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代償分割をするときの遺産分割協議書の書き方

2026-07-07

1代償分割で公平な相続が期待できる

①代償分割は代償金を払ってもらう方法

相続財産には、いろいろな財産が含まれています。

現金や預貯金は、分けやすい財産です。

不動産は、分けにくい財産です。

相続財産の大部分が分けにくい財産の場合、相続人全員の合意が難しくなるでしょう。

相続財産の大部分が分けにくい財産の場合、代償分割をすることで合意ができることがあります。

代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらう方法です。

代償金を払ってもらうことで、公平な遺産分割をすることができます。

②代償分割で代償金の決め方

代償分割は、相続財産を分ける方法のひとつです。

どのような方法で相続財産を分けるのか、相続人全員の合意で決定します。

代償分割をすると決めた後、代償金をいくらにするのか相続人全員の合意で決定します。

代償金をいくらにするのかは、遺産分割協議の一部だからです。

不動産は、分けにくい財産の代表例です。

相続財産の大部分が不動産である場合、代償分割は有効です。

公平な遺産分割を実現しやすいからです。

不動産の評価方法は、複数あります。

代償分割の対象が不動産である場合、不動産の評価額をいくらと考えるかで話し合いがまとまらないおそれがあります。

不動産には、次の評価方法があります。

(1)公示地価

国土交通省が発表する1平方メートルあたりの標準価格です。

国土交通省という国の機関が発表しているから、信用があります。

(2)相続税評価額(路線価方式)

相続税や贈与税を申告するときに使う評価額です。

申告の便宜を図るため、国税局が発表します。

路線価は、公示価格の80%になるように定められています。

(3)固定資産税評価額

固定資産税を計算するときに使う評価額です。

固定資産税を課税するため、各市町村が発表します。

固定資産税評価額は、公示価格の60%になるように調整されています。

(4)時価

実際に、売買されるときの金額です。

市場の需要と供給で、決まります。

(5)鑑定評価額

不動産鑑定士が業として鑑定した評価額です。

公平な評価が必要なときに、用いられます。

評価方法によって、不動産の評価額は大きく異なります。

どの評価方法を採用するのか、相続人全員の合意で決定します。

どの評価方法を採用するのか決められないと、不動産の評価額をいくらと考えるか決められなくなります。

不動産をどの評価方法を採用して評価額をいくらと考えるのか、相続人全員の合意で決定します。

代償金をいくらにするのか、相続人全員の合意で決定します。

2代償分割をするときの遺産分割協議書の書き方

①代償が金銭である場合の書き方

記載例

相続人〇〇〇〇は第〇条に記載された財産を取得する代償として、相続人□□□□に対して金〇〇万円を令和□年□月□日限り、以下の口座に振込みの方法により支払う。

振込手数料は、相続人〇〇〇〇が負担する。

□□銀行□□支店

普通預金

口座番号□□□□□□□

口座名義人 □□□□

振込期限を明記し、振込手数料の負担についても記載しておくといいでしょう。

②代償が金銭以外である場合の書き方

記載例

相続人〇〇〇〇は第〇条に記載された財産を取得する代償として、相続人□□□□に対して相続人〇〇〇〇所有の下記不動産を譲渡する。

所有権移転登記手続は、令和□年□月□日までにする。

登録免許税、司法書士報酬等所有権移転のための費用は、相続人〇〇〇〇の負担とする。

所在 〇〇市〇〇町〇丁目

地番 〇〇番

地目 宅地

地積 〇〇平方メートル

代償分割をする場合、代償は金銭以外でも差し支えありません。

固有の財産である不動産を代償として贈与することができます。

不動産を特定するために、登記簿の内容を一字一句間違いなく書き写します。

③代償を受け取る相続人が複数いる場合の書き方

記載例

相続人〇〇〇〇は第〇条に記載された財産を取得する代償として、下記のとおり代償金を支払う。

いずれも、振込手数料は、相続人〇〇〇〇が負担する。

相続人□□□□に対して

代償金額 金□□万円

支払期限 令和□年□□月□□日限り

□□銀行□□支店

普通預金

口座番号□□□□□□□

口座名義人 □□□□

振込みの方法により支払う。

相続人◇◇◇◇に対して

代償金額 金◇◇万円

支払期限 令和◇年◇◇月◇◇日限り

◇◇銀行◇◇支店

普通預金

口座番号◇◇◇◇◇◇◇

口座名義人 ◇◇◇◇

振込みの方法により支払う。

④代償金を分割払いするときの書き方

記載例

第〇条

相続人〇〇〇〇は第〇条に記載された財産を取得する代償として、相続人□□□□に対して金〇〇万円を、次のとおり分割して支払う。

 (1)令和□年□月から令和□年□月まで □回

  毎月□日限り 金□万円

 (2)令和□年□月□日限り 金□万円

第〇条

前条の支払は、以下の口座に振込みの方法により行う。

振込手数料は、相続人〇〇〇〇が負担する。

□□銀行□□支店

普通預金

口座番号□□□□□□□

口座名義人 □□□□

⑤代償金の支払に遅延損害金を合意したときの書き方

相続人〇〇〇〇が第〇条の支払いを怠り、その額が金〇万円に達したときは、当然に期限の利益を喪失し、相続人〇〇〇〇は相続人□□□□に対し第〇条の代償金から既払金を控除した残額及びこれに対する期限の利益を喪失した日の翌日から支払済まで年〇%の割合による遅延損害金を付加して支払う。

⑥代償金の支払い担保のため抵当権を設定するときの書き方

第〇条

相続人〇〇〇〇は、第〇条の支払いを担保するため、第〇条の土地及び建物に相続人□□□□を債権者とし債権額金〇〇万円とする第1順位の抵当権を設定し、登記手続をする。

登記手続費用は、相続人〇〇〇〇の負担とする。

第〇条

前条の抵当権設定登記は、相続人〇〇〇〇が第〇条の土地及び建物について相続登記をする際に同時に行うものとする。

3代償分割をするときの注意点

①代償分割であることは遺産分割協議書に明記

代償分割とは、遺産分割の方法のひとつです。

一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらいます。

代償分割における代償金を受け取っても、贈与税の対象にならないのが原則です。

代償分割をする場合、遺産分割協議書に代償分割であることを明記します。

代償金の支払が遺産分割の一環であることを証明するためです。

遺産分割協議書に明記していない場合、代償金の受取りなのに単なる贈与と判断されるでしょう。

単なる贈与と判断された場合、贈与税の対象になります。

贈与税は、想像以上に高額になりがちです。

代償分割であることは、遺産分割協議に明記します。

②高額過ぎる代償金は贈与税の対象

代償金をいくらにするのか、相続人全員の合意で決定します。

代償分割であることを証明するため、遺産分割協議書に明記します。

遺産分割協議で決定しても、実質的に代償金でないことがあります。

代償分割は、分けにくい財産を相続した相続人が他の相続人に代償金を払う分割方法です。

分けにくい財産の評価額を大幅に超える代償金を払う合意をした場合、実質的に代償金とは認められないでしょう。

代償金名目の贈与と、判断されるおそれがあります。

例えば、相続財産が自宅1000万円のみで、相続人が長男と次男の2人のケースがあります。

自宅を長男が相続した場合、長男が固有の財産から500万円程度の代償金を支払うのであれば問題はありません。

長男が固有の財産から2000万円の代償金を支払う場合、代償金名目の贈与と判断されるでしょう。

例えば、自宅1000万円を長男が相続し、かつ、次男が生命保険の死亡保険金3000万円を受け取っているケースがあります。

次男から長男へ1000万円支払うのが平等に見えるかもしれません。

生命保険の死亡保険金を受け取った後、次男から長男に1000万円支払った場合、代償金とは認められないでしょう。

生命保険の死亡保険金は、受取人の固有の財産です。

相続財産では、ありません。

相続による遺産分割とは無関係に、贈与があったと言えます。

遺産分割協議書に代償金と明記しても、実質的に代償金とは認められません。

次男が生命保険の死亡保険金を受け取った後、長男に1000万円支払うこと自体はできないことではありません。

自分の固有の財産は、自由に贈与をすることができるからです。

自分の固有の財産を贈与した場合、金額によっては贈与税が課されます。

高額過ぎる代償金は、贈与税の対象です。

③不動産を代償にしたときに譲渡所得税・不動産取得税・登録免許税

代償分割をする場合、他の相続人に代償金を支払う必要があります。

代償金は、現金で払うのが一般的です。

現金を準備することが難しいことがあるでしょう。

相続人全員で合意できれば、現金以外の財産を代償とする代償分割をすることができます。

例えば、固有の財産である不動産を代償として、譲渡することができます。

固有の財産である不動産を代償として譲渡した場合、時価で譲渡したと考えられます。

固有の財産である不動産を取得してから、値上がりしていることがあるでしょう。

値上がり益が実現したから、譲渡所得税の対象になります。

相続で不動産を取得した場合、不動産取得税の対象にはなりません。

代償分割で不動産を代償として取得した場合、不動産取得税の対象です。

遺産分割協議書に代償分割と明記しても、不動産取得税は免れられません。

代償分割で不動産を代償として譲渡した場合、譲渡する不動産の名義変更をします。

不動産の名義変更をする場合、登録免許税が課されます。

相続による所有権移転登記の登録免許税は、不動産の評価額の1000分の4です。

代償分割による譲渡による所有権移転登記の登録免許税は、不動産の評価額の1000分の20です。

代償分割による譲渡の登記原因は、遺産分割による贈与です。

遺産分割協議書に代償分割と明記しても、登録免許税が1000分の4に軽減されません。

不動産を代償にしたときに、譲渡所得税・不動産取得税・登録免許税に注意が必要です。

④代償金を払ってもらえなくても一方的解除はできない

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続人全員で合意ができたら、遺産分割協議は成立し終了します。

一般的に、売買などで代金を払ってもらえない場合、売主は一方的に契約を解除することができます。

遺産分割協議に、一方的に解除する制度はありません。

代償金を払ってもらえなくても、遺産分割協議を一方的に解除することはできません。

遺産分割協議が終了した後は、代償金を支払う人と受け取る人の問題になります。

金銭を支払う人と受け取る人の話し合いで解決を図ります。

代償金を払ってもらえなくても、一方的解除はできません。

⑤遺産分割協議書を公正証書にできる

代償分割では、代償金を確実に支払ってもらうことが重要です。

はじめから代償金を払うつもりがないのに、合意だけするかもしれません。

合意したときは代償金を払うつもりだったけど、代償金が惜しくなるかもしれません。

遺産分割協議書は、相続財産の分け方について相続人全員の合意内容の証明書です。

代償分割をする場合、公正証書で遺産分割協議書を作成することがおすすめです。

公正証書で作成する場合、強制執行認諾文言を入れることができるからです。

強制執行認諾文言とは「代償金が支払われない場合、直ちに強制執行に服する」といった文言です。

強制執行認諾文言がある場合、公正証書は裁判による判決と同様の効力が与えられます。

遺産分割協議書を公正証書にすることができます。

4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は、相続財産の分け方について相続人全員の合意内容の証明書です。

合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できます。

書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。

もともとトラブルの火種があるのなら、いっそう慎重になる必要があるでしょう。

遺産分割協議書は、公正証書にしなくても済むことが多いものです。

慎重を期して、公正証書にした方がいいケースがあります。

せっかく合意ができたのに、その後にトラブルになるのは残念なことだからです。

公正証書にするためには、手間と費用がかかります。

公正証書にする手間と費用を惜しむと、後々大きな手間と高額な費用を負担することになります。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を公正証書にしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

代償分割で支払う現金がない

2026-07-07

1代償分割で公平に遺産分割

①代償分割は代償金を支払ってもらう方法

被相続人の財産には、さまざまな財産があるでしょう。

現金や預貯金は、分けやすい財産です。

不動産は、分けにくい財産です。

相続財産の大部分が分けにくい財産の場合、相続人全員の合意が難しくなるでしょう。

相続財産の大部分が分けにくい財産の場合、代償分割をすることで合意ができることがあります。

代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらう方法です。

代償金を払ってもらうことで、公平な遺産分割をすることができます。

②代償分割で代償金の決め方

代償分割は、相続財産を分ける方法のひとつです。

どのような方法で相続財産を分けるのか、相続人全員の合意で決定します。

代償分割をすると決めた後、代償金をいくらにするのか相続人全員の合意で決定します。

代償金をいくらにするのかは、遺産分割協議の一部だからです。

不動産は、分けにくい財産の代表例です。

相続財産の大部分が不動産である場合、代償分割は有効です。

公平な遺産分割を実現しやすいからです。

不動産の評価方法は、複数あります。

代償分割の対象が不動産である場合、不動産の評価額をいくらと考えるかで話し合いがまとまらないおそれがあります。

不動産には、次の評価方法があります。

(1)公示地価

国土交通省が発表する1平方メートルあたりの標準価格です。

国土交通省という国の機関が発表しているから、信用があります。

(2)相続税評価額(路線価方式)

相続税や贈与税を申告するときに使う評価額です。

申告の便宜を図るため、国税局が発表します。

路線価は、公示価格の80%になるように定められています。

(3)固定資産税評価額

固定資産税を計算するときに使う評価額です。

固定資産税を課税するため、各市町村が発表します。

固定資産税評価額は、公示価格の60%になるように調整されています。

(4)時価

実際に、売買されるときの金額です。

市場の需要と供給で、決まります。

(5)鑑定評価額

不動産鑑定士が業として鑑定した評価額です。

公平な評価が必要なときに、用いられます。

評価方法によって、不動産の評価額は大きく異なります。

どの評価方法を採用するのか、相続人全員の合意で決定します。

どの評価方法を採用するのか決められないと、不動産の評価額をいくらと考えるか決められなくなります。

不動産をどの評価方法を採用して評価額をいくらと考えるのか、相続人全員の合意で決定します。

代償金をいくらにするのか、相続人全員の合意で決定します。

③代償分割は遺産分割協議書に明記

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続人全員の合意内容がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員の合意内容の証明書です。

書面に取りまとめた後、相続人全員に合意内容に間違いないか確認してもらいます。

間違いなければ、相続人全員が記名し実印で押印してもらいます。

遺産分割協議書の押印が実印によることを証明するために、印鑑証明書を添付します。

代償分割をする合意をした場合、遺産分割協議書に明記します。

遺産分割協議書に書いてない場合、単なる贈与であると判断されるおそれがあります。

単なる贈与と判断された場合、贈与税の対象になるでしょう。

贈与税は、想像以上に高額になりがちです。

代償分割の合意をした場合、遺産分割協議書にはっきり明記します。

2代償分割で支払う現金がない

①分割払いで滞納のリスクがある

代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらう方法です。

代償の支払は、一括払いが一般的です。

相続人が合意できるのであれば、分割払いにすることができます。

代償金の支払いを分割払いにした場合、将来、支払われなくなるリスクがあります。

将来、代償金が支払われなくても、債務不履行で解除はできません。

確実に支払ってもらうために、代償金を分割払いにすることができます。

分割払いにすると、滞納リスクがあります。

滞納リスクを承知したうえで、分割払いの合意をすることができます。

②不動産などで支払うと譲渡所得税の対象

代償の支払は、現金が一般的です。

代償金が支払えない場合、当事者が合意できれば、金銭以外の財産を代償にすることができます。

代償を支払う相続人が固有の財産である不動産を代償として、譲渡することができます。

代償として譲渡する不動産は、相続が発生したときの時価で譲渡されたと判断されます。

固有の財産を取得したときから相続が発生したときまでに、不動産が値上がりしていることがあります。

値上がり益に、譲渡所得税が課されます。

不動産を手放すうえに、譲渡所得税の対象になります。

代償の支払いを確実にするため代償を金銭以外にすることができるけど、税金に注意が必要です。

譲渡所得税が課されるデメリットを承知したうえで、現金以外の財産で支払うことができます。

③代償分割より換価分割

代償分割は、任意に代償を払ってもらう方法です。

代償金が払われない場合、そもそも代償分割が適切でないかもしれません。

相続財産の分け方には、換価分割の方法があります。

換価分割とは、不動産を売却してお金に換えた後、お金を分ける方法です。

売却代金を分けるから、代償金を払ってもらえないと心配する必要はありません。

換価分割では、不動産を売却してお金に換えます。

せっかく家族が守ってきた不動産を手放すことへの罪悪感にかられて、話し合いがまとまらなくなる点がデメリットです。

家族が守ってきた不動産を手放すデメリットを承知したうえで、換価分割が適切かもしれません。

④代償分割より分筆

代償分割は、任意に代償を払ってもらう方法です。

代償金が払われない場合、そもそも代償分割が適切でないかもしれません。

相続財産の分け方には、現物分割の方法があります。

現物分割とは、財産現物を分けて相続する方法です。

土地であれば、分筆して相続します。

便利がいい場所にある不動産は、小さくても高い評価額になることがあります。

分筆すると、小さくなりすぎて使い勝手が悪くなる点がデメリットです。

極端に小さな不動産は、財産的価値が低くなるでしょう。

小さくなりすぎて評価額が低くなるデメリットを承知したうえで、分筆した方が適切かもしれません。

⑤金融機関から借り入れ

不動産を購入するときに、金融機関から借り入れをすることがあります。

金融機関によっては、代償分割における代償金の支払いのために借り入れをすることができます。

代償分割で代償金の支払いが必要になる場合、不動産を相続しているでしょう。

相続した不動産を担保に差し入れることで、まとまった金額を借り入れることができます。

一般的に言って代償金の支払いのためにローンを組む場合、住宅ローンより高利になりがちです。

高利になるデメリットを承知したうえで、金融機関から借り入れをすることができます。

⑥共有はデメリットが大きい

代償金の支払いがなくても、債務不履行で遺産分割協議を一方的に解除することはできません。

相続人全員が合意できれば、遺産分割協議のやり直しができます。

代償金を支払う現金がない場合、不動産を共有するのが公平に見えるかもしれません。

共有財産は、共有している人全員が合意しないと、処分ができません。

不動産を自由に使うことができないから、共有者間でトラブルになりがちです。

共有の不便を解消するために、共有物分割協議をすることになるでしょう。

不動産の共有はデメリットが大きいので、おすすめできません。

3代償金の支払いに応じないときの対処法

相続財産の分け方について相続人全員合意ができた場合、遺産分割協議は成立します。

遺産分割協議で代償金を払うと約束したのに払ってもらえない場合でも、一方的に解除することはできません。

遺産分割協議の合意内容を守ってもらえない場合、遺産分割後の紛争調整調停を申し立てることができます。

遺産分割協議が成立してから長期間経過した後に、紛争調整調停を申し立てることができます。

調停とは、裁判所のアドバイスを受けてする当事者の話し合いです。

当事者同士で話し合いをした場合、感情的になってしまうかもしれません。

家庭裁判所の調停委員と話をすると、冷静に話ができるでしょう。

家庭裁判所の調停委員から公平な意見を根拠にしてアドバイスがされると、納得しやすくなるでしょう。

代償金の支払いについて合意ができた場合、合意内容は調停調書に取りまとめます。

調停調書の内容は、裁判による判決と同様の効力が与えられます。

代償金が支払われない場合、強制執行をすることができます。

②代償金支払い請求訴訟を提起

遺産分割後の紛争調整調停は、当事者の話し合いです。

話し合いで合意を目指します。

遺産分割後の紛争調整調停で話し合っても合意ができない場合、代償金支払い請求訴訟を提起することができます。

代償金支払い請求訴訟は、通常の裁判です。

家庭裁判所でなく、地方裁判所や簡易裁判所の管轄です。

当事者の話し合いで合意できる見込みがない場合、調停をせずに代償金支払い請求訴訟を提起することができます。

代償金支払い請求訴訟を提起した後、判決を得るには相当の時間と費用がかかります。

③遺産分割協議書を公正証書にすると直ちに強制執行

相続財産の分け方について相続人全員が合意できた場合、合意内容は書面に取りまとめます。

多くの場合、遺産分割協議書は私文書で作成します。

代償金の支払いを確実にするため、遺産分割協議書を公正証書にしてもらうことができます。

公正証書で遺産分割協議書を作成した場合、強制執行認諾文言を入れることができるからです。

強制執行認諾文言とは「代償金が支払われない場合、直ちに強制執行に服する」といった文言です。

強制執行認諾文言がある場合、公正証書は裁判による判決と同様の効力が与えられます。

代償金が支払われない場合、直ちに強制執行をすることができます。

④法定相続分で相続登記ができる

被相続人が不動産を持っていた場合、不動産について相続登記をします。

遺産分割協議で、相続人のひとりが不動産を相続する合意をするでしょう。

多くの場合、遺産分割協議で決めた相続人に名義変更をします。

代償金の支払いを担保するため、相続人全員で法定相続分で登記をすることができます。

相続人全員の登記名義があるから、勝手に売却したり担保に差し出すことができなくなります。

単独所有の相続登記を先行させた場合、代償金の支払をうやむやにされるおそれがあります。

代償金の支払いをしないと名義変更に応じてもらえないことは、分かるでしょう。

法定相続分で相続登記をすることで、プレッシャーをかけることができます。

4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。

書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。

せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

法定相続情報一覧図は住民票の代わりになる

2026-07-06

1法定相続情報一覧図は住民票の代わりになる

①法定相続情報一覧図は公的書類

法定相続情報一覧図とは、被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのか家系図のように取りまとめた書類です。

法定相続情報一覧図があると、相続人が一目で分かるからとても便利です。

法定相続情報一覧図は、法務局が発行する公的書類です。

法務局が発行するから、法定相続情報一覧図には高い信頼性があります。

②法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載できる

法定相続情報一覧図があると、相続人が一目で分かるからとても便利です。

法定相続情報一覧図に、相続人の住所を記載することができます。

相続人の住所を記載するか、申出人が自由に決めることができます。

法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載しなくても、やり直しにはなりません。

相続手続では、相続人の住所を証明する必要があることが多いでしょう。

法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載しておくと、便利です。

③相続登記で法定相続情報一覧図が使える

法定相続情報一覧図は、相続登記で提出することができます。

相続登記で法定相続情報一覧図を提出する場合、次の書類は必ず省略できます。

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・被相続人の住民票

・相続人の現在戸籍

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出で、上記の書類は提出しているからです。

法定相続情報一覧図に、相続人の住所を記載することができます。

法定相続情報一覧図に相続人の住所が記載されている場合、相続人の住民票を省略できます。

相続登記では、法定相続情報一覧図は住民票の代わりになります。

④法定相続情報番号提供で法定相続情報一覧図も省略

法定相続情報一覧図を見ると、右上に法定相続情報番号が記載されています。

法定相続情報番号とは、法定相続情報一覧図を特定する番号です。

相続登記では、法定相続情報一覧図は住民票の代わりにすることはできます。

相続登記では、法定相続情報番号提供で法定相続情報一覧図も省略できます。

相続登記では、法定相続情報番号提供で住民票の代わりにすることはできます。

⑤相続登記で住民票の代わりになる理由

法定相続情報一覧図に相続人の住所が記載されている場合、住民票を提出する必要があります。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出で、法務局は住所を点検しているはずです。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出で相続人の住所を点検しているから、あらためて住民票を提出する必要がありません。

相続登記で、法定相続情報一覧図は住民票の代わりにすることができます。

⑥相続登記以外の登記手続で住民票の代わりにならない

法定相続情報一覧図を住民票の代わりにできるのは、相続登記だけです。

相続登記以外の登記手続で、法定相続情報一覧図は住民票の代わりになりません。

例えば、相続人が不動産を購入した場合、売買による所有権移転登記をします。

売買による所有権移転登記では、買主は住民票を提出します。

たとえ法定相続情報一覧図に住所が記載してあっても、住民票の代わりにすることはできません。

売買による所有権移転登記は、相続登記ではないからです。

法定相続情報一覧図は法務局が点検しているのに、相続登記以外では住民票の代わりにすることはできません。

法定相続情報証明制度は、相続手続のための制度です。

たとえ住所が記載されていても、一般的に住所を証明する効力は認められていません。

法定相続情報一覧図は、万能の書類ではありません。

⑦住民票が代わりになるか手続先が判断

(1)預貯金の口座凍結解除で金融機関が判断

預貯金の口座の持ち主が死亡したら、口座は凍結されます。

預貯金の口座凍結解除で、法定相続情報一覧図を使うことができます。

預貯金の口座凍結解除で、必要な書類は金融機関の規定によって異なります。

相続人全員の住民票が必要であるか、金融機関が判断します。

全国銀行協会のガイドラインでは、預貯金の口座凍結解除で相続人全員の住民票は必要とされていません。

大手金融機関も、相続人全員の住民票は必要とされていません。

一部の金融機関では、相続人全員の住民票を求められる可能性があります。

法定相続情報一覧図に住所が記載されている場合、住所確認資料と考える余地があります。

預貯金の口座凍結解除で、金融機関が判断します。

(2)遺族年金や未支給年金等の裁定請求で日本年金機構が判断

遺族年金等の裁定請求で、法定相続情報一覧図を使うことができます。

相続手続ではなくても、死亡時の身分関係や生計同一を確認する必要があるからです。

生計同一を確認するため、住所を確認します。

法定相続情報一覧図で、身分関係を確認することができます。

法定相続情報一覧図に住所が記載されている場合、住所確認資料と考える余地があります。

遺族年金や未支給年金等の裁定請求で、日本年金機構が判断します。

(3)相続税申告で税務署が判断

相続税申告で、法定相続情報一覧図を使うことができます。

相続税申告で、相続人全員の住民票が必要である定めはありません。

国税庁の案内を確認しても、相続人全員の住民票が必要とは書いてありません。

相続税には、さまざまな特例や控除があります。

さまざまな特例や控除に適用される生計同一要件を満たすか、判断する必要があります。

法定相続情報一覧図に住所が記載されている場合、住所確認資料と考える余地があります。

相続税申告で、税務署が判断します。

2法定相続情報一覧図で住民票の代わりに提出できる書類

①法定相続情報一覧図に住所を記載するときは証明書類を提出する

法定相続情報一覧図には、相続人全員の住所を記載しておくと便利です。

相続人の住所証明を別途準備するのは、手間がかかるからです。

法定相続情報一覧図に住所を記載する場合、住所を証明する書類を提出します。

②住所証明書として住民票の代わりに戸籍の附票

住所を証明する書類は、住民票が代表的です。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出で、戸籍の附票を提出できます。

戸籍の附票とは、住所の移り変わりを記録した書類です。

本籍地の市区町村役場が戸籍と一緒に保管しています。

相続手続をする場合、戸籍謄本を取得します。

戸籍謄本と戸籍の附票は、どちらも本籍地の市区町村役場に請求できます。

住民票を請求するより、効率よく手続を進めることができます。

③住所証明書として住民票の代わりに印鑑証明書

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続人全員の合意がまとまったら、合意内容は遺産分割協議書に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。

遺産分割協議書の真正を担保するため、相続人全員の印鑑証明書を添付します。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出で、印鑑証明書を提出できます。

遺産分割協議をした場合、印鑑証明書は必ず準備します。

準備した印鑑証明書を使えるので、効率よく手続を進めることができます。

④住民票は本人確認書類として使える

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出で、申出人は本人確認書類を提出します。

本人確認書類として、住民票を提出することができます。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出の申出人は、原則として相続人です。

法定相続情報一覧図に住所を記載する場合、住所を証明する書類として住民票を提出しています。

申出人の住民票は、住所を証明する書類で同時に本人確認書類です。

一枚提出すれば、住所を証明する書類と本人確認書類を兼ねることができます。

⑤本人確認書類として住民票の代わりになる書類

法定相続情報一覧図で本人確認書類として提出できる書類には、次の書類があります。

・マイナンバーカード表面のコピー

・運転免許証表面と裏面両方のコピー

・戸籍の附票

・印鑑証明書

上記の書類は、住民票の代わりに本人確認書類として提出することができます。

⑥本人確認書類の原本還付にはコピーが必要

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出では、たくさんの書類を提出します。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出で提出する書類のほとんどは、自動で原本還付されます。

本人確認書類は、自動で原本還付がされません。

申出人の住民票を住所を証明する書類と本人確認書類として提出した場合、原本還付がされません。

申出人の住民票を原本還付してもらいたい場合、住民票のコピーを添えて提出します。

住民票のコピーに「原本に相違ありません」と記載して、申出人が記名します。

申出人の押印は、不要です。

3法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記を司法書士に依頼するメリット

法定相続情報一覧図は、書き方が厳格に決まっています。

登記官が認証文を付して交付する公的書類だからです。

法定相続情報一覧図と似たものに、相続関係説明図があります。

相続関係説明図は、比較的自由に書くことができます。

単なる事情説明の書類に過ぎないからです。

法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違いを理解して、ポイントを押さえて書くことが重要です。

相続手続が少ない場合など、法定相続情報一覧図を作るまでもないこともあるでしょう。

逆に、銀行口座をたくさん持っているなど、相続手続をする手続先が多い場合は、法定相続情報一覧図は大変便利です。

要領よく相続手続を進めるためには、不動産の相続登記を先行させるのがおすすめです。

相続登記は、相続手続の中でも難易度が高い手続です。

司法書士などの専門家は、相続登記に必要な戸籍謄本などの書類をすべて準備してくれるからです。

難易度の高い相続登記で使った書類がすべてあれば、銀行などで書類の不足を指摘されることは大幅に減ります。

すみやかな手続を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

自筆証書遺言の法務局保管制度利用のデメリット

2026-07-05

1自筆証書遺言の法務局保管制度は保管だけ安心

①自筆証書遺言は手軽に作成できる

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言とは、自分で書いて作る手軽な遺言書です。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

自筆証書遺言は、手軽に作成できることがメリットです。

②法務局に提出して保管してもらえる

公正証書遺言は、公証役場で厳重に保管されます。

自筆証書遺言は、保管場所に困ります。

保管場所を家族と共有すると、破棄や改ざんのリスクがあります。

保管場所を家族と共有しないと、紛失や見つからないリスクがあります。

自筆証書遺言を作成後、作成した遺言書を法務局に保管してもらうことができます。

法務局は保管するだけで、内容について保証しません。

法務局は保管するだけで、執行について保証しません。

提出された自筆証書遺言は、法務局で厳重に保管されます。

自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管だけ安心できる制度です。

自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管だけ不安な人のための制度です。

③法務局保管制度利用で検認不要

自宅などで自筆証書遺言を見つけたら、家庭裁判所に提出して開封してもらう必要があります。

検認手続とは、自筆証書遺言を家庭裁判所に提出して開封してもらう手続です。

検認手続は、遺言書の変造や改ざんを防止する手続です。

法務局保管制度を利用した場合、検認手続は不要です。

自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管だけは安心だからです。

2自筆証書遺言の法務局保管制度利用の法的デメリット

①形式のみチェックする

自筆証書遺言の保管申請を受け付けるとき、法務局は形式チェックをします。

形式チェックの具体的内容は、次の点です。

・自書してあるか

・署名があるか

・日付があるか

・押印があるか

形式面に問題がなければ、保管を受付けます。

②内容の有効性はチェックされない

遺言書の内容の有効性は、チェックしません。

例えば、次のような遺言書は、法務局は問題がないと判断します。

「お兄ちゃんに、家をまかせる」

上記遺言書は、次の点があいまいです。

・お兄ちゃんとは、だれか

・家とは、どの不動産か

・まかせるとは、何を意味するのか

上記遺言書のようなあいまいな表現では、遺言者が死亡した後に家族が困ります。

遺言書があっても、遺言書の内容を実現できないからです。

法務局が保管を受付けても、遺言書の内容が無効である可能性があります。

遺言書の内容を自分で適切に整えるためには、弁護士や司法書士レベルの法律知識が必要です。

知識がないまま遺言書を作成すると、保管されたのに最悪の結果になりかねません。

3自筆証書遺言の法務局保管制度利用の手続上のデメリット

①本人が法務局へ出向く必要がある

(1)出張してもらう制度はない

法務局保管制度を利用する場合、本人が法務局に出向く必要があります。

家族などが代理で、保管申請をすることはできません。

たとえ遺言者本人が病気であっても、本人が出向かないと法務局保管制度は利用できません。

公正証書遺言を作成するときのように、出張してもらう制度はありません。

(2)法務局の業務時間は平日昼間のみ

遺言者に体力があっても、時間が作れないことがあります。

法務局の業務時間は、平日の昼間のみだからです。

法務局の業務時間に出向くことができないと、法務局保管制度を利用することはできません。

②保管申請ができる法務局は限られている

(1)申請できる法務局は限られている

自筆証書遺言保管制度の保管申請は、全国どこの法務局でもできるわけではありません。

自筆証書遺言保管制度の保管申請は、次の地を管轄する法務局に申請できます。

・遺言者の住所地

・遺言者の本籍地

・遺言者所有の不動産の所在地

法務局の管轄は、法務局のホームページで確認することができます。

(2)遺言書保管所は限られている

遺言書保管事務を扱う法務局は、限られています。

遺言書保管所とは、遺言書保管事務を扱う法務局です。

近くの法務局が遺言書保管所に指定されていない場合、指定の法務局に出向く必要があります。

例えば、名古屋市内であれば熱田出張所や名東出張所は遺言書保管所に指定されていません。

近くに熱田出張所や名東出張所があっても、名古屋法務局本局まで出向く必要があります。

(3)地方では管轄が広い

地方では、法務局の管轄が非常に広域です。

最寄りの法務局であっても、距離が遠いことがあります。

例えば、岐阜県高山支局の管轄は、東京都23区よりはるかに広域です。

遺言書保管所まで数十キロ離れていることも、珍しくありません。

③指定の様式の遺言書のみ保管申請ができる

自筆証書遺言の保管申請をするためには、指定様式に適合する必要があります。

民法上自筆証書遺言として問題がなくても、保管申請ができません。

法務局保管制度を利用するための主なルールは、次のとおりです。

・A4サイズ

・模様や彩色がないもの

・上部余白5ミリ以上、下部余白10ミリ以上、左余白20ミリ以上、右余白5ミリ以上

・片面のみ記載

・ページ番号が書いてあること

例1/2、2/2等

・金属製の綴じ具で留められていないこと

上記のルールに違反する遺言書は、保管申請を受け付けてもらえません。

法務局保管制度を利用したいのであれば、作り直す必要があります。

④内容変更の手続が煩雑

(1)書き直しに二段階の手続

遺言書を作成した後に、内容変更をしたくなることがあるでしょう。

少し書き直しをしたいと、考えることがあります。

保管中の自筆証書遺言を書き直す場合、二段階の手続が必要です。

・法務局に出向いて、保管の撤回申請

・法務局に出向いて、書き直した遺言書の保管申請

(2)手続は完全予約制

法務局保管制度を利用する場合、完全予約制です。

体調に波がある人や移動が難しい人にとっては、大きな負担になります。

(3)保管の撤回をしても遺言書は有効

保管の撤回申請は、遺言書の効力を撤回するわけではありません。

法務局の保管を撤回して、自分で保管することができるからです。

遺言書の効力を撤回したい場合、自分で確実に破棄する必要があります。

相続発生後に複数の遺言書が見つかると、トラブルに発展するおそれがあります。

⑤住所や氏名に変更があるときは届出が必要

法務局保管制度を利用した後に、登録内容が変更になることがあります。

登録内容の変更の届出が必要です。

登録内容は、次のとおりです。

・遺言者の住所や氏名

・受遺者の住所や氏名

・遺言執行者の住所や氏名

・死亡時通知人の住所や氏名

適切に届出をしていないと、関係遺言書保管通知が届かなくなるおそれがあります。

4自筆証書遺言の法務局保管制度利用の死亡後のデメリット

①遺言書情報証明書を取得してから執行

(1)検認不要でも手間と時間がかかる

遺言者が死亡したら、公正証書遺言は直ちに執行することができます。

自筆証書遺言の法務局保管制度を利用した場合、すぐに執行することはできません。

遺言書情報証明書を取得しないと、内容を確認することができないからです。

法務局保管制度を利用すると、検認手続が不要になります。

検認手続が不要になっても、家族には遺言書情報証明書を取得する手間と時間がかかります。

窓口で遺言書情報証明書を請求する場合は、法務局の予約が必要です。

遺言書情報証明書を請求すると、審査のため相当時間待たされることになります。

(2)遺言書情報証明書を請求するときの必要書類

・遺言者の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・相続人全員の現在戸籍

・相続人全員の住民票または戸籍の附票

・請求者の本人確認書類

(3)手数料

手数料は、遺言書情報証明書1通につき1400円です。

収入印紙1400円分を手数料納付用紙に貼り付けて、納入します。

(4)遺言書情報証明書は郵送請求ができる

遺言書情報証明書の請求は、窓口に出向いて請求する方法の他に郵送請求ができます。

窓口請求は、法務局の予約が必要です。

郵送請求の場合、返信用封筒と切手を準備する必要があります。

往復の郵送時間も含めて、発行までに1か月程度の時間がかかります。

(5)関係遺言書保管通知では内容が分からない

法務局保管制度を利用した場合、遺言者が死亡すると法務局から通知があります。

関係遺言書保管通知とは、自筆証書遺言を保管していることをお知らせする通知です。

法務局保管制度を利用したことを一切伝えていなくても、保管事実が伝わります。

関係遺言書保管通知では、遺言書の内容は分かりません。

関係遺言書保管通知を受け取った後、あらためて遺言書情報証明書で確認します。

②遺言書は家族に返還されない

法務局保管制度を利用した場合、遺言書の返還を請求できるのは遺言者のみです。

遺言者が死亡した場合、家族が望んでも遺言書は返還されません。

遺言書の原本は、直接見ることはできません。

5法務局保管制度利用がおすすめの人

①保管だけ心配な人はおすすめ

法務局保管制度の最大のメリットは、遺言書を安全に保管できることです。

保管だけ心配な人は、法務局保管制度がおすすめです。

具体的には、弁護士や司法書士レベルの法律知識がある人です。

②とりあえず遺言書を作りたい人は公正証書遺言

とりあえず遺言書を作成したいと考える人は、おすすめできません。

法務局が遺言書を保管していても、トラブルに発展する可能性があるからです。

法務局が保管を受付けたことは、安心材料にはなりません。

③内容実現の確実性が心配な人は公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。

公証人は、遺言者の本人確認をして本人の意思確認をしたうえで公正証書遺言を作成します。

公証人は、法律の専門家です。

書き方ルールの違反で遺言書が無効になることは、考えられません。

遺言書内容があいまいで執行できなくなることは、考えられません。

確実に実現したい内容がある場合は、公証人が関与する公正証書遺言が安全です。

保管だけ心配な人は、法務局保管制度がおすすめです。

内容実現の確実性が心配な人は、公証人が関与する公正証書遺言がおすすめです。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。

トラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。

せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。

同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。

さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

ルールが守られていない遺言書は無効になります。

書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。

せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。

司法書士は、確実な遺言書を作るお手伝いをします。

家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄の順位と範囲

2026-07-05

1相続放棄をする順位は相続人になる順位と同じ

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は、次のとおりです。

(1)配偶者は、必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②先順位の人がいる場合は相続人ではない

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもが相続人なのに、親などの直系尊属が相続人になることはありません。

子どもは、親などの直系尊属より先順位の相続人だからです。

先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人ではありません。

③相続放棄をしたら相続人でなくなる

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

子どもが相続放棄をした場合、子どもははじめから相続人でなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。

一部の子どもだけが相続放棄をした場合、被相続人に子どもがいる場合です。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

一部の子どもだけが相続放棄をした場合、親などの直系尊属が相続人になりません。

相続放棄をしない子どもは、相続人だからです。

④相続放棄ができるのは相続人だけ

(1)子ども同士で相続放棄の順位はない

相続放棄ができるのは、相続人だけです。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

子どもは相続人だから、相続放棄をすることができます。

被相続人に子どもが複数いる場合、相続放棄の順位はありません。

だれが先でもだれが後でも、自由に相続放棄をすることができます。

(2)先順位相続人が相続放棄をしてから後順位相続人が相続放棄

相続人以外の人は、相続放棄をすることはできません。

先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人ではありません。

先順位の人がいる場合、後順位の人は相続放棄をすることはできません。

家庭裁判所で相続放棄が認められるまで、後順位の人は相続人ではありません。

家庭裁判所で相続放棄が認められるまで、後順位の人は相続放棄をすることはできません。

一部の子どもだけが相続放棄をした場合、親などの直系尊属が相続人になりません。

一部の子どもだけが相続放棄をした場合、親などの直系尊属は相続放棄はできません。

相続放棄ができるのは、相続人だけだからです。

先順位相続人全員が相続放棄をしてから、後順位相続人が相続放棄をします。

(3)先順位相続人と後順位相続人は同時に相続放棄はできない

相続放棄ができるのは、相続人だけです。

先順位相続人に相続放棄が認められるまで、後順位の人は相続人ではありません。

相続人でないのに、相続放棄をすることはできません。

先順位相続人と後順位相続人は、同時に相続放棄ができません。

先順位相続人に相続放棄が認められたら、相続放棄をする気持ちであったとしても受付けてもらえません。

先順位相続人に相続放棄が認められた後に、後順位相続人が相続放棄を申し立てます。

⑤相続放棄をしても代襲相続はしない

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したとき、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することです。

相続人になるはずだった人が相続放棄をした場合、代襲相続は発生しません。

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、被相続人の孫は相続人になりません。

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、被相続人の孫は相続放棄をすることはできません。

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、被相続人の孫は相続放棄をする必要がありません。

被相続人の孫は相続放棄をしなくても、借金を引き継ぐことはありません。

2相続放棄をする範囲は相続人になる範囲と同じ

①相続放棄をしても借金は消えない

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

被相続人が莫大な借金を抱えていても、相続放棄をした人は借金を引き継ぎません。

相続放棄をした人が借金を引き継がないだけで、借金は消えません。

借金は、次順位相続人に引き継がれます。

②相続放棄をする範囲は相続人だけ

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続財産を相続したくない場合、相続人は相続放棄をすることができます。

相続人以外の人は、相続財産を相続することはありません。

相続人以外の人は、相続放棄をすることができません。

相続人以外の人は、相続放棄をする必要がありません。

相続人以外の人は何の手続をしなくても、借金を引き継ぐことがないからです。

相続放棄をする範囲は、相続人になる範囲と同じです。

相続人になるから、相続放棄をする必要があります。

③相続人全員が相続放棄ができる

相続放棄は、多くの場合、被相続人のマイナスの遺産を引き継がないために行われます。

相続人が全員相続放棄をしたら、被相続人の借金なのに、だれも責任をとらないことになります。

だれも責任をとらないことに後ろめたく思う人もいるかもしれません。

相続放棄は、相続人ひとりひとりが自分の意思で自由に判断できるものです。

結果として、相続人全員が相続放棄を選択することになっても、法律上、やむを得ないことです。

相続人にならない人は、相続できません。

たとえ莫大な借金があっても、相続人以外の人が引き継ぐことはありません。

たとえ相続人全員が相続放棄をしても、相続人以外の人が引き継ぐことはありません。

3相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

①相続放棄には3か月の期限がある

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

相続放棄の期限3か月を経過したら、自動で単純承認になります。

②被相続人の死亡を知ってから3か月

大切な家族が死亡したら、他の家族や知人には真っ先に連絡するでしょう。

さまざまな家族の事情から、被相続人や被相続人の家族と疎遠になっていることがあります。

行方不明の家族や連絡が取れない家族がいることがあるでしょう。

被相続人の死亡を知らなかった場合、相続があったことを知らないと言えます。

熟慮期間3か月がスタートしていません。

被相続人が死亡してから3か月以上経過しても、相続放棄をすることができます。

③先順位相続人の相続放棄をしてから3か月

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもが相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、次順位の人が相続人になります。

被相続人に子どもがいれば、子どもが相続人になると考えるでしょう。

家庭裁判所は、相続放棄の申立てをした人にだけ結果を通知します。

相続放棄が認められても、次順位相続人に通知する義務はありません。

自分が相続人であることを知らなかった場合、相続があったことを知らないと言えます。

熟慮期間3か月がスタートしていません。

被相続人が死亡してから3か月以上経過しても、相続放棄をすることができます。

④上申書を書いて事情説明

相続放棄ができるのは、相続があったことを知ってから3か月以内のみです。

相続があったことを知ってから3か月以上経過したら、相続放棄はできません。

相続放棄の申立てをした人に対して、家庭裁判所は結果を通知します。

相続放棄が認められた人には、相続放棄申述受理通知書が届きます。

相続放棄申述受理通知書には、発出された日が記載されています。

発出された日から3か月以内であれば、相続があったことを知ってから3か月以内であることは明らかです。

先順位相続人に相続放棄が認められるまで、後順位の人は相続人ではないからです。

家庭裁判所は、次順位相続人に通知する義務はありません。

相続放棄が認められた人は、次順位相続人に通知する義務はありません。

発出された日から3か月以上経過してから、先順位相続人の相続放棄を知ることがあります。

説明をしないと、家庭裁判所は期限後の相続放棄と勘違いをしてしまうおそれがあります。

相続放棄の期限3か月が過ぎたら、相続放棄は認められません。

相続放棄の期限3か月が過ぎたら、自動で単純承認になるからです。

発出された日から3か月以上経過しても、相続があったことを知ってから3か月以内であることをアピールする必要があります。

相続放棄の申立てをする際に、上申書を作成して提出します。

上申書は、相続があったことを知ってから3か月以内であることの事情説明です。

手紙などで相続があったことを知った場合、手紙は重要な証拠です。

上申書に添付して、家庭裁判所に提出します。

⑤熟慮期間3か月を知らなかったは認められない

相続放棄の申立ては、3か月の期限があります。

熟慮期間3か月を知らなかったから、教えてもらえなかったからは、通用しません。

熟慮期間3か月の期限を知らなくても、相続放棄は認められません。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄するためには、家庭裁判所に手続をする必要があります。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったと扱われます。

このことから、相続放棄が認められたら相続に関する手続には関与しなくて済むと安心してしまいがちです。

相続財産は引き継ぐことはなくなりますが、管理責任があります。

管理責任があることは、あまり知られていません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合であっても、相続財産を処分した場合、相続放棄が無効になります。

相続放棄は簡単そうに見えて、実はいろいろなことを考慮しなければならない手続です。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄の理由は関わりたくないから

2026-07-05

1関わりたくないからを理由に相続放棄ができる

①相続放棄の理由は重要ではない

相続放棄をすると、一切の相続財産を引き継ぎません。

プラスの財産もマイナスの財産も、引き継がなくなります。

相続放棄の理由で多いのは、「被相続人の借金を引き継ぎたくない」です。

その他でも、構いません。

「被相続人や他の相続人と疎遠で、関わりたくない」でも差し支えありません。

「裕福で生活に困っていないから」も問題ありません。

明確な理由がなくても、構いません。

プラスの財産がほとんどないから、万が一にもマイナスの財産があったときの安全のため相続放棄をするというケースもあります。

相続放棄をするために重要なのは、相続放棄をする意思です。

相続放棄をする理由は、あまり重要ではありません。

②相続放棄をするときに財産調査は不要

相続放棄をするか相続を単純承認するか判断するために、財産調査をすることが多いものです。

自称専門家が高額な報酬を目的に、財産調査は必須と無意味なアドバイスをしています。

相続放棄をする理由が「裕福で生活に困っていないから」の場合、財産調査自体が無意味です。

「被相続人や他の相続人と疎遠で、関わりになりたくない」場合、プラスの財産が多くても相続放棄をするケースは少なくありません。

どのような財産状況であっても相続放棄を希望する場合、財産調査は必要ありません。

相続放棄申述書に被相続人の財産状況を書く欄がありますが、記入しなくても差し支えありません。

③何もしないといつまでも関わることになる

被相続人や他の相続人と疎遠な場合、面倒な相続手続に関わりたくないと考えるでしょう。

見知らぬ相続人から連絡が来ても、返事を先延ばしするかもしれません。

相続財産は、相続人全員の共有です。

相続財産の分け方を決めるためには、相続人全員の合意が不可欠です。

相続人である以上、相続財産の分け方について合意がないと手続ができません。

疎遠だから返事を先延ばしすると、いつまでたっても関わることになります。

相続財産の分け方について合意するまで、相続手続ができないからです。

ときには、司法書士などの専門家から連絡が来る場合があります。

見知らぬ他の相続人より司法書士などの専門家の方が話しやすいかもしれません。

司法書士であれば、相続放棄をしたい場合に相談に応じてもらえます。

面倒な相続手続に関わりたくないのであれば、すぐに行動を起こしましょう。

2相続放棄の理由が関わりたくないからの場合の相続放棄申述書の書き方

①関わりたくないからの場合「放棄の理由」欄は6その他

相続放棄をしたい場合、家庭裁判所に対して相続放棄をしたい旨の申立てをします。

相続放棄をしたい旨の申立書のことを、相続放棄申述書と言います。

相続放棄申述書の様式は、家庭裁判所のホームページに出ています。

相続放棄申述書の2ページ目の左下に、放棄の理由欄があります。

1被相続人から生前に贈与を受けている

2生活が安定している

3遺産が少ない

4遺産を分散させたくない

5債務超過のため

6その他(          )

上記のように理由の例が並んでいます。

関わりたくないからを理由に相続放棄をする場合、6その他に〇をつけます。

かっこの中に、疎遠なので関わりたくないなどと記入します。

生活が安定しているから関わりたくない場合、2生活が安定しているに〇をつけます。

遺産が少ないから関わりたくない場合、3遺産が少ないに〇をつけます。

②長文になるなら上申書に書く

相続放棄をする理由は、あまり重要ではありません。

疎遠なので関わりたくないなどで問題はありません。

事情によっては理由を詳細に申し立てたい場合があるでしょう。

相続放棄申述書の「放棄の理由」欄に書き切れない場合、上申書を提出することができます。

③相続放棄照会書の回答書に書いてもよい

家庭裁判所に対して相続放棄をしたい旨の届出をした場合、家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。

家庭裁判所から届く相続放棄照会書とは、相続放棄についての意思確認です。

相続放棄は、影響の大きい手続なので間違いがないように慎重に確認します。

多くの場合、相続放棄照会書には「相続放棄をする理由を具体的に書いてください」といった質問があります。

回答書に具体的な理由を記載するといいでしょう。

相続放棄をするために重要なのは、相続放棄をする意思です。

家庭裁判所は、本人の意思に反して相続放棄の申立てをしたのではないか確認します。

自分の意思で相続放棄の申立てをしたことが伝わるように、回答書を書くといいでしょう。

3熟慮期間3か月のスタートは知ってから

①相続放棄の期限内に手続が必要

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月以内です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

3か月の期限内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをする必要があります。

②被相続人の死亡を知ってから3か月

相続があったことを知ってからとは、必ずしも、被相続人の死亡してからではありません。

被相続人や被相続人の家族と疎遠だった場合、死亡直後に連絡がされないことがあります。

3か月の期限内に相続放棄の手続をしないと、自動で単純承認になります。

被相続人が死亡した後3か月以上経過してから、被相続人の死亡を知ることがあります。

被相続人の死亡を知ってから3か月以内なら、相続放棄を認められます。

③上申書で事情説明

被相続人が死亡した後3か月以上経過した場合、期限後の手続に見えてしまいます。

家庭裁判所は、相続があったことを知った日が分からないからです。

相続放棄の申立てをする際に、上申書を一緒に提出します。

上申書で、相続があったことを知った日や相続があったことを知った事情を詳しく説明します。

債権者や他の相続人から手紙を受け取って相続があったことを知った場合、手紙は重要です。

相続があったことを知った日を裏付ける重要な証拠になるからです。

4関わりたくないなら連絡無視より相続放棄

①相続放棄で相続人でなくなる

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

②遺産分割協議成立には相続人全員の合意が必要

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が受け継ぎます。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

相続財産の分け方について話し合うため、相続人全員に連絡を取ります。

相続手続に関わりたくないなら、連絡無視はおすすめできません。

相続人全員の合意がないと、遺産分割協議が成立しないからです。

連絡を無視すると、遺産分割協議が成立しません。

遺産分割協議を成立させるため、いつもでも何度でも連絡をしてきます。

連絡を無視すると、いつまでも関わることになります。

相続人になる人は、法律で決められています。

連絡を無視しても、相続人から除外することはできません。

相続人だから、相続手続に関与する必要があります。

連絡を無視しても、結局のところ相続手続に関与することになります。

③相続放棄をした人は相続手続に関与しない

相続放棄をした人は、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄をした人は、相続財産を一切引き継ぎません。

相続放棄をした人は、相続手続に一切関与しません。

相続放棄をした人は、遺産分割協議に参加する権利義務がありません。

相続手続に関わりたくないなら、相続放棄がおすすめです。

家庭裁判所で相続放棄を認められたら、相続放棄申述受理通知書が届きます。

相続放棄申述受理通知書を見せると、分かってもらうことができます。

5相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。

通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。

家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。

さらに、通常の相続放棄と同様に戸籍や住民票が必要になります。

お仕事や家事、通院などでお忙しい人には平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。

戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできますが、書類の不備などによる問い合わせはやはり役所の業務時間中の対応が必要になりますから、やはり負担は軽いとは言えません。

このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。

3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

亡くなった人の本籍地を調べるには

2026-07-05

1亡くなった人の本籍地を調べるには

①本籍地欄空欄のまま死亡届

人が死亡したら、市区町村役場に死亡届を提出します。

死亡届を見ると、氏名、生年月日、住所などに並んで、本籍を記載する欄があります。

本籍は、普段記載することが少ないでしょう。

本籍地が分からない場合、本籍地を空欄にしたまま市区町村役場に提出することができます。

空欄のまま提出した場合、市区町村役場で本籍地を調べてもらうことができます。

死亡届は、死亡を知ってから7日以内に提出します。

通常、市区町村役場は、平日の昼間のみ業務を行います。

死亡届は、開庁日以外の休日でも夜間でも受け付けてもらえます。

例えば、名古屋市では夜間の受付は中区役所で受け付けています。

本籍地が分からない場合、通常の業務時間に出向かないと調べてもらえません。

市区町村役場の窓口で調べてもらう方法は、簡単で確実です。

②本籍地入り住民票を請求

住民票は、住所地の市区町村で管理されています。

住民票を取得するためには、住所が分かることが重要です。

自分の住民票を取得すると、自分の本籍地を知ることができます。

住民票に、本籍地を記載してもらうことができるからです。

普段目にする住民票は、本籍地が記載されていないかもしれません。

住民票を請求する場合、何も言わないと本籍地は記載省略になるからです。

亡くなった人の住所が分かれば、相続人は亡くなった人の住民票を取得することができます。

本籍地入りの住民票を請求すると、亡くなった人の本籍地を調べることができます。

③マイナンバーカードで本籍地入り住民票を取得

身分証明書としてマイナンバーカードを持っている人も多いでしょう。

市区町村によっては、マイナンバーカードを利用して住民票を取得することができます。

マイナンバーカードを使って、コンビニエンスストアなどで住民票を取得することができます。

マイナンバーカードには、顔写真が入っています。

ICチップの入っていない紙製のマイナンバー通知書では住民票を取得することはできません。

コンビニエンスストアは年中休みなく営業しているので、とても便利です。

コンビニエンスストアのマルチコピー機で住民票を取得する場合、記載事項を選択することができます。

本籍地欄にチェックを入れないと、本籍地の記載がない住民票が発行されます。

亡くなった人が自分の家族である場合、自分の本籍地を手掛かりに亡くなった人の本籍地を調べることができます。

マイナンバーカードを使って本籍地入り住民票を取得することで、本籍地を調べることができます。

④マイナンバーカードで戸籍謄本を取得

マイナンバーカードを利用すると、住民票だけでなく戸籍謄本を取得することができます。

戸籍謄本には、本籍地が記載されています。

亡くなった人が自分の家族である場合、同じ戸籍に入っていることがあるでしょう。

同じ戸籍であれば、当然に同じ本籍地です。

別の戸籍であっても、戸籍と読み解いて戸籍をたどると本籍地を調べることができます。

マイナンバーカードを使って戸籍謄本を取得することで、本籍地を調べることができます。

⑤2007年以前の運転免許証で確認

亡くなった人が運転免許証を持っていることがあります。

現在の運転免許証には、本籍地欄はありません。

2007年までの運転免許証には、本籍地欄がありました。

自宅などで遺品整理をすると、古い運転免許証が見つかることがあります。

運転免許証を更新するときに、古い運転免許証を返してもらうことができるからです。

ひょっとすると、亡くなった人が古い運転免許証を保管しているかもしれません。

2007年以前の運転免許証を確認すると、本籍地が判明します。

⑥運転免許証をコンビニのマルチコピー機で読み取り

現在の運転免許証には、本籍地欄はありません。

現在の運転免許証の表面に記載されていないだけで、ICチップに本籍地が入力されています。

コンビニエンスストアのマルチコピー機で、ICチップを読むことができます。

コンビニエンスストアのうち、ファミリーマートとローソンのマルチコピー機が対象です。

亡くなった人が自分の家族である場合、自分の本籍地を手掛かりに亡くなった人の本籍地を調べることができます。

運転免許証をコンビニのマルチコピー機で読み取りすることで、本籍地を調べることができます。

⑦運転免許証をスマートフォンアプリで読み取り

運転免許証のICチップは、スマートフォンアプリで読み取りをすることができます。

iPhoneでもアンドロイドでも、読み取りアプリがあります。

カードリーダーなどの特別な道具は、不要です。

運転免許証の取得や更新などのときに決めた暗証番号を入力する必要があります。

多くの人はスマートフォンを持っているから、スマートフォンアプリを使う方法は手軽です。

運転免許証をスマートフォンアプリで読み取りする方法で、本籍地を調べることができます。

⑧運転免許証を警察署の端末で読み取り

運転免許証のICチップを読み取りすることで、本籍地を調べることができます。

コンビニエンスストアは日本中いたるところにあるから、とても便利です。

スマートフォンアプリを使う方法は、手軽です。

コンビニエンスストアやスマートフォンアプリを使ってICチップを読み取る場合、暗証番号を入力する必要があります。

暗証番号は、2組の4桁の数字です。

暗証番号を使う機会は、ほとんどありません。

ときには、暗証番号を忘れていることがあるでしょう。

暗証番号を忘れてしまったときは、運転免許証を持って警察などに出向くと照会することができます。

たとえ本人であっても、電話などで照会することはできません。

暗証番号を3回間違えると、読み取りがロックされます。

ロックされたら、自動で解除されることはありません。

暗証番号がロックされてしまったときは、警察署や運転免許試験場などに出向いてロック解除をしてもらうことができます。

運転免許証を持って、本人が警察署などに出向く必要があります。

読み取り端末は、警察署や運転免許試験場に設置されています。

暗証番号を覚えていない人やロックされてしまった人は、警察署や運転免許試験場で確認する方法はおすすめです。

警察署や時間によっては、確認端末が設置されていないことがあります。

例えば、愛知県警では中部空港警察署には設置されていません。

中部空港警察署以外の警察署であれば、平日の8時45分~17時30分に受け付けてもらえます。

運転免許試験場・東三河運転免許センターであれば、上記に加えて日曜日8時30分~12時00と12時45分~17時15分に受け付けてもらえます。

運転免許証を警察署や運転免許試験場の端末で読み取りする方法で、本籍地を調べることができます。

⑨マイナポータルの本籍地は市町村のコード番号で表示

マイナポータルとは、マイナンバー制度に伴う行政手続のオンライン窓口です。

マイナポータルからマイナンバーカードを使って、自分の情報を確認することができます。

確認できる情報には、戸籍関係情報があります。

戸籍関係情報のうち、本人情報の一部として本籍コードがあります。

マイナポータルでは、数字5桁の本籍コードが表示されます。

本籍コードは、全国地方公共団体コードの先頭5桁と一致します。

全国地方公共団体コードは、総務省のホームページで確認することができます。

本籍地コードで判明するのは、市区町村までです。

本籍は、変更することができます。

何度も変更していると、どこに本籍を置いているのか分からなくなることがあるでしょう。

本籍の市町村が分かれば、詳しい本籍を思い出せるかもしれません。

マイナポータルの本籍地を調べることで、本籍地の市町村まで調べることができます。

⑩パスポートの本籍地は都道府県までの記載

パスポートの本籍欄を確認することで、本籍地の都道府県まで調べることができます。

パスポートを申請する場合、申請書に本籍地を記載し戸籍謄本を提出します。

発行されたパスポートを見ると、本籍が記載されています。

パスポートに記載されている本籍は、都道府県のみ記載されています。

本籍の都道府県が分かれば、詳しい本籍を思い出せるかもしれません。

⑪在留届で確認

外国に住所や一時滞在場所を決めて、滞在することがあるでしょう。

3か月以上滞在する場合、在留届を提出する義務があります。

在留届には、本籍を記載する欄があります。

過去に在留届を提出した場合、在留届の内容は個人情報として管理されているでしょう。

法令に基づく開示請求によって、開示してもらうことができます。

在留届の開示請求をすることで、本籍地を調べることができます。

⑫親族に尋ねる

子どもが誕生したら、親の戸籍に入ります。

親に本籍を聞くと、分かるかもしれません。

婚姻したら、夫婦のために新しい戸籍が作られます。

配偶者に本籍を聞くと、知っているかもしれません。

死亡した人の親族に尋ねると、本籍地を知っている人がいることがあります。

親族に尋ねるのは、手軽な方法です。

親族に尋ねることで、本籍地を調べることができます。

⑬過去の書類で確認

自宅などで遺品整理をしていると、古い書類が大切に保管されていることに気づくことがあります。

家族が死亡した場合、相続手続をします。

相続手続では、たくさんの戸籍謄本を準備します。

以前、相続手続をしたときに準備した戸籍謄本などが保管されているかもしれません。

以前、提出した死亡届のコピーが保管されているかもしれません。

過去の書類を見ると、本籍地が判明することがあります。

過去の書類を確認することで、本籍地を調べることができます。

2本籍地判明で戸籍謄本を取得

①相続人は戸籍謄本で証明

相続が発生したら、法律で決められた人が相続人になります。

相続手続先の人など第三者に対しては、相続人を客観的に証明する必要があります。

客観的に証明するとは、戸籍謄本を集めることです。

その人の身分事項は、戸籍にすべて記録されているからです。

相続人は、戸籍謄本で証明します。

②本人・配偶者・直系血族の戸籍謄本は広域交付の対象

相続手続では、たくさんの戸籍謄本を準備する必要があります。

多くの人は、出生から死亡まで複数の戸籍を渡り歩いているからです。

戸籍は、本籍地の市町村に備えられています。

戸籍謄本は、原則として本籍地の市区町村役場に請求します。

本人・配偶者・直系血族の戸籍謄本は、広域交付の対象です。

広域交付制度を利用すると、本籍地以外の市区町村役場で戸籍謄本を取得することができます。

例えば、名古屋市に本籍を置いている人が名古屋市以外の市区町村役場で、戸籍謄本を取得することができます。

名古屋市以外に本籍を置いている人が名古屋市の各区役所で、戸籍謄本を取得することができます。

本人・配偶者・直系血族の戸籍謄本は、広域交付の対象です。

3相続人確定を司法書士に依頼するメリット

本籍地の変更や国による戸籍の作り直し(改製)で多くの方は、何通もの戸籍を渡り歩いています。

相続手続のために、たくさんの戸籍謄本を集めなければなりません。

古い戸籍は、現在と形式が違っています。

慣れないと、読みにくいものです。

現代とちがって、古い戸籍は手書きで書いてあります。

手書きの達筆な崩し字で書いてあると、分かりにくいものです。

戸籍謄本を準備するのは、想像以上にタイヘンです。

本籍地を何度も変更している人は、たくさんの戸籍を渡り歩いています。

結婚、離婚、養子縁組、離縁を何度もしている人は、戸籍が何度も作り直されています。

戸籍をたくさん渡り歩いているので、戸籍集めは膨大な手間と時間がかかります。

段取りよく要領よく手続するには、ちょっとしたコツがいります。

仕事や家事で忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続をおまかせできます。

相続人調査でお困りのことがあれば、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄しても次順位相続人に通知義務はない

2026-07-05

1相続放棄しても次順位相続人に通知義務はない

①相続人になったことを通知する制度はない

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

相続人になったことを知らせてくれる制度は、ありません。

相続人であるのか、自分で判断します。

相続放棄ができることを知らせてくれる制度は、ありません。

相続放棄ができるか、自分で判断します。

②相続放棄申述受理通知書は相続放棄の結果通知

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

家庭裁判所が相続放棄を認める決定をしたら、相続放棄申述受理通知書が届きます。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の結果通知です。

相続放棄の申立てをした人に、審査結果を通知します。

相続放棄の申立てをした人以外の人に、審査結果を通知しません。

相続放棄申述受理通知書は、相続人でなくなったことを示す重要な書類です。

他の相続人が相続手続をする場合、相続手続先に対して相続放棄申述受理通知書を提示します。

家庭裁判所にとっては、事務的な結果通知に過ぎません。

相続放棄の結果通知に過ぎないから、相続放棄の申立てをした人以外の人に通知しません。

③次順位相続人を調べる権限がない

相続人になる人は、法律で決められています。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

子どもが相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、次順位の人が相続人になります。

一部の子どもが相続放棄をした場合、他の子どもが相続人になります。

次順位の人は、相続人になりません。

相続放棄をした人は、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄をした人は、相続手続に関与しません。

相続放棄をした人は、相続人を調査する義務はありません。

相続放棄をした人は、他の相続人を調査する権限がありません。

相続放棄をした人は、相続手続に関与する必要がないからです。

理由なく戸籍謄本などを取得することは、許されません。

相続放棄をした子どもは、他の相続人を調査する権限がありません。

相続人になる子どもが他にいるのか、調べることができません。

相続人になる子どもが他にいるのか調べることができるのは、他の相続人です。

子ども全員が相続放棄をしたのか、調べる術がありません。

相続放棄をした人は、次順位相続人に通知する義務はありません。

④家庭裁判所は次順位相続人が分からない

相続放棄をする場合、たくさんの戸籍謄本などを提出します。

例えば、被相続人の子どもが相続放棄をする場合、次の書類を提出します。

(1)被相続人の戸籍謄本

(2)被相続人の除票

(3)相続放棄する人の戸籍謄本

(4)相続放棄の手数料 収入印紙800円分

(5)連絡用郵便切手

家庭裁判所は、提出された書類を見て審査をします。

相続放棄の審査をする場合、家庭裁判所は相続放棄の申立てをした人が相続人であるか確認します。

相続人以外の人は、相続放棄ができないからです。

相続放棄の申立てをした人の他に、子どもがいるのか審査しません。

相続放棄の申立てをした人以外の子どもが相続放棄をしたのか、審査しません。

相続放棄の申立てをした人の次順位相続人がだれなのか、確認しません。

相続放棄の申立てをした人に、相続放棄を認めるか認めないかだけ審査の対象です。

家庭裁判所は、次順位の人が相続人になるか知りません。

家庭裁判所は、だれが次順位相続人なのか知りません。

家庭裁判所は、独自で調査をしません。

家庭裁判所は、捜査機関ではないからです。

家庭裁判所は、次順位の人が相続人になるか調べる権限がありません。

家庭裁判所は、次順位の人が相続人になるのか調べる権限がありません。

家庭裁判所は、通知する義務がありません。

2利害関係人は相続放棄の有無の照会ができる

①次順位相続人は相続放棄申述の有無の照会ができる

先順位の人が相続人になる場合、後順位の人は相続人になりません。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、次順位の人は相続放棄をすることができません。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、次順位の人は相続人ではないからです。

相続放棄をした人には、次順位相続人に通知する義務はありません。

家庭裁判所は、自主的に次順位相続人に通知することはありません。

被相続人の莫大な借金を相続してしまうのではないか、不安な日々を送ることになります。

利害関係人は、家庭裁判所に対して相続放棄の有無の照会をすることができます。

待っていても、だれも通知をしません。

相続人であるのか、自分で判断します。

相続人になったことを知らせてくれる制度は、ありません。

家庭裁判所に対して相続放棄の有無の照会をすると、相続放棄をしたか回答してもらえます。

回答結果を確認すれば、相続人になったのか知ることができます。

②相続放棄申述の有無の照会をする方法

(1)照会先

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

被相続人の最後の住所地は、被相続人の住民票や附票を取得すると判明します。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで調べることができます。

(2)照会ができる人

相続放棄申述の有無の照会ができるのは、次の人です。

・同順位や次順位の相続人

・被相続人の債権者などの利害関係人

(3)必要書類

相続放棄申述の有無の照会申請書に添付する書類は、次のとおりです。

・被相続人死亡の戸籍謄本

・被相続人死亡の住民票か戸籍の附票

・照会者の身分証明書

・照会者が相続人の場合、相続人の戸籍謄本

・照会者が債権者などの場合、借用書や契約書

(4)郵送で提出できる

相続放棄申述の有無の照会申請書は、窓口に出向いて提出することができます。

郵送で、提出することができます。

返信用の封筒と切手を同封すると、郵送で回答してもらえます。

(5)手数料無料

手数料は、かかりません。

無料で、回答してもらえます。

(6)回答までの期間

提出書類にまったく問題がない場合で、2~4週間程度で回答されます。

(7)調査対象期間は家庭裁判所によって異なる

照会の対象となる期間は、家庭裁判所によって異なります。

多くの家庭裁判所では、被相続人の死亡後3か月、先順位の相続人が相続放棄を認められてから3か月です。

3通知がなくても相続放棄の期限切れにならない

①相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

相続放棄の手続をしないまま3か月が経過した場合、自動で単純承認になります。

相続があったことを知らないまま、相続放棄が期限切れになることはありません。

通知がなければ、相続があったことを知らないままでしょう。

相続があったことを知らなければ、相続放棄の期限3か月はスタートしません。

相続があったことを知ってから3か月以内であれば、相続放棄をすることができます。

相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからです。

②相続人でない人は相続放棄ができない

先順位の人が相続人になる場合、後順位の人は相続人になりません。

相続放棄ができるのは、相続人だけです。

相続人以外の人は、相続放棄をすることができません。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、相続人ではありません。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、相続放棄をすることができません。

③先順位の人全員が相続放棄をするまで3か月の期限はスタートしない

相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからです。

先順位の人全員が相続放棄をするまで、相続人ではありません。

相続放棄をしたいと考えても相続人ではないから、受付けてもらうことはできません。

相続が発生するだけでは、相続放棄の期限3か月はスタートしません。

相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからだからです。

先順位相続人全員が相続放棄をしたことを知ってから、相続放棄の期限3か月がスタートします。

相続放棄の期限3か月以内なら、相続放棄を受付けてもらうことができます。

④特別な事情は上申書で説明

相続放棄を認める決定をした場合、家庭裁判所には記録が残っています。

相続放棄申述受理通知書には、日付が記載してあります。

相続放棄申述受理通知書の日付から3か月以内であれば、相続放棄の期限3か月以内であることは明白です。

相続放棄をしても、次順位相続人に通知する義務はありません。

先順位相続人に相続放棄を認める決定がされてから長期間経過した後、相続があったことを知ることがあります。

相続放棄の期限3か月以内であると言える特別な事情がある場合、家庭裁判所に積極的にアピールする必要があります。

特別な事情がないと誤解されると、期限後の手続に見えてしますからです。

相続放棄の期限3か月以内であると言える特別な事情は、上申書に詳しく記載して提出します。

家庭裁判所が知りたいポイントを押さえて、簡潔に書くことが重要です。

4期限を過ぎた相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。

通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらいやすい書類を作成することができます。

さらに、通常の相続放棄と同様に戸籍や住民票が必要になります。

お仕事や家事、通院などでお忙しい人には平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。

戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできますが、書類の不備などによる問い合わせはやはり役所の業務時間中の対応が必要になりますから、やはり負担は軽いとは言えません。

このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。

3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続登記と相続人申告登記のちがいは役割と目的

2026-07-03

1相続登記と相続人申告登記のちがいは役割と目的

①相続登記は不動産の名義変更

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更を行います。

相続登記とは、不動産の名義変更です。

不動産の登記簿謄本は、だれでも取得することができます。

だれでも、不動産の権利関係を確認することができます。

だれでも不動産の権利関係を確認できるから、安心して不動産取引をすることができます。

②相続人申告登記で相続登記の義務を履行

令和6年(2024年)4月1日から、相続登記をする義務が課されました。

相続登記の期限は、3年です。

相続登記の期限3年を経過すると、ペナルティーの対象になります。

さまざまな事情から、3年以内に相続登記が難しいことがあるでしょう。

相続人申告登記をすると、相続登記の義務を履行したと扱われます。

相続登記の義務を履行したと扱われるから、相続登記義務化のペナルティーを回避することができます。

相続人申告登記をしても、不動産の名義変更はされません。

相続人申告登記には、相続登記義務化のペナルティーを回避する効果があるだけです。

③相続登記と相続人申告登記は選ぶものではない

相続登記は、不動産の名義を変更する本来の手続です。

相続人申告登記では、不動産の名義は変更されません。

相続登記と相続人申告登記は、選ぶものではありません。

相続登記と相続人申告登記は、役割と目的が異なるからです。

相続登記と相続人申告登記は、時間軸で連続する関係です。

相続登記は到達点であり、相続人申告登記は到達点までの猶予手段です。

前提が異なるから、相続登記と相続人申告登記を比べて選択するものではありません。

相続登記ができるなら、相続登記をします。

相続登記ができないなら、相続人申告登記を選択せざるを得ません。

相続登記と相続人申告登記は、法的効果が代替関係にありません。

相続登記と相続人申告登記は、状況に応じて使われるものです。

相続人申告登記は、やむを得ず選択する救済措置です。

2相続登記の役割と目的

①相続登記で所有者を対外的に公示する

相続登記をすると、不動産の名義が相続人に変更されます。

相続登記をすることで、権利取得が対外的に公示されます。

登記簿謄本を取得すると、名義変更された所有者を確認することができます。

相続登記は、不動産の権利関係を対外的に公示する手段です。

②登記がないと権利取得を第三者に主張できない

不動産に対する権利が変動した場合、登記をします。

権利変動した場合で最もイメージしやすいものは、不動産を購入して所有権を取得した場合でしょう。

不動産を購入して所有権を取得した場合、購入したタイミングですぐに所有権移転登記をします。

登記をしていないと、不動産に対して権利主張をする人が現れた場合に負けてしまうからです。

不動産を購入して所有権を取得したはずなのに、見知らぬ人が不動産は自分のものだから明け渡して欲しいと言ってくるようなケースです。

登記がある場合、不動産は自分のものだから明け渡す必要はないと言い返すことができます。

登記がない場合、不動産を明け渡さなければならなくなるかもしれません。

せっかく不動産を購入したのに、不動産を明け渡さなければならなくなることは何としても避けたいはずです。

不動産は自分のものだと主張するために、購入したタイミングですぐに所有権移転登記をします。

所有権移転登記をしない場合、所有者が不利益を受けます。

所有権移転登記をしない場合、所有者は第三者に対して権利主張ができません。

所有権移転登記をすることで、第三者に権利主張をすることができます。

所有権移転登記をすることで、所有者が対外的に公示されます。

所有者が対外的に公示されることで、第三者に対して権利主張をすることができます。

相続による所有権移転も、同様です。

相続による所有権移転登記をしない場合、所有者は第三者に対して権利主張ができません。

相続による所有権移転登記をすることで、第三者に権利主張をすることができます。

③不動産を売却する前提として相続登記が必要

相続登記をしないと、不動産の名義は被相続人のままです。

相続が発生した後、不動産を売却したいことがあるでしょう。

不動産の売却をする場合、相続登記を省略できません。

登記簿を確認しても、処分権限を持つ人が分からないからです。

だれが処分権限を持つか分からないまま、不動産業者は媒介契約を締結することはできません。

だれが処分権限を持つか分からないまま、買主は不動産の売買契約を締結することはできません。

だれが処分権限を持つか分からないまま、金融機関はローン審査を通しません。

不動産を売却する前提として、相続登記が必要です。

④相続登記の義務の履行

令和6年(2024年)4月1日から、相続登記をする義務が課されました。

相続登記の期限は、3年です。

相続登記の期限3年を経過すると、ペナルティーの対象になります。

令和6年(2024年)4月1日以前に発生した相続も、義務化の対象です。

相続登記がされていないと、所有者がだれなのか分からなくなります。

不動産を売ってほしい場合だれにお願いしたらいいのか、登記簿を見ても分かりません。

例えば、公共事業のために土地を売ってほしい場合、所有者が分からないと公共事業ができなくなります。

社会全体にとって、大きな損失でしょう。

社会全体の利益のため、相続登記が義務化されました。

3相続人申告登記の役割と目的

①相続人申告登記は相続登記義務化の救済措置

相続人申告登記をすると、相続登記の義務を履行したと扱われます。

相続人申告登記は、相続登記義務化によるペナルティーを回避する救済措置です。

相続人申告登記をした人だけ、ペナルティーを回避することができます。

相続人申告登記をしない人は、相続登記の義務を履行したと扱われません。

一部の相続人が相続人申告登記をしても、他の相続人にはペナルティーが課される可能性があります。

相続登記の義務は、各相続人が負担する個別の義務だからです。

②相続人申告登記で名義変更はされない

相続人申告登記は、法務局に対して相続人であることを申告する制度です。

相続人申告登記をすると、登記簿に相続人であることが記録されます。

不動産の登記簿謄本を取得すると、相続人であることが確認できます。

相続人であることが登記されても、名義変更ではありません。

名義は、被相続人のままです。

相続人申告登記をするケースは、遺産分割協議がまとまらないケースが多いでしょう。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

相続人全員の合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。

遺産分割協議が成立したら、あらためて相続登記が必要です。

相続人申告登記をしても、名義変更はされないからです。

③相続人申告登記のまま売却はできない

相続人申告登記をすると、登記簿に相続人であることが記録されます。

相続人は、不動産を取得する可能性がある人に過ぎません。

相続人は、不動産を取得しない可能性がある人とも言えます。

不動産を取得する可能性がある人に過ぎないから、処分権限があるか分かりません。

不動産の売却をする場合、相続登記を省略できません。

相続人申告登記をしても、名義は被相続人のままだからです。

相続人申告登記のまま、不動産を売却することはできません。

④相続人申告登記をしても相続登記

相続人申告登記をすると、相続人であることが記録されます。

登記簿謄本を取得すると、相続人であることが公示されます。

相続人申告登記をしても、不動産の名義変更はされません。

相続人であることが公示されても、不動産を取得する可能性があるに過ぎません。

相続人であることが公示されても、不動産を取得しない可能性もあります。

登記簿を見ても、客観的にはだれが所有者なのか分からないと言えます。

売却などの権限があるのか、分からない状態のままです。

相続人申告登記をしても、あらためて相続登記が必要です。

結局のところ、二度手間になります。

⑤相続人申告登記を利用する典型的ケース

ケース(1)遺産分割協議がまとまらない

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が不可欠です。

遺産分割協議が成立した後に、相続登記をするのが一般的です。

遺産分割協議がまとまらないと、相続登記ができなくなります。

遺産分割協議がまとまらなくても、相続登記義務化の期限3年は経過します。

遺産分割協議がまとまらなくても、ペナルティーの対象になります。

相続人申告登記は、相続登記義務化によるペナルティーを回避する救済措置です。

相続人全員が相続人申告登記をして、ペナルティーを回避することができます。

ケース(2)一部の相続人と連絡が取れない

さまざまな事情がある相続人が、見つかることがあります。

例えば、疎遠な相続人、行方不明の相続人、認知症の相続人です。

相続人本人の意思とは無関係に、さまざまな事情から連絡が取れないことがあります。

連絡が取れなくても、相続登記義務化の期限3年は経過します。

連絡が取れない相続人を待たずに、相続人申告登記をすることができます。

相続人申告登記は、各相続人が単独で申請できるからです。

ケース(3)相続人の確定に時間がかかる

相続が発生したら、相続人調査をします。

相続登記をするためには、戸籍謄本による正確な調査が必要です。

相続関係が複雑である場合、相続人確定に時間がかかります。

相続登記義務化によるペナルティーを回避するため、相続人申告登記をすることができます。

相続登記相続人申告登記
役割所有者を公示
第三者に権利主張ができる
相続人であると公示
相続登記の義務の履行
目的権利関係の明確化ペナルティー回避
名義変更されるされない
利用する時期遺産分割協議成立後遺産分割協議未了

4相続人申告登記は相続登記の代替手段ではない

理由①相続人申告登記で名義変更がされないから

相続登記をすると、不動産の名義変更がされます。

相続人申告登記をしても、不動産の名義変更はされません。

相続人申告登記をすると、相続人であることが記録されます。

相続人申告登記で名義変更がされないから、相続登記の代替手段にできません。

理由②相続人申告登記で権利主張はできないから

相続登記は不動産の名義変更がされるから、所有者として権利主張することができます。

相続人申告登記は不動産の名義変更がされないから、所有者として権利主張することができません。

相続人申告登記で権利主張はできないから、相続登記の代替手段にできません。

理由③相続人申告登記で不動産の売却ができないから

相続登記をすると、不動産の処分権限がある人を確認することができます。

相続人申告登記をしても、不動産の処分権限がある人を確認することができません。

不動産の名義人は、被相続人のままだからです。

相続人申告登記で不動産の売却ができないから、相続登記の代替手段にできません。

5相続登記を司法書士に依頼するメリット

大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。

やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。

相続手続は、一生のうち何度も経験するものではありません。

だれにとっても不慣れで、手際よくできるものではありません。

相続手続で使われる言葉は、法律用語です。

一般の方にとって、日常で聞き慣れないものでしょう。

不動産は重要な財産であることも多いものです。

登記手続は一般の方から見ると些細なことと思えるようなことで、やり直しになります。

日常の仕事や家事のうえに、これらのことがあると、疲労困憊になってしまうことも多いでしょう。

司法書士などの専門家から見れば、トラブルのないスムーズな相続手続であっても、多くの方はへとへとになってしまうものです。

相続手続に疲れてイライラすると、普段は温厚な人でも、トラブルを引き起こしかねません。

司法書士などの専門家は、このような方をサポートします。

相続手続でへとへとになったから先延ばしするより、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

公正証書遺言は勝手に開封できる

2026-07-02

1公正証書遺言は偽造変造があり得ない

①公正証書遺言は厳重保管

遺言書を作成する場合、公正証書遺言を作成するか自筆証書遺言を作成することがほとんどです。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。

公正証書遺言を作成したときに、遺言者に正本と謄本が渡されます。

正本や謄本は、遺言書のコピーです。

正本や謄本に書き込みをしても、何の効果もありません。

遺言書原本は、公証役場で厳重保管されているからです。

公正証書遺言は、偽造変造があり得ない遺言書です。

②自筆証書遺言は自分で保管

自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。

自筆証書遺言を作成したら、原則として自分で保管します。

自筆証書遺言は、保管に困ります。

保管場所を相続人と共有していないと、自分で紛失するリスクや見つけてもらえないリスクがあります。

保管場所を相続人と共有していると、遺言書を改ざん変造されるリスクがあります。

たとえ偽造変造がなくても、保管場所を共有していると他の相続人から偽造変造を疑われるリスクがあります。

自筆証書遺言は、偽造変造リスクがあります。

遺言書に偽造変造の疑いがあると、深刻な相続人間のトラブルに発展します。

自筆証書遺言は、偽造変造リスクで相続人間のトラブルに発展しやすい遺言書です。

③自筆証書遺言は法務局で保管してもらえる

自筆証書遺言は、保管に困ります。

自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。

自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管方法の選択肢です。

自筆証書遺言を預かったら、遺言書原本は法務局で厳重保管されます。

自筆証書遺言を預かったら、法務局は保管証を発行します。

法務局保管の自筆証書遺言は、自宅などで見つかることはありません。

自筆証書遺言の法務局保管制度を利用したら、偽造変造があり得ません。

2公正証書遺言は勝手に開封できる

①公正証書遺言に開封手続はない

自宅などで、公正証書遺言を見つけることがあります。

公正証書遺言に、開封手続はありません。

公正証書遺言は、勝手に開封することができます。

公正証書遺言を勝手に開封しても、ペナルティーが課されることはありません。

②自筆証書遺言は勝手に開封できない

自宅などで、自筆証書遺言を見つけることがあります。

自筆証書遺言は、勝手に開封することはできません。

自筆証書遺言は、検認手続で開封してもらいます。

検認手続とは、遺言書を家庭裁判所へ提出して開封してもらう手続です。

自筆証書遺言を勝手に開封すると、5万円以下のペナルティーが課されるおそれがあります。

③検認手続で遺言書の偽造変造を防止する

検認の申立てを受付けたら、相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

相続人に立会いをしてもらって、遺言書を開封するためです。

封筒に入って封がされている遺言書は、形式的に偽造変造がない状態と信頼することができます。

遺言書を開封した後、遺言書の形状、加除の状態、日付や署名を確認します。

確認した内容は、検認調書に取りまとめます。

検認調書を作成しても、相続人の疑念は消えません。

相続人に疑念が生じたら、検認調書で確認することができます。

検認調書を見れば、検認期日時点の遺言書の形状・内容が分かります。

遺言書の真正性は、検認調書で確認することができます。

検認期日以降に改ざんや変造をした場合、検認調書と照らし合わせることで必ず発覚します。

検認期日以降、改ざんや変造を防止することができます。

検認手続は、遺言書の改ざんや変造を防止するための手続です。

④公正証書遺言は検認不要

公正証書遺言は、偽造変造があり得ません。

遺言書原本は、公証役場で厳重保管されているからです。

正本や謄本に書き込みをしても、何の効果もありません。

相続発生後、相続人はだれでも公証役場に公正証書遺言の謄本を請求することができます。

公証役場で厳重保管されているから、作成時の公正証書遺言の謄本を取得することができます。

検認手続は、遺言書の改ざんや変造を防止するための手続です。

公正証書遺言は、検認手続をする必要がありません。

公正証書遺言は、偽造変造があり得ないからです。

公正証書遺言を勝手に開封しても、作成時の公正証書遺言の謄本を取得することができます。

公正証書遺言は、検認手続で遺言書の改ざんや変造を防止する必要がありません。

遺言書の改ざんや変造を防止する必要がないから、勝手に開封しても差し支えありません。

⑤公正証書遺言は封がされていないことがほとんど

公正証書遺言を作成したときに、遺言者に正本と謄本が渡されます。

正本と謄本と一緒に、公証役場の封筒を渡されます。

公証役場の封筒に入れて、正本と謄本を保管することが一般的です。

公証役場の封筒に入れるだけで、封がされていることはほとんどありません。

封筒に封がされていなくても、遺言書は有効です。

正本と謄本は、コピーに過ぎません。

遺言書原本は、公証役場で厳重保管されています。

⑥公証役場の封筒に自筆証書遺言が入っている可能性

公正証書遺言の正本と謄本と一緒に、公証役場の封筒を渡されます。

公証役場の封筒には、「〇〇公証役場」「公証人〇〇〇〇」などと記載されています。

「〇〇公証役場」「公証人〇〇〇〇」などと記載された封筒が見つかったら、公正証書が入っている可能性が高いでしょう。

公証役場の封筒に入れるだけで、封がされていることはほとんどありません。

封がされた封筒は、中身を確認することができません。

公証役場の封筒に、自筆証書遺言が入っている可能性があります。

公正証書遺言は、勝手に開封することができます。

自筆証書遺言は、勝手に開封することができません。

自筆証書遺言が入っている可能性がある場合、家庭裁判所で検認手続をするのがおすすめです。

自筆証書遺言が入っているか分からないからこそ、家庭裁判所で検認手続をするのが安心です。

中身が分からないのに勝手に開封すると、他の相続人に疑われるからです。

開封した相続人に有利な内容であった場合、他の相続人は強く偽造変造を疑うでしょう。

遺言書に偽造変造の疑いがあると、深刻な相続人間のトラブルに発展します。

家庭裁判所の検認手続で開封してもらうと、他の相続人からの疑念を和らげる効果があります。

公証役場の封筒であっても、家庭裁判所で検認手続をするのがおすすめです。

⑦相続人は公正証書遺言の謄本請求ができる

遺言書原本は、公証役場で厳重保管されています。

相続が発生した後、相続人はだれでも公証役場に公正証書遺言の謄本請求をすることができます。

新たに発行してもらった謄本で、公正証書遺言の内容を確認することができます。

封がされた封筒は、中身を確認することができません。

自筆証書遺言が入っている可能性がある場合、家庭裁判所で検認手続をするのがおすすめです。

検認手続には、時間がかかります。

遺言書検認の申立てをしてから検認期日まで、1か月程度かかります。

勝手に開封して、わざわざ相続人間のトラブルにする必要はありません。

相続が発生した後、相続人はだれでも公証役場に公正証書遺言の謄本請求をすることができます。

相続人間のトラブルを回避して、公正証書遺言の内容を確認することができます。

3公正証書遺言の開封後に相続人がすべきこと

手順①遺言書の内容を確認

公正証書遺言は、すぐに開封することができます。

公正証書遺言を開封したら、遺言内容をしっかり確認します。

相続財産の配分や遺留分侵害の有無を確認します。

遺言内容によっては、遺言執行者が必要になることがあります。

手順②遺言執行者の有無の確認

公正証書遺言を作成する場合、遺言書で遺言執行者を指名することが多いでしょう。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者を指名していなくても、遺言書は有効です。

遺言執行者がいる場合、相続人は妨害行為をすることはできません。

手順③遺産分割協議の必要の有無の判断

遺言書を確認すると、大きく偏っていることがあります。

ときには相続人の遺留分を侵害していることがあるでしょう。

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

大きく偏った遺言書を、そのまま執行すると相続人間で深刻なトラブルに発展します。

深刻なトラブルに発展する遺言書なのに、わざわざ執行してトラブルにする必要はありません。

相続人間で分け方の合意をした方が合理的です。

遺言書があっても、遺産分割協議をすることができます。

遺言執行者がいる場合、遺産分割協議に遺言執行者の同意が必要です。

遺留分侵害額請求権は、最短1年で時効消滅します。

手順④相続手続を開始

遺言書の内容に従って、相続手続をします。

遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力で相続手続をします。

相続財産の規模が大きい場合、相続税申告が必要になる可能性があります。

遺言執行者が税理士であっても、相続税申告は相続人があらためて依頼する必要があります。

4公正証書遺言の開封後に遺言執行者がすべきこと

①遺言執行者に就任する義務はない

遺言書で遺言執行者に指名されても、就任する義務はありません。

遺言執行者を辞退する場合、すみやかに通知します。

遺言執行者を辞退する場合、理由は何でも構いません。

何となく気が進まないでも自信がないでも、辞退することができます。

遺言執行者に就任した後は、正当理由がないと辞任できません。

正当理由があるか、家庭裁判所が判断します。

正当理由には、次のような理由があります。

・病気やけがで療養に専念したい。

・長期の出張などで職務ができない。

・遠方に転勤や転居した

就任後に遺言執行者を辞任するときは、家庭裁判所の許可が必要です。

②遺言執行者から遺言内容の通知

遺言執行者が就任した場合、就任通知とともに遺言内容を通知します。

相続人は、遺言執行者からの通知で遺言内容を知ることができます。

遺言執行者が就任した後、相続人は妨害行為ができません。

例えば、遺言執行者が就任したのに、相続人が勝手に預貯金を解約したり不動産を売却することはできません。

相続人が妨害行為をした場合、損害賠償を求められるでしょう。

③財産調査

遺言書の内容を実現するため、遺言執行者は相続財産調査をすることができます。

遺言書に記載がない財産が見つかったら、相続人に通知します。

④相続手続

遺言執行者がいる場合、遺言執行者が相続手続をします。

わずらわしい相続手続は遺言執行者におまかせできるから、家族は安心です。

預貯金があれば、金融機関で口座凍結解除をします。

不動産があれば、法務局で相続登記をします。

遺言執行者がいるのに相続人が手続すると、妨害行為と判断されるおそれがあります。

5遺言執行を司法書士に依頼するメリット

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。

相続人が遺言書の内容に納得していて、手続に協力的であれば、必ずしも、遺言執行者を選任する必要はありません。

遺言執行者は、相続開始後すやかに手続を進めることができる時間と知識がある人を選ぶことが重要です。

家族より司法書士などの専門家に遺言執行を依頼する人が増えています。

以前は、遺言執行者は止むを得ない場合だけ、他の人に職務を任せることができるとされていましたが、現在は、止むを得ないなどの理由は不要になりました。

遺言執行者に指名され職務をしてみたところ思ったよりタイヘンだという場合、自己の責任で司法書士などの専門家におまかせすることもできます。

遺言執行を司法書士などの専門家に依頼した場合、相続人は基本待っているだけです。

相続人間でトラブルになることが少なくなるからです。

家族を笑顔にするためにも、遺言書作成と遺言執行者選任しましょう。

家族の幸せのためにも、遺言書作成と遺言執行者選任を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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