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相続登記義務化で相続人申告登記

2023-08-18

1相続登記は義務になる

①所有権移転登記は原則として権利

不動産に対する権利が変動した場合、登記をします。

権利が変動した場合で最もイメージしやすいものは、不動産を購入して所有権を取得した場合でしょう。

不動産を購入して所有権を取得した場合、購入したタイミングですぐに所有権移転登記をします。

登記をしていないと、不動産に対して権利主張をする人が現れた場合に負けてしまうからです。

不動産を購入して所有権を取得したはずなのに、見知らぬ人が不動産は自分のものだから明け渡して欲しいと言ってくるようなケースです。

登記がある場合、不動産は自分のものだから明け渡す必要はないと言い返すことができます。

登記がない場合、不動産を明け渡さなければならなくなるかもしれません。

せっかく不動産を購入したのに、不動産を明け渡さなければならなくなることは何としても避けたいはずです。

不動産は自分のものだと主張するために、購入したタイミングですぐに所有権移転登記をします。

所有権移転登記をしない場合、所有者は権利主張ができません。

所有権移転登記をしない場合、所有者が不利益を受けます。

所有権移転登記をすることは、所有者の権利であって義務ではありません。

②相続登記は義務

所有権移転登記をしない場合、所有者はソンをします。

不動産に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者のはずなのに権利主張ができないからです。

不動産には、不便な場所にあるなどの理由で価値が低い土地が存在します。

所有者にとって利用価値が低い土地に対して権利主張をする人が現れた場合、所有者として権利主張する必要を感じないかもしれません。

相続登記は、手間のかかる手続です。

自分で相続登記をしようとするものの、多くの人は挫折します。

相続登記をする場合、登録免許税を納付しなければなりません。

相続登記を専門家に依頼する場合、専門家に報酬を支払う必要があります。

不動産の価値が低い場合、相続登記で手間と費用がもったいないと考える人が少なくありませんでした。

相続登記がされない場合、登記簿を見ても土地の所有者が分からなくなります。

所有者不明の土地の発生を防止するため、相続登記をすることは義務になりました。

③相続登記は3年以内に申請

相続が発生した場合、相続登記の申請義務が課せられました。

「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ当該所有権を取得したことを知った日」から3年以内に申請しなければなりません。

④令和6年4月1日以降に発生した相続が対象になる

相続登記の申請義務が課せられるのは、令和6年4月1日です。

令和6年4月1日以降に発生した相続は、当然に対象になります。

⑤令和6年4月1日以前に発生した相続が対象になる

ずっと以前に相続が発生したのに、相続登記を放置している例は少なくありません。

令和6年4月1日以前に発生した相続であっても、相続登記は義務になります。

⑥相続登記未了であればペナルティーが課せられる

相続登記は、3年以内に申請しなければなりません。

相続登記の申請義務を果たしていない場合、ペナルティーが課されます。

令和6年4月1日以前に発生した相続であっても、ペナルティーが課される予定です。

2相続登記義務化のペナルティーを回避する方法

①法定相続分で共有する相続登記

相続登記の申請義務を果たしていない場合、ペナルティーが課されます。

相続登記をするためには、登録免許税を納めなければなりません。

相続登記を専門家に依頼する場合、専門家に報酬を支払う必要があります。

そのうえペナルティーが課せられるのは、避けたいと考えるでしょう。

相続が発生した場合、被相続人のものは相続財産になります。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

多くの場合、相続人全員の合意で相続財産の分け方を決めます。

相続人全員の合意で相続財産の分け方を決めてから、相続登記をします。

相続人全員の合意で相続財産の分け方を決めることが難しいことがあります。

話し合いによる合意ができないまま長期間経過しているケースです。

相続財産は相続人全員の共有財産だから、相続人全員の法定相続分で相続登記をすることができます。

相続人全員の話し合いによる合意ができた場合、あらためて所有権移転登記をします。

手間と費用がかかることなどデメリットが大きいことから、あまりおすすめできません。

②相続人申告登記(相続人である旨の申出)

話し合いによる合意ができないまま長期間経過するケースは少なくありません。

相続登記は、3年以内に申請しなければなりません。

話し合いによる合意ができないまま3年以上経過した場合、一律にペナルティーを課すのは気の毒な面があります。

相続登記の義務化に伴うペナルティーを回避するため、相続人は相続が発生したことと相続人であることを申し出ることができます。

この申出を、相続人である旨の申出と言います。

相続人である旨の申出をしても、相続登記をしたことにはなりません。

単に、相続登記の義務化に伴うペナルティーを回避することができるに過ぎません。

③相続土地国庫帰属制度を活用する

相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらう制度です。

相続土地国庫帰属制度が始まる前に相続した人であっても、制度を利用することができます。

相続した土地の所有権を手放して国に引き取ってもらえば、相続登記の心配はしなくてよくなります。

宅地や雑種地だけでなく、山林、原野や農地を引き取ってもらうことができます。

農地の取引には、通常、農業委員会の許可等が必要になります。

相続土地国庫帰属制度を利用する場合、農業委員会の許可等は不要です。

土地であればどんな土地でも引き取ってもらえるわけではありません。

国の審査で認められた土地だけです。

審査してもらうのに、手数料がかかります。

審査で土地を引き取ってもらえると認められた場合、負担金の納付が必要です。

土地を国に引き取ってもらった場合、所有権移転登記は国がやってくれます。

国に所有権移転登記をする前提として、相続登記や住所変更登記が必要な場合は国が代わりにやってくれます。

④相続放棄をする

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

家庭裁判所で相続放棄が認めれた場合、はじめから相続人でなくなります。

相続人でないから、相続登記をする義務もなくなります。

3相続人申告登記は一時的なもの

①相続人申告登記で権利主張はできない

所有権移転登記をしない場合、所有者は権利主張ができません。

所有者が自分のものだと権利主張できることは、登記をすることの大きなメリットです。

相続人申告登記は、法務局に対する申出に過ぎません。

所有者が分からなくなることを防ぐための措置なので、所有者が権利主張することはできません。

②相続人である旨の申出は簡単な手続

相続人である旨の申出は、法務局に対する申出です。

登記名義人に相続が発生したことや申告した相続人の住所氏名などの簡単な事項を申し出するだけで済みます。

相続人である旨の申出には、被相続人と申出人の相続関係が分かるもののみです。

通常の相続登記では大量の戸籍謄本が必要になることと較べると簡単な手続です。

③相続人申告登記の登録免許税はかからない

相続人である旨の申出に登録免許税はかかりません。

相続人である旨の申出があった場合、登記官職権で登記されるからです。

④相続人である旨の申出の効果は申出人だけ

相続人である旨の申出をした場合、相続登記義務化に伴うペナルティーを回避することができます。

相続登記義務化に伴うペナルティーを回避することができるのは、申出をした人のみです。

多くの場合、相続人は複数いるでしょう。

一部の相続人だけが相続人である旨の申出をした場合、申出をした人のみペナルティーを回避できます。

他の相続人はペナルティーが課されるかもしれません。

一部の相続人は、他の相続人から委任を受けることができます。

委任を受けた相続人は他の相続人について、相続人である旨の申出をすることができます。

⑤相続人である旨の申出をしても相続登記は必要

不動産の登記名義人に相続が発生した場合、相続人は相続人である旨の申出をすることができます。

相続人である旨の申出をした場合、相続登記義務化に伴うペナルティーを回避することができます。

ペナルティーを回避することができるだけで、相続登記をしたわけではありません。

相続人である旨の申出をした後、相続人全員で相続財産の分け方を合意した場合、相続登記が必要です。

相続人全員で相続財産の分け方を合意した後、3年以内に相続登記をしなければなりません。

4相続登記を放置するとデメリットが大きい

①相続登記を放置すると遺産分割協議が難しくなる

相続登記をしないまま放置すると、相続人が死亡してしまうかもしれません。

すぐに相続登記をすれば、気ごころの知れた兄弟で話し合いをすれば済んだのに、放置したことで兄弟の配偶者や兄弟の子どもと話し合いをしなければならなくなります。

相続人が認知症などで判断ができなくなることがあります。

相続が発生したときは元気だったとしても、長期間放置しているうちに高齢になります。

相続人が高齢になると、認知症などを発症するリスクが高くなります。

相続人が行方不明などで連絡が取れなくなることがあります。

相続財産の分け方は相続人全員の話し合いによる合意が不可欠です。

行方不明だから、連絡を取れないからなどは、話し合いから除外していい理由になりません。

②相続登記を放置すると不動産活用ができなくなる

相続登記をしていないと、通常、売却ができません。

賃貸として貸し出す場合も、不動産を担保として差し出す場合も、相続登記は必要です。

特定の相続人が自分の持分を売ってしまうことがあります。

法定相続分で登記するのであれば、相続人は単独で登記ができます。

法定相続分で相続登記をした後、不動産の持分を売却することができます。

見知らぬ人が不動産を共有する場合、遠慮なく共有物分割請求などの権利主張をします。

③相続登記を放置すると手続費用が高くなる

相続登記には書類がたくさん必要になります。

役所から取り寄せる、戸籍や住民票などです。

長期間、相続登記を放置したことで相続人が死亡した場合、死亡した相続人の相続人を確定させる必要があります。

死亡した相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本が追加で必要になります。

単純に、集める戸籍謄本が増えるし、複雑になります。

5相続登記を司法書士に依頼するメリット

大切な家族を失ったら、大きな悲しみに包まれます。

やらなければいけないと分かっていても、気力がわかない方も多いです。

相続手続きは一生のうち何度も経験するものではないため、誰にとっても不慣れで手際よくできるものではありません。

相続手続きで使われる言葉は、法律用語なので一般の方にとって、日常で聞き慣れないものでしょう。

不動産は重要な財産であることも多いので、登記手続きは一般の方から見ると些細なことと思えるようなことでやり直しになることも多いです。

日常のお仕事や家事をこなしたうえに、これらのことがあると、疲労困憊になってしまうことも多いです。

司法書士などの専門家から見れば、トラブルのないスムーズな相続手続きであっても、多くの方はへとへとになってしまうものです。

相続手続きに疲れてイライラすると普段は温厚な人でも、トラブルを引き起こしかねません。

司法書士などの専門家はこのような方をサポートします。

相続手続でへとへとになったから先延ばしするより、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

共有名義にする相続登記を単独申請

2023-07-05

1相続財産の分け方を決める方法

①被相続人が遺言書で指定

被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。

遺言書で財産の分け方が指定してある場合、遺言書のとおりに分けることができます。

遺言書には、厳格な書き方ルールがあります。

法律上の書き方ルールに合わない遺言は、無効になります。

被相続人が遺言書のつもりで書いた書面であっても、無効の遺言書で相続手続をすることはできません。

②相続人全員で遺産分割協議

相続が発生した場合、被相続人のものは相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めることができます。

相続財産の分け方を決める場合は、多数決ではありません。

相続人全員の合意が必要です。

音信不通の相続人がいても行方不明の相続人がいても、相続人全員の合意がない場合は遺産分割協議は成立しません。

相続人全員が合意できた場合、合意内容を書面に取りまとめます。

合意内容に間違いがないことを確認して、相続人全員が記名し実印で押印します。

遺産分割協議書への押印が実印であることの証明として、印鑑証明書を添付します。

③法定相続分で相続人全員が共有

相続が発生した場合、だれが相続人になるのか民法で決められています。

法定相続分とは、相続財産に対する取得割合です。

相続人が取得する法定相続分も、民法で決められています。

遺産分割協議をする場合、法定相続分とは無関係に合意することができます。

相続人全員で合意できるのであれば、法定相続分に従う必要はないからです。

法定相続分は、相続人全員について決められています。

法定相続分で相続登記をする場合、相続人全員で共有する相続登記になります。

2法定相続分で共有する相続登記

①一部の相続人だけで登記申請ができる

登記申請をする場合、原則として、当事者全員が登記申請をします。

法定相続分で相続登記をする場合、原則として、相続人全員が登記申請人になります。

相続登記は、一部の相続人が登記申請をすることができます。

法定相続分による相続登記は、保存行為だからです。

保存行為とは、財産の現状を維持し財産の価値を保存する行為のことです。

財産の現状を維持し財産の価値を保存するため、相続登記は一部の相続人から申請することができます。

相続財産は、相続人全員で共有しています。

共有者全員のために、保存行為をします。

他の共有者の同意を得ることなく、保存行為をすることができます。

他の相続人が反対していても、法定相続分で相続登記をすることができます。

②自分の相続分だけ申請することはできない

法定相続分で相続登記をする場合、相続人全員で共有する相続登記です。

保存行為は、共有者全員のためにされる行為です。

一部の相続人だけが相続登記の申請人になる場合であっても、相続人全員のために登記申請をします。

自分の法定相続分だけ、登記申請をすることはできません。

③実印や印鑑証明書が不要

相続が発生した場合、だれが相続人になるのか民法で決められています。

相続人が取得する法定相続分も、民法で決められています。

法定相続分で共有する相続登記をする場合、民法で決められたとおりに登記をします。

相続人の合意は必要ありません。

合意内容を証明することは、ありません。

相続人全員の合意内容を証明するときは、相続人全員が記名し実印で押印します。

実印であることの証明として、印鑑証明書を添付します。

法定相続分で共有する相続登記をする場合、相続人全員の合意不要だから印鑑証明書も不要です。

④申請人以外の相続人は権利証が発行されない

法定相続分で共有する相続登記をする場合、原則として、相続人全員が登記申請人になります。

法定相続分で共有する相続登記は保存行為だから、一部の相続人だけが登記申請人になることができます。

一部の相続人だけが登記申請人になる場合、申請人になった相続人にだけ権利証が発行されます。

申請人にならなかった相続人は、権利者なのに権利証が発行されません。

申請人にならなかった相続人が、後から権利証を発行して欲しいと法務局などに申し出ることはできません。

不動産を売却するときや担保に差し出す場合、権利証が必要になります。

権利者なのに権利証がない場合、余計な費用や手間がかかります。

⑤登録免許税は申請時に一括納付

相続登記を申請する場合、登録免許税を納めます。

相続登記の登録免許税は、不動産の評価額の1000分の4です。

不動産の評価額によっては、無視できない金額になります。

登録免許税は、登記申請書を提出するときに収入印紙を貼付する方法で一括納入します。

一部の相続人が登録免許税の負担金を渋ると、家族のトラブルに発展するおそれがあります。

3相続登記後に相続放棄

法定相続分で共有する相続登記をする場合、一部の相続人だけが登記申請人になることができます。

一部の相続人だけが登記申請人になって相続登記をした場合、他の相続人は相続登記をしたことを知りません。

相続人の中には、相続放棄をする人がいることがあります。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、はじめから相続人でなかったと扱われます。

自分が相続登記をした後で、相続放棄をすることはできません。

相続登記をした場合、単純承認をしたとみなされます。

相続登記をしたことは、相続財産を処分したと言えるからです。

自分が知らないところで他の相続人が相続登記をした場合、単純承認にはなりません。

相続放棄をした人は相続財産を処分したとは言えないからです。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、相続放棄をした人にだけ通知されます。

家庭裁判所は自主的に他の相続人に通知することはありません。

法務局は、だれが相続放棄をしたか知ることはできません。

相続放棄をしたことを知らないまま相続登記をした場合、結果として、間違った相続登記がされます。

誤った相続登記をしてしまった場合、あらためて登記の内容を訂正しなければなりません。

一部の相続人だけが登記申請人になって相続登記をした場合、余計な手間と費用がかかるおそれがあります。

4相続登記後に遺産分割協議

相続が発生した場合、被相続人のものは相続人全員の共有財産になります。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めることができます。

法定相続分で相続人全員が共有する登記をした後であっても、相続財産の分け方を決めることができます。

相続登記があっても相続登記後でも、相続人全員で合意できれば遺産分割協議は有効です。

遺産分割協議の内容と相続登記の内容は、異なる結果になるでしょう。

登記の内容を訂正する必要があります。

法定相続分で相続登記をした後に遺産分割協議が成立した場合、余計な手間と費用がかかります。

5不動産の共有はデメリットが大きい

①共有不動産の処分は共有者全員の同意が必要

共有不動産を処分する場合、共有者全員の同意が必要です。

不動産を処分するとは、不動産を売却する、第三者に賃貸する、担保に差し出すことなどです。

共有者がたくさんいる場合、共有者全員の合意が難しくなります。

共有者全員が合意できる場合であっても、合意するために時間がかかりがちになります。

②共有者に相続が発生する

共有不動産を処分する場合、共有者全員の同意が必要です。

共有者全員の合意が難しくなると、売却などの判断は先延ばししがちです。

先延ばししていると、共有者に相続が発生することがあります。

死亡した共有者の共有持分は、相続財産になります。

死亡した共有者の相続人全員の共有財産になります。

共有者全員の合意が難しくなっている不動産は、適切な管理ができていないかもしれません。

積極的に相続したがらないかもしれません。

死亡した共有者の相続人が法定相続分で共有することがあります。

共有持分が細分化して、相続されます。

何人もの共有者で相続が発生すると、共有者が多人数になり持分が細分化されます。

適切に管理されていない場合、だれにどれだけの持分があるのか分からなくなります。

③共有持分を売却する

共有不動産全体を処分する場合、共有者全員の同意が必要です。

共有者が持っている共有持分を処分する場合、共有者全員の同意は不要です。

共有者が持っている共有持分を買い取る業者がいます。

共有者が経済的に困っている場合、自分の共有持分を売却するかもしれません。

共有持分を買い取る業者は、ビジネスで共有持分を買い取っています。

利益を最大化するため、遠慮なく共有者としての権利を主張します。

6必ず法定相続分で共有する相続登記をするケース

①胎児名義で相続登記

胎児は相続が発生した時点で出生していないけど、すでに生まれたものと見なして相続権を認めています。

胎児は、生きて生まれてくることを条件に相続人になることができます。

胎児は相続人になることができるから、相続財産の共有者のひとりです。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決めることができます。

相続人に胎児がいる場合、遺産分割協議はできません。

胎児が合意をすることができないからです。

相続人に赤ちゃんがいる場合、遺産分割協議をすることができます。

赤ちゃんは自分で合意することができないけど、親などの親権者が代わりに合意をすることができるからです。

胎児は、親などが代わりに合意することはできません。

親などが代わりに合意できるのは、生まれてきた後だけだからです。

多くの場合、出生してから遺産分割協議をして相続登記をします。

出生前に相続登記をしておきたい事情があれば、法定相続分で共有する相続登記をすることができます。

②債権者が勝手に相続登記

被相続人が多額のプラスの財産を残して死亡することがあります。

相続人が多額の借金を抱えている場合、お金を貸した人は相続した財産からお金を返してもらいたいと期待するでしょう。

債権者は債権の保全のため、債務者の財産を差し押さえることができます。

差押など強制執行の準備のため、相続登記を申請することができます。

差押などの強制執行をするためには、相続人名義である必要があるからです。

差押の後は、競売をして債権を回収します。

被相続人の債権者も、相続人の債権者も、代わりに相続登記を申請することができます。

税金などを滞納している場合、国や自治体などの役所が代わりに相続登記をすることもあります。

債務者がするべき登記申請を債権者が代わりに登記申請することを代位登記と言います。

債権者は債務者の事情などお構いなしで登記します。

相続人全員の話し合いによる合意がどうなったのか、待つことはありません。

たとえ、相続人全員の話し合いで特定の相続人が相続することが合意されていても、登記されていなければ代位登記ができます。

相続登記をしていなければ、相続人全員の合意内容と違うから消して欲しいなどの文句を言えません。

相続登記を先延ばししていると、代位登記をされるリスクが高くなります。

民間業者であっても、役所であっても、代位登記を事前に知らせてくれることもありません。

相続人の知らないうちに、相続人全員が法定相続分で共有する相続登記が入ります。

債務者だけ相続登記をすることはできないからです。

相続人がだれひとり知らないうちに、相続人全員が法定相続分で共有する相続登記がされるのです。

7相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

ほとんどの方は相続を何度も経験するものではないから、手続に不慣れで聞き慣れない法律用語でへとへとになります。

相続財産の分け方は相続人全員の話し合いによる合意が不可欠です。

一般的にいって、相続登記は相続手続の中でも難しい手間のかかる手続です。

簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

法務局の登記相談に行っても、法定相続分による相続登記のデメリットは伝えてもらえません。

法定相続分による相続登記のメリットデメリットを充分に判断したうえで、手続の方法のみ相談に行くところだからです。

司法書士は単に申請書を書いているだけではありません。

このような手続のメリットデメリットを判断してサポートをしています。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

孫に不動産を相続させる

2023-06-12

1孫が相続人になることがある

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は次のとおりです。

(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

(1)配偶者は必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どももいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②孫が代襲相続人なら相続できる

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。

これを代襲相続と言います。

相続人になるはずだった人の子どもの子どもが相続することを再代襲相続と言います。

代襲相続ができるのは、相続人になるはずだった人の子どもなど被代襲者の直系卑属だけです。

相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。

被代襲者の子どもなど被代襲者の直系卑属以外は代襲相続ができません。

被代襲者の配偶者も、被代襲者の親などの直系尊属も、被代襲者の兄弟姉妹も、代襲相続ができません。

孫が代襲相続人の場合、相続することができます。

③子どもが相続放棄をしても孫は代襲相続しない

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、孫は代襲相続しません。

子どもが相続放棄をした場合、代襲相続が発生しないからです。

被相続人の子どもが相続放棄をした場合、はじめから相続人でなかったとみなされます。

相続人でなくなるから、代襲相続もあり得ません。

子どもが相続放棄をした場合、孫は相続することができません。

④孫と養子縁組をしたら相続できる

養子縁組とは、血縁関係による親子関係の他に、法律上の親子関係を作る制度です。

子どものいない夫婦が養子縁組をする、配偶者の連れ子と養子縁組するといったことは日常的に聞くことあります。

一般的に、単に「養子」と言ったら、普通養子を指していることがほとんどです。

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

被相続人が第三者の子どもと養子縁組をして養親になっている場合があります。

被相続人が養親になっている場合、養子は被相続人の子どもです。

被相続人に相続が発生した場合、養子は被相続人の子どもとして相続人になります。

被相続人が孫と養子縁組をして養親になっている場合があります。

養子は、被相続人の孫であると同時に被相続人の子どもです。

被相続人の血縁関係のある子どもと養子に違いはありません。

同じ被相続人の子どもです。

被相続人に相続が発生した場合、養子は被相続人の子どもとして相続人になります。

被相続人が孫と養子縁組をした場合、孫は相続人になります。

2孫に不動産を遺贈できる

①相続人以外の人に遺贈ができる

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺贈では、法定相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができます。

孫が相続人であれば、相続させることができるし遺贈することができます。

孫が相続人でなければ、相続させることができないけど遺贈することができます。

孫が相続人であっても相続人でなくても、遺贈をすることができます。

被相続人が遺言によって遺贈することで、不動産を受け継ぐことができます。

②遺言書で孫を遺言執行者に指名できる

遺言書は遺言者の意思を示したものです。

遺言書を書いただけでは、意味がありません。

遺言書を書いただけで、自動的に遺言内容が実現するわけではないからです。

遺言書の内容を実現する人が遺言執行者です。

相続人は遺言の内容を見たら、被相続人の意思を尊重し、実現してあげたいと思うでしょう。

相続人にとって不利な内容になっている場合、遺言の実現に協力してくれないこともあります。

協力してくれない場合に備えて、遺言執行者を選任しておくことが有効です。

遺言執行者は遺言の内容を実現するために必要な行為をする権限があります。

協力しない相続人が遺言執行を妨害した場合、原則として、妨害行為は無効になります。

遺言執行者はいてもいなくても、遺言書の効力に違いはありません。

孫に不動産を引き継いでもらいたい場合、孫を遺言執行者に指名することができます。

孫は遺言執行者として遺言書の内容を実現することができます。

③遺言書があっても遺留分侵害額請求ができる

被相続人は、原則として、自分の財産を誰に受け継がせるかは自由に決めることができます。

とはいえ、財産は被相続人が1人で築いたものではなく、家族の協力があって築くことができたもののはずです。

被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすると今まで協力してきた家族に酷な結果となることもあります。

このため、被相続人に近い関係の相続人には相続財産に対して最低限の権利が認められています。

相続財産に対して、認められる最低限の権利のことを遺留分と言います。

遺留分は、兄弟姉妹以外の相続人に認められます。

孫に過大な分与をした場合、他の相続人の遺留分を侵害してしまうことがあります。

遺言書で他の相続人の遺留分を侵害した場合、遺留分を侵害された相続人は遺留分侵害額請求をすることができます。

遺言者が遺留分を侵害するような分与にならないように、配慮する必要があるでしょう。

相続が発生してから、遺留分侵害額請求をする場合、トラブルに発展していることが多いです。

家族がトラブルに巻き込まれるのを望む人はいないでしょう。

財産を分与する場合、トラブルのもとにならないように充分配慮しましょう。

④遺言書の内容は代襲相続ができない

遺言書に「相続人〇〇に財産〇〇を相続させる」「□□に財産□□を遺贈する」と書いてあるケースがあります。

相続人〇〇が遺言者より先に死亡している場合、「相続人〇〇に財産〇〇を相続させる」は無効になります。

□□が遺言者より先に死亡している場合、「□□に財産□□を遺贈する」は無効になります。

相続も、遺贈も、財産を譲ってもらう人が遺言者より先に死亡している場合、遺言のその部分は無効になります。

遺言は死亡時に効力が発生するので、死亡時に受取人が存在している必要があるからです。

「相続人〇〇に財産〇〇を相続させる」「□□に財産□□を遺贈する」は無効になりますから、財産〇〇や財産□□は遺言書に記載がない財産になります。

遺言書に記載がない財産は、相続人全員の共有財産になります。

相続人〇〇や□□の子どもが代襲相続をすることはできません。

相続財産は相続人全員の共有財産ですから、相続人全員で分け方の合意が不可欠です。

3遺言執行者は相続登記ができる

①孫が相続人のとき遺言執行者が相続登記をすることができる

「不動産〇〇を相続人〇〇に相続させる。」

被相続人が上記のような遺言書を作成している場合があります。

特定の財産を特定の相続人に相続させる遺言です。

孫が相続人である場合、相続登記をします。

特定の財産を特定の相続人に相続させる遺言のことを、特定財産承継遺言と言います。

特定財産承継遺言がある場合、遺産分割協議は必要ありません。

相続が発生した時に、その財産はその相続人に帰属するからです。

財産がその相続人に帰属する場合でも、自動で相続登記がされることはありません。

相続登記は法務局に対して申請が必要だからです。

特定財産承継遺言がある場合、遺言執行者は相続手続をすることができます。

遺言執行者は相続手続のひとつとして、相続登記をすることができます。

遺言執行者が相続登記をすることができるのは、令和元年7月1日以降作成の遺言書に限られます。

遺言執行者が相続登記を申請することができるから、遺言執行者から司法書士などの専門家に相続登記を依頼することができます。

司法書士などの専門家に相続登記を依頼する場合、遺言執行者が委任状に記名押印をします。

②孫が相続人以外のとき遺言執行者が遺贈の登記をすることができる

「不動産□□を孫□□に遺贈する。」

被相続人が上記のような遺言書を作成している場合があります。

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

相続では、法定相続人だけに譲ってあげることができます。

遺贈では、法定相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができます。

遺言書に「遺贈する」とあれば、譲ってもらう人が相続人であっても相続人以外の人でも、遺贈で手続します。

財産が遺贈を受け取る人に帰属する場合でも、自動で遺贈の登記がされることはありません。

遺贈の登記は法務局に対して申請が必要だからです。

遺贈する遺言がある場合、遺言執行者は相続手続をすることができます。

遺言執行者は、遺贈を受け取る人と協力して遺贈の登記をすることができます。

孫が遺言執行者に指名されている場合、登記義務者と登記権利者の地位を兼ねることになります。

遺言執行者が遺贈登記を申請することができるから、遺言執行者から司法書士などの専門家に遺贈の登記を依頼することができます。

孫は遺言執行者として委任状を出し、遺贈を受け取る人として委任状を出すことができます。

遺贈の登記申請書に添付する印鑑証明書は、遺言執行者の印鑑証明書です。

4遺言書作成と遺言執行を司法書士に依頼するメリット

遺言執行者は遺言書の内容を実現する人です。

相続人が遺言書の内容に納得していて、手続に協力的であれば、必ずしも、遺言執行者を選任する必要はありません。

子どもの認知など遺言執行者しかできない手続がある場合、遺言執行者を選任しておかないと、相続人に余計な手間をかけさせることになります。

遺言執行者は、相続開始後すみやかに手続を進めることができる時間と知識がある人を選ぶことが重要です。

その意味でも、家族より司法書士などの専門家に遺言執行を依頼する人が増えています。

以前は、遺言執行者は止むを得ない場合だけ、他の人に職務を任せることができるとされていましたが、現在は、止むを得ないなどの理由は不要になりました。

遺言執行者に指名され、職務をしてみたところ、思ったよりタイヘンだという場合、自己の責任で司法書士などの専門家におまかせすることもできます。

今後も、専門家に依頼する人は増えていくでしょう。

遺言執行を司法書士などの専門家に依頼した場合、相続人は基本待っているだけなので、トラブルになることが少なくなるからです。

家族を笑顔にするためにも、遺言書作成と遺言執行者選任しましょう。

家族の幸せのためにも、遺言書作成と遺言執行者選任を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続登記で必要な住民票

2023-05-26

1相続登記に必要な書類とは

登記申請書には、通常、相続関係説明図を添えます。

遺言書がない場合、おおむね、次の書類が必要です。

①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

②相続人の現在戸籍

③被相続人の住民票の除票

④不動産を相続する人の住民票

⑤遺産分割協議書

⑥相続人全員の印鑑証明書

⑦固定資産税の評価証明書

事例によっては追加書類が必要になる場合があります。

相続登記では、特段の事情がある場合を除いて、権利証は提出不要です。

2被相続人は住民票の除票が必要

①登記名義人と被相続人が同一人物であることを確認する

登記簿には所有者の住所と氏名が登記されています。

被相続人の戸籍謄本には、本籍と氏名が記載されています。

登記と戸籍謄本だけでは、名前が同じ別の人かもしれないと考えられます。

被相続人の住民票の除票は、戸籍謄本の被相続人と登記されている所有者が同一人物であることを証明するために提出します。

被相続人の住民票の除票には、被相続人の氏名、住所、本籍が記載されているからです。

市町村役場で住民票の除票を請求する場合、本籍を記載してもらってください。

本籍の記載がない住民票の除票では、同一人物であるか確認できないからです。

被相続人の住民票の除票は、被相続人の死亡後に取得する必要があります。

被相続人の死亡後にに取得した除票であれば、取得後に何年経過していても問題はありません。

②被相続人の本籍と登記上の住所が一致する場合は住民票の除票は不要

登記名義人の住所と被相続人の本籍が一致する場合、法務局は同一人物と認めてくれます。

あらためて、住民票の除票を提出する必要はありません。

本籍地       〇〇市〇〇町〇番地

登記上の住所 〇〇市〇〇町〇番地1

上記の場合、一致しているとは言えません。

本籍地と登記上の住所が違うから、住民票の除票などで同一人物であることを証明しなければなりません。

本籍地       〇〇市〇〇町〇番地1

登記上の住所 〇〇市〇〇町〇番地の1

上記の場合、一致していると認められます。

住民票の除票は提出しなくても、相続登記を認めてもらえます。

③住民票の除票と登記上の住所が一致しない場合は戸籍の附票

住民票の除票には、死亡時の住所の他に、前住所地が記載されています。

登記上の住所が前住所地より古い住所の場合、住民票の除票では住所の移り変わりを証明できません。

戸籍の附票には、その戸籍が作られてからの住所の移り変わりが書いてあります。

戸籍が作られて以降であれば、前住所だけでなく前々住所も確認することができます。

戸籍の附票に書いてあるいずれかの住所と登記簿に書いてある住所が一致した場合、被相続人の住所の移り変わりを証明したと言えます。

④戸籍の附票が取れない場合は権利証

戸籍の附票の保存期間は、現在は150年です。

令和元年6月20日以前は、たった5年でした。

平成26年6月20日以降に作られた戸籍の附票は、廃棄前に保存期間が延びたので保存されています。

令和元年6月20日以前に廃棄された場合、原則として、取得することはできません。

住民票の除票でも戸籍の附票でも住所の移り変わりが確認できない場合、権利証を提出します。

権利証は、不動産に権利があることを証明する書類だからです。

通常、相続登記では権利証を提出する必要はありません。

相続は、相続の発生という事実の発生によって登記申請をします。

不動産の持ち主は死亡した被相続人なので意思確認をしたくてもできません。

だから、不動産の持ち主の意思を確認する必要がなく、権利証を用意する必要がないのです。

権利証を提出不要にする代わりに、事実の発生を証明する戸籍謄本等を提出する必要があります。

被相続人の住所の移り変わりを証明することができない場合、権利証を提出して登記簿に書いてある人であると証明することができます。

被相続人の権利証を提出した場合、被相続人の住所の移り変わりを証明していないけど、権利者であることを証明したと言えます。

⑤権利証を見つけられなかったら相続人全員からの印鑑証明書付き上申書

土地や建物は重要な財産であることが多いので、その権利証は大切に保管してあるでしょう。

権利証は紛失しても再発行されません。

普段は大切に保管して簡単に人目にさらしたりしないものですが、相続など大切な場面で見つけることができなくなることは多々あります。

被相続人が保管していた場合、保管場所を共有していない家族が見つけられなくなるのです。

権利証が見つけられない場合、権利証を提出して権利者であることを証明することはできません。

権利証を提出することができない場合、相続人全員からの印鑑証明書付き上申書を提出します。

上申書は「不動産の所有者は被相続人に間違いありません」という法務局宛てのお願いです。

相続人全員とは、遺産分割協議に参加するべき人全員です。

その財産を相続する人だけではありません。

その財産を受け取らないけど他の財産を相続する人など遺産分割協議に参加するべき人全員から上申書を提出します。

遺産分割協議に参加するべき人全員が、実印で押印し印鑑証明書を添付します。

印鑑証明書は古いものでも差し支えありません。

法務局によっては、上申書の他に不在住証明書や不在籍証明書が必要になります。

固定資産税の納税証明書の提出が求められる場合があります。

固定資産税は、一般的に所有者が負担するものだからです。

固定資産税を負担していた場合、所有者であったと認めてもらいやすくなります。

住所がつながらない場合などイレギュラーな場合の取り扱いは、管轄の法務局によって異なる場合があります。

3相続人は住民票が必要

①相続人の最新の住所を確認する

登記簿には登記名義人の住所が登記されます。

不動産を相続する人の住民票は、不動産を相続する人の住所を証明するために提出します。

住民票に有効期限はありません。

不動産を相続する人の最新の住所が記載されているのであれば、取得後に何年経過していても問題はありません。

不動産を相続する人だけが記載されている住民票でも家族全員が記載されている住民票でも、差し支えありません。

②住所証明書であれば住民票以外でも使える

相続人が提出するべき書類は、本来、住所を証明する書類です。

市町村長や登記官などの公務員が職務上証明した書類であれば、住所証明書として認められます。

住所証明書として一番身近な書類が住民票であるに過ぎません。

住民票以外に住所証明書として認められる書類は、戸籍の附票や印鑑証明書が挙げられます。

相続手続をする場合、遺産分割協議書を作成して印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議書に添付した印鑑証明書が1枚あれば、住所証明書としても使うことができます。

印鑑証明書には、印鑑登録をした人の住所が記載されています。

印鑑証明書を取得してから長期間経過した場合、相続人が転居する場合や住居表示が実施される場合があります。

不動産を相続する人は、最新の住所が記載された住民票を提出する必要があります。

印鑑証明書の住所と住民票の住所が違う場合、法務局は別の人であると判断します。

同一人物であることを証明するために、住所の移り変わりを証明しなければなりません。

印鑑証明書の住所から住民票の住所までの住所の移り変わりを証明する書類が追加で必要になります。

③その不動産を相続する人以外の住民票は不要

相続人の住民票は、その不動産を相続する人だけです。

相続人全員の住民票ではありません。

登記簿に記載する住所を確認するためなので、登記簿に記載されない人は住民票も不要です。

④死亡した相続人で除票が取得できないとき

不動産を相続する人が死亡してしまった場合でも、相続登記をすることができます。

生前に不動産を相続したのだから、相続した事実を登記することができます。

死亡した相続人で相続登記をする場合、原則として、住民票の除票が必要です。

住民票の除票や戸籍の附票は、永年保管ではありません。

役所で廃棄済になった場合、住民票の除票や戸籍の附票を取得することができません。

このような場合、被相続人の最後の本籍地を住所として相続登記をすることができます。

4法定相続情報一覧図を利用すると便利

①法定相続情報一覧図とは

相続手続のたびに、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と相続人の現在戸籍の束を提出しなければなりません。

大量の戸籍を持ち歩くと汚してしまったり、紛失する心配があるでしょう。

被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのか一目で分かるように家系図のように取りまとめてあると便利です。

この家系図と戸籍謄本等を法務局に提出して、登記官に点検してもらうことができます。

登記官は内容に問題がなかったら、地模様の入った専用紙に認証文を付けて印刷して、交付してくれます。

登記官が地模様の入った専用紙に印刷してくれた家系図のことを法定相続情報一覧図と言います。

法務局に戸籍謄本等の点検をお願いすることを法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と言います。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をするときに、戸籍謄本だけでなく被相続人の住民票除票や相続人の住民票を提出することができます。

家系図に被相続人の最後の住所や相続人の住所を記載しておけば、登記官は一緒に点検をしてくれます。

被相続人や相続人の住所が記載された法令相続情報一覧図があると相続手続がよりスムーズになります。

②住所が書いてある法定相続情報一覧図を提出すれば住民票は提出不要

相続登記をする場合、たくさんの書類を用意しなければなりません。

(1)被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

(2)相続人の現在戸籍

(3)被相続人の住民票の除票

(4)不動産を相続する人の住民票

被相続人の最後の住所や相続人の住所が記載された法定相続情報一覧図を提出する場合、上記(1)~(4)の書類が提出不要になります。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をしたときに、登記官が確認しているからです。

(1)~(4)の書類だけでも大量になることが多いものです。

(1)~(4)の書類を一目で分かるようにまとめた法定相続情報一覧図はとても便利です。

③法定相続情報一覧図は再交付をすることができる

法定相続情報一覧図は、保管及び交付の申出をしたときから5年間保管されています。

5年以内であれば、法務局で再交付してもらうことができます。

5住民票は原本還付をしてもらうことができる

相続の手続先は、たくさんあるのが通常です。

相続登記で提出した住民票は、登記が完了した後に返してもらうことができます。

返してもらいたい住民票のコピーを用意します。

コピーに「原本に相違ありません」と記載し、申請人が記名押印をします。

押印する印章は、認印で構いません。

6相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。

ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。

インターネットの普及で多くの人は簡単に多くの情報を手にすることができるようになりました。

多くの情報の中には正しいものも、適切でないものも同じように混じっています。

相続登記もカンタンにできる、ひとりでできたという記事も散見されます。

不動産は、重要な財産であることも多いものです。

登記手続は、一般の方から見ると些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

法務局の登記手続案内を利用すれば、シンプルな事例の申請書類などは教えてもらえます。

個別具体的な事例に関しては、わざわざ説明してくれません。

司法書士などの専門家から見れば、トラブルのないスムーズな相続手続であっても、知識のない一般の方はへとへとになってしまいます。

住所がつながらない場合など、シンプルな事例とは言えない事情がある場合は申請を取下げて、やり直しになることが多いでしょう。

司法書士は登記の専門家です。

スムーズに相続登記を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

死亡した人名義で相続登記

2023-05-19

1死亡した人名義で相続登記ができる

不動産を相続する人が決まったら、不動産の名義を書き換えます。

この不動産の名義の書き換えのことを相続登記と言います。

名義の書き換えをしないまま先延ばしをしているうちに、不動産を相続する人が死亡してしまう場合があります。

不動産を相続する人が死亡してしまった場合、相続登記ができなくなることはありません。

不動産を相続する人が死亡してしまった場合でも、相続登記をすることができます。

不動産を複数の相続人が共有して相続する場合があります。

共有する相続人のうち一部の相続人が死亡してしまう場合があります。

不動産を相続する人のうち一部の相続人が死亡してしまった場合でも、相続登記をすることができます。

不動産を相続する人が死亡してしまった場合、相続登記ができなくなることはないからです。

死亡した人名義の相続登記について、どこかしら不思議な気持ちになるかもしれません。

登記は、権利の変動の過程を忠実に反映させる制度です。

生前に不動産を相続したのだから、相続した事実を登記することができます。

権利の変動の過程を忠実に反映させるから、登記制度を信頼することができます。

不動産を複数の相続人が共有して相続する場合、一部の相続人が死亡してしまったときも同じことです。

生前に不動産を相続したのだから、相続した事実を登記することができます。

登記申請をしたときにはすでに死亡してしまっているけれど、生前に相続した事実を登記することができます。

生前に共有していたから、共有していたことを登記することができます。

死亡した人と生きている人が共有している相続登記になりますが、このような登記も有効です。

2相続手続中に相続人が死亡すると手続が複雑になる

①遺産分割協議中に相続人が死亡した場合

相続人は被相続人の権利義務を受け継ぎます。

死亡した相続人が最初の相続について単純承認をした場合、単純承認した地位を受け継ぎます。

死亡した相続人の相続について、単純承認をすることも相続放棄をすることもできます。

死亡した相続人の相続人は相続放棄をする場合、家庭裁判所に手続をする必要があります。

単純承認をする場合、最初の相続について遺産分割協議に参加します。

遺産分割協議書は、死亡した相続人の相続人が押印し、印鑑証明書を添付します。

相続人の肩書は、最初の相続の相続人は「相続人」、死亡した相続人の相続人は「相続人兼被相続人〇〇〇の相続人」と分かりやすく明記します。

②遺産分割協議書に押印し印鑑証明書を添付した後、相続人が死亡した場合

死亡した相続人が押印した遺産分割協議書を使って相続登記をすることができます。

死亡した相続人が生前に取得した印鑑証明書も使うことができます。

相続登記において印鑑証明書は有効期限はありません。

何十年も前の古いものでも差し支えありません

③遺産分割協議書に押印し印鑑証明書を取得せず、死亡した場合

人が死亡した場合、役所に死亡届を提出します。

死亡届を提出すると、戸籍と住民票に死亡したことが記載されます。

住民票と印鑑登録は連動していますから、同時に印鑑登録が抹消されます。

印鑑登録が抹消されると、印鑑証明書は取得できなくなります。

このような場合、死亡した相続人の相続人が上申書を提出します。

「別紙、遺産分割協議書に記載のとおり、被相続人〇〇の遺産分割協議が成立していることを証明する。」といった内容です。

上申書に死亡した相続人の相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。

この上申書は、単なる事実の証明です。

相続人同士の交渉や話し合いではありません。

死亡した相続人の相続人に、親権者と未成年者がいても、利益相反にはなりません。

死亡した相続人の相続人に未成年者がいても、相続人の相続人である親権者が代理することができます。

利益相反とは、親権者がトクすると、未成年者がソンする関係のことです。

単なる事実の証明だから、誰かがソンするとかトクするとかいう話ではないのです。

親権者は未成年者を代理できますから、家庭裁判所に特別代理人選任の申立は必要ありません。

④遺産分割協議に合意はしたが、遺産分割協議書を作る前に相続人が死亡した場合

遺産分割協議は成立していますから、やり直しは必要ありません。

遺産分割協議書に取りまとめる前に死亡したので、死亡した相続人の相続人全員が上申書を提出します。

「別紙、遺産分割協議書に記載のとおり、被相続人〇〇の遺産分割協議が成立していることを証明する。」といった内容です。

上申書に死亡した相続人の相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。

3途中の相続人がひとりの場合は直接最終の相続人に相続登記ができる

登記はそれぞれの原因ごとに分けて申請するのが原則です。

権利が移っていった過程もきちんと記録されなければならないからです。

売買などで、A→Bの後、B→Cと所有権が移転した場合、2つの登記申請が必要です。

途中を飛ばして、A→Cとすることはできません。

Bに所有権が移転したことが分からなくなってしまうからです。

相続登記においては、途中の人が1人の場合に限り、途中の人を飛ばして登記することができます。

相続人がだれであるかは戸籍を調べれば分かるから、途中を省略しても差し支えないとされています。

途中の人が1人になる場合とは、最初から1人の場合だけに限りません。

もともとの相続人はたくさんいたけど、他の相続人全員が相続放棄をしたや、遺産分割協議で1人が相続すると合意した場合も含みます。

最初の相続の遺産分割協議中に相続人が死亡した場合でも、最初の相続の他の相続人全員と死亡した相続人の相続人全員で遺産分割協議ができます。

最初の相続の他の相続人全員と死亡した相続人の相続人全員で、最初の相続の相続財産を死亡した相続人が相続することを合意することができます。

このような死亡した相続人が相続する合意をした場合も、遺産分割で1人になった場合に含みます。

遺産分割協議をしないまま、相続人が死亡して、最終の相続人が1人になった場合、途中を省略することはできません。

最終の相続人が複数であれば遺産分割協議ができますが、最終の相続人が1人になった場合は遺産分割協議はできないからです。

相続財産の分け方について合意をしたが、遺産分割協議書に取りまとめる前に、相続人が死亡した場合は別の結論になります。

合意をしたが、文書に取りまとめる前に死亡したのであれば、最終の相続人が1人になった場合でも、途中を省略することができます。

遺産分割は文書に取りまとめてなくても有効だからです。

この場合、1人になった相続人が、死亡した相続人と遺産分割協議をした内容を遺産分割協議証明書という書類に取りまとめます。

遺産分割協議証明書は相続登記において登記原因証明情報として法務局に提出します。

4死亡した相続人名義の相続登記をするときの注意点

①死亡した相続人名義の相続登記は死亡した相続人の相続人が申請

死亡した相続人名義の相続登記をする場合、通常の相続登記との違いはあまりありません。

死亡した相続人は、当然、自分で申請することができないから、死亡した相続人の相続人から申請します。

②死亡した相続人の住民票の除票が必要

所有権の登記名義を付ける場合、登記名義人になる人の住所を証明する書類を提出します。

死亡した相続人名義の相続登記をする場合、死亡した相続人の住所を証明する書類が必要になります。

死亡した相続人の住所は、住民票の除票や戸籍の附票を提出します。

住民票の除票や戸籍の附票は、永年保管ではありません。

現在は150年間保管されていますが、令和元年までは5年でした。

役所は保存期間を過ぎた書類は、順に廃棄します。

役所で廃棄済になった場合、必要な書類を取得することができません。

このような場合、被相続人の最後の本籍地を住所として相続登記をすることができます。

最期の本籍地を住所地として登記をする場合、法務局によっては、廃棄証明書の他に相続人全員から印鑑証明書付き上申書を提出するように言われる場合があります。

③土地について死亡した相続人名義の相続登記は非課税

死亡した相続人に相続登記をする場合、土地の登録免許税が非課税になります。

登記申請書には「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載します。

記載しない場合、非課税となりません。

記載を忘れて、通常どおり登録免許税を納めた場合、登録免許税は還付されません。

④死亡した相続人名義の相続登記でも権利証を作ってもらえる

相続登記を申請する場合、権利証を作ってもらうかどうか選択することができます。

死亡した相続人名義の相続登記をした後、すぐに名義人を被相続人とする相続登記をする場合、権利証を作ってもらう必要はないでしょう。

死亡した相続人が生前に遺言書を作成している場合があります。

遺言書を確認したら、相続した不動産を遺贈すると書いてあることがあります。

遺贈の登記をする場合、権利証が必要になります。

権利証がないと手続が複雑になります。

5相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

ほとんどの方は相続を何度も経験するものではないから、手続に不慣れで聞き慣れない法律用語でへとへとになります。

一般的にいって、相続登記は、その中でも難しい手間のかかる手続です。

不動産は重要な財産であることが多いので、一般の方からすると些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

法務局の登記相談に行っても、何が良くないのか分からなかったというケースも多いです。

司法書士はこのような方をサポートしております。

相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続登記で戸籍の附票

2023-05-05

1戸籍の附票で相続人の住所が分かる

①戸籍の附票は住所を証明する書類

相続人調査をする場合、必要な戸籍を読み解いて相続人を確定させていきます。

被相続人が死亡したとき、健在であった相続人が判明するでしょう。

相続人の現在戸籍を取得するときに、一緒に戸籍の附票も請求しましょう。

戸籍の附票は、住民票の異動が記録されている書類です。

住民票は住民票を置いている役所に請求する必要があります。

住所が分からないと請求できなくて困ってしまいます。

戸籍の附票は本籍地のある役所に請求します。

相続人調査で戸籍を集めますから、本籍は必ず判明します。

住民票上の住所は、戸籍の附票で調べることができます。

戸籍の附票は戸籍と同様に、本籍地の役所に出向いて請求することもできるし、郵便で請求することもできます。

戸籍謄本や戸籍の附票は、相続人であれば、だれでも、取り寄せることができます。

②戸籍謄本と戸籍の附票のちがい

大切な家族が死亡したら、相続の手続をすることになります。

相続手続のため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を集めます。

戸籍謄本には、その人の身分関係がすべて記録されています。

結婚や離婚、子どもや養子の存在を家族には内緒にしている方もいます。

身分関係に関することは、戸籍には記録されています。

その人の身分関係を証明する書類が戸籍謄本です。

戸籍の附票は、戸籍を一緒に保管されている書類です。

その人が戸籍に入ってから除籍されるまでの住所が記録されています。

戸籍には、住所は記録されていません。

戸籍謄本には、住所は記載されません。

戸籍の附票に、住所が記載されています。

戸籍謄本に記載されている人の住所を確認するためには、戸籍の附票が必要です。

戸籍の附票を取得する場合、本籍の記載をしてくださいとわざわざ言う必要があります。

請求しないと本籍の記載が省略されるからです。

本籍の記載が省略された戸籍の附票の場合、戸籍謄本に記載されている人の住所の証明とは言えません。

単なる同姓同名の人かもしれないからです。

本籍と氏名と生年月日が一致するから、同一人物と認めてもらえます。

③住民票と戸籍の附票のちがい

戸籍の附票には、その人が戸籍に入ってから除籍されるまでの住所が記録されています。

戸籍の附票は、その人の住所を証明する書類と言えます。

一般的に、住所を証明する公的書類としては住民票の方がなじみがあるでしょう。

住民票には、現在の住所の他に前住所が記載されています。

前の前の住所は、記載されていません。

戸籍の附票には、その人が戸籍に入ってから除籍されるまでの住所が記録されています。

その人が戸籍に入ってから除籍されるまでの間に住所を転々としていた場合、住所の移り変わりが分かります。

被相続人が不動産を所有していた場合、相続登記をします。

不動産を所有している人が住所を変更した場合、原則として、その都度住所変更登記をします。

不動産を所有している人が住所を変更したのに住所変更登記をしないままであることは多々あります。

住所変更登記をしていない場合、被相続人の死亡時の住所と登記簿の住所が一致しません。

被相続人の死亡時の住所と登記簿の住所が一致しない場合、住所の移り変わりを証明する必要があります。

住所の移り変わりを証明しない場合、単なる同姓同名の人かもしれないからです。

住所の移り変わりを証明するために、戸籍の附票や住民票を提出します。

登記簿の住所が戸籍に入ってから除籍されるまでの住所であれば、戸籍の附票を提出すればいいでしょう。

その人が戸籍に入る前の住所で、かつ、前住所地であれば、住民票を提出すればいいでしょう。

戸籍の附票には、その人が戸籍に入る前の住所は記載されていません。

戸籍の附票で住所の移り変わりを証明できないけど、住民票で証明できる場合があります。

④除附票を請求することができる

戸籍の附票には、その人が戸籍に入ってから除籍されるまでの住所が記録されています。

多くの人は、出生から死亡までの間に結婚や離婚、養子縁組や離縁、戸籍の作り直しなどで複数の戸籍を渡り歩いています。

結婚や離婚、養子縁組や離縁、戸籍の作り直しなどで除籍される場合、新しい戸籍に身分事項が記録されます。

同時に、新しい戸籍の附票に住所が記録されます。

死亡時の戸籍の附票で住所の移り変わりを証明できない場合でも、古い戸籍の附票を取得すると証明できるかもしれません。

⑤戸籍の附票は保存期間経過で取得できなくなる

戸籍の附票は、戸籍を一緒に保管されている書類です。

戸籍の附票は、永久保管ではありません。

役所は保存期間を決めていて、古くなった戸籍の附票は順次廃棄します。

戸籍の附票の保存期間は、現在は150年です。

令和元年6月20日以前は、たった5年でした。

平成26年6月20日以降に作られた戸籍の附票は、廃棄前に保存期間が延びたので保存されています。

令和元年6月20日以前に廃棄された場合、原則として、取得することはできません。

2戸籍の附票の取得方法

①戸籍の附票を請求できる人

戸籍の附票は、個人情報が記載されています。

だれでも請求できるわけではありません。

市区町村役場によって異なりますが、請求できる人は次のとおりです。

(1)戸籍に記載されている本人

(2)戸籍に記載されている人の配偶者、直系尊属、直系卑属

(3)戸籍請求をする正当な利害関係人

利害関係人から請求する場合、利害関係があることの証明書が必要になります。

戸籍の附票の取得は、代理人に委任することができます。

代理人に委任する場合、委任状が必要になります。

相続手続などを司法書士などの専門家に依頼する場合、一緒に戸籍謄本や戸籍の附票の取得を依頼することができます。

②戸籍の附票の請求先

戸籍の附票の請求先は、本籍地の市区町村役場です。

③戸籍の附票の取得方法

(1)本籍地の市区町村役場の窓口で取得する

(2)本籍地の市区町村役場に郵送請求する

戸籍の附票は、郵送で請求することができます。

請求する人の身分証明書のコピーを添えて郵送します。

市区町村役場とは別の場所の郵送事務センターなどに送付する必要がある場合があります。

郵送請求をする場合は、市区町村役場のホームページなどで確認するといいでしょう。

あらかじめ返信用の切手が貼ってある返信用の封筒を一緒に送ると、返送してくれます。

郵送するときは普通郵便でも構いませんが、レターパックなど追跡できる郵便を利用すると、安心です。

(3)コンビニ交付サービスで取得する

本籍地の市区町村役場がコンビニ交付サービスに対応している場合があります。

地方公共団体情報システム機構のホームページでコンビニ交付サービスに対応しているか調べることができます。

マイナンバーカードを使って、本籍地まで行かないでも戸籍の附票を取得することができます。

コンビニ交付サービスで取得できるのは、現在戸籍の附票のみです。

除籍の附票は、取得できません。

④戸籍の附票の発行手数料

戸籍の附票を請求する場合、発行手数料を納入しなければなりません。

手数料は、市区町村役場によって異なります。

おおむね、300円程度です。

郵送請求すると高くなる場合やコンビニ交付の場合は安くなる場合があります。

郵送請求する場合、戸籍の附票の手数料は定額小為替で納入します。

定額小為替は、郵便局で購入することができます。

登記簿上の住所から死亡時の住所までの移り変わりを証明する場合、戸籍の附票が複数必要になることがあります。

戸籍の附票が複数になる場合、発行手数料がかさみます。

手数料が不足することがないように、多めに送っておくと余りは返してもらえます。

3戸籍の附票は本人確認書類になる

戸籍の附票には、その人が戸籍に入ってから除籍されるまでの住所が記録されています。

戸籍の附票は、その人の住所を証明する書類と言えます。

当然、氏名が記載されています。

法改正によって、戸籍の附票の記載事項に生年月日と男女の別が追加されました。

戸籍の附票は、本人特定事項がすべて記載されることになりました。

犯罪収益移転防止法などに規定される本人確認書類として使うことができます。

4相続人調査を司法書士に依頼するメリット

本籍地の変更や国による戸籍の作り直し(改製)で多くの方は、何通もの戸籍を渡り歩いています。

古い戸籍は現在と形式が違っていて読みにくかったり、手書きの達筆な崩し字で書いてあって分かりにくかったりしますから、慣れないと戸籍集めはタイヘンです。

本籍地を何度も変更している方や結婚、離婚、養子縁組、離縁を何度もしている方は、戸籍をたくさん渡り歩いているので、膨大な手間と時間がかかることが多くなります。

役所や法務局の手続では、通常、戸籍や住民票の期限は問われません。

銀行預金の解約など銀行の手続では、銀行独自で期限を設けている場合があります。

集めた戸籍や住民票を手続後、返却してくれる場合、返却してくれない場合があります。

期限があって、かつ、返却してくれるところから優先して手続するといいでしょう。

集めた戸籍や住民票を返却してくれないところをはじめに手続すると、集めた戸籍や住民票の集め直しになるからです。

段取りよく要領よく手続するにはちょっとしたコツがいります。

お仕事や家事でお忙しい方や高齢、療養中などで手続が難しい方は、手続きを丸投げできます。

ご家族にお世話が必要な方がいて、お側を離れられない方からのご相談もお受けしております。

集めてみたけど途中で挫折した方や全部集めたと思ったのに金融機関や役所からダメ出しされた方もいらっしゃいます。このような場合、司法書士が目を通して、不足分を取り寄せします。

相続人調査でお困りのことがあれば、すみやかに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

平日の昼間に役所にお出かけになって準備するのは負担が大きいものです。

戸籍や住民票は郵便による取り寄せもできますが、書類の不備などによる問い合わせはやはり役所の業務時間中の対応が必要になりますから、やはり負担は軽いとは言えません。

このような戸籍や住民票の取り寄せも司法書士は代行します。

相続人調査でお困りの方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

マンションの相続登記

2023-04-26

1不動産を相続したら相続登記はすみやかに

相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続人が相続する財産が、相続財産です。

相続財産に不動産が含まれていたら、相続登記が必要です。

相続登記をするには費用と手間がかかります。

すぐに不動産を売却するのでなければ、目に見える不利益に気付きにくいため先延ばししがちです。

先延ばしすればするほど、デメリットは大きくなります。

相続手続は早めに済ませましょう。

相続登記を先延ばしすると、デメリットが大きくメリットはほとんどありません。

2敷地権付マンションと敷地権のないマンションがある

分譲マンションのように1棟の建物の一部を独立して所有できる建物を区分建物と言います。

区分建物が建っている土地が敷地です。

敷地を使う権利とマンションのお部屋の権利を一体化して処分するようにしたのが、敷地権付区分建物です。

敷地権付区分建物の場合、マンションを売買するとき敷地を使う権利とマンションのお部屋の権利は一緒についてきます。

敷地を使う権利だけ取引することやお部屋だけ担保に差し出すことはできません。

敷地を使う権利とマンションのお部屋の権利は、命運を共にする運命共同体です。

新しいマンションのほとんどは、敷地権付区分建物です。

敷地を使う権利とマンションのお部屋の権利は、切り離すことができないから権利証は1つだけです。

古いマンションの中には、敷地を使う権利とマンションのお部屋の権利を一体化して処分できるルールができる前に建てられた場合があります。

ルールができる前に建てられたマンションは、敷地を使う権利とマンションのお部屋の権利を一体化していない場合があります。

マンションのお部屋の権利とは別に、敷地を使う権利があります。

多くの場合、敷地を使う権利はマンションのお部屋の持ち主全員で共有しています。

敷地を使う権利とマンションのお部屋の権利が一体化していないから、敷地の権利証とマンションのお部屋の権利証は別々です。

何筆もの土地の上にマンションが建っている場合、その土地の数の分の権利証があります。

敷地権付区分建物であるか敷地権のない区分建物であるか確認する方法は登記簿謄本を見ることです。

敷地権付区分建物の場合、表題部(専有部分の建物の表示)に続いて、表題部(敷地権の表示)が記載されています。

敷地権のない区分建物の場合、表題部(専有部分の建物の表示)のみで、敷地権の表示は記載されていません。

レアケースですが、同じマンションなのに敷地権付区分建物と敷地権のない区分建物が混在している場合があります。

該当のお部屋の登記簿謄本を見て確認しましょう。

3別で登記されている共用部分は見落としがち

共用部分というと、まず支柱、廊下、階段、エレベーター、電気ガス水道などのライフライン設備などをイメージするでしょう。

これらは、法定共用部分と言います。

法定共用部分は、登記することができません。

構造上、利用上の独立性がないからです。

法定共用部分は、お部屋の権利と一緒に移転します。

共用部分には、法定共用部分の他に、規約共用部分があります。

規約共用部分とは、マンション管理のための施設のことです。

例えば、集会所、管理人室、駐車場、ポンプ室、ごみステーションなどが代表例です。

上記のような施設は、単独で建物として登記することができます。

その後、規約によって共用部分になったことを登記することができます。

規約によって共用部分になったことが登記してあれば、お部屋の権利と一緒に権利が移転します。

共用部分の権利はお部屋の権利と一体化しています。

一体化していれば、共用部分だけ権利が移ったり、お部屋の権利だけ移って共用部分はそのままになることがありません。

規約によって共用部分になったことが登記してない場合、規約共用部分を使う権利とマンションのお部屋の権利が一体化していません。

規約によって共用部分になったことが登記してない場合、規約共用部分がお部屋の持ち主全員で共有しています。

規約共用部分を使う権利とマンションのお部屋の権利が一体化していないから、規約共用部分の権利証とマンションのお部屋の権利証は別々です。

お部屋の権利証とは別に、集会所の権利証、駐車場の権利証など施設の数だけ権利証があります。

権利証が別々になっているかどうかは、登記簿謄本を見て確認することができます。

建物の表題部を見て、「〇年〇月〇日規約設定 共用部分」と記載がある場合、規約によって共用部分になったことが登記されています。

相続登記をするする場合、原則として、権利証は必要ありません。

相続登記で権利証を必要とする例外がありますから、権利証を確認しておくとお部屋と一体化していない権利を見つけられることがあります。

マンションを購入したときにローンを組んでいる場合、抵当権を設定します。

多くの場合、お部屋の権利だけでなくその他の権利も一緒に抵当権を設定します。

登記簿謄本の共同担保目録の欄を確認するといいでしょう。

お部屋の権利と一体化していない場合、他の権利は見落としがちです。

お部屋の権利にだけ注目している場合、一体になっていない権利について分け方の合意を忘れられることが多いでしょう。

相続してから長期間経過してから、一体になっていない権利について分け方の合意をしていないことが発覚します。

分け方の合意をしていない場合、相続人全員の共有財産です。

あらためて、相続人全員で分け方の合意をしなければなりません。

4マンションの相続登記における不動産の表示

①敷地権付マンションの記載例

(一棟の建物の表示)

所在 ○○市○○町○丁目○番地○

建物の名称 ○○○○マンション

(専有部分の建物の表示)

家屋番号 ○○町○丁目○番○の○

建物の名称 ○○○

種類 居宅

構造 鉄筋コンクリート造1階建

床面積 ○階部分 ○○.○○㎡

価格 金○○○○万円

(敷地権の表示)

符号 1

所在 ○○市○○町○丁目

地番 ○番○

地目 宅地

地積 ○○○.○○㎡

(敷地権の種類)

所有権

(敷地権の割合)

持分 ○○○○○○分の○○○○○○

価格 金○○○○万円

符号 2

所在 ○○市○○町○丁目

地番 ○番○

地目 宅地

地積 ○○○.○○㎡

(敷地権の種類)

所有権

(敷地権の割合)

持分 ○○○○○○分の○○○○○○

価格 金○○○○万円

②敷地権のないマンションの記載例

(一棟の建物の表示)

所在 ○○市○○町○丁目○番地○

建物の名称 ○○○○マンション

(専有部分の建物の表示)

家屋番号 ○○町○丁目○番○の○

建物の名称 ○○○

種類 居宅

構造 鉄筋コンクリート造1階建

床面積 ○階部分 ○○.○○㎡

価格 金○○○○万円

所在 ○○市○○町○丁目

地番 ○番○

地目 宅地

地積 ○○○.○○㎡

   持分 ○○○○○○分の○○○○○○

価格 金○○○○万円

所在 ○○市○○町○丁目

地番 ○番○

地目 宅地

地積 ○○○.○○㎡

   持分 ○○○○○○分の○○○○○○

価格 金○○○○万円

③附属建物があるときの記載例

所在 ○○市○○町○丁目○番地○

家屋番号 ○○町○丁目○番○の○

種類 集会所

構造 鉄筋コンクリート造2階建

床面積 1階 ○○.○○㎡

     2階 ○○.○○㎡

   持分 ○○○○○○分の○○○○○○

価格 金○○○○万円

5マンションの相続登記の登録免許税の計算方法

ステップ①固定資産税評価額を調べる

相続登記をするときは、法務局に登録免許税を納めます。

登録免許税は、不動産の評価額を基にして計算します。

固定資産税評価額は、固定資産税評価証明書を取得すると判明します。

マンションを相続した場合、敷地と建物があります。

市区町村役場によっては、土地と建物は別々に固定資産税評価証明書を発行します。

登記申請用の固定資産税評価通知書を発行する場合があります。

登記申請用の固定資産税評価通知書は、多くの市区町村役場は無手数料です。

固定資産税評価証明書、固定資産税評価通知書、課税明細書には、年度が記載されています。

固定資産税評価証明書、固定資産税評価通知書、課税明細書は、毎年4月1日に新年度になります。

相続登記を申請するときに、最新年度の証明書を提出します。

3月中に取得した証明書を添付して、4月に相続登記を申請すると証明書を取り直すように言われます。

新年度になると、固定資産税評価額が変更されます。

ステップ②不動産の評価額を計算する

マンションを相続した場合、敷地と建物があります。

被相続人がマンションのお部屋を単独所有していた場合であっても、土地は共有しています。

敷地権付マンションであれば、敷地権の割合で土地の評価額を計算します。

敷地権のないマンションであれば、土地の共有持分の割合で土地の評価額を計算します。

ステップ③土地の評価額が100万円以下であれば非課税

土地の評価額が100万円以下の場合、非課税になります。

日本中どこの土地でも土地の評価額が100万円以下であれば対象になります。

所有権の持分を相続した場合、土地の評価額×持分の割合で計算した価額が、100万円以下であれば非課税になります。

敷地権付マンションの敷地権が100万円以下であれば、非課税になります。

数筆の土地に対して敷地権がついている場合があります。

一部の敷地権が非課税になって、他の敷地権は課税される場合があります。

土地の評価額が100万円以下になることによって非課税になる場合、、「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載します。

ステップ④土地と建物の評価額を合計する

マンションを相続した場合、敷地と建物があります。

土地の評価額と建物の評価額を合計します。

ステップ⑤1000円未満の端数を切り捨て

登録免許税は、不動産の評価額を基にして計算します。

土地と建物の評価額の合計から、1000円未満の端数を切り捨てます。

ステップ⑥相続登記の登録免許税は1000分の4

相続登記の登録免許税の税率は、1000分の4です。

端数切捨てた額に1000分の4をかけた金額を計算します。

ステップ⑦100円未満の端数を切り捨て

1000分の4をかけた金額を納めるわけではありません。

1000分の4をかけた金額から100円未満の端数を切り捨てます。

100円未満の端数を切り捨てた金額が登録免許税です。

6抵当権の登記の抹消・変更も忘れずに

被相続人がマンションを購入するときに、住宅ローンを組んでいる場合があります。

住宅ローンを組んでいる場合、銀行などに抵当権を設定しているでしょう。

住宅ローンが残っているのであれば、抵当権の債務者の変更の登記が必要になります。

もっとも、住宅ローンを組む場合、債務者が団体信用生命保険に加入しているケースが多いです。

債務者が死亡したことで、団体信用生命保険の保険金が支払われる場合、住宅ローンの残りは保険金で返済されます。

団体信用生命保険の保険金で住宅ローンの支払いがなくなった場合、抵当権は消滅します。

抵当権が消滅しても、抵当権の登記は自動で消えません。

法務局は住宅ローンがなくなったかどうか分からないからです。

相続登記とは別に、抵当権の抹消登記の申請が必要です。

相続登記は、相続人が単独申請をすることができます。

抵当権の抹消登記は、相続人を権利者、銀行を義務者として共同申請をしなければなりません。

7相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。

ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。

インターネットの普及で多くの人は簡単に多くの情報を手にすることができるようになりました。

多くの情報の中には正しいものも、適切でないものも同じように混じっています。

登録免許税の計算を間違えた場合、法務局から補正指示がされます。

計算間違いで納付不足の場合、追加納付をすれば済みます。

計算間違いで納め過ぎの場合、過誤納額還付請求書を提出すれば、還付してもらえます。

登録免許税が還付されるまでに、1か月程度かかります。

司法書士は登記の専門家です。

スムーズに相続登記を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続登記の登録免許税の計算方法と納付方法

2023-03-17

1登録免許税とは

相続による不動産の名義変更のことを相続登記と言います。

不動産の名義変更をするときに、かかる税金が登録免許税です。

相続でかかる税金というと相続税だけ注目しがちです。

相続税の申告が必要になる人は、多くはありません。

相続税の申告が必要になる人は10%にも満たないわずかな人です。

申告が必要なだけで相続税がかからない人も少なくありません。

相続税の納付が必要な人は、さらにわずかな人です。

自宅など不動産を所有している人は、たくさんいます。

相続が発生した場合、名義変更が必要になります。

相続登記を申請するとき、登録免許税を納入します。

2相続登記の登録免許税の計算方法

ステップ①固定資産税評価額を調べる

相続登記をするときは、法務局に登録免許税を納めます。

登録免許税は、不動産の評価額を基にして計算します。

不動産の評価額とは、固定資産税評価額のことです。

固定資産税評価額は、固定資産税評価証明書を取得すると判明します。

固定資産税評価証明書は、不動産が所在する市区町村役場に請求すると発行してもらうことができます。

市区町村役場によっては、登記申請用の固定資産税評価通知書を発行する場合があります。

登記申請用の固定資産税評価通知書は、多くの市区町村役場は無手数料です。

固定資産税は、5月ごろ納付書が届きます。

納付書の表紙に課税明細書が添付されています。

課税明細書にも、固定資産税評価額が記載されています。

固定資産税評価額は、最新のものである必要があります。

固定資産税評価証明書、固定資産税評価通知書、課税明細書には、年度が記載されています。

固定資産税評価証明書、固定資産税評価通知書、課税明細書は、毎年4月1日に新年度になります。

相続登記を申請するときに、最新年度の証明書を提出します。

3月中に取得した証明書を添付して、4月に相続登記を申請すると証明書を取り直すように言われます。

新年度になると、固定資産税評価額が変更されます。

ステップ②1000円未満の端数を切り捨て

登録免許税は、不動産の評価額を基にして計算します。

評価証明書を見ると、不動産の価格以外にたくさんの数字が書いてあります。

評価証明書に記載してある課税標準金額は使うことができません。

評価証明書に記載してある課税標準金額は、固定資産税を計算するときに使う金額だからです。

最新の固定資産税評価額から、1000円未満の端数を切り捨てます。

ステップ③相続登記の登録免許税は1000分の4

相続登記の登録免許税の税率は、1000分の4です。

端数切捨てた額に1000分の4をかけた金額を計算します。

ステップ④100円未満の端数を切り捨て

1000分の4をかけた金額を納めるわけではありません。

1000分の4をかけた金額から100円未満の端数を切り捨てます。

100円未満の端数を切り捨てた金額が登録免許税です。

3相続登記の登録免許税の納付方法

①登録免許税は相続登記の申請時に納付する

登録免許税は、相続登記をするときに納めます。

相続登記を申請するのは法務局だから、登録免許税も法務局に納入します。

相続登記を申請するときに納入しますから、納期限はありません。

相続登記を放置するとデメリットが大きいので、できるだけ早く相続登記を済ませましょう。

②収入印紙を収入印紙貼付台紙に貼って納入

登録免許税は、収入印紙貼付台紙に貼付して納入することが一般的です。

税務署や金融機関で納付書を受け取って納入することもできます。

収入印紙は法務局の人が消印をしますから、消印をしないまま提出します。

消印をしやすいように縦に並べて、台紙の右側に寄せて貼付するといいでしょう。

登記申請書と収入印紙貼り付け台紙は契印を施します。

収入印紙は、法務局窓口、郵便局、コンビニエンスストアで購入することができます。

コンビニエンスストアは高額の印紙の在庫がないことが多いのでおすすめできません。

法務局の窓口まで出向いて相続登記を申請する場合であっても、現金で納入することはできません。

相続登記をオンライン申請した場合、ペイジーで納入することができます。

③相続登記の必要書類

登記申請書には、通常、相続関係説明図を添えます。

遺言書がない場合、おおむね、次の書類が必要です。

(1)被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

(2)相続人の現在戸籍

(3)被相続人の住民票の除票

(4)不動産を相続する人の住民票

(5)遺産分割協議書

(6)相続人全員の印鑑証明書

事例によっては追加書類が必要になる場合があります。

④相続登記の申請

相続登記の必要書類が集まったら、相続登記を申請します。

登記申請書は、専用の申請書があるわけではありません。

法務局のホームページに記載例があるので、参考にしながら作成するといいでしょう。

パソコンなどで作っても、手書きしても差し支えありません。

4相続登記の登録免許税が非課税になる場合とは

①死亡した相続人への相続登記

登記名義人から死亡した相続人に相続登記をする場合、土地の登録免許税が非課税になります。

登記簿には、死亡した相続人に名義が変更になります。

現に生きている人だけでなく、死亡した人も登記名義をつけることができます。

すでに死亡していても、生前、その不動産を所有していたからです。

登記名義人から死亡した相続人に相続登記をする場合、死亡した相続人の相続人が申請します。

登記申請書には「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載します。

記載しない場合、非課税となりません。

記載を忘れて、通常どおり登録免許税を納めた場合、登録免許税は還付されません。

②死亡した相続人への遺贈登記

登記名義人から死亡した相続人に遺贈登記をする場合、土地の登録免許税が非課税になります。

遺贈とは、被相続人が遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺贈によって、法定相続人に対して財産を譲ってあげることも、法定相続人以外の人に対して財産を譲ってあげることもできます。

登録免許税が非課税になるのは、財産を譲ってあげる相手が法定相続人の場合だけです。

法定相続人以外の人に対して財産を譲ってあげる場合、登録免許税が非課税になりません。

財産を譲ってあげる相手が法定相続人以外の人の場合、通常どおり登録免許税がかかります。

遺言書に「遺贈する」とあれば、譲ってもらう人が相続人であっても相続人以外の人でも、遺贈で手続します。

③土地の評価額が100万円以下の場合

土地の評価額が100万円以下の場合、非課税になります。

日本中どこの土地でも土地の評価額が100万円以下であれば対象になります。

登記申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載します。

この記載がないときは非課税となりません。

記載を忘れて、通常どおり登録免許税を納めた場合、登録免許税は還付されません。

5被相続人が不動産を共有していた場合の計算方法

①登録免許税は移転する持分の評価額を基にして計算

登録免許税は、不動産の評価額を基にして計算します。

被相続人が第三者と不動産を共有している場合があります。

被相続人の共有持分について相続登記をする場合、移転する持分の評価額を基にして計算します。

例えば、被相続人が持分3分の1で不動産を共有していた場合、3分の1の評価額を基にして計算します。

不動産の固定資産税評価額が6000万円なら、持分3分の1だから評価額は2000万円です。

2000万円に登録免許税の税率1000分の4をかけて計算します。

登録免許税は8万円納入します。

②移転する持分の評価額が100万円以下なら非課税になる

土地の評価額が100万円以下の場合、非課税になります。

被相続人が土地を共有していた場合、移転する持分の評価額が100万円以下になることがあります。

例えば、被相続人が持分3分の1で150万円の土地を共有していた場合、移転した土地の評価額は50万円です。

移転した土地の評価額は50万円だから、100万円以下になります。

登記申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載して、非課税にしてもらうことができます。

租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税になるのは、土地のみです。

建物は対象外です。

6被相続人がマンションを所有していた場合の計算方法

被相続人が分譲マンションを所有している場合があります。

分譲マンションの多くは、敷地権付の区分建物です。

マンションの登記事項証明書を確認すると、敷地権割合の項目があります。

敷地権割合とは、マンションの敷地の持分割合のことです。

分譲マンションを所有している場合、お部屋は所有していて土地は共有している状態と言えます。

土地を共有していたから、固定資産税評価額に敷地権割合をかけて移転する持分の評価額を計算します。

登録免許税は、移転する持分の評価額を基にして計算するからです。

移転する持分の評価額が100万円以下になる場合、非課税になります。

分譲マンションを所有している場合、お部屋を所有しています。

お部屋についても相続登記をしますから、建物の固定資産税評価額を確認します。

市区町村役場によっては、土地と建物は証明書が別になっています。

建物の固定資産評価額に1000分の4をかけて登録免許税を計算します。

7公衆用道路があった場合の計算方法

被相続人が自宅の土地建物の他に、自宅に至る私道を持っている場合があります。

自宅に至る私道が公衆用道路である場合、固定資産税はかかりません。

公衆用道路の固定資産評価証明書を見ると、不動産の価格が記載されていない場合や0円と記載されています。

固定資産評価証明書に不動産の価格が記載されていない場合や0円と記載されている場合でも、登録免許税はかかります。

不動産の価格が記載されていない場合や0円と記載されている場合、隣接地の評価額の100分の30と定められています。

隣接地の1㎡あたりの評価額に公衆用道路の土地の面積をかけて、土地の評価額を計算します。

土地の評価額が出たら、相続登記の税率1000分の4をかけて登録免許税を計算します。

8登録免許税の過誤納は還付される

相続登記を申請するとき、登録免許税を納入します。

登記申請をしたけど、法務局の審査で添付書類の不足や不備が判明することがあります。

些細なミスの場合、法務局へ出向いて補正することができます。

重大なミスの場合、いったん登記申請を取下げなければなりません。

登記申請を取下げた場合、納付した登録免許税は結果として過誤納になります。

計算誤りをして登録免許税を納め過ぎることがあります。

納め過ぎのことを過誤納と言います。

登録免許税の過誤納があった場合、還付申請書を提出すると返金してもらえます。

還付手続は、税務署が担当します。

返金されるまでに1か月ほどかかります。

9相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。

ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。

インターネットの普及で多くの人は簡単に多くの情報を手にすることができるようになりました。

多くの情報の中には正しいものも、適切でないものも同じように混じっています。

登録免許税の計算を間違えた場合、法務局から補正指示がされます。

計算間違いで納付不足の場合、追加納付をすれば済みます。

計算間違いで納め過ぎの場合、過誤納額還付請求書を提出すれば、還付してもらえます。

登録免許税が還付されるまでに、1か月程度かかります。

司法書士は登記の専門家です。

スムーズに相続登記を完了させたい方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書がないときの相続登記の必要書類

2023-02-08

1不動産の名義変更とは

被相続人が生前所有していたものは相続財産になります。

相続財産は、原則として、相続人全員の共有財産になります。

相続財産は相続人全員で話し合いによる合意をして、分け方を決めることになります。

相続人全員による話し合いによる合意で、不動産を相続する人が決まったら、不動産の名義を書き換えます。

この不動産の名義の書換のことを相続登記といいます。

ほとんどの場合、相続人全員の話し合いによる合意で分け方を決めます。

ときには、相続人全員が法定相続分で不動産を共有する場合があります。

不動産を共有した場合、デメリットが大きいのでおすすめできません。

2遺言書がないときの相続登記の必要書類

相続登記をする場合、相続関係説明図に次の書類を添えて提出します。

①被相続人に関する書類

(1) 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

被相続人の最終の戸籍謄本を確認すると、出生事項と死亡事項が記載されています。

出生事項と死亡事項が記載されているから、出生から死亡までの戸籍があると誤解してしまうかもしれません。

多くの人は、結婚や離婚、転籍などでいくつもの戸籍を渡り歩いています。

被相続人の身分に関することは、必ず、戸籍に記載されます。

戸籍が作り直しになる場合、出生事項は書き写される項目です。

結婚歴や子どもがいることを家族に秘密にしているかもしれません。

出生から死亡までの戸籍をすべて確認したら、秘密にしていたことが明るみに出ます。

戸籍が作り直しになる場合に、新しい戸籍に書き写しがされない項目があります。

被相続人が子どもを認知した場合、戸籍に記載されます。

認知した後、新しい戸籍が作られる場合、子どもを認知したことは新しい戸籍に書き写されません。

被相続人の最終の戸籍謄本だけを確認した場合、認知した子どもがいることに気づくことができないでしょう。

被相続人が認知した子どもは相続人になります。

このような子どもを見落とさないために、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要です。

被相続人が認知した子どもがいない場合も、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本は欠かせません。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本は、認知した子どもがいないことの証明になるからです。

認知した子どもがいないことは、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を揃える以外で証明できないからです。

(2) 被相続人の住民票の除票

被相続人の住民票の除票は、被相続人の死亡時の住所を証明するために提出します。

被相続人の死亡時の住所を証明するためだから、死亡後に発行してもらったものである必要があります。

被相続人の戸籍の附票でも構いません。

戸籍の附票は、本籍地のある役所に請求します。

住民票の除票は、住民票のある役所に請求します。

相続登記をする場合、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を用意します。

戸籍謄本は、本籍地のある役所に請求します。

本籍地のある役所に戸籍を請求するときに一緒に戸籍の附票も請求すると効率よく書類を集めることができます。

被相続人の住民票の除票は、本籍地の記載が必要です。

戸籍謄本には、本籍の記載はあるけど住所地の記載がないからです。

登記簿には所有者の住所だけ登記されています。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本だけを見ても、登記簿の所有者と同一人物であるとは証明できません。

被相続人の住民票の除票に住所と本籍が記載してあるから、登記簿の所有者と戸籍謄本の被相続人が同一人物であると認めてもらえます。

②相続人に関する書類

(1)相続人全員の現在戸籍

相続人の戸籍は、相続が発生した時に相続人が健在であったことを証明するためのものです。

相続が発生した時に相続人が健在であったことを証明するため、相続人の戸籍謄本は相続発生後に取得したものでなければなりません。

(2)不動産を相続する人の住民票

不動産を相続する人の住民票は、不動産を相続する人の住所を証明するために提出します。

住民票を取得してから、何年経過していても問題はありません。

住民票を取得してから長期間経過した場合、相続人が転居する場合や住居表示が実施される場合があります。

古い表記の住民票は、相続する人の住所を証明する書類とは言えません。

最新の住所が記載されている住民票を取り直す必要があります。

③不動産に関する書類

(1)固定資産税の評価証明書

相続登記をする場合、登録免許税を納める必要があります。

登録免許税は、登記申請年度の固定資産税評価額をもとにして計算します。

固定資産税の評価証明書は、4月1日に新年度になります。

登記申請が4月1日を越して新年度になった場合、新年度の固定資産税の評価証明書が必要です。

登記申請が3月31日までであれば、登記完了が4月以降になったとしても、新年度の固定資産税の評価証明書は必要ありません。

3遺産分割協議で相続登記をするときの追加の必要書類

相続財産は、原則として、相続人全員の共有財産になります。

相続財産は相続人全員で話し合いによる合意をして、分け方を決めることになります。

①遺産分割協議書

相続人全員で合意がまとまったら、遺産分割協議書に取りまとめます。

1通の遺産分割協議書に取りまとめ相続人全員が記名押印する形式が多いです。

相続人全員の人数分の遺産分割証明書に各自が記名押印する形式でも差し支えありません。

相続人が集まりやすいのであれば、1通の遺産分割協議書に相続人全員が記名押印する形式がいいでしょう。

相続人が各地に散らばっている場合、相続人全員の人数分の遺産分割証明書に各自が記名押印する形式が便利です。

相続人全員を証明できるのであれば形式はいずれでも構いません。

②相続人全員の印鑑証明書

相続人全員で合意がまとまったら、遺産分割協議書に取りまとめます。

相続人全員が合意したことを証明するために、記名し実印で押印します。

押印が実印によるものであることを証明するために、印鑑証明書を添付します。

相続登記で提出する印鑑証明書に期限はありません。

4相続人全員で共有する相続登記の追加の必要書類

①相続人全員の住民票

相続人全員で法定相続分で共有する相続登記の場合、相続人全員の住民票が必要になります。

共有者全員が法定相続分で共有する場合、必要書類は少なく済みます。

5不動産を共有するデメリット

①共有物を処分するには共有者全員の合意が必要

共有財産は、共有している人全員が合意しないと、処分はできません。

処分するとは、共有物を売却する、第三者に賃貸することなどです。

たくさんの人で共有していると合意がまとまりにくくなります。

合意できる場合でも、合意するために時間がかかりがちになります。

売却したいという場合でも、合意に時間がかかるとチャンスを逃すことになります。

親族同士であっても共有物の管理方針が違うと、共有者の意見対立が起きやすくなります。

②共有者に相続が発生する

共有物を売却するためには、共有者全員の合意が必要になります。

共有者全員の合意がしにくくなると、売却などの判断は先延ばししがちです。

先延ばしにより長期間経過すると、共有者に相続が発生することがあります。

共有者に相続が発生すると、共有者の持分は相続財産になります。

死亡した共有者の共有持分を、複数の相続人が法定相続分で細分化して共有することがあります。

このような相続が何人もの共有者の間で発生すると、共有者がたくさんになり、持分が細分化されます。

適切に相続登記がされないと、だれにどれだけの持分があるのか分からなくなります。

③共有持分を売却するおそれ

共有物全体を売却するためには共有者全員の合意が必要です。

それぞれの共有者が持っている共有持分を売却するためには、他の共有者の合意は不要です。

あまり知られていませんが、共有者が持っている共有持分を買い取る業者がいます。

ひょっとすると、経済的に困っている共有者がいる場合、共有持分を売却してしまうかもしれません。

通常、市場価格よりはるかに低廉な価格でしか売れません。

共有持分を買い取る業者はビジネスですから、遠慮なく共有者としての権利を主張してきます。

6相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。

相続手続は多くの場合、何度も経験するものではありません。

だれにとっても不慣れで聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。

不動産は重要な財産なので、一般の人が些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

インターネットなどで多くの情報を手にすることができるようになりました。

相続登記を自分でやった、カンタンにできたという記事を見かけることもあります。

司法書士などの専門家から見てカンタンな登記申請であっても、一般の人が手続しようとすると思わぬ落とし穴があることがあります。

相続が発生してから長期間経過した後の登記申請は、想像以上に難解です。

自分で登記申請をしてみても、法務局から不足や不備を指摘されるでしょう。

ときには、何が問題なのか分からなかったというケースもあります。

自分でやってみて挫折した場合も司法書士はサポートします。

相続登記をスムーズに終わらせたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

法定相続情報一覧図と相続登記の同時申請

2023-01-30

1法定相続情報一覧図は登記官の認証がされている

相続が発生すると、相続人は多くの役所や銀行などの金融機関などで相続手続をすることになります。

相続手続のたびに、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と相続人の現在戸籍の束を提出しなければなりません。

大量の戸籍を持ち歩くと汚してしまったり、紛失する心配があるでしょう。

受け取る役所や銀行などの金融機関にとっても、戸籍謄本の束を読解するのは手間のかかる事務です。

被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのか一目で分かるように家系図のように取りまとめてあると便利です。

この家系図と戸籍謄本等を法務局に提出して、登記官に点検してもらうことができます。

登記官は内容に問題がなかったら、地模様の入った専用紙に認証文を付けて印刷して、交付してくれます。

これが法定相続情報証明制度です。

登記官が地模様の入った専用紙に印刷してくれた家系図のことを法定相続情報一覧図と言います。

多くは家系図のように書きますが、相続人をずらっと書き並べることもできます。

税務申告など連記式の法定相続情報一覧図は提出できない場合があるので、作成前によく確認しましょう。

2法定相続情報一覧図を使って相続登記をすると添付書類が少なく済む

登記申請書には、通常、相続関係説明図を添えます。

事例によっては追加書類が必要になる場合がありますが、遺言書がない場合ではおおむね次の書類が必要です。

①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

②相続人の現在戸籍

③被相続人の住民票の除票

④不動産を相続する人の住民票

⑤遺産分割協議書

⑥相続人全員の印鑑証明書

法定相続情報一覧図を使って相続登記をする場合、①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本②相続人の現在戸籍は提出する必要はありません。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をするときに、被相続人の死亡時の住所や相続人の住所を記入した家系図を提出することができます。

相続手続では、被相続人の死亡時の住所や相続人の住所を必要とされることが多いものです。

被相続人や相続人の住所を記載していない家系図を提出しても差し支えありませんが、住所が記載されている方が便利でしょう。

被相続人の死亡時の住所や相続人の住所を記入した家系図を提出するする場合、③被相続人の住民票の除票や相続人の住民票を一緒に提出します。

法定相続情報一覧図に、被相続人の死亡時の住所や相続人の住所が記載されている場合、相続登記で③被相続人の住民票の除票④不動産を相続する人の住民票も提出不要です。

法定相続情報一覧図を使って相続登記をすると添付書類が少なく済みます。

3法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記は同時申請ができる

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記は同時申請ができます。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出に添付する戸籍謄本は、コピーを添付しなくても原本還付されます。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出をする人の本人確認書類として提出する住民票の写しは原則として原本還付されません。

原本還付を希望する場合、住民票のコピーに「原本に相違ありません。」と記載して記名する必要があります。

住民票のコピーは記名が必要ですが、押印は不要です。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記を同時申請する場合、司法書士などの専門家が記名することができます。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記を司法書士などの専門家に依頼する場合、それぞれ委任が必要です。

委任状を2枚書いてもいいし、1枚の委任状にまとめて記載しても差し支えありません。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出の委任状は、記名のみで押印不要です。

相続登記の委任状は押印が必要です。

4法定相続情報一覧図のメリット

相続が発生すると、相続人は多くの役所や銀行などの金融機関などで相続手続をすることになります。

相続手続のたびに、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と相続人の現在戸籍の束を提出しなければなりません。

法定相続情報一覧図は、たくさんの戸籍謄本の束の代わりに銀行などの金融機関に提出することができます。

被相続人を中心にして、どういう続柄の人が相続人であるのか一目で分かるように家系図のように取りまとめてあるからとても便利です。

一目で分かるから、金融機関などの手続がスムーズに進みます。

金融機関なども、戸籍の束を読み解くのは手間のかかる事務です。

複雑な相続である場合、戸籍の束でなく法定相続情報一覧図を提出するように求められることがあります。

5法定相続情報一覧図のデメリット

①法務局で手続する手間と時間がかかる

法定相続情報一覧図は書き方が厳格に決まっています。

登記官は、提出された戸籍謄本等と家系図の点検をするだけです。

法務局で家系図を作ってくれるわけではありません。

必要な事項が書いてなかったり、余計なことが書いてあると書き直しになります。

法定相続情報一覧図の書き方ルールに合わない場合、何度でも書き直しになります。

登記官は内容に問題がなかったら、地模様の入った専用紙に認証文を付けて印刷して、交付してくれます。

登記官が点検して認証文を付けて問題がない場合だけ、法定相続情報一覧図を交付してくれるのです。

一般の人から見て、些細なことと思えるようなことで書き直しになります。

相続手続をする先が1か所か2か所であれば、戸籍の束を提出した方がいいかもしれません。

②法定相続情報一覧図が使えない場合がある

法務局に戸籍謄本等の点検をお願いすることを法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出といいます。

戸籍等が集められないと保管及び交付の申出ができません。

戸籍謄本は保存期間があります。

古い戸籍謄本は、順次処分されてしまいます。

戸籍が戦災や災害で滅失してしまっている場合があります。

被相続人に日本国籍がない場合、戸籍等を提出することができません。

相続人に日本国籍がない場合、戸籍等を提出することができません。

戸籍謄本が集められない場合、法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出はできません。

③相続人が変更になると法定相続情報一覧図が使えなくなる

法定相続情報一覧図は、戸籍謄本や住民票の内容を分かりやすく取りまとめたものです。

戸籍謄本や住民票に現れないことは、記載することができません。

相続放棄した相続人は、そのまま記載します。

戸籍謄本から分からないからです。

廃除された相続人は相続人でないから、法定相続情報一覧図に記載できません。

欠格になった証明書を提出した場合であっても、法定相続情報一覧図に相続欠格であることを記載することはできません。

法定相続情報一覧図が交付された後に、子どもが認知される場合があります。

父親が死亡した後でも、死亡後3年以内であれば、認知を求める訴えを起こすことができるからです。

6法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出と相続登記を司法書士に依頼するメリット

法定相続情報一覧図は、後に登記官が認証文を付して交付されるので、書き方が厳格に決まっています。

法定相続情報一覧図と似たものに、相続関係説明図があります。

相続関係説明図は、登記官が点検をするものではなく、単なる事情説明の書類に過ぎませんから、比較的自由に書くことができます。

これらの違いを理解して、ポイントを押さえて書くことが重要です。

相続手続が少ない場合など、法定相続情報一覧図を作るまでもないこともあるでしょう。

逆に、銀行口座をたくさん持っているなど、相続手続をする手続先が多い場合は、法定相続情報一覧図は大変便利です。

相続が発生した場合、家族はたくさんの相続手続でとても忙しくなります。

葬儀の費用などの支払のため、銀行口座の相続手続を先行させたいと考えるかもしれません。

自宅不動産などの相続登記を後回しにしがちです。

要領よく相続手続を進めるためには、不動産の相続登記を先行させるのがおすすめです。

相続登記は、相続手続の中でも難易度が高い手続です。

司法書士などの専門家は、相続登記に必要な戸籍謄本などの書類をすべて準備してくれるからです。

お仕事や家事で忙しい方は戸籍謄本などの収集だけでも、タイヘンです。

相続登記が終わった後、登記に使った書類は原本還付をしてもらえます。

難易度の高い相続登記で使った書類がすべてあれば、銀行などで書類の不足を指摘されることは大幅に減ります。

銀行の預貯金などの相続手続についてもサポートを受けることができます。

すみやかな手続を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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