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名寄帳を活用して相続した不動産を調査する方法

2025-05-18

1名寄帳を活用して相続した不動産を調査する方法

①名寄帳は所有者ごとの不動産一覧表

名寄帳は「なよせちょう」と読みます。

名寄帳とは、土地や家屋を所有者ごとにまとめた一覧表です。

不動産などの固定資産を保有していると、固定資産税の対象になります。

市町村は、固定資産税を賦課徴収するため、固定資産課税台帳を作成しています。

名寄帳は、固定資産課税台帳から所有者ごとに一覧表に取りまとめた書類です。

名寄帳を見ると、被相続人の不動産を一覧で確認できます。

②課税明細書に記載がない不動産を確認できる

毎年4~5月ごろに、固定資産税納税通知書が届きます。

固定資産税納税通知書に、課税明細書が付いてきます。

課税明細書を見ると、固定資産税が課される不動産が列挙されています。

課税明細書に列挙される不動産は、固定資産税の対象になる不動産のみです。

被相続人の不動産であっても、固定資産税が課されないことがあります。

例えば、私道や水路、山林などは、条件を満たすと固定資産税が課されません。

課税明細書を見ても、固定資産税が課されない不動産は確認できません。

名寄帳を確認すると、固定資産税が課されない不動産を確認できることがあります。

③共有不動産を確認できる

被相続人が第三者と不動産を共有していることがあります。

共有不動産の固定資産税納税通知書は、共有者の代表者に対して送られます。

被相続人が共有者の代表者でなかった場合、固定資産税納税通知書は届きません。

相続人が共有不動産について何も聞いていないと、気づけない可能性があります。

名寄帳を確認すると、共有不動産を確認できます。

④固定資産課税台帳と名寄帳のちがい

固定資産課税台帳とは、固定資産税を賦課徴収するための台帳です。

固定資産課税台帳は、不動産ごとに情報が取りまとめてあります。

固定資産税は、不動産などの固定資産に対して賦課するからです。

名寄帳とは、固定資産課税台帳から所有者ごとに一覧表に取りまとめた書類です。

名寄帳は、所有者ごとに情報が取りまとめてあります。

被相続人の不動産を一覧で確認できるから、名寄帳はとても便利です。

固定資産課税台帳と名寄帳の記載内容に、大きなちがいはありません。

⑤名寄帳を見るときのポイント

固定資産課税台帳には、たくさんの情報が記載されています。

相続財産を調査する場合、次の項目に注目するといいでしょう。

ポイント(1)不動産に関する情報

・不動産が土地であるか家屋であるか

・不動産の所在地

・土地であれば、地積、地目

・家屋であれば、家屋の種類、面積

・単独所有であるか共有であるか

ポイント(2)所有者に関する情報

・所有者の住所

・所有者の氏名

ポイント(3)固定資産税評価額

2名寄帳の取得方法

①名寄帳を取得できる人

名寄帳は、その人の財産に関する重要な書類です。

原則として、所有者本人だけが交付請求をすることができます。

所有者本人が死亡した場合、相続人の一人が交付請求をすることができます。

委任状を発行して、代理人に名寄帳を取得を依頼することができます。

②名寄帳を取得するときに必要な書類

相続人が交付請求をする場合、次の書類が必要です。

(1)所有者本人の除籍謄本

(2)交付請求をする人が相続人であることが分かる戸籍謄本

(3)交付請求をする人の本人確認書類

③市町村ごとに交付請求をする

名寄帳は、市町村ごとに発行されます。

不動産が所在する市町村ごとに、手続します。

請求先は、市町村役場の固定資産税の担当課です。

一部の政令指定都市では、各市税事務所で手続をします。

不動産の所在が分からない場合、思い当たる各市町村に請求して確認します。

④名寄帳は郵送請求をすることができる

名寄帳は、窓口まで出向いて交付請求をすることもできるし、郵送請求をすることもできます。

郵送請求する場合、日中連絡ができる電話番号を明記しておきましょう。

返信用の封筒と切手を同封しておくと、送り返してもらえます。

手続をするときに、単独所有の物件と共有の物件のいずれも交付してくださいとお願いするといいでしょう。

⑤名寄帳に発行手数料

名寄帳を発行してもらう場合、手数料がかかります。

手数料は、請求時期や市町村によって異なります。

多くの場合、1通300円前後でしょう。

名寄帳を郵送で交付請求する場合、手数料は郵便小為替で納入します。

郵便小為替は、郵便局の貯金窓口で購入します。

名寄帳は、単独所有の物件と共有の物件は別々に発行されます。

手数料が別々に計算されます。

⑥令和8年2月から所有不動産記録証明制度

所有不動産記録証明制度とは、法務局で名寄せができる仕組みです。

特定の所有者の不動産が一覧できる見込みです。

名寄帳は不動産が所在する市区町村が分からないと、請求できません。

所有不動産記録証明制度が始まると、見つけやすくなるでしょう。

所有不動産記録証明制度は、相続登記義務化に伴って導入される制度です。

3名寄帳を請求するときの注意点

注意①1月1日時点の所有状況のみ確認できる

名寄帳は、毎年1月1日時点の登記簿の所有者を基準に作成されます。

1月2日以降に登記完了した場合、名寄帳には反映しません。

1月2日以降に手放した不動産は、名寄帳に記載されています。

1月2日以降に手に入れた不動産は、名寄帳に記載されていません。

名寄帳は、参考に過ぎません。

登記簿謄本や売買契約書などを活用して、相続財産を確認するのがおすすめです。

注意点1つ目は、1月1日時点の所有状況のみ確認できることです。

注意②発行した市町村以外の不動産は記載されない

被相続人が複数の市町村で、不動産を持っていることがあります。

名寄帳は、その市町村に所在する不動産のみ記載されます。

発行した市町村以外に所在する不動産は、記載されません。

不動産が所在する市町村が分からないと、思い当たる各市町村に請求します。

注意点2つ目は、発行した市町村以外の不動産は記載されないことです。

注意③法人名義は別

被相続人が会社を経営していることがあります。

会社名義で不動産を所有している場合、被相続人の個人名義の名寄帳に記載されません。

被相続人個人と被相続人の経営する会社は、別扱いだからです。

会社名義の名寄帳が必要である場合、あらためて会社名義の名寄帳を取得する必要があります。

注意点3つ目は、法人名義の名寄帳は別であることです。

注意④証明書としての効力はない

名寄帳は、公的な証明書ではありません。

市区町村長の公印は、押してありません。

原則として、所有している不動産を一覧で確認できる書類に過ぎません。

名寄帳の内容を証明するときは、固定資産税評価証明書を取得する必要があります。

名寄帳は証明書ではないものの、不動産の固定資産税評価額が分かる書類です。

相続登記をする場合、多くの法務局では名寄帳を提出することができます。

注意4点つ目は、証明書としての効力はないことです。

注意⑤名寄帳を発行していない市町村がある

名寄帳は、その人の重要な財産に関する書類です。

機密性の高い個人情報であることを考慮して、名寄帳を発行していない市町村があります。

名寄帳を発行し得いない市町村である場合、課税明細書の再発行を受けることで代用します。

課税明細書には、固定資産税が課される物件のみ記載されます。

現在は固定資産税が課されていない物件であっても、所有状況を把握していることが多いでしょう。

課税明細書を請求するとき「課税されていない物件がある場合は、資産明細書も出してください」と記載すると判明することがあります。

注意点5つ目は、名寄帳を発行していない市町村があることです。

4名寄帳を取得してもクロスチェックが重要

①登記簿謄本を取得して共同担保目録をチェック

名寄帳を取得しても、不動産を見落とす可能性があります。

非課税物件などが網羅されていないことがあるからです。

名寄帳を取得した後、登記簿謄本で権利関係を確認するのは有効です。

金融機関などから借り入れをする場合、複数の不動産を担保に差し出すことがあります。

複数の不動産に共同担保を設定した場合、登記簿の共同担保目録に記録されます。

登記簿謄本の共同担保目録を確認すると、名寄帳にない不動産が見つかることがあります。

②売買契約書や権利証をチェック

被相続人が不動産を取得したときの売買契約書や権利証を確認するのは、おすすめです。

売買契約書を確認すると、売買の対象になった不動産が記載されているはずです。

購入した不動産の権利証があるはずです。

例えば、自宅を購入したときの売買契約書を確認すると、自宅の敷地が売買の対象であることが分かります。

よく見ると、自宅の敷地と一緒に私道の共有持分を購入しているかもしれません。

自宅の権利証の他に、私道の権利証が見つかるかもしれません。

私道は、固定資産税が非課税になることが多いでしょう。

非課税の不動産は、課税明細書に記載されないでしょう。

私道は、近隣の住民と共有することが多いでしょう。

固定資産税納税通知書は、共有者の代表者に届きます。

売買契約書や権利証を確認すると、名寄帳にない不動産が見つかることがあります。

③公図を取得して隣接地をチェック

公図とは、土地の所在や形状を表した図面です。

法務局で取得することができます。

公図を見ると、近接地の地番や形状が視覚的に分かります。

近接地の地番を確認して、登記簿謄本を取得します。

名寄帳に記載がなくても、被相続人の所有する土地かもしれません。

公図を取得して隣接地を確認すると、名寄帳にない不動産が見つかることがあります。

④典型的な見落とし例

ケース(1)固定資産税の非課税地

私道や山林などは、条件を満たすと固定資産税が課されません。

固定資産税の課税明細書に記載されないだけでなく、名寄帳にも記載がないケースがあります。

見落とし例1つ目は、固定資産税の非課税地です。

ケース(2)共有名義の土地

被相続人が不動産を共有している場合、共有者の代表でないと固定資産税納税通知書が届きません。

単独所有の不動産と共有の不動産は、名寄帳が別になっていることがあります。

見落とし例2つ目は、共有名義の土地です。

ケース(3)地番が違う土地

地番は、住所と異なることがあります。

日常生活で地番を使うことは、ほとんどないでしょう。

住所と異なる地番の土地は、見落とされがちです。

見落とし例3つ目は、地番が違う土地です。

ケース(4)相続登記未了の土地

相続財産調査をすると、相続登記未了の土地が見つかることがあります。

被相続人の先祖の名義のままになっている土地は、名寄帳が別になっていることが多いでしょう。

見落とし例4つ目は、相続登記未了の土地です。

⑤見落としがあるとトラブルにつながる

相続財産調査は、重要です。

財産の全容が明らかでないと、相続人間のトラブルにつながるからです。

相続した不動産の見落としがあると、相続登記をしないままになるでしょう。

相続登記義務化で、3年以内に相続登記をしないと10万円以下のペナルティーが課されます。

相続税申告の申告漏れにもつながります。

相続財産調査は、確実に行うことが重要です。

5財産調査を司法書士に依頼するメリット

相続が発生したら、遺族は大きな悲しみに包まれます。

もれなく迅速に相続財産を調査するのは、身体的にも精神的にも大きな負担になります。

負担の大きい財産調査は、司法書士などの専門家に依頼することができます。

被相続人の財産について、相続人もあまり詳しく知らないという例は意外と多いものです。

悲しみの中で被相続人の築いてきた財産をたどるのは切なく、苦しい作業になります。

財産調査でお疲れが出る前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続登記義務化は空き家も対象になる

2025-05-16

1相続登記義務化は空き家も対象になる

①令和6年(2024年)4月1日から相続登記は義務

所有権移転登記をしない場合、所有者はソンをします。

不動産に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者のはずなのに権利主張ができないからです。

相続登記は、手間のかかる手続です。

自分で相続登記をしようとするものの、多くの人は挫折します。

相続登記をする場合、登録免許税を納付しなければなりません。

相続登記を専門家に依頼する場合、専門家に報酬を支払う必要があります。

相続登記にかかる手間と費用がもったいないと考える人が少なくありません。

相続登記がされない場合、登記簿を見ても土地の所有者が分からなくなります。

所有者不明の土地の発生を防止するため、相続登記をすることは義務になりました。

②期限3年経過でペナルティーの対象

令和6年(2024年)4月1日から、相続登記をする義務が課されました。

相続登記の期限は、3年です。

令和6年(2024年)4月1日以降に発生した相続は、当然に対象になります。

相続があったことを知ってから、相続登記の期限3年がスタートします。

相続登記の期限3年を経過すると、ペナルティーの対象になります。

令和6年(2024年)4月1日以前に発生した相続も、義務化の対象です。

過去の相続は、すでに3年を経過していることが多いでしょう。

過去の相続は、令和9年3月31日が期限になります。

相続登記の期限3年が経過すると、ペナルティーの対象になります。

③空き家も相続登記が必要

不動産を相続したら、名義変更が必要です。

被相続人の自宅が空き家になることがあるでしょう。

空き家も、相続登記義務化の対象です。

空き家の相続登記を放置していると、ペナルティーの対象になります。

空き家も、相続登記が必要です。

④令和6年(2024年)4月1日以前発生の相続も義務化の対象

令和6年4月1日から、相続登記は義務になりました。

令和6年4月1日以降に発生した相続は、もちろん対象になります。

令和6年4月1日以前発生の相続も、義務化の対象です。

令和6年4月1日以前発生の相続では、令和6年4月1日に期限3年がスタートします。

⑤相続登記義務化の背景

不動産の権利を取得したら、すぐに登記申請をします。

登記がないと、権利主張ができないからです。

不動産登記簿を見たら、不動産の権利関係が分かります。

相続登記がされていないと、所有者がだれなのか分からなくなります。

不動産を売ってほしい場合だれにお願いしたらいいのか、登記簿を見ても分かりません。

例えば、公共事業のために土地を売ってほしい場合、所有者が分からないと公共事業ができなくなります。

社会全体にとって、大きな損失でしょう。

相続登記義務化によって、所有者不明土地解消につなげる目的があります。

2空き家対策特別措置法改正で対応強化

①所有者の責任強化

空き家対策特別措置法は、空き家対策に関する法律です。

倒壊や著しく景観を損ねるなどの危険性が高い空き家対策のために制定された法律です。

危険が高くなってから対策するより、未然に問題がある空き家に対策した方がいいでしょう。

令和5年12月13日に空き家対策特別措置法が改正されました。

改正前、空き家の所有者は適切な管理義務を負っていました。

改正後、適切な管理義務に加えて、国や地方自治体の施策に協力する義務が追加されました。

相続登記義務化で、空き家の所有者が明確になるでしょう。

空き家の所有者が明確化され、責任強化が効果的に機能することが期待されています。

空き家対策特別措置法改正で、所有者の責任が強化されました。

②空き家の適切な管理活用

空き家対策特別措置法改正で、空家等活用促進区域が新設されました。

空家等活用促進区域とは、市区町村等が重点的に空き家との活用を図るエリアです。

市区町村等は、空き家を活用しやすくするために活用指針を策定することができます。

市区町村等は、活用指針に沿った活用ができるように所有者に要請することができます。

相続登記義務化で、空き家の所有者が明確になるでしょう。

空き家の所有者が明確化され、空き家の適切な管理活用が促進されると期待されています。

空き家対策特別措置法改正で、空き家の適切な管理活用が促進されます。

③行政の対応強化

倒壊や著しく景観を損ねるなどの危険性が高い空き家は、特定空き家に認定されます。

特定空き家は、市区町村等から勧告、命令、行政代執行の対象になるおそれがあります。

空き家対策特別措置法改正前、特定空き家が対象でした。

改正後、特定空き家の他に、管理不全空き家が対象になりました。

管理不全空き家とは、放置すれば特定空き家になるおそれが高い空き家です。

空き家対策特別措置法改正で、未然に問題がある空き家に対策することができます。

管理不全空き家に指定されると、空き家の所有者は勧告に応じて必要な措置を行う必要があります。

管理不全空き家に指定されると、固定資産税の住宅特例が解除される可能性があります。

固定資産税の住宅特例とは、固定資産税が6分の1になる特例です。

固定資産税の住宅特例が解除されると、固定資産税が更地並に課税されて6倍になります。

相続登記義務化で、空き家の所有者が明確になるでしょう。

空き家の所有者が明確化され、行政の勧告が効果的に機能すると期待されています。

空き家対策特別措置法改正で、行政の対応強化されます。

3空き家の相続登記を放置するデメリット

デメリット①ペナルティーの対象になる

相続登記の期限は、3年です。

空き家の相続登記を放置すると、ペナルティーの対象になります。

ペナルティーの内容は、10万円以下の過料です。

過料とは、行政上の義務違反に対するペナルティーです。

前科は付かないけど、大きな負担と言えます。

空き家の相続登記を放置すると、ペナルティーの対象になります。

デメリット②固定資産税は連帯責任

不動産を保有していると、固定資産税が課されます。

遺産分割協議中でも、固定資産税は課されます。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方を決めるための相続人全員による話し合いです。

遺産分割協議が続いていると、相続登記を放置しがちです。

遺産分割協議中の固定資産税は、相続人全員の連帯責任です。

管理不全空き家に指定されると、固定資産税が更地並に課税されて6倍になります。

固定資産税の負担が大きくなるでしょう。

ますます遺産分割協議がまとまらなくなります。

遺産分割協議が成立したら、相続登記をします。

相続登記をしないと、他の相続人に固定資産税の請求が届くおそれがあります。

遺産分割協議を成立させたのに、相続した空き家トラブルに巻き込まれるおそれがあります。

空き家の相続登記を放置すると、定資産税は連帯責任です。

デメリット③相続人全員に管理義務

空き家は、管理不全になりがちです。

遺産分割協議中、相続人全員に空き家の管理義務があります。

空き家の管理状態が悪いと、空き家が崩れかかったり屋根などが壊れかかったりするでしょう。

通行人や近隣に損害を与えた場合、賠償する責任があります。

相続登記をしないと、相続人全員に管理義務があります。

デメリット④所有権を主張できない

不動産について権利主張をするためには、登記が必要です。

遺産分割協議中、相続財産は相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議で不動産を取得すると合意しても、相続人間の内部的合意です。

第三者に対して権利主張するためには、相続登記が必要です。

相続登記をしていないと、所有権が認められなくなるおそれがあります。

相続登記をしないと、所有権を主張することができません。

デメリット⑤相続した空き家を利活用ができない

相続した空き家を売却したり担保に差し出したいことがあるでしょう。

相続登記がされていないと、取引リスクがあると判断されるおそれがあります。

相続登記がされていないと、金融機関は担保価値がないと考えることが多いでしょう。

売却したり担保に差し出すことができないと、自分で住む以外利用できなくなるでしょう。

相続登記をしないと、利活用ができなくなります。

4相続登記をする方法

手順①管轄の法務局を確認

相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。

法務局の管轄は、法務局のホームページで確認することができます。

登記は、次の方法で申請します。

・窓口に出向いて申請書を提出

・郵送で申請書を提出

・オンラインで申請

オンラインで申請するためには、電子証明書を取得する必要があります。

相続登記1回のためにオンライン申請をするのは、手間がかかりすぎるでしょう。

オンライン申請以外の申請方法がおすすめです。

手順1は、管轄の法務局を確認です。

手順②必要書類を準備

遺言書がない相続登記で必要になる書類は、次のとおりです。

(1)被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

(2)相続人の現在戸籍

(3)被相続人の住民票の除票

(4)不動産を相続する人の住民票

(5)遺産分割協議書

(6)相続人全員の印鑑証明書

(7)不動産の評価証明書

事例によっては、この他に書類が必要になることがあります。

相続登記で使う書類は、他の相続手続でも必要になるでしょう。

登記申請書の添付書類は、希望すれば返却してもらうことができます。

返却して欲しい書類のコピーを添付して、「原本に相違ありません。」と書いて記名押印します。

手順2は、必要書類を準備です。

手順③登記申請書を作成

法務局のホームページを見ると、典型的な登記申請書のひな型が出ています。

登記申請書のひな型を参考にして、登記申請書を作成します。

パソコンなどで作っても手書きで作っても問題ありません。

手順3は、登記申請書を作成です。

手順④登録免許税を計算

相続登記をするときに、登録免許税が課されます。

納付する登録免許税は、不動産の固定資産財評価額の1000分の4です。

必要な収入印紙を購入して、印紙貼り付け台紙に貼付して納入します。

手順4は、登録免許税を計算です。

手順⑤管轄法務局へ提出

申請書と添付書類を取りまとめて、法務局に提出します。

提出は窓口まで出向いてもいいし、郵送でも差し支えありません。

何か審査で引っかかるようなことがあれば、電話で連絡が来ます。

手順5は、管轄法務局へ提出です。

手順⑥登記識別情報通知を受領

提出した書類に問題がなければ、登記が完了し登記識別情報通知が発行されます。

登記識別情報通知は、不動産の権利証です。

今後、不動産を売却するときや担保に差し出すときに、必要になる大切な書類です。

手順6は、登記識別情報通知を受領です。

5相続登記を司法書士に依頼するメリット

大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。

やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。

相続手続きは一生のうち何度も経験するものではないため、だれにとっても不慣れで手際よくできるものではありません。

相続登記は、相続手続の中でも手間がかかる難しい手続です。

不動産は重要な財産であることが多いので、法務局は厳重な審査をします。

一般の人にとって些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

売却する予定がないのなら、先延ばししたい誘惑にかられるかもしれません。

実は、相続手続をスムーズにするコツがあります。

それは、はじめに相続登記をすることです。

相続登記は難しい手間がかかる手続なので、司法書士などの専門家に依頼するでしょう。

相続手続で挫折しがちなのは、戸籍謄本などの書類収集や遺産分割協議書の作成です。

書類収集や遺産分割協議書の作成は、司法書士に依頼することができます。

司法書士が戸籍謄本や遺産分割協議書を準備したうえに、法務局の厳重な審査をします。

法務局の審査が通った戸籍謄本や遺産分割協議書だから、銀行などの相続手続先で指摘があることはありません。

銀行などの独自書類の内容などに指摘があるとしても、簡単に済むことがほとんどでしょう。

相続手続をスムーズに進めたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

公正証書遺言は相続人に通知されない

2025-05-14

1公正証書遺言は安心確実

①公正証書遺言は公証人が取りまとめる

遺言書を作成する場合、公正証書遺言か自筆証書遺言を作ることがほとんどです。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に取りまとめてもらって作る遺言書です。

証人2人に確認してもらって、作ります。

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

書き方ルールに違反すると、遺言書が無効になります。

公証人は、法律の専門家です。

法律の専門家が関与するから、書き方ルールに違反することは考えられません。

公正証書遺言は公証人が取りまとめるから、安心確実です。

②公正証書遺言は公証役場で厳重保管

公正証書遺言を作成した場合、遺言書原本は公証役場で厳重に保管されます。

自分で保管する必要がないから、紛失の心配がありません。

相続人らの目に触れることがないから、変造や改ざんの心配がありません。

公正証書遺言は、公証役場で厳重保管から、安心確実です。

③公正証書遺言は検認不要

自宅などで見つけた遺言書は、家庭裁判所で開封してもらいます。

検認とは、家庭裁判所で遺言書を開封して形状や内容を確認する手続です。

検認手続は、遺言書の変造や改ざんを防止するための手続です。

公正証書遺言では、検認手続は不要です。

遺言書原本は、公証役場に厳重に保管されているからです。

公正証書遺言は変造や改ざんができないから、検認手続は不要です。

2公正証書遺言は相続人に通知されない

①公証役場から通知されない理由

理由(1)遺言者の死亡を知らないから

遺言者本人が死亡した後も、公証役場は公正証書遺言原本を厳重に保管しています。

遺言者が死亡した後も、公証役場は相続人に何も通知しません。

人が死亡したら、市区町村役場に死亡届を提出します。

市区町村役場から、公証役場に死亡が通知されません。

遺言者が死亡したら、公証役場に死亡届などを提出するルールはありません。

遺言者が生きているのか死亡したのか、公証役場は知らないからです。

理由(2)公正証書遺言の作成と保管が仕事だから

公証役場は、公正証書を作成し保管する役所です。

作成し保管する役割のみで、以降の手続に関与する権限がありません。

理由(3)相続人が分からないから

遺言者が死亡しても、公証役場に相続人を調べる権限はありません。

法律上、公証役場が相続人を調べて通知する義務が定められていません。

公証役場は相続人が分からないから、通知はされません。

②家庭裁判所から通知されない

遺言書検認の申立てを受け付けた場合、相続人を家庭裁判所に呼び出します。

遺言書を開封して確認するとき、相続人に立会いをしてもらうためです。

遺言書検認が必要な遺言書であれば、家庭裁判所から通知がされます。

検認が必要なのに検認をしていない場合、相続手続が進められなくなるからです。

公正証書遺言は、検認手続不要です。

公正証書遺言は、家庭裁判所から通知されません。

3遺言執行者は相続人に通知義務がある

①遺言執行者は遺言書の内容を実現する人

遺言書は、遺言者の意思を示したものです。

遺言書を作成するだけでは、意味がありません。

遺言書を書いただけで、自動的に遺言内容が実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者を指名しておくと、確実に遺言内容を実現してくれるから安心です。

②遺言執行者に遺言書の内容を通知する義務

遺言執行者に、遺言書の内容を通知する義務があります。

遺言執行者が就任したら、相続人に遺言執行者に就任したことを通知します。

通常は、遺言執行者の就任通知と同時に遺言内容を通知します。

③遺言内容の通知が遅れるとトラブル

遺言執行者には、遺言の内容を実現するために必要な行為をする権限があります。

遺言執行者がいる場合、相続人は遺言執行を妨害することはできません。

遺言執行者がいるのに相続人が相続財産を処分した場合、相続人の処分行為は無効です。

相続人が誤って相続財産を処分すると、トラブルになるでしょう。

遺言内容の通知が遅れると、相続人間でトラブルになります。

④遺留分がない相続人にも通知する

遺言書の内容によっては、相続人の遺留分を侵害することがあります。

遺留分とは、一定の範囲の相続人に認められた最低限の権利です。

兄弟姉妹以外の相続人に、遺留分が認められます。

遺言書で配分された財産が遺留分に満たない場合、遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分が認められていない相続人に対しても、遺言書の内容を通知する必要があります。

遺留分がない相続人に対して、遺言書の内容を通知しなくていいと言うルールはないからです。

⑤司法書士などの専門家を指名すると確実に通知

遺言執行者は、遺言書で指名することができます。

遺言執行者になれない人は、次のとおりです。

(1)未成年者

(2)破産者

上記の人以外であれば、相続人などの家族を遺言執行者に指名することができます。

相続人などの家族が、法律について熟知していることは少ないでしょう。

遺言内容の通知が遅れると、トラブルを招くおそれがあります。

遺言執行者は、司法書士などの専門家がおすすめです。

専門家が遺言執行者である場合、すぐに就任と遺言書の内容を通知します。

司法書士などの専門家を指名すると、確実に遺言内容が通知してもらえるから安心です。

⑥遺言執行者を指名しないリスク

(1)遺言書の存在に気づかれない

遺言執行者がいないと、だれからも遺言書の内容が通知されません。

相続人が遺言書がないと、信じている可能性があります。

遺言書があると知っていても、自力で探す必要があります。

相続人に、手間と時間をかけさせることになります。

(2)遺言執行に相続人全員の協力

遺言執行者がいる場合、遺言執行者が遺言書の内容を実現してくれます。

遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力で遺言書の内容を実現します。

相続人の中には、遺言書の内容に不満を持つことがあります。

遺言書の内容に不満を持っているのに、遺言書の内容の実現に協力してくれることはないでしょう。

協力しない相続人がいると、遺言書の内容を実現できなくなります。

(3)家庭裁判所の選任手続に1か月

遺言書で遺言執行者を選任していない場合、家庭裁判所に選任してもらうことができます。

遺言執行に協力しない相続人がいる場合、家庭裁判所に選任してもらうのがおすすめです。

家庭裁判所に対して遺言執行者選任の申立てをしてから選任されるまで、1か月程度かかります。

遺言執行者選任の申立てをする手間と時間も、かかります。

家庭裁判所が遺言執行者を選任するまで、遺言執行はできなくなります。

相続手続ができないのは、相続人全員にとってデメリットです。
遺言執行者を選任していなくても、遺言書は有効です。

遺言書が無効にならなくても、遺言執行者を選任するのがおすすめです。

4相続人は公正証書遺言を調べることができる

①相続人は遺言書を検索してもらえる

(1)対象になる遺言書

公正証書遺言を作成した後、公正証書遺言はデータベースで管理されています。

相続が発生した後、相続人は公証役場に出向いて遺言書の有無を調べてもらうことができます。

昭和64年1月1日以降に作った公正証書遺言、秘密証書遺言が対象です。

(2)請求先

日本中どこの公証役場でも、検索してもらうことができます。

公正証書遺言の検索システムを利用する場合、公証役場に出向く必要があります。

郵送で検索してもらうことは、できません。

(3)手続ができる人は利害関係人

利害関係人にあたるのは、次の人です。

・相続人

・受遺者

・遺言執行者

(4)必要書類

利害関係人が公正証書遺言の検索システムを利用する場合、次の書類が必要です。

・遺言者が死亡したことが分かる戸籍謄本

・請求者が相続人であることが分かる戸籍謄本

・請求者の本人確認書類

(5)遺言書検索の手数料

無料です。

②公証役場は他の相続人に通知しない

遺言書には、プライベートなことが記載されています。

たとえ家族であっても、遺言者の生前は遺言書の有無を調べてもらうことはできません。

遺言者が死亡した後、各相続人は相続人であることを証明して遺言書の有無を調べてもらうことができます。

遺言書の有無を調べてもらう場合、請求者が相続人であることが分かる戸籍謄本を提出します。

請求者が相続人であることが分かれば、遺言書の有無を回答してくれます。

請求者以外の相続人について、戸籍謄本等を提出する必要はありません。

他に相続人がいるのかいないのか、公証役場は分かりません。

請求者にだけ、遺言書の有無を回答します。

他の相続人に対して、遺言書の有無を回答しません。

公証役場は相続人が分からないから、公証役場から通知されません。

③公正証書遺言の謄本請求

遺言書を検索してもらうと、遺言書の有無が分かります。

遺言書の内容を確認するためには、あらためて謄本を請求する必要があります。

公正証書遺言の謄本は、遺言書を作成した公証役場に請求します。

公正証書謄本交付申請は、郵送で手続をすることができます。

郵送で公正証書遺言の謄本請求をする場合、手続が複雑です。

公証役場で請求方法を詳細に確認して、手続する必要があるでしょう。

郵送で公正証書遺言の謄本請求をする場合、司法書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書がある場合、相続財産について、相続人全員で、分け方を合意する必要はありません。

もっともトラブルになりやすい遺産分割協議で、相続人全員で合意をしなくていいのは大きなメリットです。

せっかく遺言書を作成しても、遺族に見つけてもらえなければ意味がありません。

同時に、死亡する前に自分に都合の悪い遺言書を隠したり捨ててしまったりする心配があります。

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

ルールが守られていない遺言書は、無効になります。

書き方のルールは守られていても、内容があいまいだったり、不適切であったために、実現できない遺言書も少なくありません。

せっかく遺言書を書くのであれば、家族を幸せにできる遺言書を確実に作りましょう。

司法書士は確実な遺言書を作るお手伝いをします。

家族のために適切で確実な遺言書を作りたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

法定相続情報一覧図の取得方法

2025-05-13

1法定相続情報一覧図があると便利

①法定相続情報一覧図は公的書類

法定相続情報一覧図とは、被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのかを、取りまとめた書類です。

一目で分かるように、家系図のように書くのが一般的です。

相続人なる人は、法律で決められています。

家族にとって、だれが相続人になるのかは当然のことでしょう。

相続手続先に対しては、客観的に証明する必要があります。

客観的に証明するとは、戸籍謄本を用意することです。

戸籍には、その人の身分事項がすべて記録されているからです。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本は、どのような相続でも必要になります。

たくさんの戸籍謄本を読み解くのは、相続人にとっても相続手続先にとっても負担が大きい事務です。

たくさんの戸籍謄本と家系図を法務局に提出して、点検してもらうことができます。

内容に問題がなければ、地模様や透かしの入った紙に印刷されて、登記官の認証文が入ります。

法定相続情報一覧図は、登記官が確認した信頼性が高い証明書です。

法定相続情報一覧図は、公的証明書です。

②法定相続情報一覧図は複数枚発行してもらえる

たくさんの戸籍謄本と家系図を法務局に提出して点検してもらうことを法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と言います。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をするときに、法定相続情報一覧図の必要枚数を申し出ることができます。

法定相続情報一覧図は、相続手続で使います。

相続が発生したら、たくさんの相続手続先で手続します。

相続手続先の数だけ、法定相続情報一覧図を発行してもらうことができます。

法定相続情報一覧図は複数枚発行してもらえるから、とても便利です。

③相続手続がスムーズになる

相続手続では、たくさんの戸籍謄本を提出します。

家族にとって、だれが相続人であるか当然のことでしょう。

相続手続先には、客観的に証明する必要があるからです。

戸籍には、その人の身分事項がすべて記録されています。

たくさんの戸籍謄本を読み解くのは、相続手続先にとって負担が重い事務です。

法定相続情報一覧図は、公的書類です。

たくさんの戸籍謄本を登記官が点検して間違いないことを確認しているからです。

法定相続情報一覧図を見たら、どのような人が相続人になるのか一目で分かります。

相続手続先の事務負担が大幅に削減されます。

法定相続情報一覧図があると、相続手続がスムーズになります。

2法定相続情報一覧図の取得方法

①必要書類を収集する

法定相続情報一覧図は、被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのかを、取りまとめた書類です。

どういう続柄の人が相続人であるのか、確認できる書類を準備します。

必要な書類は、次のとおりです。

(1)被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

(2)被相続人の住民票の除票

(3)相続人全員の現在戸籍

(4)申出人の本人確認書類

(5)相続人全員の住民票

(6)委任状

法定相続情報一覧図は、相続人の住所を記載してもいいし記載しなくても構いません。

多くの場合、相続手続で相続人の住所確認がされることから住所が記載してあると便利です。

②法定相続情報一覧図は法務局で作成してもらえない

法定相続情報一覧図には、厳格な書き方ルールが決められています。

書き方ルールを守って、作成します。

法定相続情報一覧図は、法務局で作成してもらえません。

法務局は、提出された家系図と戸籍謄本を点検するだけです。

法定相続情報一覧図は、パソコンなどを使って作成することができます。

楷書ではっきりと書いてあれば、手書きで作成しても構いません。

家系図を作成して、法務局に提出します。

法定相続情報一覧図は、法務局で作成してもらえません。

③法定相続情報一覧図作成は司法書士に依頼できる

法定相続情報一覧図は、地模様の入った専用紙に認証文を付ける公的証明書です。

書き方ルールの違反が見つかった場合、書き直しになります。

書くべき内容が書いてないと、書き直しになります。

書くべきでない内容が書いてあると、書き直しになります。

厳格な書き方ルールを守るのは、想像以上にタイヘンです。

法定相続情報一覧図の作成は、司法書士などの専門家に依頼することができます。

④遺言執行者が法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出ができる

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出ができるのは、相続人とその代理人です。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者は、法定相続情報一覧図の保管及び申出の申出人になることができます。

遺言執行の一環と、考えられるからです。

⑤法定相続情報一覧図は押印不要

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をするときに、押印は不要です。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書に、押印する必要はありません。

提出する家系図に、作成者が押印する必要はありません。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出は、司法書士などの専門家に依頼することができます。

司法書士などの専門家に依頼する場合、委任状を提出します。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書の委任状に、押印は不要です。

法定相続情報一覧図は、押印不要です。

⑥管轄法務局へ提出する

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書の提出先は、次の地を管轄する法務局です。

(1)被相続人の死亡時の本籍地

(2)被相続人の最後の住所地

(3)申出人の住所地

(4)被相続人名義の不動産の所在地

被相続人の最後の住所地を管轄する法務局に提出したい場合、被相続人の最後の住所地を証明する書類を提出する必要があります。

複数の人が共同で、保管及び交付の申出をすることができます。

複数の人が共同で保管及び交付の申出をする場合、いずれか一人の住所地が管轄であれば、管轄の法務局として申出をすることができます。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出は、遺言執行者が申出人になることができます。

遺言執行者は申出人になることができるけど、遺言執行者の住所地の法務局に提出することはできません。

⑦発行されるまで1~2週間

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出から発行まで、一般的に1~2週間程度です。

法務局に提出する際に、窓口で完了の目安を教えてもらうことできます。

法務局の混雑によって、交付までに時間がかかることがあります。

発行されるまで、1~2週間です。

⑧郵送で提出できる

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書は、郵送で提出することができます。

発行された法定相続情報一覧図を自宅などに送ってもらいたい場合、返信用封筒を同封すると返送してもらうことができます。

普通郵便で提出することができますが、書留やレターパックなど記録が残る郵便が安心です。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書は、郵送で提出することができます。

⑨5年以内は再交付の申出ができる

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書を見ると、必要枚数を書く欄があります。

相続手続先の数を書いておくと、複数枚発行してもらうことができます。

相続手続を進めていると、思いもよらない手続先が見つかることがあります。

法定相続情報一覧図は、法務局で5年間保管されています。

保管期間中であれば、再交付の申出をすることができます。

再交付の申出は、最初に保管及びの交付の申出をした法務局のみです。

5年以内であれば、法定相続情報一覧図の再交付の申出ができます。

3法定相続情報一覧図を使ってできること

①預貯金口座の凍結解除で使える

相続が発生したら、家族はたくさんの相続手続をすることになります。

銀行などの預貯金口座は、口座の持ち主が死亡したら口座は凍結されます。

法定相続情報一覧図は、預貯金口座の凍結解除で使うことができます。

複数の金融機関で複数の預貯金口座を使い分けていることが多いでしょう。

法定相続情報一覧図があると、すみやかに口座凍結解除をすることができます。

②不動産の相続登記で使える

被相続人が不動産を持っていた場合、不動産の名義変更をします。

法定相続情報一覧図は、相続登記で使うことができます。

法定相続情報一覧図を利用すると、相続人が一目で分かります。

法定相続情報一覧図があると、すみやかに相続登記をすることができます。

③生命保険の死亡保険金の請求で使える

被相続人に生命保険がかけてある場合、死亡保険金が支払われます。

法定相続情報一覧図は、死亡保険金の請求で使うことができます。

法定相続情報一覧図は、複数枚発行してもらえます。

複数の保険会社に請求するときも、すみやかに保険金請求をすることができます。

④年金請求で使える

未支給年金とは、年金受給者が受け取るはずだった年金です。

年金受給者が死亡した後、一定の遺族が受け取ることができます。

未支給年金を請求する場合、法定相続情報一覧図を使うことができます。

一定の条件にあてはまる場合、死亡者の家族が死亡一時金や遺族年金を受け取ることができます。

死亡一時金や遺族年金を請求する場合、法定相続情報一覧図を使うことができます。

⑤役員死亡の変更登記で使える

株式会社の取締役や監査役は、登記されています。

取締役や監査役が死亡退任をした場合、死亡退任を登記する必要があります。

死亡退任の登記を申請する場合、死亡を証明する書類を提出します。

法定相続情報一覧図は、死亡の登記で使うことができます。

⑥相続税申告で使える

財産規模が一定以上の場合、相続税の対象になります。

相続税申告をする場合、法定相続情報一覧図を提出することができます。

法定相続情報一覧図は、相続人が一目で分かるように家系図のように書くのが一般的です。

被相続人と相続人を列挙する方式で作成することができます。

相続税申告をする場合、列挙方式の法定相続情報一覧図を使うことはできません。

法定相続情報一覧図の続柄は、子どもであれば「子」と記載することができます。

相続手続では、実子でも養子でも同じ子どもだからです。

相続税を申告する場合、実子と養子は異なる取り扱いがされることがあります。

相続税申告をする場合、「子」と記載された法定相続情報一覧図を使うことはできません。

4相続登記と法定相続情報一覧図は同時申請ができる

被相続人が自宅などの不動産を持っていた場合、不動産の名義変更をします。

相続登記とは、相続による不動産の名義変更です。

相続登記と法定相続情報一覧図は、同時申請が便利です。

相続登記と法定相続情報一覧図の必要書類は、大部分が重なっています。

相続登記は、不動産の所在地の法務局に申請します。

法定相続情報一覧図は、被相続人名義の不動産の所在地に提出することができます。

相続登記と法定相続情報一覧図は、同時申請が合理的です。

相続登記は、司法書士に依頼することができます。

法定相続情報一覧図は、司法書士に依頼することができます。

司法書士にまとめて依頼すると、手続がスムーズです。

相続登記と法定相続情報一覧図は、同時申請ができます。

5法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記を司法書士に依頼するメリット

法定相続情報一覧図は、後に登記官が認証文を付して交付されます。

書き方が厳格に決まっています。

法定相続情報一覧図と似たものに、相続関係説明図があります。

相続関係説明図は、登記官が点検をするものではありません。

単なる事情説明の書類に過ぎませんから、比較的自由に書くことができます。

法定相続情報一覧図と相続関係説明図は、ポイントを押さえて書くことが重要です。

相続手続が少ない場合など、法定相続情報一覧図を作るまでもないこともあるでしょう。

銀行口座をたくさんあるなど、相続手続をする手続先が多い場合は、法定相続情報一覧図は大変便利です。

要領よく相続手続を進めるためには、不動産の相続登記を先行させるのがおすすめです。

相続登記は、相続手続の中でも難易度が高い手続です。

司法書士などの専門家は、相続登記に必要な戸籍謄本などの書類をすべて準備してくれるからです。

仕事や家事で忙しい方は、戸籍謄本などの収集だけでも、タイヘンです。

相続登記が終わった後、登記に使った書類は原本還付をしてもらえます。

難易度の高い相続登記で使った書類がすべてあれば、銀行などで書類の不足を指摘されることは大幅に減ります。

銀行の預貯金などの相続手続についても、サポートを受けることができます。

すみやかな手続を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

数次相続があるときの法定相続情報一覧図

2025-05-13

1法定相続情報一覧図を使うと相続手続がラク

相続が発生すると、相続人は相続手続をすることになります。

相続手続先は、市区町村役場や銀行などの金融機関です。

相続手続では、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と相続人の現在戸籍を提出します。

相続手続のたびに、大量の戸籍謄本を提出しなければなりません。

大量の戸籍謄本を持ち歩くと、汚してしまったり紛失したりする心配があるでしょう。

相続手続先にとっても、戸籍謄本の束を読解するのは手間のかかる事務です。

被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのか一目で分かるように家系図のように取りまとめてあると便利です。

この家系図と戸籍謄本等を法務局に提出して、登記官に点検してもらうことができます。

登記官は内容に問題がなかったら、地模様の入った専用紙に認証文を付けて印刷して、交付してくれます。

これが法定相続情報証明制度です。

地模様の入った専用紙に印刷してくれた家系図のことを法定相続情報一覧図と言います。

多くの場合、家系図のように書きます。

相続人をずらっと書き並べることもできます。

連記式の法定相続情報一覧図は、税務申告などで提出できないことがあります。

2数次相続とは

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続財産の分け方について、話し合いがまとまらないうちに相続人が死亡してしまうことがあります。

数次相続とは、話し合いがまとまらないうちに相続人が死亡して相続が発生することです。

死亡した相続人に相続が発生した場合、相続人の地位が相続されます。

最初の相続で話し合いをする地位が、死亡した相続人の相続人に相続されます。

数次相続は、どこまででも続きます。

法律上の制限は設けられていません。

3ひとつの相続にひとつの法定相続情報一覧図

①複数の相続をまとめた法定相続情報一覧図を作ることはできない

数次相続では、最初の相続と次の相続が発生しています。

数次相続が発生している場合、法定相続情報一覧図は一緒に作ることはできません。

最初の相続の法定相続情報一覧図と次の相続の法定相続情報一覧図は、別々に作ります。

最初の相続の法定相続情報一覧図には、相続発生の当時生きていた相続人はそのまま記載します。

法定相続情報一覧図は、その相続における相続人を見やすく取りまとめた書類だからです。

法定相続情報一覧図を作成したときには、すでに死亡した相続人について死亡日を書くことはできません。

死亡日を記載した場合、書き直しになります。

死亡した相続人について、あらためて法定相続情報一覧図を作成します。

法定相続情報一覧図を見るときは、相続が発生したときに生きていた相続人が今は死亡しているかもしれないということに注意する必要があります。

②複数の相続をまとめた相続関係説明図があると便利

相続関係説明図は単なる説明のための家系図です。

法務局の点検や認証文はありません。

単に説明のために自由に書くことができます。

数次相続をひとまとめにした相続関係説明図を作ると、相続全体が分かりやすくなります。

複数の法定相続情報一覧図を提出する場合、相続関係説明図を一緒に添付すると親切でしょう。

4数次相続があるときの法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出の方法

①法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出ができる人

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出ができるのは、相続人とその代理人です。

数次相続があるとき、最初の相続における相続人の地位が相続されています。

最初の相続における死亡した相続人の相続人は、最初の相続の法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をすることができます。

死亡した相続人の相続人は、相続人の地位を相続しているからです。

保管及び交付の申出をする人は、相続人であっても代理人であっても押印不要です。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をする場合、家系図に申出人の記載をしなければなりません。

通常の相続であれば申出人は家系図に現れていますから、家系図の氏名の近くに申出人と記載します。

数次相続の場合、死亡した相続人の相続人が最初の相続の法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をすることができます。

死亡した相続人の相続人は、最初の相続の家系図に相続人として現れません。

家系図に現れない人が申出人になる場合、作成者氏名の近くにまとめて記載します。

②複数の相続人で法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出ができる

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出ができるのは、相続人とその代理人です。

相続人が複数いる場合、複数の相続人が共同で申出をすることができます。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をする場合、相続人であっても代理人であっても押印は不要です。

複数の人が一度に保管及び交付の申出をする場合、申出書は、申出人氏名などを連記します。

複数の人が一度に保管及び交付の申出をする場合、いずれか一人が代理人を立てることができます。

遺言執行者は、法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出の代理をすることができます。

相続手続を司法書士などの専門家に依頼する場合、一緒に依頼することができます。

③法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書の提出先

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書の提出先は、次の地を管轄する法務局です。

(1)被相続人の死亡時の本籍地

(2)被相続人の最後の住所地

(3)申出人の住所地

(4)被相続人名義の不動産の所在地

被相続人の最後の住所地を管轄する法務局に提出したい場合、被相続人の最後の住所地を証明する書類を提出する必要があります。

複数の人が共同して保管及び交付の申出をする場合、いずれか一人の住所地が管轄であれば、管轄の法務局として申出をすることができます。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出の際に、法定相続情報一覧図の必要数を交付してくれます。

保管及び交付の申出のときに気づいていなかった相続手続が必要になることが多々あります。

法定相続情報一覧図は手続をすれば、再交付をしてもらうことができます。

当初の法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をした人のみが再交付をしてもらうことができます。

複数の人が共同して保管及び交付の申出をした場合、いずれの人も再交付をしてもらうことができます。

再交付の申出を受け付ける法務局は、当初の法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をした法務局です。

④2つの相続の法定相続情報一覧図をまとめて申出ができる

数次相続では、最初の相続と次の相続が発生しています。

最初の相続の法定相続情報一覧図と次の相続の法定相続情報一覧図は、別々に作ります。

法定相続情報一覧図や申出書を別々に作ったら、2つの申出を同時に提出することができます。

数次相続は、最初の相続の相続人が死亡して次の相続が発生した場合です。

多くの場合、提出すべき戸籍謄本が重なり合うでしょう。

同じ戸籍謄本を2通用意する必要はありません。

5法定相続情報一覧図は相続登記と同時申請ができる

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出は、被相続人名義の不動産の所在地を管轄する法務局に提出することができます。

被相続人名義の不動産がある場合、相続登記が必要になります。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出は、相続登記と同時に申請することができます。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記は、どちらも司法書士に依頼することができます。

数次相続がある場合の相続登記は、複雑になる相続の典型例です。

法律の知識だけでなく、登記の知識がないと登記申請をすることは難しいでしょう。

法定相続情報一覧図もまとめて依頼してしまうと相続手続がスムーズになります。

6法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記を司法書士に依頼するメリット

法定相続情報一覧図は、後に登記官が認証文を付して交付されるので、書き方が厳格に決まっています。

法定相続情報一覧図と似たものに、相続関係説明図があります。

相続関係説明図は、登記官が点検をするものではなく、単なる事情説明の書類に過ぎませんから、比較的自由に書くことができます。

これらの違いを理解して、ポイントを押さえて書くことが重要です。

相続手続が少ない場合など、法定相続情報一覧図を作るまでもないこともあるでしょう。

逆に、銀行口座をたくさん持っているなど、相続手続をする手続先が多い場合は、法定相続情報一覧図は大変便利です。

相続が発生した場合、家族はたくさんの相続手続でとても忙しくなります。

葬儀の費用などの支払のため、銀行口座の相続手続を先行させたいと考えるかもしれません。

自宅不動産などの相続登記を後回しにしがちです。

要領よく相続手続を進めるためには、不動産の相続登記を先行させるのがおすすめです。

相続登記は、相続手続の中でも難易度が高い手続です。

司法書士などの専門家は、相続登記に必要な戸籍謄本などの書類をすべて準備してくれるからです。

お仕事や家事で忙しい方は戸籍謄本などの収集だけでも、タイヘンです。

相続登記が終わった後、登記に使った書類は原本還付をしてもらえます。

難易度の高い相続登記で使った書類がすべてあれば、銀行などで書類の不足を指摘されることは大幅に減ります。

銀行の預貯金などの相続手続についてもサポートを受けることができます。

すみやかな手続を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

未成年者複数の相続放棄で特別代理人

2025-05-12

1相続放棄をすると相続人でなくなる

①相続放棄は家庭裁判所で手続

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所で相続放棄の申立てをします。

相続放棄の申立ては、3か月の期限があります。

相続放棄の期限までに、必要書類を揃えて家庭裁判所で手続をします。

②熟慮期間3か月のスタートは知ってから

相続放棄を希望する場合、3か月以内に家庭裁判所に対して手続をする必要があります。

熟慮期間とは、相続を単純承認するか相続放棄するか決めて手続をする3か月の期間です。

原則として、熟慮期間を経過すると、相続放棄を受け付けてもらえません。

熟慮期間3か月のスタートは、知ってからです。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

2未成年者複数の相続放棄に特別代理人

①未成年者はひとりで判断できない

被相続人が若くして亡くなった場合や代襲相続が発生した場合には、幼い子どもが相続人になることがあります。

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄するか選択することができます。

幼い子どもは、相続財産の価値や相続の意味が分からないでしょう。

未成年者は、物事のメリットデメリット適切に判断することができません。

未成年者はひとりで、判断することができません。

②親権者が相続放棄の手続

通常、未成年者が契約などの法律行為をする場合、親権者が代わりに手続をします。

未成年者は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができないからです。

相続を単純承認することも相続放棄することも、法律行為です。

未成年者が相続放棄をする場合、原則として、親などの親権者が代理して手続をします。

③利益相反で代理できない

利益相反とは、一方がソンすると他方がトクする関係です。

未成年者と親権者が利益相反になる場合、親権者は未成年者の代理ができません。

未成年者と親権者が同時に相続人になる事実があれば、利益相反になります。

親権者がトクをすると、未成年者がソンをするからです。

利益相反になるかは、外形的・客観的に判断されます。

親権者が未成年者を公平に扱うと約束しても、意味がありません。

親権者の主観で、利益相反を判断するわけではないからです。

客観的に利益相反になると、親権者は未成年者を代理できません。

④家庭裁判所が特別代理人を選任

親権者が未成年者を代理できない場合、特別代理人が未成年者を代理します。

特別代理人とは、親権者などが代理できないときに家庭裁判所が選任する代理人です。

特別代理人に、特別な資格は不要です。

特別代理人選任の申立書で、候補者を立てることができます。

相続に無関係な家族を候補者に立てることができます。

家庭裁判所が候補者を適任と判断すれば、特別代理人に選ばれます。

候補者をふさわしくないと判断すれば、家族以外の専門家が選任されます。

例えば、次の人は、不適切と判断されるでしょう。

・候補者が遺贈を受ける人

・共同事業者など経済的つながりがある人

・自己破産をした人など経済的に不安定な人

・認知症の疑いがある高齢者

家庭裁判所の人選に異議を述べることはできません。

⑤未成年者複数で各未成年者に特別代理人

未成年者と親権者が同時に相続人になる場合、利益相反になります。

未成年者が複数いる場合、各未成年者に特別代理人が必要になります。

1人の特別代理人が複数の未成年者を代理することはできません。

各未成年者間で、利益相反になるからです。

各未成年者が相続放棄をする場合、それぞれの特別代理人が手続します。

⑥未成年者間の利益相反で特別代理人

相続放棄が認められると、はじめから相続人でなくなります。

親権者が相続放棄をすると、親権者と未成年者に利益相反は生じません。

親権者がはじめから相続人でないことがあります。

親権者が相続人でない場合、親権者と未成年者に利益相反は生じません。

親権者は未成年者1人を代理して、相続放棄の手続をすることができます。

親権者が複数の未成年者を代理することはできません。

各未成年者間で、利益相反になるからです。

親権者が代理する未成年者以外の未成年者には、特別代理人が必要です。

親権者が代理する未成年者以外の未成年者が相続放棄をする場合、特別代理人が手続します。

⑦特別代理人選任で相続放棄の期限3か月がスタート

相続放棄の申立ては、3か月の期限があります。

熟慮期間3か月のスタートは、知ってからです。

特別代理人が親族である場合、被相続人の死亡や財産状況は知っているでしょう。

特別代理人選任の申立てから選任の審判まで、1か月程度かかります。

相続放棄の期限3か月が過ぎてしまうのではないか、心配になるかもしれません。

特別代理人選任の審判がされたときに、相続放棄の期限3か月がスタートします。

特別代理人選任の審判がされるまで、未成年者を代理することができないからです。

⑧相続放棄の手続で特別代理人選任審判書

特別代理人が選任されても、戸籍に記載されません。

特別代理人が未成年者を代理して相続放棄をする場合、特別代理人選任審判書を一緒に提出します。

特別代理人選任審判書を提出しないと、特別代理人であることが証明できないからです。

3未成年者複数でも親権者が代理

①親権者と未成年者全員が同時に相続放棄

親権者と未成年者全員が同時に相続放棄をする場合、利益相反になりません。

親権者が先に相続放棄をした後、子ども全員の相続放棄を代理する場合も同じです。

親権者と未成年者全員が相続人でなくなるからです。

だれもソンしないし、だれもトクしません。

親権者は未成年者全員を代理して、相続放棄をすることができます。

親権者は未成年者全員を代理できるから、特別代理人は不要です。

②親権者が相続人でなく未成年者全員が同時に相続放棄

親権者が相続人でない場合、親権者と未成年者間で利益相反になりません。

未成年者全員が相続放棄をする場合、未成年者間で利益相反になりません。

親権者は未成年者全員を代理して、相続放棄をすることができます。

親権者は未成年者全員を代理できるから、特別代理人は不要です。

③相続放棄の手続で戸籍謄本

親権者であることは、戸籍謄本で証明することができます。

親権者が未成年者を代理して相続放棄をする場合、親権者であることが分かる戸籍謄本を一緒に提出します。

多くの場合、親権者と未成年者は、同じ戸籍に入っているでしょう。

同じ戸籍謄本は、1通提出するだけで差し支えありません。

4特別代理人選任の申立て

①特別代理人選任の申立人は親権者

特別代理人選任の申立てができるのは、次の人です。

・親権者

・利害関係人

親権者が特別代理人選任の申立てをすることができます。

②申立先

特別代理人選任の申立先は、未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで確認することができます。

家庭裁判所の窓口に出向いて提出する以外に、郵送で提出することができます。

③必要書類

特別代理人選任の申立書に添付する書類は、次のとおりです。

(1)未成年者の戸籍謄本

(2)親権者の戸籍謄本

(3)特別代理人候補者の住民票または戸籍の附票

(4)特別代理人候補者の承諾書

未成年者は、親権者の戸籍に入っていることが多いでしょう。

同一の書類は、1通準備するだけで差し支えありません。

④手数料

特別代理人選任の申立てにあたって、家庭裁判所に手数料を納めます。

未成年者1人につき、800円です。

手数料は、申立書に収入印紙を貼り付けて納入します。

手数料の他に、裁判所が手続で使う郵便切手を予納します。

予納する郵便切手は、裁判所ごとに金額や枚数が決められています。

例えば、名古屋家庭裁判所では、次の郵便切手を予納します。

・110円5枚

・10円10枚

未成年者が15歳以上の場合、110円切手2枚を追加します。

⑤特別代理人が選任されるまでの期間

特別代理人選任の申立てをしてから選任の審判がされるまで、およそ1か月程度かかります。

5相続放棄の手続の流れ

手順①相続財産調査

相続を単純承認するか相続放棄をするか判断するため、相続財産調査をします。

どのような財産状況でも相続放棄をする場合、相続財産調査は不要です。

手順1つ目は、相続財産調査です。

手順②必要書類の準備

相続放棄の申立ての必要書類は、次のとおりです。

(1)被相続人の戸籍謄本

(2)被相続人の住民票または戸籍の附票

(3)相続放棄する人の戸籍謄本(3か月以内のもの)

(4)収入印紙800円分

(5)裁判所が手続で使う郵便切手

裁判所が手続で使う郵便切手は、裁判所ごとに金額や枚数が決められています。

手順2つ目は、必要書類の準備です。

手順③相続放棄申述書の作成

相続放棄申述書に、必要事項を記載します。

相続放棄申述書は、相続放棄をする人の押印が必要です。

押印は、認印で差し支えありません。

手順3つは、相続放棄申述書の作成です。

手順④家庭裁判所へ提出

相続放棄申述書の提出先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで確認することができます。

家庭裁判所へ出向いて提出する場合、受付時間に制限があることがあります。

相続放棄申述書は、郵送で提出することができます。

普通郵便でも提出できますが、記録が残る郵便が安心です。

手順4つ目は、家庭裁判所へ提出です。

手順⑤相続放棄照会書に回答

相続放棄の申立てをすると、2週間ほどで家庭裁判所から相続放棄照会書が届きます。

相続放棄照会書とは、家庭裁判所から届く相続放棄についての意思確認です。

相続放棄は影響の大きい手続なので、間違いがないように慎重に確認します。

正直に回答して、返送します。

手順5つ目は、相続放棄照会書に回答です。

手順⑥相続放棄申述受理通知書の受領

回答に問題がなければ、家庭裁判所から審査結果が通知されます。

相続放棄申述受理通知書とは、相続放棄が認められた通知書です。

手順6つ目は、相続放棄申述受理通知書の受領です。

手順⑦他の相続人に通知

相続放棄の審査結果は、申立てをした人だけに通知します。

他の相続人に対して、積極的に通知しません。

相続放棄をしても他の相続人に通知する義務はありませんが、通知してあげると親切でしょう。

手順7つ目は、他の相続人に通知です。

6相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する申立てです。

相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

家庭裁判所で認められないと、相続放棄のメリットは受けられません。

実は、相続放棄はその相続でチャンスは実質的には1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできます。

高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます

一挙に、ハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は慎重に判断する必要があるうえ、いろいろな誤解から利用をためらうことがあるでしょう。

利用をためらっていると、期限3か月はあっという間です。

3か月以内に必要書類を揃えて手続をするのは想像以上にハードルが高いものです。

相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

任意後見受任者は任意後見人になる予定の人

2025-05-09

1任意後見受任者は任意後見人になる予定の人

①信頼できる人と契約する

認知症や精神障害や知的障害などで判断能力が低下すると、物事の良しあしを適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

任意後見とは、将来に備えて信頼できる人にサポートを依頼する契約です。

任意後見は、だれと契約するのか本人が自分で決めることができます。

任意後見受任者は、任意後見人になる予定の人です。

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなった後に、任意後見人がサポートします。

自分の財産管理などを依頼するから、信頼できる人と契約します。

多くの場合、本人の子どもなど近い関係の家族でしょう。

法定後見では家庭裁判所が成年後見人を選びます。

家族が選ばれるのは、20%程度と少数です。

任意後見受任者は、任意後見契約でサポートを依頼された人です。

②任意後見契約は公正証書で作成

任意後見契約は、判断能力が低下したときにサポートを依頼する契約です。

重要な契約だから、公正証書で契約をしなければなりません。

公正証書は、公証人に作ってもらう文書です。

単なる口約束や個人間の契約書では、効力がありません。

公証人は、法律の専門家です。

法律の専門家が当事者の意思確認をして、公正証書を作成します。

任意後見契約は、公正証書で作成します。

③任意後見契約をするだけでは効力がない

任意後見は、将来に備えて信頼できる人にサポートを依頼する契約です。

契約だから、物事のメリットデメリットを充分に判断できるときに締結します。

任意後見契約を締結するだけでは、効力がありません。

任意後見契約をしたときは、物事のメリットデメリットを充分に判断できるはずです。

物事のメリットデメリットを充分に判断できる間、サポートは必要ないでしょう。

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったら、サポートが必要になります。

サポートが必要ないから、任意後見契約は効力がありません。

任意後見受任者は、サポートが必要になったときに任意後見人になる予定の人です。

任意後見契約をするだけでは、任意後見受任者は本人を代理することはできません。

④任意後見受任者になれない人

自分が信頼する人に任意後見契約でサポートを依頼することができます。

自分が決めた人にサポートを依頼できるのは、任意後見の大きなメリットです。

サポートを依頼できるときに、特別な資格や条件は不要です。

次の人は、成年後見人になれません。

(1)未成年者

(2)後見人を解任されたことのある人

(3)破産者で復権していない人

(4)本人に訴訟をした人と訴訟をした人の配偶者、直系血族

(5)行方不明の人

任意後見契約をするときに未成年であっても、サポートを開始するときに成年になっていれば成年後見人になることができます。

⑤任意後見受任者を選ぶときのポイント

任意後見受任者は、自分で選ぶことができます。

任意後見受任者を選ぶときのポイントは、次のとおりです。

(1)信頼できる人

任意後見契約で、財産管理や身上監護を依頼します。

重要な契約だから、信頼できる人であることが重要です。

任意後見受任者を選ぶときのポイント1つ目は、信頼できる人です。

(2)専門知識がある人

依頼したい内容が財産管理中心である場合、専門知識が必要になります。

司法書士などの専門家を選任することを検討するといいでしょう。

任意後見受任者を選ぶときのポイント2つ目は、専門知識がある人です。

(3)年齢

本人より若い人を選任するといいでしょう。

後見事務が継続する必要があるからです。

任意後見受任者を選ぶときのポイント3つ目は、年齢です。

(4)近くに住んでいる人

近くに住んでいる人を選任すると、きめ細かなサポートを期待できます。

任意後見受任者を選ぶときのポイント4つ目は、近くに住んでいる人です。

(5)コミュニケーションができる人

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなってから、サポートを開始します。

本人の意向や考えを尊重できる人であることが重要になります。

任意後見受任者を選ぶときのポイント5つ目は、コミュニケーションができる人です。

(6)誠実な人

任意後見契約は、財産管理や身上監護を依頼します。

任意後見事務には、大きな責任が伴います。

任意後見受任者は、誠実な人を選ぶことが大切です。

任意後見受任者を選ぶときのポイント6つ目は、誠実な人です。

⑥任意後見受任者が死亡届

本人が物事のメリットデメリットを充分に判断できるまま、死亡することがあります。

任意後見受任者は、死亡届をすることができます。

親族以外の任意後見受任者が、死亡届を提出することができます。

⑦任意後見受任者は無報酬

本人が物事のメリットデメリットを充分に判断できる間、サポートは必要ないでしょう。

任意後見受任者は、やることがありません。

任意後見受任者は、無報酬です。

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったら、サポートが必要になります。

任意後見受任者は、任意後見人としてサポートを開始します。

任意後見人の報酬は、任意後見契約で決めておきます。

任意後見人が家族である場合、任意後見人の報酬は無報酬にすることがあるでしょう。

責任を持ってサポートをしてもらうため、いくらかの報酬を支払った方がいいかもしれません。

家族以外の専門家にサポートを依頼する場合、任意後見人の報酬の目安は次のとおりです。

・資産1000万円以下 月額3万円程度

・資産5000万円以下 月額4~5万円程度

・資産5000万円以上 月額5~6万円程度

任意後見受任者は、無報酬です。

2任意後見受任者はサポートができない

①任意後見人になってからサポート開始

任意後見契約をするだけでは、任意後見契約に効力はありません。

本人は物事のメリットデメリットを充分に判断できるはずだからです。

任意後見受任者のサポートは、不要です。

任意後見受任者は、サポートができません。

サポートを開始するのは、任意後見人になってからです。

②任意後見監督人選任により任意後見受任者は任意後見人になる

任意後見受任者は、サポートができません。

サポートを開始するのは、任意後見人になってからです。

任意後見受任者が任意後見人になるのは、任意後見監督人が選任されたときです。

任意後見監督人が選任されると、任意後見契約に効力が発生します。

任意後見契約に効力が発生すると、任意後見受任者は任意後見人になります。

任意後見人になると、サポートを開始します。

任意後見人は、任意後見監督人に監督されます。

任意後見監督人は、家庭裁判所に監督されます。

家庭裁判所は任意後見監督人を監督することで、任意後見人を間接的に監督します。

任意後見監督人選任により、任意後見受任者は任意後見人になります。

③任意後見監督人は不要にできない

任意後見監督人は、任意後見人を監督する人です。

監督と聞くと、日常生活を監視されるイメージがあるかもしれません。

任意後見監督人をなしにしたいと言う声をよく聞きます。

任意後見制度では、任意後見監督人は必ず置かれます。

任意後見制度では、任意後見監督人をなしにするわけにはいきません。

家庭裁判所が任意後見監督人を選任することが、任意後見の始まりだからです。

任意後見監督人は、不要にできません。

④任意後見受任者が任意後見監督人選任の申立て

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったら、家庭裁判所に任意後見監督人を選任してもらいます。

任意後見監督人選任の申立てができるのは、次の人です。

(1)本人

(2)配偶者

(3)4親等内の親族

(4)任意後見受任者

任意後見監督人選任の申立先は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。

任意後見受任者が任意後見監督人選任の申立てをすることができます。

3任意後見受任者が任意後見契約を解除できる

①任意後見監督人選任前は一方的に解除できる

任意後見契約をするだけでは、任意後見契約に効力はありません。

任意後見契約に効力が発生するまで、任意後見契約は自由に解除することができます。

本人の同意がなくても、一方的に解除することができます。

任意後見監督人選任前は、任意後見受任者は任意後見契約を一方的に解除できます。

②任意後見契約解除は公正証書で

任意後見契約は、公正証書で契約します。

任意後見契約は、公正証書で解除することができます。

(1)合意解除をする場合

任意後見契約合意解除書に、本人と任意後見人が署名押印します。

公証人の認証を受けます。

(2) 一方的解除をする場合

本人か任意後見人が、任意後見契約解除通知書に解除する人が署名押印します。

公証人の認証を受けます。

解除書を配達証明付き内容証明郵便で相手方に通知します。

任意後見契約解除は、公正証書で行います。

③任意後見監督人選任後は家庭裁判所の許可が必要

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったら、任意後見監督人選任されます。

任意後見監督人が選任された後は、本人の判断能力が低下しています。

判断能力が低下したのに、サポートする人がいなくなると本人は困ります。

任意後見契約を解除するためには、家庭裁判所の許可が必要です。

家庭裁判所は正当な理由がある場合に限り、任意後見契約を解除を許可します。

正当な理由とは、任意後見人の事務が困難と認められる理由です。

具体的には、次のような理由です。

・病気などで療養に専念したい。

・遠方に転居した。

・本人や本人の家族と任意後見人の信頼関係がなくなった。

家庭裁判所の許可を得てから、相手方に意思表示をして契約を終了させます。

任意後見監督人選任後は、家庭裁判所の許可が必要です。

④任意後見契約解除で終了の登記

任意後見契約をした場合、公証人が登記申請をしてくれます。

任意後見契約を解除した場合、終了登記は自分でする必要があります。

任意後見がスタート前でもスタート後でも、終了登記は必要です。

終了登記は、本人の住所地や本籍地に関係なくすべて東京法務局後見登録課が扱います。

任意後見契約解除で、終了の登記が必要になります。

4任意後見受任者と任意後見人のちがい

ちがい①法的地位

任意後見受任者は、任意後見人になる予定の人です。

任意後見人は、本人をサポートする人です。

ちがい1つ目は、法的地位です。

ちがい②任意後見契約の効力

任意後見契約をするだけでは、任意後見契約に効力はありません。

任意後見受任者は、任意後見契約に効力が発生する前の段階です。

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったら、任意後見契約に効力が発生します。

任意後見人は、任意後見契約に効力が発生した後の段階です。

ちがい2つ目は、任意後見契約の効力です。

ちがい③代理権行使の有無

任意後見契約に効力が発生する前、本人は物事のメリットデメリットを充分に判断できるはずです。

任意後見受任者は、本人をサポートする必要がありません。

任意後見受任者は、本人を代理することができません。

任意後見契約に効力が発生した後、本人は物事のメリットデメリットを充分に判断できません。

任意後見人は、本人をサポートする必要があります。

任意後見人は、本人を代理します。

ちがい3つ目は、代理権行使の有無です。

ちがい④任意後見契約の解除方法

任意後見受任者は、いつでも一方的に任意後見契約を解除することができます。

任意後見人は、任意後見契約を解除するため家庭裁判所の許可が必要です。

ちがい3つ目は、任意後見契約の解除方法です。

5任意後見契約を司法書士に依頼するメリット

任意後見制度は、あらかじめ契約で「必要になったら後見人になってください」とお願いしておく制度です。

認知症が進んでから、任意後見契約をすることはできません。

重度の認知症になった後は、成年後見(法定後見)をするしかなくなります。

成年後見(法定後見)では、家庭裁判所が成年後見人を決めます。

任意後見契約では、本人の選んだ人に後見人になってもらうことができます。

家族以外の人が成年後見人になることが不安である人にとって、任意後見制度は有力な選択肢になるでしょう。

任意後見制度の活用を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続登記義務化の対象

2025-05-07

1令和6年(2024年)4月1日から相続登記義務化

①令和6年(2024年)4月1日から相続登記は義務

所有権移転登記をしない場合、所有者はソンをします。

不動産に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者のはずなのに権利主張ができないからです。

相続登記は、手間のかかる手続です。

自分で相続登記をしようとするものの、多くの人は挫折します。

相続登記をする場合、登録免許税を納付しなければなりません。

相続登記を専門家に依頼する場合、専門家に報酬を支払う必要があります。

相続登記にかかる手間と費用がもったいないと考える人が少なくありません。

相続登記がされない場合、登記簿を見ても土地の所有者が分からなくなります。

所有者不明の土地の発生を防止するため、相続登記をすることは義務になりました。

②3年のスタートは知ってから

相続登記は、3年以内に登記申請をする義務が課されました。

相続登記の期限3年のスタートは、知ってからです。

自己のために相続の開始があったことを知って、かつ、不動産を取得することを知った日から、スタートします。

相続が発生したら、近親者には真っ先に連絡するでしょう。

さまざまな家族の事情から、疎遠になっている相続人がいます。

疎遠な相続人は、相続発生から長期間経過してから相続があったことを知るでしょう。

相続があったことを知るまで、期限3年はスタートしません。

相続登記の期限3年のスタートは、知ってからです。

③期限3年を守れないとペナルティー

相続登記の期限3年以内に登記申請をしないと、10万円以下のペナルティーの対象になります。

ペナルティーは行政上の秩序罰だから、前科は付きません。

ペナルティーを払っても、相続登記を代わりにやってくれることはありません。

④相続登記義務化の背景

相続登記義務化の目的は、所有者不明土地の解消です。

不動産の権利取得後、すみやかに登記申請をします。

すみやかに登記することで、所有者が明確になります。

相続登記が行われないと、所有者が分からなくなります。

土地の売買や公共事業の実施に、支障をきたすでしょう。

社会全体の損失に、つながります。

相続登記を義務化することで、所有者不明土地の解消を図ります。

2相続人が相続登記義務化の対象

①不動産を相続すると相続登記義務化の対象

相続が発生したら、相続手続をします。

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産を相続人が相続します。

相続登記とは、不動産の名義変更です。

たくさんの相続手続の中でも、相続登記は難しい手続です。

大きな事務負担に耐えかねて、先延ばししたくなるかもしれません。

不動産を相続すると、相続登記義務化の対象になります。

②相続人が遺贈を受けると相続登記義務化の対象

遺贈とは、遺言書で相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

相続人に対して、相続させることができるし遺贈することができます。

不動産の遺贈を受けた場合、名義変更をします。

相続登記義務化で、相続人に対する遺贈の登記は簡素化されました。

遺贈を受けた人が単独で登記申請をすることができます。

義務者の協力が不要だから、相続登記義務化の対象です。

相続人が遺贈を受けると、相続登記義務化の対象になります。

③相続人以外の人に対する遺贈の登記は対象外

相続人は相続することができるから、相続人に対して遺贈することはあまりないでしょう。

相続人に対する遺贈は、相続登記義務化の対象です。

多くの場合、遺贈を受けるのは、相続人以外の人です。

相続人以外の人が遺贈を受ける場合、遺贈の登記は義務化の対象外です。

相続人以外の人に対する遺贈の登記は、単独申請をすることができません。

権利者と義務者の協力で、登記申請をします。

義務者の協力がないと、登記申請をすることができません。

相続人以外の人に対する遺贈の登記は、義務化の対象外です。

④遺産分割未了なのに相続登記義務化

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

不動産を共有するのは、不自由が多いでしょう。

多くの場合、相続人全員で不動産の分け方の合意をします。

さまざまな家族の事情から、分け方の合意が難しいかもしれません。

相続登記には、3年の期限が決められました。

相続財産の分け方に合意ができないから相続登記ができないは、言い訳になりません。

自己のために相続の開始があったことを知って、かつ、不動産を取得することを知っているからです。

相続登記の期限3年が経過すると、ペナルティーの対象になります。

遺産分割未了は、言い訳になりません。

遺産分割未了なのに、相続登記義務化の対象外です。

3過去の相続も相続登記義務化の対象

①令和6年4月1日以降に発生の相続が対象になる

相続登記の申請義務が課せられるのは、令和6年4月1日です。

令和6年4月1日以降に発生した相続は、当然に対象になります。

②令和6年4月1日以前に発生の相続が対象になる

ずっと以前に相続が発生したのに、相続登記を放置している例は少なくありません。

令和6年4月1日以前に発生した相続では、令和9年3月31日まで相続登記をする義務があります。

令和6年4月1日以前に発生した相続であっても、相続登記は義務になります。

4相続登記義務化の対象になる不動産

①空き家も相続登記義務化の対象

不動産を相続したら、名義変更が必要です。

被相続人の自宅が空き家になることがあるでしょう。

空き家も、相続登記が必要です。

空き家の相続登記を放置していると、ペナルティーの対象になります。

空き家も、相続登記義務化の対象です。

②農地・山林も相続登記義務化の対象

農地・山林は、不便な場所にあるなどの理由で価値が低いことが多いでしょう。

相続人に農業を継ぐ意思がないと、負担だけのしかかるかもしれません。

農地・山林も、相続登記が必要です。

農地・山林の相続登記を放置していると、ペナルティーの対象になります。

農地・山林も、相続登記義務化の対象です。

③相続登記義務化の対象になる墓地ならない墓地

被相続人が所有者である墓地は、相続登記義務化の対象です。

例えば、個人墓地は被相続人が所有者でしょう。

被相続人以外の人が所有者である墓地は、相続登記義務化の対象外です。

例えば、自治体や寺院が所有する墓地は、被相続人が永代使用権や墓地利用権のみを持っていたでしょう。

墓地の所有権の有無によって、相続登記義務化の対象になるかどうかが決まります

相続登記義務化の対象になる墓地とならない墓地があります。

④不動産の共有持分も相続登記義務化の対象

被相続人が相続人や相続人以外の人と不動産を共有していることがあります。

不動産の共有持分は、相続財産です。

不動産の共有持分も、相続登記義務化の対象です。

⑤未登記建物は相続登記義務化の対象外

建物を新築したら、建物の表題登記をします。

表題登記とは、不動産の物的状況を示す登記です。

表題登記がされていない建物が見つかることがあります。

未登記建物とは、表題登記がされていない建物です。

登記簿がないから、登記名義人がいません。

未登記建物は、相続登記義務化の対象外です。

5相続人申告登記でペナルティー回避

①登記名義人の相続人が申出

相続人申告登記は、登記名義人の相続人であることを公示する制度です。

相続人申告登記では、次の事項を申出します。

(1)申出人の氏名及び住所

(2)代理人の氏名及び住所

(3)申出の目的

(4)申出に係る不動産の所在事項

相続人になる人は、法律で決められています。

多くの場合、複数の人が相続人なるでしょう。

相続人申告登記では、自分が相続人のひとりであれば申出をすることができます。

他の相続人について調査することなく、自分が相続人であることを申し出することができます。

相続人になる人が相続人申告登記の申出をします。

②相続人申告登記は押印・電子署名不要

相続人申告登記の申出書に、押印は不要です。

相続人申告登記の申出書は、オンラインで提出することができます。

オンライン請求で、電子署名は不要です。

相続人申告登記は、委任状を発行して司法書士などの専門家に依頼することができます。

相続人申告登記の委任状に、押印は不要です。

③相続人申告登記の必要書類

相続人申告登記の必要書類は、次のとおりです。

〇配偶者または子どもが申出をする場合

(1)被相続人の除票

(2)被相続人の戸籍謄本

(3)申出人の戸籍謄本

(4)申出人の住民票

(5)委任状

〇親などの直系尊属が申出をする場合

(1)被相続人の除票

(2)被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

(3)申出人の戸籍謄本

(4)申出人の住民票

(5)委任状

④相続人申告登記で登録免許税はかからない

相続人申告登記では、登録免許税は課されません。

相相続人申告登記があった場合、登記官職権で登記されるからです。

⑤相続人申告登記の申出書は郵送で提出できる

相続人申告登記の申出書は、紙で作成することができます。

紙で作成した相続人申告登記の申出書は、郵送で提出することができます。

普通郵便で送付しても、差し支えありません。

相続人申告登記の申出書は戸籍謄本や住民票を一緒に送るから、記録が残る郵便が安心です。

⑥相続人申告登記で相続登記の義務を果たす

たくさんの相続手続の中でも、相続登記は難しい手続です。

相続人申告登記は、比較的カンタンな手続です。

相続登記義務化で、3年の期限が決められました。

3年以内に相続人申告登記をすれば、10万円のペナルティーを回避することができます。

⑦相続人申告登記をしても相続登記

相続人申告登記をしても、相続登記は省略できません。

相続人申告登記は、所有権を取得する可能性がある人を示すだけだからです。

不動産を売却するときは、相続登記をする必要があります。

相続人申告登記は、ペナルティ―回避の効果があるだけです。

相続人申告登記をしても、相続登記が必要です。

⑧相続人申告登記の手順

手順①相続の開始を確認

被相続人の死亡を戸籍謄本で確認します。

戸籍謄本を取得すると、死亡日が確認できます。

相続人申告登記の手順1つ目は、相続の開始を確認することです。

手順②相続人を確認

相続人の戸籍謄本を取得して、相続人であることを確認します。

相続人申告登記の手順2つ目は、相続人を確認することです。

手順③必要書類の準備

必要書類は、先に説明したとおりです。

相続人申告登記の手順3つ目は、必要書類の準備です。

手順④相続人申告登記の申出書を作成提出

相続人申告登記の申出書は、紙で提出することができます。

登記・供託オンライン申請システムを利用して、オンラインで提出することができます。

相続人申告登記の手順4つ目は、相続人申告登記の申出書を作成提出することです。

手順⑤登記完了

法務局の審査が完了すると、登記が実行されます。

相続人申告登記の手順5つ目は、登記完了です。

⑨正当理由でペナルティーの対象外

行政上の義務に違反すると、ペナルティーが課されます。

正当な理由があれば、ペナルティーの対象外です。

法務省ホームページで、正当な理由について次のように示しています。

(1)相続登記の義務に係る相続について、相続人が極めて多数に上り、かつ、戸籍関係書類等の収集や他の相続人の把握等に多くの時間を要する場合

(2)相続登記の義務に係る相続について、遺言の有効性や遺産の範囲等が相続人等の間で争われているために相続不動産の帰属主体が明らかにならない場合

(3)相続登記の義務を負う者自身に重病その他これに準ずる事情がある場合

(4) 相続登記の義務を負う者が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に規定する被害者その他これに準ずる者であり、その生命・心身に危害が及ぶおそれがある状態にあって避難を余儀なくされている場合

(5) 相続登記の義務を負う者が経済的に困窮しているために、登記の申請を行うために要する費用を負担する能力がない場合

正当な理由があると認められれば、ペナルティーの対象外になります。

6相続登記を司法書士に依頼するメリット

大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。

やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。

相続手続は一生のうち何度も経験するものではないでしょう。

だれにとっても不慣れで、手際よくできるものではありません。

相続登記は、相続手続の中でも手間がかかる難しい手続です。

相続登記は難しい手間がかかる手続なので、司法書士などの専門家に依頼するでしょう。

相続手続をスムーズに進めたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

家族信託が必要ないケース

2025-05-05

1家族信託で財産管理を依頼する

①家族で信託契約を締結する

所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。

所有権は、自由にものを売る権利であるし自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。

所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体です。

信託契約をすると、自由に売る権利や自由に管理する権利を渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。

家族信託は、自由に売る権利や自由に管理する権利を渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っている仕組みです。

信託契約を締結して、信頼できる家族に自由に売る権利や自由に管理する権利を渡します。

②家族信託の登場人物

(1)委託者

委託者とは、もともと財産を所有している人です。

家族信託で、財産管理を依頼する人です。

(2)受託者

受託者とは、財産を預かって管理運用する人です。

家族信託で、財産管理の依頼を受ける人です。

(3)受益者

受益者とは、財産から発生する利益を受け取る人です。

認知症対策で家族信託をする場合、委託者と受益者は同じ人です。

信託契約の内容によっては、委託者と受益者は別の人にすることができます。

2家族信託が必要ないケース

ケース①財産が少額

家族信託は、財産管理を依頼する契約です。

委託者が認知症になって判断能力を喪失しても、受託者が財産管理を継続することができます。

家族信託のメリットは、委託者の財産を受託者が活用できる点にあります。

本人の財産がほとんどない場合、家族信託をする必要はないでしょう。

本人が財産をほとんど持っていない場合、受託者が活用できる財産もないからです。

財産が少額である場合、家族信託をしなくてもデメリットはほとんどありません。

ケース1つ目は、財産が少額であるケースです。

ケース②信託できる財産がない

信託できる財産は、金銭的価値に換価できる財産です。

金銭的価値に換価できる財産であっても、信託できない財産があります。

信託できない財産の代表例は、農地と年金です。

農地を信託するためには、農業委員会の許可が必要です。

家族信託のために、農業委員会はほとんど許可しません。

年金の受取口座は、本人名義の口座に限定されています。

年金を信託して、受託者名義で受取ることはできません。

信託できる財産がない場合、家族信託をしなくてもデメリットはありません。

ケース2つ目は、信託できる財産がないケースです。

ケース③生前贈与等で名義変更が済んでいる

認知症になって資産凍結すると、本人の財産を使うことができなくなります。

本人に莫大な財産があっても、家族が立替える必要があります。

家族が立替えられるのであれば、家族信託を利用する必要はないかもしれません。

財産を生前贈与して名義変更をした場合、家族が自由に贈与された財産を使うことができます。

委託者の財産を受託者が活用できるメリットは、意味がなくなるでしょう。

生前贈与等で名義変更が済んでいる場合、家族信託をしなくてもデメリットはほとんどありません。

ケース3つ目は、生前贈与等で名義変更が済んでいるケースです。

ケース④家族間で対立がある

家族間で対立があっても対立がなくても、認知症対策は必要です。

認知症対策が必要なのに家族間で対立があると、適切な対策が難しくなります。

例えば、一部の子どもが財産管理することを他の子どもがよく思わないことがあります。

家族信託をする場合、家族間の信頼関係が重要です。

信頼関係がないまま家族信託をすると、大きなトラブルに発展するでしょう。

家族信託をきっかけに、家族間のトラブルを引き起こすかもしれません。

家族信託が不要ではないけど、家族信託をすべきではないでしょう。

家族間で対立がある場合、家族信託をするメリットよりデメリットが大きいでしょう。

ケース4つ目は、家族間で対立があるケースです。

ケース⑤信頼できる家族がいない

家族信託は、財産管理を依頼します。

信頼できる家族に、財産管理を依頼します。

家族がまったくいない場合、家族新託を利用することができません。

家族がいても信頼できない場合、家族新託を利用することができません。

家族信託をする場合、家族間の信頼関係が重要です。

信頼できる家族がいない場合、家族信託の意味がないでしょう。

信頼できる家族がいない場合、家族信託のメリットを受けられないでしょう。

ケース5つ目は、信頼できる家族がいないケースです。

ケース⑥本人が若くて健康

本人が40歳代であって、かつ、健康である場合、認知症対策はまだ早いことが多いでしょう。

家族信託を利用すると、財産は受託者の名義になります。

受託者に財産管理を任せるから、本人は自由に財産管理ができなくなります。

本人にとって制約と感じることになるでしょう。

家族信託を利用することで制約と感じると、メリットを享受できないことになります。

本人が若くて健康場合、家族信託のメリットを受けられないでしょう。

ケース6つ目は、本人が若くて健康であるケースです。

3家族信託が必要ないケースの代替手段と選び方

①任意後見契約

(1)判断能力が低下したら財産管理を依頼する

将来に備えて財産管理を依頼する契約です。

家族信託では、原則としてすぐにスタートします。

任意後見契約は、契約を締結するだけではスタートしません。

本人の判断能力が低下したときに、任意後見契約がスタートします。

(2)任意後見契約の主なメリット

任意後見契約がスタートしたら、任意後見人は任意後見監督人が監督します。

任意後見監督人は、家庭裁判所が監督します。

任意後見の透明性と公平性を確保できるから、安心して制度を利用できます。

任意後見契約のメリットは、家庭裁判所が監督するから不正防止ができる点です。

(3)任意後見の主なデメリット

任意後見がスタートするのは、本人の判断能力が低下したときです。

具体的には、判断能力が低下した後に家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをします。

家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、任意後見契約に効力が発生します。

任意後見契約に効力が発生すると、任意後見人がサポートを開始します。

任意後見監督人選任の申立てから選任されるまで、1か月以上かかります。

任意後見契約のデメリットは、任意後見がスタートするまで時間がかかる点です。

(4)任意後見契約がおすすめの人

認知症など将来に備えたい人がおすすめです。

②財産管理委任契約

(1)判断能力が低下するまでの財産管理を依頼する

任意後見契約がスタートするのは、本人の判断能力が低下したときです。

判断能力が低下していなくても、身体能力が低下することがあるでしょう。

身体能力が低下しても、任意後見契約はスタートしません。

身体能力が低下したときに備えて、財産管理委任契約を締結することができます。

任意後見契約と財産管理委任契約を一緒に締結することができます。

(2)財産管理委任契約の主なメリット

財産管理契約は、本人の判断能力が低下するまでの契約です。

本人の判断能力が充分にあるときから、財産管理を任せることができます。

必要な範囲や内容を決めて、柔軟に依頼することができます。

財産管理委任契約の主なメリットは、依頼内容を柔軟に決めることができることです。

(3)財産管理委任契約の主なデメリット

財産管理委任契約では、家庭裁判所などの監督はありません。

不適切な財産管理や横領リスクに対して、本人が備える必要があります。

財産管理委任契約の主なデメリットは、不適切な財産管理や横領リスクがあることです。

(4)財産管理委任契約がおすすめの人

高齢や病気などで身体能力が低下したとき、サポートしてもらいたい人がおすすめです。

③遺言書作成

(1)遺言者の生前に効力はない

遺言書を作成して、自分の死後だれに財産を引き継がせるか決めることができます。

遺言書でだれに財産を引き継がせるか決めておくと、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。

財産の引き継ぎ先を決めるだけなら、遺言書の作成で充分対応ができるでしょう。

遺言書は、遺言者の生前に効力がありません。

遺言者は、何度でも書き直しができます。

(2)遺言書作成の主なメリット

遺言書を作成して、遺産分割を明確に決めておくことができます。

相続トラブルの防止を考えるなら、公正証書遺言がおすすめです。

遺言執行者を決めておくと、相続手続はおまかせできます。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言書作成の主なメリットは、相続トラブルを防止できることです。

(3)遺言書作成の主なデメリット

遺言書を作成しても、生前の資産凍結に対応できません。

資産凍結しても家族が困らない場合は、遺言書作成が選択肢になります。

遺言書作成の主なデメリットは、生前の認知症対策ができないことです。

(4)遺言書作成がおすすめの人

遺産分割で相続トラブルを防止したい人におすすめです。

④銀行の代理出金機能

(1)代理人用カードで引出しができる

銀行の代理出金機能とは、口座の名義人以外の代理人が銀行口座から預金を引き出すことを可能にする仕組みです。

あらかじめ代理人を指名して、銀行に登録します。

代理人用のキャッシュカードが発行されるので、代理人用キャッシュカードで引出しをします。

代理人になれる人は、銀行によって条件がちがいます。

多くの場合、生計を同一にする家族や2親等以内の親族です。

(2)銀行の代理出金機能の主なメリット

銀行の代理出金機能を利用するのに、あまり手間や時間がかかりません。

銀行の名義人と代理人が連れ立って窓口に出向けば、その場で手続できるでしょう。

必要になる書類は、次のとおりであることが多いでしょう。

・本人確認書類

・通帳

・キャッシュカード

・銀行印

銀行の代理出金機能の主なメリットは、手間や時間が少ないことです。

(3)銀行の代理出金機能の主なメリット

代理人用キャッシュカードで引出しをする場合、上限額が決められています。

多くは、10万円程度でしょう。

本人が認知症などで判断能力が低下すると、代理人用キャッシュカードは使えなくなります。

銀行の代理出金機能は、実質的に認知症対策にならないと言えます。

銀行の代理出金機能の主なデメリットは、実質的に認知症対策にならないことです。

4家族信託が必要か迷ったときの判断ポイント

ポイント①本人の判断能力

家族信託を利用するためには、信託契約をするときに本人の判断能力があることが必要です。

信託契約をするときに、日時、場所、氏名、契約内容を理解しているかチェックされます。

ポイント1つ目は、本人の判断能力です。

ポイント②信託財産があるか

家族信託を利用して管理処分を依頼したい財産があるか、確認します。

信託したい財産がなければ、家族信託は必要ないでしょう。

ポイント2つ目は、信託財産があるかです。

ポイント③家族の信頼関係

家族信託を利用する場合、家族の信頼関係があることが重要です。

家族の信頼関係が築けていない場合、家族間でトラブルを引き起こすことになるからです。

ポイント3つ目は、家族の信頼関係です。

ポイント④認知症リスク

本人が認知症などで判断能力が低下すると、資産凍結されます。

資産凍結リスクに備えたい場合、家族信託が有効です。

ポイント4つ目は、認知症リスクです。

ポイント⑤他の制度で対応できるか

任意後見や遺言書作成でリスクに備えられる場合、家族信託は不要かもしれません。

家族信託以外に対応できるのなら、かける手間や費用をくらべて決めるといいでしょう。

ポイント5つ目は、他の制度で対応できるかです。

5家族信託を司法書士に依頼するメリット

高齢化社会が到来したといわれて、多くの方は長生きになりました。

平均寿命は男性も女性も80歳を超して、認知症になる方が多くなりました。

認知症になると、物事のメリットデメリットが充分に判断できなくなります

本人の財産は本人しか処分できないため、本人が判断できなくなると資産が凍結されてしまいます。

認知症対策は、本人が元気なときしかすることができません。

いつか認知症対策をしようではなく、今なら元気だから対策しようが正解です。

資産が凍結されてしまうと、家族であっても使うことができなくなります。

家族信託は、認知症対策として有効です。

柔軟な設計ができることから、本人と家族が検討しておくことがたくさんあります。

家族信託自体の知名度も低いことから、制度の理解が難しいかもしれません。

まずは、1歩を踏み出すために、司法書士などの専門家の話を聞くといいでしょう。

自分のためにも家族のためにも認知症対策を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

検認済証明書の取得方法

2025-05-04

1自筆証書遺言は検認手続が必要

①遺言書の種類

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作るケースがほとんどです。

自筆証書遺言は、自分ひとりで書いて作った遺言書です。

自筆証書遺言を作成した後は、原則として、自分で保管します。

作成した自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。

公正証書遺言は、公証人が文書に取りまとめて作る遺言書です。

証人2人に確認してもらって作ります。

公正証書遺言を作成した後は、公正証書遺言原本は公証役場で保管されます。

②遺言書を見つけたら開封せずに家庭裁判所へ

相続が発生した後、遺言書を見つけることがあります。

生前、遺言者から遺言書を預かっておいて欲しいと依頼されるかもしれません。

自筆証書遺言を見つけた人や預かっている人は、家庭裁判所へ届け出る必要があります。

相続人であれば、遺言書の内容が気になるでしょう。

遺言書を勝手に開封することはできません。

開封せずに、家庭裁判所に提出します。

勝手に開封すると、ペナルティーになるおそれがあります。

封筒に入っていない遺言書であっても、検認は必要です。

封筒に入っているだけで封がされていない遺言書であっても、検認は必要です。

封筒の表書きに遺言書と書いてあれば、中身は遺言書であると気がつくことができます。

表書きに何も書いていない場合、気がつかずに開封してしまうことがあります。

誤って開封してしまったら、そのまま家庭裁判所へ提出します。

家庭裁判所で開封してもらうことを知らない相続人がいるでしょう。

うっかりと開封してしまっても、遺言書の有効無効に影響はありません。

検認前に開封しても、遺言書は無効になりません。

慌てて糊付けなどをすると、他の相続人から怪しまれます。

正直に打ち明けた方がいいでしょう。

遺言書を見つけたら開封せずに、家庭裁判所へ届け出る必要があります。

③自筆証書遺言保管制度利用なら検認不要

自筆証書遺言は、自分ひとりで書いて作った遺言書です。

作成した自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。

保管してもらった自筆証書遺言は、遺言者本人が申し出たときのみ返してもらうことができます。

遺言者本人が死亡したら、遺言書は返してもらうことができません。

自筆証書遺言を受け付けたら、法務局は厳重に保管します。

自筆証書遺言保管制度を利用した場合、検認手続は不要です。

④検認済証明書は検認を受けた証明書

検認済証明書は、家庭裁判所で検認を受けたことの証明書です。

自筆証書遺言を見つけた人や預かっている人は、家庭裁判所へ届け出る必要があります。

検認が必要なのに検認を受けないまま、遺言執行はできません。

不動産の名義変更をしようとしても、法務局が受け付けてくれません。

口座を解約しようとしても、銀行などの金融機関が受け付けてくれません。

検認済証明書は、検認手続が終わった後に家庭裁判所で発行してもらうことができます。

検認済証明書付き遺言書であれば、遺言執行をすることができます。

検認済証明書は、家庭裁判所で検認を受けたことの証明書です。

2検認済証明書の取得方法

①遺言書検認の申立て

自筆証書遺言を見つけた人や預かっている人は、家庭裁判所へ届け出る必要があります。

遺言書を届け出る手続を遺言書検認の申立てと言います。

遺言書の検認とは、家庭裁判所で遺言書の状態を確認してもらうことです。

遺言書が封筒に入っていて封がされている場合は、このとき裁判所で開封してもらいます。

申立先は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで調べることができます。

遺言書検認の申立書に添付する書類は、次のとおりです。

(1)申立人の戸籍謄本

(2)申立人の住民票

(3)遺言者の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

(4)遺言者の住民票の除票

(5)相続人の戸籍謄本

(6)相続人の住民票

(7)収入印紙

(8)家庭裁判所が手続で使う郵便切手 裁判所によって異なります

事案によっては追加で書類が必要ですと言われることがあります。

②検認期日に出席

遺言書検認の申立てを受け取った家庭裁判所は、相続人全員を家庭裁判所に呼出します。

相続人全員に遺言書があることを知らせて、立会いをしてもらうためです。

遺言書は、相続人に立会いをしてもらって開封します。

遺言書検認の申立人は、検認期日に出席をしなければなりません。

申立人が検認期日に遺言書を持って行く必要があるからです。

申立人以外の相続人は、家庭裁判所からの呼び出しがあっても欠席しても差し支えありません。

検認期日に欠席した場合、受け取れるはずの財産を受け取れなくなることはありません。

検認期日に出席した場合、後から相続放棄をすることができます。

検認期日では、遺言書を開封して遺言書の形状や内容を確認します。

家庭裁判所は、検認期日で確認した内容を検認調書に取りまとめます。

検認調書を見ると、検認期日の遺言書の形状や内容が明らかになります。

検認期日以降に遺言書の改ざんや変造があった場合、検認調書と照らし合わせると分かります。

検認調書があるから、改ざんや変造を防止することができます。

検認手続は、改ざんや変造を防止してトラブルを減らすために行います。

③検認済証明書の発行申請

遺言書の検認が終了すると、検認済証明書が発行されます。

検認済証明書の発行には、申請が必要です。

手数料は、150円です。

手数料は、収入印紙を貼り付けて納入します。

収入印紙は、貼り付けるだけで消印は押しません。

遺言書と遺言書が入っていた封筒と証明書が合綴し、裁判所の契印がされて返されます。

検認済証明書が付いた遺言書であれば、遺言執行をすることができます。

法務局も金融機関も、検認済証明書が付いた遺言書であれば相続手続をすることができます。

3検認手続で遺言書の有効無効を判断しない

①検認手続で遺言書の形状・内容を確認する

遺言書の検認手続では、遺言書の形状や内容を確認します。

遺言書の有効無効を確認する手続ではありません。

検認済証明書は、家庭裁判所で検認を受けたことの証明書です。

検認済証明書は、遺言書が有効であることを証明する書類ではありません。

検認手続では、遺言書の有効無効を確認しないからです。

検認期日には、相続人に立会いをしてもらいます。

立会いをした相続人に遺言書の筆跡や印鑑を見てもらいます。

「遺言者の筆跡・印鑑に間違いありません」

「遺言者の筆跡・印鑑であるか分かりません」

「遺言者の筆跡・印鑑ではありません」

立会いをした相続人の述べた内容は、検認調書に記録されます。

検認調書に、記録されるだけです。

立会いをした相続人の陳述内容で遺言書の有効無効が決められることはありません。

検認手続は、遺言書の形状・内容を確認する手続だからです。

検認手続は、改ざんや変造を防止してトラブルを減らすために行うからです。

検認手続では、遺言書の有効無効を判断しません。

②検認しても無効の遺言書は無効のまま

遺言書検認の申立てを受け取った家庭裁判所は、相続人全員を家庭裁判所に呼出します。

検認期日に、相続人に立会いをしてもらって遺言書を開封します。

封筒に入っていた遺言書が無効の遺言書であることがあります。

遺言書には、厳格な書き方ルールがあるからです。

手書きされていない遺言書、日付がない遺言書、記名がない遺言書、押印がない遺言書は、どれも無効の遺言書です。

封筒に入っていた遺言書が無効の遺言書であっても、検認をします。

検認手続をしないと、改ざん変造を防止できないからです。

検認手続は、遺言書の形状・内容を確認する手続です。

無効の遺言書であっても、検認が終われば検認済証明書は発行されます。

検認済証明書は、家庭裁判所で検認を受けたことの証明書だからです。

検認済証明書が発行されても、遺言書が有効であることが証明されたわけではありません。

検認手続は、遺言書の有効無効を判断する手続ではないからです。

無効の遺言書は、検認手続をしても無効の遺言書です。

検認手続をしても、書き方ルールの違反は治癒されないからです。

検認しても無効の遺言書は、無効のままです。

③遺言書の効力は裁判で争う

検認手続は、遺言書の形状・内容を確認する手続です。

検認手続は、遺言書の有効無効を判断する手続ではありません。

検認がされた後の遺言書について、有効無効の争いになることがあります。

検認期日に出席しても、遺言書の有効無効を争うことができます。

検認期日に欠席しても、遺言書の有効無効を争うことができます。

検認期日に出席しても欠席しても、不利な取り扱いを受けることがないからです。

遺言書の有効無効は、最終的には裁判で決着をつけることになります。

4検認済証明書付き遺言書を紛失したら

遺言書の検認が終了すると、遺言書と遺言書が入っていた封筒と証明書が合綴されて返されます。

遺言執行をする場合、合綴された自筆証書遺言を相続手続先に提出します。

相続手続先がたくさんある場合、書類を紛失してしまうことや盗難にあうことがあります。

家庭裁判所は、検認期日で確認した内容を検認調書に取りまとめています。

検認調書は、申請すれば謄本を発行してもらうことができます。

検認調書には、検認をした遺言書のコピーが保管されています。

検認調書の謄本で、相続手続を進めます。

5遺言書検認の申立てを司法書士に依頼するメリット

自筆証書遺言や秘密証書遺言を預かっている人や見つけた人は、家庭裁判所に届け出る必要があります。

遺言書を隠したり捨てたりすると、相続人になることができません。

他の相続人から疑いをかけられてトラブルになるのを避けるためにも、すみやかに家庭裁判所に検認の申立てをしましょう。

申立てのためには、たくさんの書類が必要になります。

仕事や家事で忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続を丸ごとおまかせできます。

家族にお世話が必要な方がいて、側を離れられない方からのご相談もお受けしております。

裁判所に提出する書類を作成できるのは、弁護士と司法書士のみです。

弁護士と司法書士でない人は作成代行はできませんから、充分注意しましょう。

遺言書の検認を司法書士に依頼した場合、遺言書検認申立書の作成だけでなく、家庭裁判所への提出もおまかせいただけます。

遺言書を預かっている方や見つけた方はトラブルになる前に、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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