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公正証書遺言作成前に知る包括遺贈の影響

2026-06-08

1包括遺贈とは割合を指定して遺贈すること

①遺言書を作成して遺贈ができる

遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

遺贈と相続は、別の制度です。

被相続人は遺言書を作成して、だれに引き継いでもらうのか自由に決めることができます。

遺言書なしで、遺贈はできません。

②包括遺贈と特定遺贈

遺贈をする場合、包括遺贈と特定遺贈があります。

包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。

特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

③相続人以外の人に財産を引き継ぐことができる

相続人に財産を引き継ぐ場合、相続させると書くことがほとんどです。

必然的に、遺贈で財産を引き継ぐのは相続人以外の人が多くなります。

相続人になる人は、法律で決められています。

相続人以外の人は、相続することができません。

遺言書を作成すれば、相続人以外の人にも遺贈することができます。

例えば、次の人に遺贈することができます。

・事実婚・内縁の配偶者

・同性婚のパートナー

・配偶者の連れ子

・経営していた会社

・国、都道府県や市町村などの自治体、慈善事業

相続人以外の人に財産を引き継ぎたい場合、遺贈を選択することになります。

2公正証書遺言作成前に知る包括遺贈の影響

①相続人に生じる包括遺贈の影響

(1)相続人が受け取る財産が減る

遺言書で包括遺贈をすると、指定された割合の財産が指定された人に引き継がれます。

包括遺贈をする場合、財産すべてと指定することができます。

遺言書に「財産すべてを包括遺贈する」と書いてある場合、相続人は原則として財産を引き継げません。

(2)全部包括遺贈なら遺産分割協議不要

包括遺贈をする場合、遺言書では具体的な財産を指定しません。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方を決めるため相続人全員でする話し合いです。

包括遺贈をした場合、包括遺贈を受けた人も遺産分割協議に参加するのが原則です。

遺言書で「財産の2分の1を包括遺贈する」などと割合が指定されている場合、遺産分割協議に参加します。

実務で割合が指定されていることは、ほとんどありません。

遺言書に「財産すべてを包括遺贈する」と書いてある場合、遺産分割協議は不要です。

相続財産の分け方を決める余地がないからです。

(3)遺言書を作成するだけで遺留分は奪えない

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人に認められます。

具体的には、配偶者、子ども、親などの直系尊属に認められます。

兄弟姉妹は相続人になっても、遺留分は認められません。

遺言書で全部包括遺贈をした場合、相続人の遺留分を侵害する可能性があります。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求があると、相続人と包括遺贈を受けた人の間でトラブルになります。

トラブルを防止するため、相続人の遺留分に配慮することが重要です。

②受遺者に生じる包括遺贈の影響

(1)プラスの財産とマイナスの財産の両方を承継

特定遺贈では、遺言書で指定された財産のみを引き継ぎます。

遺言書で指定された財産以外は、引き継ぎません。

包括遺贈では、遺言書で指定された割合で財産を引き継ぎます。

遺言書で指定された割合で、プラスの財産を引き継ぎます。

遺言書で指定された割合で、マイナスの財産を引き継ぎます。

遺言書で財産すべて引き継ぐ場合、マイナスの財産もすべて引き継ぎます。

(2)連帯保証債務も引き継ぐ

連帯保証債務は、相続財産のひとつです。

被相続人が連帯保証人である場合、連帯保証人の地位が引き継がれます。

連帯保証人とは、債務者が借金の返済ができないときに肩代わりをする人です。

連帯保証債務とは、肩代わりの義務です。

遺言書で財産すべて引き継ぐ場合、連帯保証債務もすべて引き継ぎます。

(3)全部包括遺贈なら遺産分割協議不要

包括遺贈をした場合、相続人と遺産分割協議に参加するのが原則です。

遺言書に「財産すべてを包括遺贈する」と書いてある場合、遺産分割協議は不要です。

相続財産の分け方を決める余地がないからです。

(4)遺留分侵害額請求を認めない遺言書に効力はない

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺言書を確認すると、遺留分侵害額請求を認めないと書いてあることがあります。

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺留分侵害額請求を認めないと書いても、効力がありません。

遺留分侵害額請求を認めない条項は、付言事項と考えられるからです。

付言事項とは、遺言書に記載してあっても法律上意味がない事項です。

遺留分侵害額請求を認めないと書いても、相続人は遺留分侵害額請求をすることができます。

(5)受遺者が先に死亡すると代襲相続ができない

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

相続人になるはずだったのに、子どもが被相続人より先に死亡することがあります。

被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった子どもの子どもが相続します。

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が先に死亡したときに相続人になるはずだった人の子どもが相続することです。

相続人になるはずだった人が先に死亡した場合、代襲相続をすることができます。

受遺者になるはずだった人が先に死亡した場合、受遺者になるはずだった人の子どもは受遺者になりません。

受遺者は、相続が発生したときに生きていることが条件です。

遺言書の内容は、代襲相続されないからです。

3公正証書遺言作成前に遺言者が準備すること

①財産内容の共有

包括遺贈をした場合、プラスの財産とマイナスの財産の両方を承継します。

包括遺贈を検討するとき、財産内容を共有しておくことが重要です。

財産内容を共有していないと、思わぬ債務を負担することになるからです。

遺言書に包括遺贈すると書いても、包括遺贈を受ける義務はありません。

包括遺贈は、放棄することができるからです。

包括遺贈を放棄するなら、はじめから包括遺贈をしない方が賢明です。

財産内容を開示して、包括受遺者となる人と情報共有をします。

②遺言執行者の選任

遺言書は、作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者を指名しなくても、遺言書は無効になりません。

遺言書を作成するとき、遺言執行者を指名することがおすすめです。

遺言書の内容を確実に実現する場合、遺言執行者は欠かせません。

遺言執行者がいないと、相続人全員の協力が必要になるからです。

遺言書の内容に不満がある場合、相続人は相続手続に協力してくれません。

不満がなくても相続人にはメリットがないから、相続手続への協力は先延ばしします。

相続人が書類の押印や印鑑証明書の提出に協力しないと、相続手続が進められなくなります。

遺言執行者がいれば、包括受遺者と遺言執行者の協力で内容実現をすることができます。

③相続人の遺留分に配慮する

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

相続人の遺留分を侵害する遺言書を作成することは、おすすめできません。

遺留分侵害額請求があると、相続人と包括遺贈を受けた人の間でトラブルになるからです。

わざわざ、トラブルになる遺言書を作成する必要はありません。

相続人の遺留分に配慮した遺言書を作成すれば、トラブルを防止することができます。

相続人が兄弟姉妹や甥姪である場合、財産すべて包括遺贈をしても遺留分侵害額請求をすることはできません。

兄弟姉妹や甥姪には、遺留分が認められないからです。

④公正証書遺言を作成すべき理由

理由(1)自筆証書遺言は厳格な書き方ルール違反で無効になりやすい

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言は、遺言者が自分で書いて作る遺言書です。

ひとりで作ることができるから、手軽です。

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめて作る遺言書です。

証人2人に、確認してもらって作ります。

遺言者が法律に詳しいことは、あまりないでしょう。

厳格な書き方ルールに違反すると、遺言書が無効になります。

遺言書が無効になると、遺言書の内容も無効になります。

理由(2)自筆証書遺言は無効の疑いに反論できない

自筆証書遺言は、無効になりやすい遺言書です。

無効と疑われる主な理由は、次のとおりです。

・遺言者が詐欺や強迫にあっていた

・遺言者が認知症で遺言能力がなかった

・遺言書が偽造変造されている

自筆証書遺言は、受遺者が疑いを晴らすことができません。

遺言者がひとりで作るからです。

遺言書が無効になると、遺言書の内容も無効になります。

無効の遺言書で、相続手続をすることできません。

無効の疑いがある遺言で相続手続をすると、相続手続先がトラブルに巻き込まれます。

トラブルに巻き込まれることを回避するため、相続手続先は相続手続を保留します。

有効な遺言書があっても、事実上、相続手続ができなくなります。

受遺者は、無効の疑いを晴らす証拠を用意できないからです。

理由(3)公正証書遺言は確実

公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。

公証人が本人確認をしたうえで、本人の意思確認をします。

公証人は本人の意思確認の過程で、遺言者本人の遺言能力を確認しています。

遺言能力を喪失していると判断した場合、公正証書遺言を作成しません。

詐欺や強迫の影響を排除するため、利害関係人は同席することができません。

公証人が適正に職務を行っているか、証人2人が見守っています。

公証人と証人2人が関与するから、公正証書遺言作成の透明性が確保されます。

公正証書遺言には、高い信頼性があります。

4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は、被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

実は、民法に遺言書を作ることができるのは15歳以上と定められています。

死期が迫ってから、書くものではありません。

遺言書は被相続人の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。

遺贈とは、遺言によって相続人や相続人以外の人に、財産を引き継ぐものです。

遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。

遺言執行には、法的な知識が必要になります。

遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう可能性があります。

遺言書の内容によっては、遺言執行者を家庭裁判所に決めてもらう必要があります。

遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、財産を引渡そうとしないこともあります。

家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現するために、せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。

お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

再婚後の相続で直面する制度の現実

2026-06-07

1再婚後の相続で相続人の範囲に直面する

①相続人は心理的な家族観とは無関係な現実

被相続人に再婚歴がある場合、相続トラブルになりがちです。

被相続人の配偶者は、必ず相続人になります。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

相続人になる人は、法律で決められています。

相続人の範囲は、家族の認識で決まるものではありません。

再婚配偶者にとって、前婚の子どもは家族の認識が持てないでしょう。

前婚の子どもにとって、再婚配偶者は家族の認識が持てないでしょう。

当事者の心理的な家族観とは無関係に、相続で相続人の範囲に直面します。

②配偶者と子どもは両方とも大切な家族

被相続人が再婚した場合、配偶者は大切な家族です。

前婚に子どもがいる場合、前婚の子どもは大切な家族です。

被相続人にとって、配偶者も子どもも同じ家族です。

大切な家族と思っているから、分かってくれるはずと思っています。

配偶者と前婚の子どもに、血縁関係はありません。

もちろん被相続人の生前は、日常生活が成り立っているでしょう。

問題のタネはあっても、あいまいに日常生活を続けることができます。

あいまいな平穏は、相続が発生していないから成り立っているだけです。

生前はトラブル回避を優先していても、相続で相続人の範囲に直面します。

③配偶者の連れ子は相続人にならない

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

被相続人の配偶者に、連れ子がいることがあります。

配偶者の連れ子は、被相続人の子どもではありません。

被相続人が再婚しても、配偶者の子どもは被相続人の子どもになりません。

配偶者の連れ子は、相続人ではありません。

配偶者の連れ子は、配偶者にとって家族です。

配偶者にとって家族なのに、相続人になれないことを不合理に感じがちです。

当事者の心理的な家族観とは無関係に、相続人は決められています。

④養子縁組で親子になる

養子縁組とは、血縁関係による親子関係の他に、法律上の親子関係を作る制度です。

養子縁組をすると、養親と養子は親子になります。

養子は養親の子どもだから、養親に相続が発生したら相続人になります。

被相続人が生前に配偶者の連れ子と養子縁組をすることがあります。

被相続人が配偶者の連れ子と養子縁組をした場合、配偶者の連れ子は被相続人の子どもです。

被相続人の子どもだから、被相続人に相続が発生したら相続人になります。

前婚の子どもにとって、被相続人の養子は家族の認識が持てないでしょう。

当事者の心理的な家族観とは無関係に、相続で相続人の範囲に直面します。

2再婚後の相続で遺産分割協議の現実に直面する

①遺産分割協議成立には相続人全員の合意が必要

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。

一部の相続人を含めずに合意しても、遺産分割協議は成立しません。

②家族の認識を持てなくても協力が必要

再婚後の相続では、次の人が登場します。

・配偶者

・前婚の子ども

・再婚相手との子ども

・再婚相手の連れ子

それぞれの人に、それぞれの思惑があります。

法律上の立場が異なる人が混在し、利害が衝突します。

各当事者によって家族の範囲は、異なります。

遺産分割協議には相続人全員の合意が必要だから、相続人全員の協力が必要です。

たとえ家族の認識を持てなくても、相続人全員の協力なしに手続を進めることができません。

家族の認識を持てなくても、遺産分割協議成立のため協力が必要になる現実に直面します。

③相続財産が一覧化される

相続手続にあたって、相続財産が一覧化されます。

再婚した人は、夫婦で財産情報を共有するでしょう。

親子で財産情報を共有することはあまりありません。

配偶者は財産情報を知っているのに、前婚の子どもは何も知らされていないことになります。

相続が発生すると、相続財産が可視化されます。

前婚の子どもがイメージした財産状況と大きく異なると、不信感を募らせます。

財産が取られた奪われたなど認識が発生します。

相続財産が一覧化されると、相続人間に不信感が発生する現実に直面します。

④遺産分割協議では家族の貢献が評価対象になる

遺産分割協議では、被相続人に対する家族の貢献が議題に上ります。

生前の関係性の不均衡が法的な主張として可視化されます。

再婚した人が日常生活に不自由すると、同居する配偶者が介護などを担うでしょう。

前婚の子どもは、介護などに関与しないことがあります。

介護などに関与しなくても、相続人として主張するでしょう。

介護の不公平が遺産分割の場面で、強い対立を生みます。

家族の貢献が評価対象になるから、強い対立が発生する現実に直面します。

⑤自宅の分け方で利害が衝突する

相続財産の大部分が自宅である場合、遺産分割協議は難航しがちです。

自宅は、分けにくい財産の代表例だからです。

配偶者にとって、自宅は住む場所であり生活基盤です。

自宅を失うことは、住む場所を失うことに直結します。

前婚の子どもにとって、自宅は最大の財産的価値です。

自宅を失うことは、相続で財産を失うことに直結します。

配偶者が自宅を取得したいのなら、前婚の子どもに代償金を払う必要があるでしょう。

前婚の子どもが自宅を取得したいのなら、配偶者に代償金を払う必要があるでしょう。

どちらも代償金を準備できないなら、自宅を売却することが選択肢になります。

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。

自宅の分け方で利害が衝突するから、遺産分割協議が成立させられない現実に直面します。

⑥配偶者が取得した財産は配偶者の財産

被相続人にとって、配偶者も子どもも同じ家族です。

配偶者と前婚の子どもに、血縁関係はありません。

自宅を配偶者が取得した後は、自宅は配偶者の財産です。

配偶者が死亡した後は、配偶者の連れ子などの血縁関係者が相続します。

配偶者と前婚の子どもに血縁関係はないから、前婚の子どもは相続人になりません。

もともと被相続人の財産であっても、前婚の子どもが相続することはできません。

配偶者が死亡した後のことを考えると、配偶者が自宅を取得することに同意できなくなります。

⑦遺言書で遺贈は現実的ではない

遺言書で遺贈をする約束をすることを条件として、自宅を配偶者が取得することが考えられます。

遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

配偶者が遺言書を作成して、前婚の子どもに自宅を遺贈することができます。

前婚の子どもは相続人になることはできなくても、遺贈を受けることができます。

遺贈を条件にして、自宅を配偶者が取得する案は現実的ではありません。

いったん遺言書を作成しても、遺言書は書き直しができるからです。

前婚の子どもに遺贈すると遺言書を作成しても、いつでも書き直しができます。

前婚の子どもに遺贈すると遺言書を作成しても、前婚の子どもの同意なく書き直しができます。

書き直しをしない約束に、効力はありません。

書き直しをしない約束を無視して、書き直しができます。

遺言書は、遺言者の意思が重視されるからです。

遺言書で遺贈をする約束をして自宅の取得を希望するのは、現実的ではありません。

3遺言書作成で現実に直面することを回避できる

①遺言書があれば遺言書どおりに遺産分割ができる

(1)遺言書で遺産分割の方法を指定できる

遺言書を作成して、財産をだれに引き継ぐか決めておくことができます。

遺言書があれば、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。

遺産分割協議で財産の分け方を決める必要がなくなります。

(2)遺言書を作成するだけで遺留分を奪うことはできない

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人に、認められます。

遺言書を作成して、自分の財産をだれに受け継がせるかは自由に決めることができます。

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺留分には、相続人の生活保障の意味があるからです。

相続人の生活保障なのに、一方的に奪うことは許されません。

(3)遺留分侵害額請求を認めない遺言書に効力はない

遺言書で遺留分侵害額請求を認めないと書くことがあります。

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺言書には、法律上意味がないことを書くことができます。

遺留分侵害額請求を認めないと書いてある場合、法律上の意味がない条項と考えられます。

遺留分侵害額請求を認めないと書いてあっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

(4)配偶者居住権は万能ではない

配偶者居住権とは、被相続人が死亡した後も配偶者が自宅に住み続けられるようにするための権利です。

配偶者居住権を設定したうえで、自宅は前婚の子どもに相続させることができます。

配偶者居住権を設定すると、自宅を相続しなくても配偶者は自宅に住み続けることができます。

配偶者居住権は、万能ではありません。

配偶者は、配偶者居住権を第三者に譲渡することができません。

前婚の子どもは、配偶者居住権の負担がある自宅を第三者に譲渡することができません。

配偶者居住権を設定すると、配偶者と前婚の子ども両方に大きな制約を負わせることになります。

②遺言書で遺言執行者を指名

遺言書は、作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者がいると、遺言者にとって有益です。

遺言書の内容を確実に実現してくれるからです。

遺言執行者がいると、相続人にとって有益です。

手間と時間がかかる相続手続をおまかせできるからです。

③安全確実な公正証書遺言で作成

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言とは、遺言者が自分で書いて作る遺言書です。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

公証人は、法律の専門家です。

法律の専門家が関与するから、書き方ルールの違反などで無効になることがほとんどありません。

自筆証書遺言は、不備があることに気が付けません。

費用をかけてでも、安全確実な公正証書遺言で作成がおすすめです。

公正証書遺言の費用は、遺言書の安全を確保する対価だからです。

遺言書が無効になると、家族が現実に直面します。

4生前対策を司法書士に依頼するメリット

生前対策=相続「税」対策の誤解から、生前対策はする方はあまり多くありません。

争族対策として有効な遺言書ですら、死亡者全体からみると10%未満です。

対策しないまま認知症になると、家族に大きな面倒をかけることになります。

認知症になってからでは遅いのです。

元気なうちに、準備する必要があります。

大切な家族に面倒をかけないために生前対策をしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

遺留分侵害額請求を認めない遺言書に効力はない

2026-06-07

1遺留分は相続人の最低限の権利

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は、次のとおりです。

(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

(1)配偶者は必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②近い関係の相続人に遺留分が認められる

遺言書を作成して、自分の財産をだれに受け継がせるかは自由に決めることができます。

財産は被相続人がひとりで築いたものではないでしょう。

家族の協力があってこそ、築くことができた財産のはずです。

被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすることはできません。

今まで協力してきた家族に、酷な結果となることがあるからです。

被相続人に近い関係の相続人には、相続財産に対して最低限の権利が認められています。

遺留分とは、相続財産に対して認められる最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人には、遺留分が認められます。

③兄弟姉妹に遺留分は認められない

相続人のうち、遺留分が認められる人を遺留分権利者と言います。

相続人でない人は、遺留分権利者になることはありません。

遺留分権利者は、被相続人に近い関係の相続人です。

具体的には、次の人です。

(1)配偶者

(2)子ども

(3)親などの直系尊属

兄弟姉妹は相続人になりますが、遺留分権利者ではありません。

④遺留分放棄をした人に遺留分は認められない

遺留分権利者には、相続財産に対して最低限の権利が認められます。

遺留分に満たない財産の配分しか受けられない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分放棄とは、相続人自身の意思で遺留分を放棄することです。

遺留分放棄は、相続人の意思が重視されます。

遺留分放棄をすると、相続人は最低限の権利を失います。

相続が発生する前に遺留分放棄をする場合、家庭裁判所の許可の審判が必要です。

家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄した場合、遺留分はなくなります。

遺留分放棄をしても、相続人です。

相続人だから、相続財産を相続することができます。

遺留分放棄をすると、遺留分は認められません。

⑤廃除された相続人に遺留分は認められない

例えば、被相続人に虐待をした人に、相続をさせたくないと考えるのは自然なことでしょう。

被相続人が相続させたくないと思って、他の相続人にすべての財産を相続させると遺言書を書くことがあります。

遺言書を書くだけで、遺留分を奪うことはできません。

遺留分に満たない財産の配分しか受けられない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求をしたら、相続財産のいくらかは虐待した相続人が受け継いでしまいます。

相続人廃除とは、被相続人の意思で相続人の資格を奪う制度です。

相続人の資格を奪うとは、実質的には遺留分を奪うことです。

兄弟姉妹は、遺留分権利者ではありません。

兄弟姉妹を廃除する必要はありません。

兄弟姉妹に相続させたくない場合、遺言書を作成するだけで実現できるからです。

相続人が廃除された場合、代襲相続が発生します。

廃除された相続人の子どもや孫が相続します。

廃除された相続人に、遺留分は認められません。

⑥相続欠格の人に遺留分は認められない

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

同時に、民法では相続人になれない人も決められています。

例えば、被相続人を殺した人が相続することは、社会感情からみても許せない、相続する人としてふさわしくないということは納得できるでしょう。

このような相続人として許せない、ふさわしくない場合、相続人の資格が奪われます。

相続欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度です。

相続欠格は、被相続人の意思とは無関係に相続人の資格を奪う制度です。

裁判所などで手続があるわけでなく、当然に相続資格を失います。

相続欠格になると、遺留分も奪われます。

相続人が相続欠格になる場合、代襲相続ができます。

欠格の相続人の子どもや孫が相続します。

欠格の相続人に、遺留分は認められません。

⑦相続放棄をした人の子どもは相続しない

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄が認められたら、相続することはできません。

相続放棄が認められたら、遺留分を失います。

遺留分が認められるのは、相続人だけだからです。

相続放棄をしたら、代襲相続は発生しません。

相続放棄をした人の子どもや孫は、相続しません。

2遺留分侵害額請求を認めない遺言書に効力はない

①遺言事項は法律で決まっている

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

書き方ルールだけではなく、遺言書に書くことで有効になることも法律で決められています。

遺言事項とは、遺言書に書くことで有効になることです。

遺言事項は、次の事項です。

(1)財産に関すること

(2)身分に関すること

(3)遺言執行に関すること

(4)それ以外

②遺言書に効力がないことを書くことができる

遺言事項は、法律で決められています。

遺言書には、遺言事項以外のことを書くことができます。

遺言事項以外のことに、法律上の効力はありません。

実際のところ、法律上の効力がないことを書く人はたくさんいます。

家族への感謝の気持ちがあっても、言葉にしていない人がいるでしょう。

遺言書に、家族への感謝の気持ちを書くことができます。

家族仲良く幸せに暮らして欲しいなどの希望に、法律上の効力はもちろんありません。

被相続人の感謝の言葉や希望を読むと、温かな気持ちになるでしょう。

遺言書に法律上の効力がないことを書くことができます。

③付言事項で遺留分侵害額請求を認めない

遺言書を作成する場合、法律上効力があることだけでなく法律上の効力がないことを書くことができます。

付言事項とは、遺言書に書いても法律上の効力がないことです。

付言事項には、家族への感謝の気持ちや希望を書くでしょう。

遺言書で遺留分侵害額請求を認めないと書くことがあります。

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

遺言書に遺留分侵害額請求を認めないと書いてある場合、付言事項と考えられます。

付言事項に、法律上の効力はありません。

遺留分侵害額請求を認めない遺言書に、法律上の効力はありません。

④遺留分侵害額請求を認めない遺言書があっても請求できる

遺言書に遺留分侵害額請求を認めないと書いてある場合、付言事項と考えられます。

付言事項に法律上の効力はないから、被相続人からのお願いと言えます。

相続人は被相続人からのお願いをかなえてもいいし、お願いを拒否しても構いません。

被相続人のお願いを拒否しても、他の相続人は文句を言うことはできません。

付言事項に、法律上の効力はないからです。

遺留分侵害額請求を認めない遺言書があっても、遺留分侵害額請求をすることができます。

3遺留分を侵害する遺言書でも無効にならない

①遺留分を侵害する遺言書があっても遺留分侵害額請求ができる

遺留分とは、相続財産に対して認められる最低限の権利です。

さまざまな事情から、遺留分を侵害している遺言書が見つかることがあります。

遺留分を侵害しても、遺言書が自動で無効になるわけではありません。

遺留分を侵害する遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分は奪われません。

相続人は遺留分侵害額請求をすることも請求しないことも、選択することができます。

遺留分権利者が遺言書の内容に納得しているのなら、遺留分侵害額請求をしないでしょう。

遺留分権利者が遺言書の内容に納得しているのに、遺言書を無効にする必要はありません。

遺留分を侵害する遺言書でも、有効な遺言書です。

遺留分を侵害する遺言書があっても、遺留分侵害額請求ができるからです。

②遺言書で廃除はハードルが高い

遺留分を侵害する遺言書を作成する場合、一部の相続人に相続させたくないことがあります。

遺留分を侵害する遺言書を作成するだけで、相続人の遺留分を奪うことはできません。

廃除された相続人に、遺留分は認められません。

遺言書で、相続人を廃除することができます。

遺言執行者が家庭裁判所に申立てをして、家庭裁判所が判断します。

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

廃除されると遺留分がなくなるから、家庭裁判所は非常に慎重に審査します。

家庭裁判所に廃除を認めてもらうには、客観的証拠が重要です。

例えば、被相続人が虐待を受けた場合、証人として家庭裁判所に虐待の頻度や内容を証言することができます。

虐待を受けた本人であれば、リアリティーがある証言ができるでしょう。

遺言執行者は、詳しい家庭内の事情を知らないでしょう。

家庭裁判所を納得させられる証拠を提出するのは、難しいでしょう。

遺言書で廃除するのは、高いハードルがあります。

③遺言書があっても遺産分割協議

遺言書の内容が大きく偏っている場合、相続人の遺留分を侵害しているでしょう。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

相続人が遺留分侵害額請求をする場合、大きなトラブルになるでしょう。

相続人間でトラブルになる遺言書なのに、あえて執行してトラブルにする必要はありません。

相続人全員で相続財産の分け方を話し合った方が合理的です。

遺言書があっても、相続人全員で遺産分割協議をすることができます。

4遺留分を侵害しない遺言書がおすすめ

①遺留分放棄は強制できない

遺留分放棄をした人は、遺留分侵害額請求をすることができません。

遺留分を侵害する遺言書があった場合、相続人はがっかりするでしょう。

遺留分侵害額請求をすると、相続人間で大きなトラブルになるおそれがあります。

相続させたくない相続人に遺留分放棄をさせれば、トラブルがなくなると考えるかもしれません。

実際のところ、自称専門家は遺留分放棄をさせればいいとアドバイスしています。

遺留分放棄は、相続人の意思が重視されます。

気に入らない相続人に、遺留分放棄を強制するものではありません。

家庭裁判所が遺留分放棄の許可を判断する場合、遺留分放棄をする充分な理由があるか審査します。

遺留分放棄をする充分な理由とは、遺留分放棄に見合う充分な経済的利益を得ていることです。

充分な利益を得ていないのに遺留分放棄をするといっても、家庭裁判所は許可してくれないでしょう。

遺留分放棄は、強制することができません。

②遺留分に配慮して遺言書作成

遺言書を作成する場合、財産の分け方について書くでしょう。

さまざまな事情から、財産の配分が多少偏るのは止むを得ないでしょう。

遺留分は、相続人に認められた最低限の権利です。

遺留分を侵害する遺言書は、相続人間でトラブルになるおそれがあります。

生涯をかけて築いた財産は、家族を幸せにするためだったでしょう。

苦労して築いた財産で家族がトラブルを起こしたら、空しい苦労になります。

遺言書を作成する場合、相続人の遺留分に配慮するのがおすすめです。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺留分を侵害した遺言書であっても、無条件で無効になるわけではありません。

遺言書の内容に不満のある相続人からは、無効だと主張されることが考えられます。

高齢になってから遺言書を作成した場合、認知症で判断能力が低下していたからと言われるでしょう。

遺言書が有効であれば、遺言書の内容どおりに相続手続を進めるのが原則です。

遺言書が有効か無効か争っていると、相続手続が滞ってしまいます。

遺言書作成を考えている方は、早めに取り掛かることをおすすめします。

相続人が争うことのないように、遺言書を作る方がほとんどでしょう。

家族を争族にしないために、遺言書を作ることは大切です。

認知症を疑う余地もないほど元気であるうちに、遺言書作成をすることが最善です。

遺言書など縁起でもないなどと言えるのは、元気な証拠と言えます。

まだまだ死なない!と言える今こそ遺言書作成のときです。

遺言書作成を考えている方は、早めに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

一人が全財産を相続するときの遺産分割協議書

2026-06-07

1遺産分割協議が成立する前提条件

①相続人調査は不可欠

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立します。

遺産分割協議の前提として、相続人調査は欠かせません。

一部の相続人を含めずに、遺産分割協議を成立させることはできないからです。

②認知症の相続人は成年後見人が遺産分割協議

(1) 認知症の人は自分で判断できない

高齢の人が相続人である場合、認知症である可能性があります。

認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができません。

遺産分割協議のつもりで書面に押印しても、無効です。

(2)家族が勝手に遺産分割協議はできない

認知症で判断することができないなら、子どもなどが代わりに判断すればいいと考えるかもしれません。

例えば、赤ちゃんが契約などをする必要がある場合、親権者が代わりに判断します。

親権者は、赤ちゃんの代わりにあらゆることを判断することができます。

親権者が代わりに判断できるのは、赤ちゃんが未成年者だからです。

認知症の人は未成年者ではないから、家族が勝手に判断することはできません。

家族が勝手に遺産分割協議書に押印をしても、無効です。

(3)成年後見人が遺産分割協議をする

成年後見人とは、認知症の人をサポートする人です。

認知症の相続人の代わりに、成年後見人が判断します。

家庭裁判所に申立てをして、成年後見人を選任してもらう必要があります。

家庭裁判所が選任した成年後見人が遺産分割協議に参加します。

遺産分割協議書には、成年後見人が押印します。

③未成年の相続人は自分で遺産分割協議ができない

(1)未成年者は自分で判断できない

被相続人が若くして死亡した場合、相続人が未成年であることがあります。

相続人になるはずだった人が先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

代襲相続人が未成年であることは、よくあるでしょう。

未成年者は、物事のメリットデメリットを適切に判断することができません。

未成年者が契約などをする必要がある場合、通常は親権者が代わりに判断します。

(2)利益相反になると親権者は代理できない

未成年者と未成年者の親権者が同時に相続人になることがあります。

未成年者と親権者が同時に相続人である場合、親権者は未成年者の代わりに遺産分割協議をすることはできません。

未成年者と親権者は、利益相反になるからです。

利益相反とは、一方がトクすると他方がソンする関係です。

利益相反であるか、客観的に判断されます。

未成年者の利益を犠牲にして、親権者が利益を得ようとは考えないでしょう。

親権者の主観的な意見は、考慮されません。

親権者が未成年者を代理できないから、サポートする人が必要です。

(3)特別代理人が遺産分割協議をする

未成年者の人の代わりに、特別代理人が判断します。

家庭裁判所に申立てをして、特別代理人を選任してもらう必要があります。

家庭裁判所が選任した特別代理人が遺産分割協議に参加します。

④子ども全員が相続放棄で次順位相続人

相続が発生したら、相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。

配偶者にすべて相続させるつもりで、子ども全員が相続放棄を考えるかもしれません。

子どもが相続放棄をした場合、子どもは相続人ではなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。

子どもがいない場合、次順位の人が相続人になります。

親などの直系尊属や兄弟姉妹の合意がないと、配偶者がすべて相続することはできません。

2一人が全財産を相続するときの遺産分割協議書の書き方

①被相続人の書き方

(1)記載例

共同相続人である私たちは、以下の相続について、下記のとおり遺産分割の協議をした。

被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地

被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

被相続人のの氏名   〇〇 〇〇

被相続人の生年月日 昭和 〇〇年〇〇月〇〇日

被相続人の死亡日 令和 〇〇年〇〇月〇〇日

(2)注意点

被相続人の最後の本籍、被相続人の最後の住所、被相続人の氏名、被相続人の生年月日、被相続人の死亡日を記載します。

相続が発生した後、相続手続のために戸籍謄本や住民票を集めているでしょう。

戸籍謄本や住民票の記載どおりに、一字一句間違いなく記載しましょう。

②不動産の書き方

(1)記載例

相続財産中、次の不動産については、相続人〇〇〇〇が相続する。

所在 〇〇市〇〇町〇丁目

地番 〇番〇

地目 宅地

地積 200㎡

相続財産中、次の不動産については、相続人〇〇〇〇が相続する。

所在 〇〇市〇〇町〇丁目

家屋番号 〇番〇

種類 居宅

構造 木造瓦葺2階建

床面積 1階 50.00㎡ 2階 50.00㎡

(2)注意点

遺産分割協議書に不動産を書く場合、相続登記ができるように記載することが重要です。

「自宅」などの記載は、客観的に特定できるとは言えません。

あいまいな記載であった場合、相続登記ができなくなります。

不動産を特定できるように、登記簿謄本を見て書き写します。

財産すべてを1通の遺産分割協議書で作成することが一般的ですが、財産ごとに分けて作っても差し支えありません。

相続登記用に、不動産のみの遺産分割協議書を作成することができます。

③預貯金の書き方

(1)記載例

相続財産中、次の被相続人名義の財産については、相続人〇〇〇〇が相続する。

金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店

預金種別  普通預金

口座番号  〇〇〇〇〇〇〇

金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店

預金種別  定期預金

口座番号  〇〇〇〇〇〇〇

(2)注意点

遺産分割協議書に預貯金を書く場合、口座凍結解除ができるように記載することが重要です。

あいまいな記載であった場合、口座凍結解除ができなくなります。

金融機関によっては「すべての財産」「すべての預貯金」などの記載で口座凍結解除ができません。

「すべて」では、どの金融機関のどの口座か具体的に特定できないからです。

相続トラブルに巻き込まれることをおそれて、遺産分割協議書を作り直すように言われるでしょう。

主要な財産を列挙した遺産分割協議書を作成するまで、相続手続を保留します。

④遺産分割協議書に記載のない財産が見つかったときの書き方

(1)記載例

本協議書に記載のない財産は、相続人〇〇〇〇が相続する。

(2)注意点

遺産分割協議の成立には、相続人全員の合意が必要です。

どんなに詳細に調査をしても、後日に財産が判明することがあります。

あらたに判明した財産について、相続人全員が改めて話し合いをするのはわずらわしいでしょう。

後日判明した財産について、あらかじめ相続人全員で合意しておくことができます。

3遺産分割協議をするときの注意点

①財産を一切受け取らない遺産分割協議ができる

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産は、相続人全員の合意で分け方を決めることができます。

法定相続分とは、相続財産の分け方の目安です。

相続人全員の合意がまとまれば、どのような分け方でも差し支えありません。

相続人全員の合意がまとまれば、一人が全財産を相続する遺産分割協議をすることができます。

相続人全員の合意がまとまれば、一部の相続人が一切財産を引き継がない遺産分割協議をすることができます。

②相続人全員で遺産分割協議成立

遺産分割協議成立には、相続人全員による合意が必要です。

遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。

合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。

合意内容に間違いがないか、相続人全員に確認してもらいます。

問題がなければ、相続人全員が記名し実印で押印します。

実印であることを確認するため、印鑑証明書を添付します。

相続登記をする場合、印鑑証明書に有効期限はありません。

③遺産分割協議をしても借金は相続人全員に請求される

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続人全員で合意ができれば、どのように分けても差し支えありません。

相続人全員の合意で、配偶者がすべて相続する遺産分割協議を成立させることができます。

相続財産にマイナスの財産がある場合、債権者は相続人全員に対して法定相続分で借金の返済を請求することができます。

配偶者がすべて相続する遺産分割協議を成立させても、相続人間の内部的合意に過ぎないからです。

遺産分割協議書を見せても、借金を払わないと文句を言うことはできません。

相続人間の内部的合意は、債権者には関係がない話だからです。

借金の請求がされると、相続人間でトラブルになるおそれがあります。

④相続人が一人だけなら遺産分割協議は不要

相続人が一人だけの場合、相続財産の分ける必要はありません。

一人だけの相続人が当然に全財産を相続します。

他に相続人がいないから、相続人全員の合意も意味がありません。

相続人が一人だけの場合、遺産分割協議は不要です。

遺産分割協議書は、相続財産の分け方についての相続人全員の合意を取りまとめた証明書です。

遺産分割協議が不要だから、遺産分割協議書も不要です。

4遺言書を作成して一人に全財産を相続させる

①遺言書で遺産分割の方法を指定できる

長年疎遠になっていても、相続手続では相続人全員協力してもらう必要があります。

被相続人が遺言書を作成して、相続財産の分け方を指定することができます。

遺言書で遺産分割の方法を指定した場合、遺言書のとおりに分けることができます。

②遺言書を作成するだけで遺留分は奪えない

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人に認められます。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

適切な遺遺留分侵害額請求があったら、拒否できません。

遺遺留分侵害額請求を受けた人は、遺留分を払う義務があります。

遺言書を作成する場合、相続人の遺留分に配慮するのがおすすめです。

③遺言執行者を指名して相続手続をおまかせ

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。

遺言書の中で、遺言執行者を指名することができます。

遺言執行者がいる場合、手間と時間がかかる相続手続をおまかせできます。

認知症の相続人がいても未成年の相続人がいても、遺言執行をすることができます。

5相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。

相続手続は多くの場合、何度も経験するものではありません。

だれにとっても不慣れで聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。

不動産は重要な財産なので、一般の人が些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

インターネットなどで多くの情報を手にすることができるようになりました。

相続登記を自分でやった、カンタンにできたという記事を見かけることもあります。

司法書士などの専門家から見てカンタンな登記申請であっても、一般の人が手続しようとすると思わぬ落とし穴があることがあります

相続が発生してから長期間経過した後の登記申請は、想像以上に難解です。

自分で登記申請をしてみても、法務局から不足や不備を指摘されるでしょう。

ときには、何が問題なのか分からなかったというケースもあります。

自分でやってみて挫折した場合も司法書士はサポートします。

相続登記をスムーズに終わらせたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

複数の相続人から一人が相続する相続登記

2026-06-05

1複数の相続人から一人が相続できる

①相続財産は相続人全員の共有財産

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続人全員の共有財産だから、一部の相続人が勝手に独り占めすることは許されません。

一部の相続人が独り占めをしようとすると、深刻なトラブルになります。

②不動産の取得者が相続登記を申請する

登記手続は、不動産の取得者が申請します。

相続で不動産を取得する人が相続登記を申請します。

不動産の取得者と決まった後に、相続登記をします。

不動産の取得者と決まっていないのに、相続登記を申請することはできません。

③相続登記をしても不動産を取得することはできない

相続登記は、不動産の取得者が申請する手続です。

相続登記をしても、不動産を取得する効果はありません。

登記制度は、不動産の権利者を公示する制度だからです。

不動産の取得者と決まった後に、登記手続をします。

相続登記は、権利を確定する制度ではありません。

相続登記を申請したら、不動産の取得者になるのではありません。

勝手に相続登記をして、不動産を独り占めすることはできません。

権利者が登記申請をするから、登記簿に登載されます。

登記制度は、権利関係を公示する制度です。

登記制度は、権利を取得する制度ではありません。

登記制度は、権利を確定する制度ではありません。

2複数の相続人から一人が相続する相続登記

①遺言書で一人が相続する相続登記

(1)遺言書どおりに遺産分割ができる

相続人になる人は、法律で決められています。

複数の相続人がいることが一般的です。

被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。

遺言書を作成して、どの財産をだれに引き継ぐか決めておくことができます。

遺言書があれば、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。

複数の相続人から一人に、相続させることができます。

(2)遺言書で指定された人が不動産を取得

遺言書で、引き継ぐ財産と引き継ぐ人を決めておくことができます。

遺言者が死亡したときに、遺言書に効力が発生します。

遺言者が死亡したときに、遺言書で指定された人が遺言書で指定された財産を引き継ぎます。

複数の相続人から一人が指定された財産を引き継ぐことができます。

(3)遺言書で指定された人が相続登記

不動産の取得者と決まった後に、相続登記をします。

遺言書で指定された人が不動産を相続するとき、相続登記をします。

遺言書で指定された人が相続登記を申請します。

不動産の取得者と客観的証拠で認められるから、相続登記が認められます。

相続登記が認められるから、不動産の取得者になるのではありません。

(4)相続登記では遺言書を提出する

遺言書で不動産を相続した場合、遺言書を法務局へ提出します。

法務局は、提出された遺言書の記載内容を確認します。

相続登記の申請人が遺言書で相続したと主張するだけでは、法務局は通しません。

遺言書に適切に記載されていないと、内容不明確で登記できないと判断されます。

不動産の取得者であるか、法務局が厳しく審査します。

(5)遺言執行者が相続登記を申請

遺言書は作成するだけでは、意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言書を作成するとき、遺言執行者を指名することができます。

遺言書の内容を実現するため、遺言執行者は相続登記をすることができます。

②遺産分割協議で一人が相続する相続登記

(1)遺産分割協議には相続人全員の協力が必要

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

相続人全員の合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。

遺産分割協議には、相続人全員の協力が必要です。

(2)遺産分割協議で定められた人が不動産を取得

相続財産に不動産が含まれている場合、不動産の取得者は遺産分割協議で決定します。

遺産分割協議で定められた人が不動産を取得します。

複数の相続人から一人が指定された財産を引き継ぐことができます。

(3)遺産分割協議で定められた人が相続登記

相続人全員の合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。

遺産分割協議で定められた人が不動産を取得します。

相続登記は、権利を確定する制度ではありません。

相続登記は、不動産を取得する人が申請します。

不動産を取得する人が一人である場合、一人で相続登記を申請します。

一人で相続登記を申請したから、一人で不動産を取得したのではありません。

遺産分割協議で不動産を相続すると合意できたから、相続登記を申請します。

(4)相続登記に遺産分割協議書を提出する

相続人全員の合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。

合意内容に間違いがないか、相続人全員に確認してもらいます。

問題がなければ、相続人全員が記名し実印で押印をします。

遺産分割協議書の押印が実印によるものであることを確認するため、印鑑証明書を添付します。

法務局は、遺産分割協議書と印鑑証明書を慎重に審査します。

遺産分割協議書の印影と印鑑証明書の印影にちがいがないか、厳重にチェックします。

相続登記の申請人が相続人全員が合意したと主張するだけでは、法務局は通しません。

相続人全員であるのか、戸籍謄本で確認します。

一部の相続人を含めずに合意しても、無効の合意だからです。

(5)相続人全員の合意がないと遺産分割協議は成立しない

一部の相続人を含めずに、遺産分割協議を成立させることはできません。

たとえ協力しない相続人がいても、相続人全員の合意が必要です。

相続人だけで話し合いが難しい場合、家庭裁判所の遺産分割調停を利用することができます。

たとえ行方不明の相続人がいても、相続人全員の合意が必要です。

行方不明の相続人の代わりに、不在者財産管理人が遺産分割協議に参加します。

たとえ認知症の相続人がいても、相続人全員の合意が必要です。

認知症の相続人の代わりに、成年後見人が遺産分割協議に参加します。

相続人全員の合意がないと、遺産分割協議は成立しません。

③他の相続人全員が相続放棄で一人が相続する相続登記

(1)相続放棄は家庭裁判所の手続

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

(2)子ども全員が相続放棄をしたら次順位相続人

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

被相続人の子どもが相続放棄をしたら、子どもは相続人でなくなります。

被相続人の子ども全員が相続放棄をしたら、子どもがいない場合になります。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属が先に死亡していた場合、兄弟姉妹が相続人になります。

子ども全員が相続放棄をしたら、次順位の人が相続人になります。

(3)相続登記に相続放棄申述受理通知書を提出する

他の相続人全員が相続放棄をしたら、一人が不動産を取得します。

不動産を取得する相続人が相続登記をします。

相続登記では、他の相続人全員の相続放棄申述受理通知書を添付します。

法務局は、提出された相続放棄申述受理通知書の記載内容を確認します。

相続登記の申請人が他の相続人が相続放棄をしたと主張するだけでは、法務局は通しません。

不動産の取得者であるか、法務局が厳しく審査します。

(4)相続放棄を強制することはできない

相続を単純承認するか相続放棄をするか、相続人が自分で判断します。

他の相続人が相続放棄を強制することはできません。

家庭裁判所は、相続人本人の意思であるか慎重に確認します。

3法定相続で複数の相続人から一人が相続登記

①遺産分割協議中は相続人全員が共有している

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議は、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

相続人全員による合意がまとまるまで、相続人全員が相続財産を共有しています。

相続人全員が法定相続分で、共有していると言えます。

②法定相続分で共有する相続登記ができる

登記制度は、権利関係を公示する制度です。

遺産分割協議中で相続人全員が共有していることを公示することができます。

法定相続分で相続人全員が共有する相続登記をすることができます。

法定相続分で相続人全員が共有する相続登記をしても、遺産分割協議に影響はありません。

登記簿に記録されても、遺産分割協議中のままです。

遺産分割協議で、不動産の取得者を決めることができます。

③相続人の一人が法定相続で相続登記を申請できる

法定相続分で相続人全員が共有する相続登記は、一部の相続人のみで申請することができます。

他の相続人の同意がなくても、一部の相続人のみで申請することができます。

④勝手に相続登記をしても独り占めはできない

一部の相続人のみで申請しても、独り占めはできません。

一部の相続人のみで申請しても、相続人全員が登記名義人です。

相続登記をした人が不動産の所有者になることはありません。

登記制度は、権利関係を公示する制度だからです。

一部の相続人のみで申請しても、他の相続人を排除することはできません。

相続登記は、独り占めのための制度ではないからです。

⑤法定相続で相続登記をするデメリット

デメリット(1)権利証が発行されない

権利証は、登記名義人が申請人であるときだけ発行されます。

一部の相続人が法定相続分で相続人全員が相続する相続登記を申請した場合、他の相続人に権利証が発行されません。

権利証が発行されなくても、他の相続人は不動産の権利者です。

不動産を売却する場合、権利証が必要になります。

不動産を売却する場合に、他の相続人とトラブルになります。

デメリット(2)申請人が登録免許税全額負担

相続登記をする場合、登録免許税を納めます。

一部の相続人が法定相続分で相続人全員が相続する相続登記を申請する場合、申請人が登録免許税全額を負担します。

申請人の持分にあたる登録免許税だけにする制度は、ありません。

デメリット(3)遺産分割協議成立後に更正登記

遺産分割協議で不動産を取得する人が決まったら、更正登記を申請する必要があります。

結局のところ、二度手間になります。

4相続人申告登記で名義変更はできない

①相続人申告登記はペナルティー回避の制度

令和6年(2024年)4月1日から、相続登記をする義務が課されました。

相続登記の期限は、3年です。

相続登記の期限までに相続登記の義務を履行しないと、ペナルティーの対象になります。

相続人申告登記は、ペナルティー回避の制度です。

相続登記ができなくても相続人申告登記をすれば、ペナルティーを回避することができます。

②複数の相続人から一人が相続人申告登記

複数の相続人がいても、一人が相続人申告登記をすることができます。

相続登記の義務は、相続人全員に課されています。

他の相続人が協力しなくても、相続人申告登記をして自分の義務を履行することができます。

相続人申告登記で義務を履行すれば、相続人申告登記をした人はペナルティーを回避できます。

③相続人申告登記をしても相続登記

相続人申告登記は、ペナルティー回避の効果があるだけです。

相続人申告登記をしても、不動産を取得することはできません。

不動産を取得する人は、あらためて相続登記をする必要があります。

相続登記をするから、不動産を取得できるのではありません。

不動産を取得すると決まった後に、相続登記を申請します。

相続人申告登記をしても相続登記をしても、不動産を取得することはできません。

5相続登記を司法書士に依頼するメリット

大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。

やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。

相続手続は一生のうち何度も経験するものではないでしょう。

だれにとっても不慣れで、手際よくできるものではありません。

相続登記は、相続手続の中でも手間がかかる難しい手続です。

相続登記は難しい手間がかかる手続なので、司法書士などの専門家に依頼するでしょう。

相続手続で挫折しがちなのは、戸籍謄本などの書類収集や遺産分割協議書の作成です。

書類収集や遺産分割協議書の作成は、司法書士に依頼することができます。

司法書士が戸籍謄本や遺産分割協議書を準備したうえに、法務局の厳重な審査をします。

法務局の審査が通った戸籍謄本や遺産分割協議書だから、銀行などの相続手続先で指摘があることはありません。

銀行などの独自書類の内容などに指摘があるとしても、簡単に済むことがほとんどでしょう。

相続手続をスムーズに進めたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言執行者は相続登記を単独申請できる

2026-06-04

1遺言執行者は相続登記を単独申請できる

①遺言執行者が遺言書の内容を実現する

遺言書は、作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者は、遺言書で指名することができます。

②遺言書の内容を実現する権限がある

遺言執行者は、遺言書の内容を実現するため必要な権限が与えられます。

遺言書の内容を実現するにあたって、相続人の関与は不要です。

相続人の協力があっても協力がなくても、遺言書の内容を実現することができます。

財産を取得する相続人も取得しない相続人も、手続に参加する必要はありません。

遺言執行者は、相続人の意思にかかわらず相続手続を進めることができます。

遺言執行者には、遺言書の内容を実現する権限が与えられるからです。

遺言執行者がいると、遺言者にとって有益です。

遺言書の内容を確実に実現してもらえるからです。

遺言執行者がいると、相続人にとって有益です。

手間と時間がかかる相続手続をすべておまかせできるからです。

③相続登記は単独申請できる

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更を行います。

相続登記とは、不動産の名義変更です。

遺言書に不動産の分け方が記載してある場合、遺言執行者は相続登記をすることができます。

相続登記は、遺言書の内容を実現することだからです。

遺言執行者は遺言書の内容を実現するため、相続登記をすることができます。

遺言執行者が相続登記を申請できるのは、令和元年(2019年)7月1日以降に作成された遺言書に限られます。

令和元年(2019年)7月1日より前に作成された遺言書の場合、不動産を取得する相続人が相続登記をします。

相続登記をする際に、不動産を取得する相続人は遺言執行者に委任状を出す必要はありません。

遺言執行者の職務の一環として、相続登記をするからです。

相続登記をする際に、不動産を取得しない相続人は遺言執行者に委任状を出す必要はありません。

相続登記は、単独申請だからです。

遺言執行者は、相続登記を単独申請することができます。

④遺贈の登記は遺言執行者と受遺者の共同申請

遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

遺言書に遺贈すると書いてあったら、遺贈で手続をします。

遺言書に相続させると書いてあったら、相続で手続をします。

不動産を遺贈すると書いてあったら、遺贈の登記をします。

遺贈の登記は、相続登記と異なり単独申請ではありません。

遺贈の登記は、権利者と義務者の共同申請です。

権利者は受遺者、義務者は遺言執行者で、遺贈の登記を申請します。

遺贈の登記では、遺言執行者の印鑑証明書を法務局へ提出します。

遺贈の登記を申請する場合であっても、遺言執行者がいれば相続人の印鑑証明書は不要です。

遺贈の登記を司法書士などの専門家に依頼する場合、受遺者と遺言執行者が委任状を出します。

遺贈の登記であっても、相続人の委任状は不要です。

⑤必要書類は遺言執行者が取得できる

相続登記をする際には、たくさんの必要書類を準備します。

遺言書がある場合、登記申請書には次の書類を添付します。

・被相続人の住民票または戸籍の附票

・被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本

・相続人の戸籍謄本

・相続人の住民票

・遺言書

・自筆証書遺言なら検認証明書

・固定資産評価証明書

相続登記で提出する書類は、すべて遺言執行者が取得することができます。

相続登記で提出する書類は、遺言書の内容を実現するため必要だからです。

遺言執行者には、遺言書の内容を実現するため必要な権限が与えられています。

遺言執行者には、相続登記で提出する書類を取得ため必要な権限が与えられています。

たとえ相続人が相続登記で提出する書類を渡してくれなくても、相続登記ができなくなることはありません。

遺言執行者は、必要な書類を取得して相続登記をする権限が与えられているからです。

⑥遺言執行者は司法書士に依頼できる

相続登記は、相続手続の中でも難しい手続です。

遺言執行者は、必要に応じて司法書士などの専門家に依頼することができます。

遺言執行者は自分の判断で、司法書士などの専門家に依頼することができます。

司法書士などの専門家に依頼するにあたって、相続人の同意は不要です。

たとえ相続人が反対しても、司法書士などの専門家に依頼することができます。

司法書士などの専門家に依頼する場合、遺言執行者から司法書士あてに委任状を出します。

司法書士などの専門家に依頼する場合であっても、相続人は委任状を出す必要がありません。

遺言執行者は遺言書の内容を実現するため、司法書士などの専門家に依頼することができます。

遺言執行者がいると、相続手続はすべておまかせすることができます。

2遺言執行者が行うこと相続人が行うこと

①遺言執行者に就任したら遺言書の内容を確認する

遺言執行者に就任したら、まず遺言書の内容を確認します。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人だからです。

単に遺言執行者に指名されていることだけ、確認するのではありません。

遺言執行者として、どのような権限が与えられているのか確認します。

遺言書の内容と無関係な財産は、遺言執行者の権限が及ばないからです。

遺言執行者の権限は、遺言書の内容を実現する範囲のみです。

②遺言執行者に遺言書の内容を通知する義務がある

遺言執行者が就任したら、相続人全員に就任通知を出すことが通例です。

遺言執行者には、遺言書の内容実現のための権限が与えられます。

相続人は、遺言内容に反する行為をすることができません。

遺言執行者に就任したと自称するだけでは、信用されないでしょう。

遺言執行者には、遺言書の内容を通知する義務があります。

遺言書の内容は、遺言執行者の権限の根拠だからです。

遺言執行者がいない場合、相続人が相続財産を管理します。

遺言執行者がいる場合、遺言執行者が相続財産を管理します。

遺言執行者が就任したことを知らないと、相続人は相続財産を管理しようとするのが自然です。

遺言書の内容を通知する目的は、遺言執行者の職務を円滑にし透明性を確保することです。

遺言書の内容を通知しないと、結果として相続人による善意の妨害行動を誘発します。

遺言執行者による行為は、相続財産を奪う行為に見えるからです。

③財産を取得しない相続人は遺言執行を見守る

遺言執行者がいる場合、遺言書の内容実現は遺言執行者が行います。

相続人の協力がなくても、遺言執行者は相続手続を進めることができます。

遺言執行者には、遺言書の内容を実現する権限が与えられるからです。

財産を取得しない相続人が準備すべき書類は、ありません。

遺言執行者には、必要な書類を取得する権限が与えられるからです。

財産を取得しない相続人は、遺言執行を見守る権利があります。

遺言書の内容は、遺言者の意思だからです。

遺言者の意思が適切に実現されているか、静かに見守ります。

遺言執行者の就任通知書は、相続手続開始のお知らせです。

相続人の好意のはずなのに、客観的には妨害行為に見えてしまうことがあります。

遺言執行の流れが乱れないように、相続手続は遺言執行者におまかせするのが賢明です。

財産を取得しない相続人は、遺言執行の進行を共有し見守ります。

④財産を取得する相続人は遺言執行者におまかせ

遺言執行者は、単独で相続登記をすることができます。

財産を取得する相続人は、相続手続に参加する場面はありません。

財産を取得する相続人が準備すべき書類は、ありません。

遺言執行者には、必要な書類を取得する権限が与えられるからです。

遺言執行者に報酬を払うこと以外に、すべきことはありません。

財産を取得しない相続人に、連絡する必要はありません。

財産を取得しない相続人から、書類などを受け取る必要はありません。

遺言執行の流れが乱れないように、相続手続は遺言執行者におまかせするのが賢明です。

3遺言書作成と遺言執行を司法書士に依頼するメリット

遺言執行者は遺言書の内容を実現する人です。

相続人が遺言書の内容に納得していて、手続に協力的であれば、必ずしも、遺言執行者を選任する必要はありません。

子どもの認知など遺言執行者しかできない手続がある場合、遺言執行者を選任しておかないと、相続人に余計な手間をかけさせることになります。

遺言執行者は、相続開始後すみやかに手続を進めることができる時間と知識がある人を選ぶことが重要です。その意味でも、家族より司法書士などの専門家に遺言執行を依頼する人が増えています。

以前は、遺言執行者は止むを得ない場合だけ、他の人に職務を任せることができるとされていましたが、現在は、止むを得ないなどの理由は不要になりました。

遺言執行者に指名され、職務をしてみたところ、思ったよりタイヘンだという場合、自己の責任で司法書士などの専門家におまかせすることもできます。

今後も、専門家に依頼する人は増えていくでしょう。

遺言執行を司法書士などの専門家に依頼した場合、相続人は基本待っているだけなので、トラブルになることが少なくなるからです。

家族を笑顔にするためにも、遺言書作成と遺言執行者選任しましょう。

家族の幸せのためにも、遺言書作成と遺言執行者選任を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書を見せてくれないときの対処法

2026-06-02

1遺言者が遺言書を見せてくれない

①遺言者の生存中は遺言書に効力がない

被相続人は、自分の財産を自由に処分することができます。

被相続人は、遺言書を作成して自分の財産を自由に引き継いでもらうことができます。

遺言書を作成したと聞いたら、内容が気になることでしょう。

遺言書を作成しても、遺言者の生存中は効力がありません。

遺言書の効力が発生するのは、遺言者が死亡したときだからです。

②遺言者は遺言書を書き直しができる

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言者の最終の意思が優先されます。

遺言者は、遺言書を書き直すことができます。

遺言書を作成した後に、事情が変わることがあるからです。

財産の状況や相続人の状況が変わる場合、書き直しが必要になるでしょう。

遺言書は、何度でも書き直しができます。

複数の遺言書がある場合で、内容が両立しない場合、日付の新しい遺言書が有効になります。

相続人らと遺言書の書き直しはしないと約束しても、無効の約束です。

遺言書を書き直しするにあたって、相続人などの同意を受けなければならないと言ったルールはありません。

③遺言者は見せる義務はない

遺言書を作成したと言うのに、遺言書を見せてくれないことがあります。

遺言者の生存中、遺言書を見ることはできません。

遺言書を書き直しした場合、相続人などに報告する必要はありません。

遺言書は遺言者がひとりで作成できるから、ひとりで書き直しをすることができます。

遺言者本人は、他の人に遺言書を見せる義務はありません。

遺言者が見せてくれない場合、相続が発生するまで見ることはできません。

2相続開始後に公正証書遺言を見せてくれないときの対処法

①公正証書遺言は相続人が隠せない

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に取りまとめてもらって作る遺言書です。

証人2人に確認してもらって作成します。

公正証書遺言を作成した後、原本は公証役場で厳重保管されます。

公正証書遺言を作成した場合、遺言書の正本と謄本が渡されます。

正本や謄本を紛失しても、原本は公証役場で厳重保管されています。

公正証書遺言原本は公証役場に厳重保管されるから、紛失や改ざんの心配がありません。
公正証書遺言は、相続人が隠せません。

②相続人は公証役場で検索ができる

公正証書遺言を作った場合、公証役場はデータを管理しています。

公証役場で遺言の有無を調べてもらうことができます。

昭和64年1月1日以降に作った公正証書遺言、秘密証書遺言が対象です。

コンピューターに登録されているのは、次の事項です。

・遺言した人の名前

・公証人の名前

・公証役場の名前

・遺言書を作った日

調べてもらうための手数料は、無料です。

全国どこの公証役場でも、調べてもらうことができます。

まずは近くの公証役場に出向いて、調べてもらいましょう。

郵便で調べてもらうように、請求することはできません。

遺言者が生存中は、遺言者本人と遺言者本人の代理人だけが調べてもらうことができます。

たとえ、家族の人が調べてもらおうとしても、答えてもらえません。

③相続人は公正証書遺言は謄本請求で確認できる

遺言書の有無は、近くの公証役場で検索してもらうことができます。

公証役場のコンピューターで公正証書遺言があると分かった場合でも、内容については教えてもらえません。

公正証書遺言原本は、遺言書を作成した公証役場で厳重保管されています。

遺言書を作成した公証役場に対して、謄本を請求することができます。

謄本を見ると、遺言書の内容を知ることができます。

遺言者が生存中は、遺言者本人と遺言者本人の代理人だけが請求することができます。

たとえ、家族の人が請求しても、答えてもらえません。

遺言者の死亡後は、法律上の利害関係がある人だけが請求できます。

遺言者の相続人は、利害関係がある人です。

謄本を請求する場合、所定の手数料がかかります。

3相続開始後に自筆証書遺言を見せてくれないときの対処法

①自筆証書遺言は遺言書検認の申立て

相続が発生した後に遺品整理をしていると、自筆証書遺言が見つかることがあります。

自筆証書遺言を見つけた人や預かっていた人は、家庭裁判所に提出する必要があります。

遺言書検認の申立てとは、遺言書を家庭裁判所に提出して開封してもらう手続です。

遺言書検認の申立てを受け付けたら、家庭裁判所は相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

相続人立会いで、遺言書を開封してもらいます。

勝手に開封すると、5万円以下のペナルテイーになるおそれがあります。

遺言書であることに気づかず開封してしまっても、遺言書は無効になりません。

慌てて小細工をせずに、正直にそのまま提出します。

②検認調書が作成される

遺言書の検認とは、家庭裁判所で遺言書の状態を確認してもらう手続です。

検認手続では、遺言書の状態や形、書き直しや訂正箇所、日付や署名がどうなっているか裁判所が確認します。

確認した内容は、検認調書に取りまとめられます。

検認期日以降に遺言の改ざんや変造があった場合、検認調書と照らし合わせて確認することができます。

検認調書を見ると分かってしまうから、改ざんや変造を予防することができます。

遺言書の検認手続は、遺言書の改ざんや変造を予防する手続です。

遺言書の検認手続で、検認調書が作成されます。

③自筆証書遺言は検認調書の謄本請求で確認できる

遺言書検認の申立てを受け付けたら、家庭裁判所は相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

遺言書の検認期日に呼び出しがあった場合、申立人以外の人は欠席して差し支えありません。

検認期日に出席しても欠席しても、財産を相続できなくなることはありません。

検認期日に出席すれば、遺言書の内容を見ることができます。

検認期日に欠席しても、検認調書の謄本を請求することができます。

検認調書には、提出された遺言書のコピーが付いています。

検認調書の謄本請求で、遺言書の内容を知ることができます。

④検認をしないと相続手続ができない

検認を受けても受けなくても、遺言書の効果に変わりはありません。

遺言書の効果は変わりませんが、検認を受けていない遺言書で相続手続はできません。

遺言書と検認済証明書を一緒にして、相続手続を行います。

⑤検認を怠ると欠格のおそれ

相続人になる人は、民法で決められています。

同時に、相続人になれない人も、民法で決められています。

相続欠格とは、相続人としてふさわしくない行為をした人の相続資格を奪う制度です。

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

相続人が遺言書を隠匿して不当な利益を得ようとする場合、相続する人としてふさわしくないと言えます。

自筆証書遺言を見つけた人は、家庭裁判所に提出して検認を受けなければなりません。

遺言書の検認を怠ると、遺言書の隠匿にあたると判断されるおそれがあります。

他の相続人が遺留分侵害額請求をするのを避ける目的がある場合、不当な利益を得ようとしたと言えます。

不当な利益を得る目的で遺言書を隠匿した場合、相続欠格になる重大な結果が生じます。

4法務局保管の自筆証書遺言を見せてくれないときの対処法

①法務局保管の自筆証書遺言は検認不要

自筆証書遺言を作成した後、自分で保管するのが原則です。

自筆証書遺言は、保管場所に困ります。

保管場所を家族と共有していないと、遺言書を見つけてもらえないリスクがあります。

保管場所を家族と共有していると、遺言書を破棄されたり改ざんされたりするリスクがあります。

自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。

法務局で保管してもらっている自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認手続が不要です。

法務局保管の自筆証書遺言は、法務局で厳重保管されているからです。

②自筆証書保管事実証明書の交付請求ができる

自筆証書遺言を預かった場合、法務局はデータを管理しています。

法務局で遺言の有無を調べてもらうことができます。

遺言の有無を調べてもらうことができる法務局は、遺言書保管事務を扱っている法務局のみです。

名古屋市内であれば、名古屋法務局本局のみです。

熱田出張所や名東出張所では、遺言の有無を調べてもらうことができません。

遺言書保管事務を扱っている法務局は、法務局のホームページで調べることができます。

遺言書保管事務を扱っている法務局であれば、日本中どこの法務局でも請求することができます。

自筆証書遺言を預かっているか調べてもらうことを、遺言書保管事実証明書の交付請求と言います。

遺言者が生存中は、たとえ家族であっても交付請求をすることはできません。

遺言書保管事実証明書の交付請求には、所定の手数料がかかります。

郵送で請求する場合は、返信用の切手と封筒を添付します。

遺言者が自筆証書遺言を法務局に預けたとき、法務局は保管証を渡します。

保管証があれば、遺言書保管事実証明書の交付請求を省略することができます。

③法務局保管の自筆証書遺言は遺言書情報証明書で確認できる

遺言をした人が預けた遺言書は、預けた本人以外には返してはもらえません。

遺言をした遺言者本人が死亡した後は、相続人であっても返還されません。

その代わりに、遺言書の画像を印刷して交付するように請求することができます。

遺言書情報証明書の交付請求とは、遺言書の画像を印刷して交付するように請求することです。

保管証を紛失しても、相続人は遺言書情報証明書の交付請求ができます。

遺言書情報証明書を見ると、遺言書の内容を知ることができます。

相続手続では、遺言書原本の代わりとして使うことができます。

相続人が遺言書情報証明書を受け取ったら、法務局から他の相続人全員に対して、遺言書を預かっていることが通知されます。

5遺言執行者には遺言書の開示義務がある

遺言書は作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。

遺言書の内容を実現するために、必要な権限が与えられます。

遺言執行者が職務を開始した場合、相続人に遺言書の内容を通知をする義務があります。

遺言執行者がいる場合、遺言書の開示を求めることができます。

遺言書の内容によっては、相続人の遺留分が侵害されていることがあるでしょう。

遺留分侵害額請求をする機会を与えるためにも、遺言書の内容を知らせることは重要です。

遺言執行者には、遺言書の開示義務があります。

6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。

もっともトラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。

せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。

同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。

さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

ルールが守られていない遺言書は無効になります。

書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。

せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。

司法書士は確実な遺言書を作るお手伝いをします。

家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄申述受理通知書とは

2026-06-02

1相続放棄申述受理通知書とは

①家庭裁判所が相続放棄を認めた通知

相続放棄とは、被相続人の財産や借金を引き継がないための手続です。

家庭裁判所に対して、相続放棄を希望する申立てをします。

相続放棄申述受理通知書とは、家庭裁判所が相続放棄を認めた通知です。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てをした人に送付されます。

複数の相続人が同時に相続放棄をした場合であっても、相続放棄申述受理通知書はそれぞれ別に届きます。

②相続放棄申述受理通知書は再発行されない

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果の通知です。

相続放棄の申立てをした人に結果を通知したら、完了します。

相続放棄申述受理通知書は、再発行されません。

相続放棄申述受理通知書を紛失しても、再発行を受ける制度はありません。

③紛失しても相続放棄は無効にならない

相続放棄申述受理通知書を紛失しても、相続放棄が無効になることはありません。

相続放棄申述受理通知書は、単なる結果通知に過ぎないからです。

家庭裁判所が相続放棄の申立てを受理した時点で、相続放棄は認められています。

相続放棄申述受理通知書は、単なる結果通知です。

たとえ通知書がどこかで迷子になって届かなくても、結果は変わりません。

相続放棄申述受理通知書が届かなくても、相続放棄は無効になりません。

家庭裁判所は、相続放棄の申立てについて必ず結果を通知します。

相続放棄の申立てをした人にとっては、相続放棄が認められたことを示す重要な書類です。

家庭裁判所にとっては、単なる結果のお知らせです。

相続放棄申述受理通知書は、書留や本人限定郵便などではなく普通郵便で届きます。

気を付けていないと、DMなどに紛れてしまうかもしれません。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立ての書類を作成した司法書士などの専門家に代わりに受け取ってもらうことができます。

④相続放棄申述受理通知書はA4の紙1枚

相続放棄申述受理通知書は、家庭裁判所から相続放棄の申立てをした人に対するお知らせです。

裁判所が身近でないことから、何か大げさな仕様があると予想しているかもしれません。

戸籍謄本や住民票のような地模様の入った紙ではなく、見慣れたコピー紙に印刷されています。

家庭裁判所にとっては、単なるお知らせに過ぎません。

簡素な通知書であるから、拍子抜けするかもしれません。

相続放棄が認められたことをお知らせする重要な書類です。

⑤相続放棄照会書に回答してから1~2週間で届く

家庭裁判所に相続放棄をする申立てをした場合、相続放棄照会書が届きます。

相続放棄照会書は、相続放棄の意思確認のための裁判所からのお尋ねです。

相続放棄をした場合、相続ができなくなるから慎重に判断します。

相続放棄の申立てと照会書に対する回答を見て、相続放棄を認めるか判断します。

相続放棄照会書に対する回答書を提出してから、1~2週間ほどで相続放棄申述受理通知書が届きます。

家庭裁判所によっては、相続放棄照会書の有無やタイミングが異なります。

相続放棄をする申立てをした後1~2週間経過しても相続放棄照会書が届かない場合、家庭裁判所に問い合わせをするといいでしょう。

⑥相続放棄申述受理証明書を発行してもらえる

相続放棄申述受理通知書は、再発行されません。

相続放棄が認められた人は、相続放棄申述受理証明書の発行を受けることができます。

相続放棄申述受理証明書の発行手数料は、150円です。

相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書の記載内容は、ほとんど同じです。

相続放棄申述受理通知書を紛失した場合、相続放棄申述受理証明書を発行してもらうことが合理的です。

⑦他の相続人や債権者に通知されない

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てをした人以外の人に送付されません。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果の通知だからです。

家庭裁判所は、他の相続人に対して自主的に通知しません。

家庭裁判所は、債権者に対して積極的に通知しません。

2相続放棄申述受理通知書の使い道

①債権者に提示

相続放棄が受理されたら、家庭裁判所は相続放棄の申立てをした人にだけ結果を通知します。

相続放棄が受理されても、債権者に相続放棄申述受理通知書を送付しません。

債権者が何も知らないところで、相続放棄の申立てが受理されています。

債務者が死亡したから債務者の相続人に借金を返済してもらおうと考えて、請求をしてきます。

相続放棄が認められた後に、債権者が請求してきます。

債権者は、相続放棄が認められたことを知らないからです。

相続放棄が認められると、被相続人の借金を相続しません。

相続放棄申述受理通知書は、家庭裁判所で相続放棄が認められたことの通知書です。

債権者に相続放棄申述受理通知書を提示すると、被相続人の借金の請求を止めてくれます。

相続放棄申述受理通知書のコピーを渡すといいでしょう。

債権者は、相続放棄申述受理通知書の原本が必要になることはほとんどありません。

②次順位相続人に提示

被相続人の子どもが相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。

被相続人の子ども全員が相続放棄をしたら、相続人になる子どもはいません。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属は、次順位相続人だからです。

相続放棄をしても、被相続人の借金は消えません。

相続放棄をした人が相続しないで、次順位相続人が相続することになります。

次順位相続人も相続放棄を希望するなら、家庭裁判所に相続放棄の申立てをする必要があります。

相続放棄を認める決定をしても、家庭裁判所は次順位相続人に対して通知しません。

相続放棄をした人は、次順位相続人に通知する義務はありません。

できることなら、次順位相続人に通知すると親切でしょう。

先順位の人が相続すると思って安心していたのに、債権者から請求されるとびっくりするからです。

あらかじめ相続放棄申述受理通知書を提示して、相続放棄をしたことを知らせることができます。

③他の相続人に提示

家庭裁判所に相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄が受理されても、他の相続人に相続放棄申述受理通知書を送付しません。

相続財産の分け方を決めるためには、相続人全員の合意が必要です。

家庭裁判所で相続放棄が認められた人は、遺産分割協議に参加する必要がありません。

遺産分割協議に参加する権利と義務がないことを示すため、他の相続人に相続放棄申述受理通知書を提示します。

相続放棄が認められた人を含めずに、遺産分割協議を成立させることができると明らかになります。

④相続手続先に提示

遺産分割協議を成立させたら、相続人は相続手続をします。

相続人が相続手続をする際に、遺産分割協議書を提出します。

遺産分割協議書とは、相続財産の分け方について相続人全員による証明書です。

相続手続先の人は、相続人全員が遺産分割協議書に記名し実印で押印をしているか確認します。

家庭裁判所で相続放棄が認められた人は、遺産分割協議に参加しません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた人は、遺産分割協議書に記名し押印をしません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた人は、相続人ではないからです。

相続人でないことを示すため、相続手続先に相続放棄申述受理通知書を提示します。

相続放棄が認められた人を含めずに、遺産分割協議が成立したことが明らかになります。

例えば、相続登記で遺産分割協議書を提出する場合、相続放棄申述受理通知書を提出します。

口座凍結解除で遺産分割協議書を提出する場合、相続放棄申述受理通知書を提出します。

法務局や金融機関に相続手続をする場合、相続放棄申述受理通知書のコピーで手続できません。

相続放棄申述受理通知書原本を渡してくれない場合、家庭裁判所に相続放棄申述受理証明書を発行してもらいます。

⑤事件番号の確認

家庭裁判所は、相続放棄の申立てを受付けたら事件番号を決定します。

事件番号とは、相続放棄の申立てを管理するための管理番号です。

相続放棄申述受理通知書には、事件番号が記載されています。

相続手続先に相続放棄申述受理通知書を提示したくても、相続放棄をした人の協力が得られないことがあります。

相続放棄申述受理通知書を渡してくれない場合、他の相続人は相続放棄申述受理証明書の発行請求をすることができます。

相続放棄申述受理証明書の発行を受ける場合、相続放棄の事件番号が必要です。

相続放棄申述受理通知書を渡してくれなくても、事件番号を確認してくれることがあります。

事件番号を確認してくれなくても、相続放棄の事件番号を調べることができます。

相続放棄申述受理証明書を発行してもらって、相続手続を進めることができます。

3相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書のちがい

ちがい①書類の性質

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てに対する結果通知です。

相続放棄の申立てをした人に、送付されます。

相続放棄申述受理証明書は、相続放棄を受理した事実の証明書です。

相続放棄が認められた人だけでなく、債権者や他の相続人が取得することができます。

ちがい②取得方法

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立てをした人に自動で送付されます。

相続放棄申述受理証明書は、受理証明の発行請求をした人が取得できます。

家庭裁判所の窓口へ請求することもできるし、郵送請求をすることもできます。

ちがい③手数料

相続放棄申述受理通知書は、無料で発行されます。

相続放棄申述受理証明書は、発行手数料がかかります。

1通150円です。

発行請求書に収入印紙を貼り付けて、納入します。

ちがい④再発行

相続放棄申述受理通知書は、再発行されません。

相続放棄申述受理証明書は、必要数を発行してもらうことができます。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は撤回ができないので、慎重に判断する必要があります。

せっかく、相続放棄が認められても、相続財産を処分した判断されたら無効になりかねません。

このような行為をしてしまわないように、予め知識を付けておく必要があります。

相続放棄を自分で手続きしたい人の中には、相続放棄が無効になることまで考えていない場合が多いです。

司法書士は、相続放棄が無効にならないようにサポートしています。

せっかく手続しても、相続放棄が無効になったら意味がありません。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

受遺者とは遺贈で財産を引き継ぐ人

2026-06-01

1受遺者とは遺贈で財産を引き継ぐ人

①遺言書を作成して遺贈ができる

遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

遺贈と相続は、別の制度です。

被相続人は遺言書を作成して、だれに引き継いでもらうのか自由に決めることができます。

遺言書なしで、遺贈はできません。

遺言書を作成して、遺言者の思うように財産を引き継ぐことができます。

②相続人以外の人に財産を引き継ぐことができる

受遺者とは、遺贈によって財産を引き継ぐ人です。

相続人になる人は、法律で決まっています。

法律で決められた人以外の人は、相続人になることはできません。

相続人も相続人以外の人も、遺贈を受けることができます。

受遺者は、遺言書で明確に特定する必要があります。

相続人は、相続することができるし遺贈を受けることができます。

相続人以外の人は、相続することができないけど遺贈を受けることができます。

受遺者は、遺贈によって財産を引き継ぐ人です。

③受遺者と相続人のちがい

ちがい(1)指定方法

相続が発生すると、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続人になる人は、法律で決められています。

被相続人が何もしなくても、相続人は相続することができます。

受遺者とは、遺贈によって財産を引き継ぐ人です。

被相続人が遺言書で遺贈すると定めないと、受遺者は財産を受けることができません。

遺言書なしで、遺贈することはできないからです。

ちがい(2)財産の取得方法

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

受遺者は、遺言書の内容により財産を引き継ぎます。

特定遺贈であれば、遺言書で特定された財産のみを引き継ぎます。

包括遺贈であれば、遺言書で指定された割合で引き継ぎます。

具体的に引き継ぐ財産を話し合いで決める必要があるからです。

ちがい(3)代襲相続

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

相続人になるはずだったのに、子どもが被相続人より先に死亡することがあります。

被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった子どもの子どもが相続します。

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が先に死亡したときに相続人になるはずだった人の子どもが相続することです。

相続人になるはずだった人が先に死亡した場合、代襲相続をすることができます。

受遺者になるはずだった人が先に死亡した場合、受遺者になるはずだった人の子どもは受遺者になりません。

受遺者は、相続が発生したときに生きていることが条件です。

遺言書の内容は、代襲相続されないからです。

ちがい(4)遺産分割協議

相続人は、全員遺産分割協議に参加する権利と義務があります。

遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立するからです。

受遺者は、包括遺贈を受けた人のみ参加する権利と義務があります。

包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。

特定遺贈を受けた人は、遺産分割協議に参加する権利と義務がありません。

特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

④受遺者の説明がバラバラに見える理由

受遺者は、民法上、遺贈によって財産を引き継ぐ人のはずです。

話し手の都合によって受遺者という言葉は、さまざまな意味で使われていることがあります。

受遺者の説明がバラバラに見える理由は、話し手によって立場が異なるからです。

銀行などの金融機関にとって、受遺者は遺産を受け取る人です。

銀行などの金融機関にとって、相続人と受遺者の区別は重要ではありません。

口座の資金を受け取る人に、強い関心があるからです。

税理士にとって、受遺者は税金が高くかかる人です。

相続税申告では、一定の相続人以外の人が財産を受け取ると税金が高くなるからです。

税理士にとって、相続人と受遺者の定義は重要ではありません。

相続税申告に、強い関心があるからです。

ネット記事にとって、単に受遺者は難しい用語の一部です。

相続全体を説明するより、アクセスを集められる一部だけ切り取って説明します。

アクセスを集めることに、強い関心があるからです。

2受遺者がいるときに相続人に与える影響

①相続人が相続する財産が減る

遺言書で財産を遺贈した場合、遺贈した財産は受遺者に引き継がれます。

相続人間で、遺贈された財産以外の財産を分け合います。

必然的に、遺贈された財産分だけ相続人が相続する財産が減ります。

②マイナスの財産は相続人が引継ぐ

特定遺贈を受けた人は、遺言書で指定された財産を引き継ぎます。

特定遺贈を受けた人は、遺言書で指定された財産以外の財産を引き継ぎません。

相続財産にマイナスの財産があっても、特定受遺者は引き継ぎません。

相続財産にマイナスの財産がある場合、相続人と包括受遺者が引き継ぎます。

包括受遺者は、マイナスの財産も遺言書で指定された割合で引き継ぐからです。

③遺産分割協議に参加

特定遺贈を受けた人は、遺言書で指定された財産だけを引き継ぎます。

相続財産の分け方に関与する必要はありません。

特定遺贈を受けた人は、遺産分割協議に参加しません。

包括遺贈を受けた人は、相続財産に対する割合だけ指定されています。

具体的に引き継ぐ財産は、遺産分割協議で決定します。

相続財産の分け方に関与する必要はあります。

包括遺贈を受けた人は、遺産分割協議に参加します。

④遺留分侵害額請求ができる

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人に認められます。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求は、相続人としての最低限の権利を回復する制度です。

⑤遺贈の放棄によって相続財産になる

遺言者が死亡した後に、受遺者は遺贈を辞退することができます。

受遺者が受け取るはずだった財産は、相続財産になります。

相続人全員による遺産分割協議によって、引き継ぐ人を決定します。

⑥遺言執行に協力が必要

遺言書の内容は、自動で実現しません。

遺言書で遺贈した場合、原則として相続人全員の協力で遺言書の内容を実現します。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者がいる場合、遺言執行者が遺言書の内容を実現します。

遺言執行者がいれば、相続人の協力は不要です。

2受遺者になる条件

①遺言書で特定されていること

受遺者になるためには、遺言書で明確に特定されている必要があります。

②相続が発生したときに生きていること

受遺者になるためには、相続が発生したときに生きている必要があります。

受遺者が遺言者より先に死亡した場合、遺言書の該当の項目は無効になります。

遺言者が死亡したときに、遺言書の効力が発生するからです。

胎児が誕生前に遺言者が死亡した場合、胎児は受遺者になることができます。

遺言書に効力が発生したときに、すでに死亡している人は遺贈を受けることができません。

受遺者が先に死亡した場合、受遺者の子どもなどが代わりに遺贈を受けることもできません。

遺言書の内容は、代襲相続できないからです。

③相続欠格に該当しないこと

相続人になる人は、民法で決められています。

相続人になれない人も、民法で決められています。

相続欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度です。

相続資格だけでなく、遺贈を受ける資格も奪われます。

相続欠格は、被相続人の意思とは無関係に相続人の資格を奪う制度です。

4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は、被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

実は、民法に遺言書を作ることができるのは15歳以上と定められています。

死期が迫ってから、書くものではありません。

遺言書は被相続人の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。

遺贈とは、遺言によって相続人や相続人以外の人に、財産を引き継ぐものです。

遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。

遺言執行には、法的な知識が必要になります。

遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう可能性があります。

遺言書の内容によっては、遺言執行者を家庭裁判所に決めてもらう必要があります。

遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、財産を引渡そうとしないこともあります。

家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現するために、せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。

お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続人複数なら遺産分割協議後に相続登記

2026-05-31

1相続人複数でも不動産の取得者が相続登記

①相続人の人数で相続登記は変わらない

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。

相続登記とは、不動産の名義変更です。

相続人が複数いても、相続登記の方法に違いはありません。

相続人が複数いても、特別なルールはありません。

相続登記は、不動産の取得者が申請します。

相続人がひとりでも複数でも、不動産の取得者が相続登記を申請します。

②不動産の取得者が相続登記

相続登記は、不動産の取得者が申請します。

不動産を取得しない相続人は、相続登記の申請人になりません。

相続登記の申請人とは、相続登記の申請書に記名押印をする人です。

不動産を取得する人は、ひとりであることがほとんどです。

相続人が複数いても、相続登記の申請人はひとりです。

相続登記は、不動産の取得者が申請するからです。

③相続登記の前に不動産の取得者を決める

(1)遺産分割協議で不動産取得者を決定する

相続人が複数いる場合、不動産の取得者を決める必要があります。

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産になります。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺産分割協議で、不動産の取得者を決定します。

遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立します。

不動産の取得者が相続登記を申請します。

(2)遺言書で不動産取得者を指定する

被相続人が生前に、遺言書を作成していることがあります。

遺言書を作成して、不動産の取得者を指定することができます。

遺言書がある場合、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。

遺言書で遺言執行者を指名した場合、遺言執行者が相続登記を申請することができます。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人だからです。

(3)相続人が1人は珍しい

相続人がひとりなら、その人が全財産を相続します。

不動産があれば、その人が取得します。

相続人がひとりであることは、あまりありません。

(4)法定相続で相続登記

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議中は、法定相続分で相続人全員が共有していると言えます。

一部の相続人は、相続人全員のため法定相続分で相続登記をすることができます。

2相続人複数なら遺産分割協議後に相続登記

①相続人全員の合意で不動産の取得者を決める

相続人が複数の場合、遺産分割協議で不動産の取得者を決めるのが一般的です。

遺産分割協議の成立には、相続人全員の合意が不可欠です。

相続人全員の合意で、不動産の取得者を決定します。

②行方不明の相続人を除外できない

一部の相続人を含めずに、合意をしても無効の合意です。

たとえ疎遠な相続人であっても、合意が必要です。

たとえ行方不明の相続人であっても、合意が必要です。

一部の相続人を含めず、遺産分割協議は成立させられないからです。

行方不明の相続人がいる場合、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらいます。

不在者財産管理人が遺産分割協議に参加して、合意してもらいます。

③生死不明の相続人を除外できない

長期間生死不明である場合、失踪宣告を申し立てることができます。

失踪宣告とは、生死不明の人を死亡扱いにする手続です。

失踪宣告を受けた人の相続人が遺産分割協議に参加します。

④認知症の相続人を除外できない

認知症になると、判断能力が低下します。

重度の認知症になると、遺産分割協議に自分で参加することはできません。

重度の認知症の相続人がいる場合、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらいます。

成年後見人が遺産分割協議に参加して、合意してもらいます。

⑤遺産分割協議が成立したら遺産分割協議書を作成

遺産分割協議に基づいて相続手続を進める場合、遺産分割協議書と印鑑証明書を提出します。

遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。

合意内容を書面に取りまとめて、相続人全員に内容を確認してもらいます。

問題がなかったら、相続人全員に記名し実印で押印してもらいます。

遺産分割協議書の押印が実印によるものであることを確認するため、印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議書を作成するため、相続人全員の協力が必要です。

相続人全員の協力がないと、遺産分割協議書を作成できないからです。

⑥相続登記の申請人は不動産の取得者だけ

相続登記の申請人は、相続登記の申請書に記名押印をする人です。

遺産分割協議で不動産の取得者をひとりに決めた場合、相続登記の申請人は不動産の取得者ひとりのみです。

不動産を取得しない他の相続人は、相続登記の申請人になりません。

相続登記の申請人にならなくても、遺産分割協議書に記名し押印する必要があります。

遺産分割協議書と印鑑証明書は、相続登記で提出するからです。

⑦不動産を取得しない他の相続人に不利益はない

相続人が複数であっても不動産の取得者がひとりなら、相続登記の申請人はひとりです。

相続人が複数であっても、相続登記の申請人は複数になりません。

不動産を取得しない他の相続人は、相続登記の申請人になることはできません。

不動産を取得しない他の相続人は、相続登記の申請人にならなくても不利益はありません。

⑧相続登記の申請人複数は取得者が複数のときだけ

複数の相続人が共有で相続することがあります。

複数の相続人が共有で相続する場合、不動産の取得者は複数です。

相続登記の申請人は、不動産の取得者全員です。

相続登記の申請人が複数になるのは、不動産の取得者が複数のときだけです。

不動産を共有すると、申請人が複数になります。

不動産を共有すると、将来の不動産管理でトラブルになりがちです。

⑨不動産の共有はデメリットが大きい

デメリット(1)共有物を処分するには共有者全員の合意が必要

共有財産は、共有している人全員が合意しないと、処分はできません。

処分するとは、共有物を売却する、第三者に賃貸することなどです。

たくさんの人で共有していると合意がまとまりにくくなります。

デメリット(2)共有者に相続が発生する

共有者全員の合意がしにくくなると、売却などの判断は先延ばししがちです。

先延ばしにより長期間経過すると、共有者に相続が発生することがあります。

死亡した共有者の共有持分を、複数の相続人が法定相続分で細分化して共有することがあります。

デメリット(3)共有持分を売却するおそれ

共有物全体を売却するためには共有者全員の合意が必要です。

それぞれの共有者が持っている共有持分を売却するためには、他の共有者の合意は不要です。

共有持分を買い取る業者はビジネスですから、遠慮なく共有者としての権利を主張してきます。

⑩共有を回避して公平に遺産分割する方法

方法(1)現物分割

現物分割とは、相続財産をそのままの形で分ける方法です。

例えば一部の相続人が不動産を相続して、他の相続人が預貯金を相続することができます。

土地が広大である場合、分筆をすることができます。

土地を分筆して分ける方法も、現物分割です。

方法(2)換価分割

換価分割とは、不動産を売却して金銭に代えた後に金銭を分ける方法です。

不動産は分けにくい財産だけど、金銭は分けやすい財産です。

分けやすい金銭で分けるから、公平な遺産分割を実現しやすくなります。

方法(3)代償分割

代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し他の相続人は不動産を相続した相続人から代償金を受け取る方法です。

代償金を受け取れるから、公平な遺産分割を実現しやすくなります。

3相続人複数でも遺言書どおりに相続登記

①遺産分割協議なしで相続登記ができる

遺言書を作成する場合、財産の分け方について記載することがほとんどです。

遺言書で財産の取得者が決められている場合、遺産分割協議をする必要はありません。

相続人が複数でも、遺言書の内容どおりに相続登記をすることができるからです。

遺言書で決められた不動産の取得者が不動産を取得します。

②遺言執行者が相続登記の申請人

遺言書を作成する場合、遺言執行者を指名することができます。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現するため相続登記をすることができます。

遺言執行者は、相続登記の申請人になります。

③遺言書に記載がない財産は遺産分割協議

遺言書の内容を確認すると、一部の財産が記載されていないことがあります。

一部の財産が記載されていなくても、遺言書自体は有効です。

遺言書に記載がない財産は、相続人全員で分け方を決定します。

相続人全員による合意内容を遺産分割協議書に取りまとめます。

遺産分割協議書と印鑑証明書を準備して、不動産の取得者が相続登記をします。

遺言書に記載がない財産は、遺言執行者が手続をすることはできません。

遺言書の内容を実現するわけではないからです。

4相続人複数で法定相続分で相続登記

①遺産分割協議中は相続人全員で共有している

被相続人の財産は、相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議中は、法定相続分で相続人全員が共有していると言えます。

②法定相続分で相続登記ができる

法定相続分で相続人全員が共有している現状を登記することができます。

実際のところ遺産分割協議中に、相続登記をするのはレアケースです。

遺産分割協議が成立した後に、あらためて更正登記をする必要があるからです。

③一部の相続人が相続登記の申請人になれる

相続人全員が法定相続分で共有する相続登記は、一部の相続人が申請人になることができます。

一部の相続人が申請人になって、相続人全員のために相続登記をします。

一部の相続人が申請人になっても、相続人全員が登記名義人になります。

④申請人にならない相続人に権利証が発行されない

権利証とは、不動産の所有者であることの証明書です。

不動産を売却するときや担保に差し出すとき、所有者の本人確認と意思確認のため権利証を提出します。

相続登記をした場合、申請人になった相続人には権利証が発行されます。

相続登記をした場合、申請人にならなかった相続人には権利証が発行されません。

相続登記に関与していないのに権利証を発行すると、所有者本人以外の人が権利証を持つことになるからです。

所有者以外の人が権利証を持つと、不動産の所有者であることの証明書として機能しません。

相続後に不動産を売却するときに、トラブルに発展します。

⑤代表相続人に依頼してもラクにならない

相続登記をした場合、申請人にならなかった相続人には権利証が発行されません。

登記の申請人は、原則として登記申請書に記名し押印が必要です。

複数の申請人がいる場合、代表相続人に申請を依頼することが多いでしょう。

代表相続人に申請を依頼する場合、委任状が必要です。

委任状なしで、代表相続人が勝手に申請をすることはできません。

委任状は、依頼内容の証明書だからです。

委任状には、どのような依頼をしたのか詳しく書く必要があります。

委任状に適切な記載がされていない場合、適切な依頼を受けていないと判断されます。

代表相続人に依頼することは、手続がカンタンになることではありません。

5相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

相続は、何度も経験するものではないでしょう。

手続に不慣れで聞き慣れない法律用語で、へとへとになります。

一般的にいって、相続登記は、その中でも難しい手間のかかる手続です。

不動産は重要な財産であることが多いので、些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

数次相続が発生している場合、難易度は高くなります。

相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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