相続登記完了後に登記識別情報が発行される

1相続登記完了後に登記識別情報が発行される

①登記識別情報は権利者の証明書

相続登記が完了したら、登記識別情報が発行されます。

相続登記に限らず不動産の権利者に対して、登記識別情報が発行されます。

登記識別情報は、現在の権利者であることを示す本人確認手段です。

登記識別情報は、12桁の数字とアルファベットの組み合わせです。

登記識別情報は、不動産の権利者であることを証明する重要な秘密情報です。

不動産を手放すとき権利者であることを証明し意思を確認するため、登記識別情報を提供します。

②相続人ごとに登記識別情報

相続登記が完了したら、申請人である相続人ごとに登記識別情報が発行されます。

不動産を複数の相続人で共有する相続登記をすることがあります。

登記識別情報は、共有者の数だけ発行されます。

共有者である相続人全員が、権利者だからです。

例えば、1件の不動産を3人で共有する相続登記を申請した場合、3通の登記識別情報が発行されます。

将来、不動産を手放すとき、共有者全員の意思確認をする必要があります。

共有者全員が権利者であることを証明し意思を確認するため、それぞれの登記識別情報を提供します。

③申請人である登記名義人にのみ登記識別情報

(1)登記名義人でない相続人に発行されない

登記識別情報は、申請人である相続人にのみ発行されます。

申請人でない相続人には、登記識別情報が発行されません。

登記名義人でない相続人は、将来、不動産を手放すときに関与することはありません。

登記識別情報を発行する意義がありません。

(2)申請人でない登記名義人に発行されない

登記識別情報は、不動産の権利者であることを証明する重要情報です。

登記識別情報は、本人確認の手段だからです。

登記名義人が申請人でない場合、登記識別情報は発行されません。

登記名義人が申請人として関与していない場合、重要情報を他人に渡すことになるからです。

④死者名義の相続登記で登記識別情報

相続登記をする間もなく、相続人が死亡することがあります。

相続人が死亡した後であっても、相続した事実は無効になりません。

死亡した相続人名義に、相続登記をすることができます。

死亡した相続人名義で相続登記が完了した場合、死亡した相続人の登記識別情報が発行されます。

⑤登記識別情報の受け取り方法

(1)司法書士に依頼したら司法書士から受け取る

相続登記は難しい手続きだから、司法書士に依頼することが多いでしょう。

司法書士に依頼したら、登記識別情報は司法書士が法務局から受領します。

司法書士から各相続人に、登記識別情報が渡されます。

登記識別情報は重要な秘密情報だから、慎重に管理する必要があるからです。

(2)原則として窓口で受領

本人申請をした場合、登記完了後に原則として窓口に出向いて受領します。

登記識別情報を受領する際に、本人確認が行われます。

本人確認書類と認印が必要です。

登記識別情報は本人確認手段だから、本人以外の人に渡すことができないためです。

(3)希望すれば郵送してもらえる

登記識別情報は、希望すれば郵送してもらうことができます。

相続登記を申請するときに、添付書類と一緒に返信用封筒と切手を提出します。

郵送方法は、本人限定受取郵便です。

登記識別情報は、重要な秘密情報だからです。

郵便を受け取るときに、本人確認が行われます。

家族であっても、代理で受け取ることはできません。

⑥登記識別情報の失効請求

登記識別情報は、重要な秘密情報です。

登記識別情報である12桁のパスワードを他人に知られると、不正使用されるおそれがあります。

12桁のパスワードの情報漏洩は、権利証の盗難と同じです。

登記識別情報は他人に知られることがないように、厳重に保管する必要があります。

紛失して、どうしても見つからないことがあるでしょう。

登記識別情報を不正な登記申請に使用されることがないようにするため、登記識別情報の失効制度があります。

登記識別情報の失効制度を利用すると、登記識別情報を無効にすることができます。

⑦登記完了証は単なる報告書

相続登記が完了した場合、登記識別情報とは別に登記完了証が発行されます。

登記完了証は、単なる報告書です。

登記申請には、登記識別情報が発行されないことがあります。

登記完了証は、すべての登記で発行されます。

単なる報告書だから、権利者であることを証明するものではありません。

登記完了証は、登記識別情報の代わりにはなりません。

2相続登記を完了したのに登記識別情報が届かない

①申請人でない相続人に発行されない

登記識別情報緒は、権利者である申請人に発行されます。

権利者なのに申請人でない場合、登記識別情報は発行されません。

相続登記をする場合、法定相続分で相続人全員が共有する登記をすることがあります。

相続人全員が権利者になります。

相続登記をする場合、権利者になる相続人全員で申請するのが原則です。

法定相続分で相続人全員が共有する相続登記をする場合、一部の相続人だけが申請人になることができます。

一部の相続人だけが申請人になる場合であっても、自分の分だけ登記することはできません。

一部の相続人だけが申請人になる場合であっても、相続人全員の分の相続登記をします。

相続人全員の権利が登記されるのに、申請人になっていない相続人が存在します。

申請人になっていない相続人には、登記識別情報が発行されません。

登記識別情報は、権利者である申請人にのみ発行されるからです。

②登記識別情報の通知を希望しない欄にチェック

相続登記を申請するときに、登記識別情報の通知を希望しませんと申し出ることができます。

登記識別情報は、権利者であることの証明書です。

盗難や紛失が不安だから、自分で持っていたくないことがあるでしょう。

登記識別情報の通知を希望しませんと申し出た場合、登記識別情報は発行されません。

実務的には、登記識別情報の発行を受けておくことが安心です。

不動産を売却するときや担保に差し出すときに、必要になるからです。

③司法書士が受け取っている

相続登記を司法書士に依頼したら、登記識別情報は司法書士が法務局から受領します。

司法書士から各相続人に、登記識別情報が渡されます。

④後から発行してもらえない

相続登記で申請人でない相続人には、登記識別情報が発行されません。

債権者代位権で相続登記をする場合、登記識別情報は発行されません。

登記識別情報の通知を希望しませんと申し出た場合、登記識別情報は発行されません。

登記が完了したのに、登記識別情報が発行されないことがあります。

登記が完了した時点で登記識別情報が発行されない場合、後から発行してもらうことはできません。

⑤紛失しても再発行してもらえない

登記識別情報は、どのような理由があっても再発行をしてもらえません。

登記識別情報を紛失した場合、登記識別情報の失効の申出をすることができます。

登記識別情報の失効の申出をした場合、登記識別情報は無効になります。

登記識別情報が無効になっても、新たに発行してもらうことはできません。

登記識別情報を誤ってシュレッダーに入れてしまうことがあります。

自分の手でシュレッダーに入れてしまっただけだから、不正使用の心配はないでしょう。

登記識別情報の失効の申出をする必要はないと言えます。

登記識別情報の失効の申出をしなくても、登記識別情報を再発行してもらうことはできません。

登記識別情報は、いかなる理由であっても再発行をしてもらえないからです。

3紛失などで登記識別情報がないときは

①司法書士による本人確認

相続登記完了後に、不動産を売却することがあります。

不動産の売却による所有権移転登記をする場合、原則として、登記名義人の登記識別情報を提供します。

登記識別情報は、登記名義人が大切に保管しています。

登記識別情報を提供することで、所有者であることを証明し意思を確認することができるからです。

紛失などで登記識別情報を提供できない場合、司法書士などが本人確認をします。

司法書士が本人確認情報を作成して、法務局に提出することで登記識別情報の代わりにします。

司法書士による本人確認は、売買など金銭のやり取りがある場合で確実に登記をする必要があるときに用いられます。

第三者との間で売買する場合、ほとんどの場合で司法書士による本人確認がされます。

司法書士による本人確認をする場合、本人確認情報作成費用が別途かかります。

②法務局からの事前通知

不動産の売却による所有権移転登記をする場合、原則として、登記名義人の登記識別情報を提供します。

登記識別情報を提供せず、かつ、司法書士による本人確認情報を提出しない場合、法務局から事前通知がされます。

事前通知では、登記義務者に本人限定郵便が郵送されます。

事前通知の内容は、登記申請の内容に間違いないか確認するものです。

本人限定郵便は、代理の人が受け取ることはできません。

本人確認書類を提示して、登記義務者本人が受け取ります。

登記申請の内容に間違いないか確認した後、署名し実印で押印して返送します。

事前通知では、法務局が発送してから2週間以内に法務局に返送される必要があります。

2週間以内に法務局に返送されない場合、申請が却下されます。

③公証役場で本人証明

司法書士が本人確認をする方法の他に、公証役場で本人証明をしてもらう方法があります。

登記義務者本人が公証役場に出向いて、手続をします。

公証人の面前で、司法書士あて登記委任状に署名し実印で押印します。

これに公証人の証明文を付けてもらいます。

公証人の本人証明書を登記識別情報の代わりに提出します。

4相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

ほとんどの方は相続を何度も経験するものではありません。

手続に不慣れで聞き慣れない法律用語で、へとへとになります。

一般的にいって、相続登記は、相続手続の中でも難しい手間のかかる手続です。

不動産は、家族にとって重要な財産であることが多いものです。

一般の方からすると些細なことと思えるようなことで、やり直しになります。

簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

インターネットなどの情報では、どうしたらいいか分からないことも多いでしょう。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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