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相続登記で複数の不動産を一括申請する条件

2026-09-25

1相続登記で複数の不動産を一括申請する条件

①登記簿が別なら別の不動産

被相続人が複数の不動産を保有していることがあります。

不動産を保有している場合、相続登記をします。

複数の不動産がある場合、それぞれの不動産について相続登記をします。

登記簿は、不動産ごとに備えられています。

登記簿が別なら、別の不動産です。

複数の不動産とは、登記簿が別になっている不動産が複数あることです。

自宅には、土地と建物があるでしょう。

土地と建物は、それぞれ登記簿が備えられています。

登記簿が別だから、複数の不動産です。

自宅の敷地とは別に、私道を保有していることがあります。

自宅の敷地と私道は、それぞれ登記簿が備えられています。

自宅の敷地に至る私道は、近隣の人と共有していることがあります。

共有とは、1つの登記簿に複数の人が記録されている状態です。

自宅と駐車場が地続きになっていても、登記簿は別になっていることがあります。

自宅と駐車場を一体利用していても、登記簿が別になっていれば複数の不動産です。

自宅の敷地の上に、2棟の建物が存在することがあります。

2棟の建物に、それぞれ登記簿が備えられていることがあります。

2棟の建物を自宅として使っていても、登記簿が別になっていれば複数の不動産です。

②複数の不動産を一括申請する条件

(1)申請する法務局が同じ

登記申請は、不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。

法務局の管轄は、法務局のホームページで確認することができます。

法務局は、管轄外の登記申請を審査する権限がありません。

申請する法務局が同じ場合、複数の不動産を一括申請することができます。

例えば、名古屋市内の不動産管轄は、次のとおりです。

名古屋法務局本局

中区、東区、北区、中村区、西区、千種区、昭和区

熱田出張所

熱田区、南区、中川区、港区、瑞穂区、緑区

名東出張所

名東区、守山区、天白区

例えば、名古屋市中区と東区の不動産がある場合、一括申請することができます。

名古屋市内であっても、名古屋市中区と熱田区の不動産がある場合、一括申請することができません。

名古屋市中区は名古屋法務局本局管轄で、名古屋市熱田区は名古屋法務局熱田出張所の管轄だからです。

名古屋法務局本局は、名古屋法務局熱田出張所管轄の申請を審査する権限がありません。

(2)相続する権利が同じ

不動産には、さまざまな権利があります。

所有権は、最も一般的な権利です。

相続する権利が同じ場合、複数の不動産を一括申請することができます。

相続する権利が異なる場合、それぞれ別の申請書で申請します。

(3)登記名義人が同じ

登記簿の登記名義人が同じ場合、複数の不動産を一括申請することができます。

登記簿謄本を確認すると、一部の不動産について被相続人の名義になっていないことがあります。

被相続人が複数の不動産を保有していたのに、先代名義のままになっていることがあるからです。

登記名義人が異なる場合、別の相続です。

別の相続だから、一括申請をすることはできません。

例えば、自宅の土地は父名義で自宅に至る私道は亡祖父名義のままである場合、一括申請することができません。

登記簿の登記名義人が同一でない場合、一括申請することができません。

(4)不動産の取得者が同じ

不動産の取得者が同じ場合、複数の不動産を一括申請することができます。

例えば、自宅の土地は配偶者が相続し自宅建物は子どもが相続する場合、一括申請することができません。

不動産の取得者が異なる場合、それぞれ別の申請になるはずです。

登記申請は、不動産の取得者が手続するからです。

別の申請だから、一括申請をすることはできません。

不動産の取得者が異なる場合、それぞれ別の申請書で申請します。

(5)4条件全部を満たす必要がある

複数の不動産を一括申請することができるのは、4条件をすべて満たすときだけです。

一括申請することができないのに一括申請をすると、却下や取下げになります。

4条件をすべて満たすことができない場合、それぞれ別の申請書を提出します。

③単独所有権の不動産と共有の不動産は一括申請できる

被相続人が複数の不動産を保有していた場合、一部は単独所有で一部は共有であることがあります。

例えば自宅の土地は単独所有で自宅に至る私道は、近隣の人と共有しているケースです。

複数の不動産がある場合、それぞれ相続登記が必要です。

単独所有権の不動産と共有の不動産であっても、4条件を満たせば一括申請をすることができます。

④異なる共有持分の相続登記は一括申請できる

被相続人が複数の不動産を共有していた場合、それぞれ共有持分が異なることがあります。

例えば自宅建物は持分2分の1で、自宅に至る私道は5分の1で共有しているケースです。

共有持分が異なる不動産であっても、4条件を満たせば一括申請をすることができます。

⑤複数の相続登記を連件で提出できる

条件を満たせないときは、複数の登記申請をします。

同一管轄であれば、複数の登記申請をまとめて提出することができます。

複数の登記申請であっても、必要書類は共通することが多いでしょう。

連件申請をする場合、必要書類は1通提出するだけで済ませることができます。

2複数の不動産があっても法務局は申請した不動産だけ審査

①複数の不動産があるときは全部相続登記が必要

被相続人が複数の不動産を保有していた場合、保有していた不動産全部について相続登記が必要です。

自宅の土地について相続登記をしたら、名義変更ができるのは自宅の土地だけです。

自動で、自宅建物の名義変更がされることはありません。

自動で、自宅に至る私道の名義変更がされることはありません。

②法務局は申請があった不動産だけ審査する

法務局は、申請された不動産だけ審査をします。

自宅の土地について相続登記を申請したら、法務局は自宅の土地だけ審査します。

自宅建物の名義変更について、審査しません。

自宅に至る私道の名義変更について、審査しません。

複数の不動産があっても、申請されていない不動産について知らせてくれません。

自宅建物や自宅に至る私道の名義変更を見逃しても、法務局に文句を言うことはできません。

名義変更を見逃したのは、相続人の責任です。

不動産を売却などするときに、名義変更がされていないことに気づきます。

③名寄帳を取得して不動産を調査する

名寄帳は「なよせちょう」と読みます。

名寄帳とは、土地や家屋を所有者ごとにまとめた一覧表です。

不動産などの固定資産を保有していると、固定資産税の対象になります。

市町村は、固定資産税を賦課徴収するため、固定資産課税台帳を作成しています。

名寄帳は、固定資産課税台帳から所有者ごとに一覧表に取りまとめた書類です。

名寄帳を見ると、被相続人の不動産を一覧で確認できます。

名寄帳は、所有者ごとに情報が取りまとめてあります。

被相続人の不動産を一覧で確認できるから、名寄帳はとても便利です。

④令和8年2月2日から所有不動産記録証明制度

所有不動産記録証明制度とは、法務局で名寄せができる仕組みです。

名寄帳は、市町村ごとに請求する必要があります。

所有不動産記録証明制度では、日本中を対象に不動産を一覧で確認することができます。

所有不動産記録証明制度は、相続登記義務化に伴って導入された制度です。

3相続登記で複数の不動産を一括申請する方法

①申請書に対象不動産をまとめて記載

4条件を満たせば、一括申請をすることができます。

申請書に対象となる不動産をまとめて記載します。

例えば土地と建物をまとめて記載することができます。

土地の全所有権と土地の共有持分をまとめて記載することができます。

まとめて記載できる不動産の件数に、制限はありません。

②登録免許税は不動産の評価額合計から計算

相続登記をする際に、登録免許税を納める必要があります。

不動産が複数であっても、特別なルールはありません。

課税価格は、不動産の固定資産税評価額を合計した金額です。

登録免許税は、課税価格の1000分の4です。

③申請件数に応じて司法書士報酬

相続登記は、相続手続の中でも難しい手続です。

自分で手続せずに、司法書士などの専門家に依頼することができます。

司法書士報酬は、申請件数に応じて計算されることが一般的です。

一括申請ができるのに別で申請すると、司法書士報酬が高くなる可能性があります。

4相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

ほとんどの方は、相続を何度も経験するものではありません。

手続に不慣れで、聞き慣れない法律用語でへとへとになります。

一般的にいって、相続登記は、その中でも難しい手間のかかる手続です。

不動産は、重要な財産であることが多いものです。

一般の方からすると、些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

本人が自分で申請している場合、些細なことであれば法務局の窓口まで出向いて申請書の記載を補正することができるケースがあります。

申請書の記載誤りがあると、委任状も記載誤りになります。

代理人に依頼して申請している場合、委任状の記載も一緒に補正する必要があります。

委任状の記載内容は、本人が依頼したことのはずです。

代理人が補正することを認めてもらえない場合が多いものです。

申請書と委任状の記載が一致していない場合、適切な委任を受けていないと判断されます。

適切な委任を受けていない場合、申請書は受け付けてもらえません。

いったん申請を取り下げて、やり直しになります。

相続登記は簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

法務局の登記相談に行っても、何が良くないのか分からなかったというケースも多いです。

司法書士はこのような方をサポートしております。

相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

登記されていないことの証明書の委任状は押印不要

2026-09-24

1成年後見は登記事項証明書で確認できる

①成年後見は登記される

成年後見は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなった人をサポートする制度です。

成年後見制度を利用している人は、自分で判断することができません。

後見人などの保護者が本人のために契約などの法律行為をします。

本人のために契約するとは言うものの、そのための権限があるのか分かりません。

成年後見制度を利用している人は、登記されています。

後見人などの保護者の権限内容や任意後見契約の内容は、登記事項証明書で確認することができます。

②成年後見制度を利用していない人は登記されていないことの証明書

成年後見制度を利用していない人は、登記されていません。

成年後見制度を利用していないことを証明してもらうことができます。

成年後見制度を利用していないことの証明書が、登記されていないことの証明書です。

2登記されていないことの証明書の取得方法

①申請書はダウンロードできる

登記されていないことの証明申請書は、法務局のホームページに出ています。

ホームページからダウンロードして使うことができます。

②申請できる人

登記されていないことの証明申請書を提出することができるのは、次の人です。

(1)証明対象者本人

(2))証明対象者本人の4親等内の親族

(3)上記(1)(2)の人から委任を受けた人

③申請書の提出先

登記されていないことの証明申請書の提出先は、次のとおりです。

(1)東京法務局後見登録課

(2)全国の法務局、地方法務局本局の戸籍課

愛知県であれば、名古屋法務局本局のみです。

名古屋市内には、熱田出張所や名東出張所があります。

熱田出張所や名東出張所では、登記されていないことの証明書の申請書は受け付けてもらえません。

名古屋市外にある各支局でも、登記されていないことの証明書の申請書は受け付けてもらえません。

④郵送で申請できる

登記されていないことの証明申請書の提出先は、愛知県であれば、名古屋法務局本局のみです。

名古屋法務局本局に出向くのは難しい人もいるでしょう。

登記されていないことの証明書の申請書は、郵送で提出することができます。

郵送で提出する場合は、東京法務局後見登録課のみの対応です。

郵送先

〒102-8226

東京都千代田区九段南1-1-15

九段第2合同庁舎

東京法務局 民事行政部

後見登録課 あて

名古屋法務局本局に郵送しても、受け付けてもらえません。

⑤オンライン申請はおすすめできない

登記されていないことの証明書は、窓口請求や郵送請求の他にオンラインで請求することができます。

オンラインで請求することができるものの、おすすめできる方法ではありません。

登記されていないことの証明申請には、電子署名をする必要があります。

電子証明書を取得するのに、手間と時間がかかります。

電子証明書は、氏名と住所の情報が確認できるものに限られています。

基本型証明書や司法書士電子証明書は、住所の確認ができないため、使うことができません。

3委任状なしで4親等内の親族が請求できる

①4親等内の親族は登記されていないことの証明書を取得できる

成年後見開始の申立てをする場合、登記されていないことの証明書が必要になります。

成年後見開始の申立てとは、認知症などの人のためにサポートする人を選任してもらう手続です。

認知症などで判断力が低下した場合、成年後見開始の申立てをします。

認知症などになった場合、徐々に判断力が低下していきます。

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなっていく様子は、近くでお世話をしている家族が気がつきます。

認知症になると、委任状の意味が分からないでしょう。

意味が分からずに、委任状を書いても無効です。

成年後見開始の申立ては、認知症の人の家族がします。

4親等内の親族は、認知症の人のため登記されていないことの証明書を取得することができます。

4親等内の親族が登記されていないことの証明書を請求する場合、委任状は不要です。

②4親等内の親族が申請するときの必要書類

4親等内の親族が申請する場合、登記されていないことの証明申請書には、次の書類を添付します。

(1) 4親等内の親族の本人確認書類

運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等です。

(2) 4親等内の親族であることが分かる書類

発行から3か月以内の戸籍謄本や住民票です。

住民票には、続柄の記載が必要です。

4親等内の親族であることが分かる戸籍謄本が現在戸籍でない場合、発行後3か月以上経過したものでも差し支えありません。

4親等内の親族が登記されていないことの証明書を請求する場合、委任状は不要です。

委任状の代わりに、4親等内の親族であることが分かる書類が必要です。

③必要書類は原本還付してもらえる

4親等内の親族は登記されていないことの証明書を取得する場合、4親等内の親族であることが分かる書類が必要になります。

4親等内の親族であることが分かる書類は、希望すれば原本還付をしてもらうことができます。

原本還付を希望する場合、還付してもらいたい書類をコピーして一緒に提出します。

コピーの余白に「原本に相違ありません」と記載して記名します。

余白がない場合、裏面に記載しても差し支えありません。

記名するだけで押印は不要です。

④4親等内の親族はオンライン申請ができない

4親等内の親族が登記されていないことの証明申請をする場合、親族関係を証明する書類が必要です。

オンラインにより送信可能な電子化した戸籍謄本を発行している市区町村はありません。

事実上、4親等内の親族はオンライン申請ができません。

4委任状を出して代理人に依頼ができる

①委任状は手書きでいい

委任状は、依頼したことの証明書です。

委任状の様式は、法務局のホームページからダウンロードすることができます。

ホームページの様式を印刷して、手書きで作成することができます。

法務局の様式を使わずに、自分で作成した委任状でも差し支えありません。

委任状には、次の項目を記載します。

(1)代理人の住所、氏名

(2)依頼した内容

(3)日付

(4)申請人の住所、氏名

②委任状は押印不要

登記されていないことの証明申請書は押印不要です。

代理人を立てて、登記されていないことの証明申請書を提出することができます。

代理人に依頼して手続をする場合、委任状が必要です。

委任状は、押印不要です。

③法人を代理人に立てることができる

登記されていないことの証明申請書は、代理人を立てて依頼することができます。

代理人は、自然人だけでなく法人でも差し支えありません。

法人が代理人になる場合、代表者資格証明書が必要です。

代表者資格証明書は、発行から3か月以内のものでなければなりません。

登記されていないことの証明申請書に、会社法人等番号を記載することができます。

会社法人等番号を記載した場合、代表者資格証明書の提出を省略することができます。

④委任状は原本還付されない

登記されていないことの証明申請書の必要書類は、希望すれば原本還付を受けることができます。

代表者資格証明書は、原本還付を受けることができます。

登記されていないことの証明申請のためだけに作成された書類は、原本還付を受けることができません。

代理人を立てるために委任状を作成する場合、登記されていないことの証明申請のためだけの書類です。

コピーをつけて「原本に相違ありません」と記載のうえ記名しても、委任状は原本還付してもらうことはできません。

5成年後見開始の申立てを司法書士に依頼するメリット

認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。

本人自身も不安になりますし、家族も不安になります。

身のまわりの不自由を補うために、身近な家族がお世話をすることが多くなるでしょう。

成年後見の申立ては家庭裁判所へ手続が必要です。

身のまわりのお世話をしている家族が本人の判断能力の低下に気づくことが多いです。

身のまわりのお世話をしながら、たくさんの書類を用意して煩雑な手続をするのは負担が大きいでしょう。

司法書士は、裁判所に提出する書類作成もサポートしております。

成年後見開始の申立てが必要なのに忙しくて手続をすすめられない方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

登記されていないことの証明書を郵送請求

2026-09-24

1成年後見は登記される

①成年後見は本人をサポートする制度

高齢になると、認知症などになる人が増加します。

認知症になると、記憶があいまいになります。

物事のメリットデメリットを適切に判断することが難しくなります。

ひとりで判断することが心細くなったり不安になったりするでしょう。

成年後見は、物事のメリットデメリットを適切に判断することが難しくなった人をサポートする制度です。

自分が不利益になることに気づかないまま、契約などをするかもしれません。

自分に不必要であることが分からないまま、購入するかもしれません。

ひとりで判断することが不安になると、悪質な業者に付け込まれるかもしれません。

本人が被害を受けないように、成年後見人がサポートします。

成年後見人は、本人に代わって判断します。

本人の財産は、成年後見人が管理します。

本人の財産管理を任されるから、成年後見人には大きな権限があります。

成年後見は、本人をサポートする制度です。

②任意後見は公証人が登記嘱託

成年後見には、2種類あります。

任意後見と法定後見です。

任意後見とは、将来に備えてサポートを依頼する契約です。

サポートする人は、本人が自分で選ぶことができます。

任意後見契約の最大のメリットは、サポートする人を自分で選ぶことができる点でしょう。

重度の認知症になると、契約のメリットデメリットを充分に判断することができなくなります。

契約するためには、本人が契約のメリットデメリットを充分に判断する能力が必要です。

本人が元気なうちに将来に備えて、任意後見契約をします。

任意後見契約をしても、本人が元気なうちはサポートする必要がありません。

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなった後に、任意後見契約の効力が発生します。

重要な契約だから、公正証書で契約をしなければなりません。

公正証書は、公証人に作ってもらう文書です。

単なる口約束や個人間の契約書では、効力がありません。

公正証書で任意後見契約を締結したら、契約の内容は登記されます。

公証人が自動的に登記を嘱託します。

③法定後見は裁判所書記官が登記嘱託

重度の認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。

物事のメリットデメリットを適切に判断できなくなった後で、法律行為が必要になることがあります。

例えば、認知症の人が相続人になる相続が発生することがあります。

認知症の人は、ひとりで遺産分割協議をすることはできません。

遺産分割協議をするためには、物事のメリットデメリットを適切に判断する能力が必要になるからです。

認知症の人を含めずに遺産分割協議をしても、無効です。

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要になるからです。

法定後見では、家庭裁判所が認知症の人をサポートする人を選任します。

サポートする人を選任してもらうことを成年後見開始の申立てと言います。

家庭裁判所が成年後見開始の審判をします。

成年後見開始の審判が確定したら、審判の内容は登記されます。

家庭裁判所の書記官が自動的に登記を嘱託します。

④登記されていないことを証明してもらえる

任意後見制度を利用している場合、成年後見登記事項証明書で明らかにすることができます。

法定後見制度を利用している場合、成年後見登記事項証明書で明らかにすることができます。

任意後見も成年後見も、登記されているからです。

成年後見制度を利用していない人は、登記されていません。

登記されていない人は、登記されていないことを証明してもらうことができます。

登記されていないことの証明書は、成年後見制度を利用していないことの証明書です。

2登記されていないことの証明書を郵送請求

①登記されていないことの証明申請書はダウンロードできる

登記されていないことの証明書を取得する場合、登記されていないことの証明申請書を提出します。

登記されていないことの証明申請書は、法務局のホームページからダウンロードすることができます。

A4縦長の紙に印刷して、使うことができます。

登記されていないことの証明申請書は、勝手に拡大縮小することはできません。

拡大縮小した申請書は、やり直しになります。

②請求できる人と添付書類

自分や家族が成年後見を利用しているか利用していないか、他の人に知られたくないでしょう。

登記されていないことの証明書を請求できる人は、制限されています。

請求できる人と添付書類は、次のとおりです。

(1)本人が請求

・本人確認書類

マイナンバーカードの表、運転免許証の表裏のコピーなどを提出します。

本人確認書類として住民票などを提出する場合、市区町村役場で発行された書類をそのまま提出します。

(2)4親等内の親族が請求

・本人確認書類

・戸籍謄本

請求人が4親等内の親族であることが分かる戸籍謄本を提出します。

提出する戸籍謄本が現在戸籍である場合、発行から3か月以内の期限があります。

現在戸籍ではなく除籍謄本や原戸籍謄本の場合、有効期限はありません。

4親等内の親族とは、4親等内の血族と3親等内の姻族です。

本人確認書類は、親族の書類が必要です。

(3)本人や4親族の代理人が請求

・委任状

・本人確認書類

本人や4親等内の親族が代理人を立てて、登記されていないことの証明書を請求することができます。

代理人に委任したことが分かる委任状が必要です。

委任状は、法務局のホームページからダウンロードすることができます。

本人確認書類は、代理人の書類が必要です。

③登記されていないことの証明申請書と委任状は押印不要

登記されていないことの証明申請書と委任状の記載例は、先に示したとおりです。

登記されていないことの証明申請書と委任状は、どちらも押印不要です。

委任する人も代理人も、押印不要です。

④発行手数料300円は収入印紙で納入

登記されていないことの証明書を取得するためには、発行手数料を納入する必要があります。

発行手数料は、証明書1通につき300円です。

登記されていないことの証明申請書に、収入印紙300円分を貼り付けて納入します。

貼り付けるだけで、消印は押しません。

登記されていないことの証明申請書を受け付けた後、法務局の人が消印を押すからです。

収入印紙は、次のところで購入することができます。

(1)郵便局郵便窓口

(2)法務局印紙売りさばき窓口

(3)コンビニエンスストア

大きな郵便局や法務局であれば、300円の額面の収入印紙を購入することができるでしょう。

小さな郵便局やコンビニエンスストアなどでは、品切れしていることが多いものです。

200円と100円など、複数の収入印紙を貼り付けて納入することができます。

⑤郵送請求は東京法務局後見登録課のみ

登記されていないことの証明書は、郵送で請求することができます。

郵送請求は、東京法務局のみの受付です。

郵送請求するときの請求先は、次のとおりです。

郵送先

〒102-8226

東京都千代田区九段南1-1-15

九段第2合同庁舎

東京法務局 民事行政部

後見登録課 あて

⑥必要書類は原本還付してもらえる

本人確認書類として、住民票を提出することができます。

4親等内の親族が請求する場合、4親等内の親族であることが分かる戸籍謄本を提出する必要があります。

住民票や戸籍謄本は、市区町村役場で発行されたものをそのまま提出します。

添付書類は、何もしなければ原本還付されません。

添付書類の原本還付を希望する場合、添付書類と添付書類のコピーを一緒に提出します。

コピーに「原本に相違ありません」と記載して、申請人が記名し押印をします。

法務局で内容に間違いがないか確認して、問題がなければ原本還付してくれます。

⑦返信用封筒を一緒に送る

登記されていないことの証明書を郵送請求する場合、郵送で送り返してもらえます。

郵送請求するときに、返信用の封筒と切手を一緒に送ります。

普通郵便であっても、差し支えありません。

できれば、レターパックなど記録される郵便が安心です。

3登記されていないことの証明書を郵送請求するときの注意点

①東京法務局以外は郵送請求を受け付けてもらえない

登記されていないことの証明書の郵送請求ができるのは、東京法務局のみです。

窓口請求ができるのなら、各地の法務局本局で請求することができます。

例えば、愛知県内には、14か所の法務局があります。

登記されていないことの証明書の発行請求ができるのは、名古屋市中区三の丸の名古屋法務局本局だけです。

名古屋市内であっても、熱田出張所や名東出張所で発行請求をすることはできません。

本人や請求人の住所・本籍による制限はありません。

名古屋法務局は、窓口請求のみの対応です。

名古屋法務局に郵送請求をしても、受け付けてもらえません。

郵送請求を受け付けるのは、東京法務局のみだからです。

東京法務局以外は、郵送請求を受け付けてもらえません。

②登記されていないことの証明申請書はそのまま複写される

登記されていないことの証明申請書の下半分に、証明を受ける方欄があります。

証明を受ける方欄は、証明書にそのまま複写されます。

点画がはっきりとした楷書で書くことをおすすめします。

流麗な字で書くと、証明書の字が分からないと言われてしまう可能性があるからです。

氏名の字は、普段は略字を書いているかもしれません。

省略することなく、戸籍や住民票の字をそのまま書くことをおすすめします。

住所や本籍も同様に、戸籍や住民票の表現をそのまま記載します。

「番地」「番」などを省略することはおすすめできません。

③郵送請求は時間がかかる

登記されていないことの証明書を郵送請求する場合、1週間程度時間がかかります。

東京法務局に請求が殺到している場合、2週間以上かかることがあります。

急ぐのであれば、窓口請求がおすすめです。

窓口請求なら、即日交付してもらえるからです。

④平成12年3月31日以前は身分証明書で証明

成年後見制度は、平成12年4月1日にスタートしました。

平成12年3月31日以前、禁治産者、準禁治産者で、戸籍に記録されていました。

平成12年3月31日以前の期間について証明してもらいたい場合、登記されていないことの証明書では証明してもらうことができません。

禁治産者、準禁治産者は戸籍に記録されていたから、市区町村役場で証明してもらうことができます。

禁治産者、準禁治産者でないことは、身分証明書(身元証明書)で証明してもらいます。

資格の登録や許認可申請において、成年被後見人ではないことを証明するため登記されていないことの証明書を提出します。

禁治産者、準禁治産者でないことを証明するため身分証明書(身元証明書) を提出します。

登記されていないことの証明書と身分証明書(身元証明書)の両方が必要になります。

4オンライン請求には電子証明書が必要

登記されていないことの証明書は、窓口請求や郵送請求の他にオンラインで請求することができます。

オンラインで請求することができるものの、おすすめできる方法ではありません。

登記されていないことの証明申請には、電子署名をする必要があるからです。

電子証明書を取得するのに、手間と時間がかかります。

電子証明書は、氏名と住所の情報が確認できるものに限られています。

基本型証明書や司法書士電子証明書は、住所の確認ができないため使うことができません。

5成年後見開始の申立てを司法書士に依頼するメリット

認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。

本人自身も不安になりますし、家族も不安になります。

身のまわりの不自由を補うために、身近な家族がお世話をすることが多くなるでしょう。

成年後見の申立ては家庭裁判所へ手続が必要です。

身のまわりのお世話をしている家族が本人の判断能力の低下に気づくことが多いです。

たくさんの書類を用意して、煩雑な手続をするのは負担が大きいでしょう。

司法書士は、裁判所に提出する書類作成もサポートしております。

成年後見開始の申立てが必要なのに忙しくて手続をすすめられない方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

公正証書遺言で遺言執行者がいない

2026-09-24

1公正証書遺言は安心確実

①公正証書遺言は公証人が取りまとめる

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。

公証人は、本人確認のうえ本人の意思確認をして遺言書を作成します。

公証人は、法律の専門家です。

遺言内容を適切に遺言書にまとめるから、書き方ルールの違反になることは考えられません。

公証人が関与するから、公正証書遺言は安心確実です。

②家庭裁判所の検認不要

検認手続とは、家庭裁判所で遺言書を開封して確認してもらう手続です。

検認手続は、偽造や改ざんを防止するための手続です。

公正証書遺言は、家庭裁判所の検認手続が不要です。

公正証書遺言を作成したら、公証役場で厳重保管されます。

相続人らの手に渡らないから、偽造や改ざんがあり得ません。

偽造や改ざんでトラブルにならないから、公正証書遺言は安心確実です。

③遺言者が死亡しても公証役場は通知しない

公正証書遺言を作成した遺言者が死亡した場合、公証役場は何も通知しません。

遺言者が死亡しても、公証役場に届出るルールはありません。

公証役場は、遺言者が死亡したか分かりません。

公証役場は、遺言者の相続人がだれなのか分かりません。

公証役場の仕事は、公正証書遺言を作成して保管することです。

2遺言執行者が遺言書の内容を実現する

①相続手続は遺言執行者におまかせできる

遺言書は、作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者がいると、遺言者にとって安心です。

遺言執行者が確実に遺言書の内容を実現してくれるからです。

遺言執行者があると、相続人にとって安心です。

手間と時間がかかる相続手続をおまかせできるからです。

②遺言執行者は遺言書で指名できる

遺言執行者になれない人は、次のとおりです。

(1)未成年者

(2)破産者

遺言執行者は、遺言書で指名することができます。

遺言書を作成した時点で、未成年者であっても差し支えありません。

遺言執行者が欠格に該当するかどうかは、相続が発生した時点で判断します。

原則として、だれでも遺言執行者になることができます。

遺言執行者は、相続人や受遺者と同一で差し支えありません。

受遺者とは、遺言書で財産を引き継ぐ人です。

③遺言執行者の役割

(1)相続人に対し遺言内容を通知

遺言執行者が就任したら、就任したことを相続人全員に通知します。

就任通知と一緒に、遺言書の内容も通知します。

遺言執行者が遺言書の内容を通知することで、遺言執行の中立性と誠実性を示すことができます。

利害関係者が複数いる場合、遺言執行の中立性と誠実性は特に重要です。

(2)相続財産目録の作成

遺言執行者は遺言書の内容を実現する人だから、遺言書の内容以上の権限はありません。

遺言書の内容を実現するため、相続財産目録を作成します。

例えば「全財産を遺贈する」「全財産を相続させる」内容である場合、全財産を調査し財産目録を作成します。

「本遺言書に記載がない財産が見つかった場合」の記載があれば、全財産を調査し財産目録を作成します。

「不動産〇〇を遺贈する」内容である場合、他の財産を調査すると越権になるでしょう。

(3) 認知届・相続人廃除の申立て

認知とは、婚姻関係にないカップルの間に生まれた子どもについて自分の子どもと認めることです。

遺言書で、認知をすることができます。

遺言執行者が認知届を市区町村役場に提出します。

相続人廃除とは、相続人の相続権を奪う制度です。

遺言書で、相続人を廃除することができます。

遺言執行者が家庭裁判所に相続人廃除の申立てをします。

(4)財産の名義変更

預貯金は、遺言書の内容に従って預貯金口座の凍結解除をします。

不動産は、遺言書の内容に従って相続登記をします。

(5)遺産分配

不動産を遺贈をした場合、遺言執行者と受遺者の協力で所有権転登記をします。

遺言執行者は、遺言書の内容に従って財産を分配します。

(6)完了報告

必要に応じて、相続人らに遺言の執行状況を報告します。

遺言執行が完了したら、最終報告をします。

3公正証書遺言で遺言執行者がいない

①遺言執行者がいなくても遺言書は無効にならない

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

書き方ルールに違反した遺言書は、無効になります。

遺言執行者を指名することは、書き方ルールにはありません。

遺言執行者がいなくても、遺言書は無効になりません。

②遺言執行者は辞退できる

遺言書は、遺言者がひとりで作成します。

言わば一方的に、遺言執行者に指名することができます。

遺言執行者に指名されても、自信がないかもしれません。

遺言執行者に指名されても、辞退することができます。

就任前は理由を明らかにすることなく、辞退ができます。

何となく気が進まないでも何となく不安でも、差し支えありません。

就任するのか辞退するのか分からないと、相続人が困ります。

速やかに返答するといいでしょう。

③相続人全員の協力で遺言書の内容を実現する

遺言執行者がいなくても、遺言書は無効になりません。

遺言書の内容は、相続人全員の協力で実現します。

相続人全員が協力できれば、遺言書の内容を実現させることができます。

④遺言執行者がいないと困ること

(1)相続手続が停滞

遺言執行者がいないと、相続人全員の協力で遺言書の内容を実現させます。

相続人全員の協力がないと、遺言執行ができなくなります。

一部の相続人が遺言書の内容に不満を持つことがあります。

不満がある相続人は、遺言書の内容の実現に協力してくれないでしょう。

例えば、預貯金の口座凍結解除では、相続人全員の実印による押印と印鑑証明書が必要です。

不動産の遺贈による所有権移転登記でも、相続人全員の実印による押印と印鑑証明書が必要です。

遺言執行者がいないと、あらゆる相続手続が停滞します。

(2)認知届・相続人廃除ができない

遺言書で認知をした場合、遺言執行者が認知届を提出します。

相続人全員の協力があっても、認知届を提出することはできません。

遺言書で相続人を廃除した場合、遺言執行者が相続人廃除の申立てをします。

相続人全員の協力があっても、相続人廃除の申立てを提出することはできません。

⑤家庭裁判所に遺言執行者選任の申立て

(1)遺言執行者がいないとき申立てができる

遺言執行者がいないと、相続手続が進められなくなることがあります。

遺言執行者がいないとき、遺言執行者選任の申立てをすることができます。

遺言者が遺言執行者を指名した場合、遺言者の意思を尊重すべきだからです。

家庭裁判所が遺言執行者を選任するのは、遺言者の意思を補う行為と言えます。

(2)申立先

申立先は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

最後の住所地は、遺言者の住民票で確認することができます。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで確認することができます。

(3)申立てができる人

申立てができる人は、利害関係人です。

例えば、次の人です。

・相続人

・遺言者の債権者

・遺贈を受けた人

(4)必要書類

遺言執行者選任の申立書に添付する書類は、次のとおりです。

・遺言者の死亡の記載がある戸籍謄本

・遺言執行者候補者の住民票または戸籍の附票

・遺言書の写し

・利害関係が分かる書類 相続人であることが分かる戸籍謄本等

遺言執行者選任の申立書は、裁判所のホームページからダウンロードすることができます。

検認手続などで提出済の書類があるときは、省略することができます。

(5)費用

遺言執行者選任の申立ての手数料は、遺言書1通につき800円です。

手数料は、申立書に収入印紙を貼付して納入します。

手数料の他に、連絡用の郵便切手を納入します。

郵便切手の額面や枚数は、家庭裁判所ごとに異なります。

(6)候補者を立てることができる

遺言執行者は、家庭裁判所が選任します。

遺言執行者選任の申立てにおいて、遺言執行者の候補者を立てることができます。

遺言執行者の候補者を立てても、家庭裁判所は自由に遺言執行者を選任することができます。

候補者の適格性を家庭裁判所が判断するからです。

相続登記など専門的な手続が必要な場合、司法書士などの専門家を候補者に立てることが実務的です。

(7) 選任までの期間

遺言執行者選任の申立書を提出してから選任されるまで、1か月程度かかります。

4スムーズな遺言執行のための準備

①遺言者による準備で執行の実効性を高める

(1)公正証書遺言を選択

遺言書を作成する場合、公正証書遺言か自筆証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。

法律の知識がないと、書き方ルールに違反してしまうでしょう。

書き方ルールに違反すると、遺言書が無効になります。

公正証書遺言は、安心確実です。

公正証書遺言を選択することで、スムーズな遺言執行につなげることができます。

(2)財産の具体的記載

遺産分割の対象になる財産は、具体的に記載します。

確実に特定できないと、スムーズに相続手続が進められなくなるからです。

(3)遺言書に記載のない財産条項

遺言書に記載のない財産が見つかることがあります。

遺言書に記載のない財産が見つかった場合、遺産分割協議が必要です。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方を決めるため相続人全員でする話し合いです。

「本遺言書に記載のない財産は相続人〇〇に相続させる」などの条項があると、スムーズに遺言執行をすることができます。

(4)遺言執行者の指名

遺言書を作成するときに、遺言執行者を指名することがおすすめです。

遺言執行者になる人にあらかじめ依頼しておくと、就任承諾がスムーズです。

遺言執行には、法律の知識が必要になることが多いでしょう。

司法書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。

(5)付言事項

付言事項とは、遺言書に記載しても法律上効力がない事柄です。

遺言書に家族への感謝の気持ちや幸せに過ごして欲しい希望を書くことができます。

付言事項で、家族の感情に配慮したメッセージを書くことができます。

②遺言者執行者による準備で円滑な遺言執行

(1)相続人や受遺者の確認

確実に相続人調査を行って、相続人と受遺者を確認します。

遺言執行者には、相続人や受遺者に対して遺言内容を通知する義務があります。

(2)相続財産目録を作成

相続財産を網羅的に明らかにします。

「本遺言書に記載のない財産は相続人〇〇に相続させる」などの条項がある場合、相続財産全体を調査する必要があります。

調査結果は、相続財産目録に取りまとめます。

(3)遺言執行は専門家に委任できる

遺言執行者に就任したものの、相続手続が難しいと感じることがあります。

例えば、相続登記はたくさんある相続手続の中でも難しい手続です。

遺言執行者は、相続登記を申請することができます。

相続登記は専門知識が必要だから、知識がないと難しいと感じるでしょう。

遺言執行者は、司法書士などの専門家に依頼することができます。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は、被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

民法に遺言書を作ることができるのは、15歳以上と定められています。

遺言書を作成すれば、法定相続人や法定相続人以外の人に財産を引き継ぐことができます。

遺言書作成は、先延ばししがちです。

先延ばしすると、相続人間のトラブルに発展しがちです。

家族の幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

登記されていないことの証明書とは

2026-09-24

1 成年後見は本人をサポートする制度

①成年後見は任意後見と法定後見の2種類

認知症や精神障害や知的障害などになると、判断能力が低下します。

物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

成年後見は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなった人をサポートする制度です。

成年後見には、2種類あります。

任意後見と法定後見です。

任意後見と法定後見は、手続の方法がちがいます。

成年後見には、任意後見と法定後見の2種類があります。

②任意後見は当事者の契約

任意後見は、当事者の契約です。

あらかじめ契約で「必要になったら任意後見人になってください」とお願いしておきます。

任意後見人になってもらう人は、自分で決めることができます。

認知症や精神障害や知的障害などで判断能力が低下ときに備えて、信頼できる人にお願いをしておきます。

契約をした時点では、任意後見人は何もすることはありません。

本人が自分でいろいろなことを判断できるからです。

本人が自分で決めることができなくなったとき、任意後見がスタートします。

本人が物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったとき、家庭裁判所は任意後見監督人を選任します。

任意後見監督人が選任された後、任意後見がスタートします。

任意後見は、当事者の契約です。

③法定後見は家庭裁判所の決定

法定後見は、判断能力が低下した人を保護するため家庭裁判所がサポートする人を決める制度です。

法定後見は、3種類に分かれています。

(1)補助

(2)保佐

(3)後見

法定後見でサポートしてもらう人は、それぞれ(1)被補助人(2)被保佐人(3)成年被後見人と言います。

(1)被補助人は判断能力が不十分な方

(2)被保佐人は判断能力が著しく不十分な方

(3)成年被後見人は判断能力が欠けているのが通常の方

法定後見は、本人の判断能力の程度や心配の度合いに応じて3種類の制度があるということです。

2登記されていないことの証明書とは

①成年後見は登記される

成年後見は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなった人をサポートする制度です。

成年後見制度を利用している人は、自分で判断することができません。

後見人などの保護者が本人のために、契約などの法律行為をします。

本人のために契約するとは言うものの、そのための権限があるのか分かりません。

成年後見制度を利用している人は、登記されています。

後見人などの保護者の権限内容や任意後見契約の内容は、登記事項証明書で確認することができます。

成年後見を利用すると、登記されます。

②成年後見制度を利用していない人は登記されていないことの証明書

成年後見制度を利用していない人は、登記されていません。

成年後見制度を利用していないことを証明してもらうことができます。

登記されていないことの証明書とは、成年後見制度を利用していないことの証明書です。

③登記されていないことの証明書が必要になるとき

登記されていないことの証明書は、さまざまな資格の登録申請で必要になります。

例えば、弁護士、司法書士、行政書士などの登録手続きです。

成年後見制度を利用する人は、物事の良しあしが適切に判断することができません。

資格登録申請において、成年被後見人ではないことを証明する必要があります。

成年被後見人ではないことを証明するため、登記されていないことの証明書を提出します。

〇〇業許可、○○営業許可などの許認可申請でも、同様です。

成年被後見人ではないことを証明するため、登記されていないことの証明書を提出します。

④平成12年3月31日以前は身分証明書で証明

成年後見制度は、平成12年4月1日にスタートしました。

平成12年3月31日以前、禁治産者、準禁治産者で、戸籍に記録されていました。

平成12年3月31日以前の期間について証明してもらいたい場合、登記されていないことの証明書では証明してもらうことができません。

禁治産者、準禁治産者は戸籍に記録されていたから、市区町村役場で証明してもらうことができます。

禁治産者、準禁治産者でないことは、身分証明書(身元証明書)で証明してもらいます。

資格の登録や許認可申請において、成年被後見人ではないことを証明するため登記されていないことの証明書を提出します。

禁治産者、準禁治産者でないことを証明するため身分証明書(身元証明書) を提出します。

登記されていないことの証明書と身分証明書(身元証明書)の両方が必要になります。

3登記されていないことの証明書の取得方法

①申請書はダウンロードできる

登記されていないことの証明申請書は、法務局のホームページに出ています。

ホームページからダウンロードして使うことができます。

②申請できる人

登記されていないことの証明申請書を提出することができるのは、次の人です。

(1)証明対象者本人

(2))証明対象者本人の4親等内の親族

(3)上記(1)(2)の人から委任を受けた人

③申請書の提出先

登記されていないことの証明申請書の提出先は、次のとおりです。

(1)東京法務局後見登録課

(2)全国の法務局、地方法務局本局の戸籍課

愛知県であれば、名古屋法務局本局のみです。

名古屋市内には、熱田出張所や名東出張所があります。

熱田出張所や名東出張所では、登記されていないことの証明書の申請書は受け付けてもらえません。

名古屋市外にある各支局でも、登記されていないことの証明書の申請書は受け付けてもらえません。

④郵送で申請できる

登記されていないことの証明申請書の提出先は、愛知県であれば、名古屋法務局本局のみです。

名古屋法務局本局に、出向くのは難しい人もいるでしょう。

登記されていないことの証明書の申請書は、郵送で提出することができます。

郵送で提出する場合は、東京法務局後見登録課のみの対応です。

郵送先

〒102-8226

東京都千代田区九段南1-1-15

九段第2合同庁舎

東京法務局 民事行政部

後見登録課 あて

名古屋法務局本局に郵送しても、受け付けてもらえません。

⑤本人が申請するときの必要書類

本人が申請する場合、登記されていないことの証明申請書には、次の書類を添付します。

(1)本人確認書類

運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等です。

郵送請求をする場合、コピーを提出します。

⑥4親等内の親族が申請するときの必要書類

4親等内の親族が申請する場合、登記されていないことの証明申請書には、次の書類を添付します。

(1) 4親等内の親族の本人確認書類

運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等です。

(2) 4親等内の親族であることが分かる書類

発行から3か月以内の戸籍謄本や住民票です。

住民票には、続柄の記載が必要です。

⑦代理人に依頼するときの必要書類

登記されていないことの証明申請書の提出を代理人に依頼する場合、上記に追加して次の書類が必要です。

(1) 代理人の本人確認書類

運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等です。

(2)委任状

(3)代理人が法人の場合、代表者資格証明書

代表者資格証明書は、発行から3か月以内のものが必要です。

登記されていないことの証明申請書に会社法人番号を記載した場合、代表者資格証明書の提出を省略することができます。

⑧手数料300円は収入印紙で納入

登記されていないことの証明申請書の手数料は、1通につき300円です。

手数料は、収入印紙を貼り付けて納入します。

収入印紙は、貼り付けるだけで割印はしません。

名古屋法務局本局で手続をする場合、収入印紙は2階の収入印紙売りさばき窓口で購入することができます。

⑨登記されていないことの証明申請書は押印不要

登記されていないことの証明申請書は、申請人も代理人も押印不要です。

代理人が登記されていないことの証明申請書を提出する場合、委任状を提出します。

委任状への押印も廃止されました。

4成年後見開始の申立てを司法書士に依頼するメリット

認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。

本人自身も不安になりますし、家族も不安になります。

身のまわりの不自由を補うために、身近な家族がお世話をすることが多くなるでしょう。

成年後見の申立ては家庭裁判所へ手続が必要です。

身のまわりのお世話をしている家族が本人の判断能力の低下に気づくことが多いです。

身のまわりのお世話をしながら、たくさんの書類を用意して煩雑な手続をするのは負担が大きいでしょう。

司法書士は、裁判所に提出する書類作成もサポートしております。

成年後見開始の申立てが必要なのに忙しくて手続をすすめられない方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

突然相続が起きたときの初動対応

2026-09-23

1 相続手続の全体像

①相続人全員を確認する

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

相続人になる人は、法律で決められています。

戸籍謄本を取得して、相続人全員を確認します。

戸籍謄本には、その人に身分事項がすべて記録されているからです。

相続人が分からないと、適切に相続手続を進められなくなります。

相続人全員を確認するためには、戸籍謄本が必要です。

②遺言書の有無を確認する

被相続人が生前に、遺言書を作成していることがあります。

遺言書は、遺言者の意思を示すものです。

遺言書があれば、遺言書の内容どおりに財産を引き継ぐことができます。

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言は、自分で書いて作る遺言書です。

自宅などで保管する方法と法務局に提出して保管してもらう方法があります。

自宅などで遺言書を探し、法務局保管制度を利用しているか確認することができます。

自宅などで見つかった自筆証書遺言は、勝手に開封することはできません。

家庭裁判所に提出して、検認手続を受ける必要があるからです。

公正証書遺言は、遺言内容を公証人に伝え公証人が作成する遺言書です。

公正証書遺言を作成したら、遺言書原本は公証役場で厳重保管されます。

相続人は、公証役場で公正証書遺言の有無を確認することができます。

③相続財産を調査する

被相続人の財産は、原則として相続人が相続します。

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産が含まれます。

相続人は、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産の両方を引き継ぎます。

相続財産を漏らさないようにするため、慎重に調査します。

④相続を単純承認するか相続放棄をするか判断する

相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所に手続をしないで、相続放棄をすることはできません。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続財産の状況によって単純承認するか相続放棄をするか判断するなら、相続財産を調査する必要があります。

相続財産の状況にかかわらず相続放棄を希望するなら、相続財産を調査する必要はありません。

相続放棄をする意思が重視されるのであって、相続財産の状況は重視されないからです。

相続放棄をするか判断できる程度に、相続財産調査をすれば問題はありません。

例えば、わずかなプラスの財産と莫大なマイナスの財産がある場合、莫大なマイナスの財産があると分かれば判断できます。

どこにいくらの借金があるのか、詳細に調査する必要はありません。

⑤遺産分割協議をする

遺言書がなければ、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

一部の相続人だけで、遺産分割協議を成立させることはできません。

多数決で、遺産分割協議を成立させることはできません。

遺産分割協議を成立させるには、相続人全員の合意が必要です。

⑥相続手続をする

遺言書がある場合、遺言書の内容どおりに財産を引き継ぎます。

遺産分割協議を成立させた場合、相続人全員の合意どおりに財産を引き継ぎます。

相続財産を引き継ぐため、相続手続が必要です。

被相続人が不動産を保有していた場合、法務局に対して相続登記をします。

相続登記をするときは、法務局のルールに従って手続をします。

被相続人が預貯金口座を持っていた場合、各金融機関に対して口座凍結解除をします。

口座凍結解除をするときは、各金融機関のルールに従って手続をします。

相続手続先によって、相続手続のルールは異なります。

2突然相続が起きたときの初動対応

①各相続人が自分で判断すること

相続手続は、各相続人が自分で判断する必要があることと他の人に依頼できることがあります。

自分で判断する必要があることは、家族であっても他人まかせにできません。

自分で判断する必要があること以外の事務作業は、他の人に依頼することができます。

他人まかせにできないことは、次のとおりです。

・相続を単純承認するか相続放棄をするか判断する

・相続財産の分け方を決定する

②相続手続は分担して進める

相続手続をするためには、手間と時間がかかります。

他人まかせにできないこと以外の事務作業は、分担することができます。

相続人全員で、手間と時間を分担することができます。

事務作業は、司法書士などの専門家に依頼することができます。

③相続の費用負担と事務負担を集中させない

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定することができます。

相続手続をするためには、手間と時間がかかります。

一部の相続人が多くの相続手続を担当すると、その人に事務負担が集中します。

受け取る財産を平等にしたのに事務負担が多大であるとなると、不満を覚えるでしょう。

一部の相続人に事務負担を押し付けると、相続トラブルに発展するおそれがあります。

事務負担を考慮して相続財産の分け方を決めた場合、相続トラブルを回避しやすくなります。

司法書士などの専門家に相続手続のサポートを依頼すると、費用がかかります。

一部の相続人に費用負担を押し付けると、相続トラブルに発展するおそれがあります。

相続手続のサポートを依頼したときの費用をどのように負担するのか、決めておくことが重要です。

例えば、相続財産には銀行などの預貯金があることが多いでしょう。

相続手続のための費用は、相続財産から支出する合意をすることができます。

相続手続のための費用を支出したうえで、残りを分ける合意をすることができます。

各相続人が直接費用を支出するより、相続財産から支出する方が合意しやすいでしょう。

④相続放棄には3か月の期限がある

(1)相続放棄3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知ってから、と考えられています。

相続財産が全くないと信じたことに相当の理由がある場合、相続財産の存在を知ってから3か月がスタートすると考えることができます。

相続放棄の期限3か月は、相続を単純承認するか相続放棄をするか判断する期間です。

被相続人が死亡してから3か月以上経過しても、相続があったことを知ってから3か月経過していないことがあります。

相続があったことを知ってから3か月以内であれば、相続放棄をすることがあります。

(2)相続放棄は撤回できない

相続があったことを知ってから3か月経過すると、相続放棄はできなくなります。

相続放棄の期限3か月は、相続を単純承認するか相続放棄をするか判断するための期間です。

いったん相続放棄をすると、相続することはできません。

相続放棄をしたのに新たなプラスの財産が見つかっても、相続放棄を撤回することはできません。

相続放棄の期限3か月以内であっても、相続放棄を撤回することはできません。

(3)相続財産を利用処分すると相続放棄ができなくなる

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続人でないから、相続財産を利用処分することはできません。

相続財産を利用処分することは、相続人を前提とする行為です。

相続財産を利用処分すると、相続放棄ができなくなります。

相続財産を利用処分すると、単純承認と見なされるからです。

⑤遺産分割をして相続手続

(1)遺言書があれば遺言書の内容どおりに引き継ぐことができる

遺言書を作成して、どの財産をだれに引き継ぐか決めておくことができます。

遺言書があれば、遺言書の内容どおりに財産を引き継ぐことができます。

相続手続をする場合、相続手続先に遺言書を提出します。

(2)遺言執行者に相続手続はおまかせできる

遺言書を作成するだけで、意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者は、遺言書で指名することができます。

遺言執行者がいると、遺言書の内容を実現してもらうことができます。

遺言執行者がいると、相続人は手や口を出すことができないからです。

善意であっても、手や口を出すと妨害行為に見えることがあります。

遺言執行者がいると、手間と時間がかかる相続手続をおまかせすることができます。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人だからです。

(3)遺言書がなければ遺産分割協議

遺言書がなければ、相続人全員で遺産分割協議をします。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続財産の分け方は、相続人全員が自分で判断する必要があります。

相続人全員による合意がまとまったら、合意内容は遺産分割協議書に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員による合意内容の証明書です。

遺産分割協議書を作成することは、司法書士などの専門家に任せることができます。

相続財産の分け方を決定することは、各相続人が自分で判断します。

相続財産の分け方を決定することは、他人まかせにすることができません。

相続財産の分け方を決定した後、合意内容を伝えて専門家に書面を作ってもらうことは割とよくあることです。

3相続人調査を司法書士に依頼するメリット

本籍地の変更や国による戸籍の作り直し(改製)で多くの方は、何通もの戸籍を渡り歩いています。

古い戸籍は、現在と形式が違っていて読みにくいものです。

古い戸籍は、手書きの達筆な崩し字で書いてあって分かりにくいでしょう。

慣れないと、戸籍集めはタイヘンです。

本籍地を何度も変更している方や結婚、離婚、養子縁組、離縁を何度もしている方は、戸籍をたくさん渡り歩いています。

戸籍を集めるだけで、膨大な手間と時間がかかります。

役所や法務局の手続では、通常、戸籍謄本や住民票の期限は問われません。

銀行預金の解約など銀行の手続では、銀行独自で期限を設けている場合があります。

集めた戸籍謄本や住民票を手続後、返却してくれる場合、返却してくれない場合があります。

期限があって、かつ、返却してくれるところから優先して手続するといいでしょう。

集めた戸籍謄本や住民票を返却してくれないところをはじめに手続すると、集めた戸籍謄本や住民票の集め直しになるからです。

段取りよく要領よく手続するには、ちょっとしたコツがいります。

仕事や家事で忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続きを丸ごとおまかせすることができます。

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受遺者とは遺贈で財産を引き継ぐ人

2026-09-22

1受遺者とは遺贈で財産を引き継ぐ人

①遺言書を作成して遺贈ができる

遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

遺贈と相続は、別の制度です。

被相続人は遺言書を作成して、だれに引き継いでもらうのか自由に決めることができます。

遺言書なしで、遺贈はできません。

遺言書を作成して、遺言者の思うように財産を引き継ぐことができます。

②相続人以外の人に財産を引き継ぐことができる

受遺者とは、遺贈によって財産を引き継ぐ人です。

相続人になる人は、法律で決まっています。

法律で決められた人以外の人は、相続人になることはできません。

相続人も相続人以外の人も、遺贈を受けることができます。

受遺者は、遺言書で明確に特定する必要があります。

相続人は、相続することができるし遺贈を受けることができます。

相続人以外の人は、相続することができないけど遺贈を受けることができます。

受遺者は、遺贈によって財産を引き継ぐ人です。

③受遺者と相続人のちがい

ちがい(1)指定方法

相続が発生すると、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続人になる人は、法律で決められています。

被相続人が何もしなくても、相続人は相続することができます。

受遺者とは、遺贈によって財産を引き継ぐ人です。

被相続人が遺言書で遺贈すると定めないと、受遺者は財産を受けることができません。

遺言書なしで、遺贈することはできないからです。

ちがい(2)財産の取得方法

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

受遺者は、遺言書の内容により財産を引き継ぎます。

特定遺贈であれば、遺言書で特定された財産のみを引き継ぎます。

包括遺贈であれば、遺言書で指定された割合で引き継ぎます。

具体的に引き継ぐ財産を話し合いで決める必要があるからです。

ちがい(3)代襲相続

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

相続人になるはずだったのに、子どもが被相続人より先に死亡することがあります。

被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった子どもの子どもが相続します。

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が先に死亡したときに相続人になるはずだった人の子どもが相続することです。

相続人になるはずだった人が先に死亡した場合、代襲相続をすることができます。

受遺者になるはずだった人が先に死亡した場合、受遺者になるはずだった人の子どもは受遺者になりません。

受遺者は、相続が発生したときに生きていることが条件です。

遺言書の内容は、代襲相続されないからです。

ちがい(4)遺産分割協議

相続人は、全員遺産分割協議に参加する権利と義務があります。

遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立するからです。

受遺者は、包括遺贈を受けた人のみ参加する権利と義務があります。

包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。

特定遺贈を受けた人は、遺産分割協議に参加する権利と義務がありません。

特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

④受遺者の説明がバラバラに見える理由

受遺者は、民法上、遺贈によって財産を引き継ぐ人のはずです。

話し手の都合によって受遺者という言葉は、さまざまな意味で使われていることがあります。

受遺者の説明がバラバラに見える理由は、話し手によって立場が異なるからです。

銀行などの金融機関にとって、受遺者は遺産を受け取る人です。

銀行などの金融機関にとって、相続人と受遺者の区別は重要ではありません。

口座の資金を受け取る人に、強い関心があるからです。

税理士にとって、受遺者は税金が高くかかる人です。

相続税申告では、一定の相続人以外の人が財産を受け取ると税金が高くなるからです。

税理士にとって、相続人と受遺者の定義は重要ではありません。

相続税申告に、強い関心があるからです。

ネット記事にとって、単に受遺者は難しい用語の一部です。

相続全体を説明するより、アクセスを集められる一部だけ切り取って説明します。

アクセスを集めることに、強い関心があるからです。

2受遺者がいるときに相続人に与える影響

①相続人が相続する財産が減る

遺言書で財産を遺贈した場合、遺贈した財産は受遺者に引き継がれます。

相続人間で、遺贈された財産以外の財産を分け合います。

必然的に、遺贈された財産分だけ相続人が相続する財産が減ります。

②マイナスの財産は相続人が引継ぐ

特定遺贈を受けた人は、遺言書で指定された財産を引き継ぎます。

特定遺贈を受けた人は、遺言書で指定された財産以外の財産を引き継ぎません。

相続財産にマイナスの財産があっても、特定受遺者は引き継ぎません。

相続財産にマイナスの財産がある場合、相続人と包括受遺者が引き継ぎます。

包括受遺者は、マイナスの財産も遺言書で指定された割合で引き継ぐからです。

③遺産分割協議に参加

特定遺贈を受けた人は、遺言書で指定された財産だけを引き継ぎます。

相続財産の分け方に関与する必要はありません。

特定遺贈を受けた人は、遺産分割協議に参加しません。

包括遺贈を受けた人は、相続財産に対する割合だけ指定されています。

具体的に引き継ぐ財産は、遺産分割協議で決定します。

相続財産の分け方に関与する必要はあります。

包括遺贈を受けた人は、遺産分割協議に参加します。

④遺留分侵害額請求ができる

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人に認められます。

配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求は、相続人としての最低限の権利を回復する制度です。

⑤遺贈の放棄によって相続財産になる

遺言者が死亡した後に、受遺者は遺贈を辞退することができます。

受遺者が受け取るはずだった財産は、相続財産になります。

相続人全員による遺産分割協議によって、引き継ぐ人を決定します。

⑥遺言執行に協力が必要

遺言書の内容は、自動で実現しません。

遺言書で遺贈した場合、原則として相続人全員の協力で遺言書の内容を実現します。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者がいる場合、遺言執行者が遺言書の内容を実現します。

遺言執行者がいれば、相続人の協力は不要です。

2受遺者になる条件

①遺言書で特定されていること

受遺者になるためには、遺言書で明確に特定されている必要があります。

②相続が発生したときに生きていること

受遺者になるためには、相続が発生したときに生きている必要があります。

受遺者が遺言者より先に死亡した場合、遺言書の該当の項目は無効になります。

遺言者が死亡したときに、遺言書の効力が発生するからです。

胎児が誕生前に遺言者が死亡した場合、胎児は受遺者になることができます。

遺言書に効力が発生したときに、すでに死亡している人は遺贈を受けることができません。

受遺者が先に死亡した場合、受遺者の子どもなどが代わりに遺贈を受けることもできません。

遺言書の内容は、代襲相続できないからです。

③相続欠格に該当しないこと

相続人になる人は、民法で決められています。

相続人になれない人も、民法で決められています。

相続欠格とは、相続人としてふさわしくない人の相続資格を奪う制度です。

相続資格だけでなく、遺贈を受ける資格も奪われます。

相続欠格は、被相続人の意思とは無関係に相続人の資格を奪う制度です。

4遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は、被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

実は、民法に遺言書を作ることができるのは15歳以上と定められています。

死期が迫ってから、書くものではありません。

遺言書は被相続人の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。

遺贈とは、遺言によって相続人や相続人以外の人に、財産を引き継ぐものです。

遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。

遺言執行には、法的な知識が必要になります。

遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう可能性があります。

遺言書の内容によっては、遺言執行者を家庭裁判所に決めてもらう必要があります。

遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、財産を引渡そうとしないこともあります。

家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現するために、せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。

お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続人に相続財産の開示義務はない

2026-09-21

1相続人に相続財産の開示義務はない

①他の相続人に対して相続財産の開示請求をする権利はない

相続が発生したら、被相続人の財産は相続財産になります。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

被相続人の生前は、同居していた家族が財産管理をすることが多いでしょう。

相続が発生した後、被相続人の財産を開示してくれないことがあります。

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産の開示請求をする権利はありません。

相続が発生した後であっても、他の相続人に対して相続財産の開示請求をする権利はありません。

②他の相続人に対して相続財産を開示する義務はない

被相続人の生前に、同居していた家族が財産管理をすることは問題はありません。

相続財産の範囲が分からないと、相続財産の分け方について話し合いができません。

各相続人が受け取る財産が適切なのか、判断できないからです。

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産の開示請求をする権利はありません。

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産を開示する義務はありません。

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産を開示しなくても違法ではありません。

③内容証明郵便で請求しても開示義務はない

相続財産の開示請求をしても、応じてももらえないことがあります。

相続財産の開示請求は、単なるお願いに過ぎません。

内容証明郵便で請求しても、お願い以上の効力はありません。

内容証明郵便とは、郵便サービスのひとつです。

内容証明郵便を利用すると、郵便局が通知内容を証明してくれます。

相続財産の開示請求というお願いをしたことを証明してもらえます。

お願いをした事実を郵便局が証明してくれても、法的権利を発生させることはできません。

内容証明郵便で請求しても、相続財産の開示請求をする権利はありません。

お願いをした事実を郵便局が証明してくれても、法的義務を発生させることはできません。

内容証明郵便で請求しても、相続財産を開示する義務はありません。

④開示請求を拒否しても相続資格を奪えない

相続人は他の相続人に対して、相続財産の一覧を開示する一般的な義務はありません。

相続財産の開示請求を拒否しても、相続資格を奪うことはできません。

被相続人の遺言書を隠匿などした場合、相続人は欠格になります。

欠格とは、相続資格を奪う制度です。

相続財産を開示しなくても、相続人は欠格になりません。

他の相続人が勝手に、相続欠格などと決めつけて相続人から除外することはできません。

相続欠格になる理由は、法律で決められています。

相続財産を開示しなかったことは、相続欠格になる理由として認められていません。

相続財産の開示請求を拒否したことは、相続欠格になる理由として認められていません。

⑤お願いできるし断ることができる

一部の相続人が他の相続人に対して、相続財産の開示請求をしても違法ではありません。

相続財産の分け方を決めるため前提として、他の相続人にお願いすることはできるからです。

相続財産の開示請求は、単にお願いだからです。

相続財産の開示請求を受けても、開示を拒否することができます。

開示する義務がないから、当然に開示を拒むことができます。

相続財産の開示を断られたら、開示を強制することはできません。

開示義務はないから、開示を強制することはできません。

開示をお願いする人に権利はないし、開示を拒否する人に義務はないからです。

⑥遺言執行者には相続財産を開示義務がある

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者には、相続人に相続財産を開示する義務があります。

相続人が遺言執行者になった場合でも、遺言執行者は相続財産を開示する義務があります。

2各相続人は自分で相続財産を調査できる

①各相続人が納得できるところまで調査

相続財産は、各相続人が自分で調査することができます。

他の相続人に開示させることに、固執する必要はありません。

各相続人が納得できる程度に、相続財産調査をします。

もともと完璧な調査は、できるものではありません。

納得できる調査の程度は、各相続人によって異なります。

他の相続人による調査結果を見ても、納得できないことがあります。

一部の相続人にとって納得できる調査であっても、他の相続人にとって不充分な調査と感じる可能性があります。

他の相続人による調査に固執すると、納得できる調査の程度でトラブルに発展します。

自分が納得できる程度調査をすれば、自分は納得できるはずです。

各相続人が自分で納得できる程度、自分で調査します。

自分で調査して納得できたのなら、開示義務にこだわり続ける必要はありません。

②不動産は名寄帳を請求

(1)市町村に名寄帳を請求

名寄帳とは、土地や家屋を所有者ごとにまとめた一覧表です。

相続人は、不動産の所在する市町村に対して名寄帳を請求することができます。

名寄帳を見ると、被相続人の不動産をまとめて確認することができます。

(2)法務局に所有不動産記録証明書を請求

令和8年(2026年)2月2日から、所有不動産記録証明制度が開始しました。

所有不動産記録証明制度とは、法務局で不動産を一覧ができる仕組みです。

所有不動産記録証明書は、特定の所有者の不動産を一覧する証明書です。

名寄帳は、請求した市町村に所在する不動産のみ記載されています。

法務局が発行する所有不動産記録証明書は、不動産を探す手がかりです。

(3)登記簿謄本の取得

不動産が把握できたら、登記簿謄本を請求します。

不動産の登記簿謄本は、だれでも取得することができます。

不動産の登記簿謄本を取得したら、登記名義を確認します。

被相続人名義ではなく、先祖の名義のままになっていることがあるからです。

③預貯金は残高証明書・取引履歴を請求

(1)預貯金口座の把握

自宅などを探して、被相続人の通帳やキャッシュカードを確認します。

通帳やキャッシュカードが見つからなくても、金融機関から郵便物が保管してあるかもしれません。

金融機関に対して、口座を探してもらうことができます。

(2)残高証明書の取得

預貯金口座が把握できたら、残高証明書を請求します。

相続人はだれでも、残高証明書の請求をすることができます。

通帳やキャッシュカードがなくても、相続人は残高証明書の請求をすることができます。

(3)取引履歴の取得

預貯金口座の通帳を見ると、取引履歴が判明します。

取引履歴は、他の財産をさがす手がかりにもなります。

④株式・投資信託は証券保管振替機構に照会

(1)証券口座に通帳はない

被相続人が株式投資をしている場合、証券会社などで証券口座を持っているでしょう。

証券会社の証券口座は、銀行などの預貯金口座と異なり通帳はありません。

証券会社での取引内容は、取引報告書で確認します。

(2)証券保管振替機構に照会

証券保管振替機構へ登録済加入者情報の開示請求をすることで、口座がある証券会社を調査することができます。

相続人はだれでも、証券保管振替機構に照会することができます。

相続人が証券保管振替機構に照会する場合、5000~6000円程度の手数料がかかります。

自分で相続財産を調査する場合、調査に必要な手数料も自分で負担します。

(3)証券会社から預かり資産残高証明書を取得

登録済加入者情報の開示請求で分かるのは、口座を開設している証券会社のみです。

保有銘柄、保有株式数、取引履歴は、口座がある証券会社に照会します。

証券会社から預かり資産残高証明書を取得すると、詳しい内容が判明します。

⑤借金は信用情報機関に開示請求

(1)マイナスの財産も相続財産

相続財産は、プラスの財産だけではありません。

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。

被相続人のマイナスの財産も、相続人が相続します。

(2)借入先の把握

自宅などを探して、借用書や契約書を確認します。

借用書や契約書が見つからなくても、債権者から郵便物が保管してあるかもしれません。

請求書や督促状は、重要な手掛かりになります。

(3)信用情報機関に照会

信用情報機関に照会することで、被相続人の借金を調査することができます。

信用情報機関は、次の3つがあります。

・日本信用情報機構(JICC)

・株式会社シー・アイ・シー(CIC)

・全国銀行協会全国銀行個人信用情報センター(KSC)

相続人はだれでも、信用情報機関に照会することができます。

信用情報機関へ照会する場合、1か所500~1500円程度の手数料がかかります。

自分で相続財産を調査する場合、調査に必要な手数料も自分で負担します。

3相続財産に納得できれば遺産分割協議

①全財産が分からなくても遺産分割協議ができる

遺言書がなければ、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

全財産が分からなくても、遺産分割協議をすることができます。

全財産まとめて、遺産分割協議をする必要はありません。

一部の財産についてのみ、有効な遺産分割協議をすることができます。

相続人全員の合意がまとまれば、遺産分割協議は成立するからです。

②後日新たな財産が見つかっても原則としてやり直しはできない

遺産分割協議が成立した後に、新たに相続財産が見つかることがあります。

もともと完璧な調査はできないのだから、新たに相続財産が見つかることは当然の結果です。

後日新たな財産が見つかっても、原則として先に成立した遺産分割協議の効力は覆りません。

後日見つかった財産についてのみ、遺産分割協議をします。

先に成立した遺産分割協議の効力は覆らないからこそ、納得できる調査をすることが重要です。

先に成立した遺産分割協議の効力は覆らないからこそ、納得できる遺産分割協議をすることが重要です。

4財産調査を司法書士に依頼するメリット

もれなく迅速に相続財産を調査するのは、身体的にも精神的にも大きな負担になります。

相続財産調査を司法書士などの専門家に依頼すれば、家族の疲れも軽減されるでしょう。

被相続人の財産は、相続人もあまり詳しく知らないという例が意外と多いものです。

悲しみの中で被相続人の築いてきた財産をたどるのは切なく、苦しい作業になります。

相続財産調査で疲れが出る前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

家族信託の受託者が死亡

2026-09-20

1家族信託で財産管理を依頼する

①家族で信託契約を締結する

家族信託は、財産管理を依頼する契約です。

自由に売る権利や自由に管理する権利を渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っている仕組みです。

信頼できる家族に、財産の売却や管理運用を依頼します。

財産の売却や管理運用指針は、信託契約で細かく決めておきます。

信託契約で決めた範囲内で、自由に財産の売却や管理運用をすることができます。

②家族信託の登場人物

(1)委託者

委託者とは、もともと財産を所有している人です。

家族信託で、財産管理を依頼する人です。

(2)受託者

受託者とは、財産を預かって管理運用する人です。

家族信託で、財産管理の依頼を受ける人です。

(3)受益者

受益者とは、財産から発生する利益を受け取る人です。

認知症対策で家族信託をする場合、委託者と受益者は同じ人です。

信託契約の内容によっては、委託者と受益者は別の人にすることができます。

③家族信託の終了理由は信託契約と法律で決められている

信託法を確認すると、信託の終了理由が定められています。

信託法には受託者が死亡したとき信託終了の定めは、ありません。

信託契約では、あらかじめ信託の終了理由が決められています。

信託契約をするとき、委託者が契約の中で信託の終了理由を決めています。

信託契約書を見ると、終了理由の条項があるはずです。

信託契約書で受託者が死亡したとき信託終了の定めがあれば、受託者が死亡したとき信託は終了します。

受託者が死亡したとき、自動で信託が終了するのではありません。

信託契約書で決められた理由が発生したから、信託が終了します。

2家族信託の受託者が死亡しても信託は終了しない

①受託者が死亡すると受託者の任務は終了する

受託者が死亡すると、死亡した受託者の任務は終了します。

家族信託は、信頼できる家族に財産管理を依頼する契約です。

委託者が財産管理を依頼する理由は、受託者が信頼できるからです。

委託者が受託者を個人的に深く信頼しているからこそ、財産管理を依頼しています。

個人的信頼関係の上に成り立っているから、受託者が死亡すると受託者の任務は終了します。

②信託財産は受託者の相続財産にならない

家族信託を利用した場合、信託された財産は委託者の財産ではなくなります。

信託された財産は、受託者の財産でもありません。

信託財産は、信託契約の定めに従う独立の財産です。

受託者の名義になっていても、受託者は固有の財産とは別に管理しなければなりません。

受託者が死亡した場合、受託者の固有の財産は相続財産になります。

信託財産は受託者の固有の財産ではないから、相続財産になりません。

③受託者の相続人は受益者に通知する

家族信託の受託者が死亡した場合、受託者の任務は終了します。

受託者がいないと、家族信託は機能しません。

信託の継続のため、受託者の相続人は受託者の任務終了の事実を受益者に通知しなければなりません。

信託契約の中で、通知義務を免除することができます。

④受託者の相続人が信託財産を保管

受託者の相続人は、後継受託者が信託事務を開始するまで信託財産を保管しなければなりません。

受託者の相続人は、信託財産を自由に処分することはできません。

⑤裁判所に信託財産法人管理人を選任してもらうことができる

受託者に、相続人がいない場合があります。

利害関係人は裁判所に申立てをすることで、信託財産法人管理人を選任してもらうことができます。

信託財産法人管理人が選任された場合、信託財産法人管理人が受託者の代わりに信託財産を管理します。

3後任の受託者を選任する方法

①受託者の地位は相続されない

受託者が死亡しても、受託者の地位は相続されません。

受託者の相続人は、自動で受託者になることはありません。

委託者が財産管理を依頼する理由は、受託者が信頼できるからです。

死亡した受託者に対する信頼と受託者の相続人に対する信頼は、別ものです。

次の受託者は、信託契約の定めと信託法の定めに従います。

②信託契約で後継受託者を決めておくことができる

受託者がいないと、家族信託は機能しなくなります。

後継受託者とは、受託者が欠けたときに備えて次に受託者になる人です。

信託契約を締結するとき、後継受託者を決めておくことができます。

家族信託の受託者が死亡した場合、まず信託契約の定めを確認します。

信託契約で後継受託者の定めがある場合、その人が就任承諾することによって後任の受託者になります。

後継受託者は、受託者に就任するまで信託において権限はありません。

受託者を引き継ぐときに備えて、普段から信託事務の方針を共有しておくのがおすすめです。

信託事務の方針を共有しつつ、相談しながら権利行使することができます。

③後継受託者は辞退できる

信託契約で後継受託者を決めておいても、後継受託者が就任するとは限りません。

後継受託者に指名されていても、就任を辞退することができるからです。

信託契約で後継受託者の定めがある場合、利害関係人は就任するか確答を求めることができます。

相当期間に確答がない場合、就任を承諾しなかったものと見なされます。

④委託者と受益者の合意で新受託者を選任

(1)委託者と受益者の合意で選任できる

後継受託者の定めがない場合や後継受託者が就任を辞退した場合、委託者と受益者の合意で新受託者を選任します。

認知症対策の家族信託では、委託者と受益者は同じ人です。

委託者兼受益者の指名によって、新受託者を選任することができます。

新受託者の就任承諾によって、新受託者に就任します。

委託者と受益者の合意で選任する場合、文書を作成することが重要です。

口頭の合意だけでは、後々トラブルになるおそれがあるからです。

(2)新受託者の選任には判断能力が必要

委託者と受益者の合意で新受託者を選任する場合、当事者の判断能力が問題になります。

認知症対策の家族信託では、委託者兼受益者が認知症などで判断能力を喪失していることがあるからです。

⑤利害関係人の申立てで地方裁判所が選任

委託者兼受益者が判断能力を喪失した場合、委託者と受益者の合意で新受託者を選任できなくなります。

利害関係人は地方裁判所に申し立てて、新受託者を選任してもらうことができます。

地方裁判所に申立てをして選任してもらう方法は、手間と時間と費用がかかります。

⑥受託者が欠けたまま1年経過で信託終了

次の受託者が決まらないまま1年が過ぎると、信託は終了します。

信託法は、受託者が欠けたまま新受託者が就任しない状態が1年間継続した場合を信託の終了事由として定めているからです。

信託が終了すると、信託財産は帰属権利者に引き継がれます。

4新受託者が就任したら信託財産の名義変更

①信託不動産は所有権移転登記で名義変更

(1)新受託者が単独で申請できる

最初に不動産を信託財産とする場合、所有権移転登記と信託登記をします。

所有権移転登記をしたことで、受託者の名義になります。

信託登記によって、その不動産が信託財産であることが公示されています。

信託登記を見れば、受託者が死亡しても相続財産にならないことは明らかです。

後継受託者が就任した場合、信託不動産は所有権移転登記で名義変更をします。

所有権移転登記は、後継受託者が単独申請をすることができます。

(2)登録免許税は非課税

信託財産について後継受託者に名義変更をするとき、所有権移転登記は非課税です。

(3)信託目録の内容は登記官が変更する

登記簿謄本を取得するとき、信託目録を一緒に取得することができます。

新受託者への所有権移転登記がされると、信託目録の変更は登記官が職権で行います

信託目録に受託者の氏名が記載されている場合、登記官が自動で変更してくれます。

新受託者が信託目録の変更申請する必要はありません。

②信託財産である金銭の名義変更

(1)信託口口座でも出金制限される可能性

受託者が死亡した場合、信託財産は相続財産になりません。

信託口口座でも、新受託者が手続をするまで出金制限される可能性があります。

後継受託者は自分が後継受託者であることの証明書類を提出することで、名義変更をすることができます。

名義の変更に必要な書類と手続に要する期間は、金融機関によって異なります。

(2)一般の口座は凍結する

信託口口座を開設しないで受託者名義の口座で、信託財産である金銭を管理することがあります。

受託者が信託財産である金銭のみ管理していたとしても、金融機関には分かりません。

一般の相続発生と同様に、口座は凍結されます。

信託財産である金銭のみ管理していた口座であっても、口座凍結解除には通常の相続手続と同様の手続を求められることがあります。

金融機関から相続人全員の同意書や印鑑証明書などの提出を求められるでしょう。

結局のところ相続手続と同じ手続をしたうえで、後継受託者に引き継ぐことになります。

受託者の相続人が協力しない場合、後継受託者への引き継ぎに難航するかもしれません。

金銭が信託財産に含まれる場合、信託口口座を開設して金銭を管理するのがおすすめです。

5家族信託を司法書士に依頼するメリット

高齢化社会が到来したといわれて、多くの方は長生きになりました。

平均寿命は男性も女性も80歳を超して、認知症になる方が多くなりました。

認知症になると、物事のメリットデメリットが充分に判断できなくなります

本人の財産は本人しか処分できないため、本人が判断できなくなると資産が凍結されてしまいます。

認知症対策は、本人が元気なときしかすることができません。

いつか認知症対策をしようではなく、今なら元気だから対策しようが正解です。

資産が凍結されてしまうと、家族であっても使うことができなくなります。

家族信託は、認知症対策として有効です。

柔軟な設計ができることから、本人と家族が検討しておくことがたくさんあります。

家族信託自体の知名度も低いことから、制度の理解が難しいかもしれません。

まずは、1歩を踏み出すために、司法書士などの専門家の話を聞くといいでしょう。

自分のためにも家族のためにも認知症対策を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

包括受遺者がいるときの遺産分割協議

2026-09-20

1包括受遺者とは割合指定で遺贈を受けた人

①遺言書を作成して遺贈ができる

遺贈とは、遺言書を作成して相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

遺贈と相続は、別の制度です。

被相続人は遺言書を作成して、だれに引き継いでもらうのか自由に決めることができます。

遺言書なしで、遺贈はできません。

②包括遺贈と特定遺贈

遺贈をする場合、包括遺贈と特定遺贈があります。

包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。

特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

包括受遺者とは、包括遺贈を受けた人です。

包括受遺者は、遺言によって財産の全部または一定割合で引き継ぎます。

③包括受遺者は相続人と同じ権利義務を有する

包括受遺者は、相続人と同じ権利義務があります。

包括受遺者は、相続人と同じように財産を引き継ぎます。

引き継ぐ財産は、プラスの財産とマイナスの財産の両方です。

包括受遺者は、遺言書で指定された割合で財産を引き継ぎます。

相続人と同じように財産を引き継いでも、包括受遺者は相続人ではありません。

④包括受遺者と相続人のちがい

ちがい(1)財産を取得する根拠

相続人になる人は、法律で決められています。

遺言書がなくても法律の定めによって、相続人は相続財産を引き継ぎます。

包括受遺者は、遺言書によって指定されます。

遺言書による指定がないと、財産を引き継ぐことはできません。

ちがい(2)法人

法人は、相続人になれません。

包括受遺者として、法人を指定することができます。

ちがい(3)遺留分の有無

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人に、認められます。

包括受遺者は、遺留分が認められません。

ちがい(4)代襲相続

相続人になる人は、法律で決められています。

相続人になるはずだったのに被相続人より先に死亡することがあります。

代襲相続とは、相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したときに相続人になるはずだった人の子どもなどが相続することです。

相続人が先に死亡したとき、原則として代襲相続が発生します。

包括受遺者が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続は発生しません。

包括遺贈は、効力を生じません。

2包括受遺者がいるときの遺産分割協議

①遺産分割協議とは相続財産の分け方を決める話し合い

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人らに引き継がれます。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

②相続人と包括受遺者が遺産分割協議に参加する

包括受遺者がいる場合、相続人全員だけでなく包括受遺者も含めて合意します。

包括受遺者は、相続人と同一の権利義務があるからです。

相続人と包括受遺者が遺産分割協議に参加する人です。

包括遺贈は割合のみ指定して、具体的な財産を指定していないからです。

遺言書で定められた割合に基づいて、遺産分割協議で具体的に引き継ぐ財産を合意します。

③包括受遺者を無視できない

包括受遺者は、相続人と同一の権利義務が与えられます。

包括受遺者が遺産分割協議に参加するのは、権利であるし義務でもあります。

相続人は、包括受遺者の権利を無視することはできません。

包括受遺者を含めずに相続人のみで合意しても、無効の合意です。

包括受遺者が複数いる場合、包括受遺者全員と相続人全員の合意が必要です。

④全部包括遺贈は原則遺産分割協議不要

遺言書で、全部包括遺贈をすることがあります。

全部包括遺贈を受けた場合、相続財産の分け方を決める余地がありません。

全部包括遺贈は、原則として遺産分割協議は不要です。

⑤特定財産を除く包括遺贈は遺産分割協議不要

包括受遺者には、相続人と同一の権利義務があります。

相続財産にマイナスの財産がある場合は、マイナスの財産も受け継ぎます。

特定財産を除く財産について遺贈がされた場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がせる趣旨でしょう。

相続分に対応する割合が明示されていなくても、包括遺贈になると考えられます。

特定財産を除く財産すべてを受け継ぐから、財産の分け方を決める必要がありません。

除外された特定財産を引き継ぐ人が決まっていれば、特定財産を除く包括受遺者は、遺産分割協議をする必要がありません。

除外された特定財産を引き継ぐ人が決まっていなければ、遺産分割協議で決定します。

⑥特定受遺者は遺産分割協議に参加しない

特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。

特定受遺者は、遺言書に記載された財産のみを引き継ぎます。

特定受遺者は、遺産分割協議に参加する権利も義務もありません。

特定受遺者は、相続人と同一の権利義務がないからです。

⑦遺産分割協議書は合意内容の証明書

相続人全員と包括受遺者全員で合意がまとまったら、合意内容は書面に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員と包括受遺者全員による合意内容の証明書です。

遺産分割協議書が合意内容に間違いがないか、相続人全員と包括受遺者全員に確認してもらいます。

合意内容に間違いがないことを確認してもらったら、相続人全員と包括受遺者全員に記名し実印で押印してもらいます。

遺産分割協議書における押印が実印によることを確認するため、印鑑証明書を添付します。

⑧相続手続では遺言書と遺産分割協議書が必要

遺産分割協議で不動産を取得した場合、法務局で相続登記をします。

遺産分割協議で預貯金を取得した場合、金融機関で口座凍結解除をします。

相続手続では、遺言書と遺産分割協議書が必要になります。

相続手続先によっては、遺言書と遺産分割協議以外にもたくさんの書類が必要になります。

⑨包括遺贈を放棄をしたら遺産分割協議に参加しない

遺言書は、遺言者がひとりで作成します。

遺言書を作成する際に、受遺者や相続人の同意や承諾は不要です。

遺言書で包括遺贈がされても、遺贈を受ける義務はありません。

遺言者が死亡した後、包括遺贈を受けるか放棄するか選択することができます。

包括遺贈の放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して手続をします。

相続人が相続放棄をするときと同様に、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

家庭裁判所で包括遺贈の放棄をしないと、被相続人の借金を引き継ぐ可能性があります。

遺産分割協議で財産を引き継がない合意をしても、内部的合意に過ぎないからです。

3包括受遺者がいるときに確認すること

①遺言書の内容を確認する

遺言書がある場合、遺言書どおりに財産を引き継ぐことができます。

包括遺贈なのか特定遺贈なのか、遺言書の内容を確認します。

包括遺贈がある場合、包括受遺者と取得割合を確認します。

②遺産分割協議が必要なら参加者を確定する

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得して、相続人を確定します。

遺言書で包括遺贈がある場合、包括受遺者を確認します。

遺産分割協議が必要な場合、参加が必要な人全員で合意をします。

③相続手続は相続手続先に確認

遺産分割協議を成立させた後、引き継ぐ財産に合わせて相続手続をします。

引き継ぐ財産に合わせて、相続手続の方法や必要書類を確認します。

4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

包括遺贈を受けた人がいる場合、相続人の他に包括遺贈を受けた人も遺産分割協議に参加します。

相続財産の分け方は、相続人や包括遺贈を受けた人全員で合意する必要があります。

相続人や包括遺贈を受けた人全員でない場合は、無効になります。

相続人や包括遺贈を受けた人以外の人を含めて合意をした場合も無効になります。

遺言書の書き方によっては、法律知識がない人が読むと包括遺贈なのか特定遺贈なのか判断しにくい場合があります。

遺言者が専門家のサポートなしで遺言書を書いた場合、あいまいな記載が起こりがちです。

単なる、相続財産の分け方の話し合いですらまとまりにくいものです。

包括遺贈を受けた人がいる場合、多くは、家族以外の人でしょう。

家族以外の関係性が薄い人がいる場合、相続財産の分け方はいっそう合意が難しくなります。

このような場合、専門家のサポートが必要になるでしょう。

合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。

つまり、書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。

せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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