Archive for the ‘財産調査’ Category

抵当権付き不動産を相続

2022-11-21

1抵当権付き不動産は相続財産

マイホームを購入したときに、銀行などから融資を受けることがあるでしょう。

ローンの返済が滞ったときに備えて、銀行は不動産を担保にします。

返済が滞ったときに備えて、担保にする権利を抵当権と言います。

銀行だけでなく、個人間でお金の貸し借りをすることがあります。

まとまった額の貸し借りになると、不動産を担保に取ります。

担保に取った人を抵当権者と言います。

担保に差し出した人を抵当権設定者と言います。

お金を貸した人という意味では、抵当権者は債権者です。

お金を借りた人が自分の不動産を担保に差し出すこともあるし、お金を借りた第三者のために自分の不動産を担保に差し出すこともあります。

抵当権付き不動産は被相続人の財産だから、相続財産になります。

お金を借りたのが被相続人の場合、借金は相続財産になります。

抵当権付き不動産の所有者に相続が発生しても、抵当権は消えません。

お金を借りた人に相続が発生しても、借金は消えません。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利です。

原則として、借金と抵当権は一緒についていくことになります。

具体的には、借金の返済が滞った場合、担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらうことができます。

相続が発生した後は、抵当権者が担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらう義務が受け継がれます。

2 抵当権は登記されている

被相続人の財産に抵当権がついている場合、借金の内容を確認しましょう。

抵当権がついている場合、抵当権の登記がされています。

登記簿謄本を取得すれば、大まかな内容を確認することができます。

登記簿謄本は、法務局で手続をすればだれでも見ることができます。

多くの場合、お金を貸した人が不動産を担保に取ったときに抵当権の登記をします。

抵当権の登記は、借りたお金の金額が登記されます。

借りたお金は、時間が経つと利子がつきます。

借金が膨れ上がっているかもしれません。

借りたお金を返していたら、借金は少なくなっているかもしれません。

借金の詳しい内容は、お金を貸した人に確認します。

お金を貸した人は抵当権者ですから、登記簿謄本に書いてあります。

3まずは遺産分割協議

①借金が完済になる場合

お金を借りた人は債務者ですから、登記簿謄本に書いてあります。

被相続人が住宅ローンを組んでいて、かつ、団体信用生命保険に加入している場合、住宅ローンの残りは保険金で完済されます。

住宅ローンが完済される場合、借金のことは心配せずに相続財産の分け方の話し合いをすることができます。

団体信用生命保険に加入していたか分からない場合、金融機関に確認することができます。

②被相続人が借金をしていた場合

被相続人の借金は、マイナスの財産として相続財産になります。

相続財産だから相続人全員の話し合いで、借金の分け方を決めることができます。

相続人全員で借金の分け方を決めた場合であっても、お金を貸した人は相続人全員に対して法定相続分で借金の返済を求めることができます。

相続人全員の話し合いで、借金の分け方を決めた場合、合意内容は相続人間の内部的な合意に過ぎないからです。

お金を貸した人には関係ない話だからです。

抵当権付き不動産は、プラスの財産として相続財産になります。

相続財産だから相続人全員の話し合いで、抵当権付き不動産の分け方を決めることができます。

一部の相続人が不動産を相続する場合であっても、抵当権は消えません。

借金を相続する相続人と不動産を相続する相続人が違う場合があります。

借金と不動産を別々の相続人が相続する場合であっても、抵当権は消えません。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利だからです。

借金を相続した相続人が返済を滞らせた場合、お金を貸した人は抵当権を実行することができます。

抵当権を実行するとは、担保に取った不動産を競売にかけて売却代金から優先的に借金を返してもらうことです。

借金を相続した相続人と別の人が抵当権付き不動産を相続した場合であっても、担保に取った不動産を競売にかけることができます。

③第三者が借金をしていた場合

被相続人が第三者に頼まれて、自分の財産を第三者のために担保に差し出した場合があります。

借金は、第三者がしたものなので相続とは関係ありません。

相続人は、抵当権付き不動産の分け方だけを合意します。

自分の不動産を担保に差し出した人が死亡しても、抵当権は消えません。

抵当権は、借金の返済が滞ったときに備えて、担保に取る権利だからです。

借金をした人が返済を滞らせた場合、お金を貸した人は抵当権を実行することができます。

担保に取った不動産を競売にかけることができます。

不動産を競売にかけるから、抵当権付き不動産の所有者は所有権を失います。

所有権を失った場合、抵当権者に対して優先的に支払われた金額分を借金をした人に対して請求することができます。

借金をした人は、抵当権者に対して優先的に支払われた金額分を支払わなければなりません。

多くの場合、優先的に支払われた金額分を借金をした人が支払うことは困難でしょう。

優先的に支払われた金額分を支払うことができるのであれば、借金の返済を滞らせることがないからです。

抵当権付き不動産の分け方を合意する場合、このような事情を相続人全員が考慮する必要があります。

4抵当権の登記を消すためには申請が必要

抵当権は、借金を完済すれば消滅します。

抵当権が消滅しても、抵当権の登記は自動で消えることはありません。

法務局は、借金が完済されたかどうか分からないからです。

銀行などが自動で手続してくれることもほとんどありません。

抵当権を抹消する登記は、申請する必要があります。

借金を完済すると、ほっとします。

ほっとして、抵当権抹消登記を先延ばしすることがあります。

被相続人が借金を完済した後、抵当権抹消登記を先延ばししていた場合があります。

抵当権抹消登記を先延ばししていると、借金を完済した事実があいまいになりがちです。

抵当権抹消登記は、不動産の所有者を権利者、抵当権者を義務者とする共同申請です。

原則として、抵当権者の協力がないと抵当権抹消登記の申請はできません。

抵当権抹消登記を先延ばししていると、抵当権者の協力が得られなくなるかもしれません。

借金を完済した事実を証明できなくなるかもしれません。

完済した直後の抵当権抹消登記は、登記手続の中では、難しいものではありません。

完済した後、長期間経過すると、時間も手間もかかる難易度の高い手続になります。

借金を完済したら、すみやかに抵当権抹消の手続きをしましょう。

5抵当権付き不動産の相続を司法書士に依頼するメリット

借金の返済が終わると、ほっとします。

抵当権の抹消登記は多少遅くなっても特段の不都合がないから、多忙にまぎれがちです。

不動産を売却したり、相続が発生したときに気がつくことが多いです。

借金返済が完了してから長期間経過すると、事実関係が確認できなくなったり、関係者と連絡が取れなくなったり、連絡を無視されたりします。

通常の抵当権抹消登記は、司法書士であれば難しい手続ではありません。

借金返済が完了してから長期間経過すると、関係者の協力を得るのが難しくなりがちです。

関係者の協力を得られない場合、裁判所の助力が必要になります。

抵当権の抹消登記を先延ばしした代償は、非常に高くつきます。

抵当権消滅登記はすみやかに済ませましょう。

スムーズに登記を完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

借地権付き建物を相続

2022-10-05

1借地権は相続財産

被相続人がマイホームを持っている場合、土地は被相続人が所有しているケースと土地は借りているケースがあります。

被相続人が土地を借りてマイホームを持っている場合、土地を借りる権利、土地を使う権利があると言えます。

土地の上に建物を所有する目的で、土地を使う権利や土地を借りる権利のことを借地権と言います。

建物を所有する目的があるときだけ、借地権です。

更地で、資材置き場として使う目的や青空駐車場として使う目的の場合、土地を使う権利があったとしても、借地権とは言いません。

借地権は、法律的に言うと、賃借権の場合と地上権の場合があります。

賃借権は土地を借りて使う権利、地上権は土地を使う権利です。

地上権は、賃借権と比べると使う人の権利が強く保護されている権利です。

一般的には、借地権のほとんどは賃借権です。

借地権は、普通借地権と定期借地権があります。

被相続人がマイホームと借地権を持っていた場合、マイホームと借地権は相続財産になります。

2借地権には普通借地権と定期借地権がある

①普通借地権

契約で期限を定めておいても、自動的に借地契約が更新される契約です。

地主側に土地を返してもらう正当な理由がある場合だけ、土地の返還を請求できます。

土地を返してもらう正当な理由を認められるのは非常に限られた場合だけです。

借地人が望む場合、半永久的に借りることができます。

契約終了になったら、地主に建物の買取請求をすることができます。

②定期借地権

定期借地契約は50年以上の期間を決めて土地を利用することができる契約です。

契約更新はできないし、存続期間の延長はできません。

契約終了になっても、建物買取請求をすることはできません。

定期借地契約が終了したら、建物を取り壊して、土地を更地にして地主に返さなければなりません。

3借地権の相続に地主の承諾不要

マイホームなどの建物は被相続人の所有していたものなので、相続人全員で分け方の合意をすれば遺産分割をすることができます。

一般的に、賃借権をだれかに譲渡する場合やだれかに又貸しする場合、地主の承諾が必要になります。

多くの場合、地主の承諾を得るために、承諾料の支払が必要になります。

借地権を相続する場合、地主の承諾は必要ありません。

相続は被相続人の死亡という事実によって発生するものなので、地主といえども承諾の余地がないからです。

地主の承諾の余地がないから、承諾料の支払も必要ありません。

相続財産の分け方について、相続人全員で合意した結果、一部の相続人が相続することになることもあるでしょう。

一部の相続人が相続することになったとしても、地主の承諾は不要ですし、承諾料の支払も不要です。

一部の相続人が相続する合意をした場合であっても、相続によって受け継ぐことに変わりはないからです。

賃借権の相続にあたっては地主の承諾が不要であることを知らずに、当然のことのように承諾料を請求してくることがあります。

地主の承諾不要なのですから、承諾料の支払も不要です。

被相続人のマイホームであったとしても、相続人はそれぞれ自分の自宅があったり、遠方に住んでいる場合もあるでしょう。

建物に住まないのなら土地を明け渡して欲しいと請求してくる場合があります。

このような請求に応じる必要もありません。

被相続人の権利をそのまま受け継ぐものなので、相続が発生したからといって明渡を請求できるものではないからです。

地上権をだれかに譲渡する場合やだれかに又貸しする場合、賃借権と違い、地主の承諾が不要です。

地上権を相続する場合も、地主の承諾は不要です。

地主には相続したことを伝えておくだけでいいでしょう。

4借地権付き建物の相続登記

①登記された建物の相続の場合

相続財産の分け方について、相続人全員の話し合いによる合意ができたら、合意内容を遺産分割協議書に取りまとめます。

借地権と建物があるので、それぞれ忘れずに記載しましょう。

書類ができたら、通常どおり相続登記をします。

めったにありませんが、借地権が地上権であれば一緒に登記されているでしょう。

建物の相続登記をするとき、地上権も一緒に相続登記をするといいでしょう。

一般的に言って、借地権が賃借権の場合、登記されていることはめったにありません。

賃借権は希望すれば登記する制度がありますが、ほとんどの場合、地主が登記に協力しないからです。

登記されていない賃借権が借地権である場合、建物の登記があれば借地権も登記してあるものと同じ効力があります。

②未登記建物の相続の場合

建物の中には登記されていないものがあります。

登記がされていなくても、被相続人のものであれば、相続財産になります。

相続財産なので、相続人全員で分け方の合意をすれば遺産分割をすることができます。

未登記建物と登記されていない借地権を相続する場合、登記がない状態で相続することになります。

この状態で、地主が第三者に土地を売却した場合、土地の買主が土地の明渡を請求してくる心配があります。

この場合、借地権があっても登記がないので、明渡に応じなければなりません。

土地の買主に、借地権があるから出ていきたくないなどと文句を言うことはできません。

この点、登記された建物を所有している場合は、土地に買主に借地権があるから明け渡しには応じないと言うことができます。

建物の登記があれば借地権も登記してあるものと同じ効力があるからです。

土地の買主が現れて、土地の明渡を請求してくる前に建物の登記をした方がいいでしょう。

5借地権が定期借地権の場合

被相続人がマイホームと借地権を持っていた場合、マイホームと借地権は相続財産になります。

借地権が定期借地権である場合も、相続財産になります。

相続人は、被相続が地主と契約した内容を引き継ぐことになります。

定期借地契約は、原則として、解約することができません。

一方的な解約を認めてしまうと、貸主は予定していた賃料が得られなくなるし、借主はせっかく建てた建物を取り壊して明渡をする必要があるからです。

解約が認められるのは、地震や火災などで建物がなくなってしまった場合などごく限られた場合のみです。

地主が解約に応じてくれるのであれば解約できます。

予定していた賃料と残った契約期間を考えて相応の違約金を払うことになるでしょう。

原則として解約できませんから、相続人は別の場所に住んでいたとしても、契約で定められた地代を支払わなければなりません。

契約終了になったら、取壊し費用を負担して建物を取壊して、更地にして返さなければなりません。

このような負担を考えると、定期借地権付き建物を売却したいと思うでしょう。

法律上、定期借地権付き建物を売ることはできます。

法律上、売ることはできますが、買いたい人がいて売れるかというのは別問題です。

定期借地権付き建物を売却したら、買主が契約終了になったら、取壊し費用を負担して建物を取壊して、更地にして返さなければなりません。

このような負担をしてでも、買いたい人はあまりいないでしょう。

さらに、このような負担のある建物に対して銀行などの金融機関は財産価値をあまり認めていません。

買いたい人が見つかったとしても、銀行のローンが通りにくいものです。

ローンがなくても買える人でないと、定期借地権付き建物を買えません。

賃借権をだれかに譲渡する場合やだれかに又貸しする場合、地主の承諾が必要になります。

借地権が定期借地権であっても、賃借権であれば地主の承諾が必要です。

定期借地権付き建物を売却したら、地主に承諾をもらわなければなりません。

地主としても、定期借地権付き建物の買主がきちんと地代を払ってくれる人でないと承諾はできないでしょう。

さらに、譲渡承諾料も負担しなければなりません。

6負担が重いのであれば相続放棄も

被相続人に多額の借金がある場合、相続放棄を検討します。

家庭裁判所で相続放棄を認めてもらったら、相続人でなくなります。

相続人でなくなれば、多額の借金も賃借権も相続することはなくなります。

相続していないので、借金も地代も支払う必要がありませんし、賃貸借契約を解除する必要がありません。

地主から土地を明け渡して欲しいと請求されることがありますが、建物を取壊しをしてはいけません。

建物を処分したことになりますから、相続放棄が無効になります。

相続放棄をした人も、他の人が管理するまで適切に管理する必要があります。

物件を放置して周りの人に迷惑をかけてしまったら、損害賠償請求される可能性があります。

必要であれば、家庭裁判所に相続財産管理人を選んでもらうように申立をすることも考えましょう。

7借地権付き建物の相続を司法書士に依頼するメリット

相続財産の分け方は、相続人全員で合意する必要があります。

相続人全員で話し合いによる合意は、トラブルが起きやすいものです。

相続は、相続人間だけでトラブルが起きるのではありません。

借地に建物を所有している場合、地主が関係します。

相続をきっかけに、譲渡承諾料を請求してくることがあります。

相続を理由に、契約内容をうやむやにすることもあります。

意図的でないにしてもトラブルに巻き込まれがちです。

司法書士は単なる登記の書類を書いているだけではありません。

法律の知識があれば防げるトラブルは多いです。

相続が発生してから、相続人は相続手続に追われてへとへとになっているでしょう。

スムーズに相続手続を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

アパートローンを相続

2022-09-14

1相続財産とは

相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続人が相続する財産が、相続財産です。

相続財産はプラスの財産とマイナスの財産があります。どちらも、相続財産です。

①プラスの財産

一般的に不動産、預金、株式や投資信託などの有価証券、現金などです。

さらに、宝飾品や美術品など価値があるものはプラスの財産といえるでしょう。

多くの方が財産と言われたときにイメージしやすいものです。

不動産には、自宅だけでなく収益不動産も含みます。

②マイナスの財産

一般的に借金やローンなどです。

賃貸マンションや賃貸アパートを経営している場合、アパートローンが残っていることが多いでしょう。

アパートローンは相続財産です。

アパートローンは、相続で相続人に受け継がれます。

未払の税金や未払の入院費用などもマイナスの財産になります。

被相続人が賃貸マンションや賃貸アパートを保有している場合、被相続人は大家の地位があります。

大家の地位は相続財産です。

大家の地位は、相続で相続人に受け継がれます。

被相続人が第三者の連帯保証人であった場合、連帯保証人の地位は相続財産です。

連帯保証人の地位は、相続で相続人に受け継がれます。

被相続人がローン組むときに相続人が連帯保証人になることがあります。

この場合の連帯保証人の地位は相続財産ではありません。

相続とは関係ない相続人の固有の義務です。

2まずは遺産分割協議

相続が発生すると、相続財産は相続人全員の共有財産になります。

被相続人がアパート経営をしている場合、賃貸アパート、アパートローン、貸主の地位などが相続財産になります。

これらの相続財産は、相続人全員の共有財産になります。

2人以上相続人がいる場合や遺言書がない場合は、遺産の分け方について相続人全員で話し合いをする必要があります。

この相続人全員で話し合いのことを遺産分割協議といいます。

相続財産の分け方について、相続人全員で、合意が不可欠です。

相続人全員で合意がまとまったら、遺産分割協議書に取りまとめておきます。

賃貸アパートは、相続人全員でだれが受け継ぐか合意すれば、その相続人が受け継ぐことができます。

アパートローンが残っている場合、賃貸アパートを相続する人がアパートローンを引き継ぐ合意をすることが多いでしょう。

賃貸アパートを引き継ぐ人がアパートローンを引き継ぐと相続人全員で合意をした場合、合意は相続人間でのみ有効です。

アパートローンを引き継ぐ合意は、相続人の内輪の合意事項に過ぎません。

相続人の内輪の合意事項だから、銀行には関係ない話です。

相続人の内輪の合意事項に関係なく、銀行は、各相続人に法定相続分でローンの返済を求めることができます。

賃貸アパートを引き継ぐ人がアパートローンを引き継ぐ合意をしたから、アパートローンの返済はしないと文句を言うことはできません。

遺産分割協議書に「賃貸アパートを引き継ぐ人がアパートローンを引き継ぐ」と記載して相続人全員が署名して実印押印しても銀行には関係ありません。

3アパートローンの名義変更は銀行の承諾が必要

相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

被相続人の財産は、原則としてプラスの財産もマイナスの財産も相続財産です。

賃貸マンションやアパートを建設するとき、アパートローンを組んでいることがあります。

アパートローンも相続財産です。

相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意が不可欠です。

相続人全員の合意でアパートローンを特定の代表相続人が引き継ぐことを決めることができます。

代表相続人がアパートローンを引き継ぐと決めた場合であっても、この取り決めは相続人間の内部的な合意に過ぎません。

被相続人が遺言書に「アパートローンは相続人○○に相続させる」と書いた場合も同様です。

遺言書の内容は、相続人間の内部的な取り決めに過ぎません。

相続人間の内部的な取り決めに過ぎませんから、銀行は相続人全員に対して法定相続分でローンの返済を求めることができます。

アパートを引き継がない相続人に対して、銀行は法定相続分でローンの返済を求めることができます。

ローンを引き継ぐと決められた相続人が、債務超過で資力がない場合があるからです。

債務超過で資力がない場合、多くの場合、自己破産することになるでしょう。

自己破産をした場合、銀行はローンを返済してもらえなくなります。

銀行を保護するため、アパートローンを特定の代表相続人が引き継ぐには金融機関の承諾が必要です。

金融機関は新たにローンを組む時と同様に、相続人の返済能力やアパートの収益性を審査をします。

銀行の審査が通らなかった場合、新たに連帯保証人を立てることを求められるでしょう。

銀行の審査が通った場合、債務引受契約を締結します。

不動産に抵当権が設定されている場合、抵当権の債務者変更登記が必要になります。

アパートを引き継がない相続人は、アパートローンの引継ぎができたのか確認しておく必要があります。

4連帯保証人になるとアパート経営から逃げられない

被相続人が賃貸マンションや賃貸アパートを建築するとき、アパートローンを組むことがあります。

多額の融資を受けることになるので、金融機関は連帯保証人を立てることを求めてきます。

被相続人がローンを組む場合、相続人が連帯保証人になっていることがあります。

連帯保証人は、ローンを組んだ人がお金を返せなくなった場合に肩代わりをしますと銀行に約束した人です。

銀行は、ローンを組んだ人がお金を返せなくなっても、肩代わりの人に請求できるので安心してお金を貸せます。

被相続人が多額のローンを残したまま死亡した場合、相続人は相続放棄をすることができます。

相続人が相続放棄をした場合、被相続人の借金を相続することはありません。

相続人として被相続人のアパートローンを返す義務はなくなりますが、肩代わりの義務は残ります。

借金を肩代わりする義務は、銀行と相続人がした契約だからです。

相続とは関係ない相続人の固有の義務だからです。

被相続人が不動産ローンを残したまま死亡した後、相続人が相続放棄をしたら借金を返してもらえなくなります。

ローンを組んだ人がお金を返せなくなった場合に肩代わりをしますと約束してもらったのだから、銀行は約束どおり肩代わりをしてくださいと言ってきます。

相続放棄したから、肩代わりはしませんということはできません。

肩代わりの義務は、相続とは関係ない相続人固有の義務だからです。

相続人として相続放棄をしても、連帯保証人である相続人は連帯保証人として肩代わりの義務は消えません。

連帯保証人である相続人は実質的に相続放棄をすることができなくなります。

連帯保証人である相続人は相続放棄をした場合、連帯保証人として被相続人の借金から逃れられないからです。

銀行は、相続放棄をしてアパート経営を投げ出すことができないようにするために、連帯保証人を立てるように求めてきます。

アパートローンの連帯保証人になると言うことは、実質的にアパート経営を引き継ぐ義務を負うという意味です。

連帯保証人が死亡した場合、連帯保証人の地位は相続人に相続されます。

連帯保証人の配偶者や子どもなどは何も知らないところで連帯保証人の地位を相続してしまうおそれがあります。

順調に不動産ローンが返済されている間は、連帯保証人に何も言って来ないのが通常です。

アパートローンを組んだ人が順調にローン返済ができている間は、銀行は困ることがないからです。

5アパート経営は相続人を巻き込む事業リスクがある

被相続人が賃貸マンションや賃貸アパートを保有していた大家と聞くと、一般的に資産家のイメージが浮かびます。

被相続人が収益不動産を上手に活用して、大きな収益をあげていたかもしれません。

家族が全く関与していない場合、不動産経営に不安を感じることでしょう。

家族が負担する相続税額を心配して、税金を減らす対策をしようと考えるかもしれません。

確かに、現金を保有し続けるよりアパートを建設した方が相続税を少なくすることができることが多いでしょう。

アパート経営は不労所得に見えがちですが、リスクをとって経営する不動産事業です。

相続税を減らすメリットに見合う、事業リスクなのか慎重に判断する必要があります。

相続税を減らすことには成功したが、不動産事業で失敗したら意味はありません。

アパートローンを組む場合、アパート経営を受け継ぐ予定の人は連帯保証人に立てることを求められます。

不動産事業で失敗した場合、連帯保証人でない相続人は相続放棄をすることで、被相続人の借金を相続することはありません。

連帯保証人である相続人は相続放棄をした場合、連帯保証人として被相続人の借金から逃れられません。

アパート経営による事業リスクの大きさを理解していない場合、家族の人生を破綻させる危険があります。

相続人の人生を破綻させないための対策が、相続放棄の制度だからです。

連帯保証人として事実上相続放棄ができない相続人は、借金から逃れられないからです。

6アパート経営は相続トラブルのリスクが大きい

不動産経営がうまくいったとしても、相続トラブルの心配があります。

賃貸マンションや賃貸アパートを複数保有している人の場合、収益のいい不動産と収益の良くない不動産があるでしょう。

大規模の修繕が必要な物件や老朽化した物件がある場合もあるでしょう。

不動産にはそれぞれ個性があるから、簡単に分けることができません。

相続財産が金銭のみであれば、簡単に分けることができます。

分けにくい不動産は、分け方の合意をするのが難しくなります。

収益のいい不動産は価値が高くなります。

収益の高い不動産を受け継ぐ相続人は、他の相続人に代償金を支払わなければならなくなるかもしれません。

代償金の額や支払方法の合意が難しいかもしれません。

相続税を減らす対策のために、家族がトラブルになることは少なくありません。

7賃貸アパートの相続を司法書士に依頼するメリット

賃貸マンションや賃貸アパートを保有している大家と聞くと、資産家のイメージが浮かびます。

相続税を心配してアパート経営を始める人もいるでしょう。

アパート経営は不労所得に見えがちですが、リスクがある不動産事業です。

アパートローンの返済が終わったら、家賃収入を資産として残すことができます。

そのためにはアパート経営をする知識と時間と労力が必要です。

空室にしないためにどのような投資をしていくか経営判断が必要になるでしょう。

被相続人がアパート経営をしていた場合、相続人は関与していなかったことは少なくありません。

相続でアパート経営を引き継ぐ場合、築年数の経過した賃貸アパートになります。

築年数の経過した賃貸アパートは空室が多くなりがちで、修繕の負担が多くなりがちです。

アパート経営に関与していなかった相続人が引き継ぐ場合、難しい経営判断を迫られることになります。

家賃収入を資産として残すどころか、相続人の固有の財産で損失を補填することになるでしょう。

いったん相続をして、損失が大きくならないうちに売却する方がいいかもしれません。

このような相続して売却する場合も司法書士はサポートします。

賃貸マンションや賃貸アパートの相続について、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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