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相続登記義務化で墓地の取り扱い
1令和6年(2024年)4月1日から相続登記義務化
①令和6年(2024年)4月1日から相続登記は義務
所有権移転登記をしない場合、所有者は不利益を被ります。
不動産に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者のはずなのに権利主張ができないからです。
相続登記は、手間のかかる手続です。
自分で相続登記をしようとするものの、多くの人は挫折します。
相続登記がされない場合、登記簿を見ても土地の所有者が分からなくなります。
登記簿とは、不動産の権利関係が記録される公的な帳簿です。
所有者不明の土地の発生を防止するため、相続登記をすることは義務になりました。
②相続登記義務化でペナルティーが課される
令和6年4月1日から相続登記をする義務が課されました。
相続登記の義務を果たしていない場合、ペナルティーが課されます。
ペナルティーの内容は、10万円以下の過料です。
過料とは、行政上の義務違反に対するペナルティーです。
過料は刑罰ではないから、前科が付きません。
前科が付かないと言っても、10万円以下のペナルティーは負担が重いでしょう。
相続登記の義務を果たしていないと、10万円以下の過料が課される可能性があります。
③期限3年経過でペナルティーの対象
令和6年(2024年)4月1日から、相続登記をする義務が課されました。
相続登記の期限は、3年です。
令和6年(2024年)4月1日以降に発生した相続は、当然に対象になります。
相続があったことを知ってから、相続登記の期限3年がスタートします。
相続登記の期限3年を経過すると、ペナルティーの対象になります。
令和6年(2024年)4月1日以前に発生した相続も、義務化の対象です。
④令和6年(2024年)4月1日以前発生の相続も義務化の対象
令和6年4月1日から、相続登記は義務になりました。
令和6年4月1日以降に発生した相続は、もちろん対象になります。
令和6年4月1日以前発生の相続も、義務化の対象です。
令和6年4月1日以前発生の相続では、令和9年3月31日までに相続登記をする義務があります。
⑤相続登記義務化の背景
不動産の権利を取得したら、すぐに登記申請をします。
登記がないと、権利主張ができないからです。
不動産登記簿を見たら、不動産の権利関係が分かります。
不便な場所にあるなど価値の低い土地について、相続登記がされていないことがあります。
相続登記がされていないと、所有者がだれなのか分からなくなります。
不動産を売ってほしい場合だれにお願いしたらいいのか、登記簿を見ても分かりません。
例えば、公共事業のために土地を売ってほしい場合、所有者が分からないと公共事業ができなくなります。
社会全体にとって、大きな損失でしょう。
社会全体の利益のため、相続登記が義務化されました。
⑥相続登記が必要な墓地と不要な墓地
被相続人が不動産を所有していた場合、相続登記をする必要があります。
被相続人が墓地として使用していた土地があるでしょう。
墓地の登記簿を見ると、所有者を確認することができます。
墓地の所有者が被相続人である場合、相続登記をする必要があります。
例えば、個人墓地は被相続人が所有者でしょう。
墓地は、相続登記義務化の対象になる可能性があります。
墓地の所有者が被相続人以外の人である場合、相続登記は不要です。
お墓を建てるため、墓地の区画を利用する権利を持っていることがあります。
墓地の区画を利用する権利は登記されないから、相続登記は不要です。
例えば、自治体や寺院が墓地の所有者である場合、永代使用権とか墓地利用権を持っていただけでしょう。
永代使用権とか墓地利用権とは、墓地の区画を利用する権利です。
墓地には、相続登記が必要な墓地と不要な墓地があります。
2祭祀財産である墓地を承継する方法
①祭祀財産とは先祖祭祀のための財産
祭祀用財産とは、先祖祭祀のための財産です。
例えば、墓地、墓石、仏壇、家系図などがあります。
被相続人の財産であっても、相続財産ではありません。
先祖祭祀は、親族の伝統や慣習、考え、気持ちと切り離せません。
相続のルールで承継するのは、適切ではないからです。
祭祀財産とは、先祖祭祀のための財産です。
②祭祀主宰者が墓地を承継
祭祀財産は、祭祀主宰者が承継します。
祭祀主宰者とは、先祖祭祀を主宰する人です。
祭祀主宰者が墓地を承継します。
③祭祀主宰者の決め方
相続人のひとりが祭祀主宰者になるのが多いでしょう。
祭祀承継者は、次のように決められます。
(1)被相続人の指定に従う
(2)慣習に従って決める
(3)家庭裁判所で決定する
被相続人が指定しておらず慣習も明らかでない場合、家庭裁判所が指名します。
被相続人の意思、相続人の身分関係、過去の生活感情、祭祀を主宰する意欲や能力、他の相続人や周りの人の意見を聞いて総合的に判断します。
④祭祀主宰者は辞退できない
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
祭祀主宰者には、相続放棄のように辞退する制度はありません。
被相続人の指定、慣習、家庭裁判所の指定で、祭祀主宰者に選ばれると、拒否することはできません。
祭祀主宰者を辞退することはできません。
⑤相続放棄をしても祭祀主宰者
相続放棄をしても、祭祀主宰者は無関係です。
相続放棄をしても、祭祀主宰者に選ばれることがあります。
祭祀財産は、相続財産ではありません。
家庭裁判所で相続放棄が認められても、祭祀主宰者は祭祀財産を承継します。
3祭祀財産である墓地の相続登記
①登記原因は「年月日民法第897条による承継」
祭祀用財産は、祭祀承継者が受け継ぎます。
祭祀承継者が引き継ぐことは、民法第897条によって定められています。
祭祀承継者が墓地を引き継ぐ場合、登記原因は「年月日民法第897条による承継」です。
年月日は、祭祀用財産を引き継ぐ日です。
②権利者と義務者の共同申請
祭祀財産である墓地の名義変更は、権利者と義務者が協力して申請します。
権利者は、新しい祭祀主宰者です。
義務者は、遺言執行者がいるときは遺言執行者です。
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。
遺言執行者がいないときは、登記名義人の相続人全員です。
登記申請書は、登記申請人が押印します。
義務者は、実印で押印します。
遺言執行者と相続人全員は、実印で押印する必要があります。
③必要書類
祭祀用財産の相続登記をする場合、次の書類が必要です。
(1)登記原因証明情報
(2)被相続人の権利証
(3)相続人全員の印鑑証明書
(4)祭祀承継者の住民票
登記原因証明情報は、祭祀用財産の承継があったことの証明書です。
祭祀承継者の決定方法によって、次のような書類を提出します。
(1)被相続人が指定したとき
遺言書、相続人全員による指定内容の証明書
(2)慣習で決まったとき
相続人全員による祭祀承継者を確認した証明書
(3)家庭裁判所が指定したとき
調停調書、審判書と確定証明書
墓地が祭祀用財産である場合、祭祀用財産であることを証明する書類は不要です。
④登録免許税は非課税
土地の登記簿謄本を取得すると、地目を確認することができます。
地目とは、不動産登記法で決められた土地の区分です。
地目は、土地の用途や利用目的などで分類されます。
現況が雑種地であっても登記地目が「墓地」である土地は、登録免許税が課されません。
現況が墓地であっても登記地目が「雑種地」である土地は、登録免許税が課されます。
登録免許税が課されない場合、登記申請書に根拠となる法律の規定を記載する必要があります。
「墓地」である土地の場合、「登録免許税法第5条第10号により非課税」と記載します。
4相続財産である墓地を承継する方法
①先祖祭祀と無関係な墓地は相続財産
墓地は、原則として、相続財産ではなく祭祀用財産です。
墓地に先祖や親族が葬られている場合、祭祀用財産です。
墓地に先祖や親族以外の人が葬られている場合、相続財産です。
先祖や親族以外の人が葬られている場合、先祖祭祀とは無関係だからです。
先祖祭祀と無関係な一般の財産と同様に、相続財産です。
先祖祭祀と無関係な墓地は、相続財産です。
②遺産分割協議で決める
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続財産である墓地は、一般の財産同様に遺産分割協議の対象です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方を決めるための相続人全員による話し合いです。
相続財産の分け方について相続人全員の合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。
遺産分割協議書は、相続財産の分け方について相続人全員による合意の証明書です。
相続財産である墓地を承継するために、遺産分割協議をします。
③相続人の単独申請
相続登記は、通常の財産と同様に相続する相続人の単独申請です。
④必要書類
遺言書がない相続登記で必要になる書類は、次のとおりです。
(1)被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
(2)相続人の現在戸籍
(3)被相続人の住民票の除票
(4)不動産を相続する人の住民票
(5)遺産分割協議書
(6)相続人全員の印鑑証明書
(7)不動産の評価証明書
事例によっては、この他に書類が必要になることがあります。
相続登記で使う書類は、他の相続手続でも必要になるでしょう。
登記申請書の添付書類は、希望すれば返却してもらうことができます。
返却して欲しい書類のコピーを添付して、「原本に相違ありません。」と書いて記名押印します。
⑤登録免許税は非課税
土地の登記簿謄本を取得すると、地目を確認することができます。
地目とは、不動産登記法で決められた土地の区分です。
地目は、土地の用途や利用目的などで分類されます。
現況が雑種地であっても登記地目が「墓地」である土地は、登録免許税が課されません。
現況が墓地であっても登記地目が「雑種地」である土地は、登録免許税が課されます。
登録免許税が課されない場合、登記申請書に根拠となる法律の規定を記載する必要があります。
「墓地」である土地の場合、「登録免許税法第5条第10号により非課税」と記載します。
墓地が相続財産であっても祭祀財産であっても、非課税になります。
5相続登記を司法書士に依頼するメリット
大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。
やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。
相続手続きは一生のうち何度も経験するものではないため、だれにとっても不慣れで手際よくできるものではありません。
相続登記は、相続手続の中でも手間がかかる難しい手続です。
不動産は重要な財産であることが多いので、法務局は厳重な審査をします。
一般の人にとって些細なことと思えるようなことでやり直しになります。
売却する予定がないのなら、先延ばししたい誘惑にかられるかもしれません。
実は、相続手続をスムーズにするコツがあります。
それは、はじめに相続登記をすることです。
相続登記は難しい手間がかかる手続なので、司法書士などの専門家に依頼するでしょう。
相続手続で挫折しがちなのは、戸籍謄本などの書類収集や遺産分割協議書の作成です。
書類収集や遺産分割協議書の作成は、司法書士に依頼することができます。
司法書士が戸籍謄本や遺産分割協議書を準備したうえに、法務局の厳重な審査をします。
法務局の審査が通った戸籍謄本や遺産分割協議書だから、銀行などの相続手続先で指摘があることはありません。
銀行などの独自書類の内容などに指摘があるとしても、簡単に済むことがほとんどでしょう。
相続手続をスムーズに進めたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
死亡退職金が相続財産になる例ならない例
1死亡退職金が支給規程で支給されるとき相続財産ではない
①国家公務員死亡なら国家公務員退職手当法で支給
国家公務員が退職する場合、退職手当が支給されます。
退職する国家公務員に支給される退職手当は、国家公務員退職手当法によって定められています。
国家公務員が死亡によって退職した場合、遺族に退職手当が支給されます。
国家公務員退職手当法は、退職手当を受け取る遺族について次のように定めています。
(遺族の範囲及び順位)
国家公務員退職手当法
第2条の2第1項 この法律において、「遺族」とは、次に掲げる者をいう。
一 配偶者(届出をしないが、職員の死亡当時事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)
二 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で職員の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していたもの
三 前号に掲げる者のほか、職員の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していた親族
四 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で第二号に該当しないもの
死亡した国家公務員に配偶者がいる場合、配偶者に退職手当が支給されます。
配偶者は、法律上の配偶者だけでなく事実婚・内縁の配偶者を含みます。
死亡による退職手当は、相続によって受け取るものではありません。
事実婚・内縁の配偶者は、相続することができないからです。
死亡による退職手当は、国家公務員退職手当法で遺族に支給されます。
国家公務員退職手当法で遺族に支給される死亡退職金は、相続財産ではありません。
②地方公務員死亡なら職員退職手当条例で支給
地方公務員が退職する場合、退職手当が支給されます。
退職する地方公務員に支給される退職手当は、職員退職手当条例によって定められています。
例えば、名古屋市では職員退職手当条例が定められています。
職員退職手当条例は、多くの場合、国家公務員退職手当法に準じて決められています。
地方公務員が死亡によって退職した場合、遺族に退職手当が支給されます。
名古屋市の職員退職手当条例は、退職手当を受け取る遺族について次のように定めています。
(遺族の範囲及び順位等)
名古屋市の職員退職手当条例
第3条 この条例において「遺族」とは、次の各号に掲げる者をいう。
(1) 配偶者(届出をしないが、職員の死亡当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)
(2) 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で職員の死亡当時主としてその収入によって生計を維持していたもの
(3) 前号に掲げる者の外、職員の死亡当時主としてその収入によって生計を維持していた親族
(4) 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で第2号に該当しないもの
死亡した名古屋市の職員に配偶者がいる場合、配偶者に退職手当が支給されます。
配偶者は、法律上の配偶者だけでなく事実婚・内縁の配偶者を含みます。
死亡による退職手当は、相続によって受け取るものではありません。
事実婚・内縁の配偶者は、相続することができないからです。
死亡による退職手当は、職員退職手当条例で遺族に支給されます。
職員退職手当条例で遺族に支給される死亡退職金は、相続財産ではありません。
③会社員死亡なら退職金規程や就業規則で支給
会社員が退職する場合、退職手当が支給されることがあります。
会社が支給する退職金については、退職金規程や就業規則について定めていることが多いでしょう。
退職金に関する定めは、多くの場合、労働基準法施行規則や労働者災害補償保険法を参考にして決められています。
労働基準法施行規則は、次のように定めています。
第42条 遺族補償を受けるべき者は、労働者の配偶者(婚姻の届出をしなくとも事実上婚姻と同様の関係にある者を含む。以下同じ。)とする。
労働基準法施行規則
労働者災害補償保険法は、次のように定めています。
第16条の7第1項 遺族補償一時金を受けることができる遺族は、次の各号に掲げる者とする。
一 配偶者
二 労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
三 前号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹
労働基準法施行規則や労働者災害補償保険法は、退職金についての定めではありません。
生計を維持されていた人が生活に困窮しないようにするために、支給する点は読み取れます。
会社の退職金規程の内容によりますが、死亡による退職手当は相続によって受け取るものではありません。
会社の退職金規程で遺族に支給される死亡退職金は、相続財産ではありません。
④中退共加入者死亡なら中小企業退職金共済法で支給
中退共制度は、昭和34年に中小企業退職金共済法に基づき設けられた中小企業のための国の退職金制度です。
中退共制度を利用して、管理が簡単な退職金制度が手軽に作れます。
中退共加入者が退職した場合、中退共から退職金を受け取ることができます。
中退共加入者が死亡によって退職した場合、遺族は退職金を受け取ることができます。
中小企業退職金共済法は、退職金を請求できる遺族について次のように定めています。
(遺族の範囲及び順位)
中小企業退職金共済法
第14条第1項 第10条第1項の規定により退職金の支給を受けるべき遺族は、次の各号に掲げる者とする。
一 配偶者(届出をしていないが、被共済者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)
二 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で被共済者の死亡の当時主としてその収入によつて生計を維持していたもの
三 前号に掲げる者のほか、被共済者の死亡の当時主としてその収入によつて生計を維持していた親族
四 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で第2号に該当しないもの
死亡した中退共加入者に配偶者がいる場合、配偶者は退職金を請求することができます。
配偶者は、法律上の配偶者だけでなく事実婚・内縁の配偶者を含みます。
死亡による退職手当は、相続によって受け取るものではありません。
事実婚・内縁の配偶者は、相続することができないからです。
死亡による退職金は、中小企業退職金共済法で遺族が請求できます。
中小企業退職金共済法で遺族に支給される死亡退職金は、相続財産ではありません。
2受取人の指定がないと相続財産になる
①相続財産は相続人全員の共有財産
死亡退職金は、支給規程で支給されます。
支給規程には、受取人が決められています。
死亡退職金は、原則として、受取人の固有の財産です。
会社の中には、退職金規程や就業規則を整備していないことがあります。
退職金規程や就業規則を整備していなくても、死亡退職金を支給することがあります。
退職金規程や就業規則がない場合、受取人を定めているとは言えません。
受取人を定めていない場合、死亡退職金は相続財産になります。
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続人以外の人は、相続財産を相続することはできません。
②生前に受け取った退職金は相続財産になる
退職金は、退職する社員に支給されます。
退職した社員が退職金を受け取った後に死亡した場合、受け取った退職金は相続財産です。
退職金は、すでに退職した社員の財産になっているからです。
被相続人が生前に受け取った退職金は、相続財産です。
③生前に退職して受取前に死亡したら相続財産
退職金は、退職日に支給されないことがあります。
生前に退職して退職金の支給日までに、死亡することがあります。
退職した社員が退職金を受け取る前に死亡した場合、退職金を受け取る権利は相続財産です。
社員が退職した時点で、退職金を受け取る権利は発生しているからです。
退職金を受け取る権利は、すでに退職した社員の財産になっています。
退職した社員が退職金を受け取る前に死亡しても、退職金を受け取る権利は相続財産です。
3死亡退職金が特別受益になる可能性
①特別受益は相続人間の公平のルール
特別利益とは、一部の相続人が特別に受けていた利益です。
例えば、一部の相続人だけが多額の贈与を受けているケースです。
一部の相続人だけが特別に利益を受けていたのに、無視して財産を配分すると不公平です。
相続人全員の公平のため、特別受益を持ち戻して相続財産を計算します。
特別受益者は、相続人だけです。
特別受益の制度は、相続人間の公平を図る制度だからです。
相続人以外の人が多額の贈与を受けていても、特別受益にはなりません。
特別受益を持ち戻して相続財産を配分すると、相続人間の公平を図ることができます。
特別受益の制度は、相続人間の公平のルールです。
②死亡退職金は原則として特別受益にならない
死亡退職金が支給規程で支給される場合、相続財産ではありません。
死亡退職金を受け取る権利は、受取人の固有の財産です。
相続放棄をしても、死亡退職金を受け取ることができます。
事実婚・内縁の配偶者が死亡退職金を受け取ることができます。
死亡退職金は、相続財産ではないからです。
相続人以外の人が死亡退職金を受け取った場合、特別受益の対象外です。
特別な事情がない限り死亡退職金を受け取っても、特別受益とは言えないでしょう。
③特別な事情があれば特別受益で持ち戻しの可能性
死亡退職金と同様に生命保険の死亡保険金も、相続財産ではありません。
生命保険の死亡保険金は高額になることが多いでしょう。
生命保険の死亡保険金を特別受益として認めない場合、到底是認できないほど著しい不公平が生じることがあります。
到底是認できないほど著しい不公平が生じる場合、特別受益の持ち戻しの対象になります。
死亡退職金も、到底是認できないほど著しい不公平が生じる場合、特別受益の持ち戻しの対象になる可能性があります。
4死亡退職金に相続税
死亡退職金は、原則として、受取人の固有の財産です。
相続放棄をしても、死亡退職金を受け取ることができます。
民法上、受取人の固有の財産なのに、死亡退職金は相続税の課税対象です。
死亡退職金の合計額が非課税限度額を超えるとき、相続税の課税対象になります。
非課税限度額=500万円×法定相続人の人数
相続人でない人が死亡退職金を受け取る場合、非課税限度額はありません。
5受取人以外の相続人が死亡退職金を受け取ると贈与税の対象
死亡退職金が支給規程で支給される場合、相続財産ではありません。
死亡退職金は、支給規程で定められた受取人の固有の財産です。
受取人の固有の財産だから、遺産分割の対象ではありません。
被相続人の資産規模が大きい場合、死亡退職金を含めて相続税の対象になります
死亡退職金は支給規程で決められた受取人の財産だから、受取人に相続税が課されます。
決められた受取人以外の人が死亡退職金を受け取る場合、受取人から贈与されたと考えられます。
高額な贈与がされた場合、贈与税の対象になるでしょう。
贈与税は、想像以上に高額になりがちです。
6財産調査を司法書士に依頼するメリット
相続が発生したら、ご遺族は大きな悲しみに包まれます。
大きい悲しみのなかで、もれなく迅速に相続財産を調査するのは身体的にも精神的にも大きな負担になります。
負担の大きい財産調査を司法書士などの専門家に依頼することができます。
遺族の疲れも、軽減されるでしょう。
被相続人の財産は、相続人もあまり詳しく知らないという例が意外と多いものです。
悲しみの中で被相続人の築いてきた財産をたどるのは切なく、苦しい作業です。
調査のためには、相続が発生したことの証明として戸籍謄本等の提出が求められます。
戸籍謄本等の取り寄せも含め、手続をおまかせいただけます。
仕事や家事で忙しい方や高齢、療養中などで手続きが難しい方は、手続を丸ごとおまかせできます。
家族にお世話が必要な方がいて、頻繁に家を空けられない方からのご相談もお受けしております。
財産調査でお疲れが出る前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
税金を滞納したまま死亡したときの相続
1滞納者が死亡しても支払免除にならない
①プラスの財産とマイナスの財産を相続する
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続人が相続する財産が相続財産です。
被相続人の財産には、さまざまな種類の財産があるでしょう。
相続財産というと、プラスの財産だけをイメージしがちです。
例えば、不動産、預金、株式や投資信託などの有価証券、現金などです。
実際は、プラスの財産とマイナスの財産の両方が相続財産です。
マイナスの財産とは、借金やローンなどです。
相続人は、プラスの財産とマイナスの財産の両方を相続します。
②滞納している税金は相続人に支払義務
被相続人が税金を滞納したまま、死亡することがあります。
滞納している税金の支払義務は、相続財産です。
相続人は、被相続人が滞納した税金を相続します。
税金を滞納したまま滞納者が死亡しても、支払免除にはなりません。
滞納した税金は、マイナスの財産と言えます。
相続人は、プラスの財産とマイナスの財産の両方を相続します。
被相続人が滞納した税金は、相続人に支払義務があります。
③相続する税金の典型例
滞納する税金の典型例は、次のとおりです。
(1)住民税
(2)国民健康保険税
(3)固定資産税・都市計画税
(4)所得税
税金の滞納があるのか分からない場合、税務署や役所の税務課に確認することができます。
④納税義務承継通知書が届く
税金を滞納したまま死亡した場合、課税権者は相続人を調査することができます。
課税権者とは、税務署や市区町村など税金を徴収する権限がある公的機関のことです。
課税権者は、市区町村から滞納者の戸籍謄本を取り寄せて相続人を調査します。
相続人が判明したら、納税義務承継通知書を送付します。
納税義務承継通知書とは、納税義務が通知書の受取人に承継されたことのお知らせです。
納税通知書には、次の項目が書かれています。
(1)納税義務が継承された旨
(2)税金の滞納額
(3)納税義務の割合
(4)請求期限
さまざまな家族の事情から、被相続人と疎遠になっていることがあるでしょう。
納税義務承継通知書が届くことで、自分が相続人であることを知るかもしれません。
税金を滞納したまま死亡した場合、納税義務承継通知書が届きます。
2遺産分割協議は内部的取り決め
①滞納している税金を相続する人を決めることができる
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続財産の分け方を決めるため相続人全員でする話し合いを遺産分割協議と言います。
被相続人が税金を滞納していた場合、滞納していた税金は相続財産です。
滞納していた税金をだれが相続するのか、相続人全員で話し合いをすることができます。
相続人全員で合意ができたら、書面に取りまとめます。
相続人全員の合意内容を取りまとめた書面を遺産分割協議書と言います。
遺産分割協議書の内容に問題がないか相続人全員に確認してもらいます。
問題がなければ、相続人全員が記名し実印で押印します。
遺産分割協議書の押印が実印によることを証明するため、印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議で滞納している税金を相続する人を決めることができます。
②相続する人を決めても税金の支払義務がある
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
相続人全員の合意で、滞納していた税金を相続する人を決めることができます。
滞納していた税金を相続する人を決めても、相続人全員に税金の支払義務があります。
相続人全員の合意は、相続人同士の内部的合意事項だからです。
遺産分割協議書に記名し実印で押印しても、相続人以外の人には何の効力もありません。
相続人間のトラブルを防止するために、遺産分割協議書を作成することに意味があります。
遺産分割協議で相続する人を決めても、相続人全員に税金の支払義務があります。
③相続人全員に税金の支払義務がある理由
仮に、相続人に税金の支払義務がないとすると不都合な結果になります。
相続人には、さまざまな経済状況の人がいるでしょう。
資力がある人も資力がない人もいます。
中には債務超過に陥っている相続人がいることがあります。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
債務超過の相続人が滞納している税金を相続する合意をするかもしれません。
自分の債務だけで債務超過になっているのに、滞納している税金を負担することになります。
自分の債務と滞納している税金の両方は、払えないでしょう。
債務超過の人は、自己破産することになります。
自己破産したら、滞納している税金は払うことはできません。
他の相続人はプラスの財産を受け取っておきながら、滞納していた税金は払われません。
税金をきちんと払っている納税者から見ると、理不尽な結果となります。
このような理不尽を許さないため、相続人全員に税金の支払義務があります。
④相続人全員が法定相続分で納税
相続人になる人は、法律で決まっています。
相続人が相続する相続分も、法律で決まっています。
各相続人が引き継ぐのは、滞納していた税金の法定相続分のみです。
相続人全員が法定相続分で滞納していた税金を納めます。
3税金の滞納を放置したら
①滞納処分が開始される
税金を納めないまま放置すると、滞納処分が開始されます。
滞納処分とは、納税者の意思に関わらず強制的に税金を取り立てるための手続です。
通常、財産を差押え、差押えた財産を換価し、税金に充当する一連の手続です。
被相続人が税金を滞納していた場合、滞納処分が開始していることがあります。
税金滞納者であった被相続人に滞納処分が開始していた場合、相続人が滞納処分を引き継ぎます。
滞納者が死亡しても、滞納処分の効果が失われるものではないからです。
税金を滞納したまま放置すると、滞納処分が開始されます。
②滞納処分の流れ
滞納処分は、納税者の意思に関わらず強制的に税金を取り立てるための手続です。
滞納処分の基本的な流れは、次のとおりです。
(1)督促状の送付
納期限を過ぎても納付がされない場合、督促状が送付されます。
督促状の送付は、滞納処分の前提の処分です。
納期限が過ぎると、延滞税が課されます。
延滞税だけの滞納も、滞納処分の対象です。
(2)文書や電話で催告
督促状が送付されても納付されない場合、文書や電話で納税催告がされます。
納税担当者と納付交渉で、分割納付や納付猶予が認められることがあります。
多くの場合、納付猶予が認められるのは、災害などの一定の理由が必要です。
(3)財産調査
文書や電話で催告しても納付されない場合、財産調査が行われます。
調査対象は、金融機関や勤務先、取引先などです。
財産調査をするにあたって、滞納者の承諾は不要です。
滞納処分は、納税者の意思に関わらず強制的に税金を取り立てるための手続だからです。
金融機関や勤務先、取引先は、財産調査に協力しなければなりません。
個人情報であることを理由に、協力を拒むことはできません。
(4)財産の差押
財産調査で滞納者の財産が判明したら、差押がされます。
差押えられた財産は、滞納者の意思に関わらず財産処分ができなくなります。
金銭的価値がある財産はすべて、差押の対象になります。
(5)換価処分し配当
差押えた財産は、強制的に換価されます。
例えば、不動産であれば競売し売却代金は滞納している税金に充当されます。
滞納してる税金に充当しても残余があれば、滞納者に配当されます。
③相続人の財産に差押がされる
被相続人が税金を滞納したまま死亡した場合、税金の支払義務は相続人が相続します。
滞納している税金の支払義務は、相続人に引き継がれます。
相続人が滞納した税金を放置していた場合、滞納処分が開始されます。
被相続人が滞納していた税金のために、相続人の財産が差し押さえられるかもしれません。
税金の支払義務は、相続人に引き継がれたからです。
自分の税金はきちんと納めているのに、という言い訳は通用しません。
被相続人から引き継いだ税金についても、支払義務があるからです。
被相続人が滞納した税金を放置したら、相続人の財産が差押えられます。
4相続放棄で滞納している税金を免れる
①3か月以内に家庭裁判所で手続
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を選択した場合、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。
相続放棄には、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月以内です。
相続があってから長期間経過した後、納税義務承継通知書が届くことがあります。
納税義務承継通知書が届いたことで、相続があったことを知るかもしれません。
納税義務承継通知書が届いたことで相続があったことを知った場合、納税義務承継通知書は重要です。
相続があったことを知ってから3か月以内であることを証明する証拠だからです。
相続放棄を希望する場合、3か月以内に家庭裁判所に手続をします。
②相続放棄をしたら他の財産は相続できない
相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。
マイナスの財産を相続しないし、プラスの財産を相続しません。
被相続人の滞納した借金を相続しないし、他の財産も相続しません。
相続放棄をしたら、他の財産は相続できなくなります。
③相続放棄は撤回できない
相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続を単純承認するか相続放棄をするか選択した後は、撤回することはできません。
仮に撤回を認めると、相続が混乱するからです。
家庭裁判所で相続放棄が認められた後、撤回することはできません。
④単純承認をすると相続放棄は無効
家庭裁判所で相続放棄が認められても、実際は無効であることがあります。
単純承認をしたのに、相続放棄の申立てをすることがあるからです。
被相続人の財産を処分したり利用したりした場合、単純承認と見なされます。
相続放棄を希望しているのに、相続人が被相続人の財産を処分したり利用したりすることがあります。
相続人が自覚せずに、被相続人の財産を処分したり利用したりすることがあるでしょう。
相続人が自覚していなくても被相続人の財産を処分したり利用したりした場合、単純承認と見なされます。
単純承認をした後に家庭裁判所が相続放棄を認める決定をしても、無効の決定です。
単純承認をすると、相続放棄は無効になります。
⑤相続放棄で次順位相続人に支払義務
相続人になる人は、法律で決められています。
相続人が相続放棄をした場合、はじめから相続人でなくなります。
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
子どもが相続放棄をした場合、子どもは相続人でなくなります。
子ども全員が相続放棄をした場合、子どもはいない場合になります。
子どもがいない場合、相続人になるのは親などの直系尊属です。
相続放棄で次順位の人が相続人になります。
滞納していた税金は、次順位の人が相続します。
滞納していた税金の支払義務があると聞いたら、びっくりするでしょう。
相続放棄をしても、次順位の人に知らせる義務はありません。
知らせる義務がなくても、知らせてあげると親切でしょう。
相続放棄で、次順位相続人が支払義務を負うからです。
⑥相続放棄をしても死亡保険金は受け取れる
被相続人が死亡した場合に、生命保険の死亡保険金が支払われることがあります。
原則として生命保険の保険金を受け取る権利は、相続人の固有の財産です。
受取人が「相続人」と指定してあっても、相続で受け取るものではありません。
被相続人の死亡をきっかけにして、保険契約によって受取人が保険金を受け取るものです。
多くの場合、被相続人は生前に生命保険の死亡保険金を受け取る権利を持っていなかったでしょう。
相続によって、被相続人から受け継いだものではありません。
相続人の固有の財産だから、相続放棄をした人は生命保険の保険金を受け取ることができます。
生命保険の保険金を受け取ったことで、相続放棄が無効になることはありません。
5相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄は、チャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできます。
高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続が発生してから3か月以内に手続ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらうことが重要です。
家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得します。
家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています。
認めてもらえやすい書類を作成することができます。
相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
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消費者金融の借金があるのに死亡
1消費者金融の借金は相続財産
①相続人になる人は法律で決まっている
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は、次のとおりです。
(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。
(1)配偶者は必ず相続人になる
(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども
(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
②返済義務があるのは債務者だけ
お金を借りたら、借りたお金は返さなければなりません。
原則として、消費者金融の契約には保証人は不要です。
保証人とは、お金が返せなくなったときに肩代わりをする人です。
保証人には、肩代わりをする義務があります。
返済義務があるのは、債務者だけです。
たとえ債務者の家族であっても保証人でなければ、肩代わりをする義務はありません。
ドラマや映画の中では、家族の借金だから返済して当然などと言って取立てをしていることがあります。
債務者が返済に行き詰っても、家族には借金を返済する義務も肩代わりの義務もありません。
返済義務があるのは、債務者だけです。
③債務者が死亡しても契約はなくならない
債務者が生きている間、返済義務があるのは債務者だけです。
債務者が死亡した場合、契約は相続の対象になります。
債務者が借金苦を理由に死亡しても、契約は消えてなくなりません。
住宅ローンの債務者が死亡した場合、団体信用生命保険の保険金でローンが完済になります。
奨学金を受けていた奨学生が死亡した場合、奨学金の返済は認められれば免除されることがあります。
消費者金融の借金は、債務者が死亡しても返済が免除されることはありません。
債務者が死亡しても、契約はなくならないからです。
④消費者金融の借金は相続人が相続する
債務者が死亡した場合、契約は相続の対象になります。
相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。
被相続人のプラスの財産とマイナスの財産が相続財産です。
消費者金融の借金は、相続財産のひとつです。
消費者金融の借金は、法定相続分で相続人が相続します。
2消費者金融の借金を調べる方法
①自宅で書類を探す
相続が発生した後に遺品整理をしていると、借入明細書や督促状が見つかることがあります。
多くの場合、被相続人が生前に銀行の預貯金口座を保有していたでしょう。
預貯金の通帳を記帳すると、消費者金融の引落が見つかることがあります。
消費者金融の引落が見つかったら、借り入れの状況を尋ねるといいでしょう。
自宅保管している書類を探すことで、被相続人の借金が判明します。
②信用情報機関に開示請求をする
消費者金融から借金があるかもしれないと不安になることがあります。
被相続人と別居している場合、詳しい財産状況は分からないことが多いでしょう。
被相続人に借金があるかもしれないと不安な場合、信用情報機関に照会することができます。
信用情報は、個人情報の一部です。
信用情報には、本人を特定するための情報とローンやクレジットなどの取引内容、返済状況に関する情報があります。
消費者金融やクレジット会社は、指定信用情報機関に加入しています。
信用情報を確認すると、ローンやクレジットなどの取引内容、返済状況が詳しく分かります。
(1)日本信用情報機構(JICC)
(2)株式会社シー・アイ・シー(CIC)
(3)全国銀行協会全国銀行個人信用情報センター(KSC)
消費者金融やクレジット会社が複数の信用情報機関に加入していることがあります。
信用情報機関は、信用情報を相互に共有することができます。
信用情報は、本人や本人の相続人が開示請求をすることができます。
信用情報機関に開示請求をすることで、被相続人の借金を調べることができます。
3相続放棄で借金の相続を免れる
①相続放棄は家庭裁判所の手続
債務者が死亡しても、借金を返済する義務はなくなりません。
消費者金融の借金は、相続財産です。
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。
家庭裁判所の手続をせずに、相続放棄をすることはできません。
相続放棄の期限は、相続があったことを知ってから3か月です。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
消費者金融に莫大な借金があっても、相続放棄をして借金を免れることができます。
②相続放棄をしても契約はなくならない
相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄が認められても、契約は消えてなくなりません。
被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。
子どもが相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。
子ども全員が相続放棄をしたら、子どもがいない場合になります。
被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
子どもに相続放棄が認められても、契約は消えてなくならないからです。
相続人が相続放棄をすると、次順位の人が相続人になります。
次順位の人も相続放棄を希望するのであれば、家庭裁判所に対して手続をする必要があります。
相続放棄をしても、借金を返済する義務はなくなりません。
③相続人全員が相続放棄できる
相続人になる人は、法律で決まっています。
相続放棄は、多くの場合、被相続人のマイナスの遺産を引き継がないために行われます。
相続人が全員相続放棄をしたら、被相続人の借金なのに、だれも責任をとらないことになります。
だれも責任をとらないことに対して、後ろめたく思う人もいるかもしれません。
相続放棄は、相続人ひとりひとりが自分の意思で自由に判断できるものです。
結果として、相続人全員が相続放棄を選択することになっても、法律上、やむを得ないことです。
配偶者と子ども全員が相続放棄をした場合、次順位の親などの直系尊属が相続人になります。
親などの直系尊属全員が相続放棄をした場合、次順位の兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹全員が相続放棄をした場合、次順位の相続人はいません。
借金がどこまでも無限に追いかけてくることはありません。
だれが相続人になるかについては、法律で決められているからです。
相続人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在になります。
相続人不存在になっても、相続人でない人が借金の返済を迫られることはありません。
相続人全員が相続放棄をすることができます。
④単純承認をすると相続放棄は無効になる
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
消費者金融の莫大な借金があっても、相続することはありません。
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
単純承認したとみなされる行為は、法律で定められています。
相続財産の名義変更をした、相続財産である銀行の預貯金を引き出して使ってしまった場合が典型的です。
単純承認をしたのに、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをすることがあります。
単純承認をした後に、相続放棄をすることはできません。
相続放棄はできないのに、家庭裁判所に相続放棄の手続をして、相続放棄が認められても無効です。
相続放棄の申立てがあった場合、家庭裁判所は提出した書類を見て審査をします。
提出書類に問題がなければ、相続放棄を認める決定をしてしまいます。
家庭裁判所で相続放棄が認められても、無効の決定です。
単純承認をした場合、債権者は相続放棄は無効だから借金を返済して欲しいと裁判を起こすことができます。
単純承認をすると、相続放棄は無効になります。
⑤相続放棄をしても生命保険の死亡保険金
被相続人に生命保険がかけてある場合、死亡保険金が支払われます。
原則として生命保険の保険金を受け取る権利は、相続人の固有の財産です。
受取人が「相続人」と指定してあっても、相続で受け取るものではありません。
被相続人の死亡をきっかけにして、保険契約によって受取人が保険金を受け取るものです。
多くの場合、被相続人は生前に生命保険の死亡保険金を受け取る権利を持っていなかったでしょう。
相続によって、被相続人から受け継いだものではありません。
相続人の固有の財産だから、相続放棄をした人は生命保険の保険金を受け取ることができます。
生命保険の保険金を受け取ったことで、相続放棄が無効になることはありません。
相続放棄をした場合、消費者金融の借金を引き継ぐことはありません。
相続放棄をしても、生命保険の死亡保険金を受け取ることができます。
債務者の家族であっても、生命保険の死亡保険金で債務者の借金を返済する義務はありません。
4消滅時効が完成しても借金の請求
①消滅時効の援用で借金から免れる
被相続人の借金が相当古いものであることがあります。
相当古い借金である場合、時効が完成するために必要な期間を経過しているかもしれません。
時効完成後の借金は、消滅時効を援用することで返済を免れることができます。
消費者金融は消滅時効が完成した借金であっても、請求してくることがあります。
消滅時効が完成するために必要な期間を経過しても、借金はなくなったわけではないからです。
債務者が消滅時効の利益を受けることを潔しとするか、分からないと言う理由もあります。
債務者が消滅時効の利益を受けることを希望する場合、時効援用の意思表示をする必要があります。
②時効援用でプラスの財産を相続
消費者金融の借金が時効消滅している場合、相続人は消滅時効を援用することができます。
被相続人に莫大なマイナスの財産と莫大なプラスの財産があることがあります。
莫大なマイナスの財産の時効消滅を援用したら、マイナスの財産を引き継ぐことなくプラスの財産を引き継ぐことができます。
③債務承認で時効が更新される
債務者に相続が発生したら、消費者金融は戸籍謄本等で相続人を調査することができます。
相続人に借金を返済してもらおうと考えて、連絡してくることがあります。
時効援用の意思表示をする前に債務承認をした場合、時効は更新されます。
例えば、次のような行為があると時効が更新されます。
・借金の一部の返済
・借金の返済猶予の申出
・借金の分割払いの申出
時効が更新されると、消滅時効の利益を受けることができなくなります。
被相続人に古い借金がある場合、慎重な対応が必要です。
④消滅時効を援用すると単純承認になる
消滅時効を援用することは、相続財産の処分行為です。
相続財産を処分した場合、相続を単純承認したと判断されます。
ひょっとしたら他にも莫大な借金が見つかるかもしれません。
新たに見つかった借金は、時効消滅していない可能性があります。
単純承認をした後に、相続放棄をすることはできません。
相続放棄は撤回できないように単純承認も撤回することができないからです。
被相続人に古い借金がある場合、慎重な対応が必要です。
5消費者金融の借金を残して死亡したときの相続を司法書士に依頼するメリット
大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。
やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いものです。
相続財産と聞くと、プラスの財産だけイメージしがちです。
被相続人の財産内容を家族が詳細に知っていることは、ほとんどありません。
相続手続の過程で被相続人に借金があったことを知ることになります。
消費者金融の借金は、想像以上に高額になることがあります。
司法書士が、必要な手続や適切な対応についてサポートします。
相続手続を済ませていない方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
被相続人の通帳を見せてもらえない
1金融機関に開示請求ができる
①相続人は通帳を見せる義務はない
銀行口座は、日常生活に欠かすことができません。
多くの人は、銀行に口座を持っているでしょう。
口座の持ち主が死亡した場合、口座の預貯金は相続人に相続されます。
口座の預貯金は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。
被相続人の財産は、被相続人の同居の家族などが管理していることが多いでしょう。
被相続人の同居の家族などが被相続人の財産を管理することは問題ではありません。
被相続人が預貯金口座を持っている可能性が高いのに、通帳を見せてもらえないことがあります。
相続財産の状況が分からないと、分け方の話し合いができません。
通帳を見せてもらえないことで、話し合いができなくなります。
自分の相続分に照らして、適切な分け方であるのか判断できないからです。
通帳を見せてもらえないことも、違法ではありません。
一部の相続人が他の相続人に、通帳を見せる義務はないからです。
通帳を見せないと、他の相続人は疑心暗鬼になります。
通帳を見せる義務はないけど、開示した方がいいでしょう。
通帳を見せてもらえれば、安心して話し合いができるからです。
②金融機関に残高証明書を発行してもらえる
被相続人の家族が通帳を管理している場合、管理している家族も相続人でしょう。
通帳を見せてくれない場合、自力で財産調査をする必要があります。
被相続人の預貯金口座がある金融機関に対して、口座の残高証明書を発行してもらうことができます。
被相続人の死亡時の残高証明書を取得した場合、相続が発生したときの預貯金の残高が分かります。
被相続人の通帳を見せてもらえない場合、金融機関に残高証明書を発行してもらうことができます。
③金融機関に取引履歴を発行してもらえる
被相続人の死亡時の残高証明書を確認すると、想像以上に金額が少ないことがあります。
生前の経済状況から大きく乖離する場合、一部の相続人に贈与がされているかもしれません。
一部の相続人が受け取った贈与を考慮しないで、相続財産を分けるのは不公平です。
生前贈与は特別受益として、相続財産に持ち戻すと公平な遺産分割ができます。
生前の経済状況から大きく乖離する場合、一部の相続人が引き出して自分の口座などに財産を隠しているかもしれません。
残高証明書は、残高しか確認することができません。
被相続人の預貯金口座がある金融機関に対して、口座の取引履歴を発行してもらうことができます。
被相続人の死亡時の取引履歴を取得した場合、口座の入出金状況が分かります。
通帳を見せてもらえない場合、後ろめたい事情があるかもしれません。
口座の入出金状況を確認すると、通常とは異なる出金が見つかることがあります。
被相続人の通帳を見せてもらえない場合、金融機関に取引履歴を発行してもらうことができます。
④銀行口座を網羅的に調べることはできない
被相続人の通帳を見せてもらえないときの対処法は、金融機関に残高証明書と取引履歴を発行してもらうことです。
残高証明書と取引履歴を発行してもらうためには、銀行などに発行請求をする必要があります。
被相続人がどこの金融機関に口座を持っているのか分からない場合、網羅的に調べる方法はありません。
被相続人の住所の近隣などの金融機関と取引をしていることが多いでしょう。
心当たりのある金融機関に対して、ひとつひとつ確認する必要があります。
被相続人と同居していた家族に協力してもらって、遺品などを調べるといいでしょう。
高齢者は、ゆうちょ銀行の口座を持っていること多いので確認してみるといいでしょう。
銀行などの預貯金口座は、網羅的に調べる方法はありません。
⑤証券口座は一括検索ができる
銀行などの預貯金口座は、ひとつひとつ確認する必要があります。
一括して網羅的に調べる方法がないからです。
被相続人が株式の取引をしていた場合、証券会社の口座を持っていたでしょう。
どこの証券会社に口座を持っていたか分からない場合、一括して検索することができます。
証券会社の口座は、証券保管振替機構に対して口座の開示請求をすることができるからです。
口座の開示請求では、被相続人が取引していた証券会社が判明します。
判明した証券会社に対して、残高証明書を発行してもらうことができます。
銀行口座は、一括検索ができません。
証券口座は、一括検索ができます。
2残高証明書と取引履歴を発行してもらう方法
①各相続人が単独で発行請求ができる
残高証明書と取引履歴は、金融機関に発行してもらうことができます。
相続人は、金融機関に発行請求をすることができます。
残高証明書と取引履歴の発行は、各相続人が単独で請求することができます。
残高証明書と取引履歴の発行は、保存行為と考えられるからです。
相続人全員で請求しなければならないと言ったルールはありません。
他の相続人の同意が必要になることもありません。
通帳を持っていなくても持っていても、残高証明書と取引履歴の発行請求をすることができます。
②必要書類
残高証明書と取引履歴の発行請求をする場合、次の書類が必要になります。
(1)被相続人の死亡が記載されている戸籍謄本
(2)発行請求をする相続人の現在戸籍
(3) 発行請求をする相続人の印鑑証明書
(4) 発行請求をする相続人の本人確認書類
事情によっては、追加で書類が必要になることがあります。
相続手続をする場合、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要になります。
相続手続では、相続人全員を確認する必要があるからです。
残高証明書と取引履歴の発行請求をする場合、被相続人の死亡が記載されている戸籍謄本のみで差し支えありません。
相続人全員を確認する必要は、ないからです。
残高証明書と取引履歴の発行は、一部の相続人が請求することができます。
他の相続人の承諾は、不要です。
残高証明書と取引履歴の発行請求をする場合、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本は不要です。
残高証明書と取引履歴の発行請求をする場合、所定の手数料を払う必要があります。
③取引履歴は10年分
取引履歴の発行は、いつからいつまでと期間を定めて請求します。
一般的な金融機関は、取引履歴の保管期間を10年と定めています。
金融機関の保管期間内であれば、発行してもらうことができます。
金融機関によっては、10年間以上の取引履歴を発行してもらうことができます。
取引履歴を発行してもらうときの手数料は、金融機関によってまちまちです。
金融機関によっては、1日当たりで手数料を定めていることがあります。
10年分の取引履歴を請求すると、思わぬ高額な費用になることがあります。
取引履歴は、10年分発行してもらうことができます。
④生前に解約されていたら
被相続人の口座の残高証明書と取引履歴は、相続人が発行請求をすることができます。
残高証明書と取引履歴の発行請求は、相続財産の保存行為だからです。
被相続人の口座が生前に解約されている場合、相続財産はありません。
相続財産の保存行為ではないから、相続人は残高証明書と取引履歴をすることができないのが原則です。
ときには、金融機関の好意で発行してくれることがあります。
預貯金口座の取引履歴は、遺産分割協議の重要な資料になります。
金融機関に重要な資料であることを説明して、開示に協力してもらうことが大切です。
被相続人の口座が生前に解約されている場合、原則として、残高証明書と取引履歴の発行請求はできません。
3残高証明書と取引履歴を請求するときの注意点
①窓口請求するなら事前予約
近隣の金融機関の場合、直接窓口に行って手続をするのが便利です。
残高証明書と取引履歴の発行請求は、一般的な手続ではありません。
残高証明書と取引履歴の発行請求に、慣れている人はほとんどいないでしょう。
窓口は行けば係の人の説明を聞きながら、手続をすることができます。
金融機関によっては事前予約なしに窓口に行っても、対応できる係員がいないことがあります。
対応できる係員がいない場合、再度窓口に行くことになるでしょう。
まず窓口に行く前に、電話やホームページから予約をするのがおすすめです。
予約せずに窓口に行った場合、予約優先で長時間待たされることになります。
直接窓口に行って手続をする場合、事前予約が必要です。
②郵送請求するなら半月から1か月かかる
取引していた金融機関が遠方である場合、郵便で手続をするのが便利です。
残高証明書と取引履歴の発行請求は、一般的な手続ではありません。
金融機関のホームページなどに請求用紙が掲載されていないことが多いでしょう。
金融機関に電話をして、残高証明書や取引履歴の発行請求書を取り寄せます。
金融機関によっては、あらかじめ必要書類を提出してから請求用紙が送られてくることがあります。
請求用紙を提出して、問題がなければ発行手数料のお知らせと振込先が通知されます。
窓口に行った場合、手数料はその場で支払うことができます。
郵送で手続をする場合、手数料は指定の口座に振込みをする必要があります。
スムーズに手続をした場合でも、何度も郵便のやり取りをすることになります。
書き間違いや金融機関の案内間違いがあると、やり取りが増えます。
郵送で残高証明書と取引履歴を発行請求する場合、半月から1か月程度かかることが多いです。
やり取りが増えると、1か月以上かかります。
郵送請求するなら、半月から1か月かかります。
4使い込みの疑いがあるときは
①遺産分割協議で話し合い
通帳を見せてもらえない場合、後ろめたい事情があるかもしれません。
口座の入出金状況を確認すると、通常とは異なる出金が見つかることがあります。
相続財産の状況は、話し合いの前提です。
被相続人と離れて暮らしていた場合、どのような費用が必要であったか把握していないことが多いでしょう。
通常とは異なる出金が見つかった場合、どのような使い途であったか確認しましょう。
被相続人と同居していた家族にとっては、当然に必要な費用であったかもしれません。
使い込みと決めつけると、相続人間で鋭い対決になります。
領収書などを見せてもらえば、納得できるでしょう。
使い途の分からない出金は、遺産分割協議で話し合いをします。
②話し合いができないなら遺産分割調停
遺産分割協議は、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人で話し合いができない場合、遺産分割調停の申立てをすることができます。
遺産分割調停では、家庭裁判所の助力を得て相続人全員の合意を目指します。
相続人だけで話し合いをした場合、それぞれの主張をして話し合いがまとまらないことがあります。
家庭裁判所の調停委員に話す場合、少し落ち付いて話ができるでしょう。
家庭裁判所の調停委員から公平な意見を根拠にしてアドバイスがされると、納得できるかもしれません。
調停委員から客観的なアドバイスを受けて、相続人全員の合意を目指します。
5被相続人の通帳を見せてもらえないとき司法書士に依頼するメリット
被相続人の通帳を見せてもらえないことは、少なくありません。
被相続人の通帳を見せたくないことも、少なくありません。
通帳を見せなくても、相続人は自力で調べることができます。
通帳を見せてもらえなくても、相続人は自力で調べることができます。
被相続人の通帳は、被相続人の同居の家族が管理していることが多いでしょう。
被相続人の通帳を見せてもらえないと、同居の家族への不信感が募ります。
被相続人の通帳を見せないことに、メリットはありません。
被相続人の通帳を見せないことは、相続人間で大きなトラブルに発展しがちです。
デメリットが非常に大きく、メリットはありません。
必要な費用であれば、支出するのは当然のことです。
丁寧に説明して、領収書などを見せると納得してもらえるでしょう。
被相続人の通帳を見せてもらえないとき、金融機関に残高証明書と取引履歴を請求することができます。
司法書士に、このような手続をおまかせすることができます。
客観的に見て、紛争に発展している場合は弁護士を紹介します。
被相続人の通帳を見せてもらえない場合、司法書士に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
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失踪宣告で借金を相続
1失踪宣告で相続が開始する
①失踪宣告で死亡と見なされる
相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。
条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。
失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。
失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。
行方不明が長期化した場合、家族が困ります。
家族であっても、行方不明の人の財産を処分することができません。
行方不明者の配偶者は、再婚することができません。
残された家族のために、行方不明者を死亡したものと扱う制度が失踪宣告の制度です。
失踪宣告がされると、死亡した取り扱いをします。
失踪宣告がされた人に、相続が発生します。
相続財産は、相続人全員の共有財産になります。
相続人全員の合意があれば、相続財産を自由に分けることができます。
遺産分割協議によって相続した後は、相続人が自由に処分をすることができます。
②普通失踪は生死不明7年
一般的に失踪宣告といった場合、普通失踪を指しています。
生死不明の期間を失踪期間と言います。
普通失踪では、失踪期間が7年必要です。
生死不明のまま7年経過した場合に、自動的に死亡と見なされるわけではありません。
家庭裁判所が失踪宣告したときに、死亡と見なされます。
生死不明の人の家族や利害関係人は、家庭裁判所に失踪宣告の申立てをすることができます。
家庭裁判所に失踪宣告の申立てをした後、家庭裁判所が死亡と認めていいか調査します。
家庭裁判所の状況や事件の内容によっては、調査のために1年ほどかかる場合もあります。
生死不明のまま7年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。
③特別失踪(危難失踪) は生死不明1年
行方不明の人が大災害や大事故にあっていることがあります。
大災害や大事故に遭った場合、死亡している可能性が非常に高いものです。
特別失踪(危難失踪)とは「戦地に行った者」「沈没した船舶に乗っていた者」「その他死亡の原因となる災難に遭遇した者」などを対象にする失踪宣告です。
死亡している可能性が非常に高いので、失踪期間は短い期間です。
特別失踪(危難失踪)では、失踪期間が1年で済みます。
生死不明のまま1年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。
④死亡と見なされる日に相続開始
失踪宣告がされると、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。
普通失踪では生死不明になってから7年間経過したときに、死亡したものと見なされます。
特別失踪(危難失踪)では危難が去ったときに、死亡したものと見なされます。
たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをするから、相続が開始します。
死亡と見なされる日が、相続が開始する日です。
失踪宣告の手続は、長期間かかります。
相続が開始する日は、失踪宣告の申立てをした日ではありません。
裁判所が失踪宣告をした日でもありません。
相続手続の基準になるのが、死亡と見なされる日です。
2行方不明なら家族に取立てができない
①家族に返済義務はない
お金を借りたら、借りたお金を返さなければなりません。
お金を返す義務は、お金を借りた人だけの義務です。
お金を借りた後、借金を返せなくなることがあります。
借金を返せなくなった場合、お金を借りた人が責任を取ります。
お金を返す義務は、お金を借りた人だけの義務だからです。
借金がきっかけになって、行方不明になることがあります。
借金の返済を滞らせて行方不明になっても、家族に返済義務はありません。
お金を借りた人の責任であって、家族はお金を借りた人ではないからです。
借金を滞らせても、家族が自動で借金を返済する義務を負うことはありません。
②連帯保証人は肩代わりの義務がある
お金を借りるときに、連帯保証人を立てることがあります。
連帯保証人は、借金を返せなくなったときに肩代わりをする人です。
借金を返せなくなった場合でも肩代わりをしてくれるから、安心してお金を貸すことができます。
お金を借りるときに、家族が連帯保証人になることがあります。
お金を借りた人が返済を滞らせた場合、連帯保証人は肩代わりをしなければなりません。
お金を借りた人が返済を滞らせたまま行方不明になった場合、代わりに返済をしなければなりません。
連帯保証人は、借金を返せなくなったときに肩代わりをしますと約束した人だからです。
連帯保証人は、肩代わりの義務があります。
③第三者への取立ては違法行為
お金を返す義務は、お金を借りた人だけの義務です。
連帯保証人には、肩代わりに義務があります。
家族であっても、お金を返す義務はありません。
連帯保証人になっていないのに、自動で借金を返済する義務を負うことはありません。
債権者は借金を返してもらいたいから、家族に連絡を取ってくるでしょう。
お金を返す義務がない人に対して、みだりに催促する行為は違法です。
貸金業者は、行政から監督を受けています。
執拗な催促をする場合、行政に苦情を申し入れることができます。
違法な取り立てと認められた場合、業務停止などの行政処分が行われます。
第三者への取立ては、違法行為です。
3失踪宣告後は借金は相続財産
①失踪宣告で相続人に返済義務
失踪宣告がされると、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。
失踪宣告で、相続が発生します。
相続が発生すると、被相続人のものは相続人が相続します。
被相続人のプラスの財産とマイナスの財産が相続財産です。
被相続人が借金を抱えたまま死亡した場合、借金は相続人全員に相続されます。
借金は相続されるから、相続人は借金の返済義務を相続します。
失踪宣告がされると、相続人全員に借金の返済義務が引き継がれます。
②失踪宣告後は借金の調査ができる
お金を返す義務は、お金を借りた人だけの義務です。
借金がいくらあるかなどの信用情報は、重要な個人情報です。
お金を借りた人が生きている間、家族が勝手に借金を調査することはできません。
お金を借りた人に失踪宣告がされた場合、相続人は借金の調査をすることができます。
消費者金融やクレジット会社は、指定信用情報機関に加入しています。
信用情報を確認すると、ローンやクレジットなどの取引内容、返済状況が詳しく分かります。
(1)日本信用情報機構(JICC)
(2)株式会社シー・アイ・シー(CIC)
(3)全国銀行協会全国銀行個人信用情報センター(KSC)
相続人は、信用情報機関に対して情報開示を請求することができます。
信用情報機関に開示請求をすることで、被相続人の借金を調べることができます。
③失踪宣告後は相続放棄ができる
失踪宣告がされるまでは、行方不明の人は生きている扱いです。
相続が発生した後、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。
被相続人が生きている間は、相続放棄をすることできません。
相当長期間行方不明であっても、失踪宣告されずに行方不明のままなら生きている扱いです。
行方不明のままなのに相続放棄の申立てを提出しても、受け付けてもらえません。
④相続放棄をしても生命保険の死亡保険金
相続が発生した後、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
単純承認と見なされる行為は、法律で定められています。
相続財産の名義変更をした、相続財産である銀行の預貯金を引き出して使ってしまった場合が典型的です。
単純承認をしたのに、家庭裁判所で相続放棄が認められても無効です。
単純承認をしたら、撤回することはできないからです。
失踪宣告がされると、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。
行方不明になった人に生命保険がかけてあった場合、生命保険の死亡保険金が支払われます。
原則として生命保険の保険金を受け取る権利は、相続人の固有の財産です。
受取人が「相続人」と指定してあっても、相続で受け取るものではありません。
被相続人の死亡をきっかけにして、保険契約によって受取人が保険金を受け取るものです。
相続によって、被相続人から受け継いだものではありません。
相続人の固有の財産だから、相続放棄をした人は生命保険の保険金を受け取ることができます。
生命保険の保険金を受け取ったことで、相続放棄が無効になることはありません。
相続放棄をした場合、消費者金融の借金を引き継ぐことはありません。
相続放棄をしても、生命保険の死亡保険金を受け取ることができます。
債務者の家族であっても、生命保険の死亡保険金で債務者の借金を返済する義務はありません。
4失踪宣告を受けた人が生きていたら
①失踪宣告の取消は家庭裁判所で手続
失踪宣告がされたけど、実は本人は新天地で元気に生きていたということがあります。
失踪宣告をされた人が生きていると分かっても、自動的に失踪宣告が取り消されるわけではありません。
家庭裁判所は失踪宣告された人が、その後、生きているかどうか分からないからです。
失踪宣告された人が生きていることが分かった場合や失踪宣告されたときと異なる時期に死亡したことが判明した場合、家庭裁判所に失踪宣告の取消の審判の申立てをします。
家庭裁判所が失踪宣告を取消した場合、失踪宣告による死亡の効果がなかったことになります。
失踪宣告の取消をしたときも、官報にお知らせを出します。
②財産は返還しなければならない
失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとする手続です。
失踪宣告がされると、相続が開始します。
失踪宣告が取り消されると、行方不明者が死亡したことはなかったことになります。
死亡がなかったことになりますから、相続もなかったことになります。
相続によって財産を得た人は、行方不明者に財産を返さなければなりません。
たとえ、行方不明者が生きているとは思わなかったとしても、財産は返す必要があります。
返す財産は、現に利益を受けている限度とされています。
相続人が遊興費などで使ってしまっている場合は、返す必要がありません。
生活費や自分の借金の返済に充てている場合などは、現に利益を受けていると言えます。
その分は、返還が必要です。
現に利益を受けている限度とは、同じ形で残っている意味ではありません。
形を変えて残っている場合も含みます。
生活費として使ったのであれば、自分のお金をその分使わずに済んでいます。
生活費分の利益を得ていると言えます。
③生命保険も返還しなければならない
死亡により支払われるものとして、生命保険の保険金は高額なものでしょう。
失踪宣告が取り消されると、返還しなければなりません。
住宅ローンを組むときに団体信用生命保険に加入している場合、生命保険金で住宅ローンの残額を支払っているでしょう。
住宅ローンの残額を支払わなくてもよくなったという形で利益が残っていると考えられます。
現に利益を受けていると言えますから、この利益を返還しなければなりません。
5生死不明の相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット
相続人が行方不明であることは、割とよくあることです。
行方不明の相続人がいると、相続手続を進めることができません。
相続が発生した後、困っている人はたくさんいます。
自分たちで手続しようとして、挫折する方も少なくありません。
失踪宣告の申立ては、家庭裁判所に手続が必要になります。
通常ではあまり聞かない手続になると、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。
信託銀行などは、高額な手数料で相続手続を代行しています。
被相続人が生前、相続人のためを思って、高額な費用を払っておいても、信託銀行はこのような手間のかかる手続を投げ出して知識のない遺族を困らせます。
知識のない相続人が困らないように高額でも費用を払ってくれたはずなのに、これでは意味がありません。
税金の専門家なども対応できないでしょう。
困っている遺族はどうしていいか分からないまま、途方に暮れてしまいます。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。
途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。
自分たちでやってみて挫折した方も、信託銀行などから丸投げされた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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相続した借金の時効援用
1借金と連帯保証人の地位は相続される
①相続人になる人は法律で決まっている
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は、次のとおりです。
(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。
(1)配偶者は必ず相続人になる
(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども
(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
②債務者が死亡したら借金は相続される
相続が発生したら、被相続人のものは相続人が引き継ぎます。
被相続人のものには、さまざまなものがあるでしょう。
相続財産というと、プラスの財産だけ想像しがちです。
相続財産には、マイナスの財産が含まれます。
被相続人が借金をしたまま、死亡することがあります。
被相続人の借金は、相続人全員が相続します。
債務者が死亡しても、借金はなくならないからです。
債務者が死亡したら、債務者の相続人全員が借金を相続します。
③連帯保証人が死亡したら保証債務は相続される
被相続人が第三者の借金について、連帯保証人になっていることがあります。
連帯保証人とは、債務者が借金を返せないときに肩代わりをする人です。
連帯保証人には、肩代わりの義務があります。
保証債務とは、連帯保証人が負う肩代わりの義務です。
保証債務は、連帯保証人の相続人全員が相続します。
連帯保証人が死亡しても、肩代わりの義務はなくならないからです。
連帯保証人が死亡したら、連帯保証人の相続人全員が借金を相続します。
2相続した借金の時効援用
①消滅時効で権利行使ができなくなる
消滅時効とは、長期間権利行使をしない場合に権利が行使できなくなる制度です。
債権者は、借金を払って欲しいと請求する権利があります。
債務者の事情を察して、借金を請求せずに長期間経過することがあります。
借金を請求せずに長期間経過した場合、条件にあてはまれば権利行使が許されなくなります。
②消滅時効の利益を受けるため時効援用通知
長期間経過しても、自動的に借金がなくなるわけではありません。
消滅時効が完成すると、借金を払う必要がなくなります。
借金を払わなくてよくなることを、債務者が不道徳と思うことがあります。
お金を借りたのだからきちんとお金を返すべきだと考えている債務者に対して、消滅時効を押し付けるべきではありません。
消滅時効によって利益を受けるか受けないか、債務者は判断することができます。
時効の利益を受ける意思表示を時効の援用と言います。
時効を援用する場合、配達証明付き内容証明郵便で通知するのがおすすめです。
③消滅時効援用は各相続人が判断
被相続人の借金は、相続人全員が相続します。
債権者は、各相続人に対して法定相続分で借金を請求することができます。
消滅時効によって利益を受けるか受けないか、各相続人が判断することができます。
借金を払わなくてよくなることを不道徳と思う相続人に対して、消滅時効を押し付けるべきではないからです。
時効を援用する場合、時効援用を通知します。
一部の相続人だけが時効援用通知をした場合、通知した相続人だけ効果があります。
相続人全員が時効援用を希望する場合、相続人全員が連名で時効援用を通知します。
家族のさまざまな事情から、相続人が疎遠になっていることがあります。
相続人全員に連絡が取れないことがあるでしょう。
相続人全員で時効援用通知をする義務はありません。
消滅時効によって利益を受けるか受けないか、各相続人が判断することができるからです。
3連帯保証人が借金の時効援用
①消滅時効で保証債務を免れる
連帯保証人は、債務者が借金を返せないときに肩代わりをする人です。
債権者は、借金を肩代わりして欲しいと請求する権利があります。
債務者の事情を察して、借金の肩代わりを請求せずに長期間経過することがあります。
借金の肩代わりを請求せずに長期間経過した場合、条件にあてはまれば権利行使が許されなくなります。
②消滅時効の利益を受けるため時効援用通知
消滅時効が完成すると、借金を払う必要がなくなります。
借金がなくなれば、自動で肩代わりの義務はなくなります。
消滅時効によって利益を受けるか受けないか、債務者は判断することができます。
債務者の判断とは別に、連帯保証人は独自で判断することができます。
連帯保証人は、主債務と連帯保証債務の消滅時効を援用することができます。
主債務の消滅時効を援用しても連帯保証債務の消滅時効を援用しても、肩代わりの義務はなくなります。
借金がなくなれば、自動で肩代わりの義務はなくなるからです。
時効を援用する場合、配達証明付き内容証明郵便で通知するのがおすすめです。
③消滅時効援用は各相続人が判断
被相続人の肩代わりの義務は、相続人全員が相続します。
債権者は、各相続人に対して法定相続分で肩代わりを請求することができます。
消滅時効によって利益を受けるか受けないか、各相続人が判断することができます。
肩代わりをしなくてよくなることを不道徳と思う相続人に対して、消滅時効を押し付けるべきではないからです。
時効を援用する場合、時効援用を通知します。
一部の相続人だけが時効援用通知をした場合、通知した相続人だけ効果があります。
消滅時効援用は、各相続人が判断することができます。
4時効期間が経過しても請求してくる
①時効援用するまで請求してくる
債権者は、借金を払って欲しいと請求する権利があります。
時効期間が経過しても、債権者には借金を払って欲しいと請求する権利があります。
借金を払わなくてよくなることを、債務者が不道徳と思うことがあるからです。
債権者から借金を払って欲しいと請求されたら、借金を払ってくれるかもしれません。
借金を払ってくれるかもしれないと考えるから、消滅時効が完成していることを知っていても請求してきます。
被相続人の借金は、相続人全員が相続します。
被相続人の取引状況について、相続人はよく分からないことが多いでしょう。
債権者から借金を払って欲しいと請求されたら、相続人が払ってくれることが多いでしょう。
消滅時効によって利益を受けるか受けないか、債務者は判断することができます。
時効援用するまで、債権者は借金を請求してきます。
②債務承認で時効が更新される
債権者から被相続人の借金を返して欲しいと言われたら、びっくりするでしょう。
被相続人の借金が多額である場合、返済は待って欲しいと言ってしまうかもしれません。
債権者から一括返済が難しいなら分割返済でもいいと言われたら、承諾するかもしれません。
返済は待って欲しいと言った場合、債務を承認したと言えます。
借金の存在を前提にして、返済の猶予を申し出ているからです。
分割返済を承諾した場合、債務を承認したと言えます。
借金の存在を前提にして、分割返済を承諾しているからです。
債務を承認した場合、時効は更新されます。
時効が更新された場合、借金は消滅しません。
③時効期間経過後に主債務者が債務承認
債務を承認した場合、時効は更新されます。
時効期間経過後に、主債務者が債務承認をすることがあります。
消滅時効によって利益を受けるか受けないか、主債務者は判断することができるからです。
債務承認をした主債務者は、借金を払わなければなりません。
債務者の判断とは別に、連帯保証人は独自で判断することができます。
主債務者が債務承認をしても、連帯保証人は消滅時効を援用することができます。
消滅時効を援用した連帯保証人は、借金を肩代わりする義務がなくなります。
④時効期間経過後に連帯保証人が債務承認
時効期間経過後に、連帯保証人が債務承認をすることがあります。
連帯保証人が債務承認をした場合、承認したのは肩代わりの義務です。
連帯保証人には、もともと肩代わりに義務しかないからです。
連帯保証人が債務承認をしても、主債務者は消滅時効を援用することができます。
主債務者には、借金を返す義務があります。
連帯保証人が債務承認をしても、借金を返す義務には影響がないからです。
主債務者は消滅時効を援用した場合、借金がなくなります。
借金がなくなれば、自動で肩代わりの義務はなくなります。
肩代わりの義務を承認しても、借金がなくなれば自動で肩代わりの義務はなくなります。
借金がなくなったのに、肩代わりの義務だけ残ることはありません。
5時効援用で相続放棄が無効になる
①相続放棄をすると一切相続できない
被相続人が借金をしたまま死亡した場合、相続人は相続放棄を検討するでしょう。
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄をした場合、被相続人の借金を相続することはありません。
借金だけでなく、プラスの財産も相続することはできなくなります。
相続放棄をすると、一切相続できません。
②相続放棄や単純承認の撤回はできない
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄を希望する申立てをします。
相続放棄をしたら、相続放棄を撤回することはできません。
相続放棄が撤回できないように、単純承認を撤回することはできません。
相続放棄や単純承認の撤回を認めると、相続手続が混乱するからです。
③相続財産を処分すると単純承認
単純承認をしたら、相続放棄をすることはできません。
相続放棄はできないのに、家庭裁判所に相続放棄の手続がされることがあります。
家庭裁判所は事情を知らないから、相続放棄が認めてしまうでしょう。
事情を知らない家庭裁判所が相続放棄を認めても、無効です。
単純承認したとみなされる行為は、法律で定められています。
相続財産の名義変更をした、相続財産である銀行の預貯金を引き出して使ってしまった場合が典型的です。
単に、引き出しただけであれば、処分とは言えないことが多いでしょう。
引き出したうえ、自分の口座に送金して保管すると、「処分した」と評価される可能性が高くなります。
銀行の預貯金を引き出してお葬式の支払にあてた場合、状況によっては、処分したと判断されることもあります。
相続財産を処分する場合、単純承認になります。
④時効援用は単純承認になる
被相続人の借金すべてが時効完成していた場合、消滅時効を援用するといいでしょう。
消滅時効を援用した場合、借金を引き継ぐことなくプラスの財産を引き継ぐことができます。
被相続人の借金について消滅時効を援用することは、財産を処分することです。
相続財産を処分した場合、相続を単純承認したと判断されます。
単純承認をしたのに、相続放棄が認められても無効です。
消滅時効は、更新されることがあります。
消滅時効が更新された場合、あらためて時効が進行します。
被相続人が複数の借金をしていることがあります。
一部の借金が消滅時効を援用できたとしても、他の借金の消滅時効は完成していないことがあります。
被相続人のマイナスの財産の全容が明らかでない状態で、消滅時効を援用するのは危険です。
消滅時効を援用すると、相続を単純承認したと判断されるからです。
6相続放棄を司法書士に依頼するメリット
相続放棄は、その相続でチャンスは1回限りです。
家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできます。
高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。
家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。
一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。
相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。
通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。
家庭裁判所が知りたいことを無視した作文やダラダラとした作文では認めてもらうことは難しいでしょう。
司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています。
認めてもらえやすい書類を作成することができます。
通常の相続放棄と同様に戸籍謄本や住民票が必要になります。
仕事や家事、通院などでお忙しい人には平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。
戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできます。
書類の不備などによる問い合わせは、市区町村役場の業務時間中の対応が必要になります。
やはり負担は軽いとは言えません。
このような戸籍謄本や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。
3か月の期限が差し迫っている方や期限が過ぎてしまっている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
親子共有名義で片方死亡したときの相続
1共有者でも優先されない
①相続人になる人は法律で決まっている
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについて、民法で決められています。
相続人になる人は、次のとおりです。
(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。
(1)配偶者は必ず相続人になる
(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども
(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続します。
相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することを代襲相続と言います。
②共有者が自動的に相続するわけではない
被相続人が不動産を共有している場合、被相続人の共有持分は相続人に相続されます。
被相続人が相続人のひとりと不動産を共有していた場合、何となく共有者が相続すると思うかもしれません。
共有者のひとりが相続人である場合、自動的に被相続人の共有持分を相続できるといったことはありません。
共有者であっても、優先権はないからです。
共有者が相続人だから、自動的に相続するといったルールはありません。
③共有者が取得するのは相続人不存在のとき
相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。
被相続人が不動産を共有していた場合、被相続人は不動産の共有持分を持っています。
被相続人の共有持分は、相続人が相続します。
共有者の片方が死亡した場合、他の共有者が共有持分を取得することを聞いたことがあるかもしれません。
共有者の片方が死亡した場合に他の共有者が共有持分を取得するのは、相続人が不存在の場合です。
被相続人が天涯孤独の場合、法律で決められた相続人は存在しないでしょう。
法律で決められた相続人はいても、相続人全員が相続放棄をすることがあります。
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
法律で決められた相続人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在と言えます。
被相続人が払うべきお金を払わないまま、死亡することがあります。
相続人不存在であれば、相続人に払ってもらうことはできません。
被相続人の財産があれば、被相続人の財産から払ってもらいたいと望むでしょう。
被相続人が不動産を共有していた場合、共有持分は財産と言えます。
被相続人に特別縁故者がいることがあります。
特別縁故者とは、被相続人に特別な縁故があった人です。
家庭裁判所に特別縁故者と認められた場合、財産が分与を受けることができます。
受け取る人がいない財産は、国庫に帰属します。
国庫に帰属すべき財産が共有持分である場合、他の共有者が取得します。
被相続人に相続人がいる場合、相続人不存在ではありません。
共有者のひとりが死亡しても、自動で他の共有者が被相続人の共有持分を取得することはできません。
2親子共有名義の建物で配偶者居住権
①配偶者短期居住権は親子共有名義の建物で認められる
配偶者短期居住権と配偶者居住権は、相続発生後に配偶者が住み場所を失わないようにするために作られた権利です。
配偶者短期居住権が認められる要件は、次のとおりです。
(1)法律上の配偶者であること
(2)被相続人の所有していた建物であること
(3)相続開始時に居住していたこと
配偶者短期居住権は、要件が満たされれば自動で認められます。
配偶者短期居住権が認められるためには、被相続人単独所有の建物に限られません。
被相続人が第三者と共有している建物であっても、配偶者短期居住権は認められます。
被相続人が配偶者以外の人と共有している建物であっても、差し支えありません。
配偶者短期居住権は、親子共有名義の建物で認められます。
②配偶者居住権は親子共有名義の建物で認められない
配偶者居住権が認められる要件は、次のとおりです。
(1)法律上の配偶者であること
(2)被相続人の所有していた建物であること
(3)相続開始時に居住していたこと
(4)配偶者居住権を設定
配偶者居住権は、自動で発生しません。
配偶者居住権を設定する必要があります。
配偶者居住権が認められるためには、被相続人単独所有の建物に限られません。
被相続人と配偶者の共有建物について、配偶者居住権が認められます。
配偶者以外の第三者と共有する建物について、配偶者居住権が認められません。
配偶者居住権は、原則として配偶者が終身居住する権利です。
配偶者以外の第三者と共有する建物である場合、配偶者居住権は大きな負担になります。
他の共有者にとって過大な負担になるから、配偶者以外の第三者と共有する建物である場合配偶者居住権は認められません。
配偶者居住権は、親子共有名義の建物で認められません。
3相続で共有を解消する
①共有持分を取得して他の財産を取得しない
相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。
親子で不動産を共有していた場合、他の共有者は相続人のひとりでしょう。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めなければなりません。
被相続人と不動産を共有していても、自動で共有持分を相続することはできません。
他の共有者である相続人が共有持分を取得して、他の財産を取得しない合意をするといいでしょう。
相続人全員で合意できれば、相続をきっかけにして共有を解消することができます。
他の相続人にとって公平と思えるだけの財産がない場合、分け方の合意はできないでしょう。
②共有持分を取得して代償金の支払い
相続財産は、分けやすい財産と分けにくい財産があるでしょう。
不動産は、分けにくい財産の代表例です。
相続財産の大部分が不動産である場合、そのまま分けるのは難しいでしょう。
一部の相続人が不動産を取得した場合、他の相続人は不公平を感じるからです。
法定相続分と較べて高価な財産を取得する場合、代償分割をすることで合意できることがあります。
代償分割とは、一部の相続人が高価な財産を相続し、他の相続人は高価な財産を相続した人から、その分のお金をもらう方法です。
他の共有者である相続人が共有持分を取得して、他の相続人に代償を払う合意をするといいでしょう。
相続人全員で合意できれば、相続をきっかけにして共有を解消することができます。
共有持分を取得する相続人は、代償金を支払わなければなりません。
共有持分を取得する相続人が代償金を準備できない場合、分け方の合意はできないでしょう。
代償金を支払うと約束したのに、支払ってもらえないと相続人間でトラブルになります。
③不動産全体を売却してお金で分ける
代償分割では、不動産を相続する人が代償金を準備する必要があります。
不動産が高価である場合、代償金を準備することが難しいでしょう。
相続財産の大部分が高価な不動産である場合、換価分割をすることで合意ができることがあります。
換価分割とは、不動産を売却してお金に換えた後、お金を分ける方法です。
換価分割は、実際に売れてからお金で分ける方法です。
相続人全員で不動産全体を売却して、お金で分ける合意をするといいでしょう。
相続人全員で合意できれば、相続をきっかけにして共有を解消することができます。
不動産の価値をいくらと考えるか、だれが実際に不動産を相続するのかで話し合いがまとまらないという心配はありません。
せっかく家族が守ってきた不動産を手放すことへの罪悪感にかられるかもしれません。
売却しようとしたのに買い手がつかないと相続手続きが長引くおそれがあります。
④共有持分の細分化はデメリットが大きい
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めなければなりません。
相続財産は、複数の分け方があります。
相続人にもさまざまな考えがあるでしょう。
相続人全員の話し合いがまとまらないことは、少なくありません。
被相続人の共有持分を相続人全員で共有する方法は、話し合いが不要です。
相続人全員で法定相続分で共有するから、一見して公平に見えます。
話し合いがまとまらないと、先延ばしをしたくなります。
被相続人の共有持分をさらに細分化することはおすすめできません。
先延ばししても、メリットはないからです。
先延ばしすると、共有者にさらに相続が発生するでしょう。
共有者の共有持分は、共有者の相続人が相続します。
さらに共有者が増えることになります。
適切に相続登記をしていないと、だれにどれだけの持分があるのか分からなくなります。
共有物を処分する場合、共有者全員の合意が必要になります。
共有者が増えると、単純に話し合いが難しくなります。
気心が知れた兄弟で共有している場合、話し合いは比較的容易です。
相続で疎遠な親族と共有している場合、話し合いは難しくなるでしょう。
見知らぬ親族と共有している場合、話し合いはできなくなって先延ばしになるでしょう。
事実上、不動産の利活用ができなくなります。
共有持分の細分化はデメリットが大きいので、おすすめできません。
4相続前にできること
①遺言書作成
被相続人は生前に、自分の財産を自由に処分することができます。
被相続人は死亡後に、自分の財産をだれに引き継いでもらうか遺言書で自由に決めることができます。
遺言書で財産の行き先が決めてある場合、遺言書のとおりに分けることができます。
相続人全員で分け方の話し合いをする必要はありません。
遺言書は、作成するだけでは意味がありません。
遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。
遺言書を作成する場合、遺言執行者を選任することができます。
遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。
遺言執行者は、遺言書の内容を実現するために必要な権限があります。
遺言執行者がいると、わずらわしい相続手続をおまかせすることができます。
遺言書を作成すると、家族がラクになります。
②共有持分を生前贈与
被相続人は生前に、自分の財産を自由に処分することができます。
自分の持っている共有持分を生前贈与することができます。
共有持分全部を一度に贈与することもできるし、共有持分を分割して複数回に分けて贈与することもできます。
贈与する財産によっては、贈与税が課せられるかもしれません。
一般的に言って、贈与税は想像以上に高額になりがちです。
高額な贈与をする場合、税務署や税理士に相談するといいでしょう。
③子どもには遺留分がある
被相続人は生前に、自分の財産を自由に処分することができます。
被相続人は死亡後に、自分の財産をだれに引き継いでもらうか遺言書で自由に決めることができます。
財産は被相続人が1人で築いたものではないでしょう。
家族の協力があってこそ築くことができた財産のはずです。
被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすることはできません。
今まで協力してきた家族に、酷な結果となることがあるからです。
被相続人に近い関係の相続人には、相続財産に対して最低限の権利が認められています。
相続財産に対して、認められる最低限の権利のことを遺留分と言います。
配偶者は、必ず相続人になります。
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
配偶者と子どもは、遺留分が認められています。
遺留分が認められる人のことを遺留分権利者と言います。
遺留分を侵害するような遺言書であっても、作成することはできます。
公正証書遺言であっても、遺言書作成だけで遺留分を奪うことはできません。
遺留分を侵害するような生前贈与であっても、することはできます。
遺留分を侵害した場合、遺留分権利者は遺留分侵害額請求をするでしょう。
相続人間の大きなトラブルに発展します。
遺言書作成や生前贈与をする場合、遺留分に注意しましょう。
5遺言書作成と遺言執行を司法書士に依頼するメリット
不動産を共有している場合、共有者は親子や兄弟などの近い関係の人が多いでしょう。
共有者の片方に相続が発生した場合、他の共有者が相続人であることが多いでしょう。
遺産分割協議が必要なのに、共有者だから当然に相続できると誤解しているかもしれません。
相続人でもないのに、一方的に相続すると言われても困惑するでしょう。
相続人間のトラブルに発展しがちです。
相続手続は、タイヘンです。
単なる相続人の誤解や無理解で、トラブルに発展するからです。
不動産の共有は、デメリットが大きいのでおすすめできません。
事前の対策で、防げるトラブルと言えます。
司法書士は、相続対策をサポートすることができます。
相続対策をするために、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
夫婦共有名義で片方死亡したときの相続
1共有者でも優先されない
①相続人になる人は法律で決まっている
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについて、民法で決められています。
相続人になる人は、次のとおりです。
(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。
(1)配偶者は必ず相続人になる
(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども
(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡した場合、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続します。
相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することを代襲相続と言います。
②共有者が自動的に相続するわけではない
被相続人が不動産を共有している場合、被相続人の共有持分は相続人に相続されます。
被相続人が相続人のひとりと不動産を共有していた場合、何となく共有者が相続すると思うかもしれません。
共有者のひとりが相続人である場合、自動的に被相続人の共有持分を相続できるといったことはありません。
共有者であっても、優先権はないからです。
共有者が相続人だから、自動的に相続するといったルールはありません。
③共有者が取得するのは相続人不存在のとき
相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。
被相続人が不動産を共有していた場合、被相続人は不動産の共有持分を持っています。
被相続人の共有持分は、相続人が相続します。
共有者の片方が死亡した場合、他の共有者が共有持分を取得することを聞いたことがあるかもしれません。
共有者の片方が死亡した場合に他の共有者が共有持分を取得するのは、相続人が不存在の場合です。
被相続人が天涯孤独の場合、法律で決められた相続人は存在しないでしょう。
法律で決められた相続人はいても、相続人全員が相続放棄をすることがあります。
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
法律で決められた相続人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在と言えます。
被相続人が払うべきお金を払わないまま、死亡することがあります。
相続人不存在であれば、相続人に払ってもらうことはできません。
被相続人の財産があれば、被相続人の財産から払ってもらいたいと望むでしょう。
被相続人が不動産を共有していた場合、共有持分は財産と言えます。
被相続人に特別縁故者がいることがあります。
特別縁故者とは、被相続人に特別な縁故があった人です。
家庭裁判所に特別縁故者と認められた場合、財産が分与を受けることができます。
受け取る人がいない財産は、国庫に帰属します。
国庫に帰属すべき財産が共有持分である場合、他の共有者が取得します。
被相続人に相続人がいる場合、相続人不存在ではありません。
共有者のひとりが死亡しても、自動で他の共有者が被相続人の共有持分を取得することはできません。
④ローンの有無を確認
夫婦で不動産を共有している場合、夫婦でお金を出し合って不動産を購入したケースでしょう。
不動産を購入するときに、夫婦それぞれがローンを組んでいることがあります。
被相続人にローンがある場合、ローンは相続財産です。
被相続人のローンは、原則として相続人が相続します。
多くの場合、被相続人がローンを組む際に団体信用生命保険に加入します。
ローン返済中に死亡した場合、保険金でローンは完済になります。
ローンを組む際に団体信用生命保険に加入することは義務ではありません。
ローン契約者の健康状態によっては、団体信用生命保険に加入できないことがあります。
団体信用生命保険に加入していない場合、そのままローンの返済義務が残ります。
ローンの返済義務は、相続人に相続されます。
2夫婦共有名義の建物で配偶者居住権
①配偶者短期居住権は夫婦共有名義の建物で認められる
配偶者短期居住権と配偶者居住権は、相続発生後に配偶者が住み場所を失わないようにするために作られた権利です。
配偶者短期居住権が認められる要件は、次のとおりです。
(1)法律上の配偶者であること
(2)被相続人の所有していた建物であること
(3)相続開始時に居住していたこと
配偶者短期居住権は、要件が満たされれば自動で認められます。
配偶者短期居住権が認められるためには、被相続人単独所有の建物に限られません。
被相続人が第三者と共有している建物であっても、配偶者短期居住権は認められます。
被相続人が配偶者以外の人と共有している建物であっても、差し支えありません。
配偶者短期居住権は、夫婦共有名義の建物で認められます。
②配偶者居住権は夫婦共有名義の建物で認められる
配偶者居住権が認められる要件は、次のとおりです。
(1)法律上の配偶者であること
(2)被相続人の所有していた建物であること
(3)相続開始時に居住していたこと
(4)配偶者居住権を設定
配偶者居住権は、自動で発生しません。
配偶者居住権を設定する必要があります。
配偶者居住権が認められるためには、被相続人単独所有の建物に限られません。
被相続人と配偶者の共有建物について、配偶者居住権が認められます。
配偶者以外の第三者と共有する建物について、配偶者居住権が認められません。
配偶者居住権は、原則として配偶者が終身居住する権利です。
配偶者以外の第三者と共有する建物である場合、配偶者居住権は大きな負担になります。
他の共有者にとって過大な負担になるから、配偶者以外の第三者と共有する建物である場合配偶者居住権は認められません。
配偶者居住権は、夫婦共有名義の建物で認められます。
3夫婦共有名義の片方死亡したときの相続で注意すること
①前婚の子どもは相続人
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
子どもは、夫婦の子どもだけではありません。
被相続人に再婚歴がある場合、前婚配偶者との間に子どもがいることがあります。
前婚配偶者は、離婚した元配偶者は相続人になりません。
被相続人が離婚しても、子どもは被相続人の子どものままです。
離婚した元配偶者が引き取っても、被相続人の子どもです。
離婚した元配偶者の氏を名乗っていても、被相続人の子どもです。
相続が発生したら、被相続人の財産は相続財産になります。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。
相続財産の分け方を決める話し合いを遺産分割協議と言います。
被相続人に前婚の子どもがいる場合、子どもは相続人です。
前婚の子どもを含めて、分け方の合意をしなければなりません。
一部の相続人を含めないで合意をしても、有効な合意ではありません。
前婚の子どもは、相続人になります。
②未成年の子どもに特別代理人
被相続人の子どもが赤ちゃんなどの未成年であることがあります。
未成年者は、物事のメリットデメリットを適切に判断することができません。
未成年者が契約などの法律行為をする場合、原則として親などの親権者が代わりに行います。
未成年者が相続人になる場合、親などの親権者は被相続人の配偶者でしょう。
被相続人の配偶者は、常に相続人になります。
未成年者と親などの親権者が同時に相続人である場合、親などの親権者は未成年者を代理することはできません。
親などの親権者の行為は、利益相反になるからです。
利益相反とは、一方がソンすると他方がトクをする関係です。
未成年者がソンをすると親などの親権者がトクする関係になるから、代理することはできません。
未成年にソンさせる意思はないなどの主張は、意味がありません。
親などの親権者の主観は、関係ありません。
客観的に利益相反と判断される場合、代理をすることができません。
親などの親権者が利益相反で代理ができない場合、家庭裁判所で代わりに人を選任してもらう必要があります。
代わりの人は、特別代理人と言います。
特別代理人は、未成年者の代わりに遺産分割協議に参加します。
未成年の子どもが相続人になる場合、特別代理人の選任が必要になります。
③自分のローンは残る
不動産を購入するときに、夫婦それぞれがローンを組んでいることがあります。
債務者がローン返済中に死亡した場合、団体信用生命保険の保険金でローンは完済になります。
ローンが完済になるのは、被相続人の債務だけです。
生存配偶者のローンは、今までどおり返済が必要です。
④抵当権抹消登記は申請が必要
ローンの返済が滞ったときに備えて、銀行は不動産を担保にします。
返済が滞ったときに備えて、担保にする権利を抵当権と言います。
ローンを組んだときに、不動産には抵当権設定登記がされています。
債務者がローン返済中に死亡した場合、団体信用生命保険の保険金でローンは完済になります。
ローンが完済になると、抵当権はなくなります。
抵当権がなくなっても、抵当権の登記は自動でなくなりません。
金融機関が自動で消してくれることはありません。
抵当権抹消登記は、当事者からの申請が必要です。
4相続前にできること
①遺言書作成
被相続人は生前に、自分の財産を自由に処分することができます。
被相続人は死亡後に、自分の財産をだれに引き継いでもらうか遺言書で自由に決めることができます。
遺言書で財産の行き先が決めてある場合、遺言書のとおりに分けることができます。
相続人全員で分け方の話し合いをする必要はありません。
遺言書は、作成するだけでは意味がありません。
遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。
遺言書を作成する場合、遺言執行者を選任することができます。
遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。
遺言執行者は、遺言書の内容を実現するために必要な権限があります。
遺言執行者がいると、わずらわしい相続手続をおまかせすることができます。
遺言書を作成すると、家族がラクになります。
②おしどり贈与を活用して共有持分を生前贈与
被相続人は生前に、自分の財産を自由に処分することができます。
自分の持っている共有持分を生前贈与することができます。
共有持分全部を一度に贈与することもできるし、共有持分を分割して複数回に分けて贈与することもできます。
贈与する財産によっては、贈与税が課せられるかもしれません。
おしどり贈与とは、贈与税の配偶者控除の特例です。
婚姻期間が20年以上の夫婦で居住用不動産を贈与したときに適用されます。
おしどり贈与の適用を受ければ、基礎控除とは別に2,000万円の控除が受けられます。
一般的に言って、贈与税は想像以上に高額になりがちです。
高額な贈与をする場合、税務署や税理士に相談するといいでしょう。
③子どもには遺留分がある
被相続人は生前に、自分の財産を自由に処分することができます。
被相続人は死亡後に、自分の財産をだれに引き継いでもらうか遺言書で自由に決めることができます。
財産は被相続人がひとりで築いたものではないでしょう。
家族の協力があってこそ築くことができた財産のはずです。
被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすることはできません。
今まで協力してきた家族に、酷な結果となることがあるからです。
被相続人に近い関係の相続人には、相続財産に対して最低限の権利が認められています。
相続財産に対して、認められる最低限の権利のことを遺留分と言います。
配偶者は、必ず相続人になります。
被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。
配偶者と子どもは、遺留分が認められています。
遺留分が認められる人のことを遺留分権利者と言います。
遺留分を侵害するような遺言書であっても、作成することはできます。
公正証書遺言であっても、遺言書作成だけで遺留分を奪うことはできません。
遺留分を侵害するような生前贈与であっても、することはできます。
遺留分を侵害した場合、遺留分権利者は遺留分侵害額請求をするでしょう。
相続人間の大きなトラブルに発展します。
遺言書作成や生前贈与をする場合、遺留分に注意しましょう。
5遺言書作成と遺言執行を司法書士に依頼するメリット
不動産を共有している場合、共有者は親子や兄弟などの近い関係の人が多いでしょう。
共有者の片方に相続が発生した場合、共有者が相続人であることが多いでしょう。
共有者だから当然に相続できると誤解していることがあります。
他の相続人から見ると一方的に相続すると言われているのだからいい気持ちはしません。
相続人間のトラブルに発展しがちです。
相続手続は、タイヘンです。
単なる相続人の誤解や無理解で、トラブルに発展するからです。
不動産の共有は、デメリットが大きいのでおすすめできません。
相続人全員が合意できるのであれば、共有者が被相続人の共有持分を相続するのがおすすめです。
相続人全員の合意ができれば、です。
相続人全員が正しい知識があれば、防げるトラブルと言えます。
司法書士は、相続人をサポートすることができます。
適切な遺産分割協議をするために、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
現金を相続するときの注意点
1現金は相続財産
①現金は遺産分割の対象
相続が発生したら、被相続人のものは相続人全員の共有財産になります。
被相続人が手元に現金を残したまま死亡した場合、現金は相続財産です。
相続人全員の共有財産になるから、一部の相続人が勝手に取得することはできません。
現金は、遺産分割の対象です。
②相続財産の分け方は相続人全員の合意で決定
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
現金は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
不動産や預貯金などと同様に、現金の分け方を決めるためには、相続人全員の合意が必要です。
③遺産分割協議書は相続人全員の合意の証明
相続財産の分け方を決めるための相続人全員の話し合いを遺産分割協議と言います。
遺産分割協議で相続財産の分け方について合意ができた場合、相続人全員の合意内容を文書に取りまとめます。
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を取りまとめた文書です。
相続人全員に内容を確認してもらって記名し実印で押印してもらいます。
遺産分割協議書の押印が実印による押印であることを証明するため、印鑑証明書を添付します。
相続人全員の記名押印は、遺産分割協議書に間違いがないことの証明です。
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容の証明書です。
遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書で、相続人全員の合意内容を客観的に証明することができます。
④現金を黙っていると使い込みトラブル
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
一部の相続人が勝手に取得することはできません。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があるからです。
自宅などに現金が保管されていた場合、相続人で情報共有することが大切です。
他の相続人に何も言わないと、使い込みトラブルになるおそれがあります。
現金は、存在や金額が客観的に分かりにくいと言えます。
預貯金は、入出金履歴を金融機関に照会することができます。
現金の存在を他の相続人が知らなかったら、遺産分割の対象から外すことができてしまいます。
もちろん、相続財産は相続人全員の共有財産です。
現金を隠したり勝手に取得する行為は、刑法上の横領や窃盗になるおそれがあります。
使い込みをしていなくても、相続人が疑心暗鬼になるとトラブルになります。
被相続人の現金を見つけた場合、相続人間で情報共有することが重要です。
2現金を相続するメリット
①現金の相続は名義変更が不要
現金の相続では、名義変更手続は不要です。
銀行などの預貯金は、現金ではありません。
預貯金の相続では、相続手続が必要です。
銀行などの預貯金は、銀行から預貯金を引き出す権利だからです。
銀行から預貯金を引き出す権利をだれが相続するのか、相続人全員で合意する必要があります。
現金を相続する場合も、現金をだれが相続するのか相続人全員で合意する必要があります。
現金であっても銀行の預貯金であっても、相続人全員の合意で分け方を決める必要があります。
相続人全員の合意ができれば、すぐに現金を取得することができます。
相続人全員の合意ができるまで、一部の相続人が勝手に使うことはできません。
現金は名義変更手続が不要である点がメリットです。
②現金はすぐに使うことができる
現金の相続では、名義変更手続は不要です。
遺産分割協議ができれば、すぐに取得することができます。
例えば、不動産を相続した場合、相続登記をする必要があります。
売却してお金で分けたいと合意しても、思うようにいかないことが多いでしょう。
相続人全員が納得するような値が付かないことがあります。
売却することに納得できても、時期がよくないと考えるかもしれません。
現金はすぐに使うことができる点がメリットです。
③公平に分けやすい
相続財産には、いろいろな種類の財産があることが通常です。
現金や預貯金は、分けやすい財産です。
不動産は、分けにくい財産の代表です。
相続財産の大部分が不動産であることがあります。
相続財産の分け方について、相続人全員の合意は難航しがちです。
不動産は、分けにくい財産だからです。
相続財産の分け方は、次の方法があります。
(1)現物分割
(2)換価分割
(3)代償分割
(4)共有
(5)用益権設定による分割
どの方法にも、メリットデメリットがあります。
不動産は、公平に分けることが難しいものです。
現金や預貯金は、1円単位まで簡単に分けることができます。
現金は公平に分けることができる点がメリットです。
④遺留分侵害額請求などに対応しやすい
被相続人は、原則として、自分の財産をだれに受け継がせるかは自由に決めることができます。
財産は被相続人が1人で築いたものではないでしょう。
家族の協力があってこそ、築くことができた財産のはずです。
被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすることはできません。
今まで協力してきた家族に、酷な結果となることがあるからです。
被相続人に近い関係の相続人には、相続財産に対して最低限の権利が認められています。
相続財産に対して、認められる最低限の権利のことを遺留分と言います。
分配を受けた財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。
遺留分を侵害した人は、遺留分侵害額請求を拒否することはできません。
遺留分侵害額請求は、遺留分に相当する金銭を請求します。
原則として、すぐに現金で支払いをしなければなりません。
現金を相続した場合、遺留分侵害額請求に対応しやすいでしょう。
現金は遺留分侵害額請求などに対応しやすい点がメリットです。
3現金を相続したときの相続税
①相続税がかかるのは基礎控除額を超えたとき
資産家や有名人が死亡した後に、多額の相続税を納付した話を聞くことがあります。
高額な相続税を想像して、不安になるかもしれません。
相続税がかかるのは、相続財産が基礎控除額を超えたときのみです。
基礎控除額は、次の計算式で求められます。
基礎控除額=3000万円+600万円×相続人の人数
相続財産が基礎控除額に収まっていれば、相続税はかかりません。
相続税の申告をしなければならない人は、実際のところ10%にも満たないわずかな人です。
相続税の申告が必要なだけで、納税は必要ない人もたくさんいます。
相続税がかかるのは、基礎控除額を超えたときのみです。
②配偶者には相続税がほとんどかからない
相続税には、配偶者控除があります。
相続税の配偶者控除は、次のうちいずれか大きい方です。
・1億6000万円
・法定相続分
相続人が配偶者のみである場合、配偶者はすべての財産を相続します。
すべての財産が配偶者控除の対象です。
配偶者は、手厚く保護されています。
配偶者控除を適用すると、配偶者が相続税を納めることは稀です。
配偶者には、相続税がほとんどかかりません。
③現金は相続税対策がしにくい
相続税の対象額は、対象となる相続財産を評価して計算します。
現金を相続する場合、額面そのままの評価額です。
不動産を相続する場合、購入額より低い評価額になることが多いでしょう。
土地の相続税評価額は、時価の80%程度が多いです。
建物の相続税評価額は、時価の70%程度が多いです。
不動産には、相続税を少なくする特例や控除が複数設けられています。
不動産を相続する場合、相続税対策がしやすいと言えます。
現金には、相続税を少なくする特例や控除がありません。
現金を相続する場合、相続税対策がしにくいと言えます。
④自宅で現金が見つかったら
遺品整理をしていると、金庫や家具などから手許現金が見つかることがあります。
被相続人の現金であれば、相続財産です。
相続税の申告が必要な財産規模である場合、手許現金は申告する必要があります。
手許現金は、有無が分かりにくい財産です。
相続税申告をした後に、多額の現金が見つかることがあります。
申告すべき財産を見つけた場合、すぐに修正申告をする必要があります。
自主的に修正申告をした場合、加算税が免除されます。
税務調査などで指摘された後に修正申告をする場合、延滞税や過少申告加算税が課されます。
意図的な財産隠しと認められる場合、さらに重加算税が課されます。
自宅で現金が見つかったら、ただちに修正申告が必要です。
4遺産分割協議証明書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書と遺産分割協議証明書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
前提として、話し合いによる合意ができていなければ、文書にできません。
話し合いによる合意を適切に文書にする必要があります。
書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
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