共有名義人の片方死亡で相続登記が必要

1死亡した共有者の共有持分は相続財産

①共有持分は死亡した共有者の相続人が相続する

被相続人が不動産などを共有していることがあります。

共有名義人の片方が死亡すると、死亡した共有者の共有持分は相続財産です。

死亡した共有者の共有持分は、死亡した共有者の相続人に相続されます。

②共有名義人の片方が死亡したときの登場人物

共有物をめぐる登場人物は、次のとおりです。

・死亡した共有者

・死亡した共有者の相続人

・他の共有者

配偶者は、常に相続人になります。

例えば被相続人が夫婦で不動産を共有している場合、他の共有者は配偶者です。

配偶者は、他の共有者であると同時に相続人です。

例えば被相続人が第三者と不動産を共有している場合、他の共有者は相続人ではありません。

③他の共有者の持分に影響はない

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

共有名義人の片方が死亡したら、死亡した共有者の相続人が相続手続をします。

他の共有者に、影響はありません。

他の共有者の持分は、何も影響がありません。

共有名義人の片方が死亡したことで、持分が増えることも減ることもありません。

相続人がだれであっても何人であっても、持分が増えることも減ることもありません。

④共有名義であっても特別扱いはない

共有名義になっていても、特別な取り扱いはありません。

共有名義であっても、通常どおり相続登記が必要です。

2共有名義人の片方死亡で相続登記が必要

①相続登記義務化は相続人の義務

令和6年4月1日から相続登記は、3年以内に登記申請をする義務が課されました。

相続登記の期限3年以内に登記申請をしないと、10万円以下のペナルティーの対象になります。

ペナルティーを受けるのは、死亡した共有者の相続人です。

相続登記の義務は、相続人の義務だからです。

たとえ相続人が相続登記をしなくても、他の共有者がペナルティーを受けることはありません。

他の共有者は、相続登記をする責任はないからです。

共有持分の相続登記も、相続登記義務化の対象です。

ペナルティーを払っても、相続登記を代わりにやってくれることはありません。

②他の共有者は相続登記に関与しない

被相続人が不動産を共有していた場合、共有持分は相続財産です。

不動産の共有持分に対して、相続人が相続登記をします。

他の共有者は、相続登記に関与しません。

他の共有者は、相続に関与する権利も義務もないからです。

相続人である他の共有者は、相続人として相続手続に関与します。

他の共有者として、相続手続に関与することはありません。

③共有持分を取得する人は遺産分割協議で決める

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

被相続人の共有持分は、相続財産のひとつです。

被相続人の共有持分をだれが取得するのか、遺産分割協議で決定します。

他の共有者は、遺産分割協議に異議を述べることはできません。

遺産分割協議で決定するに際して、他の共有者の同意や承諾は不要です。

相続人全員の合意ができるのであれば、共有者である相続人が相続できるといいでしょう。

相続人全員の合意が難しい場合、安易に共有持分を細分化することはおすすめできません。

不動産の共有は、デメリットが大きいからです。

④他の共有者が自動的に相続できるわけではない

被相続人が不動産を共有している場合、被相続人の共有持分は相続人に相続されます。

被相続人が相続人のひとりと不動産を共有していた場合、何となく共有者が相続すると思うかもしれません。

共有持分を取得する人は、遺産分割協議で決定します。

相続人全員の合意があれば、他の共有者である相続人が取得することができます。

共有者のひとりが相続人であっても、自動的に被相続人の共有持分を相続できるといったことはありません。

他の共有者であっても、優先権はないからです。

自動的に相続できると誤解すると、相続人間で話し合いが付かなくなるおそれがあります。

他の共有者が相続人だから、自動的に相続できるといったルールはありません。

⑤相続登記をするのは相続人

(1)不動産を相続する人の単独申請

遺産分割協議が成立したら、相続登記をします。

共有持分を取得する相続人からの単独申請です。

他の共有者は、相続登記に関与することはありません。

(2)必要書類

必要書類は、次のとおりです。

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・被相続人の住民票の除票または戸籍の附票

・相続人全員の現在戸籍

・不動産を相続する人の住民票

・遺産分割協議書

・相続人全員の印鑑証明書

・固定資産税の評価証明書

共有持分の相続登記をする場合、必要な書類は所有権すべての相続登記をする場合とまったく一緒です。

(3)登録免許税は共有持分で計算

相続登記をするときに、登録免許税を納めます。

相続登記の登録免許税は、対象になる不動産の固定資産評価額の1000分の4が課されます。

共有持分の相続登記をする場合、固定資産税評価額の持分割合の1000分の4が課されます。

例えば、共有持分が10分の1の場合、固定資産税評価額の10分の1の1000分の4が課されます。

固定資産税評価額が1億円の不動産の場合、移転した持分の価額は1000万円です。

登録免許税は、4万円を納めることになります。

他の共有者の持分に、登録免許税は課されません。

(4)評価額100万円以下は非課税

共有持分の評価額が100万円以下になる場合、登録免許税が非課税になります。

固定資産税評価額が500万円の不動産の場合で、かつ、共有持分が10分の1の場合、移転した持分の価額は50万円です。

共有持分の評価額が100万円以下になる場合だから、登録免許税が非課税になります。

⑥他の共有者が協力できること

(1)共有者であることを連絡する

固定資産税とは、不動産などの固定資産を保有しているときに課される税金です。

不動産を共有している場合、固定資産税に関する通知書は代表者に届きます。

死亡した共有者が代表者でない場合、不動産を共有していたことを知らない可能性があります。

不動産を共有していたことを知らないと、登記簿謄本を取得することができません。

遺産分割協議の議題にも、できないでしょう。

共有者であることを連絡することは、義務ではありません。

共有者であることを連絡することは、相続人にとって有益な情報提供になります。

(2)連絡先の共有

不動産を共有している場合、共有者全員が協力して不動産を管理していたはずです。

死亡した共有者を通して、共有者の家族の連絡先を共有していることがあります。

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が不可欠です。

疎遠な相続人に連絡ができないと、話し合いが進まなくなる可能性があります。

家族の連絡先を共有することは、義務ではありません。

家族の連絡先を共有することは、相続人にとって有益な情報提供になります。

(3)共有持分の買取りの提案

共有名義人の片方が死亡したら、死亡した共有者の相続人が相続します。

死亡した共有者の相続人に、会ったことがないかもしれません。

不動産を共有していれば、見知らぬ相続人が現れるのは止むを得ません。

共有に内在する当然のリスクと言えます。

相続人が希望すれば、死亡した共有者の共有持分を買取ることができます。

相続人にとっても見知らぬ人と共有するのは、不安なことが多いでしょう。

死亡した共有者の共有持分を買取ってもらえれば、金銭で分けることができます。

遺産分割協議を進めやすくなる効果があります。

共有持分の買取りは、相続人にとって有益な提案になる可能性があります。

共有持分の買取る前に、相続登記が必要です。

共有持分の買取りの前提として、登記名義を相続人にする必要があるからです。

(4)相続人と協力して不動産全体を売却

見知らぬ人と不動産を共有するのは、不安になります。

相続人と協力できれば、不動産全体を売却することができます。

共有持分の買取る場合も不動産全体を売却する場合も、相続人の協力は不可欠です。

相続人の協力がなければ、共有持分の買取りも不動産全体の売却もできません。

不動産全体を売却は、相続人と協力できれば有益な提案になる可能性があります。

不動産全体を売却する前に、相続登記が必要です。

不動産全体の売却の前提として、登記名義を相続人にする必要があるからです。

(5)固定資産課税明細書を見せてあげる

不動産を共有している場合、固定資産税に関する通知書は代表者に届きます。

固定資産税の納付書や課税明細書も、代表者に届きます。

相続人が相続登記をする場合、課税明細書が必要になります。

相続登記をするときの納める登録免許税は、固定資産税評価額を基礎に計算するからです。

固定資産課税明細書を見せてあげることは、義務ではありません。

固定資産課税明細書を見せてあげると、相続登記を進めやすくなります。

3相続登記を進めるためのポイント

手順①相続人調査

戸籍謄本を取得して、すべての相続人を確認します。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。

手順②不動産調査

相続登記の対象になる不動産を特定します。

名寄帳や固定資産税課税明細書を確認するといいでしょう。

不動産を特定したら登記簿謄本を取得すると、現在の状況が確認できます。

手順③遺産分割協議書の作成

相続財産の分け方について、相続人全員で合意します。

遺産分割協議書とは、相続財産の分け方について合意内容の証明書です。

合意内容に問題がなければ、相続人全員に記名し実印で押印をしてもらいます。

手順④登記申請書の作成

登記申請書のひな型は、法務局のホームページに出ています。

専門知識が必要になるため、司法書士などの専門家に依頼する人も多いです。

手順⑤法務局へ提出

登記申請書と必要書類を取りまとめて、法務局へ提出します。

窓口申請、郵送申請、オンライン申請ができます。

数回の登記申請だけであれば、紙申請の方が手間や時間がかからないでしょう。

オンライン申請をするためには、専用ソフトや電子署名が必要になるからです。

専用ソフトや電子証明書が準備できる手間と時間をかけられるなら、オンライン申請は便利です。

手順⑥登記完了

提出書類が法務局で審査されます。

問題がなければ、新しい所有者として登記簿に記録されます。

申請書を提出してから登記完了まで、およそ2週間程度かかります。

登記完了予定日は、法務局のホームページで確認することができます。

4相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

ほとんどの方は、相続を何度も経験するものではないでしょう。

相続手続に不慣れで聞き慣れない法律用語で、へとへとになります。

相続登記は、相続手続の中でも難しい手間のかかる手続です。

不動産は、重要な財産であることが多いものです。

一般の方から見ると、些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があります。

法務局の登記手続案内に行っても、何が良くないのか分からなかったというケースも多いものです。

司法書士は、このような方をサポートしております。

相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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