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1家庭裁判所の手数料は収入印紙で納入
①申立書に収入印紙800円貼付
家庭裁判所に申立てを提出する場合、手数料を納入します。
手数料は、現金で納入することはできません。
申立書に収入印紙を貼り付けて、納入します。
収入印紙を貼り付けるのは、申立書の右上部です。
収入印紙貼り付け位置に、800円分の収入印紙を貼り付けます。
②額面800円の収入印紙はない
家庭裁判所に納入する手数料が800円であっても、額面800円の収入印紙は存在しません。
例えば、次のように複数の収入印紙を組み合わせます。
・額面400円の収入印紙を2枚
・額面600円の収入印紙1枚と額面200円の収入印紙1枚
・額面200円の収入印紙4枚
申立書の収入印紙貼り付け位置は、大きなスペースではありません。
たくさんの収入印紙を貼り付けるのは、難しいでしょう。
多くても4枚程度で準備するのが、おすすめです。
2収入印紙を購入できるところ
①郵便局の郵便窓口
郵便局の郵便窓口で、収入印紙を購入することができます。
大きな郵便局には、ゆうゆう窓口が設置されています。
ゆうゆう窓口も、収入印紙を取り扱っています。
ゆうゆう窓口であれば、24時間利用可能です。
好きなときにいつでも、収入印紙を購入することができます。
郵便局の郵便窓口では、クレジットカードや電子マネーを使うことができます。
クレジットカードで、収入印紙を購入することはできません。
②コンビニエンスストア
コンビニエンスストアは、いたるところにあり24時間営業しています。
昼間に時間が取れない人にとって、コンビニエンスストアで購入できるのは便利です。
コンビニエンスストアでは、収入印紙を取り扱っていないことがあります。
取り扱っていても、主に200円印紙のみの取り扱いです。
収入印紙を4枚貼り付けることになります。
手間がかかりますが、貼り付けてあれば差し支えありません。
コンビニエンスストアによっては、電子マネーで支払いをすることができます。
③法務局の印紙売りさばき窓口
法務局の印紙売りさばき窓口で収入印紙を購入することができます。
法務局の業務時間中のみ購入することができます。
④名古屋家庭裁判所では売っていない
家庭裁判所に申立てを提出する場合、窓口に持参することができます。
申立書を自分で作成した場合、窓口で確認してもらえると安心でしょう。
名古屋家庭裁判所に申立書を持参する場合、収入印紙は裁判所で販売していません。
名古屋家庭裁判所の窓口に持参する場合、あらかじめ収入印紙を準備しておく必要があります。
⑤専門家に依頼したら準備してもらえる
家庭裁判所に提出する書類は、自分で作成することが難しいかもしれません。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士や弁護士に依頼することができます。
司法書士や弁護士などの専門家に依頼する場合、収入印紙は専門家が準備してくれます。
3家庭裁判所に収入印紙を提出するときの注意点
①収入印紙に消印をしない
申立書を家庭裁判所に提出するときに、収入印紙800円を貼り付けます。
収入印紙800円は、申立ての手数料です。
手数料を受け取った裁判所が、収入印紙に消印を押します。
申立てをする人は、消印を押しません。
一般的に、領収書や契約書などに収入印紙を貼り付けます。
領収書や契約書などに収入印紙を貼り付けるのは、印紙税の課税文書だからです。
収入印紙を貼って消印をすることで、印紙税を納入します。
申立書は、印紙税の課税文書ではありません。
手数料の納入のために収入印紙800円を貼り付けています。
手数料の納入のためだから、申立てをする人は消印を押しません。
②登記嘱託用収入印紙は貼り付けない
家庭裁判所の手続では、手数料以外に収入印紙が必要になることがあります。
例えば、成年後見開始の申立てをする場合、手数料は800円です。
手数料以外に、収入印紙2600円分を提出します。
収入印紙2600円分は、登記嘱託用です。
成年後見制度を利用している場合、後見登記がされます。
後見開始の審判が確定した場合、裁判所書記官が後見登記を嘱託します。
収入印紙2600円分は、登記嘱託をするとき使う費用です。
成年後見開始の申立書に、貼り付けると裁判所の人が困ります。
登記嘱託用収入印紙は、小袋に入れて提出します。
4収入印紙800円が必要になる主な申立て
①相続放棄の申述
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄を希望する申立てをします。
申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
相続放棄の申述をする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
被相続人が莫大な借金を抱えていた場合、相続人全員が相続放棄を望むでしょう。
相続放棄は、各相続人が自分で手続する必要があります。
相続放棄の手数料は、相続人1人あたり800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
②相続放棄の期間の伸長の申立て
相続放棄を希望する場合、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月以内です。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
相続が発生してから長期間経過してから、自分が相続人であることを知ることがあります。
自分が相続人であることを知ってから3か月以内であれば、相続放棄をすることができます。
相続を単純承認すべきか相続放棄をすべきか判断する3か月の期間を熟慮期間と言います。
被相続人の財産状況が分からない場合、相続を単純承認すべきか相続放棄をすべきか判断できないことがあります。
例えば、借金を何度もしていて返済が終わっているのか返済中であるのか不明であるケースです。
債権者に問い合わせても、即答できないでしょう。
取引状況を即答できない債権者がたくさんいると、3か月以内に判断できません。
熟慮期間内に判断できない場合、相続人は相続放棄の期間の伸長の申立てをすることができます。
相続放棄の期間の伸長の申立てが認められた場合、原則として、さらに3か月伸長されます。
相続放棄の期間の伸長の申立てをする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
相続放棄の期間の伸長の申立ては、各相続人が自分で手続する必要があります。
相続放棄の期間の伸長は、相続人ごとに判断されます。
相続放棄の期間の伸長の申立ての手数料は、相続人1人あたり800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
③相続財産清算人選任の申立て
家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなくなります。
被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。
子どもが相続放棄をした場合、子どもは相続人でなくなります。
子ども全員が相続放棄をした場合、子どもがいない場合になります。
被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属が相続人になります。
相続人になる人は、法律で決まっています。
相続人全員が相続放棄をすることができます。
相続人全員が相続放棄をした場合、相続人がいなくなります。
相続人不存在の場合、相続財産は国庫に帰属します。
被相続人が払うべきお金を払わないまま、死亡することがあります。
被相続人にプラスの財産がある場合、財産からお金を払ってもらいたいと望むでしょう。
相続財産清算人は、相続財産を清算して国庫に帰属させる人です。
相続財産清算人は、プラスの財産からお金を払って清算をします。
家庭裁判所に申立てをして、相続財産清算人を選任してもらいます。
相続財産清算人選任の申立てをする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
④遺言書検認の申立て
被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作るケースがほとんどです。
自筆証書遺言は、自分ひとりで書いて作った遺言書です。
自筆証書遺言を作成した後は、原則として、自分で保管します。
作成した自筆証書遺言を法務局に提出して、保管してもらうことができます。
公正証書遺言は、公証人が文書に取りまとめて作る遺言書です。
証人2人に確認してもらって作ります。
公正証書遺言を作成した後は、公正証書遺言原本は公証役場で保管されます。
相続が発生した後、遺言書を見つけることがあります。
自筆証書遺言を見つけた人や預かっている人は、家庭裁判所へ届け出る必要があります。
封がされ得いる遺言書は、家庭裁判所で開封してもらいます。
遺言書を届け出る手続を遺言書検認の申立てと言います。
遺言書検認の申立てをする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
⑤遺言執行者選任の申立て
自分が死亡した後に自分の財産をだれに引き継いでもらうか、遺言書で決めることができます。
遺言書は作成するだけでは、意味がありません。
遺言書の内容は自動で実現するわけではないからです。
遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。
遺言執行者は、遺言書で指名することができます。
遺言書で指名しても、指名された人からご辞退されることがあります。
指名された人が先に死亡することがあります。
家庭裁判所に申立てをして、遺言執行者を選任してもらうことができます。
遺言執行者選任の申立てをする場合、手数料を納めます。
手数料は、800円です。
手数料は、収入印紙を申立書に貼り付けて納入します。
5裁判所に提出する書類作成を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、家族は大きな悲しみに包まれます。
深い悲しみの中で、葬儀を執り行います。
ここから怒涛のような相続手続が始まります。
だれが相続人になるか家族にとっては当然のことと軽く考えがちです。
相続手続先の人に対して、相続人は客観的に証明する必要があります。
大した財産がないから、相続手続はカンタンに思えるかもしれません。
相続手続は、普段聞き慣れない法律用語でいっぱいです。
相続手続先は、相続人のトラブルに巻き込まれないために慎重に判断します。
想像以上に神経を使って、クタクタになります。
家庭裁判所の申立てが必要な手続をなると、さらに難易度は上がります。
司法書士は、相続人をサポートして相続手続を進めることができます。
裁判所に提出する書類作成は、司法書士の専門分野です。
スムーズに相続手続を進めたい方は、司法書士に相談することをおすすめします。