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相続放棄して農地を継ぎたくない
1相続放棄して農地を継ぎたくない
①農地があっても相続放棄ができる
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。
相続放棄には、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月です。
相続放棄の期限3か月が経過したら、自動で単純承認になります。
相続放棄をするときに、理由は重視されません。
農地を相続したくないからを理由に、相続放棄をすることができます。
農地があっても、相続放棄は認められます。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
②遺言書があっても相続放棄ができる
被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。
遺言書がある場合、遺言書の内容どおりに遺産分割をすることができます。
遺言書に農地を相続させると書いてあっても、農地を引き継ぐ義務はありません。
相続人は、相続放棄をすることができます。
相続人には、相続を単純承認するか相続放棄するか選択する権利があるからです。
遺言書に農地を相続させると書いてあっても、相続放棄をしたら農地を引き継ぎません。
相続放棄をしたら、遺言執行者に相続放棄をしたことを連絡します。
③農地だけ相続放棄はできない
相続を単純承認すると、被相続人の財産を引き継ぎます。
相続放棄をすると、被相続人の財産を一切引き継ぎません。
農地だけ引き継がないのではなく、農地を含め一切の財産を引き継ぎません。
相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなるからです。
相続放棄をした後に見つかった財産を含め、一切の財産を引き継ぎません。
相続人でなくなるから、相続財産を利用処分する権限を失います。
相続放棄は、撤回することができません。
相続放棄後に莫大なプラスの財産が見つかっても、相続放棄の撤回は認められません。
相続放棄の撤回を認めると、相続の現場が混乱するからです。
④相続放棄に農地法の許可は不要
売買などで農地を処分する場合、農地法の許可が必要になります。
農地を相続する場合、農地法の許可は不要です。
農地法の許可が不要だけど、農地法の届出が必要です。
相続放棄をする場合、農地法は無関係です。
相続放棄をするときに、農地法の許可は不要です。
⑤次順位の人が相続財産を引き継ぐ
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
子どもが相続放棄をした場合、子どもははじめから相続人でなくなります。
子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。
被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
親などの直系尊属がいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。
次順位の人が相続人になります。
相続放棄が認められても、家庭裁判所から次順位相続人に通知されません。
相続放棄をした人から次順位相続人に通知してあげると親切です。
次順位相続人が単純承認をするなら、農地を含め相続財産一切を引き継ぎます。
⑥相続人全員が相続放棄ができる
先順位の人全員が相続放棄をしたら、次順位の人が相続人になります。
相続人は、相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。
先順位相続人と同様に、次順位相続人も相続放棄をすることができます。
相続人全員が相続放棄をすることができます。
結果として、相続人全員が相続放棄をすることがあります。
相続人全員が相続放棄をすることになっても、差し支えありません。
⑦相続放棄をしても保存義務がある
相続放棄をすると、相続財産を利用処分する権限を失います。
相続放棄をしても、財産の保存義務が生じることがあります。
保存義務が生じる人は、現に財産を占有している人のみです。
新たに相続人になった人が管理を始めるまで、保存義務が続きます。
相続人全員が相続放棄をした場合、相続財産清算人が管理を始めるまでです。
相続財産清算人は、利害関係人の申立てにより家庭裁判所が選任します。
⑧相続放棄の申請の流れ
手順(1)相続があったことを知る
相続放棄の期限3か月のスタートは、相続があったことを知ってからです。
手順(2)必要書類の準備
相続放棄の必要書類は、次のとおりです。
・相続放棄申述書
・被相続人の住民票または戸籍の附票
・相続放棄をする人の戸籍謄本(発行後3か月以内)
・先順位の相続人がいないことを確認する戸籍謄本
名古屋家庭裁判所など一部の裁判所では、必要書類はコピーを提出することができます。
手順(3)家庭裁判所へ提出
書類を取りまとめて、家庭裁判所へ提出します。
窓口に出向いて提出しても、郵送で提出することもできます。
郵送するときは、記録が残る郵便がおすすめです。
相続放棄には、3か月の期限があるからです。
普通郵便など記録が残らない郵便は、迷子になると探せなくなります。
手順(4)相続放棄照会書と回答
相続放棄申述書を受付けたら、家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。
相続放棄照会書は、家庭裁判所からの確認書です。
相続放棄が認められると相続ができなくなるから、慎重に確認します。
裁判所によっては、照会は省略になることがあります。
手順(5)相続放棄申述受理通知書が到着
提出書類に問題がなければ、相続放棄申述受理通知書が届きます。
2継ぎたくない農地だけ相続土地国庫帰属制度を利用できる
①継ぎたくない農地だけ相続放棄はできない
相続放棄をすると、相続財産は一切相続することができません。
相続放棄をすると、農地だけでなく一切の財産を引き継ぐことができません。
相続放棄では、継ぎたくない農地だけ相続放棄をすることはできません。
②相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらえる
相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。
農地であっても山林であっても、相続土地国庫帰属制度の対象です。
相続土地国庫帰属制度で国が農地を引き取るとき、農地法の許可は不要です。
相続土地国庫帰属制度を利用すると、継ぎたくない農地だけ手放すことができます。
一部の土地についてだけ、相続土地国庫帰属制度を利用することができるからです。
他の財産を引き継いで不要な農地を手放すことができます。
望まないで不動産を所有している場合、管理が負担になりがちです。
管理負担の重さから、適切な管理ができなくなり不動産が荒廃します。
適切な相続登記がされないことがあります。
土地を国に引き取ってもらうことで、所有者不明土地の対策になると期待されています。
③相続土地国庫帰属制度を利用できない土地がある
次の土地は、国に引き取ってもらうことはできません。
(1)建物がある土地
(2)担保権や利用権がある土地
(3)他人が利用する土地
(4)土壌汚染など有害物質がある土地
(5)境界不明の土地
④審査で引き取ってもらえないリスクがある
次の土地は、審査のうえで承認してもらうことはできません。
(1)崖地
(2)工作物、車両、樹木がある土地
(3)地下にある有体物の除去が必要な土地
(4)袋地、不法占拠者がいる土地
(5)管理に費用や労力が多くかかる土地
・災害の危険がある土地
・害獣などが生息している土地
・森林整備が必要な土地
・国に金銭負担が発生する土地
・所有者が負担すべき債務を国が負担することになる土地
相続土地国庫帰属制度は、審査があります。
国に引き取ってもらいたいと望んでも、審査が通らないことがあります。
審査に通らなければ、国に引き取ってもらうことはできません。
相続土地国庫帰属制度には、引き取ってもらえないリスクがあります。
⑤相続土地国庫帰属の承認申請書には手数料がかかる
相続土地国庫帰属の承認申請には、手数料がかかります。
手数料は、収入印紙で納入します。
相続土地国庫帰属の承認申請書を取り下げた場合であっても却下や不承認になった場合でも、手数料は返してもらえません。
⑥審査にかかる期間は半年~1年程
相続土地国庫帰属制度の標準審査期間は、半年~1年程です。
相続土地国庫帰属制度の審査期間中に申請人が死亡した場合、申請者の地位を承継することができます。
⑦承認になったら負担金を納付する必要がある
相続土地国庫帰属制度で国が引き取ってくれる場合、負担金を納付しなければなりません。
負担金は、土地管理費の10年分相当額とされています。
法務省のホームページに、計算シートが掲載されています。
相続土地国庫帰属の承認がされた場合、負担金は30日以内に納入しなければなりません。
負担金が30日以内に納入されない場合、相続土地国庫帰属の承認は失効します。
⑧相続放棄は農地の負担から確実に逃れることができる
農地の負担を逃れる方法は、2つだけです。
相続放棄か相続土地国庫帰属制度です。
相続放棄は、農地の負担から確実に逃れることができます。
相続放棄は、他の財産を一切相続できません。
相続土地国庫帰属制度は、不確実です。
国に引き取ってもらいたいと望んでも、審査が通らないことがあるからです。
審査が通らなくても、手数料は返金されません。
審査が通ったら、負担金を納付する必要があります。
相続土地国庫帰属制度は、他の財産を相続することができます。
確実性を重視するなら、相続放棄が選択肢になります。
審査落ちになるリスクと金銭的負担を飲めるなら、相続土地国庫帰属制度が選択肢になります。
3相続放棄を司法書士に依頼するメリット
実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることができます。
高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。
通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。
家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています。
認めてもらいやすい書類を作成することができます。
通常の相続放棄と同様に、戸籍謄本や住民票が必要になります。
仕事や家事、通院などで忙しい人は、平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。
戸籍謄本や住民票は、郵便による取り寄せもできます。
書類の不備などによる問い合わせは、市区町村役場の業務時間中の対応が必要になります。
負担は、軽いとは言えません。
このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。
3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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父の相続手続が終わらないうちに母と兄が死亡
オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました
1 オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただく前に、どのようなことでお困りでしたか。
土地の登記について
2 たくさんの事務所がある中から、オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただきまして、ありがとうございました。
オリーブの木司法書士事務所を知ったきっかけをお聞かせください。
相談会
3 オリーブの木司法書士事務所に相談をしてから依頼をするまで時間はかかりましたか。
また時間がかかったとしたらどんな理由がありましたか。
かかりませんでした。
4 オリーブの木司法書士事務所に依頼するときに、重視したことをお聞かせください。
信頼出来そうだったから。
5 実際にオリーブの木司法書士事務所にご依頼いただいたご感想をお聞かせください。
良かったです。
6 このアンケートをオリーブの木司法書士事務所のホームページやパンフレット等に掲載してよろしいでしょうか。
イニシャルを掲載してよい
イニシャル T・H
オリーブの木司法書士事務所からコメント
オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました。
T・Hさまから、30年以上前に死亡したお父さまの相続登記をご依頼いただきました。
相続手続が終わらないうちに、お母さまが死亡し、さらに、お兄さまも死亡された事例でした。
相続手続が終わらないうちに相続人が死亡すると、相続手続が複雑になります。
T・Hさまは、以前、自分で相続手続をしようとしたものの挫折したそうです。
相続手続が複雑になると、法律の知識が欠かせません。
専門家のサポートがないと、手続を進めることができなくなります。
相続人からたくさんの質問をいただき、丁寧に回答しました。
何度も質問をいただくうちに、相続人全員が相続手続に納得され協力することができました。
相続人全員の協力によって、相続登記は無事完了しました。
今回、ご依頼をいただきましてありがとうございました。


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共同相続人が行方不明のとき失踪宣告を使う状況
1相続人が失踪していると相続手続は進められない
①遺産分割協議には相続人全員の合意が必要
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人全員の合意がないと、遺産分割協議は成立しません。
一部の相続人の立場や事情で、相続人全員の合意を省略できません。
②相続人が失踪しても遺産分割協議から除外できない
遺産分割協議には、相続人全員の合意が必要です。
一部の相続人を除外して合意しても、無効の合意です。
たとえ相続人が失踪しても、相続人から除外することはできません。
失踪した相続人を除外して合意しても、無効の合意です。
一部の相続人の立場や事情で、相続人全員の合意を省略できないからです。
③多数決で相続手続は進められない
遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。
相続人の多数決で、合意をすることはできません。
たとえ一人でも合意していない相続人がいたら、遺産分割協議は成立しません。
合意していない相続人が失踪していても、遺産分割協議は成立しません。
遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立するからです。
多数決で、相続手続は進められません。
④法務局は相続登記を認めない
遺産分割協議が成立したら、相続人全員の合意内容を書面に取りまとめます。
相続登記をする場合、戸籍謄本と遺産分割協議書を提出します。
法務局は、提出された戸籍謄本で相続人全員を確認します。
法務局は、提出された遺産分割協議書で相続人全員の合意を確認します。
相続人全員の合意が確認できない場合、相続登記を認めません。
たとえ被相続人の子どもであっても、相続手続は進められなくなります。
⑤銀行は口座凍結解除を認めない
銀行などの口座の持ち主が死亡した場合、口座は凍結されます。
口座凍結とは、口座取引の停止です。
口座凍結解除をする場合、戸籍謄本と遺産分割協議書を提出します。
銀行は、提出された戸籍謄本で相続人全員を確認します。
銀行は、提出された遺産分割協議書で相続人全員の合意を確認します。
相続人全員の合意が確認できない場合、口座凍結解除を認めません。
たとえ被相続人の子どもであっても、相続手続は進められなくなります。
2相続手続を進めるために相続人の所在調査
①戸籍謄本取得で生死確認
相続人を確定するため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。
取得した戸籍謄本を読解すると、相続人が判明します。
相続人の戸籍謄本を取得すると、相続人の生死が確認できます。
②戸籍の附票取得で住所判明
相続人調査で相続人の戸籍謄本を取得するときに、一緒に戸籍の附票を請求します。
戸籍の附票とは、住所の異動が記録された書類です。
戸籍謄本や戸籍の附票は、相続人であれば、だれでも請求することができます。
③お手紙を書いて協力依頼
相続人の住所が判明したら、事情を説明したお手紙を送ります。
内容は、次の事項がいいでしょう。
・被相続人と手紙を送る人の関係
・被相続人が死亡した事実
・相続関係説明図
連絡先を書いて、連絡が欲しいとお願いします。
④海外で行方不明の相続人に所在調査依頼
外務省の所在調査制度とは、外務省が現地日本領事館と連携して行方不明になった日本人を探す制度です。
親族間において長きにわたり連絡がつかない状態が続いていて、所在も親族間で確認できない場合に限り依頼をすることができます。
3共同相続人が行方不明のとき失踪宣告を使う状況
①生死不明のまま長期間経過
失踪宣告の要件は、長期間の生死不明と申立てがあることです。
家庭裁判所が失踪宣告をするためには、失踪期間中生死不明が継続している必要があるからです。
失踪期間とは、生死不明の期間です。
失踪期間は、失踪宣告の種類によって異なります。
普通失踪の失踪期間は、7年です。
特別失踪(危難失踪)の失踪期間は、1年です。
特別失踪(危難失踪)は、大災害に遭遇したときの失踪宣告です。
死亡の可能性が非常に高いので、失踪期間は短い期間です。
②所在調査を尽くしても連絡が取れない
失踪宣告の申立てをするにあたって、申立人が調査をします。
家族は、完璧な調査ができるはずはありません。
家族は、捜査機関ではないからです。
申立人が行方不明と主張するだけでは、調査の端緒を得ることができません。
さまざまな調査をしたけど手がかりがなかったのなら、手がかりがなかったことを報告します。
手がかりがなかったことが調査の端緒の一部になるからです。
戸籍謄本を取得して、生死確認をします。
次に戸籍の附票を取得して、住所を確認します。
住民票が職権消除されている場合、市町村による調査で居住確認できなかったことが分かります。
行方不明者あてに郵便を出しても、郵便が「あて所に尋ねあたりません」とスタンプが押されて戻ってくることがあります。
「あて所に尋ねあたりません」で郵便返戻があった場合、転居先不明などで所在確認できなかったことが分かります。
警察に行方不明者届を提出した場合、行方不明者届受理証明書を取得します。
行方不明者届が受理されると、警察は照会や発見活動を行います。
家庭裁判所に調査の端緒を提供できれば、充分な調査をしたと言えます。
家族が調査によって取得した資料は、家庭裁判所に提出します。
家族が調査によって取得した資料は、失踪を書する資料だからです。
家族が所在調査をしても行方不明の場合、失踪宣告の申立てをする状況と言えます。
③生存が確認されてもペナルティーはない
申立人による調査は完璧でなくても、支障はありません。
もともと家族が完璧な調査をすることは、予定されていません。
申立人が調査の端緒を提供することを前提に、家庭裁判所が補充調査をする設計です。
家庭裁判所による補充調査で、行方不明者の生存が確認できることは珍しくありません。
行方不明者の生存が確認できるのは、制度が適切に機能した証拠です。
行方不明者の生存が確認できた場合、家庭裁判所から申立てを取り下げるように言ってきます。
家庭裁判所に指示に従って、申立てを取下げるだけです。
もともと家族ができる調査には、制限があるからです。
行方不明者の生存が確認されても、ペナルティーはありません。
できる範囲で調査して行方不明であれば、虚偽の申立てなどと非難されることはありません。
申立人が責任を問われることはありません。
④不在者財産管理人は家族の希望をかなえる人ではない
(1) 不在者財産管理人制度は生きている扱い
失踪宣告とは、行方不明者を死亡扱いにする手続です。
死亡扱いにする重大な効果があるから、家族には重い心理的負担があります。
不在者財産管理人制度は、行方不明者が生きている前提です。
死亡扱いにしなくて済むから、家族の心理的抵抗が少なく済みます。
(2)不在者財産管理人は不利益な財産管理ができない
不在者財産管理人には、行方不明者の財産を適切に管理する義務があります。
たとえ家族が希望しても、行方不明者に不利益な財産処分はできません。
不在者財産管理人は、行方不明者の財産を管理する人です。
不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。
行方不明者の利益を犠牲にして、家族の希望を優先させることは許されません。
たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、行方不明者に不利益な財産処分はできません。
不在者財産管理人は、公的な立場になるからです。
(3)取得した財産は家族に渡されない
遺産分割協議が成立した後は、行方不明者が取得した財産があるはずです。
行方不明者が取得した財産は、家族に渡さずに不在者財産管理人が管理します。
行方不明者が取得した財産は、家族が自由に使うことはできません。
家族で管理できるから財産を渡してほしいと希望することはできません。
(4)遺産分割協議が終わっても任務は継続
遺産分割協議が成立しても、不在者財産管理人の任務は継続します。
不在者財産管理人は、行方不明者の財産を保存管理する人だからです。
行方不明者が帰ってくるか死亡するまで、任務は継続し報酬がかかり続けます。
⑤不在者財産管理人は二度手間になるリスク
失踪宣告には、家族の心理的ハードルがあります。
不在者財産管理人のデメリットを飲めるなら、失踪宣告をする必要はありません。
失踪宣告をする義務は、ないからです。
心理的ハードルで不在者財産管理人を選択するなら、二度手間と費用を覚悟すべきです。
家族の平和のためデメリットを飲めるなら、それも適切な選択です。
4共同相続人は失踪宣告の申立てができる
①利害関係人ではなく法律上の利害関係人に限定
失踪宣告の申立人は、民法上、利害関係人と定められています。
利害関係人と定められているものの、法律上の利害関係人に限定されると考えられています。
単なる利害関係人は、申立人になることはできません。
行方不明者が共同相続人になるときの他の相続人は、法律上の利害関係があります。
一部の相続人が生死不明になると、遺産分割協議が成立させられなくなるからです。
②失踪宣告に家族の同意は不要
法律上の利害関係人は、失踪宣告の申立てをすることができます。
失踪宣告の申立てにあたって、法律上、家族の同意は不要です。
現実的には、家族の中で失踪宣告に反対する人がいれば、失踪宣告の申立てのハードルとなります。
法律で、解決できる問題ではありません。
5失踪宣告がされると相続が開始する
①相続開始日は死亡と見なされる日
失踪宣告がされると、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。
普通失踪では生死不明になってから7年間経過したときに、死亡したものと見なされます。
特別失踪(危難失踪)では危難が去ったときに、死亡したものと見なされます。
たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをするから、相続が開始します。
②死亡と見なされる日で相続人を確認
失踪宣告の申立てをしてから、裁判所が失踪宣告をするまで長期間かかります。
相続手続の基準になるのが、死亡と見なされる日です。
死亡と見なされる日に、相続が発生します。
被相続人は、死亡と見なされる日に死亡したと扱われます。
失踪宣告による死亡と通常の死亡に、法律上のちがいはありません。
死亡と見なされる日を基準にして、相続人を確認します。
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。
相続が発生したときに元気だった相続人が被相続人より後に死亡した場合、代襲相続が発生しません。
相続が発生したときに元気だった相続人が後に死亡した場合、数次相続が発生します。
数次相続は、相続人の地位が相続されます。
失踪宣告の前後で家族が死亡した場合、相続人の確認が重要になります。
代襲相続も数次相続も、相続が複雑になります。
③相続人全員で遺産分割協議
失踪宣告がされた場合、相続が発生します。
相続人全員で、遺産分割協議をします。
遺産分割協議が成立したら、相続手続をします。
6生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。
行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。
困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。
途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。
相続手続で不安がある方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
家庭裁判所に収入印紙800円
1家庭裁判所の手数料は収入印紙で納入
①申立書に収入印紙800円貼付
家庭裁判所に申立てを提出する場合、手数料を納入します。
手数料は、現金で納入することはできません。
申立書に収入印紙を貼り付けて、納入します。
収入印紙を貼り付けるのは、申立書の右上部です。
収入印紙貼り付け位置に、800円分の収入印紙を貼り付けます。
②額面800円の収入印紙はない
家庭裁判所に納入する手数料が800円であっても、額面800円の収入印紙は存在しません。
例えば、次のように複数の収入印紙を組み合わせます。
・額面400円の収入印紙を2枚
・額面600円の収入印紙1枚と額面200円の収入印紙1枚
・額面200円の収入印紙4枚
申立書の収入印紙貼り付け位置は、大きなスペースではありません。
たくさんの収入印紙を貼り付けるのは、難しいでしょう。
多くても4枚程度で準備するのが、おすすめです。

2収入印紙を購入できるところ
①郵便局の郵便窓口
郵便局の郵便窓口で、収入印紙を購入することができます。
大きな郵便局には、ゆうゆう窓口が設置されています。
ゆうゆう窓口も、収入印紙を取り扱っています。
ゆうゆう窓口であれば、24時間利用可能です。
好きなときにいつでも、収入印紙を購入することができます。
郵便局の郵便窓口では、クレジットカードや電子マネーを使うことができます。
クレジットカードで、収入印紙を購入することはできません。
②コンビニエンスストア
コンビニエンスストアは、いたるところにあり24時間営業しています。
昼間に時間が取れない人にとって、コンビニエンスストアで購入できるのは便利です。
コンビニエンスストアでは、収入印紙を取り扱っていないことがあります。
取り扱っていても、主に200円印紙のみの取り扱いです。
収入印紙を4枚貼り付けることになります。
手間がかかりますが、貼り付けてあれば差し支えありません。
コンビニエンスストアによっては、電子マネーで支払いをすることができます。
③法務局の印紙売りさばき窓口
法務局の印紙売りさばき窓口で収入印紙を購入することができます。
法務局の業務時間中のみ購入することができます。
④名古屋家庭裁判所では売っていない
家庭裁判所に申立てを提出する場合、窓口に持参することができます。
申立書を自分で作成した場合、窓口で確認してもらえると安心でしょう。
名古屋家庭裁判所に申立書を持参する場合、収入印紙は裁判所で販売していません。
名古屋家庭裁判所の窓口に持参する場合、あらかじめ収入印紙を準備しておく必要があります。
⑤専門家に依頼したら準備してもらえる
家庭裁判所に提出する書類は、自分で作成することが難しいかもしれません。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士や弁護士に依頼することができます。
司法書士や弁護士などの専門家に依頼する場合、収入印紙は専門家が準備してくれます。
3家庭裁判所に収入印紙を提出するときの注意点
①収入印紙に消印をしない
申立書を家庭裁判所に提出するときに、収入印紙800円を貼り付けます。
収入印紙800円は、申立ての手数料です。
手数料を受け取った裁判所が、収入印紙に消印を押します。
申立てをする人は、消印を押しません。
一般的に、領収書や契約書などに収入印紙を貼り付けます。
領収書や契約書などに収入印紙を貼り付けるのは、印紙税の課税文書だからです。
収入印紙を貼って消印をすることで、印紙税を納入します。
申立書は、印紙税の課税文書ではありません。
手数料の納入のために収入印紙800円を貼り付けています。
手数料の納入のためだから、申立てをする人は消印を押しません。
②登記嘱託用収入印紙は貼り付けない
家庭裁判所の手続では、手数料以外に収入印紙が必要になることがあります。
例えば、成年後見開始の申立てをする場合、手数料は800円です。
手数料以外に、収入印紙2600円分を提出します。
収入印紙2600円分は、登記嘱託用です。
成年後見制度を利用している場合、後見登記がされます。
後見開始の審判が確定した場合、裁判所書記官が後見登記を嘱託します。
収入印紙2600円分は、登記嘱託をするとき使う費用です。
成年後見開始の申立書に、貼り付けると裁判所の人が困ります。
登記嘱託用収入印紙は、小袋に入れて提出します。
4収入印紙800円が必要になる主な申立て
①相続放棄の申述
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。
申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
相続放棄の申述をする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
被相続人が莫大な借金を抱えていた場合、相続人全員が相続放棄を望むでしょう。
相続放棄は、各相続人が自分で手続する必要があります。
相続放棄の手数料は、相続人1人あたり800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
②相続放棄の期間の伸長の申立て
相続放棄を希望する場合、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月以内です。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
相続が発生してから長期間経過してから、自分が相続人であることを知ることがあります。
自分が相続人であることを知ってから3か月以内であれば、相続放棄をすることができます。
相続を単純承認すべきか相続放棄をすべきか判断する3か月の期間を熟慮期間と言います。
被相続人の財産状況が分からない場合、相続を単純承認すべきか相続放棄をすべきか判断できないことがあります。
例えば、借金を何度もしていて返済が終わっているのか返済中であるのか不明であるケースです。
債権者に問い合わせても、即答できないでしょう。
取引状況を即答できない債権者がたくさんいると、3か月以内に判断できません。
熟慮期間内に判断できない場合、相続人は相続放棄の期間の伸長の申立てをすることができます。
相続放棄の期間の伸長の申立てが認められた場合、原則として、さらに3か月伸長されます。
相続放棄の期間の伸長の申立てをする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
相続放棄の期間の伸長の申立ては、各相続人が自分で手続する必要があります。
相続放棄の期間の伸長は、相続人ごとに判断されます。
相続放棄の期間の伸長の申立ての手数料は、相続人1人あたり800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
③相続財産清算人選任の申立て
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。
子どもが相続放棄をした場合、子どもは相続人でなくなります。
子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。
被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
相続人になる人は、法律で決まっています。
相続人全員が相続放棄をすることができます。
相続人全員が相続放棄をした場合、相続人がいなくなります。
相続人不存在の場合、相続財産は国庫に帰属します。
被相続人が払うべきお金を払わないまま、死亡することがあります。
被相続人にプラスの財産がある場合、財産からお金を払ってもらいたいと望むでしょう。
相続財産清算人は、相続財産を清算して国庫に帰属させる人です。
相続財産清算人は、プラスの財産からお金を払って清算をします。
家庭裁判所に申立てをして、相続財産清算人を選任してもらいます。
相続財産清算人選任の申立てをする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
④遺言書検認の申立て
被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作るケースがほとんどです。
自筆証書遺言は、自分ひとりで書いて作った遺言書です。
自筆証書遺言を作成した後は、原則として、自分で保管します。
作成した自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。
公正証書遺言は、公証人が文書に取りまとめて作る遺言書です。
証人2人に確認してもらって作ります。
公正証書遺言を作成した後は、公正証書遺言原本は公証役場で保管されます。
相続が発生した後、遺言書を見つけることがあります。
自筆証書遺言を見つけた人や預かっている人は、家庭裁判所へ届け出る必要があります。
封がされ得いる遺言書は、家庭裁判所で開封してもらいます。
遺言書を届け出る手続を遺言書検認の申立てと言います。
遺言書検認の申立てをする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
⑤遺言執行者選任の申立て
自分が死亡した後に自分の財産をだれに引き継いでもらうか、遺言書で決めることができます。
遺言書は作成するだけでは、意味がありません。
遺言書の内容は自動で実現するわけではないからです。
遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。
遺言執行者は、遺言書で指名することができます。
遺言書で指名しても、指名された人からご辞退されることがあります。
指名された人が先に死亡することがあります。
家庭裁判所に申立てをして、遺言執行者を選任してもらうことができます。
遺言執行者選任の申立てをする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
5裁判所に提出する書類作成を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、家族は大きな悲しみに包まれます。
深い悲しみの中で、葬儀を執り行います。
ここから怒涛のような相続手続が始まります。
だれが相続人になるか家族にとっては当然のことと軽く考えがちです。
相続手続先の人に対して、相続人は客観的に証明する必要があります。
大した財産がないから、相続手続はカンタンに思えるかもしれません。
相続手続は、普段聞き慣れない法律用語でいっぱいです。
相続手続先は、相続人のトラブルに巻き込まれないために慎重に判断します。
想像以上に神経を使って、クタクタになります。
家庭裁判所の申立てが必要な手続をなると、さらに難易度は上がります。
司法書士は、相続人をサポートして相続手続を進めることができます。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。
スムーズに相続手続を進めたい方は、司法書士に相談することをおすすめします。

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相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
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相続放棄した人がいるときの相続登記
1相続放棄で相続人でなくなる
①相続放棄は家庭裁判所の手続
相続が発生したら、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄は、相続人でなくなる手続です。

②相続放棄をした人は相続手続に関与しない
相続が発生したら、相続人は相続手続をします。
相続手続をするため、遺産分割協議をします。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続放棄をした人は、遺産分割協議に参加する権利も義務もありません。
相続放棄をした人は、相続人でなくなったからです。
相続放棄をした人は、相続手続に関与する権利も義務もありません。
相続放棄をした人は、相続財産に対する権利が一切ないからです。
相続放棄をしたのに相続財産を処分すると、相続放棄が無効になります。
相続財産を処分することは、相続人であることを認める行為だからです。
③相続放棄申述受理通知書で相続放棄を証明できる
相続放棄を認める決定をしたら、家庭裁判所は相続放棄申述受理通知書を送ります。
相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の結果通知です。
相続手続をする際に、相続放棄をしたことを証明する必要があります。
相続放棄申述受理通知書で、相続放棄を証明することができます。
④遺産分割協議で相続放棄はできない
遺産分割協議は、相続人だけが参加する話し合いです。
相続人でない人は、遺産分割協議に参加しません。
遺産分割協議を成立させることは、単純承認です。
たとえ遺産分割協議で財産を受け取らない合意をしても、単純承認です。
遺産分割協議で財産を受け取らない合意をすることを相続放棄と表現することがあります。
相続放棄と表現しても、遺産分割協議に過ぎません。
遺産分割協議だから、実印や印鑑証明書が必要になります。
遺産分割協議だから、被相続人の借金を引き継ぐことになります。
たとえ遺産分割協議で財産を受け取らない合意をしても、借金の返済を拒むことはできません。
2相続放棄した人がいるときの相続登記
①相続登記で相続放棄を証明する
(1)相続放棄申述受理通知書を提出する
相続登記では、たくさんの書類を提出します。
相続登記の申請人が不動産を取得したことに間違いないか、法務局が確認するためです。
相続放棄をしても、戸籍には何も記載されません。
提出した戸籍謄本を見ても、相続放棄をしたのか確認できません。
相続放棄をしたことは、相続放棄申述受理通知書で確認することができます。
相続放棄をした人は、相続手続に関与しません。
相続放棄申述受理通知書を提出すると、関与していないことが問題ないと確認することができます。
(2)他の相続人は相続放棄申述受理証明書を請求できる
相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の結果通知です。
相続放棄の申立てをした人に対してのみ、結果を通知します。
家庭裁判所は、積極的に他の相続人に通知しません。
相続放棄をした人が協力してくれるのなら、相続放棄申述受理通知書を貸してくれるでしょう。
相続放棄をした人が疎遠な場合、連絡できないことがあります。
他の相続人は、家庭裁判所に対して相続放棄申述受理証明書を請求することができます。
相続放棄申述受理証明書を請求する場合、相続放棄をした人の同意は不要です。
相続放棄申述受理証明書を取得して、相続手続を進めることができます。
無理に相続放棄をした人に連絡を取るより、合理的です。

(3)相続放棄の事件番号は相続放棄の有無の照会で判明する
相続放棄申述受理証明書を請求する場合、相続放棄の事件番号が必要になります。
相続放棄の事件番号は、相続放棄申述受理通知書に記載してあります。
相続放棄をした人が協力してくれるのなら、相続放棄の事件番号を教えてもらうとスムーズです。
相続放棄申述受理通知書を貸してくれなくても、相続放棄の事件番号を教えてくれることがあります。
相続放棄の事件番号を教えてくれない場合、相続放棄の有無の照会で判明します。
他の相続人は、家庭裁判所に対して相続放棄の有無の照会をすることができます。
相続放棄の有無の照会で事件番号を確認した後、あらためて相続放棄申述受理証明書を請求します。

(4)相続放棄した人の戸籍謄本は省略できない
相続登記では、相続人全員の戸籍謄本を提出する必要があります。
相続放棄した人の戸籍謄本は、省略できません。
相続放棄した人は、はじめから相続人でなくなります。
法務局は、相続放棄の前提として相続人であることを確認します。
相続放棄した人の戸籍謄本がないと、相続人であることを確認できません。
たとえ家庭裁判所が確認して相続放棄を受理したとしても、法務局はあらためて確認します。
家庭裁判所と法務局は、別の組織だからです。
②法定相続情報一覧図に相続放棄した人が記載される
法定相続情報一覧図とは、被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのかを、取りまとめた公的書類です。
一目で分かるように、家系図のように書くのが一般的です。
法定相続情報一覧図に書くべき内容は、厳格に決まっています。
相続放棄した人は、法定相続情報一覧図に記載します。
相続人でなくなっても、法定相続情報一覧図に記載する必要があります。
相続放棄した人を記載しなかった場合、書き直しになります。
相続放棄をした人は、法定相続情報一覧図に書くべき内容だからです。
相続放棄をしても、戸籍に記載されません。
法定相続情報一覧図は、戸籍謄本や住民票の内容を分かりやすく取りまとめた書類です。
戸籍には相続放棄が記録されないから、法定相続情報一覧図に相続放棄した人が記載されます。
法定相続情報一覧図を利用して相続登記をする場合、相続放棄を証明する必要があります。
具体的には、相続放棄申述受理通知書または相続放棄申述受理証明書を提出します。
法定相続情報一覧図には、相続放棄をしたことは記載されていないからです。

③相続関係説明図に相続放棄と記載
相続関係説明図も、被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのかを、取りまとめた説明書類です。
法定相続情報一覧図と同じように、家系図のように書くのが一般的です。
相続関係説明図は、公的書類ではありません。
相続関係説明図は、単に説明のための書類です。
相続関係説明図に書くべき内容は、決められていません。
相続関係説明図は、比較的自由に書くことができます。
不動産を取得する相続人に、「相続」と記載します。
不動産を取得しない相続人に、「分割」と記載します。
相続放棄をした人に、「相続放棄」と記載します。
相続登記をするとき、相続関係説明図を一緒に提出します。

④相続放棄申述受理通知書は原本還付できる
相続放棄した人がいるときの相続登記では、相続放棄をしたことを証明する必要があります。
相続登記で提出した相続放棄申述受理通知書や相続放棄申述受理証明書は、原本還付を受けることができます。
相続放棄した人がいるときの相続手続では、必ず相続放棄申述受理通知書や相続放棄申述受理証明書が必要になります。
⑤相続登記義務化で相続人に義務が課される
令和6年4月1日から相続登記は、3年以内に登記申請をする義務が課されました。
「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ当該所有権を取得したことを知った日」から3年以内に申請しなければなりません。
⑥相続放棄した人に相続登記の義務はない
家庭裁判所で相続放棄が認めらた人は、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄をした人は相続人でなくなるから、被相続人の財産は一切相続しません。
被相続人が不動産を保有していても、相続放棄した人は一切引き継ぎません。
相続放棄をした人は、相続登記の義務が課されることはありません。
相続放棄をすることで、相続登記の義務を逃れることができます。
⑦相続放棄前に相続登記がされたときの対処法
(1)他の相続人が法定相続で相続登記
相続人は単独で、法定相続分で相続人全員が共有する相続登記を申請することができます。
一部の相続人が相続放棄をすることを知らないまま、相続登記をしてしまうことがあります。
相続放棄をした人は、はじめから相続人でなくなります。
結果として、相続登記の内容が誤ったものとなってしまいます。
相続登記の内容が誤ったものとなったから、所有権更正登記を申請します。
(2)同順位の相続人全員の相続放棄
同順位の相続人全員が相続放棄をした場合、次順位の人が相続人になります。
相続登記の内容全体が誤った者になった場合、所有権更正登記は申請できません。
いったん所有権抹消登記を申請した後、あらためて相続登記を申請します。
3相続放棄者がいる不動産登記を司法書士に依頼するメリット
大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。
やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。
相続手続は一生のうち何度も経験するものではないため、だれにとっても不慣れで手際よくできるものではありません。
相続財産は相続人全員で話し合いによる合意をして、分け方を決めることになります。
相続人全員で話し合いによる合意をせずに、安易に、法定相続分で共有する登記がされるケースがあります。
法定相続分で共有するのはデメリットが大きく、決しておすすめできるものではありませんが、相続手続で疲れていると目先のラクを選んでしまいがちです。
安易な手段を選ぶと、更正登記が必要になり余計な手間と費用がかかります。
更正登記で済めばまだしも、持分移転登記をしなければならない場合、不動産の価額によっては登録免許税だけでも無視できない額になります。
更正登記ができるか、いったん、抹消登記をしてあらためて相続登記をするかは専門的な判断が必要になります。
知識がない相続人が書籍やインターネットなどで調べるのはハードルが高いでしょう。
相続登記がされているが、内容が正しくないことに気づいたら、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
遺言書を開封するだけでは犯罪にならない
1遺言書を開封するだけでは犯罪にならない
①自宅などで見つけた自筆証書遺言は家庭裁判所で開封
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。
自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。
自筆証書遺言を作成した後、原則として自宅などで保管します。
公正証書遺言は、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
公正証書遺言を作成した後、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。
自宅などで見つけた自筆証書遺言は、家庭裁判所で開封してもらいます。
②違法行為であっても犯罪ではない
違法とは、法律に違反することです。
自宅などで自筆証書遺言を見つけた場合、家庭裁判所に提出して開封してもらうルールがあります。
自宅などで自筆証書遺言を見つけても、勝手に開封することはできません。
勝手に開封する行為は、違法行為です。
家庭裁判所に提出して、開封してもらうルールがあるからです。
勝手に開封すると、ペナルティーになるおそれがあります。
ペナルティーの内容は、5万円以下の過料です。
過料は、刑事罰となる罰金ではありません。
違法行為は、犯罪になる行為と犯罪にならない行為があります。
違法行為と犯罪は、同じ意味ではありません。
犯罪とは、法律で犯罪として定められ刑罰が科される行為です。
遺言書を勝手に開封すると、違法行為であっても犯罪ではありません。
違法行為と犯罪は、ちがいます。
5万円以下のペナルティーになっても、開封した人は犯罪者ではありません。
2遺言書を開封しても相続財産の独り占めはできない
①有利な遺言書なら隠す意味がない
遺言書を勝手に開封したと聞くと、相続財産を独り占めしようとしたのではないか不安になるかもしれません。
開封した人にとって有利な内容の遺言書なら、遺言書を隠す意味がありません。
見つかった遺言書を相続人全員に見せればいいだけです。
むしろ相続人全員に見せて、相続手続を進めればいいはずです。
②不利な遺言書なら遺産分割協議が必要
開封した人にとって不利な内容の遺言書なら、遺言書を隠すかもしれません。
遺言書がなければ、相続財産は相続人全員の共有財産です。
遺言書を隠しても、相続財産の独り占めはできません。
遺言書がなければ、相続人全員による遺産分割協議が必要です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺言書がなければ、相続人全員による合意が不可欠です。
相続人全員の合意がないと、遺産分割協議が成立しないからです。
③開封を独り占めと考えるのは短絡的
自宅などで自筆証書遺言を見つけたら、家庭裁判所で開封するルールがあります。
勝手に開封したら、ルール違反であることは間違いありません。
ルール違反であるからと言って、独り占めをしようとしたと考えるのは短絡的です。
遺言書を開封した事実だけで、財産を独り占めしようとしたと決めつけることはできません。
遺言書が開封したことで、相続財産を独り占めする権利は発生しません。
勝手に開封したことを責めても、だれにもメリットはありません。
ルール違反であるを責めても、相続手続を進められません。
短絡的に決めつけると、相続人間の対立をあおるだけの結果になります。
3自筆証書遺言を勝手に開封しない方がいい理由
①家庭裁判所の検認手続で開封してもらう
検認手続とは、自宅などで見つけた自筆証書遺言を開封してもらう手続です。
自筆証書遺言検認の申立てを受付けたら、相続人を家庭裁判所に呼び出します。
相続人に立会いをしてもらって、遺言書を開封するためです。
家庭裁判所は、開封したら遺言書の形状や内容を確認して調書に取りまとめます。
検認調書を確認すると、開封時の遺言書の形状や内容を確認することができます。
検認期日以降に変造や改ざんがあったら、検認調書と照らし合わせると発覚します。
検認調書と照らし合わせるだけで発覚するから、変造や改ざんができなくなります。
検認手続は、遺言書の変造や改ざんを防止する手続です。
封筒に入っていない遺言書や封筒に入っているだけで封がされていない遺言書であっても、家庭裁判所の検認手続が必要です。
封筒に入っていない遺言書や封筒に入っているだけで封がされていない遺言書も、変造や改ざんを防止する必要があるからです。
②他の相続人から変造・改ざんを疑われる
遺言書を勝手に開封すると、開封時の遺言書の状態が他の相続人には分かりません。
他の相続人から、変造や改ざんを疑われる可能性があります。
封がしてある遺言書は、外見上改ざんがされていない状態と言えます。
家庭裁判所で開封をすれば、開封時の遺言書の状態が他の相続人に明らかです。
検認期日で開封すれば、変造や改ざんを疑われることは大幅に減るでしょう。
③実際に変造・改ざんをしなくても疑われる
実際に変造や改ざんをしなければ、問題ないと感じるかもしれません。
開封しただけで変造や改ざんをしなくても、他の相続人は疑いを持ちます。
開封時の遺言書の状態が他の相続人には分からないからです。
遺言書が開封した相続人に有利な内容であった場合、より疑いは強まります。
遺言書に変造や改ざんの疑いがある場合、深刻な相続トラブルに発展します。
④遺言書の変造・改ざんは相続欠格
(1)相続欠格に該当すると相続資格を奪われる
相続人になる人は、民法で決められています。
相続人になれない人も、民法で決められています。
相続欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度です。
(2)遺言書を開封するだけでは相続欠格にならない
相続欠格になる条件は、民法で決められています。
民法に決められた条件に該当したときだけ、相続欠格になります。
遺言書を開封したことは、民法で決められた条件ではありません。
遺言書を開封したことで、相続欠格になりません。
遺言書を開封したことだけで、相続資格は奪われません。
相続人間で勝手に決めつけて、相続欠格にすることはできません。
相続資格が奪われるのは、民法で決められた条件に該当したときだけです。
(3)遺言書の変造・改ざんで相続資格が奪われる
開封した後さらに隠匿や改ざんをした場合、重大な問題になります。
遺言書の変造・改ざんは、民法で決められた条件だからです。
故意に遺言書の変造・改ざんをしたら、相続欠格になります。
(4)隠匿・改ざんの疑いが深刻な相続トラブルに発展する理由
遺言書を開封するだけでは、相続欠格になりません。
遺言書を開封するだけでは、相続資格は奪われません。
遺言書を開封すると、他の相続人から隠匿・改ざんを疑われます。
遺言書を開封するだけで何もしていなくても、隠匿・改ざんを疑われます。
遺言書が開封した相続人に有利な内容であった場合、一層強く疑われます。
故意による遺言書の隠匿・改ざんは、相続欠格になるからです。
他の相続人が疑うだけで、相続欠格にできないのは当然です。
許せないと思う気持ちは、客観的証拠ではありません。
遺言書を勝手に開封すると、他の相続人は相続財産を奪われると感じます。
相続財産を奪われそうになったのだから、懲らしめたいと感じます。
相続財産を奪おうとしたのだから、相続資格を奪うべきと考えます。
遺言書に隠匿や改ざんの疑いがある場合、深刻な相続トラブルに発展します。
⑤遺言書の隠匿・改ざんで刑事責任を問われる可能性
(1)遺言書の隠匿で私用文書等毀棄罪
遺言書を開封しただけでは、隠匿とは言えません。
遺言書は、権利義務に関する文書です。
遺言書を隠匿した場合、私用文書等毀棄罪に問われる可能性があります。
(2)遺言書の改ざんで有印私文書偽造罪や偽造有印私文書行使罪
遺言書を開封しただけで、改ざんとは言えません。
遺言書の偽造や変造をした場合、有印私文書偽造罪や偽造有印私文書行使罪に問われる可能性があります。
遺言書の偽造や変造は、後から発覚することがあります。
筆跡鑑定やインクの年代測定などで、専門的調査ができるからです。
(3)相続欠格になっても刑事罰は別問題
相続欠格と刑事罰は、別の制度です。
相続欠格は、民事上の制裁です。
刑事罰は、刑事上の制裁です。
たとえ相続欠格になっても犯罪と認められるのは、別問題です。
遺言書の隠匿・改ざんを疑うだけで、犯罪にできないのは当然です。
許せないと思う気持ちは、客観的証拠ではありません。
たとえ相続欠格になっても、客観的証拠による事実認定が必要です。
⑥うっかり開封したら家庭裁判所にそのまま提出
(1)遺言書と書いて無ければ気づけない
遺品整理をしているとき、封がされた封筒を見つけることがあります。
封筒に何も書いて無ければ、遺言書を気付けないのは当然です。
封筒に何か書いてあっても、気づかず開封してしまうのはやむを得ません。
家庭裁判所に提出して開封してもらうルールを知らないければ、開封してしまうのはやむを得ないでしょう。
(2)遺言書と気づいたらそのまま保管
うっかり開封しただけなら、相続資格が奪われることはありません。
遺言書と気づいたら、そのまま保管します。
遺言書を見つけた事実を他の相続人と情報共有します。
開封してしまったことを隠そうとすると、他の相続人から疑われます。
(3)すみやかに自筆証書遺言検認の申立て
自宅などで自筆証書遺言を見つけた人は、家庭裁判所に自筆証書遺言検認の申立てをします。
すみやかに自筆証書遺言検認の申立てをしないと、遺言書の隠匿を疑われるからです。
4遺言書を作成するなら公正証書遺言が安全
①公正証書遺言は検認不要
公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。
公正証書遺言を作成した後、遺言者には正本と謄本が渡されます。
正本と謄本は、公正証書遺言のコピーです。
自宅などで公正証書遺言の正本や謄本が見つかっても、検認手続は不要です。
正本や謄本で、遺言執行をすることができます。
②公正証書遺言は隠匿・改ざんがあり得ない
公正証書遺言原本は、公証役場で厳重保管されます。
公正証書遺言は、隠匿・改ざんがあり得ません。
遺言者の手元にある正本や謄本を隠匿しても、公証役場に厳重保管されています。
遺言者の手元にある正本や謄本にあれこれ書き込みをしても、作成時の遺言書原本が厳重保管されています。
相続発生後に相続人はだれでも、公正証書遺言の謄本を請求することができます。
相続発生後に交付された公正証書遺言の謄本で、遺言執行をすることができます。
相続人間で隠匿・改ざんの疑いを発生させる余地がありません。
遺言書を作成するなら、公正証書遺言が安全です。
5遺言書検認の申立てを司法書士に依頼するメリット
自筆証書遺言や秘密証書遺言を預かっている人や見つけた人は、家庭裁判所に届け出る必要があります。
遺言書を隠したり捨てたりすると、相続人になることができません。
このような疑いをかけられてトラブルになるのを避けるためにも、すみやかに家庭裁判所に検認の申立てをしましょう。
申立てのためには、たくさんの書類が必要になります。
仕事や家事でお忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続を丸投げできます。
家族にお世話が必要な方がいて、お側を離れられない方からの相談もお受けしております。
裁判所に提出する書類を作成できるのは、弁護士と司法書士のみです。
弁護士と司法書士でない人は作成代行はできませんから、充分注意しましょう。
遺言書の検認を司法書士に依頼した場合、遺言書検認申立書の作成だけでなく、家庭裁判所への提出もおまかせいただけます。
遺言書を預かっている方や見つけた方はトラブルになる前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続放棄なのに実印と印鑑証明書が必要と言われる理由
1相続放棄申述書に実印や印鑑証明書は不要
①相続放棄は自分で手続
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。
相続人が自分で、相続放棄の手続をします。
相続放棄は、相続放棄をする人の意思が重視される手続だからです。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄は、家庭裁判所の手続です。
家庭裁判所の手続なしで、相続放棄はできません。
家庭裁判所の手続なしで、相続放棄をする例外はありません。
②相続放棄申述書の押印は認印でいい
相続放棄を希望する場合、相続放棄申述書を提出します。
相続放棄申述書とは、相続放棄の申立てのための書類です。
相続放棄申述書には、相続放棄を希望する人が押印します。
相続放棄申述書の押印は、認印で充分です。
家庭裁判所は、印章の種類を指定していません。
認印でも実印でも、家庭裁判所は確認しません。
認印でも実印でも、相続放棄が認められます。
③相続放棄の必要書類
(1)共通で必要になる書類
・相続放棄申述書
・被相続人の住民票または戸籍の附票
・相続放棄をする人の戸籍謄本(発行後3か月以内)
(2)配偶者・子どもが相続放棄をするケース
・被相続人の死亡の戸籍謄本
(3) 父母が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
(4)兄弟姉妹が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
・父母や祖父母の死亡の戸籍謄本
④相続放棄の手続で印鑑証明書は不要
相続放棄申述書の押印は、認印で充分です。
実印を押しても差し支えありませんが、わざわざ実印を押す必要はありません。
認印でも実印でも、区別しません。
実印で押印したか確認しないから、印鑑証明書は不要です。
家庭裁判所に、印鑑証明書の提出を求めません。
⑤相続放棄照会書の回答書は同一印で押印
相続放棄申述書を提出してから2週間程度で、相続放棄照会書が届きます。
相続放棄照会書とは、相続放棄の意思確認です。
相続放棄が認められると、相続財産は一切相続できません。
相続放棄は影響が大きい手続なので、家庭裁判所は慎重に確認します。
相続放棄照会書の回答書は、押印が必要です。
相続放棄照会書の回答書は、相続放棄申述書に使った印章と同一印で押印します。
同一印で押印することで、相続放棄申述書を提出した人と回答書を提出した人が同一人物と確認できます。
2相続放棄なのに実印と印鑑証明書が必要と言われる理由
①遺産分割協議では実印と印鑑証明書が必要
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人全員の合意がまとまったら、遺産分割協議書に合意内容は書面に取りまとめます。
遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。
遺産分割協議書には、相続人全員が記名し実印で押印します。
実印による押印であることを確認するため、印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議を成立させたら、実印と印鑑証明書が必要になります。
②財産を受け取らない合意は相続放棄ではない
相続人全員の合意ができれば、相続財産はどのように分けても問題はありません。
一部の相続人が相続財産を一切引き継がない合意をすることがあります。
相続人全員の合意ができれば、相続財産を一切引き継がない相続人がいても差し支えありません。
相続財産を一切引き継がない合意をする場合、相続放棄をしたと表現することがあります。
相続放棄をしたと表現するだけで、相続放棄ではありません。
相続放棄は、家庭裁判所の手続だからです。
家庭裁判所の手続なしで、相続放棄はできません。
③財産を受け取らない相続人も実印と印鑑証明書が必要
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
相続人全員が記名し、実印で押印します。
相続財産を一切引き継がない合意をしても、相続人のままです。
相続財産を一切引き継がない合意をしても、遺産分割協議書に記名し実印を押印する必要があります。
実印による押印であることを確認するため、印鑑証明書が必要になります。
遺産分割協議書に記名し実印を押印しないと、相続人全員の合意があるか分からないからです。
相続人全員の合意があるか分からないと、相続手続を進めることができなくなります。
④財産を受け取らない相続人も借金を請求される
相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続財産を一切引き継がない合意をする場合、プラスの財産とマイナスの財産を一切引き継がないと合意するでしょう。
遺産分割協議の内容は、相続人間の内部的合意です。
債権者は、相続人全員に法定相続分で借金の返済を請求することができます。
相続人間の合意内容にかかわらず、借金の返済を請求することができます。
相続財産を一切引き継がない合意をしたから、返済しないなどと拒否することはできません。
遺産分割協議の内容は、相続人間の内部的合意だからです。
遺産分割協議書に記名し実印で押印しても、債権者には無関係な合意です。
遺産分割協議書に記名し実印で押印しても、債権者は借金の返済を請求することができます。
家庭裁判所で相続放棄をした人に、借金の請求をすることはできません。
相続放棄と遺産分割協議では、結論が正反対になります。
⑤遺産分割協議は単純承認
遺産分割協議は、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人以外の人は、遺産分割協議に参加しません。
遺産分割協議に参加することは、相続人であることが前提です。
遺産分割協議を成立させることは、相続人であることを認めたと言えます。
遺産分割協議を成立させると、相続放棄はできません。
遺産分割協議を成立させる行為は、単純承認と考えられるからです。
3相続放棄の手続の流れ
段階①相続発生を知る
相続放棄には、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月です。
3か月経過してしまうと、自動で単純承認になります。
相続があったことを知った日は、重要です。
相続放棄の期限の起算点になるからです。
段階②相続放棄の期限内に判断
(1)単純承認するか相続放棄をするか判断
相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄の期限3か月は、相続人が判断するための期間です。
(2)相続放棄の期限3か月を知らなかったからは認められない
相続放棄ができる期間は3か月を知らないまま3か月経過した場合、相続放棄は認められません。
法律の定めを知らなくても、3か月過ぎてしまえば、単純承認になります。
段階③必要書類を準備する
相続放棄では、たくさんの戸籍謄本や住民票が必要です。
相続放棄では、印鑑証明書は不要です。
段階④家庭裁判所へ提出
(1)相続放棄の期限3か月以内に家庭裁判所へ提出
相続放棄の期限3か月は、家庭裁判所へ提出するまでの期間です。
相続放棄の期限3か月以内に家庭裁判所へ提出できないと、自動で単純承認になります。
郵送で提出する場合も、相続放棄の期限3か月以内に家庭裁判所に届く必要があります。
(2)提出先は被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所
提出先は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所です。
被相続人の住所地は、被相続人の住民票を取得すると判明します。
段階⑤家庭裁判所から相続放棄照会書が届く
(1)書類に不備があれば補正指示
相続放棄の申立てが受付けたら、提出された書類を審査します。
必要書類に不備がある場合、家庭裁判所から補正指示があります。
必要書類が不足しても、追完することができます。
(2)相続放棄照会書が届く
提出された書類に問題がなければ、2週間ほどで家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。
相続放棄照会書とは、家庭裁判所から届く相続放棄についての意思確認です。
相続放棄は、影響の大きい手続なので間違いがないように慎重に確認します。
相続放棄照会書は、省略されることがあります。
相続放棄申述書を提出してから2週間程度経過しても相続放棄照会書が届かない場合、家庭裁判所に確認するといいでしょう。
段階⑥相続放棄申述受理通知書が届く
(1)相続放棄の結果通知
家庭裁判所が相続放棄を認める決定をしたら、相続放棄申述受理通知書を送ります。
相続放棄申述受理通知書とは、相続放棄の結果通知です。
(2)相続放棄申述受理通知書が届かなくても無効にならない
相続放棄申述受理通知書は、簡素な通知書です。
家庭裁判所にとっては単なる結果通知なので、普通郵便で送られてきます。
相続放棄申述受理通知書が届かなくても、相続放棄は無効になることはありません。
相続放棄申述受理通知書を紛失したら、相続放棄申述受理証明書の発行請求をすることが合理的です。
4相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する届出です。
相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。
つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。
相続放棄は取消できないと言われますが、これは撤回できないの意味で使われています。
日常使う言葉が法律上異なる意味で使われると分かりにくくなります。
相続放棄は撤回できませんが、条件を満たせば取消できるし、無効になることもあります。
家庭裁判所から相続放棄を認められた後でも、お金を貸した人から取立が続くこともあります。
相続放棄は無効だと主張されることもあります。
詐害行為にあたるから取り消すなどと主張されることがあります。
お金を貸した人に詐害行為取消権がありますが、相続放棄は詐害行為ではありません。
さらに、詐害行為取消権は、裁判で主張する必要があります。
このようなことは、法律知識がないと対応できないでしょう。
詐害行為でなくても、相続放棄することは権利濫用だなどと主張されることもあります。
相続放棄することは権利濫用だという主張も意味がない主張です。
相続放棄は、相続人が多大な借金を引き継いでしまうことで人生が破綻することから守るための制度です。
お金を貸す人が負うべきリスクを押し付けられるいわれはありません。
相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続した不動産を共有名義にするデメリット
1相続した不動産を分割する方法
方法①現物分割
現物分割とは、現物の不動産を相続人の人数で分割する方法です。
極端に小さな土地は、使い勝手が悪くなります。
現物の土地を分けると、それぞれが使いやすい土地にならない可能性があります。
価値も下がってしまうでしょう。
あまり現実的ではないかもしれません。
方法②代償分割
代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から代償金を受け取る方法です。
現物の不動産を分割しないので、価値が下がることはありません。
不動産を相続する人は、他の相続人に代償金を支払う必要があります。
相続財産の大部分が不動産であることがあります。
価値の高い不動産である場合、他の相続人に支払う代償金が高額になります。
不動産を相続する人が代償金を準備できないかもしれません。
不動産をいくらと考えるのかについて、基準はいくつかあります。
代償金を支払う人は、不動産の値段が低い基準を採用した方が有利です。
支払う代償金が少なくなるからです。
代償金を受け取る人は、不動産の値段が高い基準を採用した方が有利です。
受け取る代償金が多くなるからです。
代償金を決めるとき、どの基準を採用するのか話し合いがまとまらないことがあります。
方法③換価分割
換価分割とは、不動産を売却してお金に換えた後にお金を分ける方法です。
不動産を実際に売却してお金に換えてから分けるので、不動産の値段をいくらと考えるのかで話し合いをする必要はありません。
被相続人が守ってきた財産を手放すことに、罪悪感があるかもしれません。
合理的な方法であっても相続人の感情面から話し合いがつかなくなるおそれがあります。
不動産を売却するつもりであっても、買い手がつかないかもしれません。
売却できるまで相続手続が長引くおそれがあります。
方法④共有
相続財産の分け方について相続人全員による話し合いができない場合、共有が選ばれることもあります。
最も公平に見えるからです。
共有には、相続人全員が持分を取得できるという分かりやすさがあります。
話し合いが面倒だから、とりあえず共有するという使い方には注意が必要です。
方法⑤用益権の設定による分割
用益権とは、不動産を自分で使ったり、人に貸して賃料を得たりする権利のことです。
配偶者居住権は、用益権のひとつです。
用益権の設定による分割とは、不動産を利用する権利と所有権を分けて相続する方法です。
不動産に利用する権利が設定されているから、所有権を相続しても自由に使うことができません。
家族が守ってきた不動産を売却することなく、相続ができます。
相続人のうち、だれが使う権利を得るのか所有権をだれが相続するのかで話し合いがまとまらないおそれがあります。
2共有は遺産分割の問題を解決できない
デメリット①不動産の利用者と非利用者間で不満が蓄積する
不動産を共有すると、共有者全員が共有持分を持っています。
不動産を使うのは一部の共有者のみなのに、共有者全員が共有持分を持っています。
例えば被相続人と同居していた相続人は、そのまま自宅に住み続けます。
自宅に住み続ける共有者は、共有者だから使うのは当然と考えます。
自宅に住み続ける共有者は、住んで管理してあげている気持ちになるでしょう。
他の共有者は共有持分があるのに、不動産を使うことは事実上できません。
固定資産税や修繕費は、共有者全員で負担します。
不動産を使うことができないのに、費用は負担する不満が蓄積します。
不動産を利用する共有者も利用しない共有者も、自分の主張は正当と考えます。
不動産を共有すると、一見して公平に見えます。
不動産の利用者と非利用者間で不満が蓄積するから、共有者間でトラブルに発展しがちです。
デメリット②不動産管理で日常的に調整が必要になる
共有する不動産の管理に関する事項は、原則として共有持分の過半数で決定します。
・空き家を賃貸するか
・雨漏り、外壁、設備などを修繕するか、どこまで修繕するか
・固定資産税、火災保険料、修繕費をどうやって負担するか
・庭木、残置動産、近隣苦情にどう対応するか
・駐車場として使うか、更地にして活用するか
共有者は、共有する不動産について日常的に判断を迫られます。
不動産管理で、日常的に共有者間の調整が必要になります。
共有者間に感情的な対立があると、共有者間の調整が負担になります。
デメリット③共有不動産全体の売却には全員の合意が必要
共有財産の処分には、共有者全員の合意が必要です。
不動産を共有しても、不動産の将来は決まりません。
例えば不動産全体を売却したい場合、共有者全員の合意が必要です。
一部の共有者が不動産全体を売却することはできません。
共有者が多人数になると、合意がまとまりにくくなります。
売却したい人も売却したくない人も、いるでしょう。
売却するのはいいが、時期が良くないと思う人もいるでしょう。
もっと高値で売れるはずだという人がいるかもしれません。
共有する不動産について決定する場合、共有者間の調整が必要になります。
遠方に住んでいる共有者には、さらに時間と手間がかかります。
不動産を共有することは、意思決定の負担を大きくすることです。
デメリット④共有持分は単独で売却できる
共有している不動産全体を売却するためには、共有者全員の合意が必要です。
各共有者が持っている共有持分を売却するためには、他の共有者の合意は不要です。
あまり知られていませんが、共有者が持っている共有持分を買い取る業者がいます。
経済的に困っている共有者がいる場合、共有持分を売却してしまうかもしれません。
共有持分は、市場価格よりはるかに低廉な価格でしか売却できません。
共有関係は、家族の中だけで固定されるとは限りません。
第三者が共有持分を買取った場合、共有不動産について意思決定がさらに負担になります。
共有持分を買い取る業者は、ビジネスで共有持分を買取っています。
共有持分を買い取る業者は、共有者として自らの利益のために権利を行使します。
デメリット⑤共有者間で調整できなければ共有物分割請求
共有する不動産について決定する場合、共有者間の調整が必要になります。
共有者間の調整ができなくなると、共有不動産について意思決定ができなくなります。
各共有者は、原則としていつでも共有物分割請求をすることができます。
共有者間で話し合いがまとまらなければ、裁判所に共有物分割請求をすることができます。
遺産分割で共有と決めれば、その時点では遺産分割の問題は終わります。
遺産分割で共有と決めても、実質的な問題は終わりません。
遺産分割で決めるべき問題を、共有という形に置き換えただけだからです。
遺産分割協議で共有と決めても、やがて共有のデメリットを飲めなくなるでしょう。
遺産分割協議で共有と決めても、共有物分割協議をすることになります。
デメリット⑥共有者に相続が発生する
(1)共有者が死亡しても共有は終了しない
不動産の共有者は、不動産の共有持分を持っています。
不動産の共有者が死亡したら、不動産の共有持分は相続財産です。
共有者が死亡しても、自動で共有は終了しません。
(2)共有持分は共有者の相続人が相続する
不動産の共有持分は、相続財産です。
死亡した共有者の相続人が相続します。
不動産の共有持分について、相続手続が必要です。
死亡した共有者の相続人が新たな共有者になります。
(3)関係が希薄な共有者と共有する
相続財産の分け方について相続人全員による話し合いができない場合、共有が選ばれがちです。
遺産分割協議で共有と決めても、結局、共有物分割協議をすることになります。
最初の相続で決められなかったことは、次の世代が引き継ぎます。
次の世代に移ると、関係が希薄になります。
最初の相続における相続人間なら話し合えたことも、話し合いが難しくなります。
関係が希薄になると、共有者間の調整が難しくなるからです。
次の世代にとっては、不動産を共有すると自分で決めたのではありません。
自分で決めたのではないから、共有者間の調整が余計に負担に感じられます。
3共有する前に不動産の将来を決めておく
①とりあえず共有は問題の先延ばしにする
遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。
不慣れな相続手続に疲れてくると、丁寧な話し合いは面倒になります。
丁寧な話し合いが面倒になって共有にするのなら、いったん立ち止まる必要があります。
共有名義にする方法は、とりあえず平等に見えます。
共有は遺産分割協議を終了する方法というより、単に先延ばしをする方法になるからです。
遺産分割協議で共有と決めても、共有物分割協議をすることになります。
共有が長期間続くと、問題を次世代に持ち越すことになります。
②共有すると決めることが増える
相続手続に疲れてとりあえず共有にすると、遺産分割の問題の先延ばしになります。
遺産分割の問題の先延ばしにしないため、不動産の将来を決めておくことが重要です。
遺産分割協議と同時に、次のことを決めておきます。
・だれが不動産を利用するか、第三者の利用を認めるか
・賃貸、使用貸借を認めるか
・使用対価の有無、いくらにするか、改定方法
・固定資産税や管理費、通常修繕費などの負担割合と支払方法
・屋根や外壁などの大規模修繕、解体等の支出上限
・売却時期、売却条件、最低売却価格の決め方
・共有解消の期限
共有者間で合意しても、トラブルを完全に防げるわけではありません。
共有者間の合意は、トラブルが防ぎやすい方法に過ぎません。
上記は、最低限です。
上記を決めておいても、共有を続ける限り共有者間の調整は必要です。
不動産の共有そのものが問題なのではありません。
共有者全員が将来の利用や管理、売却などについて納得できれば、共有を続けることができます。
③共有以外の方法を改めて検討する
相続財産の分け方は、先に説明したとおりです。
不動産を現物で分けられるなら、現物分割を検討します。
不動産の取得希望者がいるなら、代償分割を検討します。
代償金の分割払い、生命保険金・預貯金の配分、融資の可否、他の遺産との調整など多角的に検討します。
不動産の取得希望者がいないなら、換価分割が明快です。
利用者と所有者を分ける合意ができるなら、用益権設定による分割がいいでしょう。
共有以外の方法を改めて検討するのが有益です。
4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
前提として、話し合いによる合意ができていなければ、文書にできません。
遺産分割協議書があるとトラブル防止になりますが、後々のトラブルが見えていないと、単なる問題の先送りになります。
不動産の共有はその最たるものでしょう。
安易に共有を選ぶと後々トラブルに巻き込まれます。
共有にすることで今後どのような問題が発生するのか、自分達だけではそのリスクは見えにくいかもしれません。
司法書士はこのようなリスクの説明もします。
適切な遺産分割協議書を作り、家族のトラブルを避けたい方は、司法書士などの専門家にサポートを依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
共有名義人の片方死亡で相続登記が必要
1死亡した共有者の持分だけが相続される
①死亡した共有者の共有持分は相続財産
被相続人が不動産などを共有していることがあります。
共有名義人の片方が死亡すると、死亡した共有者の共有持分は相続財産です。
死亡した共有者の共有持分は、死亡した共有者の相続人に相続されます。
②共有名義人の片方が死亡したときの登場人物
共有物をめぐる登場人物は、次のとおりです。
・死亡した共有者
・死亡した共有者の相続人
・他の共有者
配偶者は、常に相続人になります。
例えば被相続人が夫婦で不動産を共有している場合、他の共有者は配偶者です。
配偶者は、他の共有者であると同時に相続人です。
例えば被相続人が第三者と不動産を共有している場合、他の共有者は相続人ではありません。
③他の共有者の持分に影響はない
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
共有名義人の片方が死亡したら、死亡した共有者の相続人が相続手続をします。
他の共有者の持分に、影響はありません。
他の共有者の持分は、何も影響がありません。
共有名義人の片方が死亡したことで、持分が増えることも減ることもありません。
相続人がだれであっても何人であっても、持分が増えることも減ることもありません。
④他の共有者が自動的に相続できるわけではない
被相続人が不動産を共有している場合、被相続人の共有持分は相続人に相続されます。
被相続人が相続人のひとりと不動産を共有していた場合、何となくその共有者が相続すると思うかもしれません。
共有持分を取得する人は、遺産分割協議で決定します。
相続人全員の合意があれば、他の共有者である相続人が取得することができます。
共有者のひとりが相続人であっても、自動的に被相続人の共有持分を相続できるといったことはありません。
自動的に相続できると誤解すると、相続人間で話し合いが付かなくなるおそれがあります。
相続人が他の共有者だから、自動的に相続できるといったルールはありません。
2共有名義人の片方死亡で相続登記が必要
①相続登記義務化は相続人の義務
令和6年4月1日から相続登記は、3年以内に登記申請をする義務が課されました。
相続登記の期限3年以内に登記申請をしないと、10万円以下のペナルティーの対象になります。
ペナルティーを受けるのは、死亡した共有者の相続人です。
相続登記の義務は、相続人の義務だからです。
たとえ相続人が相続登記をしなくても、他の共有者がペナルティーを受けることはありません。
他の共有者は、相続登記をする責任はないからです。
共有持分の相続登記も、相続登記義務化の対象です。
ペナルティーを払っても、相続登記を代わりにやってくれることはありません。
②他の共有者は相続登記に関与しない
被相続人が不動産を共有していた場合、共有持分は相続財産です。
不動産の共有持分に対して、相続人が相続登記をします。
他の共有者は、相続登記に関与しません。
他の共有者は、相続に関与する権利も義務もないからです。
相続人である他の共有者は、相続人として相続手続に関与します。
他の共有者として、相続手続に関与することはありません。
③共有名義であっても特別扱いはない
共有名義になっていても、特別な取り扱いはありません。
共有名義であっても、通常どおり相続登記が必要です。
④共有持分を取得する人は遺産分割協議で決める
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
被相続人の共有持分は、相続財産のひとつです。
被相続人の共有持分をだれが取得するのか、遺産分割協議で決定します。
他の共有者は、遺産分割協議に異議を述べることはできません。
遺産分割協議で決定するに際して、他の共有者の同意や承諾は不要です。
相続人全員の合意ができるのであれば、共有者である相続人が相続できるといいでしょう。
他の共有者だから取得するのではなく、相続人として取得します。
相続人全員の合意が難しい場合、安易に共有持分を細分化することはおすすめできません。
不動産の共有は、デメリットが大きいからです。
⑤相続登記をするのは相続人
(1)不動産を相続する人の単独申請
遺産分割協議が成立したら、相続登記をします。
共有持分を取得する相続人からの単独申請です。
他の共有者は、相続登記に関与することはありません。
(2)必要書類
必要書類は、次のとおりです。
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
・相続人全員の現在戸籍
・不動産を相続する人の住民票
・遺産分割協議書
・相続人全員の印鑑証明書
・固定資産税の評価証明書
共有持分の相続登記をする場合、必要な書類は所有権すべての相続登記をする場合とまったく一緒です。
(3)登録免許税は共有持分で計算
相続登記をするときに、登録免許税を納めます。
相続登記の登録免許税は、対象になる不動産の固定資産評価額の1000分の4が課されます。
共有持分の相続登記をする場合、固定資産税評価額の持分割合の1000分の4が課されます。
例えば、共有持分が10分の1の場合、固定資産税評価額の10分の1の1000分の4が課されます。
固定資産税評価額が1億円の不動産の場合、移転した持分の価額は1000万円です。
登録免許税は、4万円を納めることになります。
他の共有者の持分に、登録免許税は課されません。
(4)評価額100万円以下は非課税
共有持分の評価額が100万円以下になる場合、登録免許税が非課税になります。
固定資産税評価額が500万円の不動産の場合で、かつ、共有持分が10分の1の場合、移転した持分の価額は50万円です。
共有持分の評価額が100万円以下になる場合だから、登録免許税が非課税になります。
⑥他の共有者が協力できること
(1)共有者であることを連絡する
固定資産税とは、不動産などの固定資産を保有しているときに課される税金です。
不動産を共有している場合、固定資産税に関する通知書は代表者に届きます。
死亡した共有者が代表者でない場合、不動産を共有していたことを知らない可能性があります。
不動産を共有していたことを知らないと、登記簿謄本を取得することができません。
遺産分割協議の議題にも、できないでしょう。
共有者であることを連絡することは、義務ではありません。
共有者であることを連絡することは、相続人にとって有益な情報提供になります。
(2)連絡先の共有
不動産を共有している場合、共有者全員が協力して不動産を管理していたはずです。
死亡した共有者を通して、共有者の家族の連絡先を共有していることがあります。
遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が不可欠です。
疎遠な相続人に連絡ができないと、話し合いが進まなくなる可能性があります。
家族の連絡先を共有することは、義務ではありません。
家族の連絡先を共有することは、相続人にとって有益な情報提供になります。
(3)共有持分の買取りの提案
共有名義人の片方が死亡したら、死亡した共有者の相続人が相続します。
死亡した共有者の相続人に、会ったことがないかもしれません。
不動産を共有していれば、見知らぬ相続人が現れるのは止むを得ません。
共有に内在する当然のリスクと言えます。
相続人が希望すれば、死亡した共有者の共有持分を買取ることができます。
相続人にとっても見知らぬ人と共有するのは、不安なことが多いでしょう。
死亡した共有者の共有持分を買取ってもらえれば、金銭で分けることができます。
遺産分割協議を進めやすくなる効果があります。
共有持分の買取りは、相続人にとって有益な提案になる可能性があります。
共有持分の買取る前に、相続登記が必要です。
共有持分の買取りの前提として、登記名義を相続人にする必要があるからです。
(4)相続人と協力して不動産全体を売却
見知らぬ人と不動産を共有するのは、不安になります。
相続人と協力できれば、不動産全体を売却することができます。
共有持分の買取る場合も不動産全体を売却する場合も、相続人の協力は不可欠です。
相続人の協力がなければ、共有持分の買取りも不動産全体の売却もできません。
不動産全体を売却は、相続人と協力できれば有益な提案になる可能性があります。
不動産全体を売却する前に、相続登記が必要です。
不動産全体の売却の前提として、登記名義を相続人にする必要があるからです。
(5)固定資産課税明細書を見せてあげる
不動産を共有している場合、固定資産税に関する通知書は代表者に届きます。
固定資産税の納付書や課税明細書も、代表者に届きます。
相続人が相続登記をする場合、課税明細書を使うことができます。
相続登記をするときの納める登録免許税は、固定資産税評価額を基礎に計算するからです。
固定資産課税明細書を見せてあげることは、義務ではありません。
固定資産課税明細書を見せてあげると、相続登記を進めやすくなります。
3相続登記を進めるためのポイント
手順①相続人調査
戸籍謄本を取得して、すべての相続人を確認します。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。
手順②不動産調査
相続登記の対象になる不動産を特定します。
名寄帳や固定資産税課税明細書を確認するといいでしょう。
不動産を特定したら登記簿謄本を取得すると、現在の状況が確認できます。
手順③遺産分割協議書の作成
相続財産の分け方について、相続人全員で合意します。
遺産分割協議書とは、相続財産の分け方について合意内容の証明書です。
合意内容に問題がなければ、相続人全員に記名し実印で押印をしてもらいます。
手順④登記申請書の作成
登記申請書のひな型は、法務局のホームページに出ています。
専門知識が必要になるため、司法書士などの専門家に依頼する人も多いです。
手順⑤法務局へ提出
登記申請書と必要書類を取りまとめて、法務局へ提出します。
窓口申請、郵送申請、オンライン申請ができます。
数回の登記申請だけであれば、紙申請の方が手間や時間がかからないでしょう。
オンライン申請をするためには、専用ソフトや電子署名が必要になるからです。
専用ソフトや電子証明書が準備できる手間と時間をかけられるなら、オンライン申請は便利です。
手順⑥登記完了
提出書類が法務局で審査されます。
問題がなければ、新しい所有者として登記簿に記録されます。
申請書を提出してから登記完了まで、およそ2週間程度かかります。
登記完了予定日は、法務局のホームページで確認することができます。
4相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。
ほとんどの方は、相続を何度も経験するものではないでしょう。
相続手続に不慣れで聞き慣れない法律用語で、へとへとになります。
相続登記は、相続手続の中でも難しい手間のかかる手続です。
不動産は、重要な財産であることが多いものです。
一般の方から見ると、些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があります。
法務局の登記手続案内に行っても、何が良くないのか分からなかったというケースも多いものです。
司法書士は、このような方をサポートしております。
相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。
相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
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「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
親の借金を相続したくないときに相続放棄
1親の借金を相続したくないときに相続放棄
①相続人は相続放棄を選択できる
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
相続人でなくなるから、親の借金は相続しません。
相続放棄は、はじめから相続人でなくなる制度です。
②相続放棄でプラスの財産とマイナスの財産を相続しない
相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。
相続人でなくなるから、相続財産は一切引き継ぐことはありません。
相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。
借金などマイナスの財産を引き継がないだけでなく、自宅などプラスの財産も引き継ぎません。
相続放棄は、はじめから相続人でなくなる制度だからです。
③相続放棄の期限は3か月
相続放棄には、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月以内です。
相続があったことを知ってから3か月以内の期間のことを熟慮期間と言います。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
被相続人が死亡してから3か月以内ではなく、相続財産を相続することを知ってから3か月以内です。
3か月の熟慮期間を経過してしまったら、相続放棄はできません。
3か月の熟慮期間を経過してしまったら、自動で単純承認になります。
④相続放棄は撤回できない
相続放棄は、撤回できません。
撤回とは、相続放棄が受理されたときには何も問題がなかったのに、後から問題が発生したので、なかったことにすることです。
例えば、「相続財産は借金ばかりだと思っていたから相続放棄をしたのに、プラスの財産は見つかったから相続放棄はなかったことにしたい」は撤回です。
相続放棄の撤回は、認められません。
相続放棄は、相続があったことを知ってから3か月以内に手続をする必要があります。
相続があったことを知ってから3か月以内であっても、撤回することはできません。
いったん相続放棄が認められた後に、撤回することを認めると相続手続が混乱するからです。
⑤相続財産を利用処分すると単純承認
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産です。
相続放棄が認められたら、被相続人の財産は一切引き継ぎません。
相続財産を利用処分した場合、相続財産を引き継ぐことを前提にしていると考えられます。
相続財産を利用処分することは、相続人であると認める行為と見なされます。
次の行為は、単純承認と見なされます。
・相続財産の売却
・相続財産の名義変更
・遺産分割協議
・高価な遺品の形見分け
・預貯金口座の解約、引出し
・病院や施設費用の支払い
単純承認をした後に、相続放棄をすることはできません。
家庭裁判所が事情を知らずに相続放棄を認める決定をしても、後から裁判などで無効になります。
相続財産を利用処分すると、単純承認をしたと見なされます。
⑥相続放棄をすると次順位相続人
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
子どもが相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。
子ども全員が相続放棄をしたら、相続人になる子どもはいません。
被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
親などの直系尊属が先に死亡していた場合、兄弟姉妹が相続人になります。
相続放棄をすると、次順位の人が相続人になります。
相続放棄をしても、親の借金は消えません。
親の借金は、次順位相続人が相続します。
次順位相続人が相続したくない場合、相続放棄をすることができます。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
2親の借金が分からないときの調べ方
①相続人は単独で相続財産調査ができる
相続を単純承認するか相続放棄をするか判断するため、相続財産を調査することが一般的です。
相続財産を調査するにあたって、他の相続人が協力しないことは珍しくありません。
相続人はだれでも、単独で相続財産を調査することができます。
遺産分割をするためには、相続人全員の協力が不可欠です。
相続財産を調査することは、遺産分割ではありません。
相続を単純承認するか相続放棄をするか判断するための前提行為に過ぎません。
他の相続人の協力がなくても、判断を先延ばしすることはできません。
自分で相続財産調査をして、自分で相続を単純承認するか相続放棄をするか判断します。
②借金があるか分からないときの調査リスト
方法(1)信用情報機関に開示請求
信用情報機関とは、個人の借入れや返済状況を管理している機関です。
相続人はだれでも単独で、信用情報機関に対しての開示請求をすることができます。
他の相続人の同意は、不要です。
主な信用情報機関は、次の3つです。
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・全国銀行個人信用情報センター
被相続人の信用情報を確認すると、次のことが判明します。
・銀行からの借入れ
・クレジットカード債務
・カードローン
・消費者金融からの借入れ
・保証債務の一部
借金があるか分からない不安の多くを客観的に確認することができます。
方法(2)郵便物の確認
相続が発生しても、債権者は死亡を知らないことがほとんどです。
被相続人あてに、郵便物が届くことがあります。
郵便物を確認すると、借金があるか手がかりをつかむことができます。
・督促状
・金融機関などからの通知
方法(3)預貯金口座の取引履歴を取得
銀行などの預貯金口座は、日常生活に欠かせません。
被相続人の預貯金口座を探して、取引履歴を取得します。
相続人はだれでも相続人であることを証明して、単独で取引履歴を請求することができます。
被相続人の取引履歴を確認すると、次のことが判明します。
・定期的な返済
・利息の引落
・不審な送金
取引履歴から被相続人の経済活動を把握することができます。
方法(4)不動産の担保確認
被相続人が不動産を保有している場合、不動産を担保に差し出していることがあります。
法務局で、登記簿謄本を取得します。
不動産の登記簿謄本は、相続人でも相続人以外の人でも取得することができます。
不動産を担保に差し出すと、抵当権や根抵当権が登記されています。
登記簿謄本を確認すると、抵当権者や根抵当権者が判明します。
③相続財産調査の限界
相続財産調査をしても、完全な調査をすることはできません。
信用情報機関に開示請求をしても、登録情報以外の情報は見つかりません。
預貯金口座の取引履歴を取得しても、その金融機関以外の取引履歴は見つかりません。
個人間の貸し借りなどは、当事者以外知らないことが多いでしょう。
相続財産調査をしても漏れがある気がするのは、当然です。
相続財産調査には、限界があるからです。
完璧な相続財産調査を目指すと、永遠に終わりがありません。
④借金が分からなくても相続放棄ができる
相続放棄をする場合、相続放棄をする意思が重視されます。
相続財産の内容は、重視されません。
借金の金額が分からなくても、相続放棄をすることができます。
借金があるか分からなくても、相続放棄をすることができます。
家庭裁判所から調査不足を指摘されることはありません。
プラスの財産がほとんどない場合、借金が見つかると債務超過になります。
債務超過になると不安だから、相続放棄をすることができます。
さまざまな家族の事情から、財産状況にかかわらず相続放棄を希望することがあります。
莫大なプラスの財産があっても、相続放棄をすることができます。
家庭裁判所から調査不足を指摘されることはありません。
⑤相続財産の概略欄は不明と記載できる
財産状況にかかわらず相続放棄を希望する場合、財産調査をする必要がありません。
相続放棄申述書を見ると、2ページ目に相続財産の概略欄があります。
分かる範囲で記載すれば、問題にはなりません。
相続財産について調査していないのであれば、相続財産について分からないのが通常です。
分からなければ「不明」と、書くことができます。
相続財産の概要欄があることは、財産調査が必須であることを意味しません。
3相続放棄の申請方法
①相続放棄申述書はダウンロードできる
相続放棄申述書は、家庭裁判所のホームページからダウンロードをすることができます。
家庭裁判所の窓口に出向いて、用紙を受け取ることもできます。
②必要書類は相続放棄をする人によってちがう
(1)共通で必要になる書類
・相続放棄申述書
・被相続人の住民票または戸籍の附票
・相続放棄をする人の戸籍謄本(発行後3か月以内)
(2)配偶者・子どもが相続放棄をするケース
・被相続人の死亡の戸籍謄本
(3)孫が相続放棄をするケース
・被相続人の死亡の戸籍謄本
・被代襲者である子どもの死亡の戸籍謄本
(4)父母が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
(5)祖父母が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
・父母の死亡の戸籍謄本
(6)兄弟姉妹が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
・父母や祖父母の死亡の戸籍謄本
(7)甥姪が相続放棄をするケース
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・子どもや孫の死亡の戸籍謄本
・父母や祖父母の死亡の戸籍謄本
・被代襲者である兄弟姉妹の死亡の戸籍謄本
④手数料800円
相続放棄には、手数料800円がかかります。
手数料は、収入印紙を貼り付けて納入します。
⑤連絡用郵便切手を予納する
手数料の他に、家庭裁判所が手続で使う郵便切手を予納します。
家庭裁判所によって、予納する切手の額面や枚数が異なります。
⑥相続放棄の流れ
手順(1)相続があったことを知る
相続放棄の期限3か月のスタートは、相続があったことを知ってからです。
手順(2)必要書類の準備
相続放棄の必要書類は、次のとおりです。
・相続放棄申述書
・被相続人の住民票または戸籍の附票
・相続放棄をする人の戸籍謄本(発行後3か月以内)
・先順位の相続人がいないことを確認する戸籍謄本
名古屋家庭裁判所など一部の裁判所では、必要書類はコピーを提出することができます。
手順(3)家庭裁判所へ提出
書類を取りまとめて、家庭裁判所へ提出します。
窓口に出向いて提出しても、郵送で提出することもできます。
手順(4)相続放棄照会書と回答
相続放棄申述書を受付けたら、家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。
相続放棄照会書は、家庭裁判所からの確認書です。
相続放棄が認められると相続ができなくなるから、慎重に確認します。
裁判所によっては、照会は省略になることがあります。
手順(5)相続放棄申述受理通知書が到着
提出書類に問題がなければ、相続放棄申述受理通知書が届きます。
4相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。
相続人らとの話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。
家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。
相続放棄は、その相続でチャンスは実質的には1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできます。
高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています。
認めてもらえやすい書類を作成することができます。
3か月の期間内に手続するのは、想像するよりハードルが高いものです。
相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
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