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相続土地国庫帰属制度とは

2023-02-27

1相続土地国庫帰属制度とは

相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度ができました。

相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。

相続土地国庫帰属制度は、令和5年4月27日からスタートします。

望まないで不動産を所有している場合、管理が負担になりがちです。

管理負担の重さから、適切な管理ができなくなり不動産が荒廃します。

適切な相続登記がされず、所有者不明土地の対策になると期待されています。

2相続土地国庫帰属制度を利用できる人とは

相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。

だれでも利用できるわけではありません。

相続土地国庫帰属制度を利用できるのは、土地を相続で取得した人です。

法定相続人が土地を遺贈で取得した場合は、相続土地国庫帰属制度を利用できます。

相続土地国庫帰属制度が始まる前に相続した人であっても、制度を利用することができます。

3相続土地国庫帰属制度を利用できる土地とは

相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。

国に引き取ってもらえるのは、土地だけです。

建物は、引き取ってもらえません。

宅地や雑種地だけでなく、山林、原野や農地を引き取ってもらうことができます。

農地の取引には、通常、農業委員会の許可等が必要になります。

相続土地国庫帰属制度を利用する場合、農業委員会の許可等は不要です。

土地であればどんな土地でも引き取ってもらえるわけではありません。

相続で取得した土地だけです。

法定相続人が遺贈で取得した土地は、相続土地国庫帰属制度を利用できます。

売買や贈与で取得した土地は、引き取ってもらうことができません。

原野商法の被害を受けて所有している土地は、引き取ってもらうことができません。

被相続人が原野商法の被害を受けて所有していた土地は、相続人が相続した後に、引き取ってもらうことができます。

4相続土地国庫帰属制度で門前払いになる土地とは

次の土地は、国に引き取ってもらうことはできません。

①建物がある土地

②担保権や利用権がある土地

③他人が利用する土地

④土壌汚染など有害物質がある土地

⑤境界不明の土地

5相続土地国庫帰属制度の審査で引き取ってもらえない土地とは

次の土地は、審査のうえで承認してもらうことはできません。

①崖地

②工作物、車両、樹木がある土地

③地下にある有体物の除去が必要な土地

④袋地、不法占拠者がいる土地

⑤管理に費用や労力が多くかかる土地

(1)災害の危険がある土地

(2)害獣などが生息している土地

(3)森林整備が必要な土地

(4)国に金銭負担が発生する土地

(5)所有者が負担すべき債務を国が負担することになる土地

6相続土地国庫帰属の承認申請書の注意点

①提出先は土地の所在地の法務局本局のみ

相続土地国庫帰属制度の利用を希望する場合、相続土地国庫帰属の承認申請書を提出します。

提出先は、土地が所在する法務局本局の国庫帰属申請窓口です。

法務局の出張所や支局に提出することはできません。

②相続土地国庫帰属の承認申請書は自分で作成

相続土地国庫帰属の承認申請書は専用の様式があるわけではありません。

相続土地国庫帰属の承認申請書は、自分で作成する必要があります。

自分で作る代わりに、弁護士、司法書士、行政書士に作成してもらうことができます。

申請代理人になることができるのは、法定代理人のみです。

法定代理人とは、親権者、未成年後見人、成年後見人などです。

弁護士、司法書士、行政書士であっても、申請代理人になることはできません。

③相続土地国庫帰属の承認申請書は郵送提出ができる

相続土地国庫帰属の承認申請書は、窓口に出向いて提出することもできるし郵送で提出することもできます。

郵送で提出する場合は、書留郵便かレターパックプラスにします。

表書きに「国庫帰属申請書在中」などと記載して、相続土地国庫帰属の承認申請書であることが分かるようにします。

本人が相続土地国庫帰属の承認申請書を作成し実印を押印した場合、家族が使者として法務局の窓口に持っていって提出することができます。

家族が使者として法務局の窓口に持っていった場合、申請書の補正はできません。

④相続土地国庫帰属の承認申請書には手数料がかかる

相続土地国庫帰属の承認申請には、手数料がかかります。

手数料は、収入印紙で納入します。

収入印紙は、法務局が割印をします。

申請者は貼るだけで、割印はしません。

相続土地国庫帰属の承認申請書を取り下げた場合であっても却下や不承認になった場合でも、手数料は返してもらえません。

7相続土地国庫帰属の承認申請書の添付書類

添付書類のうち印鑑証明書以外の書類は、原本還付してもらうことができます。

原本還付を希望する場合、書類のコピーを一緒に提出します。

書類のコピーに「原本に相違ありません」と記載する必要があります。

相続土地国庫帰属の承認申請書の添付書類は、次のとおりです。

①土地の位置及び範囲を明らかにする図面

国土地理院地図や登記所備付地図等に、申請者が認識している土地の範囲をマーキングする方法で作成します。

②隣接する土地との境界点を明らかにする写真

①の土地の図面に境界点の場所を記載して、境界点の写真を添付します。

どの境界点の写真であるか分かるように写真に番号を付けて①の土地の図面に記載します。

境界点に目印がない場合、ポール、プレートなどで目印を設置して写真を取ります。

現地調査で確認してもらうためです。

③土地の形状を明らかにする写真

近景と遠景の写真を添付します。

建物や工作物の有無が分かるように、複数の写真を添付します。

④印鑑証明書

印鑑証明書の期限はありません。

印鑑証明書は、原本還付をしてもらうことはできません。

⑤相続人が遺贈を受けたことを証する書面

⑥土地の所有権登記名義人(表題部所有者)から相続又は一般承継があったことを証する書面

登記名義人と申請人が異なる場合に必要になります。

⑦固定資産税評価額証明書(任意)

⑧承認申請土地の境界等に関する資料(任意)

8承認された土地だけ国に引き取ってもらえる

①国に引き取ってもらうために審査がある

法務局は、相続土地国庫帰属の承認申請書を受け付けたら書面審査をします。

相続土地国庫帰属制度で門前払いになる土地に該当した場合、却下になります。

書面審査を通過したら、実地調査をします。

申請者に実地調査の同行を求められる場合があります。

相続土地国庫帰属制度の審査で引き取ってもらえない土地に該当した場合、不承認になります。

承認された土地だけ国に引き取ってもらえます。

②審査にかかる期間は半年~1年程

相続土地国庫帰属制度の標準審査期間は、半年~1年程です。

相続土地国庫帰属制度の審査期間中に申請人が死亡した場合、申請者の地位を承継することができます。

申請者の地位を承継する申出は、相続があった日から60日間です。

申請者の地位を承継する申出には、相続があったことが分かる書類が必要です。

申請者の地位を承継する申出がない場合、申請は却下されます。

③承認になったら負担金を納めなければならない

相続土地国庫帰属制度で国が引き取ってくれる場合、負担金を納付しなければなりません。

負担金は、土地管理費の10年分相当額とされています。

法務省のホームページに計算シートが掲載されています。

相続土地国庫帰属の承認がされた場合、負担金は30日以内に納入しなければなりません。

負担金が30日以内に納入されない場合、相続土地国庫帰属の承認は失効します。

隣接する複数の土地が同じ区分の土地の場合、一つの土地として負担金の計算をしてもらうことができます。

一つの土地として負担金の計算をしてもらうためには、合算負担金申出書を提出する必要があります。

合算負担金申出書を提出できるのは、申請書提出から承認がされるまでの間です。

9相続土地国庫帰属制度の利用を司法書士に依頼するメリット

相続土地国庫帰属制度を利用した場合、負担の重い土地を国に引き取ってもらうことができます。

管理負担から解放される選択肢が増えたと言えるでしょう。

一方で、相続土地国庫帰属制度を利用できる土地には、条件があります。

他に相続する人がいるのであれば、相続放棄をした方がいいかもしれません。

だれも相続したがらない場合、不動産の押し付け合いになりがちです。

相続人全員が相続放棄をした場合、相続財産管理人が選任されるまで管理義務があります。

家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらうには、予納金の納付が必要です。

予納金は、100万円以上になる場合があります。

どのような選択をするのがいいのかは、ケースバイケースと言えます。

スムーズに相続手続を進めたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

貸したお金と抵当権を相続

2022-12-05

1被相続人が貸したお金は相続財産

マイホームを購入したときに、銀行などから融資を受けることがあるでしょう。

お金の貸し借りというと、銀行などの金融機関でローンを組むことをイメージするかもしれません。

銀行などの金融機関からお金を借りるだけでなく、個人間でお金の貸し借りをすることがあります。

個人間でお金を借りることも、個人間でお金を貸してあげることもあるでしょう。

被相続人がお金の貸し借りをしているケースがあります。

第三者にお金を貸している場合、お金を借りた人から貸したお金を返してもらう権利があります。

被相続人がお金を貸していた場合、被相続人はお金を返してもらう権利を持っていたはずです。

お金を貸した人に相続が発生した場合、貸したお金を返してもらう権利は相続財産になります。

貸したお金を返してもらう権利は相続財産として、相続人に相続されます。

お金を貸した人が死亡した場合に、借金が消えてなくなることはありません。

相続人は、貸したお金を返してもらう権利を相続しますから、お金を借りた人に対して、貸したお金を返すように請求することができます。

2抵当権は相続財産

第三者に対してまとまった額を貸してあげる場合、借金の返済が滞ったときに備えて、不動産を担保に取ります。

返済が滞ったときに備えて、担保にする権利を抵当権と言います。

お金を貸した人を債権者と言います。

担保に取った人を抵当権者と言います。

お金を貸した人が担保に取りますから、債権者は抵当権者です。

貸したお金を返してもらう権利は相続財産として、相続人に相続されます。

担保にする権利は相続財産として、相続人に相続されます。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利です。

具体的には、借金の返済が滞った場合、担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらうことができます。

担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらう権利が相続されます。

お金を貸した人が死亡した場合に、担保に取る権利が消えてなくなることはありません。

担保に取る権利は借金が滞ったときの備えですから、借金が消えるときまで一緒についています。

貸金債権と抵当権は、抵当権者(債権者)の財産です。

貸金債権と抵当権は、抵当権者(債権者)のプラスの財産のひとつとして、抵当権者(債権者)の相続人に受け継がれます。

原則として、貸金債権と抵当権は一緒についていくことになります。

3被相続人が貸したお金を相続人が返してもらうことができる

①まずは遺産分割協議

貸金債権と抵当権は、相続財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員で話し合いによる合意が不可欠です。

貸金債権と抵当権を、だれが引き継ぐのか決めましょう。

貸金債権と抵当権を相続する人の合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。

②債権者が死亡しても時効は進行する

お金を貸した人が死亡した場合、生きているときと同様に時効は進行します。

時効期間が経過すると、お金を借りていた人は時効を援用することができます。

債務者が時効を援用した場合、貸したお金を返してもらうことができなくなります。

時効が完成しないようにするために、時効中断する必要があります。

時効中断の代表例は、債務者に対して、お金を返してくださいと請求することです。

単に、お手紙などでお金を返してくださいと請求した場合、6か月以内に裁判などの強力な手続をしなければなりません。

6か月以内に裁判などの強力な手続をした場合、時効は中断します。

時効が中断した場合、今まで経過した期間が無効になります。

今まで経過した期間が無効になったら、あらためて、時効が進行します。

③相続人が請求すると債務者からあやしまれる

個人間でお金の貸し借りをする場合、親しい関係の人であることが多いでしょう。

お金を貸した人とは親しい間柄だったとしても、お金を貸した人の相続人と面識がないことがあります。

被相続人が貸したお金は、相続人が返してもらうことができます。

お金を貸した人の相続人と面識がない場合、被相続人が貸したお金を返して欲しいと言われても戸惑うでしょう。

本当にお金を貸してくれた人の相続人なのか、不安になります。

お金を貸した人が死亡した後、無関係の人なのに相続人と称して、被相続人が貸したお金を返して欲しいと要求するケースがあるからです。

本当は無関係の人なのに、借りたお金を返すつもりで安易にお金を支払った場合、返済したとは認められません。

本当の相続人から被相続人が貸したお金を返して欲しいと請求された場合、あらためて、返済しなければなりません。

お金を返済する人が安易にお金を支払った場合、二重払いをしなければなりません。

借りたお金を返すつもりで無関係の人に支払ったお金は、ほとんどの場合、返ってこないでしょう。

④債務者は弁済供託をすることができる

お金を返す人は、誠実に借りたお金を返したいと思っているでしょう。

次々と相続人と称する人が現れて被相続人が貸したお金を返して欲しいと要求するケースがあります。

だれもが自分こそは本当の相続人であると称するから、困ってしまいます。

本当は無関係の人なのに、借りたお金を返すつもりで安易にお金を支払った場合、返済したとは認められません。

まとまったお金の貸し借りの場合、利息を付ける約束をしているでしょう。

返済期限に返済できなかった場合、遅延損害金も支払わなければなりません。

誠実に借りたお金を返したいと思っている誠実な債務者のため、一定条件の下で法務局にお金を預けることができます。

法務局にお金を預けた場合、お金を返したと扱われます。

法務局にお金を預けることを、弁済供託と言います。

弁済供託ができるのは次のとおりです。

(1)受領拒否:債権者が受け取りをしてくれないとき

(2)不受領意思が明確:債権者が受け取りをしない意思を明確にしているとき

(3)債権者不確知:債権者がだれか分からないとき

(4)受領不能:債権者が受け取りができないとき

次々と相続人と称する人が現れた場合であれば、債権者不確知を理由として、弁済供託をすることができます。

お金を返したと扱われますから、二重払いや利息、遅延損害金の心配がなくなります。

供託した後は、被相続人が貸したお金を返して欲しいと言われても応じる必要はありません。

被相続人が貸したお金を返したと扱われるからです。

本当の債権者であれば、法務局に対してその事実を証明して供託したお金を払ってもらうことができます。

4抵当権が消えるのは借りたお金を完済したとき

抵当権は、返済が滞ったときに備えて、担保にする権利です。

貸したお金が返し終わるまで、いつ返済が滞るか分かりません。

抵当権は、原則として、貸したお金を返し終わるまで消えません。

貸したお金が相続人に相続された場合、抵当権も一緒に相続人に相続されます。

抵当権が相続されても、抵当権の登記は自動で移転することはありません。

抵当権の相続登記が必要です。

抵当権が消滅する前に相続が発生していますから、抵当権の相続登記が必要になります。

抵当権の相続登記は、所有権の相続登記と同様に、相続人の単独申請です。

借りたお金を完済した場合、借金が消滅します。

借金が消滅した場合、抵当権は一緒に消滅します。

借金が相続された後に借金を完済した場合、抵当権の相続登記を省略することはできません。

抵当権は、被相続人→相続人→消滅になったからです。

実体のない登記を認めた場合、登記制度への信頼が失墜します。

このようなことは許されません。

抵当権の相続登記をした後、抵当権抹消登記を申請します。

抵当権抹消登記は、抵当権者になった相続人と不動産の所有者の共同申請です。

5抵当権抹消登記はすみやかに

わざわざ抵当権付き不動産を買う人はいません。

不動産を売却するときになって抵当権がついたままになっていることに気がつきます。

おそらく借金の返済が終わったことで安心したのでしょう。

安心して抵当権の登記がついたままであることを忘れてしまったのでしょう。

借金がすべて返済されれば、抵当権は消滅します。

抵当権が消滅しても、抵当権の登記は自動で消滅することはありません。

法務局が自動で消してくれることもありません。

担保に取った人と担保に差し出した人が一緒に、法務局に抵当権を消す申請しなければ、抵当権の登記は登記簿に残り続けます。

抵当権は、返済が滞ったときに備えて、担保にする権利です。

返済が滞ったら、抵当権者は不動産を売り払って、借金の返済に充てることができます。

このような権利が付いた不動産は、いつ抵当権者が現れて売り払われるか分からないので、怖くて売買できません。

借金の返済が終わった後、すみやかに抵当権抹消登記をしておかないと手間と時間が余計にかかります。

借金の返済が終わったのか終わっていないのか事実関係が分からなくなるからです。

借金の返済が終わったはずであっても、証拠を用意できないこともあります。

事情を知らない相続人がいる場合、抵当権抹消に協力してくれない可能性もあります。

相続人が行方不明になって連絡が取れないこともあります。

抵当権抹消登記に協力しない相続人がいた場合、裁判を起こして判決をとる必要があります。

長期間経過するほど、難易度は上がります。

抵当権消滅登記はすみやかに済ませましょう。

6抵当権移転登記と抵当権抹消登記を司法書士に依頼するメリット

借金の返済が終わると、ほっとします。

抵当権の抹消登記は多少遅くなっても特段の不都合がないから、多忙にまぎれがちです。

不動産を売却したり、相続が発生したときに気がつくことが多いです。

借金返済が完了してから長期間経過すると、事実関係が確認できなくなったり、関係者と連絡が取れなくなったり、連絡を無視されたりします。

通常の抵当権抹消登記は、司法書士であれば難しい手続ではありません。

借金返済が完了してから長期間経過すると、関係者の協力を得るのが難しくなりがちです。

関係者の協力を得られない場合、裁判所の助力が必要になります。

抵当権の抹消登記を先延ばしした代償は、非常に高くつきます。

抵当権消滅登記はすみやかに済ませましょう。

スムーズに登記を完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

抵当権付き不動産を相続

2022-11-21

1抵当権付き不動産は相続財産

マイホームを購入したときに、銀行などから融資を受けることがあるでしょう。

ローンの返済が滞ったときに備えて、銀行は不動産を担保にします。

返済が滞ったときに備えて、担保にする権利を抵当権と言います。

銀行だけでなく、個人間でお金の貸し借りをすることがあります。

まとまった額の貸し借りになると、不動産を担保に取ります。

担保に取った人を抵当権者と言います。

担保に差し出した人を抵当権設定者と言います。

お金を貸した人という意味では、抵当権者は債権者です。

お金を借りた人が自分の不動産を担保に差し出すこともあるし、お金を借りた第三者のために自分の不動産を担保に差し出すこともあります。

抵当権付き不動産は被相続人の財産だから、相続財産になります。

お金を借りたのが被相続人の場合、借金は相続財産になります。

抵当権付き不動産の所有者に相続が発生しても、抵当権は消えません。

お金を借りた人に相続が発生しても、借金は消えません。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利です。

原則として、借金と抵当権は一緒についていくことになります。

具体的には、借金の返済が滞った場合、担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらうことができます。

相続が発生した後は、抵当権者が担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらう義務が受け継がれます。

2 抵当権は登記されている

被相続人の財産に抵当権がついている場合、借金の内容を確認しましょう。

抵当権がついている場合、抵当権の登記がされています。

登記簿謄本を取得すれば、大まかな内容を確認することができます。

登記簿謄本は、法務局で手続をすればだれでも見ることができます。

多くの場合、お金を貸した人が不動産を担保に取ったときに抵当権の登記をします。

抵当権の登記は、借りたお金の金額が登記されます。

借りたお金は、時間が経つと利子がつきます。

借金が膨れ上がっているかもしれません。

借りたお金を返していたら、借金は少なくなっているかもしれません。

借金の詳しい内容は、お金を貸した人に確認します。

お金を貸した人は抵当権者ですから、登記簿謄本に書いてあります。

3まずは遺産分割協議

①借金が完済になる場合

お金を借りた人は債務者ですから、登記簿謄本に書いてあります。

被相続人が住宅ローンを組んでいて、かつ、団体信用生命保険に加入している場合、住宅ローンの残りは保険金で完済されます。

住宅ローンが完済される場合、借金のことは心配せずに相続財産の分け方の話し合いをすることができます。

団体信用生命保険に加入していたか分からない場合、金融機関に確認することができます。

②被相続人が借金をしていた場合

被相続人の借金は、マイナスの財産として相続財産になります。

相続財産だから相続人全員の話し合いで、借金の分け方を決めることができます。

相続人全員で借金の分け方を決めた場合であっても、お金を貸した人は相続人全員に対して法定相続分で借金の返済を求めることができます。

相続人全員の話し合いで、借金の分け方を決めた場合、合意内容は相続人間の内部的な合意に過ぎないからです。

お金を貸した人には関係ない話だからです。

抵当権付き不動産は、プラスの財産として相続財産になります。

相続財産だから相続人全員の話し合いで、抵当権付き不動産の分け方を決めることができます。

一部の相続人が不動産を相続する場合であっても、抵当権は消えません。

借金を相続する相続人と不動産を相続する相続人が違う場合があります。

借金と不動産を別々の相続人が相続する場合であっても、抵当権は消えません。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利だからです。

借金を相続した相続人が返済を滞らせた場合、お金を貸した人は抵当権を実行することができます。

抵当権を実行するとは、担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらうことです。

借金を相続した相続人と別の人が抵当権付き不動産を相続した場合であっても、担保に取った不動産を競売にかけることができます。

③第三者が借金をしていた場合

被相続人が第三者に頼まれて、自分の財産を第三者のために担保に差し出した場合があります。

借金は、第三者がしたものなので相続とは関係ありません。

相続人は、抵当権付き不動産の分け方だけを合意します。

自分の不動産を担保に差し出した人が死亡しても、抵当権は消えません。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利だからです。

借金をした人が返済を滞らせた場合、お金を貸した人は抵当権を実行することができます。

担保に取った不動産を競売にかけることができます。

不動産を競売にかけるから、抵当権付き不動産の所有者は所有権を失います。

所有権を失った場合、抵当権者に対して優先的に支払われた金額分を借金をした人に対して請求することができます。

借金をした人は、抵当権者に対して優先的に支払われた金額分を支払わなければなりません。

多くの場合、優先的に支払われた金額分を借金をした人が支払うことは困難でしょう。

優先的に支払われた金額分を支払うことができるのであれば、借金の返済を滞らせることがないからです。

抵当権付き不動産の分け方を合意する場合、このような事情を相続人全員が考慮する必要があります。

4抵当権の登記を消すためには申請が必要

抵当権は、借金を完済すれば消滅します。

抵当権が消滅しても、抵当権の登記は自動で消えることはありません。

法務局は、借金が完済されたかどうか分からないからです。

銀行などが自動で手続してくれることもほとんどありません。

抵当権を抹消する登記は、申請する必要があります。

借金を完済すると、ほっとします。

ほっとして、抵当権抹消登記を先延ばしすることがあります。

被相続人が借金を完済した後、抵当権抹消登記を先延ばししていた場合があります。

抵当権抹消登記を先延ばししていると、借金を完済した事実があいまいになりがちです。

抵当権抹消登記は、不動産の所有者を権利者、抵当権者を義務者とする共同申請です。

原則として、抵当権者の協力がないと抵当権抹消登記の申請はできません。

抵当権抹消登記を先延ばししていると、抵当権者の協力が得られなくなるかもしれません。

借金を完済した事実を証明できなくなるかもしれません。

完済した直後の抵当権抹消登記は、登記手続の中では、難しいものではありません。

完済した後、長期間経過すると、時間も手間もかかる難易度の高い手続になります。

借金を完済したら、すみやかに抵当権抹消の手続きをしましょう。

5抵当権付き不動産の相続を司法書士に依頼するメリット

借金の返済が終わると、ほっとします。

抵当権の抹消登記は多少遅くなっても特段の不都合がないから、多忙にまぎれがちです。

不動産を売却したり、相続が発生したときに気がつくことが多いです。

借金返済が完了してから長期間経過すると、事実関係が確認できなくなったり、関係者と連絡が取れなくなったり、連絡を無視されたりします。

通常の抵当権抹消登記は、司法書士であれば難しい手続ではありません。

借金返済が完了してから長期間経過すると、関係者の協力を得るのが難しくなりがちです。

関係者の協力を得られない場合、裁判所の助力が必要になります。

抵当権の抹消登記を先延ばしした代償は、非常に高くつきます。

抵当権消滅登記はすみやかに済ませましょう。

スムーズに登記を完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

借地権付き建物を相続

2022-10-05

1借地権は相続財産

被相続人がマイホームを持っている場合、土地は被相続人が所有しているケースと土地は借りているケースがあります。

被相続人が土地を借りてマイホームを持っている場合、土地を借りる権利、土地を使う権利があると言えます。

土地の上に建物を所有する目的で、土地を使う権利や土地を借りる権利のことを借地権と言います。

建物を所有する目的があるときだけ、借地権です。

更地で、資材置き場として使う目的や青空駐車場として使う目的の場合、土地を使う権利があったとしても、借地権とは言いません。

借地権は、法律的に言うと、賃借権の場合と地上権の場合があります。

賃借権は土地を借りて使う権利、地上権は土地を使う権利です。

地上権は、賃借権と比べると使う人の権利が強く保護されている権利です。

一般的には、借地権のほとんどは賃借権です。

借地権は、普通借地権と定期借地権があります。

被相続人がマイホームと借地権を持っていた場合、マイホームと借地権は相続財産になります。

2借地権には普通借地権と定期借地権がある

①普通借地権

契約で期限を定めておいても、自動的に借地契約が更新される契約です。

地主側に土地を返してもらう正当な理由がある場合だけ、土地の返還を請求できます。

土地を返してもらう正当な理由を認められるのは非常に限られた場合だけです。

借地人が望む場合、半永久的に借りることができます。

契約終了になったら、地主に建物の買取請求をすることができます。

②定期借地権

定期借地契約は50年以上の期間を決めて土地を利用することができる契約です。

契約更新はできないし、存続期間の延長はできません。

契約終了になっても、建物買取請求をすることはできません。

定期借地契約が終了したら、建物を取り壊して、土地を更地にして地主に返さなければなりません。

3借地権の相続に地主の承諾不要

マイホームなどの建物は被相続人の所有していたものなので、相続人全員で分け方の合意をすれば遺産分割をすることができます。

一般的に、賃借権をだれかに譲渡する場合やだれかに又貸しする場合、地主の承諾が必要になります。

多くの場合、地主の承諾を得るために、承諾料の支払が必要になります。

借地権を相続する場合、地主の承諾は必要ありません。

相続は被相続人の死亡という事実によって発生するものなので、地主といえども承諾の余地がないからです。

地主の承諾の余地がないから、承諾料の支払も必要ありません。

相続財産の分け方について、相続人全員で合意した結果、一部の相続人が相続することになることもあるでしょう。

一部の相続人が相続することになったとしても、地主の承諾は不要ですし、承諾料の支払も不要です。

一部の相続人が相続する合意をした場合であっても、相続によって受け継ぐことに変わりはないからです。

賃借権の相続にあたっては地主の承諾が不要であることを知らずに、当然のことのように承諾料を請求してくることがあります。

地主の承諾不要なのですから、承諾料の支払も不要です。

被相続人のマイホームであったとしても、相続人はそれぞれ自分の自宅があったり、遠方に住んでいる場合もあるでしょう。

建物に住まないのなら土地を明け渡して欲しいと請求してくる場合があります。

このような請求に応じる必要もありません。

被相続人の権利をそのまま受け継ぐものなので、相続が発生したからといって明渡を請求できるものではないからです。

地上権をだれかに譲渡する場合やだれかに又貸しする場合、賃借権と違い、地主の承諾が不要です。

地上権を相続する場合も、地主の承諾は不要です。

地主には相続したことを伝えておくだけでいいでしょう。

4借地権付き建物の相続登記

①登記された建物の相続の場合

相続財産の分け方について、相続人全員の話し合いによる合意ができたら、合意内容を遺産分割協議書に取りまとめます。

借地権と建物があるので、それぞれ忘れずに記載しましょう。

書類ができたら、通常どおり相続登記をします。

めったにありませんが、借地権が地上権であれば一緒に登記されているでしょう。

建物の相続登記をするとき、地上権も一緒に相続登記をするといいでしょう。

一般的に言って、借地権が賃借権の場合、登記されていることはめったにありません。

賃借権は希望すれば登記する制度がありますが、ほとんどの場合、地主が登記に協力しないからです。

登記されていない賃借権が借地権である場合、建物の登記があれば借地権も登記してあるものと同じ効力があります。

②未登記建物の相続の場合

建物の中には登記されていないものがあります。

登記がされていなくても、被相続人のものであれば、相続財産になります。

相続財産なので、相続人全員で分け方の合意をすれば遺産分割をすることができます。

未登記建物と登記されていない借地権を相続する場合、登記がない状態で相続することになります。

この状態で、地主が第三者に土地を売却した場合、土地の買主が土地の明渡を請求してくる心配があります。

この場合、借地権があっても登記がないので、明渡に応じなければなりません。

土地の買主に、借地権があるから出ていきたくないなどと文句を言うことはできません。

この点、登記された建物を所有している場合は、土地に買主に借地権があるから明け渡しには応じないと言うことができます。

建物の登記があれば借地権も登記してあるものと同じ効力があるからです。

土地の買主が現れて、土地の明渡を請求してくる前に建物の登記をした方がいいでしょう。

5借地権が定期借地権の場合

被相続人がマイホームと借地権を持っていた場合、マイホームと借地権は相続財産になります。

借地権が定期借地権である場合も、相続財産になります。

相続人は、被相続が地主と契約した内容を引き継ぐことになります。

定期借地契約は、原則として、解約することができません。

一方的な解約を認めてしまうと、貸主は予定していた賃料が得られなくなるし、借主はせっかく建てた建物を取り壊して明渡をする必要があるからです。

解約が認められるのは、地震や火災などで建物がなくなってしまった場合などごく限られた場合のみです。

地主が解約に応じてくれるのであれば解約できます。

予定していた賃料と残った契約期間を考えて相応の違約金を払うことになるでしょう。

原則として解約できませんから、相続人は別の場所に住んでいたとしても、契約で定められた地代を支払わなければなりません。

契約終了になったら、取壊し費用を負担して建物を取壊して、更地にして返さなければなりません。

このような負担を考えると、定期借地権付き建物を売却したいと思うでしょう。

法律上、定期借地権付き建物を売ることはできます。

法律上、売ることはできますが、買いたい人がいて売れるかというのは別問題です。

定期借地権付き建物を売却したら、買主が契約終了になったら、取壊し費用を負担して建物を取壊して、更地にして返さなければなりません。

このような負担をしてでも、買いたい人はあまりいないでしょう。

さらに、このような負担のある建物に対して銀行などの金融機関は財産価値をあまり認めていません。

買いたい人が見つかったとしても、銀行のローンが通りにくいものです。

ローンがなくても買える人でないと、定期借地権付き建物を買えません。

賃借権をだれかに譲渡する場合やだれかに又貸しする場合、地主の承諾が必要になります。

借地権が定期借地権であっても、賃借権であれば地主の承諾が必要です。

定期借地権付き建物を売却したら、地主に承諾をもらわなければなりません。

地主としても、定期借地権付き建物の買主がきちんと地代を払ってくれる人でないと承諾はできないでしょう。

さらに、譲渡承諾料も負担しなければなりません。

6負担が重いのであれば相続放棄も

被相続人に多額の借金がある場合、相続放棄を検討します。

家庭裁判所で相続放棄を認めてもらったら、相続人でなくなります。

相続人でなくなれば、多額の借金も賃借権も相続することはなくなります。

相続していないので、借金も地代も支払う必要がありませんし、賃貸借契約を解除する必要がありません。

地主から土地を明け渡して欲しいと請求されることがありますが、建物を取壊しをしてはいけません。

建物を処分したことになりますから、相続放棄が無効になります。

相続放棄をした人も、他の人が管理するまで適切に管理する必要があります。

物件を放置して周りの人に迷惑をかけてしまったら、損害賠償請求される可能性があります。

必要であれば、家庭裁判所に相続財産管理人を選んでもらうように申立をすることも考えましょう。

7借地権付き建物の相続を司法書士に依頼するメリット

相続財産の分け方は、相続人全員で合意する必要があります。

相続人全員で話し合いによる合意は、トラブルが起きやすいものです。

相続は、相続人間だけでトラブルが起きるのではありません。

借地に建物を所有している場合、地主が関係します。

相続をきっかけに、譲渡承諾料を請求してくることがあります。

相続を理由に、契約内容をうやむやにすることもあります。

意図的でないにしてもトラブルに巻き込まれがちです。

司法書士は単なる登記の書類を書いているだけではありません。

法律の知識があれば防げるトラブルは多いです。

相続が発生してから、相続人は相続手続に追われてへとへとになっているでしょう。

スムーズに相続手続を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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