Archive for the ‘相続放棄’ Category
相続放棄-借地権付き建物
1借地権は相続財産
被相続人がマイホームを持っている場合、土地は被相続人が所有しているケースと土地は借りているケースがあります。
被相続人が土地を借りてマイホームを持っている場合、土地を借りる権利、土地を使う権利があると言えます。
土地の上に建物を所有する目的で、土地を使う権利や土地を借りる権利のことを借地権と言います。
建物を所有する目的があるときだけ、借地権です。
更地で、資材置き場として使う目的や青空駐車場として使う目的の場合、土地を使う権利があったとしても、借地権とは言いません。
借地権は、法律的に言うと、賃借権の場合と地上権の場合があります。
賃借権は土地を借りて使う権利、地上権は土地を使う権利です。
地上権は、賃借権と比べると使う人の権利が強く保護されている権利です。
一般的には、借地権のほとんどは賃借権です。
借地権は、普通借地権と定期借地権があります。
被相続人がマイホームと借地権を持っていた場合、マイホームと借地権は相続財産になります。
2債務超過なら相続放棄ができる
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。
被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。
相続財産というとプラスの財産だけイメージしがちですが、マイナスの財産も含まれます。
マイナスの財産が多い場合、相続放棄をすることができます。
相続放棄は、相続人の判断ですることができます。
相続財産に借地権がある場合であっても、地主の許可は不要です。
借地権を相続する場合も相続放棄をする場合も、地主の同意は必要ありません。
法律で定められた一定の条件にあてはまるときは、単純承認したとみなされます。
単純承認とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継ぐものです。
単純承認とみなされたら、相続放棄はできません。
3相続放棄をしても無効になる場合がある
相続放棄はできないのに、家庭裁判所に相続放棄の手続をして、相続放棄が認められても無効です。
家庭裁判所が事情を知らずに相続放棄を認めても、後から無効になります。
単純承認したとみなされる行為は、法律で定められています。
①相続財産を処分したとき
相続財産の名義変更をした、相続財産である銀行の預貯金を引き出して使ってしまった場合が典型的です。
単に、引き出しただけであれば、処分とは言えないことが多いでしょう。
引き出したうえ、自分の口座に送金して保管すると、「処分した」と評価される可能性が高くなります。
被相続人が払い過ぎた税金などの還付金の支払を受けた場合、「処分した」と判断されます。
相続財産の分け方について、相続人全員で合意をした場合も、相続財産を「処分した」場合に当たります。
②3か月以内に相続放棄の手続をしなかったとき
相続放棄の手続きは、相続があったことを知ってから3か月以内にする必要があります。
3か月以内に手続が間に合わない場合、期間伸長の申立ができます。
4建物取壊しをしたら相続放棄は無効
相続放棄をした場合、はじめから相続人でなかったと取り扱われます。
被相続人に莫大な借金があった場合、次順位の相続人も相続放棄をするでしょう。
相続人になる人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在になります。
相続人不存在になるとだれも地代を払ってくれません。
地主が地代を請求してくる場合があります。
地代の支払に応じる必要はありません。
建物に住まないのなら土地を明け渡して欲しいと請求してくる場合があります。
このような請求に応じる必要もありません。
被相続人の所有していた建物がある場合、建物の取壊しを請求してくることもあります。
このような請求に応じる必要もありません。
被相続人が死亡した場合、借地権に影響はありません。
借地権は存続していますから、地主は土地を使うことはできません。
地主は土地を使えないうえに地代が入ってこないために、このような請求をしてきます。
地主に迷惑をかけている気持ちになって、建物を取壊して土地を明け渡す必要があると考えるかもしれません。
相続放棄をしたら、建物も借地権も相続していません。
相続人ではないから、建物も借地権も処分することはできません。
建物の解体をすることができないから、通常は、解体費用を負担することもありません。
建物の名義変更も、することはできません。
相続財産を処分した場合、相続放棄は無効になります。
建物の取壊しは、建物を処分したと判断されます。
建物は相続財産ですから、相続財産を処分したと判断されます。
建物の取壊しをした場合、相続放棄は無効になります。
同じ理由で、地代の支払をした場合、相続放棄が無効になります。
地主から地代の請求を受けた場合や建物の取壊し、土地の明け渡しの請求を受けた場合、相続放棄をしたことを伝えるといいでしょう。
相続放棄が認められた場合、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が送られてきます。
地主には相続放棄申述受理通知書のコピーを渡すと分かってもらえることが多いです。
5相続人不存在の場合は相続財産管理人選任の申立て
借地権も建物の相続財産です。
相続放棄をしたら、相続人ではなくなりますから、処分はできなくなります。
地主が土地を使えないうえに地代が入ってこないから困っているとしても、何もすることはできません。
このような場合、地主から家庭裁判所に相続財産管理人選任の申立てをしてもらうといいでしょう。
相続が発生したのに相続人が不存在である場合、相続財産は最終的には国庫に帰属します。
相続財産管理人は、相続財産を整理して国庫に帰属させる人です。
相続財産に借地権や建物がある場合、売却して国庫に帰属させます。
被相続人が地代を滞納していた場合、地主は賃料不払いを理由に契約を解除することができます。
相続財産管理人に対して、建物収去土地明け渡しを請求します。
被相続人が地代を滞納していない場合、地主は賃料不払いを理由に契約を解除することができません。
地主が土地を使いたいと思うなら、相続財産管理人に対して借地権や建物を買い取りの交渉をすることができます。
地主が建物を買い取った場合、建物は地主のものになります。
地主は建物を取り壊したいと思うなら、自分の費用で取り壊すことができます。
6共有者である被相続人に相続人がいない場合
被相続人が天涯孤独で親族がいないこともあります。
相続人がいても相続放棄をして相続人でなくなっている場合があります。
①相続債権者がいる場合
相続財産は売却されて、相続債権者への支払にあてられます。
通常、共有持分は売却しようとしても、買い手が見つかりません。
買い手が見つかったとしても、著しく価格が低くなってしまいます。
共有持分を買い取る業者がいますが、買い取り額はおおむね時価の1~3割程度です。
多くの場合、被相続人と共有していた人に買取をお願いすることになります。
被相続人と不動産を共有していた人が対価を支払って、被相続人の共有持分を買い取ることになります。
②相続債権者がいない場合
被相続人と不動産を共有していた人が共有持分を取得します。
7相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する届出です。
相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。
つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。
同時に、家庭裁判所で相続放棄が認められたとしても、絶対的なものではありません。
相続放棄の要件を満たしていない場合、その後の裁判で相続放棄が否定されることもあり得ます。
相続の単純承認にあたる行為は、建物の取壊しや高価な宝石などの形見分けなども含まれます。
相続が発生すると、家族はお葬式の手配から始まって膨大な手続きと身辺整理に追われます。
相続するのか、相続を放棄するのか充分に判断することなく、安易に相続財産に手を付けて、相続放棄ができなくなることがあります。
相続に関する手続は、司法書士などの専門家に任せることができます。
手続を任せることで、大切な家族を追悼する余裕もできます。
相続人の調査や相続財産調査など適切に行って、充分に納得して手続を進めましょう。
相続放棄は3か月以内の制限があります。
3か月の期間内に手続するのは思ったよりハードルが高いものです。
相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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相続放棄してもペットの引き取り
1ペットは相続できない
高齢化社会が到来して、多くの方は長生きになりました。
核家族化が進み、高齢者世帯や単身世帯が増えています。
人生100年時代のさびしさや孤独の辛さから、ペットに癒しを求めている人が増えています。
ペットは「家族」として一緒に暮らすパートナーになったと言えるでしょう。
飼い主にとって、大切な家族であるペットですが、飼い主が死亡しても、相続人にはなれません。
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は次のとおりです。
①配偶者は必ず相続人になる
②被相続人に子どもがいる場合、子ども
③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
④被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
飼い主にとって、ペットは大切な家族ですが、法律上はモノと同じです。
法律上、物に財産を残すことはできません。
ペットは相続人になれません。
2相続の承認と相続放棄
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。
相続財産というとプラスの財産だけイメージしがちですが、マイナスの財産も含まれます。
マイナスの財産が多い場合、相続放棄をすることができます。
法律で定められた一定の条件にあてはまるときは、単純承認したとみなされます。
単純承認とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継ぐものです。
単純承認とみなされたら、相続放棄はできません。
相続放棄はできないのに、家庭裁判所に相続放棄の手続をして、相続放棄が認められても無効です。
家庭裁判所が事情を分からずに相続放棄を認めてしまっても、後から無効になります。
単純承認したとみなされる行為は、法律で定められています。
相続財産を処分した場合、単純承認したとみなされます。
相続財産の名義変更をした、相続財産である銀行の預貯金を引き出して使ってしまった場合が典型的です。
単に、引き出しただけであれば、処分とは言えないことが多いでしょう。
引き出したうえ、自分の口座に送金して保管すると、「処分した」と評価される可能性が高くなります。
相続財産の分け方について、相続人全員で合意をした場合も、相続財産を「処分した」場合に当たります。
3ペットを引き取ってもほとんど問題ない
飼い主にとって、ペットは大切な家族ですが、法律上はモノと同じです。
被相続人のものは、原則として、相続財産です。
被相続人が飼っていたペットも相続財産のひとつです。
①餌やりなどの世話をしても問題ない
ペットは命のある生き物ですから、餌やりなどの世話が欠かせません。
ペットに餌やりなどの世話をすることは、相続財産を維持する行為と言えます。
相続財産を維持するだけであって、処分したとは言えません。
ペットに餌やりなどの世話をすることで相続放棄が無効になることはありません。
②経済的価値のないペットを引き取っても問題ない
ペットを引き取ったことが単純承認であると判断されてしまうことで、相続放棄が無効にならないか心配になるかもしれません。
被相続人のものだからと言って、何ひとつ処分できないというわけではありません。
あきらかにゴミであるものを処分した場合にまで、相続放棄が無効になることは不当です。
経済的価値のないものと形見として持ち帰った場合、相続放棄が無効になることはありません。
通常、一般的に飼われているペットに金銭的価値があることは少ないでしょう。
お金を払ってペットを買い取る人は考えられません。
経済的価値は無いと言えるでしょう。
よほど希少種であるとか珍しい種類のペットであるなどの事情があって、売却すれば高値で取引される場合、ペットを引き取ると単純承認とみなされる可能性があります。
4飼主がペットの行き先を決めてあげるべき
自分の死亡した後、大切な家族であるペットをどうするかが問題になります。
飼い主にとって大切な家族であるペットは、飼主を失うと人間以上に困ります。
ペットは自分では何もできないからです。
ペットの飼育が心配で、ペットを残して逝けないと言う方もいます。
①負担付遺贈
遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。
相続では、法定相続人だけに譲ってあげることができます。
遺贈では、法定相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができます。
譲ってあげる相手は、相続人以外の人でも構いませんから、ペットの飼育を引き受けてくれる人にも譲ってあげることができます。
ペットを飼育してもらうことを条件にして、遺言によって、財産を譲ってあげることができます。
遺贈は、遺言によって行います。
遺言書は相続人などの関与なしで作ることができます。
遺言で遺贈や相続のことを定める場合、遺言者が受け取る人の意見を聞かずに、一方的に決めることができます。
遺言に書いてあるからとは言っても、受け取る人が困ることがあります。
受け取る人がペットにアレルギーがあるかもしれません。
ペット飼育禁止のマンションに住んでいるかもしれません。
遺贈は、放棄することができます。
飼主にとって大切な家族だから、飼育をお願いしたいのに放棄されてしまうのは困るでしょう。
財産を受け取る人が遺贈を放棄しない場合でも、適切に飼育しないかもしれません。
財産を受け取った人が適切に飼育をしていない場合、相続人や遺言執行者は家庭裁判所に負担付遺贈に関する遺言の取消を求めることができます。
家庭裁判所に対して遺言の取消を求めるのは、手続が煩雑です。
②負担付死因贈与
死因贈与とは、財産を譲ってあげる人が死亡したら、財産を譲る契約です。
契約なので、財産を譲ってあげる人と譲ってもらう人が合意する必要があります。
遺贈のように、受け取る人の意見を聞かずに、一方的に決めることができません。
財産を譲ってあげる人と譲ってもらう人が合意して決めたことだから、後になって、お断りをすることはできません。
飼主にとって大切な家族を、お断りされることなく飼育してもらえることは、安心できるでしょう。
負担付遺贈も、負担付死因贈与も、財産を受け取った後、受け取った財産は受け取った人のものです。
ペットを適切に飼育しているか、第三者がチェックする仕組みがありません。
受け取った財産で、ペットの飼育以外に浪費をすることもできます。
ペットの飼育が終了した後も、譲ってあげた財産は、受け取った人のものです。
③ペット信託
信託とは、信頼できる人に財産を預かってもらって、自分の決めた人のために利用管理してもらう契約のことです。
信託の仕組みをペットに応用したのが、ペット信託です。
信託財産を管理するための、管理会社を設立しなければならないと称して、高額な報酬を要求する自称専門家がいます。
ペット信託であれば、ほとんどの場合そのようなことは不要でしょう。
あらかじめ、ペット信託をしておくことで、飼主がペットの世話をすることができなくなっても、ペットの飼育をしてもらうことができます。
飼主が死亡したときだけでなく、飼主が入院したり、施設に入所したりして飼育できなくなるときから、飼育をしてもらうことができます。
信託契約をしておくと、信頼できる人に財産を預かってもらうことになります。
相続が発生した場合、相続財産とは別の財産として分離して管理することになります。
相続争いに巻き込まれて、ペットの飼育費が出せなくなるといったトラブルを防ぐことができます。
信託契約では、信託管理人を置くことができます。
信託財産が契約どおりに適切に管理されているか監視や監督をしてもらうことができます。
預けた財産はペットの飼育のためだけに使うと決めておけば、他の用途に浪費することはできません。
信託管理人は、他の用途に浪費されていることを見つけたら、契約に合うように適切に管理するように改善させることができます。
ペット信託が終了したときに、残った財産は誰が受け継ぐか、飼主が決めておくことができます。
ペット信託に限らず、信託契約は信頼できる人と契約することが重要です。
5ペットの生前対策を司法書士に依頼するメリット
ペットは「家族」として一緒に暮らすパートナーになりました。
自分が大切にしている家族の将来が気にならない人はいないでしょう。
自分が死亡した後も、幸せを願うのは当たり前のことです。
残念ながら、飼主がペットはいかに大切にしていようとも、法律上はモノでしかありません。
ペットは自分では何もできないから買主が何もしないと人間以上に困ります。
自分の死後を考えて、大切なペットを飼育してくださいとお願いしていない場合、ペットには厳しい現実が待っています。
ペットを飼っている人は愛情を持って飼育しています。
だから、何も言わなくてもだれかがペットの面倒を見てくれる、新しい飼い主を探してくれると楽観的な希望を持っていることが多いです。
現実には、容赦なく保健所へ連絡する人もいるでしょう。
自分と同じように愛情を持って飼育してくれることは稀です。
制度を知って、上手に生かすことは飼い主だけができることです。
大切な「家族」の幸せのために、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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相続放棄と連帯保証人
1相続財産とは
相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続人が相続する財産が、相続財産です。
相続財産はプラスの遺産とマイナスの遺産があります。どちらも、相続財産です。
①プラスの遺産
一般的に不動産、預金、株式や投資信託などの有価証券、現金などです。
さらに、宝飾品や美術品など価値があるものはプラスの遺産といえるでしょう。
多くの方が財産と言われてたときにイメージしやすいものです。
これ以外にも、賃借権などの権利もプラスの財産になります。
②マイナスの遺産
一般的に借金やローンなどです。
未払の税金や未払の入院費用などもマイナスの遺産になります。
イメージしにくいですが、被相続人が連帯保証人であった場合は、相続人が引き継ぎます。
この連帯保証人の地位もマイナスの遺産と言えます。
2相続放棄とは
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も相続人が受け継ぎます。
被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も受け継がないことを相続の放棄といいます。
相続放棄をすると、プラスの遺産を引き継がなくなりますが、マイナスの遺産も引き継ぐことがなくなります。
連帯保証人の地位もマイナスの遺産の一部ですから、相続放棄をしたら、引き継ぐことがなくなります。
連帯保証人の地位というのは、被相続人が第三者の借金について、連帯保証人になっていた場合という意味です。
3連帯保証契約は別物の契約
お金の貸し借りをする場合、貸主と借主の間で、お金の貸し借りの約束をします。
お金の貸し借りの約束を、金銭消費貸借契約と言います。
お金をきちんと返してもらえるか心配なので、返せないとき肩代わりする連帯保証人を立ててもらうでしょう。
貸主と連帯保証人との間で、お金の貸し借りの肩代わりをする約束をします。
お金の貸し借りの肩代わりをする約束を、連帯保証契約と言います。
金銭消費貸借契約は、貸主と借主の間の契約です。
連帯保証契約は、貸主と連帯保証人との間の契約です。
金銭消費貸借契約と連帯保証契約は、当事者が異なるまったく別の契約です。
4連帯保証人が死亡した場合
被相続人が第三者の連帯保証人になっていた場合、相続人に引き継がれるのは、連帯保証人としての義務です。
相続が発生したときに、すでに発生していた連帯保証債務だけでなく、これから発生するかもしれない連帯保証債務も、相続人に引き継がれます。
相続人が相続放棄をした場合、被相続人の義務を引き継ぐことがなくなります。
相続人は、連帯保証人として被相続人が負っていた義務を引き継ぐことがありません。
被相続人が第三者の連帯保証人になっていても、家族に知らせていないことがあります。
貸主としては、借主から順調に返済されている間は連帯保証人に何も言うことがありません。
返済が滞ってから、連帯保証人に連絡してきます。
ときには相続が発生してから長い間経過してから、連絡してくることがあります。
何も知らなかった相続人は貸主に文句を言いたくなりますが、被相続人と相続人の連絡不足です。
貸主を責めることはできません。
相続放棄の申立ができるのは、3か月以内です。
3か月の起点は、被相続人が死亡してからではなく、相続があったことを知ってからです。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
保証債務の存在を知ってから3か月以内であれば、相続放棄が認められることも多いでしょう。
相続が発生してから長い間経過している場合、相続財産を処分していることもあるでしょう。
相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。
相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。
5相続人が連帯保証人の場合
①連帯保証人の地位に影響はない
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も相続人が受け継ぎます。
被相続人が多額の借金を負っていた場合、相続人は相続放棄をすれば、被相続人の借金を受け継ぐことはありません。
被相続人が借金をする場合、家族が連帯保証人になっているケースがあります。
連帯保証人の義務は、連帯保証契約に基づく相続人の固有の義務です。
金銭消費貸借契約に基づく、借金を返す義務とは別の義務です。
相続放棄をしても、連帯保証人の義務には影響がありません。
被相続人の借金を受け継ぐことがなくなっても、連帯保証人の義務は消えません。
相続人がもともと負担していた義務なので、相続があってもなくても、相続放棄をしてもしなくても、変わりはないのです。
②借金は消えない
相続人が相続放棄をしても、借金自体はなくなりません。
相続人全員が相続放棄をした場合でも、借金は存続します。
相続人が不存在の場合、相続財産は相続財産法人になります。
相続財産には、プラスの遺産もマイナスの遺産も含まれます。
相続財産法人は、プラスの遺産だけでなく、マイナスの遺産も含まれます。
③貸主は連帯保証人に請求できる
もともと、お金をきちんと返してもらえるか心配なので、肩代わりをする人を立ててもらっています。
お金を返してもらえなかったら、肩代わりをしてもらうのは当然です。
連帯保証人も、借主がお金を返済できなかったら肩代わりをすると納得しているはずです。
だから、貸主はお金を返してもらえない以上、連帯保証人に請求します。
連帯保証人が保証義務を履行できない場合、相続人自身が自己破産をするなどの債務整理手続をすることになります。
後から自己破産をするのであれば、相続放棄の申立は不要にも見えます。
相続放棄の申立をすることをおすすめします。
相続放棄をしておかないと、連帯保証人になっているもの以外についても対応する必要があるからです。
相続放棄をしておけば、連帯保証人になっている貸主だけ対応すればよくなり、債務整理がラクになるからです。
④求償権
連帯保証人が借主に代わってお金を支払ったら、借主に払ったお金を請求することができます。
借主に払ったお金を請求する権利が、求償権です。
例えば、住宅ローンの連帯保証人になっていた場合、借主に代わって連帯保証人がお金を払うケースもあるでしょう。
連帯保証人が借主に代わってお金を払ったら、連帯保証人は求償権を取得します。
住宅ローンのお金を払っても、住宅は借主の財産です。
住宅が連帯保証人のものになるのではありません。
連帯保証人は借主に払ったお金を請求することができるだけです。
借主が死亡していたら、借主の相続人に請求できます。
借主の相続人全員が相続放棄をしていたら、相続財産法人に請求することになります。
6身元保証人の地位は相続されない
被相続人が就職などの身元保証人になっていることがあります。
身元保証人の地位は、被相続人の一身に専属した義務と考えられています。
身元保証人の地位は、相続されません。
被相続人の死亡によって、義務は消滅します。
相続が発生する前に損害賠償債務が発生している場合、損害賠償債務は相続の対象になります。
すでに発生した債務は、通常の金銭債務だからです。
7上限額のない根保証債務は相続発生後のものは相続されない
根保証とは、一定の範囲内の債務を保証する契約です。
今の民法では、個人が保証人になる場合、保証の限度額を決めていないと無効になります。
古い契約では、保証の上限額を決めていないものもあります。
古い契約であれば、保証の上限を決めていなくても有効です。
だからといって、無制限に肩代わりをするのは、あまりに酷です。
上限額の定めがない根保証人の地位は相続されません。
相続発生の時点ですでに発生している債務は、相続の対象になります。
8相続放棄を司法書士に依頼するメリット
実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続きを取ることはできますが、高等裁判所の手続きで、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
被相続人が連帯保証人になっている場合、家族に知らせていないことは珍しいことではありません。
近くに暮らしていない場合など、被相続人の財産状況すらあまり知らないこともよくあります。
借主の経済状況が悪化して、保証債務の履行を求められてはじめて、相続人は連帯保証債務の存在を知ることになります。
ほとんどの場合、相続発生から3か月以上経過しています。
相続発生から3か月以上経っている場合、相続放棄の申立は、原則として認められません。
相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。
通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。
3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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相続放棄-家族信託
1家族信託とは
所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。
だから、所有権は、自由にものを売る権利であるし、自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。
所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体といえます。
たくさんの権利の集合体である所有権から、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みを家族のための信託といいます。
この仕組みを利用すると、信頼できる家族は自由にものを売ることができるし、自由に管理することができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を渡す相手は信頼できる家族であればよく、親子でなくても差し支えありません。
2信託財産は独立した財産になる
家族信託をすると、信託財産は信頼できる家族の名義になります。
名義は信頼する家族のものになりますが、その人の財産ではありません。
自由に売る権利や自由に管理する権利を預ける人を、委託者と言います。
自由に売る権利や自由に管理する権利を預かる信頼できる家族のことを受託者と言います。
信託財産は管理や処分をお願いしているだけだから、受託者の固有の財産とは別に扱われます。
信託財産は、受託者の名義になっているだけで、独立した財産です。
信託財産は、委託者の固有の財産でもありません。
信託財産は委託者の財産でもないし、受託者の財産でもなくなります。
信託財産は、だれの財産でもない独立した財産です。
委託者の固有の財産ではないから、委託者に相続が発生した場合、信託財産は相続財産になりません。
相続財産になるのは、委託者の固有の財産だけです。
信託契約では、いつ信託が終了するのか、信託が終了したら信託財産はだれが受け継ぐのか決められます。
信託財産は、信託契約で決められたときに終了し、信託契約で決められた人に受け継がれます。
3家族信託があっても相続放棄はできる
家族信託の委託者に相続が発生した場合、相続財産になるのは委託者の固有の財産だけです。
相続人は、相続放棄をすることができます。
相続放棄をしたら、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け取ることはできません。
受け取ることができないのは、相続財産についての話です。
相続放棄をしたら、相続財産のうちプラスの財産も、相続財産のうちマイナスの財産も受け取ることはできません。
委託者が信託した財産は独立した財産だから、相続放棄の影響を受けません。
信託契約で決められたときに終了し、信託契約で決められた人が受け継ぎます。
委託者が死亡したとき信託が終了すると決められているケースもあるでしょう。
信託が終了したら信託財産を受け継ぐと指定された人が、相続人であることもあるでしょう。
信託が終了したら信託財産を受け継ぐと指定された人がだれであっても、相続人は、相続放棄をすることができます。
相続人として相続放棄をした場合であっても、信託契約は影響を受けません。
信託財産は、信託契約の定めに従って受け継がれます。
相続人が相続放棄をした場合であっても単純承認をした場合であっても、信託契約に従って信託財産を受け継ぐことができます。
4借金逃れで家族信託を悪用することはできない
信託財産は、委託者の固有の財産でもありません。
信託財産は委託者の財産でもないし、受託者の財産でもなくなります。
信託財産は、だれの財産でもない独立した財産です。
原則として、相続放棄をしても、信託が終了したら信託財産を受け継ぐと指定された人は信託財産を受け取ることができます。
例えば、委託者の財産がわずかなプラスの財産と莫大なマイナスの財産であるようなケースで問題になります。
この状況で、委託者がわずかなプラスの財産すべてを信託契約で信託財産にすることが考えられます。
莫大なマイナスの財産は委託者の固有の財産のままです。
この後、相続が発生した場合、相続人は相続放棄をするでしょう。
原則どおりでは、相続財産と信託財産は別物だから、マイナスの財産を受け継がずに、わずかなプラスの財産を受け取ることができるとなってしまいます。
このようなことができると、債権者にあまりに気の毒です。
債権者は、裁判所に訴えて、理不尽な信託の取り消しを請求することができます。
借りたお金を返さなければならないのに、不当に家族信託にして結果、お金を返せなくしているからです。
自分の財産を不当に減少させたら、お金を貸した人はお金を返してもらえなくなる結果になります。
お金を貸した人が困ることを分かっていて、契約した信託を詐害信託と言います。
お金を貸した人が困ることについて、委託者と受益者が知っていた場合、信託は詐害信託と言えます。
裁判所に詐害信託と認められたら、信託は取り消されます。
お金を貸した人が困ることについて、受託者は知っていても知らなくても関係がありません。
受託者は信託財産を預かって管理しているだけだから、保護の必要性がないからです。
お金を貸した人が困ることについて、知っていても知らなくても、受託者は裁判の被告になります。
お金を貸した人が困ることについて、受益者が知っていた場合、第三者に受益権を譲渡することがあります。
詐害信託に認定されると、裁判所から信託財産からの給付が取り消されてしまうからです。
信託財産からの給付を取り消されないようにするために、お金を貸した人が困ることについて、何も知らない第三者に信託受益権を無償で譲渡しようとするのです。
このような行為は、不当な行為です。
このような不当な行為をした場合、お金を貸した人が困ることについて、受益者は知っていても知らなくても、受益者は知っていたと扱われます。
つまり、受益者はお金を貸した人が困ることについて知らなかったから、保護して欲しいとは言えなくなるという意味です。
無償で譲渡するとは、無償のときだけでなく、通常とは不釣り合いな有償の場合を含みます。
わずかな有償は、無償と同視されるという意味です。
わずかな額で、保護されることは不当だからです。
5家族信託を悪用すると取消される
債権者は、裁判所に訴えて、理不尽な信託の取り消しを請求することができます。
さらに、次のような効果があります。
①信託財産からの給付が取消される
信託財産からの給付がされる前の場合で、かつ、受益者全員が債権者が困るのを知っていた場合、信託財産からの給付が取消されます。
信託財産からの給付がされた後の場合で、かつ、債権者が困るのを知っていた受益者について、信託財産からの給付が取消されます。
②信託受益権の譲渡請求ができる
債権者が困るのを知っていた受益者について、信託受益権を委託者に譲渡するように請求することができます。
③自己信託の特例
家族信託は、委託者と受託者が同じ人で設定することができます。
委託者と受託者が同じ人になる信託を、自己信託と言います
自己信託であっても、信託財産と固有の財産は別物と扱うのが原則です。
借金逃れなど債権者を困らせる目的で、自己信託を設定することはやはり許されることではありません。
自己信託が詐害信託である場合、債権者を保護するため、信託財産と固有の財産は別物と扱いません。
債権者は、信託財産であっても差押などの執行をすることができます。
借金逃れなど家族信託を悪用することはできないのです。
6家族信託を司法書士に依頼するメリット
家族信託は、信託契約によって柔軟に設計することができます。
今までの遺言書や後見などでできないことも実現することができます。
柔軟で自由に設計できるからこそ、契約内容や手続きは難しく専門家のサポートが欠かせません。
委託者の固有の財産から切り離して、だれの財産でもない独立した財産にできることも大きな魅力でしょう。
一方で、このような魅力を悪用することを考える人がいるかもしれません。
借金から逃れるために信託を利用するなどは、典型例でしょう。
このようなことをすると大きなトラブルになってしまいます。
これ以外にも、委託者の固有の財産から切り離して、だれの財産でもない独立した財産にできることから、遺留分を侵害する恐れもあります。
遺留分侵害額請求から逃れるために信託を悪用する事例もあります。
委託者、受託者、受益者の関係者がすべて家族で完結するから安心と言えますが、全員に知識がないことが多くトラブルに発展しやすいと言えます。
家族全員が家族信託について話し合い、充分知識をつけて、何でも相談できるのであれば、円滑に運用することができるでしょう。
充分な知識がないのに、信託を設定するとトラブルが起きると言えます。
受託者監督人など家族以外の専門家のサポートを受ける方が安心できる場合もあります。
家族信託は、公正証書で契約しなくても有効になります。
公正証書は公証人という専門家の目も通るし、契約内容についてのトラブルを防ぐこともできます。
やはり専門家のサポートが欠かせないというべきでしょう。
家族信託を考えている方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
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相続放棄-アパート経営
1貸主の地位は相続財産
被相続人が賃貸マンションや賃貸アパートを保有していることがあります。
お部屋を貸している人が死亡しても、賃貸借契約は終了しません。
相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続人が相続する財産が、相続財産です。
賃貸マンションやアパートのような収益不動産は、人に貸して収益をあげています。
賃貸マンションやアパートのような物は相続財産としてイメージしやすいでしょう。
これ以外にも、大家の地位も相続の対象になります。
2債務超過なら相続放棄ができる
被相続人が賃貸マンションや賃貸アパートを保有していた大家と聞くと、一般的に資産家のイメージが浮かびます。
被相続人が収益不動産を上手に活用して、大きな収益をあげていたかもしれません。
家族が全く関与していない場合、不動産経営に不安を感じることでしょう。
不動産の収益状況が良く資産価値が高いのであれば、相続して不動産を売却するのがいいでしょう。
賃貸マンションや賃貸アパートの立地によっては、空室が多く収益がよくないことがあります。
賃貸マンションや賃貸アパートが老朽化して、多額の修繕費が必要な場合もあるでしょう。
賃貸マンションや賃貸アパートを建築するとき多額のローンが残っているかもしれません。
収益が悪化しているなど相続すると相続人の人生が破綻する場合、相続放棄をすることができます。
相続放棄は、相続人間の話し合いで賃貸マンションや賃貸アパートを受け継がないと申し入れをすることではありません。
相続人全員の遺産分割協議書に賃貸マンションや賃貸アパートを受け継がないと記載して全員で署名実印押印をすることでもありません。
家庭裁判所に書類を揃えて、相続放棄の申出をすることです。
家庭裁判所に相続放棄を認めてもらうことが重要です。
家庭裁判所が相続放棄を認めても、相続財産を処分した場合、相続放棄は無効になります。
相続財産を処分するとは、典型的には、被相続人の預貯金を使った、被相続人あての請求を相続財産で支払ったというものでです。
賃貸マンションや賃貸アパートの経営に関わるものとしては、家賃を入居者に請求した、家賃の受取口座を自分名義の口座にしたなどがあります。
相続財産を処分したと判断されると、相続放棄は無効になります。
3相続放棄をしても連帯保証人の義務はそのまま
被相続人が賃貸マンションや賃貸アパートを建築するとき、不動産ローンを組むことがあります。
多額の融資を受けることになるので、金融機関は連帯保証人を立てることを求めてきます。
被相続人がローンを組む場合、相続人が連帯保証人になっていることがあります。
連帯保証人は、ローンを組んだ人がお金を返せなくなった場合に肩代わりをしますと銀行に約束した人です。
銀行は、ローンを組んだ人がお金を返せなくなっても、肩代わりの人に請求できるので安心してお金を貸せます。
被相続人が多額のローンを残したまま死亡した場合、相続人は相続放棄をすることができます。
相続人が相続放棄をした場合、被相続人の借金を相続することはありません。
相続人として被相続人のアパートローンを返す義務はなくなりますが、肩代わりの義務は残ります。
借金を肩代わりする義務は、銀行と相続人がした契約だからです。
相続とは関係ない相続人の固有の義務だからです。
被相続人が不動産ローンを残したまま死亡した後、相続人が相続放棄をしたら借金を返してもらえなくなります。
ローンを組んだ人がお金を返せなくなった場合に肩代わりをしますと約束してもらったのだから、銀行は約束どおり肩代わりをしてくださいと言ってきます。
相続放棄したから、肩代わりはしませんということはできません。
肩代わりの義務は、相続とは関係ない相続人固有の義務だからです。
4不動産ローンの連帯保証人になるのは慎重に
アパート経営は、事業リスクがある不動産事業です。
被相続人の名義でアパートローンを組んだ場合であっても、実態としては不動産事業は家族で経営していることが多いものです。
だから、銀行は家族を連帯保証人に立てるように求めてきます。
連帯保証人でない相続人は相続放棄をした場合、被相続人の借金を相続することはありません。
連帯保証人である相続人は相続放棄をした場合、連帯保証人として被相続人の借金から逃れられません。
連帯保証人は、アパート経営を引き継がなければならなくなるのです。
連帯保証人が死亡した場合、連帯保証人の地位は相続人に相続されます。
連帯保証人の配偶者や子どもなどは何も知らないところで連帯保証人の地位を相続してしまうおそれがあります。
アパートローンを組んだ人が順調にローン返済ができている間は、銀行は困ることがないからです。
順調に不動産ローンが返済されている間は、連帯保証人に何も言って来ないのが通常です。
アパートに空室や家賃の滞納が多くなった場合、貯金を切り崩してローンを返済することなります。
アパートの家賃以外の収入や貯金を使って返済しきれなった場合、ローン返済が滞ることになります。
連帯保証人の地位を相続して長期間経過してローンの返済が滞ってから、銀行は肩代わりを求めてきます。
今まで何も教えてもらえなかったのにと文句を言いたい気持ちは分かりますが、銀行に非はありません。
連帯保証人の家族間の連絡不足です。
相続放棄は、相続の発生を知ってから3か月以内に家庭裁判所に手続をしなければなりません。
相続の発生を知ってから3か月以上経過している場合でも、大きな借金があることを知ってから3か月以内であれば、相続放棄は認められる場合があります。
相続が発生してから長期間経過している場合、銀行預金などの解約や自宅などの名義変更をしているでしょう。
銀行預金などの解約や自宅などの名義変更をした場合、単純承認をしたとみなされます。
単純承認をした場合、相続放棄をすることはできません。
家庭裁判所が事情を知らずに相続放棄を認めてしまった場合であっても、単純承認した場合は相続放棄が無効になります。
5家族を不動産ローンの連帯保証人にしない方法
不動産投資は株式投資と比べると、一般的に言ってリスクが低いとされています。
不動産投資でまとまった金額が必要になるため、家族を連帯保証人にしたくない人もいるでしょう。
①団体信用生命保険に加入する
連帯保証人は、ローンを組んだ人がお金を返せなくなった場合に肩代わりをしますと銀行に約束した人です。
団体信用生命保険は、債務者が死亡した場合や高度障害を負った場合、ローン残債を返済してくれる保険です。
不動産ローン商品によっては団体信用生命保険に加入することで連帯保証人を立てなくても済みます。
ローンの返済義務がなくなった場合、家賃収入があれば相続人は安心できるでしょう。
一方で、団体信用生命保険に加入する場合、ローンの金利が上乗せされます。
ローンの借り入れ額が通常より制限されることがあります。
年齢によっては、団体信用生命保険に加入することができない場合があります。
②法人化する
個人事業を法人にしたうえで、法人がアパート経営をする方法があります。
法人がアパートローンを組み、法人の代表者が連帯保証人になる方法です。
法人化すると、家族を連帯保証人にすることなく済みます。
一方で、法人設立の手間と費用がかかります。
税務申告や税金の負担、社会保険の強制加入になるなどの負担があります。
6アパート経営の相続放棄を司法書士に依頼するメリット
大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。
やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。
収益物件を保有している人は、資産家であることが多いので収益物件の評価額も気になることが多いでしょう。
賃貸マンションや賃貸アパートの収支状況がいい場合ばかりではありません。
賃貸マンションや賃貸アパートを相続すると、相続人の人生が破綻しかねない場合もあります。
相続人が遠方に住んでいる、アパート経営に関心や自信がない場合もあるでしょう。
ローン残債が多額で多額の修繕が必要であるなどメリットがない場合は相続放棄をすることができます。
相続放棄の手続も司法書士はサポートします。
賃貸マンションや賃貸アパートの相続について、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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