名義人死亡による口座凍結の解除方法

1 凍結口座を解除するために必要な書類

口座を凍結されてしまったら、書類をそろえて手続きすれば解除してもらえます。

凍結解除した後、名義変更をするか、解約するか選択します。

必要な書類は、実は、銀行などの金融機関によってまちまちです。

相続の状況によっても違いがあります。

あらかじめ、金融機関に相談してどんな書類が必要か確認しましょう。

法務局など役所で相続手続きをする場合、印鑑証明書や戸籍謄本の期限がありませんから、古い印鑑証明書や古い戸籍謄本も使うことができます。

預貯金口座の相続手続きでは、銀行独自に発行後3か月以内であることなどと制約を付けている場合が多いので、よく確認する必要があります。

法務局など役所で相続手続をする場合、期限がありませんから、期限がある銀行などを優先して手続するといいでしょう。

金融機関によっては、印鑑証明書や戸籍謄本を提出してから手続が終わるまでに1か月以上かかることもあります。

手続中に期限が切れてしまうおそれがあるからです。

一般的に、次のような書類が必要です。

  1. 遺言書がある場合 遺言書
    遺言書がない場合 遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書
  2. 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  3. 相続人の戸籍謄本
  4. 口座のお通帳とキャッシュカード

これらの書類は多くの場合、返してくださいと依頼すれば、手続終了後、返却されます。

2 凍結口座を解除するために手続する方法

書類が用意できたら、相続手続をすることになります。

相続手続をする方法も、銀行によってまちまちです。

  1. 口座のある本支店に行く必要がある場合
  2. どこでもいいが、本支店に行く必要がある場合
  3. 相続センターなどで集中処理をしている場合

支店に行く場合は、相続手続の担当者が限られていることから、予約が必要な場合があります。

相続センターなどが集中処理をしている場合や予約せずに本支店に行った場合など、何の手続もできないこともあります。

相続センターなどが集中処理をしている場合、本支店では書類の受付だけで、ちょっとした疑問も答えてもらえないこともあります。

3 法定相続情報一覧図があると便利

預貯金の相続手続に限らず、相続手続をする場合、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と相続人の現在戸籍は必ず必要になります。

預貯金口座の相続手続では、金融機関ごとに手続が必要になります。

提出した戸籍謄本は返してくださいと依頼しておけば、手続終了後に返却されますが、返ってくるまで次の金融機関の相続手続が止まってしまいます。

戸籍謄本を銀行の数だけ取得すれば、同時に手続できますが、戸籍謄本の数が多いと手数料がかさみます。

このような場合、法務局に対し、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と相続人の現在戸籍等を提出して、法定相続情報一覧図の保管と交付の申出をすると便利です。

法定相続情報一覧図は、たくさんの戸籍謄本や住民票の内容を一枚の紙にして法務局の認証文が入れてあるものです。

法務局がたくさんの戸籍謄本を点検して、認証文を入れてくれるので、多くの機関でたくさんの戸籍謄本を提出したのと同じ効果が得られます。

銀行など受け取る側にしても、たくさんの戸籍謄本を解読するのは骨の折れる作業です。

大量の戸籍謄本を読み解く必要がある複雑な相続の場合、相続手続に時間がかかりがちです。

法定相続一覧図であれば一目で相続関係が把握できますから、相続手続きがスムーズになります。

法務局に法定相続情報一覧図の保管と写しの作成申出をする手数料は無料です。

写しの交付がたくさん請求しても、追加で費用はかかりません。

法定相続情報一覧図の写しを必要な数だけ交付請求しておけば、同時に相続手続を進めることができます。

4 遺産分割前の預金払い戻し

口座がいったん凍結されると、遺産の分け方について相続人全員で合意するまで、預金の引き出しはできません。

なのに、被相続人の未払い入院費や葬儀の費用を被相続人の口座から払おうとすることが多いのです。

すぐに現金が必要な場合、分割前の預金払い戻し制度があります。

分割前の預金払い戻し制度は手続方法が2種類あります。

銀行などの金融機関に直接手続きする方法と家庭裁判所に手続する方法です。

① 銀行に直接手続きする方法

カンタンで費用が掛かりません。

払い戻し額は最高で150万円 預金額や法定相続分によってはもっと低いこともあります。

② 家庭裁判所に手続きする方法

調停や審判の申立をしていることが前提条件です。

家庭裁判所の手続なので、煩雑で時間と手間の負担が大きいです。

払戻の必要があることを裁判所に説明する必要があります。

必要が認められれば預金全額の払戻も認められることもありますが、認められない場合もあります。

分割前の預金払い戻しをすると、単純承認したと判断されて、相続放棄ができなくなるおそれがあります。

相続財産の内容がはっきりしないうちに利用するのは慎重に判断しましょう。

5 預貯金口座の相続手続を司法書士に依頼するメリット

口座を凍結されてしまったら、書類をそろえて手続すれば解除してもらえます。

このとき必要な書類は銀行などの金融機関によってまちまちで、手続にかかる方法や手続にかかる期間もまちまちです。

銀行内部で取扱が統一されていないことも多く、窓口や電話で確認したことであっても、上席の方に通してもらえず、やり直しになることも多々あります。

このためスムーズに手続できないことが多いのが現状です。

日常生活に不可欠な銀行口座だからこそ、スムーズに手続したいと思う方が多いでしょう。

お仕事や家事でお忙しい方や高齢、療養中などで手続きが難しい方は、手続を丸ごとおまかせできます。

ご家族にお世話が必要な方がいて、お側を離れられない方からのご相談もお受けしております。

凍結口座をスムーズに解除したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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