決められた条件ではありません。
遺言書を開封したことで、相続欠格になりません。
遺言書を開封したことだけで、相続資格は奪われません。
相続人間で勝手に決めつけて、相続欠格にすることはできません。
相続資格が奪われるのは、民法で決められた条件に該当したときだけです。
(3)遺言書の変造・改ざんで相続資格が奪われる
開封した後さらに隠匿や改ざんをした場合、重大な問題になります。
遺言書の変造・改ざんは、民法で決められた条件だからです。
故意に遺言書の変造・改ざんをしたら、相続欠格になります。
(4)隠匿・改ざんの疑いが深刻な相続トラブルに発展する理由
遺言書を開封するだけでは、相続欠格になりません。
遺言書を開封するだけでは、相続資格は奪われません。
遺言書を開封すると、他の相続人から隠匿・改ざんを疑われます。
遺言書を開封するだけで何もしていなくても、隠匿・改ざんを疑われます。
遺言書が開封した相続人に有利な内容であった場合、一層強く疑われます。
故意による遺言書の隠匿・改ざんは、相続欠格になるからです。
他の相続人が疑うだけで、相続欠格にできないのは当然です。
許せないと思う気持ちは、客観的証拠ではありません。
遺言書を勝手に開封すると、他の相続人は相続財産を奪われると感じます。
相続財産を奪われそうになったのだから、懲らしめたいと感じます。
相続財産を奪おうとしたのだから、相続資格を奪うべきと考えます。
遺言書に隠匿や改ざんの疑いがある場合、深刻な相続トラブルに発展します。
⑤遺言書の隠匿・改ざんで刑事責任を問われる可能性
(1)遺言書の隠匿で私用文書等毀棄罪
遺言書を開封しただけでは、隠匿とは言えません。
遺言書は、権利義務に関する文書です。
遺言書を隠匿した場合、私用文書等毀棄罪に問われる可能性があります。
(2)遺言書の改ざんで有印私文書偽造罪や偽造有印私文書行使罪
遺言書を開封しただけで、改ざんとは言えません。
遺言書の偽造や変造をした場合、有印私文書偽造罪や偽造有印私文書行使罪に問われる可能性があります。
遺言書の偽造や変造は、後から発覚することがあります。
筆跡鑑定やインクの年代測定などで、専門的調査ができるからです。
(3)相続欠格になっても刑事罰は別問題
相続欠格と刑事罰は、別の制度です。
相続欠格は、民事上の制裁です。
刑事罰は、刑事上の制裁です。
たとえ相続欠格になっても犯罪と認められるのは、別問題です。
遺言書の隠匿・改ざんを疑うだけで、犯罪にできないのは当然です。
許せないと思う気持ちは、客観的証拠ではありません。
たとえ相続欠格になっても、客観的証拠による事実認定が必要です。
⑥うっかり開封したら家庭裁判所にそのまま提出
(1)遺言書と書いて無ければ気づけない
遺品整理をしているとき、封がされた封筒を見つけることがあります。
封筒に何も書いて無ければ、遺言書を気付けないのは当然です。
封筒に何か書いてあっても、気づかず開封してしまうのはやむを得ません。
家庭裁判所に提出して開封してもらうルールを知らないければ、開封してしまうのはやむを得ないでしょう。
(2)遺言書と気づいたらそのまま保管
うっかり開封しただけなら、相続資格が奪われることはありません。
遺言書と気づいたら、そのまま保管します。
遺言書を見つけた事実を他の相続人と情報共有します。
開封してしまったことを隠そうとすると、他の相続人から疑われます。
(3)すみやかに自筆証書遺言検認の申立て
自宅などで自筆証書遺言を見つけた人は、家庭裁判所に自筆証書遺言検認の申立てをします。
すみやかに自筆証書遺言検認の申立てをしないと、遺言書の隠匿を疑われるからです。
4遺言書を作成するなら公正証書遺言が安全
①公正証書遺言は検認不要
公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。
公正証書遺言を作成した後、遺言者には正本と謄本が渡されます。
正本と謄本は、公正証書遺言のコピーです。
自宅などで公正証書遺言の正本や謄本が見つかっても、検認手続は不要です。
正本や謄本で、遺言執行をすることができます。
②公正証書遺言は隠匿・改ざんがあり得ない
公正証書遺言原本は、公証役場で厳重保管されます。
公正証書遺言は、隠匿・改ざんがあり得ません。
遺言者の手元にある正本や謄本を隠匿しても、公証役場に厳重保管されています。
遺言者の手元にある正本や謄本にあれこれ書き込みをしても、作成時の遺言書原本が厳重保管されています。
相続発生後に相続人はだれでも、公正証書遺言の謄本を請求することができます。
相続発生後に交付された公正証書遺言の謄本で、遺言執行をすることができます。
相続人間で隠匿・改ざんの疑いを発生させる余地がありません。
遺言書を作成するなら、公正証書遺言が安全です。
5遺言書検認の申立てを司法書士に依頼するメリット
自筆証書遺言や秘密証書遺言を預かっている人や見つけた人は、家庭裁判所に届け出る必要があります。
遺言書を隠したり捨てたりすると、相続人になることができません。
このような疑いをかけられてトラブルになるのを避けるためにも、すみやかに家庭裁判所に検認の申立てをしましょう。
申立てのためには、たくさんの書類が必要になります。
仕事や家事でお忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続を丸投げできます。
家族にお世話が必要な方がいて、お側を離れられない方からの相談もお受けしております。
裁判所に提出する書類を作成できるのは、弁護士と司法書士のみです。
弁護士と司法書士でない人は作成代行はできませんから、充分注意しましょう。
遺言書の検認を司法書士に依頼した場合、遺言書検認申立書の作成だけでなく、家庭裁判所への提出もおまかせいただけます。
遺言書を預かっている方や見つけた方はトラブルになる前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
親の借金を相続したくないときに相続放棄
1親の借金を相続したくないときに相続放棄
①相続人は相続放棄を選択できる
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
相続人でなくなるから、親の借金は相続しません。
相続放棄は、はじめから相続人でなくなる制度です。
②相続放棄でプラスの財産とマイナスの財産を相続しない
相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。
相続人でなくなるから、相続財産は一切引き継ぐことはありません。
相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。
借金などマイナスの財産を引き継がないだけでなく、自宅などプラスの財産も引き継ぎません。
相続放棄は、はじめから相続人でなくなる制度だからです。
③相続放棄の期限は3か月
相続放棄には、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月以内です。
相続があったことを知ってから3か月以内の期間のことを熟慮期間と言います。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
被相続人が死亡してから3か月以内ではなく、相続財産を相続することを知ってから3か月以内です。
3か月の熟慮期間を経過してしまったら、相続放棄はできません。
3か月の熟慮期間を経過してしまったら、自動で単純承認になります。
④相続放棄は撤回できない
相続放棄は、撤回できません。
撤回とは、相続放棄が受理されたときには何も問題がなかったのに、後から問題が発生したので、なかったことにすることです。
例えば、「相続財産は借金ばかりだと思っていたから相続放棄をしたのに、プラスの財産は見つかったから相続放棄はなかったことにしたい」は撤回です。
相続放棄の撤回は、認められません。
相続放棄は、相続があったことを知ってから3か月以内に手続をする必要があります。
相続があったことを知ってから3か月以内であっても、撤回することはできません。
いったん相続放棄が認められた後に、撤回することを認めると相続手続が混乱するからです。
⑤相続財産を利用処分すると単純承認
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産です。
相続放棄が認められたら、被相続人の財産は一切引き継ぎません。
相続財産を利用処分した場合、相続財産を引き継ぐことを前提にしていると考えられます。
相続財産を利用処分することは、相続人であると認める行為と見なされます。
次の行為は、単純承認と見なされます。
・相続財産の売却
・相続財産の名義変更
・遺産分割協議
・高価な遺品の形見分け
・預貯金口座の解約、引出し
・病院や施設費用の支払い
単純承認をした後に、相続放棄をすることはできません。
家庭裁判所が事情を知らずに相続放棄を認める決定をしても、後から裁判などで無効になります。
相続財産を利用処分すると、単純承認をしたと見なされます。
⑥相続放棄をすると次順位相続人
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
子どもが相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。
子ども全員が相続放棄をしたら、相続人になる子どもはいません。
被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
親などの直系尊属が先に死亡していた場合、兄弟姉妹が相続人になります。
相続放棄をすると、次順位の人が相続人になります。
相続放棄をしても、親の借金は消えません。
親の借金は、次順位相続人が相続します。
次順位相続人が相続したくない場合、相続放棄をすることができます。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
2親の借金が分からないときの調べ方
①相続人は単独で相続財産調査ができる
相続を単純承認するか相続放棄をするか判断するため、相続財産を調査することが一般的です。
相続財産を調査するにあたって、他の相続人が協力しないことは珍しくありません。
相続人はだれでも、単独で相続財産を調査することができます。
遺産分割をするためには、相続人全員の協力が不可欠です。
相続財産を調査することは、遺産分割ではありません。
相続を単純承認するか相続放棄をするか判断するための前提行為に過ぎません。
他の相続人の協力がなくても、判断を先延ばしすることはできません。
自分で相続財産調査をして、自分で相続を単純承認するか相続放棄をするか判断します。
②借金があるか分からないときの調査リスト
方法(1)信用情報機関に開示請求
信用情報機関とは、個人の借入れや返済状況を管理している機関です。
相続人はだれでも単独で、信用情報機関に対しての開示請求をすることができます。
他の相続人の同意は、不要です。
主な信用情報機関は、次の3つです。
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・全国銀行個人信用情報センター
被相続人の信用情報を確認すると、次のことが判明します。
・銀行からの借入れ
・クレジットカード債務
・カードローン
・消費者金融からの借入れ
・保証債務の一部
借金があるか分からない不安の多くを客観的に確認することができます。
方法(2)郵便物の確認
相続が発生しても、債権者は死亡を知らないことがほとんどです。
被相続人あてに、郵便物が届くことがあります。
郵便物を確認すると、借金があるか手がかりをつかむことができます。
・督促状
・金融機関などからの通知
方法(3)預貯金口座の取引履歴を取得
銀行などの預貯金口座は、日常生活に欠かせません。
被相続人の預貯金口座を探して、取引履歴を取得します。
相続人はだれでも相続人であることを証明して、単独で取引履歴を請求することができます。
被相続人の取引履歴を確認すると、次のことが判明します。
・定期的な返済
・利息の引落
・不審な送金
取引履歴から被相続人の経済活動を把握することができます。
方法(4)不動産の担保確認
被相続人が不動産を保有している場合、不動産を担保に差し出していることがあります。
法務局で、登記簿謄本を取得します。
不動産の登記簿謄本は、相続人でも相続人以外の人でも取得することができます。
不動産を担保に差し出すと、抵当権や根抵当権が登記されています。
登記簿謄本を確認すると、抵当権者や根抵当権者が判明します。
③相続財産調査の限界
相続財産調査をしても、完全な調査をすることはできません。
信用情報機関に開示請求をしても、登録情報以外の情報は見つかりません。
預貯金口座の取引履歴を取得しても、その金融機関以外の取引履歴は見つかりません。
個人間の貸し借りなどは、当事者以外知らないことが多いでしょう。
相続財産調査をしても漏れがある気がするのは、当然です。
相続財産調査には、限界があるからです。
完璧な相続財産調査を目指すと、永遠に終わりがありません。
④借金が分からなくても相続放棄ができる
相続放棄をする場合、相続放棄をする意思が重視されます。
相続財産の内容は、重視されません。
借金の金額が分からなくても、相続放棄をすることができます。
借金があるか分からなくても、相続放棄をすることができます。
家庭裁判所から調査不足を指摘されることはありません。
プラスの財産がほとんどない場合、借金が見つかると債務超過になります。
債務超過になると不安だから、相続放棄をすることができます。
さまざまな家族の事情から、財産状況にかかわらず相続放棄を希望することがあります。
莫大なプラスの財産があっても、相続放棄をすることができます。
家庭裁判所から調査不足を指摘されることはありません。
⑤相続財産の概略欄は不明と記載できる
財産状況にかかわらず相続放棄を希望する場合、財産調査をする必要がありません。
相続放棄申述書を見ると、2ページ目に相続財産の概略欄があります。
分かる範囲で記載すれば、問題にはなりません。
相続財産について調査していないのであれば、相続財産について分からないのが通常です。
分からなければ「不明」と、書くことができます。
相続財産の概要欄があることは、財産調査が必須であることを意味しません。
3相続放棄の申請方法
①相続放棄申述書はダウンロードできる
相続放棄申述書は、家庭裁判所のホームページからダウンロードをすることができます。
家庭裁判所の窓口に出向いて、用紙を受け取ることもできます。
②必要書類は相続放棄をする人によってちがう
(1)共通で必要になる書類
・相続放棄申述書
・被相続人の住民票または戸籍の附票
・相続放棄をする人の戸籍謄本(発行後3か月以内)
(2)配偶者・子どもが相続放棄をするケース
・被相続人の死亡の戸籍謄本
(3)孫が相続放棄をするケース
・被相続人の死亡の戸籍謄本
・被代襲者である子どもの死亡の戸籍謄本
(4)父母が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
(5)祖父母が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
・父母の死亡の戸籍謄本
(6)兄弟姉妹が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
・父母や祖父母の死亡の戸籍謄本
(7)甥姪が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
・父母や祖父母の死亡の戸籍謄本
・被代襲者である兄弟姉妹の死亡の戸籍謄本
④手数料800円
相続放棄には、手数料800円がかかります。
手数料は、収入印紙を貼り付けて納入します。
⑤連絡用郵便切手を予納する
手数料の他に、家庭裁判所が手続で使う郵便切手を予納します。
家庭裁判所によって、予納する切手の額面や枚数が異なります。
⑥相続放棄の流れ
手順(1)相続があったことを知る
相続放棄の期限3か月のスタートは、相続があったことを知ってからです。
手順(2)必要書類の準備
相続放棄の必要書類は、次のとおりです。
・相続放棄申述書
・被相続人の住民票または戸籍の附票
・相続放棄をする人の戸籍謄本(発行後3か月以内)
・先順位の相続人がいないことを確認する戸籍謄本
名古屋家庭裁判所など一部の裁判所では、必要書類はコピーを提出することができます。
手順(3)家庭裁判所へ提出
書類を取りまとめて、家庭裁判所へ提出します。
窓口に出向いて提出しても、郵送で提出することもできます。
手順(4)相続放棄照会書と回答
相続放棄申述書を受付けたら、家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。
相続放棄照会書は、家庭裁判所からの確認書です。
相続放棄が認められると相続ができなくなるから、慎重に確認します。
裁判所によっては、照会は省略になることがあります。
手順(5)相続放棄申述受理通知書が到着
提出書類に問題がなければ、相続放棄申述受理通知書が届きます。
4相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。
相続人らとの話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。
家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。
相続放棄は、その相続でチャンスは実質的には1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできます。
高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています。
認めてもらえやすい書類を作成することができます。
3か月の期間内に手続するのは、想像するよりハードルが高いものです。
相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
農地の相続で農業委員会へ届出が必要になる
1農地には農地法の規制がある
①農業をしなくても農地を相続できる
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
被相続人が農地を保有していた場合、農地は相続人が相続します。
相続人が農業をしていなくても、農地を相続することができます。
農地は、相続財産だからです。
農地を相続するにあたって、農業をする条件はありません。
②農地は自由に使えない
宅地を相続したら、相続人は自由に使うことができます。
宅地を相続したら、相続人は自由に売却することができます。
農地は、自由に使うことができません。
農地は、食料の安定的供給のため重要だからです。
農地を農地以外の用途で使う場合、農地法の許可が必要です。
農地を貸出す場合や売却する場合、農地法の許可が必要です。
食料の安定的供給のため、原則として農業委員会が関与します。
③農地を相続したら農業委員会へ届出が必要
農地を相続した人は、農地がある農業委員会へ届出が必要です。
農業委員会へ届出で、農地の所有者を把握しています。
農業委員会は市区町村役場とは別組織ですが、市区町村役場の中に事務局があることがほとんどです。
農地を相続したら、農地法第3条の3の規定による届出書を提出します。
農業委員会へ届出は、10か月以内に届け出る義務が課されました。
届出義務を怠ると、10万円以下のペナルティーになるおそれがあります。
農業委員会へ届出は、郵送で提出することができます。

2相続は相続の手続で遺贈は遺贈の手続
①相続人になる人は法律で決まっている
相続が発生したら、一定の範囲の人が相続人になります。
相続人になる人は、法律で決められています。
法律で決められた人以外の人は、相続人になりません。
②遺言書を作成して遺贈ができる
被相続人は、遺言書を作成して遺贈をすることができます。
遺贈とは、遺言書で相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。
遺贈には、2種類あります。
特定遺贈と包括遺贈です。
特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。
包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。
遺言なしで、遺贈をすることはできません。
③相続人は相続人にも受遺者にもなれる
相続人になる人は、法律で決められた人だけです。
相続人は、遺贈を受けることができます。
受遺者とは、遺贈を受ける人です。
相続人であっても、受遺者になることができます。
相続をする場合、相続の手続をします。
遺贈を受ける場合、遺贈の手続をします。
相続人が遺贈を受けても、相続の手続はしません。
受遺者が相続人であっても、相続ではなく遺贈だからです。
農地を相続する場合、相続登記をします。
農地の遺贈を受ける場合、遺贈の登記をします。
相続は相続の手続で、遺贈は遺贈の手続をします。
相続人が農地を相続する場合、3年以内に相続登記をする義務が課されました。
相続人が農地の遺贈を受ける場合、3年以内に遺贈の登記をする義務が課されました。
登記義務を怠ると、10万円以下のペナルティーになるおそれがあります。
3農地の相続で農業委員会へ届出が必要になる
①相続で必要になる手続と順番
(1)相続で必要になる手続
農地を相続する場合、相続登記をします。
農地を相続したら、農地法第3条の3の規定による届出書を提出します。
(2)相続登記→農業委員会への届出の順
一般的に、相続登記をした後に、農業委員会への届出をします。
農地法第3条の3の規定による届出書は、市町村役場のホームページに出ていることが多いです。
農業委員会への届出には、次の書類が必要になるからです。
・相続登記の完了証
・相続登記後の登記事項証明書
名古屋市など添付書類が不要な農業委員会があります。
届出にあたって、本人確認書類のコピーが必要になることがあります。
②相続人への特定遺贈で必要になる手続と順番
(1)相続人への特定遺贈で必要になる手続
農地の遺贈を受ける場合、遺贈の登記をします。
相続人が農地の遺贈を受けたら、農地法第3条の3の規定による届出書を提出します。
(2)遺贈の登記→農業委員会への届出の順
一般的に、相続登記をした後に、農業委員会への届出をします。
農業委員会への届出には、次の書類が必要になるからです。
・遺贈の登記の完了証
・遺贈の登記後の登記事項証明書
名古屋市など添付書類が不要な農業委員会があります。
③相続人・相続人以外の人への包括遺贈で必要になる手続と順番
(1)包括遺贈では原則遺産分割協議が必要
包括遺贈は、遺言書に割合だけ書いて財産を具体的に書いていません。
包括遺贈では、原則として遺産分割協議が必要です。
遺言書には、引き継ぐ財産を具体的に指定されていないからです。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
包括受遺者は、相続人全員と一緒に遺産分割協議に参加します。
相続人全員と包括受遺者全員の合意がまとまったら、合意内容を遺産分割協議書に取りまとめます。
遺産分割協議書とは、相続人全員と包括受遺者全員による合意内容の証明書です。
合意内容に間違いがないか、相続人全員と包括受遺者全員に確認してもらいます。
(2)全部包括遺贈では遺産分割協議不要
全財産を包括遺贈をした場合、遺産分割協議の余地はありません。
全部包括遺贈では、遺産分割協議は不要です。
(3)包括遺贈で必要になる手続
包括遺贈では、遺産分割協議が必要です。
農地の遺贈を受ける場合、遺贈の登記をします。
相続人が農地の遺贈を受けたら、農地法第3条の3の規定による届出書を提出します。
(4)遺産分割協議→遺贈の登記→農業委員会への届出の順
包括遺贈がある場合、原則として遺産分割協議が必要です。
相続人全員と包括受遺者全員の合意内容に基づいて、遺贈の登記をします。
遺贈の登記後に、農業委員会へ届出をします
④相続人以外の人への特定遺贈で必要になる手続と順番
(1)相続人以外の人への特定遺贈で農地法の許可が必要
相続人が農地を取得する場合、農地法の許可は不要です。
相続する場合も特定遺贈を受ける場合も、農地法の許可は不要です。
農業委員会への届出のみで、差し支えありません。
相続人以外の人が包括遺贈で農地を取得する場合、農地法の許可は不要です。
農業委員会への届出のみで、差し支えありません。
相続人以外の人が特定遺贈で農地を取得する場合、農地法の許可は不要です。
たとえ家族であっても相続人以外の人が取得する場合、農地法の許可が必要です。
例えば、被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
被相続人の子どもが相続人になる場合、相続人である子どもの子どもは相続人になりません。
被相続人の孫は相続人にならないから、相続人以外の人です。
法律で決まられた人以外は、相続人にならないからです。
被相続人の孫へ農地を引き継ぎたいことがあるでしょう。
遺言書で孫に農地を遺贈すると書いても、農地法の許可が必要です。
農地法の許可は、効力発生要件です。
農地法の許可がないと、遺言書の内容は実現できません。
(2)相続人以外の人への特定遺贈で必要になる手続
相続人以外の人への特定遺贈では、農地法の許可が必要です。
相続人以外の人への特定遺贈では、遺贈の登記が必要です。
(3)農地法の許可→遺贈の登記の順
相続人以外の人へ特定遺贈をする登記申請では、農地法の許可書を提出する必要があります。
農地法の許可書がないと、登記は認められません。
農地法の許可を受けた後、遺贈の登記を申請します。
| 相続 | 届出が必要 |
| 相続人への特定遺贈 | 届出が必要 |
| 相続人への包括遺贈 | 届出が必要 |
| 相続人以外への包括遺贈 | 届出が必要 |
| 相続人以外への特定遺贈 | 農地法の許可が必要 |
4農地を相続したくないときに選べる方法
方法①相続放棄で相続人でなくなる
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所へ相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
はじめから相続人でなくなるから、農地を相続しません。
農地だけでなく、農地以外の財産を一切相続しません。
農地だけ相続放棄することはできません。
方法②遺産分割協議で他の相続人が相続する合意
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続人全員が合意できれば、どのような合意でも成立させることができます。
一部の相続人が農地を相続して、他の相続人は相続しない合意を成立させることができます。
農地を相続したい相続人がいる場合、遺産分割協議は有効です。
相続人全員が農地を相続したくない場合、遺産分割協議がまとまらなくなります。
方法③市町村へ寄付は現実的ではない
相続人全員が農地を相続したくない場合、市町村などへ寄付することが考えられます。
市町村などへ寄付する場合、寄付を受ける市町村の同意が必要です。
無条件で、寄付を受けることはありません。
寄付を受け入れない理由は、主に管理負担と固定資産税の税収減です。
市町村は、固定資産税を賦課徴収する立場です。
不動産の寄付を受けることは、固定資産税を徴収できなくなることを意味します。
管理負担と税収減のデメリットを補うメリットがあるときのみ、寄付を受け入れます。
メリットがない場合、市町村へ寄付は現実的ではありません。
方法④相続土地国庫帰属制度には負担金が必要
相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地を手放して国に引き取ってもらう制度です。
農地を相続した場合、相続土地国庫帰属制度を利用することができます。
相続土地国庫帰属制度は、申請すれば必ず認められる制度ではありません。
申請しても、国庫帰属が認められないことがあります。
国庫帰属が認められた場合、負担金の納付が必要です。
5相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。
相続手続は多くの場合、何度も経験するものではありません。
だれにとっても不慣れで聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。
不動産は重要な財産なので、一般の人が些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
インターネットなどで多くの情報を手にすることができるようになりました。
相続登記を自分でやった、カンタンにできたという記事を見かけることもあります。
司法書士などの専門家から見てカンタンな登記申請であっても、一般の人が手続しようとすると思わぬ落とし穴があることがあります。
相続が発生してから長期間経過した後の登記申請は、想像以上に難解です。
自分で登記申請をしてみても、法務局から不足や不備を指摘されるでしょう。
ときには、何が問題なのか分からなかったというケースもあります。
自分でやってみて挫折した場合も司法書士はサポートします。
相続登記をスムーズに終わらせたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続登記で相続人の一人から申請できるケース
1相続登記は権利を確定する制度ではない
①相続登記は不動産の名義変更
被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。
相続登記とは、不動産の名義変更です。
②不動産の取得者が相続登記を申請する
登記手続は、不動産の取得者が申請します。
相続で不動産を取得する人が相続登記を申請します。
相続登記は、権利を確定する制度ではありません。
相続登記を申請したら、不動産の取得者になるのではありません。
不動産の取得者と決まった後に、相続登記をします。
不動産の取得者と決まっていないのに、相続登記を申請することはできません。
③不動産の取得者であるか法務局が審査する
相続登記を申請する場合、たくさんの書類を提出します。
適切に不動産の取得者と決まったのか、法務局は提出書類で確認します。
相続登記を申請すれば、自動で登記されるわけではありません。
適切に不動産の取得者と決まったことが確認できないのに、相続登記を申請はできません。
相続登記を申請しても、法務局は通しません。
不動産の取得者であるか、法務局が厳しく審査します。
④勝手に相続登記をしても独り占めできない
不動産の取得者が相続登記を申請します。
適切に不動産の取得者になったのであれば、提出書類で確認できるはずです。
適切に不動産の取得者と決まったのか確認できれば、登記簿に登載されます。
登記簿に登載されたから、権利者になるのではありません。
勝手に相続登記をしても、独り占めはできません。
権利者が登記申請をするから、登記簿に登載されます。
登記制度は、権利関係を公示する制度です。
登記制度は、権利を取得する制度ではありません。
登記制度は、権利を確定する制度ではありません。
2相続登記で相続人の一人から申請できるケース
①遺言書で不動産の取得者が指定されているケース
(1)遺言書で遺産分割の方法を指定できる
被相続人が生前に、遺言書を作成していることがあります。
遺言書を作成して、相続財産の分け方を指定することができます。
遺言書がある場合、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。
(2)遺言書で指定された人が相続登記
遺言書は、遺言者が死亡したときに効力が発生します。
遺言書で不動産を相続させる人を指定した場合、遺言者が死亡したときに不動産を相続します。
不動産を相続させると指定された人が不動産を取得する人です。
相続登記は、権利を確定する制度ではありません。
不動産を取得する人が相続登記を申請します。
不動産を取得する人が一人である場合、一人で相続登記を申請します。
一人で相続登記を申請したから、一人で不動産を取得したのではありません。
遺言書で不動産を相続させると指定されたから、相続登記を申請します。
(3)相続登記では遺言書を提出する
遺言書で不動産を相続した場合、遺言書を法務局へ提出します。
法務局は、提出された遺言書の記載内容を確認します。
相続登記の申請人が遺言書で相続したと主張するだけでは、法務局は通しません。
遺言書に適切に記載されていないと、内容不明確で登記できないと判断されます。
不動産の取得者であるか、法務局が厳しく審査します。
(4)遺言執行者が相続登記を申請
遺言書は作成するだけでは、意味がありません。
遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。
遺言書を作成するとき、遺言執行者を指名することができます。
遺言書の内容を実現するため、遺言執行者は相続登記をすることができます。
②遺産分割協議で不動産の取得者が定められたケース
(1)遺産分割協議には相続人全員の協力が必要
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人全員の合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。
遺産分割協議には、相続人全員の協力が必要です。
(2)遺産分割協議で定められた人が相続登記
相続人全員の合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。
遺産分割協議で定められた人が不動産を取得します。
相続登記は、権利を確定する制度ではありません。
相続登記は、不動産を取得する人が申請します。
不動産を取得する人が一人である場合、一人で相続登記を申請します。
一人で相続登記を申請したから、一人で不動産を取得したのではありません。
遺産分割協議で不動産を相続すると合意できたから、相続登記を申請します。
(3)相続登記に遺産分割協議書を提出する
相続人全員の合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。
遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。
合意内容に間違いがないか、相続人全員に確認してもらいます。
問題がなければ、相続人全員が記名し実印で押印をします。
遺産分割協議書の押印が実印によるものであることを確認するため、印鑑証明書を添付します。
法務局は、遺産分割協議書と印鑑証明書を慎重に審査します。
遺産分割協議書の印影と印鑑証明書の印影にちがいがないか、厳重にチェックします。
相続登記の申請人が相続人全員が合意したと主張するだけでは、法務局は通しません。
相続人全員であるのか、戸籍謄本で確認します。
一部の相続人を含めずに合意しても、無効の合意だからです。
(4)相続人全員の合意がないと遺産分割協議は成立しない
一部の相続人を含めずに、遺産分割協議を成立させることはできません。
たとえ協力しない相続人がいても、相続人全員の合意が必要です。
相続人だけで話し合いが難しい場合、家庭裁判所の遺産分割調停を利用することができます。
たとえ行方不明の相続人がいても、相続人全員の合意が必要です。
行方不明の相続人の代わりに、不在者財産管理人が遺産分割協議に参加します。
たとえ認知症の相続人がいても、相続人全員の合意が必要です。
認知症の相続人の代わりに、成年後見人が遺産分割協議に参加します。
相続人全員の合意がないと、遺産分割協議は成立しません。
③法定相続分で相続人全員が共有するケース
(1)遺産分割協議中は相続人全員で共有している
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
遺産分割協議が成立するまで、相続人全員が法定相続分で共有しています。
(2)法定相続分で共有する相続登記ができる
登記制度は、権利関係を公示する制度です。
遺産分割協議中は、法定相続分で相続人全員が共有しています。
法定相続分で相続人全員が共有している事実を公示することができます。
遺産分割協議が成立しなくても、法定相続分で共有する相続登記を申請することができます。
(3)相続人の一人が法定相続分で共有する相続登記
遺産分割協議中は、相続人全員が不動産の取得者と言えます。
相続人全員が不動産を共有しているからです。
相続人はだれでも、法定相続分で共有する相続登記を申請することができます。
一部の相続人が法定相続分で共有する相続登記を申請することができます。
一部の相続人だけで、相続登記の申請人になることができます。
法定相続分で共有する相続登記は、不動産の処分ではないからです。
不動産の権利関係に影響がない保存行為だから、一部の相続人だけで相続登記をすることができます。
(4)自分の相続分だけ相続登記をすることはできない
被相続人が死亡すると、相続が発生します。
被相続人の死亡によって、相続人全員に不動産が相続されたと言えます。
一部の財産だけ、相続人に引き継がれることはありません。
一部の相続人が法定相続分で共有する相続登記を申請しても、相続人全員分申請する必要があります。
相続登記の申請人でない相続人の相続分も、登記されます。
自分の相続分だけ、相続登記をすることはできないからです。
(5)相続登記に戸籍謄本を提出する
相続財産が相続人全員の共有財産であることは、法律の定めによるものです。
相続人全が法定相続分で共有する相続登記をする場合、相続人全員であることが分かる戸籍謄本を提出します。
どのような続柄の人が相続人であるのか分かれば、法定相続分が分かります。
法定相続分は、法律で決められているからです。
法務局は、戸籍謄本を慎重に読解して法定相続分と相続人全員を確認します。
一部の相続人を記載していない場合、やり直しになります。
相続登記の申請人が相続人全員と主張するだけでは、法務局は通しません。
(6)申請人以外の相続人に権利証が発行されない
相続登記をすると、権利証が発行されます。
権利証が発行されるのは、申請人になった相続人のみです。
一部の相続人が法定相続分で共有する相続登記を申請した場合、他の相続人は共有者のひとりです。
法定相続分で共有する相続登記は、申請人が独り占めする制度ではないからです。
他の相続人は共有者のひとりなのに、権利証が発行されません。
後日、権利証を発行してもらうことはできません。
権利証は、権利者であることの証明書だからです。
権利者でない人に権利証が発行されることは、許されません。
相続登記が終わった後に、不動産を売却したいことがあるでしょう。
不動産を売却するときは、権利証が必要です。
不動産を売却するときに、共有者間でトラブルになる可能性があります。
不動産を売却するのに権利証がないと、余計な手間や費用がかかるからです。
(7)申請人が登録免許税を全額納付
一部の相続人が法定相続分で共有する相続登記を申請しても、自分の相続分だけ相続登記をすることはできません。
申請人でない相続人の相続分も、登記されます。
一部の相続人が法定相続分で共有する相続登記を申請しても、登録免許税は相続人全員分納付する義務があります。
(8)遺産分割協議成立後に所有権更正登記が必要
遺産分割協議中は、不動産は相続人全員で共有しています。
遺産分割協議が成立したら、不動産を取得する相続人が決まります。
遺産分割協議成立後に、所有権更正登記が必要になります。
3相続人申告登記は相続登記とは別の制度
①相続人申告登記はペナルティー回避の制度
令和6年(2024年)4月1日から、相続登記をする義務が課されました。
相続登記の期限は、3年です。
相続登記の期限3年を経過すると、ペナルティーの対象になります。
相続人申告登記は、ペナルティー回避の制度です。
相続人申告登記をすれば、ペナルティーを回避することができます。
②相続人申告登記は相続人の一人が申請できる
相続人申告登記は、相続人の一人が申請できます。
他の相続人の協力なしで、一部の相続人が申請できます。
相続登記をする義務は、相続人全員に課されています。
各相続人は他の相続人の関与なく、ペナルティーを回避することができます。
各相続人は一人で、ペナルティーを回避することができます。
③相続人申告登記は権利を取得する制度ではない
相続人申告登記をすると、登記簿に相続人であることが登記されます。
登記簿に相続人であることが登記されても、ペナルティー回避の効果があるだけです。
相続人申告登記は、権利を取得する制度ではありません。
相続人申告登記は、権利を確定する制度ではありません。
④相続人申告登記をしても相続登記
相続人申告登記をしても、相続登記が必要です。
相続人申告登記をしても、所有者であることは公示されません。
相続人と登記されても、不動産を取得する可能性があるに過ぎません。
相続人と登記されても、不動産を取得しない可能性があります。
不動産を取得した場合、あらためて相続登記が必要です。
4相続登記を司法書士に依頼するメリット
大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。
やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。
相続手続は一生のうち何度も経験するものではないでしょう。
だれにとっても不慣れで、手際よくできるものではありません。
相続登記は、相続手続の中でも手間がかかる難しい手続です。
相続登記は難しい手間がかかる手続なので、司法書士などの専門家に依頼するでしょう。
相続手続で挫折しがちなのは、戸籍謄本などの書類収集や遺産分割協議書の作成です。
書類収集や遺産分割協議書の作成は、司法書士に依頼することができます。
司法書士が戸籍謄本や遺産分割協議書を準備したうえに、法務局の厳重な審査をします。
法務局の審査が通った戸籍謄本や遺産分割協議書だから、銀行などの相続手続先で指摘があることはありません。
銀行などの独自書類の内容などに指摘があるとしても、簡単に済むことがほとんどでしょう。
相続手続をスムーズに進めたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
法定相続情報一覧図の申出書は押印不要
1法定相続情報一覧図の申出書は押印不要
①令和3年4月1日から法定相続情報一覧図は押印廃止
令和3年4月1日から法定相続情報一覧図の申出書は、押印が不要になりました。
法定相続情報一覧図の申出書は、記名のみで差し支えありません。
押印がなくても、自署する必要はありません。
②法定相続情報一覧図の制度全体で押印不要
(1)法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書に押印不要
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書とは、法定相続情報一覧図を発行してもらうための申出書です。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書に、押印する必要はありません。
申出人欄に記名すれば、受付してもらえます。
PCなどで作成して印刷してもゴム印などを押しても、問題ありません。
押印がなくても、自署する必要はありません。
(2)法定相続情報一覧図案に押印不要
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書を提出する際に、法定相続情報一覧図案を提出します。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書を提出しても、法務局が法定相続情報一覧図案を作成代行をしません。
法定相続情報一覧図案には、作成者の記名が必要です。
作成者の記名だけで、押印は不要です。
(3)委任状に押印不要
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出は、代理人を立てて依頼することができます。
申出人が自分で申出をするとき以外は、委任状が必要です。
委任状は、代理人に依頼したことの証明書だからです。
法定相続情報一覧図の委任状は、押印不要です。
たとえ家族に依頼するときでも、委任状は必要です。
委任状がないと適切な依頼受けたのか、法務局は分からないからです。
(4)本人確認書類の原本還付に押印不要
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書を提出する際に、申出人の本人確認書類を提出します。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出では、戸籍謄本などの提出書類は自動で原本還付されます。
申出人の本人確認書類は、自動で原本還付されません。
法定相続情報一覧図には、相続人の住所を記載しておくと便利です。
法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載する場合、相続人全員の住民票を提出します。
提出した住民票は、本人確認書類としても利用することができます。
申出人の住民票を住所証明書類と本人確認書類として提出する場合、自動で原本還付されません。
申出人の本人確認書類は、自動で原本還付されないからです。
原本還付を希望する場合、コピーを添付します。
コピーに「原本に相違ありません」と記載して、申出人が記名します。
記名するだけで、押印は不要です。
(5)法定相続情報一覧図を窓口受領したときに押印不要
法定相続情報一覧図の審査が完了したら、地模様が入った紙に印刷して発行してもらえます。
法定相続情報一覧図は、法務局の窓口で交付を受けることができます。
法定相続情報一覧図を窓口受領したときに、申出人の受領印の押印は不要です。
受取欄に、記名します。
法定相続情報一覧図は、郵送で受け取ることもできます。
③法定相続情報一覧図で押印不要になった理由
理由(1)不動産登記規則が改正されたから
不動産登記規則が改正され、令和3年4月1日から押印要件が削除されました。
押印不要は、慣習的に省略できるのではありません。
押印不要は簡略化ではなく、令和3年の法令改正で押印要件が廃止された結果です。
理由(2)法務局による審査に重心を移したから
法定相続情報一覧図の申出があると、法務局は審査をします。
提出された戸籍謄本などの公的書類と法定相続情報一覧図案の確認をします。
押印要件は、法定相続情報一覧図の真正性の担保に影響が少ないと考えられます。
押印要件を廃止して、公的書類と法定相続情報一覧図案の確認に重心を移したと言えます。
法務局による審査に重心を移したから、法定相続情報一覧図は押印廃止されました。
理由(3)オンライン化推進のため
国家的な政策全体で、オンライン化が進められています。
国家的な政策を進める潮流で、押印が廃止されました。
法定相続情報一覧図は、オンラインで申請することはできません。
④押印しても受付けてもらえる
法定相続情報一覧図は、押印が不要になりました。
従来どおり、押印しても問題はありません。
押印しても問題なく、受付けてもらえます。
2申出書に押印不要でもカンタンにならない
①法務局の審査は厳格なまま
法定相続情報一覧図は、公的書類です。
法定相続情報一覧図は公的書類だから、高い信頼性があります。
法定相続情報一覧図は公的書類だから、厳格な書き方ルールを守る必要があります。
公的書類にふさわしい厳格な書き方ルールを守れないと、信頼性が失われるからです。
法務局は法定相続情報一覧図の信頼性を維持するため、厳格に審査します。
申出書に押印不要でも、カンタンに手続できません。
申出書に押印不要でも、法務局の審査は厳格なままです。
②法務局は法定相続情報一覧図案の作成代行をしない
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をすると、法定相続情報一覧図を発行してもらうことができます。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をする場合、法定相続情報一覧図案を添付します。
法務局は、法定相続情報一覧図案を作成代行をしてくれません。
法務局は、提出された戸籍謄本等と法定相続情報一覧図案を審査します。
法定相続情報一覧図案の不備が指摘されたら、すぐに対応します。
申出書に押印不要でも、カンタンに手続できません。
申出書に押印不要でも、法定相続情報一覧図案を作成代行をしてくれません。
③法務局は戸籍謄本の収集代行をしない
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をする場合、たくさんの戸籍謄本を添付します。
提出する戸籍謄本は、次のとおりです。
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
法務局は、戸籍謄本の収集代行をしません。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をしたのに、戸籍謄本の不足が見つかることがあります。
法務局から戸籍謄本の不足が指摘されたら、すぐに対応します。
申出書に押印不要でも、カンタンに手続できません。
申出書に押印不要でも、戸籍謄本を収集代行をしてくれません。
3相続登記と法定相続情報一覧図は最初に同時申請でラクにする
①最初に同時申請で相続手続をラクにする
相続登記と法定相続情報一覧図の保管および交付の申出は、同時申請をすることができます。
最初に同時申請を選択すると、相続手続をスムーズに進めることができます。
相続登記では、司法書士が必要書類を確認し申請します。
法務局は、非常に慎重に審査します。
司法書士が確認し法務局が審査した戸籍謄本や書類に、誤りがあることはほとんどありません。
司法書士が確認し法務局が審査した書類を使って、相続手続をすることができます。
各相続手続先の独自書類の書き誤りなどであれば、知識がなくても対応できるでしょう。
最初に相続登記と法定相続情報一覧図の同時申請で、相続手続をラクにすることができます。
②相続登記と法定相続情報一覧図は不動産の所在地の法務局に申請できる
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記には、管轄があります。
相続登記の申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局です。
法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出は、不動産の所在地を管轄する法務局に提出することができます。
法定相続情報一覧図と相続登記を同時に申請することができます。
③相続登記の必要書類は法定相続情報一覧図の必要書類と重なる
相続登記では、たくさんの必要書類を準備します。
相続登記の必要書類は、法定相続情報一覧図の必要書類とほとんど重なります。
相続登記で必要な書類を使って、法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をすることができます。
法定相続情報一覧図と相続登記をまとめて申請することができます。
④相続登記と法定相続情報一覧図は司法書士に依頼できる
相続登記は、法務局が慎重に審査する手続です。
法定相続情報一覧図は、公的書類にふさわしい厳格な書き方ルールが決められています。
相続登記と法定相続情報一覧図は、司法書士などの専門家にまとめて依頼することができます。
⑤法定相続情報一覧図のみ先行は二度手間になる
法定相続情報一覧図だけ先行すると、相続登記は別途必要です。
あらためて相続登記を申請する手間がかかり、あらためて法務局の審査の時間がかかります。
最初に同時申請を選択すると、二度手間のストレスを減らすことができます。
相続登記と法定相続情報一覧図は、最初に同時申請が合理的です。
4法定相続情報一覧図の作成を司法書士に依頼するメリット
法定相続情報一覧図は、書き方が厳格に決まっています。
後に登記官が認証文を付して、交付されるからです。
法定相続情報一覧図と似たものに、相続関係説明図があります。
相続関係説明図は、登記官が点検をするものではありません。
単なる事情説明の書類に過ぎませんから、比較的自由に書くことができます。
これらの違いを理解して、ポイントを押さえて書くことが重要です。
相続手続が少ない場合など、法定相続情報一覧図を作るまでもないこともあるでしょう。
相続手続をする手続先が多い場合は、法定相続情報一覧図は大変便利です。
仕事や家事で忙しい方はこのような手続はすべてお任せいただけます。
すみやかな手続を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
名寄帳を活用して相続した不動産を調査する方法
1名寄帳を活用して相続した不動産を調査する方法
①名寄帳は所有者ごとの不動産一覧表
名寄帳は「なよせちょう」と読みます。
名寄帳とは、土地や家屋を所有者ごとにまとめた一覧表です。
不動産などの固定資産を保有していると、固定資産税の対象になります。
市町村は、固定資産税を賦課徴収するため、固定資産課税台帳を作成しています。
名寄帳は、固定資産課税台帳から所有者ごとに一覧表に取りまとめた書類です。
名寄帳を見ると、被相続人の不動産を一覧で確認できます。
②課税明細書に記載がない不動産を確認できる
毎年4~5月ごろに、固定資産税納税通知書が届きます。
固定資産税納税通知書に、課税明細書が付いてきます。
課税明細書を見ると、固定資産税が課される不動産が列挙されています。
課税明細書に列挙される不動産は、固定資産税の対象になる不動産のみです。
被相続人の不動産であっても、固定資産税が課されないことがあります。
例えば、私道や水路、山林などは、条件を満たすと固定資産税が課されません。
課税明細書を見ても、固定資産税が課されない不動産は確認できません。
名寄帳を確認すると、固定資産税が課されない不動産を確認できることがあります。
③共有不動産を確認できる
被相続人が第三者と不動産を共有していることがあります。
共有不動産の固定資産税納税通知書は、共有者の代表者に対して送られます。
被相続人が共有者の代表者でなかった場合、固定資産税納税通知書は届きません。
相続人が共有不動産について何も聞いていないと、気づけない可能性があります。
名寄帳を確認すると、共有不動産を確認できます。
④固定資産課税台帳と名寄帳のちがい
固定資産課税台帳とは、固定資産税を賦課徴収するための台帳です。
固定資産課税台帳は、不動産ごとに情報が取りまとめてあります。
固定資産税は、不動産などの固定資産に対して賦課するからです。
名寄帳とは、固定資産課税台帳から所有者ごとに一覧表に取りまとめた書類です。
名寄帳は、所有者ごとに情報が取りまとめてあります。
被相続人の不動産を一覧で確認できるから、名寄帳はとても便利です。
固定資産課税台帳と名寄帳の記載内容に、大きなちがいはありません。
⑤名寄帳を見るときのポイント
固定資産課税台帳には、たくさんの情報が記載されています。
相続財産を調査する場合、次の項目に注目するといいでしょう。
ポイント(1)不動産に関する情報
・不動産が土地であるか家屋であるか
・不動産の所在地
・土地であれば、地積、地目
・家屋であれば、家屋の種類、面積
・単独所有であるか共有であるか
ポイント(2)所有者に関する情報
・所有者の住所
・所有者の氏名
ポイント(3)固定資産税評価額
2名寄帳の取得方法
①名寄帳を取得できる人
名寄帳は、その人の財産に関する重要な書類です。
原則として、所有者本人だけが交付請求をすることができます。
所有者本人が死亡した場合、相続人の一人が交付請求をすることができます。
委任状を発行して、代理人に名寄帳を取得を依頼することができます。
②名寄帳を取得するときに必要な書類
相続人が交付請求をする場合、次の書類が必要です。
(1)所有者本人の除籍謄本
(2)交付請求をする人が相続人であることが分かる戸籍謄本
(3)交付請求をする人の本人確認書類
③市町村ごとに交付請求をする
名寄帳は、市町村ごとに発行されます。
不動産が所在する市町村ごとに、手続します。
請求先は、市町村役場の固定資産税の担当課です。
一部の政令指定都市では、各市税事務所で手続をします。
不動産の所在が分からない場合、思い当たる各市町村に請求して確認します。
④名寄帳は郵送請求をすることができる
名寄帳は、窓口まで出向いて交付請求をすることもできるし、郵送請求をすることもできます。
郵送請求する場合、日中連絡ができる電話番号を明記しておきましょう。
返信用の封筒と切手を同封しておくと、送り返してもらえます。
手続をするときに、単独所有の物件と共有の物件のいずれも交付してくださいとお願いするといいでしょう。
⑤名寄帳に発行手数料
名寄帳を発行してもらう場合、手数料がかかります。
手数料は、請求時期や市町村によって異なります。
多くの場合、1通300円前後でしょう。
名寄帳を郵送で交付請求する場合、手数料は郵便小為替で納入します。
郵便小為替は、郵便局の貯金窓口で購入します。
名寄帳は、単独所有の物件と共有の物件は別々に発行されます。
手数料が別々に計算されます。
⑥令和8年2月2日から所有不動産記録証明制度
所有不動産記録証明制度とは、法務局で名寄せができる仕組みです。
特定の所有者の不動産が一覧できます。
名寄帳は不動産が所在する市区町村が分からないと、請求できません。
所有不動産記録証明制度が始まると、見つけやすくなるでしょう。
所有不動産記録証明制度は、相続登記義務化に伴って導入された制度です。

3名寄帳を請求するときの注意点
注意①1月1日時点の所有状況のみ確認できる
名寄帳は、毎年1月1日時点の登記簿の所有者を基準に作成されます。
1月2日以降に登記完了した場合、名寄帳には反映しません。
1月2日以降に手放した不動産は、名寄帳に記載されています。
1月2日以降に手に入れた不動産は、名寄帳に記載されていません。
名寄帳は、参考に過ぎません。
登記簿謄本や売買契約書などを活用して、相続財産を確認するのがおすすめです。
注意点1つ目は、1月1日時点の所有状況のみ確認できることです。
注意②発行した市町村以外の不動産は記載されない
被相続人が複数の市町村で、不動産を持っていることがあります。
名寄帳は、その市町村に所在する不動産のみ記載されます。
発行した市町村以外に所在する不動産は、記載されません。
不動産が所在する市町村が分からないと、思い当たる各市町村に請求します。
注意点2つ目は、発行した市町村以外の不動産は記載されないことです。
注意③法人名義は別
被相続人が会社を経営していることがあります。
会社名義で不動産を所有している場合、被相続人の個人名義の名寄帳に記載されません。
被相続人個人と被相続人の経営する会社は、別扱いだからです。
会社名義の名寄帳が必要である場合、あらためて会社名義の名寄帳を取得する必要があります。
注意点3つ目は、法人名義の名寄帳は別であることです。
注意④証明書としての効力はない
名寄帳は、公的な証明書ではありません。
市区町村長の公印は、押してありません。
原則として、所有している不動産を一覧で確認できる書類に過ぎません。
名寄帳の内容を証明するときは、固定資産税評価証明書を取得する必要があります。
名寄帳は証明書ではないものの、不動産の固定資産税評価額が分かる書類です。
相続登記をする場合、多くの法務局では名寄帳を提出することができます。
注意4点つ目は、証明書としての効力はないことです。
注意⑤名寄帳を発行していない市町村がある
名寄帳は、その人の重要な財産に関する書類です。
機密性の高い個人情報であることを考慮して、名寄帳を発行していない市町村があります。
名寄帳を発行し得いない市町村である場合、課税明細書の再発行を受けることで代用します。
課税明細書には、固定資産税が課される物件のみ記載されます。
現在は固定資産税が課されていない物件であっても、所有状況を把握していることが多いでしょう。
課税明細書を請求するとき「課税されていない物件がある場合は、資産明細書も出してください」と記載すると判明することがあります。
注意点5つ目は、名寄帳を発行していない市町村があることです。
4名寄帳を取得してもクロスチェックが重要
①登記簿謄本を取得して共同担保目録をチェック
名寄帳を取得しても、不動産を見落とす可能性があります。
非課税物件などが網羅されていないことがあるからです。
名寄帳を取得した後、登記簿謄本で権利関係を確認するのは有効です。
金融機関などから借り入れをする場合、複数の不動産を担保に差し出すことがあります。
複数の不動産に共同担保を設定した場合、登記簿の共同担保目録に記録されます。
登記簿謄本の共同担保目録を確認すると、名寄帳にない不動産が見つかることがあります。
②売買契約書や権利証をチェック
被相続人が不動産を取得したときの売買契約書や権利証を確認するのは、おすすめです。
売買契約書を確認すると、売買の対象になった不動産が記載されているはずです。
購入した不動産の権利証があるはずです。
例えば、自宅を購入したときの売買契約書を確認すると、自宅の敷地が売買の対象であることが分かります。
よく見ると、自宅の敷地と一緒に私道の共有持分を購入しているかもしれません。
自宅の権利証の他に、私道の権利証が見つかるかもしれません。
私道は、固定資産税が非課税になることが多いでしょう。
非課税の不動産は、課税明細書に記載されないでしょう。
私道は、近隣の住民と共有することが多いでしょう。
固定資産税納税通知書は、共有者の代表者に届きます。
売買契約書や権利証を確認すると、名寄帳にない不動産が見つかることがあります。
③公図を取得して隣接地をチェック
公図とは、土地の所在や形状を表した図面です。
法務局で取得することができます。
公図を見ると、近接地の地番や形状が視覚的に分かります。
近接地の地番を確認して、登記簿謄本を取得します。
名寄帳に記載がなくても、被相続人の所有する土地かもしれません。
公図を取得して隣接地を確認すると、名寄帳にない不動産が見つかることがあります。
④典型的な見落とし例
ケース(1)固定資産税の非課税地
私道や山林などは、条件を満たすと固定資産税が課されません。
固定資産税の課税明細書に記載されないだけでなく、名寄帳にも記載がないケースがあります。
見落とし例1つ目は、固定資産税の非課税地です。
ケース(2)共有名義の土地
被相続人が不動産を共有している場合、共有者の代表でないと固定資産税納税通知書が届きません。
単独所有の不動産と共有の不動産は、名寄帳が別になっていることがあります。
見落とし例2つ目は、共有名義の土地です。
ケース(3)地番が違う土地
地番は、住所と異なることがあります。
日常生活で地番を使うことは、ほとんどないでしょう。
住所と異なる地番の土地は、見落とされがちです。
見落とし例3つ目は、地番が違う土地です。
ケース(4)相続登記未了の土地
相続財産調査をすると、相続登記未了の土地が見つかることがあります。
被相続人の先祖の名義のままになっている土地は、名寄帳が別になっていることが多いでしょう。
見落とし例4つ目は、相続登記未了の土地です。
⑤見落としがあるとトラブルにつながる
相続財産調査は、重要です。
財産の全容が明らかでないと、相続人間のトラブルにつながるからです。
相続した不動産の見落としがあると、相続登記をしないままになるでしょう。
相続登記義務化で、3年以内に相続登記をしないと10万円以下のペナルティーが課されます。
相続税申告の申告漏れにもつながります。
相続財産調査は、確実に行うことが重要です。
5財産調査を司法書士に依頼するメリット
相続が発生したら、遺族は大きな悲しみに包まれます。
もれなく迅速に相続財産を調査するのは、身体的にも精神的にも大きな負担になります。
負担の大きい財産調査は、司法書士などの専門家に依頼することができます。
被相続人の財産について、相続人もあまり詳しく知らないという例は意外と多いものです。
悲しみの中で被相続人の築いてきた財産をたどるのは切なく、苦しい作業になります。
財産調査でお疲れが出る前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
失踪届だけで死亡扱いにできず失踪宣告が必要
1失踪届だけで死亡扱いにできない
①失踪届は戸籍の届出
失踪届とは、戸籍の届出のひとつです。
失踪届は、失踪宣告を受けたことを戸籍に記載してもらうために届出をします。
失踪届が受理されると、その人が死亡扱いになります。
死亡扱いになるのは、失踪届による効果ではありません。
失踪届は、単に失踪宣告を受けたことの報告に過ぎないからです。
死亡扱いにできるのは、家庭裁判所による失踪宣告です。
失踪宣告の効果で、死亡扱いになります。
失踪届を提出する際、失踪宣告の審判書と確定証明書が必要です。
失踪宣告の審判書と確定証明書がないと、失踪届は受理されません。
失踪届は、失踪宣告を受けたことの報告だからです。

②警察に出す行方不明者届・捜索願で死亡扱いはできない
行方不明者届とは、警察に出す届出です。
大切な家族が行方不明になったとき、探してもらいたいときに、警察に届け出ます。
行方不明者届・捜索願は、死亡扱いにする届出ではありません。
行方不明者届・捜索願は、行方不明になった人を探してもらう手続です。
③失踪宣告で行方不明者と死亡扱いにする
行方不明者は、生きている扱いです。
長期間行方不明でも、生きている扱いのままです。
失踪宣告とは、行方不明の人を死亡扱いにする手続です。
家庭裁判所による失踪宣告を受けると、行方不明者は死亡扱いになります。
失踪宣告で、行方不明者とを死亡扱いにすることができます。
2失踪宣告で死亡と見なされる
①残された家族のため失踪宣告
相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。
条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。
失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。
失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。
行方不明が長期化した場合、家族が困ります。
家族であっても、行方不明の人の財産を処分することができません。
行方不明者の配偶者は、再婚することができません。
残された家族のために、行方不明者を死亡したものと扱う制度が失踪宣告の制度です。
失踪宣告がされると、死亡した取り扱いをします。
失踪宣告がされた人に、相続が発生します。
相続財産は、相続人全員の共有財産になります。
相続人全員の合意があれば、相続財産を自由に分けることができます。
遺産分割協議によって相続した後は、相続人が自由に処分をすることができます。
②失踪宣告の要件は長期間生死不明と申立て
失踪宣告には、2種類があります。
普通失踪と特別失踪(危難失踪)です。
失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。
死亡したことが確認できないのに、死亡と見なされます。
死亡と見なされるという強い効果があります。
失踪宣告が認められるためには、次の条件があります。
(1)行方不明の人が生死不明であること
(2)生死不明のまま一定期間継続していること
③申立人による調査で調査の端緒を提供
失踪宣告の申立てをするにあたって、申立人が調査をします。
申立人などの家族は、完璧な調査ができるはずはありません。
家族は、捜査機関ではないからです。
申立人による調査の目的は、家庭裁判所に調査の端緒を提供することです。
申立人が行方不明と主張するだけでは、調査の端緒を得ることができません。
さまざまな調査をしたけど手がかりがなかったのなら、手がかりがなかったことを報告します。
手がかりがなかったことが調査の端緒の一部になるからです。
家庭裁判所に調査の端緒を提供できれば、充分な調査をしたと言えます。
失踪宣告の事前確認で申立てができると判断できた時点で、申立人による事前調査は完了です。
調査の端緒を提供できるから、申立てができると判断できたはずだからです。
あらためて、申立人による調査をする必要はありません。
④家庭裁判所は補充調査をする
申立人によって提供された調査の端緒を参考に、家庭裁判所が補充調査をします。
家庭裁判所による補充調査のため、申立人が調査の端緒を提供します。
家庭裁判所は、捜査機関ではないからです。
家庭裁判所による補充調査で、行方不明者の生存の痕跡を探します。
生存の痕跡があった最終日から失踪期間を計算するからです。
家庭裁判所による補充調査をして、失踪宣告ができるか判断します。
⑤行方不明者届・捜索願は失踪を証する資料にできる
生死不明のまま一定期間継続していることが認められる場合、失踪宣告がされます。
捜索願や行方不明者届は、失踪を証する資料のひとつです。
失踪を証する資料は、実務上ほぼ必須の書類とされています。
失踪宣告がされると、行方不明者は死亡と見なされるという重大な法的効果があるからです。
家庭裁判所は失踪宣告の審判をする前提として、失踪の事実を厳格に確認します。
捜索願や行方不明者届は、失踪を証する有力な資料です。
⑥失踪宣告に捜索願・行方不明者届は必須ではない
失踪宣告の申立てに、失踪を証する資料を添付します。
捜索願や行方不明者届は、有力な資料です。
有力な資料ではあるけど、必須の資料ではありません。
捜索願や行方不明者届を提出していなくても、失踪を証する資料を準備することができます。
実務的にも、捜索願や行方不明者届を提出していないケースは少なくありません。
捜索願や行方不明者届は、家族を探してもらうための届出です。
捜索願や行方不明者届は、失踪宣告のための届出ではありません。
捜索願や行方不明者届は、失踪を証する資料の一例に過ぎません。
⑦普通失踪は7年で死亡と見なされる
一般的に失踪宣告といった場合、普通失踪を指しています。
生死不明の期間を失踪期間と言います。
普通失踪では、失踪期間が7年必要です。
生死不明のまま7年経過した場合に、自動的に死亡と見なされるわけではありません。
家庭裁判所が失踪宣告したときに、死亡と見なされます。
生死不明の人の家族や利害関係人は、家庭裁判所に失踪宣告の申立てをすることができます。
家庭裁判所に失踪宣告の申立てをした後、家庭裁判所が死亡と認めていいか調査します。
家庭裁判所の状況や事件の内容によっては、調査のために1年ほどかかる場合もあります。
生死不明のまま7年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。
生死不明になってから7年間経過した日に、死亡と見なされます。
⑧特別失踪(危難失踪)は1年で死亡と見なされる
行方不明の人が大災害や大事故にあっていることがあります。
大災害や大事故に遭った場合、死亡している可能性が非常に高いものです。
特別失踪(危難失踪)とは「戦地に行った者」「沈没した船舶に乗っていた者」「その他死亡の原因となる災難に遭遇した者」などを対象にする失踪宣告です。
特別失踪(危難失踪)では、失踪期間が1年で済みます。
生死不明のまま1年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。
危難が去った日に、死亡と見なされます。
3失踪宣告後は失踪届で戸籍に反映
①死亡届でなく失踪届を提出
失踪宣告を受けた人は、法的に死亡扱いがされます。
失踪宣告を受けても、死亡届は提出しません。
失踪宣告を受けた人は、戸籍に失踪宣告を受けたことが記載されます。
失踪届とは、失踪宣告を受けたことの報告です。
失踪宣告の審判書と確定証明書を添付して、市区町村役場に届け出ます。
失踪届を出しても、市区町村役場は行方不明になった人を探しません。
失踪届は、失踪宣告を受けた後に提出します。
失踪宣告をするにあたって、申立人と家庭裁判所が慎重に調査をしているはずです。
申立人と家庭裁判所が知らない情報を持つ人がいる可能性を考え、官報に公告をしています。
非常に重大な法的効果があるから、非常に慎重に調査をします。
非常に慎重に調査をしても、生存の痕跡がないときだけ失踪宣告がされます。
②失踪宣告がされたときの戸籍の記載
戸籍には次のように記載されます。
【死亡とみなされる日】令和〇年〇月〇日
【失踪宣告の裁判確定日】令和〇年〇月〇日
【届出日】令和〇年〇月〇日
【届出人】親族 〇〇〇〇
③失踪宣告で相続が発生する
失踪宣告を受けると、法的に死亡扱いがされます。
失踪宣告を受けた人を被相続人として、相続が発生します。
死亡と見なされる日が相続発生日です。
相続手続では、失踪宣告が記載された戸籍謄本を提出します。
④生きていたら失踪宣告取消
失踪宣告がされても、行方不明の人が新天地で元気に生きていることがあります。
失踪宣告がされた後に本人が帰ってきた場合、失踪宣告の取消の審判をしてもらいます。
失踪宣告を受けた人が生きている場合でも、家庭裁判所で失踪宣告を取り消されるまで死亡したと扱われるからです。
4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。
行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。
相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。
自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。
困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。
途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。
相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
遺言書の内容を安全に変更する方法
1遺言書の変更は旧遺言書の撤回と新遺言書の作成
①遺言書はいつでも何度でも変更できる
遺言書は、遺言者の意思を示すものです。
遺言書を作成した後に、遺言書の気持ちが変わることがあります。
遺言書を作成した後に、財産状況や相続人の状況が変わることがあるからです。
遺言者の意思が変わったら、遺言書の内容を変更することができます。
遺言書は、いつでも変更することができます。
遺言書は、何度でも変更することができます。
遺言者の意思は、いつでも何度でも変更できるからです。
②遺言書は遺言の方式に従って撤回できる
遺言書を作成しても、遺言者は作成した遺言書を撤回することができます。
遺言書は、遺言者の意思を示すものだからです。
遺言者は、遺言の方式で遺言書を撤回することができます。
遺言の方式とは、遺言を有効にするために法律で決められた作成ルールです。
自筆証書遺言や公正証書遺言は、どちらも遺言の方式です。
新たに自筆証書遺言を作成して、旧遺言書を撤回することができます。
新たに公正証書遺言を作成して、旧遺言書を撤回することができます。
③自筆証書遺言は破棄修正ができる
(1)遺言者の故意による破棄で撤回
自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。
自筆証書遺言を作成した後、原則として遺言者が自分で保管します。
遺言者は、保管中の自筆証書遺言を破棄することができます。
遺言者が故意に破棄した場合、自筆証書遺言は撤回したと見なされます。
遺言者の故意でない場合、自筆証書遺言は撤回したと見なされません。
例えば、遺言者が紛失したケースや遺言者以外の人が破棄したケースでは、撤回したと見なされません。
(2)厳格な修正ルールがある
遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。
遺言書には、厳格な修正ルールがあります。
書き方ルールや修正ルールに違反すると、無効になります。
自筆証書遺言は修正できるけど、おすすめできません。
自筆証書遺言は、不備があっても気が付けないからです。
何度も変更すると、無効リスクが累積します。
④公正証書遺言は破棄修正できない
公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が取りまとめる遺言書です。
公正証書遺言を作成した後、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。
公正証書遺言には、破棄する制度も修正する制度もありません。
たとえ遺言者本人が公証役場に出向いても、公正証書遺言は破棄修正することはできません。
たとえ遺言者本人であっても公証人であっても、遺言書原本を破棄修正することはできません。
公正証書遺言を作成すると、遺言者には正本と謄本が渡されます。
正本と謄本は、公正証書遺言のコピーです。
遺言者の手元にある正本や謄本を破棄しても、意味はありません。
遺言者の手元にある正本や謄本にあれこれ書き込みをしても、意味はありません。
遺言者の手元にある正本や謄本を破棄しても、遺言書を撤回することはできません。
遺言者の手元にある正本や謄本にあれこれ書き込みをしても、遺言書を修正することはできません。
遺言書原本は、公証役場で厳重保管されているからです。
遺言者が正本や謄本に書き込みしても、相続発生後に相続人は公証役場に謄本を請求することができます。
発行される謄本は、遺言書作成時の謄本です。
遺言者が正本や謄本を破棄しても、公正証書遺言は有効のままです。
相続人が取得した謄本で、遺言書の内容を実現することができます。
⑤遺言書を撤回した後に新しい財産の分け方
遺言書を撤回すると、すでに作成した遺言書は無効になります。
遺言書がないまま相続が発生した場合、相続人全員による遺産分割協議が必要になります。
新たな遺言書で撤回した後、あらためて財産の分け方を決めておくことができます。
あらためて全財産の分け方を決めておくことで、遺産分割協議を回避することができます。
旧遺言書を撤回する遺言書と新たな財産の分け方を決める遺言書は、1通に取りまとめることができます。
旧遺言書を撤回し新たな財産の分け方を決めた場合、遺言書の内容は変更されたと言えます。
遺言書の変更は、旧遺言書の撤回と新遺言書の作成です。
⑥新たな遺言書が無効になると撤回が無効になる
新たに作成した遺言書が無効になることがあります。
無効になった遺言書の内容は、実現できません。
新たな遺言書で撤回しようとしても、無効の遺言で撤回することはできません。
新たな遺言書が無効になると、撤回が無効になります。
2遺言書の内容を安全に変更する方法
①修正するより新遺言を作成が安全
先に作成した遺言書が公正証書遺言である場合、修正することはできません。
先に作成した遺言書が自筆証書遺言である場合、修正することはできます。
先に作成した自筆証書遺言を修正することは、おすすめできません。
自筆証書遺言の修正は、厳格な修正ルールがあります。
修正ルールに違反すると、修正部分が無効になります。
修正が遺言書全体に影響する場合、遺言書全体が無効になるリスクがあります。
修正は、ラクで簡単な方法ではありません。
自筆証書遺言は、無効リスクが大きい遺言書です。
修正すると、さらに無効リスクが重なります。
何度も修正すると、無効リスクが累積します。
遺言書内容を変更するときは、修正するより新遺言を作成する方が安全です。
②内容矛盾による撤回より撤回条項が安全
遺言書が複数見つかることは、珍しくありません。
遺言書を作成する数に、制限はないからです。
遺言書は、複数作成することができます。
遺言書が複数見つかっても、原則として有効です。
内容が矛盾しない場合、すべての内容を実現することができます。
内容が矛盾する場合、古い遺言書は撤回されたと見なされます。
例えば、旧遺言書に「自宅は長男に相続させる」新遺言書に「自宅は長女に相続させる」とある場合、内容が矛盾しています。
内容が矛盾している場合、新遺言書が優先されます。
旧遺言書の「自宅は長男に相続させる」は、撤回されたと見なされます。
撤回されたと見なされるのは、遺言書全体ではなく内容が矛盾する部分のみです。
内容が矛盾しない条項は、古い遺言書で相続手続をします。
内容が矛盾する条項は、新しい遺言書で相続手続をします。
複数の遺言書があると、相続手続が難航しがちです。
どの遺言書が有効なのか、検討する必要があるからです。
内容矛盾により撤回と見なされるよりは、撤回条項を置く方がおすすめです。
撤回条項があれば、古い遺言書は確実に無効にできるからです。
遺言書内容を変更するときは、内容矛盾による撤回より撤回条項が安全です。
③一部撤回より全部撤回条項が安全
遺言書の変更は、旧遺言書の撤回と新遺言書の作成です。
旧遺言書の一部を撤回し、変更部分だけの新遺言書を作成することはおすすめできません。
一部撤回をすると、撤回部分の範囲が問題になることがあるからです。
撤回しない旧遺言書の内容と新遺言書の内容が矛盾する可能性があります。
遺言全体の趣旨が不明確になる可能性があります。
一部だけ直したつもりであっても、他の条項との関係でつじつまが合わなくなることがあるからです。
遺言者が死亡した後に相続人間でトラブルが発生したら、取り返しがつきません。
遺言者が死亡した後で、遺言者の意思は分からないからです。
相続人は自分に有利な主張をするから、相続手続が進められなくなります。
新たな遺言書で、すでに作成した遺言書をまとめて撤回することができます。
全部撤回条項でまとめて撤回した場合、確実に無効にすることができます。
遺言書内容を変更するときは、一部撤回より全部撤回条項が安全です。
④新しい遺言書は自筆証書遺言より公正証書遺言が安全
(1)公正証書遺言は書き方ルールの違反で無効にならない
遺言者は、遺言の方式で遺言書を撤回することができます。
新しい遺言書の方式に、制限はありません。
自筆証書遺言は、専門家が関与することなく作られます。
遺言者本人が遺言書の厳格な書き方ルールに詳しいことはあまりありません。
不備があっても、遺言者本人は気が付くことができないでしょう。
遺言書の書き方ルールに違反があると、遺言書は無効になります。
新しい遺言書で古い遺言書を撤回するつもりでも、無効の遺言書で撤回はできません。
新しい遺言書が無効になると、古い遺言書が有効です。
古い遺言書の内容が実現されます。
遺言書内容を変更するときは、自筆証書遺言より公正証書遺言が安全です。
(2)紛失リスクや偽造変造リスクがない
自筆証書遺言を作成したら、原則として遺言者が自分で保管します。
自筆証書遺言は、保管場所に困ります。
保管場所を家族と共有していないと、紛失するリスクや見つけてもらえないリスクがあります。
保管場所を家族と共有していると、偽造変造リスクがあります。
公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。
公正証書遺言は、紛失リスクがありません。
公正証書遺言は、偽造変造リスクがありません。
遺言書内容を変更するときは、自筆証書遺言より公正証書遺言が安全です。
3遺言書の内容を安全に変更する手順
手順①変更内容を決める
古い遺言書を確認して、変更内容を明確にします。
手順②新しい遺言書案を作成する
新しい遺言書は、全面的に書き直すのがおすすめです。
変更内容を確認して、全文作り直します。
撤回条項を置くと、安心です。
手順③公証役場に相談
遺言内容を公証人に伝え、公正証書案を確認します。
古い遺言書が公正証書遺言であっても、公証人に伝える義務はありません。
公証人に伝えておくと、内容が矛盾しないようにアドバイスを受けることができます。
公証人に伝える義務はなくても、伝える方が有益です。
手順④必要書類の準備
公証役場に相談したときに、必要書類が指示されます。
一般的には、次の書類を準備します。
・本人確認書類
・相続人を確認する戸籍謄本
・不動産の登記簿謄本
・預貯金通帳のコピー
手順⑤公正証書遺言の作成
公証役場を予約して、公正証書遺言を作成します。
古い遺言書が自筆証書遺言である場合、確実に破棄します。
4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書は被相続人の意思を示すものです。
自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。
実は、民法に遺言書を作ることができるのは15歳以上と定められています。
死期が迫ってから書くものではありません。
遺言書は被相続人の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。
遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげるものです。
遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。
特に、受け継いでもらう財産に不動産がある場合、譲ってもらう人だけでは登記申請ができません。
遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力が必要です。
遺言書で遺言執行者を決めておきましょう。
遺言執行には法的な知識が必要になりますから、遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう心配もあります。
遺言の効力が発生した後の場合、遺言執行者は家庭裁判所に決めてもらう必要があります。
不動産以外の財産であっても、遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、受遺者に引渡そうとしないこともあります。
家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現するために、せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。
お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
農地があるときの遺言書で農地法の許可
1遺言書作成時には農地法の許可は不要
①遺言書に書いても農地は遺言者のもの
遺言者が死亡したときに、遺言書の効力が発生します。
遺言書を作成しただけでは、遺言書に効力がありません。
遺言者が生きている間は、効力が発生しないからです。
遺言書を作成する場合、財産の分け方について書いているでしょう。
遺言書に財産の分け方について書いても、財産は今までどおり遺言者のものです。
遺言書に農地の分け方について書いても、農地は今までどおり遺言者のものです。
遺言書は、相続人や受遺者とする約束ではありません。
受遺者とは、遺贈によって財産を受け取る人です。
遺言者が死亡したら、農地を受け取ることができると期待しているでしょう。
農地を受け取る期待に、法的な効力はありません。
遺言書を作成しても、農地は遺言者のものです。
②農地をだれに引き継がせるか遺言書に書いておくことができる
遺言書を作成する場合、財産の分け方について書くことがイメージされます。
遺言書を作成して、農地をだれに引き継がせるか書いておくことができます。
遺言書に農地の分け方を書く際に、農地法の許可は不要です。
③農地を取得するときに農地法の許可が必要
有効な遺言書があれば、遺言書の内容どおりに財産を取得することができます。
有効な遺言書があっても、遺言書の内容どおりに農地を取得することができない可能性があります。
農地を取得する場合、農地法第3条の許可が必要になることがあるからです。
有効な遺言書があっても、農地法第3条の許可が必要になることがあります。
遺言書によって農地を取得する際に、農地法の許可が必要です。
④農地法の許可がないと権利取得ができない
農地を取得するとき、農地法第3条の許可が必要です。
農地法の許可は、権利移動の効力発生要件です。
農地法の許可がないと、権利を取得することはできません。
有効な遺言書があっても農地法の許可がないと、遺言書の内容を実現できません。
遺言書の内容どおりに農地を分けることができるように、あらかじめ確認することが重要です。
2農地があるときの遺言書で農地法の許可
①相続人に相続させる遺言書で農地法の許可は不要
(1)相続人になる人は法律で決まっている
相続人になる人は、法律で決められています。
相続できるのは、相続人のみです。
相続人以外の人は、相続できません。
遺言書を作成して相続人に農地を相続させるケースでは、農地法の許可は不要です。
有効な遺言書があれば、遺言書の内容どおりに農地を分けることができます。
(2)農地を相続させる遺言書の記載例
遺言者は、次のとおり遺言する。
第1条
次の財産を、相続人○○に、相続させる。
所在 ○○市○○町○丁目
地番 ○番○
地目 畑
地積 200㎡
(3)農地法の許可なしで農地を取得したときは届出が必要
農地を取得する場合、原則として、農地法第3条の許可が必要です。
相続人が相続で農地を取得した場合、農地法第3条の3の定めにより届出が必要です。
農地法第3条の3の定めによる届出は、遅滞なく農業委員会に対して提出します。
農林水産省は、相続発生日からおおむね10か月以内と案内しています。
②相続人に特定遺贈する遺言書で農地法の許可は不要
(1)相続人は遺贈を受けることができる
遺贈とは、遺言書で相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。
遺贈を受けることができるのは、相続人と相続人以外の人です。
相続人は、相続することができます。
相続人は、遺贈を受けることもできます。
遺贈には、2種類あります。
特定遺贈と包括遺贈です。
特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。
包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。
遺言書を作成して特定遺贈をする場合、引き継ぐ財産と引き継ぐ人は遺言書で指定します。
相続人は、農地の特定遺贈を受けることができます。
遺言書を作成して農地を相続人に対して特定遺贈をする場合、農地法の許可は不要です。
(2)農地を特定遺贈する遺言書の記載例
遺言者は、次のとおり遺言する。
第2条
次の財産を、◇◇に、遺贈する。
所在 ◇◇市◇◇町◇丁目
地番 ◇番◇
地目 畑
地積 300㎡
(3)農地法の許可なしで農地を取得したときは届出が必要
農地を取得する場合、原則として、農地法第3条の許可が必要です。
相続人が特定遺贈で農地を取得した場合、農地法第3条の3の定めにより届出が必要です。
農地法第3条の3の定めによる届出は、遅滞なく農業委員会に対して提出します。
農林水産省は、相続発生日からおおむね10か月以内と案内しています。
③相続人以外の人に特定遺贈する遺言書で農地法の許可が必要
(1)孫は家族であっても相続人ではない
相続人になる人は、法律で決められています。
被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。
被相続人の子どもが相続人になるから、原則として子どもの子どもは相続人になりません。
孫は家族であっても、相続人になりません。
孫だけでなく甥姪いとこなども、相続人ではありません。
相続人は、法律の定めで決められているからです。
(2)相続人以外の人に特定遺贈ができる
遺贈を受けることができるのは、相続人と相続人以外の人です。
相続人以外の人は相続することはできないけど、遺贈を受けることができます。
孫は相続することはできないけど、遺贈を受けることができます。
有効な遺言書があれば、孫は遺贈を受けることができます。
相続人以外の人に農地を特定遺贈する場合、農地法の許可が必要です。
孫に農地を特定遺贈する場合、農地法の許可が必要です。
農地法の許可が得られないと、孫は農地を取得することができません。
農地法の許可が得られないと、遺言書の内容を実現できなくなります。
農地法の許可は、権利移動の効力発生要件だからです。
相続人以外の人に農地を特定遺贈したい場合、あらかじめ許可が得られるか確認しておくことが重要です。
(3)登記原因日付は農地法の許可書到達日
相続人以外の人が農地の特定遺贈を受ける場合、農地法の許可が必要です。
農地法の許可を得るには、おおむね1か月程度かかります。
相続人以外の人が農地の特定遺贈を受ける場合、登記原因日付は農地法の許可書到達日です。
農地法の許可は、権利移動の効力発生要件だからです。
相続人が農地の特定遺贈を受ける場合、登記原因日付は被相続人の死亡日です。
被相続人の死亡日で、農地の権利が移転するからです。
(4)農地法の許可を得て農地を取得したときは届出は不要
農地法の許可を得ずに農地を取得した場合、農地法第3条の3の定めにより届出が必要です。
相続人以外の人が農地の特定遺贈を受けた場合、農地法第3条の3の定めによる届出は不要です。
相続人以外の人が農地の特定遺贈を受ける場合、農地法の許可を得る必要があるからです。
④包括遺贈する遺言書で農地法の許可は不要
(1)相続人以外の人に包括遺贈ができる
遺贈を受けることができるのは、相続人と相続人以外の人です。
相続人以外の人に、包括遺贈をすることができます。
包括遺贈は、農地だけを受け取る方法ではありません。
全部包括遺贈を受けた場合、相続財産をすべて引き継ぎます。
(2)一部包括遺贈で遺産分割協議が必要になる
一部包括遺贈は、指定した割合で財産を譲るものです。
一部包括遺贈を受けた場合、遺産分割協議に参加します。
一部包括遺贈を受けた人は、遺産分割協議に参加する権利と義務があります。
遺言書は割合が書いてあるだけで、具体的な財産は記載されていないからです。
遺産分割協議の結果次第では、農地を受け取ることができないかもしれません。
一部包括遺贈を受けただけでは、何を受け取るのか決められていないからです。
(3)全部包括遺贈する遺言書の記載例
遺言者は、次のとおり遺言する。
第3条
全財産を、◇◇に、遺贈する。
(4)一部包括遺贈をする記載例
遺言者は、次のとおり遺言する。
第3条
全財産の10分の1を、◇◇に、遺贈する。
(5)包括遺贈は農地法の許可が不要
包括遺贈する場合、農地法の許可は不要です。
全部包括遺贈を受けても一部包括遺贈を受けても、農地法の許可は不要です。
相続財産に農地が含まれていても、農地法の許可は不要です。
(6)農地法の許可なしで農地を取得したときは届出が必要
農地を取得する場合、原則として、農地法第3条の許可が必要です。
包括遺贈で農地を取得した場合、農地法第3条の3の定めにより届出が必要です。
農地法第3条の3の定めによる届出は、遅滞なく農業委員会に対して提出します。
農林水産省は、相続発生日からおおむね10か月以内と案内しています。
(7)包括遺贈は負債も受け継ぐ
特定遺贈では、遺言書に書いてある特定の財産を受け継ぐだけです。
遺言書に書いていない他の財産を受け継ぐことはありません。
包括遺贈を受けた場合、相続人と同一の権利と義務があります。
相続財産に負債がある場合、指定された割合で負債を引き継ぎます。
包括遺贈を受ける場合、農地だけでなく負債を引き継ぐことになります。
3 農地法の許可を得ても登記手続が必要
①遺言執行者が遺言書の内容を実現する
遺言書は作成するだけでは、意味がありません。
遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。
遺言書を作成するとき、遺言執行者を指名することができます。
遺言執行者がいると、遺言書の内容を確実に実現してくれます。
②遺言執行者が相続登記ができる
相続で不動産を引き継いだ場合、相続登記をします。
相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。
遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。
遺言書で不動産を引き継いだ場合、遺言執行者が相続登記をすることができます。
遺言執行者がいると、手間と時間がかかる相続手続をおまかせすることができます。
③相続人以外の人への遺贈の登記は協力が必要
相続登記は、相続人による単独申請です。
遺贈の登記は、原則として権利者と義務者の共同申請です。
相続人への遺贈の登記は形式的に共同申請だけど、実質的に単独で申請することができます。
相続人以外の人への遺贈の登記は、権利者と義務者の協力が欠かせません。
遺言執行者がいる場合、登記義務者は遺言執行者です。
遺言執行者がいない場合、登記義務者は相続人全員です。
遺言書の内容に不満があると、遺贈の登記に協力してくれないでしょう。
遺言書の内容を確実に実現するため、遺言執行者は有益です。
4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書は、被相続人の意思を示すものです。
自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。
民法に遺言書を作ることができるのは、15歳以上と定められています。
死期が迫ってから、書くものではありません。
遺言書は被相続人の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。
遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげるものです。
遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。
受け継いでもらう財産に不動産がある場合、譲ってもらう人だけでは登記申請ができません。
遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力が必要です。
遺言書で遺言執行者を決めておきましょう。
遺言執行には、法的な知識が必要になります。
遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう心配があります。
遺言の効力が発生した後の場合、遺言執行者は家庭裁判所に決めてもらう必要があります。
不動産以外の財産であっても、遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、受遺者に引渡そうとしないこともあります。
せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。
遺言執行者を選任することで、家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現することができます。
お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
