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行方不明の相続人に相続放棄をさせられない

2026-07-24

1行方不明の相続人がいると相続手続が進められない

①遺産分割協議成立には相続人全員の合意が必要

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。

②行方不明の相続人を除外して遺産分割協議は成立させられない

一部の相続人を除外して、遺産分割協議は成立させられません。

相続人の多数決で、遺産分割協議は成立させられません。

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要だからです。

たとえ行方不明であっても、遺産分割協議から除外することはできません。

③相続手続に遺産分割協議書と印鑑証明書を提出

相続人全員による話し合いがまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。

遺産分割協議が成立したら、相続手続をします。

相続手続で、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書を提出します。

遺産分割協議書に相続人全員の記名と実印による押印がないと、相続手続を進められません。

行方不明の相続人がいると、相続手続が進められなくなります。

行方不明の相続人がいると、相続登記をすることができなくなります。

行方不明の相続人がいると、口座凍結解除ができなくなります。

2行方不明の相続人に相続放棄をさせられない

①相続放棄をするか自分で判断

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続を単純承認するか相続放棄をするか、相続人が自分で判断します。

相続人以外の人が勝手に判断して、相続放棄をさせることはできません。

たとえ家族であっても、相続人以外の人が相続放棄をさせることはできません。

たとえ行方不明であっても、家族が相続放棄を強制することはできません。

②相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

相続があったことを知らない場合、相続放棄の期限3か月はスタートしていません。

相続があってから長期間経過しても、相続があったことを知ってから3か月以内なら手続をすることができます。

相続人が行方不明である場合、相続があったことを知らないはずです。

相続放棄の期限3か月は、スタートしていません。

行方不明の相続人が帰ってきて、相続があったことを知ってから3か月がスタートします。

家族が代わりに相続放棄をしなくても、行方不明の相続人に不利益はありません。

行方不明の相続人が帰ってきてから、自分で判断します。

行方不明の相続人が帰ってきてから、相続放棄の申立てをすることができます。

③不在者財産管理人は行方不明者の財産を保存管理をする人

行方不明の相続人がいると、相続手続が進められなくなります。

他の相続人など行方不明者の家族は、不在者財産管理人選任の申立てをすることができます。

不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を保存管理する人です。

不在者財産管理人は、家庭裁判所が選任します。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

行方不明の人も他の相続人と一緒に、相続財産を共有しています。

④不在者財産管理人には行方不明者の利益を守る義務がある

不在者財産管理人は、行方不明者のため財産を保存管理します。

不在者財産管理人は、自由に財産の保存管理をすることはできません。

不在者財産管理人には、行方不明者の利益を守る義務があるからです。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

不在者財産管理人は、家族の希望によって判断することはできません。

たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、家族の希望を優先することは許されません。

不在者財産管理人は、公的な立場だからです。

家族の希望を優先すると、行方不明者の利益を守る義務を果たせなくなります。

家族の希望を優先して行方不明者の利益を犠牲にすると、横領や背任などの評価になるおそれがあります。

⑤不在者財産管理人による相続放棄に家庭裁判所の許可

不在者財産管理人は、行方不明者の利益を守る義務があります。

相続財産が債務超過である場合、不在者財産管理人は相続放棄をすることができます。

相続放棄をしないと、行方不明者の利益が守られないからです。

相続財産が債務超過でない場合、不在者財産管理人は相続放棄をすることができません。

財産を相続すれば、相続財産を取得できるはずです。

相続放棄をしたら、取得できるはずだった相続財産を取得できなくなるからです。

不在者財産管理人は、行方不明者の利益が守られない行為をすることができません。

不在者財産管理人が相続放棄をする場合、家庭裁判所の許可が必要です。

相続放棄が行方不明者に利益であるのか、家庭裁判所は厳しくチェックします。

相続財産が債務超過であることを客観的証拠で示すことが重要です。

行方不明者の利益を守られないと判断した場合、家庭裁判所は許可しません。

たとえ家族が希望しても、家庭裁判所は許可しません。

家庭裁判所は、家族の希望を考慮しません。

家庭裁判所は、家族の希望を考慮せず許可するか許可しないか決定します。

行方不明者に相続させずに家族が相続したいなどの理由は、行方不明者の利益を守られないと判断されます。

家庭裁判所は、許可できないでしょう。

家庭裁判所の許可は、家族の希望を実現する制度ではありません。

家庭裁判所の許可なしで、相続放棄をすることはできません。

不在者財産管理人による相続放棄では、家庭裁判所による許可の審判書を提出します。

家庭裁判所の許可を得たと主張するだけでは、相続放棄をすることはできません。

⑥不在者財産管理人は家庭裁判所に監督される

不在者財産管理人の判断は、すべて記録が残ります。

家庭裁判所の監督により、財産管理の透明性が確保されます。

不在者財産管理人は、公的な立場です。

不在者財産管理人には、行方不明者の利益を守る義務があります。

不在者財産管理人には、家族の希望を優先する権限がありません。

行方不明者の利益を守る義務を適切に果たしているか、家庭裁判所は監督します。

家庭裁判所の監督により、財産管理の公平性が確保されます。

3不在者財産管理人による遺産分割協議に制約がある

①不在者財産管理人が遺産分割協議に参加する

行方不明者が相続人になる相続では、不在者財産管理人が遺産分割協議に参加します。

不在者財産管理人と他の相続人全員が合意できれば、遺産分割協議を成立させることができます。

遺産分割協議書には、不在者財産管理人が記名し不在者財産管理人の実印を押印します。

遺産分割協議書に、不在者財産管理人の印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議を成立させれば、相続手続を進めることができます。

②行方不明者に不利益な遺産分割協議に合意できない

不在者財産管理人は、行方不明者の利益を守る義務があります。

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な遺産分割協議に合意できません。

行方不明者に不利益な遺産分割協議とは、行方不明者の相続分を確保できない遺産分割協議です。

遺産分割協議においても、行方不明者の財産を減らすことはできないからです。

たとえ家族が望んでも、行方不明者の相続分を確保できない遺産分割協議に合意することはできません。

③行方不明者に不利益な遺産分割協議に許可されない

不在者財産管理人が遺産分割協議をする場合、家庭裁判所の許可が必要です。

遺産分割協議の内容が行方不明者に不利益でないのか、家庭裁判所は厳しくチェックします。

相続財産の状況を示す客観的証拠を家庭裁判所に提出します。

行方不明者の相続分を確保できる遺産分割協議案を家庭裁判所に提出します。

行方不明者の相続分を確保できると判断されたとき、家庭裁判所は許可をします。

家族が行方不明者の相続分を確保すると主張するだけでは、家庭裁判所は許可をしません。

家庭裁判所による許可の審判書には、提出した遺産分割協議案が添付されています。

家庭裁判所による許可は、提出した遺産分割協議案に合意する許可だからです。

許可を受けた後に、遺産分割協議の内容を変更することはできません。

提出した遺産分割協議案と異なる遺産分割協議をする場合、あらためて許可が必要です。

④相続手続に許可の審判書を提出

遺産分割協議が成立した場合、相続手続をします。

不在者財産管理人を含めて遺産分割協議をした場合、不在者財産管理人選任審判書と権限外行為の許可の審判書を添付します。

相続手続先は、行方不明者の代わりに不在者財産管理人が選任したことを確認します。

相続手続先は、家庭裁判所による許可を受けて遺産分割協議をしたことを確認します。

不在者財産管理人選任審判書と権限外行為の許可の審判書がないと、相続手続が進まなくなります。

4住所が分からない相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続が発生した後、相続手続を進めたいのに住所が分からない相続人や行方不明の相続人がいて困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する人も少なくありません。

不在者財産管理人選任の申立てなど家庭裁判所に手続きが必要になる場合などは、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した人や相続手続で不安がある方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

不在者財産管理人になれる人と家庭裁判所の視点

2026-07-23

1不在者財産管理人に対する家庭裁判所の選任基準

選任基準①行方不明者の財産を守る義務を果たす人

不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。

不在者財産管理人は、行方不明者の財産を守る義務を果たすことが重視されます。

行方不明者の財産を守るため、家庭裁判所が選任します。

家庭裁判所は、義務を果たせる人を選任します。

不在者財産管理人は、行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。

家庭裁判所は、行方不明者に不利益な財産管理を許可しません。

財産管理の透明性確保のため、不利益な財産管理の疑いの余地すら排除する必要があります。

行方不明者の財産管理において、新たなトラブル発生を回避するためです。

不在者財産管理人制度は、行方不明者の財産を守る制度です。

選任基準②家族の希望より行方不明者の利益を優先できる人

不在者財産管理人は、行方不明者の財産を守る人です。

行方不明者に不利益な財産管理をすることはできません。

たとえ家族が望んでも、客観的に不利益な財産管理ができません。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

たとえ家族が望んでも、行方不明者の財産を守る義務が優先されます。

家族が候補者を推薦しても、行方不明者の利益を優先できる人が選任されます。

家族にとって適切な財産管理であっても、客観的に不利益な財産管理かもしれません。

客観的に適切な財産管理とは、行方不明者の財産を減らさないことです。

不在者財産管理人には、行方不明者の財産を減らさないように管理する義務があります。

家族の希望をかなえて行方不明者の財産を不当に減らした場合、義務を果たしていないと評価されます。

強い言葉を使えば、横領や背任の評価がされるおそれがあります。

たとえ家族が不在者財産管理人に選任されても、行方不明者の財産を守る義務は免除されません。

不在者財産管理人は、公的な立場になるからです。

2不在者財産管理人になれる人と家庭裁判所の視点

①法律上の必要な資格はない

不在者財産管理人に、法律上必要な資格はありません。

だれでも、不在者財産管理人になることができます。

②なれる人から適格者を家庭裁判所が選任

不在者財産管理人は、家庭裁判所が選任します。

不在者財産管理人になれることと家庭裁判所に選任されることは、意味がちがいます。

不在者財産管理人選任の申立てをする際に、候補者を立てることができます。

候補者を記載しても、家庭裁判所は自由に不在者財産管理人を選任することができます。

家庭裁判所は、不在者財産管理人の適格性を判断しているからです。

家庭裁判所は、不在者財産管理人に適格者を選任します。

③不在者財産管理人は行方不明者の代理人

相続人の中に行方不明の人がいると、とても困ります。

相続手続は、相続人全員の協力が必要だからです。

遺産分割協議は、相続人全員の合意がないと成立しません。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

不在者財産管理人は、行方不明者の代理人です。

行方不明の相続人に代わって、遺産分割協議に参加することができます。

不在者財産管理人と他の相続人全員が合意すれば、遺産分割協議が成立します。

行方不明の相続人がいても、相続手続を進めることができます。

3不在者財産管理人になれるのに家族は選ばれにくい

①利益相反になるから家族は選ばれにくい

(1)行方不明者と不在者管理人候補である家族が利益相反

利益相反とは、一方がトクすると他方がソンする関係です。

不在者財産管理人は、行方不明者の利益を最優先にする義務があります。

不在者管理人候補の家族は、家族に有利な形で財産管理をしたい誘因があります。

例えば、次の場面で利益が衝突します。

・行方不明者の不動産を売却するか、維持するか

・行方不明者の家屋を修繕するか、放置するか

・市場価格の賃料で賃貸するか、他の家族に安く貸すか

行方不明者の利益より、家族の都合が優先される可能性があります。

実際に家族の都合が優先されたことを問題にしているのではありません。

家族の都合が優先される可能性があることを重視しています。

不利益な財産管理の疑いの余地すら、排除する必要があるからです。

(2)行方不明者と将来の相続人が利益相反

行方不明者の財産は、将来の相続財産です。

行方不明者の家族は、将来の相続人です。

行方不明者の財産管理状況は、将来の相続関係に大きな影響があります。

行方不明者は、法律上は生きている前提です。

長期間行方不明である場合、家族は将来の相続を想像します。

将来の相続を想像して、自分に有利な判断をする構造的な誘因があります。

生きている前提の判断と相続を前提とする判断では、合理性の内容が異なります。

合理性の内容が異なることは、利益相反を生む構造です。

行方不明者の利益と将来の相続人の利益は、同時に満足できないことがあります。

異なる合理性が前提だから、正反対の結論なのにどちらの結論も合理的に導かれます。

例えば、行方不明者の家屋を修繕しない場合、家族にとって支出を減らす合理性があります。

行方不明者の家屋を修繕する場合、行方不明者にとって財産価値を維持する合理性があります。

正反対の結論なのに、修繕する結論も修繕しない結論も合理的に導かれます。

どちらを選択しても、他方の利益は犠牲になります。

他方の利益が犠牲になる可能性があることを重視しています。

不利益な財産管理の疑いの余地すら、排除する必要があるからです。

(3)不在者管理人候補である家族と他の家族が利益相反

自分に有利な判断をした場合、外部から検証が困難です。

たとえ適切な財産管理をしても、他の家族からは疑いの目を向けられることがあります。

・適切な支出か

・売却価格は妥当か

・公平な財産管理か

家族が不在者管理人になることによって、新たなトラブルが発生する可能性があります。

家族間でトラブルが発生すると、適切な管理ができなくなるおそれがあります。

新たなトラブルが発生する可能性があることを重視しています。

(4)行方不明者と家族が取引相手になると利益相反

行方不明者の不動産を売却するとき、家族が買うことがあります。

行方不明者の金銭を家族が借りたいことがあるでしょう。

不動産を購入する家族や金銭を借り受けたい家族は、取引相手です。

行方不明者の代理人と取引相手の両方の立場があると、自己交渉になります。

適切な利益調整ができません。

行方不明者の利益を犠牲にする疑いを向けられる構造です。

②分別不能リスクがあるから家族は選ばれにくい

不在者財産管理人は、公的な立場になります。

客観的な透明性と公平性を確保するため、次のような管理をします。

・行方不明者の財産は独立して特定できる

・第三者が収支を検証できる

・金銭の流れが客観的証拠で追跡できる

家族が財産管理をしていた間、信頼関係をベースに厳密な区別をしていなかったでしょう。

行方不明者の財産は、家族の財産だからです。

現金管理が常態になると、入出金記録があいまいになります。

口座の金銭が混在すると、だれの財産か分からなくなります。

立替と精算が繰り返されると、事後検証ができなくなるでしょう。

無意識に混在させるリスクがトラブルを招きます。

たとえ使い込みをしていなくても、事後検証ができなくなること自体が問題視されます。

③継続的な報告義務があるから家族は選ばれにくい

不在者財産管理人は、家庭裁判所の監督を受けます。

定期的に、行方不明者の収支や財産状況を報告する義務があります。

客観的な透明性と公平性を確保するため、定期報告は重要な義務です。

たとえ不在者財産管理人が家族であっても、報告義務は免除されません。

家族が財産管理をしていた間、信頼関係をベースに収支報告をしていなかったでしょう。

不在者財産管理人が家族である場合、次のことが起きがちです。

・書類の整備が不充分

・報告の遅延

定期報告がされないと、財産管理が適切か家庭裁判所は判断できません。

家庭裁判所は、確実に報告義務を果たせる人を重視します。

④家族の心理的利益があるから家族は選ばれにくい

家庭裁判所は、経済的利益を重視します。

不在者財産管理人が守るべき行方不明者の利益は、客観的な経済的利益だからです。

家族は、客観的な経済的利益より心理的利益を重視することがあります。

・思い入れがある実家を売りたくない

・親族に住まわせたい

心理的利益を優先すると、客観的な経済的利益を過小評価する可能性があります。

家族による心理的利益重視を排除する必要があります。

⑤責任追及が感情的対立になるから家族は選ばれにくい

不在者財産管理人に選ばれる人は、ほとんどが司法書士などの専門家です。

司法書士などの専門家は、他の家族と利害関係がありません。

司法書士などの専門家には、職業的倫理観があります。

司法書士などの専門家には、不適切な職務執行をした時の懲戒制度があります。

家族には、実効的な担保制度がありません。

他の家族による責任追及は、感情的対立に発展します。

不在者財産管理人制度で新たなトラブルを発生させたとき、事後処理の可能性を重視します。

⑥家族が選ばれにくいのは行方不明者の利益を守るため

不在者財産管理人制度は、行方不明者の利益を守るための制度です。

行方不明者の利益を守るため、財産管理の公平性と透明性を重視します。

家族が選ばれにくいのは、公平性と透明性の確保が不利に働くからです。

4不在者財産管理人制度は失踪宣告の代替ではない

①失踪宣告で死亡扱いがされる

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

②不在者財産管理人と失踪宣告は目的がちがう

失踪宣告をしない場合、不在者財産管理人制度を利用することが考えられます。

不在者財産管理人制度を利用すると、行方不明者は生きている扱いのままです。

失踪宣告を利用すると、行方不明者は死亡扱いです。

制度の目的が全く異なります。

不在者財産管理人制度は、失踪宣告の代替手段ではありません。

③二度手間になる現実

不在者財産管理人は、一見して便利な制度です。

不在者財産管理人を選任してもらっても、死亡扱いをすることができないからです。

さまざまな家族の事情から、やがて積み重なるデメリットを受け入れられなくなるでしょう。

最終的には、失踪宣告をすることになります。

結局のところ二度手間になる現実を知ったうえで、判断することが重要です。

5生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄しても遺族年金を受け取れる

2026-07-22

1相続放棄しても遺族年金を受け取れる

①相続放棄をしたら相続財産は引き継がない

相続が発生したら、被相続人の財産は相続財産になります。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続人でなくなるから、相続財産を取得することはできません。

相続放棄をしたら、相続財産は一切引き継ぎません。

②遺族年金は相続財産ではない

遺族年金は、相続財産ではありません。

被相続人は、生前に遺族年金を受け取る権利を持っていません。

遺族年金を受け取る権利は、被相続人から引き継ぐ財産ではありません。

相続放棄をしても、遺族年金を受け取ることができます。

遺族年金を受け取る権利は、被相続人の死亡をきっかけに新たに取得する権利です。

遺族年金を受け取る権利は、年金受給者の固有の権利です。

③遺族年金を受け取っても単純承認にならない

相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。

相続人でなくなるから、相続財産を処分する権限を失います。

相続放棄をしたのに相続財産を処分した場合、相続放棄が無効になります。

相続財産を処分することは、単純承認と見なされるからです。

遺族年金の請求をすることは、単純承認ではありません。

遺族年金を受給することは、単純承認ではありません。

遺族年金は、相続財産ではないからです。

遺族年金を受け取る権利は、年金受給者の固有の権利です。

相続放棄と遺族年金は、無関係です。

④相続放棄をしても遺族年金受給権は消滅しない

相続放棄をしても、遺族年金を受け取る権利は奪われません。

相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。

遺族年金は、相続人でなく遺族に給付されます。

遺族の多くは、相続人でしょう。

相続人でなくても、遺族に対して遺族年金は給付されます。

遺族年金の受給要件に、相続人であることはないからです。

受給要件を満たしていたら、遺族年金を受け取ることができます。

受給要件を満たしていなかったら、遺族年金を受け取ることができません。

相続人であるか相続人でないか、無関係です。

相続人でも受給要件を満たしていなければ、遺族年金を受け取ることができません。

相続人でなくても受給要件を満たしていれば、遺族年金を受け取ることができます。

相続放棄をして相続人でなくなっても、受給要件を満たしていれば遺族年金を受け取ることができます。

相続放棄をしても、遺族年金受給権は消滅しません。

相続放棄と遺族年金は、無関係です。

2遺族年金等を受け取る方法

①遺族基礎年金を受け取れる人の範囲

(1)死亡した人の条件

次の要件のいずれかを満たしている人が死亡した場合、遺族基礎年金が支給されます。

・国民年金加入中の人

・国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた人

・老齢基礎年金の受給権がある人

・老齢基礎年金の受給資格を満たした人

保険料納付済期間等が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。

(2)保険料納付要件

死亡した人が次の要件のいずれかを満たしている場合、遺族基礎年金が支給されます。

す。

・保険料納付済期間+保険料免除期間が加入期間の3分の2以上

・直近1年間に保険料の未納がないこと

(3)受け取る遺族の条件

死亡した人によって生計を維持されていた次の遺族に対して、遺族基礎年金が支給されます。

・子のある配偶者

・子

子は、18歳になった年度の3月31日までになる人、または、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人を指します。

相続人であることは、受け取る遺族の条件にありません。

②遺族厚生年金を受け取れる人の範囲

(1)死亡した人の条件

次の要件のいずれかを満たしている人が死亡した場合、遺族厚生年金が支給されます。

・厚生年金加入中の人

・厚生年金加入中に初診日のある病気やけがで初診日から5年以内に死亡した人

・1級2級の障害厚生年金を受給中の人

・老齢厚生年金の受給権がある人

・老齢厚生年金の受給資格を満たした人

保険料納付済期間等が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。

(2)保険料納付要件

死亡した人が次の要件のいずれかを満たしている場合、遺族厚生年金が支給されます。

す。

・保険料納付済期間+保険料免除期間が加入期間の3分の2以上

・直近1年間に保険料の未納がないこと

(3)受け取る遺族の条件

死亡した人によって生計を維持されていた次の遺族に対して、遺族厚生年金が支給されます。

・子のある妻、子のある55歳以上の夫、子

・子のない妻、子のない55歳以上の夫、

・55歳以上の父母

・孫

・55歳以上の祖父母

③遺族年金を受け取る流れ

ステップ(1)死亡届の提出

人が死亡したとき、市区町村役場へ死亡届を提出します。

死亡届の提出は、法的な死亡を認定する初めの1歩です。

ステップ(2)受給できる年金と窓口を確認

遺族基礎年金のみの場合、次の窓口で手続ができます。

・市区町村役場の国民年金課

・年金事務所

・街角の年金相談センター

遺族厚生年金の場合、次の窓口で手続ができます。

・年金事務所

・街角の年金相談センター

窓口が分からない場合、ねんきんダイヤルで確認することができます。

ステップ(3)必要書類を準備

代表的な必要書類は、次のとおりです。

・年金請求書

・死亡診断書のコピー

・戸籍謄本または法定相続情報一覧図

・世帯全体の住民票

・死亡した人の住民票

・死亡した人の年金手帳

・請求者の受取金融機関の通帳

ステップ(4)年金請求書の記入

年金請求書は、日本年金機構のホームページからダウンロードすることができます。

ホームページの記入例を見ながら、年金請求書を作成します。

ステップ(5)年金請求書を提出

年金請求書と必要書類を取りまとめて、提出します。

窓口へ出向いて提出することもできるし、郵送で提出することもできます。

遺族年金を受け取る権利は、消滅時効の対象です。

時効期間は、5年です。

5年経過すると、古い部分から順次時効消滅します。

例えば、死亡から6年経過後に請求すると、直近5年分のみ給付されます。

死亡から1年分は、時効消滅したからです。

ステップ(6)日本年金機構で審査

年金請求書を提出後、日本年金機構で審査が行われます。

問題がなければ、年金証書が届きます。

年金請求書を提出してから振込開始まで、1~3か月程度かかります。

3相続放棄をする方法

①申立先

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

最後の住所地は、被相続人の住民票を取得すると判明します。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで確認することができます。

②相続放棄ができる人

相続人です。

未成年は、親などの親権者が代理して手続します。

③必要書類

相続放棄の申立てに添付する書類は、次のとおりです。

・被相続人の住民票または戸籍の附票

・被相続人の戸籍謄本

・相続人の戸籍謄本

④手数料

相続放棄を希望する人1名につき800円です。

手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。

手数料とは別に、家庭裁判所が手続で使う郵便切手を予納します。

予納切手の額面や枚数は、家庭裁判所ごとに異なります。

4相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は撤回ができないので、慎重に判断する必要があります。

被相続人の死亡後3か月以内の相続放棄と較べると、3か月以上経過した相続放棄は難易度が高くなります。

認められる条件を満たしていても、書面で適切に表現しなければ伝わらないからです。

家庭裁判所が知りたいことを無視した作文では何の意味もありません。

相続放棄が認められる条件を満たしていることを家庭裁判所に納得してもらう必要があります。

相続放棄を自分で手続したい人の中には、戸籍や住民票だけで認められるとカンタンに考えている人がいます。

司法書士は、このような難易度が高い相続放棄にも対応しています。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

故人の預貯金から葬儀費用を支払う際の道筋

2026-07-20

1故人の預貯金は家族が勝手に使えない

①口座の預貯金は相続財産

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

被相続人の財産は、相続財産です。

相続人財産は、相続人全員の共有財産です。

一部の相続人が独り占めすることは許されません。

銀行などの預貯金口座は、日常生活に欠かせません。

被相続人が預貯金口座を持っている場合、口座の預貯金は相続財産です。

一部の相続人が預貯金を独り占めすることは許されません。

相続財産は家族の共有財産ではなく、相続人全員の共有財産です。

家族が勝手に使うことは、許されません。

家族が勝手に使うと、相続トラブルになります。

②葬儀費用を貯金していても家族が勝手に使えない

被相続人が自分の葬儀費用を貯金していることがあります。

自分の葬儀費用を貯金していることを家族に話していることがあるでしょう。

貯金していた本人が言い残したのだから、葬儀費用に使うのは当然と思うかもしれません。

被相続人がどのような意図で貯金していても、口座の預貯金は相続財産です。

口座の持ち主が死亡したら、相続人全員の共有財産です。

家族が自由に使うことはできません。

相続財産は家族の共有財産ではなく、相続人全員の共有財産です。

家族が勝手に使うと、相続トラブルになります。

貯金していた本人が言い残したことを理由に、家族が勝手に使うことは許されません。

口座の持ち主が死亡したら、口座の預貯金は相続財産になるからです。

③家族で合意しても家族が勝手に使えない

大切な家族が死亡したら、葬儀を執り行います。

葬儀費用は、ある程度まとまった金額になります。

ある程度まとまった金額になるから、葬儀費用は被相続人の預貯金から支払おうと家族で合意していることがあります。

家族で合意したのだから、葬儀費用に使うのは当然と思うかもしれません。

家族でどのような合意をしていても、口座の預貯金は相続財産です。

口座の持ち主が死亡したら、相続人全員の共有財産です。

家族が自由に使うことはできません。

相続財産は家族の共有財産ではなく、相続人全員の共有財産です。

家族が勝手に使うと、相続トラブルになります。

家族で合意したことを理由に、家族が勝手に使うことは許されません。

口座の持ち主が死亡したら、口座の預貯金は相続財産になるからです。

④生前に財産管理をしても家族が勝手に使えない

被相続人の生前に家族が通帳やキャッシュカードを預かって、財産管理をしていることがあります。

本人のキャッシュカードで預貯金を引き出しても、他の家族はあれこれ言わないことがあります。

生前に他の家族があれこれ言わなかったから、死亡後も自由に使えると感じるかもしれません。

生前に何も言わなかったのは、本人が財産管理を依頼していたと言えるからです。

口座の持ち主が死亡したら、相続人全員の共有財産です。

家族が自由に使うことはできません。

相続財産は家族の共有財産ではなく、相続人全員の共有財産です。

家族が勝手に使うと、相続トラブルになります。

生前に何も言われなかったことを理由に、家族が勝手に使うことは許されません。

口座の持ち主が死亡したら、口座の預貯金は相続財産になるからです。

⑤口座の持ち主が死亡すると口座凍結する

預貯金口座の持ち主が死亡したら、口座は凍結されます。

口座凍結とは、口座取引の停止です。

口座の持ち主が死亡したことを銀行が知ったとき、口座は凍結されます。

⑥口座凍結する理由はトラブルに巻き込まれないため

口座の預貯金は、相続人全員の共有財産です。

一部の相続人が勝手に引き出した場合、相続人間で大きなトラブルになります。

銀行は、相続人間のトラブルに巻き込まれることになります。

被相続人の大切な預貯金を守れないとなったら、銀行の信用は失墜するでしょう。

相続人のトラブルに巻き込まれて信用が失墜するなど、銀行は何としても避けたいはずです。

相続人間のトラブルに巻き込まれないため、口座は凍結されます。

2故人の預貯金から葬儀費用を支払う際の道筋

①遺産分割協議成立させて口座凍結解除

(1)相続財産の分け方は遺産分割協議で決定

相続財産は家族の共有財産ではなく、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

家族の合意ではなく、相続人全員の合意が必要です。

(2)相続人全員の合意で遺産分割協議成立

遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立します。

一部の相続人を含めずに合意しても、無効の合意です。

相続人調査をすると、思いもよらない相続人が見つかることがあります。

思いもよらない相続人が家族であると、感じないかもしれません。

家族だけの合意で、遺産分割協議は成立させられません。

相続財産は家族の共有財産ではなく、相続人全員の共有財産だからです。

相続人全員の合意なしで、遺産分割協議は成立させられません。

(3)預貯金だけ遺産分割協議ができる

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続財産すべてを一度に、決める必要はありません。

一部の財産についてだけ、分け方を決めることができます。

一部の財産だけであっても、相続人全員の合意があれば有効な合意です。

預貯金の分け方だけ、遺産分割協議をすることができます。

預貯金の分け方だけ相続人全員の合意ができれば、預貯金の分け方だけ遺産分割協議が成立します。

一部の預貯金の分け方だけ、遺産分割協議をすることができます。

一部の預貯金の分け方だけ相続人全員の合意ができれば、預貯金の分け方だけ遺産分割協議が成立します。

(4)預貯金のみの遺産分割協議書で口座凍結解除

相続人全員の合意がまとまったら、合意内容は書面に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員の合意内容の証明書です。

相続人全員の合意がまとまった財産から、書面に取りまとめます。

一部の財産についての遺産分割協議書は、有効な遺産分割協議書です。

一部の財産についての遺産分割協議は、有効な遺産分割協議だからです。

預貯金のみの遺産分割協議書で、口座凍結解除をすることができます。

口座凍結解除ができれば、相続人全員の合意に従って預貯金を配分できます。

相続人全員の合意に従って、葬儀費用に充てることができます。

②預金仮払い制度を利用する

(1)遺産分割協議成立前に仮払いを受ける

遺産分割協議が成立するまで、口座凍結解除はされません。

預金仮払い制度を利用すると、口座凍結中でも預貯金を引き出すことができます。

(2)預金仮払いの上限額は最大150万円

銀行などの金融機関に手続をする場合、仮払い上限額の計算式は次のとおりです。

仮払いの上限額=死亡時の預金額×1/3×法定相続分

計算式で求められた上限額が150万円を超えた場合、150万円になります。

預金の金額が少ない場合や法定相続人が多い場合、150万円の仮払いを受けることができません。

(3)仮払いにかかる期間

遺産分割協議成立前に仮払いを受ける場合、即日の引出はできません。

金融機関に申請書を提出してから、1~2週間程度かかるのが一般的です。

1~2週間程度で引き出せるのは、提出書類に不備がなく審査がスムーズである場合に限られます。

仮払いに応じるのは、遺産分割協議が成立する前です。

相続人の合意がないのに仮払いに応じるから、金融機関にはリスクがあります。

相続トラブルに巻き込まれないために、金融機関は慎重に審査します。

提出書類が完璧であるか確認するためにも、時間をかけて丁寧に審査します。

(4)仮払い額は遺産分割協議で調整

預金の仮払いは、一部の相続人が独り占めできる制度ではありません。

相続人全員の合意ができる前に、預金の仮払いを受けていることがあります。

相続財産全体の分け方を決める際に、預金の仮払いを受けたことを考慮することになります。

預金の仮払いを受けたことを考慮して、相続財産の分け方について相続人全員で合意します。

預金の仮払いを受けて、葬儀の費用や病院の費用を払うことがあります。

葬儀の費用や病院の費用を払った場合、請求書や領収書は大切に保管します。

請求書や領収書がないと、他の相続人から疑われるからです。

預金の仮払い額は、遺産分割協議で調整します。

(5)遺言書があると仮払いが受けられない

被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。

多くの場合、遺言書で財産の分け方を指定しているでしょう。

遺言書で財産の分け方を指定した場合、遺言書が効力を発したときに財産は分割されます。

遺言書を作成した場合、相続人以外の第三者に財産を遺贈することがあります。

遺言書で預金全額を遺贈した場合、銀行は仮払いに応じられません。

遺言書が効力を発したときに、預金は遺贈を受けた人のものになっているからです。

仮払いに応じたら、遺贈を受けた人の間でトラブルになるのは明白です。

被相続人が遺言書を残した場合、仮払いが受けられなくなります。

(6)遺産分割協議ができるなら仮払いは不要

相続人全員で合意ができるなら、遺産分割協議を成立させることができます。

遺産分割協議を成立させることができれば、口座凍結解除ができます。

わざわざ預金の仮払い制度を利用する必要は、ありません。

遺産分割協議ができるなら、仮払いは不要です。

全財産まとめて合意することはできなくても、預貯金だけ合意することができる可能性があります。

預貯金だけの遺産分割協議は、有効な遺産分割協議です。

預貯金だけの遺産分割協議書は、有効な遺産分割協議書です。

預貯金だけの遺産分割協議書で、口座凍結解除をすることができます。

わざわざ預金の仮払い制度を利用すると、二度手間になります。

③代表相続人による立替払いが多い

口座の持ち主が死亡すると、預貯金口座は凍結します。

口座取引が停止されるから、引出ができなくなります。

故人の口座から葬儀費用を引き出すより、代表相続人が立替払いをする方が現実的です。

代表相続人が立替えた費用は、遺産分割協議で調整します。

遺産分割協議を成立させて、口座凍結解除をすることができます。

立替払いをしても、凍結解除をする権限は生じません。

④勝手に引出すから相続トラブルを招く

家族が死亡すると、葬儀の費用や病院の費用を払う必要があります。

一部の相続人が故人の口座の預貯金から、引出しをすることがあります。

一部の相続人が勝手に引出すと、他の相続人からは独り占めに見えます。

たとえ適切な使い道であっても、他の相続人から疑われます。

相続人間の合意がないと、適切な使い道であるか分からないからです。

適切な使い道であるか分からないから、他の相続人は疑心暗鬼になります。

相続手続では、普段目にする金額より大きな金額が動きます。

だれもが自分は損したくないと考えて、不安になります。

不安な心理状態が自然と疑いの目を生じさせます。

やむを得ず預貯金を引き出す場合、請求書や領収書を保管します。

請求書や領収書と引き出した事実をすみやかに情報共有します。

情報共有を先延ばしすると、他の相続人から強く疑われます。

相続人全員で合意をせずに、故人の口座の預貯金を引き出すと相続トラブルに発展します。

3相続放棄が無効になるリスク

①相続人と認めたから遺産分割協議に参加

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。

相続人でなくなるから、遺産分割協議に参加する権利義務はありません。

遺産分割協議に参加することは、相続人であると認めた行為と言えます。

積極的に相続人と認めたから、相続放棄は無効です。

たとえ一切の財産を受け取らない合意であっても、相続放棄は無効です。

②葬儀費用の立替え精算で相続放棄が無効

葬儀費用は、代表相続人が立替えをすること現実的です。

代表相続人が相続放棄をする場合、相続財産から精算を受けることはできません。

相続財産から精算を受けた場合、単純承認と評価されます。

他の財産を受け取らなくても、単純承認と評価されます。

客観的には、相続財産から財産を受け取ったからです。

③仮払い制度利用で相続放棄が無効

(1)単純承認は撤回できない

相続を単純承認した後で、相続放棄をすることはできません。

法律で定められた一定の条件にあてはまるときは、単純承認したとみなされます。

相続財産の名義変更をした、相続財産である銀行の預貯金を引き出して使ってしまった場合が典型的です。

(2)社会通念上相応の葬儀費用は単純承認にならない

葬儀費用は、ある程度まとまった金額になります。

相続人は被相続人の預貯金を使って、社会通念上相応の葬儀を行うことができます。

社会通念上相応の葬儀費用である場合、被相続人の預貯金から支出しても単純承認になりません。

葬儀は社会的儀式として必要性が高いと認められているからです。

(3)社会通念上相応の葬儀費用はあいまいな基準

社会通念上相応の葬儀とは、どのような葬儀を指すのか一概に決めることはできません。

〇万円以内なら単純承認にならないという明確な基準があるわけではありません。

(4)相続放棄をするなら固有の財産から支払うのが安全

預金の仮払いを受けられるからと言って、被相続人の預金を使うのはリスクを伴います。

相続放棄をした人は、社会通念上相応と考えて相続財産から支出するでしょう。

債権者は、不相応に高額な支払いと考えるからです。

あえて債権者から疑いの目を向けられるリスクをおかす必要はありません。

相続放棄をした人が固有の財産から葬儀費用を支払うのが安全です。

4預貯金の相続手続を司法書士に依頼するメリット

口座を凍結されてしまったら、書類をそろえて手続すれば解除してもらえます。

必要な書類は、銀行などの金融機関によってまちまちです。

手続の方法や手続にかかる期間も、まちまちです。

銀行内部で取扱が統一されていないことも多いものです。

窓口や電話で確認したことであっても、上席の方に通してもらえないことも少なくありません。

相続手続は、やり直しになることが多々あります。

このためスムーズに手続きできないことが多いのが現状です。

日常生活に不可欠な銀行口座だからこそ、スムーズに手続したいと思う方が多いでしょう。

仕事や家事で忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続を丸ごとおまかせできます。

ご家族にお世話が必要な方がいて、お側を離れられない方からのご相談もお受けしております。

凍結口座をスムーズに解除したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続人全員が相続放棄ができる

2026-07-19

1相続人全員が相続放棄ができる

①相続人になる人は法律で決められている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

民法で決められた人以外の人は、相続人になりません。

②相続放棄をしたらはじめから相続人でなくなる

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

③相続放棄で次順位の人が相続人になる

被相続人の子どもは、相続人になります。

被相続人の子どもが相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。

被相続人の子ども全員が相続放棄をしたら、子どもがいない場合になります。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

親などの直系尊属がいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。

相続放棄で、次順位の人が相続人になります。

④兄弟姉妹全員が相続放棄をしたら相続人不存在

相続放棄をした人は、はじめから相続人でなくなります。

被相続人の財産を一切引き継ぎません。

被相続人が莫大な借金を抱えていることがあります。

相続放棄で、莫大な借金から逃れることができます。

相続放棄をしても、被相続人の借金は消えません。

被相続人の借金は、次順位相続人に引き継がれます。

借金を引き継ぎたくないなら、次順位相続人は相続放棄をすることができます。

次順位相続人も相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。

次順位相続人も、被相続人の財産を一切引き継ぎません。

兄弟姉妹全員が相続放棄をしたら、次順位の人はいません。

相続人全員が相続放棄をすることができます。

⑤相続放棄で代襲相続しない

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため相続人になるはずだった人の子どもが相続することです。

相続人が相続放棄をした場合、相続放棄をした人の子どもは代襲相続しません。

相続人が相続放棄をした場合、相続放棄をした人の子どもは相続人になりません。

相続放棄をした人の子どもは、相続放棄をすることができません。

相続人が相続放棄をした場合、相続放棄をした人の子どもは借金を引き継ぎません。

相続放棄をした人の子どもは、相続放棄をする必要がありません。

⑥相続人不存在になるのは当然の帰結

相続人全員が相続放棄をしたら、相続人不存在になります。

相続人不存在になるのは、当然の帰結です。

被相続人の借金なのに、家族はだれも責任を取らないことになります。

相続人全員が相続放棄をすることは、法律上、やむを得ないことです。

相続人全員が相続放棄をしても、あれこれ言われることはありません。

⑦借金が無限に追いかけてくることはない

相続放棄をした人は、被相続人の借金を引き継ぎません。

民法で決められた人以外の人は、相続人になりません。

民法で決められた人以外の人は、被相続人の借金を引き継ぎません。

たとえ相続人全員が相続放棄をしても、相続人以外の人は相続人になりません。

たとえ相続人全員が相続放棄をしても、相続人以外の人は被相続人の借金を引き継ぎません。

被相続人の借金が無限に、追いかけてくることはありません。

相続人以外の人は、相続放棄をすることはできません。

被相続人の借金を引き継がないから、相続放棄をする必要はありません。

2相続人全員が相続放棄した後の財産の行方

①相続人不存在でも自動で国庫帰属しない

相続人不存在の場合、最終的に相続財産は国庫に帰属します。

相続財産は、すぐに国庫帰属しません。

国庫帰属するまでに、あらためて相続人不存在なのか慎重に確認する必要があるからです。

国庫帰属は、相続に関する利害関係人との調整がすべて終わった後の最終的な手続です。

②相続財産清算人の申立て

利害関係人は、家庭裁判所に対して相続財産清算人の申立てをすることができます。

相続財産清算人とは、相続財産を清算して国庫に帰属させる人です。

相続人不存在と認めた場合、家庭裁判所は相続財産清算人を選任します。

相続財産は、国庫に帰属されるまで相続財産清算人が管理します。

相続財産を管理している人などは、利害関係人です。

相続財産清算人選任の申立てには、家庭裁判所に予納金を払う必要があります。

事件の規模にもよりますが、予納金は数十万円~100万円ほどです。

③借金は相続財産から弁済する

相続財産清算人は、相続財産を清算する人です。

相続財産にプラスの財産がある場合、プラスの財産から借金の弁済をします。

プラスの財産が少なくて借金が莫大であるケースでは、借金全額を返済できなくなります。

借金の額に応じて、相続財産清算人が公平に返済します。

被相続人の債権者は、相続財産清算人の申立てをすることができます。

被相続人の債権者は、利害関係人だからです。

相続財産にプラスの財産があって借金を返済してもらえる見込みがある場合、相続財産清算人の申立てをするでしょう。

相続財産にプラスの財産がほとんどなく借金を返済してもらえる見込みがない場合、相続財産清算人の申立てを見送るでしょう。

相続財産清算人の申立てをしても、費用倒れになるだけだからです。

④相続放棄をしても連帯保証人

被相続人が借金をする際に、家族が連帯保証人になることがあります。

連帯保証人とは、債務者が借金の返済ができないときに肩代わりをする人です。

肩代わりをしてもらえるので、債権者は安心して融資をすることができます。

連帯保証契約は、債権者と連帯保証人の契約です。

連帯保証人が負担する肩代わりの義務は、連帯保証人の固有の義務です。

債務者が死亡しても、肩代わりの義務に影響はありません。

連帯保証人が債務者の相続人であっても、肩代わりの義務に影響はありません。

連帯保証人が負担する肩代わりの義務は、連帯保証人の固有の義務だからです。

相続人は相続放棄をしたら、被相続人の借金は引き継ぎません。

相続人全員が相続放棄をしたら、被相続人の借金はだれも引き継ぎません。

相続人全員が相続放棄をしたら、債権者は肩代わりを請求します。

相続人全員が相続放棄をしても、連帯保証人には肩代わりの義務があるからです。

相続人が相続放棄をしても、被相続人の借金は消えません。

相続人が相続放棄をしても、連帯保証人の肩代わりの義務は消えません。

相続放棄とは無関係な、連帯保証人の固有の義務だからです。

被相続人の借金は、連帯保証人に肩代わりをしてもらいます。

⑤特別縁故者に対する相続財産分与の申立て

相続財産にプラスの財産が多い場合、借金を返済しても余りが出るでしょう。

相続財産に余りが出る場合、家庭裁判所の判断で特別縁故者に対して相続財産が分与されることがあります。

特別縁故者とは、被相続人に特別な縁故がある人です。

具体的には、次の人が特別縁故者に認められやすい人です。

・事実婚や内縁の配偶者

・事実上の養子

・長期間療養看護に努めた人

特別縁故者に対して相続財産が分与するか、家庭裁判所が判断します。

相続財産の分与を受けたい人は、家庭裁判所に対して特別縁故者に対する相続財産分与の申立てをする必要があります。

特別縁故者に対する相続財産分与の申立てをする前提として、相続財産清算人の申立てをする必要があります。

相続財産の分与を受けたい人は、前提として相続財産清算人の申立てをするでしょう。

⑥相続放棄をしても保存義務がある

(1)占有している人に保存義務がある

相続放棄をした人は、相続財産に対して処分権限がありません。

相続放棄をして相続人でなくなっても、まったく関与しなくていいというわけにはいきません。

相続放棄をしても相続財産を占有している人は、相続財産を保存する義務があるからです。

(2)勝手に処分すると単純承認

保存義務は、財産の性質を変えない範囲で維持保存を行う権限のみです。

勝手に処分することは、許されません。

相続財産を勝手に処分すると、単純承認になります。

相続財産を勝手に処分すると、相続放棄を無効になります。

(3) 相続財産清算人が管理開始で保存義務終了

相続財産を占有している人は、次の人が管理を始めるまで保存義務があります。

相続財産清算人が選任されて管理を始めた場合、保存義務を免れることができます。

⑦相続財産清算人の申立てがされないことが多い

借金を返済してもらえる見込みがない場合、債権者は相続財産清算人の申立てを見送るでしょう。

相続財産が分与される見込みがない場合、特別な縁故があっても相続財産清算人の申立てを見送るでしょう。

相続財産にプラスの財産がわずかである場合、だれも相続財産清算人の申立てをしません。

相続財産清算人の申立てをしなければ、家庭裁判所は相続財産清算人を選任することはありません。

相続財産清算人を必要とする人が予納金を負担して、相続財産清算人の申立てをせざるを得なくなります。

現実的には、相続財産清算人の申立てがされないことが多いでしょう。

3相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する届出です。

相続放棄という言葉自体は日常的に聞く言葉かもしれません。

法律上の相続放棄と日常使う相続放棄は、少し意味が違うかもしれません。

意味が違うことに気づかず、無用に不安になっている場合があります。

意味が違うことに気づかず、重要なリスクが見えていない場合もあります。

実は、相続放棄はその相続でチャンスは実質的には1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は慎重に判断する必要がありますが、いろいろな誤解から利用をためらう人が多いのも事実です。

利用をためらっていると3か月はあっという間です。

相続が発生すると、家族は親戚や知人へ連絡などで悲しみに浸る暇もないくらい忙しくなります。

3か月以内に必要書類を揃えて手続をするのは想像以上にハードルが高いものです。

相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺産分割協議中でも相続した不動産に固定資産税

2026-07-19

1未払い固定資産税は相続財産

①1月1日現在の所有者に固定資産税納税義務

固定資産税とは、固定資産に対してかかる税金です。

固定資産税がかかる固定資産には、土地、家屋、製造設備や事業用資産などの償却資産があります。

固定資産が所在する市区町村に対して、税金を納めます。

固定資産税を納める人を納税義務者と言います。

納税義務者は、1月1日現在、土地、家屋、及び償却資産の所有者として、固定資産税課税台帳に登録されている人です。

1月1日現在の所有者は、固定資産税を納める義務があります。

②未払い固定資産税は相続人が相続する

固定資産税は、まとめて一括する方法と年4回の分割払いする方法があります。

例えば、名古屋市では4月、7月、12月、翌年2月に分割払いをすることができます。

年4回の分割払いをしていた人が途中で死亡することがあります。

4月分と7月分を納付した後8月に死亡した場合、12月分と翌年2月分は未納になります。

相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。

被相続人のプラスの財産とマイナスの財産が相続財産です。

被相続人が税金を納める義務を果たさないまま死亡した場合、税金を納める義務は相続財産です。

未払い固定資産税は、相続財産です。

③相続発生で口座凍結

固定資産税は、納付書で納付する方法と口座引き落としで納付する方法があります。

被相続人が固定資産税を口座引き落としで納付していることがあります。

口座の持ち主が死亡したことを金融機関が知った場合、口座を凍結します。

口座の凍結とは、口座取引をできなくすることです。

口座取引ができなくなるから、固定資産税の引落ができません。

固定資産税の口座引き落としができなかった場合、市区町村役場に連絡して納付書で納付します。

2遺産分割協議中でも相続した不動産に固定資産税

①相続発生後の固定資産税は相続人の固有の義務

1月1日現在の所有者は、固定資産税を納める義務があります。

所有者が死亡しても、固定資産税はかかります。

所有者が死亡したら、被相続人のものは相続人が相続するからです。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議が成立するまで、相続財産は相続人全員の共有財産です。

遺産分割が成立しないまま1月1日を迎えた場合、1月1日現在の所有者は相続人全員です。

相続人全員に対して、新年の固定資産税が課されます。

新年に課された固定資産税は、相続財産ではありません。

被相続人は、死亡後の固定資産税を払う義務を負っていません。

被相続人から引き継いだ義務ではないからです。

相続人全員が新たに負担した相続人全員の固有の義務です。

②遺産分割協議中は相続人全員の連帯納付義務

固定資産税は、相続人全員に連帯納付義務があります。

遺産分割協議中の不動産は相続人全員が共有しているから、固定資産税も連帯納付義務があります。

遺産分割協議が長期化すると、固定資産税も高額になります。

③被相続人名義で納税通知書

固定資産税は、1月1日現在の所有者に課されます。

遺産分割協議中であっても、新たに固定資産税がかかります。

遺産分割協議中の場合、事実上、不動産の名義変更をすることができません。

相続登記がされない場合、被相続人の住所に被相続人名義で納税通知が送られます。

納税通知が被相続人名義になっていても、固定資産税の納税義務は相続人全員の義務です。

④期限が過ぎると延滞税

被相続人名義で納税通知書が送られても、固定資産税の納税義務は相続人全員の義務です。

被相続人の住所地に、だれも住んでいないことがあります。

納税通知に気づかないまま、期限が過ぎてしまうおそれがあります。

納税通知が届けられず、市区町村役場に返送されてしまうことがあります。

固定資産税を納めないまま期限を過ぎてしまったら、延滞税がかかります。

⑤滞納を放置すると代位登記のおそれ

固定資産税等を滞納した場合、滞納処分が開始します。

滞納処分が開始した場合、納税義務者の財産を差押えることができます。

差押の前提として、債権者代位で相続登記をすることができます。

被相続人名義の不動産に対して、相続人の税金で差押をすることができないからです。

相続人の名義にするため、法定相続分で相続登記をします。

債権者が代位登記をする場合、相続人に連絡することはありません。

相続人がどのような遺産分割協議をしているのか、お構いなしで代位登記をします。

相続人が知らないところで、勝手に登記を入れてきます。

遺産分割協議が成立したから消して欲しいと、文句を言うことはできません。

税金を取り立てるために、差押をしたものだからです。

税金の滞納を放置した場合、代位登記がされるおそれがあります。

3固定資産税を含めて遺産分割協議ができる

①相続人代表者指定届を提出しても連帯責任

被相続人の住所地が空き家になっている場合、納税通知に気づかないおそれがあります。

相続人代表者指定届とは、固定資産税の納税通知書を受け取る代表者を指定する届出です。

相続人代表者指定届を提出した場合、納税通知書は代表相続人のところに送られます。

代表相続人のところに送られるから、納税通知に気づかないといったことを減らすことができます。

相続人代表者指定届は、納税通知書を受け取る人を届け出ただけです。

納税通知書には、納付書が同封されます。

納付書が同封されても、代表相続人だけが納税義務者になるわけではありません。

相続財産は、相続人全員の共有財産だからです。

相続人代表者指定届は、納税通知書を受け取る代表者を指定したに過ぎません。

納税義務は、相続人全員の連帯責任です。

相続人代表者指定届を提出しても、納税義務は相続人全員の連帯責任のままです。

②固定資産税を納めても相続人全員の共有財産

1月1日現在の所有者は、固定資産税を納める義務があります。

相続人代表者指定届を提出した場合、代表相続人のもとに納税通知書が届きます。

納税通知書には、納付書が同封されます。

代表相続人が納付書で固定資産税を納付しても、所有者になるわけではありません。

固定資産税は、相続人全員に納付義務があります。

代表相続人が納付した場合、他の相続人のため立替払いをしたと言えます。

他の相続人に対して法定相続分で固定資産税を清算してもらうことができます。

固定資産税を納めても、不動産は相続人全員の共有財産です。

③遺産分割協議は相続人全員の合意で成立

相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めなければなりません。

相続財産の分け方は、相続人全員が合意できるのであればどのように分けても差し支えありません。

遺産分割協議中に新たに発生した固定資産税は、相続財産ではありません。

相続人全員の固有の義務だけど、固有の義務を含めて合意をすることができます。

固定資産税は、1月1日現在の所有者に課されます。

例えば、2026年8月に相続が発生した場合、2026年1月1日の所有者は被相続人です。

2026年12月と2027年2月に納める固定資産税は、被相続人が納めるべき固定資産税です。

2026年12月と2027年2月に納める固定資産税は、未払い固定資産税です。

遺産分割協議が成立しないまま2027年1月1日を迎えたら、所有者は相続人全員です。

固定資産税の納税義務者は、相続人全員です。

2027年4月、7月、12月、2028年2月の固定資産税納付義務は、相続人全員にあります。

2027年1月10日に遺産分割協議が成立した場合、その財産を取得する人が固定資産税を負担します。

2027年1月10日に遺産分割協議が成立しても、2027年4月、7月、12月、2028年2月の固定資産税納付義務は、相続人全員のままです。

固定資産税は、1月1日現在の所有者に課されるからです。

2027年1月10日に遺産分割協議が成立した場合、2028年4月以降は不動産を取得する人が固定資産税を負担します。

何となく、納得できない気持ちになる人も多いでしょう。

納税義務は納税義務として、相続人全員で実際の負担者を合意することができます。

キチンと納税されれば、実際の負担者についてあれこれ言われることはありません。

不動産を取得する人だけでなく固定資産税の負担についても、まとめて合意するのが合理的です。

4相続放棄をしても固定資産税の納税義務

①未払い固定資産税は払わなくてもいい

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。

家庭裁判所が相続放棄を認めた場合、申立てをした人だけに通知します。

家庭裁判所は自主的に市区町村役場などに相続放棄を認めたことを連絡しません。

被相続人に未払い固定資産税がある場合、税金を払ってくださいと通知してきます。

相続放棄が認められた場合、被相続人の未払い固定資産税は引き継ぎません。

市区町村役場は相続放棄をしたことを知らないから、通知してきただけです。

通知があっても、あわてて納付する必要はありません。

被相続人の未払金を払った場合、単純承認と見なされます。

単純承認をしたら、相続放棄が無効になるからです。

②相続発生後の固定資産税の納税義務を負う可能性がある

納税義務者は、1月1日現在、土地、家屋、及び償却資産の所有者として、固定資産税課税台帳に登録されている人です。

相続発生後の固定資産税は、納税義務者の固有の義務です。

被相続人から相続した義務ではありません。

相続放棄のタイミングによっては、所有者として固定資産税課税台帳に登録されることがあります。

所有者として固定資産税課税台帳に登録された場合、固定資産税の納税義務を負う可能性があります。

5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。

遺産分割協議書の書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。

せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続登記の前に相続人の一人が死亡

2026-07-17

1相続人が死亡すると相続手続が複雑になる

①数次相続は相続手続中に相続人が死亡

相続が発生したら、相続手続をします。

相続手続をしている途中で、相続人が死亡することがあります。

数次相続とは、相続手続中に相続人が死亡して新たな相続が発生することです。

複数の相続があると、相続手続が複雑になります。

②代襲相続は相続人になるはずの人が先に死亡

数次相続と代襲相続は、どちらも相続が複雑になる例です。

数次相続は、相続が発生したときに元気だった相続人が死亡することです。

代襲相続は、相続が発生する前に相続人になるはずだった人が先に死亡することです。

複数の相続があると、相続手続が複雑になります。

③数次相続と代襲相続で遺産分割協議に参加する人が変わる

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺産分割協議中に、相続人が死亡することがあります。

死亡した相続人は、遺産分割協議から除外することはできません。

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要だからです。

遺産分割協議中に相続人が死亡した場合、遺産分割協議に参加する権利義務は死亡した相続人の相続人に相続されます。

代襲相続では、死亡した相続人の直系卑属が遺産分割協議に参加します。

相続人になるはずだった人の配偶者は、遺産分割協議に参加しません。

代襲相続人は、死亡した相続人の直系卑属のみだからです。

数次相続では、死亡した相続人の相続人が遺産分割協議に参加します。

遺産分割協議に参加すべき人が参加していない場合、相続財産の分け方の合意は無効になります。

遺産分割協議に参加すべきでない人が参加している場合、相続財産の分け方の合意は無効になります。

遺産分割協議に参加すべき人を間違えると、遺産分割協議は無効になります。

遺産分割協議に参加すべき人は、慎重に判断する必要があります。

2相続人の一人が死亡すると遺産分割協議が難しくなる

①遺産分割協議に参加する権利義務が相続される

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。

遺産分割協議中に相続人が死亡しても、他の相続人だけで遺産分割協議を成立させることはできません。

遺産分割協議に参加する権利と義務は、死亡した相続人の相続人に相続されます。

死亡した相続人の相続人が遺産分割協議に参加します。

②数次相続で遺産分割協議が難しくなる理由

理由(1)遺産分割協議に参加する人が増える

数次相続があると、死亡した相続人の相続人が遺産分割協議に参加します。

単純に、遺産分割協議に参加する人が増えます。

遺産分割協議に参加する人が増えると、話し合いがまとまりにくくなります。

理由(2)死亡した相続人の相続人は関係が薄い

死亡した相続人の相続人は、関係が薄い人であることが多いでしょう。

ときには面識がない相続人が遺産分割協議に参加します。

関係が薄い相続人は、感情的な共有がありません。

関係が薄い相続人がいると、話し合いがまとまりにくくなります。

理由(3)利害関係が一致しない

数次相続では、複数の相続が発生しています。

本来、最初の相続と次の相続は別の相続です。

実際には、介護負担や生前の経済的援助が絡みあっています。

遺産分割協議に参加する人の利害関係が一致しないと、話し合いがまとまりにくくなります。

③遺産分割協議は口頭で成立する

相続人全員の合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。

遺産分割協議は、口頭でも成立します。

遺産分割協議書は、合意内容の証明書に過ぎないからです。

遺産分割協議書を作成しなくても、遺産分割協議は成立します。

遺産分割協議書作成は、効力発生要件ではないからです。

④相続人が死亡しても遺産分割協議はやり直し不要

遺産分割協議書を作成する前に合意した相続人が死亡しても、成立した遺産分割協議は有効のままです。

遺産分割協議書を作成して、遺産分割協議が成立するわけではないからです。

遺産分割協議は成立後に相続人が死亡しても、遺産分割協議をやり直す必要はありません。

遺産分割協議書作成前に死亡しても、成立した遺産分割協議は有効のままです。

⑤死亡した相続人の相続人が遺産分割協議書に記名押印

遺産分割協議書を作成する前に相続人が死亡しても、遺産分割協議は無効になりません。

遺産分割協議書を作成する前に相続人が死亡した場合、合意内容は死亡した相続人の相続人全員が証明します。

死亡した相続人の相続人全員が事情を知らないと、遺産分割協議書に記名押印をしないでしょう。

遺産分割協議が成立していないのではないかと、疑問を持つ可能性があります。

遺産分割協議が成立していないと主張されたら、遺産分割協議の成立を証明できません。

遺産分割協議は成立していたはずなのに、やり直すことになるでしょう。

遺産分割協議書は、合意内容の証明書です。

相続人全員の合意がまとまったら、速やかに遺産分割協議書に取りまとめます。

遺産分割協議書は、死亡した相続人の相続人とトラブル防止に役立ちます。

3相続登記の前に相続人の一人が死亡

①不動産の取得者が相続登記

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。

相続登記とは、不動産の名義変更です。

相続登記は、不動産を取得する人が申請します。

他の相続人が死亡しても、不動産を取得する人は相続登記を申請できます。

②死亡した相続人名義で相続登記ができる

相続人全員による合意がまとまったら、遺産分割協議は成立し終了します。

遺産分割協議成立後に相続人が死亡しても、遺産分割協議は無効になりません。

死亡した相続人が不動産を取得する合意は、有効です。

成立した遺産分割協議に基づいて、相続登記をすることができます。

不動産を取得する相続人が死亡しても、遺産分割協議は無効になりません。

不動産を取得する相続人が死亡しても、相続登記をすることができます。

登記申請をするときにはすでに死亡していたとしても、生前に相続していたからです。

生前に相続したことを公示するため、死亡した人名義で相続登記をすることができます。

死亡した相続人は、生前に不動産を取得したからです。

死亡した人名義で相続登記をする場合、死亡した相続人の相続人が申請します。

③被相続人ごとに相続登記をするのが原則

相続登記は、相続が発生するごとに申請するのが原則です。

2回相続が発生しているのであれば2回相続登記をします。

3回相続が発生しているのであれば3回相続登記をします。

被相続人ごとに、相続登記をするのが原則です。

④相続関係説明図はまとめて作成できる

相続登記を申請する場合、相続関係説明図を添付します。

相続関係説明図とは、被相続人から見てどのような続柄の人が相続人であるのか家系図状に整理した書類です。

相続関係説明図は単に説明書類で、法定相続情報一覧図のような公的書類ではありません。

相続関係説明図は、分かりやすく自由に書くことができます。

複数の相続が発生している場合、まとめて1通の相続関係説明図に取りまとめることができます。

複数の相続をまとめることができるから、相続関係を一覧することができます。

相続関係説明図は、複数の相続をまとめて作成できます。

⑤条件を満たせばまとめて相続登記ができる

条件を満たせば、まとめて相続登記をすることができます。

まとめて相続登記をする条件は、次のとおりです。

・「登記の目的」が同一であること

・「登記原因」が同一であること

・「申請人」が同一であること

上記の条件を満たさない場合、まとめて相続登記をすることはできません。

⑥最終の相続人にまとめて相続登記ができる例外

数次相続があったときの相続登記は、被相続人の数だけ相続登記をするのが原則です。

複数の相続が発生した場合であっても、まとめて相続登記ができる例外があります。

中間の相続人が一人だけのケースでは、まとめて最終の相続人にすることができます。

相続は、戸籍を調べれば相続関係が判明します。

権利変動の途中の事実を省略してまとめて登記をしても、問題が少ないためと考えられています。

⑦相続人が一人になると中間の相続は法定相続

遺産分割協議中に相続人が死亡すると、死亡した相続人の相続人が遺産分割協議に参加します。

死亡した相続人の相続人が他の相続人である場合、相続人が一人になることがあります。

遺産分割協議中に相続人が一人になると、遺産分割協議はできません。

遺産分割協議は、話し合いだからです。

遺産分割協議の余地がありません。

遺産分割協議は、不可能です。

遺産分割協議が成立しないまま相続人が一人になると、中間の相続は法定相続です。

中間の相続人が一人だけにすることができなくなります。

最終の相続人にまとめて相続登記ができる例外は、適用できません。

⑧最後の相続人が協議内容を証明できる

遺産分割協議が成立しないまま相続人が一人になると、遺産分割協議の余地がありません。

遺産分割協議が成立したのに、遺産分割協議書を作成前に相続人が死亡することがあります。

遺産分割協議は、口頭の合意で成立します。

相続人が死亡しても、遺産分割協議の効力はなくなりません。

遺産分割協議が成立してから相続人が一人になっても、遺産分割協議は有効のままです。

最後の相続人は、遺産分割協議の内容を証明することができます。

遺産分割協議が成立した後だから、法定相続にする必要はありません。

最後の相続人が一人になっても、まとめて相続登記ができる例外を適用することができます。

⑨中間の相続人の固有の財産は別で相続登記

複数の相続があっても、中間の相続人が一人である場合、まとめて相続登記をすることができます。

中間の相続人が不動産を持っていることがあります。

最初の被相続人の不動産と中間の相続人の不動産について、まとめて相続登記をすることができません。

最初の被相続人の不動産と中間の相続人の不動産では、登記原因が違うからです。

中間の相続人の固有の財産は、別で相続登記をします。

3相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

ほとんどの方は相続を何度も経験するものではないから、手続に不慣れで聞き慣れない法律用語でへとへとになります。

一般的にいって、相続登記は、その中でも難しい手間のかかる手続です。

不動産は重要な財産であることが多いので、一般の方からすると些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

数次相続が発生している場合、難易度は高くなります。

インターネットなどの情報では、どうしたらいいか分からないことも多いでしょう。

司法書士はこのような方をサポートしております。

相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書の開封方法

2026-07-16

1遺言書を見つけたら開封せずに外形を観察

①遺言書を見つけたら最初にやること

(1)開封しない

封がしてある遺言書は、家庭裁判所で開封してもらいます。

封筒に入っていて封がしてある遺言書は、勝手に開封することはできません。

勝手に開封すると、5万円以下のペナルティーになるおそれがあります。

(2)現状のまま保管

自宅などで遺言書を見つけたら、現状のまま保管します。

折り目を付けたり汚したりせず、慎重に保管します。

(3)発見したときの状況を記録

いつ、だれが、どこで、どのような形で遺言書を発見したのか記録します。

簡単なメモなどの記録で、差し支えありません。

(4)相続人間で遺言書の存在を共有

遺言書が見つかったことは、相続人間で情報共有します。

情報共有していないと、他の相続人が不信感を抱くからです。

(5)外観を観察できる

封筒を開封せずに、外観を観察するだけなら問題はありません。

封筒に「遺言書」と記載してある場合、封筒の中身は遺言書であると考えられます。

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言とは、遺言者が自分で書いて作る遺言書です。

封筒に「遺言書」と記載してある場合、中身は自筆証書遺言であることが多いでしょう。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

公正証書遺言を作成すると、遺言者に正本と謄本が渡されます。

正本と謄本と一緒に、「遺言公正証書」「〇〇公証役場」と印刷された封筒が渡されます。

封筒に「遺言公正証書」「〇〇公証役場」と記載してある場合、中身は公正証書遺言であることが多いでしょう。

②封がしてある自筆証書遺言は家庭裁判所で開封

封筒に入っていて封がしてある自筆証書遺言は、勝手に開封することはできません。

家庭裁判所へ提出して、家庭裁判所で開封してもらいます。

封筒に入っているだけで封がしてない遺言書や封筒に入っていない遺言書は、無効になりません。

封がしてない遺言書は、開封があり得ません。

開封の必要がなくても、家庭裁判所へ提出して手続が必要です。

③法務局保管制度利用の自筆証書遺言は家族に返還されない

(1)自筆証書遺言を提出して法務局が保管する

法務局保管制度とは、作成した自筆証書遺言を法務局へ提出して保管してもらう制度です。

法務局は、提出された自筆証書遺言を厳重に保管します。

家族が希望しても、自筆証書遺言は返還されません。

自宅などを探しても、見つかることはありません。

法務局保管制度利用の自筆証書遺言は、開封が問題になりません。

(2)保管証が発行される

法務局保管制度を利用すると、保管証が発行されます。

自宅などで保管証が見つかることがあります。

保管証の記録を参考に、法務局に遺言書情報証明書を発行してもらいます。

2遺言書の開封方法

①自宅保管の自筆証書遺言は家庭裁判所で検認手続

(1)検認手続で開封してもらう

自宅などで見つかった自筆証書遺言は、勝手に開封することはできません。

家庭裁判所へ提出して、開封してもらう必要があります。

検認手続とは、遺言書を家庭裁判所へ提出して開封してもらう手続です。

検認の申立てを受付けたら、相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

相続人に立会いをしてもらって、遺言書を開封するためです。

(2)検認手続で変造防止

検認期日では、家庭裁判所が遺言書の内容や状態を確認します。

封がしてある遺言書は、外見上改ざんがされていない状態と言えます。

家庭裁判所は、確認した内容を検認調書に取りまとめます。

遺言書の検認をすると、検認期日以降の遺言書の改ざんや変造を防ぐことができます。

検認調書と遺言書を照らし合わせると、改ざんや変造が明らかになるからです。

遺言書の検認は、遺言書の改ざんや変造を防ぐための手続です。

(3)封がしていなくても変造防止

封がされていない遺言書には、開封という概念がありません。

開封する必要がなくても、自宅保管の自筆証書遺言は検認手続が必要です。

開封する必要がなくても、改ざんや変造を防止する必要があるからです。

遺言書の検認をすると、検認期日以降の遺言書の改ざんや変造を防ぐことができます。

(4)誤って開封してしまっても変造防止

封筒の表に「遺言書」と記載してあると、中身は遺言書であると気が付くでしょう。

封筒の表に何も書いてないと、内容物が遺言書であると気が付くことができません。

封筒に入っていない遺言書は、内容を読まないと遺言書であると気が付くことができません。

遺言書であると気が付いたら、家庭裁判所へ提出します。

開封してしまっても、自宅保管の自筆証書遺言は検認手続が必要です。

開封してしまっても、改ざんや変造を防止する必要があるからです。

開封してしまっても、原則として遺言書は無効になりません。

開封してしまっても、相続人の資格を失うことはありません。

遺言書の検認をすると、検認期日以降の遺言書の改ざんや変造を防ぐことができます。

(5)検認手続で有効無効は判断しない

検認期日では、家庭裁判所が遺言書の内容や状態を確認します。

遺言書を開封したところ、明らかに無効の遺言書が入っていることがあります。

検認手続で、遺言書の有効無効は判断しません。

明らかに無効の遺言書が入っていても、そのまま検認手続を行います。

例えば、日付が記載されていない遺言書は、明らかに無効の遺言書です。

日付が記載されていない遺言書が入っていても、そのまま検認手続を行います。

検認調書には、日付が記載されていない遺言書であったことが記録されます。

検認期日後に、日付を書き加えて有効に見せかけようとする変造を防ぐことができるからです。

検認調書があるから、後日の変造であることが判明します。

遺言書の変造が判明したら、相続欠格になるおそれがあります。

遺言書の有効無効は、検認手続ではなく別途裁判で判断します。

②公正証書遺言は勝手に開封できる

(1)公正証書遺言は封がされていないことがほとんど

公正証書遺言を作成した際に、遺言者に正本と謄本が渡されます。

自宅などで見つかる公正証書遺言は、正本や謄本です。

公正証書遺言は、封がされていないことがほとんどです。

封筒に入って封がしてあっても、勝手に開封することができます。

(2)公正証書遺言は公証役場で厳重保管

公正証書遺言は、検認手続が不要です。

公正証書遺言作成後、公正証書遺言原本は公証役場で厳重保管されるからです。

公正証書遺言は厳重保管されるから、偽造変造リスクがありません。

家庭裁判所の検認手続は、偽造変造を防止する手続です。

偽造変造リスクがないから、偽造変造を防止する手続は不要です。

(3)公証役場の封筒に自筆証書遺言が入っている可能性

公正証書遺言は、公証役場の封筒に入れて保管することが一般的です。

公正証書遺言は、勝手に開封しても問題はありません。

公証役場の封筒であっても封がされている場合、中に何が入っているのか確実には分かりません。

公正証書遺言と一緒に、自筆証書遺言が入っている可能性があります。

公正証書遺言は、勝手に開封することができます。

自筆証書遺言は、勝手に開封することはできません。

公正証書遺言以外の書類が入っていない場合は、勝手に開封することができます。

自筆証書遺言など他の書類が入っている可能性がある場合、検認手続で開封してもらうのが安心です。

検認手続で開封してもらえば、他の相続人から疑いを減らす効果が期待できるからです。

③秘密証書遺言はレアケース

自宅などで見つかった遺言書が秘密証書遺言である場合、検認手続が必要です。

実務的に、秘密証書遺言が作られることは非常に稀です。

④法務局保管制度の保管を取下げたら検認手続が必要

(1)保管の取下げができるのは遺言者本人のみ

自筆証書遺言の法務局保管制度は、保管についての選択肢です。

遺言者は法務局での保管を取下げて、遺言者が自分で保管することができます。

保管の取下げができるのは、遺言者本人のみです。

法務局での保管を取下げても、自筆証書遺言は有効です。

自宅保管の自筆証書遺言になっただけだからです。

(2)自宅保管の自筆証書遺言は検認手続が必要

自筆証書遺言の法務局保管制度を利用すると、家庭裁判所の検認手続が不要です。

法務局での保管を取下げた場合、検認手続を省略できません。

法務局での保管を取下げたら、自宅保管の自筆証書遺言になるからです。

3遺言書検認の申立ての流れ

①遺言書検認の申立書を提出

遺言書検認の申立書を作成したら、管轄の家庭裁判所へ提出します。

郵便で提出しても、差し支えありません。

②検認期日の打合せ

家庭裁判所が申立書を受け付けた後、内容を審査します。

問題がなければ、検認期日を調整するために連絡があります。

遺言書検認の申立書には、遺言書を添付しません。

申立人は、検認期日に遺言書を持って行く必要があります。

申立人は必ず検認期日に出席する必要があるから、スケジュール調整をします。

③検認期日を通知

検認期日が決まったら、家庭裁判所は相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

相続人全員に遺言書があることを知らせて、開封の立会いをしてもらうためです。

申立人以外の人は、欠席しても差し支えありません。

検認期日に欠席しても、不利益を受けることはありません。

④検認期日当日

申立人は、検認期日に出席しなければなりません。

検認期日で、家庭裁判所の人に遺言書を開封してもらいます。

検認手続は、おおむね15分程度で終了します。

⑤検認済証明書を取得

検認手続が終了したら、検認済証明書の発行を請求します。

検認済証明書は、遺言書の検認が終了したことの証明書です。

検認をしても検認をしていなくても、遺言書の効力は変わりません。

検認が必要なのに検認を済ませていない場合、遺言執行をすることはできません。

4遺言書検認の申立てを司法書士に依頼するメリット

自筆証書遺言や秘密証書遺言を預かっている人や見つけた人は、家庭裁判所に届け出る必要があります。

遺言書を隠したり捨てたりすると、相続人になることができません。

このような疑いをかけられてトラブルになるのを避けるためにも、すみやかに家庭裁判所に検認の申立てをしましょう。

申立てのためには、たくさんの書類が必要になります。

仕事や家事でお忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続を丸投げできます。

家族にお世話が必要な方がいて、お側を離れられない方からの相談もお受けしております。

裁判所に提出する書類を作成できるのは、弁護士と司法書士のみです。

弁護士と司法書士でない人は作成代行はできませんから、充分注意しましょう。

遺言書の検認を司法書士に依頼した場合、遺言書検認申立書の作成だけでなく、家庭裁判所への提出もおまかせいただけます。

遺言書を預かっている方や見つけた方はトラブルになる前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

失踪宣告の申立てができるか事前確認する方法

2026-07-15

1失踪宣告の要件は長期間生死不明と申立て

①失踪宣告は普通失踪と特別失踪(危難失踪)がある

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告には、2種類があります。

普通失踪と特別失踪(危難失踪)です。

一般的に失踪宣告といった場合、普通失踪を指しています。

特別失踪(危難失踪)とは「戦地に行った者」「沈没した船舶に乗っていた者」「その他死亡の原因となる災難に遭遇した者」などを対象にする失踪宣告です。

②失踪宣告の要件は長期間生死不明と申立て

死亡したことが確認できないのに、死亡と見なされます。

死亡と見なされるという強い法的効果があります。

失踪宣告が認められるためには、次の要件があります。

(1)生死不明のまま一定期間継続していること

(2)失踪宣告の申立てがあること

失踪宣告の申立てをしても、要件を満たしていないと失踪宣告はされません。

失踪宣告の申立てをする前に、申立人は事前確認をします。

③事前確認は家族ができる範囲の調査でいい

失踪宣告の申立人がする事前確認は、完璧な調査をする必要はありません。

もともと完璧な調査ができると、考えられていません。

行方不明者の家族などの申立人は、捜査機関ではないからです。

できる範囲の調査をすれば、支障はありません。

失踪宣告の申立てをした後に、家庭裁判所はあらためて調査をします。

家庭裁判所は、捜査機関ではありません。

家庭裁判所による補充調査のため、調査の端緒を提供します。

家庭裁判所による補充調査によって、生存の痕跡が見つかることは珍しくありません。

家庭裁判所は、家族では調査できない機関に対して公的に調査をすることができるからです。

家庭裁判所による補充調査によって、生存の痕跡が見つかること制度上当然です。

生存の痕跡が見つかると、失踪宣告の申立ては取り下げるように言われます。

失踪宣告の申立てを取り下げるだけで、ペナルティーはありません。

2失踪宣告の申立てができるか事前確認する方法

①生死不明期間を事前確認する方法

(1)最後に生存の痕跡があった時期を確認する

失踪宣告を受けるには、行方不明者が生死不明のまま一定期間継続していることが条件です。

生死不明期間の起算点は、最後に生存の痕跡があった日です。

家族が行方不明になったと主張するだけでは、確認とは言えません。

生死不明期間の起算点は、正確な日付が分からないことがほとんどです。

例えば、家族が確認できる生存の痕跡として、次のものを確認します。

・最後に電話・メール・SNSで連絡が取れた

・最後にあった

・最後に学校や職場に行った

・最後に銀行口座の利用履歴がある

・最後に公共料金の支払いがあった

家庭裁判所による補充調査のため、調査の端緒を提供します。

(2)行方不明になった時期の幅を確認する

家族であっても、行方不明になった日を具体的に特定することは、困難です。

連絡が取れなくなった時期を確認します。

例えば、〇〇年〇〇月ごろまで連絡が取れた、〇〇年〇〇月ごろまで出勤していたなどで差し支えありません。

生死不明期間の起算点は、ある程度の幅があることは通常です。

(3)失踪期間が経過しているか確認する

失踪期間とは、失踪宣告が認められるための生死不明の期間です。

普通失踪の失踪期間は、7年です。

特別失踪(危難失踪) の失踪期間は、1年です。

最後に生存が確認されてから、失踪期間が経過しているか確認します。

失踪期間が経過した正確な日付は、分からないのが通常です。

もともと生死不明期間の起算点が不明確だからです。

(4)家族による事前確認は完璧でなくていい

家族による事前確認には、限界があります。

失踪宣告を受ける前は生きている扱いだから、家族であっても照会に応じてもらえないからです。

家族ができる範囲で事前調査をすれば、問題はありません。

もともと家族には、完璧な調査はできません。

家族がすることは、家庭裁判所に調査の端緒を提供することです。

家庭裁判所が補充調査をするから、支障はありません。

②行方不明の事実を事前確認する方法

(1)住民票が職権消除されているか確認する

職権消除とは、住民基本台帳法に基づいて本人申請なしで住民票が削除されることです。

市区町村の調査で居住が確認できないと判断された場合、住民票は職権で消除されます。

実際にその住所に住んでいないにも関わらず住民票が残ったままだと、行政記録の正確性を維持できないからです。

職権消除されると、住民票と戸籍の附票に職権消除されたことが記載されます。

家族は住民票や戸籍の附票を取得して、職権消除の記載があるか確認することができます。

職権消除は、行方不明の事実を裏付ける重要な証拠です。

職権消除をする際に、市区町村が行方不明を確認しているからです。

(2)住民票上の住所に居住していないことを確認する

行方不明の事実を確認する場合、まず住民票上の住所に居住していない事実を確認します。

住民票上の住所地を訪れて、居住実態がないことを確認します。

大家や管理会社が退去を把握している場合、居住実態がないことを示しています。

居住実態がないことは、生存の痕跡がないことを示す端緒になります。

(3)郵便物が返戻されるか確認する

本人宛に郵便物を送ると、郵便が返戻されることがあります。

差し出した郵便物には、「あて所に尋ねあたりません」とスタンプが押してあるはずです。

郵便局が配達を試みたのに、その宛先で所在が確認できなかったと言えます。

「あて所に尋ねあたりません」で返戻された郵便物は、所在が確認できないことの客観的な証拠です。

「あて所に尋ねあたりません」で返戻された郵便物は、失踪を証する資料の一部にすることができます。

(4)社会生活の痕跡がないか確認する

行方不明者が社会生活をしていれば、さまざまな痕跡があるはずです。

社会生活の痕跡が途絶えているか、確認します。

例えば、次の点を確認して社会生活の痕跡が途絶えているか、確認します。

・学校に登校していない

・職場に出勤していない

・銀行口座の利用が止まっている

・公共料金の支払いが途絶えている

社会生活の痕跡が途絶えている場合、生存の痕跡がないことを示す端緒になります。

(5)友人知人と連絡が取れていないことを確認する

家族だけでなく友人知人など本人に関わりがあった人と連絡が取れていない場合、行方不明の継続性を裏付ける材料になります。

複数の友人知人の証言が一致していると、資料として信用力が高まります。

(6)生活基盤が失われているか確認する

行方不明者が生活基盤が失われていれば、行方不明が継続している重要な資料になります。

例えば、次の点を確認して生活基盤が失われているか、確認します。

・自宅の賃貸借契約が更新されていない

・公共料金の契約が停止している

・携帯電話がつながらない

・車検や保険の契約が更新されていない

上記の事実は、生活基盤が失われて生活実態がないことの重要な資料になります。

③利害関係人であるか事前確認する方法

失踪宣告の申立てをする人は、行方不明者に利害関係がある人に限定されています。

利害関係がある人とは、法律上の利害関係人です。

事実上の利害関係人は、申立人になることはできません。

失踪宣告には、行方不明者を死亡扱いにする重大な法的効果があるからです。

次の人には、法律上の利害関係があると考えられます。

・配偶者

・行方不明者が被相続人になるときの相続人

・行方不明者が共同相続人になるときの他の相続人

・受遺者

・不動産の共有者

・行方不明者の保証人

法律上の利害関係がない人は、失踪宣告の申立てをすることができません。

④必要書類を準備できるか事前確認する方法

失踪宣告の申立てをするには、次の書類を準備します。

(1)行方不明者の戸籍謄本

(2)行方不明者の戸籍の附票

(3)失踪を証する資料

(4)利害関係を証する資料

提出する資料で重要なのが、失踪を証する資料です。

家庭裁判所による補充調査の端緒になるからです。

失踪宣告の申立てをするにあたって、捜索願や行方不明者届を出すことは必須ではありません。

捜索願や行方不明者届を提出していれば、重要な資料として提出することができます。

捜索願や行方不明者届を提出していなくても警察が受理してくれなくても、失踪宣告の申立てをすることができます。

失踪宣告の申立てで必要なのは、失踪を証する資料だからです。

3失踪宣告の申立てができないときの選択肢

①不在者財産管理人制度を利用

不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する人です。

不在者財産管理人制度を利用する場合、行方不明者は生きている扱いです。

不在者財産管理人は、行方不明者のために法的な手続をすることができます。

不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議をすることができます。

不在者財産管理人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

たとえ家族が望んでも、行方不明者に不利益な遺産分割協議をすることはできません。

②行方不明共有者持分取得制度

行方不明共有者持分取得制度とは、共有関係を整理する制度です。

共有不動産を売却や管理をする場合、共有者全員の協力が必要です。

一部の共有者が行方不明である場合、売却や管理が進まなくなります。

行方不明共有者持分取得制度を利用すると、行方不明共有者の持分を時価で取得することができます。

行方不明共有者持分取得制度とは、裁判所の関与で持分を時価で買い取る制度です。

行方不明共有者の持分を買取って、売却や管理をしやすくすることができます。

③相続人申告登記でペナルティー回避

令和6年4月1日から、相続登記は義務になりました。

相続登記の義務を履行していない場合、ペナルティーの対象になります。

相続人申告登記とは、相続人が法務局に対し自分が相続人であることを申告する制度です。

相続登記をしていなくても相続人申告登記をした場合、相続登記の義務を履行したと扱われます。

相続人申告登記をすると、ペナルティーを回避することができます。

相続人申告登記をしても、不動産の名義変更の効果はありません。

遺産分割協議が成立した後で、あらためて相続登記が必要です。

④失踪宣告の準備をして申立て

失踪宣告の申立てができるか事前確認をした結果、今すぐ申立てができないかもしれません。

失踪宣告の申立てに、期限はありません。

法律上失踪宣告の申立てができても、家族の合意が得られないことがあります。

充分な準備をして、失踪宣告の申立てをすることが重要です。

4生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。

行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。

困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

相続手続で不安がある方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

家族信託が必要ないケース

2026-07-14

1家族信託で財産管理を依頼する

①家族で信託契約を締結する

所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。

所有権は、自由にものを売る権利であるし自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。

所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体です。

信託契約をすると、自由に売る権利や自由に管理する権利を渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。

家族信託は、自由に売る権利や自由に管理する権利を渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っている仕組みです。

信託契約を締結して、信頼できる家族に自由に売る権利や自由に管理する権利を渡します。

②家族信託の登場人物

(1)委託者

委託者とは、もともと財産を所有している人です。

家族信託で、財産管理を依頼する人です。

(2)受託者

受託者とは、財産を預かって管理運用する人です。

家族信託で、財産管理の依頼を受ける人です。

(3)受益者

受益者とは、財産から発生する利益を受け取る人です。

認知症対策で家族信託をする場合、委託者と受益者は同じ人です。

信託契約の内容によっては、委託者と受益者は別の人にすることができます。

2家族信託が必要ないケース

ケース①財産が少額

家族信託は、財産管理を依頼する契約です。

委託者が認知症になって判断能力を喪失しても、受託者が財産管理を継続することができます。

家族信託のメリットは、委託者の財産を受託者が活用できる点にあります。

本人の財産がほとんどない場合、家族信託をする必要はないでしょう。

本人が財産をほとんど持っていない場合、受託者が活用できる財産もないからです。

財産が少額である場合、家族信託をしなくてもデメリットはほとんどありません。

ケース1つ目は、財産が少額であるケースです。

ケース②信託できる財産がない

信託できる財産は、金銭的価値に換価できる財産です。

金銭的価値に換価できる財産であっても、信託できない財産があります。

信託できない財産の代表例は、農地と年金です。

農地を信託するためには、農業委員会の許可が必要です。

家族信託のために、農業委員会はほとんど許可しません。

年金の受取口座は、本人名義の口座に限定されています。

年金を信託して、受託者名義で受取ることはできません。

信託できる財産がない場合、家族信託をしなくてもデメリットはありません。

ケース2つ目は、信託できる財産がないケースです。

ケース③生前贈与等で名義変更が済んでいる

認知症になって資産凍結すると、本人の財産を使うことができなくなります。

本人に莫大な財産があっても、家族が立替える必要があります。

家族が立替えられるのであれば、家族信託を利用する必要はないかもしれません。

財産を生前贈与して名義変更をした場合、家族が自由に贈与された財産を使うことができます。

委託者の財産を受託者が活用できるメリットは、意味がなくなるでしょう。

生前贈与等で名義変更が済んでいる場合、家族信託をしなくてもデメリットはほとんどありません。

ケース3つ目は、生前贈与等で名義変更が済んでいるケースです。

ケース④家族間で対立がある

家族間で対立があっても対立がなくても、認知症対策は必要です。

認知症対策が必要なのに家族間で対立があると、適切な対策が難しくなります。

例えば、一部の子どもが財産管理することを他の子どもがよく思わないことがあります。

家族信託をする場合、家族間の信頼関係が重要です。

信頼関係がないまま家族信託をすると、大きなトラブルに発展するでしょう。

家族信託をきっかけに、家族間のトラブルを引き起こすかもしれません。

家族信託が不要ではないけど、家族信託をすべきではないでしょう。

家族間で対立がある場合、家族信託をするメリットよりデメリットが大きいでしょう。

ケース4つ目は、家族間で対立があるケースです。

ケース⑤信頼できる家族がいない

家族信託は、財産管理を依頼します。

信頼できる家族に、財産管理を依頼します。

家族がまったくいない場合、家族信託を利用することができません。

家族がいても信頼できない場合、家族信託を利用することができません。

家族信託をする場合、家族間の信頼関係が重要です。

信頼できる家族がいない場合、家族信託の意味がないでしょう。

信頼できる家族がいない場合、家族信託のメリットを受けられないでしょう。

ケース5つ目は、信頼できる家族がいないケースです。

ケース⑥本人が若くて健康

本人が40歳代であって、かつ、健康である場合、認知症対策はまだ早いことが多いでしょう。

家族信託を利用すると、財産は受託者の名義になります。

受託者に財産管理を任せるから、本人は自由に財産管理ができなくなります。

本人にとって制約と感じることになるでしょう。

家族信託を利用することで制約と感じると、メリットを享受できないことになります。

本人が若くて健康場合、家族信託のメリットを受けられないでしょう。

ケース6つ目は、本人が若くて健康であるケースです。

3家族信託が必要ないケースの代替手段と選び方

①任意後見契約

(1)判断能力が低下したら財産管理を依頼する

将来に備えて財産管理を依頼する契約です。

家族信託では、原則としてすぐにスタートします。

任意後見契約は、契約を締結するだけではスタートしません。

本人の判断能力が低下したときに、任意後見契約がスタートします。

(2)任意後見契約の主なメリット

任意後見契約がスタートしたら、任意後見人は任意後見監督人が監督します。

任意後見監督人は、家庭裁判所が監督します。

任意後見の透明性と公平性を確保できるから、安心して制度を利用できます。

任意後見契約のメリットは、家庭裁判所が監督するから不正防止ができる点です。

(3)任意後見の主なデメリット

任意後見がスタートするのは、本人の判断能力が低下したときです。

具体的には、判断能力が低下した後に家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをします。

家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、任意後見契約に効力が発生します。

任意後見契約に効力が発生すると、任意後見人がサポートを開始します。

任意後見監督人選任の申立てから選任されるまで、1か月以上かかります。

任意後見契約のデメリットは、任意後見がスタートするまで時間がかかる点です。

(4)任意後見契約がおすすめの人

認知症など将来に備えたい人がおすすめです。

②財産管理委任契約

(1)判断能力が低下するまでの財産管理を依頼する

任意後見契約がスタートするのは、本人の判断能力が低下したときです。

判断能力が低下していなくても、身体能力が低下することがあるでしょう。

身体能力が低下しても、任意後見契約はスタートしません。

身体能力が低下したときに備えて、財産管理委任契約を締結することができます。

任意後見契約と財産管理委任契約を一緒に締結することができます。

(2)財産管理委任契約の主なメリット

財産管理契約は、本人の判断能力が低下するまでの契約です。

本人の判断能力が充分にあるときから、財産管理を任せることができます。

必要な範囲や内容を決めて、柔軟に依頼することができます。

財産管理委任契約の主なメリットは、依頼内容を柔軟に決めることができることです。

(3)財産管理委任契約の主なデメリット

財産管理委任契約では、家庭裁判所などの監督はありません。

不適切な財産管理や横領リスクに対して、本人が備える必要があります。

財産管理委任契約の主なデメリットは、不適切な財産管理や横領リスクがあることです。

(4)財産管理委任契約がおすすめの人

高齢や病気などで身体能力が低下したとき、サポートしてもらいたい人がおすすめです。

③遺言書作成

(1)遺言者の生前に効力はない

遺言書を作成して、自分の死後だれに財産を引き継がせるか決めることができます。

遺言書でだれに財産を引き継がせるか決めておくと、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。

財産の引き継ぎ先を決めるだけなら、遺言書の作成で充分対応ができるでしょう。

遺言書は、遺言者の生前に効力がありません。

遺言者は、何度でも書き直しができます。

(2)遺言書作成の主なメリット

遺言書を作成して、遺産分割を明確に決めておくことができます。

相続トラブルの防止を考えるなら、公正証書遺言がおすすめです。

遺言執行者を決めておくと、相続手続はおまかせできます。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言書作成の主なメリットは、相続トラブルを防止できることです。

(3)遺言書作成の主なデメリット

遺言書を作成しても、生前の資産凍結に対応できません。

資産凍結しても家族が困らない場合は、遺言書作成が選択肢になります。

遺言書作成の主なデメリットは、生前の認知症対策ができないことです。

(4)遺言書作成がおすすめの人

遺産分割で相続トラブルを防止したい人におすすめです。

④銀行の代理出金機能

(1)代理人用カードで引出しができる

銀行の代理出金機能とは、口座の名義人以外の代理人が銀行口座から預金を引き出すことを可能にする仕組みです。

あらかじめ代理人を指名して、銀行に登録します。

代理人用のキャッシュカードが発行されるので、代理人用キャッシュカードで引出しをします。

代理人になれる人は、銀行によって条件がちがいます。

多くの場合、生計を同一にする家族や2親等以内の親族です。

(2)銀行の代理出金機能の主なメリット

銀行の代理出金機能を利用するのに、あまり手間や時間がかかりません。

銀行の名義人と代理人が連れ立って窓口に出向けば、その場で手続できるでしょう。

必要になる書類は、次のとおりであることが多いでしょう。

・本人確認書類

・通帳

・キャッシュカード

・銀行印

銀行の代理出金機能の主なメリットは、手間や時間が少ないことです。

(3)銀行の代理出金機能の主なメリット

代理人用キャッシュカードで引出しをする場合、上限額が決められています。

多くは、10万円程度でしょう。

本人が認知症などで判断能力が低下すると、代理人用キャッシュカードは使えなくなります。

銀行の代理出金機能は、実質的に認知症対策にならないと言えます。

銀行の代理出金機能の主なデメリットは、実質的に認知症対策にならないことです。

4家族信託が必要か迷ったときの判断ポイント

ポイント①本人の判断能力

家族信託を利用するためには、信託契約をするときに本人の判断能力があることが必要です。

信託契約をするときに、日時、場所、氏名、契約内容を理解しているかチェックされます。

ポイント1つ目は、本人の判断能力です。

ポイント②信託財産があるか

家族信託を利用して管理処分を依頼したい財産があるか、確認します。

信託したい財産がなければ、家族信託は必要ないでしょう。

ポイント2つ目は、信託財産があるかです。

ポイント③家族の信頼関係

家族信託を利用する場合、家族の信頼関係があることが重要です。

家族の信頼関係が築けていない場合、家族間でトラブルを引き起こすことになるからです。

ポイント3つ目は、家族の信頼関係です。

ポイント④認知症リスク

本人が認知症などで判断能力が低下すると、資産凍結されます。

資産凍結リスクに備えたい場合、家族信託が有効です。

ポイント4つ目は、認知症リスクです。

ポイント⑤他の制度で対応できるか

任意後見や遺言書作成でリスクに備えられる場合、家族信託は不要かもしれません。

家族信託以外に対応できるのなら、かける手間や費用をくらべて決めるといいでしょう。

ポイント5つ目は、他の制度で対応できるかです。

5家族信託を司法書士に依頼するメリット

高齢化社会が到来したといわれて、多くの方は長生きになりました。

平均寿命は男性も女性も80歳を超して、認知症になる方が多くなりました。

認知症になると、物事のメリットデメリットが充分に判断できなくなります

本人の財産は本人しか処分できないため、本人が判断できなくなると資産が凍結されてしまいます。

認知症対策は、本人が元気なときしかすることができません。

いつか認知症対策をしようではなく、今なら元気だから対策しようが正解です。

資産が凍結されてしまうと、家族であっても使うことができなくなります。

家族信託は、認知症対策として有効です。

柔軟な設計ができることから、本人と家族が検討しておくことがたくさんあります。

家族信託自体の知名度も低いことから、制度の理解が難しいかもしれません。

まずは、1歩を踏み出すために、司法書士などの専門家の話を聞くといいでしょう。

自分のためにも家族のためにも認知症対策を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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