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死後離婚・姻族関係終了届を出しても子どもは代襲相続

2024-01-23

1姻族関係終了届(死後離婚)とは

①姻族関係終了届は市区町村役場の届出

姻族とは、配偶者の両親や配偶者の兄弟姉妹などの親族のことです。

配偶者の生前に離婚したら、当然に姻族関係は終了します。

配偶者と離婚しないまま配偶者が死亡した場合、姻族関係は終了しません。

配偶者が死亡した後、希望すれば、姻族関係を終了させることができます。

姻族関係を終了させる届出のことを、姻族関係終了届と言います。

市区町村役場に姻族関係終了届を提出することで、姻族関係を終了させることができます。

姻族関係終了届を俗に死後離婚と言います。

②戸籍に変更はない

市区町村役場に姻族関係終了届を提出することで、姻族関係を終了させることができます。

姻族関係終了届を提出した場合、戸籍に記載されます。

戸籍の記載例

姻族関係終了

【死亡配偶者の親族との姻族関係終了日】令和〇年〇月〇日

【死亡配偶者氏名】〇〇〇〇

【死亡配偶者の戸籍】愛知県名古屋市〇〇区〇〇町〇丁目〇番地 〇〇〇〇

戸籍に記載されるだけです。

今までの戸籍から、除籍されることはありません。

新しい戸籍が自動的に作られることはありません。

③氏に変更はない

姻族関係終了届を提出した場合、今までの氏をそのまま使います。

姻族関係終了届を提出しただけで、復氏することはありません。

復氏をしたい場合、あらためて復氏届が必要です。

復氏届を提出した場合、現在の戸籍から除籍されます。

新しく戸籍を作ってもらうか、婚姻前の戸籍に戻してもらうか選択することができます。

④遺族年金の受給権に影響しない

配偶者が死亡した場合、条件を満たせば遺族年金を受給することができます。

姻族関係終了届を提出しても、死亡配偶者との婚姻関係がなくなることがないからです。

姻族関係終了届を提出しても、遺族年金を受け取ることができます。

遺族年金を受け取りながら姻族関係終了届を提出しても、遺族年金の支給が取り消されることはありません。

遺族年金を返還するように言われることはありません。

姻族関係終了届は、遺族年金と無関係だからです。

⑤配偶者は相続人

姻族関係終了届は、配偶者の死亡後、死亡配偶者の両親や兄弟姉妹などとの関係を終了させるものに過ぎません。

相続が発生した時点の法律上の配偶者は、常に相続人になります。

姻族関係終了届を提出しても提出しなくても、相続人です。

被相続人の配偶者は、相続する権利があります。

死亡配偶者の財産を相続した後、姻族関係終了届を提出することがあります。

姻族関係終了届を出しても、相続が無効になることはありません。

姻族関係終了届は、相続と無関係だからです。

2姻族関係終了届(死後離婚)を出しても子どもに影響しない

①子どもの親族関係に影響しない

姻族関係終了届は、配偶者の死亡後、死亡配偶者の両親や兄弟姉妹などとの関係を終了させる届出です。

死亡配偶者との間に子どもがいる場合、子どもの親族関係に影響はありません。

姻族関係終了届を提出した場合、死亡配偶者と子どもは親子のままです。

死亡配偶者の親と子どもは、祖父母と孫のままです。

死亡配偶者の兄弟姉妹と子どもは、伯叔父・伯叔母と甥姪のままです。

子どもの親族関係は、影響がありません。

姻族関係終了届は、生存配偶者と死亡配偶者の両親や兄弟姉妹などとの関係を終了させるだけの効力があるに過ぎません。

②子どもの扶養義務に影響しない

法律上の扶養義務があるのは、原則として、直系血族と兄弟姉妹です。

場合によっては、3親等内の親族も扶養義務を負うことがあります。

死亡配偶者の父母は、子どもから見ると祖父母だから2親等です。

死亡配偶者の兄弟姉妹は、子どもから見ると伯叔父・伯叔母だから3親等です。

姻族関係終了届を提出した場合、生存配偶者は親族関係がなくなります。

死亡配偶者の父母や兄弟姉妹の扶養義務はありません。

姻族関係終了届を提出しても、子どもの親族関係に影響はありません。

事情によっては、子どもは扶養義務を負うことがあります。

③子どもの戸籍に影響しない

姻族関係終了届を提出した場合、届出をした人の欄に姻族関係終了が記載がされます。

姻族関係終了届を提出しても、子どもの戸籍に影響はありません。

今までの戸籍から、除籍されることはありません。

新しい戸籍が自動的に作られることはありません。

④子どもの氏に影響しない

姻族関係終了届を提出した場合、子どもは今までの氏をそのまま使います。

姻族関係終了届を提出しただけで、子どもの氏が変更されることはありません。

生存配偶者が復氏を希望する場合、姻族関係終了届とは別に復氏届を提出します。

復氏届で氏を変更することができるのは、生存配偶者本人だけです。

生存配偶者が復氏届を出した場合、子どもの氏が自動的に変更されることはありません。

子どもの氏を変更したい場合、家庭裁判所の許可が必要です。

⑤子どもの遺族年金の受給権に影響しない

遺族年金は、配偶者だけでなく子どもにも受給権があります。

子のある配偶者が遺族年金を受給する場合、子は支給停止になります。

子は遺族年金の受給権はあるけど、支給停止になっているに過ぎません。

姻族関係終了届を提出した場合、子どもの遺族年金の受給権に影響しません。

子のある配偶者が再婚した場合、失権します。

失権したら、遺族年金を受け取ることはできません。

死亡配偶者との間に子どもがいる場合、要件を満たせば、子どもが遺族年金を受け取ることができます。

姻族関係終了届は、子どもの遺族年金の受給権に影響しないからです。

⑥子どもの相続に影響しない

姻族関係終了届は、配偶者の死亡後、死亡配偶者の両親や兄弟姉妹などとの関係を終了させる届出です。

死亡配偶者との間に子どもがいる場合、子どもの親族関係に影響はありません。

死亡配偶者との間に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

子どもが財産を相続した後に、姻族関係終了届を出しても相続が無効になることはありません。

姻族関係終了届を出し後に、財産を相続できなくなることはありません。

3姻族関係終了届(死後離婚)を出しても子どもは代襲相続

①代襲相続とは

相続が発生した場合、相続人になる人は法律で決まっています。

相続人になる人は、次のとおりです。

(1)配偶者は必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。

これを代襲相続と言います。

相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。

代襲相続ができるのは、相続人になるはずだった人の子どもなど被代襲者の直系卑属だけです。

②死亡配偶者の親が死亡したら子どもは代襲相続人

姻族関係終了届は、生存配偶者と死亡配偶者の両親や兄弟姉妹などとの関係を終了させるだけの効力があるに過ぎません。

子どもの親族関係に影響はありません。

死亡配偶者の親が死亡することがあります。

死亡配偶者の親が被相続人です。

被相続人から見ると、相続人になるはずだった子どもが先に死亡しています。

相続人になるはずだった死亡配偶者の子どもが代襲相続をします。

姻族関係終了届を出しても、子どもの親族関係に影響がないからです。

③死亡配偶者の兄弟姉妹が死亡したら子どもは代襲相続人

死亡配偶者の兄弟姉妹が死亡することがあります。

死亡した兄弟姉妹が被相続人です。

被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が先に死亡していることがあります。

被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が先に死亡している場合、相続人は兄弟姉妹です。

死亡配偶者は、被相続人の兄弟姉妹だから相続人になるはずだった人です。

相続人になるはずだった死亡配偶者の子どもが代襲相続をします。

姻族関係終了届を出しても、子どもの親族関係に影響がないからです。

④子どもが未成年なら生存配偶者が遺産分割協議

生存配偶者と死亡配偶者の親族らと折り合いが良くないこともあるでしょう。

生存配偶者は、姻族関係終了届を出すことで親族関係を終了させることができます。

姻族関係終了届を出しても、子どもの親族関係に影響はありません。

死亡配偶者の親や兄弟姉妹は、子どもにとって親族のままです。

死亡配偶者の親や兄弟姉妹が死亡した場合、子どもは相続人になります。

相続が発生した場合、被相続人のものは相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定しなければなりません。

相続財産の分け方について合意することは、財産の処分と言えます。

未成年は、物事のメリットデメリットを充分に判断できません。

未成年が財産を処分する場合、親などの親権者が代わりに判断します。

未成年の子どもが相続人になる場合、生存配偶者が親権者でしょう。

生存配偶者が未成年の子どもに代わって、遺産分割協議に参加しなければなりません。

5姻族関係終了届(死後離婚)で注意すること

①撤回ができない

いったん姻族関係終了届が受理されると、撤回はできません。

充分検討して、提出することを決めましょう。

②援助が受けられない

姻族関係が終了した場合、死亡配偶者の両親や兄弟姉妹に対する扶養義務がなくなります。

このことは同時に、死亡配偶者の両親や兄弟姉妹から扶養を受けることもできなくなることを意味しています。

経済的に困ることがあっても、援助は受けられなくなるでしょう。

死亡配偶者との間に子どもがいる場合、子どものための援助も受けにくくなるでしょう。

③死亡配偶者の法要に参加しにくい

死亡配偶者の法要を死亡配偶者の両親や兄弟姉妹が主催する場合、参加しにくくなるかもしれません。

死亡配偶者の血縁関係者から参加を拒まれることも考えられます。

死亡配偶者のお墓が私有地にある場合、お墓参りも難しくなるかもしれません。

共同墓地などだれでもお墓参りができる場所に葬るなどするといいでしょう。

④お墓が別々になる

死亡配偶者のためにお墓を新たに建立せず、家のお墓に葬ることがあるでしょう。

姻族関係終了届を提出すると、自分が死亡したとき、そのお墓に入れてもらうことは難しくなるでしょう。

死亡配偶者と同じお墓に眠ることはできなくなります。

⑤子どもの理解を得られない

死亡配偶者との間に子どもがいる場合、子どもと死亡配偶者の両親や兄弟姉妹の親族関係は影響がありません。

子どもと死亡配偶者の両親や兄弟姉妹の親族関係はそのまま続きます。

子どもから抵抗されることもあるでしょう。

子どもにとって、精神的ダメージであることも想定しておく必要があります。

6姻族関係終了届について司法書士に相談するメリット

姻族関係終了届は、マスコミなどから死後離婚と称して取り上げられています。

本来、配偶者の死別によって婚姻関係が終了しています。

配偶者の一方が死亡した後に、離婚することはできません。

死亡配偶者の両親や兄弟姉妹との関係性を解消する点に注目されたものです。

法律上の扶養義務から逃れられる以上に、嫁は親の介護をして当然など社会通念の押し付けから逃れられるのが大きいでしょう。

死亡配偶者の両親や兄弟姉妹がお金を無心することや生活に過剰に干渉することにストレスをためているケースもあります。

姻族関係終了届は、配偶者の死亡後、死亡配偶者の両親や兄弟姉妹などとの関係を終了させるものに過ぎません。

死亡配偶者の両親や兄弟姉妹などの誤解から、相続放棄をするように迫られることもあるでしょう。

死亡配偶者の両親や兄弟姉妹などが感情的になって、すでに相続した財産を返すように要求されることもあるでしょう。

姻族関係終了届を提出しても、死亡配偶者の財産は相続できます。

相続手続をスムーズに終わらせるために、まず正しい知識を手に入れましょう。

姻族関係終了届は、相続に影響はありません。

遺族年金にも、影響はありません。

生命保険の受け取りにも、影響はありません。

姻族関係終了届のことでご心配があれば、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

遺言書の検認手続をしても相続放棄

2024-01-22

1遺言書は家庭裁判所で開封

①遺言書を見つけたら家庭裁判所へ届出

相続が発生した後、相続人はたくさんの相続手続をすることになります。

被相続人の遺品や重要書類を整理をしているときに、遺言書を見つけることがあります。

遺言書を書かれた封筒を見つけた場合、戸惑うかもしれません。

被相続人が生前に遺言書を作成したことを話していたとしても、遺言書の内容が気になるでしょう。

遺言書は、多くの場合、財産の分け方など大切で重要なことが書いてあります。

驚きと不安から、後先考えずに遺言書を開封してしまいたくなります。

自宅などで遺言書を見つけた場合、勝手に開封してはいけません。

遺言書を見つけた人や遺言書を預かっていた人は、家庭裁判所に届出ることになっています。

遺言書を家庭裁判所にする届出を遺言書検認の申立てと言います。

②家庭裁判所の検認は遺言書の改ざん・変造防止のため

遺言書は、勝手に開封してはいけません。

家庭裁判所に届出て、相続人立会いのもと開封してもらいます。

遺言書の検認は、遺言書の内容を確認する手続です。

家庭裁判所は遺言書の内容や状態を確認して、検認調書に取りまとめます。

遺言書の検認をすると、遺言書の改ざんや変造を防ぐことができます。

検認調書と遺言書を照らし合わせると、改ざんや変造が明らかになるからです。

遺言書の検認は、遺言書の改ざんや変造を防ぐための手続です。

③検認で遺言書の有効無効は判断しない

遺言書の検認は、遺言書の改ざんや変造を防ぐための手続です。

家庭裁判所の検認で、遺言書の有効無効の判断をしません。

遺言書の検認は、遺言書の有効無効の判断をする手続ではないからです。

遺言書の検認が済んでも、無効の遺言書は無効です。

遺言書の検認がされても、有効な遺言書になるわけではありません。

自宅などで遺言書を見つけた場合、まず家庭裁判所に遺言書検認の申立てをします。

遺言書が有効であるか無効であるか判断するのは、後の話です。

④検認期日は欠席していい

家庭裁判所に遺言書検認の申立てがあった場合、家庭裁判所は相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

遺言書検認の申立先は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

相続人の中には、遺言者の住所地から遠方に住んでいることがあるでしょう。

遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所から呼出を受けても、仕事などで忙しいことがあるでしょう。

遺言書検認の申立人は、必ず出席しなければなりません。

遺言書検認の申立人は、遺言書を家庭裁判所に持って行く必要があるからです。

確認をする遺言書がないと、検認をすることはできません。

遺言書検認の申立人以外の人は、欠席しても差し支えありません。

遺言書の検認は、遺言書の内容を確認する手続です。

検認期日に相続人全員を呼び出すのは、検認に立会いをしてもらうためです。

検認期日に立会いをしなくても、不利益はありません。

⑤公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は検認不要

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に取りまとめてもらって作る遺言書です。

遺言者が公証人に遺言内容を伝えて、証人2人に確認してもらって作ります。

公正証書遺言は作成した後、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。

公正証書遺言は、改ざんや変造があり得ません。

遺言書の検認は、遺言書の改ざんや変造を防ぐための手続です。

相続が発生した後に家庭裁判所で手続をして、改ざんや変造を防止する必要がありません。

公正証書遺言は、家庭裁判所の検認手続は不要です。

自筆証書遺言は、遺言者が自分で書いて作った遺言書です。

専門家の手を借りることなく手軽に作ることができます。

世の中の大半の遺言書は、自筆証書遺言です。

自筆証書遺言を作成した後、法務局に提出して保管してもらうことができます。

法務局保管の自筆証書遺言は、法務局で厳重保管されます。

法務局保管の自筆証書遺言は、改ざんや変造があり得ません。

遺言書の検認は、遺言書の改ざんや変造を防ぐための手続です。

相続が発生した後に家庭裁判所で手続をして、改ざんや変造を防止する必要がありません。

法務局保管の自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認手続は不要です。

2相続財産を処分利用すると相続放棄が無効になる

①相続放棄は家庭裁判所の手続

相続が発生したら、原則として、被相続人の財産は相続人が受け継ぎます。

相続財産というとプラスの財産だけイメージしがちですが、マイナスの財産も含まれます。

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。

相続放棄は、家庭裁判所の手続だからです。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、相続人でなくなります。

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産になります。

相続財産は、相続人全員の合意で分け方を決定します。

相続人全員の合意ができれば、どのような分け方でも構いません。

一部の相続人が財産を一切受け取らない合意をすることがあります。

財産を受け取らない相続人も含めて相続人全員が合意できれば、有効な合意です。

財産を一切受け取らない合意をした場合、相続放棄をしたと表現することがあります。

相続放棄を表現しても、相続放棄ではありません。

相続放棄の効果はありません。

家庭裁判所で相続放棄が認められたわけではないからです。

②相続財産を処分利用すると単純承認と見なされる

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。

家庭裁判所に相続放棄の手続をする前に単純承認をした場合、相続放棄をすることはできません。

相続放棄を撤回することができないように、単純承認も撤回することができないからです。

法律で定められた一定の条件にあてはまるときは、単純承認したとみなされます。

単純承認とみなされたら、相続放棄はできません。

被相続人の財産を処分したり利用したりした場合、単純承認と見なされます。

被相続人が払うべきお金を相続財産から支払う場合、単純承認とみなされます。

単純承認を見なされた場合、相続放棄はできません。

相続放棄は、家庭裁判所の書類審査だけで認められます。

相続放棄の要件をきちんと満たしているか、家庭裁判所が独自で調査することはありません。

相続放棄の要件を満たしていないのに、相続放棄の書類がきちんと揃っている場合、家庭裁判所は事情が分かりません。

家庭裁判所は、相続放棄を認めてしまいます。

本当は要件を満たしていないから相続放棄は無効のはずです。

家庭裁判所は事情が分からないから、相続放棄を認めてしまうケースがあります。

相続財産を処分利用すると、単純承認と見なされます。

3遺言書の検認手続をしても相続放棄

①遺言書があっても相続放棄ができる

家庭裁判所で相続放棄をした場合、被相続人の財産は一切受け取りません。

遺言書は、財産の分け方が書いてあるでしょう。

遺言書の内容は、遺言者が死亡したときに効力が発生します。

遺言書に「財産○○は相続人○○に相続させる」とあった場合、相続が発生したときに財産○○は相続人○○のものになります。

遺言書があるのに相続放棄をすることができるのか不安になるかもしれません。

公正証書遺言であっても自筆証書遺言であっても、相続放棄をすることができます。

遺言書があっても遺言書がなくても、相続放棄をすることができます。

遺言書に何と書いてあっても何も書いてなくても、相続放棄をすることができます。

相続放棄をする権利は、相続人の固有の権利です。

遺言書で相続放棄をする権利が奪われることはありません。

遺言書があっても、相続放棄をすることができます。

②遺言書検認の申立てをしても相続放棄ができる

遺言書を見つけた人や遺言書を預かっていた人は、家庭裁判所に届出ることになっています。

自宅などで遺言書を見つけた場合、まず家庭裁判所に遺言書検認の申立てをします。

遺言書を見つけた人や遺言書を預かっていた人は、相続人であることも相続人以外の人であることもあるでしょう。

遺言書の検認は、遺言書の改ざんや変造を防ぐための手続です。

相続財産の処分や利用とは、無関係です。

遺言書検認の申立てをしても、単純承認と見なされることはありません。

遺言書検認の申立てをしても、相続放棄をすることができます。

③検認期日に出席しても相続放棄ができる

遺言書検認の申立てを受け付けた場合、家庭裁判所は相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

遺言書検認の申立人は、検認期日に出席しなければなりません。

遺言書を持って行く必要があるからです。

遺言書検認の申立人以外の人は、家庭裁判所の呼出に応じても応じなくても構いません。

検認期日に相続人全員を呼び出すのは、検認に立会いをしてもらうためです。

遺言書の検認は遺言書の改ざんや変造を防ぐための手続だから、立会いをしてもらって確認をしてもらいます。

検認期日に出席しても、相続財産の処分や利用とは無関係です。

検認期日に出席しても、単純承認と見なされることはありません。

検認期日に出席しても、相続放棄をすることができます。

④検認期日に欠席しても相続できる

遺言書検認の申立人以外の人は、家庭裁判所の呼出に応じても応じなくても構いません。

遺言書検認の申立人以外の人は、単なる立会人です。

検認期日に欠席しても出席しても、相続放棄をすることができます。

検認期日に欠席しても出席しても、財産を相続することができます。

遺言書検認の申立先は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

相続人が被相続人の住所地から遠方に住んでいることがあります。

近くに住んでいても、仕事などで家庭裁判所に出向くことが難しいことがあるでしょう。

検認期日に欠席しても、相続人に不利益はありません。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることができます。

即時抗告は高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は、撤回ができません。

相続放棄をする前に、慎重に判断する必要があります。

せっかく相続放棄が認められても、相続財産を処分したら無効になりかねません。

このような行為をしてしまわないように、あらかじめ知識を付けておく必要があります。

相続放棄を自分で手続したい人の中には、相続放棄が無効になることまで考えていない場合が多いです。

司法書士は、相続放棄が無効にならないようにサポートしています。

せっかく手続しても、相続放棄が無効になったら意味がありません。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続した建物に所有権保存登記

2024-01-15

1表題登記と所有権保存登記のちがい

①不動産登記には2種類ある

不動産登記には、2種類あります。

表題登記と権利登記です。

表題登記とは、土地や建物の物理的状況を表示する登記です。

権利登記とは、土地や建物の権利関係を表示する登記です。

所有権保存登記は、権利登記のひとつです。

②表題登記とは

埋め立てや土地の隆起があった場合、新たな土地が生じます。

新たな土地が生じた場合、土地表題登記をします。

土地の所在や地番、地目などを登記します。

新しく建物を建設した場合、新たな建物が生じます。

新たな建物が生じた場合、建物表題登記をします。

新たな土地が生じることはめったにありません。

単に表題登記といったら、建物表題登記を指すことがほとんどです。

建物の表題部に登記される主な項目は、次のとおりです。

(1)種類

居宅、店舗、事務所など

(2)構造

建物の主たる構成材料、屋根の種類、階数など

(3)構成材料による区分

木造、石造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造など

(4)屋根の種類による区分

瓦葺、スレート葺、亜鉛メッキ鋼板葺、陸屋根など

(5)階数による区分

平家建、2階建など

③所有権保存登記とは

建物表題登記をした後、初めて所有者としてする登記を所有権保存登記と言います。

所有権保存登記をした場合、所有者として第三者に対して権利主張をすることができます。

所有権保存登記をしていない場合、第三者が所有者であると権利主張したときに文句を言うことができません。

所有者として第三者に対して権利主張をすることができるのは、登記の重要な機能です。

所有者として第三者に対して権利主張をすることができる機能を対抗力と言います。

表題登記をした場合、所有者が記録されます。

登記簿の表題部に、所有者が登記されます。

表題部の所有者の登記には、対抗力がありません。

表題部に所有者と登記されても、所有者として第三者に対して権利主張をすることができません。

表題部に所有者と登記された場合には、対抗力がないからです。

所有権保存登記をした場合には、対抗力があります。

2表題部所有者に相続が発生したときの所有権保存登記

①相続した建物は相続財産

新たな建物が生じた場合、建物表題登記をします。

建物表題登記ができたら、所有権保存登記をします。

建物表題登記は、建物完成から1か月以内に登記をしなければなりません。

所有権保存登記は、原則として、登記をする義務はありません。

所有権保存登記をしないと、所有者として第三者に対して権利主張をすることができないだけです。

建物表題登記をした後、所有権保存登記をしないまま長期間経過していることがあります。

建物表題登記をした後、所有権保存登記をしないまま、表題部に所有者と記録された人が死亡することがあります。

相続が発生した場合、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続人が相続する財産が、相続財産です。

被相続人が建物を所有していた場合、所有していた建物は相続財産になります。

建物表題登記をした後、所有権保存登記をしない建物であっても、所有していた建物は相続財産になります。

②相続財産の分け方は相続人全員の合意で決定

相続が発生すると、相続財産は相続人全員の共有財産になります。

2人以上相続人がいる場合や遺言書がない場合は、遺産の分け方について相続人全員で話し合いをする必要があります。

相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いのことを遺産分割協議といいます。

相続財産の分け方は、相続人全員による合意で決定します。

相続人全員で合意がまとまったら、相続人全員の合意内容を文書に取りまとめます。

相続人全員の合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書と言います。

遺産分割協遺書は、相続人全員の合意内容の証明書です。

③建物を相続する相続人から所有権保存登記

所有権保存登記の申請をすることができるのは、原則として、表題部所有者です。

表題部所有者が死亡した場合、表題部所有者の相続人が所有権保存登記の申請をすることができます。

遺産分割協議によって建物を相続する相続人を決めることができます。

建物を相続する相続人が所有権保存登記の申請をすることができます。

④被相続人が生前に建物を売却していたら

所有権保存登記は、原則として、登記をする義務はありません。

建物表題登記をした後、所有権保存登記をしないまま被相続人が建物を売却していることがあります。

被相続人が建物を売却した場合、建物は被相続人のものではありません。

被相続人が建物を所有していない場合、建物は相続財産になりません。

被相続人から建物を買った人は、建物について所有権移転登記をして欲しいと望むでしょう。

所有権移転登記をしていない場合、所有者として第三者に対して権利主張をすることができないからです。

第三者から所有者であると権利主張がされたときに、買主が文句を言うことができなくなります。

被相続人は建物を売却したのだから、買主に対して所有権移転登記をする義務があります。

買主に対して所有権移転登記をする義務を果たさないまま相続が発生することがあります。

相続人全員は、所有権移転登記をする義務を相続します。

相続人全員は、買主に対して所有権移転登記をする義務があります。

買主に対して所有権移転登記をするため、所有権保存登記をしなければなりません。

所有権保存登記は、建物表題登記をした後、初めて所有者としてする登記です。

初めて所有者としてする登記をしないと、所有権移転登記をすることができません。

相続人は所有権保存登記をして、買主に対して所有権移転登記をします。

所有権保存登記は、被相続人が所有者となる登記です。

所有者が死亡した後であっても、死亡した所有者名義の登記をすることができます。

被相続人が過去に所有者だったからです。

被相続人が生前に建物を売却したから、相続人は建物を相続していません。

相続人は建物を相続していないから、相続人名義の所有権保存登記をすることはできません。

区分建物でない建物の場合、買主に対して直接所有権保存登記をすることはできません。

所有権保存登記の申請をすることができるのは、表題部所有者またはその相続人だからです。

建物の買主は、表題部所有者またはその相続人のどちらにも該当しないでしょう。

建物の買主は、所有権保存登記をすることができません。

2表題部所有者に数次相続が発生したときの所有権保存登記

①数次相続とは

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続財産の分け方について、話し合いがまとまらないうちに相続人が死亡してしまうことがあります。

数次相続とは、話し合いがまとまらないうちに相続人が死亡して新たな相続が発生することです。

死亡した相続人に相続が発生した場合、相続人の地位が相続されます。

最初の相続で話し合いをする地位が、死亡した相続人の相続人に相続されます。

数次相続は、どこまででも続きます。

法律上の制限は、設けられていません。

②数次相続が発生したときは最終の相続人から所有権保存登記

所有権保存登記の申請をすることができるのは、表題部所有者またはその相続人です。

表題部所有者に数次相続が発生した場合、最終の相続人から所有権保存登記を申請することができます。

数次相続が発生後に所有権保存登記をする場合、中間の相続人が単独である必要はありません。

中間の相続人が単独である場合も中間の相続人が複数である場合も、直接最終の相続人名義の所有権保存登記をすることができます。

通常は、権利登記がされているでしょう。

所有権登記がされている所有者が死亡した場合、所有権移転登記をします。

数次相続が発生後に所有権移転登記をする場合、中間の相続人が単独であるときのみ直接最終の相続人名義の所有権移転登記をすることができます。

所有権移転登記で直接最終の相続人名義にするためには、中間の相続人が単独である必要があります。

中間の相続人が複数である場合、いったん複数の相続人で相続登記をします。

あらためて相続登記をして最終の相続人名義にする必要があります。

数次相続が発生後に所有権移転登記をする場合、中間の相続人が複数であるときは直接最終の相続人名義の所有権移転登記をすることができません。

3相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。

ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。

インターネットの普及で多くの人は簡単に多くの情報を手にすることができるようになりました。

多くの情報の中には正しいものも、適切でないものも同じように混じっています。

相続登記も簡単にできる、ひとりでできたという記事も散見されます。

多くの場合、不動産は重要な財産でしょう。

登記手続きは一般の方から見ると些細なことと思えるようなことでやり直しになることも多いものです。

法務局の登記手続案内を利用すれば、シンプルな事例の申請書類などは教えてもらえます。

案内対象と異なる事例に関しては、わざわざ説明してくれません。

知識のない方にとっては、案内対象の事例かどうか判断がつかないでしょう。

司法書士などの専門家から見れば、トラブルのないスムーズな相続手続であっても、知識のない一般の方はへとへとになってしまいます。

表題部所有者などは、一般的には聞き慣れないことがほとんどでしょう。

一般向けの相続登記の解説書などに説明されていることはほとんどありません。

通常の相続登記と異なることにも気づかないでしょう。

司法書士は登記の専門家です。

スムーズに相続登記を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

不動産が複数あるときの遺産分割協議

2024-01-10

1相続財産の分け方5つの方法

方法①現物分割

相続財産には、いろいろな財産が含まれていることが一般的です。

不動産は、分けにくい財産の代表例です。

現物分割とは、現物の不動産を相続人の人数で分割する方法です。

現物の不動産を分割することは、広大な土地でないと実現できません

極端に小さな土地は、使い勝手が悪くなります。

価値も下がってしまうでしょう。

あまり現実的ではないかもしれません。

方法②代償分割

代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から代償金を受け取る方法です。

現物の不動産を分割しないので、価値が下がることはありません。

不動産を相続する人は、他の相続人に代償金を支払う必要があります。

相続財産の大部分が不動産であることがあります。

価値の高い不動産である場合、他の相続人に支払う代償金が高額になります。

不動産を相続する人が代償金を準備できないかもしれません。

不動産をいくらと考えるのかについて、基準はいくつかあります。

代償金を支払う人は、不動産の値段が低い基準を採用した方が有利です。

支払う代償金が少なくなるからです。

代償金を受け取る人は、不動産の値段が高い基準を採用した方が有利です。

受け取る代償金が多くなるからです。

代償金を決めるとき、どの基準を採用するのか話し合いがまとまらないことがあります。

方法③換価分割

換価分割とは、不動産を売却してお金に換えた後にお金を分ける方法です。

不動産を実際に売却してお金に換えてから分けるので、不動産の値段をいくらと考えるのかで話し合いをする必要はありません。

被相続人が守ってきた財産を手放すことに、罪悪感があるかもしれません。

合理的な方法であっても相続人の感情面から話し合いがつかなくなるおそれがあります。

不動産を売却するつもりであっても、買い手がつかないかもしれません。

売却できるまで相続手続が長引くおそれがあります。

方法④共有

相続人全員で相続財産の分け方について話し合いによる合意ができない場合、共有が選ばれることもあります。

最も公平に見えるからです。

共有は弊害が多く、安易に共有にする方法はもっとも避けるべきです。

共有にした場合、全員の同意がなければ売却することはできません。

共有の不便を解消するため、後々、共有物分割をしようという話になります。

結局のところ、問題の先送りになるだけです。

相続トラブルが長期化しますから、家族の絆が壊されてしまいます。

方法⑤用益権の設定による分割

用益権とは、不動産を自分で使ったり、人に貸して賃料を得たりする権利のことです。

配偶者居住権は、用益権のひとつです。

一部の相続人に使う権利を設定して、他の相続人が使う権利のない所有権を相続する方法です。

家族が守ってきた不動産を手放すことなく相続ができます。

相続人のうち、だれが使う権利を得るのかで、使う権利のない所有権をだれが相続するのかで話し合いがまとまらないおそれがあります。

2不動産が複数あるときの遺産分割協議

①まず相続人調査

多くの方にとって、相続人がだれなのかは当たり前のことと軽く考えがちです。

家族以外の第三者に対しては、相続人がだれなのか客観的に証明する必要があります。

客観的に証明するとは、具体的には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を全部揃えることです。

戸籍にはその人に身分関係がすべて記録されているからです。

結婚や離婚、子どもや養子の存在を家族には内緒にしている人がいるかもしれません。

秘密にしていても、戸籍には記録されています。

戸籍が新しくなったときに、書き写される項目と書き写されない項目があります。

書き写されない項目を確認するために、出生から死亡までの連続した戸籍謄本を全部揃える必要があるのです。

②財産全部まとめて合意しなくてもよい

相続が発生した場合、被相続人のものは相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続人全員の合意ができれば、財産すべてをまとめて合意する必要はありません。

不動産が複数ある場合、同じ不動産ではないでしょう。

収益のいい不動産や便利のいい場所にある不動産やそうでない不動産があります。

一部の不動産を売却する合意ができることがあります。

不動産の売却には、時間がかかることが多いでしょう。

合意できる不動産から先に合意をすることができます。

遺産分割協議書は、合意できた不動産についてだけ記載します。

財産全部記載していない遺産分割協議書だから、無効になるといったことはありません。

③相続登記用の遺産分割協議書は不動産のみ記載でよい

不動産を相続した場合、不動産の名義変更をします。

不動産の名義変更を相続登記と言います。

相続登記をする場合、遺産分割協議書を提出します。

遺産分割協議書は、相続人全員が相続財産の分け方を合意した証明書です。

合意の対象となった不動産を特定できるように記載します。

相続登記用の遺産分割協議書は、不動産のみ記載されたもので差し支えありません。

「自宅」などの記載は客観的に特定できるとは言えません。

自宅は、家族にとっては当然のことです。

法務局など第三者にとっては、どこにあるどの不動産なのか分からないからです。

不動産を特定するため、登記簿謄本を取得して書き写すといいでしょう。

不動産の所在は、自宅住所と異なることが多いものです。

自宅住所を記載した場合、不動産を特定できないことがあります。

固定資産税の課税明細書の記載は、内容が省略されていることや登記簿謄本と異なる記載がされていることがあります。

登記簿謄本と異なる表記の場合、相続登記が認められない可能性があります。

登記簿謄本の記載を見て、書き写します。

複数の不動産がある場合、法務局の管轄ごとに遺産分割協議書を作成することができます。

それぞれの遺産分割協議書に添付書類を用意すれば、同時に相続登記を進めることができるからです。

④複数ページの遺産分割協議書に割印・契印

遺産分割協議書は、相続人全員が相続財産の分け方を合意した証明書です。

相続人全員が合意内容に間違いがないことを確認して、記名し実印で押印します。

記名押印がされた後に一部のページが抜き取られたり差し替えがあった場合、文書の内容は真正な合意内容ではなくなってしまいます。

遺産分割協議書が抜き取りや差し替えができる状態である場合、文書の内容は真正な内容でないおそれがあります。

遺産分割協議書の内容が真正でないおそれがある場合、相続手続は進めることができなくなります。

複数の不動産について合意内容を取りまとめる場合、遺産分割協議書は複数ページになることが多いです。

複数ページに渡る場合、一般的なのが契印を施すことです。

契印とは、文書が複数ページに渡るときに1通の文書であることを証明するためページの見開きにまたがって押印することです。

契印は、最初のページから最後のページまで施します。

最初のページから最後のページまで契印がある場合、書類の改ざんがないことを証明できます。

遺産分割協議書では、相続人全員が実印で契印を施します。

記名押印がされた後に一部のページが抜き取られたり差し替えがあった場合、契印がつながらなくなります。

契印がつながっている場合、改ざんがないと言えます。

⑤遺産分割協議書を袋とじにして割印・契印

何十ページにも及ぶ遺産分割協議書になった場合、相続人全員がすべてのページに契印を施すのは手間がかかります。

遺産分割協議書を袋とじにするといいでしょう。

袋とじにするとき、製本テープを使うと便利です。

袋とじにしてあれば、最初のページから最後のページまで契印を施す必要はありません。

製本テープと文書にまたがるように相続人全員の契印が必要になります。

3不動産を共有するとデメリットが大きい

デメリット①共有物を処分するには共有者全員の合意が必要

相続が発生した後、相続財産は相続人全員の共有財産になります。

相続人のひとりが勝手に処分することはできません。

共有財産は、共有している人全員が合意しないと、処分ができないからです。

相続財産の分け方を「共有する」と決めた後も、同じです。

共有財産は、共有している人全員が合意しないと、処分はできません。

処分するとは、共有物を売却する、第三者に賃貸することなどです。

たくさんの人で共有していると合意がまとまりにくくなります。

売却したい人も賃貸したい人もいるでしょう。

売却するのはいいが時期が良くないと思う人もいるでしょう。

もっと高値で売れるはずだという人もいるでしょう。

賃貸するのはいいが賃貸条件が合意できない人もいるでしょう。

合意できる場合でも、合意するために時間がかかりがちになります。

売却したいという場合でも、合意に時間がかかるとチャンスを逃すことになります。

親族同士であっても共有物の管理方針が違うと、共有者の意見対立が起きやすくなります。

売却する場合も、売却時の重要事項説明や売買契約の締結など共有者全員が手続に参加する必要があります。

遠方に住んでいる共有者には時間と手間がかかります。

共有者がたくさんいると、だれか一人が認知症などになるかもしれません。

認知症などで判断能力が低下する人が現れる確率も上がります。

物事のメリットデメリットを充分に判断できない人は、売却などの合意はできません。

後見人を選んでもらって代わりに判断してもらうことになります。

デメリット②共有者に相続が発生する

共有物を売却するためには、共有者全員の合意が必要になります。

共有者全員の合意がしにくくなると、売却などの判断は先延ばししがちです。

先延ばしにより長期間経過すると、共有者に相続が発生することがあります。

共有者に相続が発生すると、共有者の持分は相続財産になります。

共有者の相続人全員の相続財産になります。

共有者の管理方針が違うことで適切な管理ができない共有物を相続したがらないかもしれません。

このとき、死亡した共有者の共有持分を、複数の相続人が法定相続分で細分化して共有することがあります。

このような相続が何人もの共有者の間で発生すると、共有者がたくさんになり、持分が細分化されます。

適切に相続登記がされないと、だれにどれだけの持分があるのか分からなくなります。

共有者が増えると、共有者同士が顔も見たことない見知らぬ人であることが多くなります。

単純に、たくさんの人で管理や処分の合意をすることは難しいものです。

それが顔も見たことない見知らぬ人である場合、一挙に難易度は上がります。

見知らぬ人何十人もの合意は、現実的には無理でしょう。

共有物の処分は、共有者全員の合意が必要です。

1人でも反対の人がいると、処分はできません。

共有物を売却するには、1人でも反対の人がいると、できないのです。

見知らぬ人何十人で共有すると、共有物の賃貸や売却は、事実上、できなくなります。

デメリット③共有持分を売却するおそれ

共有物全体を売却するためには共有者全員の合意が必要です。

それぞれの共有者が持っている共有持分を売却するためには、他の共有者の合意は不要です。

あまり知られていませんが、共有者が持っている共有持分を買い取る業者がいます。

ひょっとすると、経済的に困っている共有者がいる場合、共有持分を売却してしまうかもしれません。

通常、市場価格よりはるかに低廉な価格でしか売れません。

共有持分を買い取る業者はビジネスですから、遠慮なく共有者としての権利を主張してきます。

共有持分買取請求や共有物分割請求などです。

話し合いで解決できなければ、当然、裁判所に持ち込まれることになるでしょう。

知識のない一般の人では対応できませんから、弁護士に依頼することになるでしょう。

4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

前提として、話し合いによる合意ができていなければ、文書にできません。

遺産分割協議書があるとトラブル防止になります。

後々のトラブルが見えていないと、単なる問題の先送りになります。

不動産の共有はその最たるものでしょう。

安易に共有を選ぶと後々トラブルに巻き込まれます。

共有にすることで今後どのような問題が発生するのか、自分達だけではそのリスクは見えにくいかもしれません。

司法書士はこのようなリスクの説明もします。

適切な遺産分割協議書を作り、家族のトラブルを避けたい方は、司法書士などの専門家にサポートを依頼することをおすすめします。

成年後見登記事項証明書の取得方法

2024-01-05

1成年後見人が認知症の人をサポートする

認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です

成年後見は、法定後見と任意後見の2種類があります。

法定後見制度は、3種類に分かれています。

法定後見は①補助②保佐③後見の3種類です。

法定後見でサポートしてもらう人は、それぞれ①被補助人②被保佐人③成年被後見人と言います。

法定後見でサポートする人は、それぞれ①補助人②保佐人③成年後見人と言います。

サポートしてもらう人の判断能力に応じて、ひとりでできることの範囲が違います。

サポートしてもらう人が、ひとりでできることの範囲が違うから、サポートする範囲や権限が違います。

①補助②保佐③後見の3種類のうち、圧倒的に③後見が多く、①補助②保佐はわずかです。

2成年後見登記事項証明書で権限を証明

成年後見登記事項証明書とは、成年後見人が成年被後見人をサポートする人であることを公的に証明する書類です。

成年後見制度を使っていても、戸籍に記載されることはありません。

成年被後見人の戸籍を見ても、成年被後見人であるかどうか分かりません。

成年後見制度を使っている場合、成年後見登記がされます。

成年後見登記がされている場合、登記事項証明書で確認ができます。

登記事項証明書を見ると、成年被後見人や成年後見人が記載されています。

成年後見人は、一人とは限りません。

成年後見人が複数名選任されている場合があります。

複数名の成年後見人が選ばれた場合、権限分掌の定めが置かれることがあります。

分掌権限以外の事務は、成年後見人であっても代理することはできません。

成年後見人は、本人をサポートします。

必要に応じて、本人の代わりに口座を解約したり、不動産の売却をします。

口座を解約したり、不動産の売却をする際に、成年後見登記事項証明書を提出します。

本人のために契約する代理権があることを証明する必要があるからです。

家庭裁判所が成年後見人を選任したとき、選任審判書をいう書類を出します。

選任審判書と成年後見登記事項証明書は、別の書類です。

成年後見人の選任審判書は、家庭裁判所が出す書類です。

成年後見登記事項証明書は、法務局が出す書類です。

成年後見人の選任審判書は、成年後見人を選任しましたよというお知らせです。

成年後見人の選任審判書をどこかに提出することは、通常はありません。

家庭裁判所が成年後見人を選任した場合、成年後見の登記が嘱託されます。

成年後見の登記が完了するまで、およそ1か月かかります。

成年後見の登記が完了するまで、成年後見登記事項証明書は取得できません。

成年後見登記事項証明書が取得できるようになるまでに、手続が必要になることがあります。

この1か月間に成年後見人として事務を行う場合は、成年後見人の選任審判書と確定証明書を提示します。

3法務局・地方法務局で窓口請求がおすすめ

成年後見登記事項証明書を請求する方法は、3種類あります。

①法務局・地方法務局の窓口に出向いて、請求する

②東京法務局後見登録課に郵送で、請求する

③オンライン請求

おすすめは、①法務局・地方法務局の窓口に出向いて請求する方法です。

成年後見登記事項証明申請は、すべての法務局で対応しているわけではありません。

東京都の窓口請求先は、東京法務局後見登録課のみです。

東京都以外の窓口請求先は、各法務局・地方法務局の本局の戸籍課だけです。

法務局の支局や出張所が近所にあっても、手続できません。

住所や本籍がどこにあっても、上記窓口に出向けば手続できます。

法務局・地方法務局に出向くのが難しい人は、郵送請求がいいでしょう。

郵送請求は、東京法務局後見登録課のみの取り扱いです。

③オンライン請求は請求するための準備が煩雑なので、あまりおすすめできません。

窓口まで出向く場合、分からないことは係の人に確認することができます。

書類に不備がある場合であっても、その場で補正して提出することができます。

法務局・地方法務局が業務を行う時間に、出向く必要があります。

成年後見登記事項証明書を請求することができるのは、次の人です。

(1)成年被後見人本人

(2)4親等内の親族

(3)成年後見人

窓口請求する場合、必要なものは次のとおりです。

(1)登記事項証明申請書

(2)本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)

(3)認印

(4)親族関係を確認できる戸籍謄本(発行日から3か月以内のもの)

(5)委任状(代理人が請求する場合)

会社や法人が代理人になる場合、代表者からの委任状が必要になります。

代表者の資格を証明するために、3か月以内の登記事項証明書が必要になります。

登記事項証明申請書は、窓口備え付けの申請書を使うことができます。

ホームページからダウンロードした申請書を使うことができます。

(2)本人確認書類は原本を窓口で提示します。

本人確認書類は、次の書類です。

運転免許証

マイナンバーカード

パスポート

証明書の発行手数料は、収入印紙で納入します。

収入印紙は、法務局、郵便局の郵便窓口で購入することができます。

4郵送は東京法務局後見登録課へ請求

成年後見登記事項証明書は、郵送で請求することができます。

郵送請求は、東京法務局後見登録課のみの取り扱いです。

成年後見登記事項証明申請に対応する法務局・地方法務局は、北海道を除いて各都府県で1か所です。

成年後見登記事項証明申請に対応する法務局・地方法務局に出向くのが難しい人は、郵送請求が便利です。

各地の法務局・地方法務局は、窓口請求すれば証明書を発行してくれますが、郵送では対応してくれません。

郵送請求する場合は、すべて東京法務局後見登録課のみの対応です。

成年後見登記事項証明書を請求することができるのは、窓口請求できる人と同じです。

成年後見登記事項証明書を郵送申請する場合、必要なものは窓口申請する場合の必要なものに加えて、返信用の切手と封筒です。

(2)本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)はコピーを添付することで差し支えありません。

4親等内の親族や4親等内の親族の代理人が請求する場合、親族関係を確認できる戸籍謄本は希望すれば返してもらうことができます。

戸籍謄本を返してもらいたい場合、戸籍謄本のコピーを添えます。

戸籍謄本のコピーに、原本に相違ありませんと書いて記名押印をします。

提出書類に不備がなければ、郵送で送り返してくれます。

郵送請求する場合は、送り返してもらう時間も見越して早めに請求しましょう。

5成年後見登記事項証明書の有効期限

①成年後見登記事項証明書自体に有効期限はない

成年後見登記事項証明書には、有効期限はありません。

成年後見登記事項証明書に「有効期限令和〇年〇月〇日」と記載されることはありません。

登記事項証明書は、発行した時点の内容の証明だからです。

②相続登記で3か月以内の成年後見登記事項証明書

成年後見登記事項証明書とは、成年後見人が成年被後見人をサポートする人であることを公的に証明する書類です。

認知症の人の代理で、遺産分割協議などの法律行為をすることができます。

成年後見登記事項証明書で、成年後見人の権限を証明することができます。

相続登記を申請する場合、成年後見登記事項証明書を提出します。

成年後見人が認知症の人の代わりに遺産分割協議をしたことを証明する必要があるからです。

成年後見登記事項証明書は、発行後3か月以内のものを提出しなければなりません。

代理権限証明情報は、発行後3か月以内のものである必要があるからです。

相続登記以外でも不動産登記で代理権限証明情報は、発行後3か月以内の有効期限があります。

③金融機関などは独自ルールで有効期限

成年後見登記事項証明書の提出を求める金融機関などは社内の独自ルールで有効期限を定めています。

古い発行日の成年後見登記事項証明書は、受け付けてもらえないことが多いものです。

成年後見制度はやめたいと思っても、原則として、やめることはできません。

成年後見人は、仕事が忙しいからなどの理由で簡単に辞めることもできません。

辞めることができないのだから、成年後見登記事項証明書は古くてもいいと考えがちです。

受け取る側から見ると、そうとも言えません。

当初は成年後見人はひとりであったものの、後に追加で選任されることがあるからです。

追加で成年後見人が選任された場合、権限分掌の定めが置かれる場合があります。

分掌権限以外の事務は、成年後見人であっても代理することはできません。

古い証明書しか確認していなかったとなると、銀行は不注意があったと言われるでしょう。

他の家族から抗議を受けるかもしれません。

提出を求める金融機関などとしては、古い成年後見登記事項証明書では受付できないと考えるでしょう。

将来必要になることを見越して多めに取得しておいた場合、使えなくなってしまうおそれがあります。

6成年後見を司法書士に依頼するメリット

認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

また、記憶があいまいになる人もいるでしょう。

このような場合に、ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。

成年後見を利用する場合、本人の家族を成年後見人に選んで欲しいと望む家族はとても多いものです。

成年後見人が家庭裁判所が選ぶので、家族が選ばれる場合も、家族以外の専門家が選ばれる場合もあります。

成年後見人として家族が選ばれた場合、事務負担の重さに驚くことになります。

成年後見登記事項証明書の取得もそのひとつでしょう。

成年被後見人のために事務を行うたびに、成年後見登記事項証明書の提出が求められます。

法務局・地方法務局が近くにあれば、窓口に出向けばその日のうちに成年後見登記事項証明書を受け取ることができます。

その日のうちに受け取ることができるとは言うものの、法務局は平日の昼間しか業務を行っていません。

郵送請求をする場合、往復の郵送の時間も見越して手続をする必要があります。

手続の方法を調べることも負担になるでしょう。

お仕事や家事で忙しい人にとっては事務負担が大きいものです。

成年後見人が選ばれれば終わりではありません。

成年後見人が選ばれた後の手続についても、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続人以外の他人に財産を残す方法

2024-01-03

1相続人になる人は法律で決まっている

①相続人になる人は一定の範囲の親族

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

(1)配偶者は必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②親族でも相続人以外の人は他人扱い

相続人になる人は、法律で決まっています。

法律で決められた相続人以外の人は、相続人になることはできません。

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもが相続人になるのに、子どもの子どもが相続人になることはありません。

相続人になるはずだったのに子どもが被相続人より先に死亡することがあります。

相続人になるはずだった子どもが被相続人より先に死亡した場合、子どもの子どもが相続人になります。

これを代襲相続と言います。

代襲相続が発生した場合、子どもの子どもが相続人になります。

被相続人の子どもが相続人になる場合、代襲相続は発生しません。

被相続人の子どもが相続人になるのに、子どもの子どもが相続することはできません。

被相続人の子どもが相続人になる場合、子どもの子どもは他人扱いです。

被相続人にとって、子どもの子どもは親族です。

赤の他人というのは、抵抗があるでしょう。

相続においては、子どもの子どもは相続人ではありません。

赤の他人が相続人でないのと同様に、子どもの子どもは相続人ではありません。

親族であっても相続人以外の人に財産を残すためには、赤の他人と同様の対策が必要になります。

2相続人以外の他人に遺贈ができる

①遺言書を作成して遺贈ができる

遺贈とは、被相続人が遺言によって、相続人や相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺贈で財産を譲り渡す人のことを遺贈者、譲り受ける人を受遺者と言います。

相続では、法律で決められた相続人だけが相続します。

遺贈では、相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができます。

②特定遺贈と包括遺贈

遺贈には、2種類あります。

特定遺贈と包括遺贈です。

特定遺贈とは、遺言書に「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

包括遺贈とは、遺言書に「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。

③特定遺贈で財産を残すことができる

特定遺贈とは、遺言書に「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

特定遺贈では、遺言書に書いてある特定の財産を譲ってあげるだけ、特定の財産を譲ってもらうだけです。

相続財産の内容は、不動産、預貯金、株式、借金などいろいろな種類があるのが通常です。

ポイントは、遺産のうちどの財産を譲ってあげるのか具体的に特定する必要がある点です。

遺言書に書いていない財産は、譲ってあげることも譲ってもらうこともありません。

自宅などを譲ってあげたい場合、土地と建物があるでしょう。

土地と建物両方を別々に記載する必要があります。

譲ってあげたい財産が不動産である場合、登記事項証明書を見て書き写すといいでしょう。

譲ってあげたい財産を具体的に特定できない場合、登記手続ができなくなるおそれがあるからです。

遺言書を作成して特定遺贈をすることで、相続人以外の他人に財産を残すことができます。

④包括遺贈で財産を残すことができる

包括遺贈とは、遺言書に「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。

包括遺贈では、具体的な財産は書いてありません。

「財産の2分の1を包括遺贈する」とあった場合、財産の2分の1とは、どの財産なのか分かりません。

包括遺贈を受けた場合、相続人全員と遺産分割協議が不可欠です。

具体的にどの財産を受け取るのか、相続人全員と話し合いで決めなければなりません。

遺言書の記載は2分の1などの割合だけで、具体的財産の記載がないからです。

包括遺贈では、財産を譲ってもらう人は相続人と同一の権利義務が与えられます。

相続財産の中にマイナスの財産がある場合、マイナスの財産も指定された割合で受け継ぐことになります。

3遺贈をするために遺言書作成

①遺言書の種類

遺贈とは、被相続人が遺言によって、相続人や相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺贈をしたい場合、遺言書を作成する必要があります。

遺言書の種類は、民法という法律で決められています。

大きく分けて普通方式の遺言と特別方式の遺言とあります。

普通方式の遺言は、次の3つです。

(1)自筆証書遺言

(2)公正証書遺言

(3)秘密証書遺言

特別方式の遺言は、次の4つです。

(1)死亡の危急に迫った者の遺言

(2)伝染病隔離者の遺言

(3)在船者の遺言

(4)船舶遭難者の遺言

特別方式の遺言は、生命の危機に迫っている人や航海中など交通できない人が作る特別の遺言です。

ごく稀な遺言と言えるでしょう。

多くの方にとって、遺言というと普通方式の遺言です。

なかでも、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成する人がほとんどです。

②自筆証書遺言は手軽だが無効になるおそれ

自筆証書遺言は、遺言者が自分で書いて作った遺言書です。

専門家の手を借りることなく手軽に作ることができます。

世の中の大半の遺言書は、自筆証書遺言です。

封筒に入れなければならないといった決まりもありません。

書き換えられるおそれが大きいのでお勧めはできませんが、鉛筆で書いても有効です。

ひとりで作ることができるので、作るだけであれば、費用はかかりません。

作った遺言書を法務局で預かってもらうことができます。

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

書き方ルールに違反していると、無効になってしまうおそれがあります。

自筆証書遺言は、専門家の手を借りずに作られることが多いものです。

法律の知識がないと、書き方ルールの違反をしがちです。

自筆証書遺言は、手軽に作ることができるけど無効になるおそれがあります。

②公正証書遺言は費用がかかるけど安心確実

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に取りまとめてもらって作る遺言書です。

遺言者が公証人に遺言内容を伝えて、証人2人に確認してもらって作ります。

公証人は、法律の専門家です。

公正証書遺言は、法律の専門家の手を借りて作る遺言書です。

法律の専門家が関与するから、書き方ルールの違反は考えられません。

公正証書遺言を作成した後、遺言書原本は公証役場で厳重に保管されます。

遺言書の紛失や改ざんの心配がありません。

公正証書遺言は公証人の手を借りるから、公証人へ手数料を払わなければなりません。

公正証書遺言は、作成するために費用がかかるけど安心確実です。

③おすすめは公正証書遺言

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成する人がほとんどです。

せっかく遺言書を作成するのであれば、公正証書遺言がおすすめです。

費用はかかってしまうものの、メリットが大きいからです。

公正証書遺言の主なメリットは、次のとおりです。

(1)公証人が文面を取りまとめてくれる

(2)遺言書の書き方ルールの違反などで無効になりにくい

(3)相続発生後に家庭裁判所で検認手続が不要

(4)公証人が遺言者の意思確認をしているからトラブルになりにくい

(5)遺言書の紛失や改ざんがない

公正証書遺言がある場合、トラブルに発展するのはごくわずかです。

遺言書を作成するのであれば、公正証書遺言がおすすめです。

4相続人以外の他人に財産を残すときの注意点

①相続人の遺留分を侵害しない

遺留分とは、一定の範囲の相続人に認められる最低限の権利です。

被相続人は、原則として、自分の財産をだれに受け継がせるかは自由に決めることができます。

とはいえ、財産は被相続人が1人で築いたものではないでしょう。

家族の協力があって築くことができた財産のはずです。

被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすることはできません。

今まで協力してきた家族に酷な結果となることがあるからです。

被相続人に近い関係の相続人には相、続財産に対して最低限の権利が認められています。

遺留分がある相続人を遺留分権利者と言います。

遺留分権利者は、配偶者、子ども、親などの直系尊属です。

被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹は相続人になっても、遺留分はありません。

遺言書で相続人以外の他人に全財産を遺贈しても、兄弟姉妹は何も言うことはできません。

兄弟姉妹には遺留分がないから、遺留分侵害額請求をすることはできません。

兄弟姉妹以外の人が相続人になる場合、遺留分権利者です。

遺留分を侵害するような遺言書を作成した場合、家族の深刻なトラブルになりかねません。

家族を幸せにするために、築いた財産でしょう。

生涯をかけて築いた財産で家族がトラブルになったら本末転倒です。

相続人の遺留分を侵害しない財産分与をおすすめします。

②遺贈を放棄することができる

遺贈は、被相続人が遺言によって、相続人や相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺言書は、遺言者がひとりで作成することができます。

遺言書を作成するにあたって、相続人や財産を受け取る人の同意などは不要です。

遺言書で、一方的に財産を譲ってあげると決めることができます。

財産を受け取る側にとって、ありがた迷惑かもしれません。

財産を受け取ることはありがたくても、相続人とトラブルになりたくないからご辞退したいことがあります。

遺贈は、放棄することができます。

遺言書を作成する場合、財産を受け取る人の事情を聞いておくといいでしょう。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言書がある場合、遺言書の内容を実現してあげたいと思うでしょう。

相続が発生した場合、被相続人のものは相続人全員の共有財産になります。

相続財産は、相続人全員の合意で分け方を決めます。

相続人以外の人に財産を残したい場合、遺言書の作成は欠かせません。

相続人以外の親族に財産を残したい場合、赤の他人と同様に遺言書が欠かせません。

インターネットが普及したから、たくさんの情報を手軽に入手することができます。

インターネット上には、適切な情報も適切でない情報も入り混じっています。

自称専門家は、相続人でない人が相続できるなどと曖昧な情報発信をしています。

スムーズな財産承継のため、信頼できる専門家のサポートが必要です。

家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現するために、せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。

相続人以外の他人に財産を残したい方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

私道の共有持分を相続

2024-01-01

1私道は相続財産

①道路には私道と公道がある

普段、道路を使っていろいろな所へ出かけます。

一般の交通の用に用いるのが道路です。

道路には、2種類あります。

私道と公道です。

行政が設置管理をする道路が公道です。

一般私人が設置管理する道路が私道です。

公道は、設置管理する国や地方自治体の財産です。

私道は、設置管理する人の財産です。

②私道を登記簿謄本で確認できる

私道は、一般私人が設置管理する道路です。

ひとりの人が単独で所有していることも近隣住民とみんなで所有していることもあります。

私道をみんなで共有している場合、分割した割合で道路を所有しています。

私道は通常の宅地と同様に、所有者の財産です。

自分の財産であることを第三者に権利主張するためには、登記が必要です。

道路として使っている土地の登記簿謄本を取得することができます。

登記簿を確認すると、所有者や共有持分を確認することができます。

③私道は相続財産なのに見落とされがち

被相続人が自宅の土地や建物を所有していた場合、自宅の土地や建物は相続財産になります。

被相続人の財産の大部分は自宅というケースも少なくありません。

被相続人が私道を所有していた場合、私道は相続財産になります。

自宅に至る私道が相続財産になることは見落とされがちです。

通常、自宅の土地や建物を所有している場合、固定資産税を納めます。

条件を満たした場合、私道は固定資産税がかかりません。

固定資産税がかからないから、多くの役所では固定資産税の納税通知書の課税明細書に記載されていません。

所有者本人が私道持分があることを忘れてしまっていることがあります。

所有者本人が忘れてしまっている場合、家族はなおさら認識していないでしょう。

相続が発生した後、財産調査をします。

納税通知書の課税明細書を紛失した場合、役所に固定資産課税台帳兼名寄帳を請求することができます。

固定資産課税台帳兼名寄帳にも、非課税地は記載されていないケースがあります。

固定資産課税台帳兼名寄帳は、固定資産税を課税するための書類です。

税金がかからない土地は、記載されません。

自宅の土地や建物は、個人単独で所有していることが多いです。

私道持分は、共有であることが多いでしょう。

市区町村役場に固定資産課税台帳兼名寄帳を請求する場合、個人単独所有の不動産と共有の不動産は別に請求する必要があるケースがあります。

土地を共有しているケースでは、代表者を届けておく取り扱いの市区町村があります。

共有地の代表者から請求しないと、固定資産課税台帳兼名寄帳を取得できない場合があります。

④名寄帳を発行しない市区町村役場がある

機密性の高い個人情報であることを考慮して、名古屋市など名寄帳を発行していない市区町村役場があります。

名古屋市では、課税明細書と資産明細書で代用します。

課税明細書には、固定資産税が課税される物件のみが記載されます。

資産明細書には、免税点未満で課税されない物件が記載されます。

課税明細書を請求するとき「課税されていない物件がある場合は、資産明細書も出してください」と記載すると取得することができます。

名古屋市では、私道など非課税地は課税明細書と資産明細書のいずれにも記載されません。

⑤権利証や契約書を確認する

被相続人が自宅の所有権を取得したときに権利証が発行されているはずです。

自宅を購入したときに、売買契約書を作成しているでしょう。

権利証や売買契約書を丁寧に確認しましょう。

被相続人が私道を所有していたことが判明します。

2私道の共有持分がないデメリット

自宅のある土地や建物のみ所有していて公道につながる土地を所有していない場合、私道を通行する権利がない状態になります。

現実には、私道であっても公道と同じように人や自動車が通行しているかもしれません。

法律上、私道は土地の所有者の許可なく通行することはできません。

他人の土地を通ることになりますから、所有者とトラブルになるでしょう。

土地の所有者は、自宅などを建てて土地を使用したいはずです。

ライフラインを確保するために、上下水道管やガス管の埋設や引き込み工事をする必要があります。

水道屋もガス屋も他人の土地を勝手に掘り起こすことはできません。

上下水道管やガス管の埋設や引き込み工事をするために、土地の所有者の許可が必要になります。

私道の共有持分がない場合、承諾料や使用料を請求されるかもしれません。

公道につながる土地を所有していない場合、土地の所有者から通行や道路工事を制限されてしまう可能性があります。

公道につながる土地と一緒でなければ、積極的に買おうと思う人が現れません。

公道につながらない土地を買う場合、銀行などの金融機関が融資を拒否します。

金融機関の融資を必要としない人しか買うことができません。

公道につながらない土地は、ほとんどの場合買い手がいません。

事実上、売買ができなくなります。

3私道の共有持分は相続財産なのに見落とされがち

被相続人が自宅の土地や建物を所有していた場合、自宅の土地や建物は相続財産になります。

被相続人の財産の大部分は自宅というケースも少なくありません。

被相続人が私道の共有持分を所有していた場合、私道の共有持分は相続財産になります。

自宅に至る私道が相続財産になることは、見落とされがちです。

通常、自宅の土地や建物を所有している場合、固定資産税を納めます。

条件を満たした場合、私道には固定資産税がかかりません。

多くの役所では固定資産税の納税通知書の課税明細書に記載されていません。

課税明細書は、固定資産税がかかる不動産の明細書だからです。

私道に固定資産税がかからない場合、固定資産税を納めてくださいと通知する必要がありません。

所有者本人が私道の共有持分があることを忘れてしまっていることがあります。

所有者本人が忘れてしまっている場合、家族はなおさら認識していないでしょう。

相続が発生した後、財産調査をします。

納税通知書の課税明細書を紛失した場合、市区町村役場に固定資産課税台帳兼名寄帳を請求することができます。

固定資産課税台帳兼名寄帳にも、非課税地は記載されていないケースがあります。

固定資産課税台帳兼名寄帳は、固定資産税を課税するための書類だからです。

固定資産税がかからない土地は、記載する必要がありません。

自宅の土地や建物は、個人単独で所有していることが多いです。

私道の共有持分は、近隣の人と共有しています。

市区町村役場に固定資産課税台帳兼名寄帳を請求する場合、個人単独所有の不動産と共有の不動産は別に請求する必要があるケースがあります。

土地を共有しているケースでは、代表者を届けておく取り扱いの市区町村役場があります。

共有地の代表者から請求しないと、固定資産課税台帳兼名寄帳を取得できない場合があります。

4私道の共有持分の記載のない遺産分割協議書は有効

自宅の土地や建物は相続財産と認識していても、私道の共有持分は見落としがちです。

被相続人のものは、原則として、相続財産になります。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

自宅の土地や建物のみ分け方の合意をして、遺産分割協議書を作成することができます。

遺産分割協議書は、相続財産全部まとめて作らなければならないといったルールはありません。

自宅の土地や建物のみの合意として有効です。

私道の共有持分については、相続人全員の共有財産のままです。

自動的に、自宅の土地や建物を相続する相続人のものになることはありません。

私道の共有持分について合意がない場合であっても、相続財産全体について合意をやり直す必要はありません。

私道の共有持分を見落としていた場合、あらためて、私道の共有持分について相続人全員で合意をすることができます。

相続財産を分け方の決定は、相続人全員の合意が必要です。

相続人全員の合意ができるのであれば、相続財産全部についてまとめて合意をする必要はありません。

合意できる財産から、順次合意した方が合理的なことがあるでしょう。

一部の相続財産だけ合意した遺産分割協議書であっても問題はありません。

私道の共有持分は、相続財産であることを見落とされがちです。

自宅の土地や建物について分け方の合意をしてから長期間経過した後、私道持分があることに気づくケースが少なくありません。

自宅の土地や建物について分け方の合意をしてから長期間経過した場合、当初の相続人が認知症になっているかもしれません。

認知症になった場合、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなります。

認知症になった相続人に代わって相続財産の分け方の合意をする後見人を選任してもらわなければなりません。

当初の相続人が行方不明になっているかもしれません。

行方不明の相続人に代わって相続財産の分け方の合意をする不在者管理人を選任してもらわなければなりません。

当初の相続人が死亡しているかもしれません。

当初の相続人の相続人を確定させなければなりません。

私道の共有持分があることに気づいた場合、あらためて相続人を確定する必要があります。

あらためて相続人を確定したら、すみやかに相続財産の分け方の合意をしましょう。

5私道の共有持分の相続を司法書士に依頼するメリット

私道は面積が小さいことがほとんどです。

私道だけでは、資産価値は必ずしも大きくありません。

私道の共有持分は、宅地と一緒に所有することが重要です。

私道の共有持分がない土地は、経済的価値が著しく低くなるからです。

私道の共有持分であっても、公道と同じように人や自動車が通行しているでしょう。

私道を所有している認識が強くないことが多いものです。

私道の共有持分は、紛れもなく土地の所有権の一部です。

宅地と同様に私道の共有持分を相続した場合、相続登記をする必要があります。

自宅の土地や建物について相続登記をしたからといって、私道の共有持分について自動的に相続登記がされることはありません。

私道の共有持分の相続登記がしていない場合、私道の共有持分を所有していることを第三者に主張することができません。

相続登記をすることで、第三者に私道の共有持分を主張することができます。

第三者に所有権を主張できることは、登記の重要なメリットです。

固定資産税が課されていないケースでは、所有していることを見逃しがちです。

相続手続では、このようなトラブルに知らず知らずに巻き込まれてしまいます。

相続手続で不安になったら、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄したのに準確定申告の通知

2023-12-25

1準確定申告は4か月以内

準確定申告とは、所得税の申告のひとつです。

所得税は毎年1月1日から12月31日までの所得を計算して、翌年3月15日までに申告と納税をします。

この申告を、確定申告と言います。

1年の途中で死亡した場合、1月1日から死亡した日までの所得を計算して、申告と納税をします。

通常の確定申告と死亡した人の申告を区別するため、準確定申告と言います。

準確定申告は、死亡した被相続人本人に代わって、相続人と包括受遺者が申告と納税をします。

申告と納税をするのは、相続が発生したことを知ってから4か月以内です。

2相続放棄したら相続人でなくなる

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄をしたい旨の申立てが認められた場合、はじめから相続人ではなくなります。

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。

相続人間の話合いで、一部の相続人がプラスの財産を相続しませんと申し入れをすることがあります。

プラスの財産を相続しませんと申し入れをしても、相続放棄ではありません。

家庭裁判所で認められていない場合、マイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、相続人でなくなります。

3相続放棄したら準確定申告をする義務はない

準確定申告は、死亡した被相続人本人に代わって、相続人と包括受遺者が申告と納税をします。

相続人でない人や包括受遺者でない人は、準確定申告をする義務はありません。

家庭裁判所に対して相続放棄をしたい旨の申立てをして認められた場合、はじめから相続人ではなくなります。

相続人ではないから、準確定申告をする義務はありません。

それでも税務署から準確定申告をするように通知が来る場合があります。

家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、役所や税務署などへ連絡をしません。

税務署は、相続放棄をして相続人でなくなったことを知りません。

相続人でなくなったことを知らないから、相続人と誤解して準確定申告をしてもらおうと考えています。

税務署から通知が来た場合、あわてて準確定申告をする必要はありません。

相続放棄をしたから相続人でなくなったことを連絡するだけでいいでしょう。

4単純承認をしたら相続放棄が無効になる

法律で定められた一定の条件にあてはまるときは、単純承認したとみなされます。

単純承認とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継ぐものです。

単純承認とみなされたら、相続放棄はできません。

家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをした場合、提出された書類を見て審査をします。

家庭裁判所は、単純承認をした事情が分からずに相続放棄を認める決定をしてしまうかもしれません。

相続放棄はできないのに、相続放棄が認められても無効です。

単純承認したとみなされる行為は、法律で定められています。

相続財産の名義変更をした、相続財産である銀行の預貯金を引き出して使ってしまった場合が典型的です。

単に、引き出しただけであれば、処分とは言えないことが多いでしょう。

引き出したうえ、自分の口座に送金して保管すると、「処分した」と評価される可能性が高くなります。

銀行の預貯金を引き出してお葬式の支払にあてた場合、状況によっては、処分したと判断されることもあります。

被相続人が払い過ぎた税金などの還付金の支払を受けた場合、「処分した」と判断されます。

5準確定申告をしたら単純承認になる

準確定申告は、死亡した被相続人本人に代わって、相続人と包括受遺者が申告と納税をします。

相続人でない人や包括受遺者でない人は、準確定申告をする義務はありません。

準確定申告をした場合、単純承認したとみなされます。

準確定申告は、相続人がするものだからです。

自分は相続人であると認めたから、準確定申告をしたと判断されることになります。

家庭裁判所に相続放棄の手続をして相続放棄が認められたのに、準確定申告をした場合、相続放棄は無効になります。

相続を単純承認した場合、撤回することはできません。

相続を単純承認した後、事情を知らない家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、相続放棄は無効です。

相続人ではない場合、準確定申告をする義務はありません。

税務署から準確定申告をするように通知が来た場合であっても、あわてて準確定申告をする必要はありません。

家庭裁判所が相続放棄を認めたことを税務署は知らないことが通常です。

家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、役所や税務署などへ連絡をしません。

税務署は何も知らないから、相続人であると誤解しているだけです。

準確定申告をした結果、被相続人が納め過ぎた税金が還付されることがあります。

被相続人が納め過ぎた税金を還付してもらう権利は、被相続人の財産です。

相続が発生した後は、相続財産になります。

相続放棄をした人は相続しないのだから、相続財産を処分することはできません。

被相続人が納め過ぎた税金を還付してもらった場合、相続財産を処分したと言えます。

相続財産を処分した場合、相続の単純承認になります。

6相続放棄をしたら相続人と包括受遺者が準確定申告をする

家庭裁判所で相続放棄をしたい旨の申立てが認められた場合、はじめから相続人ではなくなります。

相続する他の相続人と包括受遺者が準確定申告をします。

同順位の相続人全員が相続放棄をした場合、次順位の相続人に相続権が移ります。

例えば、被相続人の子ども全員が相続放棄をした場合、親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属が相続人になる場合、親などの直系尊属が相続人として準確定申告をします。

被相続人に莫大な借金があった場合、相続人全員が相続放棄をすることがあります。

相続人全員が相続放棄をした場合、相続財産は相続財産法人になります。

相続人全員が相続放棄をした場合、相続財産清算人が準確定申告をします。

相続人全員が相続放棄をしたからといっても、あわてて準確定申告をする必要はありません。

7相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、家族はたくさんの手続や用事で忙しくなります。

葬儀や親戚知人ヘの連絡から始まり、相続手続に追われてゆっくり悲しむ暇もありません。

通常の仕事や家事に加え、たくさんの用事に追われます。

3か月や4か月はあっという間に過ぎてしまいます。

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできます。

高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙に、ハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。

通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。

3か月以内の期間制限を知らなかったからなどの理由を言う方は多いです。

このような理由を書いても、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれません。

丁寧に事情を聞いていると、被相続人の死亡を知ったのはごく最近であるなどの理由が出てきます。

3か月を経過した相続放棄は、詳細に事情を聞き取って家庭裁判所が認めてくれる理由がないか検討することが重要です。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄をしたら遺留分侵害額請求ができない

2023-12-15

1遺留分は相続人の最低限の権利

被相続人は、原則として、自分の財産をだれに受け継がせるか自由に決めることができます。

とはいえ、財産は被相続人が1人で築いたものではありません。

家族の協力があって築くことができた財産のはずです。

被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすることはできません。

今まで協力してきた家族に酷な結果となることがあるからです。

被相続人に近い関係の相続人には、相続財産に対して最低限の権利が認められています。

相続財産に対して、認められる最低限の権利のことを遺留分と言います。

遺言書などで遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求をすることができます。

2相続放棄と遺留分の放棄

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

遺留分の放棄は、相続財産に対して認められる最低限の権利を相続人自身の意思で放棄することです。

遺留分の放棄は、最低限の権利を放棄するだけです。

遺留分の放棄をしても、相続人です。

遺留分の放棄をしても、被相続人の財産を相続することができます。

遺留分の放棄は、相続放棄ではないからです。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も、相続人が相続します。

3相続放棄をしたら遺留分侵害額請求ができない

相続放棄をした場合、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継ぎません。

相続放棄をしたら、はじめから相続人でなかったものと扱われるからです。

相続放棄をするとは、相続人としての権利と義務を放棄するという意味です。

遺留分は、相続人に認められた相続財産に対する最低限の権利です。

遺留分は相続財産に対する最低限の権利だから、相続放棄をしても財産を受け取れると思うかもしれません。

相続放棄をしたら、相続人でなくなります。

遺留分は、相続人に認められた権利です。

相続人でなくなるから、相続人の権利も当然になくなります。

相続放棄をしたら、遺留分もなくなります。

相続放棄をした場合、遺留分侵害額請求をすることはできません。

4家庭裁判所で手続をしていないと相続放棄の効果はない

相続放棄は、家庭裁判所に対してする手続です。

相続発生を知ってから3か月以内に、相続放棄を希望する旨の申立てをします。

家庭裁判所で手続をしていない場合、相続放棄ではありません。

相続人同士の話し合いで、プラスの財産を受け取りませんと申し入れをしていることがあります。

プラスの財産を受け取りませんと申し入れをすることを、相続放棄と表現している場合があります。

ときには「相続放棄をします」と念書を書いて相続人になる予定の人に渡しているかもしれません。

「相続放棄をします」と念書を書いても、相続放棄の効力はありません。

家庭裁判所に手続をしていない場合、相続放棄ではないからです。

相続放棄の効力はないから、相続人のままです。

相続財産の分け方は、相続人全員の話し合いによる合意で決定します。

「相続放棄をします」と念書を書いた相続人を含まない遺産分割協議に意味はありません。

「相続放棄をします」と念書を書いても、家庭裁判所の関与はないでしょう。

家庭裁判所の関与なく、相続放棄をすることはできません。

「相続放棄をします」と念書を書いただけなら、相続人のままだからです。

被相続人が「相続放棄をしろ」と相続人に命令していることがあります。

このような場合、遺言書を見ると他の相続人に財産が配分されていることが多いです。

「相続放棄をします」と約束しても、相続放棄の効力はありません。

被相続人が「相続放棄をしろ」と相続人に命令しても、相続放棄の効力はありません。

家庭裁判所に手続をしていない場合、相続放棄ではないからです。

「相続放棄をします」と約束した相続人は、相続人であることに変わりはありません。

兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分権利者です。

「相続放棄をします」と約束しても兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分権利者です。

遺言書があれば遺言書のとおり、財産を配分するのが原則です。

遺言書があっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺言書で遺留分が侵害される場合、相続人は遺留分侵害額請求ができます。

5遺留分の放棄をしたら遺留分侵害額請求はできない

①生前の遺留分の放棄は家庭裁判所の許可

被相続人の生前に、遺留分の放棄をすることができます。

被相続人の生前に遺留分の放棄をする場合、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

「遺留分侵害額請求をするな」「相続を放棄するな」という被相続人の命令は、法律上無効です。

「遺留分侵害額請求をしません」「相続を放棄します」という被相続人と相続人の口約束は、法律上無意味です。

生前に他の相続人と「遺留分侵害額請求をしません」という契約書を作った場合、法律上何の価値もありません。

被相続人の生前に遺留分を放棄する場合、家庭裁判所の許可が必要だからです。

被相続人や他の相続人と話し合いで、生前に遺留分の放棄はできません。

相続が発生した後、遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

家庭裁判所に遺留分の放棄の申立てをした場合であっても、認められないことも多いものです。

被相続人や他の相続人からの不当な干渉による申立てではないか家庭裁判所は審査をするからです。

無理矢理、遺留分の放棄をさせられているのではないか重点的に審査します。

遺留分の放棄は、相続人の意思が重視されます。

気に入らない相続人の遺留分を放棄させる危険があります。

相続人の意思だけでなく、合理的理由があるかも判断の対象になっています。

合理的理由とは、遺留分の放棄の申立てをする必要性や充分な理由があることです。

遺留分の放棄の申立てをする充分な理由とは、遺留分の放棄をするに見合う充分な代償を得ていることです。

遺留分の放棄をするに見合う充分な生前贈与を受けている場合、遺留分の放棄をする合理的な理由があると言えます。

事業などに充分な出資をしてもらっている場合、遺留分の放棄をするに見合う充分な代償を得ていると判断されるでしょう。

②相続発生後なら遺留分放棄は自由にできる

相続が発生した後であれば、遺留分は自由に放棄することができます。

相続が発生した後は、相続権も遺留分も自分に帰属した具体的権利だからです。

具体的な自分の権利だから、自由に処分することができます。

家庭裁判所の許可は、必要ありません。

遺留分侵害額請求権は、遺留分がある権利者からの請求が必要です。

遺留分侵害額請求をすることは、権利であって義務ではありません。

遺留分が侵害された場合でも、遺留分侵害額請求をしなくても構いません。

遺留分侵害額請求をしない場合、遺留分を放棄したことと同じ効果になります。

6相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄は、その相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続きです。

2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。

通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。

家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では、認めてもらうことは難しいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています.

家庭裁判所に認めてもらえやすい書類を作成することができます。

相続放棄は、本来、家庭裁判所に対してする手続です。

日常的に相続放棄をするといった場合、家庭裁判所の手続でないことが多いものです。

家庭裁判所で手続していない場合、相続放棄の法律上の効果がありません。

法律上の効果がないのに、法律上の効果があると誤解するから、家族が混乱します。

不十分な知識で話し合いをすると、家族のトラブルになります。

相続放棄は一回限りのうえに、撤回はできません。

相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

口約束の相続でトラブル

2023-12-08

1口約束で遺言はできない

①自筆証書遺言と公正証書遺言がほとんど

遺言書の種類は、民法という法律で決められています。

大きく分けて、普通方式の遺言と特別方式の遺言があります。

普通方式の遺言は、次の3つです。

(1)自筆証書遺言

(2)公正証書遺言

(3)秘密証書遺言

特別方式の遺言は、次の4つです。

(1)死亡の危急に迫った者の遺言

(2)伝染病隔離者の遺言

(3)在船者の遺言

(4)船舶遭難者の遺言

特別方式の遺言は、生命の危機に迫っている人や航海中など交通できない人が作る特別の遺言です。

ごく稀な遺言と言えるでしょう。

多くの方にとって、遺言というと普通方式の遺言です。

なかでも(1)自筆証書遺言(2)公正証書遺言のいずれかを作成される方がほとんどです。

②自筆証書遺言は自分で書いて作成

自筆証書遺言は、遺言者が自分で書いて作った遺言書です。

筆記用具や紙に、制約はありません。

封筒に入れなければならないといった決まりもありません。

自筆証書遺言は、文字どおり自分で書いて作った遺言書です。

遺言者本人が自分で書くことが、条件です。

被相続人が生前に、自分が死亡したら財産を譲ると約束することがあります。

被相続人が言い遺した約束だから、財産を譲ってもらえると期待するかもしれません。

口頭で言い遺した約束は、自筆証書遺言ではありません。

口約束で自筆証書遺言をすることは、できません。

③公正証書遺言は公証人が関与

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に取りまとめてもらって作る遺言書です。

遺言者が公証人に遺言内容を伝えて、証人2人に確認してもらって作ります。

原則として、公証役場に出向く必要があります。

公正証書遺言は、公証人が書面に取りまとめます。

公証人が関与せずに、公正証書遺言を作ることはできません。

被相続人が生前に自分が死亡したら財産を譲ると約束する場合、公証人は関与していないでしょう。

単なる口約束は、公正証書遺言ではありません。

口約束で公正証書遺言をすることは、できません。

④一般危急時遺言の条件は厳しい

特別方式の遺言に、一般危急時遺言があります。

死亡の危急に迫った者がする特別な遺言です。

死亡の危急に迫った人は、自分で遺言書を書くことが困難です。

遺言者から遺言の内容を聞いて、証人が遺言書を作成します。

一般危急時遺言では、証人3人に確認してもらいます。

証人のひとりが遺言内容を書面に取りまとめ、証人全員が署名押印します。

一般危急時遺言を作成した後20日以内に、家庭裁判所に確認の審判の申立てをします。

20日以内に家庭裁判所への審判の申立てがされなければ、一般危急時遺言は無効になります。

一般危急時遺言は、死亡の危急に迫った者がする特別な遺言です。

遺言を作成した後、死亡の危急から脱することがあります。

死亡の危急から脱した場合、普通方式の遺言ができるはずです。

わざわざ一般危急時遺言を維持するメリットがなくなります。

普通方式の遺言ができるようになってから6か月経過で、一般危急時遺言は無効になります。

単なる口約束は、一般危急時遺言ではありません。

2口約束で遺贈はできない

①遺贈は遺言書で財産を譲ること

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺贈で財産を譲り渡す人のことを遺贈者、譲り受ける人を受遺者と言います。

譲ってもらう人は自然人でもいいし、法人などの団体でも差し支えありません。

遺言書に「遺贈する」とあれば、譲ってもらう人が相続人であっても相続人以外の人でも、遺贈で手続します。

②遺贈には遺言書が必要

遺贈は、遺言書で財産を譲ってあげることです。

遺贈をするためには、遺言書が必要です。

遺言書の形式は、問いません。

自筆証書遺言でも公正証書遺言でも、遺贈をすることができます。

自筆証書遺言は、遺言者が自分で書いて作った遺言書です。

口約束で自筆証書遺言をすることは、できません。

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に取りまとめてもらって作る遺言書です。

口約束で公正証書遺言をすることは、できません。

死亡の危急に迫った者の場合、一般危急時遺言ができます。

一般危急時遺言を作成した後20日以内に、家庭裁判所に確認の審判の申立てが必要です。

単なる口約束は、一般危急時遺言ではありません。

単なる口約束で、遺贈をすることはできません。

③遺言書作成は公正証書遺言がおすすめ

公正証書遺言は、公証人が書面に取りまとめます。

公正証書遺言は、法律上の不備があって遺言書が無効になるリスクが最も少ないものです。

遺言書の内容を伝えておけば、適切な表現で文書にしてもらえます。

作った遺言書の原本は、公証役場で保管されます。

紛失するおそれがありません。

遺言書が作られていることが分かっていれば、容易に探してもらえます。

公正証書遺言は、安心確実です。

自筆証書遺言は、ひとりで作ることができます。

作るだけであれば、費用はかかりません。

専門家の手を借りることなく手軽に作ることができます。

世の中の大半の遺言書は、自筆証書遺言です。

専門家の手を借りずに作られることが多いので、法律上効力のない遺言書になってしまうかもしれません。

せっかく遺言書を作成しても、無効になったら意味はありません。

相続人がトラブルにならないようにと考えるのであれば、公正証書遺言がおすすめです。

3口約束で死因贈与

①死因贈与は契約

贈与は、契約です。

死因贈与契約は、贈与する人が死亡したときに財産を譲る契約です。

財産を譲り渡す人と譲り受ける人の合意があれば、契約は成立します。

被相続人が生前に、自分が死亡したら財産を譲ると約束することがあります。

口約束で、遺言をすることはできません。

口約束で、遺贈をすることはできません。

口約束で、贈与をすることができます。

口約束で、死因贈与をすることができます。

贈与契約は、書面を作成しなくても有効だからです。

②口約束の贈与は信用されない

財産を譲り渡す人と譲り受ける人の合意があれば、契約は成立します。

口約束だけの贈与契約は、証拠がないでしょう。

財産を譲ると約束してもらったと主張しても、信用してもらえません。

死因贈与は、贈与する人が死亡したときに財産を譲る契約です。

贈与がなければ、相続人が相続する財産だったはずです。

相続人から見ると、相続財産を奪われる気持ちになるでしょう。

被相続人が複数の人に、自分が死亡したら財産を譲ると約束することがあります。

周りの人の気を引きたい気持ちがあったのでしょう。

口約束だけの贈与契約は、証拠はありません。

複数の人が約束したと主張する場合、ウソを言っている人がいるかもしれません。

たとえ本当に約束していたとしても、口約束の死因贈与契約は信用されません。

③死因贈与の実現には相続人全員の協力が必要

財産を譲り渡す人と譲り受ける人の合意があれば、贈与契約は成立します。

財産を譲り渡す人に相続が発生した場合、財産を譲り渡す義務は相続人全員に相続されます。

死因贈与が有効に成立していたとしても、贈与の実現には相続人全員の協力が必要です。

一部の相続人が死因贈与に疑いを持つ場合、死因贈与の実現に協力は得られないでしょう。

相続財産を奪われる気持ちになっている相続人は、死因贈与の実現に協力しないでしょう。

死因贈与が有効に成立していたとしても、一方的に財産を奪うことはできません。

死因贈与の実現には、相続人全員の協力が必要です。

④死因贈与は仮登記ができる

自分が死亡したら財産を譲ると約束する場合、譲る財産が不動産であることがあります。

死因贈与契約は、贈与する人が死亡したときに財産を譲る契約です。

詳しく言うと、贈与する人の死亡を始期とする贈与契約です。

仮登記とは、将来の登記の順位を保全する登記です。

通常の登記は、仮登記と比較して本登記と言います。

不動産の権利変動はまだ発生していないけど権利変動を発生させる請求権が発生しているとき、仮登記を申請することができます。

贈与する人が死亡するまで、財産は贈与を受ける人のものになりません。

不動産の権利変動は、まだ発生していません。

所有権を移転させる請求権は、すでに発生しています。

死因贈与契約をした場合、仮登記をすることができます。

死因贈与の仮登記をするには、譲り渡す人の協力が必要です。

⑤死因贈与契約は公正証書にできる

死因贈与契約は、財産を譲り渡す人と譲り受ける人の合意があれば成立します。

口約束で、死因贈与をすることができます。

口約束で死因贈与契約をした場合、他の人に信用してもらうことは難しいでしょう。

財産を譲り渡す人が死亡した後に、相続人とトラブルになるおそれがあります。

自分が死亡したら財産を譲ると約束する場合、相続人とトラブルになることは望んでいないでしょう。

トラブルを防止するため、死因贈与契約を書面に取りまとめるといいでしょう。

死因贈与契約は、公正証書にすることができます。

公正証書は公証人が関与して作成するから、安心確実です。

公正証書は、公証役場で厳重に保管されます。

契約書の紛失や改ざんの心配がありません。

公正証書で死因贈与契約をする場合、公正証書に仮登記の同意を盛り込むことができます。

仮登記の同意がある公正証書を提出する場合、譲り受ける人は仮登記を単独で申請することができます。

公正証書で死因贈与契約をする場合、死因贈与の執行者を指名することができます。

執行者は、死因贈与を実現する人です。

執行者がいる場合、相続人の協力は不要です。

死因贈与の執行者と財産を譲り受ける人が協力して、仮登記の本登記をすることができます。

死因贈与契約を公正証書にする場合、費用がかかります。

かかる費用に見合うだけの大きなメリットがあります。

4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は、被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

家族がトラブルに巻き込まれることを望む人はいないでしょう。

遺言書があることでトラブルになるのは、ごく稀なケースです。

遺言書がないから、トラブルになる例はたくさんあります。

そのうえ、遺言書1枚あれば、相続手続は格段にラクになります。

家族を幸せにするために遺言書を作ると考えましょう。

実際、家族の絆のためには遺言書が必要だと納得した方は遺言書を作成します。

家族の喜ぶ顔のためにやるべきことはやったと安心される方はどなたも晴れやかなお顔です。

家族の幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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