Archive for the ‘成年後見’ Category

同性婚の財産管理で任意後見契約

2025-03-28

1同性婚は法律上「他人」扱い

①同性婚は法律上認められない

現在のところ日本では、同性婚は認められていません。

法律婚が認められるのは、異性婚のみです。

残念ながら、同性婚は法律上「他人」扱いです。

同性婚は、法律上認められません。

②パートナーシップ制度は法律上の効力がない

パートナーシップ制度とは、法律上の婚姻と異なる形態のカップルについて各自治体が婚姻に相当する関係と認め証明書を発行する制度です。

愛知県では、2024年4月からファミリーシップ宣誓制度が施行されました。

名古屋市では、2022年12月からファミリーシップ宣誓制度が施行されました。

すべての自治体で、施行されているわけではありません。

パートナーシップ制度が施行されている自治体では、パートナーシップ宣誓をすることができます。

自治体から、パートナーシップ宣誓受領証を発行してもらうことができます。

パートナーシップ宣誓受領証を提示することで、婚姻に相当する関係と認めてもらいやすくなるでしょう。

同性婚は、法律上「他人」扱いです。

パートナーシップ宣誓をしても、法律上の効力はありません。

③婚姻契約を締結しても法律上は「他人」扱い

現在のところ同性婚は、法律上の効力がありません。

後々のトラブルを避けるため、婚姻契約を締結することがあります。

口約束だけでは、言った言わないになるからです。

婚姻契約をすることは、当事者にとって大きな意味があるでしょう。

当事者以外の第三者に対しても、婚姻に相当する関係であることを認められやすくなるでしょう。

婚姻契約をしても、法律上は「他人」扱いです。

2同性婚の財産管理で任意後見契約

①任意後見契約で財産管理を依頼する

元気なとき、自分の財産は自分で管理します。

高齢になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。

成年後見は、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなった人をサポートする制度です。

任意後見契約をして、財産管理などのサポートを依頼することができます。

②任意後見は信頼できる人と契約

任意後見は、信頼できる人とする契約です。

自分の財産を適切に管理してくれる人は、信頼できる人でないと不安になります。

任意後見は、自分の財産を適切に管理してくれる人を自分で選ぶことができます。

同性婚パートナー、家族、専門家などと任意後見契約をすることができます。

任意後見契約をする相手は、自分で決めることができるからです。

法定後見は家庭裁判所が選ぶから、サポートする人を自分で選べる点は大きなメリットです。

任意後見は、信頼できる人とする契約です。

③サポート内容は自分で決める

任意後見は、サポートを依頼する契約です。

どのようなことをサポートして欲しいのか、契約書ではっきりさせます。

本人の希望を反映させて、契約書を作ることができます。

任意後見に効力が発生するのは、本人の判断能力が低下した後です。

どんなことを依頼したのか、はっきりしていないとサポートする人が困ります。

サポートする人が勝手にやったことと、判断されるからです。

サポートして欲しいことは、契約書にはっきり記載します。

契約書の内容は、登記簿に記録されます。

サポートする人の権限は、登記簿謄本で証明することができます。

サポート内容は、自分で決めることができます。

④任意後見人の報酬は契約で決める

任意後見人の報酬は、任意後見契約ではっきりさせます。

家族や同性婚パートナーが任意後見人になる場合、合意によって無報酬にすることもできます。

任意後見契約をすると、費用負担が少なくできるのがメリットです。

任意後見人の報酬は、契約で決めることができます。

⑤元気なときに任意後見契約

本人が元気なときに、任意後見契約を締結します。

任意後見は、契約だからです。

契約当事者が判断能力を失った場合、有効に契約をすることができません。

任意後見契約締結には、公証人が関与します。

公証人が契約内容を読み聞かせ、意思確認をします。

判断能力を失っていると、適切な受け答えができないでしょう。

元気なときに、任意後見契約をします。

⑥公正証書で任意後見契約

任意後見契約は、公正証書で契約する必要があります。

公正証書とは、公証人が作成する公文書です。

公証人が関与して作られるから、高い信頼性があります。

任意後見契約は、判断能力が低下した後で財産管理を依頼する契約です。

重要な契約だから、公正証書で契約する必要があります。

公正証書で、任意後見契約をします。

3任意後見契約締結の手順

手順①任意後見契約の内容の検討

本人とサポートをする人で、契約内容を検討します。

契約内容を自分で考えるのが難しい場合、司法書士などの専門家にサポートしてもらうことができます。

任意後見契約締結の手順1つ目は、任意後見契約の内容の検討です。

手順②任意後見契約の文案作成

任意後見契約書の文案を作成します。

どのようなことをサポートして欲しいのか、契約書ではっきりさせます。

任意後見契約締結の手順2つ目は、任意後見契約の文案作成です。

手順③必要書類の準備

本人は、次の書類を準備します。

(1)印鑑証明書

(2)実印

(3)戸籍謄本

(4)住民票

サポートをする人は、次の書類を準備します。

(1)印鑑証明書

(2)実印

(3)住民票

同性婚カップルが任意後見契約をする場合、お互いにパートナーをサポートする契約をするでしょう。

当事者双方がお互いに書類を準備します。

任意後見契約締結の手順3つ目は、必要書類の準備です。

手順④公証役場と打合せ

手順②で作成した契約文案を提示して、公証人と打合せをします。

公証役場に出向いて打ち合わせをする場合、公証人を予約します。

任意後見契約締結の手順4つ目は、公証役場と打合せです。

手順⑤任意後見契約を締結

公証役場に出向いて、任意後見契約を締結します。

公証役場に出向くことが難しい場合は、公証人に出張してもらうことができます。

任意後見契約を締結すると、公証人が登記を嘱託します。

任意後見契約締結の手順5つ目は、任意後見契約の締結です。

4任意後見契約の注意点

注意①任意後見監督人選任で効力発生

任意後見契約をしただけでは、財産管理をすることはできません。

本人が元気なときに、任意後見契約を締結するからです。

本人は元気だから、サポートは不要のはずです。

サポートが必要になるのは、本人の判断能力が低下した後です。

本人の判断能力が低下した場合、家庭裁判所に対して任意後見監督人の選任を申立てます。

家庭裁判所が任意後見監督人を選任したら、任意後見がスタートします。

任意後見人は、任意後見監督人の監督を受けます。

任意後見監督人は、家庭裁判所の監督を受けます。

みんなで本人をサポートするから、安心して任意後見制度を利用することができます。

任意後見契約の注意点1つ目は、任意後見監督人選任で効力発生することです。

注意②任意後見契約と一緒に財産管理契約

任意後見がスタートするのは、本人の判断能力が低下した後です。

本人の判断能力が充分あっても、病気などで外出が不自由になることがあります。

本人の判断能力が充分ある場合、任意後見契約に基づいてサポートをすることができません。

身体が不自由になったときに備えて、財産管理委任契約をすることができます。

本人の判断能力が充分ある間は、財産管理委任契約でサポートします。

本人の判断能力が失われたら、任意後見契約でサポートします。

任意後見契約の注意点2つ目は、任意後見契約と一緒に財産管理契約をすることです。

注意③任意後見契約をしても遺言書

任意後見契約は、財産管理を依頼する契約です。

任意後見契約は、本人が死亡すると終了します。

本人が死亡した後は、本人の財産は相続人が引き継ぐからです。

同性婚パートナーは、相続人ではありません。

婚姻に相当する関係と認めてもらっても、法律上の配偶者ではないからです。

遺言書を作成すれば、自分の財産を同性婚パートナーに引き継ぐことができます。

遺言書で、遺贈することができるからです。

協力して財産を築いてきたなら、パートナーに財産を引き継がせたいでしょう。

対策をしないと、財産を引き継がせることができません。

任意後見契約の注意点3つ目は、任意後見契約をしても遺言書を作成することです。

5成年後見(法定後見)のデメリット

デメリット①成年後見開始の申立てができない

成年後見には、2種類あります。

法定後見と任意後見です。

法定後見は、判断能力を失った後に家庭裁判所がサポートをする人を決める制度です。

任意後見は、判断能力を失う前にサポートを依頼する契約です。

任意後見を利用する人は、多くはありません。

成年後見と言うと、圧倒的に法定後見です。

何も準備しないまま判断能力を失ってしまったら、成年後見開始の申立てをします。

本人の配偶者は、成年後見開始の申立てをすることができます。

同性婚パートナーは法律上の配偶者ではないから、申立てをすることができません。

本人にサポートが必要であっても、成年後見開始の申立てをすることができません。

成年後見(法定後見)のデメリット1つ目は、同性婚パートナーが成年後見開始の申立てができないことです。

デメリット②成年後見人は家庭裁判所が決める

成年後見開始の申立てを受け付けたら、家庭裁判所を成年後見人を選任します。

成年後見人は、弁護士など見知らぬ専門家がほとんどです。

実際のところ、80%程度は見知らぬ専門家です。

家族や同性婚パートナーが成年後見人に選ばれることは少ないでしょう。

成年後見開始の申立てにおいて、成年後見人候補者を立てることができます。

成年後見人候補者を選ぶか見知らぬ専門家を選ぶか、家庭裁判所は自由に決定することができます。

家庭裁判所が選任した成年後見人に、異議を述べることはできません。

成年後見(法定後見)のデメリット2つ目は、成年後見人は家庭裁判所が決めることです。

デメリット③成年後見人に報酬の支払い

弁護士など専門家が成年後見人になる場合、ボランティアではありません。

本人の財産から、成年後見人報酬を支払う必要があります。

ときには成年後見人の他に、成年後見監督人が選任されることがあります。

本人の財産から、成年後見監督人報酬を支払う必要があります。

成年後見(法定後見)のデメリット3つ目は、成年後見人に報酬の支払う必要があることです。

デメリット④成年後見人を解任しても成年後見はやめられない

成年後見が開始したら、原則として本人が死亡するまで成年後見が続きます。

家庭裁判所が選任した成年後見人に、異議を述べることはできません。

見知らぬ成年後見人だから、成年後見をやめることはできません。

成年後見人が辞任しても解任されても、新しい成年後見人が選任されます。

成年後見(法定後見)のデメリット4つ目は、成年後見人を解任しても成年後見はやめられないことです。

6任意後見契約を司法書士に依頼するメリット

任意後見契約はあれこれ自分で決められなくなる前に、自分らしい生き方を自分で決めて、自分らしく生きようという制度です。

前向きに生きていくためにみんながサポートしますが、メリットもデメリットもたくさんあります。

ひとりで判断できるうちに、メリットとデメリットを確認して、自分らしい生き方、自分らしい好み、自分らしい趣味を家族や周囲の人と共有しましょう。

特に、不動産は重要な財産であることが多いので、処分や管理についての意見共有は重要です。

任意後見契約をする人は年々増加していますが、多くの方は良く知らない状況です。

任意後見契約をする前から司法書士などの専門家に相談し、その内容を周囲の人と共有しましょう。

任意後見契約の認知度があまり高くなく、契約について誤解や不理解でトラブルを起こしたり、トラブルに巻き込まれたりする事例が多く起きています。

任意後見契約でサポートをお願いする人もサポートをする予定の人も安易に考えず、司法書士などの専門家に相談し、家族と意見共有することをおすすめします。

任意後見監督人は不要にできない

2025-03-11

1任意後見監督人は必ず存在

任意後見は、任意後見監督人が選任されてからスタートします。

日常生活を監視されるイメージから、任意後見監督人に不安を感じる人もいるかもしれません。

任意後見監督人をなしにしたいと言う方もたくさんいます。

成年後見(法定後見)制度では、家庭裁判所の判断で成年後見監督人が置かれることも置かれないこともあります。

任意後見制度では、任意後見監督人は必ず置かれます。

任意後見制度では、任意後見監督人をなしにするわけにはいかないのです。

家庭裁判所が任意後見監督人を選任することが、任意後見の始まりだからです。

2任意後見監督人とは

任意後見制度は、あらかじめ契約で「必要になったら後見人になってください」とお願いしておく制度です。

成年後見(法定後見)制度では、家庭裁判所の判断で成年後見人が選ばれます。

本人や家族の知らない専門家が選ばれるのがおよそ80%です。

任意後見契約をする人の多くは、家族に後見人になってもらいたい人です。

任意後見監督人は、任意後見制度を利用する際、任意後見人を監督する人です。

任意後見人が不正をしないかきちんと監督するのが仕事です。

任意後見人が不正をしないかきちんと監督すると聞くと、反発を感じて任意後見監督人をなしにしたいと思うかもしれません。

任意後見人は、多くの場合、本人の家族です。

本人の家族が法律の専門家であることはあまりないでしょう。

客観的には不正と判断されることを知識不足によってやってしまうことがあります。

後見事務の範囲を逸脱してしまう可能性があります。

任意後見契約から逸脱していても、任意後見人が気付かないかもしれません。

法律の知識がないから、不安になりながら任意後見事務をすることになります。

後見事務に不安がある場合、家庭裁判所に相談することは大切です。

家庭裁判所はあまり身近な役所ではないため、気軽に相談するのは難しいでしょう。

任意後見監督人は、任意後見人の相談相手です。

任意後見人にとって、家庭裁判所より任意後見監督人の方が話しやすいでしょう。

任意後見監督人は、任意後見人から相談に応じることで、任意後見人が不正なく事務を行うように監督したと言えるのです。

任意後見監督人は、任意後見人を見張る人というよりはサポートする人です。

任意後見監督人は、任意後見人が任意後見契約どおり適切に事務を行うようにサポートし、家庭裁判所に報告します。

家庭裁判所は、任意後見監督人の監督をしています。

3任意後見監督人の職務

①任意後見人の監督

任意後見人は、本人の財産管理をします。

任意後見監督人は、任意後見人が本人の財産を適切に管理しているか監督します。

任意後見人に判断が難しいことの相談を受けます。

任意後見監督人がする監督とは、任意後見人を見張りいうよりはサポートです。

②家庭裁判所へ報告

任意後見人は、任意後見監督人に監督されます。

任意後見監督人は、家庭裁判所に監督されます。

家庭裁判所は任意後見監督人を監督することで、任意後見人を監督します。

任意後見監督人は、家庭裁判所に対して後見事務を報告します。

任意後見監督人が家庭裁判所に報告できるように、任意後見人は任意後見監督人に報告をしなければなりません。

③任意後見人の代理をする

任意後見人が事故などで必要な職務ができない場合があります。

任意後見監督人は、任意後見人の代理で必要な処分をします。

任意後見人と本人で、利益相反になる場合があります。

利益相反とは、一方がソンすると他方がトクする関係のことです。

本人がソンすると任意後見人がトクする関係になる場合、任意後見人は本人を代理することができません。

典型的には、遺産分割協議です。

本人と任意後見人が相続人になる場合、利益相反になります。

利益相反になるから、遺産分割協議ができません。

任意後見監督人が、本人を代理して遺産分割協議をします。

別途、特別代理人を選任する必要はありません。

4任意後見監督人は原則専門家で報酬1~2万円程度

任意後見監督人を家庭裁判所に選んでもらうことで、任意後見はスタートします。

任意後見監督人の候補者を立てることはできますが、家庭裁判所は候補者を選ぶことも候補者を選ばないこともできます。

任意後見監督人に選ばれるのは、原則として、家族以外の専門家です。

家庭裁判所が選んだ任意後見監督人に不服を言うことはできません。

候補者と別の人であっても任意後見監督人選任の申立てを取り下げることはできません。

任意後見監督人になれないのは次の人です。

①任意後見受任者や任意後見人の配偶者

②任意後見受任者や任意後見人の直系血族

③任意後見受任者や任意後見人の兄弟姉妹

任意後見受任者や任意後見人の家族は、任意後見監督人にふさわしくないという意味です。

任意後見監督人は任意後見人が不正なく事務を行うように監督する人です。

任意後見人が不正をした場合、指摘して不正をたださなければなりません。

任意後見監督人が家族の場合、任意後見人の不正を見つけてもわざと見逃すかもしれません。

多くの場合で任意後見人が本人の家族だから、任意後見監督人は専門家がふさわしいといえます。

任意後見受任者や任意後見人の家族から利益を得ている人もふさわしくありません。

任意後見受任者や任意後見人の家族から利益を得ている場合、利益を失うことをおそれて不正をわざと見逃すかもしれないからです。

任意後見受任者や任意後見人の家族の顧問税理士などは、任意後見受任者や任意後見人の家族から報酬を得ている人です。

報酬を失うことをおそれて、適切な職務執行ができないおそれがあります。

たとえ、不正を見逃すようなことをしなかったとしても、客観的には適切な職務執行をしていないのではないかと疑われます。

任意後見人の財産管理方針に他の家族が賛同できない場合に、疑いがより強まります。

ふさわしくない任意後見監督人の存在が、家族のトラブルを大きくすることになります。

任意後見監督人の候補者を立てるときは、ふさわしい人物を推薦しましょう。

任意後見監督人が家族以外の専門家の場合、本人の財産から報酬を支払う必要があります。

任意後見人の報酬は任意後見契約の中で決めることができます。

任意後見人が家族の場合、無報酬のことも多いものです。

任意後見監督人の報酬は、家庭裁判所が任意後見契約の内容に応じて決定します。

管理財産の規模が5000万円までなら、おおむね1~2万円程度です。

5000万円超なら、おおむね2~3万円程度です。

5任意後見監督人選任の申立て

家庭裁判所が任意後見監督人を選任するためには、原則として本人の同意が必要です。

任意後見監督人を家庭裁判所に選んでもらうことで、任意後見はスタートするからです。

任意後見監督人選任の申立てをすることができるのは、次の人です。

①本人

②配偶者

③4親等内の親族

④任意後見受任者

任意後見監督人選任の申立先は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで調べることができます。

任意後見監督人選任の申立書に添付する書類は、次のとおりです。

①本人の戸籍謄本

②任意後見契約公正証書の写し

③本人の成年後見登記事項証明書

④診断書(家庭裁判所指定様式のもの)

⑤本人の財産状況の分かる資料

不動産があれば、登記事項証明書、固定資産評価証明書

預貯金であれば、通帳の写し、残高証明書

⑥任意後見監督人の候補者の住民票

⑦収支予定表

⑧事情説明書

任意後見監督人を選任する前に、任意後見人になる人に家庭裁判所の面談調査があります。

任意後見人が適切でない場合、法定後見の申立をするようにすすめられます。

6任意後見監督人は簡単に辞任解任できない

①任意後見監督人は正当理由があるときだけ辞任できる

任意後見監督人が辞任することができるのは、正当理由があると認められたときだけです。

任意後見監督人の職務が嫌になったからやめたいとか、仕事が忙しくなったからやめたいなどの理由は認められません。

正当な理由があって家庭裁判所に認められた場合のみ、辞任することができます。

正当な理由とは、多くは、任意後見監督人が重病で療養に専念したいとか、高齢になったので職務ができないなどです。

②任意後見監督人は正当理由があるときだけ家庭裁判所が解任できる

任意後見監督人は、正当理由があれば家庭裁判所が解任します。

任意後見人が解任するのではありません。

任意後見監督人と意見が合わないとか、任意後見監督人が気に入らないなどの理由では、正当理由があると認められません。

家庭裁判所に申立てをして、正当理由があると認められた場合、家庭裁判所が解任します。

申立てがなくても、家庭裁判所は職権で解任することができます。

任意後見監督人に不正な行為や著しい不行跡など重大な理由があるときだけ、解任が認められます。

7任意後見契約を司法書士に依頼するメリット

任意後見制度は、あらかじめ契約で「必要になったら後見人になってください」とお願いしておく制度です。

認知症が進んでから任意後見契約をすることはできません。

重度の認知症になった後は、成年後見(法定後見)をするしかなくなります。

成年後見(法定後見)では、家庭裁判所が成年後見人を決めます。

家族が成年後見人になれることも家族以外の専門家が選ばれることもあります。

任意後見契約では、本人の選んだ人に後見人になってもらうことができます。

家族以外の人が成年後見人になることが不安である人にとって、任意後見制度は有力な選択肢になるでしょう。

一方で、任意後見制度では、必ず任意後見監督人がいます。

監督という言葉の響きから、不安に思ったり反発を感じる人もいます。

任意後見人が不正などをしないように監督する人と説明されることが多いからでしょう。

せっかく家族が後見人になるのに、あれこれ外部の人が口を出すのかという気持ちになるのかもしれません。

任意後見監督人は任意後見人のサポート役も担っています。

家庭裁判所に相談するより、ちょっと聞きたいといった場合には頼りになることが多いでしょう。

任意後見契約は締結して終わりではありません。

本人が自分らしく生きるために、みんなでサポートする制度です。

任意後見制度の活用を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

成年後見人になれる人なれない人

2024-12-13

1成年後見人に資格は不要

①だれでも成年後見人になれる

成年後見人は、認知症などの人をサポートする人です。

認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

物事のメリットデメリットを適切に判断することができないと、自分で契約などの法律行為をすることができません。

成年後見人は認知症などの人をサポートして、代わりに契約などの法律行為をします。

成年後見人になるために、資格は不要です。

原則として、だれでも成年後見人になることができます。

子どもや配偶者などの親族が成年後見人になることができます。

だれでも、成年後見人になることができます。

②成年後見人になれない人

成年後見人になれない人は、法律で決められています。

次の人は、成年後見人になれません。

(1)未成年者

(2)後見人を解任されたことのある人

(3)破産者で復権していない人

(4)本人に訴訟をした人と訴訟をした人の配偶者、直系血族

(5)行方不明の人

③成年後見人にふさわしい人

成年後見人は、認知症などの人をサポートする人です。

認知症の人は、自分で物事のメリットデメリットを判断することができなくなっています。

成年後見人が不適切な事務を行っても、自分で指摘することはできません。

成年後見は、適切に成年後見事務を行うことができる人である必要があります。

不正なく成年後見人の職務を行える人が成年後見人にふさわしい人です。

2家族が成年後見人に選任されるのは20%以下

①成年後見人は家庭裁判所が選任

成年後見人になるために、資格は不要です。

原則として、だれでも成年後見人になることができます。

成年後見人になれない人は、先に説明したとおりです。

成年後見人になれない人でなければ、希望どおりに成年後見人になれるわけではありません。

成年後見人は、家庭裁判所が選任するからです。

成年後見開始の申立てをするときに、家族を成年後見人の候補者に立てることができます。

候補者である家族を選任することも、家族以外の専門家を選任することもあります。

成年後見人の候補者である家族を不適格と判断すれば、家族以外の専門家を選任するでしょう。

家族が成年後見人に選任されるためには、家庭裁判所にふさわしい人を認められることが重要です。

家族が成年後見人に選任されるのは、20%以下です。

成年後見人は、家庭裁判所が選任します。

②家庭裁判所の判断に異議を述べることはできない

成年後見人は、家族が選ばれることも家族以外の専門家が選ばれることもあります。

家族を成年後見人の候補者に立てても、家庭裁判所は見知らぬ専門家を選任することがあります。

家族が成年後見人に選ばれなかった場合、家庭裁判所に異議を述べることはできません。

見知らぬ専門家が選ばれた場合、家庭裁判所に家族を選んで欲しいということはできません。

選ばれた人が家族でないからなどの理由で、成年後見開始の申立てを取り下げることはできません。

家庭裁判所の判断に、異議を述べることはできません。

③成年後見人の解任はハードルが高い

成年後見人は、家庭裁判所が選任します。

家族が成年後見人に選任されるのは、20%以下です。

多くの場合、家族以外の専門家が選任されます。

家族以外の専門家が選任されたら、解任すればいいと思うかもしれません。

成年後見人を家族が解任することはできません。

成年後見人を解任するのは、家庭裁判所です。

家族と意見が合わないからなど理不尽な理由で、家庭裁判所は解任することはありません。

成年後見人は、認知症などの人をサポートする人です。

適切にサポートをしているのであれば、解任されることはないでしょう。

・成年後見人(法定後見人)の愛想がよくないから、代えて欲しい

・成年後見人(法定後見人)が家族でないから、代えて欲しい

・成年後見人(法定後見人)の後見方針に賛成できないから、代えて欲しい

・成年後見人(法定後見人)が気に入らないから、代えて欲しい

上記の理由は、本人のサポートとは無関係です。

本人のサポートと無関係な理由で、解任されることはありません。

例えば、次の理由がある場合、成年後見の任務に適さないと言えるでしょう。

成年後見人に適さない場合、家庭裁判所の判断で解任されます。

・財産管理が不適当である

・成年後見人(法定後見人)としての義務違反

・成年後見人(法定後見人)が病気療養のため、職務ができない

・成年後見人(法定後見人)が遠方に転居したため、職務ができない

④成年後見人を解任しても成年後見は解除できない

成年後見人の解任には、高いハードルがあります。

厳しい条件をクリアすれば、成年後見人が解任されるかもしれません。

成年後見人が解任されたら、新しい成年後見人が選任されます。

成年後見制度の利用をやめたわけではないからです。

成年後見人が死亡しても解任されても辞任しても、新しい成年後見人が選任されます。

成年後見制度は、原則として、やめることができません。

成年後見人を解任しても、成年後見は解除できません。

3家族が成年後見人に選任される条件

条件①本人の財産が少ない

本人の資産が1000万円を超す場合、家族が後見人に選ばれにくい傾向があります。

本人の資産が多いと、後見事務が複雑になりやすいからです。

本人の財産が少ないと、家族が成年後見人に選任されやすくなります。

条件②本人の財産が多くても後見制度支援信託

本人の資産が1000万円を超す場合、後見制度支援信託の希望をすることができます。

後見制度支援信託とは、成年後見制度を利用する人のための信託です。

日常生活費以外を信託銀行に預け、定期的に成年後見人管理の口座に振り込んでもらいます。

後見制度支援信託を利用している場合、成年後見人だけの判断で引き出すことはできません。

家庭裁判所に引出しの事情を説明し、家庭裁判所の許可を受ける必要があります。

家庭裁判所の許可書がないと、信託銀行は引出しに応じてくれません。

家庭裁判所の許可が必要だから、本人の財産を確実に守ることができます。

本人の財産が多くても後見制度支援信託を利用する希望があると、家族が成年後見人に選任されやすくなります。

条件③管理が複雑な財産がない

本人の財産が預貯金のみで各種支払いのみの場合、財産管理は簡単です。

本人が収益不動産を保有していることがあります。

財産管理の一環として、収益不動産の管理業務をしなければなりません。

複雑な財産管理を必要とされる場合、家族が成年後見人に選ばれにくい傾向にあります。

管理が複雑な財産がないと、家族が成年後見人に選任されやすくなります。

条件④申立てまでの財産管理が適切

成年後見開始の申立てをする場合、本人の通帳のコピーを提出します。

本人が自分で財産管理をすることが難しくなった場合、家族が代わりに管理していたでしょう。

本人の通帳やキャッシュカードを管理して、引出しをしていたかもしれません。

多くの場合、本人の通帳やキャッシュカードを管理していた家族が成年後見人の候補者でしょう。

通帳のコピーを見て、候補者の財産管理状況がチェックされます。

適切な財産管理がされていれば、成年後見人としてふさわしいと判断されるでしょう。

説明がつかない引出しが複数見つかると、資質に疑問符が付くでしょう。

成年後見開始の申立てまでの財産管理が適切なら、家族が成年後見人に選任されやすくなります。

条件⑤他の家族が賛成

成年後見人の候補者や他の家族に対して、意見聴取があることがあります。

他の家族が何も知らない状態で、家庭裁判所から書類が来るとびっくりします。

他の家族に対して意見聴取をしないで欲しいなどの要望があっても、家庭裁判所は受け付けてくれません。

家庭裁判所が意見聴取が必要だと判断すれば、他の家族にも意見聴取をします。

家族の中で反対意見が出る場合、候補者が成年後見人に選ばれるのは難しいでしょう。

成年後見人になると、本人の財産を自由気ままに使えると誤解していることがあります。

成年後見人候補者に財産まるごと奪われると考えてしまうでしょう。

自由気ままに使えると誤解していると、家族が成年後見人になることに反対意見を出すでしょう。

成年後見人は、認知症などの人をサポートする人です。

家族全員に成年後見制度について、情報共有することが重要です。

誤解が解ければ、成年後見人になることに賛成してもらえるでしょう。

他の家族が賛成していると、家族が成年後見人に選任されやすくなります。

条件⑥家庭裁判所の候補者面談で良い印象

成年後見開始の申立てをすると、家庭裁判所で受理面接があります。

家庭裁判所の受理面接では、成年後見人として適切な人物であるかチェックされます。

家庭裁判所から成年後見人として適切な人物だと思ってもらう必要があります。

家庭裁判所の面接にしっかり対応できるように準備しておくといいでしょう。

家庭裁判所の候補者面談で良い印象を与えられると、家族が成年後見人に選任されやすくなります。

4任意後見人は自分で選べる

①任意後見と法定後見

成年後見には、2種類あります。

法定後見と任意後見です。

任意後見は、認知症などになったときに備えてサポートを依頼する契約です。

本人が元気なうちに、信頼できる家族と契約します。

法定後見は、認知症になってしまった後で家庭裁判所に成年後見人を選んでもらう制度です。

任意後見と法定後見を比べた場合、任意後見はわずかな件数です。

単に、成年後見といった場合、法定後見を指していることがほとんどです。

成年後見には、任意後見と法定後見の2種類があります。

②配偶者や子どもと任意後見契約

任意後見は、サポートを依頼する契約です。

本人が信頼する家族に、サポートを依頼するでしょう。

サポートする人は、本人の配偶者や子どもなど自由に選ぶことができます。

配偶者や子どもと、任意後見契約をすることができます。

③任意後見契約は公正証書で

任意後見契約は、認知症などになった後にサポートしてもらう契約です。

重要な契約だから、公正証書で契約をしなければなりません。

公正証書は、公証人に作ってもらう文書です。

単なる口約束や個人間の契約書では、効力がありません。

任意後見契約は、公正証書で契約する必要があります。

④任意後見監督人選任でサポート開始

任意後見契約をするだけで、家族はサポートすることはできません。

任意後見契約をした時点では、契約のメリットデメリットを適切に判断できるはずだからです。

適切に判断できるから、サポートする必要ありません。

任意後見契約をした後、物事のメリットデメリットを適切に判断できなくなることがあるでしょう。

適切に判断ができなくなったとき、サポートが必要になります。

物事のメリットデメリットを適切に判断できなくなったら、家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをします。

任意後見人がサポートを開始するのは、任意後見監督人が職務を開始してからです。

任意後見人は、任意後見監督人に監督されます。

任意後見監督人は、家庭裁判所に監督されます。

家庭裁判所は任意後見監督人を監督することで、任意後見人を監督します。

任意後見監督人選任で、サポートを開始します。

5任意後見契約を司法書士に依頼するメリット

任意後見制度は、あらかじめ契約で「必要になったら後見人になってください」とお願いしておく制度です。

認知症が進んでから、任意後見契約をすることはできません。

重度の認知症になった後は、成年後見(法定後見)をするしかなくなります。

成年後見(法定後見)では、家庭裁判所が成年後見人を決めます。

家族が成年後見人になれることも家族以外の専門家が選ばれることもあります。

任意後見契約では、本人の選んだ人に後見人になってもらうことができます。

家族以外の人が成年後見人になることが不安である人にとって、任意後見制度は有力な選択肢になるでしょう。

任意後見監督人は、任意後見人のサポート役も担っています。

家庭裁判所に相談するより、ちょっと聞きたいといった場合には頼りになることが多いでしょう。

任意後見契約は、締結して終わりではありません。

本人が自分らしく生きるために、みんなでサポートする制度です。

任意後見制度の活用を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

成年後見人の報酬は本人の財産から

2024-12-09

1成年後見人は認知症の人をサポートする人

①任意後見人は自分で選ぶ

認知症や精神障害や知的障害などで判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

成年後見人は、認知症などで物事の良しあしを適切に判断できなくなった人をサポートする人です。

成年後見には、2種類あります。

任意後見と法定後見です。

成年後見のほとんどは、法定後見です。

成年後見人と言ったら、法定後見人であることがほとんどです。

任意後見は、サポートを依頼する契約です。

あらかじめ認知症になったときに備えて、信頼できる人にサポートを依頼することができます。

認知症になったときに備えてサポートを依頼する契約を任意後見契約と言います。

任意後見契約でサポートを依頼された人が任意後見人です。

任意後見では、サポートをする人を自分で選びます。

本人が信頼できる人を自分で選んで、サポートを依頼します。

②成年後見(法定後見)人は家庭裁判所が選ぶ

任意後見は、サポートを依頼する契約です。

物事のメリットデメリットを充分に判断することができるときだけ、契約をすることができます。

元気なときに将来に備えて、サポートを依頼します。

自分が元気なときは、明日も元気で将来もずっと元気だと思いがちです。

将来に備えないまま、認知症になってしまうことがあります。

認知症になると物事の良しあしを適切に判断することができなくなります。

認知症などでサポートが必要なのに、放置することはできません。

認知症の人のために家庭裁判所に申立てをして、サポートする人を付けてもらいます。

法定後見とは、家庭裁判所がサポートする人を選任する制度です。

家庭裁判所が選任した人が成年後見(法定後見)人です。

本人の家族が選ばれることもあるし、司法書士などの専門家が選ばれることもあります。

申立てをするときに、本人の家族を成年後見人の候補者に立てることができます。

候補者を選ぶか選ばないかは、家庭裁判所次第です。

家族が成年後見人にが選ばれるのは、およそ30%くらいです。

成年後見(法定後見)では、サポートする人を家庭裁判所が選びます。

2成年後見人の報酬は本人の財産から

①任意後見人の報酬は契約で決める

任意後見は、サポートを依頼する契約です。

サポートを依頼する場合、公正証書で契約します。

任意後見契約では、任意後見人にやってもらいたいことを決めて契約します。

任意後見人の報酬は、任意後見契約で決めておきます。

任意後見契約は、本人が信頼する人にサポートを依頼する契約です。

本人が信頼する人は、本人の子どもなど信頼できる家族であることが多いでしょう。

任意後見契約に報酬の定めがあっても、請求するのは任意後見人の自由です。

家族が任意後見人になる場合、請求しないことも多いでしょう。

任意後見契約に、無報酬の定めをおくことがあります。

任意後見は契約だから、当事者が合意できれば無報酬でも差し支えありません。

司法書士などの専門家が任意後見人になる場合、報酬を支払うことになります。

本人の財産規模や財産の内容にもよりますが、月額3~6万円程度になることが多いでしょう。

任意後見人に報酬を払う場合、本人の財産から支払います。

②任意後見監督人の報酬は家庭裁判所が決める

任意後見契約は、本人が元気なときに締結します。

物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなったら、契約などの法律行為はできなくなるからです。

任意後見契約をした時点は、本人は元気だからサポートは必要ありません。

本人が認知症などになって判断能力が低下したときに、サポートが必要になります。

本人の判断能力が低下してサポートが必要になった場合、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申立てます。

家庭裁判所が任意後見監督人を選任したら、任意後見人がサポートを開始します。

任意後見監督人が選任されるまで、任意後見はスタートしません。

任意後見人がサポートをしている場合、任意後見人は必ず存在します。

任意後見監督人を不要にすることはできません。

任意後見は、本人が信頼できる人にサポートを依頼します。

任意後見人は、本人の家族などが多いでしょう。

任意後見監督人は、原則として司法書士などの専門家が選任されます。

司法書士などの専門家が任意後見監督人になる場合、報酬を支払うことになります。

任意後見監督人の報酬は、家庭裁判所が決定します。

本人の財産規模や財産の内容にもよりますが、月額1~2万円程度になることが多いでしょう。

任意後見監督人に報酬を払う場合、本人の財産から支払います。

③成年後見(法定後見) 人の報酬は家庭裁判所が決める

将来に備えないまま認知症になってしまった場合、サポートする人は家庭裁判所が決定します。

本人の家族が選ばれることも、司法書士などの専門家が選ばれることもあります。

成年後見人の報酬は、報酬付与の申立てによって家庭裁判所が決定します。

成年後見人が家族であっても司法書士などの専門家であっても、家庭裁判所が決定します。

家庭裁判所の決定なしで報酬と称して、お金を引き出すことはできません。

成年後見人は、報酬付与の申立てをするか自由に決定します。

家族が成年後見人になった場合、報酬付与の申立てをしないことがあります。

家族が成年後見人になった場合、当然に無報酬であることはありません。

家庭裁判所の決定に従い、家族である成年後見人が報酬を受け取ることができます。

成年後見人に報酬を払う場合、本人の財産から支払います。

④報酬が払えないとき成年後見利用支援事業で助成

成年後見人の報酬は、本人の財産から支払います。

本人の財産がごくわずかであることがあります。

本人の財産から成年後見人の報酬が払えないかもしれません。

認知症になると物事の良しあしを適切に判断することができなくなります。

認知症などでサポートが必要なのに、放置することはできません。

たとえ本人が生活保護受給者であっても、サポートは必要になります。

認知症などでサポートが必要なのに、放置することはできないからです。

全国の自治体で成年後見制度利用支援事業の助成制度を利用するといいでしょう。

所得などの条件を満たした場合、成年後見人や成年後見監督人の報酬が助成されます。

助成を受ける条件は、自治体によって異なります。

認知症の人の住所地の市区町村役場で相談するといいでしょう。

3成年後見(法定後見)開始の申立費用は申立人が負担

①専門家のサポート費用は申立人の負担

法定後見は、家庭裁判所がサポートする人を選任する制度です。

家庭裁判所に申立てをして、成年後見人を選任してもらいます。

成年後見開始の申立てをする場合、家庭裁判所に次の費用を納入します。

(1)収入印紙800円

(2)後見登記手数料 収入印紙2600円

(3)予納郵券 3500円程度

成年後見開始の申立ては、認知症の人のためにされるものです。

家庭裁判所に納入する費用は、認知症の人に請求することができます。

成年後見開始の申立ては、多くの場合、専門家のサポートを受けて申立てをします。

専門家は、申立人のためにサポートをしています。

認知症の人の利益のためのサポートではありません。

申立人の知識や手間を補うためのサポートだからです。

専門家のサポート費用は、申立人が負担します。

②鑑定費用は本人の負担

成年後見開始の申立書を受け付けた後、家庭裁判所で審査がされます。

認知症の人に判断能力が充分あるのであれば、後見を開始する必要はありません。

認知症の人が判断能力を喪失しているのであれば、後見を開始する必要があります。

本人の判断能力がどの程度であるのか、申立書の書類だけでは分からないことがあります。

家庭裁判所は、本人の判断能力の程度を医学的に判断するため鑑定を行います。

鑑定は、本人の判断能力について医学的判断をする手続です。

主治医が鑑定を担当するケースや主治医が紹介した医師が担当するケースがあります。

鑑定を行う場合、追加で費用がかかります。

鑑定費用は、鑑定を行う医師が決定します。

大部分の医師は、5~10万円で鑑定を引き受けています。

鑑定費用は、本人に請求することができます。

4成年後見開始の申立てを司法書士に依頼するメリット

認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。

判断能力が低下すると、本人自身も不安になりますし、家族も不安になります。

成年後見に限らず、制度にはメリットデメリットがあります。

本人にとって気にならないデメリットもあります。

家族がサポートすれば問題のないデメリットもあるでしょう。

他の制度を活用すれば、差支えがないものもあります。

本人や家族の意見共有が重要です。

身のまわりの不自由を補うために、身近な家族がお世話をすることが多くなるでしょう。

成年後見の申立をする場合、家庭裁判所へ手続が必要です。

身のまわりのお世話をしている家族が本人の判断能力の低下に気づくことが多いです。

身のまわりのお世話をしながら、たくさんの書類を用意して煩雑な手続をするのは負担が大きいでしょう。

司法書士は、裁判所に提出する書類作成もサポートしております。

成年後見開始の申立てが必要なのに忙しくて手続をすすめられない方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

登記されていないことの証明書を郵送請求

2024-11-06

1成年後見は登記される

①成年後見は本人をサポートする制度

高齢になると、認知症などになる人が増加します。

認知症になると、記憶があいまいになります。

物事のメリットデメリットを適切に判断することが難しくなります。

ひとりで判断することが心細くなったり不安になったりするでしょう。

成年後見は、物事のメリットデメリットを適切に判断することが難しくなった人をサポートする制度です。

自分が不利益になることに気づかないまま、契約などをするかもしれません。

自分に不必要であることが分からないまま、購入するかもしれません。

ひとりで判断することが不安になると、悪質な業者に付け込まれるかもしれません。

本人が被害を受けないように、成年後見人がサポートします。

成年後見人は、本人に代わって判断します。

本人の財産は、成年後見人が管理します。

本人の財産管理を任されるから、成年後見人には大きな権限があります。

成年後見は、本人をサポートする制度です。

②任意後見は公証人が登記嘱託

成年後見には、2種類あります。

任意後見と法定後見です。

任意後見とは、将来に備えてサポートを依頼する契約です。

サポートする人は、本人が自分で選ぶことができます。

任意後見契約の最大のメリットは、サポートする人を自分で選ぶことができる点でしょう。

重度の認知症になると、契約のメリットデメリットを充分に判断することができなくなります。

契約するためには、本人が契約のメリットデメリットを充分に判断する能力が必要です。

本人が元気なうちに将来に備えて、任意後見契約をします。

任意後見契約をしても、本人が元気なうちはサポートする必要がありません。

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなった後に、任意後見契約の効力が発生します。

重要な契約だから、公正証書で契約をしなければなりません。

公正証書は、公証人に作ってもらう文書です。

単なる口約束や個人間の契約書では、効力がありません。

公正証書で任意後見契約を締結したら、契約の内容は登記されます。

公証人が自動的に登記を嘱託します。

③法定後見は裁判所書記官が登記嘱託

重度の認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。

物事のメリットデメリットを適切に判断できなくなった後で、法律行為が必要になることがあります。

例えば、認知症の人が相続人になる相続が発生することがあります。

認知症の人は、ひとりで遺産分割協議をすることはできません。

遺産分割協議をするためには、物事のメリットデメリットを適切に判断する能力が必要になるからです。

認知症の人を含めずに遺産分割協議をしても、無効です。

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要になるからです。

法定後見では、家庭裁判所が認知症の人をサポートする人を選任します。

サポートする人を選任してもらうことを成年後見開始の申立てと言います。

家庭裁判所が成年後見開始の審判をします。

成年後見開始の審判が確定したら、審判の内容は登記されます。

家庭裁判所の書記官が自動的に登記を嘱託します。

④登記されていないことを証明してもらえる

任意後見制度を利用している場合、成年後見登記事項証明書で明らかにすることができます。

法定後見制度を利用している場合、成年後見登記事項証明書で明らかにすることができます。

任意後見も成年後見も、登記されているからです。

成年後見制度を利用していない人は、登記されていません。

登記されていない人は、登記されていないことを証明してもらうことができます。

登記されていないことの証明書は、成年後見制度を利用していないことの証明書です。

2登記されていないことの証明書を郵送請求

①登記されていないことの証明申請書はダウンロードできる

登記されていないことの証明書を取得する場合、登記されていないことの証明申請書を提出します。

登記されていないことの証明申請書は、法務局のホームページからダウンロードすることができます。

A4縦長の紙に印刷して、使うことができます。

登記されていないことの証明申請書は、勝手に拡大縮小することはできません。

拡大縮小した申請書は、やり直しになります。

②請求できる人と添付書類

自分や家族が成年後見を利用しているか利用していないか、他の人に知られたくないでしょう。

登記されていないことの証明書を請求できる人は、制限されています。

請求できる人と添付書類は、次のとおりです。

(1)本人が請求

・本人確認書類

マイナンバーカードの表、運転免許証の表裏のコピーなどを提出します。

本人確認書類として住民票などを提出する場合、市区町村役場で発行された書類をそのまま提出します。

(2)4親等内の親族が請求

・本人確認書類

・戸籍謄本

請求人が4親等内の親族であることが分かる戸籍謄本を提出します。

提出する戸籍謄本が現在戸籍である場合、発行から3か月以内の期限があります。

現在戸籍ではなく除籍謄本や原戸籍謄本の場合、有効期限はありません。

4親等内の親族とは、4親等内の血族と3親等内の姻族です。

本人確認書類は、親族の書類が必要です。

(3)本人や4親族の代理人が請求

・委任状

・本人確認書類

本人や4親等内の親族が代理人を立てて、登記されていないことの証明書を請求することができます。

代理人に委任したことが分かる委任状が必要です。

委任状は、法務局のホームページからダウンロードすることができます。

本人確認書類は、代理人の書類が必要です。

③登記されていないことの証明申請書と委任状は押印不要

登記されていないことの証明申請書と委任状の記載例は、先に示したとおりです。

登記されていないことの証明申請書と委任状は、どちらも押印不要です。

委任する人も代理人も、押印不要です。

④発行手数料300円は収入印紙で納入

登記されていないことの証明書を取得するためには、発行手数料を納入する必要があります。

発行手数料は、証明書1通につき300円です。

登記されていないことの証明申請書に、収入印紙300円分を貼り付けて納入します。

貼り付けるだけで、消印は押しません。

登記されていないことの証明申請書を受け付けた後、法務局の人が消印を押すからです。

収入印紙は、次のところで購入することができます。

(1)郵便局郵便窓口

(2)法務局印紙売りさばき窓口

(3)コンビニエンスストア

大きな郵便局や法務局であれば、300円の額面の収入印紙を購入することができるでしょう。

小さな郵便局やコンビニエンスストアなどでは、品切れしていることが多いものです。

200円と100円など、複数の収入印紙を貼り付けて納入することができます。

⑤郵送請求は東京法務局後見登録課のみ

登記されていないことの証明書は、郵送で請求することができます。

郵送請求は、東京法務局のみの受付です。

郵送請求するときの請求先は、次のとおりです。

郵送先

〒102-8226

東京都千代田区九段南1-1-15

九段第2合同庁舎

東京法務局 民事行政部

後見登録課 あて

⑥必要書類は原本還付してもらえる

本人確認書類として、住民票を提出することができます。

4親等内の親族が請求する場合、4親等内の親族であることが分かる戸籍謄本を提出する必要があります。

住民票や戸籍謄本は、市区町村役場で発行されたものをそのまま提出します。

添付書類は、何もしなければ原本還付されません。

添付書類の原本還付を希望する場合、添付書類と添付書類のコピーを一緒に提出します。

コピーに「原本に相違ありません」と記載して、申請人が記名し押印をします。

法務局で内容に間違いがないか確認して、問題がなければ原本還付してくれます。

⑦返信用封筒を一緒に送る

登記されていないことの証明書を郵送請求する場合、郵送で送り返してもらえます。

郵送請求するときに、返信用の封筒と切手を一緒に送ります。

普通郵便であっても、差し支えありません。

できれば、レターパックなど記録される郵便が安心です。

3登記されていないことの証明書を郵送請求するときの注意点

①東京法務局以外は郵送請求を受け付けてもらえない

登記されていないことの証明書の郵送請求ができるのは、東京法務局のみです。

窓口請求ができるのなら、各地の法務局本局で請求することができます。

例えば、愛知県内には、14か所の法務局があります。

登記されていないことの証明書の発行請求ができるのは、名古屋市中区三の丸の名古屋法務局本局だけです。

名古屋市内であっても、熱田出張所や名東出張所で発行請求をすることはできません。

本人や請求人の住所・本籍による制限はありません。

名古屋法務局は、窓口請求のみの対応です。

名古屋法務局に郵送請求をしても、受け付けてもらえません。

郵送請求を受け付けるのは、東京法務局のみだからです。

東京法務局以外は、郵送請求を受け付けてもらえません。

②登記されていないことの証明申請書はそのまま複写される

登記されていないことの証明申請書の下半分に、証明を受ける方欄があります。

証明を受ける方欄は、証明書にそのまま複写されます。

点画がはっきりとした楷書で書くことをおすすめします。

流麗な字で書くと、証明書の字が分からないと言われてしまう可能性があるからです。

氏名の字は、普段は略字を書いているかもしれません。

省略することなく、戸籍や住民票の字をそのまま書くことをおすすめします。

住所や本籍も同様に、戸籍や住民票の表現をそのまま記載します。

「番地」「番」などを省略することはおすすめできません。

③郵送請求は時間がかかる

登記されていないことの証明書を郵送請求する場合、1週間程度時間がかかります。

東京法務局に請求が殺到している場合、2週間以上かかることがあります。

急ぐのであれば、窓口請求がおすすめです。

窓口請求なら、即日交付してもらえるからです。

④平成12年3月31日以前は身分証明書で証明

成年後見制度は、平成12年4月1日にスタートしました。

平成12年3月31日以前、禁治産者、準禁治産者で、戸籍に記録されていました。

平成12年3月31日以前の期間について証明してもらいたい場合、登記されていないことの証明書では証明してもらうことができません。

禁治産者、準禁治産者は戸籍に記録されていたから、市区町村役場で証明してもらうことができます。

禁治産者、準禁治産者でないことは、身分証明書(身元証明書)で証明してもらいます。

資格の登録や許認可申請において、成年被後見人ではないことを証明するため登記されていないことの証明書を提出します。

禁治産者、準禁治産者でないことを証明するため身分証明書(身元証明書) を提出します。

登記されていないことの証明書と身分証明書(身元証明書)の両方が必要になります。

4オンライン請求には電子証明書が必要

登記されていないことの証明書は、窓口請求や郵送請求の他にオンラインで請求することができます。

オンラインで請求することができるものの、おすすめできる方法ではありません。

登記されていないことの証明申請には、電子署名をする必要があるからです。

電子証明書を取得するのに、手間と時間がかかります。

電子証明書は、氏名と住所の情報が確認できるものに限られています。

基本型証明書や司法書士電子証明書は、住所の確認ができないため使うことができません。

5成年後見開始の申立てを司法書士に依頼するメリット

認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。

本人自身も不安になりますし、家族も不安になります。

身のまわりの不自由を補うために、身近な家族がお世話をすることが多くなるでしょう。

成年後見の申立ては家庭裁判所へ手続が必要です。

身のまわりのお世話をしている家族が本人の判断能力の低下に気づくことが多いです。

たくさんの書類を用意して、煩雑な手続をするのは負担が大きいでしょう。

司法書士は、裁判所に提出する書類作成もサポートしております。

成年後見開始の申立てが必要なのに忙しくて手続をすすめられない方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

登記されていないことの証明書とは

2024-09-29

1 成年後見は本人をサポートする制度

①成年後見は任意後見と法定後見の2種類

認知症や精神障害や知的障害などになると、判断能力が低下します。

物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

成年後見は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなった人をサポートする制度です。

成年後見には、2種類あります。

任意後見と法定後見です。

任意後見と法定後見は、手続の方法がちがいます。

成年後見には、任意後見と法定後見の2種類があります。

②任意後見は当事者の契約

任意後見は、当事者の契約です。

あらかじめ契約で「必要になったら任意後見人になってください」とお願いしておきます。

任意後見人になってもらう人は、自分で決めることができます。

認知症や精神障害や知的障害などで判断能力が低下ときに備えて、信頼できる人にお願いをしておきます。

契約をした時点では、任意後見人は何もすることはありません。

本人が自分でいろいろなことを判断できるからです。

本人が自分で決めることができなくなったとき、任意後見がスタートします。

本人が物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったとき、家庭裁判所は任意後見監督人を選任します。

任意後見監督人が選任された後、任意後見がスタートします。

任意後見は、当事者の契約です。

③法定後見は家庭裁判所の決定

法定後見は、判断能力が低下した人を保護するため家庭裁判所がサポートする人を決める制度です。

法定後見は、3種類に分かれています。

(1)補助

(2)保佐

(3)後見

法定後見でサポートしてもらう人は、それぞれ(1)被補助人(2)被保佐人(3)成年被後見人と言います。

(1)被補助人は判断能力が不十分な方

(2)被保佐人は判断能力が著しく不十分な方

(3)成年被後見人は判断能力が欠けているのが通常の方

法定後見は、本人の判断能力の程度や心配の度合いに応じて3種類の制度があるということです。

2登記されていないことの証明書とは

①成年後見は登記される

成年後見は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなった人をサポートする制度です。

成年後見制度を利用している人は、自分で判断することができません。

後見人などの保護者が本人のために、契約などの法律行為をします。

本人のために契約するとは言うものの、そのための権限があるのか分かりません。

成年後見制度を利用している人は、登記されています。

後見人などの保護者の権限内容や任意後見契約の内容は、登記事項証明書で確認することができます。

成年後見を利用すると、登記されます。

②成年後見制度を利用していない人は登記されていないことの証明書

成年後見制度を利用していない人は、登記されていません。

成年後見制度を利用していないことを証明してもらうことができます。

登記されていないことの証明書とは、成年後見制度を利用していないことの証明書です。

③登記されていないことの証明書が必要になるとき

登記されていないことの証明書は、さまざまな資格の登録申請で必要になります。

例えば、弁護士、司法書士、行政書士などの登録手続きです。

成年後見制度を利用する人は、物事の良しあしが適切に判断することができません。

資格登録申請において、成年被後見人ではないことを証明する必要があります。

成年被後見人ではないことを証明するため、登記されていないことの証明書を提出します。

〇〇業許可、○○営業許可などの許認可申請でも、同様です。

成年被後見人ではないことを証明するため、登記されていないことの証明書を提出します。

④平成12年3月31日以前は身分証明書で証明

成年後見制度は、平成12年4月1日にスタートしました。

平成12年3月31日以前、禁治産者、準禁治産者で、戸籍に記録されていました。

平成12年3月31日以前の期間について証明してもらいたい場合、登記されていないことの証明書では証明してもらうことができません。

禁治産者、準禁治産者は戸籍に記録されていたから、市区町村役場で証明してもらうことができます。

禁治産者、準禁治産者でないことは、身分証明書(身元証明書)で証明してもらいます。

資格の登録や許認可申請において、成年被後見人ではないことを証明するため登記されていないことの証明書を提出します。

禁治産者、準禁治産者でないことを証明するため身分証明書(身元証明書) を提出します。

登記されていないことの証明書と身分証明書(身元証明書)の両方が必要になります。

3登記されていないことの証明書の取得方法

①申請書はダウンロードできる

登記されていないことの証明申請書は、法務局のホームページに出ています。

ホームページからダウンロードして使うことができます。

②申請できる人

登記されていないことの証明申請書を提出することができるのは、次の人です。

(1)証明対象者本人

(2))証明対象者本人の4親等内の親族

(3)上記(1)(2)の人から委任を受けた人

③申請書の提出先

登記されていないことの証明申請書の提出先は、次のとおりです。

(1)東京法務局後見登録課

(2)全国の法務局、地方法務局本局の戸籍課

愛知県であれば、名古屋法務局本局のみです。

名古屋市内には、熱田出張所や名東出張所があります。

熱田出張所や名東出張所では、登記されていないことの証明書の申請書は受け付けてもらえません。

名古屋市外にある各支局でも、登記されていないことの証明書の申請書は受け付けてもらえません。

④郵送で申請できる

登記されていないことの証明申請書の提出先は、愛知県であれば、名古屋法務局本局のみです。

名古屋法務局本局に、出向くのは難しい人もいるでしょう。

登記されていないことの証明書の申請書は、郵送で提出することができます。

郵送で提出する場合は、東京法務局後見登録課のみの対応です。

郵送先

〒102-8226

東京都千代田区九段南1-1-15

九段第2合同庁舎

東京法務局 民事行政部

後見登録課 あて

名古屋法務局本局に郵送しても、受け付けてもらえません。

⑤本人が申請するときの必要書類

本人が申請する場合、登記されていないことの証明申請書には、次の書類を添付します。

(1)本人確認書類

運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等です。

郵送請求をする場合、コピーを提出します。

⑥4親等内の親族が申請するときの必要書類

4親等内の親族が申請する場合、登記されていないことの証明申請書には、次の書類を添付します。

(1) 4親等内の親族の本人確認書類

運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等です。

(2) 4親等内の親族であることが分かる書類

発行から3か月以内の戸籍謄本や住民票です。

住民票には、続柄の記載が必要です。

⑦代理人に依頼するときの必要書類

登記されていないことの証明申請書の提出を代理人に依頼する場合、上記に追加して次の書類が必要です。

(1) 代理人の本人確認書類

運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等です。

(2)委任状

(3)代理人が法人の場合、代表者資格証明書

代表者資格証明書は、発行から3か月以内のものが必要です。

登記されていないことの証明申請書に会社法人番号を記載した場合、代表者資格証明書の提出を省略することができます。

⑧手数料300円は収入印紙で納入

登記されていないことの証明申請書の手数料は、1通につき300円です。

手数料は、収入印紙を貼り付けて納入します。

収入印紙は、貼り付けるだけで割印はしません。

名古屋法務局本局で手続をする場合、収入印紙は2階の収入印紙売りさばき窓口で購入することができます。

⑨登記されていないことの証明申請書は押印不要

登記されていないことの証明申請書は、申請人も代理人も押印不要です。

代理人が登記されていないことの証明申請書を提出する場合、委任状を提出します。

委任状への押印も廃止されました。

4成年後見開始の申立てを司法書士に依頼するメリット

認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。

本人自身も不安になりますし、家族も不安になります。

身のまわりの不自由を補うために、身近な家族がお世話をすることが多くなるでしょう。

成年後見の申立ては家庭裁判所へ手続が必要です。

身のまわりのお世話をしている家族が本人の判断能力の低下に気づくことが多いです。

身のまわりのお世話をしながら、たくさんの書類を用意して煩雑な手続をするのは負担が大きいでしょう。

司法書士は、裁判所に提出する書類作成もサポートしております。

成年後見開始の申立てが必要なのに忙しくて手続をすすめられない方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

任意後見契約は登記される

2024-09-20

1任意後見契約は公正証書で契約

①信頼できる人と契約する

認知症や精神障害や知的障害などで判断能力が低下すると、物事の良しあしを適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

任意後見とは、将来に備えて信頼できる人にサポートを依頼する契約です。

任意後見は、だれと契約するのか本人が自分で決めることができます。

任意後見契約をした場合、物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなった後にサポートしてもらいます。

自分の財産管理などを依頼するから、信頼できる人と契約します。

多くの場合、本人の子どもなど近い関係の家族でしょう。

家庭裁判所で成年後見開始の審判をしてもらう場合、成年後見人は家庭裁判所が決めます。

家族が成年後見人に選ばれるのは、20パーセント程度です。

任意後見契約では、本人が選んだ人にサポートを依頼することができます。

②任意後見契約は公正証書で作成

任意後見契約は、判断能力が低下したときにサポートを依頼する契約です。

重要な契約だから、公正証書で契約をしなければなりません。

公正証書は、公証人に作ってもらう文書です。

単なる口約束や個人間の契約書では、効力がありません。

公証人は、法律の専門家です。

法律の専門家が当事者の意思確認をして、公正証書を作成します。

任意後見契約は、公正証書で作成します。

③公証人が法務局に登記嘱託

任意後見契約を締結すると、契約の内容は登記されます。

任意後見契約をしても後見が開始しても、戸籍に記載されません。

仮に戸籍に記載されるとしたら、不安を覚える人がいるでしょう。

戸籍ではなく後見登記簿で管理されています。

任意後見契約をした当事者は、自分で登記申請をする必要はありません。

自動的に、公証人が法務局に登記を嘱託するからです。

④任意後見契約をするだけでは効力がない

任意後見は、将来に備えて信頼できる人にサポートを依頼する契約です。

契約だから、物事のメリットデメリットを充分に判断できるときに締結します。

任意後見契約は、締結するだけでは効力がありません。

任意後見契約をしたときは、物事のメリットデメリットを充分に判断できるはずです。

物事のメリットデメリットを充分に判断できる間、サポートは必要ないでしょう。

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなったら、サポートが必要になります。

サポートが必要ないから、任意後見契約は効力がありません。

任意後見契約をするだけでは、任意後見人として本人を代理することはできません。

2任意後見契約は登記される

①任意後見契約締結後発効前の登記事項

任意後見契約を締結すると、公証人が登記を嘱託します。

任意後見契約を締結した後で発効前の登記事項は、次のとおりです。

(1)公証人の氏名、所属、公正証書の番号、作成年月日

(2)本人の氏名、生年月日、住所、本籍

(3)任意後見受任者の氏名、住所

(4)代理権の範囲

任意後見契約は、締結するだけでは効力がありません。

任意後見契約をするだけでは、任意後見人として本人を代理することはできません。

任意後見契約を締結しただけの状態では、任意後見人ではありません。

任意後見人ではなく、任意後見受任者です。

任意後見受任者とは、任意後見契約が発効したら任意後見人になる人です。

後見登記事項証明書を見ると、任意後見人ではなく任意後見受任者と記載されています。

記載の仕方がちがうから、任意後見人として本人を代理できるのか代理できないのか判断することができます。

②任意後見契約発効後の登記事項

(1)公証人の氏名、所属、公正証書の番号、作成年月日

(2)本人の氏名、生年月日、住所、本籍

(3)任意後見人の氏名、住所

(4)代理権の範囲

(5)任意後見監督人の氏名、住所

任意後見契約が発効したら、任意後見人はサポートを開始します。

任意後見人は、任意後見契約に従って本人を代理することができます。

後見登記事項証明書を見ると、任意後見受任者ではなく任意後見人と記載されています。

記載の仕方がちがうから、任意後見人として本人を代理できるのか代理できないのか判断することができます。

③任意後見監督人選任後に効力発生

任意後見契約は、締結するだけでは効力がありません。

任意後見契約が発効するのは、任意後見監督人が選任された後です。

本人が認知症を発症したら、家庭裁判所に対して任意後見監督人選任の申立てをします。

家庭裁判所が任意後見監督人を選任した後、任意後見契約が発効します。

任意後見契約が発効してから、任意後見人が本人をサポートを開始します。

法定後見では、後見監督人が選任されることも選任されないこともあります。

任意後見では、任意後見監督人は必ず選任されます。

任意後見監督人が選任されないと、任意後見契約が発効しないからです。

任意後見監督人選任後に、任意後見契約の効力が発生します。

④任意後見人の代理権は後見登記事項証明書で証明できる

任意後見契約が発効した後、任意後見人は本人のサポートを開始します。

任意後見契約に従って、本人を代理します。

任意後見契約が発効した後は、本人は判断能力を失っています。

判断能力を失った後だから、本人が委任状などで代理権を証明することはできません。

後見登記事項証明書を取得すると、代理権の範囲が記載されています。

任意後見契約で本人がサポートを依頼した内容は、登記されています。

任意後見人の代理権は、後見登記事項証明書で証明することができます。

3後見登記事項証明書の取得方法

①窓口請求は本局のみ

後見登記事項証明書は、法務局の窓口に出向いて発行請求をすることができます。

東京であれば、東京法務局後見登録課のみです。

東京以外であれば、法務局・地方法務局本局の戸籍課のみです。

例えば、愛知県内には、14か所の法務局があります。

後見登記事項証明書の発行請求ができるのは、名古屋市中区三の丸の名古屋法務局本局だけです。

名古屋市内であっても、熱田出張所や名東出張所で発行請求をすることはできません。

本人や任意後見人の住所・本籍による制限はありません。

住所や本籍がどこにあっても、上記窓口に出向けば手続できます。

後見登記事項証明書の窓口請求は、法務局・地方法務局の本局のみです。

②郵送請求は東京法務局後見登録課のみ

法務局・地方法務局の本局に出向くことができる人は、窓口請求が便利でしょう。

法務局・地方法務局は、平日の昼間のみ業務を行っています。

仕事や家事で忙しい人にとって、近くであっても出向くことは難しいでしょう。

後見登記事項証明書は、郵送で請求することができます。

後見登記事項証明書の輸送請求を受け付けているのは、東京法務局のみです。

各地の法務局・地方法務局に郵送しても、受け付けてもらえません。

名古屋法務局本局は、窓口請求に対応していますが、郵送請求に対応していません。

後見登記事項証明書の郵送請求は、東京法務局後見登録課のみです。

③請求できる人

後見登記事項証明書を請求することができるのは、次の人です。

(1)本人

(2)4親等内の親族

(3)任意後見人

(4)任意後見監督人

不動産や会社の登記事項証明書は、だれでも取得することができます。

後見登記事項証明書は、取得できる人が限定されています。

任意後見契約が発効している場合、本人は認知症などで判断能力を失っています。

本人にとっても家族にとっても、他の人に知られたくないことでしょう。

本人のプライバシーに配慮して、請求できる人が制限されています。

任意後見人は、本人を代理して取引をすることができます。

任意後見人が代理できるのは、本人がサポートを依頼した内容のみです。

取引の相手方は、任意後見人の権限を確認したいと思うでしょう。

本人がサポートを依頼した内容以外は、任意後見人は代理ができないからです。

後見登記事項証明書を取得すると、代理権の範囲が記載されています。

取引の相手方は、後見登記事項証明書を取得することはできません。

任意後見人が後見登記事項証明書を取得して、相手方に見せる必要があります。

後見登記事項証明書は、請求できる人が制限されています。

④申請書・委任状は押印不要

後見登記事項証明書を取得する場合、登記事項証明申請書を提出します。

登記事項証明申請書は、法務局の窓口に備え付けてあります。

登記事項証明申請書は、記名するだけで押印は不要です。

後見登記事項証明書は、請求できる人が自分で申請してもいいし代理人を立てて依頼することもできます。

代理人を立てて依頼する場合、代理人に対して委任状を発行します。

委任状は、記名するだけで押印は不要です。

後見登記事項証明書を取得する場合、申請書や委任状に押印は不要です。

⑤手数料は収入印紙で納入

後見登記事項証明書を取得する場合、手数料を納入する必要があります。

後見登記事項証明書の手数料は、1通あたり550円です。

登記事項証明申請書に収入印紙を貼り付けて納入します。

貼り付けるだけで、消印は押しません。

登記事項証明申請書を受け付けたとき、法務局の人が消印を押すからです。

収入印紙は、法務局の印紙売りさばき窓口の他、郵便局の郵便窓口で購入することができます。

後見登記事項証明書の手数料は、収入印紙で納入します。

⑥後見登記事項証明書の有効期限

後見登記事項証明書自体に、有効期限はありません。

後見登記事項証明書に「有効期限令和〇年〇月〇日」と記載されることはありません。

後見登記事項証明書は、発行した時点の証明書に過ぎないからです。

古い証明書の場合、現在では内容が異なっていることがあるでしょう。

提出先が有効期限を決めていることがあります。

例えば、相続登記で後見登記事項証明書を提出する場合、発行後3か月以内の証明書である必要があります。

本人のために融資を受ける場合、金融機関などは独自ルールで有効期限を決めていることが多いでしょう。

後見登記事項証明書の有効期限は、提出先に確認することが重要です。

4任意後見契約を司法書士に依頼するメリット

任意後見制度は、あらかじめ契約で「必要になったら後見人になってください」とお願いしておく制度です。

認知症が進んでから任意後見契約をすることはできません。

重度の認知症になった後は、成年後見(法定後見)をするしかなくなります。

成年後見(法定後見)では、家庭裁判所が成年後見人を決めます。

家族が成年後見人になれることも家族以外の専門家が選ばれることもあります。

任意後見契約では、本人の選んだ人に後見人になってもらうことができます。

家族以外の人が成年後見人になることが不安である人にとって、任意後見制度は有力な選択肢になるでしょう。

任意後見契約は締結して終わりではありません。

本人が自分らしく生きるために、みんなでサポートする制度です。

任意後見制度の活用を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

成年後見人による相続手続

2024-08-16

1成年後見人は認知症の人をサポートする

①認知症になると判断ができない

認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。

人によっては、記憶があいまいになることがあるでしょう。

ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりする人をサポートする制度が成年後見の制度です。

成年後見人は、認知症の人をサポートする人です。

ひとりで判断することが不安になると、自分に不利益になる契約をしてしまうことがあります。

自分で判断することが心細くなると、自分に不必要な契約をしてしまうことがあります。

このような状態に付け込んでくる悪質な業者の被害を受けるかもしれません。

認知症の人が被害を受けないようにするために、成年後見人をつけてサポートします。

物事のメリットデメリットを充分に判断することができない状態で、法律行為をすることはできません。

②認知症の人の代わりに遺産分割協議

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続人が認知症である場合、自分で相続財産の分け方の合意をすることはできません。

認知症の人は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができないからです。

相続財産の分け方の合意は、法律行為です。

物事のメリットデメリットを充分に判断することができない状態で、分け方の合意をすることはできません。

物事のメリットデメリットを充分に判断することができないのに、遺産分割協議書に記名し押印をしても意味はありません。

無効の遺産分割協議書です。

成年後見人は、認知症の人をサポートする人です。

成年後見人は、認知症の人の代わりに遺産分割協議に参加します。

成年後見人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

認知症の人の利益のために、行動します。

成年後見人は、認知症の人をサポートする人だからです。

相続財産の分け方の合意ができたら、合意内容を書面に取りまとめます。

認知症の人は自分で判断できないから、成年後見人が代わりに合意をします。

成年後見人は認知症の人の代わりに、遺産分割協議書に記名し押印します。

遺産分割協議書には、成年後見人の実印を押印し成年後見人の印鑑証明書を添付します。

③認知症の人の代わりに相続手続

遺産分割協議書に相続人全員の押印ができたら、相続手続をします。

認知症の人は自分で判断することができないから、自分で相続手続をすることができません。

相続手続の中には、自分で手続をすることが難しい手続があります。

例えば、不動産を相続する場合、相続登記をします。

相続登記は、自分で手続をすることが難しい手続の代表例です。

多くの人は、司法書士などの専門家に依頼するでしょう。

認知症の人は、自分で司法書士などの専門家に依頼することができません。

認知症の人は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができないからです。

物事のメリットデメリットを充分に判断することができない状態で、法律行為をすることはできません。

成年後見人は、認知症の人の代わりに相続手続をします。

成年後見人が自分で手続ができないと判断する場合、成年後見人の判断で司法書士などの専門家に依頼することができます。

2成年後見人は家庭裁判所が選任

①家族が成年後見人に選ばれるのは2割

成年後見人は、申立てによって家庭裁判所が選任します。

認知症の人に家族がいる場合、当然成年後見人に選任してもらえると期待するかもしれません。

成年後見開始の申立書を提出する際に、成年後見人の候補者を立てることができます。

家庭裁判所は、候補者を選ぶことも候補者以外の人を選ぶこともあります。

他の家族が反対すれば、候補者以外の専門家が選任されることが多いでしょう。

本人の財産が多い場合も、司法書士などの専門家が選任されることが多いでしょう。

実際のところ、家族が成年後見人に選任されるのは、全体の2割程度です。

家族以外の人を成年後見人に選任したとしても、家庭裁判所に対して不服を言うことはできません。

選任された成年後見人と意見が合わないからと言って、成年後見をやめることはできません。

成年後見人は、認知症の人をサポートする人だからです。

家族の希望をかなえる人ではないからです。

②相続手続が終わっても成年後見は続く

相続人が認知症である場合、相続手続を進めることができなくなります。

物事のメリットデメリットを充分に判断することができない状態で、法律行為をすることはできないからです。

相続手続を進めるため、成年後見開始の申立てをする必要があります。

認知症の人に成年後見人が付いたら、原則としてやめることはできません。

相続手続を進めるために成年後見人を付けてもらったとしても、認知症の人が死亡するまで成年後見は続きます。

成年後見人は、認知症の人をサポートする人だからです。

認知症の人は、自分で物事のメリットデメリットを充分に判断することができません。

成年後見制度は、認知症の人を保護する目的の制度です。

サポートを必要とする状態なのに、成年後見をやめさせることはできません。

相続手続が終わったから、成年後見はやめたいと家族が望むことがあります。

家族が辞めたいと望んでも、成年後見をやめることはできません。

相続手続が終わっても、成年後見は続きます。

③成年後見人を解任できるのは家庭裁判所

成年後見人は、認知症の人をサポートする人です。

認知症の人の利益のために行動します。

ときには家族の希望に反することがあるでしょう。

成年後見人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

家族に対して、毅然とした態度をとることがあります。

成年後見人は、認知症の人にとって不利益になることをすることはできません。

成年後見人が家族であっても家族以外の専門家であっても、同じことです。

成年後見人と家族に意見対立があるとき、成年後見人をやめさせたいと考えるかもしれません。

意見対立があるなどの理由で、成年後見人を辞めさせることはできません。

成年後見人の解任は、家庭裁判所が判断します。

成年後見人を解任するには、横領をしたなど相当の理由が必要です。

④成年後見監督人が選ばれることがある

成年後見人の他に、成年後見監督人が選任されることがあります。

成年後見監督人を選任するか選任しないか、家庭裁判所が判断します。

家族が成年後見人に選任された場合、成年後見監督人が選任されることが多いでしょう。

⑤報酬は認知症の人の財産から支払

家族が成年後見人に選任されるのは、およそ2割です。

家族以外の人が成年後見人に選任された場合、報酬を請求します。

成年後見人の報酬は、認知症の人の財産から支払います。

家族が成年後見人に選任された場合、報酬を辞退することが多いでしょう。

報酬を辞退しても、後見事務は適切に行う必要があります。

3成年後見開始の申立て

①申立人

申立人になれるのは、次の人です。

(1)本人

(2)配偶者

(3)4親等内の親族

(4)未成年後見人

(5)未成年後見監督人

(6)保佐人

(7)保佐監督人

(8)補助人

(9)補助監督人

(10)検察官

(11)任意後見受任者

(12)任意後見人

(13)任意後見監督人

②申立先

申立先は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで調べることができます。

③申立てに必要な費用

(1)申立手数料

申立手数料は、800円です。

申立書に収入印紙を貼り付けて、納入します。

貼り付けるだけで、消印はしません。

申立書を受け付けた後、裁判所の人は消印をするからです。

(2)登記手数料

登記手数料は、2600円です。

収入印紙で納入します。

申立書に貼り付けずに、小袋に入れて納入します。

(3)連絡用郵便切手

裁判所が事務のために使う郵便切手です。

裁判所によって、提出する郵便切手の額面と数量がちがいます。

裁判所のホームページを見ると、必要な郵便切手が案内されていることがあります。

(4)鑑定費用

成年後見開始の審判をするにあたって、本人の状況を鑑定することがあります。

裁判所が鑑定を必要とすると判断された場合、鑑定の費用を納入します。

④申立てに必要な書類

成年後見開始の申立書に添付する書類は、次のとおりです。

(1)本人の戸籍謄本

(2)本人の住民票または戸籍の附票

(3)成年後見人候補者の住民票または戸籍の附票

(4)本人の診断書

(5)本人情報シート

(6)本人の健康状態に関する資料

(7)本人の登記がされていないことの証明書

(8)本人の財産に関する資料

(9)本人の収支に関する資料

4成年後見より遺言書作成がおすすめ

①遺言書があれば遺産分割協議をしないで相続登記ができる

遺言書がある場合、相続財産は遺言書の内容どおりに分けられます。

相続財産の分け方について、相続人全員の合意は必要ありません。

相続人全員の合意は必要ないから、認知症の相続人がいても成年後見人は必要ありません。

遺言書を作成する場合、すべての財産の分け方を決めておくことがポイントです。

分け方を決めていない財産が見つかった場合、決めていない財産について相続人全員の合意が必要になるからです。

②遺言執行者がいれば相続手続はおまかせできる

遺言書で、遺言執行者を指名しておくことができます。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現してくれる人です。

遺言執行者が遺言書の内容のとおりに実現してくれます。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する権限があるからです。

相続人は、遺言執行者にすべてお任せをすることができます。

例えば、認知症の相続人に自宅を相続させたい場合、遺言執行者が相続手続をします。

相続登記を司法書士などの専門家に依頼する場合、遺言執行のひとつとして遺言執行者が司法書士に登記委任状を出します。

認知症の相続人は、物事のメリットデメリットを充分に判断できないから、司法書士に登記委任状を出すことができません。

当然、自分で相続登記をすることはできないでしょう。

③遺言書は公正証書遺言がおすすめ

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作るケースがほとんどです。

自筆証書遺言は、専門家の関与がなくひとりで作ることができるのでお手軽です。

遺言書には厳格な書き方ルールがあります。

厳格な書き方ルールに合わない遺言書は無効になります。

法律の知識がない人が遺言書を作る場合、厳格な書き方ルールに抵触して無効になってしまいます。

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が遺言書を作ってくれます。

法律の専門家が作ってくれますから、書き方ルールで遺言書が無効になることは考えられません。

さらに、作った遺言書は公証役場で厳重に保管されます。

紛失や改ざんの心配もありません。

公正証書遺言を作るのは手間がかかりますが、メリットが圧倒的に大きい遺言書です。

遺言書を作る場合は、公正証書遺言がおすすめです。

5遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

遺言書は被相続人の意思を示すものです。

自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。

家族がトラブルに巻き込まれることを望む人はいないでしょう。

遺言書があることでトラブルになるのは、ごく稀なケースです。

遺言書がないからトラブルになるのはたくさんあります。

そのうえ、遺言書1枚あれば、相続手続きは格段にラクになります。

家族を幸せにするために遺言書を作ると考えましょう。

実際、家族の絆のためには遺言書が必要だと納得した方は遺言書を作成します。

家族の喜ぶ顔のためにやるべきことはやったと安心される方はどなたも晴れやかなお顔です。

家族の幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

任意後見契約締結後にやること

2024-07-19

1任意後見契約締結だけでは効力はない

①任意後見契約は元気なときに締結

認知症や精神障害などにかかると、判断能力が低下します。

人によっては、記憶があいまいになります。

任意後見とは、将来に備えて信頼できる人にサポートを依頼する契約です。

だれにサポートを依頼するのか、本人が自分で決めます。

どんなことをサポートしてもらいたいのか、本人が自分で決めます。

任意後見契約は、自分らしく生きるための契約です。

自分で、いろいろなことを決めなければなりません。

本人が自分で判断することができなくなったら、契約することはできません。

任意後見契約は、本人が元気なときに締結します。

②任意後見監督人選任で任意後見がスタート

任意後見契約を締結した直後、サポートすることはありません。

本人は元気で、判断能力があるはずだからです。

本人の判断能力が充分にある間は、自分で判断できます。

サポートをしてもらう必要は、ありません。

本人がひとりで判断することが不安になったら、効力が発生します。

本人が自分で決めることが心細くなったら、家庭裁判所が任意後見監督人を選任します。

任意後見監督人が選任されるまで、サポートを開始しません。

任意後見監督人が選任された後、任意後見がスタートします。

2任意後見監督人は不要にできない

①任意後見監督人は任意後見人をサポートする

任意後見監督人は、任意後見人を監督する人です。

監督と聞くと、監視されるイメージを持つかもしれません。

任意後見人は、監視する人というよりサポートする人です。

任意後見契約は、本人が信頼できる人をする契約です。

本人が信頼できる人は、本人の子どもなど近い関係の家族でしょう。

本人の家族が法律などに詳しいことは、あまりありません。

法律の知識がないから、不安になりながら後見事務をすることになります。

法律の知識不足から、不適切な事務をしてしまうかもしれません。

心配な点があれば、家庭裁判所に相談することは大切です。

家庭裁判所は、身近な役所ではないでしょう。

任意後見監督人は、任意後見人の良き相談相手です。

任意後見監督人は、任意後見人から相談を受けて適切な事務をサポートします。

任意後見監督人は、任意後見人をサポートする人です。

②任意後見人の家族は任意後見監督人になれない

任意後見監督人が選任された後、任意後見がスタートします。

任意後見監督人選任の申立てをする際に、任意後見監督人の候補者を立てることができます。

候補者を立てても立てなくても、家庭裁判所は自由に任意後見監督人を選任します。

候補者を選任することも候補者以外の人を選任することも、あります。

任意後見監督人に選任されるのは、原則として、家族以外の専門家です。

家庭裁判所が選んだ人について、不服を言うことはできません。

候補者以外の人が選任されても、任意後見監督人選任の申立てを取り下げることはできません。

次の人は、任意後見監督人になることはできません。

(1)任意後見受任者や任意後見人の配偶者

(2)任意後見受任者や任意後見人の直系血族

(3)任意後見受任者や任意後見人の兄弟姉妹

任意後見受任者や任意後見人の家族は、任意後見監督人にふさわしくないという意味です。

任意後見人が不正をした場合、指摘して不正をたださなければなりません。

任意後見監督人が家族の場合、任意後見人の不正を見つけてもわざと見逃すかもしれません。

多くの場合で任意後見人が本人の家族だから、任意後見監督人は専門家がふさわしいといえます。

原則として、任意後見人の家族は任意後見監督人になることができません。

③任意後見監督人解任は正当事由があるとき家庭裁判所が判断

任意後見人として家庭裁判所が選んだ人について、不服を言うことはできません。

家族や任意後見人が任意後見監督人を解任することはできません。

家族や任意後見人は、家庭裁判所に任意後見人解任の申立てをすることができます。

任意後見監督人は、正当理由があれば解任されます。

解任するのは、家庭裁判所です。

正当事由があるか家庭裁判所が判断します。

正当理由とは、任意後見監督人が不正行為をしたなどの重大な理由です。

3任意後見がスタートしたら金融機関へ届出

①成年後見の届出が必要

任意後見契約は、将来に備えてサポートを依頼する契約です。

任意後見人がサポートを開始した場合、金融機関に届出が必要です。

金融機関は、口座の持ち主が認知症などになっても分かりません。

任意後見監督人が選任されても、家庭裁判所は金融機関などに通知しません。

任意後見人はサポートの一部として、口座を管理することを知らせる必要があります。

成年後見の届出に必要な書類は、おおむね次のとおりです。

(1)成年後見の届出書

(2)成年後見登記事項証明書

(3)任意後見監督人選任審判書

(4)確定証明書

金融機関によって、必要な書類が異なります。

事前に必要書類を問い合わせをして、窓口を予約しておくとスムーズに手続ができます。

銀行の利用者全体から見ると、後見制度を使う人は多くはありません。

事前打ち合わせをせずに窓口に行った場合、担当者不在で手続ができないことがあります。

任意後見人に就任した場合、成年後見の届出が必要です。

②口座名義が変更で引落ができなくなる可能性

口座名義の取り扱いは、金融機関によって異なります。

成年後見の届出をした際、口座名義が変更されることがあります。

「成年被後見人○○○○成年後見人□□□□」などです。

成年後見人の名義に変更することは、できません。

成年後見人は、財産管理のサポートをする人であるに過ぎないからです。

銀行口座から引き落としがされているでしょう。

公共料金などの支払いは、本人の生活に欠かせないものです。

口座の名義が「○○○○」から「成年被後見人○○○○成年後見人□□□□」に変更された場合、

引落ができなくなることがあります。

名義が変更されても引き続き公共料金が引き落とされるのか、銀行窓口で確認することをおすすめします。

口座名義が変更されても、しばらくは引落ができることが多いものです。

一定期間経過すると、口座名義相違で引落ができなくなることがあります。

引き落としができない場合、引落機関に依頼して対応が必要になります。

③貸金庫契約に届出が必要

任意後見人が財産管理だけでなく、重要な書類の管理を依頼されることがあります。

本人が以前から貸金庫を利用していた場合、成年後見の届出が必要です。

成年後見の届出は、口座と貸金庫は別々に必要になります。

本人は貸金庫を利用していなかった場合でも、重要書類を貸金庫で保管することが適切なことがあります。

任意後見人は、本人のために貸金庫契約をして重要書類を保管することができます。

貸金庫契約をする場合、任意後見人名義で契約するのは不適切です。

本人の財産と任意後見人の財産の分別管理をする必要があります。

任意後見人は、他人の財産を預かっているだけだからです。

本人の家族であっても、他人の財産を預かる立場だからです。

任意後見人名義ではなく「成年被後見人○○○○成年後見人□□□□」名義などが適切でしょう。

④証券会社に届出が必要

本人が株式や有価証券を保有していることがあります。

任意後見契約で株式や有価証券の管理を依頼されることがあります。

証券会社に、成年後見の届出が必要です。

株式を保有している場合、配当金が支払われることがあるでしょう。

銀行口座に振り込まれるのであれば、特別な手続は不要です。

配当金受領に手続が必要になる場合、本人は自分で手続できないでしょう。

株主名簿管理人を確認して、配当金受領の書類を任意後見人に送付してもらう必要があります。

任意後見人に議決権行使を依頼している場合、議決権行使書類についても同様に送付先を変更してもらう必要があります。

4任意後見契約を司法書士に依頼するメリット

任意後見制度は、あらかじめ契約で「必要になったら後見人になってください」とお願いしておく制度です。

認知症が進んでから任意後見契約をすることはできません。

重度の認知症になった後は、成年後見(法定後見)をするしかなくなります。

成年後見(法定後見)では、家庭裁判所が成年後見人を決めます。

家族が成年後見人になれることも家族以外の専門家が選ばれることもあります。

任意後見契約では、本人の選んだ人に後見人になってもらうことができます。

家族以外の人が成年後見人になることが不安である人にとって、任意後見制度は有力な選択肢になるでしょう。

一方で、任意後見制度では、必ず任意後見監督人がいます。

監督という言葉の響きから、不安に思ったり反発を感じる人もいます。

任意後見人が不正などをしないように監督する人と説明されることが多いからでしょう。

せっかく家族が後見人になるのに、あれこれ外部の人が口を出すのかという気持ちになるのかもしれません。

任意後見監督人は任意後見人のサポート役も担っています。

家庭裁判所に相談するより、ちょっと聞きたいといった場合には頼りになることが多いでしょう。

任意後見契約は締結して終わりではありません。

本人が自分らしく生きるために、みんなでサポートする制度です。

任意後見制度の活用を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

認知症になったら自宅を売却して施設に入りたい

2024-06-12

1認知症になると自宅を売却できない

①自宅を売却するためには判断能力が必要

高齢になると、身のまわりのことが不自由になることが多くなります。

身のまわりのことが思うようにならなくなると、家族がかかり切りでお世話をすることになります。

子どもらの世話になるより、自宅を売って施設でお世話をしてもらいたいことがあります。

身体が不自由になったから施設に入りたい場合、判断能力は充分にあるでしょう。

自宅を売却する場合、自宅の持ち主の判断能力の有無が重要になります。

物事のメリットデメリットを充分に判断する能力がない場合、売買契約などの法律行為はできません。

自宅を売却するためには、自宅の持ち主の判断能力が必要です。

②認知症になると判断ができなくなる

認知症になると、物事の良しあしを適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいます。

物事の良しあしを適切に判断できない場合、売買契約などの法律行為はできません。

認知症になると、自宅の持ち主であっても売却ができなくなります。

自宅を売却するためには、判断能力が必要だからです。

③認知症の人が売買契約をしても無効になる

認知症の人は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができません。

重度の認知症になると、自宅を売却することの意味も分からないでしょう。

意味が分からないまま、売買契約書を作成しても無効です。

自宅を売却するためには、判断能力が必要だからです。

不動産取引には、たくさんの人が関与します。

売買契約が無効になると、たくさんの人に迷惑がかかります。

売買契約が無効になると、損害賠償請求や訴訟に発展するでしょう。

不動産の買主は、不動産を使いたいから購入したはずです。

売買契約が無効になると、不動産が使えなくなります。

不動産の購入のため、金融機関は融資を実行したでしょう。

売買契約が無効になると、融資も不要になります。

不動産の売買には、司法書士が登記を担当するでしょう。

売買契約が無効になると、司法書士は懲戒処分を受けます。

不動産の売買には、不動産業者が仲介をするでしょう。

売買契約が無効になると、不動産業者は行政処分を受けます。

不動産の持ち主が判断能力がないのは、非常に重要な問題です。

不動産取引に関与する人は、不動産の持ち主の判断能力の有無について非常に慎重に判断します。

物事のメリットデメリットを充分に判断できないまま、売買契約をしても無効になるからです。

売買契約書を作成して押印さえすればいいといったものではありません。

認知症の人が売買契約をしても、無効になります。

④施設入所のためでも売却ができない

施設に入所するときには、まとまった金額が必要になります。

自宅を売却する理由が、売却代金を入所費用に充てるためというのは割とよくあります。

本人のためになるから、売却できると思うかもしれません。

物事のメリットデメリットを充分に判断できないまま、売買契約をしても無効になります。

売却しないと施設に入れなくなるなども、理由になりません。

物事のメリットデメリットを充分に判断できないから、自宅を売却できなくなるのです。

⑤子ども等が代わりに判断できない

自宅の持ち主が認知症になった場合、自宅の持ち主であっても売却することができなくなります。

認知症になると、物事の良しあしを適切に判断することができなくなるからです。

自宅の持ち主が判断できなければ、子どもなどの家族が代わりに判断すればいいと思うかもしれません。

自宅の持ち主の代わりに、家族が代わりに判断することはできません。

赤ちゃんなどが契約などの法律行為をする必要があることがあります。

赤ちゃんは、自分で物事のメリットデメリットを充分に判断することができません。

赤ちゃんが契約などの法律行為をする場合、親などの親権者が代わりに判断します。

親などの親権者が代わりに判断することができるのは、赤ちゃんが未成年者だからです。

認知症の人は、未成年者ではないでしょう。

未成年ではないから、子ども等が代わりに判断できません。

⑥空き家になっても売却できない

自宅を売却しないまま施設に入った場合、自宅が空き家になることがあります。

重度の認知症になった場合、自宅に帰る見込みはほとんどないでしょう。

だれも住むことがなくなった家であっても、管理はしなければなりません。

自宅に帰る見込みがなくなっても、固定資産税などの費用負担は続きます。

管理の手間と費用がかかるから、自宅を売却したいと思うかもしれません。

自宅を売却するためには、自宅の持ち主の判断能力が必要です。

空き家になっても、自宅を売却することはできません。

⑦銀行の預貯金も凍結される

認知症になると、自宅を売却することができなくなります。

凍結される資産は、自宅などの不動産だけではありません。

銀行の預貯金も、凍結されます。

認知症になると、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなります。

口座の持ち主が認知症であることを知ると、銀行が口座を凍結します。

口座の凍結とは、引出や解約、引落などの口座取引をできなくすることです。

口座の預貯金を管理することは、できないでしょう。

不必要な取引をしてしまったり不利益になる契約をしてしまうかもしれません。

認知症であることに付け込んでくる悪質業者の被害を受けるおそれがあります。

自分自身がお金を引き出した事実を忘れて、混乱することも考えられます。

本人をトラブルから守るため、銀行は口座を凍結します。

認知症になると、あらゆる資産が凍結されます。

2認知症の人の代わりに成年後見人

①成年後見人が代わりに判断する

認知症になると、自分で物事の良しあしを適切に判断することができなくなります。

成年後見人は、自分で物事の良しあしを適切に判断することができなくなった人をサポートする人です。

契約などの法律行為をする場合、認知症の人に代わってメリットデメリットを判断します。

成年後見人は、認知症の人に代わって判断してくれる人です。

②成年後見人は家庭裁判所が選任する

認知症の人にサポートが必要になった場合、家庭裁判所に申立てをします。

家庭裁判所は、サポートの必要の有無を判断します。

成年後見人は、家庭裁判所が選任します。

申立てをするときに、成年後見人の候補者を立てることができます。

候補者を選任することも候補者以外の人を選任することもあります。

認知症の人の家族が成年後見人に選ばれるのは、20%程度です。

家庭裁判所が家族以外の専門家を選任した場合、不服を述べることはできません。

家族が成年後見人に選ばれなくても、申立てを取り下げることはできません。

いったん申立てを出したら審判がされる前であっても、取下げには家庭裁判所の許可が必要です。

成年後見人は、家庭裁判所が選任します。

③成年後見人は家族の希望をかなえる人ではない

成年後見人は、認知症の人をサポートする人です。

認知症の人に利益のために、働きます。

自宅の売却が認知症の人のために必要ないと判断されたら、売却をしてもらえません。

認知症の人の利益にならないことはできません。

たとえ家族が望んでも、客観的に認知症の人の利益にならないと判断されることはできません。

成年後見人は、家族の希望をかなえる人ではないからです。

預貯金が充分にあるのに、家族が自宅を売却を希望することがあります。

認知症の人が帰るべき自宅を失うことは、認知症の人にとって大きな不利益です。

管理の手間や費用がかかるとしても、圧倒的大きな不利益があると言えます。

成年後見人も家庭裁判所も、自宅の売却は認めてくれないでしょう。

家族の希望をかなえてくれないのは、成年後見人が家族以外の専門家だからではありません。

家族が成年後見人であっても、家族の希望をかなえることできないでしょう。

成年後見人は、家庭裁判所の監督を受けます。

認知症の人に不利益な行為を見逃してはくれません。

認知症の人に不利益な行為を見つけたら、厳重注意になるでしょう。

重大な不利益の場合、財産管理不適切を理由に解任されるおそれがあります。

成年後見人は、家族の希望をかなえる人ではありません。

④自宅売却後も成年後見は続く

成年後見人は、物事のメリットデメリットを充分に判断できない人をサポートする人です。

成年後見人を選任してもらうきっかけが、自宅の売却であったかもしれません。

自宅の売却が完了した後も、成年後見は続きます。

自宅を売却した後も、認知症の人は物事のメリットデメリットを充分に判断できないからです。

自宅を売却した後も、財産管理ができないからです。

物事のメリットデメリットを充分に判断できるようになるまで、成年後見は続きます。

事実上、認知症の人が死亡するまで成年後見は終了しません。

3認知症になる前にできること

①任意後見契約

後見制度には、2種類あります。

任意後見と法定後見です。

任意後見は、認知症になったときに備えて信頼できる人にサポートを依頼する契約です。

任意後見人は、自分で選ぶことができます。

認知症になる前だけ、契約することができます。

法定後見は、認知症になった後に家庭裁判所にサポートする人を選んでもらう制度です。

成年後見人は、家庭裁判所が選任します。

成年後見人には、家族を選任してもらいたいという希望は少なくありません。

法定後見の場合、家族を選任してもらいたいと希望しても認めれらないケースがほとんどです。

任意後見人は、自分で選ぶことができます。

認知症になる前に、任意後見契約をしておくといいでしょう。

②家族信託

所有者はものを自由に売ったり、自由に管理したりして、ものから利益を受け取ることができます。

だから、所有権は、自由にものを売る権利であるし、自由に管理する権利であるし、ものから利益を受け取る権利であるといえます。

所有権はよく見ると、たくさんの権利の集合体といえます。

たくさんの権利の集合体である所有権から、自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持っていることができます。

自由に売る権利や自由に管理する権利を信頼できる家族に渡して、自分はものから利益を受け取る権利だけ持つ仕組みを家族のための信託といいます。

この仕組みを利用すると、信頼できる家族は自由にものを売ることができるし、自由に管理することができます。

家族信託は、信頼できる家族とする契約です。

認知症になる前に、自宅を信託することができます。

信託された家族は、信託契約に基づいて自宅を売却することができます。

自宅の持ち主が何も対策しないまま認知症になったら、自宅を売却することはできません。

認知症になる前に家族信託を契約したら、認知症になった後も、家族が自宅を売却することができます。

信託された家族は、自分の判断で信託契約の範囲内で売却などの処分ができるからです。

認知症になる前に、自宅や預貯金を信託する信託契約をするといいでしょう。

4認知症対策を司法書士に依頼するメリット

高齢化社会が到来したといわれて、多くの方は長生きになりました。

平均寿命は男性も女性も80歳を超して、認知症になる方が多くなりました。

認知症になると、物事のメリットデメリットが充分に判断できなくなります

本人の財産は、本人しか処分できません。

本人が判断できなくなると、資産が凍結されてしまいます。

本人が介護施設入所するためであっても、家族が不動産を勝手に売却することはできません。

本人の実の子どもであっても、本人の定期預金を解約することはできません。

一部の金融機関では、本人以外の家族がキャッシュカードを使っていることを確認したら、キャッシュカードを回収しています。

本人の意思確認を重視する流れは、他の金融機関にも広がっていくでしょう。

認知症対策は、本人の判断能力がしっかりしているうちしかできません。

いつか認知症対策をしようではなく、今なら元気だから対策しようが正解です。

認知症になると、本人はもとより家族も困ります。

自分のためにも家族のためにも認知症対策を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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