抵当権付き不動産を相続

1抵当権付き不動産は相続財産

マイホームを購入したときに、銀行などから融資を受けることがあるでしょう。

ローンの返済が滞ったときに備えて、銀行は不動産を担保にします。

返済が滞ったときに備えて、担保にする権利を抵当権と言います。

銀行だけでなく、個人間でお金の貸し借りをすることがあります。

まとまった額の貸し借りになると、不動産を担保に取ります。

担保に取った人を抵当権者と言います。

担保に差し出した人を抵当権設定者と言います。

お金を貸した人という意味では、抵当権者は債権者です。

お金を借りた人が自分の不動産を担保に差し出すこともあるし、お金を借りた第三者のために自分の不動産を担保に差し出すこともあります。

抵当権付き不動産は被相続人の財産だから、相続財産になります。

お金を借りたのが被相続人の場合、借金は相続財産になります。

抵当権付き不動産の所有者に相続が発生しても、抵当権は消えません。

お金を借りた人に相続が発生しても、借金は消えません。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利です。

原則として、借金と抵当権は一緒についていくことになります。

具体的には、借金の返済が滞った場合、担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらうことができます。

相続が発生した後は、抵当権者が担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらう義務が受け継がれます。

2 抵当権は登記されている

被相続人の財産に抵当権がついている場合、借金の内容を確認しましょう。

抵当権がついている場合、抵当権の登記がされています。

登記簿謄本を取得すれば、大まかな内容を確認することができます。

登記簿謄本は、法務局で手続をすればだれでも見ることができます。

多くの場合、お金を貸した人が不動産を担保に取ったときに抵当権の登記をします。

抵当権の登記は、借りたお金の金額が登記されます。

借りたお金は、時間が経つと利子がつきます。

借金が膨れ上がっているかもしれません。

借りたお金を返していたら、借金は少なくなっているかもしれません。

借金の詳しい内容は、お金を貸した人に確認します。

お金を貸した人は抵当権者ですから、登記簿謄本に書いてあります。

3まずは遺産分割協議

①借金が完済になる場合

お金を借りた人は債務者ですから、登記簿謄本に書いてあります。

被相続人が住宅ローンを組んでいて、かつ、団体信用生命保険に加入している場合、住宅ローンの残りは保険金で完済されます。

住宅ローンが完済される場合、借金のことは心配せずに相続財産の分け方の話し合いをすることができます。

団体信用生命保険に加入していたか分からない場合、金融機関に確認することができます。

②被相続人が借金をしていた場合

被相続人の借金は、マイナスの財産として相続財産になります。

相続財産だから相続人全員の話し合いで、借金の分け方を決めることができます。

相続人全員で借金の分け方を決めた場合であっても、お金を貸した人は相続人全員に対して法定相続分で借金の返済を求めることができます。

相続人全員の話し合いで、借金の分け方を決めた場合、合意内容は相続人間の内部的な合意に過ぎないからです。

お金を貸した人には関係ない話だからです。

抵当権付き不動産は、プラスの財産として相続財産になります。

相続財産だから相続人全員の話し合いで、抵当権付き不動産の分け方を決めることができます。

一部の相続人が不動産を相続する場合であっても、抵当権は消えません。

借金を相続する相続人と不動産を相続する相続人が違う場合があります。

借金と不動産を別々の相続人が相続する場合であっても、抵当権は消えません。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利だからです。

借金を相続した相続人が返済を滞らせた場合、お金を貸した人は抵当権を実行することができます。

抵当権を実行するとは、担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらうことです。

借金を相続した相続人と別の人が抵当権付き不動産を相続した場合であっても、担保に取った不動産を競売にかけることができます。

③第三者が借金をしていた場合

被相続人が第三者に頼まれて、自分の財産を第三者のために担保に差し出した場合があります。

借金は、第三者がしたものなので相続とは関係ありません。

相続人は、抵当権付き不動産の分け方だけを合意します。

自分の不動産を担保に差し出した人が死亡しても、抵当権は消えません。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利だからです。

借金をした人が返済を滞らせた場合、お金を貸した人は抵当権を実行することができます。

担保に取った不動産を競売にかけることができます。

不動産を競売にかけるから、抵当権付き不動産の所有者は所有権を失います。

所有権を失った場合、抵当権者に対して優先的に支払われた金額分を借金をした人に対して請求することができます。

借金をした人は、抵当権者に対して優先的に支払われた金額分を支払わなければなりません。

多くの場合、優先的に支払われた金額分を借金をした人が支払うことは困難でしょう。

優先的に支払われた金額分を支払うことができるのであれば、借金の返済を滞らせることがないからです。

抵当権付き不動産の分け方を合意する場合、このような事情を相続人全員が考慮する必要があります。

4抵当権の登記を消すためには申請が必要

抵当権は、借金を完済すれば消滅します。

抵当権が消滅しても、抵当権の登記は自動で消えることはありません。

法務局は、借金が完済されたかどうか分からないからです。

銀行などが自動で手続してくれることもほとんどありません。

抵当権を抹消する登記は、申請する必要があります。

借金を完済すると、ほっとします。

ほっとして、抵当権抹消登記を先延ばしすることがあります。

被相続人が借金を完済した後、抵当権抹消登記を先延ばししていた場合があります。

抵当権抹消登記を先延ばししていると、借金を完済した事実があいまいになりがちです。

抵当権抹消登記は、不動産の所有者を権利者、抵当権者を義務者とする共同申請です。

原則として、抵当権者の協力がないと抵当権抹消登記の申請はできません。

抵当権抹消登記を先延ばししていると、抵当権者の協力が得られなくなるかもしれません。

借金を完済した事実を証明できなくなるかもしれません。

完済した直後の抵当権抹消登記は、登記手続の中では、難しいものではありません。

完済した後、長期間経過すると、時間も手間もかかる難易度の高い手続になります。

借金を完済したら、すみやかに抵当権抹消の手続きをしましょう。

5抵当権付き不動産の相続を司法書士に依頼するメリット

借金の返済が終わると、ほっとします。

抵当権の抹消登記は多少遅くなっても特段の不都合がないから、多忙にまぎれがちです。

不動産を売却したり、相続が発生したときに気がつくことが多いです。

借金返済が完了してから長期間経過すると、事実関係が確認できなくなったり、関係者と連絡が取れなくなったり、連絡を無視されたりします。

通常の抵当権抹消登記は、司法書士であれば難しい手続ではありません。

借金返済が完了してから長期間経過すると、関係者の協力を得るのが難しくなりがちです。

関係者の協力を得られない場合、裁判所の助力が必要になります。

抵当権の抹消登記を先延ばしした代償は、非常に高くつきます。

抵当権消滅登記はすみやかに済ませましょう。

スムーズに登記を完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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