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熟慮期間中の単純承認を回避して相続放棄
オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました
1 オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただく前に、どのようなことでお困りでしたか。
父(夫)の死後、相続放棄するか、否か。
2 たくさんの事務所がある中から、オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただきまして、ありがとうございました。
オリーブの木司法書士事務所を知ったきっかけをお聞かせください。
インターネット
3 オリーブの木司法書士事務所に相談をしてから依頼をするまで時間はかかりましたか。
また時間がかかったとしたらどんな理由がありましたか。
かからなかった。
4 オリーブの木司法書士事務所に依頼するときに、重視したことをお聞かせください。
・相続放棄の知識
・初回面談内容
・安心感
5 実際にオリーブの木司法書士事務所にご依頼いただいたご感想をお聞かせください。
・一般的な手続きのみならず、本件固有と思われる問題、状況にも
丁寧柔軟にご対応、ご教示頂いた。
・時間・距離的にも制限のある中で、緊密、丁寧にご対応頂いた。
6 このアンケートをオリーブの木司法書士事務所のホームページやパンフレット等に掲載してよろしいでしょうか。
イニシャルを掲載してよい
イニシャル S.H
オリーブの木司法書士事務所からコメント
オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました。
S.Hさまから、死亡したお父さまの相続放棄をご依頼いただきました。
相続放棄をしたいと決めて、ご相談いただいたのではありません。
相続放棄をするか迷って、ご相談いただきました。
迷っていても、相続手続は押し寄せてきます。
相続放棄をするなら、単純承認になる行為は避ける必要があります。
相続放棄をするか決めかねているのに、次々と判断を迫られます。
相続手続先は、単純承認になる行為であるか分かっていません。
親切のつもりで、手続を進めるように言ってきます。
相続手続先の人のすすめであっても、単純承認は撤回できません。
こちらで聞き取りをしながら、単純承認になる行為についてアドバイスをしました。
相続放棄をするか否か判断できるまで、単純承認を回避するアドバイスをしました。
相続放棄をすると決断し、手続をしました。
無事、家庭裁判所から、相続放棄申述受理通知書が届きました。
今回、ご依頼をいただきましてありがとうございました。


相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
不在者財産管理人選任の申立ての方法
1不在者財産管理人が行方不明者の財産管理をする
①不在者財産管理人制度は生きている扱いが続く
不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。
不在者財産管理人制度を利用しても、行方不明者は生きている扱いのままです。
死亡扱いにしなくて済むから、家族の心理的抵抗が少なく済みます。
②不在者財産管理人は不利益な財産管理はできない
不在者財産管理人は、行方不明者のために財産管理をする人です。
行方不明者のためにとは、行方不明者に不利益な財産管理ができないという意味です。
不在者財産管理人は、家族の希望通りに財産を動かすことができません。
不在者財産管理人には、善管注意義務があるからです。
不在者財産管理人は、家族の代理人ではありません。
たとえ家族が望んでも、行方不明者に不利益な財産管理は許されません。
たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、不利益な不利益な財産管理はできません。
不在者財産管理人は、公的な立場だからです。
不在者財産管理人は、適切な財産管理を行っているか家庭裁判所の監督を受けます。
2不在者財産管理人選任の申立ての方法
①不在者財産管理人選任の申立ての条件
条件(1)行方不明であること
不在者財産管理人選任の申立ての対象になるのは、行方不明者です。
行方不明者とは、従来の住所や居所を去り、容易に戻る見込みがない人です。
客観的に、帰ってくる見込みが分からないことが重要です。
具体的には、次の人について不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。
・家を出たまま数年単位で消息不明
・住民票上の住所があるが居住実態がない、連絡が取れない
・連絡不能で所在が全く分からない
・海外に転出後、所在不明で連絡が取れない
・住民票が職権消除されている
単に連絡を拒否しているだけの人に、不在者財産管理人選任の申立てをすることはできません。
条件(2)財産管理人が置かれていないこと
不在者財産管理人制度は、財産管理をする人がいないときの補充制度です。
行方不明者に財産管理人がいる場合、不在者財産管理人制度を利用する必要はありません。
行方不明者に任意後見人がいる場合、任意後見人が財産管理をしているはずです。
行方不明者に成年後見人がいる場合、成年後見人が財産管理をしているはずです。
行方不明者に任意財産管理人がいる場合、任意財産管理人が財産管理をしているはずです。
財産管理をする人がいる場合、不在者財産管理人選任の申立てをすることはできません。
②不在者財産管理人選任の申立てをする典型的ケース
・遺産分割協議ができない
・預貯金の口座凍結解除ができない
・不動産の売却ができない
・不動産の管理費や維持費がかさむ
③申立てができる人は利害関係人のみ
(1)遺産分割協議のために他の相続人が申立て
相続人に行方不明者がいると、遺産分割協議を成立させることができなくなります。
遺産分割協議を成立させるため、他の相続人は不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。
(2)不動産売却で家族が申立て
行方不明者の推定相続人は、法律上の利害関係があると考えられます。
推定相続人とは、将来行方不明者が死亡したときに相続人になる予定の人です。
推定相続人によって、行方不明者の財産は将来相続する予定の財産です。
行方不明者の財産が減少すると、将来相続する予定の財産が減少すると言えます。
(3)共有物の処分のため他の共有者が申立て
一部の共有者が行方不明になると、共有物を処分することができなくなります。
共有物の処分には、共有者全員の合意が必要だからです。
(4)債権債務の実現のため債権者と債務者
行方不明者が財産を残したまま、返済を滞らせていることがあります。
債権者は債権の実現のため、不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。
返済を受けないまま行方不明になり、債務者が返済できないことがあります。
債務者は正当な弁済をすることで、債務から解放されることができます。
家族以外であっても利害関係人であれば、不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。
④申立先
不在者財産管理人選任の申立先は、行方不明者の住所地を管轄する家庭裁判所です。
家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで調べることができます。
⑤費用
(1)手数料
手数料は、800円です。
申立書に収入印紙800円分を貼り付けて、納入します。
(2)連絡用郵便切手
裁判所が手続で使う郵便切手を予納します。
裁判所によって予納する郵便切手の額面や枚数が決められています。
例えば、名古屋家庭裁判所では、次のとおりです。
・350円 5枚
・110円 20枚
・10円 20枚
合計 3050円
(3)予納金
行方不明者の財産管理に必要な費用は、行方不明者の財産から支出されます。
行方不明者の財産内容によっては、費用に不足が出ることが考えられます。
予納金とは、不在者財産管理人が円滑に事務を行うように納付する金銭です。
申立後に、家庭裁判所から予納金を納付するように指示されます。
事案によっては、100万円程度になります。
不在者財産管理人の任務が終了した時点で余りがあれば、返還されます。
⑥申立てに必要な書類
(1)不在者財産管理人選任の申立書
不在者財産管理人選任の申立書は、家庭裁判所のホームページからダウンロードすることができます。
司法書士などの専門家に依頼する場合、専門家が準備します。
(2)行方不明者の戸籍謄本
行方不明者の実在を証明するために、提出します。
行方不明者の本籍地の市区町村役場で、取得します。
配偶者や直系血族は、戸籍謄本の広域交付を利用することができます。
(3)行方不明者の住民票または戸籍の附票
最後の住所の特定するために、提出します。
従来の住所を去った事実の基礎資料です。
住民票は、住民票を置く市区町村役場で取得します。
戸籍の附票は、本籍地の市区町村役場で取得します。
(4)不在者財産管理人候補者の住民票
不在者財産管理人選任の申立てにおいて、不在者財産管理人の候補者を立てることができます。
不在者財産管理人の候補者を立てても、家庭裁判所は自由に不在者財産管理人を選任することができます。
候補者を選任することも、候補者以外の専門家を選任することもできます。
不在者財産管理人の候補者の実在を証明するために、提出します。
(5)不在の事実を証する資料
●行方不明者の調査報告書
申立人の主張だけでは、不在者財産管理人を選任してもらえません。
行方不明者の調査報告書を作成して、提出します。
具体的には、次の事項を詳細に記述します。
・最後に連絡が取れた時期
・家族や友人知人に照会した結果
・郵便の返送状況
・電話やメールの状況
・警察などに相談した内容
客観的に調査を尽くしても、所在不明であることが重要です。
いつから不明か、どのような経緯で不明かを具体的に裏付けします。
●行方不明者届受理証明書
行方不明者届とは、捜索願の新しい名称です。
警察に行方不明者届を提出していた場合、受理証明書を発行してもらうことができます。
警察に行方不明者届を提出しても、警察署によっては受理証明書を発行しないことがあります。
受理証明書の発行を拒否されたことを家庭裁判所に報告します。
●職権消除された住民票または戸籍の附票
職権消除とは、その住所に居住していない場合に市区町村が本人申請なしで住民票を削除する手続です。
職権消除は、行政記録を正確に保つための措置です。
市区町村が実地調査などして、行方不明であると確認したときに職権消除をします。
職権消除された住民票は、市区町村が行方不明を確認した証明書と言えます。
●「あて所に尋ねあたりません」「転居先不明」の手紙
行方不明者に手紙を送っても、郵便は返戻されます。
差し出した郵便物に「あて所に尋ねあたりません」「転居先不明」とスタンプが押されます。
差出人に戻ってきた郵便物は、郵便局が行方不明を確認した証明書と言えます。
(6)行方不明者の財産に関する資料
●固定資産税課税明細書
不動産を持っていると、固定資産税が課されます。
課税明細書を確認すると、次のことが分ります。
・不動産の所有者
・固定資産税が課される不動産
・固定資産税評価額
不在者財産管理人が管理すべき財産が分かります。
●預貯金の通帳
金融資産が存在することを証明するため、提出します。
通帳の表紙と2ページ目、残高のページのコピーを提出します。
(7)利害関係を証する資料
●共同相続人が申し立てるケース
相続関係が分かる戸籍謄本を提出します。
●推定相続人が申し立てるケース
相続関係が分かる戸籍謄本を提出します。
●共有者が申し立てるケース
共有者であることが分る登記簿謄本を提出します。
●債権者や債務者が申し立てるケース
賃貸借契約書や金銭消費貸借契約書など、債権が分かる書類を提出します。
⑦申立てから選任されるまでの期間
不在者財産管理人選任の申立てを受付けたら、家庭裁判所で調査があります。
家庭裁判所が行方不明であることを認めたとき、不在者財産管理人が選任されます。
申立てから選任されるまでの期間は、半年程度かかります。
⑧不在者財産管理人が権限外行為の許可の申立て
不在者財産管理人の権限は、行方不明者の財産を保存管理する権限のみです。
遺産分割協議や不動産の売却は、保存管理する権限外です。
遺産分割協議や不動産の売却は、処分行為だからです。
不在者財産管理人が遺産分割協議や不動産の売却をする場合、あらためて家庭裁判所の許可が必要です。
たとえ家族が望んでも、行方不明者の相続分が確保されない遺産分割協議は許可されません。
行方不明者の相続分が確保されない遺産分割協議は、不利益な財産処分だからです。
⑨不在者財産管理人の任務は継続
遺産分割協議や不動産の売却が終了しても、不在者財産管理人の任務は継続します。
不在者財産管理人は、行方不明者の財産管理をする人だからです。
遺産分割協議や不動産の売却で取得した財産は、不在者財産管理人が管理します。
相続した財産や売却代金は、家族に渡されません。
たとえ家族が望んでも、家族に渡すと職務怠慢と評価されます。
⑩不在者財産管理人選任の流れ
手順(1)必要書類の準備
不在者財産管理人選任の申立てでは、たくさんの書類が必要になります。
手順(2)不在者財産管理人選任の申立て
不在者財産管理人選任の申立書と必要書類を取りまとめて、家庭裁判所に提出します。
窓口に出向いても、郵送でも提出することができます。
手順(3)家庭裁判所で審理
不在者財産管理人選任の申立書を受付けたら、家庭裁判所で審査します。
家庭裁判所の審査は、提出された書類の審査です。
提出書類に不足や不備がある場合、申立人に連絡があります。
その都度、速やかに対応すれば問題ありません。
手順(4)不在者財産管理人選任の審判
不在者財産管理人選任の申立てから半年ほどで、審判があります。
3失踪宣告と不在者財産管理人制度は目的がちがう
不在者財産管理人制度を利用しても、行方不明者は生きている扱いのままです。
失踪宣告は、行方不明者を死亡扱いにする手続です。
失踪宣告と不在者財産管理人制度は、目的がちがいます。
不在者財産管理人制度は、失踪宣告の代替手段ではありません。
失踪宣告の代替手段にしようとすると、家族の期待がデメリットになります。
4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。
行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。
相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。
自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。
困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。
途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。
相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
特定遺贈と包括遺贈のちがい
1受遺者とは遺贈で財産を引き継ぐ人
①相続人以外の人でも財産を引き継ぐことができる
受遺者とは、遺贈によって財産を引き継ぐ人です。
受遺者は、遺言書で明確に特定する必要があります。
相続人になる人は、法律で決まっています。
法律で決められた人以外の人は、相続人になることはできません。
相続人も相続人以外の人も、遺贈を受けることができます。
②遺言書を作成して遺贈ができる
被相続人は、生前に自分の財産を自由に処分することができます。
遺言書を作成して、だれに引き継いでもらうのか自由に決めることができます。
遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。
遺言書なしで、遺贈はできません。
遺言書を作成して、遺言者の思うように財産を引き継ぐことができます。
③特定遺贈と包括遺贈
遺贈には、2種類あります。
特定遺贈と包括遺です。
特定遺贈とは、遺言書に「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。
包括遺贈とは、遺言書に「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。
2特定遺贈と包括遺贈のちがい
ちがい①引き継ぐ対象がちがう
(1)特定遺贈で引き継ぐのは遺言書に記載されている財産だけ
特定遺贈では、遺言書に記載されている財産だけ引き継ぎます。
特定遺贈では、遺言書に記載されていない財産は一切引き継ぎません。
たとえ相続財産に借金があったとしても、一切引き継ぎません。
(2)包括遺贈ではマイナスの財産も含めて引き継ぐ
包括遺贈では、遺言書に記載されている割合で引き継ぎます。
包括遺贈では、遺言書には具体的な財産は記載されていません。
相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があるでしょう。
包括遺贈では、指定された割合でプラスの財産とマイナスの財産の両方を引き継ぎます。
包括遺贈ではマイナスの財産も含めて、指定された割合で引き継ぎます。
ちがい②遺産分割協議の参加がちがう
(1)特定遺贈は遺産分割協議に参加しない
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
特定遺贈では、遺産分割協議に参加する必要はありません。
特定受遺者は、遺産分割協議に参加する権利と義務がありません。
特定受遺者が引き継ぐ対象は、遺言書で具体的に指定されているからです。
相続財産の分け方について、話し合いをする必要はありません。
(2)包括遺贈は原則として遺産分割協議に参加する
包括遺贈では、原則として遺産分割協議に参加する必要があります。
包括受遺者は、遺産分割協議に参加する権利と義務があります。
包括受遺者が引き継ぐ対象は、遺言書で割合だけ指定されているからです。
割合だけ指定されていて、具体的な財産は指定されていません。
具体的に引き継ぐ財産は、遺産分割協議で決定します。
相続財産の分け方について、話し合いをする必要があります。
遺産分割協議で合意できれば、希望する財産を引き継ぐことができます。
遺産分割協議で合意できなければ、希望する財産を引き継ぐことができません。
遺言書で遺言執行者が指名されていても、遺産分割協議に参加するのは包括受遺者です。
遺言執行者は、遺産分割協議に参加しません。
遺言執行者は、相続財産の分け方を決める人ではないからです。
(3)全部包括遺贈は遺産分割協議不要
包括遺贈では、財産すべてを遺贈することができます。
財産すべてを包括遺贈する場合、遺産分割協議は不要です。
ちがい③遺贈の放棄の手続がちがう
(1)遺言書があっても遺贈は放棄できる
遺言書は、遺言者がひとりで作成します。
財産を受け取る人の同意や承諾なく、一方的に遺言書を作成することができます。
遺言者が死亡した後に、遺贈を受けるか遺贈を辞退するか決めることができます。
(2)特定遺贈の放棄は遺贈義務者へ通知
遺贈の放棄とは、遺贈を辞退することです。
特定遺贈の放棄をする方法は、法律で決められていません。
いつでも、遺贈の放棄をすることができます。
口頭で、遺贈の放棄をすることができます。
実務ではトラブル防止のため、遺贈義務者に配達証明付内容証明郵便で通知します。
遺贈義務者とは、次の人です。
・遺言執行者がいるとき 遺言執行者
・遺言執行者がいないとき 相続人
(3)包括遺贈の放棄は家庭裁判所の手続
包括遺贈の放棄は、家庭裁判所の手続です。
口頭で手続することはできません。
包括遺贈の放棄は、相続放棄同様に3か月の期限があります。
3特定遺贈と包括遺贈の共通点
共通①遺留分侵害額請求を受ける
遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。
被相続人に近い関係の相続人に認められます。
配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。
遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。
遺留分を侵害する遺言書であっても、有効な遺言書です。
有効な遺言書があっても、遺留分侵害額請求をすることができます。
特定受遺者も包括受遺者も、遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
適切な遺留分侵害額請求がある場合、拒否することはできません。
特定受遺者も包括受遺者も、遺留分を払う義務があります。
共通②遺言執行者がやること
遺言書は、作成するだけでは意味がありません。
遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。
遺言書の内容を実現するため、受遺者と遺言執行者が協力して相続手続を行います。
遺言執行者がいない場合、相続人全員と受遺者が協力して遺言書の内容を実現します。
相続人が遺言書の内容に不満を持つと、実印を押すなどの協力を渋るでしょう。
相続人が遺言書内容に不満を持たなくても、印鑑証明書を渡すのを先延ばしするでしょう。
特定受遺者も包括受遺者も、相続人の協力が得られないと手続が進められなくなります。
遺言執行者がいる場合、遺言執行者と受遺者が協力して遺言書の内容を実現します。
相続人全員の協力は、不要です。
たとえ相続人が反対していても、遺言執行者は遺言書の内容を実現することができます。
特定遺贈であっても包括遺贈であっても、遺言執行者の役割は同じです。
遺言執行者がいなければ、特定遺贈であっても包括遺贈であっても相続人全員の協力が必要です。
特定遺贈であっても包括遺贈であっても、相続人全員の協力なしで相続手続を進めることはできなくなります。
共通③遺言なしで遺贈はできない
遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。
遺言なしで、遺贈をすることはできません。
特定遺贈であっても包括遺贈であっても、遺言なしで遺贈をすることはできません。
遺言書が無効になると、遺言書の内容も無効になります。
遺言書に遺贈すると書いてあっても、無効になります。
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作ることがほとんどです。
自筆証書遺言とは、遺言者がひとりで書いて作る遺言書です。
公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
自筆証書遺言は無効になりやすいだけでなく、無効でないか疑いがかけられやすい遺言書です。
無効を疑われるのは、主に次の点です。
・遺言者が認知症だったのではないか
・遺言者が詐欺強迫にあっていたのではないか
・偽造変造された遺言書ではないか
無効の疑いがあると、相続手続先は手続を保留にします。
無効の疑いがあっても、死亡した遺言者は反論できません。
遺言者が完璧に遺言書を作成しても、受遺者は無効の疑いを晴らす証拠を準備できません。
特定遺贈であっても包括遺贈であっても、受遺者が無効の疑いを晴らす証拠を準備できなければ手続を進められなくなります。
公正証書遺言は、公証人が本人確認のうえ本人の意思確認をして作成します。
公証人が関与して作成するから、公正証書遺言には高い信頼性があります。
特定遺贈であっても包括遺贈であっても、公正証書遺言がおすすめです。
公正証書遺言は、非常に無効になりにくいからです。
4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書は、被相続人の意思を示すものです。
自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。
民法に遺言書を作ることができるのは、15歳以上と定められています。
死期が迫ってから、書くものではありません。
遺言書は被相続人の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。
遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげるものです。
遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。
受け継いでもらう財産に不動産がある場合、譲ってもらう人だけでは登記申請ができません。
遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力が必要です。
遺言書で遺言執行者を決めておきましょう。
遺言執行には、法的な知識が必要になります。
遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう心配があります。
遺言の効力が発生した後の場合、遺言執行者は家庭裁判所に決めてもらう必要があります。
不動産以外の財産であっても、遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、受遺者に引渡そうとしないこともあります。
せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。
遺言執行者を選任することで、家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現することができます。
お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
孫が相続放棄
1相続放棄ができるのは相続人だけ
①相続人になる人は法律で決まっている
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
相続人になる人は、民法で決められています。
相続人になる人は、次のとおりです。
(1)配偶者は、必ず相続人になる
(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども
(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
②孫が相続人になったときだけ孫が相続放棄
相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続人になる人は、法律で決められています。
相続人以外の人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができません。
相続人以外の人は、相続放棄をすることができません。
孫が相続人になる場合、孫は相続放棄をすることができます。
孫が相続放棄をするのは、孫が相続人になったときだけです。
被相続人の子どもが相続人になる場合、原則として孫は相続人ではありません。
相続人でないのに、相続放棄をすることはできません。
家庭裁判所に相続放棄の書類を提出しても、受付けてもらえません。
③遺贈を受けても相続人ではない
相続人以外の人に、財産を引き継ぎたいことがあります。
被相続人は遺言書を作成して、相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことができます。
遺贈とは、遺言書で相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。
遺贈で財産を引き継ぐ人は、相続人ではなく受遺者です。
相続人であっても相続人以外の人であっても、受遺者になることができます。
受遺者と相続人は、どちらも相続財産を引き継ぎます。
遺贈を受けても、相続人になるわけではありません。
受遺者は遺言書で自由に決めることができるけど、相続人は民法で決められているからです。
遺贈を受けても、相続人でない孫は相続人ではありません。
遺贈を受けても、相続人である孫は相続人です。
相続人以外の人が遺贈を受けても、相続放棄をすることはできません。
相続放棄ができるのは、相続人だけだからです。
④遺贈の放棄は別の手続
遺言者は、ひとりで遺言書を作成することができます。
相続人や受遺者の意見を聞かずに、一方的に遺言書を作成することができます。
遺言書に書いてあるとは言っても、遠慮したいことがあります。
受遺者に、財産を受け取る義務はありません。
受遺者は、遺贈を放棄することができます。
遺贈の放棄は、相続放棄とは別の手続です。
遺贈を放棄したい場合、相続放棄ではなく遺贈を放棄する手続をします。
2孫が相続放棄
①孫が代襲相続人だから相続放棄
(1)子どもが先に死亡したら代襲相続
被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。
相続人になるはずだったのに、子どもが先に死亡することがあります。
相続人になるはずだった子どもが先に死亡した場合、孫が相続人になります。
代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合に相続人になるはずだった人の子どもが相続することです。
孫が相続人になるから、孫が相続放棄をすることができます。
(2)他の子どもが健在でも代襲相続
被相続人に複数の子どもがいる場合、複数の子どもは平等に相続人になります。
一部の子どもが先に死亡した場合、先に死亡した子どもについて代襲相続が発生します。
他の子どもが健在であっても、代襲相続が発生します。
先に死亡した子どもの子どもが代襲相続人です。
代襲相続人である孫は、相続放棄をすることができます。
代襲相続人は、相続人だからです。
(3)代襲相続人が各自で相続放棄の手続
先に死亡した子どもに、複数の子どもがいることがあります。
先に死亡した子どもの子ども全員が代襲相続人です。
各相続人が単独で、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
一部の孫が単純承認をしても、他の孫が相続放棄をすることができます。
相続放棄を希望する場合、代襲相続人が各自で相続放棄の申立てをします。
一部の孫が勝手に、他の孫の相続放棄の手続をすることはできません。
②孫と養子縁組をしたから相続放棄
(1)養子縁組で親子になる
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
養子縁組とは、法律上の親子関係を作る手続です。
相続人になる子どもとは、血縁関係がある子どもだけではありません。
被相続人と養子縁組をした養子は、被相続人の子どもです。
血縁関係がある子どもがいても、養子は相続人になります。
血縁関係がある子どもがいても、養子は被相続人の子どもだからです。
被相続人が孫と養子縁組をすることがあります。
孫と養子縁組をした場合、孫は被相続人の子どもになります。
孫と養子縁組をして、被相続人は孫と親子になったからです。
(2)被相続人の子どもが健在でも孫は相続人
相続人になるはずだった子どもが先に死亡した場合、孫が相続人になります。
相続人になるはずだった子どもが先に死亡した場合、代襲相続が発生します。
相続人になるはずだった子どもが死亡などした場合のみ、孫が代襲相続人になります。
孫と養子縁組をした場合、養子は被相続人の子どもです。
被相続人の実子である養子の親が死亡していても健在でも、養子は相続人になります。
養子は、被相続人の子どもだからです。
養子は相続人になるから、相続放棄をすることができます。
(3)養子の親が先に死亡したとき養子は代襲相続人になる
被相続人が孫と養子縁組をした場合、孫には2つの身分があります。
子どもである身分と子どもの子どもである身分です。
普通養子による養子縁組をしても、養子と実親との親子関係は終了しません。
被相続人の実子である養子の親が先に死亡した場合、代襲相続が発生します。
孫は被相続人の子どもだから、相続人です。
孫は被相続人の実子の子どもだから、代襲相続人です。
被相続人が孫と養子縁組をした場合、孫には相続人と代襲相続人の身分があります。
(4)養子は相続人と代襲相続人をまとめて相続放棄ができる
養子の親が先に死亡した場合、孫には相続人と代襲相続人の身分があります。
孫は、相続人と代襲相続人の身分両方をまとめて相続放棄をすることができます。
③再転相続で孫が相続放棄
(1)相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから
相続放棄には、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月です。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
(2)相続があったことを知らないまま相続人が死亡
被相続人と子どもが疎遠になっていることは、少なくありません。
相続があったことを知らないまま、疎遠な相続人が死亡することがあります。
相続があったことを知らないまま死亡しているので、相続放棄の期限3か月がスタートしていません。
疎遠な相続人の子どもは、再転相続人です。
再転相続人とは、相続人の死亡によって相続を単純承認するか相続放棄をするか選択する権利を引き継いだ人です。
孫は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択する権利を引き継いでいます。
(3)再転相続人が各自で相続放棄の手続
相続があったことを知らないまま死亡した子どもに、複数の相続人がいることがあります。
相続があったことを知らないまま死亡した子どもの相続人全員が再転相続人です。
各相続人が単独で、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
一部の孫が単純承認をしても、他の孫が相続放棄をすることができます。
相続放棄を希望する場合、再転相続人が各自で相続放棄の申立てをします。
一部の孫が勝手に、他の孫の相続放棄の手続をすることはできません。
④未成年の孫は自分で相続放棄ができない
未成年者は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができません。
通常、契約などの法律行為をする場合、親などの親権者が代わりに手続をします。
親などの親権者と孫が同時に相続人である場合、親などの親権者は原則として未成年者を代理することはできません。
親などの親権者と孫が同時に相続人である場合、利益相反になるからです。
利益相反とは、一方がソンすると他方がトクする関係です。
未成年者の利益を守るため、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらいます。
特別代理人が未成年者を代理して、相続放棄をします。
⑤親権者と未成年者は同時に相続放棄ができる
特別代理人が未成年者を代理するのは、未成年者の利益を守るためです。
未成年者の利益が守られるなら、親権者が未成年者を代理することができます。
親権者があらかじめ相続放棄をした場合や親権者が未成年者と同時に相続放棄をする場合、未成年者の利益が侵害されません。
親権者が未成年者を代理して、相続放棄をすることができます。
3子どもが相続放棄をしても孫は相続人ではない
①相続放棄で代襲相続は発生しない
被相続人の子どもが相続放棄をした場合、子どもの子どもは相続しません。
子どもが相続放棄をした場合、代襲相続が発生しないからです。
被相続人の子どもが相続放棄をした場合、はじめから相続人でなかったとみなされます。
相続人でなくなるから、代襲相続もあり得ません。
被相続人の借金から逃れるために相続放棄をした場合、代襲相続がされないので安心です。
②孫が相続放棄をする必要はない
被相続人の子どもが相続放棄をしても、孫は相続人になりません。
孫は相続人でないから、相続放棄をすることはできません。
孫は相続人でないから、借金を相続する心配はありません。
被相続人の子ども全員が相続放棄をしても、孫は相続人になりません。
被相続人の子ども全員が相続放棄をしたら、親などの直系尊属が相続人になります。
親などの直系尊属は、次順位の人だからです。
4相続放棄と遺贈の放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄も包括遺贈の放棄もプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。
相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。
つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。
実は、放棄ができるのはその相続でチャンスは実質的には1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらえやすい書類を作成することができます。
しかも相続放棄も遺贈の放棄も、原則として、撤回ができません。
3か月の期間内に手続するのは思ったよりハードルが高いものです。
特定遺贈は、承認する場合も放棄する場合も、法律の知識が欠かせません。
相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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相続人申告登記で他の相続人が協力しない影響
1相続人申告登記でペナルティー回避
①令和6年(2024年)4月1日から相続登記義務化
所有権移転登記をしない場合、所有者は不利益を被ります。
不動産に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者のはずなのに権利主張ができないからです。
相続登記がされない場合、登記簿を見ても土地の所有者が分からなくなります。
登記簿とは、不動産の権利関係が記録される公的な帳簿です。
所有者不明の土地の発生を防止するため、相続登記をすることは義務になりました。
②相続登記の期限3年を守れないとペナルティー
令和6年(2024年)4月1日から、相続登記をする義務が課されました。
相続登記の期限は、3年です。
令和6年(2024年)4月1日以降に発生した相続は、当然に対象になります。
相続があったことを知ってから、相続登記の期限3年がスタートします。
令和6年(2024年)4月1日以前に発生した相続も、義務化の対象です。
過去の相続は、令和6年4月1日に期限3年がスタートします。
相続登記義務化がスタートしてから、3年間の猶予があると言えます。
過去の相続は令和9年3月31日を経過すると、ペナルティーの対象になります。
相続登記の期限3年が経過すると、ペナルティーの対象になります。
③相続人申告登記で相続登記の義務を履行
相続人申告登記とは、相続人が法務局に対し自分が相続人であることを申告する制度です。
申告に基づいて、登記官が職権で相続人の住所や氏名を登記に付記します。
相続人申告登記をしたことで、相続登記の義務を履行したと扱われます。
相続人申告登記は、相続登記の義務を履行しやすくする制度です。
2相続人申告登記で他の相続人が協力しない影響
①他の相続人が協力しない状況は珍しくない
相続が発生したら、相続人全員が協力して相続手続をします。
相続人全員が協力できないと、相続手続が進まなくなります。
他の相続人が協力しない状況は、珍しくありません。
感情的対立がなくても、相続手続に協力できないことがあります。
相続手続に協力できないさまざまな事情や状況があるからです。
例えば、疎遠な相続人、行方不明の相続人、認知症の相続人には、協力が難しい事情があります。
相続人本人の意思や感情とは無関係に、協力しない相続人と扱われます。
②他の相続人が協力しなくても自分の義務を履行できる
被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。
相続登記とは、不動産の名義変更です。
相続登記をするためには、相続人全員の協力が不可欠です。
他の相続人の関与なく、相続人申告登記をすることができます。
一部の相続人が単独で、相続人申告登記をすることができます。
相続人申告登記をすると、相続登記の義務を履行したと扱われます。
相続登記の義務を履行したと扱われるのは、相続人申告登記をした人のみです。
一部の相続人が相続人申告登記をして、相続登記の義務を履行することができます。
他の相続人が協力しなくても、自分の義務を履行できます。
③ペナルティーを回避できるのは相続人申告登記をした人のみ
相続人申告登記は、各相続人が個別に相続登記の義務を履行する制度です。
一部の相続人が単独で、相続人申告登記をすることができます。
相続人申告登記をした人のみ、相続登記の義務を履行したと扱われます。
他の相続人が協力しなくても、相続人申告登記が無効になることはありません。
他の相続人が協力しなくても、相続登記義務化のペナルティーを課されることはありません。
相続人申告登記をした人のみ、相続登記義務化のペナルティーを回避できます。
相続人申告登記は、各相続人が個別に相続登記の義務を履行する制度だからです。
④他の相続人が勝手に相続人申告登記をしても影響はない
相続人申告登記は、一部の相続人が単独ですることができます。
自分が何も知らないところで、他の相続人が相続人申告登記をすることがあります。
他の相続人が勝手に相続人申告登記をしても、影響はありません。
相続人申告登記をしたら、相続登記の義務を履行したと扱われるに過ぎません。
相続人申告登記をした人が相続登記義務化のペナルティーを回避できるだけです。
相続人申告登記をした人以外の相続人は、相続登記義務化のペナルティーを回避できません。
相続人申告登記は、各相続人が個別に相続登記の義務を履行する制度だからです。
他の相続人が勝手に相続人申告登記をしても、相続人の資格を奪われることはありません。
相続人申告登記は、相続における権利関係に一切影響がありません。
3相続人申告登記後に他の相続人が協力しない影響
①相続人申告登記をしても相続登記
相続人申告登記は、相続登記義務化に伴い新設された制度です。
相続人申告登記は、期限内に相続登記ができないときの救済措置です。
相続人申告登記をしても、ペナルティーを回避する効果があるに過ぎません。
相続人申告登記をしても、不動産の名義は被相続人のままです。
相続人申告登記をしても、相続登記が必要になります。
②相続人申告登記をしても遺産分割協議は進まない
相続人申告登記は、相続人であることを法務局に申告する制度です。
相続人申告登記の効果は、相続登記義務化のペナルティー回避に限定されています。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が不可欠です。
相続人申告登記は、各相続人が単独で完結する制度です。
相続人申告登記をしても、遺産分割協議を進めるトリガーになりません。
相続人申告登記は、各相続人の利害関係に関与しません。
相続人申告登記をしても、相続における権利関係に一切影響がありません。
相続人全員の合意形成に、与える影響は全くありません。
相続人申告登記をしても、遺産分割協議は進みません。
③相続人申告登記をしたから遺産分割協議が長期化
相続登記義務化のペナルティーは、相続人全員にとって遺産分割協議を進める理由になり得ます。
相続人申告登記は、相続登記義務化のペナルティー回避の効果があります。
相続人全員が相続人申告登記をした場合、相続人全員がペナルティーを回避することができます。
ペナルティーの心配なく、心理的余裕を持って遺産分割協議をすることができます。
心理的余裕は、そのまま先延ばしを誘発する可能性があります。
遺産分割協議が長期化する主たる理由は、次のとおりです。
・利害対立
・感情的対立
・相続人の非協力
・判断の先送り
相続人申告登記をしても、遺産分割協議は進みません。
相続人申告登記をしても、長期化する主たる理由は何も解決しないからです。
ときには、相続人申告登記をしたことが先延ばしの言い訳になります。
相続人申告登記をしたから、遺産分割協議が長期化するおそれがあります。
④相続人申告登記だけで事実上売却ができない
相続人申告登記をすると、相続人であることが登記簿に記載されます。
他の相続人が勝手に売却しようと、動くかもしれません。
相続人申告登記をしただけで、不動産を売却することも担保に差し出すこともできません。
相続人申告登記をしても、不動産の名義は被相続人のままだからです。
相続人であることが登記されても、不動産を取得する可能性があるに過ぎません。
相続人であることが登記されても、不動産を取得しない可能性もあります。
登記簿を見ても、客観的にはだれが所有者なのか分からないと言えます。
不動産の名義は被相続人のままだから、不動産会社は媒介契約を締結しません。
不動産の名義は被相続人のままだから、買主は売買契約を締結しません。
不動産の名義は被相続人のままだから、金融機関は融資の審査を通しません。
客観的にはだれが所有者なのか分からないから、処分権限があるとは判断されません。
⑤相続人代表者と見られて固定資産税
不動産を所有していると、固定資産税が課されます。
遺産分割協議中であっても、固定資産税は課されます。
相続人申告登記をすると、市町村から相続人の代表者と判断されやすいでしょう。
相続人代表者と見られて、固定資産税の納付書が送られてきます。
⑥あやしい不動産業者から営業
不動産の登記簿謄本は、手続し手数料を払えばだれでも取得することができます。
相続人申告登記がされている場合、相続人間でトラブルがあることが想像されるでしょう。
不動産の共有持分を売ってほしいなどの営業を受けることがあります。
4相続登記を司法書士に依頼するメリット
大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。
やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。
相続手続は一生のうち何度も経験するものではないでしょう。
だれにとっても不慣れで、手際よくできるものではありません。
相続登記は、相続手続の中でも手間がかかる難しい手続です。
相続登記は難しい手間がかかる手続なので、司法書士などの専門家に依頼するでしょう。
相続手続で挫折しがちなのは、戸籍謄本などの書類収集や遺産分割協議書の作成です。
書類収集や遺産分割協議書の作成は、司法書士に依頼することができます。
司法書士が戸籍謄本や遺産分割協議書を準備したうえに、法務局の厳重な審査をします。
法務局の審査が通った戸籍謄本や遺産分割協議書だから、銀行などの相続手続先で指摘があることはありません。
銀行などの独自書類の内容などに指摘があるとしても、簡単に済むことがほとんどでしょう。
相続手続をスムーズに進めたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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遺言書作成後に書き換えができる
1遺言書作成後に書き換えができる
①遺言書作成後に撤回ができる
遺言書は、遺言者の意思を示すものです。
遺言書を作成した後に、気持ちが変わることがあります。
遺言書は、作成したら終わりではありません。
遺言書作成後に、撤回することができます。
民法には、いつでも、遺言書の撤回ができるとはっきり書いてあります。
②遺言書作成後に新たに遺言書を作成できる
遺言書は、作成する数に制限はありません。
複数の遺言書を作成することができます。
遺言書を作成した後に、遺言書を撤回することができます。
撤回遺言作成後に、新たな遺言書を作成することができます。
単なるメモ書きで、遺言書を撤回することはできません。
遺言書作成後に新たに遺言書を作成することは、珍しいことではありません。
家族や財産の状況が変われば、遺言者の気持ちが変わるのは当然だからです。
撤回遺言と新たな遺言をまとめて1通で作成することが一般的です。
③新しい遺言書で書き換えができる
遺言書は、複数作成することができます。
複数の遺言書があっても内容が両立できる場合、複数の遺言書すべてが有効です。
複数の遺言書があっても内容が両立できない場合、新しい遺言書が優先します。
古い遺言書は、撤回されたと考えられるからです。
遺言書全体でなく両立できない部分だけ、撤回されたと考えます。
④公正証書遺言と自筆証書遺言は同じ効力
(1)公正証書遺言と自筆証書遺言は方式のちがい
遺言書を作成する場合、公正証書遺言か自筆証書遺言を作成することがほとんどです。
公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。
公正証書遺言と自筆証書遺言は、遺言の方式のちがいに過ぎません。
公正証書遺言と自筆証書遺言は、同じ効力です。
(2)新しい遺言書が優先
内容が両立できない遺言書が複数ある場合、新しい遺言書が優先します。
公正証書遺言であっても自筆証書遺言であっても、新しい遺言書が優先します。
(3)公正証書遺言と自筆証書遺言で無効リスクが違う
公正証書遺言と自筆証書遺言は遺言の方式が違うから、無効リスクが大きく違います。
公正証書遺言は、公証人が書面に取りまとめます。
公証人は、法律の専門家です。
法律の専門家が書面に取りまとめるから、書き方ルールの違反で無効になることは考えられません。
自筆証書遺言は、遺言者がひとりで作る遺言書です。
専門家が関与しないから、書き方ルールの違反に気が付けません。
書き方ルールに違反すると、自筆証書遺言が無効になります。
公正証書遺言と自筆証書遺言で、無効リスクが大きく異なります。
⑤自筆証書遺言の一部訂正は高リスク
(1)一部訂正で無効リスクが累積する
自筆証書遺言を作成した後、原則として遺言者が自分で保管します。
保管中の自筆証書遺言を変更したい場合、内容を訂正することができます。
些細な書き間違いであれば、内容訂正する程度でいいかもしれません。
大きな修正であれば、あらためて作り直す方がいいでしょう。
遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。
書き方ルールに違反した遺言書は、無効になります。
自筆証書遺言は遺言者がひとりで作るから、書き方ルールの違反で無効になりがちです。
自筆証書遺言を訂正する場合、訂正ルールに従う必要があります。
訂正ルールに違反した遺言書の訂正は、無効になります。
自筆証書遺言の訂正をするたびに、無効リスクが累積します。
自筆証書遺言は、無効になるリスクが高い方式です。
一部訂正をすると、さらに無効リスクを高めます。
自筆証書遺言の一部訂正は、非常に高リスクです。
(2)一部訂正で偽造変造の疑いが累積する
自筆証書遺言は、原則として遺言者本人が保管します。
自筆証書遺言保管中、第三者による偽造変造リスクがあります。
たとえ遺言者本人が訂正しても、相続人からは第三者による偽造変造に見えることがあります。
不利な内容に訂正がされた場合、第三者による偽造変造を疑うでしょう。
第三者による偽造変造の疑いがある場合、深刻な相続トラブルに発展します。
自筆証書遺言の訂正をするたびに、偽造変造の疑いが累積します。
相続が発生した後、遺言者は何もすることができません。
自筆証書遺言は、偽造変造の疑いでトラブルになるリスクが高い方式です。
一部訂正をすると、さらに偽造変造の疑いでトラブルになるリスクを高めます。
自筆証書遺言の一部訂正は、非常に高リスクです。
⑥無効の自筆証書遺言で書き換えができない
公正証書遺言と自筆証書遺言は、同じ効力です。
理論上は新たに自筆証書遺言を作成して、公正証書遺言を撤回することができます。
先に作成した公正証書遺言を撤回する意思で自筆証書遺言を作成しても、自筆証書遺言が無効であることがあります。
無効の自筆証書遺言で、公正証書遺言は撤回できません。
書き換えるはずの自筆証書遺言が無効になると、先に作成した公正証書遺言がそのまま有効です。
無効の自筆証書遺言で、書き換えはできません。
⑦遺言書の書き換えは公正証書遺言が合理的
(1)公正証書遺言は書き方ルール違反がない
公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。
法律の専門家が関与するから、無効リスクが非常に低い遺言書です。
確実に有効な遺言書を作成したい場合、公正証書遺言が合理的です。
(2)公正証書遺言は偽造変造リスクがない
公正証書遺言を作成した場合、遺言書原本は公証役場で厳重に保管されます。
公正証書遺言を作成した後に、正本と謄本が渡されます。
正本や謄本にあれこれ書き込みをしても、意味はありません。
遺言書原本は、公証役場で厳重に保管されているからです。
遺言書に偽造変造の疑いがあると、相続人間で深刻なトラブルに発展します。
新しい遺言書が不利な内容であった場合、相続人は偽造変造の疑いを主張するでしょう。
偽造変造された遺言者は、無効だからです。
自筆証書遺言は、自分で保管するから偽造変造リスクが付きまといます。
公正証書遺言は、偽造変造リスクがありません。
公正証書遺言は、相続人をトラブルから守ることができます。
相続人をトラブルから守るため、公正証書遺言が合理的です。
(3)遺言書の書き換えは費用より安全性重視が合理的
公正証書遺言は、書き方ルール違反があり得ません。
公正証書遺言は、偽造変造リスクがありません。
費用がかかってでも、安全性重視が合理的です。
遺言書の書き換えは、相続トラブルに直結します。
相続トラブルになると、取り返しがつかないからです。
⑧遺言書の書き換えに相続人の同意は不要
遺言書を作成しても、遺言者は何度でも書き換えをすることができます。
遺言書を書き換えするにあたって、相続人の同意は不要です。
書き換えをしたことをだれかに知らせなければならないと言ったルールはありません。
先に作成した遺言書が公正証書遺言であっても、書き換えをしたと公証役場に連絡する必要はありません。
新たに公正証書遺言を作成する場合であっても、以前公正証書遺言を作成したことを申告する必要はありません。
遺言書は、遺言者の意思を示すものです。
遺言者の意思を尊重するため、遺言者は自由に遺言書を書き換えることができます。
2法務局保管制度を利用しても遺言書は書き換えができる
①自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる
自筆証書遺言は、原則として遺言者本人が保管します。
自筆証書遺言は、保管場所に困ります。
保管場所を家族と共有しないと、遺言者が死亡した後に家族が見つけられなくなるリスクがあります。
保管場所を家族と共有すると、他の家族から偽造変造を疑われてトラブルになるリスクがあります。
自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。
②保管を撤回することができる
法務局保管制度は、保管方法の選択肢です。
自筆証書遺言を作成した後、法務局で保管してもらうこともできるし自分で保管することもできます。
いったん法務局保管制度を利用した後で、法務局保管制度の利用を撤回することができます。
法務局保管制度の利用を撤回しても、自筆証書遺言は無効になりません。
法務局保管制度の利用を撤回しても、遺言書を撤回するわけではないからです。
法務局保管制度の利用を撤回して、自分で保管することができます。
③新たな遺言書を保管してもらえる
法務局保管制度を利用する遺言書の数に制限はありません。
法務局保管制度を利用しても、新たな自筆証書遺言を作成することができます。
新たに作成した自筆証書遺言について、法務局保管制度を利用することができます。
④法務局保管制度を利用しても無効リスクはなくならない
法務局保管制度は、自筆証書遺言の保管方法の選択肢に過ぎません。
法務局が保管を受付けても、無効の自筆証書遺言は無効のままです。
法務局が保管を受付けても、執行できない自筆証書遺言は執行できないままです。
法務局保管制度を利用しても、無効リスクはなくなりません。
確かに保管を受付ける際に、形式チェックがされます。
無効リスクは、わずかながら減少するかもしれません。
例えば、「自宅はお兄ちゃんに任せる」という遺言書であっても、法務局は保管を受付けます。
自宅とは、どこのどの不動産なのか分かりません。
お兄ちゃんとは、どこのだれなのか分かりません。
任せるとは、何を意味するのか分かりません。
意味がない遺言書であっても、法務局は保管を受付けます。
執行できない遺言書であっても、法務局は保管を受付けます。
法務局保管制度は、自筆証書遺言の保管方法の選択肢に過ぎないからです。
法務局保管制度は、遺言書の有効性を保証する制度ではありません。
3遺言書の撤回と見なされる行為がある
①遺言書の内容と抵触する生前処分があったケース
遺言書に記載した財産を遺言者本人が売却や贈与などをすることがあります。
遺言者本人が処分した場合、遺言書のその条項が撤回されたと見なされます。
例えば、不動産〇〇〇を相続人〇〇に相続させると書いた後、不動産〇〇〇を売ったり、贈与したりする場合です。
不動産〇〇〇を相続人〇〇に相続させると書いた条項は、撤回したと見なされます。
②遺言者が遺言書を故意に破棄したケース
自筆証書遺言は、原則として遺言者本人が保管します。
保管していた自筆証書遺言を遺言者が故意に破棄した場合、撤回したと見なされます。
公正証書遺言原本は、公証役場で厳重に保管されます。
公正証書遺言原本は、遺言者が故意に破棄することはできません。
公正証書遺言作成時に渡される正本や謄本を故意に破棄しても、意味はありません。
正本や謄本は、単にコピーに過ぎないからです。
③遺言書に記載した財産を破棄したケース
遺言書に記載した財産を遺言者本人が破棄することがあります。
遺言者本人が破棄した場合、遺言書のその条項が撤回されたと見なされます。
4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書は、遺言者の意思を示すものです。
自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。
いろいろ言い訳を考えて先延ばしします。
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自筆証書遺言の法務局保管制度利用のデメリット
1自筆証書遺言の法務局保管制度は保管だけ安心
①自筆証書遺言は手軽に作成できる
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。
自筆証書遺言とは、自分で書いて作る手軽な遺言書です。
公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
自筆証書遺言は、手軽に作成できることがメリットです。
②法務局に提出して保管してもらえる
公正証書遺言は、公証役場で厳重に保管されます。
自筆証書遺言は、保管場所に困ります。
保管場所を家族と共有すると、破棄や改ざんのリスクがあります。
保管場所を家族と共有しないと、紛失や見つからないリスクがあります。
自筆証書遺言を作成後、作成した遺言書を法務局に保管してもらうことができます。
法務局は保管するだけで、内容について保証しません。
法務局は保管するだけで、執行について保証しません。
提出された自筆証書遺言は、法務局で厳重に保管されます。
自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管だけ安心できる制度です。
自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管だけ不安な人のための制度です。
③法務局保管制度利用で検認不要
検認手続とは、自筆証書遺言を家庭裁判所に提出して開封してもらう手続です。
検認手続は、遺言書の変造や改ざんを防止する手続です。
法務局保管制度を利用した場合、検認手続は不要です。
自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管だけは安心だからです。

③法務局保管制度利用で検認不要
自宅などで自筆証書遺言を見つけたら、家庭裁判所に提出して開封してもらう必要があります。
検認手続とは、自筆証書遺言を家庭裁判所に提出して開封してもらう手続です。
検認手続は、遺言書の変造や改ざんを防止する手続です。
法務局保管制度を利用した場合、検認手続は不要です。
提出された自筆証書遺言は、法務局で厳重に保管されるからです。
2自筆証書遺言の法務局保管制度利用の法的デメリット
①形式のみチェックする
自筆証書遺言の保管申請を受け付けるとき、法務局は形式チェックをします。
形式チェックの具体的内容は、次の点です。
・自書してあるか
・署名があるか
・日付があるか
・押印があるか
形式面に問題がなければ、保管を受付けます。
②内容の有効性はチェックされない
遺言書の内容の有効性は、チェックしません。
例えば、次のような遺言書は、法務局は問題がないと判断します。
「お兄ちゃんに、家をまかせる」
上記遺言書は、次の点があいまいです。
・お兄ちゃんとは、だれか
・家とは、どの不動産か
・まかせるとは、何を意味するのか
上記遺言書のようなあいまいな表現では、遺言者が死亡した後に家族が困ります。
遺言書があっても、遺言書の内容を実現できないからです。
法務局が保管を受付けても、遺言書の内容が無効である可能性があります。
遺言書の内容を自分で適切に整えるためには、弁護士や司法書士レベルの法律知識が必要です。
知識がないまま遺言書を作成すると、保管されたのに最悪の結果になりかねません。
3自筆証書遺言の法務局保管制度利用の手続上のデメリット
①本人が法務局へ出向く必要がある
(1)出張してもらう制度はない
法務局保管制度を利用する場合、本人が法務局に出向く必要があります。
家族などが代理で、保管申請をすることはできません。
たとえ遺言者本人が病気であっても、本人が出向かないと法務局保管制度は利用できません。
公正証書遺言を作成するときのように、出張してもらう制度はありません。
(2)法務局の業務時間は平日昼間のみ
遺言者に体力があっても、時間が作れないことがあります。
法務局の業務時間は、平日の昼間のみだからです。
法務局の業務時間に出向くことができないと、法務局保管制度を利用することはできません。
②保管申請ができる法務局は限られている
(1)申請できる法務局は限られている
自筆証書遺言保管制度の保管申請は、全国どこの法務局でもできるわけではありません。
自筆証書遺言保管制度の保管申請は、次の地を管轄する法務局に申請できます。
・遺言者の住所地
・遺言者の本籍地
・遺言者所有の不動産の所在地
法務局の管轄は、法務局のホームページで確認することができます。
(2)遺言書保管所は限られている
遺言書保管事務を扱う法務局は、限られています。
遺言書保管所とは、遺言書保管事務を扱う法務局です。
近くの法務局が遺言書保管所に指定されていない場合、指定の法務局に出向く必要があります。
例えば、名古屋市内であれば熱田出張所や名東出張所は遺言書保管所に指定されていません。
近くに熱田出張所や名東出張所があっても、名古屋法務局本局まで出向く必要があります。
(3)地方では管轄が広い
地方では、法務局の管轄が非常に広域です。
最寄りの法務局であっても、距離が遠いことがあります。
例えば、岐阜県高山支局の管轄は、東京都23区よりはるかに広域です。
遺言書保管所まで数十キロ離れていることも、珍しくありません。
③指定の様式の遺言書のみ保管申請ができる
自筆証書遺言の保管申請をするためには、指定様式に適合する必要があります。
民法上自筆証書遺言として問題がなくても、保管申請ができません。
法務局保管制度を利用するための主なルールは、次のとおりです。
・A4サイズ
・模様や彩色がないもの
・上部余白5ミリ以上、下部余白10ミリ以上、左余白20ミリ以上、右余白5ミリ以上
・片面のみ記載
・ページ番号が書いてあること
例1/2、2/2等
・金属製の綴じ具で留められていないこと
上記のルールに違反する遺言書は、保管申請を受け付けてもらえません。
法務局保管制度を利用したいのであれば、作り直す必要があります。
④内容変更の手続が煩雑
(1)書き直しに二段階の手続
遺言書を作成した後に、内容変更をしたくなることがあるでしょう。
少し書き直しをしたいと、考えることがあります。
保管中の自筆証書遺言を書き直す場合、二段階の手続が必要です。
・法務局に出向いて、保管の撤回申請
・法務局に出向いて、書き直した遺言書の保管申請
(2)手続は完全予約制
法務局保管制度を利用する場合、完全予約制です。
体調に波がある人や移動が難しい人にとっては、大きな負担になります。
(3)保管の撤回をしても遺言書は有効
保管の撤回申請は、遺言書の効力を撤回するわけではありません。
法務局の保管を撤回して、自分で保管することができるからです。
遺言書の効力を撤回したい場合、自分で確実に破棄する必要があります。
相続発生後に複数の遺言書が見つかると、トラブルに発展するおそれがあります。
⑤住所や氏名に変更があるときは届出が必要
法務局保管制度を利用した後に、登録内容が変更になることがあります。
登録内容の変更の届出が必要です。
登録内容は、次のとおりです。
・遺言者の住所や氏名
・受遺者の住所や氏名
・遺言執行者の住所や氏名
・死亡時通知人の住所や氏名
適切に届出をしていないと、関係遺言書保管通知が届かなくなるおそれがあります。
4自筆証書遺言の法務局保管制度利用の死亡後のデメリット
①遺言書情報証明書を取得してから執行
(1)検認不要でも手間と時間がかかる
遺言者が死亡したら、公正証書遺言は直ちに執行することができます。
自筆証書遺言の法務局保管制度を利用した場合、すぐに執行することはできません。
遺言書情報証明書を取得しないと、内容を確認することができないからです。
法務局保管制度を利用すると、検認手続が不要になります。
検認手続が不要になっても、家族には遺言書情報証明書を取得する手間と時間がかかります。
窓口で遺言書情報証明書を請求する場合は、法務局の予約が必要です。
遺言書情報証明書を請求すると、審査のため相当時間待たされることになります。





(2)遺言書情報証明書を請求するときの必要書類
・遺言者の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・相続人全員の現在戸籍
・相続人全員の住民票または戸籍の附票
・請求者の本人確認書類
(3)手数料
手数料は、遺言書情報証明書1通につき1400円です。
収入印紙1400円分を手数料納付用紙に貼り付けて、納入します。
(4)遺言書情報証明書は郵送請求ができる
遺言書情報証明書の請求は、窓口に出向いて請求する方法の他に郵送請求ができます。
窓口請求は、法務局の予約が必要です。
郵送請求の場合、返信用封筒と切手を準備する必要があります。
往復の郵送時間も含めて、発行までに1か月程度の時間がかかります。
(5)関係遺言書保管通知では内容が分からない
法務局保管制度を利用した場合、遺言者が死亡すると法務局から通知があります。
関係遺言書保管通知とは、自筆証書遺言を保管していることをお知らせする通知です。
法務局保管制度を利用したことを一切伝えていなくても、保管事実が伝わります。
関係遺言書保管通知では、遺言書の内容は分かりません。
関係遺言書保管通知を受け取った後、あらためて遺言書情報証明書で確認します。

②遺言書は家族に返還されない
法務局保管制度を利用した場合、遺言書の返還を請求できるのは遺言者のみです。
遺言者が死亡した場合、家族が望んでも遺言書は返還されません。
遺言書の原本は、直接見ることはできません。
5法務局保管制度利用がおすすめの人
①保管だけ心配な人はおすすめ
法務局保管制度の最大のメリットは、遺言書を安全に保管できることです。
保管だけ心配な人は、法務局保管制度がおすすめです。
具体的には、弁護士や司法書士レベルの法律知識がある人です。
②とりあえず遺言書を作りたい人は公正証書遺言
とりあえず遺言書を作成したいと考える人は、おすすめできません。
法務局が遺言書を保管していても、トラブルに発展する可能性があるからです。
法務局が保管を受付けたことは、安心材料にはなりません。
③内容実現の確実性が心配な人は公正証書遺言
公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。
公証人は、遺言者の本人確認をして本人の意思確認をしたうえで公正証書遺言を作成します。
公証人は、法律の専門家です。
書き方ルールの違反で遺言書が無効になることは、考えられません。
遺言書内容があいまいで執行できなくなることは、考えられません。
確実に実現したい内容がある場合は、公証人が関与する公正証書遺言が安全です。
保管だけ心配な人は、法務局保管制度がおすすめです。
内容実現の確実性が心配な人は、公証人が関与する公正証書遺言がおすすめです。
6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。
トラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。
せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。
同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。
さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。
ルールが守られていない遺言書は無効になります。
書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。
せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。
司法書士は、確実な遺言書を作るお手伝いをします。
家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
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不在者財産管理人の終了事由は家庭裁判所が判断
1不在者財産管理人が行方不明者の財産を管理する
①不在者財産管理人は行方不明者の財産を守る人
不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。
行方不明者の財産を守るため、家庭裁判所が選任します。
不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。
家庭裁判所は、行方不明者に不利益な財産管理を許可しません。
不在者財産管理人制度は、行方不明者の財産を守る制度だからです。
②不在者財産管理人は行方不明者の代理人
相続人の中に行方不明の人がいると、とても困ります。
相続手続は、相続人全員の協力が必要だからです。
遺産分割協議は、相続人全員の合意がないと成立しません。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
不在者財産管理人は、行方不明者の代理人です。
行方不明の相続人に代わって、遺産分割協議に参加することができます。
不在者財産管理人と他の相続人全員が合意すれば、遺産分割協議が成立します。
行方不明の相続人がいても、相続手続を進めることができます。
③家族の希望を実現する制度ではない
不在者財産管理人は、行方不明者の財産を守る人です。
不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。
家族の希望どおりに、財産処分をしてくれる人ではありません。
不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。
たとえ家族が希望しても、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。
家族にとって合理的な財産管理であっても、行方不明者にとって不利益な管理になることがあるからです。
不在者財産管理人を立てると、家族は思いどおりの財産管理ができると期待しています。
不在者財産管理人制度は、家族の思いどおりの財産管理を実現する制度ではありません。
④不在者財産管理人は不利益な財産管理はできない
不在者財産管理人の任務は、行方不明者のために財産管理をすることです。
行方不明者のためにとは、行方不明者に不利益な財産管理ができないという意味です。
不在者財産管理人は、家族の希望通りに財産を動かすことができません。
不在者財産管理人には、善管注意義務があるからです。
たとえ家族が望んでも、行方不明者に不利益な財産管理は許されません。
たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、不利益な不利益な財産管理はできません。
不在者財産管理人は、公的な立場だからです。
不在者財産管理人は、適切な財産管理を行っているか家庭裁判所の監督を受けます。
2不在者財産管理人の終了事由は家庭裁判所が判断
①行方不明者が帰ってきたとき終了する
行方不明者が帰ってくることがあります。
行方不明者が帰って来たら、自分の財産は自分で管理できるはずです。
不在者財産管理人は必要ないから、不在者財産管理人の任務は終了します。
実際に任務が終了するのは、家庭裁判所の審判が告知された後です。
不在者財産管理人の終了は、家庭裁判所が判断します。
行方不明者が帰って来たと家族が主張するだけで、不在者財産管理人の任務は終了しません。
家族の主張だけで財産を引き渡すと、不在者財産管理人は責任を問われます。
②行方不明者が自分で管理人を置いたとき終了する
行方不明になる前に、行方不明者が自分で財産管理人を置くことがあります。
行方不明中に、行方不明者が自分で財産管理人を置くことがあります。
行方不明者が自分で財産管理人を置いた場合、不在者財産管理人の任務は終了します。
現実的に行方不明者が自分で財産管理人を置く例は、ほとんどありません。
家庭裁判所は、行方不明者が自分で財産管理人を置いたのか慎重に審査します。
行方不明者が自分で財産管理人を置いたと認められるのは、行方不明者の意思が明確に確認できるときに限られます。
客観的証拠によって、行方不明者本人の生存確認と行方不明者本人の意思確認ができたときに認められます。
行方不明者が自分で財産管理人を置いたと家族が主張するだけでは、任務は終了しません。
あいまいな証拠で不在者財産管理人の任務を終了すると、行方不明者に不利益になるおそれがあるからです。
不在者財産管理人制度は、行方不明者の利益を守るための制度です。
行方不明者の利益が守られるか、家庭裁判所は慎重に判断します。
③管理すべき財産がなくなったとき終了する
(1)費用の支払いで財産がなくなった
不在者財産管理人は、行方不明者の財産を減らさないように管理します。
行方不明者の財産を管理するために、費用を支出する必要があります。
不在者財産管理人の報酬は、行方不明者の財産から支出します。
行方不明が長期間になる場合、やがて管理すべき財産が尽きるでしょう。
管理すべき財産が尽きたら、不在者財産管理人が管理すべき財産はありません。
管理すべき財産がなくなったら、不在者財産管理人の任務は終了します。
(2)金銭を供託して任務終了
不在者財産管理人を選任するきっかけは、遺産分割協議や不動産売却が多いでしょう。
遺産分割協議で行方不明者が財産を取得した場合、財産は不在者財産管理人が管理します。
不動産売却で行方不明者が売却代金を取得した場合、売却代金は不在者財産管理人が管理するのが原則です。
不在者財産管理人が管理する財産が金銭である場合、金銭を法務局に供託することができます。
供託とは、管理すべき金銭を法務局に預けることです。
法務局が厳重に管理するから、不在者財産管理人の任務は終了します。
(3)供託した金銭は行方不明者に渡される
不在者財産管理人が供託した金銭は、行方不明者が受け取れます。
たとえ家族であっても行方不明者以外の人は、供託した金銭を受け取ることはできません。
(4)不動産があれば任務継続
行方不明者が不動産を保有している場合、不動産は供託できません。
不動産の管理を継続するため、不在者財産管理人の任務は終了しません。
(5)不動産売却は許可されにくい
不動産売却で行方不明者が売却代金を取得した場合、売却代金は金銭です。
不在者財産管理人が管理する財産が金銭である場合、金銭を法務局に供託することができます。
不在者財産管理人が不動産を売却する場合、家庭裁判所の許可が必要です。
行方不明者にとって不動産は、重要な財産であることが多いからです。
家庭裁判所は、次の条件を満たしたときに限って許可します。
・行方不明者に不利益な売却でないこと
・売却する必要があること
・売却代金が妥当であること
家族が売却してほしいと希望しても、行方不明者に不利益な売却に許可されません。
不在者財産管理人の任務終了のために不動産を売却したいなどは、売却する必要があると認められません。
たとえ買主が見つかっていると主張しても、不利益な売却に許可されません。
④行方不明者の死亡が確認されたら終了する
(1)相続人に財産を引き継ぎ
行方不明者の死亡が確認されることがあります。
死亡が確認された場合、相続が発生します。
行方不明者の財産は、相続財産です。
不在者財産管理人は、管理していた財産を相続人に引き継ぎます。
(2)相続財産清算人に引き継ぎ
行方不明者に相続人がいない場合、相続財産は国庫に帰属します。
相続財産清算人とは、相続財産を清算して国庫に帰属する人です。
家庭裁判所に対して相続財産清算人選任の申立てをして、相続財産清算人に引き継ぎます。
⑤失踪宣告が確定したら終了する
失踪宣告とは、長期間生死不明の人を死亡扱いにする手続です。
失踪宣告を受けると、行方不明者は死亡と見なされます。
死亡とみなされるから、相続人や相続財産清算人に引き継ぎます。
⑥遺産分割協議や売却が終わっても終了しない
不在者財産管理人選任の申立てをするとき、遺産分割協議や不動産の売却などのきっかけがあります。
遺産分割協議や売却が終わっただけでは、不在者財産管理人の任務は終了しません。
遺産分割協議で取得した財産や売却代金を管理する必要があるからです。
不在者財産管理人には、遺産分割協議で取得した財産や売却代金を家族に渡す権限はありません。
たとえ家族が希望しても、遺産分割協議で取得した財産や売却代金を渡すことはできません。
間違って家族に渡したら、任務懈怠と判断されるでしょう。
強い言い方をすれば、背任や横領の評価になりかねません。
⑦家族で管理できるから辞めてほしくても終了しない
不在者財産管理人制度は、家族の希望をかなえる制度ではありません。
家族で財産管理ができるから辞めてほしいと主張しても、家庭裁判所は終了を認めません。
行方不明者の利益を守るため、財産管理の公正性と透明性を確保する必要があるからです。
たとえ家族で財産管理ができるとしても、公正性と透明性を確保するため不在者財産管理人の任務は継続します。
⑧不在者財産管理人家族の希望をかなえてくれなくても終了しない
不在者財産管理人は、行方不明者の財産を守る人です。
不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。
不在者財産管理人には、行方不明者の利益を守る義務が課されています。
たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、利益を守る義務は免除されません。
行方不明者の利益と家族の希望は、一致しないことがあります。
不在者財産管理人家族の希望をかなえてくれないと主張しても、家庭裁判所は終了を認めません。
不在者財産管理人制度は、家族の希望を優先する制度ではないからです。
3不在者財産管理人制度は失踪宣告の代替策にはならない
①不在者財産管理人は行方不明者が生きている扱い
不在者財産管理人は、行方不明者が生きている前提です。
死亡扱いにしなくて済むから、家族の心理的抵抗が少なく済みます。
②失踪宣告は行方不明者を死亡と見なされる
行方不明者が生きている扱いのままであると、デメリットが積み重なっていきます。
失踪宣告を受けると、行方不明者は死亡と見なされます。
失踪宣告が確定すると、相続が発生します。
③不在者財産管理人制度と失踪宣告は比べるものではない
不在者財産管理人制度を利用しても、行方不明者は生きている扱いのままです。
失踪宣告は、死亡扱いにする制度です。
不在者財産管理人制度と失踪宣告は、まったく目的が違う制度です。
不在者財産管理人制度は、失踪宣告の代替ではありません。
失踪宣告の代替として不在者財産管理人制度を利用すると、家族の期待がデメリットになります。
家族の事情によっては、失踪宣告の検討が必要になります。
4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。
行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。
相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。
自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。
困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。
途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。
相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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故人の口座から葬儀費用を引き出す方法
1故人の口座の預貯金を引き出すため相続人全員の合意が重要
①故人の口座の預貯金は相続財産
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
故人の口座の預貯金は、相続財産です。
故人の口座の預貯金は、相続人全員の共有財産です。
②相続財産を独り占めすると相続トラブルになる
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
一部の相続人が独り占めをすることは、許されません。
相続財産を独り占めすると、相続トラブルになります。
③勝手に引出すから相続トラブルを招く
家族が死亡すると、葬儀の費用や病院の費用を払う必要があります。
一部の相続人が故人の口座の預貯金から、引出しをすることがあります。
一部の相続人が勝手に引出すと、他の相続人からは独り占めに見えます。
たとえ適切な使い道であっても、他の相続人から疑われます。
相続人間の合意がないと、適切な使い道であるか分からないからです。
適切な使い道であるか分からないから、他の相続人は疑心暗鬼になります。
相続手続では、普段目にする金額より大きな金額が動きます。
だれもが自分は損したくないと考えて、不安になります。
不安な心理状態が自然と疑いの目を生じさせます。
やむを得ず預貯金を引き出す場合、請求書や領収書を保管します。
請求書や領収書と引き出した事実をすみやかに情報共有します。
情報共有を先延ばしすると、他の相続人から強く疑われます。
相続人全員で合意をせずに、故人の口座の預貯金を引き出すと相続トラブルに発展します。
④口座の持ち主が死亡すると口座凍結する
預貯金口座の持ち主が死亡したら、口座は凍結されます。
口座凍結とは、口座取引の停止です。
・ATMや窓口での引出
・年金の振込
・公共料金の引落
上記は、口座取引の一例です。
口座の持ち主が死亡したことを銀行が知ったとき、口座は凍結されます。
⑤口座凍結する理由はトラブルに巻き込まれないため
口座の預貯金は、相続人全員の共有財産です。
一部の相続人が勝手に引き出すことはできません。
一部の相続人が勝手に引き出した場合、相続人間で大きなトラブルになります。
仮に、一部の相続人が勝手に引出しができるとしたら、他の相続人から強い抗議がされるでしょう。
銀行は、相続人間のトラブルに巻き込まれることになります。
被相続人の大切な預貯金を守れないとなったら、銀行の信用は失墜するでしょう。
相続人のトラブルに巻き込まれて信用が失墜するなど、銀行は何としても避けたいはずです。
相続人間のトラブルに巻き込まれないため、口座は凍結されます。
⑥相続手続をするまで口座は凍結されたまま
口座の持ち主が死亡したことを銀行が知ったとき、口座は凍結されます。
相続手続をするまで、口座は凍結されたままです。
時間が経っても、自動で凍結解除されることはありません。
相続人間のトラブルに巻き込まれないため、口座を凍結しているからです。
相続人間のトラブルに巻き込まれる可能性がある間は、口座凍結が続きます。
相続手続をするまで、口座は凍結されたままです。
2故人の口座から葬儀費用を引き出す方法
①遺産分割協議成立させて口座凍結解除
(1)相続人全員の合意で遺産分割協議成立
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。
相続人全員の合意ができれば、どのように分けても問題はありません。
相続人全員の合意で、遺産分割協議を成立させることができます。
(2)預貯金だけ遺産分割協議ができる
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続財産すべてを一度に、決める必要はありません。
一部の財産についてだけ、分け方を決めることができます。
一部の財産だけであっても、相続人全員の合意があれば有効な合意です。
預貯金の分け方だけ、遺産分割協議をすることができます。
預貯金の分け方だけ相続人全員の合意ができれば、預貯金の分け方だけ遺産分割協議が成立します。
(3)預貯金のみの遺産分割協議書で口座凍結解除
相続人全員の合意がまとまったら、合意内容は書面に取りまとめます。
遺産分割協議書とは、相続人全員の合意内容の証明書です。
相続人全員の合意がまとまった財産から、書面に取りまとめます。
一部の財産についての遺産分割協議書は、有効な遺産分割協議書です。
一部の財産についての遺産分割協議は、有効な遺産分割協議だからです。
預貯金のみの遺産分割協議書で、口座凍結解除をすることができます。
口座凍結解除ができれば、相続人全員の合意に従って預貯金を配分できます。
相続人全員の合意に従って、葬儀費用に充てることができます。
②預金仮払い制度を利用する
(1)遺産分割協議成立前に仮払いを受ける
遺産分割協議が成立するまで、口座凍結解除はされません。
預金仮払い制度を利用すると、口座凍結中でも預貯金を引き出すことができます。
(2)預金仮払いの上限額は最大150万円
銀行などの金融機関に手続をする場合、仮払い上限額の計算式は次のとおりです。
仮払いの上限額=死亡時の預金額×1/3×法定相続分
計算式で求められた上限額が150万円を超えた場合、150万円になります。
預金の金額が少ない場合や法定相続人が多い場合、150万円の仮払いを受けることができません。
仮払いを受ける対象は、預金だけです。
債券や有価証券、株式などは対象外です。
預金仮払いの上限額は、最大150万円です。
(3)預金仮払いを申請するときの必要書類
銀行に預金仮払いを申請するときの必要書類は、次のとおりです。
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・相続人全員の現在戸籍
・仮払いを希望する人の印鑑証明書
金融機関によっては、追加で書類が必要になることがあります。
必要な書類が完璧に準備できれば、早く審査が進む余地があります。
(4)仮払いにかかる期間
遺産分割協議成立前に仮払いを受ける場合、即日の引出はできません。
金融機関に申請書を提出してから、1~2週間程度かかるのが一般的です。
1~2週間程度で引き出せるのは、提出書類に不備がなく審査がスムーズである場合に限られます。
仮払いに応じるのは、遺産分割協議が成立する前です。
相続人の合意がないのに仮払いに応じるから、金融機関にはリスクがあります。
相続トラブルに巻き込まれないために、金融機関は慎重に審査します。
提出書類が完璧であるか確認するためにも、時間をかけて丁寧に審査します。
(5)仮払い額は遺産分割協議で調整
口座の持ち主が死亡した場合、預金は相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続人全員の合意ができる前に、預金の仮払いを受けていることがあります。
相続財産全体の分け方を決める際に、預金の仮払いを受けたことを考慮することになります。
預金の仮払いは、一部の相続人が独り占めできる制度ではありません。
預金の仮払いを受けたことを考慮して、相続財産の分け方について相続人全員で合意します。
預金の仮払いを受けて、葬儀の費用や病院の費用を払うことがあります。
葬儀の費用や病院の費用を払った場合、請求書や領収書は大切に保管します。
請求書や領収書がないと、他の相続人から疑われるからです。
預金の仮払い額は、遺産分割協議で調整します。
(6)遺言書があると仮払いが受けられない
被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。
多くの場合、遺言書で財産の分け方を指定しているでしょう。
遺言書で財産の分け方を指定した場合、遺言書が効力を発したときに財産は分割されます。
遺言書を作成した場合、相続人以外の第三者に財産を遺贈することがあります。
遺言書で預金全額を遺贈した場合、銀行は仮払いに応じられません。
遺言書が効力を発したときに、預金は遺贈を受けた人のものになっているからです。
仮払いに応じたら、遺贈を受けた人の間でトラブルになるのは明白です。
被相続人が遺言書を残した場合、仮払いが受けられなくなります。
(7)遺産分割協議ができるなら仮払いは不要
相続人全員で合意ができるなら、遺産分割協議を成立させることができます。
遺産分割協議を成立させることができれば、口座凍結解除ができます。
わざわざ預金の仮払い制度を利用する必要は、ありません。
遺産分割協議ができるなら、仮払いは不要です。
全財産まとめて合意することはできなくても、預貯金だけ合意することができる可能性があります。
預貯金だけの遺産分割協議は、有効な遺産分割協議です。
預貯金だけの遺産分割協議書は、有効な遺産分割協議書です。
預貯金だけの遺産分割協議書で、口座凍結解除をすることができます。
わざわざ預金の仮払い制度を利用すると、二度手間になります。
③代表相続人による立替払いが多い
口座の持ち主が死亡すると、預貯金口座は凍結します。
口座取引が停止されるから、引出ができなくなります。
故人の口座から葬儀費用を引き出すより、代表相続人が立替払いをする方が現実的です。
代表相続人が立替えた費用は、遺産分割協議で調整します。
遺産分割協議を成立させて、口座凍結解除をすることができます。
3預貯金に手を付けると相続放棄が無効になる
①遺産分割協議をしたら相続放棄が無効
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
相続人でなくなるから、遺産分割協議に参加する権利義務はありません。
相続人でなくなるから、相続財産を受け取ることはできません。
遺産分割協議を成立させた場合、相続人であると認めたと言えます。
たとえ財産を受け取らない合意をしても、相続人であると認めたと言えます。
相続人であると認めた場合、相続放棄は無効になります。
遺産分割協議は、相続放棄と矛盾する行為だからです。
②葬儀費用の立替え精算で相続放棄が無効
葬儀費用は、代表相続人が立替えをすること現実的です。
代表相続人が相続放棄をする場合、相続財産から精算を受けることはできません。
相続財産から精算を受けた場合、単純承認と評価されます。
他の財産を受け取らなくても、単純承認と評価されます。
客観的には、相続財産から財産を受け取ったからです。
③仮払い制度利用で相続放棄が無効
(1)単純承認をすると撤回できない
相続を単純承認した後で、相続放棄をすることはできません。
相続放棄をすることができないように、単純承認も撤回することができないからです。
法律で定められた一定の条件にあてはまるときは、単純承認したとみなされます。
相続財産の名義変更をした、相続財産である銀行の預貯金を引き出して使ってしまった場合が典型的です。
(2)社会通念上相応の葬儀費用は単純承認にならない
葬儀費用は、ある程度まとまった金額になります。
死亡の時期がだれにも分からないように、葬儀の時期もだれにも予想できません。
被相続人に預貯金があるのに、預貯金が使えないために葬儀を行えないとなったら非常識な結果になります。
相続人は被相続人の預貯金を使って、社会通念上相応の葬儀を行うことができます。
社会通念上相応の葬儀費用である場合、被相続人の預貯金から支出しても単純承認になりません。
葬儀は社会的儀式として必要性が高いと認められているからです。
(3)社会通念上相応の葬儀費用はあいまいな基準
社会通念上相応の葬儀とは、どのような葬儀を指すのか一概に決めることはできません。
○万円以内なら単純承認にならないという明確な基準があるわけではありません。
相続放棄をした人は、社会通念上相応と考えて相続財産から支出するでしょう。
他の人は、不相応に高額な支払いと考えるかもしれません。
(4)相続放棄をするなら固有の財産から支払うのが安全
債権者は、相続放棄をした相続人に対して被相続人に借金の支払いを求めることができません。
相続放棄が無効の場合、相続放棄が無効だから被相続人の借金を支払って欲しいと交渉することができます。
預金の仮払いを受けられるからと言って、被相続人の預金を使うのはリスクを伴います。
あえて債権者から疑いの目を向けられるリスクをおかす必要はありません。
相続放棄をした人が固有の財産から葬儀費用を支払うのが安全です。
4預貯金の相続手続を司法書士に依頼するメリット
口座を凍結されてしまったら、書類をそろえて手続すれば解除してもらえます。
必要な書類は、銀行などの金融機関によってまちまちです。
手続の方法や手続にかかる期間も、まちまちです。
銀行内部で取扱が統一されていないことも多いものです。
窓口や電話で確認したことであっても、上席の方に通してもらえないことも少なくありません。
相続手続は、やり直しになることが多々あります。
このためスムーズに手続きできないことが多いのが現状です。
日常生活に不可欠な銀行口座だからこそ、スムーズに手続したいと思う方が多いでしょう。
仕事や家事で忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続を丸ごとおまかせできます。
ご家族にお世話が必要な方がいて、お側を離れられない方からのご相談もお受けしております。
凍結口座をスムーズに解除したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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自筆証書遺言と公正証書遺言のちがい
1自筆証書遺言と公正証書遺言で失敗したくない
①遺言書の効力にちがいはない
自筆証書遺言と公正証書遺言は、どちらも遺言の方式です。
遺言の方式がちがうだけで、効力に違いはありません。
公正証書遺言に、強い効力があるといったことはありません。
公正証書遺言に、優先的な効力があるといったことはありません。
②遺言書の無効リスクに大きなちがいがある
自筆証書遺言と公正証書遺言の無効リスクに、大きなちがいがあります。
自筆証書遺言は、無効リスクが大きい遺言書です。
公正証書遺言は、無効リスクがほとんどありません。
公正証書遺言は公証人が関与するから、高い信頼性があります。
③遺言書の失敗は取り返しがつかない
遺言書に効力が発生するのは、遺言者が死亡したときです。
遺言書の厳格な書き方ルールに違反したら、遺言書は無効です。
遺言者が死亡した後で、遺言の書き方ルール違反が見つかっても取り返しがつきません。
遺言者が死亡した後で、書き直しができないからです。
遺言書の記載内容があいまいな場合、解釈をめぐってトラブルになることがあります。
遺言者が死亡した後で、解釈をめぐるトラブルが発生しても取り返しがつきません。
本当はどうしたかったのか、聞き返すことはできないからです。
2自筆証書遺言と公正証書遺言のちがい
①自筆証書遺言は手軽
(1)遺言者がひとりで作る
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。
自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。
ひとりで作ることができるから、手軽です。
(2)費用がかからない
筆記用具と印鑑さえあれば、作ることができます。
費用は、ほとんどかかりません。
(3)専門家が関与しない
自筆証書遺言は、専門家が関与することがほとんどありません。
遺言者本人が法律の専門家であることは、あまりないでしょう。
遺言書の厳格な書き方ルールについて、自分で判断します。
書き方ルールに違反すると、遺言書は無効になります。
専門家が目を通せば、書き方ルール違反に気が付くでしょう。
ひとりで作ると、遺言内容は遺言者の自己責任になります。
(4)認知症の疑い
遺言書を有効に作成するためには、遺言能力が必要です。
遺言能力とは、遺言書を作成することができる能力です。
遺言書を作成することができる判断能力の意味で使われます。
判断能力としての遺言能力とは、遺言書に書いた内容を理解し遺言の結果のメリットデメリットを充分に判断できる能力です。
判断能力を失った後で遺言書のつもりで書面を作成しても、無効の書面です。
遺言書を作成する人は、相当に高齢であることが多いでしょう。
相当に高齢である場合、判断能力の低下が問題になることがあります。
自筆証書遺言は、ひとりで作ります。
遺言書を作成する時点で、判断能力があったのか客観的に証明することはできません。
遺言書を作成する時点の判断能力が問題になる場合、相続人間で深刻なトラブルになります。
(5)詐欺強迫の疑い
遺言書は、遺言者の意思を示すものです。
遺言者の自由な意思に基づいて作成されていない遺言書は、無効です。
遺言者がだまされて作成した遺言書は、遺言者の自由な意思に基づいていません。
遺言者が強迫されて作成した遺言書は、遺言者の自由な意思に基づいていません。
遺言書の内容が非常に不自然な場合、詐欺強迫の疑いが残ります。
自筆証書遺言は、ひとりで作ります。
遺言書を作成したとき、だまされていたのか強迫されていたのか客観的に証明することはできません。
詐欺強迫によって遺言書を作成したのか問題になる場合、相続人間で深刻なトラブルになります。
(6)紛失改ざんの疑い
自筆証書遺言は、自分で保管するのが原則です。
自筆証書遺言は、保管場所に困ります。
保管場所を家族と共有しないと、自分で紛失するリスクがあります。
死亡した後に、家族が見つけられなくなるリスクがあります。
保管場所を家族と共有すると、家族が破棄や偽造変造をするリスクがあります。
たとえ偽造変造をしなくても、他の相続人から偽造変造を疑われるリスクがあります。
遺言書の偽造変造が問題になる場合、相続人間で深刻なトラブルになります。
(7)相続手続先はトラブルを嫌う
自筆証書遺言は、無効になるリスクが非常に高い遺言書です。
無効の遺言書に基づいて、相続手続を進めることはできません。
銀行などの相続続先は、相続人間のトラブルに巻き込まれることを非常に嫌います。
無効になる可能性がわずかでもあれば、相続手続を進められなくなります。
(8)適切な遺言書であってもリスクに見える
たとえ遺言者本人が適切に作成した遺言書であったとしても、相続手続先にはリスクがあると見えます。
相続手続先には、遺言者が認知症であったか分かりません。
相続手続先には、遺言者が詐欺強迫を受けていたか分かりません。
相続手続先には、遺言書が偽造変造されたか分かりません。
無効になるリスクがある遺言書で、相続手続を進めることはできないと考えます。
家族は、遺言者が認知症でなかったことを客観的に証明できません。
家族は、遺言者が詐欺強迫を受けていなかったことを客観的に証明できません。
家族は、遺言書が偽造変造されていないことを客観的に証明できません。
せっかく遺言書を作成しても、家族と金融機関の間でトラブルに発展します。
(9)法務局保管制度は保管だけ安心
自筆証書遺言を作成した後、法務局に提出して保管してもらうことができます。
法務局は、受付けた自筆証書遺言を厳重に保管します。
自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管だけ安心な制度です。
自筆証書遺言の内容は、遺言者本人の自己責任です。
内容があいまいで執行できなくなる可能性があっても、法務局は保管を受付けます。
遺留分を侵害してトラブルになる可能性があっても、法務局は保管を受付けます。
法務局が保管を受付けたことは、安心材料ではありません。
自筆証書遺言の法務局保管制度を利用しても、トラブル防止効果はありません。
(10)検認手続が必要
検認手続とは、自宅などで見つかった自筆証書遺言を家庭裁判所に提出して開封してもらう手続です。
相続が発生した後、すぐに相続手続を進めることはできません。
検認手続が必要なのに検認済証明書がないと、相続手続先が相続手続を進めないからです。
自筆証書遺言は、作成するときは手軽です。
遺言者が死亡した後に、家族の事務負担があります。
②公正証書遺言は安心確実
(1)公証人が取りまとめる
公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
証人2人に確認してもらって、作ります。
公証人は、法律の専門家です。
法律の専門家が関与するから、書き方ルールの違反は考えられません。
安心して、作成できます。
(2)公証人の手数料がかかる
公正証書遺言は、公証人が取りまとめます。
公証人手数料がかかります。
遺言書の内容や財産の価額によっては、高額な費用になることがあります。
(3)公証人が本人確認
公正証書遺言は、公証人が取りまとめます。
公正証書遺言を作成する際に、公証人が遺言者の本人確認をします。
身分証明書を確認して、なりすましを防止します。
本人確認ができなければ、公正証書遺言を作成しません。
公正証書遺言は、偽造があり得ません。
(4)公証人が本人の意思確認
公正証書遺言を作成する際に、公証人が遺言者本人の意思確認をします。
遺言者本人の意思確認は、遺言書の有効性を担保するための実質的な審査です。
遺言書は、遺言者の自由な意思に基づいて作成します。
遺言書を作成するとき、相続人になる予定の人は同席することができません。
遺言者の自由な意思を確保するためです。
相続人になる予定の人から、影響を受けることを排除します。
詐欺や強迫を排除した環境で、遺言書を作成します。
(5)遺言能力に疑いがあるときは作成しない
公正証書遺言を作成する際、公証人と遺言者は直接対話をします。
対話をする中で、公証人は次の点を確認します。
・遺言者が遺言をしていることを理解しているか
・財産や家族関係を把握しているか
・遺言内容の意味や効果を理解しているか
・説明に矛盾や変遷がないか
・理由付けが不自然ではないか
遺言者の判断能力が低下している場合、遺言能力が失われていることがあります。
遺言能力が失われた場合、遺言書は無効です。
遺言能力が失われていると判断された場合、公証人は公正証書遺言を作成しません。
遺言能力に疑いがあるとき、公証人は作成しない判断をします。
公正証書遺言を作成した事実は、少なくとも公証人は遺言能力があると判断できたと言えます。
(6)証人2人が確認する
公正証書遺言を作成する際に、証人2人が立ち会います。
証人は、適切に遺言書が作成されたか確認する証拠装置です。
証人2人が確認するから、後日の無効主張を封じることができます。
公証人だけでなく証人も、遺言者の自由な意思に基づき遺言したことを確認します。
遺言に利害関係がある人は、証人になれません。
利害関係人を排除することで、証言の信用性を確保します。
証人は、手続の適正を補強していると言えます。
(7)公正証書遺言原本は公証役場で厳重保管
公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重に保管します。
公正証書遺言は、紛失リスクがありません。
相続人などの手に渡らないから、変造リスクがありません。
(8)検認手続は不要
遺言者が死亡した後、公正証書遺言はすぐに執行することができます。
公正証書遺言は、検認手続が不要だからです。
3自筆証書遺言と公正証書遺言の失敗しない選び方
①自筆証書遺言がおすすめの人
(1)法律知識が充分にある人
自筆証書遺言は、遺言者がひとりで作ることができるから手軽です。
遺言内容が適切であるのか、記載方法は適切であるのか、遺言者が自分で考えます。
自筆証書遺言は、自己責任の遺言書です。
弁護士や司法書士レベルの法律知識がある人は、自筆証書遺言がおすすめです。
(2)家族がトラブルにならない人
自筆証書遺言は遺言者がひとりで作るから、さまざまなリスクが内在しています。
・紛失リスク
・改ざんや変造の疑い
・遺言能力の疑い
・詐欺強迫の疑い
自筆証書遺言に内在するリスクが家族のトラブルを招きます。
弁護士や司法書士レベルの法律知識があっても、内在するリスクから逃れられません。
弁護士や司法書士レベルの法律知識がある人で、かつ、家族がトラブルにならない人は、自筆証書遺言がおすすめです。
(3)公正証書遺言を作成する時間的余裕がない人
公正証書遺言を作成するためには、公証人との打ち合わせが必要です。
打ち合わせをしたうえで予約をして、公正証書遺言を作成します。
公正証書遺言作成には、時間がかかるのが通常です。
体の状態が急に悪化したなど、公正証書遺言を作成する時間的余裕がないことがあります。
緊急時には、自筆証書遺言のメリットを活用することができます。
公正証書遺言を作成する時間的余裕がない人は、自筆証書遺言がおすすめです。
②公正証書遺言がおすすめの人
公正証書遺言を作成するためには、時間と費用がかかります。
時間と費用をかけてでも、内容の安全性が確保される価値があります。
遺言内容を実現することが困難になったら、遺言書を作成する意味がないからです。
内容の有効性を確保した遺言は、公正証書遺言です。
公証人が関与することで、圧倒的な信頼があります。
ほとんどの人に、公正証書遺言がおすすめです。
③初心者がとりあえず遺言書を作るなら公正証書遺言
遺言書は、遺言者が死亡したときに効力が発生します。
やり直しは、できません。
初心者が遺言書作成に失敗したくないなら、外さないことが重要です。
初心者がとりあえず遺言書を作る場合、公正証書遺言一択です。
公正証書遺言は、自筆証書遺言のさまざまなリスクを回避できるからです。
4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書は、遺言者の意思を示すものです。
自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。
いろいろ言い訳を考えて、先延ばしします。
先延ばしした結果、認知症などになると遺言書を作れなくなります。
その先には、家族のもめごとが待っています。
家族がトラブルに巻き込まれることを望む人はいないでしょう。
死んだ後のことを考えるのは不愉快などと言えるのは、判断力がしっかりしている証拠です。
まず、遺言書を書くことをおすすめします。
遺言書があることでトラブルになるのは、ごく稀なケースです。
遺言書がないから、トラブルになることはたくさんあります。
遺言書1枚あれば、相続手続きは格段にラクになります。
状況が変われば、遺言書は何度でも書き直すことができます。
家族をトラブルから守りたい人は、司法書士に遺言書作成を依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
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