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家族信託で必要な登記手続

2023-07-28

1家族信託とは

所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。

だから、所有権は、自由にものを売る権利であるし、自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。

所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体といえます。

たくさんの権利の集合体である所有権から、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。

自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みを家族のための信託といいます。

この仕組みを利用すると、信頼できる家族は自由にものを売ることができるし、自由に管理することができます。

自由に売る権利や自由に管理する権利を渡す相手は信頼できる家族であればよく、親子でなくても差し支えありません。

2家族信託を設定するときの登記手続

①信託財産に不動産があるときは登記が必要

家族信託を利用する場合、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡します。

家族信託を利用する場合、信頼できる家族が受託者です。

受託者が自由に売る権利や自由に管理する権利を行使します。

不動産を信託財産にした場合、登記をします。

信託財産になったことを公示するためです。

信託財産になったことを公示していない場合、受託者が自由に売る権利や自由に管理する権利を行使できるか客観的に分かりません。

信託財産になった不動産について、登記をすることで対外的に信託財産であることを証明することができます。

将来、受託者が信託財産を売却する場合、相手方が安心して取引をすることができます。

②受託者に名義変更で権利を主張できる

不動産を信託財産にした場合、所有権移転登記と信託登記が必要になります。

所有権移転登記をすることで、委託者から受託者に登記名義を変更します。

所有権移転登記は、受託者を権利者として委託者を義務者として共同で申請します。

登記名義が受託者になることで、受託者は自由に売る権利があることを主張できます。

受託者が自由に売る権利や自由に管理する権利を行使するために、登記は重要です。

受託者が自由に売る権利や自由に管理する権利を行使できない場合、家族信託を利用した意味がなくなるからです。

③信託登記で分別管理を証明できる

不動産を信託財産にした場合、所有権移転登記と信託登記が必要になります。

信託登記は、信託契約の内容を記録するための登記です。

不動産を信託財産にした場合、委託者から受託者に登記名義を変更します。

受託者に名義を変更しても、受託者の固有の財産ではありません。

受託者は、固有の財産と信託財産を別にして管理しなければなりません。

信託財産になった不動産について、信託登記をすることで信託財産であることを公示することができます。

信託財産であることが公示された場合、分別管理がされていると言えます。

④信託登記の登記事項

信託登記は、信託契約の内容を記録するための登記です。

登記すべきことは、法律で決まっています。

家族信託を設定するときの登記事項は、次のとおりです。

(1)委託者・受託者・受益者の氏名・住所

(2)受益者の指定の条件・受益者を定める方法

(3)信託管理人の氏名・住所

(4)受益者代理人の氏名・住所

(5)受益証券発行信託の場合はその旨

(6)受益者の定めのない信託の場合はその旨

(7)公益信託の場合はその旨

(8)信託の目的

(9)信託財産の管理方法

(10)信託の終了事由

(11)その他の信託の条項

⑤登記の内容は公開される

登記簿謄本は、法務局で手続をして手数料を払えばだれでも取得することができます。

家族以外の人が登記簿謄本を取得することがあります。

家族以外の人が登記簿謄本を取得することをやめさせることはできません。

信託登記は、信託契約の内容を記録するための登記です。

登記すべきことは、先に説明したとおりです。

家族以外の人に知られたくない内容は、表現に工夫が必要です。

どのような表現で登記するのか、どこまで登記するのかは司法書士などの専門家と相談するのが安心です。

3家族信託継続中の登記手続

①受託者が変更するとき

家族信託継続中に、受託者が死亡することがあります。

受託者が死亡した場合、後継受託者が引き継ぎます。

不動産を信託財産にした場合、委託者から受託者に登記名義を変更してあるはずです。

受託者が死亡した場合、登記名義を後継受託者に変更します。

後継受託者が自由に売る権利や自由に管理する権利を行使するからです。

所有権移転登記をすることで、死亡した受託者から後継受託者に登記名義を変更します。

所有権移転登記は、後継受託者が単独で申請します。

②受益者が変更するとき

家族信託が終了するときは、信託契約で決めることができます。

最初の受益者が死亡した時に信託を終了させることができるし、信託を終了させず継続させることができます。

信託を終了させずに継続させる場合、第2受益者が受益権を引き継ぎます。

受益者が変更になった場合、受益者変更の登記をします。

最初の受益者が死亡した時以外でも受益者が変更されることがあります。

受益権を売買する場合や贈与する場合などです。

③信託財産を売却するとき

受託者は、信託財産について自由に売る権利や自由に管理する権利を行使します。

受託者が信託財産である不動産を売却した場合、不動産は信託財産でなくなります。

不動産は買主のものになり、売却代金が信託財産になります。

所有権移転登記をして買主に名義変更をします。

所有権移転登記は、買主を権利者として受託者を義務者として共同で申請します。

信託財産でなくなるから、信託登記抹消をします。

④信託財産で不動産を購入するとき

受託者は、信託財産について自由に売る権利や自由に管理する権利を行使します。

信託財産に金銭がある場合、信託財産である金銭は受託者が管理しています。

信託財産である金銭を使って、不動産を購入することがあります。

信託財産である金銭を使って不動産を購入する場合、購入した不動産は信託財産になります。

購入した不動産は、信託財産である金銭が姿を変えたものだからです。

所有権移転登記は、受託者を権利者として売主を義務者として共同で申請します。

信託財産になるから、信託登記をします。

⑤委託者が変更するとき

家族信託が終了するときは、信託契約で決めることができます。

最初の委託者が死亡した時に信託を終了させることができるし、信託を終了させず継続させることができます。

信託を終了させずに継続させる場合、委託者を引き継がせることができます。

委託者が変更になった場合、委託者変更の登記をします。

⑥信託登記事項が変更するとき

家族信託は、長期間に渡る契約です。

信託継続中に信託契約の内容を変更した方が良くなることがあります。

信託契約の内容は、信託契約の定めに従って変更することができます。

信託登記の登記事項の登記事項にある内容を変更した場合、変更登記をする必要があります。

4家族信託を終了したときの登記手続

家族信託が終了するときは、信託契約で決めることができます。

認知症対策で家族信託を利用する場合、委託者兼受益者の死亡で信託を終了させます。

死亡後の財産管理のために家族信託を利用する場合、委託者兼受益者の死亡後も信託を継続します。

家族信託は、永久に続けることはできません。

信託法の定めで家族信託が終了することになります。

家族信託が終了した場合、だれが財産を引き継ぐか信託契約で決めることができます。

信託契約で定められた人が財産を引き継ぎます。

信託継続中、不動産は受託者の名義になっているはずです。

信託が終了した場合、財産を引き継ぐ人に名義を変更します。

信託が終了したから信託財産でなくなります。

信託財産でなくなるから、信託登記抹消をします。

5家族信託を司法書士に依頼するメリット

家族信託は、信託契約によって柔軟に設計することができます。

今までの遺言書や後見などでできないことも実現することができます。

柔軟で自由に設計できるからこそ、契約内容や手続は難しく専門家のサポートが欠かせません。

家族信託を利用する場合、信託財産に不動産が含まれることがほとんどです。

不動産が含まれる場合、登記が必要になります。

不適切な登記をした場合、取り返しがつかなくなるおそれがあります。

家族信託は柔軟で自由に設計できるからこそ、専門家のサポートがないと適切に手続できません。

家族信託契約を締結すれば終わりではなく、締結してから長期間に渡り信託は続きます。

家族信託契約の締結から終了まで司法書士などの専門家に適切なサポートを受けることをおすすめします。

相続放棄しても配偶者短期居住権

2023-07-26

1配偶者短期居住権とは

配偶者短期居住権とは、被相続人の家に住んでいた配偶者が一定期間無条件かつ無償で住み続けることができる権利です。

相続が発生してから、配偶者が住む場所を失うことがないように保護するために作られた権利です。

次の要件を満たせば、何もしなくても自動的に発生します。

①配偶者であること

配偶者短期居住権を取得する配偶者は、法律上の配偶者のみです。

内縁の配偶者や事実婚の配偶者は、配偶者短期居住権を取得することはできません。

法律上の配偶者でも、相続廃除された人や相続欠格になった人は配偶者短期居住権を取得することができません。

相続廃除された人や相続欠格になった人は、保護する必要がないからです。

②被相続人の所有していた建物であること

被相続人と配偶者以外の人と共有建物であっても、配偶者短期居住権は成立します。

③相続開始時に無償で居住していたこと

2相続放棄しても配偶者短期居住権は使える

建物の所有者が配偶者短期居住権の消滅請求をしてから6か月経過するまで、配偶者短期居住権は認められます。

相続放棄をした配偶者であっても、最低6か月は自宅に住む続けることができます。

建物の所有者が配偶者短期居住権の消滅請求をしてから6か月なので、建物の所有者が消滅請求をしなければ、ずっと住み続けることができます。

相続廃除された人や相続欠格になった人は、相続放棄と同様に相続権を失います。

相続廃除された人や相続欠格になった人は、配偶者短期居住権を取得することができません。

相続廃除された人や相続欠格になった人は、保護する必要がないからです。

3配偶者短期居住権と配偶者居住権のちがい

配偶者短期居住権と配偶者居住権は、どちらも相続が発生してから、配偶者が住む場所を失うことがないように保護するために作られた権利です。

①配偶者短期居住権は自動的に発生する

配偶者短期居住権は要件を満たしていれば、何もしなくても自動的に発生します。

配偶者居住権は、自動的に発生することはありません。

遺言書や遺産分割協議などによって、権利が設定されるものです。

②建物が第三者と共有の場合でも配偶者短期居住権は成立

建物を被相続人と配偶者以外の人と共有しているケースがあります。

被相続人と配偶者以外の人と共有建物であっても、配偶者短期居住権は成立します。

配偶者居住権は、被相続人と配偶者以外の人と共有建物の場合は成立しません。

③配偶者短期居住権は期間制限がある

遺産分割をするべき場合、(1)遺産分割が成立した日(2)相続が発生してから6か月経過した日のうち、どちらか遅い日まで配偶者短期居住権は認められます。

遺産分割が成立しなければ、何年も配偶者短期居住権は存続します。

配偶者が死亡するまで遺産分割が成立しなければ、結果として、終身配偶者短期居住権は存続します。

配偶者が相続放棄をしたなど遺産分割をする必要がない場合、建物の所有者が配偶者短期居住権の消滅請求をしてから6か月経過するまで、配偶者短期居住権は認められます。

配偶者居住権は原則として終身です。

遺言書や遺産分割協議などによって、存続期間を決めることもできます。

④配偶者短期居住権は居住部分のみ対象

配偶者短期居住権で認められるのは、従前の居住部分のみです。

配偶者居住権では、居住部分だけでなく建物全体が対象になります。

店舗付き住宅などでは、店舗も含めて対象になります。

配偶者居住権では、店舗などから得た収入は配偶者のものにできます。

⑤配偶者短期居住権は登記できない

配偶者居住権は登記できますが、配偶者短期居住権は登記できません。

要件を満たせば、配偶者短期居住権と配偶者居住権は、いずれも、登記をしなくても成立します。

配偶者居住権はせっかく登記できるのに、登記しないと大きな不利益があります。

例えば、建物所有者が建物を売却してしまうことがあります。

建物の買主は、建物を使うため立ち退きを求めるでしょう。

配偶者短期居住権は登記できませんから、建物の買主に配偶者短期居住権があるから立ち退きたくないなどと文句を言うことはできません。

登記があれば、建物の買主に立ち退きたくないなどと文句を言うことができます。

配偶者居住権は登記できますから、登記がしてあれば建物の買主に配偶者居住権を盾に文句を言ってそのまま住み続けることができます。

登記がしてなければ、建物の買主に配偶者居住権があるから立ち退きたくないなどと文句を言うことはできません。

建物の買主に立ち退きたくないなどと文句を言うことができるのは、登記の重要な効力です。

配偶者短期居住権が成立する場合、建物所有者は配偶者を追い出すことはできません。

建物所有者は、配偶者短期居住権の行使の邪魔をすることができないからです。

配偶者が建物から立ち退かなければならなくなったのは、もとはと言えば、建物所有者が建物を売却したせいです。

建物所有者が建物を売却したことで、配偶者は追い出されたと言えます。

配偶者が追い出されたのは、配偶者短期居住権の行使の邪魔をしたことと言えます。

配偶者短期居住権の行使の邪魔をしたことに対して、配偶者は損害賠償請求をすることができます。

配偶者は損害賠償請求をすることができますが、住み慣れた自宅を立ち退くこと負担は大きいと言えます。

⑥配偶者短期居住権は相続税の対象にならない

配偶者短期居住権は財産的価値はないとされていますから、相続税の対象とされません。

一方、配偶者居住権は財産的価値があり、相続税の対象とされます。

配偶者居住権は配偶者のみに認められる権利です。

配偶者居住権がある配偶者が死亡したら、配偶者居住権は消滅します。

配偶者居住権が消滅しますから、相続財産にならず、当然相続税の対象になりません。

4配偶者短期居住権と配偶者居住権の共通点

配偶者短期居住権と配偶者居住権は、いずれも、相続が発生してから、配偶者が住む場所を失うことがないように保護するために作られた権利です。

だから建物に対する権利で、土地に対して権利は及びません。

配偶者短期居住権と配偶者居住権は、いずれも、第三者に贈与や譲渡することはできません。

配偶者短期居住権と配偶者居住権は、いずれも、次の場合に消滅します。

①建物の用法を守って大切に使っていないとき

②無断で第三者に貸し出すなど第三者が使用する場合

③配偶者が死亡した場合

④建物が災害や火事などで滅失した場合

建物を維持するための費用は、配偶者短期居住権と配偶者居住権のいずれも、配偶者が負担しなければなりません。

配偶者短期居住権と配偶者居住権は、いずれも、建物の管理費用も負担する必要があります。

毎年の固定資産税も配偶者の負担になります。

配偶者短期居住権と配偶者居住権は、いずれも、配偶者が建物の修繕をすることができます。

5相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄をすると、プラスの財産もマイナスの財産も受け継ぐ必要がなくなります。

被相続人が莫大な借金を抱えていた場合、借金を受け継がなくても済む一方で、全財産を受け継ぐことができなくなります。

被相続人が所有していた自宅に住み続けることはできなくなります。

新しい住まいを探し、引っ越しをするのは、簡単ではありません。

配偶者短期居住権は相続が発生してから、配偶者が住む場所を失うことがないように保護するために作られた権利です。

配偶者短期居住権は、遺言や遺産分割などで設定される権利ではないため、相続放棄をしていても使うことができます。

一方で、配偶者居住権は、遺言や遺産分割などで設定される権利です。

配偶者短期居住権より強力な権利ですが、相続放棄をしたら使うことができません。

配偶者居住権は登記ができます。

登記をしていないと、せっかくの権利が守られません。

配偶者短期居住権と配偶者居住権は、配偶者が住む場所を失うことがないように保護するために作られた権利ですが、メリットデメリットがあります。

制度の内容をよく理解して、適切な制度を選択しましょう。

相続放棄や配偶者居住権などの制度を利用しようと考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

家族信託の終了

2023-07-21

1家族信託とは

所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。

だから、所有権は、自由にものを売る権利であるし、自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。

所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体といえます。

たくさんの権利の集合体である所有権から、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。

自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みを家族のための信託といいます。

この仕組みを利用すると、信頼できる家族は自由にものを売ることができるし、自由に管理することができます。

自由に売る権利や自由に管理する権利を渡す相手は信頼できる家族であればよく、親子でなくても差し支えありません。

2家族信託の終了事由は信託契約で決めておく

家族信託は、本人と信頼できる家族との間でする契約です。

信託契約をした後、家族信託を永久に続けることはできません。

どのようなときに信託を終了させるのか、信託契約の中で決めておきます。

家族信託の終了事由は、家族信託の目的に応じて考えます。

本人が認知症になった場合、資産が凍結されるリスクがあります。

認知症になると、物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなるからです。

物事のメリットデメリットを充分に判断できない状態では、契約などの法律行為ができなくなります。

資産が凍結されるとは、不動産の売却などができなくなるという意味です。

本人が認知症になったことを銀行などの金融機関が知った場合、銀行口座を凍結します。

口座が凍結すると、入出金や引き落としができなくなります。

本人が認知症になった場合でも、資産が凍結されないようにするためには家族信託が有効です。

認知症リスクに備えるために家族信託をするのであれば、本人の死亡で家族信託を終了させるといいでしょう。

本人の死亡後には、家族信託を続ける意味はないからです。

本人が生きているうちに家族信託を終了させると、認知症リスクに対して対策がないことになります。

本人の生存中から死亡後の財産管理のために家族信託をするのであれば、本人が死亡しても家族信託を続けるのがいいでしょう。

3家族信託は当事者の合意で解約ができる

家族信託は、委託者の意思の実現のために利用されます。

家族信託を利用することで利益を受けるのは、受益者です。

委託者と受益者が合意した場合、信託を終了させることができます。

受託者は、委託者の意思を実現させる人です。

委託者の意思を実現させ、受益者が利益を受け取ります。

委託者と受益者が合意した場合、信託を継続する意味がなくなります。

受託者の合意がなくても、委託者と受益者の合意だけで信託を終了させることができます。

信託契約の内容によっては、受託者は信託報酬を受けている場合があります。

委託者と受益者が合意により信託を終了させた場合、受託者は受け取れるはずだった信託報酬を失うと言えます。

受託者が損害を受ける場合、賠償が必要になります。

4家族信託は信託法の定めによって終了する

①信託の目的を達成したとき、達成ができなくなったとき

信託の目的を達成した場合、信託はそれ以上続ける必要がなくなります。

信託の目的を達成することができなくなったと確定した場合、信託を存続させる意義がなくなります。

信託の目的を達成したとき、達成ができなくなったとき、家族信託は当然に終了になります。

②受託者が受益権の全部を固有の財産で有する状態が1年間継続したとき

家族信託は、委託者の意思の実現のために利用されます。

受託者は、委託者の意思を実現させる人です。

委託者の意思を実現させ、受益者が利益を受け取ります。

受託者が受託者の利益のために、財産管理をするはずです。

受託者が受益権の全部を固有の財産で有する場合、受託者は自分の利益のために財産管理をすることになります。

受託者が自分の利益のために財産管理をするのであれば、所有権を移したのと同じです。

わざわざ信託を存続させる意味がなくなります。

信託を存続させる意味がないまま1年間継続した場合、家族信託は当然に終了になります。

信託を継続させるためには、1年以内に新たな受託者に変更する必要があります。

本人の認知症リスクに備える以外にも、家族信託は利用されます。

財産を子どもへ、子どもから孫へ引き継いでもらいたい場合、家族信託の活用は有効です。

遺言書では、次に引き継いでもらう人は指定できるけど、次の次の人まで指定することはできないからです。

家族信託を利用することで、次の人だけでなく次の次の人を指定して受け継いでもらうことができます。

家族信託を利用する場合、本人の信頼できる家族が受託者になります。

多くの場合、本人の子どもなど近い関係の人が受託者になるでしょう。

委託者兼受益者の子どもが受託者になる信託契約を締結した後、委託者兼受益者が死亡した場合、相続が発生します。

受益者の持つ受益権は、相続財産として相続人に相続されます。

受託者は受益者の子どもだから、相続人として受益権を相続することになります。

受託者が受益権の全部を固有の財産で有する状態になります。

受託者が受益権の全部を固有の財産で有する状態が1年間継続したとき、家族信託は当然に終了になります。

家族信託が当然に終了になるから、子どもから孫へ引き継いでもらいたい希望が実現できません。

このような事態を回避する対策が必要になります。

信託契約の中で、あらかじめ次の受託者を決めておくことが対策のひとつです。

受益権を複数の相続人で相続する方法でもいいでしょう。

家族信託が終了するのは、受託者が受益権の全部を固有の財産で有するときだからです。

③受託者が欠けた場合で、新受託者が就任しない状態が1年間継続したとき

受託者は、委託者の意思を実現させる人です。

受託者が受託者の利益のために、財産管理をします。

受託者がいない場合、信託があっても意味がありません。

本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用する場合、本人の死亡は意識しているでしょう。

それにひきかえ受託者は若い世代であることが多く、委託者より先に死亡することを見落としがちです。

受託者が先に死亡した場合、受託者が欠けることになります。

受託者が欠けた場合、委託者と受益者は新たな受託者を選任する必要があります。

本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用した場合、認知症を発症している可能性があります。

委託者兼受益者が認知症を発症していた場合、新たな受託者を選任することができません。

受託者がいないまま長期間経過した場合、家族信託は当然に終了になります。

本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用したのに、家族信託が終了になります。

受託者が欠けた場合に備えて、信託契約の中で次の受託者を決めておくことができます。

信託口口座を開設する場合、信託契約の中に後継受託者の定めを置くように金融機関から求められます。

信託契約の中に後継受託者の定めがあることで、スムーズに引継ぎをすることができます。

受託者が死亡した場合、受託者の固有の財産は相続財産になります。

信託財産は、受託者が死亡しても相続財産にはなりません。

信託財産は、受託者の財産ではない独立の財産だからです。

受託者が死亡した場合、引き続き新受託者が信託契約の定めに基づき管理処分をします。

5家族信託が終了したら信託財産は決められた人が引き継ぐ

①信託契約で決められた人が引き継ぐ

信託が終了した場合、残った信託財産をだれが引き継ぐのか決めておくことができます。

家族信託の受益者と同じ人でも異なる人でも構いません。

本人の認知症リスクに備えるために家族信託を利用した場合、本人の死亡によって家族信託を終了させることが一般的です。

信託契約で信託財産の行き先を決めてあると、財産の引き継ぎでトラブルになることが減ります。

本人の死亡によって家族信託を終了させる場合、家族信託は実質的に相続トラブルへの対策になります。

家族信託は本人の認知症リスクに備えるために利用することができるから、遺言書より話がしやすくなります。

②委託者またはその相続人が引き継ぐ

信託が終了した場合、残った信託財産をだれが引き継ぐのか決めておくことができます。

信託契約で決められた人がご辞退することがあります。

信託契約で残った信託財産を引き継ぐ人を決めていない場合やご辞退された場合、委託者またはその相続人が引き継ぎます。

信託法の定めによって引き継ぐ人が決まるものです。

③清算受託者が引き継ぐ

信託契約で残った信託財産を引き継ぐ人を決めていない場合やご辞退された場合で、かつ、委託者もその相続人も不在の場合、清算受託者が引き継ぎます。

清算受託者は、信託法の定めによって引き継ぎます。

相続放棄のように、放棄することはできません。

6家族信託を司法書士に依頼するメリット

高齢化社会が到来したといわれて、多くの方は長生きになりました。

平均寿命は男性も女性も80歳を超して、認知症になる方が多くなりました。

認知症になると、物事のメリットデメリットが充分に判断できなくなります

本人の財産は本人しか処分できないため、本人が判断できなくなると資産が凍結されてしまいます。

たとえ、本人が介護施設入所のためであっても、本人の不動産を勝手に売却することはできません。

たとえ、本人の実の子どもであっても、本人の定期預金を解約することはできません。

一部の金融機関では、本人以外の家族がキャッシュカードを使っていることを確認したら、キャッシュカードを回収しています。

本人の意思確認を重視する流れは、他の金融機関にも広がっていくでしょう。

認知症対策は、本人の判断能力がしっかりしているうちしかできません。

いつか認知症対策をしようではなく、今なら元気だから対策しようが正解です。

認知症になると、本人はもとより家族も困ります。

家族信託は認知症対策として有効です。

自分のためにも家族のためにも認知症対策を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

数次相続があるときの相続分の譲渡

2023-07-19

1数次相続とは

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意が不可欠です。

相続財産の分け方について、話し合いがまとまらないうちに相続人が死亡してしまうことがあります。

数次相続とは、話し合いがまとまらないうちに相続人が死亡して相続が発生することです。

死亡した相続人に相続が発生した場合、相続人の地位が相続されます。

最初の相続で話し合いをする地位が、死亡した相続人の相続人に相続されます。

数次相続は、どこまででも続きます。

法律上の制限は設けられていません。

2相続分の譲渡とは

2人以上相続人がいる場合や遺言書がない場合は、遺産の分け方について相続人全員で話し合いをする必要があります。

相続人全員による話し合いのことを遺産分割協議といいます。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続人の折り合いがよくない場合、相続人全員の話し合いは大きな負担になります。

相続人全員による合意がされる前であれば、相続人が自分の法定相続分を譲渡することができます。

相続分を譲り渡す相手は、他の相続人のうちだれかでも構わないし、相続人以外の第三者でも構いません。

有償で譲渡することも無償で譲渡することもできます。

自分の法定相続分の全部を譲渡することができるし、自分の法定相続分の一部を譲渡することができます。

自分の法定相続分を譲渡することができるのは、相続人全員の合意をする前だけです。

相続分を譲渡すると、相続分を譲り渡した相続人は相続権を失います。

相続権を失いますから、相続財産の分け方についての、相続人全員の話し合いに参加する必要がありません。

相続分の譲渡を受けた人は、相続財産の分け方を決める話し合いに参加する必要があります。

他の相続人以外の第三者であっても、相続分を譲り渡した人に代わって相続人全員の話し合いに参加します。

相続財産の分け方について合意をするときは、相続分の譲り受けた人が他の相続人以外の第三者であっても、相続人に含めなければなりません。

他の相続人以外の第三者が相続分の譲り受けた場合、相続分の譲り受けた人を除いて、相続財産の分け方の合意をしても、無効になります。

相続分を譲り受けた人を含めて合意をやり直すことになります。

相続人の折り合いがよくない場合、相続財産の分け方の合意は難しくなりがちです。

ときにはトラブルに発展しかねません。

相続人らのもめごとを避けるため、相続分を譲渡することは有効な手段と言えます。

3相続人間の相続分の譲渡はメリットが大きい

相続分を譲渡する相手は、他の相続人のうちだれかでも構わないし、相続人以外の第三者でも構いません。

相続人間で相続分を譲渡する場合、単純に相続財産の分け方について話し合うメンバーが減ります。

人数が減ると話し合いがスムーズになります。

相続人間の相続分の譲渡をした後に遺産分割協議をした場合、被相続人から直接相続登記をすることができます。

相続人間の相続分の譲渡は、相続登記の手間と登録免許税が少なく済みます。

相続人間で相続分を譲渡する場合、贈与税の対象になりません。

相続人間で相続分を譲渡にも注意すべき点はありますが、大きなメリットがあります。

4第三者への相続分の譲渡はデメリットが大きい

①相続人以外の親族は第三者

相続分を譲渡する相手は、他の相続人のうちだれかでも構わないし、相続人以外の第三者でも構いません。

相続分を譲り受ける人が第三者の場合というと、まったくの他人だけをイメージしがちです。

第三者とは、相続人以外の人を指しています。

相続人以外の親族は、第三者です。

相続人は被相続人の配偶者と長男、長女の3人である場合、被相続人の配偶者と長男、長女以外の人は全員第三者にあたります。

被相続人の配偶者が長男に相続分の譲渡をする場合、相続人間の相続分の譲渡です。

被相続人の配偶者が長男の子どもに相続分の譲渡をする場合、第三者への相続分の譲渡です。

②相続人が死亡しても相続人以外の親族は第三者

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続人全員の合意ができないまま長期間経過した場合、一部の相続人が死亡することがあります。

最初の相続における相続人は後に死亡しても、相続人であったことは変わりはありません。

最初の相続における相続人が後に死亡しても、相続人以外の人は第三者であることに変わりはありません。

最初の相続の相続人は被相続人の配偶者と長男、長女の3人である場合、被相続人の配偶者と長男、長女以外の人は全員第三者にあたります。

最初の相続の相続手続中に長男が死亡することがあります。

死亡した長男の子どもは、長男の相続人です。

長男の子どもは長男の相続人であって、最初の相続の相続人ではありません。

最初の相続における被相続人の配偶者が長男の子どもに相続分の譲渡をすることがあります。

長男の子どもに相続分の譲渡する場合、第三者への相続分の譲渡です。

長男の子どもは、最初の相続の相続人ではないからです。

③第三者への相続分の譲渡は相続登記が複雑になる

被相続人が不動産を所有していた場合、不動産の名義変更が必要です。

相続による所有権移転登記ができるのは、相続人に対してだけです。

相続人以外の人に対して、相続登記をすることはできません。

第三者への相続分の譲渡をした場合、相続分を譲り受けた人は相続人ではありません。

相続分を譲り受けた人に対して、相続登記をすることはできません。

被相続人から相続分を譲り受けた人に対して、直接所有権移転登記をすることできません。

被相続人から相続分を譲り受けた人に所有権が移転した事実はないからです。

(1)相続の発生で、相続人全員が法定相続分で共有

(2)一部の相続人が第三者への相続分を譲渡

(3)相続分を譲り受けた人と他の相続人で遺産分割

(1)~(3)の順に事実が発生したのだから、3件の登記申請をします。

相続人が被相続人の配偶者と長男、長女の3人であるケースで、被相続人の配偶者が長男の子どもに相続分の譲渡をすることがあります。

遺産分割協議で最終的に長男の子どもが不動産を取得する場合、次の3件の登記申請をします。

仮に、不動産が5000万円の場合、次の額の登録免許税を納めます。

(1) 相続人全員で法定相続分で相続登記

登録免許税 20万円

(2)相続分の譲渡で〇〇〇〇持分全部移転登記

登録免許税 50万円

(3) 遺産分割で〇〇〇〇持分全部移転登記

登録免許税 10万円

(1)~(3)を順に3件の登記申請をする場合、登録免許税は合計80万円です。

相続分の譲渡がある場合、相続登記を自分でやるのは困難です。

相続登記を司法書士などの専門家に依頼する場合、相応の費用がかかります。

④第三者への相続分の譲渡は相続税と贈与税の対象

相続分を譲渡する相手は、他の相続人のうちだれかでも構わないし、相続人以外の第三者でも構いません。

相続分を譲り受ける人が第三者の場合、譲り渡す人には相続税がかかります。

譲り受ける人には、贈与税がかかります。

5死亡した人が相続する遺産分割協議をすることができる

数次相続が発生した後に、最初の相続人の相続人に相続分の譲渡をすることがあります。

最初の相続人の相続人への相続分の譲渡は、相続人間の相続分の譲渡ではありません。

第三者への相続分の譲渡です。

第三者への相続分の譲渡した場合、はるかに大きな手間と高額の費用がかかります。

最初の相続人の相続人に相続財産を取得させたい場合、別の方法で大きな手間と高額の費用を節約することができます。

相続が発生した場合、相続財産は相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めなければなりません。

相続財産の分け方の話し合い中に一部の相続人が死亡した場合、相続人の相続人が話し合いに参加します。

死亡した相続人の相続人と他の相続人全員で、死亡した相続人が相続する合意をすることができます。

死亡した相続人が相続する合意をした後、死亡した相続人の相続人全員で相続財産の分け方を話し合います。

最初の相続人の相続人に相続財産を取得させることができます。

相続人全員の話し合いによる場合、第三者への相続分の譲渡をしていません。

第三者への相続分の譲渡のような大きな手間と高額の費用をかける必要がありません。

6相続人間で相続分の譲渡をした後に死亡したら相続人が証明書

①相続分の譲渡は口頭の合意も有効

相続分の譲渡は、相続分の譲り渡す人と譲り受ける人の合意で成立します。

相続分の譲り渡す人と譲り受ける人が合意していた場合、口頭の合意であっても有効です。

②相続分の譲渡をしたら相続分譲渡証明書で手続

相続分の譲渡をした場合、相続分を譲り渡した人は遺産分割協議に参加しません。

相続財産の分け方について合意しないから、遺産分割協議書に記名押印をしません。

相続人全員の合意がない遺産分割協議は、無効です。

一部の相続人が含まれていない場合、遺産分割協議書は無効であると誤解してしまうでしょう。

相続分の譲渡は、口頭の合意であっても有効です。

口頭で合意したと主張しても、相続手続先は信用してくれません。

相続分の譲り渡した人と譲り受けた人で、相続分譲渡証明書を作成します。

相続分譲渡証明書に実印で押印して印鑑証明書を添付します。

③相続分譲渡証明書を相続人が作成できる

相続分の譲渡は、口頭の合意であっても有効です。

相続分の譲渡が有効に成立した後、相続分譲渡証明書を作成する前に当事者が死亡することがあります。

相続分の譲渡が有効に成立した後に当事者が死亡した場合、相続分の譲渡が無効になることはありません。

相続分譲渡証明書を作成していない場合、相続手続先は口頭の合意を信用してくれません。

相続分の譲渡が有効に成立した事実を当事者の相続人が証明することができます。

死亡した当事者の相続人全員で証明書を作成します。

死亡した当事者の相続人全員が記名し実印で押印して印鑑証明書を添付します。

④相続人による譲渡証明書の記載例

相続分譲渡証明書

被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地

被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

被相続人の氏名   〇〇 〇〇

被相続人の生年月日 昭和 〇〇年〇〇月〇〇日

被相続人の死亡日 令和 〇〇年〇〇月〇〇日

私は上記被相続人の相続につき、下記譲渡人が下記譲渡人の相続分全部を下記譲受人に無償で譲渡したことを証明します。

令和 〇〇年〇〇月〇〇日

相続分譲渡人 

相続分譲渡人の最後の本籍 △△県△△市△△町△丁目△番地

相続分譲渡人の最後の住所 △△県△△市△△町△丁目△番△号

相続分譲渡人の氏名   △△ △△

相続分譲渡人の生年月日 昭和 △△年△△月△△日

相続分譲渡人の死亡日 令和 △△年△△月△△日

相続分譲受人

相続分譲受人の最後の本籍 ◇◇県◇◇市◇◇町◇丁目◇番地

相続分譲受人の最後の住所 ◇◇県◇◇市◇◇町◇丁目◇番◇号

相続分譲受人の氏名   ◇◇ ◇◇

相続分譲受人の生年月日 昭和 ◇◇年◇◇月◇◇日

相続分譲受人の死亡日 令和 ◇◇年◇◇月◇◇日

証明者

□□県□□市□□町□丁目□番□号

□□ □□(実印)

7不動産の名義変更を司法書士に依頼するメリット

大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。

やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。

相続手続は一生のうち何度も経験するものではないため、だれにとっても不慣れで手際よくできるものではありません。

不動産は重要な財産であることも多いので、登記手続は一般の方から見ると些細なことと思えるようなことでやり直しになることも多いです。

相続分の譲渡など、難しい言葉ではないがよく分からないものもあります。

数次相続が発生しているような事例では手に負えなくなるでしょう。

日常のお仕事や家事をこなしたうえに、相続手続きをするのは思う以上に精神的に負担が大きいことです。

司法書士などの専門家から見れば、トラブルのないスムーズな相続手続であっても、多くの方は疲労困憊になってしまうものです。

相続手続に疲れてイライラすると普段は温厚な人でも、トラブルを引き起こしかねません。

司法書士などの専門家はこのような方をサポートします。

疲労困憊になる前に、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書作成して子どもを認知

2023-07-17

1遺言書で子どもの認知できる

遺言書の書き方は、民法で決まっています。

法律的に有効な遺言をするには民法の定めに従わなくてはなりません。

遺言者が死亡した後に効力が発生するものだから、厳格に決まっています。

法律の定めに従った遺言であれば、何を書いてもいいというわけではありません。

遺言書に書いておくことで、意味があること、効力があることも法律で決まっています。

①財産に関すること②身分に関すること③遺言執行に関すること④それ以外のことです。

子どもを認知することは、身分に関することです。

遺言書で子どもの認知をすることができます。

15歳以上であれば未成年であっても、遺言書を作ることができます。

父が未成年であっても、子どもを認知することができます。

未成年者が契約をする場合、親権者の同意が必要です。

未成年の父が子どもを認知する場合、父の親権者の同意は必要ありません。

親権者の同意を受けずに未成年者が契約をした場合、親権者は契約を取り消すことができます。

未成年である父の親権者が、認知を取り消すことはできません。

認知された子どもの法定相続分は、以前は嫡出子の半分でした。

この取り扱いは平成25年9月4日最高裁判所決定で違憲であるとされました。

現在は嫡出子と非嫡出子は同じ相続分です。

認知された子どもが現れると、他の相続人の相続分に大きな影響を与えます。

できることなら、生前に家族に打ち明けておくことをおすすめします。

2子どもを認知するときの遺言書の書き方

①子どもを認知するときの遺言書の記載例

第〇条 遺言者と〇〇〇〇(平成〇〇年〇〇月〇〇日生まれ)との間に生まれた下記の子どもを認知する。

氏名 〇〇〇〇

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

生年月日 令和〇年〇月〇日

本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

戸籍筆頭者 〇〇〇〇

遺言書に書く場合は、具体的に書く必要があります。

遺言を書いた人にとって、子どもや子どもの母を当然のことと思いがちです。

何も知らない人が見ても分かるように、具体的に書きます。

生前に子どもを認知する場合、認知届を役所に提出します。

遺言書で子どもを認知する場合であっても、生前に認知届を提出する場合であっても、認知の効力は同じです。

②胎児を認知する場合の遺言書の記載例

第〇条 遺言者は下記の者が現に懐胎している子どもを認知する。

氏名 〇〇〇〇

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

生年月日 平成〇年〇月〇日

本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

戸籍筆頭者 〇〇〇〇

誕生する前の胎児を認知することができます。

③遺言書で死亡した子どもを認知することができる

死亡した子どもに直系卑属がいる場合、死亡した子どもを認知することができます。

認知した人と死亡した子どもに親子関係が発生させることができます。

死亡した子どもの子どもと認知した人が直系血族になることができます。

直系血族であれば、相続や扶養を受けることができるからです。

④遺言執行者を指名する場合の遺言書の記載例

第〇条 遺言者は遺言執行者として下記の者を指名する。

氏名 〇〇〇〇

事務所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

生年月日 昭和〇年〇月〇日

職業 司法書士

遺言書で子どもを認知する場合、遺言執行者が認知届をします。

遺言執行者を指名していない場合、家庭裁判所で遺言執行者を選任してもらう必要があります。

死亡後に家族に負担をかけないために、遺言書で遺言執行者を指名しておくことをおすすめします。

3遺言書で子どもを認知するときの注意点

①成人した子どもを認知するときは子どもの承諾が必要

成人した子どもを認知する場合、子どもの承諾が必要です。

死亡した子どもに直系卑属がいる場合、死亡した子どもを認知することができます。

直系卑属が成人している場合、成人した直系卑属の承諾が必要です。

遺言書を書くときに、子どもや直系卑属の承諾はなくても差し支えありません。

遺言書が効力を発生するのは、遺言者が死亡したときだからです。

遺言者が死亡した後、子どもや直系卑属が承諾すれば認知届を提出することができます。

遺言書に認知すると書いても、子どもや直系卑属からお断りをされることがあります。

②胎児を認知するときは母の承諾が必要

胎児を認知する場合、母の承諾が必要です。

遺言書を書くときに、母が承諾している必要はありません。

遺言書が効力を発生するのは、遺言者が死亡したときだからです。

遺言者が死亡した後、母が承諾するのでも構いません。

遺言者が死亡したときに、子どもが誕生していたら母の承諾は不要です。

③子どもを認知するときは財産の分け方も書く

子どもを認知すると、認知された子どもは相続人になります。

遺言書に何も書いてなければ、相続財産の分け方について相続人全員と話し合いをしなければなりません。

相続財産は、相続人全員の共有財産だからです。

認知された子どもと他の相続人の関係性がいいことはあまりないでしょう。

お互い気まずい思いをします。

相続財産の分け方で家族が苦労することのないように遺言書に記載することをおすすめします。

④遺言書が有効でないと認知も有効でない

遺言書を作成する場合、自分ひとりで作る自筆証書遺言と法律の専門家である公証人が関与して作る公正証書遺言があります。

自分ひとりで作ることができる自筆証書遺言は、法律の専門家が関与しないことがほとんどでしょう。

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

遺言書の書き方ルールに合わない遺言書は無効になります。

法律の知識がない人がひとりで遺言書を作った場合、無効になることが多いものです。

公正証書遺言は法律の専門家である公証人が作ります。

書き方ルールに合わないことは考えられません。

遺言書の書き方ルールに合う遺言書であったとしても、無理矢理書かされた遺言書ではないかと他の相続人から疑われるおそれがあります。

無理矢理書かされた遺言書は遺言者の意思ではありません。

遺言者の意思でない遺言書は無効になります。

公正証書遺言は公証人が遺言者の意思を確認して作りますから、このような争いも避けられます。

高齢の遺言者の場合、認知症などで物事のメリットデメリットを充分に判断できなかったのではないかと争いになることがあります。

遺言者が認知症などで物事のメリットデメリットを充分に判断できない場合、遺言書は無効になります。

公正証書遺言は公証人が遺言者の意思を確認して作ります。

認知症などであれば意思確認ができないでしょう。

公証人が意思確認している点に、一定の信頼ができます。

念のため、医師の診断書やカルテの写しを準備しておくと、争いを避けるのに役立つでしょう。

遺言書が無効になると、遺言書の内容はすべて無効になります。

子どもを認知してあげたい気持ちがあっても、遺言書が無効になった場合、認知は無効になります。

公正証書遺言は公証人が関与しますから、無効になりにくい遺言書を作ることができます。

⑤遺言書を見つけてもらえない

自分ひとりで作ることができる自筆証書遺言は、多くの場合、自分で保管しています。

遺言書の内容を家族に知られないようにするために、人目につかないところに保管しているでしょう。

そのまま、遺言書を紛失してしまうかもしれません。

誤って処分してしまうおそれがあります。

相続が発生した後に、遺言書を見つけてもらえない場合、遺言書の内容は意味がなくなります。

公正証書遺言原本は、公証役場で厳重に保管されます。

遺言書の紛失の心配はありません。

相続発生後であれば、法律上の利害関係がある人は公証役場に対して遺言書の有無を調べてもらうことができます。

4認知届を出すと戸籍に記載される

①父の戸籍に認知事項が記載される

遺言書で子どもを認知した場合、遺言執行者が認知届をします。

父と子どもに親子関係が発生しますから、父の戸籍に認知事項が記載がされます。

記載されるのは次の事項です。

身分事項 認知

認知日 令和〇年〇月〇日

認知した子の氏名 〇〇〇〇

認知した子の戸籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号  〇〇〇〇

②子どもの戸籍に認知事項が記載される

役所に認知届を提出した場合、子どもの戸籍の父の欄に、父の氏名が記載されます。

父と子どもに親子関係が発生しますから、子どもの戸籍に認知事項が記載がされます。

記載されるのは次の事項です。

身分事項 認知

認知日 令和〇年〇月〇日

認知者の氏名 〇〇〇〇

認知者の戸籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号  〇〇〇〇

送付を受けた日 令和〇年〇月〇日

受理者 〇〇県〇〇市長

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書を書くというと真っ先に思い浮かぶのが、財産に関することでしょう。

財産のこと以外にも、遺言書に書くと有効になることがあります。

法律上の配偶者以外の間で生まれた子どもを家族に内緒にしている人がいます。

さまざまな家族の事情で、どうしても生前に認知届を出せないケースです。

遺言書で子どもを認知することができます。

認知された子どもは相続人になることができます。

認知するだけでなく、その後のことも配慮する必要があるでしょう。

遺言書があれば、家族のトラブルは確実に減ります。

高齢になると判断能力が心配になる方が多くなります。

判断能力が心配になった時点では、遺言書は作れません。

今、まだまだ元気だ!と言えるのならば、遺言書を作成できるときと言えるでしょう。

家族がもめ事を起こすと取り返しがつかなくなります。

家族をトラブルから守りたい方は司法書士などの専門家に遺言書作成を依頼することをおすすめします。

死亡した相続人が相続する遺産分割協議書

2023-07-14

1数次相続とは

①数次相続とは相続手続中に相続人が死亡して新たな相続が発生した状態

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産になります。

共有財産になった相続財産は、相続人全員で話し合いによる分け方の合意が不可欠です。

相続財産の分け方について、話し合いがまとまる前に、相続人が死亡して新たな相続が発生することがあります。

最初の相続の手続中に相続人が死亡して、さらに相続が発生した状態を数次相続と言います。

数次相続は、どこまででも続きます。

どこまで続くかについて、法律上の制限はありません。

最初の相続を一次相続、相続人が死亡した相続を二次相続と言います。

二次相続の相続人が死亡すると、三次相続、さらに、四次相続、五次相続という場合もあります。

相続人が死亡して新たな相続が発生することを、まとめて、数次相続と言います。

②数次相続と代襲相続のちがい

数次相続も代襲相続も相続が複雑になる代表例です。

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。

これを代襲相続と言います。

数次相続は、相続が発生した「後」に、相続人が死亡した場合です。

代襲相続は、相続が発生する「前」に、相続人になるはずだった人が死亡した場合です。

数次相続では、死亡した相続人の相続人が最初の相続の遺産分割協議に参加します。

代襲相続では、死亡した相続人の直系卑属が最初の相続の遺産分割協議に参加します。

数次相続と代襲相続では、遺産分割協議に参加する人が異なります。

遺産分割協議に参加すべき人が参加していない場合、相続財産の分け方の合意は無効になります。

遺産分割協議に参加すべきでない人が参加している場合、相続財産の分け方の合意は無効になります。

だれが話し合いに参加すべきか間違えると、せっかく合意をしても合意が無効になります。

慎重に判断しましょう。

2遺産分割協議中に相続人が死亡したら

①死亡した相続人の相続人が遺産分割協議

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続財産の分け方を決める話し合いを遺産分割協議と言います。

相続財産の分け方について、相続人全員の話し合い中に一部の相続人が死亡することがあります。

相続財産の分け方が決まらないうちに一部の相続人が死亡した場合、死亡した相続人の地位は死亡した相続人の相続人に相続されます。

死亡した相続人の相続人全員と他の相続人全員が合意して、相続財産の分け方を決定します。

②死亡した相続人が相続する遺産分割協議ができる

相続人全員の話し合い中に一部の相続人が死亡した場合、死亡した相続人の相続人が遺産分割協議に参加します。

死亡した相続人の相続人は、最初の相続の相続人であることも最初の相続の相続人でないこともあります。

死亡した相続人の相続人が最初の相続の相続人でない場合、直接、相続財産を相続することはできません。

相続財産を相続できるのは、直接の相続人のみだからです。

死亡した相続人の相続人に相続財産を受け取らせたい場合、死亡した相続人が相続する合意をします。

死亡した相続人の相続人全員と他の相続人全員が合意すれば、死亡した相続人が相続することができます。

③死亡した相続人が相続する遺産分割協議書の書き方

記載例

被相続人〇〇〇〇が平成〇〇年〇〇月〇〇日に死亡し、その相続人である□□□□が令和□□年□□月□□日に死亡した。

よって、被相続人〇〇〇〇の相続人●●●●、●●●●、□□□□の相続人■■■■、■■■■の相続人全員が下記のとおり遺産分割の協議をした。

被相続人の最後の本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地

被相続人の最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

被相続人の氏名   〇〇 〇〇

被相続人の生年月日 昭和〇〇年〇〇月〇〇日

被相続人の死亡日 平成〇〇年〇〇月〇〇日

相続人兼被相続人の最後の本籍 □□県□□市□□町□丁目□番地

相続人兼被相続人の最後の住所 □□県□□市□□町□丁目□番□号

相続人兼被相続人のの氏名   □□ □□

相続人兼被相続人の生年月日 昭和□□年□□月□□日

相続人兼被相続人の死亡日 令和□□年□□月□□日

1. 相続財産中、次の不動産については、相続人亡□□□□が相続する。

(財産記載省略)

令和〇〇年〇〇月〇〇日

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地

相続人 ●●●● 実印

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番地

相続人 ●●●● 実印

住所 □□県□□市□□町□丁目□番地

相続人亡□□□□の相続人■■■■ 実印

住所 □□県□□市□□町□丁目□番地

相続人亡□□□□の相続人■■■■ 実印

3死亡した相続人を被相続人とする遺産分割協議

①死亡した相続人の相続人が遺産分割協議

最初の相続で遺産分割協議が完了した場合、死亡した相続人を被相続人とする遺産分割協議をします。

最初の相続で死亡した相続人が相続する合意をした場合、死亡した相続人は相続する財産は死亡した相続人の相続財産です。

死亡した相続人の相続人が遺産分割協議で分け方を決めることができます。

死亡した相続人の相続人が最初の相続の相続人でない場合、直接、相続財産を相続することはできません。

最初の相続の遺産分割協議では、死亡した相続人の相続人に過ぎないからです。

最初の相続の遺産分割協議で死亡した相続人が相続する合意をした後であれば、死亡した相続人の遺産分割協議でだれが相続するか死亡した相続人の相続人で決めることができます。

直接相続財産を相続することはできないけど、死亡した相続人が相続した後なら相続することができます。

②遺産分割協議書は原則として被相続人ごとに作成

数次相続とは、相続手続中に相続人が死亡して新たな相続が発生した状態です。

最初の相続と次の相続で相続人がまったく同じである場合、まとめて遺産分割協議書を作るとラクです。

最初の相続と次の相続で相続人が異なる場合、遺産分割協議書は別々に作ると分かりやすいでしょう。

遺産分割協議に参加すべきでない人が参加している場合、相続財産の分け方の合意は無効になります。

2つの相続をまとめると、遺産分割協議に参加すべきでない人が参加しているように誤解されるおそれがあるからです。

あえて誤解を招く必要はありません。

誤解のない分かりやすい遺産分割協議書を作ることを優先しましょう。

4死亡した相続人が相続する相続登記

①死亡した人が登記名義人になる相続登記は非課税

被相続人が不動産を所有していた場合、相続登記が必要になります。

死亡した相続人の相続人全員と他の相続人全員が合意すれば、死亡した相続人が相続することができます。

死亡した相続人が相続する場合、死亡した相続人名義の相続登記をすることができます。

遺産分割協議の結果、死亡した相続人が生前不動産を所有していたことになるからです。

生前不動産を所有していたことを公示するため、相続登記をすることができます。

死亡した相続人名義の相続登記をする場合、相続登記は死亡した相続人の相続人が申請します。

死亡した相続人名義の相続登記は、登録免許税が非課税になります。

登記申請書には「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載します。

記載しない場合、非課税となりません。

記載を忘れて、通常どおり登録免許税を納めた場合、登録免許税は還付されません。

②中間の相続人が単独ならまとめて相続登記ができる

原則として、登記は登記原因ごとに別々に申請します。

相続登記であれば、被相続人ごとに別々に登記申請をするのが原則です。

数次相続があった場合、条件を満たせばまとめて相続登記をすることができます。

まとめて相続登記をする場合、登記申請の手間と登録免許税の節約になります。

複数の相続をまとめて相続登記ができる条件は、中間の相続人が単独であることです。

中間の相続人が単独になる場合とは、はじめから相続人が一人であるケースだけではありません。

他の相続人全員が相続放棄をした場合、相続人が単独になるケースと言えます。

複数の相続人で遺産分割協議をして一人の相続人が相続する合意をした場合、相続人が単独になるケースに含めることができます。

遺産分割協議によって死亡した相続人一人が相続する合意をした場合、中間の相続人が単独になる場合にあたります。

中間の相続人が単独になる場合だから、最初の相続と次の相続をまとめて1つの登記申請で相続登記をすることができます。

5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。

相続人全員の合意ができた後は相続手続をすることになります。

相続人全員の合意が適切に文書になっていない場合、相続手続ができなくなります。

数次相続が発生している場合、相続が複雑になります。

死亡した相続人が相続する合意をしていても、文書に表れていなければ手続は進められなくなります。

書き方に不備があると、あらためて遺産分割協議書を作り直さなければなりません。

遺産分割協議書を作り直すことで、相続人が合意を撤回するかもしれません。

相続が複雑な場合、トラブルになりやすくなります。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続分の譲渡をするときの注意点

2023-07-12

1相続分の譲渡とは

2人以上相続人がいる場合や遺言書がない場合は、遺産の分け方について相続人全員で話し合いをする必要があります。

相続人全員による話し合いのことを遺産分割協議といいます。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続人の折り合いがよくない場合、相続人全員の話し合いは大きな負担になります。

相続人全員による合意がされる前であれば、相続人が自分の相続分を譲渡することができます。

相続分を譲渡する相手は、他の相続人のうちだれかでも構わないし、相続人以外の第三者でも構いません。

有償で譲渡することも無償で譲渡することもできます。

自分の相続分の全部を譲渡することができるし、自分の相続分の一部を譲渡することができます。

自分の相続分を譲渡することができるのは、相続人全員の合意をする前だけです。

相続分を譲渡すると、相続分を譲渡した相続人は相続権を失います。

相続権を失いますから、相続財産の分け方についての、相続人全員の話し合いに参加する必要がありません。

相続分の譲渡を受けた人は、相続財産の分け方を決める話し合いに参加する必要があります。

他の相続人以外の第三者であっても、相続分を譲った人に代わって相続人全員の話し合いに参加します。

相続財産の分け方について合意をするときは、相続分の譲渡を受けた人が他の相続人以外の第三者であっても、相続人に含めなければなりません。

他の相続人以外の第三者が相続分の譲渡を受けた場合、相続分の譲渡を受けた人を除いて、相続財産の分け方の合意をしても、無効になります。

相続分の譲渡を受けた人を含めて合意をやり直すことになります。

相続人の折り合いがよくない場合、相続財産の分け方の合意は難しくなりがちです。

ときにはトラブルに発展しかねません。

相続人らのもめごとを避けるため、相続分を譲渡することは有効な手段と言えます。

2相続分の譲渡の共通の注意点

①相続分を譲渡しても借金の支払義務がある

相続が発生した場合、被相続人の財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産というとプラスの財産だけをイメージしがちです。

プラスの財産もマイナスの財産も、相続財産です。

相続分を譲渡した場合、プラスの財産もマイナスの財産も相続分の譲り受けた人に引き継がれます。

プラスの財産もマイナスの財産も引き継がれるのは、相続分を譲渡した当事者の内部的取り決めです。

相続分を譲渡した場合、相続分を譲り渡した人は相続人のままです。

相続分を譲り受けた人は相続人ではありません。

債権者は、相続分を譲渡した当事者の内部的取り決めと無関係です。

債権者は、相続人に対して法定相続分で借金の返済を請求することができます。

相続分を譲渡したから借金の支払いをしたくないと文句を言うことはできません。

相続分を譲渡した場合でも相続人だから、被相続人の借金から逃れられません。

②相続放棄をしたら借金の支払不要

被相続人に借金があった場合、借金を相続したくないなら相続放棄がおすすめです。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。

相続人でない人に対して、被相続人の借金を請求することはできません。

被相続人の債権者から支払請求が来た場合、請求を拒むことができます。

3相続人間の相続分の譲渡の注意点

①相続人間の相続分の譲渡は贈与税はかからない

相続人全員による合意がされる前であれば、相続人が自分の相続分を譲渡することができます。

相続分の譲渡は、相続分を譲ってあげたい人と譲り受けたい人が合意すれば成立します。

譲り受ける人が他の相続人である場合、贈与税は問題になりません。

相続分の譲渡の当事者が同順位の相続人だからです。

相続人は被相続人の配偶者と長男、長女の3人であるケースがあります。

被相続人の配偶者が長男に相続分の譲渡をする場合、相続人間の相続分の譲渡です。

譲り受ける人が他の相続人だから、贈与税は問題になりません。

②相続分の譲渡が特別受益になる

譲り受ける人が他の相続人である場合、相続分の譲渡が特別受益になるかもしれません。

被相続人の配偶者が長男に相続分の譲渡をすることがあります。

相続分を譲り渡した配偶者が死亡した場合、相続人は長男と長女です。

長男は、最初の相続のときに相続分の譲渡を受けています。

長女は、相続分の譲渡を受けていません。

配偶者が死亡したときの相続で相続財産を半分ずつ分けるとしたら、不公平だと感じるでしょう。

長男は相続分の譲渡を受けているから、その分を考慮して相続財産を分けて欲しいと考えるでしょう。

相続分の譲渡が原因で、次の相続でトラブルになるおそれがあります。

③相続分の譲渡が遺留分の侵害になる

譲り受ける人が他の相続人である場合、相続分の譲渡が遺留分の侵害になるかもしれません。

遺留分とは、相続財産に対する最低限の権利です。

兄弟姉妹以外の相続人に与えられています。

被相続人の配偶者が長男に相続分の譲渡をすることがあります。

相続分を譲り渡した配偶者が死亡した場合、相続人は長男と長女です。

最初の相続における被相続人に莫大な財産があった場合、莫大な財産の2分の1が長男に譲渡されたと言えます。

配偶者が死亡したときの相続で相続財産がごくわずかであることがあります。

配偶者の相続における長女の法定相続分は2分の1、遺留分は4分の1です。

莫大な財産の2分の1を長男に譲渡したことで長女の遺留分が侵害されたと言えます。

相続分の譲渡が原因で、次の相続でトラブルになるおそれがあります。

4第三者への相続分の譲渡の注意点

①相続人以外の親族は第三者

相続分を譲り受ける人が第三者の場合というと、まったくの他人だけをイメージしがちです。

第三者とは、相続人以外の人を指しています。

相続人以外の親族は、第三者です。

相続人は被相続人の配偶者と長男、長女の3人である場合、被相続人の配偶者と長男、長女以外の人は全員第三者にあたります。

被相続人の配偶者が長男に相続分の譲渡をする場合、相続人間の相続分の譲渡です。

譲り受ける人が他の相続人だから、贈与税は問題になりません。

被相続人の配偶者が長男の子どもに相続分の譲渡をする場合、第三者への相続分の譲渡です。

譲り受ける人が第三者だから、譲り渡す人には相続税、譲り受ける人には贈与税がかかります。

贈与税は、想像するより高額になりがちです。

②相続人が死亡しても相続人以外の親族は第三者

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続人全員の合意ができないまま長期間経過した場合、一部の相続人が死亡することがあります。

相続が発生したときには元気だった相続人が相続手続中に死亡して新たな相続が発生することを数次相続と言います。

最初の相続における相続人は後に死亡しても、相続人であったことは変わりはありません。

最初の相続における相続人が後に死亡しても、相続人以外の人は第三者であることに変わりはありません。

最初の相続の相続人は被相続人の配偶者と長男、長女の3人である場合、被相続人の配偶者と長男、長女以外の人は全員第三者にあたります。

最初の相続の相続手続中に長男が死亡することがあります。

死亡した長男の子どもは、長男の相続人です。

長男の子どもは長男の相続人であって、最初の相続の相続人ではありません。

最初の相続における被相続人の配偶者が長男の子どもに相続分の譲渡をすることがあります。

長男の子どもに相続分の譲渡する場合、第三者への相続分の譲渡です。

長男の子どもは、最初の相続の相続人ではないからです。

③第三者への相続分の譲渡は相続登記が複雑になる

被相続人が不動産を所有していた場合、不動産の名義変更が必要です。

相続による所有権移転登記ができるのは、相続人に対してだけです。

相続人以外の人に対して、相続登記をすることはできません。

第三者への相続分の譲渡をした場合、相続分を譲り受けた人は相続人ではありません。

相続分を譲り受けた人に対して、相続登記をすることはできません。

被相続人から相続分を譲り受けた人に対して、直接所有権移転登記をすることできません。

被相続人から相続分を譲り受けた人に直接所有権が移転した事実はないからです。

相続分の譲渡をした場合、相続分を譲り渡した人は相続分の譲渡をした後も相続人です。

(1)相続の発生で、相続人全員が法定相続分で共有

(2)一部の相続人が第三者への相続分を譲渡

(3)相続分を譲り受けた人と他の相続人で遺産分割

(1)~(3)の順に事実が発生したのだから、3件の登記申請をします。

相続人が被相続人の配偶者と長男、長女の3人であるケースで、被相続人の配偶者が長男の子どもに相続分の譲渡をすることがあります。

遺産分割協議で最終的に長男の子どもが不動産を取得する場合、次の3件の登記申請をします。

(1) 相続人全員で法定相続分で相続登記

配偶者 2分の1

長男 4分の1

長女 4分の1

(2)相続分の譲渡

長男の子ども 2分の1

(3) 遺産分割

長男の子ども 2分の1

(1)~(3)を順に3件の登記申請をする場合、それぞれ登録免許税がかかります。

登録免許税は、不動産の固定資産税評価額を基に計算します。

仮に、不動産の固定資産税評価額が5000万円だった場合、次の額を納めます。

(1) 相続人全員で法定相続分で相続登記

登録免許税の税率は1000分の4です。

登録免許税20万円です。

(2)相続分の譲渡

移転する持分が2分の1だから、2500万円に対して課税されます。

登録免許税の税率は1000分の20です。

登録免許税50万円です。

(3) 遺産分割

移転する持分が2分の1だから、2500万円に対して課税されます。

登録免許税の税率は1000分の4です。

登録免許税10万円です。

(1)~(3)を順に3件の登記申請をする場合、登録免許税は合計80万円です。

相続分の譲渡がある場合、相続登記を自分でやるのは困難です。

相続登記を司法書士などの専門家に依頼する場合、相応の費用がかかります。

先に説明したとおり、第三者への相続分の譲渡は贈与税の対象になります。

④第三者への相続分の譲渡は相続税と贈与税の対象

相続分を譲渡する相手は、他の相続人のうちだれかでも構わないし、相続人以外の第三者でも構いません。

相続分を譲り受ける人が第三者の場合、譲り渡す人には相続税がかかります。

譲り受ける人には、贈与税がかかります。

5相続分の譲渡を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われます。

たくさんの手続で疲れていても、相続財産について、相続人全員による分け方の合意が必要です。

相続財産の分け方の合意はトラブルになりやすい手続です。

相続人がたくさんいると、さらにまとまりにくくなります。

相続分の譲渡を上手に使うと、話し合いをする相続人が減って、合意がしやすくなります。

通常の遺産分割で相続手続きを進めることが多いですが、状況に応じて制度を活用できます。

相続手続は、もめないようにするのが重要です。

もめないスムーズな相続手続きのためメリットデメリットを充分検討したい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

債務があるときの遺産分割協議書

2023-07-07

1債務は相続財産

被相続人が借金をしていることがあります。

借金をしている人が死亡しても、借金はなくなりません。

相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続人が相続する財産が、相続財産です。

相続財産はプラスの財産とマイナスの財産があります。

どちらも、相続財産です。

一般的に不動産、預金、株式や投資信託などの有価証券、現金などがイメージしやすいでしょう。

プラスの財産もマイナスの財産も、相続人が引き継ぎます。

被相続人に莫大な借金があった場合、相続放棄をすることで借金から免れることができます。

2相続人で債務を負担する人を決めることができる

①債務を負担する人を遺産分割協議書に書くことができる

相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続人が相続する財産が、相続財産です。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

プラスの財産は、相続人全員の合意ができれば自由に分けることができます。

マイナスの財産は、相続人全員で債務を負担する人を決めることができます。

後になって合意をしていなかったなどと言い出す人がいると、トラブルになります。

トラブルにならないように、書面に残しておくことは重要です。

相続人全員で合意したことを証明するため、遺産分割協議書に記載することができます。

②遺産分割協議書に債務を書く方法

記載例

被相続人の債務のうち次の負債は、相続人〇〇〇〇が負担する。

令和○年○月○日付金銭消費貸借契約に基づく借入金

債権者 〇〇〇〇銀行

残債務金○○万円

ただし、令和○年○月○日現在の残高

返済期限 令和○年○月○日

利息 年〇%

③相続人全員で合意しても対外的効力はない

マイナスの財産は、相続人全員で債務を負担する人を決めることができます。

相続人全員で合意しても、相続人だけの内部的な合意事項です。

相続人以外の人には、何の意味もない合意事項です。

遺産分割協議書を作成して記名し実印で押印しても、相続人以外の人には効力がありません。

相続人間のトラブル防止のため、書面にする意味があります。

相続人だけの内部的な合意事項だからです。

3債務は当然に法定相続分で相続

①債権者は相続人全員に法定相続分で請求することができる

相続人全員で債務を負担する人を決めた場合、相続人内部の合意事項です。

相続人以外の人には、何の効力もありません。

債権者は、相続人間にどのような合意があっても関係ありません。

債権者は、相続人全員に対して法定相続分で請求することができます。

相続人全員で債務を負担する人を決めたから、弁済をしたくないと文句を言うことができません。

相続人全員で債務を負担する人を決めたから、その人に請求して欲しいと文句を言うことができません。

相続人全員の合意で弁済を拒むことができるとすると、債権者が困ります。

相続人には、資力がある人も資力もない人もいます。

相続人全員の合意で資力がない相続人が債務を負担すると合意をすることが考えられます。

資力がない相続人は、ときには債務超過の相続人かもしれません。

債務超過の相続人は、自分の債務に加えて相続債務を負担することになります。

自分の債務に加えて相続債務を負担することは、困難でしょう。

自分の債務と相続債務を返済することができなくなったら、自己破産することになります。

自己破産をされたら、債務は返してもらえません。

他の相続人はプラスの財産を受け取っておきながらマイナスの財産を免れることになります。

債権者にとっては、理不尽なことです。

このような理不尽を許さないため、債権者は相続人全員に対して法定相続分で返済を請求することができるのです。

②他の相続人は求償ができる

債権者は、相続人全員に対して法定相続分で請求することができます。

相続人全員で債務を負担する人を決めたから、弁済をしたくないと文句を言うことができません。

相続人全員で債務を負担する人を決めたのに、債務の弁済をしなければなりません。

債権者からの請求に応じて債務を弁済した場合、債務を負担する人に請求することができます。

相続人全員で債務を負担する人を決めた場合、相続人内部では有効な合意事項だからです。

被相続人の債務が住宅ローンの場合があります。

住宅ローンがある場合、相続財産には購入した不動産があるでしょう。

購入した不動産は、プラスの財産です。

プラスの財産は、相続人全員の合意ができれば自由に分けることができます。

多くの場合、購入した不動産を相続する人が住宅ローンを負担する合意をします。

住宅ローンを負担する人以外の人が債務を弁済した場合、債務を負担する人に請求することができます。

債務を弁済した人は、負担した弁済額を請求できるだけです。

購入した住宅を相続することは、できません。

プラスの財産の分け方は、相続人全員で決めたからです。

③遺産分割協議は一方的な解除ができない

相続人全員で合意した遺産分割協議は、原則として、やり直しはできません。

相続人の1人が気が変わったからと言って、やり直しをしなければならなくなると、いつまでたっても遺産分割協議は終わらないからです。

相続財産の分け方について、相続人全員で合意したら、確定して話し合いは終了になります。

住宅ローンを負担する合意をしたから、購入した不動産を相続することに合意をしているでしょう。

住宅ローンを弁済しないなら、遺産分割協議をやり直したいと考えるかもしれません。

一般的な売買契約において、代金を支払わない場合、契約を解除することができます。

相続財産においては、このような解除制度はありません。

いったん相続財産の分け方を相続人全員で合意した場合、遺産分割協議は終了します。

遺産分割協議が終了した後は、弁済をした人が弁済金を請求する問題になります。

金銭を支払う人と受け取る人の話し合いで解決を図ります。

債務を支払うと約束した人が支払ってくれなくても、相続財産の分け方の合意をなかったことにはできません。

④債権者の合意があれば債務引受ができる

債権者は、相続人全員に対して法定相続分で請求することができます。

相続人がたくさんの人数になる場合、債権者にとっては債権回収の手間が大きくなります。

数次相続や代襲相続が発生している場合、法定相続分が細分化されます。

債権者は、各相続人に法定相続分しか請求することができません。

相続人全員に対して法定相続分で請求することができるのは、債権者が理不尽な扱いを受けることがないようにするためです。

債権者と合意できれば、相続人全員に対して法定相続分で請求することに固執する必要がありません。

相続人全員だけでなく債権者も含めて、債務を負担する人を決めることができます

債務を負担する人の資力に問題がなければ、債権者にとってもメリットがあります。

債務を負担する人が少数であれば、債権回収の手間が削減されるからです。

4債務があるときは相続放棄ができる

相続人が相続放棄をした場合、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の申立てをします。

申立てをする先の家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。

債権者は、相続人でない人に相続債務を請求することはできません。

はじめから相続人でなくなるのは、家庭裁判所で相続放棄を認められた場合です。

プラスの財産を受け取らない、債務は他の相続人が引き受けると合意した場合、債権者は相続債務を法定相続分で請求することができます。

家庭裁判所で相続放棄を認められていない場合、相続人のままだからです。

プラスの財産を何も受け取らない場合であっても、債権者は法定相続分で請求することができます。

債務を請求されるなどのトラブルに巻き込まれたくない場合、相続放棄をすることが有効です。

5後日債務が判明したら

①遺産分割協議後に相続放棄ができない

マイナスの財産が多い場合、相続放棄をすることを検討します。

法律で定められた一定の条件にあてはまるときは、単純承認したとみなされます。

単純承認とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継ぐものです。

単純承認とみなされたら、相続放棄はできません。

相続放棄はできないのに、家庭裁判所に相続放棄の手続をして、相続放棄が認められても無効です。

家庭裁判所が事情を分からずに相続放棄を認めてしまっても、後から無効になります。

単純承認したとみなされる行為は、法律で定められています。

相続財産を処分した場合、単純承認したとみなされます。

遺産分割協議は、相続人全員の共有財産を処分することです。

遺産分割協議をした場合、単純承認にあたります。

②後日判明した債務について合意できる

相続人全員で合意したときには気づかなかった財産が後から判明することがあります。

遺産分割協議は、すべての財産について一度で合意する必要はありません。

合意できるものから、順次合意することができます。

後日財産が判明しても、後日債務が判明しても、原則として先の合意が無効になることはありません。

後日判明した財産について、相続人全員であらためて合意することができます。

相続人全員の合意が必要だから、後日判明した財産についてあらためて合意をすることが負担に感じることがあります。

後日判明した財産について、相続する人をあらかじめ決めておくことができます。

遺産分割協議書の記載例

本協議書に記載がない遺産については、相続人○○が相続し、または承継する。

上記のような遺産分割協議書があれば、後日判明した借金は相続人○○が相続します。

遺産はプラスの財産とマイナスの財産があるからです。

6遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。

合意したらどのような結果になるのか誤解していることがあります。

誤解したまま遺産分割協議書を作成した場合、だまされたように感じます。

相続人全員が納得して合意することが重要です。

遺産分割協議書の書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。

せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

共有名義にする相続登記を単独申請

2023-07-05

1相続財産の分け方を決める方法

①被相続人が遺言書で指定

被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。

遺言書で財産の分け方が指定してある場合、遺言書のとおりに分けることができます。

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

法律上の書き方ルールに合わない遺言は、無効になります。

被相続人が遺言書のつもりで書いた書面であっても、無効の遺言書で相続手続をすることはできません。

②相続人全員で遺産分割協議

相続が発生した場合、被相続人のものは相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めることができます。

相続財産の分け方を決める場合は、多数決ではありません。

相続人全員の合意が必要です。

音信不通の相続人がいても行方不明の相続人がいても、相続人全員の合意がない場合は遺産分割協議は成立しません。

相続人全員が合意できた場合、合意内容を書面に取りまとめます。

合意内容に間違いがないことを確認して、相続人全員が記名し実印で押印します。

遺産分割協議書への押印が実印であることの証明として、印鑑証明書を添付します。

③法定相続分で相続人全員が共有

相続が発生した場合、だれが相続人になるのか民法で決められています。

法定相続分とは、相続財産に対する取得割合です。

相続人が取得する法定相続分も、民法で決められています。

遺産分割協議をする場合、法定相続分とは無関係に合意することができます。

相続人全員で合意できるのであれば、法定相続分に従う必要はないからです。

法定相続分は、相続人全員について決められています。

法定相続分で相続登記をする場合、相続人全員で共有する相続登記になります。

2法定相続分で共有する相続登記

①一部の相続人だけで登記申請ができる

登記申請をする場合、原則として、当事者全員が登記申請をします。

法定相続分で相続登記をする場合、原則として、相続人全員が登記申請人になります。

相続登記は、一部の相続人が登記申請をすることができます。

法定相続分による相続登記は、保存行為だからです。

保存行為とは、財産の現状を維持し財産の価値を保存する行為のことです。

財産の現状を維持し財産の価値を保存するため、相続登記は一部の相続人から申請することができます。

相続財産は、相続人全員で共有しています。

共有者全員のために、保存行為をします。

他の共有者の同意を得ることなく、保存行為をすることができます。

他の相続人が反対していても、法定相続分で相続登記をすることができます。

②自分の相続分だけ申請することはできない

法定相続分で相続登記をする場合、相続人全員で共有する相続登記です。

保存行為は、共有者全員のためにされる行為です。

一部の相続人だけが相続登記の申請人になる場合であっても、相続人全員のために登記申請をします。

自分の法定相続分だけ、登記申請をすることはできません。

③実印や印鑑証明書が不要

相続が発生した場合、だれが相続人になるのか民法で決められています。

相続人が取得する法定相続分も、民法で決められています。

法定相続分で共有する相続登記をする場合、民法で決められたとおりに登記をします。

相続人の合意は必要ありません。

合意内容を証明することは、ありません。

相続人全員の合意内容を証明するときは、相続人全員が記名し実印で押印します。

実印であることの証明として、印鑑証明書を添付します。

法定相続分で共有する相続登記をする場合、相続人全員の合意不要だから印鑑証明書も不要です。

④申請人以外の相続人は権利証が発行されない

法定相続分で共有する相続登記をする場合、原則として、相続人全員が登記申請人になります。

法定相続分で共有する相続登記は保存行為だから、一部の相続人だけが登記申請人になることができます。

一部の相続人だけが登記申請人になる場合、申請人になった相続人にだけ権利証が発行されます。

申請人にならなかった相続人は、権利者なのに権利証が発行されません。

申請人にならなかった相続人が、後から権利証を発行して欲しいと法務局などに申し出ることはできません。

不動産を売却するときや担保に差し出す場合、権利証が必要になります。

権利者なのに権利証がない場合、余計な費用や手間がかかります。

⑤登録免許税は申請時に一括納付

相続登記を申請する場合、登録免許税を納めます。

相続登記の登録免許税は、不動産の評価額の1000分の4です。

不動産の評価額によっては、無視できない金額になります。

登録免許税は、登記申請書を提出するときに収入印紙を貼付する方法で一括納入します。

一部の相続人が登録免許税の負担金を渋ると、家族のトラブルに発展するおそれがあります。

3相続登記後に相続放棄

法定相続分で共有する相続登記をする場合、一部の相続人だけが登記申請人になることができます。

一部の相続人だけが登記申請人になって相続登記をした場合、他の相続人は相続登記をしたことを知りません。

相続人の中には、相続放棄をする人がいることがあります。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなかったと扱われます。

自分が相続登記をした後で、相続放棄をすることはできません。

相続登記をした場合、単純承認をしたとみなされます。

相続登記をしたことは、相続財産を処分したと言えるからです。

自分が知らないところで他の相続人が相続登記をした場合、単純承認にはなりません。

相続放棄をした人は相続財産を処分したとは言えないからです。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、相続放棄をした人にだけ通知されます。

家庭裁判所は自主的に他の相続人に通知することはありません。

法務局は、だれが相続放棄をしたか知ることはできません。

相続放棄をしたことを知らないまま相続登記をした場合、結果として、間違った相続登記がされます。

誤った相続登記をしてしまった場合、あらためて登記の内容を訂正しなければなりません。

一部の相続人だけが登記申請人になって相続登記をした場合、余計な手間と費用がかかるおそれがあります。

4相続登記後に遺産分割協議

相続が発生した場合、被相続人のものは相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めることができます。

法定相続分で相続人全員が共有する登記をした後であっても、相続財産の分け方を決めることができます。

相続登記があっても相続登記後でも、相続人全員で合意できれば遺産分割協議は有効です。

遺産分割協議の内容と相続登記の内容は、異なる結果になるでしょう。

登記の内容を訂正する必要があります。

法定相続分で相続登記をした後に遺産分割協議が成立した場合、余計な手間と費用がかかります。

5不動産の共有はデメリットが大きい

①共有不動産の処分は共有者全員の同意が必要

共有不動産を処分する場合、共有者全員の同意が必要です。

不動産を処分するとは、不動産を売却する、第三者に賃貸する、担保に差し出すことなどです。

共有者がたくさんいる場合、共有者全員の合意が難しくなります。

共有者全員が合意できる場合であっても、合意するために時間がかかりがちになります。

②共有者に相続が発生する

共有不動産を処分する場合、共有者全員の同意が必要です。

共有者全員の合意が難しくなると、売却などの判断は先延ばししがちです。

先延ばししていると、共有者に相続が発生することがあります。

死亡した共有者の共有持分は、相続財産になります。

死亡した共有者の相続人全員の共有財産になります。

共有者全員の合意が難しくなっている不動産は、適切な管理ができていないかもしれません。

積極的に相続したがらないかもしれません。

死亡した共有者の相続人が法定相続分で共有することがあります。

共有持分が細分化して、相続されます。

何人もの共有者で相続が発生すると、共有者が多人数になり持分が細分化されます。

適切に管理されていない場合、だれにどれだけの持分があるのか分からなくなります。

③共有持分を売却する

共有不動産全体を処分する場合、共有者全員の同意が必要です。

共有者が持っている共有持分を処分する場合、共有者全員の同意は不要です。

共有者が持っている共有持分を買い取る業者がいます。

共有者が経済的に困っている場合、自分の共有持分を売却するかもしれません。

共有持分を買い取る業者は、ビジネスで共有持分を買い取っています。

利益を最大化するため、遠慮なく共有者としての権利を主張します。

6必ず法定相続分で共有する相続登記をするケース

①胎児名義で相続登記

胎児は相続が発生した時点で出生していないけど、すでに生まれたものと見なして相続権を認めています。

胎児は、生きて生まれてくることを条件に相続人になることができます。

胎児は相続人になることができるから、相続財産の共有者のひとりです。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めることができます。

相続人に胎児がいる場合、遺産分割協議はできません。

胎児が合意をすることができないからです。

相続人に赤ちゃんがいる場合、遺産分割協議をすることができます。

赤ちゃんは自分で合意することができないけど、親などの親権者が代わりに合意をすることができるからです。

胎児は、親などが代わりに合意することはできません。

親などが代わりに合意できるのは、生まれてきた後だけだからです。

多くの場合、出生してから遺産分割協議をして相続登記をします。

出生前に相続登記をしておきたい事情があれば、法定相続分で共有する相続登記をすることができます。

②債権者が勝手に相続登記

被相続人が多額のプラスの財産を残して死亡することがあります。

相続人が多額の借金を抱えている場合、お金を貸した人は相続した財産からお金を返してもらいたいと期待するでしょう。

債権者は債権の保全のため、債務者の財産を差し押さえることができます。

差押など強制執行の準備のため、相続登記を申請することができます。

差押などの強制執行をするためには、相続人名義である必要があるからです。

差押の後は、競売をして債権を回収します。

被相続人の債権者も、相続人の債権者も、代わりに相続登記を申請することができます。

税金などを滞納している場合、国や自治体などの役所が代わりに相続登記をすることもあります。

債務者がするべき登記申請を債権者が代わりに登記申請することを代位登記と言います。

債権者は債務者の事情などお構いなしで登記します。

相続人全員の話し合いによる合意がどうなったのか、待つことはありません。

たとえ、相続人全員の話し合いで特定の相続人が相続することが合意されていても、登記されていなければ代位登記ができます。

相続登記をしていなければ、相続人全員の合意内容と違うから消して欲しいなどの文句を言えません。

相続登記を先延ばししていると、代位登記をされるリスクが高くなります。

民間業者であっても、役所であっても、代位登記を事前に知らせてくれることもありません。

相続人の知らないうちに、相続人全員が法定相続分で共有する相続登記が入ります。

債務者だけ相続登記をすることはできないからです。

相続人がだれひとり知らないうちに、相続人全員が法定相続分で共有する相続登記がされるのです。

7相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

ほとんどの方は相続を何度も経験するものではないから、手続に不慣れで聞き慣れない法律用語でへとへとになります。

相続財産の分け方は相続人全員の話し合いによる合意が不可欠です。

一般的にいって、相続登記は相続手続の中でも難しい手間のかかる手続です。

簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

法務局の登記相談に行っても、法定相続分による相続登記のデメリットは伝えてもらえません。

法定相続分による相続登記のメリットデメリットを充分に判断したうえで、手続の方法のみ相談に行くところだからです。

司法書士は単に申請書を書いているだけではありません。

このような手続のメリットデメリットを判断してサポートをしています。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄した後の遺留分

2023-07-03

1相続放棄した人は遺留分がない

①相続放棄とは

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の申立てをします。

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。

相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

②遺留分とは

被相続人は、原則として、自分の財産を誰に受け継がせるかは自由に決めることができます。

とはいえ、財産は被相続人が1人で築いたものではなく、家族の協力があって築くことができたもののはずです。

被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすると今まで協力してきた家族に酷な結果となることもあります。

このため、被相続人に近い関係の相続人には相続財産に対して最低限の権利が認められています。

相続財産に対して、認められる最低限の権利のことを遺留分と言います。

遺言書などで遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求をすることができます。

③相続放棄をすると相続できない

相続放棄をした場合、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継ぎません。

相続放棄をしたら、はじめから相続人でなかったものと扱われるからです。

相続放棄をするとは、相続人としての権利と義務を放棄するという意味です。

相続放棄をした人は、相続分を失います。

④相続放棄をすると遺留分を請求できない

遺留分は、相続人に認められた相続財産に対する最低限の権利です。

遺留分は相続財産に対する最低限の権利だから、相続放棄をしても財産を受け取れると思うかもしれません。

相続放棄をしたら、相続人でなくなります。

遺留分は、相続人に認められた権利です。

請求することができるのは相続人だけだから、相続放棄をした人は遺留分もなくなります。

2相続放棄をした人は相続人でなくなる

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生すると、配偶者や子どもが相続することは多くの方がご存知でしょう。

相続人になる人は民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

(1)配偶者は必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②同順位の相続人がいる場合

相続放棄をした人ははじめから相続人でなかったと扱われます。

例えば、被相続人の子どもが相続人になる場合で、一部の子どもが相続放棄をする場合があります。

被相続人に配偶者がいれば、配偶者と残りの子どもが相続人になります。

③次順位の人が相続人になる場合

例えば、被相続人の子どもが相続人になる場合で、子ども全員が相続放棄をする場合があります。

相続放棄をした人ははじめから相続人でなかったと扱われます。

子ども全員が相続放棄をした場合、子どもはいないものと扱われます。

被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。

同順位の相続人全員が相続放棄をした場合、次順位の人が相続人になります。

3法定相続分が変わると遺留分も変わる

①法定相続分は法律で決まっている

配偶者がいる場合、法定相続分は次のとおりです

(1)相続人が配偶者と子ども 配偶者2分の1 子ども2分の1

(2)相続人が配偶者と直系尊属 配偶者3分の2 直系尊属3分の1

(3)相続人が配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1

(1)で子どもが数人いる場合、(2)で直系尊属が数人いる場合、(3)で兄弟姉妹が数人いる場合は、人数で均等に分割します。

②法定相続分が変わる人と変わらない人がいる

遺留分は、法定相続分の2分の1です。

相続人が親などの直系尊属のみの場合、遺留分は法定相続分の3分の1です。

相続放棄をした人がいる場合、法定相続分が変わる人と変わらない人がいます。

法定相続分が変わる人は、遺留分も変わります。

例えば、被相続人の長男と長女が相続人になる場合で、長男が相続放棄をする場合があります。

被相続人に配偶者がいれば、配偶者と長女が相続人になります。

仮に、長男が相続放棄をしない場合、法定相続分は次のとおりです。

配偶者 2分の1

長男 4分の1

長女 4分の1

長男が相続放棄をした後、法定相続分は次のとおり変更になります。

配偶者 2分の1

長男 4分の1→相続放棄

長女 4分の1→2分の1に変更

長男が相続放棄をした場合、長男は相続しません。

配偶者の法定相続分は、2分の1で変わりません。

長女の法定相続分は、2分の1から4分の1に変更になります。

法定相続分が変わる場合、遺留分も変更になります。

仮に、長男が相続放棄をしない場合、遺留分は次のとおりです。

配偶者 4分の1

長男 8分の1

長女 8分の1

長男が相続放棄をした後、遺留分は次のとおり変更になります。

配偶者 4分の1

長男 8分の1→相続放棄

長女 8分の1→4分の1に変更

法定相続分が変わらない場合、遺留分も変更になりません。

4兄弟姉妹に遺留分はない

遺留分は、兄弟姉妹以外の相続人に認められます。

兄弟姉妹が相続する場合、法定相続分はあるけど遺留分はありません。

一部の兄弟姉妹が相続放棄をした場合、他の兄弟姉妹の相続分が変わります。

相続分が変わるけど、遺留分はないから変わりません。

5遺留分放棄をした後の遺留分

遺留分が認められている人は、遺留分を放棄することができます。

遺留分の放棄は、相続放棄とは別の制度です。

遺留分を放棄した人は、相続することができます。

遺留分を放棄した人であっても、相続人だからです。

相続放棄は、相続が発生した後だけ手続をすることができます。

被相続人の生前に相続放棄をすることはできません。

遺留分は、相続が発生する前でも相続が発生した後でも放棄することができます。

遺留分を放棄した場合、遺留分を請求することはできません。

遺留分を放棄した人は遺留分を請求できないだけで、相続人のままです。

遺留分を放棄した人は相続人だから、他の相続人の相続分に変更はありません。

遺留分を放棄した人が相続人のままだから、次順位の人が相続人になることはありません。

他の相続人の相続分に変更がないから、他の相続人の遺留分にも変更はありません。

相続放棄をした後で、他の相続人の遺留分は増える人と変わらない人がいます。

遺留分放棄をした後で、他の相続人の遺留分はだれも変わりません。

相続放棄と遺留分放棄では、他の相続人に与える影響が違います。

6相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄はプラスの遺産もマイナスの遺産も引き継ぎませんという裁判所に対する届出です。

相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。

実は、相続放棄はその相続でチャンスは実質的には1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は慎重に判断する必要があります。

相続放棄の知識が不足しているために、思いもよらないトラブルになってしまうケースがあります。

司法書士などの専門家のアドバイスがあれば良かったのにと思えることもあります。

知識がない状態で、3か月の期間内に手続きするのは思ったよりハードルが高いものです。

相続放棄を考えている方はすみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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