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口座凍結が相続放棄に及ぼす影響
1口座の持ち主が死亡すると口座凍結
①口座凍結すると入出金ができない
銀行などの預貯金は口座は、日常生活に欠かせません。
口座の持ち主が死亡すると、口座は凍結されます。
口座凍結とは、口座取引の停止です。
口座取引とは、次のものがあります。
・ATMや窓口での引出し
・年金などの振込み
・公共料金などの引落し
口座が凍結されると、入出金ができなくなります。
②口座凍結するタイミング
口座が凍結されるタイミングは、銀行が口座の持ち主が死亡したことを知ったときです。
人が死亡すると、医師は死亡診断書を作成します。
死亡診断書と死亡届を、市区町村役場に提出します。
死亡診断書を作成しても、医師や病院は金融機関に連絡しません。
死亡届を受け付けても、市区町村役場は金融機関に連絡しません。
人が死亡した事実は、個人情報です。
勝手に金融機関に連絡したら、個人情報の漏洩で責任を問われることになるでしょう。
死亡診断書が作成されても死亡届を受け付けられても、口座は凍結されません。
口座の持ち主が死亡したら、口座の預貯金は相続人が相続します。
家族が預貯金の有無や相続手続の方法を銀行に問合わせるでしょう。
預貯金の有無や相続手続の方法を問合わせたときに、銀行は口座の持ち主の死亡を知ります。
口座の持ち主の死亡を知ったときに、口座は凍結されます。
家族が銀行に相続手続の方法を問合わせたときに、口座は凍結されます。
③死亡後に口座凍結する理由
口座の持ち主が死亡したら、口座の預貯金は相続財産です。
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続人全員の合意がないのに、一部の相続人が預貯金を独り占めすることは許されません。
相続人間で大きなトラブルになるでしょう。
安易に引出しに応じていた場合、他の相続人から強い抗議を受けることになります。
ときには、銀行などの金融機関が相続トラブルに巻き込まれる可能性があります。
被相続人の大切な預貯金を守れなかったとなると、金融機関の信用は失墜します。
何としてでも信用失墜は、避けたいはずです。
信用失墜を避けるため、死亡を知ったら口座は凍結されます。
2相続放棄で相続人でなくなる
①相続放棄をするか単純承認するか選択できる
相続が発生したら、相続人は相続放棄をするか単純承認するか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
②相続放棄が認められると相続放棄申述受理通知書が届く
相続放棄の申立てを受付けると、家庭裁判所は内容を審査します。
相続放棄が認められると、相続放棄申述受理通知書が届きます。
相続放棄申述受理通知書を見せると、家庭裁判所で相続放棄が認められたことが分かります。
③相続財産は他の相続人が引き継ぐ
相続人ではないから、被相続人の財産を一切引き継ぎません。
プラスの財産もマイナスの財産も、引き継ぐことはありません。
相続放棄した人は相続人でなくなるから、相続手続に関与することもなくなります。
相続財産は、他の相続人が引き継ぎます。
3口座凍結が相続放棄に及ぼす影響
①相続放棄をしても凍結解除されない
金融機関は相続トラブルに巻き込まれないため、口座を凍結しています。
相続放棄申述受理通知書だけ見せても、凍結した口座は解除されません。
相続放棄申述受理通知書は、相続放棄が認められた通知書に過ぎないからです。
遺産分割協議が成立しないと、金融機関が相続トラブルに巻き込まれるおそれがあります。
相続放棄をしても、口座の凍結解除はされません。
②相続放棄をすると相続関係が複雑化する
相続放棄が認められると、はじめから相続人でなくなります。
被相続人の子どもが相続放棄をすると、相続放棄した子どもは相続人でなくなります。
被相続人の子ども全員が相続放棄をすると、親などの直系尊属が相続人になります。
次順位相続人が相続人になるから、相続関係が複雑になります。
口座凍結解除のために提出すべき戸籍謄本が多くなります。
相続関係が複雑化するから、戸籍謄本を丁寧に点検する必要があります。
相続放棄した相続人がいると、口座凍結解除は難しくなることが一般的です。
③相続財産を利用処分すると単純承認
相続人は相続放棄をするか単純承認するか、選択することができます。
相続人が相続財産を利用処分すると、単純承認と見なされます。
相続財産を利用処分する行為は、単純承認を前提とした行為だからです。
相続財産である預貯金を引出して自分のために使う行為は、単純承認に該当します。
家庭裁判所が相続放棄を認める前後を通して、相続財産を利用処分してはいけません。
④家庭裁判所が相続放棄を認めても絶対ではない
相続放棄が認められたら、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届きます。
相続放棄申述受理通知書が届いても、絶対ではありません。
単純承認をしたのに、相続放棄をすることはできないからです。
詳しい事情が分からないまま、家庭裁判所は相続放棄を認めることがあります。
家庭裁判所は、提出された書類のみで審査をするからです。
債権者は裁判を提起して、相続放棄の効力を争うことができます。
単純承認をしたのに、相続放棄は認められません。
相続財産を利用処分したのに相続放棄をしたら、裁判で相続放棄が無効になります。
相続放棄が無効になると、被相続人の借金などを含めて相続することになります。
⑤施設費や医療費名目で引出すと単純承認のリスク
相続放棄をすると、被相続人の借金は一切引き継ぎません。
被相続人の施設費や医療費も、相続しません。
被相続人がお世話になった施設や病院の費用なのに、支払いをしないことに後ろめたい気持ちになるかもしれません。
施設費や医療費名目であれば引出して使ってもいいだろうと考えるのは、非常に危険です。
お世話になった施設や病院の費用だから支払っておきたいのであれば、相続財産ではなく固有の財産から支払うのがおすすめです。
固有の財産から支払うのであれば、単純承認のリスクはないからです。
⑥相当の葬儀費用の基準はあいまいで高リスク
大切な家族が死亡したら、葬儀を行います。
葬儀には、ある程度まとまった費用がかかります。
相当な葬儀費用であれば、預貯金から支出ができないわけではありません。
相当な費用とはいくらなのか、非常にあいまいです。
一律〇万円などと、明確な基準はありません。
債権者は債権回収のため、単純承認をしたと主張するでしょう。
相当な葬儀費用以上の費用を使ったから、単純承認であると争うでしょう。
葬儀費用を相続財産から支出するのは、非常にリスクが高いと言えます。
あえてトラブルになる方法をとる必要はありません。
葬儀費用は、葬儀の主宰者が負担するべきものです。
葬儀の主宰者が固有の財産で負担したのであれば、単純承認のリスクはないからです。
⑦仮払制度利用で単純承認のリスク
預貯金の口座が凍結すると、引出しや解約ができなくなります。
預貯金の仮払制度を利用すると、口座が凍結していても一定の範囲で引出ができます。
仮払い制度を利用すると、単純承認と見なされるおそれがあります。
相続放棄を検討するなら、仮払い制度の利用はおすすめできません。
相続財産を利用処分しないことが最も安全だからです。
4相続放棄後に口座凍結解除をする方法
①相続放棄した人は相続手続に関与しない
相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。
相続人でないから、相続財産に対する権限は一切ありません。
相続手続にも、一切関与しません。
相続手続は、他の相続人が行います。
②口座凍結解除をする流れ
手順(1)相続の発生を銀行に連絡
口座の持ち主が死亡したことを銀行に連絡します。
口座の持ち主が死亡したことを銀行が知った時点で、口座は凍結されます。
手順(2)相続財産調査
被相続人の財産を網羅的に調査します。
手順(3)相続放棄の申立て
相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択します。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。
相続放棄の申立てができるのは、相続があったことを知ってから3か月以内です。
相続放棄の申立てをした人は、相続財産を利用処分しないことが重要です。
手順(4)相続人調査
戸籍謄本を収集して、相続人を確定します。
相続放棄をしたことで次順位の人が相続人になる場合、戸籍謄本の収集が難しくなります。
手順(5)遺産分割協議
相続人全員で遺産分割協議を成立させます。
遺産分割協議の内容は、遺産分割協議書に取りまとめます。
手順(6)銀行に口座凍結解除の手続
必要書類を取りまとめて、銀行に提出します。
提出書類に問題がなければ、半~1か月程度で口座凍結が解除されます。
③スムーズに口座凍結解除をする秘訣
秘訣(1)必要書類を早めに準備
戸籍謄本や印鑑証明書など、取得に時間がかかる書類は早めに準備します。
相続放棄をした人から相続放棄申述受理通知書を借りれるように、依頼しておくといいでしょう。
相続放棄申述受理通知書が借りれないときは、相続放棄申述受理証明書を発行してもらいます。
秘訣(2)遺産分割協議を進める
相続人が複数いる場合、遺産分割協議書が必要です。
預貯金のみ先に遺産分割協議をすることができます。
秘訣(3)必要書類は銀行に問合わせ
口座凍結解除に必要な書類は、銀行によって多少異なります。
銀行によっては独自ルールで、戸籍謄本や印鑑証明書に有効期限を決めています。
銀行に問合わせをして、ルールに合った戸籍謄本や印鑑証明書を準備します。
秘訣(4)原本還付を依頼する
口座凍結解除には、たくさんの戸籍謄本や印鑑証明書を提出します。
多くの銀行では、提出書類の原本還付を受付けています。
提出した書類をすみやかに原本還付してもらうと、他の銀行の手続を進めることができます。
5預貯金の口座凍結解除を司法書士に依頼するメリット
口座を凍結されてしまったら、書類をそろえて手続すれば解除してもらえます。
必要な書類は、銀行などの金融機関によってまちまちです。
手続の方法や手続にかかる期間も、まちまちです。
銀行内部で取扱が統一されていないことも多いものです。
窓口や電話で確認したことであっても、上席の方に通してもらえないことも少なくありません。
相続手続は、やり直しになることが多々あります。
口座凍結解除は、スムーズに手続できないことが多いのが現状です。
日常生活に不可欠な銀行口座だからこそ、スムーズに手続したいと思う方が多いでしょう。
凍結口座をスムーズに解除したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
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遠方の相続人と遺産分割協議をして相続登記
オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました
1 オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただく前に、どのようなことでお困りでしたか。
相続の手続の進め方がわからなかった
2 たくさんの事務所がある中から、オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただきまして、ありがとうございました。
オリーブの木司法書士事務所を知ったきっかけをお聞かせください。
ご紹介
3 オリーブの木司法書士事務所に相談をしてから依頼をするまで時間はかかりましたか。
また時間がかかったとしたらどんな理由がありましたか。
相談する為にインターネットに入力後、すぐに折り返しがあり
安心して書類等、整えることができた。
4 オリーブの木司法書士事務所に依頼するときに、重視したことをお聞かせください。
知人からの紹介
(どこに依頼すればよいか、不明だった為)
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とても安心して不明な点を解決することができ
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6 このアンケートをオリーブの木司法書士事務所のホームページやパンフレット等に掲載してよろしいでしょうか。
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イニシャル N.N さま
オリーブの木司法書士事務所からコメント
オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました。
N.N さまから、お父さまの相続登記をご依頼いただきました。
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産になります。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定する必要があります。
今回の相続では、一部の相続人が遠方に住んでおり会うことが難しい状況でした。
電話やメールを利用して、遺産分割協議をすることができます。
電話やメールで、相続財産の分け方の合意ができるからです。
相続人全員で合意した後、合意内容は遺産分割協議書に取りまとめました。
相続人全員が遺産分割協議書に記名し、実印で押印していただきました。
相続人が遠方に住んでいても、遺産分割協議を成立させることができました。
相続人全員の協力があったから、無事相続登記が完了しました。
今回、ご依頼をいただきましてありがとうございました。


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一部の財産だけ先に遺産分割協議ができる
1一部の財産だけ先に遺産分割協議ができる
①相続人全員の合意で遺産分割協議成立
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人全員の合意で、遺産分割協議が成立します。
②相続人全員の合意があれば一部の財産の遺産分割ができる
相続人全員の合意がないと、遺産分割協議が成立しません。
相続人全員の合意があれば、遺産分割協議が成立します。
相続人全員の合意があれば、一部の財産だけの遺産分割協議を成立させることができます。
民法改正で、一部のみの遺産分割ができることが明文化されました。
全財産まとめて合意しなければならないといったルールはありません。
全財産まとめて合意しなくても、遺産分割協議が無効になることはありません。
一部の財産だけであっても、有効に遺産分割協議を成立させることができます。
③一部の財産だけ先に遺産分割をする典型的ケース
ケース(1)生活費確保などで預金を引出し
相続人の中には、被相続人の財産で生活していることがあります。
預貯金などの口座の持ち主が死亡すると、口座が凍結されます。
口座の凍結とは、口座取引を停止することです。
口座が凍結すると、ATMや窓口で引出しなどができなくなります。
生活費の支払いのため、生活費の口座だけ先に遺産分割協議をすることができます。
生活費確保などで預金を引出したい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
ケース(2)事業承継に空白期間を防ぎたい
被相続人が事業を行っていることがあります。
事業を引き継ぐ人が事業用財産を引き継ぐ必要があります。
スムーズな事業承継のため、事業用財産だけ先に遺産分割協議をすることができます。
すみやかに事業を引き継ぐ人が事業用財産を引き継ぐと、空白期間を防ぐことができます。
事業承継に空白期間を防ぎたい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
ケース(3)相続財産調査途中で判明した財産だけで手続をしたい
被相続人が保有する財産が多種類かつ複数見つかることがあります。
例えば海外不動産や所在不明の財産があると、相続財産調査には非常に時間がかかります。
相続財産の全容が判明しなくても、遺産分割協議を成立させることができます。
相続人全員の合意があれば、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させることができるからです。
判明した財産だけで遺産分割協議をし、相続手続を進めることができます。
相続財産調査途中で判明した財産だけで手続をしたい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
ケース(4)不動産をすみやかに売却したい
不動産の売却交渉中に、売主が死亡することがあります。
買主が決まって価格交渉が進んでいると、売買契約を急ぐ必要があるでしょう。
売買契約を急ぐ不動産についてのみ、遺産分割協議をすることができます。
不動産をすみやかに売却したい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
ケース(5)相続税の納税資金を確保
相続財産全体の規模一定以上である場合、相続税の申告と納税が必要です。
相続税の申告と納税の期限は、相続が発生してから10か月です。
納税期限が迫っている場合、預貯金や有価証券など換金性が高い財産を先に分割することが有効です。
遺産分割協議が成立しなくても、相続税の申告と納税の期限は延長されないからです。
相続税の納税資金を確保するため、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
④一部の財産だけ先に遺産分割協議をする注意点
注意(1)相続人全員の合意が不可欠
遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が不可欠です。
1人でも反対すると、遺産分割協議が成立しません。
合意内容は、文書に取りまとめます。
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容の証明書です。
相続人全員に合意内容に間違いがないか、確認してもらいます。
遺産分割協議書に、相続人全員の記名と実印による押印が必要です。
一部の財産だけ先に遺産分割協議をする場合であっても、相続人全員の合意が不可欠です。
注意(2)新たに見つかった財産はあらためて遺産分割協議
一部の財産だけ遺産分割協議を成立させた場合、残りの財産は未分割のままです。
新たに見つかった財産は、あらためて遺産分割協議が必要です。
注意(3)相続財産全体で不公平になる可能性
相続財産には、さまざまな種類の財産があるでしょう。
不動産は、分けにくい財産の代表例です。
預貯金や現金は、分けやすい財産の代表例です。
先に分割した財産が分けやすい財産である一方で、後に残る財産が分けにくい財産であることがあります。
不動産は、換金が難しく使いにくいことがあります。
預貯金は、換金しやすく使いやすいでしょう。
先に分割した財産が換金しやすく使いやすい財産である一方で、後に残る財産が換金しにくく使いにくい財産であることがあります。
先に分割した財産の内容が後の遺産分割協議に影響し、相続人間の話合いが進まなくなるかもしれません。
相続財産全体で見ると、不公平になることがあります。
注意(4)一部の財産の遺産分割であることを相続人全員で共有
一部の財産のみ遺産分割をした場合、後日あらためて遺産分割協議が必要になるでしょう。
一部の財産の遺産分割協議であることを相続人間で共有します。
2一部の財産だけの遺産分割協議書で相続手続ができる
①不動産のみの遺産分割協議書で相続登記ができる
被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。
相続登記とは、相続による不動産の名義変更です。
遺産分割協議が成立したら、すみやかに相続登記をします。
不動産のみの遺産分割協議書で、相続登記ができます。
②預貯金のみの遺産分割協議書で口座凍結解除ができる
預貯金などの口座の持ち主が死亡すると、口座が凍結されます。
遺産分割協議が成立したら、口座凍結解除ができます。
預貯金のみの遺産分割協議書で、口座凍結解除ができます。
③株式のみの遺産分割協議書で口座凍結解除ができる
被相続人が株式投資をしていた場合、証券会社などに口座を持っているでしょう。
証券会社などの口座の持ち主が死亡すると、口座が凍結されます。
遺産分割協議が成立したら、口座凍結解除ができます。
株式のみの遺産分割協議書で、口座凍結解除ができます。
④自動車のみ遺産分割協議書で名義変更ができる
被相続人が自動車を保有していた場合、自動車の名義変更をします。
普通車は運輸支局で、軽自動車は軽自動車検査協会で名義変更をします。
自動車のみ遺産分割協議書で、名義変更ができます。
⑤財産ごとに遺産分割協議書を作成できる
一部の財産だけ先に、遺産分割協議をすることができます。
相続人全員の合意ができたら、速やかに合意内容を文書に取りまとめます。
後から一部の相続人が合意はなかったと、言い出すかもしれないからです。
文書にしておかないと、相続人間のトラブルに発展します。
一部の財産だけの遺産分割協議は、有効です。
一部の財産だけ記載した遺産分割協議書は、有効です。
財産ごとに、遺産分割協議書を作成することができます。
財産ごとに遺産分割協議書を作成した場合、遺産分割協議書が複数になります。
遺産分割協議書が複数であっても、まったく問題はありません。
⑥遺産分割調停と併用ができる
一部の財産だけ遺産分割協議が成立した後、残りの財産について合意ができないことがあります。
遺産分割調停とは、家庭裁判所の助力を得てする相続人の話合いです。
残りの財産について、遺産分割調停を利用することができます。
調停申立書には「協議済みの財産は除外し、未分割の財産のみを対象とする」旨を明記します。
相続人のみで話し合いをすると、感情的になって話し合いが難しいかもしれません。
中立的立場の調停委員の客観的なアドバイスを受けると、相手の意見を聞くことができることがあります。
調停委員のアドバイスを受けながら、相続人全員の合意を目指します。
3相続登記義務化で3年以内に相続登記
①3年以内に相続登記をしないとペナルティー
相続登記には、3年の期限が設けられました。
3年以内に相続登記をしないと、ペナルティーの対象になります。
ペナルティーの内容は、10万円以下の過料です。
相続登記義務化は、令和6年4月1日にスタートしました。
令和6年4月1日以前に発生した相続も令和6年4月1日以降に発生した相続も、対象です。
令和6年4月1日以前の相続は、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。
②一部だけ登記をしても相続登記の義務はある
一部の財産だけ遺産分割協議が成立した場合、遺産分割協議が成立した不動産についてのみ相続登記をすることができます。
一部の不動産だけ相続登記をしても、残りの不動産について相続登記の義務があります。
すべての財産について相続登記をしないと、相続登記の義務を果たしたとは言えません。
③遺産分割未了でも相続登記義務化
不動産は、分けにくい財産です。
不動産の分け方を巡って、相続人の話合いがつかないことがあります。
遺産分割協議成立後に、相続登記をするのが一般的です。
遺産分割未了であっても、相続登記の義務は免れられません。
④相続人申告登記でペナルティーを回避
相続登記義務化によって、相続人申告登記の制度がスタートしました。
相続人申告登記とは、相続人であることを申告する制度です。
相続登記ができなくても相続人申告登記をすると、相続登記の義務を果たしたと判断されます。
相続人申告登記で、相続登記義務化のペナルティーを回避することができます。
4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。
書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。
もともとトラブルの火種があるのなら、いっそう慎重になる必要があります。
遺産分割協議書は公正証書にしなくても済むことが多いものですが、慎重を期して公正証書にした方がいい場合があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、その後にトラブルになるのは残念なことだからです。
公正証書にするためには、手間と費用がかかります。
公正証書にする手間と費用を惜しむと、裁判をするなど大きな手間と高額な費用を負担することになります。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を公正証書にしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続人申告登記の注意点とおすすめのケース
1相続人申告登記でペナルティーを回避する
①令和6年4月1日相続登記義務化がスタート
所有権移転登記をしない場合、所有者はソンをします。
不動産に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者のはずなのに権利主張ができないからです。
不動産には不便な場所にあるなどの理由で、価値が低い土地が存在します。
所有者にとって利用価値が低い土地に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者として権利主張する必要を感じないかもしれません。
相続登記は、手間のかかる手続です。
自分で相続登記をしようとするものの、多くの人は挫折します。
相続登記をする場合、登録免許税を納付しなければなりません。
相続登記を専門家に依頼する場合、専門家に報酬を支払う必要があります。
不動産の価値が低い場合、相続登記で手間と費用がもったいないと考える人が少なくありません。
相続登記がされない場合、登記簿を見ても土地の所有者が分からなくなります。
所有者不明の土地の発生を防止するため、相続登記をすることは義務になりました。
相続登記義務化は、令和6年4月1日スタートです。
②相続人申告登記で相続登記の義務を果たす
相続登記は、3年以内に申請しなければなりません。
相続登記の申請義務を果たしていない場合、ペナルティーが課されます。
令和6年4月1日以前に発生した相続であっても、ペナルティーが課される予定です。
相続登記は、手間がかかる難しい手続です。
相続人申告登記は、相続登記より簡単に手続をすることができます。
相続人申告登記をすることで、相続登記の義務を果たすことができます。
3年の期限内に相続人申告登記をした場合、ペナルティーを免れることができます。
③相続人申告登記をしても被相続人名義のまま
相続人申告登記は、相続登記の義務を守るためだけの制度です。
相続登記の代わりにはなりません。
相続人申告登記をしても、所有者は被相続人のままです。
相続人申告登記で、相続人であることが付記されます。
申告人が相続人であることが公示されるに過ぎません。
相続人申告登記をしても、登記名義は被相続人のままです。
④相続人申告登記で期限管理の負担がなくなる
相続人申告登記をすると、相続登記の義務を果たした扱いがされます。
相続人申告登記で、ペナルティー10万円を回避することができます。
期限管理の負担から解放されて、落ち着いて相続手続をすることができます。
2 相続人申告登記の注意点
注意①相続人申告登記だけで売却ができない
相続人申告登記をしても、ペナルティー回避の効果しかありません。
相続人申告登記をしても、あらためて相続登記が必要になります。
相続人申告登記には、相続登記の効果はないからです。
相続が発生した後、不動産を売却したいことがあるでしょう。
不動産の売却をする場合、相続登記を省略できません。
相続登記をしないと、買主に登記を移転させることができないからです。
所有権移転登記ができないと、買主は困ります。
所有者として権利主張する場合、登記が条件となるからです。
相続登記をしないと、事実上売却はできないでしょう。
相続人申告登記だけで、売却ができません。
注意②相続人申告登記をしても相続登記が必要
相続人申告登記をした場合、登記義務を果たしたと見なされます。
相続人申告登記をすると、ペナルティー10万円を回避することができます。
ペナルティーを回避できるだけで、相続登記がされていません。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続人全員の合意で遺産分割協議が成立したら、相続登記が必要です。
相続人申告登記をした後で、あらためて相続登記が必要になります。
ペナルティーを回避できるだけだから、2度手間と言えます。
相続人申告登記をした後であらためて、相続登記が必要です。
注意③他の相続人にペナルティーのおそれ
一部の相続人が相続人申告登記をすることができます。
相続人全員の協力がなくても、相続人申告登記をすることができます。
相続人申告登記をすることでペナルティー回避できるのは、申告した人のみです。
相続人は複数いることが多いでしょう。
相続人申告登記でペナルティー回避をする場合、相続人全員が手続をする必要があります。
一部の相続人のみが相続人申告登記をした場合、他の相続人にペナルティーが課されるおそれがあります。
注意④相続人代表者と見られて固定資産税
相続人申告登記をした場合、登記されます。
不動産の登記簿謄本は、手続し手数料を払えばだれでも取得することができます。
不動産を所有していると、固定資産税が課されます。
遺産分割協議中であっても、固定資産税は課されます。
遺産分割協議中の固定資産税は、相続人全員の連帯責任です。
市区町村は、原則として、相続人代表者に納税通知書を送ります。
相続人申告登記をした場合、市区町村から相続人代表者と見られるでしょう。
注意⑤あやしい不動産業者から営業
不動産の登記簿謄本は、手続し手数料を払えばだれでも取得することができます。
ときには不動産業者が取得することがあります。
相続人申告登記がされている場合、相続人間でトラブルがあることが想像されるでしょう。
不動産の共有持分を売ってほしいなどの営業を受けることがあります。
相続人申告登記をした場合、あやしい不動産業者のターゲットになるかもしれません。
3相続人申告登記がおすすめのケース
ケース①遺産分割協議難航で長期化
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
多くの場合、遺産分割協議が成立した後に相続登記をします。
遺産分割協議が難航すると、相続人全員の合意が難しくなります。
遺産分割協議中であっても、相続登記の義務があります。
遺産分割協議が長期化したまま相続登記をしないと、ペナルティーの対象になります。
相続人申告登記をすると、ペナルティーを回避することができます。
遺産分割協議難航で長期化するケースでは、相続人申告登記をするのがおすすめです。
ケース②一部の相続人と連絡が取れない
遺産分割協議成立のためには、相続人全員の合意が不可欠です。
さまざまな家族の事情から、一部の相続人と連絡が取れないことがあります。
連絡が取れない相続人がいると、遺産分割協議を成立させることが難しくなります。
一部の相続人だけで、相続人申告登記をすることができます。
相続人申告登記をすると、ペナルティーを回避することができます。
一部の相続人と連絡が取れないケースでは、相続人申告登記をするのがおすすめです。
ケース③海外在住の相続人がいる
相続人調査をすると、一部の相続人が海外に在住していることがあります。
遺産分割協議書は、実印で押印をして印鑑証明書を添付するのが原則です。
ほとんどの場合、海外在住の相続人は印鑑証明書を取得することができません。
代わりに領事館などで、署名証明書を取得する必要があります。
書類の準備や郵送するために、時間と手間がかかります。
相続人申告登記をすると、期限のプレッシャーから解放されることができます。
海外在住の相続人がいるケースでは、相続人申告登記をするのがおすすめです。
ケース④売却予定なら相続登記
相続人申告登記をしても、登記名義は被相続人のままです。
相続人申告登記をしても、だれが所有者になるのか分からないと言えます。
だれが所有者になるのか、遺産分割協議で決めるからです。
相続した不動産を売却する予定である場合、相続登記をするのがおすすめです。
相続人申告登記をしても、あらためて相続登記が必要です。
売却予定のケースでは、相続登記をするのがおすすめです。
4相続登記を放置するリスク
リスク①遺産分割協議が難しくなる
相続が発生したときには元気だった相続人が後に、死亡することがあります。
数次相続が発生すると、死亡した相続人の相続人が遺産分割協議に参加します。
死亡した相続人の相続人は、関係が薄いことが多いでしょう。
関係が薄い相続人がいると、話し合いが難しくなります。
相続登記を放置すると、遺産分割協議が難しくなります。
リスク②不動産の利活用ができない
不動産は、分けにくい財産の代表例です。
不動産を売却して、金銭で分ける方法が有効です。
相続登記をしていないと、不動産は事実上売却できません。
相続登記をしていないと、所有者が分からないからです。
所有者が分からないのに、不動産を取引するとトラブルに巻き込まれるおそれがあります。
トラブルを避けるため、不動産の購入を諦めるでしょう。
相続登記を放置すると、不動産を売却できなくなります。
リスク③第三者と共有の可能性
遺産分割協議中は、相続人全員が法定相続分で共有していると言えます。
相続人全員が法定相続分で共有していると、登記することができます。
相続人全員が法定相続分で共有する相続登記は、相続人が単独で申請することができます。
他の相続人が何も知らないところで、相続人全員の法定相続分で相続登記ができてしまいます。
法定相続分で相続登記をした後、不動産の持分を売却することができます。
あまり知られていませんが、持分を買い取る専門の業者がいます。
相続人が共有持分を売却すると、第三者と不動産を共有することになります。
相続登記を放置すると、第三者と共有の可能性があります。
リスク④費用負担で相続人間のトラブル
複雑な相続になると、サポートに手間と時間がかかります。
相続登記を放置して複雑な相続になると、司法書士費用が高くなるでしょう。
複雑な相続になると、余計な司法書士費用がかかります。
相続登記を放置すると、費用負担で相続人間のトラブルになります。
5相続人申告登記のやり方
①登記名義人の相続人が申出
相続人申告登記は、登記名義人の相続人であることを公示する制度です。
登記名義人の相続人が相続人申告登記をすることができます。
相続人申告登記では、次の事項を申出します。
(1)申出人の氏名及び住所
(2)代理人の氏名及び住所
(3)申出の目的
(4)申出に係る不動産の所在事項
②相続人申告登記の必要書類
配偶者または子どもが相続人申告登記をする場合、必要書類は次のとおりです。
(1)被相続人の除票
(2)被相続人の戸籍謄本
(3)申出人の戸籍謄本
(4)申出人の住民票
(5)委任状
③相続人申告登記で登録免許税はかからない
相続人申告登記では、登録免許税は課されません。
④提出先は不動産を管轄する法務局
相続人申告登記は、不動産の所在地を管轄の法務局へ提出します。
法務局の管轄は、法務局のホームページで調べることができます。
⑤郵送で申請できる
相続人申告登記の申出書は、紙で作成することができます。
紙で作成した相続人申告登記の申出書は、郵送で提出することができます。
⑥代理できるのは司法書士と弁護士のみ
相続人申告登記は、相続登記とちがいカンタンに手続できます。
相続人申告登記を依頼できるのは、司法書士と弁護士のみです。
無報酬で1回限りであれば、家族に依頼することができます。
代理申請をする場合、委任状が必要です。
6相続登記を司法書士に依頼するメリット
大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。
やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。
相続手続は、一生のうち何度も経験するものではありません。
だれにとっても不慣れで、手際よくできるものではありません。
相続手続で使われる言葉は、法律用語です。
一般の方にとって、日常で聞き慣れないものでしょう。
不動産は重要な財産であることも多いものです。
登記手続は一般の方から見ると些細なことと思えるようなことで、やり直しになります。
日常の仕事や家事のうえに、これらのことがあると、疲労困憊になってしまうことも多いでしょう。
司法書士などの専門家から見れば、トラブルのないスムーズな相続手続であっても、多くの方はへとへとになってしまうものです。
相続手続に疲れてイライラすると、普段は温厚な人でも、トラブルを引き起こしかねません。
司法書士などの専門家は、このような方をサポートします。
相続手続でへとへとになったから先延ばしするより、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
死亡した人の借金を払わない方法
1死亡した人の借金を払わない方法
①借金は相続財産
相続が発生したら、被相続人の権利義務は相続人が相続します。
相続とは、被相続人の権利義務を一切承継することです。
被相続人のプラスの財産だけでなくマイナスの財産も、相続の対象です。
被相続人が借金を抱えて死亡した場合、借金は相続人が相続します。
借金も、相続財産のひとつだからです。
②相続放棄をすると一切財産を引き継がない
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄とは、被相続人の財産を一切引き継がない手続です。
相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄が認められると、借金を一切引き継ぎません。
相続放棄が認められると、プラスの財産を一切引き継ぎません。
③遺産分割協議は内部的合意
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
被相続人が抱えていた借金は、相続財産です。
借金をだれが相続するのか、遺産分割協議で決めることができます。
遺産分割協議で借金を相続する人を決めても、相続人の内部的合意です。
債権者には関係ない、相続人間の合意に過ぎません。
債権者は相続人全員に対して法定相続分で、借金の返済を求めることができます。
遺産分割協議で相続する人を決めたから、借金の返済をしたくないと文句を言うことはできません。
遺産分割協議は、相続人の内部的合意だからです。
全債権者の承諾を得て債務引受契約を締結した場合、借金を逃れることができます。
④限定承認のハードルは非常に高い
(1)相続人全員が共同で申立てが必要
限定承認とは、相続財産の範囲内でのみ債務を清算する制度です。
限定承認は、魅力的に見えるかもしれません。
限定承認は、相続人全員が共同で家庭裁判所に申立てをする必要があります。
相続人全員の協力ができない場合、限定承認は事実上できないでしょう。
疎遠な相続人がいる場合、相続人全員の協力は困難です。
(2)一部の相続人が財産処分すると単純承認になる
相続人が相続財産を処分をすると、単純承認をしたと見なされます。
相続財産の処分は、単純承認を前提とした行為と判断されるからです。
一部の相続人が財産処分をすると、限定承認はできません。
限定承認は、相続人全員が共同で申し立てする必要があるからです。
(3)財産目録作成などの手続が煩雑
相続財産調査の結果を相続財産目録に取りまとめて、家庭裁判所に提出します。
書類を準備するために、時間と手間がかかります。
申立ての期限3か月以内に、書類を準備する必要があります。
(4)清算手続が煩雑
債権者に対して官報公告を行い、債権の申出を受けます。
債権の有効性や順位を考慮しながら、相続財産を換価して配分します。
知識がない相続人が手続するのは、非常に困難です。
弁護士や司法書士などの専門的助言が必要になるでしょう。
手続コストが非常に高額になることが予想されます。
(5)債権者への弁済処理が煩雑
債権者が多数いる場合、対応が煩雑になります。
債権の存在や金額に争いがある場合、裁判手続が必要になるでしょう。
(6)相続財産管理人の選任が必要になる
相続人が清算手続をするのは、相当に困難です。
家庭裁判所に相続財産管理人の選任が必要になるでしょう。
相続財産管理人報酬や手続費用が高額になる可能性があります。
2判断の前に相続財産調査が欠かせない
①相続人であることは戸籍謄本で証明
相続を単純承認するか相続放棄をするか選択するため、相続財産調査が欠かせません。
単純承認をすると、莫大な借金を引き継ぐ可能性があります。
相続放棄をすると、借金以上のプラスの財産があっても引き継ぐことはできません。
被相続人の財産状況は、重要な個人情報です。
みだりに調べることはできません。
相続人であることを証明すれば、被相続人の財産状況を調べることができます。
相続人であることは、戸籍謄本で証明します。
戸籍とは、被相続人の身分関係を記録した帳簿です。
戸籍謄本を確認すると、出生や死亡、婚姻や離婚、養子縁組や離縁などの身分事項が分かります。
例えば被相続人の子どもが相続人である場合、次の戸籍謄本で相続人であることを証明できます。
・被相続人の死亡が記載された戸籍謄本
・相続人の現在戸籍
相続財産調査をするため、最初に戸籍謄本を取得します。
②各相続人が単独で相続財産調査ができる
各相続人が単独で、相続財産調査をすることができます。
他の相続人の有無を調べることなく、相続財産調査をすることができます。
相続手続をする場合、被相続人の死亡が記載された戸籍謄本のみでは不足です。
遺産分割協議は、相続人全員の合意がないと成立しないからです。
相続人全員を確認するため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を準備します。
相続財産調査をする場合、他の相続人の協力は不要です。
各相続人が単独で、相続財産調査をすることができるからです。
③相続財産を調べる方法
(1)預貯金の調査方法
自宅などを探して、被相続人の通帳やキャッシュカードを確認します。
通帳やキャッシュカードが見つからなくても、金融機関から郵便物が保管してあるかもしれません。
パソコンのメールやスマートフォンのアプリなどから、手掛かりが見つかるかもしれません。
郵便物などを手掛かりに、金融機関に確認します。
(2)不動産の調査方法
自宅などを探して、固定資産税納税通知書と課税明細書を確認します。
課税明細書を確認すると、固定資産税が課される不動産が分かります。
課税明細書が見つからない場合、市区町村役場で名寄帳を請求します。
名寄帳とは、固定資産税の課税台帳を取りまとめた書類です。
不動産が把握できたら、登記簿謄本を取得します。
(3)株式の調査方法
被相続人が株式投資をしている場合、証券会社などで証券口座を持っているでしょう。
証券会社の証券口座は、銀行などの預貯金口座と異なり通帳はありません。
証券会社での取引内容は、取引報告書で確認します。
パソコンのメールやスマートフォンのアプリなどから、手掛かりが見つかるかもしれません。
郵便物などを手掛かりに、証券会社に確認します。
(4)借金の調査方法
自宅などを探して、借用書や契約書を確認します。
借用書や契約書が見つからなくても、債権者から郵便物が保管してあるかもしれません。
パソコンのメールやスマートフォンのアプリなどから、手掛かりが見つかるかもしれません。
郵便物などを手掛かりに、債権者に確認します。
信用情報機関に照会することで、被相続人の借金を調査することができます。
信用情報機関は、次の3つがあります。
・日本信用情報機構(JICC)
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・全国銀行協会全国銀行個人信用情報センター(KSC)
(5)公租公課の調査方法
公租公課とは、国や地方自治体に対する公的負担です。
税金や健康保険料などの賦課金があります。
自宅などを探して、納税通知書を確認します。
公租公課は、信用情報に登録されていません。
信用情報機関へ照会しても、公租公課は調査できません。
④借金の消滅時効が完成している可能性
消滅時効とは、長期間権利行使をしない場合に権利が行使できなくなる制度です。
債権者は、借金を払って欲しいと請求する権利があります。
債務者の事情を察して、借金を請求せずに長期間経過することがあります。
借金を請求せずに長期間経過した場合、条件にあてはまれば権利行使が許されなくなります。
非常に古い借金である場合、消滅時効が完成している可能性があります。
消滅時効によって利益を受けるか受けないか、各相続人が判断することができます。
時効を援用する場合、時効援用を通知します。
一部の相続人だけが時効援用通知をした場合、通知した相続人だけ効果があります。
被相続人の借金の消滅時効を援用したら、プラスの財産を相続することができます。
消滅時効の援用は、単純承認と考えられます。
単純承認をすると、相続放棄ができなくなります。
消滅時効の援用を希望する場合、司法書士などの専門家に相談するのがおすすめです。
3相続放棄をする方法
①申立先
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
最後の住所地は、被相続人の住民票を取得すると判明します。
家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで確認することができます。
②相続放棄ができる人
相続人です。
未成年は、親などの親権者が代理して手続します。
③必要書類
相続放棄の申立てに添付する書類は、次のとおりです。
・被相続人の住民票または戸籍の附票
・被相続人の戸籍謄本
・相続人の戸籍謄本
④手数料
相続放棄を希望する人1名につき800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
手数料とは別に、家庭裁判所が手続で使う郵便切手を予納します。
予納切手の額面や枚数は、家庭裁判所ごとに異なります。
4相続放棄をするときの注意点
注意①相続放棄は家庭裁判所で手続
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所の手続なしで、相続放棄はできません。
家庭裁判所で相続放棄が認められないと、借金を引き継がないという効力はありません。
注意②相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから
相続放棄には、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月です。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
被相続人が死亡してから3か月以上経過しても、相続放棄ができることがあります。
被相続人が死亡しても、相続があったことを知らないことがあるからです。
被相続人が死亡してから3か月以上経過した場合、上申書の提出が有効です。
上申書には、いつ相続があったことを知ったのか詳細に記載します。
相続があったことを知ってから3か月以内でないと、家庭裁判所は相続放棄を認めないからです。
注意③財産処分利用で単純承認
相続財産を処分すると、単純承認と見なされます。
相続放棄を検討する場合、相続財産に手を付けないことがおすすめです。
単純承認をすると、相続放棄をすることはできません。
家庭裁判所が事情が分からないまま、相続放棄を認めてしまうかもしれません。
債権者は裁判などを提起して、相続放棄は認められないと争うことができます。
相続財産を処分利用すると、相続放棄が後から無効になります。
注意④相続人でなくなると次順位相続人
相続放棄が認められると、はじめから相続人でなくなります。
被相続人の子どもが相続放棄をすると、相続人でなくなります。
被相続人の子ども全員が相続放棄をすると、親などの直系尊属が相続人になります。
家庭裁判所は相続放棄を認めても、自主的に次順位相続人に通知しません。
次順位相続人に通知する義務はないけれど、通知してあげると親切です。
注意⑤熟慮期間伸長の申立てができる
相続放棄の期限は、たったの3か月です。
相続財産の内容が非常に複雑で多種類である場合、3か月では調査が終了しないことがあります。
相続財産調査に時間がかかる場合、家庭裁判所に対して熟慮期間伸長の申立てをすることができます。
家庭裁判所の判断で、3か月の期限を3か月程度伸長してもらうことができます。
5相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄は、その相続でチャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。
通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています。
認めてもらいやすい書類を作成することができます。
相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
自筆証書遺言の法務局保管制度利用のデメリット
1自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる
①自筆証書遺言は保管場所に困る
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。
自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。
ひとりで作ることができるから、手軽です。
公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
自筆証書遺言作成後は、保管場所に困ります。
保管場所を家族と共有すると、破棄や改ざんのリスクがあります。
保管場所を家族と共有しないと、紛失や見つからないリスクがあります。
自筆証書遺言は、保管場所に困ります。
②法務局に提出して保管してもらえる
自筆証書遺言を作成後、作成した遺言書を法務局に保管してもらうことができます。
提出された自筆証書遺言は、法務局で厳重に保管されます。
破棄や改ざんリスクがないから、トラブル防止に役立ちます。

③法務局保管制度利用で検認不要
自宅などで自筆証書遺言を見つけたら、家庭裁判所に提出して開封してもらう必要があります。
検認手続とは、自筆証書遺言を家庭裁判所に提出して開封してもらう手続です。
検認手続は、遺言書の変造や改ざんを防止する手続です。
法務局保管制度を利用した場合、検認手続は不要です。
提出された自筆証書遺言は、法務局で厳重に保管されるからです。
2自筆証書遺言の法務局保管制度利用のデメリット
デメリット①内容の有効性はチェックされない
自筆証書遺言の保管申請を受け付けるとき、法務局は形式チェックをします。
形式チェックの具体的内容は、次の点です。
・自書してあるか
・署名があるか
・日付があるか
・押印があるか
形式面に問題がなければ、保管を受付けます。
遺言書の内容の有効性は、チェックしません。
例えば、次のような遺言書は、法務局は問題がないと判断します。
「お兄ちゃんに、家をまかせる」
上記遺言書は、次の点があいまいです。
・お兄ちゃんとは、だれか
・家とは、どの不動産か
・まかせるとは、何を意味するのか
上記遺言書のようなあいまいな表現では、遺言者が死亡した後に家族が困ります。
遺言書があっても、遺言書の内容を実現できないからです。
法務局が保管を受付けても、遺言書の内容が無効である可能性があります。
遺言書の内容を自分で適切に整えるためには、弁護士や司法書士レベルの法律知識が必要です。
知識がないまま遺言書を作成すると、保管されたのに最悪の結果になりかねません。
デメリット②本人が法務局へ出向く必要がある
(1)出張してもらう制度はない
法務局保管制度を利用する場合、本人が法務局に出向く必要があります。
家族などが代理で、保管申請をすることはできません。
たとえ遺言者本人が病気であっても、本人が出向かないと法務局保管制度は利用できません。
公正証書遺言を作成するときのように、出張してもらう制度はありません。
(2)法務局の業務時間は平日昼間のみ
遺言者に体力があっても、時間が作れないことがあります。
法務局の業務時間は、平日の昼間のみだからです。
法務局の業務時間に出向くことができないと、法務局保管制度を利用することはできません。
デメリット③保管申請ができる法務局は限られている
(1)申請できる法務局は限られている
自筆証書遺言保管制度の保管申請は、全国どこの法務局でもできるわけではありません。
自筆証書遺言保管制度の保管申請は、次の地を管轄する法務局に申請できます。
・遺言者の住所地
・遺言者の本籍地
・遺言者所有の不動産の所在地
法務局の管轄は、法務局のホームページで確認することができます。
(2)遺言書保管所は限られている
遺言書保管事務を扱う法務局は、限られています。
遺言書保管所とは、遺言書保管事務を扱う法務局です。
近くの法務局が遺言書保管所に指定されていない場合、指定の法務局に出向く必要があります。
例えば、名古屋市内であれば熱田出張所や名東出張所は遺言書保管所に指定されていません。
近くに熱田出張所や名東出張所があっても、名古屋法務局本局まで出向く必要があります。
(3)地方では管轄が広い
地方では、法務局の管轄が非常に広域です。
最寄りの法務局であっても、距離が遠いことがあります。
例えば、岐阜県高山支局の管轄は、東京都23区よりはるかに広域です。
遺言書保管所まで数十キロ離れていることも、珍しくありません。
デメリット④指定の様式の遺言書のみ保管申請ができる
自筆証書遺言の保管申請をするためには、指定様式に適合する必要があります。
民法上自筆証書遺言として問題がなくても、保管申請ができません。
法務局保管制度を利用するための主なルールは、次のとおりです。
・A4サイズ
・模様や彩色がないもの
・上部余白5ミリ以上、下部余白10ミリ以上、左余白20ミリ以上、右余白5ミリ以上
・片面のみ記載
・ページ番号が書いてあること
例1/2、2/2等
・金属製の綴じ具で留められていないこと
上記のルールに違反する遺言書は、保管申請を受け付けてもらえません。
法務局保管制度を利用したいのであれば、作り直す必要があります。
デメリット⑤内容変更の手続が煩雑
(1)書き直しに二段階の手続
遺言書を作成した後に、内容変更をしたくなることがあるでしょう。
少し書き直しをしたいと、考えることがあります。
保管中の自筆証書遺言を書き直す場合、二段階の手続が必要です。
・法務局に出向いて、保管の撤回申請
・法務局に出向いて、書き直した遺言書の保管申請
(2)手続は完全予約制
法務局保管制度を利用する場合、完全予約制です。
体調に波がある人や移動が難しい人にとっては、大きな負担になります。
(3)保管の撤回をしても遺言書は有効
保管の撤回申請は、遺言書の効力を撤回するわけではありません。
法務局の保管を撤回して、自分で保管することができるからです。
遺言書の効力を撤回したい場合、自分で確実に破棄する必要があります。
相続発生後に複数の遺言書が見つかると、トラブルに発展するおそれがあります。
デメリット⑥住所や氏名に変更があるときは届出が必要
法務局保管制度を利用した後に、登録内容が変更になることがあります。
登録内容の変更の届出が必要です。
登録内容は、次のとおりです。
・遺言者の住所や氏名
・受遺者の住所や氏名
・遺言執行者の住所や氏名
・死亡時通知人の住所や氏名
適切に届出をしていないと、関係遺言書保管通知が届かなくなるおそれがあります。
デメリット⑦遺言書情報証明書を取得してから執行
(1)検認不要でも手間と時間がかかる
遺言者が死亡したら、公正証書遺言は直ちに執行することができます。
自筆証書遺言の法務局保管制度を利用した場合、すぐに執行することはできません。
遺言書情報証明書を取得しないと、内容を確認することができないからです。
法務局保管制度を利用すると、検認手続が不要になります。
検認手続が不要になっても、家族には遺言書情報証明書を取得する手間と時間がかかります。
窓口で遺言書情報証明書を請求する場合は、法務局の予約が必要です。
遺言書情報証明書を請求すると、審査のため相当時間待たされることになります。





(2)遺言書情報証明書を請求するときの必要書類
・遺言者の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・相続人全員の現在戸籍
・相続人全員の住民票または戸籍の附票
・請求者の本人確認書類
(3)手数料
手数料は、遺言書情報証明書1通につき1400円です。
収入印紙1400円分を手数料納付用紙に貼り付けて、納入します。
(4)遺言書情報証明書は郵送請求ができる
遺言書情報証明書の請求は、窓口に出向いて請求する方法の他に郵送請求ができます。
窓口請求は、法務局の予約が必要です。
郵送請求の場合、返信用封筒と切手を準備する必要があります。
往復の郵送時間も含めて、発行までに1か月程度の時間がかかります。
(5)関係遺言書保管通知では内容が分からない
法務局保管制度を利用した場合、遺言者が死亡すると法務局から通知があります。
関係遺言書保管通知とは、自筆証書遺言を保管していることをお知らせする通知です。
法務局保管制度を利用したことを一切伝えていなくても、保管事実が伝わります。
関係遺言書保管通知では、遺言書の内容は分かりません。
関係遺言書保管通知を受け取った後、あらためて遺言書情報証明書で確認します。

デメリット⑧遺言書は家族に返還されない
法務局保管制度を利用した場合、遺言書の返還を請求できるのは遺言者のみです。
遺言者が死亡した場合、家族が望んでも遺言書は返還されません。
遺言書の原本は、直接見ることはできません。
3法務局保管制度利用がおすすめの人
①保管だけ心配な人はおすすめ
法務局保管制度の最大のメリットは、遺言書を安全に保管できることです。
保管だけ心配な人は、法務局保管制度がおすすめです。
具体的には、弁護士や司法書士レベルの法律知識がある人です。
②とりあえず遺言書を作りたい人は公正証書遺言
とりあえず遺言書を作成したいと考える人は、おすすめできません。
法務局が遺言書を保管していても、トラブルに発展する可能性があるからです。
法務局が保管を受付けたことは、安心材料にはなりません。
③公正証書遺言は安心確実でおすすめ
公正証書遺言は、公証人が関与して作成します。
公証人は、遺言者の本人確認をして本人の意思確認をしたうえで公正証書遺言を作成します。
公証人は、法律の専門家です。
書き方ルールの違反で遺言書が無効になることは、考えられません。
遺言書内容があいまいで執行できなくなることは、考えられません。
公正証書遺言は、安心確実です。
公証人が関与する公正証書遺言を強くおすすめします。
4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。
トラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。
せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。
同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。
さらに、遺言書には厳格な書き方ルールがあります。
ルールが守られていない遺言書は無効になります。
書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。
せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。
司法書士は、確実な遺言書を作るお手伝いをします。
家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
売買契約後に売主死亡で相続登記が必要になる
1売買契約後に売主が死亡しても契約は消滅しない
①契約上の地位は相続財産
不動産などの売買契約をすると、売主と買主に権利義務が発生します。
売買契約を締結した後に売主が死亡しても、売買契約は消滅しません。
契約上の地位とは、売買契約に伴って発生する財産上の権利義務の集合体です。
売主が死亡しても、売主の権利義務は存続します。
売買契約は、存続するからです。
売主の権利義務は、相続財産です。
契約上の地位は、相続人全員に相続されます。
②不動産売買では所有権移転時期の特約がある
売買契約を締結したら、締結時に所有権が移転するのが原則です。
不動産の売買契約では、所有権移転時期の特約があるのが一般的です。
売買代金全額の支払時に、所有権が移転する内容の特約です。
不動産の売買契約を締結しても代金支払まで、不動産の所有者は売主のままです。
代金支払前に売主が死亡した場合、不動産は売主の相続人が相続します。
不動産は、売主の財産だからです。
③契約の履行が難しいとき手付解除が選択肢
売買契約締結後に売主が死亡しても、売買契約は消滅しません。
現実には、相続人間で意見が対立して、契約を履行できなくなることがあります。
相続人間で意見対立が長期化すると、買主が待てなくなることがあるでしょう。
手付解除によって、売買契約を白紙にすることができます。
手付解除をする場合、相続人全員の合意が必要です。
手付解除とは、契約締結時に交付された手付金を放棄または返還することで、一方的に解除できる制度です。
手付解除をするためには、契約内容や状況の確認が必要です。
2売買契約後に売主死亡で相続登記が必要になる
①売買契約後で代金支払前の所有者は売主のまま
不動産の売買契約を締結しても、所有者は売主のままです。
売買契約後で代金支払前に、売主が死亡することがあります。
不動産の所有者が死亡した場合、不動産は相続財産です。
不動産は、売主の相続人が相続します。
②相続登記は省略できない
被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。
相続登記とは、相続による不動産の名義変更です。
売買契約締結後で代金支払前に売主が死亡した場合、相続登記は省略できません。
死亡した売主から直接買主に、所有権移転登記をすることはできません。
③相続登記が必要になる理由
不動産登記は、不動産の権利移転を公示する履歴書です。
現在の所有者だけでなく、所有権移転の過程を正確に公示する必要があります。
正確な公示ができていないと、登記制度の信頼を失います。
登記制度が正確に運用されているからこそ、不動産取引の安全と信用が保たれています。
現実においても、売主→相続人→買主と所有権が移転しています。
相続人は不動産を相続しているのだから、相続登記は省略できません。
相続登記をしないまま売買による所有権移転登記を申請すると、登記申請は却下されるでしょう。
相続登記は、登記制度全体の公示機能を維持するため不可欠な手続です。
④相続登記には時間がかかる
相続登記には、時間がかかります。
相続登記を申請すると、登記簿謄本の発行が停止されます。
不動産の権利関係を確認しないまま、代金を支払うのは不安でしょう。
代金支払直前に売主が死亡した場合、支払日の変更の打合せをします。
支払日は、相続登記完了後に変更するといいでしょう。
相続登記のための書類を準備するためにも、時間がかかります。
相続登記を申請してから登記完了まで、半~1か月程度見込むのが現実的です。
相続登記を軽く考えると、代金支払日に登記簿を確認できません。
契約の履行全体が滞る可能性があります。
⑤相続登記完了後に売買による所有権移転登記
実務では相続登記と売買による所有権移転登記は、司法書士がまとめて依頼を受けています。
まとめて依頼しても、相続登記完了を確認してから、売買による所有権移転登記をします。
相続登記に誤りや書類不備があると、売買による所有権移転登記ができないからです。
買主は代金を支払っているのに、登記名義を取得できなくなります。
重大な事故と、言えます。
登記制度は、不動産の権利関係を公示する制度です。
所有権移転の過程を正確に公示するため、相続登記を完了させることが前提です。
相続登記完了を確認してから、売買による所有権移転登記をするのが安全で確実です。
⑥相続人が相続登記をしないときの対応
(1)相続人が相続登記を拒否できない
売買契約後に売主死亡した場合、相続登記が必要です。
相続人の身勝手な理由で、相続登記を省略することはできません。
相続登記はやりたくないなどと、相続人が勝手に決めることはできません。
相続登記をしないと、買主に所有権移転登記をすることができません。
所有権移転の過程を正確に公示できないと、登記制度の信頼を失います。
登記制度の信頼を失わせるような申請は、法務局が認めるはずがありません。
売主の相続人が相続登記は不要だと言っても、法的な意味がありません。
(2)買主は相続登記を強制できない
買主には、相続人に相続登記を強制する権限はありません。
相続登記を申請するのは、売主の相続人です。
買主が勝手に相続登記をすることはできません。
(3)買主は契約解除ができる
相続登記を拒否すると、契約を履行できなくなります。
売主の債務不履行を理由として、売買契約を解除することができます。
(4)手付金は返還請求ができる
売主の債務不履行を理由として売買契約を解除する場合、手付金は返還請求ができます。
売主の債務不履行が理由だからです。
手付損で解除するわけではないからです。
同様に、違約金を払う必要もありません。
(5)相続人に協力を求めるのが現実的
相続登記をするためには、戸籍謄本の収集や遺産分割協議などで時間がかかります。
相続人は、契約上の地位を相続しています。
売主の相続人に対して、相続登記を行うように誠実に求めることが現実的です。
売主の相続人と買主間で、契約の履行期について合意をするといいでしょう。
相続登記をしないと、買主は代金を支払っても登記名義を変更することができません。
登記簿上の所有者になっていないと、第三者に権利主張をすることができません。
協力的な雰囲気の中で相続登記を行い、買主へ売買による所有権移転登記をするのが円滑です。
誠実に相続人に協力を求めるのが、現実的な対応です。
3代金支払後で登記未了のまま売主が死亡
①代金支払時に所有権は移転する
親族間など信頼関係がある間柄で、不動産を売買することがあります。
売買契約締結後、代金を支払います。
代金支払時に、所有権は買主に移転します。
②所有権移転登記をする権利と義務を相続する
通常、売主と買主から依頼を受けて、司法書士が所有権移転登記を代理します。
親族間など信頼関係がある間柄では、所有権移転登記を先延ばしすることがあります。
売買契約の当事者は、お互いに所有権移転登記をする権利と義務があります。
所有権移転登記をする義務を果たさないまま、売主が死亡することがあります。
所有権移転登記をする権利と義務は、相続されます。
所有権移転登記をする権利と義務は、相続財産だからです。
相続人全員が、所有権移転登記をする権利と義務を相続します。
③代金支払後に死亡したときは相続登記不要
売買契約後で代金支払前に売主が死亡した場合、相続登記を省略できません。
売買契約後で代金支払後に売主が死亡した場合、相続登記は不要です。
代金支払時に、所有権は買主に移転したからです。
死亡した売主から直接買主に、所有権移転登記をすることはできます。
売主の相続人は、不動産を相続していません。
相続人は、所有権移転登記をする権利と義務を相続しただけです。
4相続登記の申請方法
手順①遺言書の有無を調査
被相続人が遺言書を作成していることがあります。
遺言書があれば、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。
手順②相続人調査
戸籍謄本を取得して、すべての相続人を確認します。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。
相続人の人数が多い場合や複雑な相続である場合、相続人調査に手間と時間がかかります。
手順③遺産分割協議書の作成
遺言書がない場合、相続財産は相続人全員の共有財産です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方を決めるため相続人全員でする話し合いです。
相続人全員の合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。
遺産分割協議書とは、相続人全員の合意内容を取りまとめた書面です。
合意内容に間違いがないか、相続人全員に確認してもらいます。
合意内容に問題がなければ、相続人全員に記名し実印で押印をします。
手順④必要書類の準備
(1)遺言書がない場合
遺言書がない場合の必要書類は、次のとおりです。
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・相続人の現在戸籍
・被相続人の住民票の除票
・不動産を相続する人の住民票
・遺産分割協議書
・相続人全員の印鑑証明書
・不動産の評価証明書
(2)遺言書がある場合
遺言書がある場合の必要書類は、次のとおりです。
・被相続人の除籍謄本
・相続人の現在戸籍
・被相続人の住民票の除票
・不動産を相続する人の住民票
・遺言書
・遺言書検認証明書
・不動産の評価証明書
手順⑤登記申請書の作成
登記申請書のひな型は、法務局のホームページに出ています。
手順⑥法務局へ提出
登記申請書と必要書類を取りまとめて、法務局へ提出します。
手順⑦登記完了
提出書類が法務局で審査されます。
問題がなければ、新しい所有者として登記簿に記録されます。
申請書を提出してから登記完了まで、およそ2週間程度かかります。
5相続登記を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。
ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。
インターネットの普及で多くの人は簡単に多くの情報を手にすることができるようになりました。
多くの情報の中には正しいものも、適切でないものも同じように混じっています。
相続登記もカンタンにできる、ひとりでできたという記事も散見されます。
不動産は、重要な財産であることも多いものです。
登記手続は、一般の方から見ると些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
法務局の登記手続案内を利用すれば、シンプルな事例の申請書類などは教えてもらえます。
通常と異なる事例に関しては、わざわざ説明してくれません。
司法書士は、登記の専門家です。
スムーズに相続登記を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
家族信託で受託者に報酬を支払う際の注意点
1受託者の責任は重い
①家族信託は財産管理を依頼する契約
所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。
所有権は、自由にものを売る権利であるし、自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。
家族信託とは、自由にものを売る権利や自由に管理する権利を家族に渡してものから利益を受け取る権利だけを持っている仕組みです。
家族信託を利用して、信頼できる家族に財産管理を依頼することができます。
②受託者は財産管理を担当する
家族信託の当事者は、次の3つです。
・委託者 もともとの財産の所有者
・受託者 信託契約で財産管理を任される人
・受益者 財産を利用する権利を持つ人
認知症対策で家族信託を利用する場合、委託者と受益者は認知症の心配がある親、受託者は信頼できる家族です。
受託者は信託契約に基づいて財産を管理処分し、利益は受益者が受け取ります。
③受託者の義務と責任
受託者は、他人の財産を適切に管理する立場です。
受託者には、善管注意義務や忠実義務などの重い義務があります。
受託者が家族であっても、重い義務があります。
受託者の報酬は、重い義務や役割の対価です。
2家族信託で受託者に報酬を支払う際の注意点
注意①受託者の報酬は信託契約で決めておく
(1)信託契約に報酬条項がないと報酬は発生しない
家族信託をすると、受託者が財産管理をします。
受託者は、多大な労力と重い責任を負担します。
受託者の多大な労力と責任に報いるため、報酬を支払うことができます。
家族信託をしたら、自動で報酬が与えられるわけではありません。
信託契約で、受託者が受け取る報酬を決めておきます。
信託契約に報酬条項がないと、受託者の報酬は発生しません。
(2)家族であっても信託報酬を受け取れる
受託者が受け取る報酬は、信託契約ではっきりさせておきます。
受託者が家族であっても、信託報酬を受け取ることができます。
信託業を営むには、信託業法による許可や登録が必要です。
特定の家族から信託を受ける行為は、信託業を営むとは考えられていないからです。
(3)信託報酬は財産管理の対価
家族信託をするときに信託報酬を定めると、家族間の温度感の違いが表面化します。
報酬名目で受託者だけが金銭を受け取れることに対して、不満を覚えるからです。
信託報酬は、家族信託による財産管理の対価です。
家族信託による財産管理は、受託者の仕事や役割と言えるからです。
信託報酬の支払は、好意による贈与ではありません。
家族信託による財産管理は、好意によるお手伝いの延長ではありません。
家族信託を活用する場合、責任と報酬の関係を明確にしておくことが重要です。
(4)認知症になっても信託報酬を受け取れる
委託者が認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。
判断能力が低下すると、生前贈与ができなくなります。
贈与は契約だから、贈与者と受贈者の合意が必要になるからです。
信託契約で報酬条項を定めた場合、委託者が認知症になっても報酬を支払うことができます。
信託契約の報酬条項で、将来に渡って報酬の支払を続けることができます。
注意②適切な支払で家族の信頼を守る
(1)信託口口座から振込
受託者に支払う報酬は、信託財産から支出します。
委託者の個人の口座や現金での支払いは、おすすめできません。
信託財産は、個人の財産と分別して管理されているはずだからです。
あいまいな管理をすると、使い込みに見える可能性があります。
家族信託をする場合、信託口口座を開設するのが一般的です。
信託口口座とは、信託財産を管理するために開設される銀行口座です。
「〇〇〇〇信託口 受託者〇〇〇〇」などと、表示されます。
受託者に支払う報酬は、信託口口座から振込みます。
信託報酬であることが明確になります。
手間をかけずに、受益者や他の家族に対して説明責任を果たしやすくなります。
報酬の振込履歴が信託口口座の通帳に残るからです。
信託口口座からの振込みは、最も簡単で実務的な透明性確保の方法です。
(2)家族の説明不足がトラブルになる
信託契約で報酬条項を定めている場合、報酬は信託財産から支出します。
信託契約に忠実な運用をすることで、家族間の信頼を確保することができます。
家族に対する説明不足があると、トラブルに発展します。
信託口口座の取引履歴を定期的に開示すると、透明性がある説明をすることができます。
家族全員の信頼を確保できると、トラブルの芽を摘むことができます。
注意③受託者の報酬は妥当な範囲で決定する
(1)無報酬で受託者が不満
家族の中には家族信託の受託者の報酬は、無報酬が当然と考えていることがあります。
受託者の果たすべき役割や責任は、決して軽いものではありません。
信託による財産管理は、長期間に及ぶことがあります。
長期間に渡って重い役割と責任を担うのに、無報酬では受託者に不満が生じやすくなります。
受託者の家族にとっても、受託者が信託事務を担うことに不満を覚えることがあります。
精神的・時間的な負担が大きい分は、報酬で報いることができます。
受託者が報酬を得ることで、受託者や受託者の家族が納得できることがあります。
(2)過大な報酬で他の家族が不満
家族信託の受託者の報酬は、信託契約で決めておきます。
契約当事者が納得すれば、金額はいくらでも差し支えありません。
信託報酬は、財産管理の対価のはずです。
不当に高い報酬を合意すると、他の家族が不満に思うでしょう。
報酬の金額そのものより、その金額である理由が重要です。
その金額である理由を家族間で共有すると、トラブル防止につながるからです。
受託者の報酬は、妥当な範囲で決定することが重要です。
(3)報酬が贈与と見なされる可能性
信託契約書に報酬条項がない場合、信託報酬は請求できません。
信託報酬名目で金銭の移動があった場合、税務署から贈与であると指摘されるでしょう。
金額によっては、贈与税の対象になります。
信託契約書に報酬条項を明記すれば、安全だとは言い切れません。
過大な報酬は、実質的には贈与を評価される可能性があるからです。
信託報酬は、財産管理の対価です。
妥当な範囲を越す金額の報酬は、税務調査の対象になるおそれがあります。
(4)成年後見報酬を目安にする
家族信託の受託者の報酬は、上限や下限が決められていません。
受託者の報酬額を決める際に、成年後見報酬が参考にされます。
成年後見人とは、認知症の人の財産管理や身上監護をする人です。
受託者と成年後見人は、財産管理をする人という点で似通っているからです。
成年後見報酬は、認知症の人の財産規模に応じて月額2~6万円程度です。
収益不動産を信託した場合、信託財産から得る収益の〇%などと定率で決めることがあります。
定率で決める場合、不動産管理会社に管理を委託したさいの管理手数料を参考にします。

(5)家族の合意でトラブル防止
家族信託は、委託者と受託者の契約です。
委託者と受託者が合意すれば、信託契約を締結することができます。
他の家族に秘密にして、信託契約をすることはおすすめできません。
他の家族が信託報酬の額を知らないと、不満に思うことがあるからです。
特に家族間だから無報酬が当然と考えていると、大きなトラブルになるでしょう。
他の家族の関与なく信託契約ができるけど、家族で合意してから信託契約がおすすめです。
家族にオープンにしておくと、信頼関係を維持しやすいからです。
注意④税務上の取扱を理解する
(1)20万円超の報酬は確定申告
受託者が信託報酬を受け取る場合、雑所得に該当します。
年間20万円以上の信託報酬を受け取る場合、確定申告と所得税の納付が必要です。
信託報酬が少額でも他の所得と合算して、申告義務が生じることがあります。
(2)受益者の必要経費にできない
報酬を支払う側からは、信託報酬の支払を必要経費にできない可能性があります。
信託の仕組みや財産の帰属関係によって、税務上の取扱が異なるためです。
受益者の必要経費にできるか、税務署や税理士に相談するといいでしょう。
注意⑤報酬の見直しには委託者の判断能力が必要
(1)委託者が認知症になると信託契約の変更ができない
信託契約は、当事者の合意で変更することができます。
信託契約の内容を変更するためには、委託者の判断能力が必要です。
認知症対策で家族信託をする場合、委託者が認知症になっている可能性があります。
委託者が認知症になると、信託契約を変更できなくなります。
(2)受益者代理人を設置しておく
家族信託は、長期間に渡る契約です。
長期間経過するうちに、受託者の負担が重くなることがあります。
受託者の報酬は、信託契約で決めてあります。
受託者の報酬額の変更は、信託契約の変更が必要になります。
委託者が認知症になると、信託契約の変更ができなくなります。
委託者の判断能力低下に備えて、あらかじめ受益者代理人を決めておくことができます。
受益者代理人とは、受益者に代わって受益権に関する権利行使をする人です。
受益者代理人は、信託契約の変更の合意をすることができます。
3家族信託を司法書士に依頼するメリット
家族信託は、信頼できる家族と締結する契約です。
委託者兼受益者と受託者だけでなく、家族みんなで意見共有が重要です。
家族信託を考え始めてから、実際に契約ができるまでに時間がかかることが通常です。
認知症は、進行性があります。
今日は元気だから、明日も元気で、これからずっと元気と思いたいものです。
急に、症状が進むことがあります。
認知症が心配になってから、家族信託の検討を始めるので、家族で争いが起きるのです。
まだまだ元気!若い者には負けない!と言える時こそ、対策のはじめどきです。
家族信託を考えている方は、早めに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
公正証書遺言があっても遺産分割協議書が必要になる
1公正証書遺言があれば遺言書のとおりに遺産分割できる
①遺産分割協議なしで遺産分割ができる
遺言書を作成して、遺産分割の方法を指定することができます。
有効な遺言書があれば、遺産分割協議は不要です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺言書の内容どおりに、遺産分割をすることができるからです。
相続人全員で相続財産の分け方について、話し合いをする必要がありません。
②相続手続は遺言執行者におまかせできる
遺言書は作成するだけでは、意味がありません。
遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。
遺言執行者は、遺言書で指名することができます。
遺言執行者がいると、遺言者は安心です。
遺言執行者が確実に、遺言書の内容を実現してくれるからです。
遺言執行者がいると、相続人は安心です。
手間と時間がかかる相続手続を遺言執行者におまかせできるからです。
③遺言執行者は家庭裁判所に選任してもらえる
遺言書で遺言執行者を指名しても、辞退されることがあります。
遺言書を確認すると、遺言執行者を指名していないことがあります。
遺言執行者がいなくても、遺言書は無効になりません。
遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力で遺言書の内容を実現することができます。
遺言書の内容に不満を持つ相続人がいる場合、協力を得ることが難しいかもしれません。
遺言執行者がいない場合、家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをすることができます。
家庭裁判所が選任した遺言執行者に、相続手続をおまかせすることができます。
2公正証書遺言があっても遺産分割協議書が必要になる
必要①相続人・受遺者が先に死亡
遺言書を作成するというと、財産の分け方について書くことがイメージするでしょう。
財産を受け取る人が遺言者より先に死亡した場合、その条項は無効になります。
受遺者とは、遺贈で財産を受け取る人です。
遺贈とは、遺言書で相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。
財産を受け取る人が遺言者より先に死亡した場合、子どもなどが自動で受取ることはできません。
遺言書の内容は、代襲相続できないからです。
・相続人〇〇〇〇に、財産◇◇◇◇を相続させる
・〇〇〇〇に、財産◇◇◇◇遺贈する
上記の遺言があった場合、財産◇◇◇◇は受取る人がいない財産になります。
受取る人を決めるため、遺産分割協議が必要です。
相続人・受遺者が先に死亡したケースでは、遺産分割協議書が必要です。
必要②相続放棄・遺贈の放棄があった
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
遺言書で遺贈するとあっても、遺贈を単純承認するか遺贈を放棄するか選択することができます。
相続放棄や遺贈の放棄がある場合、その財産を受け取る人はいなくなります。
相続放棄や遺贈の放棄をしたした場合、子どもなどが自動で受取ることはできません。
相続放棄や遺贈の放棄で、代襲相続できないからです。
受取る人がいなくなった財産は、相続人全員の共有財産です。
遺産分割協議で、相続財産の分け方を決定します。
相続放棄や遺贈の放棄があったケースでは、遺産分割協議書が必要です。
必要③遺言書に記載がない財産が見つかった
遺言書を作成した後に、新たに財産を取得することがあります。
遺言書を作成したときに保有していた財産であっても、遺言書に記載していないことがあります。
全財産について記載がない遺言書であっても、遺言書は無効になりません。
遺言書は、一部の財産についてのみ作成することができるからです。
遺言書に記載がない財産が見つかった場合、その財産を受け取る人が指定されていません。
遺言書に記載がない財産は、相続財産です。
遺産分割協議で、相続財産の分け方を決定します。
遺言書に記載がない財産が見つかったケースでは、遺産分割協議書が必要です。
必要④相続人全員の合意がある
遺言書が極端に偏った内容であることがあります。
あまりに偏った内容の遺言書をそのまま執行すると、大きなトラブルになるでしょう。
大きなトラブルになる遺言書なのに、わざわざ執行してトラブルにする必要はありません。
相続人全員の合意で、分け方を決める方が合理的です。
遺言書があっても、相続人全員の合意で遺産分割協議をすることができます。
遺言執行者がいる場合、遺言執行者の合意も必要です。
相続人全員の合意があるケースでは、遺産分割協議書が必要です。
事実上必要⑤金融機関の事務的確認
有効な遺言書があれば、遺言書の内容どおりに遺産分割をすることができます。
金融機関の内部ルールで、相続人全員に対して確認書類を求めることがあります。
金融機関の内部ルールではあるものの、遺産分割協議書同様の書類がないと相続手続が進まなくなります。
金融機関の事務的確認が必要なケースでは、事実上、遺産分割協議書が必要です。
不要⑥遺留分を侵害している
遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。
被相続人に近い関係の相続人に、遺留分が認められます。
具体的には、配偶者、子ども、親などの直系尊属に認められます。
遺言書の内容を確認すると、一部の相続人の遺留分を侵害していることがあります。
遺留分を侵害しても、遺言書は無効になりません。
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者の権利に過ぎないからです。
遺留分を侵害する遺言書があった場合、遺留分権利者は遺留分侵害額請求をすることができます。
遺留分侵害額請求権は、単なる金銭請求です。
遺留分を侵害した人と遺留分を侵害された人の金銭支払で、解決します。
遺留分を侵害した人と遺留分を侵害された人が金銭支払に合意する場合、当事者のみで合意書を作成します。
他の相続人には無関係な合意文書です。
遺留分侵害額請求があっても、相続財産全体の分け方について変更するものではありません。
遺留分を侵害している遺言書があるケースでは、遺産分割協議書は不要です。
遺留分侵害額請求がある場合、前提として極端に偏った内容の遺言書があるでしょう。
極端に偏った遺言書をそのまま執行するより、遺産分割協議をすることに相続人全員が合意できることがあります。
相続人全員が合意できる場合、遺産分割協議をすることができます。
相続人全員の合意があるケースでは、遺産分割協議書が必要です。
不要⑦遺言書が複数
遺品整理をしていると、遺言書が複数見つかることがあります。
有効な遺言書が複数見つかっても、遺産分割協議は不要です。
複数の遺言書のうち、遺言書の内容が両立できれば遺言書は全部有効です。
遺言書の内容が両立できない場合、日付の新しい遺言書が優先します。
遺言書の方式は、優劣に影響がありません。
自筆証書遺言であっても公正証書遺言であっても、日付の新しい遺言書が優先です。
公正証書遺言は自筆証書遺言より強い効力があるといったことはないからです。
遺言書の効力は日付の先後で決まるから、相続人が分け方を決める必要はありません。
遺言書が複数ケースでは、遺産分割協議書は不要です。
3公正証書遺言作成から備えておく対策
対策①相続人・受遺者の死亡に備えて予備的条項
財産を受け取るはずの相続人や受遺者が先に死亡した場合、遺言が無効になります。
相続人・受遺者の死亡に備えて、予備的条項を定めておくことができます。
予備的条項とは、主たる条項が無効になったときに備えて代替的に効力を持たせる条項です。
予備的条項は、保険をかけておく条項と言えます。
例えば、次のように定めることができます。
・相続人〇〇〇〇に、財産◇◇◇◇を相続させる。
ただし、相続人〇〇〇〇が遺言者より先に死亡した場合、相続人〇〇〇〇の子ども□□□□に、財産◇◇◇◇を相続させる。
上記の遺言がある場合、相続人〇〇〇〇が遺言者より先に死亡しても、相続人〇〇〇〇の子ども□□□□が相続することができます。
遺言書で指定されているから、遺産分割協議は不要です。
対策②遺言書に記載がない財産の分け方を書いておく
遺言書を作成する場合、財産目録を準備することが一般的です。
遺言者自身が忘れている財産や知らない財産が見つかることは、どうしても避けられません。
公正証書遺言を作成する場合、記載がない財産の分け方を書いておくことができます。
例えば、次のように定めることができます。
・本遺言書に記載がない財産が見つかった場合、その財産は相続人〇〇〇〇に相続させる。
上記の遺言がある場合、相続人〇〇〇〇が相続することができます。
遺言書で指定されているから、遺産分割協議は不要です。
対策③遺留分に配慮
遺言の内容が大きく偏っていると、一部の相続人の遺留分を侵害することがあります。
遺留分侵害額請求があると、相続人間でトラブルになりがちです。
各相続人の遺留分に配慮することで、相続人間のトラブルを防止することができます。
対策④遺言書の定期的な見直し
遺言書は、作成したら終わりではありません。
遺言者が元気なときに作成するから、相続人や財産に事情が変わることがあります。
遺言書は、書き直しをすることができます。
遺言書を書き直すときに、相続人や受遺者の同意や承諾は不要です。
遺言者は、何度でも書き直しができます。
遺言の内容が現状と合わなくなると、相続人全員の合意で遺産分割協議が必要になります。
大きな資産変動や家族関係の変化があったとき、遺言書の内容を見直すといいでしょう。
4遺産分割協議書を作成するときの注意点
注意①相続人全員の記名と実印による押印
遺産分割協議書とは、相続人全員の合意内容の証明書です。
一部の相続人を含めずに合意しても、無効です。
遺産分割協議書の内容は、相続人全員が確認します。
間違いがなければ、相続人全員が記名し実印で押印します。
注意②相続人全員の印鑑証明書を添付
遺産分割協議書には、相続人全員の印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書の押印が実印による押印であることを証明するためです。
注意③財産を確実に特定
遺産分割協議書には、財産の分け方を記載します。
相続手続をするとき、相続手続先の人にも分かるように財産を特定することが重要です。
具体的には、次の項目を記載します。
不動産は、登記簿謄本を書き写します。
預貯金は、金融機関名、支店、預金種別、口座番号、口座名義人を書き写します。
注意④遺産分割協議書を公正証書にできる
遺産分割協議書は、相続人間で作成することが一般的です。
重要な遺産分割協議である場合、公正証書にすることができます。
相続人間のトラブルを防止したい場合、公正証書にすることは有効です。
公正証書にする場合、公証人が本人確認のうえ本人の意思確認をするからです。
公正証書には、強制執行認諾文言を入れることができます。
強制執行認諾文言とは、約束を守らなかったとき直ちに強制執行を受けても異議を述べない意思表示です。
裁判などをせず強制執行ができるから、公正証書は心強いと言えます。
5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。
書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。
トラブルの火種があるのなら、いっそう慎重になる必要があります。
遺産分割協議書は、慎重を期して公正証書にした方がいい場合があります。
公正証書にするためには、手間と費用がかかります。
公正証書にする手間と費用を惜しむと、裁判をするなど大きな手間と高額な費用を負担することになります。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を公正証書にしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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死後離縁と相続放棄のちがい
1死後離縁で将来の親族関係を整理する
①死亡しても養子縁組は終了しない
養子縁組とは、血縁関係による親子関係の他に、法律上の親子関係を作る制度です。
養親になる人と養子になる人が合意したうえで、市区町村役場に届出をして養子縁組をします。
養親と養子が合意したうえで、市区町村役場に届出をして養子縁組を解消することができます。
養子縁組を解消したら、亡くなった養親や亡くなった養子の親族との親族関係が終了になります。
養親と養子の一方が死亡しても、何もしなければ養子縁組は終了しません。
②死後離縁には家庭裁判所の許可が必要
養親と養子が合意したうえで、市区町村役場に届出をして養子縁組を解消することができます。
養子縁組の解消は、養親と養子が合意をして市区町村役場に届出をするのが原則です。
養子縁組の当事者の一方が死亡した後は、合意をすることができません。
死後離縁とは、当事者の一方が死亡した後で養子縁組を解消することです。
死後離縁をする場合、家庭裁判所の許可が必要です。
家庭裁判所の許可の審判が確定した時点で、離縁の効果が発生します。
③死後離縁の効力は遡らない
死後離縁をすると、養子縁組を解消することができます。
死後離縁の効力は、遡りません。
死後離縁をしても、すでに発生した相続に影響はありません。
死後離縁の効力は、将来に向かって発生するからです。
死後離縁をしても、さかのぼって相続人でなくなることはありません。
④家庭裁判所で許可が下りない可能性
死後離縁の許可の申立てを受付けたら、家庭裁判所は内容を審査します。
不当な理由で死後離縁の申立てをした場合、家庭裁判所は許可しません。
例えば、相続人廃除の申立てを潜脱する目的で死後離縁を申し立てるなどです。
⑤特別養子は死後離縁ができない
養子縁組には、2種類あります。
特別養子と普通養子です。
特別養子は、縁組後に実親との親族関係が終了します。
普通養子は、縁組後に実親との親族関係が継続します。
特別養子は厳格な条件で、家庭裁判所の判断が判断して養子縁組をします。
特別養子は厳格な条件で、家庭裁判所の判断が判断して養子縁組を解消します。
特別養子は、死後離縁をすることはできません。
厳格な条件を満たすことができないからです。
2相続放棄で相続人でなくなる
①相続放棄は家庭裁判所で手続
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所へ相続放棄の申立てを提出します。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
②相続放棄の期限は3か月
相続放棄を希望する場合、3か月以内に家庭裁判所に対して手続をする必要があります。
相続放棄の期限3か月のスタートは、相続があったことを知ってからです。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
相続放棄の期限3か月を経過してから、家庭裁判所に申立てをしても受け付けてもらえません。
被相続人が死亡してから3か月以上経過している場合、上申書を提出します。
熟慮期間内と言える特別な事情を積極的に詳しくアピールする必要があるからです。
③相続放棄の理由は関わりたくないから
相続放棄が認められると、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄をすると、相続手続に関与する必要がなくなります。
相続手続に関わりたくないからを理由に、相続放棄をすることができます。
相続手続に関わりたくないからを理由に相続放棄をする場合、財産調査に意味はないでしょう。
財産が多くても負債が多くても、相続放棄をすることができます。
相続放棄では、相続放棄の意思が重視されるからです。
3死後離縁と相続放棄のちがい
ちがい①すでに発生した相続への影響
(1)死後離縁は影響なし
死後離縁の効力は、将来に向かって発生します。
相続が発生した時点で、養子であったことは変更されません。
死後離縁をしても、養子は相続人のままです。
死後離縁をしても、養子の相続権はなくなりません。
死後離縁をしても、相続した財産は返還する必要はありません。
養子には、遺産分割協議に参加する権利義務があります。
養子を含めて合意をしないと、遺産分割協議は成立しません。
成立した遺産分割協議が無効になることはありません。
死後離縁をしても、すでに発生した相続に影響はありません。
(2)相続放棄は相続人でなくなる
相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。
相続手続に関与する必要はありません。
相続放棄をすると、遺産分割協議に参加する権利義務がなくなります。
相続放棄した人を含めずに、遺産分割協議を成立させます。
相続放棄をすると、相続人でなくなります。
ちがい②将来の相続への影響
(1)死後離縁は相続人でなくなる
死後離縁をすると、養子縁組が解消されます。
養親と養子の親子関係が解消されます。
養親の親族と養子の親族関係が解消されます。
死後離縁をした後に養親の親族が死亡しても、相続人になりません。
養子に子どもがいる場合でも、養子の子どもは代襲相続人になりません。
死後離縁で将来の親族関係を整理するから、相続トラブルを回避することができます。
死後離縁をすると、将来の相続で相続人になりません。
(2)相続放棄は影響なし
相続放棄の手続は、被相続人ごとに行います。
養親の相続で相続放棄をしても、将来の相続に影響はありません。
養親の相続で相続放棄をしても、養親の親族の相続で相続人になります。
養親の親族の相続で相続放棄を希望する場合、あらためて相続放棄の申立てをします。
相続放棄をしても、将来の相続で相続人になります。
ちがい③親族関係の効果
(1)死後離縁は将来の親族関係を整理する
死後離縁をすると、養子縁組が解消されます。
養親と養子の親子関係が解消されます。
養親の親族と養子の親族関係が解消されます。
養親の親族と養子相互の扶養義務が終了します。
死後離縁は、将来の親族関係が整理されます。
(2)相続放棄は影響なし
相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。
親子関係や親族関係に、変更はありません。
相続人でなくなるだけで、親子の縁が切れることはありません。
養親の親族と養子相互の扶養義務が継続します。
親子関係や親族関係に影響がないから、将来の相続で相続人になります。
ちがい④タイミング
(1)死後離縁はいつでもできる
死後離縁に、期限はありません。
養子縁組の当事者の一方が死亡した後、いつでも死後離縁をすることができます。
家庭裁判所に死後離縁の申立てをすることができるのは、養子縁組の生存当事者のみです。
養親と養子の両方が死亡した後は、養子縁組を解消することはできません。
養子縁組の生存当事者は、いつでも死後離縁をすることができます。
(2)相続放棄は3か月以内
相続放棄には、3か月の期限があります。
相続放棄の期限3か月が経過していると、相続放棄が認められません。
被相続人が死亡してから3か月以上経過しても、相続放棄の期限3か月以内である可能性があります。
相続放棄の期限3か月のスタートは、知ってからだからです。
相続発生後3か月以上経過後に相続放棄の申立てをする場合、上申書の記載が重要です。
相続放棄の期限3か月以内であれば、相続放棄が認められるからです。
相続放棄の期限は、3か月です。
ちがい⑤手続方法
(1)死後離縁は家庭裁判所の許可と養子離縁届
死後離縁には、家庭裁判所の許可が必要です。
家庭裁判所の許可の審判が確定した後、市区町村役場に養子離縁届を提出します。
養子離縁届提出には、死後離縁の許可の審判書と確定証明書を添付します。
養子離縁届を提出すると、2週間程度で戸籍に反映します。

(2)相続放棄は家庭裁判所に申立て
相続放棄は、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、相続放棄申述受理通知書が届きます。
債権者や他の相続人に相続放棄申述受理通知書を提示することで、相続放棄したことを示すことができます。
| 項目 | 死後離縁 | 相続放棄 |
| 主目的 | 親族関係の整理 | 財産・負債の放棄 |
| 相続への影響 | すでに発生した相続は相続する | 相続人にならない |
| 手続方法 | 家庭裁判所の許可→養子縁組離縁届 | 家庭裁判所へ申立て |
| 期限 | なし | 3か月以内 |
| 将来の代襲相続 | 発生しない | 発生する |
4死後離縁と相続放棄の使い分け
①養親との親子関係を終了したい→死後離縁
養子縁組当事者の一方が死亡しても、養子縁組による親子関係は継続します。
死後離縁をすることで、養子縁組を解消することができます。
死後離縁をしても、養子は養親の相続人のままです。
相続手続に関与する必要があります。
死後離縁の効果は、将来に向かってのみ発生するからです。
養親との親子関係を終了したいときは、死後離縁が選ばれます。
②養親の親族と親族関係を終了したい→死後離縁
養子縁組当事者の一方が死亡しても、養親の親族との親族関係は継続します。
死後離縁をすることで、養親の親族との親族関係を解消することができます。
死後離縁をすると、将来発生する相続で相続人になりません。
将来発生する相続で、相続手続に関与する必要がありません。
死後離縁の効果は、将来に向かってのみ発生するからです。
養親の親族と親族関係を終了したいときは、死後離縁が選ばれます。
③縁組前の氏に戻したい→死後離縁
養子縁組による親子関係が終了すると、養子は当然に縁組前の氏に復します。
一定の条件を満たした場合、養子縁組時の氏を続称することができます。
続称する条件は、次のとおりです。
(1)養子縁組期間が7年以上
(2)養子離縁の日から3か月以内に市区町村役場に届出
養子離縁届とは別に、「離縁の際に称していた氏を称する届」を提出します。
養子離縁の日から3か月以上経過した場合、氏の変更に家庭裁判所の許可が必要です。
縁組前の氏に戻したいときは、死後離縁が選ばれます。

④相続手続に関わりたくない→相続放棄
相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。
養親の相続で相続放棄をすると、養子は相続人でなくなります。
遺産分割協議など、相続手続に関与する権利と義務がなくなります。
相続手続に関与しないから、相続トラブルから解放されます。
養親の相続で相続放棄をしても、養親との親子関係は継続します。
養親の親族との親族関係は、継続します。
養親の親族が死亡したときに、相続人なる可能性があります。
相続放棄は、被相続人ごとに必要です。
相続手続に関わりたくないときは、相続放棄が選ばれます。
⑤養親の借金を引き継ぎたくない→相続放棄
相続人は、被相続人の権利と義務をすべて相続します。
被相続人が莫大な借金を抱えて死亡した場合、相続放棄をすることができます。
相続放棄をすると、借金を一切引き継がないからです。
死後離縁をしても、すでに発生した相続は相続人になります。
相続放棄をしても、他の相続人や債権者に連絡する義務はありません。
義務はなくても、連絡してあげると親切です。
家庭裁判所は、積極的に他の相続人や債権者に対して連絡されないからです。
養親の借金を引き継ぎたくないときは、相続放棄が選ばれます。
⑥死後離縁と相続放棄は併用できる
死後離縁は、将来の親族関係を整理する手続です。
相続放棄は、一切相続しないための手続です。
目的と効果がまったく異なる制度です。
死後離縁と相続放棄は、併用できます。
死後離縁と相続放棄を併用する場合、相続放棄を先にするのがおすすめです。
相続放棄には、3か月の期間制限があるからです。
5養子がいる相続を司法書士に依頼するメリット
相続税を減らすために、税金の専門家から養子縁組をすすめられることがあります。
税金を減ることだけ強調されて、他のことに考えが及んでいない方も多いです。
税金について考慮することは大切ですが、税金のメリットだけ注目すると後悔することになるでしょう。
死後離縁を考える人の多くは、生前から親族間の関わり合いで疲れ果てています。
養親のためを思って、何も言えないのです。
死亡した養親の相続で、何も対策していないとトラブルが目に見える形になります。
家族の幸せを思って築いた財産なのに、トラブルのタネになっては悲しいでしょう。
家族のために、公正証書遺言を作成したい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
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