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1養子縁組で相続人になる
①子どもは相続人になる
相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。
だれが相続人になるかについては、民法で決められています。
相続人になる人は、次のとおりです。
(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。
(1)配偶者は必ず相続人になる
(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども
(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属
(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹
②相続人は戸籍謄本で証明
相続人になる人は、法律で決まっています。
家族にとって、だれが相続人になるか当然のことと考えているでしょう。
相続人になる人は、戸籍謄本で客観的に証明する必要があります。
相続人は、戸籍謄本で証明します。
③養子になったときの戸籍の記載例
●養親の戸籍の記載例
身分事項 養子縁組
【縁組日】年〇〇月〇〇日
【共同縁組者】〇〇〇〇
【養子氏名】〇〇〇
●養子の戸籍の記載例
身分事項:養子縁組
【縁組日】〇年〇〇月〇〇日
【養父氏名】〇〇〇〇
【養母氏名】〇〇〇〇
【従前戸籍】〇〇〇市〇〇区〇〇町一丁目〇〇番地 〇〇〇〇(筆頭者)
④実子と養子は平等
養子縁組をすると、養子は養親の子どもになります。
被相続人に実子がいても、養子は相続人です。
実子と養子は、同じ子どもだからです。
実子と養子は、区別されません。
実子と養子は、同じ相続分と同じ遺留分です。
遺留分とは、相続人に認められる最低限の権利です。
実子と養子は、平等です。
⑤養子縁組届をしてから戸籍反映まで2週間
養子縁組をする場合、市区町村役場に養子縁組届を提出します。
養子縁組届の提出先は、養親または養子の本籍地もしくは住所地の市区町村役場です。
養子縁組をすると、戸籍に記録されます。
戸籍に記録するのは、本籍地の市区町村役場です。
本籍地の市区町村役場に提出した場合、戸籍に反映するまでに1週間程度かかるでしょう。
本籍地でない市区町村役場に養子縁組届を提出した場合、本籍地の市区町村役場に回送されます。
本籍地の市区町村役場に提出した場合、戸籍に反映するまでに2週間程度かかるでしょう。
急いで養子縁組の記載がある戸籍謄本を取得したい場合、窓口で申し出ると配慮してもらえることがあります。
養子縁組届をしてから戸籍反映まで、2週間程度かかります。
2単身者が養子になったときの戸籍の記載
①単身者が養子になったときは養親の氏になる
単身者が養子になったときは、養親の氏になります。
養子が成年でも未成年でも、養親の氏になります。
養親の氏は、変更されません。
単身者が養子になったときは、養親の氏になります。
②養親の現在戸籍に養子が入るパターン
単身者が養子になる養子縁組をした場合、戸籍の記載は3パターンあります。
パターン1つ目は、養親の現在戸籍に入るパターンです。
③戸籍は異動せず身分事項が記載されるだけのパターン
養親と養子が同じ戸籍にいる場合、戸籍を異動させる必要はありません。
例えば、父母が離婚した後に再婚すると、配偶者と連れ子が同じ戸籍になります。
同じ戸籍にいても、配偶者と連れ子は親子ではありません。
配偶者と連れ子が養子縁組をすると、親子になります。
パターン2つ目は、戸籍は異動せず身分事項が記載されるだけのパターンです。
④新戸籍が編製されて養親子が入るパターン
養親が戸籍の筆頭者や筆頭者の配偶者でない場合、新戸籍が編製されます。
新戸籍が編製された後、養親と養子が入ります。
例えば、親の戸籍に入っている子どもが養親になるケースです。
パターン3つ目は、新戸籍が編製されて養親子が入るパターンです。
3婚姻中の人が養子になったときの戸籍の記載
①戸籍の筆頭者が養子になると養親の氏になる
婚姻をすると、夫婦のために新戸籍が編製されます。
婚姻をするときに、氏を改めなかった人が戸籍の筆頭者です。
戸籍の筆頭者が養子になる養子縁組をした場合、養子は養親の氏になります。
養子の配偶者は、養子縁組をしなくても養親の氏になります。
夫婦は、同じ氏になるからです。
戸籍の筆頭者が養子になると、養親の氏になります。
②新戸籍が編製されて養子夫婦が入るパターン
戸籍の筆頭者が養子になる養子縁組をした場合、養子夫婦のために新戸籍が編製されます。
新戸籍が編製された後、養子と養子の配偶者が入ります。
戸籍の筆頭者が養子になる養子縁組をした場合、養子は養親の氏になります。
新しい氏の戸籍が必要になるからです。
パターン4つ目は、新戸籍が編製されて養子夫婦が入るパターンです。
③子どもを新戸籍に入れるときは入籍届
婚姻中の人が養子になる養子縁組をした場合、養子夫婦に子どもがいることがあるでしょう。
新戸籍が編製された後、養子と養子の配偶者が入ります。
養子の子どもは、元の戸籍に残ったままです。
養子の子どもは、自動で養親の氏になりません。
子どもを同じ氏にして同じ戸籍に入れるためには、入籍届が必要です。
父母が氏を改めたことで父母と子どもの氏が異なる場合、家庭裁判所の許可は不要です。
家庭裁判所の許可が不要になるのは、父母が婚姻中のみの取り扱いです。
子どもを新戸籍に入れるときは、市区町村役場に対して入籍届を提出します。
④戸籍の筆頭者の配偶者が養子になると氏はそのまま
戸籍の筆頭者の配偶者が養子になる養子縁組をした場合、氏は変更されません。
婚姻時の氏が優先されるからです。
養親と養子は親子になるけど、別の氏です。
戸籍の筆頭者の配偶者が養子になると、氏はそのままです。
⑤戸籍は異動せず身分事項が記載されるだけのパターン
婚姻をすると、夫婦のために新戸籍が編製されます。
夫婦は、新戸籍に入っています。
戸籍の筆頭者の配偶者が養子になる養子縁組をした場合、養親の戸籍に入りません。
戸籍には、夫婦と未婚の子どもしか入れないからです。
戸籍の筆頭者の配偶者が養子になっても、養親の氏に変更されません。
戸籍の筆頭者の配偶者が養子になった場合、戸籍は異動しません。
戸籍は異動せず、身分事項だけ記載されます。
パターン5つ目は、戸籍は異動せず身分事項が記載されるだけのパターンです。
4特別養子になったときの戸籍の記載
①特別養子は実親との親子関係が終了する
養子には、2種類あります。
特別養子と普通養子です。
養子縁組とは、血縁関係による親子関係の他に、法律上の親子関係を作る制度です。
子どものいない夫婦が養子縁組をする、配偶者の連れ子と養子縁組するといったことは日常的に聞くことあります。
一般的に、単に「養子」と言ったら、普通養子を指していることがほとんどです。
特別養子では、養子縁組をした後、血縁関係のある実親との親子関係が終了します。
普通養子では、養子縁組をした後、血縁関係のある実親との親子関係が継続します。
特別養子になると、実親を相続しません。
実親との親子関係が終了しているからです。
特別養子は、実親との親子関係が終了します。
②実親の戸籍→養子ひとりの戸籍→養親の戸籍へ異動
特別養子であることは、戸籍謄本を読み解けば判明します。
特別養子は、実親の戸籍→養子ひとりの戸籍→養親の戸籍へ異動します。
特別養子であることは、他人に知られたくないと考える人も多いでしょう。
特別養子の福祉のため、専門的な知識がないとカンタンには分からないような配慮がされています。
特別養子は、実親の戸籍→養子ひとりの戸籍→養親の戸籍へ異動します。
③特別養子になったときの戸籍の記載例
●実親の戸籍の記載例
身分事項 特別養子縁組
【特別養子縁組の裁判確定日】 令和〇年〇月〇日
【届出日】 令和〇年〇月〇日
【届出人】 養父母
【送付を受けた日】 令和〇年〇月〇日
【受理者】 〇〇県〇〇市長
【新本籍】 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
【縁組後の氏】 〇〇
この記載がされると、実親の戸籍から除籍されます
●特別養子ひとりの戸籍の記載例
本籍 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号(実親の本籍地)
氏名 〇〇〇〇(養親の氏)
戸籍に記録されている者
名 〇〇
生年月日 令和〇年〇月〇日
父 〇〇〇〇(養父の氏名)
母 〇〇〇〇(養母の氏名)
続柄 長男
(途中省略)
身分事項 特別養子縁組
【特別養子縁組の裁判確定日】 令和〇年〇月〇日
【養父氏名】 〇〇〇〇
【養母氏名】 〇〇〇〇
【届出日】 令和〇年〇月〇日
【届出人】 父母
【送付を受けた日】 令和〇年〇月〇日
【受理者】 〇〇県〇〇市長
【従前戸籍】 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号 〇〇〇〇
【入籍戸籍】 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号 〇〇〇〇
実親の本籍地と同じ本籍地、養親の氏の名前で、養子が筆頭者になった新戸籍が作られます。
普通養子のように養父、養母ではなく、父母の欄に、養親の氏名が記載されます。
続柄の欄には、普通養子のように養子、養女ではなく、長男、長女などと記載されます。
新戸籍が作られたら、その日のうちに除籍されて養親の戸籍に入籍します。
●養親の戸籍の記載例
身分事項 民法817条の2
【民法817条の2による裁判確定日】 令和〇年〇月〇日
【届出日】 令和〇年〇月〇日
【届出人】 父母
【従前戸籍】 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号 〇〇〇〇
養親の身分事項には、何も記載がされません。
養子の身分事項にだけ、民法817条の2と記載がされます。
法律の専門知識がない人が見ても、何のことか分からないでしょう。
従前戸籍に実親の本籍地と同じ本籍地が記載されるものの、筆頭者は養子本人です。
実親の氏名は、記載されません。
特別養子であることを知られたくない人のための配慮がされています。
④特別養子は実親の戸籍謄本を取得できない
特別養子では、養子縁組をした後、血縁関係のある実親との親子関係が終了します。
特別養子は、実親の直系卑属でなくなります。
実親が死亡しても、相続しません。
特別養子は、実親が死亡しても直系卑属として戸籍謄本を取得することはできません。
5相続人調査を司法書士に依頼するメリット
本籍地の変更や国による戸籍の作り直し(改製)で多くの方は、何通もの戸籍を渡り歩いています。
古い戸籍は現在と形式が違っていて読みにくかったり、手書きの達筆な崩し字で書いてあって分かりにくかったりします。
慣れないと戸籍謄本集めは、タイヘンです。
本籍地を何度も変更している方や結婚、離婚、養子縁組、離縁を何度もしている方がいるでしょう。
戸籍をたくさん渡り歩いていると、膨大な手間と時間がかかります。
戸籍には被相続人の結婚や離婚、子どもや養子の存在といった身分関係がすべて記録されています。
時には、家族の方が知らない相続人が明らかになることもあります。
相続人を確定させるために戸籍謄本を集めるだけでも、知識のない人にはタイヘンな作業です。
家族の方が知らない相続人が明らかになると、精神的な負担はさらに大きいものになります。
相続手続のうち、専門家に任せられるものは任せてしまうことができます。
事務負担を軽減することができます。
戸籍謄本や住民票の取り寄せは、司法書士は代行します。
相続人調査でお困りの方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。