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1 団信があれば住宅ローンが完済される
①団信(団体信用生命保険)とは生命保険
団信は、団体信用生命保険の略称です。
住宅ローンの契約者が死亡または高度障害になった場合に、死亡保険金でローン残債が完済される仕組みです。
団信は、住宅につく保険ではありません。
団信は、ローン全体につく保険ではありません。
団信は、債務者につく生命保険です。
団信で住宅ローンが完済されると、家族にローンを残さずに済みます。
団信の対象者が死亡などしたときに、対象者の債務が完済になるからです。
②団信の対象者以外が死亡したらローンはそのまま
団信の対象者以外の人が死亡などしても、死亡した人の債務は完済されません。
団信の対象者以外の人が死亡などしても、生きている人の債務は完済されません。
団信は、生命保険だからです。
団信の対象者以外の人が死亡などしても、団信から死亡保険金は支払われません。
団信は、死亡保険金でローン残債を完済する仕組みです。
③団信がなければローンはそのまま
(1)団信に未加入
住宅ローンを申し込むと、金融機関は融資審査をします。
多くの金融機関では団信加入を条件にするから、未加入はレアケースです。
住宅金融支援機構のフラット35では、団信加入は任意です。
団信未加入を制度として、認めています。
団信未加入の場合、債務者が死亡してもローンはそのままです。
(2)健康診査が通らない
団信は生命保険だから、健康状況によっては契約が謝絶されます。
団信の健康診査が通らなかった場合、債務者が死亡してもローンはそのままです。
(3)住宅ローンの滞納で失効
住宅ローンの滞納が長期化すると、ローン残債を一括返済するように求められます。
ローン残債を一括返済するように求められたタイミングで、原則として団信は失効します。
団信が失効した後に債務者が死亡しても、団信から死亡保険金は支払われません。
住宅ローンの滞納で失効した場合、債務者が死亡してもローンはそのままです。
2共有名義人の片方死亡したときの住宅ローン
①債務は相続財産
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。
プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続財産です。
住宅ローンは、相続財産です。
住宅ローンは、相続人に相続されます。
②死亡した債務者の債務は団信があれば完済になる
住宅ローンを組むとき、団信に加入することが一般的です。
住宅ローンの返済中に債務者が死亡した場合、団信に加入していれば完済になります。
団信で完済になるのは、死亡した債務者の債務のみです。
団信で完済になるのは、団信に加入しているときのみです。
債務者が死亡しても、団信がなければ住宅ローンはそのままです。
住宅ローンがそのまま残れば、相続人が相続します。
住宅ローンは、相続財産だからです。
③相続放棄で住宅ローンから逃れる
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄をしたら、相続財産は一切引き継ぎません。
住宅ローンだけでなく、財産は何ひとつ引き継ぐことはできません。
④生きている人の債務に影響はない
不動産を共有名義で保有している場合、共有者がそれぞれ債務を負担していることがあります。
住宅ローンの返済中に債務者が死亡した場合、団信に加入していれば完済になります。
団信で完済になるのは、死亡した債務者の債務のみです。
共有名義人の片方が死亡した場合、死亡した片方の債務者の債務は団信で完済になります。
共有名義人の片方が死亡しても、生きている債務者の債務に影響はありません。
生きている債務者の債務は、そのままです。
生きている債務者に、死亡保険金は支払われないからです。
⑤相続人が相続するのは死亡した債務者の債務のみ
住宅ローンがそのまま残れば、相続人が相続します。
住宅ローンは、相続財産だからです。
生きている債務者の債務は、そのままです。
生きている債務者の債務が相続人に移転することはありません。
生きている債務者の債務は、生きている債務者が返済します。
⑥住宅に住んでいる住んでいないは無関係
住宅ローンが完済になるか完済にならないか、団信の加入状況や契約内容によって決まります。
住宅ローンを相続するか相続しないか、相続関係によって決まります。
住宅に住んでいるか住んでいないかとは、無関係です。
住宅ローンを引き継ぐのか判断するため、だれの債務であるのかと団信の契約状況を確認します。
3住宅ローンの契約形態と団信の対象を確認する
①連帯債務
(1)複数の債務者がそれぞれ債務全額負担する
連帯債務とは、複数の債務者がそれぞれ債務全額について支払い義務を負う契約です。
銀行は、どの債務者に対してでも債務全額を請求することができます。
(2)負担割合は債務者同士の内部的合意
債務者同士で、債務の負担割合を決めることができます。
債務の負担割合を決めても、債務者同士の内部的合意です。
債務の負担割合とは無関係に、銀行は債務全額を請求することができます。
(3)団信の対象は一人だけが多い
連帯債務で住宅ローンを組む場合、団信に加入するのは一人だけであることが多いです。
連帯債務には、本来、主債務者はいません。
団信に加入する債務者を便宜的に主債務者と呼ぶことがあります。
連帯債務における債務者は、それぞれ債務全額について支払い義務を負います。
同じ支払い義務があるのに、団信に加入している債務者と加入しない債務者が存在します。
団信に加入した債務者が死亡した場合、団信によって債務は完済になります。
団信に加入しない債務者が死亡した場合、団信によって債務は完済になりません。
(4)負担割合で加入できる団信がある
団信によっては、債務の負担割合に応じて加入できる契約があります。
各連帯債務者が団信に加入します。
団信に加入した債務者が死亡した場合、団信によって債務は完済になります。
団信によって完済になる債務は、死亡した債務者の債務のみです。
負担割合によって団信に加入した場合、ローン残債のうち死亡した債務者の負担割合分のみ完済になります。
例えば、親子で連帯債務契約で、負担割合に応じて団信に加入した場合
負担割合 親6:子ども4
ローン残債1000万円
親が死亡したら、600万円の死亡保険金が支払われます。
400万円の債務は、そのまま残ります。
子どもは、生きているからです。
(5)夫婦連生団信は保険料が高い
夫婦連生団信とは、夫婦のどちらか一方が死亡したらローン残債が全額完済になる契約です。
夫婦のどちらも団信に加入するから、一方が死亡したときにローンが全額完済になります。
夫婦連生団信は、保険の対象が広い保険です。
保険の対象が広いから、保険料が高く設定されています。
団信の保険料は、ローン返済額の一部です。
実質的には、ローン金利が高くなるのがデメリットです。
②連帯保証
(1)主債務者と連帯保証人がいる
連帯保証とは、主債務者がお金を返せなくなったときに備えて肩代わりをする契約です。
主債務者が返済を滞らせても連帯保証人に請求できるから、債権者は安心してお金を貸すことができます。
(2)団信の対象は主債務者だけ
連帯保証人は、団信の対象ではありません。
団信の対象は、主債務者だけです。
連帯保証人は債務者ではなく、主債務者がお金を返せなくなったときに肩代わりをするだけだからです。
団信に加入した主債務者が死亡した場合、団信によって債務は完済になります。
団信に加入しない連帯保証人が死亡した場合、団信によって債務は完済になりません。
団信に加入していないから、債務はそのまま残ります。
団信に加入した主債務者は、生きているからです。
(3)保証債務は相続財産
連帯保証人には、肩代わりの義務があります。
連帯保証人が死亡した場合、肩代わりの義務は相続財産です。
連帯保証人が死亡しても、肩代わりの義務は消えません。
連帯保証人は、団信に加入していません。
主債務者の団信に、肩代わりの義務を消す機能はありません。
主債務者が返済を滞らせた場合、死亡した連帯保証人の相続人が肩代わりをする義務があります。
死亡した連帯保証人の相続人全員が法定相続分で、肩代わりをする義務が相続されます。
住宅に住んでいるか住んでいないかとは、無関係です。
住宅に住んでいなくても相続人は、肩代わりをする義務が相続されます。
(4)相続放棄で肩代わりの義務を逃れる
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
相続放棄をしたら、肩代わりの義務を相続しません。
相続放棄をしたら、肩代わりの義務だけでなく一切の財産を相続しません。
③ペアローン
(1)複数の債務者がそれぞれの住宅ローンを組む
ペアローンを組むのは、多くの場合、夫婦です。
ペアローンでは、夫婦がそれぞれ別の住宅ローンを組む仕組みです。
多くの金融機関では、お互いに連帯保証をします。
夫のローンに、妻が連帯保証をします。
妻のローンに、夫が連帯保証をします。
(2)それぞれのローンに団信加入
団信に加入できるのは、債務者です。
ペアローンでは夫婦がそれぞれ別の住宅ローンを組むから、夫婦がそれぞれが団信に加入します。
団信に加入した債務者が死亡した場合、団信によって債務は完済になります。
団信に加入した夫が死亡した場合、団信によって夫の債務は完済になります。
団信に加入した夫が死亡しても、妻の債務はそのままです。
団信に加入した妻が死亡した場合も、同様です。
団信に加入した妻が死亡しても、夫の債務はそのままです。
(3)債務が残れば連帯保証債務も残る
住宅ローンを滞納したまま死亡すると、団信でローンが消えないことがあります。
夫が死亡しても団信で債務が消えなければ、夫の債務は相続財産です。
夫の債務に対する妻の肩代わりの義務も、そのままです。
夫の債務が残ったうえに、妻の債務はそのままです。
妻が死亡した場合も、同様です。
(4)相続放棄で債務を逃れる
相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
死亡した夫の債務は、相続財産です。
相続放棄をしたら、夫の債務から逃れることができます。
妻が死亡した場合も、同様です。
(5)相続放棄をしても連帯保証債務はそのまま
夫の債務に対する妻の肩代わりの義務は、そのままです。
妻の肩代わりの義務は、妻の固有の義務だからです。
相続とは、無関係な連帯保証人の固有の義務です。
相続放棄をしても、肩代わりの義務から逃れられません。
(6)相続放棄をしても自分の債務はそのまま
死亡した夫の債務は、相続財産です。
相続放棄をしたら、夫の債務から逃れることができます。
自分の債務は、影響がありません。
相続放棄をしても相続放棄をしなくても、自分の債務はそのまま残ります。
4住宅ローンの相続を司法書士に依頼するメリット
大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。
やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。
相続財産の大部分は自宅不動産というケースはとても多いです。
資産としての住宅だけに注目しがちですが、住宅ローンが残っている場合もあります。
住宅ローンが残っている住宅となると、住宅と住宅ローンを一体化して考えがちです。
住宅と住宅ローンは一体化して考える面と一体化して考えることができない面があります。
住宅ローンは銀行との関係があるからです。
住宅ローンの対象になっている住宅を相続しないのに、住宅ローンの請求を受ける可能性があります。
このようなことはあまり知られていません。
何となく銀行や法務局が自動でやってくれているはずだと思うかもしれません。
銀行が自動でやってくれることはほとんどありません。
法務局は申請しないと何もしてくれません。
団体信用生命保険で住宅ローンが完済になった場合、抵当権は自動で消えます。
抵当権は自動で消えますが、抵当権の登記は自動で消えません。
住宅ローン完済後、長期間経過して、抵当権がついたままであることが発覚します。
長期間経過してから抵当権を抹消するのは、手間も時間も負担になることが多いです。
司法書士が、必要な手続や適切な対応についてサポートします。
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