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遺言執行者による不動産売却

2025-11-23

1遺言執行者が遺言書の内容を実現する

①遺言執行者は独立した地位がある

遺言書は、作成するだけでは意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現するため必要な権限と義務が与えられます。

遺言執行者は、相続人の代理人ではありません。

相続人の意思に関わらず独立して、遺言書の内容を実現することができます。

遺言執行者には、独立した地位が認められています。

②遺言執行者は遺言書で指名できる

遺言書を作成するとき、遺言執行者を指名することができます。

遺言執行者になるために、特別な資格は不要です。

次の人は、遺言執行者になることができません。

・未成年者

・破産者

遺言書の内容を実現する人だから、信頼できる人を指名するといいでしょう。

相続人や受遺者を遺言執行者に指名することができます。

受遺者とは、遺贈を受ける人です。

③遺言執行者は辞退できる

遺言書は、遺言者がひとりで作成することができます。

言うなれば、一方的に遺言執行者に指名することができます。

遺言執行者に指名されても、自信がないことがあるでしょう。

遺言執行者に就任する義務は、ありません。

理由を明らかにすることなく、遺言執行者就任を辞退することができます。

④遺言執行者の辞任は正当理由と家庭裁判所の許可

遺言執行者に就任した後は、公益的側面を持つ準公的な立場と考えられています。

遺言執行者は、軽々しく辞任することはできません。

遺言執行者の辞任には、正当理由と家庭裁判所の許可が必要です。

例えば、次の理由は正当理由に認めらます。

・重病で病気療養に専念する必要がある。

・認知症などで判断能力が低下した。

・相続人から執拗な妨害行為や誹謗中傷が継続的にある。

・遺言執行が著しく困難なレベルで相続人との対立がある。

正当理由があるか、家庭裁判所が判断します。

⑤遺言執行者は専門家に委任できる

遺言執行者には、遺言書の内容を実現するため必要な権限と義務があります。

遺言執行者が、自分で行わなければならない義務はありません。

例えば、相続登記は相続手続の中でも難しい手続です。

遺言執行者は、相続登記を司法書士に依頼することができます。

遺言書の内容を実現するため、必要に応じて専門家を利用することができます。

2遺言執行者による不動産売却

①相続人は遺言執行者の妨害行為ができない

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。

相続人であれば、自由に相続財産を売却できると感じるかもしれません。

遺言書がある場合、遺言執行が優先されます。

相続財産は、遺言執行者が管理します。

相続人は、勝手に売却できません。

遺言執行者がいる場合、相続人は遺言執行者の妨害行為をすることはできません。

親切心からしたことであっても、妨害行為になることがあります。

例えば、次の行為は妨害行為にあたるでしょう。

・相続人が懇意の不動産業者と勝手に媒介契約を締結

→不動産業者候補を提案し遺言執行者の判断に任せる

・相続人が売主と主張して勝手に売買交渉

→売買交渉は遺言執行者に任せ、進捗確認のみ

・相続人が熱心なアドバイスを執拗に繰り返す

→相続人で意見共有し、遺言執行者の決定を尊重

親切は素晴らしいですが、遺言執行者主導で協力すると円滑な遺言執行が実現します。

②遺言書の内容の実現は遺言執行者の義務

相続人を遺言執行者に指名することができます。

遺言執行者に就任したら、相続人とは別の遺言執行者としての立場になります。

遺言書の内容の実現は、遺言執行者の義務です。

遺言書に不動産の売却が定められている場合、遺言執行者は売却しなければなりません。

不動産売却は、相続人による自由処分ではないからです。

一部の相続人が勝手に処分したのではなく、遺言執行者が遺言書の内容を実現したと言えます。

遺言執行者の義務だから、相続人全員の合意は不要です。

③遺言執行者が相続登記

相続した不動産を売却する場合、相続登記は省略できません。

登記制度は、現在の所有者だけでなく権利変動の過程も公示しているからです。

適切な権利変動の過程を公示していない場合、登記制度への信頼を大きく損ねます。

遺言執行者は、相続登記をすることができます。

遺言執行者は、登記名義人になりません。

登記名義人になるのは、相続人です。

相続登記は難しい手続だから、知識がないと手に余るでしょう。

遺言執行者から、司法書士などの専門家に相続登記を依頼することができます。

④遺言執行者が売買契約

遺言書に不動産の売却が定められている場合、遺言執行者が売買契約を締結します。

遺言執行者は、自ら売主になります。

遺言書に不動産の売却が定められている場合、不動産売却は遺言執行そのものだからです。

相続人の同意がなくても、遺言執行の一環として売買契約を締結します。

相続人の協力がなくても、単独で売買契約を締結します。

売買契約には、相続人ではなく遺言執行者〇〇〇〇で署名します。

⑤遺言執行者が売買による所有権移転登記

遺言執行者は、相続登記をすることができます。

相続登記をすると、所有権の登記名義人は相続人です。

売買契約を締結したら、売買による所有権移転登記をします。

売買による所有権移転登記は、登記権利者と登記義務者による共同申請です。

登記権利者は、不動産の買主です。

登記義務者は、遺言執行者です。

不動産の登記名義人である相続人は、関与する必要がありません。

相続人の押印は、不要です。

相続人の印鑑証明書は、不要です。

売買による所有権移転登記は、遺言書の内容の実現に必要な行為だからです。

遺言執行者の押印と遺言執行者の印鑑証明書を準備します。

売買による所有権移転登記は、買主と遺言執行者で共同申請します。

⑥売却代金は遺言執行者名義の遺産管理用口座に入金

不動産を売却すると、遺言執行者が売却代金を受け取ります。

売却代金は、相続財産です。

遺言執行者が勝手に使うことはできません。

売却代金は、遺言執行者名義の遺産管理用口座に入金するのがおすすめです。

遺言執行者の固有の財産と相続財産は、分別管理を徹底する必要があります。

分別管理をしないと、他の相続人から疑いの目を向けられるからです。

⑦売却代金は相続財産

不動産を売却すると、売却代金を受け取ります。

売却代金は、相続財産です。

売却代金をどのように使うのか、遺言書に定めてあることが多いでしょう。

例えば、次のような記載です。

・売却代金を〇〇〇〇に遺贈する。

・売却代金は、相続人〇〇〇〇に相続させる。

・売却代金で、借金を返済せよ。

遺言執行者は遺言書の内容を実現するため、売却代金を処理します。

遺言執行者名義の遺産管理用口座から、遺言書の内容に従って振込します。

⑧売却代金の使途を定めてないときは遺産分割協議

遺言書を確認しても、売却代金の使途を定めていないことがあります。

売却代金の使途を定めてあっても、その条項が無効になることがあります。

例えば、「売却代金を〇〇〇〇に遺贈する。」と定めてあるのに、〇〇〇〇が先に死亡したケースです。

「売却代金を〇〇〇〇に遺贈する。」条項が無効になるから、売却代金の使途を定めていない扱いです。

売却代金の使途が定められていない場合、売却代金は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

売却代金の分け方の決定には、遺言執行者の関与が不要です。

⑨遺言執行者が売却に応じないと解任請求

遺言書に不動産の売却が定めてある場合、遺言執行者には売却の義務があります。

遺言執行者が義務を怠る場合、家庭裁判所に遺言執行者解任を請求することができます。

家庭裁判所に解任請求をする前に、執行状況や売却予定を確認するといいでしょう。

遺言執行者と協調した方が結果的にスムーズな遺言執行ができるからです。

遺言執行者が義務を怠る事実があるのか、客観的証拠に基づいて家庭裁判所が判断します。

遺言執行者の解任には、高いハードルがあります。

義務を怠る事実があると認められた場合、家庭裁判所が解任します。

3遺言執行者に指名された相続人が取るべき現実的対応

①就任の可否をすみやかに返答

遺言執行者に指名されても、遺言執行者に就任する義務はありません。

遺言執行者になる前であれば、どのような理由でも辞退することができます。

遺言執行者に指名されたのに就任するか就任を辞退するのか分からないと、相続人が困ります。

遺言執行者に指名されたら、就任の可否をすみやかに返答します。

②専門家に適切に活用

遺言執行者には、遺言書の内容を実現する責任があります。

遺言執行者は、自分で手続をする義務はありません。

適切に専門家を活用するのがおすすめです。

登記手続は、司法書士に依頼することができます。

不動産の売却は、不動産業者に依頼することができます。

何らかの紛争に巻き込まれたときは、弁護士に依頼することができます。

専門家に適切に活用すると、スムーズに遺言執行をすることができます。

③相続人とのコミュニケーションを透明化

遺言執行者は、相続人の同意なく遺言書の内容を実現することができます。

相続人の納得を置き去りにすると、相続人の反発を招きます。

遺言書の内容を適切に開示し、相続人と情報共有をします。

相続人と情報共有内容は、議事録で共有します。

遺言執行者が丁寧な説明をして説明責任を果たすと、相続人も納得するでしょう。

妨害には毅然と対応しつつ、相続人とのコミュニケーションを透明化がおすすめです。

4遺言執行者による不動産売却を司法書士に依頼するメリット

相続手続はタイヘンですが、相続人がいない場合はさらにタイヘンです。

相続人がいないから、国に持っていかれるより、お世話になった人に受け取ってもらいたい、自分の気持ちを活かしてくれる人に使ってもらいたいという方もいるでしょう。

不動産は、価値が高いものの、人によっては使いにくかったり不便であることがあります。

不動産は管理の手間もありますから、かえって、持て余すこともあるでしょう。

このような場合に、不動産を売却してお金で受け取ってもらうことは有効です。

不動産を売却してお金で受け取ってもらうためには、遺言書は欠かせません。

遺言書は自筆証書遺言でも、公正証書遺言でも効力に変わりはありませんが、形式の不備などがない確実な公正証書遺言をおすすめします。

遺言執行者を指名しておけば、余計な事務負担をかけることになくなりますから、安心です。

遺言執行は手間と時間がかかるだけでなく、法律の知識が不可欠です。

司法書士などの法律の知識がある専門家に依頼するのがいいでしょう。

遺言書作成に併せて、遺言執行を依頼すれば、登記までスムーズに手続してもらえます。

清算型遺言を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続人の住民票が職権消除されたときの対応方法

2025-11-21

1市区町村役場が行方不明と判断すると職権消除する

①行方不明になると本人申請なしで住民票を削除できる

死亡や転出などで実際にその住所に住んでいないにも関わらず、住民票が残ったままであることがあります。

職権消除とは、住民基本台帳法に基づいて本人申請なしで住民票が削除されることです。

長期間所在不明で生活実態が確認できないとき、行政記録の正確性を保つために行われます。

市区町村は、次の場合に住所について調査をします。

・市区町村からの郵便が届かない

・居住者から申出がある

市区町村の調査で居住が確認できないと判断された場合、住民票は職権で消除されます。

住民票が職権消除されたケースとは、行方不明が公的に確認されたケースと言えます。

②職権消除されても相続人の地位は失わない

職権消除とは、その住所に居住していない場合に市区町村が本人申請なしで住民票を削除する手続です。

職権消除は、行政記録を正確に保つための措置に過ぎません。

職権消除されても、相続人の地位は失いません。

住民票が職権消除されても、戸籍には何も記録されません。

相続人になる人は、戸籍の記録で判断されます。

居住実態に関わらず、民法で決められた人は相続人になります。

たとえ行方不明であっても、戸籍に記録された人は相続人です。

職権消除されても、法律上の身分や権利義務に直接影響はありません。

③相続人の住民票が職権消除されたときの問題点

(1)遺産分割協議ができない

相続が発生したら、被相続人の財産は相続財産になります。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

たとえ行方不明の相続人がいても、相続人全員の合意が必要です。

行方不明の相続人がいると、遺産分割協議ができなくなります。

(2)遺産分割協議未了でも相続登記義務化

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更を行います。

相続登記とは、相続による不動産の名義変更です。

相続登記には、3年の期限が決められました。

3年以内に相続登記の義務を果たさないと、ペナルティーの対象になります。

ペナルティーの内容は、10万円以下の過料です。

多くの場合、遺産分割協議が成立してから相続登記をします。

遺産分割協議が成立しなくても、相続登記の義務は免れられません。

④親族による所在調査には限界がある

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。

行方不明の相続人を除外して合意しても、遺産分割協議は成立しません。

親族が所在調査をしても、事実上見つけることは困難です。

住民票が職権消除される前には、市区町村役場が一定の調査を行っているからです。

親族であれば、特別な手がかかりがあるかもしれません。

例えば、次のような手がかかりです。

・行方不明者の友人や知人

・行方不明者の仕事の関係者

・元配偶者や子ども

市区町村役場が知らないような手がかかりがある場合、親族による所在調査が有効です。

多くの場合、親族による所在調査には限界があると言えます。

⑤海外在住であれば外務省の所在調査制度

外務省の所在調査制度とは、海外に在留している可能性が高く半年以上所在確認ができない日本人の連絡先を確認するサービスです。

外務省の所在調査制度は、3親等内の親族が利用することができます。

外務省の所在調査制度では、得られる情報が限定的です。

在外公館に対し、在留届やたびレジの情報を基に安否確認をします。

たびレジとは、外務省が提供する海外渡航者向け安全情報登録サービスです。

在外公館は捜査機関ではないから、細かな住所調査や行方の捜索はできません。

在留届などが出されている場合に限り、連絡が可能であることがあります。

本人への連絡ができたとしても、本人の同意なく居場所の開示はできません。

多くの場合、外務省の所在調査制度には限界があると言えます。

2相続人の住民票が職権消除されたときの対応方法

①不在者財産管理人選任の申立て

(1)不在者財産管理人が代わりに遺産分割協議

行方不明の相続人がいると、遺産分割協議を成立させることができません。

不在者財産管理人は、行方不明の代わりの人です。

行方不明の相続人の権利を代行することができます。

家庭裁判所に申立てをして、不在者財産管理人を選任してもらうことができます。

不在者財産管理人が代わりに、遺産分割協議を成立させることができます。

(2)申立人

不在者財産管理人選任の申立ができるのは、次の人です。

・利害関係人

・検察官

他の相続人は、利害関係人と考えられます。

(3)申立先

行方不明者の従来の住所地や居所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで確認することができます。

(4)添付書類

不在者財産管理人選任の申立書に添付する書類は、次のとおりです。

・行方不明の人の戸籍謄本

・行方不明の人の戸籍の附票

・不在者財産管理人の候補者の住民票か戸籍の附票

・行方不明であることが分かる資料

・行方不明の人の財産の状況の分かる資料

・利害関係の分かる資料

通常は、提出した書類のみで審査がされます。

書類の内容によっては家庭裁判所から申立人が呼び出されて事情聴取が行われます。

(5)申立てにかかる費用

①手数料

不在者財産管理人選任の申立てをする場合、家庭裁判所に手数料を納入します。

手数料は、行方不明の人1人につき、800円です。

手数料は、収入印紙で納入します。

②予納郵券

手数料とは別に、裁判所が手続に使う郵便切手を予納します。

予納する郵便切手は、家庭裁判所によって金額や枚数が異なります。

およそ3000~5000円程度です。

③予納金

不在者財産管理人選任の申立てをする際に、家庭裁判所に予納金を納入します。

予納金の額は事件によって、異なります。

おおむね数十万円~100万円程度です。

予納金は、事案に応じて裁判所が決定します。

行方不明の人の財産が少なければ、予納金として申立人が負担します。

事件終了後、予納金が余れば返還されます。

(6)申立てにかかる期間

不在者財産管理人選任の申立てをしてから選任されるまで、数か月~半年ほどかかります。

(7)遺産分割協議をするためには権限外行為の許可の申立て

不在者財産管理人は、行方不明の人の財産を保存管理をする人です。

原則として、財産の保存管理以外の権限はありません。

例えば、不動産の修繕は、財産の保存行為と認められます。

遺産分割協議は、財産の保存管理ではなく処分行為です。

不在者財産管理人は、遺産分割協議をする権限はないはずです。

不在者財産管理人が有効に遺産分割協議を成立させるため、家庭裁判所の許可が必要です。

遺産分割協議は、権限外行為だからです。

家庭裁判所の許可を得るためには、行方不明の相続人に法定相続分の財産の確保が必要です。

行方不明の相続人に不利になるような遺産分割協議をすることは、家庭裁判所が許可しません。

相続税が少なくなるような遺産分割協議を望んでも、許可されません。

被相続人の面倒を見ていた人に財産を多くする遺産分割であっても、許可されません。

不在者財産管理人が家族であっても家族以外の専門家であっても、同じことです。

行方不明の相続人に不利になる遺産分割協議は、許可されないからです。

有効に遺産分割協議を成立させるため、家庭裁判所による権限外行為の許可が必要です。

②失踪宣告

(1)失踪宣告で死亡と見なされる

相当長期間、行方不明になっている場合、死亡している可能性が高い場合があります。

条件を満たした場合、死亡の取り扱いをすることができます。

失踪宣告とは、行方不明の人が死亡した取り扱いとするための手続です。

失踪宣告がされたら、たとえ死亡していなくても死亡した取り扱いをします。

(2)普通失踪は7年で死亡と見なされる

一般的に失踪宣告といった場合、普通失踪を指しています。

生死不明の期間を失踪期間と言います。

普通失踪では、失踪期間が7年必要です。

生死不明のまま7年経過した場合に、自動的に死亡と見なされるわけではありません。

家庭裁判所が失踪宣告したときに、死亡と見なされます。

(3) 特別失踪(危難失踪)は1年で死亡と見なされる

行方不明の人が大災害や大事故にあっていることがあります。

大災害や大事故に遭った場合、死亡している可能性が非常に高いものです。

特別失踪(危難失踪)とは「戦地に行った者」「沈没した船舶に乗っていた者」「その他死亡の原因となる災難に遭遇した者」などを対象にする失踪宣告です。

死亡している可能性が非常に高いので、失踪期間は短い期間です。

特別失踪(危難失踪)では、失踪期間が1年で済みます。

生死不明のまま1年以上経過したと認められる場合、家庭裁判所は失踪宣告をすることができます。

(4)失踪宣告は慎重に検討

行方不明者に失踪宣告がされると、死亡した扱いがされます。

失踪宣告がされると、相続が発生することになります。

相続関係が変更されるから、相続手続が複雑になります。

失踪宣告は、慎重に検討する必要があります。

3住所が分からない相続人がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続が発生した後、相続手続を進めたいのに住所が分からない相続人や行方不明の相続人がいて困っている人はたくさんいます。

自分たちで手続しようとして、挫折する人も少なくありません。

不在者財産管理人選任の申立てなど家庭裁判所に手続きが必要になる場合などは、専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。

途方に暮れた相続人をサポートして、相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した人や相続手続で不安がある方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続登記で必要になる登記原因証明情報の種類

2025-11-19

1登記原因証明情報で登記の申請を証明する

①登記申請には登記原因証明情報を提出する

不動産について登記申請をする場合、原則として登記原因証明情報を提出します。

登記原因証明情報とは、登記申請の際に権利が移転・変更したことを証明する客観的資料です。

登記官が登記の正当性を判断するために提出します。

相続登記をする際の登記原因証明情報は、相続があったことを証明する書類です。

相続登記では、たくさんの書類を準備します。

準備する書類のうち、相続があったことを証明する書類をまとめて登記原因証明情報と呼びます。

登記申請書には、添付書類として登記原因証明情報と記載します。

②登記申請書の内容は登記原因証明情報で確認する

登記申請書を受付けたら、法務局は提出された書類を審査します。

相続登記を受付けたら、登記原因証明情報から登記申請書の内容を確認します。

法務局は、登記原因証明情報から次の事項を確認します。

・登記名義人が死亡したこと

・登記名義人が死亡した日

・相続人の住所や氏名

・相続する不動産

・不動産を相続する人

③オンライン申請ではPDF化して添付

申請用総合ソフトを使って、オンラインで登記申請をすることができます。

オンラインで登記申請をする場合、登記原因証明情報はPDF化して申請書に添付します。

相続登記をする場合、相続関係説明図を添付します。

相続関係説明図とは、相続関係の説明資料です。

戸籍謄本の内容を家系図状に記載して、説明する資料です。

相続関係説明図をPDF化して、添付することができます。

2相続登記で必要になる登記原因証明情報の種類

①遺言書があるときの登記原因証明情報

(1)遺言書があると必要書類が少ない

被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。

遺言書があれば、遺言書の内容どおりに遺産分割をすることができます。

遺言書があるときの登記原因証明情報は、次のとおりです。

・被相続人の戸籍謄本

・被相続人の住民票または戸籍の附票

・相続する人の戸籍謄本

・遺言書

(2)自筆証書遺言は検認手続が必要

遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。

自筆証書遺言とは、自分で書いて作る遺言書です。

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え公証人が取りまとめる遺言書です。

自宅などで自筆証書遺言が見つかった場合、家庭裁判所で開封してもらう必要があります。

検認手続とは、自筆証書遺言を家庭裁判所に提出して開封してもらう手続です。

検認手続をすると、検認済証明書が発行されます。

検認が必要なのに検認をしないと、相続手続が進められなくなります。

検認が必要なのに検認しないまま、相続登記をすることはできません。

登記原因証明情報として、検認済証明書を提出します。

(3)公正証書遺言は検認手続が不要

公正証書遺言は、検認手続をする必要はありません。

相続が発生したら、すぐに遺言執行をすることができます。

登記原因証明情報として、検認済証明書を提出する必要はありません。

(4)法務局保管制度利用の自筆証書遺言は遺言書情報証明書

自筆証書遺言は、保管場所に困ります。

保管場所を家族と共有すると、偽造や破棄のリスクがあります。

保管場所を家族と共有しないと、紛失や遺言書が見つからないリスクがあります。

自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。

法務局に提出した遺言書は、遺言者が死亡しても返還されません。

遺言執行は、遺言書情報証明書で行います。

遺言書情報証明書とは、法務局が保管している遺言書の内容の証明書です。

法務局保管制度を利用すると、遺言書は提出できません。

遺言書の代わりに、遺言書情報証明書を提出します。

登記原因証明情報として、遺言書情報証明書を提出します。

法務局保管制度を利用した場合、家庭裁判所の検認手続は不要です。

②遺産分割協議をするときの登記原因証明情報

(1)遺産分割協議成立には相続人全員の合意が必要

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺産分割協議をするときの登記原因証明情報は、次のとおりです。

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・被相続人の住民票または戸籍の附票

・相続人全員の戸籍謄本

・遺産分割協議書

・相続人全員の印鑑証明書

(2)遺産分割協議書は合意内容の証明書

相続財産の分け方について、相続人全員の合意がまとまったら書面に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続財産の分け方について相続人全員の合意内容の証明書です。

合意内容に間違いがないか、相続人全員に確認してもらいます。

間違いがないと確認したら、相続人全員が記名して実印で押印します。

遺産分割協議書に実印で押印したことを確認するため、印鑑証明書を添付します。

(3)古い印鑑証明書を提出できる

遺産分割協議で相続登記をする場合、相続人全員の印鑑証明書を提出する必要があります。

印鑑証明書の日付に、決まりはありません。

古い日付の印鑑証明書を提出することができます。

相続が発生する前に取得した印鑑証明書であっても、相続登記で使うことができます。

③法定相続をするときの登記原因証明情報

(1)法定相続分で登記ができる

相続人になる人は、法律で決められています。

相続人が相続する相続分も、法律で決められています。

法定相続とは、相続人全員が法定相続分で共有する相続です。

法定相続をするときの登記原因証明情報、次のとおりです。

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・被相続人の住民票または戸籍の附票

・相続人全員の戸籍謄本

(2)一部の相続人が法定相続による相続登記ができる

登記は、原則として当事者が申請します。

法定相続による相続登記は、保存行為と考えられています。

保存行為とは、財産の現状を維持し損害や権利喪失を防ぐための法律行為です。

一部の相続人が相続人全員のために、法定相続による相続登記をすることができます。

④相続放棄をした人がいるときの登記原因証明情報

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄をした人がいる場合、相続放棄申述受理通知書を提出します。

相続放棄申述受理通知書とは、家庭裁判所が相続放棄を認めたときに届く通知書です。

相続放棄申述受理通知書は、紛失しても再発行されません。

紛失したら、相続放棄申述受理証明書を発行してもらうことができます。

登記原因証明情報として、相続放棄申述受理通知書や相続放棄申述受理証明書を提出します。

⑤裁判手続をしたときの登記原因証明情報

(1)遺産分割調停で合意

相続人だけで遺産分割協議をしても、話し合いがつかないことがあります。

家庭裁判所の助力を借りて、相続人全員の合意を目指すことができます。

遺産分割調停とは、家庭裁判所のアドバイスを受けてする相続人全員の話合いです。

遺産分割調停で相続人全員の合意がまとまったら、合意内容は調停調書に取りまとめます。

遺産分割調停で合意した場合、遺産分割調停調書を提出します。

遺産分割調停調書を提出する場合、戸籍謄本は提出不要です。

遺産分割調停をする前提として、家庭裁判所が確認しているからです。

(2)遺産分割審判で相続登記

遺産分割調停でも話し合いがつかない場合、遺産分割審判に移行します。

遺産分割審判とは、家庭裁判所が分け方を決める手続です。

遺産分割審判で相続登記をする場合、遺産分割審判書謄本と確定証明書が必要です。

登記原因証明情報として、遺産分割審判書謄本と確定証明書を提出します。

⑥登記原因証明情報を準備するときの注意点

注意(1)被相続人の戸籍謄本は途切れなく

登記原因証明情報は不足すると、登記手続が進められません。

戸籍謄本の不足は、補正を求められるケースの代表例です。

注意(2)相続関係説明図で全体像を整理

相続登記をする場合、相続関係説明図を添付します。

相続関係説明図があると、相続関係が視覚的に把握しやすくなるからです。

注意(3)遺産分割協議書に実印で押印

遺産分割協議書は、実印で押印します。

印鑑証明書と照合して、提出します。

3法定相続情報一覧図を活用して手間を削減

①法定相続情報一覧図は公的証明書

相続が発生したら、たくさんの相続手続先に相続手続をします。

相続手続先ごとに、たくさんの戸籍謄本を提出する必要があります。

法定相続情報一覧図とは、相続関係の公的証明書です。

たくさんの戸籍謄本を家系図状に、記載するのが一般的です。

相続関係が一目で分かるから、とても便利です。

法定相続情報一覧図は地模様が入った紙に印刷されて、法務局の認証文が入ります。

法定相続情報一覧図を提出すると、たくさんの戸籍謄本を提出したのと同じ扱いがされます。

法定相続情報一覧図は、公的証明書だからです。

②相続登記と法定相続情報一覧図は同時申請が効率的

(1)手続を一度に済ませられる

相続登記と法定相続情報一覧図は、必要書類が重なり合っています。

相続登記と法定相続情報一覧図は、不動産の所在する法務局に提出することができます。

相続登記と法定相続情報一覧図は、司法書士にまとめて依頼できます。

手続を一度に済ませることができます。

(2)法定相続情報一覧図は他の相続手続で使える

法定相続情報一覧図は、銀行や年金などの手続で使うことができます。

法定相続情報一覧図の手続で必要数を申し出ると、複数枚発行してもらうことができます。

法定相続情報一覧図は相続関係が一目で分かるから、他の相続手続がスムーズになります。

(3)最初に相続登記と法定相続情報一覧図がおすすめ

相続手続は、何度も経験することはありません。

だれにとっても初めてで、分からないことばかりで疲れ果ててしまいます。

スムーズに相続手続を進めるコツは、相続登記と法定相続情報一覧図を最初にすることです。

相続手続でつまずくことがあっても、登記を依頼した司法書士にサポートを依頼しやすいでしょう。

安心して相続手続をすることができます。

最初に相続登記と法定相続情報一覧図を同時申請が効率的です。

4相続登記を司法書士に依頼するメリット

大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。

やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。

相続手続は一生のうち何度も経験するものではないでしょう。

だれにとっても不慣れで、手際よくできるものではありません。

相続登記は、相続手続の中でも手間がかかる難しい手続です。

相続登記は難しい手間がかかる手続なので、司法書士などの専門家に依頼するでしょう。

相続手続で挫折しがちなのは、戸籍謄本などの書類収集や遺産分割協議書の作成です。

書類収集や遺産分割協議書の作成は、司法書士に依頼することができます。

司法書士が戸籍謄本や遺産分割協議書を準備したうえに、法務局の厳重な審査をします。

法務局の審査が通った戸籍謄本や遺産分割協議書だから、銀行などの相続手続先で指摘があることはありません。

銀行などの独自書類の内容などに指摘があるとしても、簡単に済むことがほとんどでしょう。

相続手続をスムーズに進めたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

口座凍結が相続放棄に及ぼす影響

2025-11-17

1口座の持ち主が死亡すると口座凍結

①口座凍結すると入出金ができない

銀行などの預貯金は口座は、日常生活に欠かせません。

口座の持ち主が死亡すると、口座は凍結されます。

口座凍結とは、口座取引の停止です。

口座取引とは、次のものがあります。

・ATMや窓口での引出し

・年金などの振込み

・公共料金などの引落し

口座が凍結されると、入出金ができなくなります。

②口座凍結するタイミング

口座が凍結されるタイミングは、銀行が口座の持ち主が死亡したことを知ったときです。

人が死亡すると、医師は死亡診断書を作成します。

死亡診断書と死亡届を、市区町村役場に提出します。

死亡診断書を作成しても、医師や病院は金融機関に連絡しません。

死亡届を受け付けても、市区町村役場は金融機関に連絡しません。

人が死亡した事実は、個人情報です。

勝手に金融機関に連絡したら、個人情報の漏洩で責任を問われることになるでしょう。

死亡診断書が作成されても死亡届を受け付けられても、口座は凍結されません。

口座の持ち主が死亡したら、口座の預貯金は相続人が相続します。

家族が預貯金の有無や相続手続の方法を銀行に問合わせるでしょう。

預貯金の有無や相続手続の方法を問合わせたときに、銀行は口座の持ち主の死亡を知ります。

口座の持ち主の死亡を知ったときに、口座は凍結されます。

家族が銀行に相続手続の方法を問合わせたときに、口座は凍結されます。

③死亡後に口座凍結する理由

口座の持ち主が死亡したら、口座の預貯金は相続財産です。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続人全員の合意がないのに、一部の相続人が預貯金を独り占めすることは許されません。

相続人間で大きなトラブルになるでしょう。

安易に引出しに応じていた場合、他の相続人から強い抗議を受けることになります。

ときには、銀行などの金融機関が相続トラブルに巻き込まれる可能性があります。

被相続人の大切な預貯金を守れなかったとなると、金融機関の信用は失墜します。

何としてでも信用失墜は、避けたいはずです。

信用失墜を避けるため、死亡を知ったら口座は凍結されます。

2相続放棄で相続人でなくなる

①相続放棄をするか単純承認するか選択できる

相続が発生したら、相続人は相続放棄をするか単純承認するか選択することができます。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。

②相続放棄が認められると相続放棄申述受理通知書が届く

相続放棄の申立てを受付けると、家庭裁判所は内容を審査します。

相続放棄が認められると、相続放棄申述受理通知書が届きます。

相続放棄申述受理通知書を見せると、家庭裁判所で相続放棄が認められたことが分かります。

③相続財産は他の相続人が引き継ぐ

相続人ではないから、被相続人の財産を一切引き継ぎません。

プラスの財産もマイナスの財産も、引き継ぐことはありません。

相続放棄した人は相続人でなくなるから、相続手続に関与することもなくなります。

相続財産は、他の相続人が引き継ぎます。

3口座凍結が相続放棄に及ぼす影響

①相続放棄をしても凍結解除されない

金融機関は相続トラブルに巻き込まれないため、口座を凍結しています。

相続放棄申述受理通知書だけ見せても、凍結した口座は解除されません。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄が認められた通知書に過ぎないからです。

遺産分割協議が成立しないと、金融機関が相続トラブルに巻き込まれるおそれがあります。

相続放棄をしても、口座の凍結解除はされません。

②相続放棄をすると相続関係が複雑化する

相続放棄が認められると、はじめから相続人でなくなります。

被相続人の子どもが相続放棄をすると、相続放棄した子どもは相続人でなくなります。

被相続人の子ども全員が相続放棄をすると、親などの直系尊属が相続人になります。

次順位相続人が相続人になるから、相続関係が複雑になります。

口座凍結解除のために提出すべき戸籍謄本が多くなります。

相続関係が複雑化するから、戸籍謄本を丁寧に点検する必要があります。

相続放棄した相続人がいると、口座凍結解除は難しくなることが一般的です。

③相続財産を利用処分すると単純承認

相続人は相続放棄をするか単純承認するか、選択することができます。

相続人が相続財産を利用処分すると、単純承認と見なされます。

相続財産を利用処分する行為は、単純承認を前提とした行為だからです。

相続財産である預貯金を引出して自分のために使う行為は、単純承認に該当します。

家庭裁判所が相続放棄を認める前後を通して、相続財産を利用処分してはいけません。

④家庭裁判所が相続放棄を認めても絶対ではない

相続放棄が認められたら、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届きます。

相続放棄申述受理通知書が届いても、絶対ではありません。

単純承認をしたのに、相続放棄をすることはできないからです。

詳しい事情が分からないまま、家庭裁判所は相続放棄を認めることがあります。

家庭裁判所は、提出された書類のみで審査をするからです。

債権者は裁判を提起して、相続放棄の効力を争うことができます。

単純承認をしたのに、相続放棄は認められません。

相続財産を利用処分したのに相続放棄をしたら、裁判で相続放棄が無効になります。

相続放棄が無効になると、被相続人の借金などを含めて相続することになります。

⑤施設費や医療費名目で引出すと単純承認のリスク

相続放棄をすると、被相続人の借金は一切引き継ぎません。

被相続人の施設費や医療費も、相続しません。

被相続人がお世話になった施設や病院の費用なのに、支払いをしないことに後ろめたい気持ちになるかもしれません。

施設費や医療費名目であれば引出して使ってもいいだろうと考えるのは、非常に危険です。

お世話になった施設や病院の費用だから支払っておきたいのであれば、相続財産ではなく固有の財産から支払うのがおすすめです。

固有の財産から支払うのであれば、単純承認のリスクはないからです。

⑥相当の葬儀費用の基準はあいまいで高リスク

大切な家族が死亡したら、葬儀を行います。

葬儀には、ある程度まとまった費用がかかります。

相当な葬儀費用であれば、預貯金から支出ができないわけではありません。

相当な費用とはいくらなのか、非常にあいまいです。

一律〇万円などと、明確な基準はありません。

債権者は債権回収のため、単純承認をしたと主張するでしょう。

相当な葬儀費用以上の費用を使ったから、単純承認であると争うでしょう。

葬儀費用を相続財産から支出するのは、非常にリスクが高いと言えます。

あえてトラブルになる方法をとる必要はありません。

葬儀費用は、葬儀の主宰者が負担するべきものです。

葬儀の主宰者が固有の財産で負担したのであれば、単純承認のリスクはないからです。

⑦仮払制度利用で単純承認のリスク

預貯金の口座が凍結すると、引出しや解約ができなくなります。

預貯金の仮払制度を利用すると、口座が凍結していても一定の範囲で引出ができます。

仮払い制度を利用すると、単純承認と見なされるおそれがあります。

相続放棄を検討するなら、仮払い制度の利用はおすすめできません。

相続財産を利用処分しないことが最も安全だからです。

4相続放棄後に口座凍結解除をする方法

①相続放棄した人は相続手続に関与しない

相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。

相続人でないから、相続財産に対する権限は一切ありません。

相続手続にも、一切関与しません。

相続手続は、他の相続人が行います。

②口座凍結解除をする流れ

手順(1)相続の発生を銀行に連絡

口座の持ち主が死亡したことを銀行に連絡します。

口座の持ち主が死亡したことを銀行が知った時点で、口座は凍結されます。

手順(2)相続財産調査

被相続人の財産を網羅的に調査します。

手順(3)相続放棄の申立て

相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択します。

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に相続放棄の申立てをします。

相続放棄の申立てができるのは、相続があったことを知ってから3か月以内です。

相続放棄の申立てをした人は、相続財産を利用処分しないことが重要です。

手順(4)相続人調査

戸籍謄本を収集して、相続人を確定します。

相続放棄をしたことで次順位の人が相続人になる場合、戸籍謄本の収集が難しくなります。

手順(5)遺産分割協議

相続人全員で遺産分割協議を成立させます。

遺産分割協議の内容は、遺産分割協議書に取りまとめます。

手順(6)銀行に口座凍結解除の手続

必要書類を取りまとめて、銀行に提出します。

提出書類に問題がなければ、半~1か月程度で口座凍結が解除されます。

③スムーズに口座凍結解除をする秘訣

秘訣(1)必要書類を早めに準備

戸籍謄本や印鑑証明書など、取得に時間がかかる書類は早めに準備します。

相続放棄をした人から相続放棄申述受理通知書を借りれるように、依頼しておくといいでしょう。

相続放棄申述受理通知書が借りれないときは、相続放棄申述受理証明書を発行してもらいます。

秘訣(2)遺産分割協議を進める

相続人が複数いる場合、遺産分割協議書が必要です。

預貯金のみ先に遺産分割協議をすることができます。

秘訣(3)必要書類は銀行に問合わせ

口座凍結解除に必要な書類は、銀行によって多少異なります。

銀行によっては独自ルールで、戸籍謄本や印鑑証明書に有効期限を決めています。

銀行に問合わせをして、ルールに合った戸籍謄本や印鑑証明書を準備します。

秘訣(4)原本還付を依頼する

口座凍結解除には、たくさんの戸籍謄本や印鑑証明書を提出します。

多くの銀行では、提出書類の原本還付を受付けています。

提出した書類をすみやかに原本還付してもらうと、他の銀行の手続を進めることができます。

5預貯金の口座凍結解除を司法書士に依頼するメリット

口座を凍結されてしまったら、書類をそろえて手続すれば解除してもらえます。

必要な書類は、銀行などの金融機関によってまちまちです。

手続の方法や手続にかかる期間も、まちまちです。

銀行内部で取扱が統一されていないことも多いものです。

窓口や電話で確認したことであっても、上席の方に通してもらえないことも少なくありません。

相続手続は、やり直しになることが多々あります。

口座凍結解除は、スムーズに手続できないことが多いのが現状です。

日常生活に不可欠な銀行口座だからこそ、スムーズに手続したいと思う方が多いでしょう。

凍結口座をスムーズに解除したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

遠方の相続人と遺産分割協議をして相続登記

2025-11-16

オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました

1 オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただく前に、どのようなことでお困りでしたか。

相続の手続の進め方がわからなかった

2 たくさんの事務所がある中から、オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただきまして、ありがとうございました。

オリーブの木司法書士事務所を知ったきっかけをお聞かせください。

ご紹介

3 オリーブの木司法書士事務所に相談をしてから依頼をするまで時間はかかりましたか。

また時間がかかったとしたらどんな理由がありましたか。

相談する為にインターネットに入力後、すぐに折り返しがあり

安心して書類等、整えることができた。

4 オリーブの木司法書士事務所に依頼するときに、重視したことをお聞かせください。

知人からの紹介

(どこに依頼すればよいか、不明だった為)

5 実際にオリーブの木司法書士事務所にご依頼いただいたご感想をお聞かせください。

メールのやりとりや、電話での対応

とても安心して不明な点を解決することができ

おまかせしてよかったと思います。

6 このアンケートをオリーブの木司法書士事務所のホームページやパンフレット等に掲載してよろしいでしょうか。

イニシャルを掲載してよい

イニシャル N.N さま

オリーブの木司法書士事務所からコメント

オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました。

N.N さまから、お父さまの相続登記をご依頼いただきました。

相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定する必要があります。

今回の相続では、一部の相続人が遠方に住んでおり会うことが難しい状況でした。

電話やメールを利用して、遺産分割協議をすることができます。

電話やメールで、相続財産の分け方の合意ができるからです。

相続人全員で合意した後、合意内容は遺産分割協議書に取りまとめました。

相続人全員が遺産分割協議書に記名し、実印で押印していただきました。

相続人が遠方に住んでいても、遺産分割協議を成立させることができました。

相続人全員の協力があったから、無事相続登記が完了しました。

今回、ご依頼をいただきましてありがとうございました。

一部の財産だけ先に遺産分割協議ができる

2025-11-14

1一部の財産だけ先に遺産分割協議ができる

①相続人全員の合意で遺産分割協議成立

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

相続人全員の合意で、遺産分割協議が成立します。

②相続人全員の合意があれば一部の財産の遺産分割ができる

相続人全員の合意がないと、遺産分割協議が成立しません。

相続人全員の合意があれば、遺産分割協議が成立します。

相続人全員の合意があれば、一部の財産だけの遺産分割協議を成立させることができます。

民法改正で、一部のみの遺産分割ができることが明文化されました。

全財産まとめて合意しなければならないといったルールはありません。

全財産まとめて合意しなくても、遺産分割協議が無効になることはありません。

一部の財産だけであっても、有効に遺産分割協議を成立させることができます。

③一部の財産だけ先に遺産分割をする典型的ケース

ケース(1)生活費確保などで預金を引出し

相続人の中には、被相続人の財産で生活していることがあります。

預貯金などの口座の持ち主が死亡すると、口座が凍結されます。

口座の凍結とは、口座取引を停止することです。

口座が凍結すると、ATMや窓口で引出しなどができなくなります。

生活費の支払いのため、生活費の口座だけ先に遺産分割協議をすることができます。

生活費確保などで預金を引出したい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。

ケース(2)事業承継に空白期間を防ぎたい

被相続人が事業を行っていることがあります。

事業を引き継ぐ人が事業用財産を引き継ぐ必要があります。

スムーズな事業承継のため、事業用財産だけ先に遺産分割協議をすることができます。

すみやかに事業を引き継ぐ人が事業用財産を引き継ぐと、空白期間を防ぐことができます。

事業承継に空白期間を防ぎたい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。

ケース(3)相続財産調査途中で判明した財産だけで手続をしたい

被相続人が保有する財産が多種類かつ複数見つかることがあります。

例えば海外不動産や所在不明の財産があると、相続財産調査には非常に時間がかかります。

相続財産の全容が判明しなくても、遺産分割協議を成立させることができます。

相続人全員の合意があれば、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させることができるからです。

判明した財産だけで遺産分割協議をし、相続手続を進めることができます。

相続財産調査途中で判明した財産だけで手続をしたい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。

ケース(4)不動産をすみやかに売却したい

不動産の売却交渉中に、売主が死亡することがあります。

買主が決まって価格交渉が進んでいると、売買契約を急ぐ必要があるでしょう。

売買契約を急ぐ不動産についてのみ、遺産分割協議をすることができます。

不動産をすみやかに売却したい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。

ケース(5)相続税の納税資金を確保

相続財産全体の規模一定以上である場合、相続税の申告と納税が必要です。

相続税の申告と納税の期限は、相続が発生してから10か月です。

納税期限が迫っている場合、預貯金や有価証券など換金性が高い財産を先に分割することが有効です。

遺産分割協議が成立しなくても、相続税の申告と納税の期限は延長されないからです。

相続税の納税資金を確保するため、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。

④一部の財産だけ先に遺産分割協議をする注意点

注意(1)相続人全員の合意が不可欠

遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が不可欠です。

1人でも反対すると、遺産分割協議が成立しません。

合意内容は、文書に取りまとめます。

遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容の証明書です。

相続人全員に合意内容に間違いがないか、確認してもらいます。

遺産分割協議書に、相続人全員の記名と実印による押印が必要です。

一部の財産だけ先に遺産分割協議をする場合であっても、相続人全員の合意が不可欠です。

注意(2)新たに見つかった財産はあらためて遺産分割協議

一部の財産だけ遺産分割協議を成立させた場合、残りの財産は未分割のままです。

新たに見つかった財産は、あらためて遺産分割協議が必要です。

注意(3)相続財産全体で不公平になる可能性

相続財産には、さまざまな種類の財産があるでしょう。

不動産は、分けにくい財産の代表例です。

預貯金や現金は、分けやすい財産の代表例です。

先に分割した財産が分けやすい財産である一方で、後に残る財産が分けにくい財産であることがあります。

不動産は、換金が難しく使いにくいことがあります。

預貯金は、換金しやすく使いやすいでしょう。

先に分割した財産が換金しやすく使いやすい財産である一方で、後に残る財産が換金しにくく使いにくい財産であることがあります。

先に分割した財産の内容が後の遺産分割協議に影響し、相続人間の話合いが進まなくなるかもしれません。

相続財産全体で見ると、不公平になることがあります。

注意(4)一部の財産の遺産分割であることを相続人全員で共有

一部の財産のみ遺産分割をした場合、後日あらためて遺産分割協議が必要になるでしょう。

一部の財産の遺産分割協議であることを相続人間で共有します。

2一部の財産だけの遺産分割協議書で相続手続ができる

①不動産のみの遺産分割協議書で相続登記ができる

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。

相続登記とは、相続による不動産の名義変更です。

遺産分割協議が成立したら、すみやかに相続登記をします。

不動産のみの遺産分割協議書で、相続登記ができます。

②預貯金のみの遺産分割協議書で口座凍結解除ができる

預貯金などの口座の持ち主が死亡すると、口座が凍結されます。

遺産分割協議が成立したら、口座凍結解除ができます。

預貯金のみの遺産分割協議書で、口座凍結解除ができます。

③株式のみの遺産分割協議書で口座凍結解除ができる

被相続人が株式投資をしていた場合、証券会社などに口座を持っているでしょう。

証券会社などの口座の持ち主が死亡すると、口座が凍結されます。

遺産分割協議が成立したら、口座凍結解除ができます。

株式のみの遺産分割協議書で、口座凍結解除ができます。

④自動車のみ遺産分割協議書で名義変更ができる

被相続人が自動車を保有していた場合、自動車の名義変更をします。

普通車は運輸支局で、軽自動車は軽自動車検査協会で名義変更をします。

自動車のみ遺産分割協議書で、名義変更ができます。

⑤財産ごとに遺産分割協議書を作成できる

一部の財産だけ先に、遺産分割協議をすることができます。

相続人全員の合意ができたら、速やかに合意内容を文書に取りまとめます。

後から一部の相続人が合意はなかったと、言い出すかもしれないからです。

文書にしておかないと、相続人間のトラブルに発展します。

一部の財産だけの遺産分割協議は、有効です。

一部の財産だけ記載した遺産分割協議書は、有効です。

財産ごとに、遺産分割協議書を作成することができます。

財産ごとに遺産分割協議書を作成した場合、遺産分割協議書が複数になります。

遺産分割協議書が複数であっても、まったく問題はありません。

⑥遺産分割調停と併用ができる

一部の財産だけ遺産分割協議が成立した後、残りの財産について合意ができないことがあります。

遺産分割調停とは、家庭裁判所の助力を得てする相続人の話合いです。

残りの財産について、遺産分割調停を利用することができます。

調停申立書には「協議済みの財産は除外し、未分割の財産のみを対象とする」旨を明記します。

相続人のみで話し合いをすると、感情的になって話し合いが難しいかもしれません。

中立的立場の調停委員の客観的なアドバイスを受けると、相手の意見を聞くことができることがあります。

調停委員のアドバイスを受けながら、相続人全員の合意を目指します。

3相続登記義務化で3年以内に相続登記

①3年以内に相続登記をしないとペナルティー

相続登記には、3年の期限が設けられました。

3年以内に相続登記をしないと、ペナルティーの対象になります。

ペナルティーの内容は、10万円以下の過料です。

相続登記義務化は、令和6年4月1日にスタートしました。

令和6年4月1日以前に発生した相続も令和6年4月1日以降に発生した相続も、対象です。

令和6年4月1日以前の相続は、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。

②一部だけ登記をしても相続登記の義務はある

一部の財産だけ遺産分割協議が成立した場合、遺産分割協議が成立した不動産についてのみ相続登記をすることができます。

一部の不動産だけ相続登記をしても、残りの不動産について相続登記の義務があります。

すべての財産について相続登記をしないと、相続登記の義務を果たしたとは言えません。

③遺産分割未了でも相続登記義務化

不動産は、分けにくい財産です。

不動産の分け方を巡って、相続人の話合いがつかないことがあります。

遺産分割協議成立後に、相続登記をするのが一般的です。

遺産分割未了であっても、相続登記の義務は免れられません。

④相続人申告登記でペナルティーを回避

相続登記義務化によって、相続人申告登記の制度がスタートしました。

相続人申告登記とは、相続人であることを申告する制度です。

相続登記ができなくても相続人申告登記をすると、相続登記の義務を果たしたと判断されます。

相続人申告登記で、相続登記義務化のペナルティーを回避することができます。

4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。

書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。

もともとトラブルの火種があるのなら、いっそう慎重になる必要があります。

遺産分割協議書は公正証書にしなくても済むことが多いものですが、慎重を期して公正証書にした方がいい場合があります。

せっかくお話合いによる合意ができたのに、その後にトラブルになるのは残念なことだからです。

公正証書にするためには、手間と費用がかかります。

公正証書にする手間と費用を惜しむと、裁判をするなど大きな手間と高額な費用を負担することになります。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を公正証書にしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続人申告登記の注意点とおすすめのケース

2025-11-12

1相続人申告登記でペナルティーを回避する

①令和6年4月1日相続登記義務化がスタート

所有権移転登記をしない場合、所有者はソンをします。

不動産に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者のはずなのに権利主張ができないからです。

不動産には不便な場所にあるなどの理由で、価値が低い土地が存在します。

所有者にとって利用価値が低い土地に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者として権利主張する必要を感じないかもしれません。

相続登記は、手間のかかる手続です。

自分で相続登記をしようとするものの、多くの人は挫折します。

相続登記をする場合、登録免許税を納付しなければなりません。

相続登記を専門家に依頼する場合、専門家に報酬を支払う必要があります。

不動産の価値が低い場合、相続登記で手間と費用がもったいないと考える人が少なくありません。

相続登記がされない場合、登記簿を見ても土地の所有者が分からなくなります。

所有者不明の土地の発生を防止するため、相続登記をすることは義務になりました。

相続登記義務化は、令和6年4月1日スタートです。

②相続人申告登記で相続登記の義務を果たす

相続登記は、3年以内に申請しなければなりません。

相続登記の申請義務を果たしていない場合、ペナルティーが課されます。

令和6年4月1日以前に発生した相続であっても、ペナルティーが課される予定です。

相続登記は、手間がかかる難しい手続です。

相続人申告登記は、相続登記より簡単に手続をすることができます。

相続人申告登記をすることで、相続登記の義務を果たすことができます。

3年の期限内に相続人申告登記をした場合、ペナルティーを免れることができます。

③相続人申告登記をしても被相続人名義のまま

相続人申告登記は、相続登記の義務を守るためだけの制度です。

相続登記の代わりにはなりません。

相続人申告登記をしても、所有者は被相続人のままです。

相続人申告登記で、相続人であることが付記されます。

申告人が相続人であることが公示されるに過ぎません。

相続人申告登記をしても、登記名義は被相続人のままです。

④相続人申告登記で期限管理の負担がなくなる

相続人申告登記をすると、相続登記の義務を果たした扱いがされます。

相続人申告登記で、ペナルティー10万円を回避することができます。

期限管理の負担から解放されて、落ち着いて相続手続をすることができます。

2 相続人申告登記の注意点

注意①相続人申告登記だけで売却ができない

相続人申告登記をしても、ペナルティー回避の効果しかありません。

相続人申告登記をしても、あらためて相続登記が必要になります。

相続人申告登記には、相続登記の効果はないからです。

相続が発生した後、不動産を売却したいことがあるでしょう。

不動産の売却をする場合、相続登記を省略できません。

相続登記をしないと、買主に登記を移転させることができないからです。

所有権移転登記ができないと、買主は困ります。

所有者として権利主張する場合、登記が条件となるからです。

相続登記をしないと、事実上売却はできないでしょう。

相続人申告登記だけで、売却ができません。

注意②相続人申告登記をしても相続登記が必要

相続人申告登記をした場合、登記義務を果たしたと見なされます。

相続人申告登記をすると、ペナルティー10万円を回避することができます。

ペナルティーを回避できるだけで、相続登記がされていません。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続人全員の合意で遺産分割協議が成立したら、相続登記が必要です。

相続人申告登記をした後で、あらためて相続登記が必要になります。

ペナルティーを回避できるだけだから、2度手間と言えます。

相続人申告登記をした後であらためて、相続登記が必要です。

注意③他の相続人にペナルティーのおそれ

一部の相続人が相続人申告登記をすることができます。

相続人全員の協力がなくても、相続人申告登記をすることができます。

相続人申告登記をすることでペナルティー回避できるのは、申告した人のみです。

相続人は複数いることが多いでしょう。

相続人申告登記でペナルティー回避をする場合、相続人全員が手続をする必要があります。

一部の相続人のみが相続人申告登記をした場合、他の相続人にペナルティーが課されるおそれがあります。

注意④相続人代表者と見られて固定資産税

相続人申告登記をした場合、登記されます。

不動産の登記簿謄本は、手続し手数料を払えばだれでも取得することができます。

不動産を所有していると、固定資産税が課されます。

遺産分割協議中であっても、固定資産税は課されます。

遺産分割協議中の固定資産税は、相続人全員の連帯責任です。

市区町村は、原則として、相続人代表者に納税通知書を送ります。

相続人申告登記をした場合、市区町村から相続人代表者と見られるでしょう。

注意⑤あやしい不動産業者から営業

不動産の登記簿謄本は、手続し手数料を払えばだれでも取得することができます。

ときには不動産業者が取得することがあります。

相続人申告登記がされている場合、相続人間でトラブルがあることが想像されるでしょう。

不動産の共有持分を売ってほしいなどの営業を受けることがあります。

相続人申告登記をした場合、あやしい不動産業者のターゲットになるかもしれません。

3相続人申告登記がおすすめのケース

ケース①遺産分割協議難航で長期化

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

多くの場合、遺産分割協議が成立した後に相続登記をします。

遺産分割協議が難航すると、相続人全員の合意が難しくなります。

遺産分割協議中であっても、相続登記の義務があります。

遺産分割協議が長期化したまま相続登記をしないと、ペナルティーの対象になります。

相続人申告登記をすると、ペナルティーを回避することができます。

遺産分割協議難航で長期化するケースでは、相続人申告登記をするのがおすすめです。

ケース②一部の相続人と連絡が取れない

遺産分割協議成立のためには、相続人全員の合意が不可欠です。

さまざまな家族の事情から、一部の相続人と連絡が取れないことがあります。

連絡が取れない相続人がいると、遺産分割協議を成立させることが難しくなります。

一部の相続人だけで、相続人申告登記をすることができます。

相続人申告登記をすると、ペナルティーを回避することができます。

一部の相続人と連絡が取れないケースでは、相続人申告登記をするのがおすすめです。

ケース③海外在住の相続人がいる

相続人調査をすると、一部の相続人が海外に在住していることがあります。

遺産分割協議書は、実印で押印をして印鑑証明書を添付するのが原則です。

ほとんどの場合、海外在住の相続人は印鑑証明書を取得することができません。

代わりに領事館などで、署名証明書を取得する必要があります。

書類の準備や郵送するために、時間と手間がかかります。

相続人申告登記をすると、期限のプレッシャーから解放されることができます。

海外在住の相続人がいるケースでは、相続人申告登記をするのがおすすめです。

ケース④売却予定なら相続登記

相続人申告登記をしても、登記名義は被相続人のままです。

相続人申告登記をしても、だれが所有者になるのか分からないと言えます。

だれが所有者になるのか、遺産分割協議で決めるからです。

相続した不動産を売却する予定である場合、相続登記をするのがおすすめです。

相続人申告登記をしても、あらためて相続登記が必要です。

売却予定のケースでは、相続登記をするのがおすすめです。

4相続登記を放置するリスク

リスク①遺産分割協議が難しくなる

相続が発生したときには元気だった相続人が後に、死亡することがあります。

数次相続が発生すると、死亡した相続人の相続人が遺産分割協議に参加します。

死亡した相続人の相続人は、関係が薄いことが多いでしょう。

関係が薄い相続人がいると、話し合いが難しくなります。

相続登記を放置すると、遺産分割協議が難しくなります。

リスク②不動産の利活用ができない

不動産は、分けにくい財産の代表例です。

不動産を売却して、金銭で分ける方法が有効です。

相続登記をしていないと、不動産は事実上売却できません。

相続登記をしていないと、所有者が分からないからです。

所有者が分からないのに、不動産を取引するとトラブルに巻き込まれるおそれがあります。

トラブルを避けるため、不動産の購入を諦めるでしょう。

相続登記を放置すると、不動産を売却できなくなります。

リスク③第三者と共有の可能性

遺産分割協議中は、相続人全員が法定相続分で共有していると言えます。

相続人全員が法定相続分で共有していると、登記することができます。

相続人全員が法定相続分で共有する相続登記は、相続人が単独で申請することができます。

他の相続人が何も知らないところで、相続人全員の法定相続分で相続登記ができてしまいます。

法定相続分で相続登記をした後、不動産の持分を売却することができます。

あまり知られていませんが、持分を買い取る専門の業者がいます。

相続人が共有持分を売却すると、第三者と不動産を共有することになります。

相続登記を放置すると、第三者と共有の可能性があります。

リスク④費用負担で相続人間のトラブル

複雑な相続になると、サポートに手間と時間がかかります。

相続登記を放置して複雑な相続になると、司法書士費用が高くなるでしょう。

複雑な相続になると、余計な司法書士費用がかかります。

相続登記を放置すると、費用負担で相続人間のトラブルになります。

5相続人申告登記のやり方

①登記名義人の相続人が申出

相続人申告登記は、登記名義人の相続人であることを公示する制度です。

登記名義人の相続人が相続人申告登記をすることができます。

相続人申告登記では、次の事項を申出します。

(1)申出人の氏名及び住所

(2)代理人の氏名及び住所

(3)申出の目的

(4)申出に係る不動産の所在事項

②相続人申告登記の必要書類

配偶者または子どもが相続人申告登記をする場合、必要書類は次のとおりです。

(1)被相続人の除票

(2)被相続人の戸籍謄本

(3)申出人の戸籍謄本

(4)申出人の住民票

(5)委任状

③相続人申告登記で登録免許税はかからない

相続人申告登記では、登録免許税は課されません。

④提出先は不動産を管轄する法務局

相続人申告登記は、不動産の所在地を管轄の法務局へ提出します。

法務局の管轄は、法務局のホームページで調べることができます。

⑤郵送で申請できる

相続人申告登記の申出書は、紙で作成することができます。

紙で作成した相続人申告登記の申出書は、郵送で提出することができます。

⑥代理できるのは司法書士と弁護士のみ

相続人申告登記は、相続登記とちがいカンタンに手続できます。

相続人申告登記を依頼できるのは、司法書士と弁護士のみです。

無報酬で1回限りであれば、家族に依頼することができます。

代理申請をする場合、委任状が必要です。

6相続登記を司法書士に依頼するメリット

大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。

やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。

相続手続は、一生のうち何度も経験するものではありません。

だれにとっても不慣れで、手際よくできるものではありません。

相続手続で使われる言葉は、法律用語です。

一般の方にとって、日常で聞き慣れないものでしょう。

不動産は重要な財産であることも多いものです。

登記手続は一般の方から見ると些細なことと思えるようなことで、やり直しになります。

日常の仕事や家事のうえに、これらのことがあると、疲労困憊になってしまうことも多いでしょう。

司法書士などの専門家から見れば、トラブルのないスムーズな相続手続であっても、多くの方はへとへとになってしまうものです。

相続手続に疲れてイライラすると、普段は温厚な人でも、トラブルを引き起こしかねません。

司法書士などの専門家は、このような方をサポートします。

相続手続でへとへとになったから先延ばしするより、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

死亡した人の借金を払わない方法

2025-11-10

1死亡した人の借金を払わない方法

①借金は相続財産

相続が発生したら、被相続人の権利義務は相続人が相続します。

相続とは、被相続人の権利義務を一切承継することです。

被相続人のプラスの財産だけでなくマイナスの財産も、相続の対象です。

被相続人が借金を抱えて死亡した場合、借金は相続人が相続します。

借金も、相続財産のひとつだからです。

②相続放棄をすると一切財産を引き継がない

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続放棄とは、被相続人の財産を一切引き継がない手続です。

相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄が認められると、借金を一切引き継ぎません。

相続放棄が認められると、プラスの財産を一切引き継ぎません。

③遺産分割協議は内部的合意

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

被相続人が抱えていた借金は、相続財産です。

借金をだれが相続するのか、遺産分割協議で決めることができます。

遺産分割協議で借金を相続する人を決めても、相続人の内部的合意です。

債権者には関係ない、相続人間の合意に過ぎません。

債権者は相続人全員に対して法定相続分で、借金の返済を求めることができます。

遺産分割協議で相続する人を決めたから、借金の返済をしたくないと文句を言うことはできません。

遺産分割協議は、相続人の内部的合意だからです。

全債権者の承諾を得て債務引受契約を締結した場合、借金を逃れることができます。

④限定承認のハードルは非常に高い

(1)相続人全員が共同で申立てが必要

限定承認とは、相続財産の範囲内でのみ債務を清算する制度です。

限定承認は、魅力的に見えるかもしれません。

限定承認は、相続人全員が共同で家庭裁判所に申立てをする必要があります。

相続人全員の協力ができない場合、限定承認は事実上できないでしょう。

疎遠な相続人がいる場合、相続人全員の協力は困難です。

(2)一部の相続人が財産処分すると単純承認になる

相続人が相続財産を処分をすると、単純承認をしたと見なされます。

相続財産の処分は、単純承認を前提とした行為と判断されるからです。

一部の相続人が財産処分をすると、限定承認はできません。

限定承認は、相続人全員が共同で申し立てする必要があるからです。

(3)財産目録作成などの手続が煩雑

相続財産調査の結果を相続財産目録に取りまとめて、家庭裁判所に提出します。

書類を準備するために、時間と手間がかかります。

申立ての期限3か月以内に、書類を準備する必要があります。

(4)清算手続が煩雑

債権者に対して官報公告を行い、債権の申出を受けます。

債権の有効性や順位を考慮しながら、相続財産を換価して配分します。

知識がない相続人が手続するのは、非常に困難です。

弁護士や司法書士などの専門的助言が必要になるでしょう。

手続コストが非常に高額になることが予想されます。

(5)債権者への弁済処理が煩雑

債権者が多数いる場合、対応が煩雑になります。

債権の存在や金額に争いがある場合、裁判手続が必要になるでしょう。

(6)相続財産管理人の選任が必要になる

相続人が清算手続をするのは、相当に困難です。

家庭裁判所に相続財産管理人の選任が必要になるでしょう。

相続財産管理人報酬や手続費用が高額になる可能性があります。

2判断の前に相続財産調査が欠かせない

①相続人であることは戸籍謄本で証明

相続を単純承認するか相続放棄をするか選択するため、相続財産調査が欠かせません。

単純承認をすると、莫大な借金を引き継ぐ可能性があります。

相続放棄をすると、借金以上のプラスの財産があっても引き継ぐことはできません。

被相続人の財産状況は、重要な個人情報です。

みだりに調べることはできません。

相続人であることを証明すれば、被相続人の財産状況を調べることができます。

相続人であることは、戸籍謄本で証明します。

戸籍とは、被相続人の身分関係を記録した帳簿です。

戸籍謄本を確認すると、出生や死亡、婚姻や離婚、養子縁組や離縁などの身分事項が分かります。

例えば被相続人の子どもが相続人である場合、次の戸籍謄本で相続人であることを証明できます。

・被相続人の死亡が記載された戸籍謄本

・相続人の現在戸籍

相続財産調査をするため、最初に戸籍謄本を取得します。

②各相続人が単独で相続財産調査ができる

各相続人が単独で、相続財産調査をすることができます。

他の相続人の有無を調べることなく、相続財産調査をすることができます。

相続手続をする場合、被相続人の死亡が記載された戸籍謄本のみでは不足です。

遺産分割協議は、相続人全員の合意がないと成立しないからです。

相続人全員を確認するため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を準備します。

相続財産調査をする場合、他の相続人の協力は不要です。

各相続人が単独で、相続財産調査をすることができるからです。

③相続財産を調べる方法

(1)預貯金の調査方法

自宅などを探して、被相続人の通帳やキャッシュカードを確認します。

通帳やキャッシュカードが見つからなくても、金融機関から郵便物が保管してあるかもしれません。

パソコンのメールやスマートフォンのアプリなどから、手掛かりが見つかるかもしれません。

郵便物などを手掛かりに、金融機関に確認します。

(2)不動産の調査方法

自宅などを探して、固定資産税納税通知書と課税明細書を確認します。

課税明細書を確認すると、固定資産税が課される不動産が分かります。

課税明細書が見つからない場合、市区町村役場で名寄帳を請求します。

名寄帳とは、固定資産税の課税台帳を取りまとめた書類です。

不動産が把握できたら、登記簿謄本を取得します。

(3)株式の調査方法

被相続人が株式投資をしている場合、証券会社などで証券口座を持っているでしょう。

証券会社の証券口座は、銀行などの預貯金口座と異なり通帳はありません。

証券会社での取引内容は、取引報告書で確認します。

パソコンのメールやスマートフォンのアプリなどから、手掛かりが見つかるかもしれません。

郵便物などを手掛かりに、証券会社に確認します。

(4)借金の調査方法

自宅などを探して、借用書や契約書を確認します。

借用書や契約書が見つからなくても、債権者から郵便物が保管してあるかもしれません。

パソコンのメールやスマートフォンのアプリなどから、手掛かりが見つかるかもしれません。

郵便物などを手掛かりに、債権者に確認します。

信用情報機関に照会することで、被相続人の借金を調査することができます。

信用情報機関は、次の3つがあります。

・日本信用情報機構(JICC)

・株式会社シー・アイ・シー(CIC)

・全国銀行協会全国銀行個人信用情報センター(KSC)

(5)公租公課の調査方法

公租公課とは、国や地方自治体に対する公的負担です。

税金や健康保険料などの賦課金があります。

自宅などを探して、納税通知書を確認します。

公租公課は、信用情報に登録されていません。

信用情報機関へ照会しても、公租公課は調査できません。

④借金の消滅時効が完成している可能性

消滅時効とは、長期間権利行使をしない場合に権利が行使できなくなる制度です。

債権者は、借金を払って欲しいと請求する権利があります。

債務者の事情を察して、借金を請求せずに長期間経過することがあります。

借金を請求せずに長期間経過した場合、条件にあてはまれば権利行使が許されなくなります。

非常に古い借金である場合、消滅時効が完成している可能性があります。

消滅時効によって利益を受けるか受けないか、各相続人が判断することができます。

時効を援用する場合、時効援用を通知します。

一部の相続人だけが時効援用通知をした場合、通知した相続人だけ効果があります。

被相続人の借金の消滅時効を援用したら、プラスの財産を相続することができます。

消滅時効の援用は、単純承認と考えられます。

単純承認をすると、相続放棄ができなくなります。

消滅時効の援用を希望する場合、司法書士などの専門家に相談するのがおすすめです。

3相続放棄をする方法

①申立先

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

最後の住所地は、被相続人の住民票を取得すると判明します。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで確認することができます。

②相続放棄ができる人

相続人です。

未成年は、親などの親権者が代理して手続します。

③必要書類

相続放棄の申立てに添付する書類は、次のとおりです。

・被相続人の住民票または戸籍の附票

・被相続人の戸籍謄本

・相続人の戸籍謄本

④手数料

相続放棄を希望する人1名につき800円です。

手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。

手数料とは別に、家庭裁判所が手続で使う郵便切手を予納します。

予納切手の額面や枚数は、家庭裁判所ごとに異なります。

4相続放棄をするときの注意点

注意①相続放棄は家庭裁判所で手続

相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。

家庭裁判所の手続なしで、相続放棄はできません。

家庭裁判所で相続放棄が認められないと、借金を引き継がないという効力はありません。

注意②相続放棄の期限3か月のスタートは知ってから

相続放棄には、期限があります。

相続があったことを知ってから、3か月です。

「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。

被相続人が死亡してから3か月以上経過しても、相続放棄ができることがあります。

被相続人が死亡しても、相続があったことを知らないことがあるからです。

被相続人が死亡してから3か月以上経過した場合、上申書の提出が有効です。

上申書には、いつ相続があったことを知ったのか詳細に記載します。

相続があったことを知ってから3か月以内でないと、家庭裁判所は相続放棄を認めないからです。

注意③財産処分利用で単純承認

相続財産を処分すると、単純承認と見なされます。

相続放棄を検討する場合、相続財産に手を付けないことがおすすめです。

単純承認をすると、相続放棄をすることはできません。

家庭裁判所が事情が分からないまま、相続放棄を認めてしまうかもしれません。

債権者は裁判などを提起して、相続放棄は認められないと争うことができます。

相続財産を処分利用すると、相続放棄が後から無効になります。

注意④相続人でなくなると次順位相続人

相続放棄が認められると、はじめから相続人でなくなります。

被相続人の子どもが相続放棄をすると、相続人でなくなります。

被相続人の子ども全員が相続放棄をすると、親などの直系尊属が相続人になります。

家庭裁判所は相続放棄を認めても、自主的に次順位相続人に通知しません。

次順位相続人に通知する義務はないけれど、通知してあげると親切です。

注意⑤熟慮期間伸長の申立てができる

相続放棄の期限は、たったの3か月です。

相続財産の内容が非常に複雑で多種類である場合、3か月では調査が終了しないことがあります。

相続財産調査に時間がかかる場合、家庭裁判所に対して熟慮期間伸長の申立てをすることができます。

家庭裁判所の判断で、3か月の期限を3か月程度伸長してもらうことができます。

5相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄は、その相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続を取ることはできますが、高等裁判所の手続で、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続が発生してから3か月以内に届出ができなかったのは止むを得なかったと家庭裁判所に納得してもらって、はじめて、家庭裁判所は相続放棄を認めてくれます。

通常は家庭裁判所に対して、上申書や事情説明書という書類を添えて、説得することになります。

司法書士であれば、家庭裁判所に認めてもらえるポイントを承知しています。

認めてもらいやすい書類を作成することができます。

相続放棄を考えている方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

売買契約後に売主死亡で相続登記が必要になる

2025-11-05

1売買契約後に売主が死亡しても契約は消滅しない

①契約上の地位は相続財産

不動産などの売買契約をすると、売主と買主に権利義務が発生します。

売買契約を締結した後に売主が死亡しても、売買契約は消滅しません。

契約上の地位とは、売買契約に伴って発生する財産上の権利義務の集合体です。

売主が死亡しても、売主の権利義務は存続します。

売買契約は、存続するからです。

売主の権利義務は、相続財産です。

契約上の地位は、相続人全員に相続されます。

②不動産売買では所有権移転時期の特約がある

売買契約を締結したら、締結時に所有権が移転するのが原則です。

不動産の売買契約では、所有権移転時期の特約があるのが一般的です。

売買代金全額の支払時に、所有権が移転する内容の特約です。

不動産の売買契約を締結しても代金支払まで、不動産の所有者は売主のままです。

代金支払前に売主が死亡した場合、不動産は売主の相続人が相続します。

不動産は、売主の財産だからです。

③契約の履行が難しいとき手付解除が選択肢

売買契約締結後に売主が死亡しても、売買契約は消滅しません。

現実には、相続人間で意見が対立して、契約を履行できなくなることがあります。

相続人間で意見対立が長期化すると、買主が待てなくなることがあるでしょう。

手付解除によって、売買契約を白紙にすることができます。

手付解除をする場合、相続人全員の合意が必要です。

手付解除とは、契約締結時に交付された手付金を放棄または返還することで、一方的に解除できる制度です。

手付解除をするためには、契約内容や状況の確認が必要です。

2売買契約後に売主死亡で相続登記が必要になる

①売買契約後で代金支払前の所有者は売主のまま

不動産の売買契約を締結しても、所有者は売主のままです。

売買契約後で代金支払前に、売主が死亡することがあります。

不動産の所有者が死亡した場合、不動産は相続財産です。

不動産は、売主の相続人が相続します。

②相続登記は省略できない

被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。

相続登記とは、相続による不動産の名義変更です。

売買契約締結後で代金支払前に売主が死亡した場合、相続登記は省略できません。

死亡した売主から直接買主に、所有権移転登記をすることはできません。

③相続登記が必要になる理由

不動産登記は、不動産の権利移転を公示する履歴書です。

現在の所有者だけでなく、所有権移転の過程を正確に公示する必要があります。

正確な公示ができていないと、登記制度の信頼を失います。

登記制度が正確に運用されているからこそ、不動産取引の安全と信用が保たれています。

現実においても、売主→相続人→買主と所有権が移転しています。

相続人は不動産を相続しているのだから、相続登記は省略できません。

相続登記をしないまま売買による所有権移転登記を申請すると、登記申請は却下されるでしょう。

相続登記は、登記制度全体の公示機能を維持するため不可欠な手続です。

④相続登記には時間がかかる

相続登記には、時間がかかります。

相続登記を申請すると、登記簿謄本の発行が停止されます。

不動産の権利関係を確認しないまま、代金を支払うのは不安でしょう。

代金支払直前に売主が死亡した場合、支払日の変更の打合せをします。

支払日は、相続登記完了後に変更するといいでしょう。

相続登記のための書類を準備するためにも、時間がかかります。

相続登記を申請してから登記完了まで、半~1か月程度見込むのが現実的です。

相続登記を軽く考えると、代金支払日に登記簿を確認できません。

契約の履行全体が滞る可能性があります。

⑤相続登記完了後に売買による所有権移転登記

実務では相続登記と売買による所有権移転登記は、司法書士がまとめて依頼を受けています。

まとめて依頼しても、相続登記完了を確認してから、売買による所有権移転登記をします。

相続登記に誤りや書類不備があると、売買による所有権移転登記ができないからです。

買主は代金を支払っているのに、登記名義を取得できなくなります。

重大な事故と、言えます。

登記制度は、不動産の権利関係を公示する制度です。

所有権移転の過程を正確に公示するため、相続登記を完了させることが前提です。

相続登記完了を確認してから、売買による所有権移転登記をするのが安全で確実です。

⑥相続人が相続登記をしないときの対応

(1)相続人が相続登記を拒否できない

売買契約後に売主死亡した場合、相続登記が必要です。

相続人の身勝手な理由で、相続登記を省略することはできません。

相続登記はやりたくないなどと、相続人が勝手に決めることはできません。

相続登記をしないと、買主に所有権移転登記をすることができません。

所有権移転の過程を正確に公示できないと、登記制度の信頼を失います。

登記制度の信頼を失わせるような申請は、法務局が認めるはずがありません。

売主の相続人が相続登記は不要だと言っても、法的な意味がありません。

(2)買主は相続登記を強制できない

買主には、相続人に相続登記を強制する権限はありません。

相続登記を申請するのは、売主の相続人です。

買主が勝手に相続登記をすることはできません。

(3)買主は契約解除ができる

相続登記を拒否すると、契約を履行できなくなります。

売主の債務不履行を理由として、売買契約を解除することができます。

(4)手付金は返還請求ができる

売主の債務不履行を理由として売買契約を解除する場合、手付金は返還請求ができます。

売主の債務不履行が理由だからです。

手付損で解除するわけではないからです。

同様に、違約金を払う必要もありません。

(5)相続人に協力を求めるのが現実的

相続登記をするためには、戸籍謄本の収集や遺産分割協議などで時間がかかります。

相続人は、契約上の地位を相続しています。

売主の相続人に対して、相続登記を行うように誠実に求めることが現実的です。

売主の相続人と買主間で、契約の履行期について合意をするといいでしょう。

相続登記をしないと、買主は代金を支払っても登記名義を変更することができません。

登記簿上の所有者になっていないと、第三者に権利主張をすることができません。

協力的な雰囲気の中で相続登記を行い、買主へ売買による所有権移転登記をするのが円滑です。

誠実に相続人に協力を求めるのが、現実的な対応です。

3代金支払後で登記未了のまま売主が死亡

①代金支払時に所有権は移転する

親族間など信頼関係がある間柄で、不動産を売買することがあります。

売買契約締結後、代金を支払います。

代金支払時に、所有権は買主に移転します。

②所有権移転登記をする権利と義務を相続する

通常、売主と買主から依頼を受けて、司法書士が所有権移転登記を代理します。

親族間など信頼関係がある間柄では、所有権移転登記を先延ばしすることがあります。

売買契約の当事者は、お互いに所有権移転登記をする権利と義務があります。

所有権移転登記をする義務を果たさないまま、売主が死亡することがあります。

所有権移転登記をする権利と義務は、相続されます。

所有権移転登記をする権利と義務は、相続財産だからです。

相続人全員が、所有権移転登記をする権利と義務を相続します。

③代金支払後に死亡したときは相続登記不要

売買契約後で代金支払前に売主が死亡した場合、相続登記を省略できません。

売買契約後で代金支払後に売主が死亡した場合、相続登記は不要です。

代金支払時に、所有権は買主に移転したからです。

死亡した売主から直接買主に、所有権移転登記をすることはできます。

売主の相続人は、不動産を相続していません。

相続人は、所有権移転登記をする権利と義務を相続しただけです。

4相続登記の申請方法

手順①遺言書の有無を調査

被相続人が遺言書を作成していることがあります。

遺言書があれば、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。

手順②相続人調査

戸籍謄本を取得して、すべての相続人を確認します。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。

相続人の人数が多い場合や複雑な相続である場合、相続人調査に手間と時間がかかります。

手順③遺産分割協議書の作成

遺言書がない場合、相続財産は相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方を決めるため相続人全員でする話し合いです。

相続人全員の合意がまとまったら、合意内容を書面に取りまとめます。

遺産分割協議書とは、相続人全員の合意内容を取りまとめた書面です。

合意内容に間違いがないか、相続人全員に確認してもらいます。

合意内容に問題がなければ、相続人全員に記名し実印で押印をします。

手順④必要書類の準備

(1)遺言書がない場合

遺言書がない場合の必要書類は、次のとおりです。

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・相続人の現在戸籍

・被相続人の住民票の除票

・不動産を相続する人の住民票

・遺産分割協議書

・相続人全員の印鑑証明書

・不動産の評価証明書

(2)遺言書がある場合

遺言書がある場合の必要書類は、次のとおりです。

・被相続人の除籍謄本

・相続人の現在戸籍

・被相続人の住民票の除票

・不動産を相続する人の住民票

・遺言書

・遺言書検認証明書

・不動産の評価証明書

手順⑤登記申請書の作成

登記申請書のひな型は、法務局のホームページに出ています。

手順⑥法務局へ提出

登記申請書と必要書類を取りまとめて、法務局へ提出します。

手順⑦登記完了

提出書類が法務局で審査されます。

問題がなければ、新しい所有者として登記簿に記録されます。

申請書を提出してから登記完了まで、およそ2週間程度かかります。

5相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。

ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。

インターネットの普及で多くの人は簡単に多くの情報を手にすることができるようになりました。

多くの情報の中には正しいものも、適切でないものも同じように混じっています。

相続登記もカンタンにできる、ひとりでできたという記事も散見されます。

不動産は、重要な財産であることも多いものです。

登記手続は、一般の方から見ると些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

法務局の登記手続案内を利用すれば、シンプルな事例の申請書類などは教えてもらえます。

通常と異なる事例に関しては、わざわざ説明してくれません。

司法書士は、登記の専門家です。

スムーズに相続登記を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

公正証書遺言があっても遺産分割協議書が必要になる

2025-10-31

1公正証書遺言があれば遺言書のとおりに遺産分割できる

①遺産分割協議なしで遺産分割ができる

遺言書を作成して、遺産分割の方法を指定することができます。

有効な遺言書があれば、遺産分割協議は不要です。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。

遺言書の内容どおりに、遺産分割をすることができるからです。

相続人全員で相続財産の分け方について、話し合いをする必要がありません。

②相続手続は遺言執行者におまかせできる

遺言書は作成するだけでは、意味がありません。

遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者は、遺言書で指名することができます。

遺言執行者がいると、遺言者は安心です。

遺言執行者が確実に、遺言書の内容を実現してくれるからです。

遺言執行者がいると、相続人は安心です。

手間と時間がかかる相続手続を遺言執行者におまかせできるからです。

③遺言執行者は家庭裁判所に選任してもらえる

遺言書で遺言執行者を指名しても、辞退されることがあります。

遺言書を確認すると、遺言執行者を指名していないことがあります。

遺言執行者がいなくても、遺言書は無効になりません。

遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力で遺言書の内容を実現することができます。

遺言書の内容に不満を持つ相続人がいる場合、協力を得ることが難しいかもしれません。

遺言執行者がいない場合、家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをすることができます。

家庭裁判所が選任した遺言執行者に、相続手続をおまかせすることができます。

2公正証書遺言があっても遺産分割協議書が必要になる

必要①相続人・受遺者が先に死亡

遺言書を作成するというと、財産の分け方について書くことがイメージするでしょう。

財産を受け取る人が遺言者より先に死亡した場合、その条項は無効になります。

受遺者とは、遺贈で財産を受け取る人です。

遺贈とは、遺言書で相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。

財産を受け取る人が遺言者より先に死亡した場合、子どもなどが自動で受取ることはできません。

遺言書の内容は、代襲相続できないからです。

・相続人〇〇〇〇に、財産◇◇◇◇を相続させる

・〇〇〇〇に、財産◇◇◇◇遺贈する

上記の遺言があった場合、財産◇◇◇◇は受取る人がいない財産になります。

受取る人を決めるため、遺産分割協議が必要です。

相続人・受遺者が先に死亡したケースでは、遺産分割協議書が必要です。

必要②相続放棄・遺贈の放棄があった

相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

遺言書で遺贈するとあっても、遺贈を単純承認するか遺贈を放棄するか選択することができます。

相続放棄や遺贈の放棄がある場合、その財産を受け取る人はいなくなります。

相続放棄や遺贈の放棄をしたした場合、子どもなどが自動で受取ることはできません。

相続放棄や遺贈の放棄で、代襲相続できないからです。

受取る人がいなくなった財産は、相続人全員の共有財産です。

遺産分割協議で、相続財産の分け方を決定します。

相続放棄や遺贈の放棄があったケースでは、遺産分割協議書が必要です。

必要③遺言書に記載がない財産が見つかった

遺言書を作成した後に、新たに財産を取得することがあります。

遺言書を作成したときに保有していた財産であっても、遺言書に記載していないことがあります。

全財産について記載がない遺言書であっても、遺言書は無効になりません。

遺言書は、一部の財産についてのみ作成することができるからです。

遺言書に記載がない財産が見つかった場合、その財産を受け取る人が指定されていません。

遺言書に記載がない財産は、相続財産です。

遺産分割協議で、相続財産の分け方を決定します。

遺言書に記載がない財産が見つかったケースでは、遺産分割協議書が必要です。

必要④相続人全員の合意がある

遺言書が極端に偏った内容であることがあります。

あまりに偏った内容の遺言書をそのまま執行すると、大きなトラブルになるでしょう。

大きなトラブルになる遺言書なのに、わざわざ執行してトラブルにする必要はありません。

相続人全員の合意で、分け方を決める方が合理的です。

遺言書があっても、相続人全員の合意で遺産分割協議をすることができます。

遺言執行者がいる場合、遺言執行者の合意も必要です。

相続人全員の合意があるケースでは、遺産分割協議書が必要です。

事実上必要⑤金融機関の事務的確認

有効な遺言書があれば、遺言書の内容どおりに遺産分割をすることができます。

金融機関の内部ルールで、相続人全員に対して確認書類を求めることがあります。

金融機関の内部ルールではあるものの、遺産分割協議書同様の書類がないと相続手続が進まなくなります。

金融機関の事務的確認が必要なケースでは、事実上、遺産分割協議書が必要です。

不要⑥遺留分を侵害している

遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。

被相続人に近い関係の相続人に、遺留分が認められます。

具体的には、配偶者、子ども、親などの直系尊属に認められます。

遺言書の内容を確認すると、一部の相続人の遺留分を侵害していることがあります。

遺留分を侵害しても、遺言書は無効になりません。

遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者の権利に過ぎないからです。

遺留分を侵害する遺言書があった場合、遺留分権利者は遺留分侵害額請求をすることができます。

遺留分侵害額請求権は、単なる金銭請求です。

遺留分を侵害した人と遺留分を侵害された人の金銭支払で、解決します。

遺留分を侵害した人と遺留分を侵害された人が金銭支払に合意する場合、当事者のみで合意書を作成します。

他の相続人には無関係な合意文書です。

遺留分侵害額請求があっても、相続財産全体の分け方について変更するものではありません。

遺留分を侵害している遺言書があるケースでは、遺産分割協議書は不要です。

遺留分侵害額請求がある場合、前提として極端に偏った内容の遺言書があるでしょう。

極端に偏った遺言書をそのまま執行するより、遺産分割協議をすることに相続人全員が合意できることがあります。

相続人全員が合意できる場合、遺産分割協議をすることができます。

相続人全員の合意があるケースでは、遺産分割協議書が必要です。

不要⑦遺言書が複数

遺品整理をしていると、遺言書が複数見つかることがあります。

有効な遺言書が複数見つかっても、遺産分割協議は不要です。

複数の遺言書のうち、遺言書の内容が両立できれば遺言書は全部有効です。

遺言書の内容が両立できない場合、日付の新しい遺言書が優先します。

遺言書の方式は、優劣に影響がありません。

自筆証書遺言であっても公正証書遺言であっても、日付の新しい遺言書が優先です。

公正証書遺言は自筆証書遺言より強い効力があるといったことはないからです。

遺言書の効力は日付の先後で決まるから、相続人が分け方を決める必要はありません。

遺言書が複数ケースでは、遺産分割協議書は不要です。

3公正証書遺言作成から備えておく対策

対策①相続人・受遺者の死亡に備えて予備的条項

財産を受け取るはずの相続人や受遺者が先に死亡した場合、遺言が無効になります。

相続人・受遺者の死亡に備えて、予備的条項を定めておくことができます。

予備的条項とは、主たる条項が無効になったときに備えて代替的に効力を持たせる条項です。

予備的条項は、保険をかけておく条項と言えます。

例えば、次のように定めることができます。

・相続人〇〇〇〇に、財産◇◇◇◇を相続させる。

ただし、相続人〇〇〇〇が遺言者より先に死亡した場合、相続人〇〇〇〇の子ども□□□□に、財産◇◇◇◇を相続させる。

上記の遺言がある場合、相続人〇〇〇〇が遺言者より先に死亡しても、相続人〇〇〇〇の子ども□□□□が相続することができます。

遺言書で指定されているから、遺産分割協議は不要です。

対策②遺言書に記載がない財産の分け方を書いておく

遺言書を作成する場合、財産目録を準備することが一般的です。

遺言者自身が忘れている財産や知らない財産が見つかることは、どうしても避けられません。

公正証書遺言を作成する場合、記載がない財産の分け方を書いておくことができます。

例えば、次のように定めることができます。

・本遺言書に記載がない財産が見つかった場合、その財産は相続人〇〇〇〇に相続させる。

上記の遺言がある場合、相続人〇〇〇〇が相続することができます。

遺言書で指定されているから、遺産分割協議は不要です。

対策③遺留分に配慮

遺言の内容が大きく偏っていると、一部の相続人の遺留分を侵害することがあります。

遺留分侵害額請求があると、相続人間でトラブルになりがちです。

各相続人の遺留分に配慮することで、相続人間のトラブルを防止することができます。

対策④遺言書の定期的な見直し

遺言書は、作成したら終わりではありません。

遺言者が元気なときに作成するから、相続人や財産に事情が変わることがあります。

遺言書は、書き直しをすることができます。

遺言書を書き直すときに、相続人や受遺者の同意や承諾は不要です。

遺言者は、何度でも書き直しができます。

遺言の内容が現状と合わなくなると、相続人全員の合意で遺産分割協議が必要になります。

大きな資産変動や家族関係の変化があったとき、遺言書の内容を見直すといいでしょう。

4遺産分割協議書を作成するときの注意点

注意①相続人全員の記名と実印による押印

遺産分割協議書とは、相続人全員の合意内容の証明書です。

一部の相続人を含めずに合意しても、無効です。

遺産分割協議書の内容は、相続人全員が確認します。

間違いがなければ、相続人全員が記名し実印で押印します。

注意②相続人全員の印鑑証明書を添付

遺産分割協議書には、相続人全員の印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議書の押印が実印による押印であることを証明するためです。

注意③財産を確実に特定

遺産分割協議書には、財産の分け方を記載します。

相続手続をするとき、相続手続先の人にも分かるように財産を特定することが重要です。

具体的には、次の項目を記載します。

不動産は、登記簿謄本を書き写します。

預貯金は、金融機関名、支店、預金種別、口座番号、口座名義人を書き写します。

注意④遺産分割協議書を公正証書にできる

遺産分割協議書は、相続人間で作成することが一般的です。

重要な遺産分割協議である場合、公正証書にすることができます。

相続人間のトラブルを防止したい場合、公正証書にすることは有効です。

公正証書にする場合、公証人が本人確認のうえ本人の意思確認をするからです。

公正証書には、強制執行認諾文言を入れることができます。

強制執行認諾文言とは、約束を守らなかったとき直ちに強制執行を受けても異議を述べない意思表示です。

裁判などをせず強制執行ができるから、公正証書は心強いと言えます。

5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。

書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。

トラブルの火種があるのなら、いっそう慎重になる必要があります。

遺産分割協議書は、慎重を期して公正証書にした方がいい場合があります。

公正証書にするためには、手間と費用がかかります。

公正証書にする手間と費用を惜しむと、裁判をするなど大きな手間と高額な費用を負担することになります。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を公正証書にしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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