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特定財産承継遺言

2023-04-10

1特定財産承継遺言とは

遺言書に書く内容は、財産の分け方に関することがまず思い浮かぶでしょう。

遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と財産を具体的に書いてある場合、この遺言書のことを特定財産承継遺言と言います。

特定の相続人に特定の財産を受け継いで欲しい場合、特定財産承継遺言が適切でしょう。

遺言書の書き方は、これ以外にも「財産の3分の1を相続人〇〇に相続させる」のように、財産を具体的に書かない場合があります。

遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてある場合、相続が発生した後に相続財産の分け方の話し合いは不要です。

相続が発生した時に、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものになるからです。

2特定財産承継遺言の効力

遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてある場合、相続が発生した時に、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものになります。

相続が発生した後、遺言書があることや遺言書の内容について、家族の中で情報共有をするでしょう。

家族の中では、遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてあるから、「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張することができます。

家族の中で主張するために特段の手続は必要ありません。

家族の中では周知の事実になっていても、家族以外の人には分かりません。

一部の相続人から遺言書は無かったと聞かされた場合、家族以外の人は疑いようがないでしょう。

遺言書は無いと信じた第三者が土地などの相続財産を買うケースがあります。

遺言書は無いと信じた第三者の人に対して、「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張する場合、対抗要件を備えなければなりません。

土地などの不動産の対抗要件は、相続登記をすることです。

相続登記をしなければ、法定相続分以上について家族以外の人に主張できません。

遺言書は無いと信じた第三者に対して、遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてあるから、「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張することができません。

相続が発生した時に、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものになりますから、相続登記をしておく必要があります。

相続登記をしないまま放置した場合、家族以外の人に対して「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張することができなくなります。

土地などの財産を買った人は、通常、すぐに所有権移転登記をします。

所有権移転登記をしないまま放置している間に、売主は別の人にその土地を売るかもしれないからです。

所有権移転登記をしない場合、登記簿は売主の名義のままだから、事情を知らない人は売主の土地だと信じてしまうでしょう。

後から買った別の人が所有権移転登記をした場合、「私が買った土地だから私のものだ」と主張することができます。

私が先に買った土地だから私のものだと文句を言うことはできません。

土地は、先に登記をした人のものになります。

このようなトラブルになるのは困るから、土地などの財産を買った人はすぐに所有権移転登記をします。

このようなトラブルになった場合、先に登記をした人のものになるのが登記の効果です。

土地などの財産を買った人が先に登記をした場合、土地は買った人のものになります。

遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてあっても、私が買った土地だから私のものだと主張することができます。

遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてあるから私のものだと主張するためには、相続登記をしておかなければなりません。

相続登記をしないまま放置した場合、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものにならなくなります。

「財産〇〇〇〇は相続人〇〇のものだ」と主張することができなくなるとは、私が買った土地だから私のものだと主張することができるという意味です。

私が買った土地だから私のものだと主張することができるから、土地は買った人のものになります。

相続登記をしておくことは、とても重要です。

3特定財産承継遺言は遺言執行者におまかせできる

遺言書に「財産〇〇〇〇を相続人〇〇に相続させる」と書いてある場合、相続が発生した時に、財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものになります。

財産〇〇〇〇が相続人〇〇のものであることを第三者に主張するためには、登記などの対抗要件が必要です。

遺言執行者がいる場合、遺言執行者に対抗要件を備えるところまでおまかせすることができます。

通常、マイホームを購入したときなど不動産が自分のものになった場合、すぐに登記をします。

所有権移転登記をしないまま放置している間に、他の人がその不動産を購入して自分のものだと主張するかもしれないからです。

相続で不動産が自分のものになった場合、家族以外の人が自分のものだと主張するかもしれないと心配することはあまりないかもしれません。

相続登記は相続手続の中でも手間がかかる難易度が高い手続です。

不動産が自分のものになったと安心して、相続登記を先延ばししたくなるかもしれません。

遺言執行者がいれば、相続登記をするところまで依頼することができます。

2019年7月1日以前作成の遺言書で遺言執行者に指名された場合、止むを得ない理由があれば司法書士などの専門家にその任務を任せることができます。

遺言執行者に指名されたのが2019年7月1日以降作成の遺言書であれば、遺言執行者は自己の責任で司法書士などの専門家にその任務を任せることができます。

止むを得ない理由がなくても、専門家に任せることができるように変更になりました。

4特定遺贈とのちがい

①特定財産承継遺言は相続人に対してだけ

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺贈では、法定相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができます。

特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

遺贈は、相続人に対して財産を譲ってあげることができるし、相続人以外の人に対して財産を譲ってあげることができます。

相続させることができるのは、相続人に対してだけです。

相続人以外の人に対して財産を受け継いでもらう場合、遺贈することになります。

遺言書に相続人以外の人に対して相続させると書いてあった場合、遺贈の意思と考えられます。

②特定財産承継遺言は単独で相続手続ができる

遺言書に「遺贈する」とあれば、譲ってもらう人が相続人であっても相続人以外の人でも、遺贈で手続します。

遺贈で相続手続をする場合、遺言執行者がいなければ相続人全員の協力が必要です。

一部の相続人が相続手続に協力しない場合、手続が進まなくなってしまいます。

③特定遺贈の放棄は手続がカンタン

特定財産承継遺言の内容をご辞退したい場合があるでしょう。

特定財産承継遺言の内容をご辞退したい場合、3か月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続が必要です。

家庭裁判所で相続放棄をする場合、はじめから相続人でない取り扱いがされます。

相続人でなくなりますから、他の財産も受け継ぐことができなくなります。

特定遺贈をご辞退したい場合、家庭裁判所の手続は不要です。

遺贈された財産のうち、全部の財産をご辞退することもできるし一部の財産だけご辞退することもできます。

3か月以内という制限もありません。

④特定財産承継遺言は農地でも許可が不要

相続財産に農地が含まれている場合があります。

農地を相続する場合、農業委員会の許可は必要ありません。

特定遺贈の場合、農業委員会の許可を受けなければなりません。

⑤特定財産承継遺言は賃借権の相続でも同意が不要

被相続人が賃貸マンションに住んでいる場合があります。

賃貸マンションを借りる権利が賃借権の代表例です。

賃貸マンションを借りる権利は相続財産になります。

賃借権を相続する場合、大家の同意は必要ありません。

賃借権は包括遺贈の場合も特定遺贈の場合も、大家の同意を受ける必要があります。

⑥配偶者居住権設定は遺贈で

相続が発生した時、一定の条件を満たしていれば配偶者居住権を得ることができます。

配偶者居住権は、(1)遺産分割協議(2)遺言による遺贈(3)死因贈与契約のどれかで得ることができます。

配偶者居住権を相続させることはできません。

遺言書に「配偶者居住権を相続させる」と記載された場合、配偶者居住権を遺贈すると解釈されることになるでしょう。

配偶者居住権を第三者に主張するためには、登記が必要です。

「配偶者居住権を相続させる」と書かれた遺言書を提出して登記申請があった場合、配偶者居住権を遺贈すると解釈して登記が認められます。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は遺言者の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

いろいろ言い訳を考えて先延ばしします。

先延ばしした結果、認知症などで遺言書を作れなくなって、その先には家族のもめごとが待っています。

家族がトラブルに巻き込まれることを望む人はいないでしょう。

死んだ後のことを考えるのは不愉快などと言えるのは、判断力がしっかりしている証拠ですから、まず遺言書を書くことをおすすめします。

遺言書があることでトラブルになるのは、ごく稀なケースです。

遺言書がないからトラブルになるのはたくさんあります。

そのうえ、遺言書1枚あれば、相続手続きは格段にラクになります。

状況が変われば、遺言書は何度でも書き直すことができます。

家族を幸せにするために遺言書を作ると考えましょう。

遺言書の書き直しのご相談もお受けしています。

家族の喜ぶ顔のためにやるべきことはやったと安心される方はどなたも晴れやかなお顔です。

家族の幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続土地国庫帰属制度を利用する要件

2023-04-05

1相続土地国庫帰属制度とは

相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度ができました。

相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。

相続土地国庫帰属制度は、令和5年4月27日からスタートします。

望まないで不動産を所有している場合、管理が負担になりがちです。

管理負担の重さから、適切な管理ができなくなり不動産が荒廃します。

適切な相続登記がされず、所有者不明土地の対策になると期待されています。

2相続土地国庫帰属制度を利用できる人とは

①土地の単独所有者で相続や遺贈で土地を受け継いだ人

相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。

だれでも利用できるわけではありません。

相続土地国庫帰属制度を利用できるのは、土地を相続で取得した人です。

法定相続人が土地を遺贈で取得した場合は、相続土地国庫帰属制度を利用できます。

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

相続人以外の人が遺贈によって財産を譲ってもらうことができます。

遺贈によって土地を譲ってもらった人が相続人の場合、相続土地国庫帰属制度を利用できます。

遺贈によって土地を譲ってもらった人が相続人でない場合、相続土地国庫帰属制度を利用できません。

②土地の単独所有者で土地の共有持分を相続や遺贈で土地を受け継いだ人

被相続人とお金を出し合って、土地を購入することがあるでしょう。

被相続人と土地を共有している場合があります。

被相続人の土地の共有持分が相続財産になります。

土地の共有者の一方が相続人である場合、被相続人の土地の共有持分を相続します。

相続人は相続によって単独所有者になります。

土地の共有持分の一部は売買によるものですが、残りは相続によって受け継いだものです。

土地の単独所有者は土地の所有権の一部を相続や遺贈によって受け継いだ場合、相続土地国庫帰属制度を利用できます。

土地の所有権の一部を遺贈によって譲ってもらった人が相続人の場合、相続土地国庫帰属制度を利用できます。

土地の所有権の一部を遺贈によって譲ってもらった人が相続人でない場合、相続土地国庫帰属制度を利用できません。

③土地の共有者で土地の共有持分を相続や遺贈で土地を受け継いだ人

被相続人と第三者がお金を出し合って、土地を購入することがあるでしょう。

被相続人と第三者が土地を共有している場合があります。

被相続人の土地の共有持分が相続財産になります。

相続人が被相続人の土地の共有持分を相続します。

相続人は第三者と土地を共有することになります。

相続土地国庫帰属制度を利用する場合、土地の共有持分を対象にすることはできません。

土地の共有者の一部が相続や遺贈によって土地を受け継いだ場合、他の共有者全員が共同申請をすることで相続土地国庫帰属制度を利用できます。

他の共有者は、株式会社などの法人でも差し支えありません。

他の共有者が土地を取得した理由は、売買や贈与であっても差し支えありません。

3相続土地国庫帰属制度を利用できる土地とは

相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。

国に引き取ってもらえるのは、土地だけです。

建物は、引き取ってもらえません。

宅地や雑種地だけでなく、山林、原野や農地を引き取ってもらうことができます。

農地の取引には、通常、農業委員会の許可等が必要になります。

相続土地国庫帰属制度を利用する場合、農業委員会の許可等は不要です。

土地であればどんな土地でも引き取ってもらえるわけではありません。

相続で取得した土地だけです。

法定相続人が遺贈で取得した土地は、相続土地国庫帰属制度を利用できます。

売買や贈与で取得した土地は、引き取ってもらうことができません。

原野商法の被害を受けて所有している土地は、引き取ってもらうことができません。

被相続人が原野商法の被害を受けて所有していた土地は、相続人が相続した後に、引き取ってもらうことができます。

4相続土地国庫帰属制度で門前払いになる土地とは

次の土地は、国に引き取ってもらうことはできません。

①建物がある土地

国に引き取ってもらうことができるのは、土地のみです。

建物は引き取ってもらえません。

建物がある場合、土地も引き取ってもらえません。

建物自体は取り壊されているのに、建物の登記が残っている場合があります。

建物が取り壊されている場合、建物滅失登記が必要です。

②担保権や利用権がある土地

お金の貸し借りをするとき、返済が滞るときに備えて不動産などを担保に差し出すことがあります。

お金を貸した人は、不動産を担保に取ります。

順調に返済されているときは、不動産は担保に差し出した人が使うことができます。

返済が滞った場合、担保に取った人は不動産を取り上げて売り払うことができます。

不動産の売却金から貸したお金を返してもらうことができます。

担保権とは、返済が滞った場合に取り上げて売り払うことができる権利です。

担保権がある土地を国に引き取ってもらえるとすると、国の財産が急に取り上げられることになりかねません。

担保権がある不動産を国に引き取ってもらうことはできません。

利用権とは、地上権、地役権、賃借権など土地を使う権利のことです。

土地を使う権利がある人がいる土地を国に引き取ってもらえるとすると、国は土地を使う権利について配慮をしなければならなくなります。

利用権がある土地を国に引き取ってもらうことはできません。

③他人が利用する土地

地上権、地役権、賃借権など土地を使う権利がなくても、他人が土地を使用することが予定されている土地があります。

他人の使用が予定されている土地とは、次の土地です。

以下に該当する土地を国に引き取ってもらうことはできません。

(1)通路の土地

現在通路として使われている土地です。

(2)墓地内の土地

墓地として都道府県知事の許可を受けた土地です。

(3)境内地

宗教法人が所有していない土地も含まれます。

(4)水道、悪水路、ため池の土地

水道の水源地、貯水池として現在使用されている土地です。

かんがい用や悪水路として現在使用されている土地です。

生活用水、農業用水、工業用水のための水路を含みます。

耕地かんがい用ため池、防災用用水貯留池として現在使用されている土地です。

④土壌汚染など有害物質がある土地

土壌汚染がある土地は、有害物質の除去に多大な費用がかかります。

土壌汚染がある土地を国に引き取ってもらうことはできません。

⑤境界不明の土地

隣接する土地と境界について争いがある土地です。

申請する人以外に、その土地の所有権を主張する人がいる土地も含まれます。

このような土地を国に引き取ってもらえるとすると、国が争いに巻き込まれて土地が管理できなくなります。

測量や境界確認書を提出する必要はありませんが、争いがないことが条件です。

申請をした場合、法務局から隣接所有者に境界争いがないかお尋ねがあります。

境界不明の土地を国に引き取ってもらうことはできません。

5相続土地国庫帰属制度の審査で引き取ってもらえない土地とは

次の土地は、審査のうえで承認してもらうことはできません。

①崖地

勾配30度以上で、かつ、高さ5メートル以上の土地で、通常の管理に過分の費用や労力がかかる土地を国に引き取ってもらうことはできません。

通常の管理に過分の費用や労力がかかる土地とは、土砂災害が起きる土地や擁壁工事が必要な土地などです。

②工作物、車両、樹木がある土地

工作物、車両、樹木があるだけで引き取ってもらえない土地になるわけではありません。

工作物、樹木があって、かつ、土地の管理処分が困難になる場合、国に引き取ってもらえなくなります。

民家、公道、線路近くで倒木のおそれがある場合や災害防止のため定期的伐採が必要になる場合は、国に引き取ってもらえません。

放置すると周辺の土地に侵入する竹がある場合、定期的伐採が必要になるから、国に引き取ってもらえません。

建物がある土地は、国に引き取ってもらえません。

建物と言えないまでも、廃屋がある土地も、国に引き取ってもらえません。

放置車両がある土地は車両、国に引き取ってもらえません。

③地下にある有体物の除去が必要な土地

産業廃棄物や建築資材、建物基礎やコンクリート片がある土地は、国に引き取ってもらえません。

古い水道管、浄化槽、井戸、大きな石がある土地は、国に引き取ってもらえません。

④袋地、不法占拠者がいる土地

他の土地を通らないと行動に出られない土地は、国に引き取ってもらえません。

第三者が不法占拠している土地は、国に引き取ってもらえません。

別荘管理組合から管理費用を請求されるなどトラブルになる可能性の高い土地は、国に引き取ってもらえません。

⑤管理に費用や労力が多くかかる土地

(1)災害の危険がある土地

土砂崩れ、地割れ、陥没、水の漏出などの災害が起きるおそれがある土地は、国に引き取ってもらえません。

(2)鳥獣、病害虫などが生息している土地

スズメバチ、ヒグマなどにより周辺土地に被害が起きるおそれがある土地は、国に引き取ってもらえません。

(3)森林整備が必要な土地

造林、間伐、保育が必要な山林は、国に引き取ってもらえません。

(4)国に金銭負担が発生する土地

(5)所有者が負担すべき債務を国が負担することになる土地

土地改良事業の負担金などが発生する土地は、国に引き取ってもらえません。

6相続土地国庫帰属制度の利用を司法書士に依頼するメリット

土地を証有している場合、管理をしなければなりません。

希望せずに土地を所有している場合、管理が負担になることがあります。

管理負担の重さから、適切な管理が難しくなります。

希望しないのであれば、相続放棄をすることができます。

相続放棄をしたら、他の財産を相続することもできなくなります。

管理負担の重い土地だけ選択して、放棄をすることはできません。

相続土地国庫帰属制度を利用した場合、管理負担の重い土地だけ選択して利用することができます。

相続人にとって選択肢が増えたと言えるでしょう。

相続土地国庫帰属制度を利用するハードルは低いものではありません。

条件に合う土地だけ国は引き取ってくれます。

相続は、家族ごとに事情が違います。

制度をよく知って、適切に対応しましょう。

適切な選択ができるように司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄したのに借金の請求

2023-04-03

1相続放棄をしても債権者には通知されない

被相続人が多額の借金を残して死亡したとき、相続人は相続放棄をするでしょう。

分かっている借入先だけでも相続人が返せる額ではない、あちこちから借りていたので、他からも借りているだろう、借入先を把握し切れないという場合があります。

相続放棄の申立をすると、借入先から何か言われるのではないかと心配する人が多くいます。

分かっている借入先から、返済を求められているだけでも大変なのに、把握していない借入先からも返済を求められるのではないかと不安になっている場合です。

家庭裁判所に相続放棄の手続をしても、債権者に知らせる必要はありません。

相続放棄の申立を提出しても、家庭裁判所から債権者に通知されることはありません。

相続放棄が認められた後でも、家庭裁判所がわざわざ債権者に通知することはありません。

家庭裁判所に相続放棄の申立をしても、通常は、債権者に知られることはないのです。

債権者から家庭裁判所に相続放棄をしているか照会することができます。

家庭裁判所から債権者に通知されるのは、わざわざ照会があったときのみです。

2相続放棄の手続の方法

家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の申立てをします。

相続放棄の申立書につける書類は次のとおりです。

①被相続人の戸籍謄本

②被相続人の除票

③相続放棄する人の戸籍謄本

この他に、裁判所が使う郵便切手や収入印紙が必要です。

必要書類を見ても、債権者名簿はありません。

被相続人と相続人の戸籍謄本や住民票を提出するだけですから、通常、家庭裁判所は債権者がだれなのか分かりません。

確かに、家庭裁判所は、相続放棄を認めるか認めないか審査をします。

家庭裁判所は、必要な書類がきちんと揃っているかという点や提出された戸籍や住民票から矛盾したことはないかという点で審査します。

債権者がだれなのか家庭裁判所が独自で調査することはありません。

債権者がだれなのか分からないから、当然、債権者の意見を聞くこともありません。

債権者から見ると、ほとんどの場合、気付かないうちに相続人が相続放棄の手続をしていて、知らないうちに相続放棄が認められていた、となります。

3債権者が取立をしてきたら

相続放棄を申し立てても、相続放棄が認められても、債権者には通知されません。

相続人が相続放棄をしていても、債権者は知らないのが通常です。

相続放棄しても知らないから、被相続人が借金をしたまま死亡したら、相続人に払ってもらおうと考えます。

だから、相続放棄しても請求がされるのです。

借金の請求がされても、心配することはありません。

家庭裁判所で相続放棄が認められているのなら、相続放棄が認められていると伝えれば済みます。

口頭で伝えるだけでは信用されないでしょうから、家庭裁判所の通知を見せると分かってもらえるでしょう。

家庭裁判所から届いた通知とは、相続放棄申述受理通知書のことです。

多くの場合、相続放棄申述受理通知書のコピーを渡すと分かってもらえます。

この通知書は1通しかないので、同じ内容の書類を作ってもらうと安心です。

同じ内容の書類とは、相続放棄申述受理証明書のことです。

手数料がかかりますが、申請すれば必要な数だけ作ってくれます。

相続放棄した人は相続人ではないと扱われます。

被相続人に莫大な借金があっても、払う必要はありません。

債権者は債権回収が順調にいかないと、相続人でないと分かっていても、請求してくることがあります。

債務者でない人に請求することは、違法です。

毅然とした態度で対応しましょう。

あまり何度も請求してくるようであれば、警察に相談しましょう。

4他の相続人に相続しないと申し入れをした場合は相続放棄ではない

時々、相続放棄をしたが家庭裁判所の書類はないという方がいます。

相続放棄申述受理通知書は1通だけなので、相続放棄申述受理通知書を紛失することもあるでしょう。

単に紛失したのなら、相続放棄申述受理証明書を申請すれば、必要なだけ作ってもらえます。

家庭裁判所で相続放棄が認められたのであれば、書類がないということはあり得ません。

話をよく聞くと、他の相続人に相続財産は一切もらわないと申し入れたという場合があります。

プラスの財産を一切もらわないと申し入れたから、マイナスの財産も相続しないと考えている場合です。

他の相続人に相続しないと申し入れた場合は、相続放棄とは言えません。

他の相続人に相続しないと申し入れて、相続人全員で合意した場合、遺産分割になります。

法定相続分と異なる内容で、債務を相続することを相続人全員で合意することもできます。

相続人同士では、そのような合意も有効です。

マイナスの財産の分け方について、相続人全員で合意しても、債権者には主張できません。

相続人全員で合意しても、相続人同士の内部的な合意に過ぎないからです。

プラスの財産を一切もらわない場合でも、マイナスの財産を相続してしまいます。

債権者は、それぞれの相続人に法定相続分で、請求することができます。

相続人同士で合意したから、借金の返済はしないと文句を言うことはできません。

4債権者は相続放棄の無効を主張することができる

相続放棄申述受理通知書を見せても、被相続人の借金の取立が続く場合があります。

債権者が相続放棄は無効だと主張している場合です。

相続放棄が無効になる場合、無効にするための手続はありません。

無効の法律行為は、何もしなくても無効だからです。

例えば、債権者は相続放棄は無効だから、相続人に借金を払って欲しいと交渉することができます。

相続放棄は、家庭裁判所の書類審査だけで認められます。

相続放棄の要件をきちんと満たしているか、家庭裁判所が独自で調査することはありません。

相続放棄の要件を満たしていないのに、相続放棄の書類がきちんと揃っている場合、家庭裁判所は事情が分からず、相続放棄を認めてしまいます。

債権者は裁判所の決定に不服があれば、相続放棄は無効だから、相続人に借金を払って欲しいと訴えを起こすことができます。

債権者が相続放棄は無効だと主張して、裁判所に訴えを起こしたら、裁判所から訴状が届きます。

裁判所から訴状が届いたら、すぐに専門家に相談することをおすすめします。

たとえ債権者が不適切なことを主張している場合でも、適切に主張と立証をしないと裁判で負けてしまうからです。

裁判に欠席すると、相手方の言い分を全面的に認めたことになってしまいます。

裁判に負けると、払う必要のない借金を払うことになります。

債権者が不適切なことを言っているからと思っても絶対に放置してはいけません。

適切に相続放棄をしたことを、裁判所の法廷で、裁判官に分かってもらう必要があるのです。

5相続放棄が無効になる場合

①本人が知らないうちに相続放棄がされていた

本人に無断で、相続放棄の書類が作られて相続放棄の手続きがされた場合です。

本人の意思がないので、相続放棄は無効になります。

家庭裁判所は意思確認を厳格にしていますから、相続放棄が認められるのは、めったにありません。

②相続財産を処分・利用していた場合

相続放棄をする前に単純承認をしていた場合、相続放棄はできません。

相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できないからです。

相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。

相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。

家庭裁判所は事情が分からず書類に問題がなければ、相続放棄を受理してしまいます。

家庭裁判所が相続放棄を受理した後でも、相続財産を処分したり利用した場合は、無効です。

6相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。

相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。

同時に、家庭裁判所で相続放棄が認められたとしても、絶対的なものではありません。

相続放棄の要件を満たしていない場合、その後の裁判で相続放棄が否定されることもあり得ます。

相続の単純承認にあたる行為は、建物の取壊しや高価な宝石などの形見分けなども含まれます。

相続が発生すると、家族はお葬式の手配から始まって膨大な手続きと身辺整理に追われます。

相続するのか、相続を放棄するのか充分に判断することなく、安易に相続財産に手を付けて、相続放棄ができなくなることがあります。

相続に関する手続の多くは、司法書士などの専門家に任せることができます。

手続を任せることで、大切な家族を追悼する余裕もできます。

相続人の調査や相続財産調査など適切に行って、充分に納得して手続を進めましょう。

相続放棄は3か月以内の制限があります。

3か月の期間内に手続きするのは思ったよりハードルが高いものです。

相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

代襲相続とは

2023-03-29

1代襲相続とは

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

①配偶者は必ず相続人になる

②被相続人に子どもがいる場合、子ども

③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

④被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。

これを代襲相続と言います。

相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。

代襲相続ができるのは、相続人になるはずだった人の子どもなど被代襲者の直系卑属だけです。

相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。

被代襲者になれるのは、被相続人の子どもなどの直系卑属と被相続人の兄弟姉妹だけです。

被相続人の配偶者は、被代襲者になることはできません。

被相続人の親などの直系尊属は、被代襲者になることはできません。

代襲相続ができるのは、被相続人の卑属で、かつ、被代襲者の子どもなどの直系卑属だけです。

被代襲者の配偶者も、被代襲者の親などの直系尊属も、被代襲者の兄弟姉妹も、代襲相続ができません。

被相続人の孫や孫の子孫などの直系卑属は、代襲相続人になることができます。

甥姪は、代襲相続人になることができます。

2代襲相続が発生する原因

①相続人が死亡したら代襲相続が発生する

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

被相続人が死亡したときには元気だったのに相続手続中に相続人が死亡した場合は、代襲相続は発生しません。

被相続人が死亡したときには元気だったのに相続手続中に相続人が死亡した場合、数次相続が発生します。

相続人が被相続人より先に死亡した場合は、代襲相続です。

相続人が被相続人より後に死亡した場合は、数次相続です。

代襲相続と数次相続では、相続手続に参加する人が異なります。

②相続人が欠格になったら代襲相続が発生する

欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度のことです。

欠格になる理由は法律で定められています。

主な理由は、被相続人を殺害したり、殺害しようとしたり、遺言書を偽造したり、遺言書を隠したりしたなどです。

相続人としてふさわしくない理由に該当した場合、相続資格を失います。

相続人が欠格になったら代襲相続が発生します。

③相続人が廃除されたら代襲相続が発生する

相続人廃除とは、被相続人の意思で、相続人の資格を奪う制度のことです。

相続人廃除は家庭裁判所に申立をして、家庭裁判所が判断します。

相続人が被相続人に対して、重大な侮辱をしたり虐待をしたと家庭裁判所に認められた場合、廃除されます。

単なる親子げんかや相続人が気に入らないなどで廃除は認められません。

家庭裁判所で廃除が認められた場合、代襲相続が発生します。

④相続人が相続放棄をしても代襲相続は発生しない

相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。

相続人でなくなるから、代襲相続も発生しません。

相続放棄をした後、相続放棄をした人の子どもが代襲相続することはできません。

3代襲相続ができる範囲

①被代襲者が子どもや子どもの子孫の場合

相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。

被相続人の子どもが被代襲者の場合、被相続人の子どもの子どもが代襲相続人になります。

子どもの子どもも被相続人より先に死亡した場合、子どもの子どもの子どもが代襲相続人になります。

相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。

被代襲者が子どもや子どもの子孫の場合、再代襲相続に制限はありません。

何代でも代襲相続をすることができます。

②被代襲者が兄弟姉妹の場合

被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

兄弟姉妹の子どもが代襲相続することができます。

兄弟姉妹の代襲相続は、一代限りです。

兄弟姉妹の子どもが被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹の子どもの子どもは代襲相続をすることができません。

被代襲者が兄弟姉妹の場合、再代襲相続はできません。

昭和23年1月1日から昭和55年12月31日に開始した相続については、再代襲相続ができました。

③養子の子どもは代襲相続できる場合とできない場合がある

代襲相続人になるのは、被相続人の卑属のみです。

被相続人の養子は、被相続人の子どもだから被相続人の卑属です。

被相続人の養子の子どもは、被相続人の卑属である場合と被相続人の卑属でない場合があります。

養子縁組をしたときすでに誕生していた子どもは、原則として、被相続人の卑属になりません。

養子縁組をした後に誕生した子どもは、被相続人の卑属になります。

被相続人の実子の配偶者と養子縁組をするケースがあります。

被相続人の実子と養子の間に子どもがいる場合もあるでしょう。

この子どもは、被相続人の卑属になります。

被相続人の実子の子どもだからです。

養子縁組をしたときすでに誕生していた子どもであっても、被相続人の卑属です。

被相続人の卑属だから、代襲相続をすることができます。

相続が発生したとき、養子が先に死亡している場合、代襲相続ができます。

4代襲相続人がいるときの相続分と遺留分

①代襲相続人は被代襲者の相続分を引き継ぐ

代襲相続人の相続分は、被代襲者の相続分と同じです。

被代襲者の相続分を引き継ぐだけだから、他の相続人の相続分は変更されません。

代襲相続が発生した場合、他の相続人の相続分が減ることもないし増えることもありません。

代襲相続が発生しても発生しなくても、他の相続人の相続分に影響はありません。

②代襲相続人は被代襲者の遺留分を引き継ぐ

遺留分とは、相続財産に対して、認められる最低限の権利のことです。

代襲相続人の遺留分は、被代襲者の遺留分と同じです。

被代襲者の遺留分を引き継ぐだけだから、他の相続人の遺留分は変更されません。

子どもは遺留分がありますが、兄弟姉妹は遺留分がありません。

被代襲者が子どもの場合、遺留分は代襲相続人に引き継がれます。

被代襲者が兄弟姉妹の場合、代襲相続人も遺留分はありません。

兄弟姉妹は遺留分がないから、引き継ぐことができないからです。

③代襲相続人が複数いる場合は相続分も遺留分も均等に分割

代襲相続が発生した場合、被代襲者の権利が引き継がれます。

被代襲者の権利が引き継がれるだけだから、他の相続人の権利は変更されません。

代襲相続人が複数いる場合、被代襲者の権利を平等に分割します。

被代襲者が子どもの場合、被代襲者の相続分と遺留分が均等に代襲相続人に引き継がれます。

被代襲者が兄弟姉妹の場合、被代襲者の相続分が均等に代襲相続人に引き継がれます。

5代襲相続がある相続を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、被相続人のものは相続財産になります。

相続財産は相続人全員の共有財産ですから、分け方を決めるためには相続人全員の合意が必要です。

相続人の一部を含めない合意や相続人でない人を含めた合意は無効になります。

相続財産の分け方の話し合いの前提として、相続人の確定はとても重要です。

代襲相続や数次相続が発生している場合、一挙に難易度が上がります。

インターネットが普及したことで、多くの情報を手軽に得ることができるようになりました。

簡単に情報発信ができるようになったこともあって、適切でない情報も有益な情報もたくさん出回っています。

相続の専門家と名乗っていながら、適切でないアドバイスを見かけることも度々あります。

代襲相続や数次相続が発生している場合、信頼できる専門家のサポートが欠かせません。

スムーズに相続手続を行いたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続手続で実印と印鑑証明書が必要になる

2023-03-22

1印鑑証明書とは

①市区町村役場に印鑑を登録することができる

15歳以上の人は、自分の印鑑を住民票のある市区町村役場に登録することができます。

印鑑証明書は、本人の登録した印鑑による印影であることを証明する書類です。

市区町村役場に登録した印鑑を実印と言います。

②印鑑証明書が必要になる理由

相続手続を進めようとすると、印鑑証明書を用意するように言われます。

重要な契約や大切な場面では、本人の意思確認のために押印をしてもらうことが多くあります。

特に重要な場面では、実印で押印してもらいます。

実印は本人が大切に保管しているから実印で押印されている場合、本人の意思で押印されたと言えるでしょう。

実印で押印したことを証明するために、印鑑証明書が必要になります。

実印で押印し印鑑証明書を添付することで本人の意思であることが間違いないと第三者にも信用してもらえます。

2遺産分割協議書を作成すると実印と印鑑証明書が必要になる

①相続人全員の合意を証明するため

相続が発生した後、相続財産は相続人全員の共有財産になります。

相続人のひとりが勝手に処分することはできません。

相続財産の分け方について相続人全員で合意をする必要があります。

相続財産の分け方にについて、相続人全員でする話し合いのことを遺産分割協議と言います。

相続財産の分け方について、相続人全員で合意したら、確定して話し合いは終了になります。

全ての財産をまとめて合意しなければならないといったこともありません。

一部の財産についてだけ合意をすることもできます。

相続人全員の合意ができたら、合意内容を文書に取りまとめます。

相続財産の分け方にについて相続人全員の合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書と言います。

遺産分割協議書は、相続人全員が記名して実印で押印します。

遺産分割協議書の押印が実印であることを証明するために、印鑑証明書を添付します。

相続人全員が実印で押印し印鑑証明書を添付することで、相続手続先に対して相続人全員の合意があることを証明することができます。

②相続登記で遺産分割協議書が必要なとき実印と印鑑証明書が必要になる

相続人が複数である場合や遺言書がない場合、遺産分割協議が必要になります。

相続登記で遺産分割協議書を提出する場合、実印で押印し印鑑証明書を添付します。

相続人が一人の場合、話し合いをするべき他の相続人はいません。

遺言書がある場合、相続人全員の話し合いは必要ありません。

遺産分割協議が必要ない場合、遺産分割協議書は必要ありません。

遺産分割協議書を作成しない場合、印鑑証明書を提出する必要もありません。

印鑑証明書は、遺産分割協議書の押印が実印によるものであることを証明するために添付するからです。

相続登記で遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、印鑑証明書に期限はありません。

古い印鑑証明書を提出しても差し支えありません。

相続登記で提出した遺産分割協議書と印鑑証明書は、希望すれば原本還付をしてもらうことができます。

③相続税申告で遺産分割協議書が必要なとき実印と印鑑証明書が必要になる

相続税の申告書等の書類には実印を押印する必要はありません。

認印で差し支えありません。

実印で押印が必要になるのは、遺産分割協議書です。

遺産分割協議書に相続人全員が実印で押印する必要があります。

遺産分割協議書に実印で押印したことを証明するために印鑑証明書を添付します。

相続人が一人の場合や遺言書がある場合、印鑑証明書は不要です。

相続税申告で遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、印鑑証明書に期限はありません。

古い印鑑証明書を提出しても差し支えありません。

相続税申告で提出した印鑑証明書は、原本還付をしてもらうことができません。

④相続放棄は実印と印鑑証明書は不要

家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の届出をします。

届出をする先の家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は裁判所のホームページで調べることができます。

相続放棄をしたい旨の届出の書類のことを、相続放棄申述書と言います。

相続放棄申述書は、相続放棄の届出をする人が押印をします。

実印で押印してももちろんいいのですが、押印は認印で充分です。

実印を押さないから、印鑑証明書を提出することもありません。

にもかかわらず、相続放棄の手続のため実印と印鑑証明書を用意して欲しいと他の相続人に言われたというケースがあります。

相続放棄のためと称していますが、相続放棄の手続のはずがありません。

相続放棄の手続は、相続放棄をする相続人が自分でするものだからです。

相続放棄の手続には、実印も印鑑証明書も不要です。

実印と印鑑証明書を渡して欲しいと言ってきた場合、別の手続をしようとしています。

具体的には、遺産分割協議と相続放棄を混同していると言えます。

自称専門家の場合、遺産分割協議と相続放棄を混同しているケースは度々あります。

3預金の解約や生命保険の請求で印鑑証明書が必要になる

①銀行預金を解約する場合

口座の持ち主が死亡したことを金融機関が知った場合、口座を凍結します。

口座が凍結されると、口座から引き出しや振り込みができなくなります。

口座の凍結解除に印鑑証明書が必要になります。

金融機関によって相続手続が異なりますが、多くの場合、次の人の印鑑証明書が必要です。

(1)相続人が一人だけの場合

預貯金を相続する人の印鑑証明書

(2)遺産分割協議書がある場合

相続人全員の印鑑証明書

銀行預金の解約などで遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、独自ルールで印鑑証明書に期限をもうけています。

期限は3か月や6か月以内のことが多いです。

古い印鑑証明書を提出した場合、印鑑証明書を取得し直すことになります。

銀行預金の解約などで遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、多くは原本還付をしてもらえます。

(3)遺言書がある場合

預貯金を相続する人の印鑑証明書

(4)裁判所の手続で相続する人が決まった場合

預貯金を相続する人の印鑑証明書

②生命保険の死亡保険金を請求をする場合

生命保険の死亡保険金を請求する場合、受取人の確認のため、印鑑証明書が必要になります。

4実印を押してもらえない場合

①実印がない場合は印鑑登録をしてもらう

実印は、本人の意思が特に重視される重要な場面でのみ使います。

相続人の中には、印鑑登録をしたことがない人がいるかもしれません。

印鑑登録をしていない場合、印鑑証明書は発行されません。

実印は、重要な場面でのみ使うものだから、普段は人目にさらすことはないでしょう。

大切に保管して、そのままどこに保管したか分からなくなることがあります。

過去に印鑑登録をしたものの実印を紛失した場合、印鑑の廃止をすることができます。

あらためて印鑑登録をすることで登録した印鑑を実印として使うことができます。

②相続人が海外在住者の場合は署名証明書

15歳以上の人は、自分の印鑑を住民票のある市区町村役場に登録することができます。

住民票のない人は、自分の印鑑を登録する市区町村役場がありません。

印鑑を登録できないから、印鑑証明書を発行してもらうことができません。

海外在住者は、印鑑証明書の代わりに署名証明書を添付します。

署名証明書は、在外公館で発行してもらうことができます。

署名すべき遺産分割協議書を在外公館に持参して、領事の面前で署名します。

領事の面前で署名したことを証明してくれます。

署名した遺産分割協議書と署名証明書を綴り合せます。

③相続人が収監中の場合は施設長の証明書

相続人が刑事施設などに収監されている場合があります。

刑事施設などでは実印を保管していないし、印鑑証明書を取り寄せることができません。

遺産分割協議書を差入し、署名し指印を押してもらいます。

指印の横に、本人の指印に相違ありませんと書いて、施設長に証明をしてもらいます。

④相続人が相続財産の分け方に合意していない場合は裁判手続

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意によって決定します。

遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を取りまとめたもののはずです。

遺産分割協議書に実印を押印しない場合や印鑑証明書を渡してくれない場合、相続財産の分け方に合意していない可能性があります。

遺産分割協議は、相続人全員の合意でなければなりません。

多数決で決めることはできませんから、一人でも反対の人がいると相続手続を進めることはできなくなります。

まずは粘り強く話し合いをするのが大切です。

どうしても話し合いができない場合、家庭裁判所の助力を借りて遺産分割をすることになります。

5印鑑証明書を渡したくない場合

①司法書士などの専門家に相続手続を依頼する

遺産分割協議書は、相続人全員が記名して実印で押印します。

遺産分割協議書の押印が実印であることを証明するために、印鑑証明書を添付します。

相続人全員の印鑑証明書がない場合、原則として、相続手続を進めることはできません。

一部の相続人から一方的に印鑑証明書を渡すように迫られた場合、不安な気持ちになるでしょう。

日ごろから金遣いが荒い相続人や多額の借金を負っている相続人から言われた場合、印鑑証明書を悪用されるのではないかと疑心暗鬼になるかもしれません。

遺産分割協議の内容に納得しているが、印鑑証明書などの悪用が心配な場合です。

相続手続は、司法書士などの専門家に依頼することができます。

司法書士などの専門家に依頼して、直接、司法書士に渡すといいでしょう。

相続手続が終わった後も、直接返して欲しい旨を伝えると直接やり取りができます。

②自分が代表相続人として相続手続をする

司法書士などの専門家に依頼しない場合で、自分が代表相続人として相続手続をする方法があります。

相続手続は、一般的に手間と時間がかかります。

自分が面倒な手続をすると申し出ると、喜んで印鑑証明書などの相続書類を渡してくれるかもしれません。

6相続手続を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。

ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。

インターネットの普及で多くの人は簡単に多くの情報を手にすることができるようになりました。

多くの情報の中には正しいものも、適切でないものも同じように混じっています。

相続登記も簡単にできる、ひとりでできたという記事も散見されます。

不動産は重要な財産であることも多いので、登記手続きは一般の方から見ると些細なことと思えるようなことでやり直しになることも多いものです。

法務局の登記相談を利用すれば、シンプルな事例の申請書類などは教えてもらえますが、通常と異なる事例に関しては、相談する側から話さないとわざわざ説明してくれません。

知識のない方にとっては、通常と異なっているかどうか判断がつかないでしょう。

司法書士などの専門家から見れば、トラブルのないスムーズな相続手続であっても、知識のない一般の方はへとへとになってしまいます。

住所がつながらない場合など、シンプルな事例とは言えない事情がある場合は申請を取下げて、やり直しになることが多いでしょう。

司法書士は登記の専門家です。

スムーズに相続手続を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄の順位と範囲

2023-03-20

1相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

①配偶者は必ず相続人になる

②被相続人に子どもがいる場合、子ども

③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

④被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

2相続放棄とは

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄は、家庭裁判所に対して申立てが必要です。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、プラスの遺産を引き継がなくなりますが、マイナスの遺産も引き継ぐことがなくなります。

だから、親の借金を引き継がないために相続放棄をするなどのケースが一般的です。

3相続放棄ができるのは相続人だけ

①先順位の人がいる場合は相続人ではない

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもがいるのに、親などの直系尊属が相続人になることはありません。

子どもは、親などの直系尊属より先順位の相続人だからです。

②先順位の相続人が相続放棄をしたら相続人になる

子どもがいるのに、親などの直系尊属が相続人になることはありません。

相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。

子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいないものと扱われます。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

③相続放棄をする順番は相続人になる順番と同じ

被相続人が莫大な借金がある場合、家族全員が相続放棄を希望するでしょう。

家族全員が相続放棄を希望する場合であっても、家族全員が一度に相続放棄の手続をすることはできません。

相続放棄ができるのは、相続人だけだからです。

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもがいるのに、親などの直系尊属が相続人になることはありません。

子どもと親などの直系尊属が一度に相続放棄の手続をしても、親などの直系尊属は受け付けてもらえません。

子ども全員の相続放棄が認められていないうちは、親などの直系尊属は相続人ではないからです。

子どもは何人でも一緒に相続放棄の手続をすることができます。

相続放棄は、相続人各自が判断することができるからです。

子ども全員の相続放棄が認められた場合、親などの直系尊属が相続放棄の手続をすることができます。

親などの直系尊属のうち親等が違う人がいる場合、親等が近い人が相続人になります。

父母と祖父母がいる場合、父母は1親等、祖父母は2親等です。

父母と祖父母がいる場合、父母が相続人になります。

父母が相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。

父母が相続人でなくなった場合、祖父母が相続人になります。

父母の相続放棄が認められた場合、祖父母が相続放棄の手続をすることができます。

相続放棄をする順番は相続人になる順番と同じです。

相続人だけが相続放棄をすることができるからです。

④相続放棄をする範囲は相続人になる範囲と同じ

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、被相続人のマイナスの遺産を引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をしても、被相続人のマイナスの財産は消えてなくなりません。

相続放棄をした場合、次順位の相続人が相続することになります。

被相続人のマイナスの財産は、家族みんなを追いかけてきます。

被相続人のマイナスの財産を引き継ぎたくないのであれば、相続放棄をしなければなりません。

相続放棄をする人の範囲は、相続人の範囲と同じです。

相続人でない人に相続財産が相続されることはないからです。

子ども全員の相続放棄が認められた場合、親などの直系尊属が相続放棄の手続をすることができます。

親などの直系尊属全員の相続放棄が認められた場合、兄弟姉妹が相続放棄の手続をすることができます。

兄弟姉妹員の相続放棄が認められた場合、相続する人はいません。

相続人になることができるのは、兄弟姉妹までです。

4相続放棄をしても代襲相続はできない

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。

これを代襲相続と言います。

相続放棄をした場合、代襲相続はできません。

代襲相続になる原因は、次のとおりです。

①相続人が死亡したら代襲相続する

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合です。

実際に死亡した場合の他に、失踪宣告を受けて死亡したものと扱われる場合も、代襲相続が発生します。

②相続人が欠格になったら代襲相続する

欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度のことです。

③相続人が廃除されたら代襲相続する

相続人廃除とは、被相続人の意思で、相続人の資格を奪う制度のことです。

例えば、被相続人に虐待をした人に、相続をさせたくないと考えるのは自然なことでしょう。

代襲相続になる原因には、相続人が相続放棄をしたときは含まれていません。

相続放棄をしても、代襲相続することはありません。

子どもが相続放棄をしても、孫が代襲相続することはありません。

孫は代襲相続することはないから、被相続人の借金に追われることはありません。

兄弟姉妹が相続放棄をしても、甥姪が代襲相続することはありません。

甥姪は代襲相続することはないから、被相続人の借金に追われることはありません。

被相続人が子どもの子どもと養子縁組をしている場合があります。

養子縁組をした孫は、子どもの子どもの身分と養子の身分があります。

養子の実親は、被相続人の子どもです。

被相続人の子どもである養子の実親が相続放棄をした場合、代襲相続をしません。

養子は、被相続人の子どもだから子どもとして相続人になります。

被相続人の養子になった孫は、子どもとして相続放棄をする必要があります。

5相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

相続放棄の申立てをしてから、家庭裁判所で認められるまで1か月程度かかります。

相続放棄の期限は3か月以内と聞いて、気が気でないかもしれません。

相続放棄の期限3か月は被相続人の死亡からではありません。

相続があったことを知ってから3か月以内に届出をすれば充分認められます。

相続があったことを知ってからとは、必ずしも、被相続人の死亡してからではないからです。

相続人が疎遠である場合、相続放棄が認められたことを他の相続人に知らせないことがあります。

相続放棄が認められた相続人は、他の相続人に知らせる義務はないからです。

家庭裁判所は、相続放棄の申立てをした人にだけ相続放棄を認めた通知を送ります。

家庭裁判所は、他の相続人について情報がないからです。

相続があったことを知らなかった場合、相続放棄ができる3か月がスタートしていません。

このポイントは、相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらうことです。

3か月届出ができなかったのは仕方なかったと家庭裁判所が納得できる理由があるときだけは、家庭裁判所も相続放棄を認めてくれるのです。

債権者や市役所などから手紙が来て相続があったことを知った場合、この通知は大切です。

この手紙を見て相続があったことを知ったという証拠になるからです。

6相続人全員が相続放棄をしても管理義務がある

相続放棄をするとはじめから、相続人でなかったと扱われます。

プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなるから、被相続人の遺産などに関与しなくていいと考えてしまうかもしれません。

相続放棄をした人は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまで管理を続けなければなりません。

自分が相続放棄をしたことによって次順位の人が相続人になる場合、その人が相続財産を管理してくれます。

固定資産税などの費用や実家の管理なども、次順位の相続人が引き受けてくれます。

自分の他に相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合、相続放棄をした人は相続財産の管理を続けなければなりません。

相続財産の管理を続ける義務は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまでです。

相続財産を管理すべき人が管理を始めた場合、管理を終了することができます。

7相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄するためには、家庭裁判所に手続をする必要があります。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったと扱われます。

このことから、相続放棄が認められたら相続に関する手続には関与しなくて済むと安心してしまいがちです。

相続財産は引き継ぐことはなくなりますが、管理責任があります。

管理責任があることは、あまり知られていません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合であっても、相続財産を処分した場合、相続放棄が無効になります。

相続放棄は簡単そうに見えて、実はいろいろなことを考慮しなければならない手続です。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続人全員が相続放棄

2023-03-15

1相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

①配偶者は必ず相続人になる

②被相続人に子どもがいる場合、子ども

③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

④被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

2相続放棄とは

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの遺産もマイナスの遺産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、プラスの遺産を引き継がなくなりますが、マイナスの遺産も引き継ぐことがなくなります。

だから、親の借金を引き継がないために相続放棄をするなどのケースが一般的です。

3相続放棄をする人の範囲は相続人になる人の範囲と同じ

相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。

例えば、相続人が配偶者と子である場合、子ども全員が相続放棄をしたら子どもはいないものとして扱われます。

子どもがいない場合、次順位の相続人は親などの直系尊属になります。

配偶者は常に相続人になりますから、配偶者と親などの直系尊属が相続人になります。

配偶者が相続放棄をすると、配偶者はいないものと扱われます。

親などの直系尊属が被相続人より先に死亡していた場合や親などの直系尊属が相続放棄をしたら、親などの直系尊属はいないものと扱われます。

子どもも親などの直系尊属もいない場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。

相続放棄をすると相続人でなくなりますから、相続人はいないものと扱われます。

相続順位が同じ人がすべていないものと扱われた場合、次順位の人が相続人になります。

最初は相続人でなかった人が相続人になることがあります。

家庭裁判所は、相続放棄を認めた場合でも、他の相続人に何も連絡しません。

相続放棄をするのは、被相続人の借金を引き継がないためであることが多いでしょう。

相続放棄をしたら自分は借金から逃れることができます。

自分は借金から逃れて安心だけど、家族がどこまで追いかけられるか心配な人もいるでしょう。

借金は消えてなくなるわけではありませんから、次順位の相続人に引き継がれます。

相続人になると、借金を引き継ぐ可能性があります。

配偶者の他は、被相続人の①子ども②親などの直系尊属③兄弟姉妹です。

相続放棄をする人の範囲は、相続人になる人の範囲と同じです。

相続人になれない人は、被相続人の借金を引き継ぐことはありません。

相続人になれない人は、相続放棄をする必要はありません。

相続人になる人は、借金を引き継がないため相続放棄をする必要があります。

相続放棄をした場合、相続放棄をした人の子どもが代襲相続をすることはありません。

相続放棄をすると相続人でなくなりますから、相続人はいないものと扱われるからです。

次順位の相続人に連絡する義務はありませんが、連絡してあげた方が親切でしょう。

相続人でないと思っていたのに、急に借金の返済を迫られたらびっくりするからです。

多くの場合、次順位の相続人も相続放棄を希望するでしょう。

相続放棄の手続をする準備をしておいてもらった方が、スムーズに手続できるでしょう。

4相続人全員が相続放棄してもいい

相続放棄は、多くの場合、被相続人のマイナスの遺産を引き継がないために行われます。

相続人が全員相続放棄をしたら、被相続人の借金なのに、だれも責任をとらないことになります。

だれも責任をとらないことに後ろめたく思う人もいるかもしれません。

相続放棄は、相続人ひとりひとりが自分の意思で自由に判断できるものです。

結果として、相続人全員が相続放棄を選択することになっても、法律上、やむを得ないことです。

配偶者と子ども全員が相続放棄をした場合、次順位の親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属全員が相続放棄をした場合、次順位の兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹全員が相続放棄をした場合、次順位の相続人はいません。

借金がどこまでも無限に追いかけてくることはありません。

だれが相続人になるかについては、民法で決められているからです。

相続人にならない人は、相続できません。

借金が追いかけてくることはありません。

相続人にならないから、相続することはないし、相続放棄をすることもできません。

相続人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在になります。

5相続財産の行方

①行方が決まるまで相続財産清算人が管理する

相続人全員が相続放棄をした場合であっても、借金は消えてなくなりません。

借金だけでなく、プラスの遺産もマイナスの遺産もすべて、残っています。

プラスの遺産があれば、債権者はプラスの遺産から借金を返してもらいたいと思うでしょう。

相続財産を相続する人がいないので、中立的立場の人に財産を清算をしてもらう必要があります。

相続財産を清算する人を相続財産清算人と言います。

相続財産を清算するため、家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらいます。

家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらうことを、相続財産清算人選任の申立てと言います。

相続財産清算人選任の申立てには、家庭裁判所に予納金を払う必要があります。

予納金は、事件の規模にもよりますが数十万円~100万円ほどです。

②借金は相続財産から弁済する

相続財産管理人は被相続人にお金を貸した人や遺言で財産をもらい受ける人に対して、期間内に申し出るようにお知らせを出します。

プラスの財産からお金を貸した人に弁済します。

お金を貸した人に弁済した後、遺言で財産をもらい受ける人へ支払いをします。

プラスの財産がわずかで、返すべきお金が多い場合、全額返済できなくなります。

お金を貸した金額に応じて、減額した額のみ支払われます。

③特別縁故者へ分与される

お金を貸した人や遺言で財産をもらい受ける人に弁済しても、余りが出る場合があります。

相続人全員が相続放棄する場合では、レアケースです。

プラスの財産に余りが出る場合、特別縁故者に分与される場合があります。

特別縁故者とは、内縁の配偶者や事実上の養子、長期間療養看護に努めた人など、特別な縁故がある人のことです。

家庭裁判所が特別縁故者と認め、相続財産の一部または全部が引き継がれます。

④最終的な残りは国庫へ

特別縁故者に引き継がれた後の残りは国のものになります。

6借金はだれが返済するのか

プラスの遺産から予納金を払う余裕があれば、相続財産清算人選任の申立てをする価値があるでしょう。

プラスの遺産がごくわずかであれば、相続財産清算人選任の申立ての予納金が払えなくなります。

相続財産清算人選任の申立ての予納金が払えないのであれば、相続財産清算人の選任の申立ては諦めることになります。

相続財産清算人の選任の申立てを諦めることは、借金の回収も諦めることになります。

お金を貸す金融機関などは、このような事態になることも想定の範囲内です。

相続が発生しなくても、お金を借りた人が返せなくなって自己破産することはあるからです。

金融機関などはビジネスですから、このようなリスクも考慮に入れてお金を貸すか貸さないかを決めています。

通常は、借金の回収を確実にするために、不動産などを担保に取ります。

相続人全員が相続放棄をした場合で、不動産を担保に取っている場合、担保権を実行します。

担保権を実行するとは、担保に取った不動産を競売して、売却金から借金を回収することです。

連帯保証人を立てるように求めることもあります。

相続人全員が相続放棄をした場合で、連帯保証人がいる場合、連帯保証人に肩代わりを請求します。

被相続人が借金をしたときに、相続人が連帯保証人になっている場合があります。

相続人は相続放棄によって、被相続人の借金を引き継がなくてもよくなります。

相続放棄をしても、借金は消えません。

連帯保証人として、被相続人の借金の肩代わりの義務も消えません。

連帯保証は、お金を貸す人と連帯保証人の契約だからです。

連帯保証人は、債権者に対して借金を返せなくなったときには肩代わりをしますと約束しています。

肩代わりの義務は、連帯保証人の固有の義務です。

相続には関係のない相続人の固有の義務だから、お金を貸した人は連帯保証人に肩代わりを求めることができるのです。

相続放棄をしたから肩代わりはしないということはできません。

肩代わりの義務は相続とは無関係だから、肩代わりを拒むことはできないのです。

7相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する届出です。

相続放棄という言葉自体は日常的に聞く言葉かもしれません。

法律上の相続放棄と日常使う相続放棄は、少し意味が違うかもしれません。

意味が違うことに気づかず、無用に不安になっている場合があります。

意味が違うことに気づかず、重要なリスクが見えていない場合もあります。

実は、相続放棄はその相続でチャンスは実質的には1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は慎重に判断する必要がありますが、いろいろな誤解から利用をためらう人が多いのも事実です。

利用をためらっていると3か月はあっという間です。

相続が発生すると、家族は親戚や知人へ連絡などで悲しみに浸る暇もないくらい忙しくなります。

3か月以内に必要書類を揃えて手続をするのは想像以上にハードルが高いものです。

相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄の有無の照会

2023-03-10

1相続人になる人

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

誰が相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

②~④の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

①配偶者は必ず相続人になる

②被相続人に子どもがいる場合、子ども

③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

④被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続します。

相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することを代襲相続と言います。

2相続放棄とは

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

だから、被相続人が莫大な借金を負っていた場合でも、一切借金の返済をする必要がなくなります。

被相続人が返済を滞らせていて遅延損害金が発生していた場合であっても、遅延損害金も払う必要はありません。

相続放棄をするとマイナスの財産すべて受け継ぐことがなくなります。

仮に自己破産した場合、借金は免除されますが、滞納していた税金は免除されません。

相続放棄では、被相続人が滞納していた税金すら受け継ぐことがなくなります。

自己破産と比べても、相続放棄は強力な効果があります。

3相続放棄をすると次順位の人が相続人になる

相続放棄をすると相続人でなくなります。

例えば、相続人が配偶者と子どもである場合、子ども全員が相続放棄をしたら子どもはいないものとして扱われます。

子どもがいない場合、次順位の相続人は親などの直系尊属になります。

子どもがいる場合、親などの直系尊属は相続人になりません。

子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいないものとして扱われるから、親などの直系尊属が相続人になります。

相続放棄の手続は、家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の届出をします。

家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、相続放棄申述受理通知書が届きます。

家庭裁判所は、相続放棄をしたい旨の届出をした人にだけ、相続放棄申述受理通知書を送ります。

家庭裁判所から、他の人に連絡してくれることはありません。

被相続人に莫大な借金がある場合、相続人になったら相続放棄をしたいと考えるでしょう。

先順位の相続人がいる場合、次順位の人は相続人ではありません。

次順位の人は、先順位の相続人全員が相続放棄をするまで、相続放棄の手続ができません。

被相続人の莫大な借金を相続してしまうのではないか、不安な日々を送ることになります。

先順位の相続人が自主的に相続放棄したことを知らせてくれるといいのですが、次順位の相続人に知らせる義務はありません。

疎遠な相続人は知らせてくれないことが多いものです。

先順位の相続人が何人もいる場合、自分が相続人なのかどうか分かりません。

先順位の相続人に、確認しにくいこともあるでしょう。

被相続人にお金を貸した人にとっても、だれにお金を返してもらえばいいか分かりません。

相続放棄は、本来、家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の届出をすることです。

相続人らの話し合いで、プラスの財産を受け取らないと申し入れをしたことを相続放棄と言う人がたくさんいます。

プラスの財産を受け取らないと申し入れをしたことは相続放棄ではありません。

被相続人にお金を貸した人は、このような相続人にお金を返して欲しいと請求することができます。

4相続放棄申述の有無の照会制度で相続放棄を確認できる

相続放棄をしたかどうかを家庭裁判所に質問することができます。

相続放棄をしたかどうかを家庭裁判所に質問する制度のことを、相続放棄申述の有無の照会と言います。

相続放棄申述の有無の照会をする先の家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は裁判所のホームページで調べることができます。

相続放棄申述の有無の照会ができるのは、次の人です。

①同順位や次順位の相続人

②被相続人の債権者などの利害関係人

相続放棄申述の有無の照会申請書に添付する書類は、次のとおりです。

①被相続人死亡の戸籍謄本

②被相続人死亡の住民票か戸籍の附票

③照会者の身分証明書

④照会者が相続人の場合、相続人の戸籍謄本

⑤照会者が債権者などの場合、借用書や契約書

相続放棄申述の有無の照会申請書は、直接、出向いて提出してもいいし、郵便で送っても差し支えありません。

届出の書き方や提出書類が心配な方は、出向いて裁判所の受付で目を通してもらうと安心です。

返信用の封筒と切手を同封しておくと、郵送で回答してもらえます。

相続放棄申述の有無の照会に手数料はかかりません。

相続放棄申述の有無の照会申請書を提出してから、回答がされるまでにはおおむね半月ほどかかります。

照会の対象となる期間は、家庭裁判所によって異なります。

多くの家庭裁判所では、被相続人の死亡後3か月、先順位の相続人が相続放棄を認められてから3か月です。

ときには被相続人の死亡後長期間経過してから、相続があったことを知る場合があります。

相続があったことを知ってから3か月以内であれば相続放棄の申立てをすることができるはずです。

家庭裁判所によっては、熟慮期間経過後に相続放棄の申立てをしていた人が見落とされる可能性があります。

先順位の相続人全員が相続放棄をしている場合で、かつ、自分も相続放棄をしたいのであれば、すぐに手続きをしましょう。

5相続放棄申述受理証明書の取得方法

先順位の相続人全員が相続放棄をしている場合で、かつ、自分は相続放棄をしない場合、相続手続において相続放棄を証明する必要があるでしょう。

先順位の相続人全員が相続放棄をしたことが証明されないと、客観的に相続人と認められないからです。

このような場合、相続放棄申述受理証明書の交付申請をします。

6相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する届出です。

相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。

実は、相続放棄はその相続でチャンスは実質的には1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続きを取ることはできますが、高等裁判所の手続きで、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知していますから、認めてもらえやすい書類を作成することができます。

先順位の相続人がいる場合、相続放棄をしたのかしていないのか分からないと、不安な日々を送ることになります。

相続放棄をしたかどうかを家庭裁判所に文書で質問することができます。

このような照会についても、司法書士はサポートすることができます。

3か月の期間内に手続きするのは思ったよりハードルが高いものです。

相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

一人が全財産を相続するときの遺産分割協議書

2023-03-03

1一人が全財産を相続することができる

①相続人が一人だけ

相続人になる人は、法律で決まっています。

配偶者、子ども、親などの直系尊属、兄弟姉妹です。

家族の状況によっては、相続人が一人だけの場合があります。

相続人が一人だけの場合、その相続人が全財産を相続します。

②他の相続人全員が相続放棄

相続人は、家庭裁判所に手続をして相続放棄をすることができます。

相続人は、各自の判断で相続放棄をすることができます。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。

他の相続人全員が相続放棄をした場合、相続人は一人になります。

相続人が一人だけの場合、その相続人が全財産を相続します。

③遺言書で一人が相続すると指定

被相続人が遺言書を作成していた場合、原則として遺言書のとおり相続します。

相続人が兄弟姉妹の場合は遺言書のとおりで問題がないでしょう。

兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分があります。

遺留分とは、相続財産に対する最低限の取得分のことです。

兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分侵害額請求をすることができます。

④相続人全員で一人が相続すると合意

相続が発生した場合、被相続人のものは相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員で合意しなければなりません。

相続人全員で合意ができれば、一人が全財産を相続するという合意をすることができます。

2一人が全財産を相続するために相続放棄をしたら

例えば、配偶者と子どもが相続人になる場合、配偶者に全財産を相続させたいと合意することがあります。

配偶者一人に全財産を相続させるため、子ども全員が相続放棄をすることがあります。

子ども全員が相続放棄をした場合、配偶者が全財産を相続するように思うかもしれません。

子ども全員が相続放棄をした場合、子どもはいないものとされます。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、親などの直系尊属はいない場合になります。

子どもと親などの直系尊属がいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹の子どもが代襲相続をします。

兄弟姉妹や兄弟姉妹の子どもと相続財産の分け方について、合意をしなければならなくなります。

兄弟姉妹や兄弟姉妹の子どももいない場合に、相続人が一人の場合と言えます。

単に配偶者に全財産を相続させたい意思であれば、配偶者と子ども全員で遺産分割協議をするだけでいいでしょう。

3一人が全財産を相続するときの注意点

①相続財産の分け方は相続人全員で合意が不可欠

相続財産の分け方は、相続人全員で合意しなければなりません。

相続人の多数決で決めることはできません。

認知症や未成年で物事のメリットデメリットを充分に判断できない人がいる場合、代わりの人が判断します。

行方不明の人や疎遠な相続人を無視することはできません。

必ず相続人全員の合意が必要です。

②相続人全員の合意ができたら遺産分割協議書にとりまとめる

相続人全員の合意内容を文書に取りまとめます。

相続人全員の合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書と言います。

遺産分割協議書に相続人全員が記名し実印で押印します。

押印が実印によるものであることを証明するため、印鑑証明書を添付します。

③相続放棄をした人は遺産分割協議に参加しない

家庭裁判所で相続放棄が認められた人は、相続人ではなくなります。

相続人でないから、相続手続に参加する必要はありません。

相続財産の分け方についての話し合いに参加することはありません。

相続放棄をした人が相続財産の分け方に合意することはありません。

遺産分割協議書に記名することも押印することもありません。

一人が全財産を相続する場合、相続財産を受け取らない人が相続放棄をしたと表現する場合があります。

家庭裁判所で手続をしていない場合、相続放棄ではありません。

遺産分割協議でプラスの財産を受け取らない合意をした場合、相続人のままです。

相続人だから、相続財産の分け方に合意をして遺産分割協議書に記名し押印する必要があります。

④債務の相続を合意しても相続人の内部的合意に過ぎない

一人が全財産を相続するとき、プラスの財産もマイナスの財産も相続する合意でしょう。

相続人全員で一人が債務を相続する合意をした場合、相続人の内部的な合意に過ぎません。

債権者は相続人全員に対して法定相続分で借金の返済を請求することができます。

4一人が全財産を相続するときの遺産分割協議書の書き方

①被相続人の書き方

記載例

共同相続人である私たちは、以下の相続について、下記のとおり遺産分割の協議をした。

被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地

被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

被相続人のの氏名   〇〇 〇〇

被相続人の生年月日 〇〇 〇〇年〇〇月〇〇日

被相続人の死亡日 〇〇 〇〇年〇〇月〇〇日

被相続人の最後の本籍、被相続人の最後の住所、被相続人のの氏名、被相続人の生年月日、被相続人の死亡日を記載します。

相続が発生した後、相続手続のために戸籍謄本や住民票を集めているでしょう。

戸籍謄本や住民票の記載どおりに、一字一句間違いなく記載しましょう。

②相続財産の書き方

相続財産中、次の不動産については、相続人○○○○が相続する。

所在 ○○市○○町○丁目

地番 ○番○

地目 宅地

地積 200㎡

相続財産中、次の不動産については、相続人○○○○が相続する。

所在 ○○市○○町○丁目

家屋番号 ○番○

種類 居宅

構造 木造瓦葺2階建

床面積 1階 50.00㎡ 2階 50.00㎡

相続財産中、次の被相続人名義の財産については、相続人○○○○が相続する。

金融機関名 ○○銀行 ○○支店

預金種別  普通預金

口座番号  ○○○○○○○

金融機関名 ○○銀行 ○○支店

預金種別  定期預金

口座番号  ○○○○○○○

合意の対象となった不動産や預貯金を特定できるように列挙して記載します。

相続人○○○○がすべての財産を相続する。

一人が全財産を相続するのだから、上記のような書き方でも不適切なわけではありません。

もしかしたら主要な財産の存在を知らない相続人がいるかもしれません。

主要な財産の存在を知っていたら合意をしなかった。合意は無効だと主張するリスクがあります。

相続手続先によっては、重要財産が列挙されていない遺産分割協議書は無効になるリスクがあると判断するかもしれません。

相続トラブルに巻き込まれることをおそれて、遺産分割協議書を作り直すように言われるでしょう。

せっかく相続人全員の合意ができたのだから、トラブルになりにくい遺産分割協議書を作ることをおすすめします。

③遺産分割協議書に記載のない財産が見つかったときの書き方

記載例

本協議書に記載のない財産は、相続人○○○○が相続する。

相続財産の分け方は、相続人全員で合意しなければなりません。

些細な財産が見つかった場合、あらためて相続人全員で合意をするのは煩わしいでしょう。

遺産分割協議書に記載がない財産が見つかった場合について、合意しておくと相続手続がスムーズになります。

④債務の書き方

記載例

相続財産中、被相続人名義の債務については、相続人○○○○が相続する。

なお、相続人○○○○は他の相続人に上記債務の弁済について、求償しない。

一人が全財産を相続するとき、プラスの財産もマイナスの財産も相続する合意でしょう。

相続人全員で一人が債務を相続する合意をした場合、相続人の内部的な合意に過ぎません。

債権者は相続人全員に対して法定相続分で借金の返済を請求することができます。

相続人間の内部的合意に過ぎませんが、合意内容を明記しておくといいでしょう。

5相続人が一人だけなら遺産分割協議は不要

相続が発生した場合、被相続人の財産は相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意が不可欠です。

相続人が一人だけの場合、相続財産の分ける必要はありません。

一人だけの相続人が当然に全財産を相続します。

他に相続人がいないから、相続人全員の合意も意味がありません。

相続財産の分け方についての相続人全員の話し合いを遺産分割協議といいます。

相続財産の分ける必要はないし、相続人全員の合意も意味がありません。

相続人が一人だけの場合、遺産分割協議は不要です。

遺産分割協議書は、相続財産の分け方についての相続人全員の合意を取りまとめた文書です。

遺産分割協議が不要だから、遺産分割協議書も不要です。

相続人が一人だけの場合とは、はじめから相続人がいない場合だけでなく、他の相続人全員が相続放棄をした場合を含みます。

相続放棄が認められた場合、相続放棄をした人ははじめから相続人でなくなるからです。

6遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。

つまり、書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。

せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄申述受理通知書

2023-03-01

1相続放棄申述受理通知書とは

①相続放棄申述受理通知書は相続放棄を認めた通知

相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという家庭裁判所に対する申立てです。

家庭裁判所は、提出された書類を審査して相続放棄を認めるか認めないか判断します。

相続放棄を認める場合、本人に対して、相続放棄申述受理通知書を送ります。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄を認めましたよという本人あてのお知らせです。

家庭裁判所は、相続放棄を認めた場合、本人にだけ通知をします。

家庭裁判所から、他の相続人や債権者などに自主的に相続放棄を認めましたと通知することはありません。

②相続放棄申述受理通知書は再発行はされない

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄を認めましたよという本人あてのお知らせです。

いったんお知らせをしたらお知らせは完了するので、再発行はされません。

たとえ相続放棄をした本人から依頼があっても、再発行はされません。

相続放棄申述受理通知書を紛失してしまっても、相続放棄は無効になりません。

相続放棄申述受理通知書は、家庭裁判所から相続放棄の申立てをした人に対するお知らせに過ぎないからです。

③相続放棄申述受理通知書はA4の紙1枚

相続放棄申述受理通知書は、家庭裁判所から相続放棄の申立てをした人に対するお知らせです。

裁判所が身近でないことから、何か大げさな仕様があると予想しているかもしれません。

戸籍謄本や住民票のような地模様の入った紙ではなく、見慣れたコピー紙に印刷されています。

家庭裁判所にとっては、単なるお知らせに過ぎません。

簡素な通知書であるから、拍子抜けするかもしれません。

相続放棄が認められたことをお知らせする重要な書類です。

④相続放棄申述受理通知書は普通郵便で届く

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄が認められたことをお知らせする重要な書類です。

家庭裁判所にとっては、単なるお知らせに過ぎません。

相続放棄申述受理通知書は、書留や本人限定郵便などではなく普通郵便で届きます。

気を付けていないとDMなどに紛れてしまうかもしれません。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申立ての書類を作成した司法書士などの専門家に代わりに受け取ってもらうことができます。

⑤相続放棄照会書に回答してから1~2週間で届く

家庭裁判所に相続放棄をする申立てをした場合、申立てをした人に対して相続放棄照会書が届きます。

相続放棄照会書は、相続放棄の意思確認のための裁判所からのお尋ねです。

相続放棄をした場合、相続ができなくなるから慎重に判断します。

相続放棄の申立てと照会書に対する回答を見て、相続放棄を認めるか判断します。

相続放棄照会書に対する回答書を提出してから、1~2週間ほどで相続放棄申述受理通知書が届きます。

家庭裁判所によっては、相続放棄照会書を送らずに判断している場合があります。

相続放棄をする申立てをした後1~2週間経過しても相続放棄照会書が届かない場合、家庭裁判所に問い合わせをするといいでしょう。

2相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書のちがい

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄を認めましたよという本人あてのお知らせです。

家庭裁判所は、相続放棄を認めた場合、本人にだけ通知をします。

債権者や他の相続人などに、自発的に連絡することはありません。

債権者などから見るとは、通常、知らないうちに相続放棄の手続がされていて、知らないうちに相続放棄が認められていることになります。

相続放棄をしたことを知らないから、被相続人にお金を貸していた人は相続人に返してもらおうと考えます。

被相続人にお金を貸していた人から返済を請求されたとしても、相続放棄をしたのだから通常支払う必要はないはずです。

債権者などに見せるため、家庭裁判所で相続放棄を認めてもらったことを証明してもらうことができます。

相続放棄申述受理証明書は、家庭裁判所で相続放棄を認めてもらったことの証明書です。

相続人でないことを証明するために使います。

多くの場合、相続放棄申述受理通知書を渡せば足りるでしょう。

銀行などの金融機関は、相続放棄申述受理通知書では足りず、相続放棄申述受理証明書の提出を求めてきます。

請求があってから、取り寄せることで差し支えないでしょう。

金融機関などの利害関係人は、自分で相続放棄申述受理証明書を取り寄せることができます。

3相続放棄申述受理通知書が必要になる場合

①相続放棄をしたことを証明する

相続放棄が認められても、家庭裁判所から債権者に連絡されません。

被相続人の債権者は何も知らないから、相続人に借金を払ってもらおうとします。

相続放棄をした人は相続人ではないから、被相続人の借金を返済する必要はありません。

債権者に相続放棄申述受理通知書を提示することで、相続放棄をしたことを分かってもらうことができます。

②相続登記など相続手続で使用する

相続放棄が認められても、家庭裁判所から他の相続人や相続手続先に連絡されません。

他の相続人が相続手続をする場合、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や相続人の現在戸籍を提出します。

相続放棄が認められても、戸籍には記載されません。

相続手続先は、相続放棄をしたことは連絡されません。

相続手続先に相続放棄申述受理通知書を提示することで、相続放棄をしたことを分かってもらうことができます。

他の相続人が相続登記をする場合、戸籍謄本から相続放棄をしたことが分かりません。

法務局に対して相続放棄申述受理通知書を提示することで、相続放棄をしたことを分かってもらうことができます。

相続放棄申述受理通知書は、家庭裁判所によって書いてある内容が違います。

法務局から見て相続登記を認めることができるだけの情報が記載されている場合も不足している場合もあります。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄を認めましたよという本人あてのお知らせだからです。

相続登記を提出する場合、法務局から見て相続登記を認めることができるだけの情報が記載されているのであれば相続放棄申述受理通知書を提出することができます。

内容に不足がある場合、相続放棄申述受理通知書では足りず相続放棄申述受理証明書を取り寄せる必要があります。

③事件番号を確認する

相続放棄の申立てを受け付けしたら、家庭裁判所は事件番号を付けます。

家庭裁判所は、事件番号で事件を管理しています。

債権者や他の相続人が相続放棄申述受理証明書の発行を申請する場合、申請書に事件番号を記載する必要があります。

相続放棄申述受理通知書には、必ず事件番号が記載されています。

債権者や他の相続人が相続放棄申述受理証明書を取り寄せる場合、事件番号を知らせてあげると親切でしょう。

事件番号を知らせてあげなかった場合でも、相続放棄申述受理証明書の発行を申請することができなくなるわけではありません。

事件番号が分からない場合、債権者や他の相続人は相続放棄の有無の照会をすることができます。

相続放棄の有無の照会とは、相続放棄をしたか調べてもらう手続のことです。

相続放棄の有無の照会で、事件番号を知ることができます。

債権者や他の相続人は、事件番号を調べてもらってから相続放棄申述受理証明書の発行を申請することができます。

4相続放棄申述受理通知書を受け取っても相続放棄が無効になる場合がある

法律で定められた一定の条件にあてはまるときは、単純承認したとみなされます。

単純承認とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継ぐものです。

単純承認とみなされたら、相続放棄はできません。

相続放棄はできないのに、家庭裁判所に相続放棄の手続をして、相続放棄が認められても無効です。

家庭裁判所が事情を分からずに相続放棄を認めてしまっても、後から無効になります。

単純承認したとみなされる行為は、法律で定められています。

相続財産を処分した場合、単純承認したとみなされます。

相続財産の名義変更をした、相続財産である銀行の預貯金を引き出して使ってしまった場合が典型的です。

単に、引き出しただけであれば、処分とは言えないことが多いでしょう。

引き出したうえ、自分の口座に送金して保管すると、「処分した」と評価される可能性が高くなります。

相続財産の分け方について、相続人全員で合意をした場合も、相続財産を「処分した」場合に当たります。

5相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は撤回ができないので、慎重に判断する必要があります。

せっかく、相続放棄が認められても、相続財産を処分した判断されたら無効になりかねません。

このような行為をしてしまわないように、予め知識を付けておく必要があります。

相続放棄を自分で手続きしたい人の中には、相続放棄が無効になることまで考えていない場合が多いです。

司法書士は、相続放棄が無効にならないようにサポートしています。

せっかく手続しても、相続放棄が無効になったら意味がありません。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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