Author Archive
家族信託をした後に相続発生
1家族信託の終了事由は信託契約で決めておく
①委託者兼受益者死亡で信託終了が一般的
家族信託は、本人と信頼できる家族との間でする契約です。
信託契約をした後、家族信託を永久に続けることはできません。
どのようなときに信託を終了させるのか、信託契約の中で決めておきます。
家族信託の終了事由は、家族信託の目的に応じて考えます。
本人が認知症になった場合、資産が凍結されるリスクがあります。
認知症になると、物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなるからです。
物事のメリットデメリットを充分に判断できない状態では、契約などの法律行為ができなくなります。
資産が凍結されるとは、不動産の売却などができなくなるという意味です。
本人が認知症になったことを銀行などの金融機関が知った場合、銀行口座を凍結します。
口座が凍結すると、入出金や引き落としができなくなります。
本人が認知症になった場合でも、資産が凍結されないようにするためには家族信託が有効です。
本人の死亡後には、家族信託を続ける意味はないからです。
本人が生きているうちに家族信託を終了させると、認知症リスクに対して対策がないことになります。
認知症リスクに備えるために家族信託をするのであれば、本人の死亡で家族信託を終了させるといいでしょう。
本人の認知症リスクに備える目的で家族信託を利用することが一般的です。
委託者兼受益者死亡で信託終了が大多数です。
②委託者兼受益者死亡後も信託を継続することができる
家族信託は、本人の認知症対策のため以外にも活用されます。
本人の生存中から死亡後の財産管理のために家族信託をする場合です。
例えば、障害がある子どものために家族信託を利用することあります。
本人が健在のうちは本人の認知症対策のため、本人が死亡した後は障害がある子どものために家族信託を存続させる必要があります。
本人が死亡しても家族信託を続けるのがいいでしょう。
家族信託の目的に応じて、どのようなときに信託を終了させるのか決めておきます。
2委託者兼受益者死亡で信託が終了したら清算手続
①信託財産は相続財産ではない
家族信託では、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みです。
信託契約で自由に売る権利や自由に管理する権利を渡した財産が信託財産です。
信託財産は、委託者兼受益者の財産でなくなって信託財産になります。
受託者は、自由に売る権利や自由に管理する権利を渡されます。
受託者は、自由に売却する権利や自由に管理する権利を行使するだけで、受託者の財産ではありません。
信託財産は、委託者兼受益者の財産ではなくなり受託者の財産にもなりません。
信託財産は、独立した財産です。
委託者兼受益者が死亡した場合、委託者兼受益者の相続財産になりません。
信託財産は、信託契約の定めにしばられる独立した財産だからです。
②委託者兼受益者の固有の財産は相続財産
信託契約で自由に売る権利や自由に管理する権利を渡した財産が信託財産です。
自由に売る権利や自由に管理する権利を渡していない財産は、信託財産になりません。
信託財産になっていない財産は、委託者兼受益者の固有の財産です。
委託者兼受益者が死亡した場合、委託者兼受益者の固有の財産は相続財産になります。
相続財産は、委託者兼受益者の相続人が相続します。
委託者兼受益者が遺言書を作成している場合、遺言書の内容に分割します。
委託者兼受益者が遺言書を作成していない場合、相続人全員の話し合いによる合意で分け方を決めます。
③信託財産を引き継ぐ人は信託契約で決めておく
委託者兼受益者が死亡した場合、信託財産は相続財産になりません。
信託が終了した場合、残った信託財産をだれが引き継ぐのか決めておくことができます。
信託財産は、信託契約で決められた人が引き継ぎます。
家族信託の受益者と同じ人でも異なる人でも構いません。
本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用した場合、委託者兼受益者の死亡によって家族信託を終了させることが一般的です。
信託契約で信託財産の行き先を決めてあると、財産の引き継ぎでトラブルになることが減ります。
委託者兼受益者の死亡によって家族信託を終了させる場合、家族信託は実質的に相続トラブルへの対策になります。
家族信託は本人の認知症リスクに備えるために利用することができるから、遺言書より話がしやすくなります。
④信託財産に不動産がある場合は名義変更
信託財産に不動産が含まれる場合があります。
家族信託を利用する場合、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡します。
信頼できる家族に自由に売る権利や自由に管理する権利があることを公示するため、登記をしたはずです。
家族信託が終了した場合、信託財産は信託契約で決められた人が引き継ぎます。
信託契約で決められた人が引き継いだことと信託財産でなくなったことを公示する必要があります。
不動産の名義変更をします。
信託財産が終了した場合、信託財産は受託者が引き継ぐことがあります。
受託者が信託財産を引き継ぐ場合、登記手続の方法は明確になっていません。
名義変更は法務局と協議のうえ登記手続をすることになります。
⑤信託終了で翌月末日までに税務署に手続
信託が終了した場合、信託財産は信託契約で決められた人が引き継ぎます。
信託が終了した日の翌月末日までに管轄の税務署に手続が必要になります。
信託に関する受益者別調書と信託に関する受益者別調書合計表の2つを提出します。
この2つの書類の提出期限は、信託が終了した日の翌月末日です。
相続税申告は、10か月以内です。
期限が短いので忘れず提出しましょう。
3委託者兼受益者死亡後も信託を継続できる
①信託は永久にすることはできない
信託法上、信託の存続期間についての制限はありません。
最初の受益者が死亡したときに信託を終了させないで次の受益者が利益を受け取る場合、信託の効力について特別なルールがあります。
信託がされてから30年経過した後に受益権を引き継いで受益者になった人が死亡するまで、とするルールです。
信託がされてから30年経過した後、次の受益者に引き継ぐことができるのは1回限りです。
引き継いだ受益者が死亡した場合、信託は終了します。
②受益権を引き継ぐ人は信託契約で決めておく
家族信託では、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡します。
家族信託を利用するときは、多くの場合、本人は委託者兼受益者として信頼できる家族は受託者として信託契約を締結します。
受託者は、信託目的達成のために自由に売る権利や自由に管理する権利を行使します。
自分が最初の受益者になり、自分が死亡した後は第2受益者が引き継ぎ、第2受益者が死亡した後は第3受益者が引き継ぐと決めることができます。
自分の血縁関係者に引き継ぎたいという希望がある場合、第2受益者や第3受益者に血縁関係者を指名すれば実現することができます。
第3受益者、第4受益者…と先の先まで決めておくことができます。
家族信託では、さまざまなことを信託契約で決めておくことができます。
最初の委託者兼受益者が死亡した場合、信託契約において信託を継続させると決めておくことができます。
最初の受益者が死亡した場合、信託契約において次の受益者を指名しておくことができます。
信託契約において、現在の受益者が死亡した場合に受益権が引き継がれる定めのある信託を後継遺贈型受益者連続型信託と言います。
③信託財産に不動産がある場合は受益者変更
信託財産に不動産が含まれる場合があります。
家族信託を利用する場合、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。
自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることを公示するため、登記をしたはずです。
委託者兼受益者が死亡した後も信託が継続する場合、ものから利益を受け取る権利は第2受益者が引き継ぎます。
ものから利益を受け取る権利を第2受益者が引き継いだことを公示する必要があります。
信託財産である不動産の受益者変更の登記をします。
④受益者変更で翌月末日までに税務署に手続
委託者兼受益者死亡後も信託を継続する場合、ものから利益を受け取る権利は第2受益者が引き継ぎます。
委託者兼受益者死亡の翌月末日までに管轄の税務署に手続が必要になります。
信託に関する受益者別調書と信託に関する受益者別調書合計表の2つを提出します。
この2つの書類の提出期限は、信託が終了した日の翌月末日です。
相続税申告は、10か月以内です。
期限が短いので忘れず提出しましょう。
4家族信託で節税はできない
①家族信託にする前と後で財産的価値は同じ
家族信託を利用した場合、信託財産は委託者兼受益者の財産ではなくなり受託者の財産にもなりません。
信託財産は、独立した財産です。
委託者兼受益者が死亡した場合、委託者兼受益者の相続財産になりません。
委託者兼受益者の相続財産にならないから、相続税を節税できると期待するかもしれません。
家族信託を利用した場合、委託者兼受益者はものから利益を受け取る権利を持っています。
ものから利益を受け取る権利は、財産的価値があると言えます。
信託財産から利益を受け取る権利の財産的価値は、信託財産と同じ方法で計算されます。
財産を所有している場合と財産を信託して信託受益権を持っている場合の財産的価値は同じです。
②財産的価値が移転すると課税される
家族信託を利用した場合、委託者兼受益者はものから利益を受け取る権利を持っています。
財産を所有している場合から財産を信託して信託受益権を持っている場合になります。
家族信託を利用する前も後も、委託者兼受益者が財産的価値を持っています。
相続税や贈与税は、財産的価値が対価なく移るタイミングで課税されます。
財産的価値が移転しないタイミングに課税はされません。
③家族信託終了で帰属権利者に課税
委託者兼受益者が死亡によって信託が終了した場合、信託財産は信託契約で決められた人が引き継ぎます。
委託者兼受益者が持っていた財産的価値が帰属権利者に引き継がれたと言えます。
信託契約で決められた人に対して相続税が課されます。
④家族信託継続で第2受益者に課税
委託者兼受益者が死亡によって信託が継続する場合、ものから利益を受け取る権利は第2受益者が引き継ぎます。
委託者兼受益者が持っていた財産的価値が第2受益者に引き継がれたと言えます。
第2受益者に対して相続税が課されます。
5家族信託を司法書士に依頼するメリット
高齢化社会が到来したといわれて、多くの方は長生きになりました。
平均寿命は男性も女性も80歳を超して、認知症になる方が多くなりました。
認知症になると、物事のメリットデメリットが充分に判断できなくなります
本人の財産は本人しか処分できないため、本人が判断できなくなると資産が凍結されてしまいます。
たとえ、本人が介護施設入所のためであっても、本人の不動産を勝手に売却することはできません。
たとえ、本人の実の子どもであっても、本人の定期預金を解約することはできません。
一部の金融機関では、本人以外の家族がキャッシュカードを使っていることを確認したら、キャッシュカードを回収しています。
本人の意思確認を重視する流れは、他の金融機関にも広がっていくでしょう。
認知症対策は、本人の判断能力がしっかりしているうちしかできません。
いつか認知症対策をしようではなく、今なら元気だから対策しようが正解です。
認知症になると、本人はもとより家族も困ります。
家族信託は認知症対策として有効です。
自分のためにも家族のためにも認知症対策を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
兄弟姉妹の一人だけ相続放棄
1相続人になる人は法律で決まっている
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は次のとおりです。
①配偶者は必ず相続人になる
②被相続人に子どもがいる場合、子ども
③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
④被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。
これを代襲相続と言います。
相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。
代襲相続ができるのは、相続人になるはずだった人の子どもなど被代襲者の直系卑属だけです。
相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。
被代襲者の子どもなど被代襲者の直系卑属以外は代襲相続ができません。
被代襲者の配偶者も、被代襲者の親などの直系尊属も、被代襲者の兄弟姉妹も、代襲相続ができません。
2先順位の相続人全員が相続放棄をしたら
①配偶者は常に相続人になる
配偶者は必ず相続人になります。
配偶者がいてもいなくても、他の相続人の相続権には関係ありません。
配偶者が相続放棄をしても相続放棄をしなくても、他の相続人が相続人になるかならないかと関係ありません。
②子ども全員が相続放棄をした場合子どもはいないものと扱われる
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
被相続人の子ども全員が相続放棄をした場合、子どもはいないものと扱われます。
子どもが相続放棄をした場合、子どもは相続しません。
子どもが相続放棄をした場合、子どもの子どもが代わりに相続することはありません。
相続放棄は、代襲相続の原因にならないからです。
代襲相続が起きるのは、子どもが被相続人より先に死亡している場合や廃除された場合、欠格の場合です。
③被相続人に子どもがいない場合親などの直系尊属が相続する
被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、親などの直系尊属がいない場合になります。
親などの直系尊属が被相続人より先に死亡した場合であっても、代襲相続は起きません。
被代襲者になれるのは、被相続人の子どもと兄弟姉妹だけだからです。
被相続人の親の他に祖父母がいる場合、親が相続放棄をしたら祖父母が相続人になります。
祖父母が相続人になるのは、代襲相続と関係がありません。
祖父母も直系尊属だから、相続人になります。
直系尊属が複数いる場合、親等が近い人が相続人になります。
親は1親等、祖父母は2親等です。
親が相続人になる場合、祖父母は相続人になりません。
親の方が親等が近いからです。
親が相続放棄をした場合、親は相続人でなくなります。
1親等の人がいない場合になれば、祖父母は相続人になります。
祖父母が相続放棄をする場合、親が相続放棄をしてから手続をします。
親の相続放棄が認められないうちは、祖父母は相続人でないからです。
④子どもも親などの直系尊属もいない場合兄弟姉妹が相続する
子どもも親などの直系尊属もいない場合には、最初から存在しない場合の他に相続放棄をして相続人でなくなった場合を含みます。
⑤兄弟姉妹が被相続人より先に死亡していたら兄弟姉妹の子どもが相続
子どもも親などの直系尊属もいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。
相続人になるはずだった兄弟姉妹が被相続人より先に死亡していた場合、兄弟姉妹の子どもが相続人になります。
兄弟姉妹は被代襲者になるからです。
兄弟姉妹の子どもは、死亡した兄弟姉妹の代襲相続人として相続人になります。
3兄弟姉妹の一人だけ相続放棄ができる
①相続放棄は相続人各自が判断できる
相続放棄は、相続人ひとりひとりが自分の意思で自由に判断できるものです。
相続人は、一人だけ相続放棄をすることができます。
相続放棄をする場合、他の相続人の同意は不要です。
他の相続人が反対していても、一人だけ相続放棄をすることができます。
ときには他の兄弟姉妹が何も知らないところで相続放棄をすることがあります。
相続放棄をすることで一人だけ借金から逃れたとしても、後ろめたく思うことはありません。
②疎遠だからを理由に相続放棄をすることができる
相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
相続放棄の理由で多いのは、「被相続人の借金を引き継ぎたくない」です。
その他でも構いません。
「被相続人や他の相続人と疎遠で、関わりたくない」でも差し支えありません。
被相続人や他の相続人と疎遠な場合、財産状況が分からないことが多いものです。
被相続人に多額の借金があるかもしれません。
被相続人に借金がなくても、第三者の連帯保証人になっているかもしれません。
連帯保証人の地位は、相続の対象になります。
借金や連帯保証人の地位を相続する心配がある場合、安全のため相続放棄をすることができます。
③相続放棄3か月のスタートは知ってから
相続放棄は、原則として、相続があったことを知ってから3か月以内に届出をする必要があります。
相続があったことを知ってからとは、必ずしも、被相続人の死亡してからではありません。
被相続人が死亡した後3か月以上経過してから、相続放棄の届出をして、認められることもあります。
相続放棄ができる3か月以内のスタートは、相続があったことを知ってからだからです。
相続があったことを知らなかった場合、相続放棄ができる3か月がスタートしていません。
相続放棄の届出をしてから、家庭裁判所が相続放棄を認める通知が届くまでおよそ1か月程度かかります。
親などの直系尊属は先順位の子ども全員が相続放棄するまで、相続放棄の届出はできません。
相続放棄の期限3か月が過ぎてしまうのではないかと気が気でないかもしれません。
先順位の子ども全員が相続放棄をしたことを知って自分が相続人であることを知ります。
相続放棄の期限3か月のスタートは知ってからだから、知ってから3か月以内であれば手続をすることができます。
第三順位の兄弟姉妹も同じことです。
第三順位の兄弟姉妹は自分が相続人であることを知るのは、子ども全員が相続放棄をして、次順位の親などの直系尊属全員が相続放棄をした後です。
第三順位の兄弟姉妹は、被相続人が死亡してから3か月以上経過してから自分が相続人であることを知ることになるかもしれません。
相続放棄の期限3か月のスタートは知ってからだから、知ってから3か月以内であれば手続をすることができます。
このポイントは、相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらうことです。
3か月届出ができなかったのは仕方なかったと家庭裁判所が納得できる理由があるときだけは、家庭裁判所も相続放棄を認めてくれるのです。
債権者や市役所などから手紙が来て相続があったことを知った場合、この通知は大切です。
この手紙を見て相続があったことを知ったという証拠になるからです。
4兄弟姉妹が相続放棄をする場合は提出書類がたくさんになる
相続放棄を希望する場合、必要書類を準備して家庭裁判所に申立てをします。
家庭裁判所に提出する申立書のことを相続放棄申述書と言います。
相続放棄申述書に添付する必要書類のうち、次の書類は相続放棄をする人全員共通で必要です。
(1)被相続人の除票
(2)相続放棄する人の戸籍謄本(3か月以内のもの)
(3)収入印紙
(4)裁判所が手続で使う郵便切手
(1)~(4)の書類の他に戸籍謄本が必要です。
必要な戸籍謄本は、被相続人から見てどのような関係の相続人であるかによって異なります。
兄弟姉妹が相続放棄をする場合、必要な戸籍謄本がたくさんになります。
相続放棄ができるのは先順位の相続人がいない場合だけだからです。
兄弟姉妹が相続人になるのは、被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属がいない場合です。
相続人でなければ、相続放棄はできません。
相続放棄をするためには、相続人であることを証明する必要があります。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要です。
被相続人に子どもがいないことを証明するためです。
子どもがいても死亡している場合、死亡した子どもの戸籍も必要です。
死亡した子どもの出生から死亡までの連続した戸籍謄本を準備します。
相続人になるはずだった人の子どもは、代襲相続人になるからです。
子ども全員が相続放棄をした場合、事件番号を伝えれば家庭裁判所で調べてもらえます。
親などの直系尊属がいないことを証明するため、親などの直系尊属の戸籍も必要になります。
兄弟姉妹が相続放棄をする場合、これらの戸籍をすべて提出しなければなりません。
5相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。
相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。
つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。
実は、相続放棄はその相続でチャンスは実質的には1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続放棄は慎重に判断する必要がありますが、いろいろな誤解から利用をためらう人が多いのも事実です。
利用をためらっていると3か月はあっという間です。
相続が発生すると、家族は親戚や知人へ連絡などで悲しみに浸る暇もないくらい忙しくなります。
3か月以内に必要書類を揃えて手続をするのは想像以上にハードルが高いものです。
相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続人が一人だけなのに遺産分割協議書
1遺産分割協議とは
相続が発生した後、相続財産は相続人全員の共有財産になります。
相続人のひとりが勝手に処分することはできません。
相続人全員で相続財産の分け方について話し合いによる合意をして、分け方を決める必要があります。
相続財産の分け方にについて、相続人全員でする話し合いのことを遺産分割協議と言います。
相続財産の分け方にについて、相続人全員で合意ができたら、合意内容を文書に取りまとめます。
相続人全員の合意内容を取りまとめた文書のことを遺産分割協議書と言います。
2相続人一人だけのときは遺産分割協議書不要
①相続人になる人は法律で決まっている
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は次のとおりです。
(1)配偶者は必ず相続人になる
(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども
(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
(4)被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
②相続放棄をした人は相続人でなくなる
相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。
被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。
相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
相続の放棄は被相続人ごとに判断できますから、例えば、父について相続放棄をするが、母について単純承認するでも差し支えありません。
相続の放棄は相続人ごとに判断しますから、例えば、父の相続人ついて長男は相続放棄するが、長女は単純承認するでも差し支えありません。
③相続人が一人だけの場合とは
相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
子ども全員が相続放棄をした場合、子ども全員が相続人でなくなります。
子ども全員が相続人でなくなるから、子どもがいない場合になります。
被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
親などの直系尊属全員が被相続人より先に死亡している場合や相続放棄をした場合、兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹の子どもが相続人になります。
相続人が一人だけの場合とは、他の相続人がいない場合のことです。
相続人と音信不通であっても、相続人が行方不明でも、相続人は相続人です。
他に相続人がいる場合、相続人が一人だけの場合とは言えません。
④相続人が一人だけの場合は当然に全財産を相続する
相続人が複数いる場合、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産は、相続人全員の合意で分け方を決める必要があります。
相続人全員で相続財産の分け方の合意ができた場合、合意内容を文書に取りまとめます。
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を取りまとめた文書です。
相続人が一人だけの場合、相続人は他にいないはずです。
相続財産を共有する他の相続人はいません。
他の相続人と相続財産を共有していないから、財産の分け方の合意は必要ありません。
相続人が一人だけの場合、相続財産を分ける必要がないからです。
財産の分け方の合意が必要ないから、文書に取りまとめる必要もありません。
相続人が一人だけの場合、相続手続にあたって、遺産分割協議書は不要です。
3数次相続で相続人が一人だけになったら
①数次相続とは
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産になります。
共有財産になった相続財産は、相続人全員で話し合いによる分け方の合意が不可欠です。
相続財産の分け方について話し合いがまとまる前に、相続人が死亡して新たな相続が発生することがあります。
最初の相続の手続中に相続人が死亡して、さらに相続が発生した状態を数次相続と言います。
数次相続は、どこまででも続きます。
どこまで続くかについて、法律上の制限はありません。
最初の相続を一次相続、相続人が死亡した相続を二次相続と言います。
二次相続の相続人が死亡すると、三次相続、さらに、四次相続、五次相続という場合もあります。
相続人が死亡して新たな相続が発生することを、まとめて、数次相続と言います。
②相続人が一人だけになったら遺産分割協議ができない
例えば、最初の相続で相続人が配偶者と子どもの場合があります。
最初の相続で相続財産の分け方について話し合いがまとまる前に、相続人が死亡して新たな相続が発生することがあります。
最初の相続の被相続人の配偶者が死亡した場合、配偶者の相続人は子ども一人です。
最初の相続において、配偶者と子どもが相続人です。
相続財産の分け方について話し合いがまとまる前に配偶者が死亡したから、子どもは配偶者の地位を相続しています。
残された子どもには直接の相続人の地位と配偶者の相続人の地位があるから、遺産分割協議ができるように見えます。
最初の相続で、配偶者と子どもは相続財産を共有しています。
次の相続で、配偶者の持分が子どもに帰属したというべきです。
子どもは直接の相続人の地位と配偶者の相続人の地位があることを理由に遺産分割協議をすることはできません。
最初の相続における被相続人名義の不動産は、2回に分けて相続登記を申請します。
配偶者と子どもが共有する登記、配偶者の持分全部移転する登記の2回です。
遺産分割協議をすることができないから、最初の被相続人から子どもへ直接権利移転していないからです。
③遺産分割協議後に相続人が一人だけになったら
相続財産は、相続人全員の合意で分け方を決める必要があります。
相続人全員の合意は、口頭であっても有効です。
相続人全員で相続財産の分け方の合意ができた場合、通常は、合意内容を文書に取りまとめます。
第三者に対して、相続人全員の合意で分け方を決めたことを信用してもらうためです。
相続人全員で相続財産の分け方の合意ができた後、文書に取りまとめる前に、相続人が死亡することがあります。
文書に取りまとめる前に相続人が死亡した場合、相続財産の分け方の合意に影響はありません。
相続人全員の合意事項は、有効です。
例えば、最初の相続において、配偶者と子どもが相続人です。
配偶者と子どもで相続財産の分け方の合意ができた後、文書に取りまとめる前に、配偶者が死亡することがあります。
配偶者と子どもでした合意事項は、配偶者の死亡後も有効です。
子どもは配偶者の死亡後に、口頭の合意内容を文書に取りまとめることができます。
配偶者と子どもで、一人が相続する合意をすることができます。
中間者が一人の場合、直接最終の相続人に相続登記をすることができます。
4数次相続で相続人が一人だけのときの遺産分割協議証明書の書き方
被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
被相続人のの氏名 〇〇 〇〇
被相続人の生年月日 昭和 〇〇年〇〇月〇〇日
被相続人の死亡日 平成〇〇年〇〇月〇〇日
相続人兼被相続人の最後の本籍 □□県□□市□□町□丁目□番地
相続人兼被相続人の最後の住所 □□県□□市□□町□丁目□番□号
相続人兼被相続人のの氏名 □□ □□
相続人兼被相続人の生年月日 昭和 □□年□□月□□日
相続人兼被相続人の死亡日 令和□□年□□月□□日
上記被相続人〇〇〇〇の死亡により開始した相続において、相続人は□□□□及び●●●●である。
平成〇〇年〇〇月〇〇日、相続人□□□□及び●●●●が行った遺産分割協議の内容は下記のとおりであることを証明する。
1. 相続財産中、次の不動産については、相続人●●●●が相続する。
(省略)
令和〇〇年〇〇月〇〇日
住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
〇〇〇〇の相続人兼〇〇〇〇の相続人□□□□の相続人
●●●● 実印
5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
相続手続先に必要書類を尋ねると、遺産分割協議書が必要ですと一方的に言われることも少なくありません。
相続人が一人だけであれば、合意は必要ありません。
相続人が一人だけのことは、あまり多くないからです。
相続人が一人だけと思い込んでいるだけで、戸籍謄本で相続人調査をすると見知らぬ相続人が見つかることがあります。
相続人が一人だけと思い込んでいるだけで、単に疎遠な相続人であるだけのケースがあります。
相続人が一人だけと思い込んでいるだけで、音信不通であるだけのケースがあります。
行方不明であっても疎遠であっても、相続人は相続人です。
複数の相続人がいる場合、遺産分割協議書が必要になります。
数次相続が発生したために相続人が一人になった場合、よく事情を確認しないと適切な相続手続はできなくなります。
遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続放棄の確認方法
1相続放棄を認めたら家庭裁判所は相続放棄申述受理通知書を送る
①家庭裁判所は本人にだけ通知する
被相続人が多額の借金を残して死亡したとき、相続人は相続放棄をするでしょう。
家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、本人に相続放棄申述受理通知書を送ります。
家庭裁判所は自主的に他の人に通知しません。
②相続放棄をしても次順位の相続人に通知されない
家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、本人に相続放棄申述受理通知書を送ります。
家庭裁判所は自主的に次順位の相続人に通知しません。
例えば、被相続人の子どもが相続放棄をする場合、次の書類を提出します。
(1)被相続人の除票
(2)相続放棄する人の戸籍謄本(3か月以内のもの)
(3)収入印紙
(4)裁判所が手続で使う郵便切手
(5)被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本
被相続人の戸籍謄本は、死亡の記載があるもののみ提出します。
家庭裁判所は、被相続人に子どもが何人いるのか分かりません。
次順位の相続人がだれなのか分かりません。
他に子どもがいるのかいないのか分からないから、家庭裁判所は通知できません。
次順位の相続人がだれなのか家庭裁判所が自発的に調査することもありません。
③相続放棄をしても次順位の相続人に通知する義務はない
相続放棄をすると相続人でなくなります。
相続放棄をして相続人でなくなったことを他の相続人に知らせる義務はありません。
相続人同士が疎遠な場合、他の相続人の連絡先を知らないことがあります。
相続財産の分け方を決める話し合いにも参加する必要はありません。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意が不可欠です。
相続放棄をしたのか相続を承認したのかはっきりしないと、他の相続人はとても困ります。
相続人全員の合意がないと、相続財産の分け方を決めることができないからです。
④相続放棄をしても債権者に通知されない
家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、本人に相続放棄申述受理通知書を送ります。
家庭裁判所は自主的に債権者に通知しません。
相続放棄で提出する書類は、先に説明したとおりです。
提出書類には、債権者名簿など債権者がだれなのか分かるような書類はありません。
家庭裁判所は、債権者がだれなのか分かりません。
債権者がだれなのか分からないから、家庭裁判所は通知できません。
債権者がだれなのか家庭裁判所が自発的に調査することもありません。
⑤相続放棄をしても債権者に通知する義務はない
相続放棄をすると相続人でなくなります。
相続放棄をして相続人でなくなったことを債権者に知らせる義務はありません。
被相続人があちこちから借金をしていた場合、相続人が借入先を把握しきれないことがあります。
借入先をすべて調査するまでもなく明らかに莫大な借金がある場合、相続放棄を決断します。
相続放棄をしたのか相続を承認したのかはっきりしないと、債権者はとても困ります。
だれに被相続人の借金の返済を求めればいいか分からないからです。
⑥相続放棄をしても戸籍に記載されない
家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、本人に相続放棄申述受理通知書を送ります。
家庭裁判所は自主的に市区町村役場に通知しません。
相続放棄をしたら市区町村役場に届出をするルールはありません。
市区町村役場には、だれが相続放棄をしたのか単純承認をしたのか情報がありません。
相続放棄をした場合、戸籍に記載されることはありません。
2相続放棄申述受理証明書を発行してもらうことができる
①相続放棄申述受理証明書を発行してもらうには申請が必要
家庭裁判所は相続放棄を認めた場合、本人にだけ通知をします。
債権者や他の相続人などに、自発的に連絡することはありません。
債権者などに見せるため、家庭裁判所で相続放棄を認めてもらったことを証明してもらうことができます。
相続放棄申述受理証明書は、自動的に送られることはありません。
家庭裁判所に対して、手数料を払って証明書を作ってくださいと申請する必要があります。
相続放棄申述受理証明申請書は、家庭裁判所のホームページからダウンロードすることができます。
家庭裁判所によっては、相続放棄申述受理通知書と一緒に、送られてくることもあります。
手数料を払って手続をすれば何枚でも発行してくれるし、再発行もしてくれます。
②相続放棄をした本人が申請する場合
相続放棄申述受理証明申請書に添付する書類は、次のとおりです。
(1)本人確認書類 (運転免許証やマイナンバーカード) のコピー
相続放棄申述受理証明申請の手数料は1通につき、150円です。
手数料は、申請書に収入印紙を貼り付けて納付します。
収入印紙は家庭裁判所で消印を押します。
申請する人は、貼り付けるだけで消印は押しません。
相続放棄申述受理証明申請書は、家庭裁判所まで出向いて提出することもできるし、郵送で提出することもできます。
返信用の封筒に住所と宛名を記載して、郵便切手を一緒に提出すると、郵便で送り返してくれます。
③他の相続人が申請する場合
相続放棄申述受理証明申請書に添付する書類は、次のとおりです。
(1)本人確認書類 (運転免許証やマイナンバーカード) のコピー
(2)被相続人死亡の記載のある戸籍謄本
(3)申請する人の戸籍謄本
手数料は本人が申請する場合と一緒です。
(2)と(3)の戸籍謄本は多くの場合、希望すれば原本還付してくれます。
家庭裁判所によっては、最初からコピーを提出するだけでよい場合もあります。
すでに相続放棄をした人が、同じ被相続人について、相続放棄した他の人の相続放棄申述受理証明申請をすることはできません。
すでに相続放棄をした人は、相続人でなくなります。
相続人でないから、他の相続人が相続放棄をしていても相続放棄をしていなくても関係ありません。
利害関係がない人は、相続放棄申述受理証明申請をすることができないからです。
各自、相続放棄申述受理証明申請をしましょう。
④債権者が申請する場合
相続放棄申述受理証明申請書に添付する書類は、次のとおりです。
(1)本人確認書類 (運転免許証やマイナンバーカード) のコピー
(2)被相続人死亡の記載のある戸籍謄本
(3)金銭消費貸借契約などの債権者であることが分かる書類
(4)法人の場合、資格証明書
相続放棄申述受理証明申請をしてから、証明書が送られるまでに半月から1か月ほどかかります。
3相続放棄申述の有無の照会ができる
相続放棄申述受理証明申請書には、事件番号や受理年月日の記載が必要です。
事件番号や受理年月日は、相続放棄申述受理通知書に記載されています。
相続放棄をした相続人の協力が得られるのであれば、相続放棄申述受理通知書を見せてもらうといいでしょう。
今までの関係性から話しにくいことがあります。
相続放棄をしたかどうかを家庭裁判所に質問することができます。
相続放棄をしたかどうかを家庭裁判所に質問する制度のことを、相続放棄申述の有無の照会と言います。
事件番号や受理年月日が分からない場合、相続放棄申述の有無の照会をすると回答してもらえます。
相続放棄申述の有無の照会をする先の家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
家庭裁判所の管轄は裁判所のホームページで調べることができます。
相続放棄申述の有無の照会ができるのは、次の人です。
①同順位や次順位の相続人
②被相続人の債権者などの利害関係人
相続放棄申述の有無の照会申請書に添付する書類は、次のとおりです。
①被相続人死亡の戸籍謄本
②被相続人死亡の住民票か戸籍の附票
③照会者の身分証明書
④照会者が相続人の場合、相続人の戸籍謄本
⑤照会者が債権者などの場合、借用書や契約書
相続放棄申述の有無の照会申請書は、直接、出向いて提出してもいいし、郵便で送っても差し支えありません。
届出の書き方や提出書類が心配な方は、出向いて裁判所の受付で目を通してもらうと安心です。
返信用の封筒と切手を同封しておくと、郵送で回答してもらえます。
相続放棄申述の有無の照会に手数料はかかりません。
相続放棄申述の有無の照会申請書を提出してから、回答がされるまでにはおおむね半月ほどかかります。
照会の対象となる期間は、家庭裁判所によって異なります。
多くの家庭裁判所では、被相続人の死亡後3か月、先順位の相続人が相続放棄を認められてから3か月です。
ときには被相続人の死亡後長期間経過してから、相続があったことを知る場合があります。
相続があったことを知ってから3か月以内であれば相続放棄の申立てをすることができるはずです。
家庭裁判所によっては、熟慮期間経過後に相続放棄の申立てをしていた人が見落とされる可能性があります。
4自分が相続人であることが判明したら
①知ってから3か月以内は相続放棄ができる
相続放棄申述の有無の照会で、先順位の相続人が相続放棄をしたことが判明する場合があります。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをしなければなりません。
この届出の期限は、原則として、相続があったことを知ってから3か月以内です。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
3か月以内に戸籍や住民票などの必要書類を揃えて管轄の家庭裁判所に提出しなければなりません。
②単純承認をするなら相続手続をする
単純承認をする場合、相続手続をすることになります。
遺言書がない場合、相続財産の分け方は相続人全員の合意が必要です。
他の相続人と協力して相続手続を進める必要があります。
5相続放棄申述受理証明申請を司法書士に依頼するメリット
相続放棄が家庭裁判所で認められると、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届きます。
家庭裁判所は相続放棄を認めた場合、本人に通知をします。
自主的に他の相続人や債権者などに連絡することはありません。
役所や法務局なども例外ではありません。
相続放棄をした人がいる場合、相続放棄をしたので相続人ではありませんと証明する必要があります。
相続放棄申述受理通知書で足りる場合がほとんどですが、時々、相続放棄申述受理証明書が必要になります。
司法書士は、このような家庭裁判所に対する書類作成もサポートしております。
相続放棄や相続放棄申述受理証明書でお困りの方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
家族信託の受益者が死亡
1家族信託とは
所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。
だから、所有権は、自由にものを売る権利であるし、自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。
所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体といえます。
たくさんの権利の集合体である所有権から、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みを家族のための信託といいます。
この仕組みを利用すると、信頼できる家族は自由にものを売ることができるし、自由に管理することができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を渡す相手は信頼できる家族であればよく、親子でなくても差し支えありません。
2家族信託の受益者が死亡したら
①受益者の死亡時に信託を終了させることができる
家族信託は、本人と信頼できる家族との間でする契約です。
信託契約をした後、家族信託を永久に続けることはできません。
どのようなときに信託を終了させるのか、信託契約の中で決めておきます。
家族信託の終了事由は、家族信託の目的に応じて考えます。
例えば、本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用する場合があります。
本人が認知症になった場合、資産が凍結されるリスクがあります。
認知症になると、物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなるからです。
物事のメリットデメリットを充分に判断できない状態では、契約などの法律行為ができなくなります。
資産が凍結されるとは、不動産の売却などができなくなるという意味です。
本人が認知症になったことを銀行などの金融機関が知った場合、銀行口座を凍結します。
口座が凍結すると、入出金や引き落としができなくなります。
本人が認知症になった場合でも、資産が凍結されないようにするためには家族信託が有効です。
認知症リスクに備えるために家族信託をするのであれば、本人の死亡で家族信託を終了させるといいでしょう。
本人の死亡後には、家族信託を続ける意味はないからです。
本人が生きているうちに家族信託を終了させると、認知症リスクに対して対策がないことになります。
②受益者が死亡しても信託を継続させることができる
どのようなときに信託を終了させるのか、信託契約の中で決めておくことができます。
家族信託の終了事由は、家族信託の目的に応じて考えます。
家族信託を利用するのは、本人の認知症リスクに備えるためだけではありません。
例えば、先祖伝来の土地を自分の血縁関係がある人に引き継いでもらいたい場合に、家族信託は有効です。
遺言書では、自分の次に引き継ぐ人を指定することができます。
自分の後に引き継いだ人が次にだれに引き継ぐかを指定することはできません。
自分の後に引き継いだ人が決めることだからです。
家族信託では、信託契約で次の人だけでなく次の次に引き継ぐ人を決めておくことができます。
最初の受益者が死亡した後も、信託は終了しません。
信託を継続させて、次の人、次の次の人に引き継ぎます。
先祖伝来の土地を血縁関係がある人に引き継いでもらいたいのが、信託目的だからです。
期間の制限がありますが、長期間に渡って信託を続けることができます。
信託契約でどのような信託にするのか決めておくことが重要です。
家族信託は柔軟な設計ができるからこそ、いろいろなことを考えて設計することが大切です。
3家族信託が終了したときの信託財産の行方
①信託契約で決められた人が引き継ぐ
信託が終了した場合、残った信託財産をだれが引き継ぐのか決めておくことができます。
家族信託の受益者と同じ人でも異なる人でも構いません。
本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用した場合、本人の死亡によって家族信託を終了させることが一般的です。
信託契約で信託財産の行き先を決めてあると、財産の引き継ぎでトラブルになることが減ります。
本人の死亡によって家族信託を終了させる場合、家族信託は実質的に相続トラブルへの対策になります。
家族信託は本人の認知症リスクに備えるために利用することができるから、遺言書より話がしやすくなります。
②委託者またはその相続人が引き継ぐ
信託が終了した場合、残った信託財産をだれが引き継ぐのか決めておくことができます。
信託契約で決められた人がご辞退することがあります。
信託契約で残った信託財産を引き継ぐ人を決めていない場合やご辞退された場合、委託者またはその相続人が引き継ぎます。
信託法の定めによって引き継ぐ人が決まるものです。
③清算受託者が引き継ぐ
信託契約で残った信託財産を引き継ぐ人を決めていない場合やご辞退された場合で、かつ、委託者もその相続人も不在の場合、清算受託者が引き継ぎます。
清算受託者は、信託法の定めによって引き継ぎます。
相続放棄のように、放棄することはできません。
4家族信託が継続するときの信託財産の行方
①受益者死亡で受益権が消滅し次の受益者が受益権を取得する
信託契約において、受益者が死亡しても信託は継続するように設計することができます。
受益者が死亡しても信託は継続する場合、信託契約で次の受益者を決めておくといいでしょう。
信託契約で受益者死亡により受益権が消滅すると決められている場合、受益権は相続財産になりません。
受益権は、信託契約の定めに従って引き継ぐものです。
受益権は相続財産ではないし、受益権の引き継ぎも相続ではありません。
相続ではないけど、財産の額によっては相続税の対象になります。
次の受益者は、相続人であることも相続人以外であることもあります。
信託契約で受益者が決められた場合、当然に受益者になります。
②受益者死亡で相続人が受益権を相続する
信託契約において、受益者が死亡しても信託は継続するように設計することができます。
受益者が死亡しても、信託は終了しません。
信託契約で受益者死亡により受益権が消滅すると決められていない場合、受益権は相続財産になります。
受益者が遺言書を作っていた場合、遺言書で受益権をだれが相続するのか指定することができます。
遺言書の書き方によっては、受益権をだれが相続するのか指定されたと解釈されるかもしれません。
遺言書の書き直しを考える必要があるかもしれません。
遺言書による指定がない場合、受益者の相続人全員の共有財産になります。
相続人全員の話し合いによる合意によって、受益権の分け方を決めなければなりません。
5受託者=受益者で1年経過すると信託は終了する
家族信託は、委託者の意思の実現のために利用されます。
受託者は、委託者の意思を実現させる人です。
委託者の意思を実現させ、受益者が利益を受け取ります。
受託者が受託者の利益のために、財産管理をするはずです。
受託者が受益権の全部を固有の財産で有する場合、受託者は自分の利益のために財産管理をすることになります。
受託者は自分の利益のために財産管理をするのであれば、所有権を移したのと同じです。
わざわざ信託を存続させる意味がなくなります。
信託を存続させる意味がないまま1年間継続した場合、家族信託は当然に終了になります。
信託を継続させたい場合、信託を終了させないための対策が必要です。
受託者が受益権の全部を固有の財産で有する場合に備えて、あらかじめ次の受託者を決めておくことができます。
6家族信託を司法書士に依頼するメリット
高齢化社会が到来したといわれて、多くの方は長生きになりました。
平均寿命は男性も女性も80歳を超して、認知症になる方が多くなりました。
認知症になると、物事のメリットデメリットが充分に判断できなくなります
本人の財産は本人しか処分できないため、本人が判断できなくなると資産が凍結されてしまいます。
たとえ、本人が介護施設入所のためであっても、本人の不動産を勝手に売却することはできません。
たとえ、本人の実の子どもであっても、本人の定期預金を解約することはできません。
一部の金融機関では、本人以外の家族がキャッシュカードを使っていることを確認したら、キャッシュカードを回収しています。
本人の意思確認を重視する流れは、他の金融機関にも広がっていくでしょう。
認知症対策は、本人の判断能力がしっかりしているうちしかできません。
いつか認知症対策をしようではなく、今なら元気だから対策しようが正解です。
認知症になると、本人はもとより家族も困ります。
家族信託は認知症対策として有効です。
自分のためにも家族のためにも認知症対策を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
失踪宣告がされてから相続放棄
1失踪宣告とは
①失踪宣告がされると行方不明の人は死亡と見なされる
相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。
条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。
失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。
失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。
死亡した取り扱いをしますから、失踪宣告がされた人に相続が発生します。
失踪宣告には、普通失踪と特別失踪の2種類があります。
②普通失踪とは
普通失踪とは、行方不明の人について7年間生死不明の場合、申立てができるものです。
普通失踪の申立てをした場合、失踪宣告がされるまでおよそ3か月以上かかります。
家庭裁判所の状況や事件の内容によっては、1年ほどかかる場合もあります。
生死不明になってから7年間経過したときに、死亡したものと見なされます。
③特別失踪(危難失踪)とは
特別失踪とは、「戦地に行った者」「沈没した船舶に乗っていた者」「その他死亡の原因となる災難に遭遇した者」を対象にする失踪宣告です。
危難が去ってから1年間生死不明の場合、申立てができます。
特別失踪の申立てをした場合、失踪宣告がされるまでおよそ1か月以上かかります。
危難が去ったときに、死亡したものと見なされます。
④失踪宣告後生きていることが分かったら失踪宣告の取消
失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。
失踪宣告がされたら、たとえ生きていても死亡した取り扱いがされます。
行方不明の人に失踪宣告がされた後、本人が帰ってくることがあります。
失踪宣告がされた後、生きていることが分かった場合、失踪宣告を取り消してもらいます。
失踪宣告した日と違う日に死亡していたことが判明する場合があります。
失踪宣告がされた後、失踪宣告した日と違う日に死亡していたことが分かった場合、失踪宣告を取り消してもらいます。
失踪宣告をするときも失踪宣告を取り消すときも、家庭裁判所の関与が必要です。
失踪宣告は、死亡したと扱う重大な手続だからです。
2失踪宣告がされると相続が開始する
失踪宣告されたら、行方不明の人は死亡した取り扱いをします。
失踪宣告された人は、死亡した取り扱いなので相続が開始します。
失踪宣告された人を被相続人として相続手続をします。
相続が発生した日は、失踪宣告の申立てをした日ではありません。
失踪宣告で死亡と見なされた日です。
普通失踪では、生死不明になってから7年間経過したときに、死亡したものと見なされます。
特別失踪では、危難が去ったときに、死亡したものと見なされます。
生死不明になってから相当長期間経過した後に失踪宣告の申立てをすることがあります。
失踪宣告の申立てをしてから失踪宣告の審判が確定するまでに、およそ1年程度かかります。
だれが相続人になるのかよく確認することが重要です。
3行方不明のままでは相続放棄ができない
家族が莫大な借金を抱えたまま音信不通になることがあります。
莫大な借金を抱えて行方不明になった場合、いつか自分が借金を引き継いでしまうのではないか不安になるかもしれません。
行方不明の人に莫大な借金があったとしても、家族が相続放棄をすることはできません。
行方不明の人は、生きていると判断されるからです。
相続放棄をすることができるのは、相続人だけです。
行方不明であるだけで生きているから、相続が発生していません。
家庭裁判所に相続放棄の申立てを提出しても、受け付けてもらえません。
被相続人の生前に相続放棄をすることはできないからです。
4失踪宣告がされたら相続放棄ができる
①失踪宣告の審判の確定証明書を取得する
失踪宣告の審判がされたら、家庭裁判所から審判書謄本が届きます。
審判書が届いても、審判が確定するわけではありません。
失踪宣告の審判がされた後、2週間は不服を言う人が現れるかもしれないからです。
なにごともなく2週間経過すると失踪宣告の審判は確定します。
確定しても何も連絡はありません。
2週間経過後に家庭裁判所に申請をすれば、確定証明書を取得することができます。
②失踪宣告の審判が確定したら市区町村役場に失踪届
失踪宣告の審判が確定した後、家庭裁判所から市区町村役場にも連絡がされることはありません。
審判が確定した後、審判書謄本と確定証明書を添えて10日以内に市区町村役場に届出が必要です。
市区町村役場に届出をして、はじめて戸籍に記載がされます。
相続放棄の手続では、失踪宣告の記載のある戸籍が必要になりますから、届出をしないと手続が進まなくなります。
③相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから
相続放棄の申立ての期限は、原則として、相続があったことを知ってから3か月以内です。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
被相続人に失踪宣告がされたため相続が開始した場合、相続が開始した日は死亡と見なされた日です。
死亡と見なされた日に相続があったことを知ることはないでしょう。
普通失踪では、生死不明になってから7年間経過したときに、死亡したものと見なされます。
失踪宣告の申立ては、生死不明になってから相当長期間経過した後に出されることが多いです。
生死不明になってから10年以上経過してから失踪宣告の申立てが出された場合、生死不明になってから7年間経過したときに死亡したものと見なされます。
失踪宣告の申立をした人には、失踪宣告の審判書謄本が届きます。
失踪宣告の審判書謄本が届いても、相続があったことを知ったとは言えません。
失踪宣告の審判がされた後、2週間は不服を言う人が現れるかもしれないからです。
なにごともなく2週間経過すると失踪宣告の審判は確定します。
失踪宣告の審判が確定して、はじめて、相続があったことを知ったとは言えます。
相続があったことを知った時から、相続放棄の期限3か月がスタートします。
他の相続人は、失踪宣告の申立てをした人から失踪宣告があったことを聞くことになるでしょう。
時には戸籍謄本の記載を見て失踪宣告があったことを知るかもしれません。
失踪宣告があったことを知った時から、相続放棄の期限3か月がスタートします。
5認定死亡がされたときも相続放棄ができる
①認定死亡とは
人が死亡した場合、通常、医師が死亡の確認をします。
海難事故や震災などで死亡は確実であっても遺体を確認できない場合があります。
遺体が見つからない場合、医師が死亡の確認をすることができません。
海難事故や震災などで死亡が確実の場合、行政機関が市町村長に対して死亡の報告をします。
死亡の報告によって死亡が認定され、戸籍に記載がされます。
行政機関が市町村長に対して死亡の報告をしたら、戸籍上も死亡と扱う制度が認定死亡です。
事実上、死亡の推定が認められます。
認定死亡により、相続が開始します。
②認定死亡がされたときは相続が開始する
認定死亡の場合、死亡が確実であっても死亡日が分からないことがほとんどです。
推定令和○年○月○日死亡
推定令和○年○月○日頃死亡
令和○年○月○日から同月○日の間死亡
年月日不詳
戸籍を確認した場合に、上記のような記載がされている場合があります。
このような記載であっても、相続が開始しますから相続手続をすることができます。
相続放棄の申立てをする場合も、戸籍のとおり記載すれば構いません。
6生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
相続が発生した後、相続手続を進めたいのに行方不明の相続人や長期間行方不明で生死不明の相続人がいて困っている人はたくさんいます。
自分たちで手続しようとして挫折する方も少なくありません。
失踪宣告の申立など家庭裁判所に手続きが必要になる場合など通常ではあまり聞かない手続になると専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。
信託銀行などは、高額な手数料で相続手続を代行しています。
被相続人が生前、相続人のためを思って、高額な費用を払っておいても、信託銀行はこのような手間のかかる手続を投げ出して知識のない遺族を困らせます。
知識のない相続人が困らないように高額でも費用を払ってくれたはずなのに、これでは意味がありません。
税金の専門家なども対応できず、困っている遺族はどうしていいか分からないまま途方に暮れてしまいます。
裁判所に提出する書類作成は司法書士の専門分野です。
途方に暮れた相続人をサポートして相続手続を進めることができます。
自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
家族信託の委託者が死亡
1家族信託とは
所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。
だから、所有権は、自由にものを売る権利であるし、自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。
所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体といえます。
たくさんの権利の集合体である所有権から、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みを家族のための信託といいます。
この仕組みを利用すると、信頼できる家族は自由にものを売ることができるし、自由に管理することができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を渡す相手は信頼できる家族であればよく、親子でなくても差し支えありません。
2家族信託の終了事由は信託契約で決めておく
家族信託は、本人と信頼できる家族との間でする契約です。
信託契約をした後、家族信託を永久に続けることはできません。
どのようなときに信託を終了させるのか、信託契約の中で決めておきます。
家族信託の終了事由は、家族信託の目的に応じて考えます。
認知症リスクに備えるために家族信託をするのであれば、本人の生活の安定と福祉のためが信託目的でしょう。
本人が認知症になった場合、資産が凍結されるリスクがあります。
認知症になると、物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなるからです。
物事のメリットデメリットを充分に判断できない状態では、契約などの法律行為ができなくなります。
資産が凍結されるとは、不動産の売却などができなくなるという意味です。
本人が認知症になったことを銀行などの金融機関が知った場合、銀行口座を凍結します。
口座が凍結すると、入出金や引き落としができなくなります。
本人が認知症になった場合でも、資産が凍結されないようにするためには家族信託が有効です。
認知症リスクに備えるために家族信託をするのであれば、本人の死亡で家族信託を終了させるといいでしょう。
本人の死亡後には、家族信託を続ける意味はないからです。
本人が生きているうちに家族信託を終了させると、認知症リスクに対して対策がないことになります。
本人の生存中から死亡後の財産管理のために家族信託をするのであれば、本人が死亡しても家族信託を続けるのがいいでしょう。
家族信託を利用する場合、どのような目的で利用するのか家族みんなでよく話し合いましょう。
3家族信託の委託者の死亡で信託を終了させることができる
家族信託の委託者が死亡した場合、原則として、信託は終了しません。
本人の認知症リスクに備えるために家族信託をするのであれば、本人の生前の財産管理が信託目的でしょう。
委託者兼受益者の死亡後には、家族信託を続ける意味はありません。
委託者兼受益者の死亡で、家族信託を終了させるといいでしょう。
あらかじめ信託契約で、委託者兼受益者の死亡で信託を終了させることを定めておきます。
4家族信託の委託者の死亡しても信託を継続させることができる
家族信託の委託者が死亡した場合、原則として、信託は終了しません。
家族信託を利用するのは、本人の認知症リスクに備えるためだけではありません。
例えば、先祖伝来の土地を自分の血縁関係がある人に引き継いでもらいたい場合に、家族信託は有効です。
遺言書では、自分の次に引き継ぐ人を指定することができます。
自分の後に引き継いだ人が次にだれに引き継ぐかを指定することはできません。
自分の後に引き継いだ人が決めることだからです。
家族信託では、信託契約で次の人だけでなく次の次に引き継ぐ人を決めておくことができます。
最初の委託者兼受益者が死亡した後も、信託は継続させることができます。
信託を継続させて、次の人、次の次の人に引き継ぎます。
先祖伝来の土地を血縁関係がある人に引き継いでもらいたいのが、信託目的だからです。
期間の制限がありますが、長期間に渡って信託を続けることができます。
信託契約でどのような信託にするのか決めておくことが重要です。
家族信託は柔軟な設計ができるからこそ、いろいろなことを考えて設計することが大切です。
5委託者の地位は受益者の地位と一緒に移転するのがおすすめ
①委託者の地位は相続できるのが原則
家族信託において、委託者は自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡した人です。
委託者は信託契約の当事者だから、信託財産が適切に運用管理されているか見守る権利があります。
例えば、信託を見守る権利には、次のような権利があります
(1)信託事務の処理の状況等を報告してもらう権利
(2)受託者や受益者代理人の辞任に対する受益者との同意権
(3)受益者と一緒に合意して受託者や受益者代理人を解任する権利
(4)受益者と一緒に合意して新受託者や新受益者代理人を選任する権利
(5)裁判所に対する受託者や受益者代理人を解任してもらうための申立権
(6)裁判所に対する信託変更の申立権
(7)裁判所に対する信託終了の申立権
(8)受益者と一緒に合意して信託終了する権利
これらの権利は、委託者の権利です。
委託者が死亡した場合、相続の対象になります。
②家族信託の運営には委託者と受託者と受益者の協力が必須
家族信託は、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みです。
家族信託を設定する場合、委託者は受益者で、受託者は信頼できる家族です。
委託者と受託者と受益者の協力ができているから、問題が起こることはないでしょう。
委託者の地位が相続された場合、家族信託の運営に協力的でない相続人が現れる可能性があります。
家族信託において利益を得ていない相続人がいる場合、家族信託に協力してもらえないからです。
家族信託は、設計によっては長期間に渡って信託を継続させることがあります。
家族信託を設定したときに最善であったことが、不都合になる場合があります。
長期間経過する間に、信託契約を変更した方がよくなることがあります。
信託契約を変更する場合、委託者と受託者と受益者の合意が必要です。
信託の円滑な運用のため、委託者と受託者と受益者の協力が欠かせません。
委託者の地位を相続した相続人が協力しない場合、信託の運営に支障をきたすことになります。
③信託契約で委託者の地位の移転先を決めておく
委託者と受託者と受益者の協力があってこそ、信託の円滑な運用ができると言えます。
信託の円滑な運用のため、信託契約の中で委託者の地位の移転に関する定めを置くことができます。
委託者の地位の移転に関する定めにおいて、委託者の地位を相続させず受益者の地位と一緒に移転させるといいでしょう。
最初の委託者が死亡した後、次の委託者兼次の受益者になります。
受託者は、委託者兼受益者を協力して信託を運営すればよくなります。
④委託者と受益者の地位を一緒に移転させると登録免許税が軽減される
信託が終了した場合、信託財産は帰属権利者に帰属します。
信託が継続中、信託財産である不動産は受託者の名義になっています。
信託が終了した場合、帰属権利者に名義変更をします。
帰属権利者に名義変更をする場合、登録免許税がかかります。
帰属権利者に名義変更をするときの登録免許税は、原則として、固定資産税評価額の1000分の20です。
一定の条件を満たした場合、登録免許税が固定資産税評価額の1000分の4になります。
登録免許税が軽くなる条件は、次のとおりです。
(1)信託財産は受益者が取得する
(2)信託が始まった時から委託者のみが受益者
(3) 信託財産を取得する受益者は、最初の委託者の相続人
信託が終了した場合、信託を清算します。
信託清算中、帰属権利者は受益者とみなされます。
信託終了時のため名義変更する場合、(1)は条件にあてはまります。
委託者と受益者の地位を一緒に移転させる場合、(2) は条件にあてはまります。
委託者の地位を相続させず受益者の地位と一緒に移転させる場合、登録免許税の軽減を受けることができます。
6家族信託を司法書士に依頼するメリット
高齢化社会が到来したといわれて、多くの方は長生きになりました。
平均寿命は男性も女性も80歳を超して、認知症になる方が多くなりました。
認知症になると、物事のメリットデメリットが充分に判断できなくなります
本人の財産は本人しか処分できないため、本人が判断できなくなると資産が凍結されてしまいます。
認知症対策は、本人が元気なときしかすることができません。
いつか認知症対策をしようではなく、今なら元気だから対策しようが正解です。
資産が凍結されてしまうと、家族であっても使うことができなくなります。
家族信託は、認知症対策として有効です。
柔軟な設計ができることから、本人と家族が検討しておくことがたくさんあります。
家族信託自体の知名度も低いことから、制度の理解が難しいかもしれません。
まずは、1歩を踏み出すために、司法書士などの専門家の話を聞くといいでしょう。
自分のためにも家族のためにも認知症対策を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
死亡した人名義で相続登記
1死亡した人名義で相続登記ができる
不動産を相続する人が決まったら、不動産の名義を書き換えます。
この不動産の名義の書き換えのことを相続登記と言います。
名義の書き換えをしないまま先延ばしをしているうちに、不動産を相続する人が死亡してしまう場合があります。
不動産を相続する人が死亡してしまった場合、相続登記ができなくなることはありません。
不動産を相続する人が死亡してしまった場合でも、相続登記をすることができます。
不動産を複数の相続人が共有して相続する場合があります。
共有する相続人のうち一部の相続人が死亡してしまう場合があります。
不動産を相続する人のうち一部の相続人が死亡してしまった場合でも、相続登記をすることができます。
不動産を相続する人が死亡してしまった場合、相続登記ができなくなることはないからです。
死亡した人名義の相続登記について、どこかしら不思議な気持ちになるかもしれません。
登記は、権利の変動の過程を忠実に反映させる制度です。
生前に不動産を相続したのだから、相続した事実を登記することができます。
権利の変動の過程を忠実に反映させるから、登記制度を信頼することができます。
不動産を複数の相続人が共有して相続する場合、一部の相続人が死亡してしまったときも同じことです。
生前に不動産を相続したのだから、相続した事実を登記することができます。
登記申請をしたときにはすでに死亡してしまっているけれど、生前に相続した事実を登記することができます。
生前に共有していたから、共有していたことを登記することができます。
死亡した人と生きている人が共有している相続登記になりますが、このような登記も有効です。
2相続手続中に相続人が死亡すると手続が複雑になる
①遺産分割協議中に相続人が死亡した場合
相続人は被相続人の権利義務を受け継ぎます。
死亡した相続人が最初の相続について単純承認をした場合、単純承認した地位を受け継ぎます。
死亡した相続人の相続について、単純承認をすることも相続放棄をすることもできます。
死亡した相続人の相続人は相続放棄をする場合、家庭裁判所に手続をする必要があります。
単純承認をする場合、最初の相続について遺産分割協議に参加します。
遺産分割協議書は、死亡した相続人の相続人が押印し、印鑑証明書を添付します。
相続人の肩書は、最初の相続の相続人は「相続人」、死亡した相続人の相続人は「相続人兼被相続人〇〇〇の相続人」と分かりやすく明記します。
②遺産分割協議書に押印し印鑑証明書を添付した後、相続人が死亡した場合
死亡した相続人が押印した遺産分割協議書を使って相続登記をすることができます。
死亡した相続人が生前に取得した印鑑証明書も使うことができます。
相続登記において印鑑証明書は有効期限はありません。
何十年も前の古いものでも差し支えありません
③遺産分割協議書に押印し印鑑証明書を取得せず、死亡した場合
人が死亡した場合、役所に死亡届を提出します。
死亡届を提出すると、戸籍と住民票に死亡したことが記載されます。
住民票と印鑑登録は連動していますから、同時に印鑑登録が抹消されます。
印鑑登録が抹消されると、印鑑証明書は取得できなくなります。
このような場合、死亡した相続人の相続人が上申書を提出します。
「別紙、遺産分割協議書に記載のとおり、被相続人〇〇の遺産分割協議が成立していることを証明する。」といった内容です。
上申書に死亡した相続人の相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。
この上申書は、単なる事実の証明です。
相続人同士の交渉や話し合いではありません。
死亡した相続人の相続人に、親権者と未成年者がいても、利益相反にはなりません。
死亡した相続人の相続人に未成年者がいても、相続人の相続人である親権者が代理することができます。
利益相反とは、親権者がトクすると、未成年者がソンする関係のことです。
単なる事実の証明だから、誰かがソンするとかトクするとかいう話ではないのです。
親権者は未成年者を代理できますから、家庭裁判所に特別代理人選任の申立は必要ありません。
④遺産分割協議に合意はしたが、遺産分割協議書を作る前に相続人が死亡した場合
遺産分割協議は成立していますから、やり直しは必要ありません。
遺産分割協議書に取りまとめる前に死亡したので、死亡した相続人の相続人全員が上申書を提出します。
「別紙、遺産分割協議書に記載のとおり、被相続人〇〇の遺産分割協議が成立していることを証明する。」といった内容です。
上申書に死亡した相続人の相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。
3途中の相続人がひとりの場合は直接最終の相続人に相続登記ができる
登記はそれぞれの原因ごとに分けて申請するのが原則です。
権利が移っていった過程もきちんと記録されなければならないからです。
売買などで、A→Bの後、B→Cと所有権が移転した場合、2つの登記申請が必要です。
途中を飛ばして、A→Cとすることはできません。
Bに所有権が移転したことが分からなくなってしまうからです。
相続登記においては、途中の人が1人の場合に限り、途中の人を飛ばして登記することができます。
相続人がだれであるかは戸籍を調べれば分かるから、途中を省略しても差し支えないとされています。
途中の人が1人になる場合とは、最初から1人の場合だけに限りません。
もともとの相続人はたくさんいたけど、他の相続人全員が相続放棄をしたや、遺産分割協議で1人が相続すると合意した場合も含みます。
最初の相続の遺産分割協議中に相続人が死亡した場合でも、最初の相続の他の相続人全員と死亡した相続人の相続人全員で遺産分割協議ができます。
最初の相続の他の相続人全員と死亡した相続人の相続人全員で、最初の相続の相続財産を死亡した相続人が相続することを合意することができます。
このような死亡した相続人が相続する合意をした場合も、遺産分割で1人になった場合に含みます。
遺産分割協議をしないまま、相続人が死亡して、最終の相続人が1人になった場合、途中を省略することはできません。
最終の相続人が複数であれば遺産分割協議ができますが、最終の相続人が1人になった場合は遺産分割協議はできないからです。
相続財産の分け方について合意をしたが、遺産分割協議書に取りまとめる前に、相続人が死亡した場合は別の結論になります。
合意をしたが、文書に取りまとめる前に死亡したのであれば、最終の相続人が1人になった場合でも、途中を省略することができます。
遺産分割は文書に取りまとめてなくても有効だからです。
この場合、1人になった相続人が、死亡した相続人と遺産分割協議をした内容を遺産分割協議証明書という書類に取りまとめます。
遺産分割協議証明書は相続登記において登記原因証明情報として法務局に提出します。
4死亡した相続人名義の相続登記をするときの注意点
①死亡した相続人名義の相続登記は死亡した相続人の相続人が申請
死亡した相続人名義の相続登記をする場合、通常の相続登記との違いはあまりありません。
死亡した相続人は、当然、自分で申請することができないから、死亡した相続人の相続人から申請します。
②死亡した相続人の住民票の除票が必要
所有権の登記名義を付ける場合、登記名義人になる人の住所を証明する書類を提出します。
死亡した相続人名義の相続登記をする場合、死亡した相続人の住所を証明する書類が必要になります。
死亡した相続人の住所は、住民票の除票や戸籍の附票を提出します。
住民票の除票や戸籍の附票は、永年保管ではありません。
現在は150年間保管されていますが、令和元年までは5年でした。
役所は保存期間を過ぎた書類は、順に廃棄します。
役所で廃棄済になった場合、必要な書類を取得することができません。
このような場合、被相続人の最後の本籍地を住所として相続登記をすることができます。
最期の本籍地を住所地として登記をする場合、法務局によっては、廃棄証明書の他に相続人全員から印鑑証明書付き上申書を提出するように言われる場合があります。
③土地について死亡した相続人名義の相続登記は非課税
死亡した相続人に相続登記をする場合、土地の登録免許税が非課税になります。
登記申請書には「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載します。
記載しない場合、非課税となりません。
記載を忘れて、通常どおり登録免許税を納めた場合、登録免許税は還付されません。
④死亡した相続人名義の相続登記でも権利証を作ってもらえる
相続登記を申請する場合、権利証を作ってもらうかどうか選択することができます。
死亡した相続人名義の相続登記をした後、すぐに名義人を被相続人とする相続登記をする場合、権利証を作ってもらう必要はないでしょう。
死亡した相続人が生前に遺言書を作成している場合があります。
遺言書を確認したら、相続した不動産を遺贈すると書いてあることがあります。
遺贈の登記をする場合、権利証が必要になります。
権利証がないと手続が複雑になります。
5相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。
ほとんどの方は相続を何度も経験するものではないから、手続に不慣れで聞き慣れない法律用語でへとへとになります。
一般的にいって、相続登記は、その中でも難しい手間のかかる手続です。
不動産は重要な財産であることが多いので、一般の方からすると些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。
法務局の登記相談に行っても、何が良くないのか分からなかったというケースも多いです。
司法書士はこのような方をサポートしております。
相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。
相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
家族信託の受益者代理人の役割
1家族信託とは
所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。
だから、所有権は、自由にものを売る権利であるし、自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。
所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体といえます。
たくさんの権利の集合体である所有権から、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みを家族のための信託といいます。
この仕組みを利用すると、信頼できる家族は自由にものを売ることができるし、自由に管理することができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を渡す相手は信頼できる家族であればよく、親子でなくても差し支えありません。
2受益者代理人には強力な権限がある
①受益者代理人は受益者に代わって権利行使ができる
受益者代理人は、受益者の役割を代理する人です。
受益者の権利について裁判上の権利も裁判外の権利も、行使することができます。
受益者は、ものから利益を受け取る権利を持っています。
ものから利益を受け取る権利を確保するための権利も持っています。
ものから利益を受け取る権利と確保するための権利を総称して、受益権と言います。
ものから利益を受け取る権利を確保するための権利には、次のようなものがあります。
(1)信託事務の処理の状況等を報告してもらう権利
(2)受託者の権限違反行為の取消権
(3)受託者の利益相反行為に関する取消権
(4)受託者に対する損害の填補または原状回復請求権
(5)受託者の法令違反行為の差止請求権
(6)裁判所に対する信託変更の申立権
(7)裁判所に対する信託終了の申立権
(8)委託者と一緒に合意して信託終了する権利
②受益者代理人は信託事務を監督することができる
家族信託を利用する場合、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡します。
受託者は、委託者から信頼されている家族ではあるけど法律などの専門家ではありません。
家族信託の契約を締結した後、長期間に渡って信託は継続されます。
長期間に渡って信託が適切に運用するためには、適切に監督しチェックする必要があります。
受益者は、ものから利益を受け取る権利を確保するための権利を行使して信託事務を監督します。
本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用する場合、財産を信託する本人は委託者兼受益者です。
委託者兼受益者として、信託事務を監督することができます。
本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用する場合、委託者兼受益者は相当高齢でしょう。
委託者兼受益者が認知症を発症した場合、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。
信託事務を適切に監督することができなくなります。
受益者代理人は受益者のために受益者を代理して、信託事務を監督します。
③受益者代理人は信託契約を変更することができる
家族信託は契約を締結した後、長期間に渡って継続されます。
家族信託の契約を締結するときには、最善と思った条項が後に不都合になることがあります。
事情が変わって、家族信託の内容を変更した方が良くなることがあります。
原則として、家族信託の内容は委託者・受益者・受託者の合意で変更することができます。
本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用する場合、財産を信託する本人は委託者兼受益者です。
委託者兼受益者として、信託変更に合意をすることができます。
信託契約の変更が必要になった時点で、委託者兼受益者は認知症を発症しているかもしれません。
物事のメリットデメリットを適切に判断することができない場合、信託変更の合意をすることができなくなります。
信託契約には、信託変更の定めを置くことができます。
信託変更の定めを置けば、信託契約で決められた人のみで信託を変更することができます。
例えば、「受益者と受託者の合意によって信託の変更ができる」と定めることができます。
財産を信託する本人が受益者だから認知症になった場合、信託変更の合意をすることができなくなります。
受益者代理人は受益者に代わって、信託変更の合意をすることができます。
3信託契約で受益者代理人を指定する定めが必要
①受益者代理人の設置方法
受益者代理人は、受益者の役割を代理する人です。
受益者の権利について裁判上の権利も裁判外の権利も、行使することができます。
受益者代理人は、信託契約で選任する方法と裁判所に選任してもらう方法があります。
受益者代理人を設置するためには、信託契約書に受益者代理人を指定する定めが必要です。
信託契約書に受益者代理人を指定する定めがない場合、受益者代理人を設置することはできません。
裁判所に申立てをしても、裁判所は受益者代理人を選任することできません。
②受益者代理人を設置したら受益者本人は権利行使ができない
受益者代理人は、受益者の役割を代理する人です。
多くの場合、受益者本人が認知症などを発症して物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなったときに備えて設置されます。
受益者は、ものから利益を受け取る権利を確保するための権利を行使することができます。
受益者が権利を適切に行使することで、信託を適切に運用することができます。
受益者代理人は、受益者本人に代わって権利行使し信託を適切に運用するように見守ります。
受益者代理人を設置した場合、受益者本人は一部の権利を除いて権利行使ができなくなります。
③信託契約の受益者代理人を指定する定めには工夫が必要
受益者本人が認知症などを発症した場合、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなります。
物事のメリットデメリットを充分に判断することができない場合、受益者代理人が権利行使することに問題は生じません。
認知症対策のため家族信託を利用する場合、財産を信託する本人は委託者兼受益者として信託契約を締結します。
信託契約のメリットデメリットを充分に判断できる状態で、信託契約を締結するはずです。
物事のメリットデメリットを充分に判断できるから、信託について自分で権利行使したいと考えることがあります。
受益者代理人は、信託契約に受益者代理人を指定する定めがあるときだけ設置することができます。
信託契約に受益者代理人を指定する定めをどのように記載するのか工夫が必要です。
④受益者代理人を信託契約書に書く方法
受益者代理人を設置するためには、信託契約書に受益者代理人を指定する定めが必要です。
信託契約書で指名し、契約発効のときから就任させることができます。
記載例
第〇条
当信託の受益者代理人は次のものとする。
受益者代理人は、本契約が発効したときから就任する。
住所 〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
氏名 〇〇〇〇
生年月日 昭和〇年〇月〇日
条件や期限をつけることができます。
4受益者代理人を指定する注意点
①受益者代理人はお断りができる
信託契約書で受益者代理人を指名することができます。
信託契約は、委託者と受託者で締結します。
受益者代理人は、信託契約の当事者ではありません。
信託契約で指名された場合、受益者代理人に就任することをお断りすることができます。
信託契約に盛り込む際に、受益者代理人の候補者に就任してもらえるように了解をもらっておく必要があります。
②受益者代理人は信頼できる家族から選任する
受益者代理人になれないのは、次の人です。
(1)未成年者
(2)受託者
上記以外の人であれば、受益者代理人になることができます。
受益者には、いろいろな権限があります。
受益者代理人は、受益者に代わって受益者の権限を行使することができます。
受益者代理人がいる場合、受益者は権利行使をすることができなくなります。
受益者代理人には大きな権限があるから、適切な権利行使ができるのか不安に思うかもしれません。
適切な権利行使に不安を感じて、顧問弁護士や顧問税理士などを選任することは適切ではありません。
受益者代理人は、信託の運営に関する意思決定を担う権限があるからです。
受託者同様に、信頼できる家族から選任するのがいいでしょう。
受益者代理人は、信託事務を監督する役割を果たします。
家族から継続して顧問料を受け取っている専門家は、利益相反になります。
客観的に見て、信託事務の監督が適切にできない立場です。
適切な監督をするためにも、信頼できる家族から選任するのがいいでしょう。
③受益者代理人を受託者が指名することはできない
受益者代理人になれないのは、先に説明したとおりです。
未成年者、受託者以外の人であれば、受益者代理人になることができます。
受益者代理人を設置するためには、信託契約書に受益者代理人を指定する定めが必要です。
受益者代理人を指定する定めは「次のものが受益者代理人を指名する」のように、指名する人を指名することができます。
受益者代理人を指名する人として、受託者を指名することはできません。
受益者代理人は、信託事務を監督する権限を行使する人です。
受託者は、信託事務を行う人です。
監督される受託者が監督役の受益者代理人を指名した場合、適切な監督がされない危険があるからです。
受託者が不適切な信託事務を行っている場合、言いなりになる受益者代理人を指名するでしょう。
言いなりになる受益者代理人は、信託事務を適切に監督することはできません。
受託者は、受益者代理人を指名する人として指名できません。
④委託者兼受益者の任意後見人と受託者を兼任
家族信託を利用する場合、本人は委託者兼受益者として信頼できる家族は受託者として契約します。
任意後見を利用する場合、本人は被後見人として信頼できる家族は任意後見人として契約します。
本人にとって、信頼できる家族は同一人物であることが多いでしょう。
受託者は、信託事務を行う人です。
委託者兼受益者は、信託事務を監督する人です。
委託者兼受益者の任意後見人は委託者兼受益者の法定代理人として、信託事務を監督します。
委託者兼受益者の任意後見人と受託者を兼任した場合、適切な監督ができるか疑問です。
委託者兼受益者の任意後見人と受託者の行為は利益相反になるからです。
任意後見人が利益相反行為をする場合、任意後見監督人が本人を代理します。
明かな利益相反行為は任意後見監督人が代理するとしても、日々の信託事務の監督について任意後見監督人が監督するのは困難でしょう。
受益者代理人が設置された場合、受益者の権限は受益者代理人が行使します。
任意後見人は、後継受託者など受託者以外にすることが考えられます。
そのうえで、利益相反を許容する定めを必要とするか検討するといいでしょう。
5家族信託を司法書士に依頼するメリット
家族信託は、契約したら終わりではありません。
家族信託の契約を締結した後、長期間に渡って信託は継続されます。
家族信託の契約を締結したときには最善であった契約内容であっても、長期間経過するうちに不適切になることがあります。
信託契約をした後も変更が必要になることは、少なくありません。
家族信託は、柔軟な設計ができます。
家族の実情をくみ取って、対応することができます。
柔軟に設計できるからこそ、いろいろな可能性を考えて設計しなければなりません。
どこまで考えるのか家族によって異なります。
家族信託は専門家のサポートなしではハードルが高いと言えます。
家族信託の利用を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
家族信託の受託者が死亡
1家族信託とは
所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。
だから、所有権は、自由にものを売る権利であるし、自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。
所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体といえます。
たくさんの権利の集合体である所有権から、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みを家族のための信託といいます。
この仕組みを利用すると、信頼できる家族は自由にものを売ることができるし、自由に管理することができます。
自由に売る権利や自由に管理する権利を渡す相手は信頼できる家族であればよく、親子でなくても差し支えありません。
2家族信託の受託者が死亡しても相続されない
①家族信託の受託者の地位は相続されない
家族信託を利用した場合、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡します。
委託者が自由に売る権利や自由に管理する権利を渡すのは、信頼できる家族だからです。
委託者が受託者を個人的に深く信頼しているからこそ、自由に売る権利や自由に管理する権利を渡すと言えます。
個人的信頼関係の上に成り立っているから、受託者の地位は相続されません。
家族信託の受託者が死亡した場合、受託者の任務は終了します。
②信託財産は受託者の相続財産にならない
家族信託を利用した場合、信託された財産は委託者の財産ではなくなります。
信託された財産は、受託者の財産でもありません。
信託財産は、独立の財産です。
受託者の名義になっていても、受託者は固有の財産とは別に管理しなければなりません。
受託者が死亡した場合、受託者の固有の財産は相続財産になります。
信託財産は受託者の固有の財産ではないから、相続財産になりません。
③信託口口座は凍結されない
委託者が金銭を信託している場合があります。
信託財産は、受託者固有の財産とは別に管理しなければなりません。
金銭が信託財産に含まれる場合、信託口口座を開設して金銭を管理するのがおすすめです。
信託口口座でない一般の口座で金銭を管理した場合、受託者の死亡によって口座が凍結されるからです。
家族の中では固有の財産ではないことを共有していたとしても、金融機関には分かりません。
金融機関は信託財産であるとは分からないから、通常どおり口座を凍結します。
凍結解除をしてもらいたい場合、相続手続をするように言うでしょう。
信託口口座は、信託財産である金銭を管理するための専用の口座です。
受託者が死亡した場合、信託財産は相続財産になりません。
金融機関にも明白だから、口座が凍結されません。
3家族信託の受託者が死亡しても信託は終了しない
①信託の終了事由は信託契約で決めておくことができる
家族信託は、本人と信頼できる家族との間でする契約です。
信託契約をした後、家族信託を永久に続けることはできません。
どのようなときに信託を終了させるのか、信託契約の中で決めておきます。
家族信託の終了事由は、家族信託の目的に応じて考えます。
本人が認知症になった場合、資産が凍結されるリスクがあります。
認知症になると、物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなるからです。
物事のメリットデメリットを充分に判断できない状態では、契約などの法律行為ができなくなります。
資産が凍結されるとは、不動産の売却などができなくなるという意味です。
本人が認知症になったことを銀行などの金融機関が知った場合、銀行口座を凍結します。
口座が凍結すると、入出金や引き落としができなくなります。
本人が認知症になった場合でも、資産が凍結されないようにするためには家族信託が有効です。
認知症リスクに備えるために家族信託をするのであれば、本人の死亡で家族信託を終了させるといいでしょう。
本人の死亡後には、家族信託を続ける意味はないからです。
受託者が死亡しても本人が健在であれば、本人の認知症リスクは継続します。
認知症リスクに備えるために家族信託をするのだから、信託を継続しないと信託目的を達成できません。
受託者が死亡しても、信託目的達成のため信託を継続させるといいでしょう。
②後継受託者は信託契約で決めておくのがおすすめ
受託者は、信託財産について自由に売る権利や自由に管理する権利を行使します。
受託者がいないと家族信託が機能しなくなります。
後継受託者は、受託者が死亡した時などに次の受託者になる人です。
本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用する場合、家族みんなが本人の死亡は意識しているでしょう。
それにひきかえ受託者は若い世代であることが多く、委託者より先に死亡することを見落としがちです。
受託者が先に死亡した場合、受託者が欠けることになります。
受託者が欠けたときに備えて、あらかじめ信託契約で後継受託者を決めておくといいでしょう。
信託口口座を開設する場合、信託契約の中に後継受託者の定めを置くように金融機関から求められます。
受託者が死亡した時などに備えて、ふだんから信託財産の管理方針を共有するといいでしょう。
委託者兼受益者が物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなった場合、後継受託者と相談して権利行使をすることができます。
③信託契約で後継受託者を決めていなかったら
(1) 委託者と受益者の合意で新受託者を選任
受託者がいないと家族信託が機能しなくなります。
信託契約で後継受託者を決めておいても、ご辞退される場合があります。
後継受託者がご辞退した場合、委託者と受益者の合意で新受託者を選任します。
(2)利害関係人の申立てで裁判所が選任
本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用する場合、本人が委託者兼受益者でしょう。
受託者が先に死亡した場合、委託者兼受益者が新受託者を選任します。
新受託者を選任する必要があるときには、すでに委託者兼受益者が認知症を発症しているかもしれません。
新受託者を選任するための判断能力が失われている場合、新受託者を選任することができなくなります。
委託者兼受益者が認知症などで新受託者を選任することができない場合、利害関係人は裁判所に申し立てて新受託者を選任してもらうことができます。
④受託者が不在のまま1年経過したら信託は終了
受託者は、委託者の意思を実現させる人です。
受託者が受託者の利益のために、財産管理をします。
受託者がいない場合、信託があっても意味がありません。
受託者が先に死亡した場合、受託者が欠けることになります。
受託者が欠けた場合、委託者と受益者は新たな受託者を選任する必要があります。
本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用した場合、認知症を発症している可能性があります。
委託者兼受益者が認知症を発症していた場合、新たな受託者を選任することができません。
受託者がいないまま長期間経過した場合、家族信託は当然に終了になります。
4 受託者が死亡したら受益者に通知する
①受託者の相続人は受益者に通知する
家族信託の受託者が死亡した場合、受託者の任務は終了します。
受託者がいないと家族信託は機能しません。
信託の存続のため、受託者の相続人は受託者の任務終了の事実を受益者に通知しなければなりません。
信託契約の中で通知義務を免除することができます。
通知義務者を別の人にすることができます。
②受託者の相続人が信託財産を保管する
受託者の相続人は、後継受託者が信託事務を開始するまで信託財産を保管しなければなりません。
③裁判所に信託財産管理者を選任してもらうことができる
受託者に相続人がいない場合があります。
相続人がいても全員幼い子どもである場合があります。
成年であっても信託財産を保管できない場合があります。
利害関係人は裁判所に申立てをすることで、信託財産管理者を選任してもらうことができます。
信託財産管理者が選任された場合、信託財産管理者が受託者の代わりに信託財産を管理します。
5後継受託者が就任したら信託財産の名義変更
①信託財産が不動産の場合は所有権移転登記
最初に不動産を信託財産とする場合、所有権移転登記と信託登記をします。
所有権移転登記で登記は、受託者の名義になります。
受託者が死亡した場合であっても、信託登記があるから相続財産にならないことは明らかです。
後継受託者が就任した場合、後継受託者が所有権移転登記をします。
後継受託者が単独申請をすることができます。
信託登記があるから、受託者欄は登記官が自動で変更してくれます。
信託財産について、後継受託者に名義変更をするときの所有権移転登記は非課税です。
②信託財産が金銭の場合は信託口口座の名義変更
信託口口座は、信託財産である金銭を管理するための専用の口座です。
受託者が死亡した場合、信託財産は相続財産になりません。
金融機関にも明白だから、口座が凍結されません。
後継受託者は自分が後継受託者であることの証明書類を提出することで、名義変更をすることができます。
信託口口座でない一般の口座で金銭を管理した場合、受託者の死亡によって口座が凍結されてしまいます。
相続手続をしたうえで後継受託者に引き継ぐことになります。
受託者の相続人が後継受託者に引き継ぐことに協力しないかもしれません。
金銭が信託財産に含まれる場合、信託口口座を開設して金銭を管理するのがおすすめです。
6家族信託を司法書士に依頼するメリット
高齢化社会が到来したといわれて、多くの方は長生きになりました。
平均寿命は男性も女性も80歳を超して、認知症になる方が多くなりました。
認知症になると、物事のメリットデメリットが充分に判断できなくなります
本人の財産は本人しか処分できないため、本人が判断できなくなると資産が凍結されてしまいます。
認知症対策は、本人が元気なときしかすることができません。
いつか認知症対策をしようではなく、今なら元気だから対策しようが正解です。
資産が凍結されてしまうと、家族であっても使うことができなくなります。
家族信託は、認知症対策として有効です。
柔軟な設計ができることから、本人と家族が検討しておくことがたくさんあります。
家族信託自体の知名度も低いことから、制度の理解が難しいかもしれません。
まずは、1歩を踏み出すために、司法書士などの専門家の話を聞くといいでしょう。
自分のためにも家族のためにも認知症対策を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
