Archive for the ‘遺産分割協議’ Category
寄与分が認められない典型的ケースの現実
1 寄与分が認められない理由
理由①寄与分で頑張りは評価されない
寄与分は、誤解が多い制度です。
頑張った人が報われる制度と、説明されることが多いからです。
介護で頑張った人は、自分の頑張りを認められたいと考えます。
自分の頑張りを寄与分で、認めてほしいと考えがちです。
裁判所は、頑張った人を救済する機関ではありません。
寄与分で、頑張りは認められません。
頑張ったことは、評価の対象外だからです。
家族のために尽くしてきたことは、決して無駄ではありません。
寄与分は頑張りを評価する仕組みではないから、努力が法律上の評価につながらないのです。
主観的評価軸と法律上の評価軸は、異なります。
法律上の評価軸に当てはまらないと、寄与分は認められません。
理由②寄与分で評価されるのは財産の維持増加のみ
寄与分とは、被相続人の財産の維持・増加について特別な貢献をした人がいる場合、特別な貢献をした人に対して、相続分以上の財産を受け継いでもらう制度です。
寄与分で評価されるのは、財産の維持増加のみです。
寄与分が認められるのは、直接的に財産の維持増加に貢献することが条件です。
寄与分を主張する人が次の主張をすることがあります。
・精神的な支えになった。
・本人の安心感を高めた。
・家庭を円満にした。
上記はいずれも、直接的に財産の維持増加につながっていません。
精神的な支えや本人の安心感に、意味がないわけではありません。
寄与分で評価されないという意味です。
理由③家族として自然な行為の範囲内
家族は、助け合って暮らしています。
家族がて暮らしていくうえで、助け合いは当然の行為です。
親子や配偶者といった関係性の中で、見返りを求めない行為があります。
見返りを求めない行為であったはずなのに、寄与分として評価してほしいというのは矛盾していると考えられます。
見返りを求めない行為だったから、寄与分は認められません。
理由④寄与の内容・期間・程度を説明できない
一部の相続人に寄与分が認められると、他の相続人の相続分が減ります。
寄与分を認定するには、寄与分に当たる行為を具体的に示す必要があります。
次の事項を客観的に示します。
・いつから
・どのくらいの期間
・どのようなことを
・どの程度の行ったか
現実には、長期間経過する中で記憶があいまいになります。
頑張った努力したなどの主観的主張のみで、数値化できないことがあります。
たとえ多大な貢献をしても具体的な行為を客観的証拠で説明しないと、寄与分は認められません。
具体性が欠けると、寄与分として評価できません。
理由⑤他の相続人と比べて特別ではない
寄与分が認められるためには、他の相続人と比べて明らかに突出した貢献があることが基準になります。
他の相続人の相続分を減らすため、合理性があることが重要だからです。
家族の中で役割分担をしたにすぎない場合、突出した貢献とは認められません。
偶然近くに住んでいただけの場合、他の相続人と比べて特別ではないと考えられます。
明らかに突出した貢献がないと、寄与分は認められません。
2寄与分が認められない典型的ケースの現実
ケース①同居していたケース
一部の相続人が被相続人と同居していることがあります。
同居とは、生活の場を共有することです。
生活の場を共有しても、被相続人の財産の維持増加とは無関係と考えられます。
むしろ生活費の負担が軽減されていたから、利益を受けていたと評価されることがあります。
同居してあげていた主張では、寄与分の根拠になりません。
同居していただけのケースでは、寄与分は認められません。
ケース②介護や家事など生活支援をしていたケース
同居している相続人などが生活支援をしていることがあります。
生活支援とは、次のような行為です。
・食事や排泄、入浴の介助をした
・夜間の見守りをした
・通院など外出の付き添った
・施設に入れずに自宅で身の回りの世話をした
・認知症になっても自宅で生活できるように支援した
寄与分の本質は、被相続人の財産の維持増加に対する貢献です。
生活支援が大変であっても、被相続人の財産の維持増加に直接的に結びつきません。
生活支援に献身的であっても、頑張りや努力は寄与分で評価されません。
生活支援は、家族として自然な行為の範囲内でもあります。
被相続人の介護は生活の維持であって、財産の維持増加が目的ではありません。
介護は家族として自然な行為だから、特別な貢献ではありません。
介護を行ったことは、寄与分の趣旨に合致しないと考えられています。
確かに、特殊なケースでは寄与分が認められる余地があります。
家族として自然な範囲を超え、専門職レベルの専門的介護を無償で提供した場合などです。
例えば、次のようなケースです。
・医師や看護師である相続人が医療ケアを長期間無償で行った
・理学療法士である相続人が専門的リハビリを長期間無償で行った
実務的には、非常にレアケースです。
上記のレアケースでも、財産の維持に貢献した金額を客観的証拠で立証する必要があります。
次のような医療ケアはヘルパーが行えないから、家族が行うことがあります。
・たん吸引
・経管栄養
・褥瘡ケア
厚生労働省は、家族による医療ケアを前提に制度設計をしています。
家族が医療的ケアを行うことは特別な貢献ではなく、法律上、通常の生活支援と考えられます。
家族が医療的ケアを行うことは、直接的に財産の維持増加に結びつきません。
医療的ケアを行った客観的証拠があっても、寄与分はほとんど認められません。
家族の介護で施設費用を節約したから、直接的に財産の維持に貢献したという主張するかもしれません。
実務的には、次の理由で否定されることが多いでしょう。
・本人の希望で施設に入らなかっただけ。
・家族が介護しても、施設費用が節約されたのか分からない。
・介護保険があるから、そもそも費用がかからなかったはず。
・貢献した財産額を客観的に証明できない
直接的に財産の維持に貢献した事実を客観的証拠で、立証する必要があります。
同居して家族にしかできない介護をしたと主張しても、寄与分は認められません。
家族にしかできない介護は、家族として自然な行為の範囲内と主張しているからです。
寄与分が認められないのは努力不足ではなく、生活支援が評価されない仕組みだからです
生活支援をした客観的証拠があっても、寄与分は認められません。
生活支援は、寄与分の対象外という制度上の前提があるためです。
介護や家事など生活支援をしていたケースでは、寄与分はほとんど認められません。
ケース③施設入所中のお見舞いや話し相手をしていたケース
被相続人が施設に入所することがあります。
施設入所中は、生活支援の中心は施設です。
家族が行う支援内容の中心は、精神的サポートです。
毎週お見舞いに行ったことや話し相手になったことは、精神的サポートに過ぎません。
精神的サポートをしても、被相続人の財産の維持増加とは無関係です。
精神的サポートは、家族として自然な行為の範囲内でもあります。
精神的サポートしただけの主張では、寄与分の根拠になりません。
施設入所中のお見舞いや話し相手をしていたケースでは、寄与分は認められません。
ケース④頑張っていた主観的主張だけのケース
寄与分の認定において、頑張りは評価の対象外です。
寄与分を認定する家庭場所は、被相続人や相続人の関係性を知りません。
相続人間の前提として共有する感情や信頼関係がありません。
寄与分があるはずという主観的な主張だけで、認められることはありません。
家庭裁判所は何も知らない第三者だから、主観的主張だけでは判断できません。
寄与分を主張する人は、寄与に該当する事実を立証する必要があります。
主観的な事実認識は、客観的証拠がなければ評価されません。
客観的証拠がないと、何も知らない第三者は判断できないからです。
どれだけ多大な貢献があっても、客観的証拠がないと寄与分は認められません。
何も知らない第三者が評価できるだけの充分な客観的証拠が必要です。
頑張っていた主観的主張だけのケースでは、寄与分は認められません。
ケース⑤客観的証拠が散逸しているケース
寄与分の立証には、客観的証拠が不可欠です。
寄与分があるはずという主観的な主張だけで、認められることはありません。
例えば被相続人の財産増加に貢献する行為には、次のものがあります。
・被相続人の事業を手伝って、多大な利益をもたらした。
・被相続人の不動産を無償で管理して、維持費を節約した。
・被相続人の財産を守るため特別な支出をした。
上記のような寄与に該当する事実は、数年以上の長期間積み重なる事実です。
相続が発生した時点で、客観的証拠が散逸していることが一般的です。
寄与に該当する事実は日常生活の中にあるうえ、いちいち記録しないからです。
寄与分は、遺産分割協議を前提とする制度です。
相続が発生する前に、遺産分割協議をすることはできません。
相続が発生した時点では、客観的証拠が散逸してしまっています。
長期間積み重なる事実で客観的証拠が散逸するのは、構造的に止むを得ません。
どれだけ多大な貢献があっても、客観的証拠がないと寄与分は認められません。
客観的証拠が散逸しているケースでは、寄与分は認められません。
3寄与分に期待するより現実的な対策
対策①公正証書遺言を作成して相続人に報いる
(1)遺言書があれば遺産分割協議は不要
寄与分は、遺産分割協議が前提の制度です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺言書があれば、遺言書のとおりに遺産分割をすることができます。
遺言書があれば、遺産分割協議は不要です。
(2)遺言書で被相続人の意思を示す
被相続人は、だれが貢献したのか知っているはずです。
客観的証拠がなくても、どの程度の貢献なのか分かっているはずです。
遺言書を作成して、相続人に報いることができます。
遺言書は、被相続人の意思を最も直接的に示すことができます。
寄与分は、被相続人の意思を代替することはできません。
遺言書がないと寄与分争いが起きやすいという事実を家族で共有することが重要です。
(3)公正証書遺言でトラブル防止
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。
自筆証書遺言は、自分で書いて作る遺言書です。
公正証書遺言は、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
遺言書を作成する場合、公正証書遺言がおすすめです。
公正証書遺言は、公証人が関与して作成するからです。
遺言書が無効になりにくく、高い信頼があります。
作成した遺言書は、公証役場で厳重保管されます。
公正証書遺言は、相続人間のトラブル防止になります。
対策②任意後見契約で報酬を支払う
(1)任意後見契約は介護契約ではない
任意後見契約とは、判断能力が低下したときに備えてサポートを依頼する契約です。
任意後見人は、本人に代わって財産管理や身上監護を行います。
身上監護とは、本人の日常生活や健康管理、介護など生活全般について重要な決定をすることです。
任意後見契約は、介護契約ではありません。
任意後見契約をしても、食事や身の回りの世話を依頼できません。
(2)任意後見人が生活支援の中心人物
任意後見人は、本人に代わって介護など生活全般について重要な決定をする人です。
現実的には、介護サービスの手配、通院付き添い、生活管理などを担うことになるでしょう。
任意後見人が生活支援の中心人物にならざるを得ません。
(3)任意後見人に後見報酬を支払うことができる
任意後見契約において、任意後見人に報酬を支払う定めを置くことができます。
任意後見人に支払う報酬は、本来、財産管理や身上監護に対する報酬です。
任意後見人が行うさまざまな貢献を、後見報酬に含ませて支払うことができます。
相続が発生してから寄与分を主張しても、認められにくいのが現実です。
さまざまな貢献をしたのに相続分に反映されないと、相続人間の深刻なトラブルになりがちです。
任意後見報酬なら、契約に基づいて正当に支払いを受けることができます。
任意後見契約は公正証書にするから、透明性があります。
寄与分で報われない介護を現実的に調整することができます。
(4)元気なうちに任意後見契約
任意後見契約は、本人が元気なうちだけ締結ができます。
認知症になった後で、任意後見契約はできません。
4生前対策と遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書作成は、相続手続最大の山場です。
相続財産の分け方を決めるのは、トラブルになりやすい手続だからです。
被相続人の事業を手伝っていた、療養看護に努めた相続人がいる場合、この苦労を相続で報いてもらいたいと思います。
高いハードルを越えて寄与分が認められた場合であっても、本人が思うような金額になることはほとんどありません。
法律で実質的公平が図られるのは、残念なことですが事実上困難です。
相続手続が大変だったという人は、分け方を決めることができないから大変だったのです。
生前に相続財産の分け方を対策しておくことが相続をラクにします。
相続財産の分け方が決まれば、遺産分割協議書作成は一挙にラクになります。
相続手続がラクに済めば、家族の絆が強まります。
家族の幸せのために、生前対策と遺産分割協議書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
寄与分が認められるケースと必要になる証拠
1寄与分で例外的に相続分を調整する
①相続の基本原則は法定相続分
相続人が相続する相続分は、法律で決められています。
相続の基本原則は、法定相続分による遺産分割です。
②財産の維持増加に限定して寄与分で調整する
寄与分とは、被相続人の財産の維持・増加について特別な貢献をした人がいる場合、特別な貢献をした人に対して、相続分以上の財産を受け継いでもらう制度です。
寄与分で評価されるのは、財産の維持増加のみです。
寄与分が認められるのは、直接的に財産の維持増加に貢献することが条件です。
直接的に財産の維持増加に貢献したときに限って、例外的に相続分を調整します。
③具体的で直接的な因果関係が必要
寄与分が認められるためには、被相続人の財産の維持・増加について特別な貢献をしたことが重要です。
被相続人の財産の維持・増加と特別な貢献に、具体的で直接的な因果関係が必要です。
・単なる好影響
・間接的なプラス効果
・結果的に助かった
上記のようなレベルでは、寄与分は認められません。
寄与分を主張する人の行為と財産の維持・増加が直接結びついていることが重要です。
風が吹けば桶屋が儲かる程度では、寄与分は認められません。
仮定を積み重ねる多段階連鎖推論では、推測に過ぎないからです。
寄与分は例外的制度だから、相続の基本を崩すだけの客観的合理性が必要です。
④家庭裁判所は客観的証拠で判断
家庭裁判所は、何も知らない第三者です。
家族の関係性や役割分担を共有していません。
家庭裁判所は、客観的証拠で判断します。
現実には、長期間経過する中で記憶があいまいになります。
頑張った努力したなどの主観的主張のみで、数値化できないことがあります。
たとえ多大な貢献をしても具体的な行為を客観的証拠で説明しないと、寄与分は認められません。
具体性が欠けると、寄与分として評価できません。
例外を認めるに足りる客観的合理性を支えるため、客観的証拠で判断します。
⑤寄与分が認められるための最低条件
条件(1)扶養義務を明確に超える行為
条件(2)財産の維持・増加との直接因果関係
条件(3)金額として算定可能
条件(4)客観証拠が充分に存在
条件(5)他の相続人の減額を正当化できる合理性
⑥家庭裁判所が寄与分を慎重に審査する理由
理由(1)相続の基本原則に対する例外的調整だから
寄与分の制度は、例外です。
例外が広く認められると、相続手続の安定性が崩壊します。
裁判所は寄与分を慎重に審査して、相続の基本原則を維持します。
理由(2)相続人全員の公平のため
寄与分が認められると、他の相続人の相続分が減少します。
法定相続分は、法律が定めた分配の原則です。
寄与分が目指す公平は、相続人全員の公平です。
他の相続人の減額を正当化できるか、客観的証拠で慎重に審査します。
理由(3)扶養義務との境界があいまいだから
家族には、扶養義務があります。
通常の家事・介護・見守りは、扶養義務の範囲内です。
寄与分が認められるのは、扶養義務の範囲の明確に超える特別の寄与のみです。
扶養義務の範囲であるのか、慎重に審査する必要があります。
理由(4)感情的対立が極端に強いから
主観的評価には、客観的な基準がありません。
寄与分では財産の維持・増加についてのみ、限定的に評価します。
裁判所は、紛争を解決する機関だからです。
2寄与分が認められるケースと必要になる証拠
ケース①被相続人の事業への無償従事
(1)裁判所が重点的に審査するポイント
・好景気や市場拡大によるものではないか
・他の役員や従業員の貢献ではないか
・通常の報酬を受けていないか
(2)経済的効果の立証ポイント
経済的効果は、金額の算定可能が必須です。
感覚的評価ではなく、財務分析レベルの立証が必要です。
具体的には、次の資料を準備します。
・決算書、損益計算書、貸借対照表
・月次売上資料、試算表
(3)直接的因果関係の立証ポイント
行為と利益増加に、具体的な因果関係が必要です。
単なる好景気や市場拡大ではなく、合理的な因果関係を立証します。
具体的には、次の資料を準備します。
・主要取引契約書、新規顧客契約書
・事業計画書、改善提案書
・銀行などの交渉資料、融資契約資料
いずれも関与した人が明確に分かる必要があります。
関与した人が分からないと、直接的因果関係が立証できないからです。
(4)特別性の立証ポイント
特別性とは、他の相続人より明らかに大きな貢献をしていることです。
単なる家族の家族の手伝い程度を超えて、経営判断に関与していることを立証します。
具体的には、次の資料を準備します。
・株主総会議事録、取締役会議事録
・社内組織図、職務分掌表
(5)無償性・低報酬性の立証ポイント
通常の報酬や給与を受け取っていた場合、寄与分で評価はされません。
具体的には、次の資料を準備します。
・給与明細、賃金台帳
(6)理論上認められ得る典型例
・赤字会社を黒字化
・破産を回避
・大口取引の獲得
ケース②不動産管理で家賃収入増加
(1)裁判所が重点的に審査するポイント
・市場全体の賃料上昇ではないか
・職業的・専従的管理であるか
・他人の貢献ではないか
(2)経済的効果の立証ポイント
不動産管理の前後で、増加額を立証します。
具体的には、次の資料を準備します。
・不動産管理前後の家賃収入一覧表、
・確定申告書の控え、通帳の写し
(3)直接的因果関係の立証ポイント
行為と賃料増加に、説明可能な因果関係が必要です。
具体的な管理行為によって賃料増加になったことを立証します。
具体的には、次の資料を準備します。
・管理物件の空室率推移資料、地域全体の空室率推移資料
・賃料台帳、地域全体の賃料相場資料
・リフォーム提案書、工事契約書、施工前後写真
・滞納賃料の回収資料、交渉記録、和解契約書
同じ地域・同種物件との比較で差が出ていないと、景気要因と判断されます。
リフォームと賃料上昇に時間が経過していると、因果関係が否定されやすくなります。
(4)特別性の立証ポイント
被相続人や他の相続人が関与せず、一手に管理会社レベルの業務をしたことを立証します。
管理業務の専門性と専従性、継続性の立証が重要ポイントです。
単なる鍵の受け渡し程度では、寄与分は認められません。
具体的には、次の資料を準備します。
・高齢で管理不能である医療記録、診断書
・不動産業者の陳述書、メール記録、更新契約書の署名者
・鍵の管理記録、銀行振込手続き履歴、クレーム対応履歴
(5)無償性・低報酬性の立証ポイント
相当な対価を受けている場合は、原則として寄与分は否定されます。
管理委託契約があれば、契約対価で評価済と判断されます。
具体的には、次の資料を準備します。
・決算書
(6)理論上認められ得る典型例
・長期間空室物件を立て直した
・大規模滞納を回収
・老朽物件を改善し高収益化
ケース③不動産の大規模改修・価値増加行為
(1)裁判所が重点的に審査するポイント
・大規模修繕をだれが主導したか
・自己資金を拠出または無償で実行
・大規模修繕により客観的価値が増加したか
(2)経済的効果の立証ポイント
通常の修繕ではなく、大規模修繕が重視されます。
例えば、外壁全面改修、屋上防水全面更新、耐震補強などです。
具体的には、次の資料を準備します。
・不動産の鑑定評価書、収益還元法による試算書、家賃単価上昇資料
(3)直接的因果関係の立証ポイント
不動産の管理は、不動産価値の減少を防ぐ行為です。
不動産の大規模修繕は、不動産価値を増加させる行為です。
不動産投資の側面が強くなります。
不動産投資によって、財産価値が上昇したことを数字で指名すことが重要です。
具体的には、次の資料を準備します。
・不動産の鑑定評価書、収益還元法による試算書、家賃単価上昇資料
(4)特別性の立証ポイント
大規模修繕は、自己資本の投入、経営判断、リスク負担を伴います。
だれでもできるものではないと、判断されやすいです。
具体的には、次の資料を準備します。
・工事請負契約書、見積書、請求書
・振込記録、施工前後の写真、工事内容説明書
(5)無償性・低報酬性の立証ポイント
相当な対価を受けている場合は、原則として寄与分は否定されます。
(6)理論上認められ得る典型例
・賃貸物件の大規模修繕を自己責任で行って家賃収入を増加した
・自己資本を投入して建物改修し資産価値向上
ケース④専門職レベルの医療・看護
(1)裁判所が重点的に審査するポイント
・医師や看護師などが本来は有償で提供される高度医療・専門的処置を無償で提供したか
・扶養義務の範囲を明確に超えているか
・専門的役務に市場価値があるか
・財産維持との具体的直接的因果関係
・無償であるか
(2)直接的因果関係の立証ポイント
●医学的管理の不可欠性
要介護度が高い、医療依存度が高い、24時間観察が必要であることは、医学的管理の不可欠性を示します。
具体的には、次の資料を準備します。
・主治医による意見書、処置内容の指示書
・要介護認定の資料、医療記録
●実際に専門的医学管理を行ったこと
単なる見守りでは、不足です。
専門職レベルの医療・看護は、扶養義務の範囲を超すことが明らかです。
家族の助け合いで、専門職レベルの医療・看護はできないからです。
医師や看護師であっても、単なる家事介護が認められません。
点滴管理、褥瘡デブリードマン、経管栄養管理など、専門的判断を必要とする行為であることを立証します。
具体的には、次の資料です。
・医師や看護師などの免許証、資格証、登録済証明書
・在宅で医療的管理が必要だったことの主治医による診断書、具体的処置内容の指示書
・処置記録や看護記録、主治医への報告記録
●施設入所や入院の蓋然性の高さ
施設入所や入院がほぼ確実であったことが重要です。
具体的には、次の資料です。
・主治医による医療型施設入所の意見書、ケアマネジャーによる意見書、ケアプラン
・施設の空床確認書
●代替可能性の低さ
制度上可能であったかではなく、現実的に代替可能であったかを重視します。
現実的に代替可能であったかとは、制度利用では対応しきれない状態です。
介護保険限度内で収まるケースやヘルパー利用で足りるケースでは、財産維持との因果関係が弱いと判断されます。
具体的には、次の資料です。
・ケアプランやサービス利用限度額資料、訪問看護単位数試算表
・主治医による常時観察の指示書、頻回の対応記録、急変記録
●専従性・継続性
短期では、認められにくいでしょう。
数年単位で、ほぼ専従状態であることが重要です。
具体的には、次の資料です。
・勤務時間短縮記録、退職証明書
(3)経済的効果との立証ポイント
医師や看護師による専門的役務には市場価値があり、客観的な市場単価があります。
診療報酬基準があるからです。
いくらの経済的価値を無償提供したか、客観的に明確にしやすいと言えます。
具体的には、次の資料を準備します。
・施設の見積書、月額利用料試算表
(4)無償性・低報酬性の立証ポイント
相当の対価を得ていた場合、寄与分で評価するのは二重評価になります。
無償であるか著しい低報酬であることが重要です。
具体的には、次の資料を準備します。
・入金が分かる通帳の写し
(5)特別性の立証ポイント
単なる家族の助け合いを超えて、専門職レベルの医療・看護を行ったことが重視されます。
具体的には、次の資料を準備します。
・医師や看護師などの免許証、資格者証、登録証明書
(6)理論上認められ得る典型例
・医療依存度が極めて高い在宅管理
・実際に入所・入院を検討していたが回避した
・公的サービス上限を超える医療対応が必要だった
3家族による家事介護は寄与分で評価されにくい理由
理由①頑張ったことは評価されない
寄与分は、財産の維持増加のみ限定的に評価する制度です。
家事や介護で頑張ったことは、法的に評価されません。
理由②家族としての自然な行為
家族は、扶養義務があります。
家族の助け合いの範囲内の行為は、特別な貢献とは言えません。
理由③生活維持が目的の行為
食事、入浴、排せつなどの介護や買い物、掃除などの家事は、日常生活を維持する行為です。
財産の維持増加とは無関係な行為は、寄与分で評価されません。
理由④因果関係を立証できない
家事や介護によって財産がいくら維持増加したのか、客観的数字で示すことは困難です。
施設費用を節約できたとしても、仮定を積み重ねる多段階連鎖推論で寄与分は認められません。
理由⑤客観的証拠がほとんどない
日常生活の世話は、長期間に渡ります。
客観的資料は、散逸しがちです。
客観的資料がないと、主観的主張だけでは裁判所は判断できません。
4生前対策と遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書作成は、相続手続最大の山場です。
相続財産の分け方を決めるのは、トラブルになりやすい手続だからです。
被相続人の事業を手伝っていた、療養看護に努めた相続人がいる場合、この苦労を相続で報いてもらいたいと思います。
高いハードルを越えて寄与分が認められた場合であっても、本人が思うような金額になることはほとんどありません。
法律で実質的公平が図られるのは、残念なことですが事実上困難です。
相続手続が大変だったという人は、分け方を決めることができないから大変だったのです。
生前に相続財産の分け方を対策しておくことが相続をラクにします。
相続財産の分け方が決まれば、遺産分割協議書作成は一挙にラクになります。
相続手続がラクに済めば、家族の絆が強まります。
家族の幸せのために、生前対策と遺産分割協議書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
遺産分割協議における寄与分の役割と位置づけ
1遺産分割協議における寄与分の役割と位置づけ
①遺産分割協議は相続人全員の合意で成立
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立します。
②寄与分は遺産分割協議が前提の制度
寄与分とは、被相続人の財産の維持・増加について特別な貢献をした人がいる場合、特別な貢献をした人に対して、相続分以上の財産を受け継いでもらう制度です。
寄与分の制度は、相続の基本ルールではありません。
特別な貢献があったと認められた場合に限り、特別に相続のルールを修正する制度です。
寄与分は、例外の制度です。
遺産分割協議において、特別な貢献を反映させる制度が寄与分です。
寄与分は、遺産分割協議が前提です。
相続人による話し合いの場が存在するからこそ、寄与分は意味があると言えます。
寄与分を請求し、協議し、相続人全員で合意して、相続分に反映されます。
遺産分割協議が不要なら、寄与分は議論になりません。
③寄与分は自動的に加算されない
相続人が相続する相続分は、法律で決められています。
遺産分割協議は、法律で決められた相続分を参考にして具体的な財産の分け方を決める場です。
特別な貢献をした人がいても、自動で相続分は加算されません。
寄与分は、例外的な取り扱いだからです。
寄与分は、相続分を当然に加算する制度ではありません。
特別な貢献をした人がいても、当然に相続分が修正されることはありません。
寄与分は、請求主義の制度だからです。
仮に自動で加算する仕組みにすると、他の相続人の権利を侵害するおそれがあります。
権利侵害は許されませんから、主張と協議を必須にしています。
④寄与分が認められて相続分に反映される
寄与分は、遺産分割協議の中で調整される制度です。
だれがどのような貢献をしたのか、遺産分割協議の中で調整されます。
どの程度の貢献があったのか、遺産分割協議の中で決められます。
寄与分は、相続人全員の合意で決められると言えます。
寄与分は、遺産分割協議で決められるからです。
相続人全員に寄与分が認められて、相続分に反映されます。
相続人全員の合意ができなければ、裁判などで争うことになります。
裁判所は、頑張った人を救済する機関ではありません。
客観的証拠で裁判所に認められて、相続分に反映されます。
寄与分があるはずという主観的な主張だけでは、寄与分は相続分に反映されません。
例外的な取り扱いだから、寄与分の認定は非常に慎重です。
相続の基本ルールを崩す合理性が第三者にも認められる場合にのみ、認められます。
寄与分が例外的な取り扱いであることの現れです。
2 寄与分は頑張った人に報いる制度ではない
①寄与分は頑張りを評価しない
被相続人の財産の維持増加に対する特別な寄与があったとき、寄与分で評価の対象になります。
頑張ったことは、評価の対象外です。
・どれだけ時間を使ったか
・どれだけ苦労したか
・どれだけ献身的だったか
上記は、いずれも評価されません。
その人の頑張りは評価されないから、努力の量を主張しても意味がありません。
②家庭裁判所は客観的証拠で判断する
家庭裁判所は、被相続人や相続人の関係性を知りません。
相続人間の前提として共有する感情や信頼関係がありません。
寄与分があるはずという主観的な主張だけで、認められることはありません。
寄与分は、主張する人が立証する必要があります。
家庭裁判所は、何も知らない第三者です。
主観的な事実認識は、客観的証拠がなければ評価されません。
客観的証拠がないと、何も知らない第三者は判断できないからです。
どれだけ多大な貢献があっても、客観的証拠がないと寄与分は認められません。
何も知らない第三者が評価できるだけの充分な客観的証拠が必要です。
③客観的証拠が重要な理由
理由(1)寄与分は他の相続人の相続分を減らす制度だから
寄与分が認められると、寄与した相続人の相続分は増え他の相続人の相続分は減ります。
一部の相続人の主張が通ると、他の相続人がソンする制度と言えます。
大変だった、頑張ったなどの主張だけでは、寄与があったのか客観的に分かりません。
主観的な主張だけでなく、寄与があったのか、どの程度の寄与なのか客観的に確認する必要があります。
主観的主張だけで寄与分を認めると、他の相続人の権利を侵害するかもしれません。
他の相続人の権利を侵害しないため、客観的証拠が不可欠です。
理由(2)寄与分は相続の基本ルールの例外だから
相続の基本ルールは、法定相続分での遺産分割です。
寄与分は、基本ルールに対する例外です。
例外を正当化できるだけの客観的証拠が必要です。
どのような行為をどのくらいの期間行って、どのように財産の維持増加をしたのか、客観的証拠で示す必要があります。
例外を認めるに足りる正当性を示すため、客観的証拠が必要です。
理由(3)過去の事実認定が中心の制度だから
寄与分の判断は、過去に行った事実の認定する作業です。
過去の事実は、当事者の記憶があいまいになります。
当事者の主観が混じります。
家族によって、事実のとらえ方が異なります。
過去に行った事実を適切に認定するため、客観的証拠が重要です。
④寄与分が目指す公平の意味
(1)公平の対象は相続人全員
寄与分が目指す公平は、寄与分を主張する相続人のみが対象ではありません。
寄与分の申立人も他の相続人も、公平の対象です。
寄与分が目指す公平の対象は、相続人全員です。
相続人全員が公平だから、相続人全員が納得できる公平のため客観的証拠が欠かせません。
(2)寄与分の公平は救済ではない
寄与分が目指す公平は、相続人全体の相続分のバランスを整える公平です。
そもそも、公平の対象は相続人全員です。
頑張った人を救済する制度ではありません。
寄与分は、最小限数値化して調整する制度です。
寄与分は、申立人の納得や報われたい感情を救済する制度ではありません。
(3) 公平の基準は財産の維持増加
寄与分の評価対象は、財産の維持増加に対する寄与のみです。
どれだけ苦労したかなどの努力や頑張りは、評価の対象外です。
寄与分が目指す公平は、客観的な財産の維持増加に限られます。
(4)公平のため客観的証拠が必要
寄与分の認定に客観的証拠を求められると、反発や困惑が生まれます。
家庭裁判所が客観的証拠を求めるのは、疑っているからではありません。
寄与分が目指す公平は、相続人全員の公平だからです。
寄与分を主張する相続人にも他の相続人にも、不当な不利益を与えることは許されません。
相続人全員の公平のため、客観的証拠が必要です。
(5)客観的証拠に基づいて判断できる範囲の公平
客観的証拠が準備できないと、寄与分は認定されません。
寄与分が目指す公平は、客観的証拠に基づいて判断できる範囲の公平です。
寄与分を主張する相続人が感じる公平とは、異なる公平かもしれません。
自己評価を裏付ける客観的証拠が準備できないことが多いでしょう。
寄与分に期待すること自体がトラブルを深刻化させる原因です。
客観的証拠がなくても、寄与がなかったと言っているわけではありません。
家庭裁判所は、寄与分を主張する相続人の努力や頑張りを否定するわけではありません。
他の相続人に不利益を及ぼす形で寄与分を認めるためには、客観的証拠が必要であるに過ぎません。
⑤特別受益と寄与分で遺産分割は複雑になる
特別受益とは、一部の相続人だけが特別に受けた利益です。
過去に特別に受けた利益を考慮して、公平に遺産分割を実現させます。
特別受益と寄与分の制度は、どちらも公平な遺産分割を実現する制度です。
特別受益は、過去に受けた利益を戻す調整です。
寄与分は、過去に行った貢献を評価する調整です。
どちらの制度も調整のために、限定的に用いられます。
相続人が特別受益や寄与分の主張をすると、遺産分割協議が複雑になりがちです。
調整対象が増えるため、当事者の認識に差が生じやすいからです。
⑥寄与分に期待すると危険な理由
理由(1)頑張りや努力は評価されない
寄与分の評価は、財産の維持増加に限られています。
介護、家事、付き添い、見守りなどは、財産的な評価がされません。
介護や家事で頑張っても努力しても、寄与分で評価されません。
理由(2)寄与分は例外的制度
寄与分は、相続の基本ルールを崩す例外です。
基本ルールを崩すに値する特別性や合理性が必要です。
普通の介護や家事程度では、例外を認める必要はありません。
理由(3)寄与分は他の相続人の相続分を減らす
寄与分が認められると、他の相続人の相続分が減ります。
他の相続人が納得できる客観的証拠で、慎重厳格に審査されます。
理由(4)客観的証拠が残りにくい
介護や生活支援は、家族として当然に行っていることが多いです。
介護や生活支援の事実はあっても、客観的証拠が残りにくいです。
客観的証拠がないと、寄与分は認められません。
理由(5)申立人の主観と法的評価のちがい
申立人は、自分は頑張ったから報われたいと願っています。
寄与分の認定で、頑張ったことは評価の対象外です。
頑張りが否定されたと感じて、ショックを受けます。
理由(6)家族関係が壊れやすい
寄与分が認められると、他の相続人の相続分が減ります。
家族の感情的対立が発生しやすくなります。
理由(7)金額が少ない
頑張ったことの自己評価は、高くなりがちです。
寄与分は財産の維持増加についてのみ、評価されます。
介護の苦労などは、財産的評価に結びつきにくいのが現実です。
3遺言書があれば寄与分は問題にならない
①遺言書があれば遺産分割協議は不要
被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。
遺言書があれば、遺言書の内容どおりに遺産分割をすることができます。
遺言書の内容を実現すればいいから、遺産分割協議は不要です。
寄与分は、遺産分割協議が前提の制度です。
遺産分割協議が不要になると、寄与分は問題になりません。
寄与分が問題になるのは、被相続人の意思が明確でないからです。
遺言書があれば、寄与分を争う必要がなくなります。
②寄与分は被相続人の意思を代替できない
遺言書は、遺言者の意思を示すものです。
被相続人の意思をもっとも直接的に示すことができます。
被相続人は、だれが貢献したのか知っているはずです。
客観的証拠がなくても、どの程度の貢献なのか分かっているはずです。
寄与分は、被相続人の意思を代替できません。
被相続人の意思を示すことができるのは、遺言書だけです。
③公正証書遺言はトラブル防止になる
遺言書を作成する場合、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成することがほとんどです。
自筆証書遺言は、自分で書いて作る遺言書です。
公正証書遺言は、遺言内容を公証人に伝え公証人が書面に取りまとめる遺言書です。
遺言書を作成する場合、公正証書遺言がおすすめです。
公正証書遺言は公証人が関与して作成します。
公証人は、法律の専門家です。
遺言書が無効になりにくく、高い信頼があります。
作成した遺言書は、公証役場で厳重保管されます。
偽造や変造を疑われるトラブルが発生しません。
公正証書遺言は、相続人間のトラブル防止になります。
4生前対策と遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書作成は、相続手続最大の山場です。
相続財産の分け方を決めるのは、トラブルになりやすい手続だからです。
被相続人の事業を手伝っていた、療養看護に努めた相続人がいる場合、この苦労を相続で報いてもらいたいと思います。
高いハードルを越えて寄与分が認められた場合であっても、本人が思うような金額になることはほとんどありません。
法律で実質的公平が図られるのは、残念なことですが事実上困難です。
相続手続が大変だったという人は、分け方を決めることができないから大変だったのです。
生前に相続財産の分け方を対策しておくことが相続をラクにします。
相続財産の分け方が決まれば、遺産分割協議書作成は一挙にラクになります。
相続手続がラクに済めば、家族の絆が強まります。
家族の幸せのために、生前対策と遺産分割協議書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
相続分の譲渡をしても債務の返済義務がある理由
1自分の相続分は自由に譲渡できる
①相続分と言う権利を譲渡できる
相続人になる人は、法律で決められています。
相続人が相続する相続分も、法律で決められています。
相続分の譲渡とは、相続分を他の相続人や第三者に譲渡することです。
自分の相続分は、自由に譲渡することができます。
相続分の譲渡では、具体的な財産を譲渡するのではありません。
相続分と言う権利を譲渡します。
②他の相続人や債権者の同意なしで相続分を譲渡できる
自分の相続分は、他の相続人の同意なしで譲渡することができます。
自分の相続分は、債権者の同意なしで譲渡することができます。
自分の相続分は、自由に譲渡することができるからです。
自分の財産は、自由に処分することができるからです。
③相続分の譲受人が遺産分割協議に参加
相続が発生したら、相続財産は相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
一部の相続人が相続分を譲渡した場合、相続分の譲受人が遺産分割協議に参加します。
相続分の譲渡人は、遺産分割協議に参加しません。
他の相続人に相続分の譲渡をすると、遺産分割協議に参加する人を減らすことができます
遺産分割協議に参加する人が減ると、話し合いがまとまりやすくなります。
④相続分を譲渡しても相続人のまま
自分の相続分は、自由に譲渡することができます。
譲渡するのは、相続分と言う権利です。
相続分を譲渡しても、相続人でなくなるわけではありません。
相続分を譲渡しても、相続人のままです。
遺産分割協議に参加する義務がなくなっても、相続人のままです。
相続人になる人は、法律で決められているからです。
2相続分の譲渡をしても債務の返済義務がある理由
理由①債務は相続財産だから
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産が含まれます。
被相続人が借金を抱えたまま死亡した場合、借金は相続人に相続されます。
債権者は、相続人に借金の返済を請求することができます。
理由②譲渡人は相続人のままだから
相続分を譲渡しても、相続人のままです。
債権者は、相続分の譲受人ではなく譲渡人に借金の返済を請求することができます。
被相続人の借金は、相続人が相続したからです。
相続分の譲渡をしても、相続分の譲渡人は相続人のままだからです。
相続分の譲渡をしても、相続分の譲渡人は借金の返済を拒むことはできません。
理由③相続分の譲渡は財産権の処分だから
自分の相続分は、自由に譲渡することができます。
相続分の譲渡では、相続財産に対する権利を譲渡したと言えます。
債務は、相続財産に対する権利とは独立して存在します。
相続分の譲渡は財産権の処分だから、債務は譲渡していません。
相続分の譲渡をしても、債務は相続分の譲渡人が負っています。
相続分の譲渡をしても、相続分の譲渡人は借金の返済を拒むことはできません。
理由④免責的債務引受には債権者の同意が必要だから
債務引受とは、債務を第三者に移す制度です。
免責的債務引受をすると、元の債務者は債務から解放されます。
新たな債務者が債務を引き受けるからです。
免責的債務引受をするためには、債権者の同意が必要です。
相続分の譲渡をしても、免責的債務引受の効果はありません。
仮に、相続分の譲渡で債務者の責任から免れるとすると、債権者の立場が不当に害されます。
債権者は、債務者の財産や収入から返済を期待しているからです。
債権者の回収可能性を奪われると、貸付の安全性が根底から崩れます。
債権者の立場が不当に害されることは、許されません。
免責的債務引受には債権者の同意が必要だから、債務は相続分の譲渡人が負っています。
相続分の譲渡をしても、相続分の譲渡人は借金の返済を拒むことはできません。
3相続分の譲渡人が借金返済した後の対応
①相続分の譲渡人は遺産分割協議に参加できない
一部の相続人が相続分を譲渡した場合、相続分の譲受人が遺産分割協議に参加します。
相続分の譲渡人は、遺産分割協議に参加しません。
相続分の譲渡をしても、債務の返済義務から逃れられません。
相続分の譲渡人に、借金の返済義務があります。
相続分の譲渡人が借金返済した後も、遺産分割協議に参加するのは相続分の譲受人です。
相続分の譲渡の効力に、変更はないからです。
相続分の譲渡人が借金返済した後も、相続分の譲渡人は遺産分割協議に参加する権利も義務もありません。
相続分の譲渡人は遺産分割協議に参加する権利も義務もないから、遺産分割協議書に押印することもありません。
②相続分の譲受人に求償する余地はある
相続分の譲渡をすると、相続分と言う抽象的な権利義務すべてを譲渡したと言えます。
相続分の譲渡人が借金を返済した場合、譲受人に求償する余地があります。
現実的には、求償に応じてもらえるか不確定要素が多いでしょう。
相続分の譲渡をした後に求償ができるか、内部的負担関係を決めておくのがおすすめです。
相続分の譲渡契約で明確に決めてあれば、トラブルにならないからです。
③相続分の譲渡契約を解除できない
相続分を譲渡しても、借金の返済義務があることははじめから分かっていたはずです。
借金の返済義務を果たしても、相続分の譲渡契約は自動的に解除されることはありません。
借金の返済義務を果たしても、相続分の譲渡契約を一方的に解除することはできません。
実質的に譲渡担保契約であったなど特殊な事情がない限り、相続分の返還請求はできません。
④遺産分割協議の効果が及ばない
相続財産の分け方は、遺産分割協議で決定します。
被相続人が借金を抱えていた場合、借金は相続財産です。
借金を負担する人を遺産分割協議で決定することができます。
債権者に対抗できなくても、相続人間の内部的合意として有効です
各相続人は借金を返済した後、借金を負担する人に請求することができます。
遺産分割協議の内容は、内部的合意として有効だからです。
相続分の譲渡人は、遺産分割協議に参加する権利も義務もありません。
借金を負担する人を遺産分割協議で決定しても、相続分の譲渡人に効力が及びません。
相続分の譲渡人が借金を返済した後、借金を負担する人に請求することができません。
4相続分の譲渡で起きるトラブルと防止策
トラブル①債権者から請求が続く
相続分を譲渡しても、債務の返済義務から逃れられません。
相続分を譲渡をするだけでは、債権者に対抗できないからです。
債権者は、相続分の譲渡とは無関係に譲渡人に請求できます。
相続分の譲渡をしたから債務の返済義務もなくなると誤解すると、トラブルになります。
防止策は、相続分の譲渡の制度をよく理解しておくことです。
トラブル②相続分の譲渡人が譲受人に求償
相続分の譲渡後に譲渡人が借金の返済をすることがあります。
譲渡人が譲受人が負担すべきと主張して求償すると、トラブルになります。
防止策は、相続分の譲渡契約に内部的負担関係を明記することです。
トラブル③遺産分割協議で決めた債務負担の対象外
相続分の譲渡人は、遺産分割協議に参加する権利も義務もありません。
遺産分割協議の内容の対象外になります。
遺産分割協議で債務の負担者を決めた場合に、トラブルになります。
他の相続人は、債務を返済した後に債務の負担者に請求できるからです。
相続分の譲渡人は、債務を返済した後に債務の負担者に請求できません。
防止策は、利害関係人として合意することです。
相続分の譲渡人は遺産分割協議に参加する権利も義務もないから、利害関係人として出席させます。
利害関係人として、債務の負担者を決める合意をすることができます。
5相続放棄をしたら債務の返済義務はない
①相続放棄ではじめから相続人でなくなる
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てをします。
家庭裁判所で相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
②相続放棄で遺産分割協議に参加しない
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が必要です。
相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなります。
相続人の地位を失うから、遺産分割協議に参加する権利と義務がありません。
相続人でなくなるから、相続財産の分け方について合意する必要がありません。
相続放棄をした人を含めずに、遺産分割協議を成立させることができます。
③相続放棄で債務の返済義務から逃れる
相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産が含まれます。
相続財産は、相続人が相続します。
相続放棄をすると、相続財産を相続しません。
プラスの財産とマイナスの財産の両方を相続しません。
たとえ莫大な借金があっても、債務の返済義務から逃れることができます。
相続放棄が認められたら、はじめから相続人でなくなるからです。
④相続放棄の期限は3か月
相続放棄には、期限があります。
相続があったことを知ってから、3か月です。
「相続があったことを知ってから」とは、被相続人が死亡して相続が発生し、その人が相続人であることを知って、かつ、相続財産を相続することを知ってから、と考えられています。
3か月過ぎてしまえば、単純承認になります。
相続放棄をしたら、債務の返済義務はなくなります。
相続放棄を希望するなら、3か月の期限に注意する必要があります。
6相続分の譲渡を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われます。
たくさんの手続で疲れていても、相続財産について、相続人全員による分け方の合意が必要です。
相続財産の分け方の合意はトラブルになりやすい手続です。
相続人がたくさんいると、さらにまとまりにくくなります。
相続分の譲渡を上手に使うと、話し合いをする相続人が減って、合意がしやすくなります。
通常の遺産分割で相続手続きを進めることが多いですが、状況に応じて制度を活用できます。
相続手続は、もめないようにするのが重要です。
もめないスムーズな相続手続きのためメリットデメリットを充分検討したい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
第三者への相続分の譲渡が問題を複雑にする理由
1第三者に対して相続分を譲渡できる
①自分の相続分は自由に譲渡できる
相続人になる人は、法律で決められています。
相続人が相続する相続分も、法律で決められています。
相続分の譲渡とは、相続分を他の相続人や第三者に譲渡することです。
自分の相続分は、自由に譲渡することができます。
相続分の譲渡では、具体的な財産を譲渡するのではありません。
相続分と言う権利を譲渡します。
②譲渡できるのは遺産分割協議成立前だけ
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人全員の共有財産です。
相続人全員が相続分で、共有していると言えます。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続分の譲渡ができるのは、遺産分割協議成立前のみです。
遺産分割協議が成立したら、相続人全員で合意した財産を引き継ぐからです。
遺産分割協議が成立したら、相続分の譲渡はできません。
③相続分の譲渡に同意は不要
自分の相続分は、自由に譲渡することができます。
相続分を譲渡する前に、だれかの許可や同意は不要です。
相続分を譲渡した後に、だれかの許可や同意は不要です。
他の相続人の許可や同意なく、勝手に相続分を譲渡することができます。
④相続分に含まれるもの
相続分とは、相続人が持つ相続財産全体に対して持つ割合的な権利です。
相続財産には、プラスの財産もマイナスの財産があるでしょう。
相続分には、プラスの財産もマイナスの財産も含まれています。
相続分を譲渡すると、プラスの財産とマイナスの財産を含めて割合的な権利が移転します。
相続分は割合的権利に過ぎないから、具体的に引き継ぐ財産は遺産分割協議で決定します。
⑤債権者は相続分の譲渡人に返済請求ができる
相続分の譲渡は、遺産分割に関する内部的な権利義務の移転です。
被相続人が借金を抱えていた場合、債権者は相続人全員に相続分で返済を請求することができます。
相続分を譲渡しても、相続人のままです。
相続分を譲渡しても、借金の返済義務を免れられません。
相続分の譲受人は、相続人ではありません。
相続分を譲り受けただけだから、借金の返済義務はありません。
債権者は、相続分の譲渡人に対して返済請求ができます。
⑥相続人による相続分の買戻しができる
遺産分割協議では、家族のプライベートな内容が話し合われます。
家族以外の人に聞かれたくないと、考えることがあるでしょう。
相続人以外の第三者に相続分を譲渡した場合、他の相続人は相続分を取り戻すことができます。
相続分を取り戻す場合、価額と費用を償還します。
相続分の取戻しは、相続分の譲渡後1か月以内に手続をする必要があります。
相続分の取戻しをする場合、相続分の譲受人の承諾は不要です。
2第三者への相続分の譲渡が問題を複雑にする理由
理由①第三者を含めて遺産分割協議が必要
遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が不可欠です。
相続分の譲渡があった場合、譲渡人は遺産分割協議に参加しません。
相続分の譲渡人の合意は、不要です。
相続分の譲渡があった場合、譲受人は遺産分割協議に参加します。
相続分の譲渡人の合意が、必要です。
第三者に相続分を譲渡した場合、第三者が遺産分割協議に参加します。
気心が知れた家族だけで遺産分割協議をする場合、話し合いがまとまりやすいものです。
関係が薄い人がいると、話し合いがまとまりにくくなります。
関係が薄い人がいると、親族間の信頼関係が揺らぐからです。
第三者を含めて遺産分割協議をする必要があるから、遺産分割は難航します。
理由②譲渡人は遺産分割協議に参加しない
相続分を譲渡すると、相続分の譲渡人は遺産分割協議に参加しません。
遺産分割協議で一部の相続人が債務を負担する合意をすることがあります。
相続人間の内部的合意として、有効な合意です。
相続人は債権者に返済した後、内部的合意によって求償することができます。
相続分の譲渡人は遺産分割協議に参加できないから、合意の恩恵を得られません。
相続分の譲渡人と他の相続人間で、トラブルに発展するおそれがあります。
理由③相続分を買う業者は利益目的
相続分の譲受人は、ビジネスで相続分を買っています。
家族のプライベートな事情に、関心はありません。
相続分を買い受ける業者は、遺産分割協議でもビジネスライクに対応します。
ビジネスで相続分を買っているから、利益最大化を目指して行動します。
利益追求して対応するから、家族の事情に配慮する動機がありません。
譲り受けた相続分相当の財産を遠慮なく要求し、譲歩しません。
相続分相当の財産を得られないなら、遺産分割協議に合意しません。
他の相続人に強硬な姿勢で交渉するから、和解することが非常に困難になります。
第三者を含めて遺産分割協議が必要になるから、遺産分割協議が長期化します。
理由④譲渡人であっても相続債務から逃げられない
相続分の譲渡人は相続財産を受け取る権利を失うのに、借金からは逃れられません。
相続分を譲渡しても、相続人のままだからです。
借金の返済を求められた場合、拒むことはできません。
他の相続人は、受け取った財産から返済することができます。
相続分の譲渡人は、返済原資がないまま借金の返済義務だけが残ります。
理由⑤遺産分割協議が金銭交渉に変質する
第三者が相続分の譲渡を受ける場合、金銭が目的です。
家族間の分配調整ではなく、経済的利益の改修に主眼があります。
第三者が遺産分割協議に参加すると、交渉の主軸が現金や清算金の金額や支払条件に移ります。
ビジネス目的だから、現金清算を強く志向します。
交渉力の差が大きく、他の相続人が一方的に負担を背負う結果になります。
理由⑥譲渡人に相続税と譲渡所得税のリスク
相続財産全体が一定以上の規模である場合、相続税の対象になります。
相続分の譲渡をした場合、いったん相続した財産を譲渡したと見なされます。
相続分の譲渡人はいったん相続したと見なされる財産に応じて、相続税が課されます。
相続財産に不動産や株式が含まれる場合、譲渡所得が生じることがあります。
譲渡所得とは、不動産や株式を売却したときに得られる利益です。
譲渡所得を得た場合、譲渡所得税が課されます。
相続分の譲渡人に、相続税と譲渡所得税が課されるリスクがあります。
3第三者がいる遺産分割協議の実態
①家族の事情に対する配慮が期待できない
ビジネス目的の第三者は、家族の事情に配慮する動機がありません。
被相続人の生前に介護貢献があったことや自宅を残したい希望などに、関心はありません。
相続分を買取ったのは、ビジネス目的だからです。
相続人全員の納得よりも、冷徹に利益最大化を目指します。
より多くの利益を得るために、清算金と履行確保を強く要求します。
②紛争が長期化し調停・審判手続に移行
遺産分割協議成立には、譲受人も含め相続人全員の合意が必要です。
相続人間で話し合いがつかない場合、家庭裁判所の助力を受けることができます。
遺産分割調停とは、家庭裁判所の調停委員のアドバイスを受けてする話し合いです。
家庭裁判所の調停委員は中立的立場から、相続分を確保した遺産分割をアドバイスするでしょう。
調停委員のアドバイスを背景に、譲り受けた相続分相当の財産を遠慮なく要求できます。
遺産分割調停で話し合いがまとまらなかったら、遺産分割審判に移行します。
家庭裁判所は、相続分を確保した遺産分割を審判するでしょう。
③不動産が絡むと対立が激化
(1)不動産には評価方法が複数ある
不動産は、金額が大きく分けにくい財産の代表例です。
相続財産に不動産が含まれる場合、遺産分割協議は難航しがちです。
不動産をいくらと考えるのか、評価方法は複数あります。
不動産を取得したい相続人は、不動産の評価額が低いと有利です。
不動産の代わりに代償金を取得したい相続人は、不動産の評価額が高いと有利です。
それぞれが有利な評価方法を主張して、話し合いがつかなくなります。
(2)居住継続を主張すると高額の清算金を要求
相続人の中には、居住を継続したいと望むことがあります。
相続分の譲受人は、現金回収を最優先します。
売却や高額の清算金を要求します。
(3)安易に共有にすると紛争が長期化する
話し合いがつかないと、共有にすればいいと考えるかもしれません。
不動産を共有にした場合、修繕などの管理に共有者の協力が必要です。
相続分の譲受人は、管理負担を嫌がります。
(4)最終的には共有物分割協議で裁判化
共有者の協力が得られない場合、最終的には共有物分割協議をすることになるでしょう。
結局のところ不動産の共有は、問題の先送りにしかなりません。
④弁護士に依頼しても根本的状況は変わらない
当事者だけで話し合いがまとまらない場合、弁護士などの専門家に依頼することは有効です。
第三者に相続分を譲渡した場合、遺産分割協議がまとまらないことが多いでしょう。
弁護士などに依頼しても、構造的問題は解決しません。
弁護士が介入しても、譲渡人の債務はなくなりません。
弁護士が介入しても、ビジネス目的の第三者は譲歩しません。
弁護士に依頼しても、根本的状況は何も変わらないでしょう。
⑤取戻権を行使できない
第三者に相続分を譲渡する場合、他の相続人に取り戻すための資金がないことがほとんどです。
取戻権を行使するためには、譲渡された相続分の価額と費用を償還する必要があります。
現実的には、取戻権は行使できないでしょう。
4第三者への相続分の譲渡を防ぐ方法
①早期に相続人全員で話し合い
相続分の譲渡ができるのは、遺産分割協議が成立するまでです。
早期に相続人全員で、話し合いをするのがおすすめです。
②相続分を譲渡することは早い者勝ちではない
相続分の譲渡は、権利を失うが義務は残る制度です。
相続分の譲渡をすることは、相続人にとって不利益が大きいと言えます。
他の相続人にとっても、大きな不利益があります。
相続分を譲渡することは、早い者勝ちではありません。
相続分の譲受人と弁護士だけが利益を得る仕組みと言えます。
③他の相続人への譲渡が圧倒的に安全
相続分は、相続人や相続人以外の第三者に譲渡することができます。
相続分を譲渡するなら、他の相続人に譲渡するのが安全です。
他の相続人なら、家族の事情にも通じているからです。
家族の事情に配慮した遺産分割協議ができるでしょう。
深刻な相続トラブルに、発展させずに済むからです。
5相続分の譲渡を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われます。
たくさんの手続で疲れていても、相続財産について、相続人全員による分け方の合意が必要です。
相続財産の分け方の合意はトラブルになりやすい手続です。
相続人がたくさんいると、さらにまとまりにくくなります。
相続分の譲渡を上手に使うと、話し合いをする相続人が減って、合意がしやすくなります。
通常の遺産分割で相続手続きを進めることが多いですが、状況に応じて制度を活用できます。
相続手続は、もめないようにするのが重要です。
もめないスムーズな相続手続きのためメリットデメリットを充分検討したい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
一部の財産だけ先に遺産分割協議ができる
1一部の財産だけ先に遺産分割協議ができる
①相続人全員の合意で遺産分割協議成立
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
相続財産は、相続人全員の共有財産です。
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
相続人全員の合意で、遺産分割協議が成立します。
②相続人全員の合意があれば一部の財産の遺産分割ができる
相続人全員の合意がないと、遺産分割協議が成立しません。
相続人全員の合意があれば、遺産分割協議が成立します。
相続人全員の合意があれば、一部の財産だけの遺産分割協議を成立させることができます。
民法改正で、一部のみの遺産分割ができることが明文化されました。
全財産まとめて合意しなければならないといったルールはありません。
全財産まとめて合意しなくても、遺産分割協議が無効になることはありません。
一部の財産だけであっても、有効に遺産分割協議を成立させることができます。
③一部の財産だけ先に遺産分割をする典型的ケース
ケース(1)生活費確保などで預金を引出し
相続人の中には、被相続人の財産で生活していることがあります。
預貯金などの口座の持ち主が死亡すると、口座が凍結されます。
口座の凍結とは、口座取引を停止することです。
口座が凍結すると、ATMや窓口で引出しなどができなくなります。
生活費の支払いのため、生活費の口座だけ先に遺産分割協議をすることができます。
生活費確保などで預金を引出したい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
ケース(2)事業承継に空白期間を防ぎたい
被相続人が事業を行っていることがあります。
事業を引き継ぐ人が事業用財産を引き継ぐ必要があります。
スムーズな事業承継のため、事業用財産だけ先に遺産分割協議をすることができます。
すみやかに事業を引き継ぐ人が事業用財産を引き継ぐと、空白期間を防ぐことができます。
事業承継に空白期間を防ぎたい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
ケース(3)相続財産調査途中で判明した財産だけで手続をしたい
被相続人が保有する財産が多種類かつ複数見つかることがあります。
例えば海外不動産や所在不明の財産があると、相続財産調査には非常に時間がかかります。
相続財産の全容が判明しなくても、遺産分割協議を成立させることができます。
相続人全員の合意があれば、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させることができるからです。
判明した財産だけで遺産分割協議をし、相続手続を進めることができます。
相続財産調査途中で判明した財産だけで手続をしたい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
ケース(4)不動産をすみやかに売却したい
不動産の売却交渉中に、売主が死亡することがあります。
買主が決まって価格交渉が進んでいると、売買契約を急ぐ必要があるでしょう。
売買契約を急ぐ不動産についてのみ、遺産分割協議をすることができます。
不動産をすみやかに売却したい場合、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
ケース(5)相続税の納税資金を確保
相続財産全体の規模一定以上である場合、相続税の申告と納税が必要です。
相続税の申告と納税の期限は、相続が発生してから10か月です。
納税期限が迫っている場合、預貯金や有価証券など換金性が高い財産を先に分割することが有効です。
遺産分割協議が成立しなくても、相続税の申告と納税の期限は延長されないからです。
相続税の納税資金を確保するため、一部の財産だけ遺産分割協議を成立させます。
④一部の財産だけ先に遺産分割協議をする注意点
注意(1)相続人全員の合意が不可欠
遺産分割協議成立には、相続人全員の合意が不可欠です。
1人でも反対すると、遺産分割協議が成立しません。
合意内容は、文書に取りまとめます。
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容の証明書です。
相続人全員に合意内容に間違いがないか、確認してもらいます。
遺産分割協議書に、相続人全員の記名と実印による押印が必要です。
一部の財産だけ先に遺産分割協議をする場合であっても、相続人全員の合意が不可欠です。
注意(2)新たに見つかった財産はあらためて遺産分割協議
一部の財産だけ遺産分割協議を成立させた場合、残りの財産は未分割のままです。
新たに見つかった財産は、あらためて遺産分割協議が必要です。
注意(3)相続財産全体で不公平になる可能性
相続財産には、さまざまな種類の財産があるでしょう。
不動産は、分けにくい財産の代表例です。
預貯金や現金は、分けやすい財産の代表例です。
先に分割した財産が分けやすい財産である一方で、後に残る財産が分けにくい財産であることがあります。
不動産は、換金が難しく使いにくいことがあります。
預貯金は、換金しやすく使いやすいでしょう。
先に分割した財産が換金しやすく使いやすい財産である一方で、後に残る財産が換金しにくく使いにくい財産であることがあります。
先に分割した財産の内容が後の遺産分割協議に影響し、相続人間の話合いが進まなくなるかもしれません。
相続財産全体で見ると、不公平になることがあります。
注意(4)一部の財産の遺産分割であることを相続人全員で共有
一部の財産のみ遺産分割をした場合、後日あらためて遺産分割協議が必要になるでしょう。
一部の財産の遺産分割協議であることを相続人間で共有します。
2一部の財産だけの遺産分割協議書で相続手続ができる
①不動産のみの遺産分割協議書で相続登記ができる
被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。
相続登記とは、相続による不動産の名義変更です。
遺産分割協議が成立したら、すみやかに相続登記をします。
不動産のみの遺産分割協議書で、相続登記ができます。
②預貯金のみの遺産分割協議書で口座凍結解除ができる
預貯金などの口座の持ち主が死亡すると、口座が凍結されます。
遺産分割協議が成立したら、口座凍結解除ができます。
預貯金のみの遺産分割協議書で、口座凍結解除ができます。
③株式のみの遺産分割協議書で口座凍結解除ができる
被相続人が株式投資をしていた場合、証券会社などに口座を持っているでしょう。
証券会社などの口座の持ち主が死亡すると、口座が凍結されます。
遺産分割協議が成立したら、口座凍結解除ができます。
株式のみの遺産分割協議書で、口座凍結解除ができます。
④自動車のみ遺産分割協議書で名義変更ができる
被相続人が自動車を保有していた場合、自動車の名義変更をします。
普通車は運輸支局で、軽自動車は軽自動車検査協会で名義変更をします。
自動車のみ遺産分割協議書で、名義変更ができます。
⑤財産ごとに遺産分割協議書を作成できる
一部の財産だけ先に、遺産分割協議をすることができます。
相続人全員の合意ができたら、速やかに合意内容を文書に取りまとめます。
後から一部の相続人が合意はなかったと、言い出すかもしれないからです。
文書にしておかないと、相続人間のトラブルに発展します。
一部の財産だけの遺産分割協議は、有効です。
一部の財産だけ記載した遺産分割協議書は、有効です。
財産ごとに、遺産分割協議書を作成することができます。
財産ごとに遺産分割協議書を作成した場合、遺産分割協議書が複数になります。
遺産分割協議書が複数であっても、まったく問題はありません。
⑥遺産分割調停と併用ができる
一部の財産だけ遺産分割協議が成立した後、残りの財産について合意ができないことがあります。
遺産分割調停とは、家庭裁判所の助力を得てする相続人の話合いです。
残りの財産について、遺産分割調停を利用することができます。
調停申立書には「協議済みの財産は除外し、未分割の財産のみを対象とする」旨を明記します。
相続人のみで話し合いをすると、感情的になって話し合いが難しいかもしれません。
中立的立場の調停委員の客観的なアドバイスを受けると、相手の意見を聞くことができることがあります。
調停委員のアドバイスを受けながら、相続人全員の合意を目指します。
3相続登記義務化で3年以内に相続登記
①3年以内に相続登記をしないとペナルティー
相続登記には、3年の期限が設けられました。
3年以内に相続登記をしないと、ペナルティーの対象になります。
ペナルティーの内容は、10万円以下の過料です。
相続登記義務化は、令和6年4月1日にスタートしました。
令和6年4月1日以前に発生した相続も令和6年4月1日以降に発生した相続も、対象です。
令和6年4月1日以前の相続は、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。
②一部だけ登記をしても相続登記の義務はある
一部の財産だけ遺産分割協議が成立した場合、遺産分割協議が成立した不動産についてのみ相続登記をすることができます。
一部の不動産だけ相続登記をしても、残りの不動産について相続登記の義務があります。
すべての財産について相続登記をしないと、相続登記の義務を果たしたとは言えません。
③遺産分割未了でも相続登記義務化
不動産は、分けにくい財産です。
不動産の分け方を巡って、相続人の話合いがつかないことがあります。
遺産分割協議成立後に、相続登記をするのが一般的です。
遺産分割未了であっても、相続登記の義務は免れられません。
④相続人申告登記でペナルティーを回避
相続登記義務化によって、相続人申告登記の制度がスタートしました。
相続人申告登記とは、相続人であることを申告する制度です。
相続登記ができなくても相続人申告登記をすると、相続登記の義務を果たしたと判断されます。
相続人申告登記で、相続登記義務化のペナルティーを回避することができます。
4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。
書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。
もともとトラブルの火種があるのなら、いっそう慎重になる必要があります。
遺産分割協議書は公正証書にしなくても済むことが多いものですが、慎重を期して公正証書にした方がいい場合があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、その後にトラブルになるのは残念なことだからです。
公正証書にするためには、手間と費用がかかります。
公正証書にする手間と費用を惜しむと、裁判をするなど大きな手間と高額な費用を負担することになります。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を公正証書にしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
公正証書遺言があっても遺産分割協議書が必要になる
1公正証書遺言があれば遺言書のとおりに遺産分割できる
①遺産分割協議なしで遺産分割ができる
遺言書を作成して、遺産分割の方法を指定することができます。
有効な遺言書があれば、遺産分割協議は不要です。
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺言書の内容どおりに、遺産分割をすることができるからです。
相続人全員で相続財産の分け方について、話し合いをする必要がありません。
②相続手続は遺言執行者におまかせできる
遺言書は作成するだけでは、意味がありません。
遺言書の内容は、自動で実現するわけではないからです。
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。
遺言執行者は、遺言書で指名することができます。
遺言執行者がいると、遺言者は安心です。
遺言執行者が確実に、遺言書の内容を実現してくれるからです。
遺言執行者がいると、相続人は安心です。
手間と時間がかかる相続手続を遺言執行者におまかせできるからです。
③遺言執行者は家庭裁判所に選任してもらえる
遺言書で遺言執行者を指名しても、辞退されることがあります。
遺言書を確認すると、遺言執行者を指名していないことがあります。
遺言執行者がいなくても、遺言書は無効になりません。
遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力で遺言書の内容を実現することができます。
遺言書の内容に不満を持つ相続人がいる場合、協力を得ることが難しいかもしれません。
遺言執行者がいない場合、家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをすることができます。
家庭裁判所が選任した遺言執行者に、相続手続をおまかせすることができます。
2公正証書遺言があっても遺産分割協議書が必要になる
必要①相続人・受遺者が先に死亡
遺言書を作成するというと、財産の分け方について書くことがイメージするでしょう。
財産を受け取る人が遺言者より先に死亡した場合、その条項は無効になります。
受遺者とは、遺贈で財産を受け取る人です。
遺贈とは、遺言書で相続人や相続人以外の人に財産を引き継ぐことです。
財産を受け取る人が遺言者より先に死亡した場合、子どもなどが自動で受取ることはできません。
遺言書の内容は、代襲相続できないからです。
・相続人〇〇〇〇に、財産◇◇◇◇を相続させる
・〇〇〇〇に、財産◇◇◇◇遺贈する
上記の遺言があった場合、財産◇◇◇◇は受取る人がいない財産になります。
受取る人を決めるため、遺産分割協議が必要です。
相続人・受遺者が先に死亡したケースでは、遺産分割協議書が必要です。
必要②相続放棄・遺贈の放棄があった
相続が発生したら、相続人は相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。
遺言書で遺贈するとあっても、遺贈を単純承認するか遺贈を放棄するか選択することができます。
相続放棄や遺贈の放棄がある場合、その財産を受け取る人はいなくなります。
相続放棄や遺贈の放棄をしたした場合、子どもなどが自動で受取ることはできません。
相続放棄や遺贈の放棄で、代襲相続できないからです。
受取る人がいなくなった財産は、相続人全員の共有財産です。
遺産分割協議で、相続財産の分け方を決定します。
相続放棄や遺贈の放棄があったケースでは、遺産分割協議書が必要です。
必要③遺言書に記載がない財産が見つかった
遺言書を作成した後に、新たに財産を取得することがあります。
遺言書を作成したときに保有していた財産であっても、遺言書に記載していないことがあります。
全財産について記載がない遺言書であっても、遺言書は無効になりません。
遺言書は、一部の財産についてのみ作成することができるからです。
遺言書に記載がない財産が見つかった場合、その財産を受け取る人が指定されていません。
遺言書に記載がない財産は、相続財産です。
遺産分割協議で、相続財産の分け方を決定します。
遺言書に記載がない財産が見つかったケースでは、遺産分割協議書が必要です。
必要④相続人全員の合意がある
遺言書が極端に偏った内容であることがあります。
あまりに偏った内容の遺言書をそのまま執行すると、大きなトラブルになるでしょう。
大きなトラブルになる遺言書なのに、わざわざ執行してトラブルにする必要はありません。
相続人全員の合意で、分け方を決める方が合理的です。
遺言書があっても、相続人全員の合意で遺産分割協議をすることができます。
遺言執行者がいる場合、遺言執行者の合意も必要です。
相続人全員の合意があるケースでは、遺産分割協議書が必要です。
事実上必要⑤金融機関の事務的確認
有効な遺言書があれば、遺言書の内容どおりに遺産分割をすることができます。
金融機関の内部ルールで、相続人全員に対して確認書類を求めることがあります。
金融機関の内部ルールではあるものの、遺産分割協議書同様の書類がないと相続手続が進まなくなります。
金融機関の事務的確認が必要なケースでは、事実上、遺産分割協議書が必要です。
不要⑥遺留分を侵害している
遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利です。
被相続人に近い関係の相続人に、遺留分が認められます。
具体的には、配偶者、子ども、親などの直系尊属に認められます。
遺言書の内容を確認すると、一部の相続人の遺留分を侵害していることがあります。
遺留分を侵害しても、遺言書は無効になりません。
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者の権利に過ぎないからです。
遺留分を侵害する遺言書があった場合、遺留分権利者は遺留分侵害額請求をすることができます。
遺留分侵害額請求権は、単なる金銭請求です。
遺留分を侵害した人と遺留分を侵害された人の金銭支払で、解決します。
遺留分を侵害した人と遺留分を侵害された人が金銭支払に合意する場合、当事者のみで合意書を作成します。
他の相続人には無関係な合意文書です。
遺留分侵害額請求があっても、相続財産全体の分け方について変更するものではありません。
遺留分を侵害している遺言書があるケースでは、遺産分割協議書は不要です。
遺留分侵害額請求がある場合、前提として極端に偏った内容の遺言書があるでしょう。
極端に偏った遺言書をそのまま執行するより、遺産分割協議をすることに相続人全員が合意できることがあります。
相続人全員が合意できる場合、遺産分割協議をすることができます。
相続人全員の合意があるケースでは、遺産分割協議書が必要です。
不要⑦遺言書が複数
遺品整理をしていると、遺言書が複数見つかることがあります。
有効な遺言書が複数見つかっても、遺産分割協議は不要です。
複数の遺言書のうち、遺言書の内容が両立できれば遺言書は全部有効です。
遺言書の内容が両立できない場合、日付の新しい遺言書が優先します。
遺言書の方式は、優劣に影響がありません。
自筆証書遺言であっても公正証書遺言であっても、日付の新しい遺言書が優先です。
公正証書遺言は自筆証書遺言より強い効力があるといったことはないからです。
遺言書の効力は日付の先後で決まるから、相続人が分け方を決める必要はありません。
遺言書が複数ケースでは、遺産分割協議書は不要です。
3公正証書遺言作成から備えておく対策
対策①相続人・受遺者の死亡に備えて予備的条項
財産を受け取るはずの相続人や受遺者が先に死亡した場合、遺言が無効になります。
相続人・受遺者の死亡に備えて、予備的条項を定めておくことができます。
予備的条項とは、主たる条項が無効になったときに備えて代替的に効力を持たせる条項です。
予備的条項は、保険をかけておく条項と言えます。
例えば、次のように定めることができます。
・相続人〇〇〇〇に、財産◇◇◇◇を相続させる。
ただし、相続人〇〇〇〇が遺言者より先に死亡した場合、相続人〇〇〇〇の子ども□□□□に、財産◇◇◇◇を相続させる。
上記の遺言がある場合、相続人〇〇〇〇が遺言者より先に死亡しても、相続人〇〇〇〇の子ども□□□□が相続することができます。
遺言書で指定されているから、遺産分割協議は不要です。
対策②遺言書に記載がない財産の分け方を書いておく
遺言書を作成する場合、財産目録を準備することが一般的です。
遺言者自身が忘れている財産や知らない財産が見つかることは、どうしても避けられません。
公正証書遺言を作成する場合、記載がない財産の分け方を書いておくことができます。
例えば、次のように定めることができます。
・本遺言書に記載がない財産が見つかった場合、その財産は相続人〇〇〇〇に相続させる。
上記の遺言がある場合、相続人〇〇〇〇が相続することができます。
遺言書で指定されているから、遺産分割協議は不要です。
対策③遺留分に配慮
遺言の内容が大きく偏っていると、一部の相続人の遺留分を侵害することがあります。
遺留分侵害額請求があると、相続人間でトラブルになりがちです。
各相続人の遺留分に配慮することで、相続人間のトラブルを防止することができます。
対策④遺言書の定期的な見直し
遺言書は、作成したら終わりではありません。
遺言者が元気なときに作成するから、相続人や財産に事情が変わることがあります。
遺言書は、書き直しをすることができます。
遺言書を書き直すときに、相続人や受遺者の同意や承諾は不要です。
遺言者は、何度でも書き直しができます。
遺言の内容が現状と合わなくなると、相続人全員の合意で遺産分割協議が必要になります。
大きな資産変動や家族関係の変化があったとき、遺言書の内容を見直すといいでしょう。
4遺産分割協議書を作成するときの注意点
注意①相続人全員の記名と実印による押印
遺産分割協議書とは、相続人全員の合意内容の証明書です。
一部の相続人を含めずに合意しても、無効です。
遺産分割協議書の内容は、相続人全員が確認します。
間違いがなければ、相続人全員が記名し実印で押印します。
注意②相続人全員の印鑑証明書を添付
遺産分割協議書には、相続人全員の印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書の押印が実印による押印であることを証明するためです。
注意③財産を確実に特定
遺産分割協議書には、財産の分け方を記載します。
相続手続をするとき、相続手続先の人にも分かるように財産を特定することが重要です。
具体的には、次の項目を記載します。
不動産は、登記簿謄本を書き写します。
預貯金は、金融機関名、支店、預金種別、口座番号、口座名義人を書き写します。
注意④遺産分割協議書を公正証書にできる
遺産分割協議書は、相続人間で作成することが一般的です。
重要な遺産分割協議である場合、公正証書にすることができます。
相続人間のトラブルを防止したい場合、公正証書にすることは有効です。
公正証書にする場合、公証人が本人確認のうえ本人の意思確認をするからです。
公正証書には、強制執行認諾文言を入れることができます。
強制執行認諾文言とは、約束を守らなかったとき直ちに強制執行を受けても異議を述べない意思表示です。
裁判などをせず強制執行ができるから、公正証書は心強いと言えます。
5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。
書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。
トラブルの火種があるのなら、いっそう慎重になる必要があります。
遺産分割協議書は、慎重を期して公正証書にした方がいい場合があります。
公正証書にするためには、手間と費用がかかります。
公正証書にする手間と費用を惜しむと、裁判をするなど大きな手間と高額な費用を負担することになります。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を公正証書にしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
遺産分割協議書に作成期限がなくても早めに作成するべき
1遺産分割協議書に作成期限はない
①長期間経過しても遺産分割協議ができる
遺産分割協議とは、相続財産の分け方について相続人全員でする話し合いです。
遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立します。
遺産分割協議は、ときには長引くことがあります。
遺産分割協議の成立に、期限はありません。
相続が発生してから長期間経過した後、遺産分割協議を成立させることができます。
②長期間経過しても遺産分割協議書を作成できる
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容の証明書です。
相続人全員の合意内容を書面に取りまとめて、相続人全員に確認してもらいます。
合意内容に間違いないことを確認したら、相続人全員が記名して実印で押印してもらいます。
遺産分割協議に、作成期限はありません。
遺産分割協議成立してから長期間経過した後、遺産分割協議書を作成することができます。
2遺産分割協議書は早めに作成すべき
①作成期限はない=放置してよいではない
遺産分割協議に、作成期限はありません。
作成期限がないから、先延ばししがちです。
遺産分割協議書作成は急がなくてもいいではなく、後回しにするとタイヘンになります。
遺産分割協議書作成を放置することは、おすすめできません。
口頭の合意やメールの合意は、合意の証拠として認められにくいのが実情です。
遺産分割協議書は、早めに作成すべきです。
わずらわしく感じても、後日のトラブルや再協議を防止する最善の方法だからです。
②遺産分割協議書作成を先延ばしで起こるトラブル
(1)相続人の気持ちが変わる
相続人全員の合意ができたら、遺産分割協議は成立し終了します。
相続人が口頭のみで合意をしても、遺産分割協議は有効です。
遺産分割協議書を作成しないと、合意内容があいまいになります。
長期間経過すると、相続人の気持ちが変わることがあります。
口頭のみの合意では、後日合意はなかったと争いになるおそれがあります。
遺産分割協議書作成を先延ばしで相続人の気持ちが変わると、トラブルになります。
(2)相続人が死亡する
遺産分割協議が成立した後、相続人が死亡しても遺産分割協議は有効です。
死亡した相続人が合意した内容は有効だから、遺産分割協議はやり直し不要です。
遺産分割協議書を作成していないと、合意したことを証明できません。
数次相続人は、遺産分割協議の合意内容を知らないでしょう。
数次相続とは、相続が発生したときに元気だった相続人が後に死亡することです。
遺産分割協議が成立したことを証明できないと、トラブルに発展します。
遺産分割協議をやり直しすることになるからです。
遺産分割協議中に相続人が死亡した場合、数次相続人が遺産分割協議を引き継ぎます。
遺産分割協議をする権利義務は、相続財産だからです。
死亡した相続人に複数の相続人がいると、遺産分割協議はまとまりにくくなります。
単純に人数が増えると、合意がしにくくなるからです。
死亡した相続人の相続人は他の相続人と関係が薄いでしょう。
関係が薄い相続人が含まれると、話し合いがまとまりにくくなります。
遺産分割協議書作成を先延ばしで相続人が死亡すると、トラブルになります。
(3)相続人が認知症になる
遺産分割協議をしたときに元気だったのに、相続人が認知症になることがあります。
認知症になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。
記憶があいまいになる人も多いでしょう。
重度の認知症になると、遺産分割協議書の内容が合意内容と一致しているか判断できなくなります。
判断能力が低下したら、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらう必要があります。
成年後見人は、認知症になった相続人がどのような合意をしたか知りません。
遺産分割協議書を作成していないと、合意したことを証明できません。
遺産分割協議が成立したことを証明できないと、あらためて遺産分割協議をすることになります。
成年後見人は、認知症の人に不利益になる遺産分割協議をすることはできません。
たとえ家族が成年後見人になっても、本人の利益を重視する義務があるからです。
成年後見人は認知症の人の利益を保護する人であって、家族の希望をかなえる人ではありません。
たとえ認知症の相続人が合意した内容と同じであっても、不利益な遺産分割協議をすることはできません。
遺産分割協議書がないと、合意内容と同じことが証明できないからです。
遺産分割協議書作成を先延ばしで相続人が認知症になると、トラブルになります。
(4)相続人が行方不明になる
さまざまな家族の事情から、家族と疎遠になることがあります。
家族と連絡を取らないまま長期間経過して、行方不明になることがあります。
遺産分割協議をした後に、相続人が行方不明になることがあります。
相続人が行方不明である場合、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらうことができます。
不在者財産管理人は、行方不明になった相続人がどのような合意をしたか知りません。
遺産分割協議書を作成していないと、合意したことを証明できません。
遺産分割協議が成立したことを証明できないと、あらためて遺産分割協議をすることになります。
不在者財産管理人は、行方不明の人に不利益になる遺産分割協議をすることはできません。
たとえ家族が不在者財産管理人になっても、本人の利益を重視する義務があるからです。
不在者財産管理人は行方不明の人の利益を保護する人であって、家族の希望をかなえる人ではありません。
遺産分割協議書作成を先延ばしで相続人が行方不明になると、トラブルになります。
③新たな財産が見つかっても成立した遺産分割協議は有効
遺産分割協議が成立した後に、新たな財産が見つかることがあります。
新たな財産が見つかっても、原則としてすでに成立した遺産分割協議はそのまま有効です。
新たな財産が見つかったら、新たな財産だけで遺産分割協議をします。
遺産分割協議が成立したら、一部の財産だけの遺産分割協議書を作成できます。
一部の財産だけの遺産分割協議書であっても、無効にならないからです。
新たな財産が重要な財産である場合、例外として遺産分割協議のやり直しをする余地があります。
重要な財産であれば、相続人が知っているでしょう。
新たな財産が見つかったことで、先の遺産分割協議が無効になるのはレアケースです。
一部の財産だけの遺産分割協議書であっても、早めに作成するのがおすすめです。
④法定相続情報一覧図で代替できない
遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容の証明書です。
法定相続情報一覧図で、代替することはできません。
法定相続情報一覧図は、相続人の範囲を証明する書類だからです。
3遺産分割協議書を早めに作成すると相続トラブルの防止になる
①合意内容を明確に残せる
遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。
合意内容を文書にするから、行った言わないと争うリスクを大幅に減らすことができます。
遺産分割協議書には、次の内容を記載します。
(1)タイトル
遺産分割協議書と記載します。
(2)被相続人の情報
被相続人を特定するため、氏名、最後の住所、生年月日、死亡日、本籍地などを記載します。
(3)相続人の情報
相続人全員を特定するため、氏名、住所を記載します。
各相続人が実印で押印します。
相続人全員の合意であることが重要です。
一部の相続人を含めないと、遺産分割協議が成立しないからです。
(4)遺産分割の内容
各相続財産の詳細とだれが取得するのか、明記します。
各相続財産を特定できるように記載しないと、相続手続が進まなくなります。
(5)遺産分割協議が成立したこと
遺産分割協議が成立したことを明記します。
(6)日付
遺産分割協議が成立した日付を記載します。
②数次相続が発生しても安心
遺産分割協議書を作成しておくと、数次相続人にも遺産分割協議成立を証明できます。
遺産分割協議のやり直しを求められても、再協議は不要です。
遺産分割協議成立後に相続人が死亡しても、遺産分割協議は無効にならないからです。
無用なトラブルを回避できるから、円滑に相続手続を進めることができます。
③相続人間の感情的トラブルの防止
相続人が口頭のみで合意すると、トラブルに発展しがちです。
長期間経過すると、相続人の記憶があいまいになるからです。
相続人間の解釈のちがいがあると、深刻なトラブルになりかねません。
相続人全員の合意内容を文書に取りまとめることで、感情的対立を最小限にすることができます。
特に兄弟姉妹間や再婚家族がいる場合、合意内容を明確に残すことがトラブルの防止になります。
④相続手続が円滑になる
(1)相続登記
被相続人が不動産を保有していた場合、不動産の名義変更をします。
相続登記とは、不動産の名義変更です。
適切な遺産分割協議書があると、円滑に相続登記をすることができます。
円滑に相続登記ができると、相続登記義務化に対応しやすくなります。
(2)預貯金口座の凍結解除
口座の持ち主が死亡したことを知ると、金融機関は預貯金口座を凍結します。
預貯金口座の凍結とは、口座取引を停止することです。
適切な遺産分割協議書があると、円滑に凍結解除をすることができます。
(3)相続税申告
相続財産全体の規模が一定以上である場合、相続税申告が必要です。
相続税申告には、10か月以内の期限があります。
申告期限までに遺産分割協議書を作成できないと、法定相続で相続税申告をすることになります。
小規模宅地の特例等、有利な特例を適用することができません。
申告期限後3年以内の分割見込書を提出して、修正申告をします。
適切な遺産分割協議書があると、円滑に相続税申告をすることができます。
⑤遺産分割協議書はすみやかに作成
遺産分割協議書は、相続人全員の合意がまとまったら速やかに作成します。
相続人間で作成するのが不安な場合、司法書士などの専門家に依頼することができます。
4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。
書き方に不備があると、トラブルを起こしてしまう危険があります。
もともとトラブルの火種があるのなら、いっそう慎重になる必要があります。
遺産分割協議書は公正証書にしなくても済むことが多いものですが、慎重を期して公正証書にした方がいい場合があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、その後にトラブルになるのは残念なことだからです。
公正証書にするためには、手間と費用がかかります。
公正証書にする手間と費用を惜しむと、裁判をするなど大きな手間と高額な費用を負担することになります。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を公正証書にしたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
遺産分割協議は債務不履行で解除ができない
1相続財産の分け方は5種類ある
分け方①現物分割
相続財産には、いろいろな財産が含まれています。
不動産のように分けにくい財産もあるし、金銭のように分けやすい財産もあります。
相続財産の大部分が、不動産のような分けにくい財産で場合、相続財産の分け方についての合意が難しくなるでしょう。
現物分割とは、広大な土地などを相続人の人数で分割して、相続する方法です。
広大な土地でないと、実現しにくい方法です。
もともと広大な土地であれば、現物分割をしても問題がないでしょう。
極端に小さい土地になると使い勝手が悪くなります。
不動産の価値が下がってしまいます。
あまり現実的ではないかもしれません。
分け方②代償分割
代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人からその分のお金をもらう方法です。
土地を分割するわけではないので、極端に小さな土地になって価値が下がる心配はありません。
代償分割では、不動産を相続する相続人が他の相続人に払うお金を用意する必要があります。
不動産は、一般的に重要な財産であることが多いでしょう。
相続財産の大部分が不動産で、かつ、値段の高い不動産だった場合、代償金が用意できないかもしれません。
不動産の値段をいくらと考えてお金を払うことにするのか、話し合いがまとまらないおそれがあります。
相続人のうちだれが現実に不動産を相続することにするのか、話し合いがまとまらないおそれがあります。
分け方③換価分割
換価分割とは、不動産を売却してお金に換えた後、お金を分ける方法です。
実際に売れてから、お金で分ける方法です。
不動産の値段をいくらと考えるか、だれが実際に不動産を相続するのかで話し合いがまとまらないという心配はありません。
せっかく家族が守ってきた不動産を手放すことへの罪悪感にかられるかもしれません。
売却することに対して、相続人全員の話し合いがまとまらないおそれがあります。
売却しようとしたのに買い手がつかないと、相続手続が長引くおそれがあります。
分け方④共有
共有とは、相続人全員で共有する方法です。
共有は、最も公平に見えやすいでしょう。
相続人全員で相続財産の分け方について話し合いによる合意ができない場合、共有が選ばれることがあります。
共有は弊害が多く、安易に共有にする方法はもっとも避けるべきです。
共有にした場合、共有者全員の同意がなければ売却することはできません。
共有者が死亡したら、相続が発生して関係者が増えることが予想されます。
関係者が多くなればなるほど、権利関係が複雑になります。
共有はデメリットが大きいから、後々、共有物分割をしようという話になるでしょう。
結局のところ、問題の先送りになるだけです。
相続トラブルが長期化しますから、家族の絆が壊されてしまいます。
分け方⑤用益権の設定による分割
用益権とは、不動産を自分で使ったり、人に貸して賃料を得たりする権利です。
用益権の設定による分割とは、一部の相続人に使う権利を設定して、他の相続人が使う権利のない所有権を相続する方法です。
家族が守ってきた不動産を手放すことなく相続ができます。
相続人のうち、だれが使う権利を得るのか、話し合いがまとまらないおそれがあります。
使う権利のない所有権をだれが相続するのか、、話し合いがまとまらないおそれがあります。
2債務不履行があっても一方的解除はできない
①代償分割の代償金を払ってくれない
相続財産の分け方について相続人全員の話し合いがまとまった場合、合意内容どおりに相続財産を受け取ります。
不動産のように高額で分けにくい財産を受け取った人は、自己の固有の財産から金銭を支払うことで調整することがあります。
一般的な売買契約において、代金を支払わない場合、契約を解除することができます。
相続財産においては、このような解除制度はありません。
いったん相続財産の分け方を相続人全員で合意した場合、遺産分割協議は終了します。
遺産分割協議が終了した後は、代償金を支払う人と受け取る人の問題になります。
金銭を支払う人と受け取る人の話し合いで解決を図ります。
代償金を支払うと約束した人が支払ってくれなくても、相続財産の分け方の合意をなかったことにはできません。
相続財産の分け方の合意において、代償金の支払が重要な要素であっても債務不履行を理由として解除することはできません。
代償分割の代償金を払ってくれない場合でも、一方的解除はできません。
②遺産分割で決めた負担を履行しない
相続財産の分け方を決める際に、一部の相続人が負担をつけて、他の相続人より多くの財産を受け取る合意をする場合があります。
例えば、親の介護をすることを条件に財産を多く受け取るケースです。
他の相続人より多くの財産を受け取った相続人が負担を履行しない場合があります。
財産を多く受け取った相続人が充分に親の介護をしていないと、不満に思うこともあるでしょう。
親の介護を充分にしていなくても、相続財産の分け方の合意をなかったことにはできません。
いったん相続財産の分け方を相続人全員で合意した場合、遺産分割協議は終了するからです。
遺産分割で決めた負担を履行しない場合でも、一方的解除はできません。
③相続債務の履行をしない
被相続人がマイナスの財産を残していることがあります。
例えば、相続財産に自宅と自宅の住宅ローンがある場合です。
相続財産というと、プラスの財産だけをイメージしがちです。
プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続財産です。
自宅と自宅の住宅ローンがある場合、一部の相続人が住宅ローンの支払をすることを約束して自宅を受け継ぐ合意をするでしょう。
自宅を受け継ぐ相続人が住宅ローンの支払いをする約束は、相続人間の内部的合意事項です。
相続人の内輪の合意事項だから、銀行には関係ない話です。
相続人間の合意事項に関係なく、銀行は相続人全員に対して法定相続分で住宅ローンの支払いを請求することができます。
自宅を受け継いだ相続人が住宅ローンを支払う約束をしたからと言って、住宅ローンの支払いを拒むことはできません。
遺産分割協議書に「自宅を引き継ぐ人が住宅ローンを引き継ぐ」と記載して相続人全員が署名して実印押印しても銀行には関係ありません。
自宅を受け継いだのに住宅ローンを支払わない場合であっても、相続財産の分け方の合意をなかったことにはできません。
相続債務の履行をしない場合でも、一方的解除はできません。
3相続人全員で遺産分割協議の合意解除ができる
相続財産の分け方について、相続人全員で合意したら、確定して話し合いは終了になります。
相続人全員で合意して、相続財産の分け方が確定します。
その後に相続人が死亡しても、遺産分割協議のやり直しはできません。
例外は、相続人全員がやり直しに合意している場合です。
相続人全員が別の分け方の方が良かったと納得している場合です。
一部の相続人が遺産分割協議を法定解除をすることはできません。
法定解除とは、契約などで義務を負担する約束をしたのに履行されない場合に相手方が契約を一方的に解除することです。
遺産分割協議で約束したことを履行しない場合、他の相続人は遺産分割協議を一方的に解除することはできません。
遺産分割協議を相続人全員で合意解除をすることができます。
4遺産分割協議のやり直しの注意点
①第三者に渡った財産は取り返せない
当初の遺産分割協議で、財産を受け取った人が第三者に財産を譲渡している場合があります。
相続財産の分け方の合意をやり直すことはできても、第三者に渡ってしまった財産そのものは取り返せません。
当初の遺産分割から長時間経過した後に遺産分割のやり直しをする場合、財産状況が大きく変わっているおそれがあります。
遺産分割のやり直しまでに、財産を受け取った相続人が相続財産を使ってしまうからです。
遺産分割協議は、相続が開始したときの相続財産を前提に話し合います。
財産状況が大きく変わると混乱して、話し合いがつかなくなるおそれがあります。
②やり直しで不動産の名義が変わると名義変更が必要になる
当初の遺産分割協議で不動産に相続登記がされているでしょう。
やり直しをしたことによって別の人が相続することになった場合、あらためて名義変更が必要です。
当初の相続登記を取り消して、新たな遺産分割に基づく相続登記をします。
③税金の負担がある
相続財産の分け方の合意をやり直す場合、当初の課税が撤回されるわけではありません。
それどころか、新たな相続人間の合意は新たな財産の譲渡や贈与があったとされます。
高額な税金が追加で、課税されることになります。
相続財産の分け方について、相続人全員で話し合いによる合意をする必要があります。
新たに高額な課税があることを承知したうえで、相続人全員が合意しておくことが重要です。
5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
前提として、話し合いによる合意ができていなければ、文書にできません。
内容よりもとにかく文書さえあればいいという意識の低い人がいるのも事実です。
遺言書がなければ、遺産分割協議書は不可欠になると言って差し支えありません。
悪いようにしないからとにかく印鑑を押せとか、相続税の申告期限をちらつかせて押印を迫るとか、他に財産はないからと言われてトラブルになることも多いものです。
有効な話し合いによる合意があって、有効な合意を文書に取りまとめるから、トラブルを防ぐことができるのです。
相続財産を分け方について相続人全員で合意すると、原則としてやり直しができません。
やり直しができる例外を紹介しましたが、他の相続人にとっては、合意を取り消すなど納得できないことも多いでしょう。
このような場合、証拠を用意して裁判所に持ち込むことになるでしょう。
裁判所で争うとなると、一般の人にとっては荷が重いので、弁護士に依頼することになります。
一方に弁護士がついたら、一般の人は対応しきれませんから弁護士に依頼することになるでしょう。
弁護士は依頼人の利益最大化のために働きますから、家族の絆が壊されてしまいます。
悪いようにしないからとにかく印鑑を押せとか、相続税の申告期限をちらつかせて押印を迫るとか、納得できないときには、合意していないことをきちんと伝えましょう。
司法書士は合意を確認して書類を作成しています。
申告期限のために、とにかく書類だけ作るなど絶対にやめましょう。
適切な遺産分割協議書を作り、家族のトラブルを避けたい方は、司法書士などの専門家にサポートを依頼することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
遺産分割協議書に金額を書かない
1遺産分割協議書の基本的な書き方
①遺産分割協議書は手書きで作ってもいい
遺産分割協議書は、相続財産の分け方について相続人全員の合意内容を取りまとめた文書です。
合意内容が明らかにされればよく、定められた形式はありません。
紙の大きさや厚さなども、制限はありません。
手書きで作ってもパソコン等で作っても差し支えありません。
②遺産分割協議は相続人全員の合意で
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。
必ず、相続人全員でなければなりません。
一部の相続人を含めずに、合意をしても無効になります。
疎遠であっても、行方不明であっても、認知症であっても、未成年であっても、相続人全員の同意が必要です。
未成年や認知症などで物事のメリットデメリットを充分判断できない人や行方不明の人がいる場合は家庭裁判所に代わりの人を選んでもらいます。
家庭裁判所に選ばれた人と合意し、記名押印をしてもらいます。
住所と氏名は、印鑑証明書の記載どおり一字一句間違いなく書きます。
遺産分割協議書は、実印で押印します。
印鑑証明書と異なる印影の場合、相続手続が進まなくなります。
実印を持っていない相続人は市町村役場で印鑑登録をして、その印章で押印します。
③不動産と預貯金は別々に遺産分割協議書を作ってもいい
遺産分割協議書は、すべての財産についてまとめて作成してもいいし、一部の財産について作成しても構いません。
まとめて作成した遺産分割協議書も、一部の財産についてだけ作成した遺産分割協議書も有効です。
不動産だけ記載した遺産分割協議書の他に、銀行の預貯金だけ記載した遺産分割協議書があることがあります。
相続登記用の遺産分割協議書の場合、不動産だけ記載した遺産分割協議書を作るのが通例です。
一部の不動産を売却する場合、売却する不動産についてだけ先に合意するでしょう。
売却する不動産だけ記載した遺産分割協議書を作ることはよくあります。
相続財産すべてについて合意したと相続人全員が考えて遺産分割協議書を作成した後で、新たに財産が見つかることがあります。
新たな財産について、あらためて相続人全員で合意します。
新たな財産だけ記載した遺産分割協議書を作成します。
新たな財産が重要財産であって、かつ、新たな財産の存在を知っていたら当初の遺産分割の合意をしなかったと言えるような場合、当初の遺産分割協議は無効になります。
④遺産分割協議書が複数枚に渡る場合は割印・契印
遺産分割協議書を作成する場合、1枚に書き切れないケースがあります。
1枚に書き切れない場合、相続人全員の実印で契印を施します。
袋とじにして、相続人全員の実印で割印・契印をしても構いません。
⑤遺産分割協議書に生命保険の死亡保険金は記載不要
生命保険の死亡保険金は、受取人が相続人になっているでしょう。
生命保険の死亡保険金は、保険契約に基づいて相続人が受け取るものです。
被相続人が生前に、自分の死亡保険金を受け取る権利を取得することはありません。
死亡保険金を受け取る権利は、被相続人から受け継ぐものではありません。
生命保険の死亡保険金を受け取る権利は、相続人の固有の財産です。
相続財産ではないから、相続人で分け方を決めるものではありません。
遺産分割協議書に生命保険の死亡保険金について記載する必要はありません。
2遺産分割協議書に金額を書かない
①遺産分割協議書で相続人全員の合意内容を証明する
遺産分割協議書は、相続財産の分け方について相続人全員の合意内容を取りまとめた文書です。
相続財産の分け方とは、どの財産をどの相続人が相続するかです。
遺産分割協議書には、財産を特定して記載することが重要です。
財産が特定できれば、金額を記載することは重要ではありません。
〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇〇〇〇
例えば、上記のような記載があれば充分に財産を特定することができます。
金額を記載しても金額を記載しなくても、問題はありません。
②少額の現金は遺産分割協議書に書かないことが多い
自宅などに被相続人が手元現金を置いていることがあります。
被相続人の手元現金であれば相続財産だから、分け方の合意が必要です。
少額の現金であれば、わざわざ遺産分割協議書に記載しないことが多いものです。
遺産分割協議書にすべての財産が記載されていなくても、遺産分割協議書が無効になることはありません。
自宅や金庫から大量の現金が見つかった場合、遺産分割協議書に記載した方がいいでしょう。
③遺産分割協議書に金額を書かないときの記載例
相続財産中、次の被相続人名義の財産については、相続人〇〇〇〇が相続する。
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 普通預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 定期預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
金融機関名 ゆうちょ銀行
通常貯金
記号 〇〇〇〇〇
番号 〇〇〇〇〇〇〇
④遺産分割協議書に金額を書くときの記載例
相続財産中、次の被相続人名義の財産については、相続人○○○○が相続する。
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 普通預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
令和〇年〇月〇日現在残高〇〇〇〇〇〇円及び相続開始後に生じた利息その他の果実
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 定期預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
令和〇年〇月〇日現在残高〇〇〇〇〇〇円及び相続開始後に生じた利息その他の果実
金融機関名 ゆうちょ銀行
通常貯金
記号 〇〇〇〇〇
番号 〇〇〇〇〇〇〇
令和〇年〇月〇日現在残高〇〇〇〇〇〇円及び相続開始後に生じた利息その他の果実
⑤ひとつの預金を複数の相続人が分割して相続するときの記載例
相続財産中、次の被相続人名義の財産については、相続人〇〇〇〇が3分の2、相続人◇◇◇◇が3分の1の割合で相続する。
1円未満の端数があるときは、相続人〇〇〇〇が相続する。
相続人〇〇〇〇が代表して、預金の解約払戻の手続をする。
相続人〇〇〇〇は、相続人◇◇◇◇の相続分を相続人◇◇◇◇が指定する口座に振込の方法により引渡す。
振込手数料は、相続人◇◇◇◇が負担する。
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 普通預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
⑥遺産分割協議書に金額を書くときのメリット
遺産分割協議書に金額を記載すると、いくらの財産を受け取ったのか明確になります。
分かりやすくなるのがメリットと言えるでしょう。
相続財産は、現金や預貯金のみではありません。
評価の難しい財産が相続財産に含まれる場合があります。
例えば、不動産をいくらと考えるのか評価方法は何通りもあります。
どの評価方法で不動産を評価するのが適切なのかは、一概に言えません。
例えば、株式など評価額が変動する財産が相続財産に含まれる場合があります。
いつの評価額が適切なのかは、一概に言えません。
相続財産が預貯金や現金のみであれば、分かりやすい遺産分割協議書になります。
現金や預貯金を相続した場合だけ、明確にしてもあまり意味はないでしょう。
⑦遺産分割協議書に金額を書くときのデメリット
遺産分割協議書を作成した後、相続手続をすることになります。
遺産分割協議書を作成した時点と相続手続をする時点で、金額が変動することがあります。
口座凍結がされていなければ、振込や引き落としがあるかもしれません。
利息が付く場合があります。
金額が違う場合、金融機関によっては相続手続ができなくなる場合があります。
そのままで相続手続ができない場合、訂正する手間と時間がかかります。
4 預貯金を代償分割することができる
①代償分割とは
代償分割は、相続財産の分け方のひとつです。
一部の相続人が財産を相続し、残りの相続人は相続した人から、その分のお金をもらう方法
です。
不動産などで代償分割することが多いです。
預貯金などの口座がたくさんある場合、ひとつひとつ分割すると手数がかかります。
代償分割をすると、代表相続人の手間を軽減することができます。
②代償分割であることをはっきり記載する
相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。
遺産分割協議書にはっきり書くことで、紛争を防止することができます。
代償分割の場合、次のことを明示するといいでしょう。
(1)代償分割でどの相続人が財産を相続するか
(2)代償分割でだれからだれに代償が支払われるか
遺産分割協議書に代償分割をすることをはっきり書くことが大切です。
遺産分割の一環であることを示すことができるからです。
遺産分割協議書に代償分割をすることが書いてない場合、単なる贈与であると判断されかねません。
単なる贈与と判断された場合、金額によっては贈与税が課されることになります。
贈与税は、想像以上に高額になりがちです。
③代償分割するときの記載例
第〇条
相続財産中、次の被相続人名義の財産については、相続人〇〇〇〇が相続する。
金融機関名 〇〇銀行 〇〇支店
預金種別 普通預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
第□条
相続人〇〇〇〇は第〇条に記載された財産を取得する代償として、相続人□□□□に対して金〇〇万円を令和□年□月□日限り、相続人□□□□が指定する口座に振込の方法により引渡す。
振込手数料は、相続人□□□□が負担する。
④遺産分割協議書を公正証書にすれば強制執行ができる
代償分割とは、一部の相続人が財産を相続し、残りの相続人は相続した人から、その分のお金をもらう方法です。
相続人同士の関係性が良くない場合、代償金を払うのが惜しくなるかもしれません。
売買契約などで買主が売買代金を支払わない場合、売主は売買契約を解除することができます。
遺産分割協議では、代償金を支払わない場合でも遺産分割協議を解除することはできません。
代償分割をする場合、代償金をきちんと支払ってもらうことが重要になります。
遺産分割協議書を公正証書にした場合、強制執行をすることができます。
代償金の支払いがない場合、裁判で勝訴判決などの債務名義を得なくても強制執行をすることができます。
代償金を支払ってもらう人にとっては、公正証書にすることは心強いものと言えるでしょう。
5遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット
遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。
合意がきちんと文書になっているからこそ、トラブルが防止できるといえます。
書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。
せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。
トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続や遺産承継の手続きは、専門家選びが重要です。
「オリーブの木司法書士事務所」では、司法書士の宮木由加が最初から最後まで一貫して対応することで、お客様一人ひとりに最適なサポートを提供します。
相続放棄や不動産登記はもちろん、近年注目される家族信託など、多岐にわたる相続関連業務に幅広く対応。
提携する税理士や弁護士との連携により、多角的な視点から複雑な案件もスムーズに解決へと導きます。
愛知・岐阜県にお住まいの方や、全国の不動産に関するご相談も承っております。
お仕事帰りに立ち寄りやすい上前津駅から徒歩2分という立地も、当事務所の強みです。
「面倒な手続きをプロに任せたい」「最適な方法を知りたい」という方は、ぜひ「オリーブの木司法書士事務所」の無料相談をご利用ください。
