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失踪宣告後に相続登記

2024-04-26

1失踪宣告で死亡と見なされる

①単なる音信不通で失踪宣告はされない

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

被相続人や他の相続人と音信不通で連絡先が分からない程度であれば、生死不明とは言えません。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

死亡した取り扱いをしますから、失踪宣告がされた人に相続が発生します。

②失踪宣告には家庭裁判所の調査がある

家庭裁判所は、失踪宣告の申立書を受け付けた後、独自で調査をします。

家庭裁判所は、官報と裁判所の掲示板にお知らせを出します。

申立人にいろいろな書類の提出を求めたり、文書で照会したりします。

ときには、家庭裁判所から呼出がある場合もあります。

失踪宣告は死亡と見なす手続だから、丁寧に調査します。

③失踪宣告の審判が確定したら失踪届

家庭裁判所の調査で生存が確認されることがあります。

生存が確認された場合、失踪宣告の申立ては取り下げることになります。

どこからも届出がなければ、家庭裁判所は失踪宣告の審判をします。

家庭裁判所が審判をした後に不服を言う人がいなければ、失踪宣告の審判は確定します。

家庭裁判所が審判をした後に不服を言うことができる期間は、2週間です。

失踪宣告の審判がされた後なにごともなく2週間経過すると、失踪宣告の審判は確定します。

失踪宣告が確定した場合、家庭裁判所はあらためて官報にお知らせを出します。

このお知らせは「失踪宣告がされました」という意味です。

④市区町村役場に失踪届を提出

家庭裁判所が失踪宣告の審判をした場合、申立人に審判書謄本が送られます。

審判書謄本と確定証明書を添えて市区町村役場に失踪届を提出します。

⑤戸籍に失踪宣告が記載される

市区町村役場に届出をして、はじめて戸籍に記載がされます。

相続手続では、失踪宣告の記載のある戸籍が必要になりますから、届出をしないと相続手続が進まなくなります。

戸籍には次のように記載されます。

【死亡とみなされる日】令和〇年〇月〇日

【失踪宣告の裁判確定日】令和〇年〇月〇日

【届出日】令和〇年〇月〇日

【届出人】親族 ○○○○

2失踪宣告を受けたら相続が開始する

①失踪宣告を受けた人が被相続人になるケース

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告を受けた人は死亡したと扱われますから、相続が開始します。

失踪宣告された人を被相続人として、相続手続をします。

相続が発生する日は、死亡とみなされる日です。

失踪宣告の申立てをした日ではありません。

普通失踪であれば、生死不明になってから7年間経過したときです。

特別失踪であれば、危難が去ったときです。

相当長期間、行方不明になっていた後に失踪宣告がされる場合があります。

失踪宣告を受けた人が死亡とみなされる日に生きていた相続人が後に死亡することがあります。

生きていた相続人が後に死亡した場合、数次相続になります。

失踪宣告を受けた人が死亡とみなされる日に相続人になるはずだった人がすでに死亡していることがあります。

相続人になるはずだった人がすでに死亡している場合、代襲相続になります。

相続手続に参加する人が異なります。

②失踪宣告を受けた人が相続人になるケース

相続人調査をすると、ときには思いもよらない相続人が判明することがあります。

相続人であることを知っていても、連絡を取ったことがない人やどこに住んでいるのか分からない人が現れることがあります。

親族だれも連絡を取っていないまま、長期間行方不明になっていることがあります。

相続人が行方不明になっている場合、相続財産の分け方についての相続人全員の合意ができません。

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

行方不明になっている相続人が失踪宣告を受けた場合、死亡したと扱われます。

失踪宣告を受けた相続人に相続が発生する日は、死亡とみなされる日です。

相当長期間、行方不明になっていた後に失踪宣告がされる場合があります。

行方不明の相続人に失踪宣告がされた場合、被相続人の死亡日より後に死亡と見なされることがあります。

被相続人の死亡日より後に死亡と見なされた場合、数次相続になります。

行方不明の相続人に失踪宣告がされた場合、被相続人の死亡日より前に死亡と見なされることがあります。

被相続人の死亡日より前に死亡と見なされた場合、代襲相続になります。

相続手続に参加する人が異なります。

相続財産の分け方は、相続人全員での合意しなければなりません。

相続手続に参加する人を間違えると、遺産分割協議は無効になります。

3相続財産に不動産があれば相続登記

①失踪宣告を受けて相続が発生しても相続登記は通常どおり

失踪宣告は、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告を受けた人は、死亡とみなされる日に死亡したとみなされます。

失踪宣告を受けた人が不動産を所有していた場合、相続登記をします。

失踪宣告であっても、通常の死亡と変わることはありません。

相続登記をする場合、通常の相続登記と同じです。

行方不明になってから長期間経過しているので、数次相続や代襲相続など複雑な相続になりやすいです。

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続手続に参加する人を間違えないようにしましょう。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続人全員による分け方の合意ができたら、合意内容を文書に取りまとめます。

相続人全員の合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書と言います。

登記申請書には、通常、相続関係説明図を添えます。

遺言書がない場合、おおむね、次の書類が必要です。

(1)被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

(2)相続人の現在戸籍

(3)被相続人の住民票の除票

(4)不動産を相続する人の住民票

(5)遺産分割協議書

(6)相続人全員の印鑑証明書

(7)不動産の固定資産税評価証明書

事例によっては追加書類が必要になる場合があります。

被相続人が失踪宣告を受けた場合、戸籍に失踪宣告の記載がされます。

法務局に提出する戸籍謄本は、失踪宣告の記載がされた戸籍謄本である必要があります。

失踪届を提出した直後に戸籍謄本を請求した場合、失踪宣告の記載がされているか確認しましょう。

②相続人が失踪宣告を受けても相続登記は通常どおり

失踪宣告を受けた人は、死亡とみなされる日に死亡したとみなされます。

被相続人が不動産を所有していた場合、相続登記をします。

相続人が失踪宣告を受けても、通常の死亡と変わることはありません。

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続手続に参加する人を間違えないようにしましょう。

相続財産の分け方を決める場合、相続人全員による合意が不可欠です。

相続人全員による分け方の合意ができたら、合意内容を文書に取りまとめます。

相続人全員の合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書と言います。

失踪宣告が確定するまでに、他の相続人で相続財産をどのように分けるか話し合いをしているでしょう。

失踪宣告が確定した後に、相続人全員で遺産分割協議書を作成します。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続が発生した後、早く平穏な日常を取り戻したいでしょう。

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

失踪宣告の申立ては、家庭裁判所に手続が必要になります。

通常ではあまり聞かない手続になると、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

信託銀行などは、高額な手数料で相続手続を代行しています。

被相続人が生前、相続人のためを思って、高額な費用を払っておいても、信託銀行はこのような手間のかかる手続を投げ出して知識のない遺族を困らせます。

知識のない相続人が困らないように高額でも費用を払ってくれたはずなのに、これでは意味がありません。

税金の専門家なども対応できないでしょう。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続手続の期限一覧

2024-04-26

1 【7日以内】死亡届

①死亡診断書(死体検案書)の受取

家族が死亡した後に、最初にすることは死亡診断書(死体検案書)の受取です。

死亡診断書(死体検案書)は、医師が作成します。

死亡診断書と死体検案書は、人の死亡を医学的・法律的に証明する文書です。

死亡診断書は、医師が診療していた傷病に関連して死亡したときに作成されます。

死体検案書は、医師が診療していた傷病に関連して死亡したとき以外に作成されます。

死亡診断書と死体検案書の効力に、ちがいはありません。

②死亡届の提出

死亡届は、戸籍法の定めにより行う届出です。

人が死亡したら、7日以内に死亡届の提出が義務付けられています。

死亡届と死亡診断書(死体検案書)は、1枚の用紙に印刷されています。

左半分が死亡届で、右半分が死亡診断書(死体検案書)です。

死亡届の届出人は、次のとおりです。

(1)同居の親族

(2)その他の同居人

(3)家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人

上記の人は順序に関わらず、届出人になることができます。

死亡診断書(死体検案書)の受取ったら、届出人が死亡届を記入します。

市区町村役場に持って行くのは、届出人以外の人でも差し支えありません。

③埋火葬許可申請

死亡届の提出と一緒に、埋火葬許可証の発行申請をします。

埋火葬許可証とは、死亡した人を埋火葬する許可を証明する書類です。

死亡してから24時間経過した後、火葬します。

埋火葬許可証がないと、火葬を執行することができません。

2【10日以内】年金の死亡届

厚生年金の受給権者が死亡した場合、10日以内に年金受給権者死亡届を提出します。

日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合、年金受給権者死亡届を省略することができます。

マイナンバーが登録されているから死亡届の提出を省略する場合でも、未支給年金の請求は必要です。

3【14日以内】健康保険の資格喪失

①健康保険・介護保険の資格喪失

健康保険・介護保険の被保険者が死亡した場合、14日以内に資格喪失手続が必要です。

保険証は、資格喪失届をするときに一緒に返却します。

②年金の死亡届

国民年金の受給権者が死亡した場合、14日以内に年金受給権者死亡届を提出します。

日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合、年金受給権者死亡届を省略することができます。

③世帯主変更届

被相続人が世帯主であった場合、原則として、14日以内に世帯主変更届が必要です。

世帯主が死亡したことで世帯に属する人が1人になった場合、世帯主変更届は不要です。

世帯主変更届は、同一世帯の人か新しく世帯主になる人が届出します。

別世帯の人が届出をする場合、委任状が必要になります。

4【3か月以内】相続放棄

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

単純承認とは、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産を引き継ぐものです。

相続放棄とは、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産を引き継がないものです。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。

相続放棄の申立ての期限は、3か月です。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。

相続が発生した後、相続財産を利用・処分した場合、単純承認を見なされます。

単純承認をした後に家庭裁判所から相続放棄が認められても、相続放棄は無効です。

5【4か月以内】準確定申告

準確定申告とは、所得税の申告のひとつです。

所得税は毎年1月1日から12月31日までの所得を計算して、翌年3月15日までに申告と納税をします。

この申告を、確定申告と言います。

1年の途中で死亡した場合、1月1日から死亡した日までの所得を計算して、申告と納税をします。

通常の確定申告と死亡した人の申告を区別するため、準確定申告と言います。

準確定申告は、死亡した被相続人本人に代わって、相続人と包括受遺者が申告と納税をします。

申告と納税をするのは、相続が発生したことを知ってから4か月以内です。

家庭裁判所から相続放棄が認められた場合、準確定申告をする義務はありません。

はじめから相続人でなくなるからです。

それでも税務署から準確定申告をするように通知が来る場合があります。

税務署から通知が来た場合、あわてて準確定申告をする必要はありません。

準確定申告をした場合、相続放棄が無効になります。

準確定申告は、相続人がするものだからです。

自分は相続人であると認めたから、準確定申告をしたと判断されることになります。

6【10か月以内】相続税申告

相続税は、相続した財産の額に応じて課される税金です。

相続税が課される場合、10か月以内に申告納税をします。

相続税申告が必要になるのは、10%未満のわずかな人です。

相続税には、基礎控除があるからです。

基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の人数

相続財産が基礎控除以下である場合、相続税申告は不要です。

7【1年以内】遺留分侵害額請求

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

兄弟姉妹以外の相続人に、認められます。

被相続人は自分の死後、財産をだれに引き継がせるか自由に決めることができます。

被相続人の名義になっているとはいえ、無制約の自由を認めることはできません。

財産は家族の協力があってこそ、築くことができたはずだからです。

遺留分に満たない財産の分配しか受けられなかった場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求権を長期間行使しない場合、権利が消滅します。

遺留分侵害額請求権は、最短1年で時効消滅します。

8【2年以内】給付金の請求

①高額療養費の請求

高額療養費とは、健康保険の被保険者が高額な医療費を負担したときに支給される給付金です。

自己負担限度額を超えた場合、超えた分が給付されます。

高額療養費を受け取るためには、2年以内に申請が必要です。

高額な医療を受ける場合、事前に予定されていることが多いでしょう。

医療を受ける前に、限度額適用認定証を取得しておくと便利です。

限度額認定証を病院の窓口に提示した場合、病院は自己負担限度額だけ請求します。

病院への支払いが少なくなるうえに、原則として、高額療養費支給申請が不要になります。

②埋葬料・葬祭費の請求

埋葬料・葬祭費とは、健康保険の被保険者が死亡したときに支給される給付金です。

埋葬を行った人に給付されます。

埋葬料・葬祭費を受け取るためには、2年以内に申請が必要です。

③死亡一時金の請求

死亡一時金とは、国民年金保険料を3年以上納めた人が死亡したときに遺族に給付される給付金です。

年金ではなく、文字どおり一回だけ支給されます。

死亡一時金を受け取るためには、2年以内に申請が必要です。

9【3年以内】相続登記と生命保険の請求

①相続登記

被相続人が不動産を所有していた場合、不動産の名義変更をします。

相続登記とは、不動産の名義変更です。

3年以内に相続登記をしなければなりません。

相続登記を怠ると、ペナルティーが課されます。

相続登記が義務化されるのは、2024年4月からです。

2024年4月以前に発生した相続と2024年4月以降に発生した相続の両方が対象です。

②生命保険の死亡保険金

被相続人が生命保険をかけていた場合、受取人は死亡保険金を受け取ることができます。

生命保険の死亡保険金を長期間請求しない場合、権利が消滅します。

生命保険の死亡保険金の請求権は、3年で時効消滅します。

被保険者が生命保険をかけていたか分からない場合、生命保険協会に照会することができます。

10【5年以内】未支給年金の請求

年金は、死亡の月まで支給されます。

例えば、5月10日に死亡した場合、5月分の年金まで支給されます。

年金は、前2か月分まとめて偶数月15日に支給されます。

例えば、2月分と3月分の年金は、4月15日に支給されます。

金融機関は口座の持ち主が死亡したことを知った場合、口座を凍結します。

口座の凍結とは、口座の取引をできなくすることです。

口座が凍結されたら、年金が振り込まれても受け取ることはできません。

5月分までの年金を受け取れるはずなのに、受け取れなくなります。

これが未支給年金です。

未支給年金は、一定の範囲の家族が受け取ることができます。

未支給年金は、5年以内に請求する必要があります。

一定の範囲の家族は、法律で決められています。

未支給年金を請求することができる人は、相続人とは別の扱いです。

相続放棄をして相続人でなくなった人であっても、未支給年金を請求することができます。

未支給年金は、相続財産ではないからです。

11【5年10か月以内】相続税の更正請求

相続税申告をした後に、申告内容に誤りがあったことに気づくことがあります。

相続税申告のやり直しをして、納め過ぎの税金を返してもらうことができます。

相続税申告のやり直しを更正請求と言います。

更正請求の期限は、相続税の申告期限から5年以内です。

相続税の申告期限は10か月以内だから、更正請求の期限は5年10か月以内です。

12期限はないけど早めに着手した方がいいこと

①相続人調査

相続人になる人は、法律で決まっています。

家族にとって、だれが相続人になるかは当然知っていることでしょう。

家族以外の第三者に対しては、客観的に証明する必要があります。

相続人であることを客観的に証明するとは、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を用意することです。

相続人調査自体に期限はありません。

相続人調査は、期限がある手続の前提として必要になります。

相続人調査は、早めに着手することがおすすめです。

②相続財産調査

相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。

相続人が相続する財産が相続財産です。

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産の両方があります。

被相続人が第三者の連帯保証人になっていた場合、連帯保証人の義務も相続します。

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

どのような財産が相続財産であるのか分からないと、相続人は判断できないでしょう。

相続財産調査自体に期限はありません。

相続財産調査は、期限がある手続の前提として必要になります。

相続財産調査は、早めに着手することがおすすめです。

③遺産分割協議

相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

一部の相続人が勝手に、相続手続をすることはできません。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があるからです。

相続財産の分け方について相続人全員の合意ができたら、文書に取りまとめます。

相続財産の分け方について相続人全員の合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書と言います。

遺産分割協議書の作成自体に期限はありません。

遺産分割協議書の作成を先延ばしすると、合意があいまいになります。

早めに遺産分割協議書を作成することをおすすめします。

13相続手続を司法書士に依頼するメリット

相続が発生したら、ご遺族は大きな悲しみに包まれます。

相続手続するのは身体的にも精神的にも大きな負担になります。

負担の大きい相続手続を司法書士などの専門家に依頼すれば、遺族の疲れも軽減されるでしょう。

被相続人の財産は、相続人もあまり詳しく知らないという例が意外と多いものです。

悲しみの中で被相続人の築いてきた財産をたどるのは切なく、苦しい作業になります。

調査のためには銀行などの金融機関から、相続が発生したことの証明として戸籍等の提出が求められます。

戸籍謄本等の取り寄せも含め、手続をおまかせいただけます。

仕事や家事で忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続を丸ごとおまかせできます。

家族にお世話が必要な方がいて、頻繁に家を空けられない方からのご相談もお受けしております。

相続手続でお疲れが出る前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

代襲相続でトラブル

2024-04-24

1代襲相続は相続人が先に死亡したケース

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は、次のとおりです。

①配偶者は必ず相続人になる

②被相続人に子どもがいる場合、子ども

③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

④被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。

これを代襲相続と言います。

相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。

代襲相続ができるのは、相続人になるはずだった人の子どもなど被代襲者の直系卑属だけです。

相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。

被代襲者の子どもなど被代襲者の直系卑属以外は、代襲相続ができません。

被代襲者の配偶者も、被代襲者の親などの直系尊属も、被代襲者の兄弟姉妹も、代襲相続ができません。

2代襲相続でトラブルになる

①代襲相続ができることを知らない

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

配偶者や子どもが相続人になることは、多くの人が見聞きしたことがあるでしょう。

被相続人の子どもが被相続人より先に死亡した場合、死亡した子どもの子どもが代襲相続します。

代襲相続について、まったく聞いたことがないかもしれません。

代襲相続ができることを全く知らなくても、代襲相続人であることに変わりはありません。

被相続人の財産は、プラスの財産もマイナスの財産も、相続人が相続します。

被相続人に莫大な借金があることがあります。

相続したくないのであれば、相続放棄の手続をしなければなりません。

相続放棄の手続をしていない場合、莫大な借金を背負うことになります。

代襲相続ができることを全く知らなかったと言っても、意味はありません。

代襲相続ができることを知らないと、相続人間でトラブルに発展しやすくなります。

②代襲相続人と疎遠な関係

相続人の関係が近い場合、気心が知れています。

気心が知れた相続人間では、あまりトラブルに発展しません。

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

被相続人と相続人は面識があっても、相続人間では疎遠な場合があります。

被相続人の兄弟姉妹が相続人になる場合、長い間に疎遠になっていることがあります。

先に死亡した兄弟姉妹とは気心が知れていても、下の世代の代襲相続人とは関係性が薄いことが多いでしょう。

兄弟姉妹の子どもとは、音信不通であることも珍しくありません。

気心の知れた相続人でない場合、トラブルに発展しやすくなります。

③共同相続人が増える

代襲相続が発生した場合、単純に相続人が増えることがあります。

人数が増えると、話し合いによる合意が難しくなりがちです。

共同相続人が増えた場合、トラブルに発展しやすくなります。

④代襲相続人を無視する

代襲相続が発生した場合、下の世代の代襲相続人とは関係性が薄いことが多いでしょう。

代襲相続人の存在を知っているのに、あえて無視することがあります。

関係性の薄い代襲相続人と関わりたくない場合や自分が年長者だから言いなりになって当然だと考えている場合です。

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の話し合いによる合意で決める必要があります。

代襲相続人を無視して、相続財産の分け方の合意をしても無効な合意です。

代襲相続人を無視したら、相続人全員ではないからです。

代襲相続人を無視して相続財産の分け方を合意した場合、大きなトラブルに発展するでしょう。

⑤遺産の全容を教えない

代襲相続人と交流がある場合、代襲相続人を無視して相続手続を進めることは難しいでしょう。

代襲相続人は下の世代の相続人です。

他の相続人と対等に話ができないことがあります。

他の相続人は、年長者でしょう。

年少の代襲相続人は当然言いなりになるべきだと考えていることがあります。

当然言いなりになるべきだと考えていると、話し合いをする気持ちはないでしょう。

当然言いなりになるべきだと考えて、遺産の全容や遺言書の内容を教えないことがあります。

何も聞かされない場合、相続人が疑心暗鬼になります。

遺産の内容を開示すれば、安心して話し合いが進むことも少なくありません。

遺産の全容や遺言書の内容を教えない場合、相続人間で大きなトラブルに発展します。

⑥相続分の放棄を強要

代襲相続人は、若い世代の相続人です。

若い世代の代襲相続人であっても、他の相続人と同様の権利があります。

対等に権利があることに対して、快く思わないことがあります。

下の世代だから上の世代の自分たちに権利を譲るべきだと考えている場合です。

若い代襲相続人に対して、一方的に実印と印鑑証明書を渡すように迫ることがあります。

実印と印鑑証明書を受け取ったら、全権委任を受けたと思うでしょう。

合意もしていないのに、遺産分割協議書を作成して押印するかもしれません。

手間のかかる相続手続を負担してあげたつもりになっていることがあります。

相続分の放棄を強要すると、大きなトラブルになるでしょう。

⑦家族の合意事項を知らない

財産の分け方について、被相続人と相続人が合意していることがあります。

先祖代々引き継いだ不動産は、長男が相続する、親の面倒を見ていた人が自宅を相続するなどの合意です。

関係の近い相続人の場合、合意内容にみんなが納得しているでしょう。

家族間の暗黙の合意事項を知らない相続人がいる場合、自分の利益を主張しがちです。

代襲相続人は下の世代だから、家族間の暗黙の合意事項を知らないかもしれません。

家族間の暗黙の合意事項を知らない場合、トラブルに発展しやすくなります。

3トラブル防止には遺言書が有効

気心が知れた相続人間では、あまりトラブルに発展しません。

代襲相続が発生した場合、関係性の薄い相続人が含まれることになりがちです。

関係性の薄い相続人がいる場合、トラブルに発展しやすくなります。

相続トラブルを防ぐために、被相続人が財産の行き先を決めてあげることが有効です。

遺言書を作成して財産を開示し、財産を受け取る人を指名します。

遺言書がある場合、原則として、遺言書のとおり財産を分ければ済みます。

相続人間で話し合いをしなくても、相続手続を進めることができます。

遺言書を作成する場合、遺言執行者を指名することができます。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する権限が与えられます。

相続手続は、想像する以上に手間と時間がかかります。

遺言執行者がいる場合、わずらわしい相続手続をおまかせすることができます。

相続財産の分け方について合意ができても、相続手続に手間取ってトラブルに発展することがあります。

遺言執行者がいる場合、相続人は相続手続に関与する必要がありません。

遺言執行者は、法律の知識が必要です。

家族などよりは専門家に依頼する方がいいでしょう。

4代襲相続があると戸籍集めがタイヘン

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することです。

相続人調査をする場合、被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本を集めなければなりません。

代襲相続がある場合、先に死亡した人も同様に出生から死亡まで連続した戸籍謄本を取得する必要があります。

家族にとってだれが相続人であるか当たり前のことと軽く考えているかもしれません。

相続手続先に対しては、客観的に証明しなければなりません。

代襲相続人を漏れなく探すため、戸籍謄本を漏れなく準備する必要があります。

代襲相続が発生した場合、収集すべき戸籍謄本がたくさんになります。

5代襲相続がある相続を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、被相続人のものは相続財産になります。

相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方を決めるためには、相続人全員の合意が必要です。

相続人の一部を含めない合意や相続人でない人を含めた合意は、無効になります。

相続財産の分け方の話し合いの前提として、相続人の確定はとても重要です。

代襲相続や数次相続が発生している場合、一挙に難易度が上がります。

インターネットが普及したことで、多くの情報を手軽に得ることができるようになりました。

簡単に情報発信ができるようになったこともあって、適切でない情報も有益な情報もたくさん出回っています。

相続の専門家と名乗っていながら、適切でないアドバイスを見かけることも度々あります。

代襲相続や数次相続が発生している場合、信頼できる専門家のサポートが欠かせません。

スムーズに相続手続を行いたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

失踪宣告で相続が開始する

2024-04-23

1失踪宣告には2種類ある

①失踪宣告で死亡と見なされる

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

死亡した取り扱いをしますから、失踪宣告がされた人に相続が発生します。

失踪宣告には、普通失踪と特別失踪の2種類があります。

②7年以上生死不明で普通失踪

普通失踪とは、行方不明の人について7年間生死不明の場合、申立てができるものです。

普通失踪の申立てをした場合、失踪宣告がされるまでおよそ3か月以上かかります。

家庭裁判所の状況や事件の内容によっては、1年ほどかかる場合もあります。

生死不明になってから7年間経過したときに、死亡したものと見なされます。

③1年以上生死不明で特別失踪(危難失踪)

特別失踪とは、「戦地に行った者」「沈没した船舶に乗っていた者」「その他死亡の原因となる災難に遭遇した者」を対象にする失踪宣告です。

危難が去ってから1年間生死不明の場合、申立てができます。

特別失踪の申立てをした場合、失踪宣告がされるまでおよそ1か月以上かかります。

危難が去ったときに、死亡したものと見なされます。

④失踪宣告後生きていることが分かったら失踪宣告の取消

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ生きていても死亡した取り扱いがされます。

行方不明の人に失踪宣告がされた後、本人が帰ってくることがあります。

失踪宣告がされた後、生きていることが分かった場合、失踪宣告を取り消してもらいます。

失踪宣告した日と違う日に死亡していたことが判明する場合があります。

失踪宣告がされた後、失踪宣告した日と違う日に死亡していたことが分かった場合、失踪宣告を取り消してもらいます。

失踪宣告をするときも失踪宣告を取り消すときも、家庭裁判所の関与が必要です。

失踪宣告は、死亡したと扱う重大な手続だからです。

2失踪宣告がされると相続が開始する

①相続開始日は死亡と見なされる日

失踪宣告がされると、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

普通失踪では生死不明になってから7年間経過したときに、死亡したものと見なされます。

特別失踪(危難失踪)では危難が去ったときに、死亡したものと見なされます。

たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをするから、相続が開始します。

死亡と見なされる日が、相続が開始する日です。

失踪宣告の手続は、長期間かかります。

相続が開始する日は、失踪宣告の申立てをした日ではありません。

裁判所が失踪宣告をした日でもありません。

相続手続の基準になるのが、死亡と見なされる日です。

②相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

(1)配偶者は必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続します。

相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することを代襲相続と言います。

③死亡と見なされる日で相続人を確認

失踪宣告の申立てをしてから、裁判所が失踪宣告をするまで長期間かかります。

相続手続の基準になるのが、死亡と見なされる日です。

死亡と見なされる日に、相続が発生します。

被相続人は、死亡と見なされる日に死亡したと扱われます。

死亡と見なされる日を基準にして、相続人を確認します。

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

相続が発生したときに元気だった相続人が被相続人より後に死亡した場合、代襲相続が発生しません。

相続が発生したときに元気だった相続人が後に死亡した場合、数次相続が発生します。

数次相続は、相続人の地位が相続されます。

失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要になります。

代襲相続も数次相続も、相続が複雑になります。

だれが相続人でだれが相続人でないか日付をよく確認しましょう。

相続人を間違えると、相続手続がすべてやり直しになります。

④相続人全員で遺産分割協議

失踪宣告がされた場合、相続が発生します。

被相続人のものは、原則として相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員のよる話し合いの合意で決めなければなりません。

相続人なのに合意をしていない人がいる場合、相続人全員の合意があるとは言えません。

相続財産の分け方の合意がないから、相続手続ができません。

死亡と見なされる日を基準にして、相続人を充分に確認しましょう。

⑤失踪宣告後に相続放棄ができる

莫大な借金をしたまま音信不通になる人がいます。

いつか自分に借金が降りかかってくるのではないかと不安になることでしょう。

被相続人の生前に相続放棄をすることはできません。

行方不明の人は生きていると判断されます。

相続放棄ができるのは、相続人だけだからです。

行方不明なだけで生きているのだから、相続放棄を受け付けてもらえません。

失踪宣告は、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされた場合、相続が発生します。

相続放棄の申立てをする場合、被相続人の戸籍謄本を提出します。

被相続人の戸籍に失踪宣告の記載がされている必要があります。

相続放棄の申立ての期限は、原則として、相続があったことを知ってから3か月以内です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

3認定死亡がされると相続が開始する

①認定死亡とは

人が死亡した場合、通常、医師が死亡の確認をします。

海難事故や震災などで死亡は確実であっても遺体を確認できない場合があります。

遺体が見つからない場合、医師が死亡の確認をすることができません。

海難事故や震災などで死亡が確実の場合、行政機関が市町村長に対して死亡の報告をします。

死亡の報告によって死亡が認定され、戸籍に記載がされます。

行政機関が市町村長に対して死亡の報告をしたら、戸籍上も死亡と扱う制度が認定死亡です。

事実上、死亡の推定が認められます。

認定死亡により、相続が開始します。

②認定死亡がされたときは相続が開始する

認定死亡の場合、死亡が確実であっても死亡日が分からないことがほとんどです。

推定令和○年○月○日死亡

推定令和○年○月○日頃死亡

令和○年○月○日から同月○日の間死亡

年月日不詳

戸籍を確認した場合に、上記のような記載がされている場合があります。

このような記載であっても、相続が開始しますから相続手続をすることができます。

相続手続をする場合も、戸籍のとおり記載すれば支障はありません。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

失踪宣告の申立ては、家庭裁判所に手続が必要になります。

通常ではあまり聞かない手続になると、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

信託銀行などは、高額な手数料で相続手続を代行しています。

被相続人が生前、相続人のためを思って、高額な費用を払っておいても、信託銀行はこのような手間のかかる手続を投げ出して知識のない遺族を困らせます。

知識のない相続人が困らないように高額でも費用を払ってくれたはずなのに、これでは意味がありません。

税金の専門家なども対応できないでしょう。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

失踪宣告を受けた人が生きていたら

2024-04-23

1失踪宣告の申立てとは

長期間、行方不明になっている人の中には死亡している可能性が高い人もいます。

このような場合、条件を満たせば失踪宣告の申立てをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとする手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

行方不明の人を含めず、遺産分割協議をすることができます。

2失踪宣告されても本人は困らない

失踪宣告はたとえ死亡していなくても、死亡した取り扱いをする制度です。

失踪宣告がされたけど、実は本人は新天地で元気に生きていたということがあります。

たとえ失踪宣告がされて死亡した扱いになった場合でも、本人の生活自体にはほとんど影響がありません。

失踪宣告がされて死亡した扱いになった場合でも、権利が制限されることはありません。

死亡した扱いになるからと言って、死者との契約だから無効だと言われることもありません。

元気で生きているから、当然、契約は有効です。

本人の知らないところで、財産が相続されてしまいます。

3失踪宣告の取消は家庭裁判所に手続が必要

失踪宣告をされた人が生きていると分かっても、自動的に失踪宣告が取り消されるわけではありません。

家庭裁判所は失踪宣告された人が、その後、生きているかどうか分からないからです。

失踪宣告された人が生きていることが分かった場合や失踪宣告されたときと異なる時期に死亡したことが判明した場合、家庭裁判所に失踪宣告の取消の審判の申立てをします。

家庭裁判所が失踪宣告を取消した場合、失踪宣告による死亡の効果がなかったことになります。

失踪宣告の取消が確定した場合でも、家庭裁判所から自主的に市町村役場に連絡が行くことはありません。

失踪宣告取消の審判書と確定証明書を添えて、市町村役場に10日以内に届出が必要です。

失踪宣告の取消が確定した場合、家庭裁判所は官報にお知らせを出します。

失踪宣告が確定したときも官報にお知らせを出しますから、取消をしたときもお知らせを出すのです。

4財産は返還しなければならない

①相続財産は返還しなければならない

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとする手続です。

失踪宣告がされると、相続が開始します。

失踪宣告が取り消されると、行方不明者が死亡したことはなかったことになります。

死亡がなかったことになりますから、相続もなかったことになります。

相続によって財産を得た人は、行方不明者に財産を返さなければなりません。

たとえ、行方不明者が生きているとは思わなかったとしても、財産は返す必要があります。

返す財産は、現に利益を受けている限度とされています。

相続人が遊興費などで使ってしまっている場合は、返す必要がありません。

生活費や自分の借金の返済に充てている場合などは、現に利益を受けていると言えます。

その分は、返還が必要です。

現に利益を受けている限度とは、同じ形で残っている意味ではありません。

形を変えて残っている場合も含みます。

生活費として使ったのであれば、自分のお金をその分使わずに済んでいます。

生活費分の利益を得ていると言えます。

失踪宣告取消前に、行方不明者から相続した財産を売却している場合があります。

行方不明者が生きていることを知らずにした行為は、例外的にそのまま効力を持ちます。

失踪宣告が取消されることですべての行為が無効になると、安心して取引ができなくなります。

失踪宣告の事情を知らない第三者にとって、契約が取り消されると不利益が大きいからです。

行方不明者が生きていることを知らずにしたとは、相続人と売買の買主の両方が、行方不明者が生きていることを知らなかった場合です。

相続人が行方不明者の生存を知っていたら、売買の買主は知らなくても取引は無効になります。

失踪宣告によって相続した財産を売却した場合、行方不明者が生きていることを知らずにしたのであればそのまま有効です。

②生命保険も返還しなければならない

死亡により支払われるものとして、生命保険の保険金は高額なものでしょう。

失踪宣告が取り消されると、返還しなければなりません。

住宅ローンを組むときに団体信用生命保険に加入している場合、生命保険金で住宅ローンの残額を支払っているでしょう。

住宅ローンの残額を支払わなくてもよくなったという形で利益が残っていると考えられます。

現に利益を受けていると言えますから、この利益を返還しなければなりません。

5残された配偶者は再婚ができる

失踪宣告がされると、行方不明者は死亡した取り扱いがされます。

行方不明者に配偶者があれば、残された配偶者は再婚ができます。

行方不明者とは死別した取り扱いです。

残された配偶者が再婚していた場合、前婚は復活せず後婚のみ有効という意見が有力です。

後婚のみ有効になるのは、残された配偶者と再婚相手が行方不明者が生きていることを知らなかった場合だけと考えられます。

一方で、残された配偶者と再婚相手の認識を問わず、後婚のみ有効と考える意見もあります。

失踪宣告の取消がされると、前婚が復活して重婚になると考える意見もあります。

最終的には、裁判所の判断によります。

そもそも、再婚するためであれば、必ずしも、失踪宣告をする必要はありません。

3年以上の生死不明であれば、離婚理由に該当します。

婚姻を継続しがたい重大な事由にも、あたります。

悪意の遺棄にあたることもあるでしょう。

離婚事由がある場合、裁判所に離婚の訴えを起こすことができます。

裁判所に認められれば、離婚することができるからです。

6生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

失踪宣告の申立ては、家庭裁判所に手続が必要になります。

通常ではあまり聞かない手続になると、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

信託銀行などは、高額な手数料で相続手続を代行しています。

被相続人が生前、相続人のためを思って、高額な費用を払っておいても、信託銀行はこのような手間のかかる手続を投げ出して知識のない遺族を困らせます。

知識のない相続人が困らないように高額でも費用を払ってくれたはずなのに、これでは意味がありません。

税金の専門家なども対応できないでしょう。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

失踪宣告後は失踪届で戸籍に反映

2024-04-23

1失踪宣告で死亡と見なされる

①残された家族のため失踪宣告

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

行方不明が長期化した場合、家族が困ります。

家族であっても、行方不明の人の財産を処分することができません。

行方不明者の配偶者は、再婚することができません。

残された家族のために、行方不明者を死亡したものと扱う制度が失踪宣告の制度です。

失踪宣告がされると、死亡した取り扱いをします。

失踪宣告がされた人に、相続が発生します。

相続財産は、相続人全員の共有財産になります。

相続人全員の合意があれば、相続財産を自由に分けることができます。

遺産分割協議によって相続した後は、相続人が自由に処分をすることができます。

②失踪宣告には条件がある

失踪宣告には、2種類があります。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)です。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

死亡したことが確認できないのに、死亡と見なされます。

死亡と見なされるという強い効果があります。

失踪宣告が認められるためには、次の条件があります。

(1)行方不明の人が生死不明であること

(2)生死不明のまま一定期間継続していること

2失踪宣告は家庭裁判所で審判

①失踪宣告の審判は2週間で確定

家庭裁判所に失踪宣告の申立てをした後、家庭裁判所が死亡と認めていいか調査します。

家庭裁判所が死亡と認めていいと判断した場合、失踪宣告の審判がされます。

家庭裁判所が決定したことについて不服がある人がいる場合があります。

失踪宣告の審判がされた後、不服の受付をします。

不服の受付期間は、2週間です。

失踪宣告の審判がされた後、2週間経過してもだれも不服の申立てがなかったら確定します。

②家庭裁判所から官報公告がされる

失踪宣告の審判が確定した場合、家庭裁判所は官報でお知らせをします。

官報を見ている人は、少ないでしょう。

官報でお知らせするだけで、家庭裁判所は個別に連絡しません。

申立人や利害関係人に、失踪宣告が確定しましたよとお知らせがされることはありません。

市区町村役場に、失踪宣告が確定しましたよとお知らせがされることはありません。

③確定証明書取得は家庭裁判所に申請

家庭裁判所が失踪宣告の審判をした場合、審判書は自動的に送られてきます。

審判書が届いてから2週間だれも不服を申し立てなければ、審判は確定します。

審判が確定しても、自動で確定証明書は送られてきません。

失踪宣告の審判が確定した後、確定証明書が必要になります。

いつ確定するのか確認して家庭裁判所に発行申請をします。

3市区町村役場に失踪届提出で戸籍に反映

①失踪宣告確定後は死亡届でなく失踪届

失踪宣告は、家庭裁判所の審判です。

家庭裁判所が失踪宣告の審判をした後、審判が確定しても市区町村役場に連絡されることはありません。

失踪宣告の審判が確定した後に、市区町村役場に届出が必要です。

失踪宣告の審判が確定した後に市区町村役場に提出する届出を失踪届と言います。

死亡したときに提出する死亡届とは別の書類です。

失踪届は、多くの市区町村役場でホームページからダウンロードができます。

失踪届が受理されることで、失踪宣告がされたことが戸籍に記載されます。

失踪宣告が記載された戸籍謄本を提出することで、生死不明の人が法的に死亡した取り扱いがされることを証明できます。

②失踪届を提出する人

家庭裁判所が失踪宣告の審判をした後、市区町村役場に連絡しません。

審判が確定しても、市区町村役場に連絡しません。

失踪宣告の審判が確定した後、失踪宣告の申立て人は、市区町村役場に失踪届をします。

③失踪届の届出期限

失踪宣告の審判が確定してから、10日以内です。

10日しかないので、すみやかに手続する必要があります。

④失踪届の提出先

失踪届の提出先は次の市区町村役場です。

(1)失踪宣告を受けた人の本籍地

(2)届出人の所在地

⑤失踪届の添付書類

失踪届の添付書類は、次のとおりです。

(1) 失踪宣告の審判書

(2)確定証明書

(3)失踪宣告を受けた人の戸籍謄本

(4)届出人の戸籍謄本

(3)失踪宣告を受けた人の戸籍謄本(4)届出人の戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場に提出する場合は不要です。

⑥失踪宣告がされたときの戸籍の記載例

戸籍には次のように記載されます。

【死亡とみなされる日】令和〇年〇月〇日

【失踪宣告の裁判確定日】令和〇年〇月〇日

【届出日】令和〇年〇月〇日

【届出人】親族 ○○○○

⑦戸籍に反映するには時間がかかる

失踪届を提出しても、戸籍に反映されるまでには時間がかかります。

死亡届を提出しても時間がかかるのと同様です。

⑧失踪届を出しても探してもらえない

失踪届は、失踪宣告の審判が確定した後に市区町村役場に提出する届出です。

市区町村役場は、失踪届を受理したら失踪宣告がされたことを戸籍に記載します。

失踪届を出しても、市区町村役場が生死不明の人を探してくれることはありません。

失踪届は、死亡と扱ってもらうための届出だからです。

生死不明の人を探してもらいたい場合、警察へ行方不明者届を提出します。

行方不明者届は、以前は捜索願と呼んでいました。

失踪届と行方不明者届(捜索願)は、まったく別の届出です。

4失踪宣告で相続が開始する

①相続開始日は死亡と見なされる日

失踪宣告がされると、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

普通失踪では生死不明になってから7年間経過したときに、死亡したものと見なされます。

特別失踪(危難失踪)では危難が去ったときに、死亡したものと見なされます。

たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをするから、相続が開始します。

死亡と見なされる日が、相続が開始する日です。

失踪宣告の手続は、長期間かかります。

相続が開始する日は、失踪宣告の申立てをした日ではありません。

裁判所が失踪宣告をした日でもありません。

相続手続の基準になるのが、死亡と見なされる日です。

②失踪宣告後に相続放棄ができる

莫大な借金をしたまま音信不通になる人がいます。

いつか自分に借金が降りかかってくるのではないかと不安になることでしょう。

被相続人の生前に相続放棄をすることはできません。

行方不明の人は生きていると判断されます。

相続放棄ができるのは、相続人だけだからです。

行方不明なだけで生きているのだから、相続放棄を受け付けてもらえません。

失踪宣告は、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされた場合、相続が発生します。

相続放棄の申立てをする場合、被相続人の戸籍謄本を提出します。

被相続人の戸籍に失踪宣告の記載がされている必要があります。

相続放棄の申立ての期限は、原則として、相続があったことを知ってから3か月以内です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

5生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

失踪宣告の申立ては、家庭裁判所に手続が必要になります。

通常ではあまり聞かない手続になると、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

信託銀行などは、高額な手数料で相続手続を代行しています。

被相続人が生前、相続人のためを思って、高額な費用を払っておいても、信託銀行はこのような手間のかかる手続を投げ出して知識のない遺族を困らせます。

知識のない相続人が困らないように高額でも費用を払ってくれたはずなのに、これでは意味がありません。

税金の専門家なども対応できないでしょう。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

大人同士で養子縁組

2024-04-19

1養子縁組で親子になる

①大人同士で養子縁組ができる

養子縁組とは、血縁関係による親子関係の他に、法律上の親子関係を作る制度です。

子どものいない夫婦が養子縁組をする、配偶者の連れ子と養子縁組するといったことは日常的に聞くことあります。

養子は、未成年に限るものではありません。

大人同士で、養子縁組をすることができます。

一般的に、単に「養子」と言ったら、普通養子を指していることがほとんどです。

大人同士で養子縁組をする場合、普通養子による養子縁組のみです。

普通養子による養子縁組は、養子縁組後も血縁関係がある実親との親子関係が続きます。

大人同士で、養子縁組をすることができます。

②大人同士で特別養子による養子縁組はできない

特別養子では、養子縁組をした後、血縁関係のある実親との親子関係がなくなります。

親子の縁を切る重大な決定なので、厳格な要件で家庭裁判所が決定します。

特別養子が認められる条件は、次のとおりです。

(1)実親の同意があること

(2)養親は配偶者がいること

(3)養親の年齢が25歳以上、夫婦の一方は20歳以上

(4)養子の年齢が15歳未満

(5)6か月以上の監護実績

実の父母による著しい虐待がある場合やその他特別の事情がある場合で、かつ、子の利益のため特に必要があるときに、認められます。

特別養子が認められるのは、家庭裁判所に審判の請求をした時点で養子が15歳未満であることが条件です。

養子が15歳になる前から養親に監護されていた場合、18歳になるまでは審判を請求することができます。

養子が成人になったら、特別養子になることはできません。

大人同士では、特別養子による養子縁組をすることはできません。

③独身の人が養子縁組ができる

特別養子による養子縁組では、養親は配偶者がいる人であることが条件です。

普通養子による養子縁組には、配偶者の有無は問われません。

独身の人が養親になる養子縁組をすることができます。

独身の人が養子になる養子縁組をすることができます。

独身の人が養子縁組ができます。

④養子縁組で養親の氏

養子縁組をした場合、原則として、養子は養親の氏を名乗ります。

養子になる人が婚姻によって氏を改めた人であることがあります。

婚姻によって氏を改めた人は、婚姻の際の氏を名乗ります。

養子になる人に子どもがいても、養子の子どもの氏は自動で変わりません。

養子の子どもの氏を変更するには、原則として、家庭裁判所で子の氏の許可の申立てが必要です。

父母が婚姻中であれば、家庭裁判所の許可なしで変更することができます。

2養子縁組で相続人になる

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は、次のとおりです。

(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

(1)配偶者は必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②実子がいても養子は相続人

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

被相続人の実子は、被相続人の子どもです。

被相続人の養子は、被相続人の子どもです。

被相続人の子どもに、区別はありません。

被相続人の実子と養子は、相続人になります。

被相続人に実子がいても、養子は相続人です。

③実子と養子は同じ相続分と遺留分

養子縁組をした場合、養子は法律上の親子関係がある子どもです。

子どもに区別はありません。

実子と養子は、同じ相続分です。

被相続人は、原則として、自分の財産をだれに受け継がせるかは自由に決めることができます。

財産は被相続人が自分だけで築いたものではないでしょう。

家族の協力があってこそ、築くことができた財産のはずです。

被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすることはできません。

今まで協力してきた家族に酷な結果となることがあるからです。

被相続人に近い関係の相続人には、相続財産に対して最低限の権利が認められています。

相続財産に対して、認められる最低限の権利を遺留分と言います。

兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分が認められています。

遺留分が認められている相続人を遺留分権利者と言います。

被相続人の子どもが相続人になる場合、子どもは遺留分権利者です。

子どもに区別はありません。

実子と養子は、同じ遺留分です。

実子と養子は、同じ相続分と遺留分です。

3大人同士の養子縁組で許可は要らない

①大人同士の養子縁組で家庭裁判所の許可は要らない

養子が未成年者である場合、原則として、家庭裁判所の許可が必要です。

養子が未成年者であっても、自分の直系卑属や配偶者の直系卑属である場合、家庭裁判所の許可は不要です。

直系卑属とは、子どもや孫など下の世代の人です。

大人同士で養子縁組をする場合、原則として、家庭裁判所の許可は不要です。

②大人同士の養子縁組で実親の許可は要らない

養子縁組をするためには、養親になる人と養子になる人の合意が条件です。

養子が幼い子どもである場合、物事のメリットデメリットを充分に判断することはできません。

物事のメリットデメリットを充分に判断できないのに、合意をしても意味がありません。

養子が15歳未満である場合、原則として、親などの法定代理人が代わりに養子縁組を承諾します。

養子の父母で監護する人が他にいるときは、父母の同意が必要です。

養子の父母で親権が停止されている人が他にいるときも、同様です。

養子が15歳以上の場合、自分の意思で養子縁組をすることができます。

実親の意思とは関係なく、養子縁組は有効に成立します。

大人同士の養子縁組をする場合、15歳以上です。

実親が反対しても、養子縁組をすることができます。

大人同士が養子縁組をする場合、実親の許可は不要です。

③配偶者があるときは配偶者の同意が必要

配偶者がある人が未成年者を養子にする養子縁組をする場合、配偶者と共同で養子縁組をしなければなりません。

養子になる人が配偶者の嫡出子である場合、共同で養子縁組をする必要はありません。

配偶者が意思表示をできない場合、共同で養子縁組をする必要はありません。

大人同士で養子縁組をする場合、配偶者と共同で養子縁組をすることは条件ではありません。

夫婦共同縁組をしなくてもいいけど、配偶者の同意を得る必要があります。

養子になる人が配偶者の嫡出子である場合、配偶者の同意を得る必要はありません。

配偶者が意思表示をできない場合、配偶者の同意を得る必要はありません。

④後見人と被後見人は家庭裁判所の許可が必要

後見人が被後見人を養子にする場合、家庭裁判所の許可が必要です。

後見人には、成年後見人と未成年後見人がいます。

どちらでも被後見人を養子にする場合、家庭裁判所の許可を受けなければなりません。

後見人の任務終了後で管理の計算が終了しない間も、家庭裁判所の許可が必要です。

大人同士で養子縁組をする場合、原則として、家庭裁判所の許可は不要です。

養子縁組の当事者が後見人と被後見人である場合、大人同士でも家庭裁判所の許可が必要です。

⑤死後離縁は家庭裁判所の許可が必要

養子縁組とは、法律上の親子関係を作る制度です。

当事者の合意で、法律上の親子関係を作ることができます。

養子縁組の離縁とは、法律上の親子関係を解消する制度です。

当事者の合意で、法律上の親子関係を解消することができます。

法律上の親子になった後、当事者の一方が死亡することがあります。

当事者の一方が死亡しても、何もしなければ親子関係は解消されません。

死後離縁とは、当事者の一方が死亡した後に養子縁組を解消することです。

養子縁組を解消したら、亡くなった養親や亡くなった養子の親族との親族関係が終了になります。

当事者の一方が死亡した後に、当事者が合意することはできません。

当事者の一方が死亡した後は、家庭裁判所の許可を得て離縁をすることができます。

死後離縁をしても、さかのぼって養子でなくなるわけではありません。

養親が死亡した後に死後離縁をしても、養子は養親の相続人です。

4大人同士の養子縁組の注意点

①相続トラブルのおそれ

被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が相続人になるはずだったのに、養子縁組をすると養子が相続人になります。

被相続人に養子がいる場合、養子は被相続人の子どもだからです。

大人同士の養子縁組では、実親の許可は不要です。

兄弟姉妹の許可も当然不要です。

兄弟姉妹が養子の存在を知らないことがあります。

相続が発生した後に養子の存在を知ると、大いに困惑するでしょう。

兄弟姉妹からみると、相続分を奪われるように感じるかもしれません。

大人同士の養子縁組で、相続トラブルになるおそれがあります。

②養子縁組解消でトラブル

養子縁組は、当時者の合意で解消することができます。

当事者が一方的に解消することはできません。

養子縁組をしても、さまざまな家族の事情から解消したいと思うことがあるでしょう。

当事者の一方が養子縁組を解消したいと思っていても、他方が合意できないことがあります。

大人同士の養子縁組では、養子縁組解消トラブルのおそれがあります。

③同性婚で養子縁組

同性婚のパートナーと相続対策で、養子縁組をすることがあります。

同性婚の配偶者は、法律上の配偶者ではありません。

同性婚の配偶者は、相続人ではありません。

養子縁組をした場合、法律上の親子になることができます。

一方に相続が発生したら、相続人になることができます。

将来、法律が改正されて同性婚が認められるかもしれません。

現在の法律で親子が婚姻することはできません。

養子縁組を解消したら、親子でなくなります。

養子縁組を解消しても、婚姻をすることはできません。

同性婚で養子縁組をした場合、法律が改正されても婚姻できないでしょう。

同性婚で養子縁組で、婚姻ができなくなるおそれがあります。

④養親死亡後に養子縁組はできない

普通養子による養子縁組をする場合、養親になる人と養子になる人の合意が必要です。

養親になる人と養子になる人が合意をしたうえで、市区町村役場に届出をすることで成立します。

養親になる人と養子になる人の合意がない場合、養子縁組をすることはできません。

遺言書に「〇〇を養子にする」と記載してあったとしても、養子縁組をすることはできません。

遺言書は、遺言者が死亡したときに効力が発生します。

遺言者が死亡した後は、養親になる人と養子になる人の合意があるとは言えません。

遺言書に「〇〇を養子にする」と記載してあったとしても、合意があるとは言えません。

当事者の死亡後に、普通養子による養子縁組をすることはできません。

⑤相続人が変わると税金に影響

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

被相続人に養子がいる場合、養子は相続人です。

養子は、被相続人の子どもだからです。

被相続人に実子がいる場合、養子縁組をすると実子と養子が相続人になります。

相続人が増えると相続税を減らすことができます。

この点を過度に強調して、養子縁組をすすめられることがあります。

被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が相続人になるはずだったのに、養子縁組をすると養子が相続人になります。

例えば、兄弟姉妹4人が相続人になるはずだったのに、養子1人が相続人になることがあります。

養子縁組をした場合、相続税の基礎控除額は少なくなります。

兄弟姉妹4人なら5400万円、養子1人なら3600万円だからです。

相続税の基礎控除額が少なくなると、たくさんの相続税を納める必要があります。

基礎控除額だけでなく、生命保険の非課税額、退職金の非課税枠なども少なくなります。

大人同士の養子縁組で、税金に影響があります。

5養子縁組がある相続を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、被相続人のものは相続財産になります。

相続財産は相続人全員の共有財産ですから、分け方を決めるためには相続人全員の合意が必要です。

相続人の一部を含めない合意や相続人でない人を含めた合意は無効になります。

相続財産の分け方の話し合いの前提として、相続人の確定はとても重要です。

被相続人に養子がいる場合、養子は相続人になります。

代襲相続や数次相続が発生している場合、一挙に難易度が上がります。

インターネットが普及したことで、多くの情報を手軽に得ることができるようになりました。

簡単に情報発信ができるようになったこともあって、適切でない情報も有益な情報もたくさん出回っています。

相続の専門家と名乗っていながら、適切でないアドバイスを見かけることも度々あります。

スムーズに相続手続を行いたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

初期の認知症で急いで家族信託

2024-04-18

オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました

1 オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただく前に、どのようなことでお困りでしたか。

親が認知症になり、親の資産を今後どうあつかえばいいか

家族信託

2 たくさんの事務所がある中から、オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただきまして、ありがとうございました。

オリーブの木司法書士事務所を知ったきっかけをお聞かせください。

ご紹介、インターネット

3 オリーブの木司法書士事務所に依頼するときに、重視したことをお聞かせください。

親切、ていねいな対応

5 実際にオリーブの木司法書士事務所にご依頼いただいたご感想をお聞かせください。

安心して、何でも相談にのってもらえて、大変助かります。

今後とも、ご支援よろしくお願いいたします。

6 このアンケートをオリーブの木司法書士事務所のホームページやパンフレット等に掲載してよろしいでしょうか。

イニシャルを掲載してよい

イニシャル K.Tさま 

オリーブの木司法書士事務所からコメント

オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました。

K.Tさまから、家族信託をご依頼いただきました。

重度の認知症になると物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなります。

判断能力を失ったら、財産管理をすることができません。

たくさんの資産があっても、事実上、凍結されることになります。

「不動産を売却して、施設の入居費用を準備したい」などは、認知症になると不可能です。

初期の認知症の診断を受けて、資産の凍結対策を考えたのは素晴らしいことです。

司法書士が面談した際にも、充分に受け答えをしていました。

認知症の診断を受けたとは言うものの、ごく初期であると考えられました。

公正証書を作成する際には、公証人が面談します。

公証人が面談した際にも、適切に話をしていました。

判断能力は、喪失していないと考えられました。

公正証書による家族信託契約と信託口口座開設を無事に済ませることができました。

K.Tさまの家族全員の仲がよい点が印象的でした。

家族信託の大切なことは、家族が一致団結して認知症の親をサポートすることです。

家族の信頼がないと、家族信託は成功しません。

K.Tさまの家族全員に信頼があると感じられました。

今回、ご依頼をいただきましてありがとうございました。

賃貸マンションがあるときの相続放棄

2024-04-18

1相続放棄で相続財産を引き継がない

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をする前に単純承認をしていた場合、相続放棄はできません。

相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できないからです。

相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。

相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。

家庭裁判所は事情が分からず書類に問題がなければ、相続放棄を受理してしまいます。

家庭裁判所が相続放棄を受理した後でも、相続財産を処分したり、利用した場合は、無効です。

2賃貸マンションを借りる権利は相続財産

被相続人が賃貸マンションやアパートに住んでいることがあります。

お部屋を借りる権利のことを、賃借権と言います。

原則として、お部屋を借りている人が死亡しても、賃貸借契約は終了しません。

相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続人が相続する財産が、相続財産です。

相続財産はプラスの財産とマイナスの財産があります。どちらも、相続財産です。

一般的に不動産、預金、株式や投資信託などの有価証券、現金などがイメージしやすいでしょう。

これ以外にも、賃借権などの権利もプラスの財産になります。

賃貸借契約よっては、お部屋を借りている人が死亡したら契約終了になるものがあります。

3賃貸マンションの明渡を求められたら

①マンションの賃貸借契約を合意解除するのは危険

被相続人が賃貸マンションを借りて一人暮らしをしているケースがあります。

しばらく姿を見ていなかったと思っていたら部屋で亡くなっていたということもあるでしょう。

このような場合、相続人が引き続き部屋を借りてくれることはないでしょう。

大家は相続人に対して、契約を解除して部屋を明け渡して欲しいと請求します。

原則として、大家は借主の所有物を勝手に処分することはできません。

相続人からクレームになることをおそれて、相続人に処分を要求するのが通常です。

相続放棄をするのであれば、被相続人の財産を処分することはできません。

被相続人の財産を処分したら、単純承認になるからです。

家庭裁判所が事情が分からずに相続放棄を認めてしまっても、後から無効になります。

賃貸マンションを借りる権利は、賃借権という財産です。

被相続人の賃借権ですから、相続財産にあたります。

賃貸マンションを借りる契約を解除することは、賃借権を処分することです。

相続財産の処分ですから、単純承認になります。

賃貸マンションを借りる契約を解除すると、相続放棄ができなくなるということです。

大家との合意で賃貸借契約を解除するのは、避けるのが賢明です。

②大家は家賃不払いで一方的に解除ができる

契約を解除しないと、マンションの家賃がかかり続けます。

マンションを借りるときに、保証人を立てていれば保証人に賃料の請求が行くことにもなるでしょう。

賃貸借契約を解除しなければ、家賃がかかり続けているはずです。

家賃を払わなければ、大家は賃料不払いを理由に一方的に解除することができます。

大家が一方的に解除したのであって、相続人は何もしていません。

相続財産を処分したのでないから、単純承認になる心配はありません。

大家に迷惑をかけている気持ちから、解除に応じるべきでないかと不安になる場合もあるでしょう。

相続放棄を考えるということは、被相続人に大きなマイナスの財産があるのでしょう。

契約の解除に応じた場合、大きなマイナスの財産を引き受けることがありますから、リスクが大きすぎます。

③価値のある家財道具は処分しない

大家は新たな募集をするために、部屋の片づけをして明け渡して欲しいと請求するでしょう。

相続財産を処分した場合、単純承認になります。

部屋の中のものを片付けたと言っても、無条件で相続放棄が無効になることはありません。

だれが見てもゴミであるようなものや腐りやすいものを片付けた場合にまで、相続財産の処分というのは不当です。

相続財産の処分でないのであれば、相続放棄が無効になることはありません。

着古した衣類や使い古した日用品などは、経済的価値はありません。

経済的価値がないものを片付けたとしても、相続財産の処分とは言えないでしょう。

経済的価値がない思い出の品を形見分けとして、持ち帰っても通常は問題になりません。

売れば値段がつくような美術品や高性能な家電品を処分するのは危険です。

次順位の相続人などが管理できるようになるまで管理するにとどめましょう。

多くの場合、大家はこのようなリスクも考えて賃貸借契約をするときに保険に加入しています。

保険に加入する以外に敷金を預かっています。

保険金や敷金を使って、大家に処分してもらえばいいでしょう。

大家が自分の責任で何かすることについて、相続人の相続放棄と関係ないのは当然です。

大家が部屋の中のものを処分しても、相続人に費用を請求することはできません。

経済的価値がないものを片付けたとしても、相続財産の処分とは言えません。

このことを、捨てるのなら相続財産の処分にならないと誤解している人がいます。

経済的価値があるものを捨てるのは、単純承認になります。

経済的価値があるものを相続したから、処分できたと言えるからです。

同じ捨てる行為でも、経済的価値のないものの場合、単純承認になりません。

経済的価値があるものを捨てる場合、単純承認になります。

④電気・ガス・水道は解約できる

相続放棄をする場合でも、電気、ガス、水道などの生活インフラは解約して差し支えありません。

生活インフラの解約は相続財産の処分にあたらないとされています。

電気会社、ガス会社などに連絡して、供給を止めてもらいましょう。

4相続人が賃貸マンションに住み続けたい場合

被相続人が借りていた部屋に引き続き住み続けたいケースもあるでしょう。

部屋を借りる権利は、本来、賃借権という相続財産です。

相続放棄をしたのであれば、被相続人の財産を引き継ぐことはできません。

賃借権も引き継ぐことはできないのです。

建前として、いったん、退去します。

同じ部屋を借りたい場合、あらためて、大家と賃貸借契約をし直します。

大家と相続人が、単に、マンションを借りる契約をするだけですから相続とは関係ありません。

賃貸マンションを契約しても、相続放棄に影響はありません。

あらためて、契約をし直すとしても被相続人が家賃を滞納していた場合、いい印象を持たないでしょう。

相続人が保証人であれば、保証人として賃料を支払うことができます。

保証人でなかった場合でも、相続人が固有の財産から賃料を払うこともできます。

相続人が自分の固有の財産から支払う場合は、相続財産の処分ではありません。

相続放棄が無効になることはありません。

5相続人が保証人になっている場合

①相続放棄をしても、保証契約は無関係

被相続人が賃貸マンションを借りたとき、相続人が保証人になっている場合があります。

相続人が相続放棄をした場合、被相続人のマイナスの財産を相続することはありません。

被相続人の未払い家賃などを支払う義務は相続していませんから、相続人は支払う必要がありません。

相続人が保証人であれば、相続人は保証人として請求されることになります。

保証契約は賃貸借契約とは別の契約だからです。

賃貸借契約とは別に、大家と保証人が家賃が滞納になったら肩代わりをしますと約束します。

相続放棄をしても、保証契約は無関係です。

保証人はマンションの賃貸借契約を解除することはできません。

②家賃減収分の損害賠償は応じなくていい

大家としても、部屋を明け渡してもらわないと、新たな募集をすることができません。

新たな募集をすることができないから、その間の家賃相当額を損害賠償として請求されることがあります。

自殺や殺人事件など入居者に故意や過失がある場合は、損害賠償が認められます。

単なる孤独死や病死の場合は、損害賠償が認められないでしょう。

単なる孤独死であれば、保証人が家賃相当額の損害賠償に応じる必要はないでしょう。

③過大な原状回復費用に注意

原則として、保証人は入居者が負担すべき原状回復費用を本人に代わって支払わなければなりません。

原状回復とは、入居者の故意や過失など通常の使用方法を超える使用によって発生した傷みを直すことです。

通常の使用で発生する傷みや経年劣化や次の入居者のためのクリーニングは、入居者が負担するものではありません。

被相続人が一人暮らしをしていたケースでは、フローリングやクロスなどの内装を新品にして請求されることがあります。

フローリングやクロスなどの内装には、耐用年数があります。

耐用年数が経過していれば、残存価値は無いと言えるでしょう。

6相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続きを取ることはできますが、高等裁判所の手続きで、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は撤回ができないので、慎重に判断する必要があります。

せっかく、相続放棄が認められても、相続財産を処分したと判断されたら無効になりかねません。

このような行為をしてしまわないように、予め知識を付けておく必要があります。

相続放棄を自分で手続きしたい人の中には、相続放棄が無効になることまで考えていない場合が多いです。

司法書士は、相続放棄が無効にならないようにサポートしています。

せっかく手続きしても、相続放棄が無効になったら意味がありません。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

分譲マンションがあるときの相続放棄

2024-04-18

1相続放棄で相続財産を引き継がない

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をする前に単純承認をしていた場合、相続放棄はできません。

相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できないからです。

相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。

相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。

家庭裁判所は事情が分からず書類に問題がなければ、相続放棄を受理してしまいます。

家庭裁判所が相続放棄を受理した後でも、相続財産を処分したり、利用した場合は、無効です。

2相続放棄が認められても無効になるリスクがある

被相続人が分譲マンションを所有して住んでいることがあります。

相続人が就職や進学で実家を離れた後、そのまま実家のマンションに住んでいないこともあるでしょう。

相続人が実家を離れて遠方に住んでいる場合、実家を使う人がいないかもしれません。

リゾート地の開発を見込んで、リゾートマンションを所有していることもあります。

開発されないまま、不便な立地でリゾートマンションが老朽化しているかもしれません。

マンションに高い資産価値がある場合、相続して売却するのが選択肢のひとつでしょう。

マンションが老朽化しているなど資産価値が低い場合、売却することが難しいかもしれません。

ある程度の資産価値があっても、不便な立地の場合、売却できるまでに長期間かかるかもしれません。

マンションを売却できるまで、固定資産税などの費用がかかり続けます。

遠方に住んでいるのにマンションの管理組合の役員などをしなければならなくなる可能性があります。

マンション以外にめぼしい財産がなく、マンション自体にも価値が感じられない場合、相続放棄をすることが考えられます。

家庭裁判所で相続放棄をした場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

プラスの財産もマイナスの財産も引き継いでいませんから、マンションの中のものは勝手に処分することはできません。

相続財産を処分した場合、相続を単純承認したとみなされます。

家庭裁判所が事情を知らずに相続放棄を認めると決定しても、相続放棄は無効になります。

マンションの中のものを処分した場合、相続放棄が無効になるおそれがあります。

だれの目にも明らかにゴミであるようなものや腐りやすいものを処分した場合、相続放棄が無効になることはありません。

家財道具とは言っても財産的価値がない日用品や着古した衣類などを形見分けとして持ち帰った場合、相続放棄が無効になるリスクはないでしょう。

経済的価値があるような美術品や宝飾品などを持ち帰った場合、相続財産の処分と判断されるでしょう。

相続財産を処分したと判断された場合、相続を単純承認したとみなされます。

3相続放棄をした後も遺産の管理義務がある

相続放棄をするとはじめから、相続人でなかったと扱われます。

相続人でないから、被相続人の遺産などに関与しなくていいと考えてしまうかもしれません。

相続放棄をした人は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまで管理を続けなければなりません。

自分が相続放棄をしたことによって次順位の人が相続人になる場合、その人が相続財産を管理してくれます。

固定資産税などの費用やマンションの管理組合の役員なども、次順位の相続人が引き受けてくれます。

自分の他に相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合、相続放棄をした人は相続財産の管理を続けなければなりません。

相続財産の管理を続ける義務は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまでです。

相続財産を管理すべき人が管理を始めた場合、管理を終了することができます。

4相続放棄をしても管理費や修繕積立金を払う義務がある

相続放棄をした人は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまで管理を続けなければなりません。

分譲マンションの場合、管理はお部屋の中だけにとどまりません。

例えば、エレベーターなどの施設の点検やセキュリティーシステムの管理などによって、マンションの価値が維持されています。

このようなマンションの管理は、所有者が直接するものではありません。

マンション所有者は、専門の管理会社に管理費を支払うことによって間接的に管理しています。

相続放棄をした場合であっても、管理会社は相続発生以降の管理費を請求することができます。

相続人は相続財産を管理する義務があるから、管理費を支払う義務があります。

相続が発生するまでの管理費は、被相続人の債務です。

相続放棄をした場合、被相続人の債務を引き継ぐことはありません。

相続発生までに滞納管理費があった場合、管理会社は相続人に請求することはできません。

相続放棄をした相続人に請求できるのは、相続発生後の未払い管理費のみです。

相続人が管理義務を負うのは、相続発生後だけだからです。

マンション所有者は、通常の管理費の他に大規模な修繕のために修繕積立金を負担しています。

同様に、マンションの管理組合は、所有者に修繕積立金を請求することができます。

5マンション管理義務を免れるには

相続財産の管理を続ける義務は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまでです。

相続財産を管理すべき人が管理を始めた場合、管理を終了することができます。

自分の他に相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在であることが考えられます。

法定相続人がいない場合、最終的には国庫に帰属します。

国庫に帰属する前にたくさんの手続があります。

たくさんの手続が終わるまで、相続財産を管理する必要があります。

相続財産を管理する人を家庭裁判所に選んでもらいます。

相続財産を管理する人を家庭裁判所に選んでもらうことを相続財産清算人選任の申立てと言います。

相続財産清算人選任の申立てをするためには、予納金を納めなければなりません。

事件によって違いますが、予納金はおおむね100万円程度です。

家庭裁判所が相続財産清算人を選んだ場合、相続財産は相続財産清算人に引き継ぐことができます。

相続財産清算人が相続財産を管理し始めたら、相続財産の管理義務がなくなります。

相続財産清算人は、相続財産を管理すべき人だからです。

相続財産清算人が管理を始めた後は、相続財産の管理義務がなくなりますから、管理費や修繕積立金を支払う義務がなくなります。

6マンションの新所有者が滞納管理費を負担する

家庭裁判所が相続財産清算人を選んだ場合、相続財産を管理します。

マンションの滞納管理費は、相続財産から相続財産清算人が支払をします。

マンション管理費以外の債務についても、原則として、相続財産から弁済をします。

相続人全員が相続放棄をする場合、めぼしいプラスの財産は無いことが多いでしょう。

マンションに抵当権が設定されている場合、抵当権のある債権者は抵当権を実行します。

抵当権を実行するとは、マンションを競売して売却代金からお金を返してもらうことです。

担保権のない債権者は裁判で判決を得ることで、マンションを競売にかけることができます。

競売によってマンションの買主が現れた場合、マンションの滞納管理費は買主が負担します。

競売によるマンションの買主が、マンションの滞納管理費があることを知っていても知らなくても関係ありません。

競売による買主は、滞納管理費を支払う義務があります。

7相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄するためには、家庭裁判所に手続をする必要があります。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったと扱われます。

このことから、相続放棄が認められたら相続に関する手続には関与しなくて済むと安心してしまいがちです。

相続財産は引き継ぐことはなくなりますが、管理責任があります。

管理責任があることは、あまり知られていません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合であっても、相続財産を処分した場合、相続放棄が無効になります。

相続放棄は簡単そうに見えて、実はいろいろなことを考慮しなければならない手続です。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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