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大人同士で養子縁組

2024-04-19

1養子縁組で親子になる

①大人同士で養子縁組ができる

養子縁組とは、血縁関係による親子関係の他に、法律上の親子関係を作る制度です。

子どものいない夫婦が養子縁組をする、配偶者の連れ子と養子縁組するといったことは日常的に聞くことあります。

養子は、未成年に限るものではありません。

大人同士で、養子縁組をすることができます。

一般的に、単に「養子」と言ったら、普通養子を指していることがほとんどです。

大人同士で養子縁組をする場合、普通養子による養子縁組のみです。

普通養子による養子縁組は、養子縁組後も血縁関係がある実親との親子関係が続きます。

大人同士で、養子縁組をすることができます。

②大人同士で特別養子による養子縁組はできない

特別養子では、養子縁組をした後、血縁関係のある実親との親子関係がなくなります。

親子の縁を切る重大な決定なので、厳格な要件で家庭裁判所が決定します。

特別養子が認められる条件は、次のとおりです。

(1)実親の同意があること

(2)養親は配偶者がいること

(3)養親の年齢が25歳以上、夫婦の一方は20歳以上

(4)養子の年齢が15歳未満

(5)6か月以上の監護実績

実の父母による著しい虐待がある場合やその他特別の事情がある場合で、かつ、子の利益のため特に必要があるときに、認められます。

特別養子が認められるのは、家庭裁判所に審判の請求をした時点で養子が15歳未満であることが条件です。

養子が15歳になる前から養親に監護されていた場合、18歳になるまでは審判を請求することができます。

養子が成人になったら、特別養子になることはできません。

大人同士では、特別養子による養子縁組をすることはできません。

③独身の人が養子縁組ができる

特別養子による養子縁組では、養親は配偶者がいる人であることが条件です。

普通養子による養子縁組には、配偶者の有無は問われません。

独身の人が養親になる養子縁組をすることができます。

独身の人が養子になる養子縁組をすることができます。

独身の人が養子縁組ができます。

④養子縁組で養親の氏

養子縁組をした場合、原則として、養子は養親の氏を名乗ります。

養子になる人が婚姻によって氏を改めた人であることがあります。

婚姻によって氏を改めた人は、婚姻の際の氏を名乗ります。

養子になる人に子どもがいても、養子の子どもの氏は自動で変わりません。

養子の子どもの氏を変更するには、原則として、家庭裁判所で子の氏の許可の申立てが必要です。

父母が婚姻中であれば、家庭裁判所の許可なしで変更することができます。

2養子縁組で相続人になる

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は、次のとおりです。

(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

(1)配偶者は必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②実子がいても養子は相続人

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

被相続人の実子は、被相続人の子どもです。

被相続人の養子は、被相続人の子どもです。

被相続人の子どもに、区別はありません。

被相続人の実子と養子は、相続人になります。

被相続人に実子がいても、養子は相続人です。

③実子と養子は同じ相続分と遺留分

養子縁組をした場合、養子は法律上の親子関係がある子どもです。

子どもに区別はありません。

実子と養子は、同じ相続分です。

被相続人は、原則として、自分の財産をだれに受け継がせるかは自由に決めることができます。

財産は被相続人が自分だけで築いたものではないでしょう。

家族の協力があってこそ、築くことができた財産のはずです。

被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすることはできません。

今まで協力してきた家族に酷な結果となることがあるからです。

被相続人に近い関係の相続人には、相続財産に対して最低限の権利が認められています。

相続財産に対して、認められる最低限の権利を遺留分と言います。

兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分が認められています。

遺留分が認められている相続人を遺留分権利者と言います。

被相続人の子どもが相続人になる場合、子どもは遺留分権利者です。

子どもに区別はありません。

実子と養子は、同じ遺留分です。

実子と養子は、同じ相続分と遺留分です。

3大人同士の養子縁組で許可は要らない

①大人同士の養子縁組で家庭裁判所の許可は要らない

養子が未成年者である場合、原則として、家庭裁判所の許可が必要です。

養子が未成年者であっても、自分の直系卑属や配偶者の直系卑属である場合、家庭裁判所の許可は不要です。

直系卑属とは、子どもや孫など下の世代の人です。

大人同士で養子縁組をする場合、原則として、家庭裁判所の許可は不要です。

②大人同士の養子縁組で実親の許可は要らない

養子縁組をするためには、養親になる人と養子になる人の合意が条件です。

養子が幼い子どもである場合、物事のメリットデメリットを充分に判断することはできません。

物事のメリットデメリットを充分に判断できないのに、合意をしても意味がありません。

養子が15歳未満である場合、原則として、親などの法定代理人が代わりに養子縁組を承諾します。

養子の父母で監護する人が他にいるときは、父母の同意が必要です。

養子の父母で親権が停止されている人が他にいるときも、同様です。

養子が15歳以上の場合、自分の意思で養子縁組をすることができます。

実親の意思とは関係なく、養子縁組は有効に成立します。

大人同士の養子縁組をする場合、15歳以上です。

実親が反対しても、養子縁組をすることができます。

大人同士が養子縁組をする場合、実親の許可は不要です。

③配偶者があるときは配偶者の同意が必要

配偶者がある人が未成年者を養子にする養子縁組をする場合、配偶者と共同で養子縁組をしなければなりません。

養子になる人が配偶者の嫡出子である場合、共同で養子縁組をする必要はありません。

配偶者が意思表示をできない場合、共同で養子縁組をする必要はありません。

大人同士で養子縁組をする場合、配偶者と共同で養子縁組をすることは条件ではありません。

夫婦共同縁組をしなくてもいいけど、配偶者の同意を得る必要があります。

養子になる人が配偶者の嫡出子である場合、配偶者の同意を得る必要はありません。

配偶者が意思表示をできない場合、配偶者の同意を得る必要はありません。

④後見人と被後見人は家庭裁判所の許可が必要

後見人が被後見人を養子にする場合、家庭裁判所の許可が必要です。

後見人には、成年後見人と未成年後見人がいます。

どちらでも被後見人を養子にする場合、家庭裁判所の許可を受けなければなりません。

後見人の任務終了後で管理の計算が終了しない間も、家庭裁判所の許可が必要です。

大人同士で養子縁組をする場合、原則として、家庭裁判所の許可は不要です。

養子縁組の当事者が後見人と被後見人である場合、大人同士でも家庭裁判所の許可が必要です。

⑤死後離縁は家庭裁判所の許可が必要

養子縁組とは、法律上の親子関係を作る制度です。

当事者の合意で、法律上の親子関係を作ることができます。

養子縁組の離縁とは、法律上の親子関係を解消する制度です。

当事者の合意で、法律上の親子関係を解消することができます。

法律上の親子になった後、当事者の一方が死亡することがあります。

当事者の一方が死亡しても、何もしなければ親子関係は解消されません。

死後離縁とは、当事者の一方が死亡した後に養子縁組を解消することです。

養子縁組を解消したら、亡くなった養親や亡くなった養子の親族との親族関係が終了になります。

当事者の一方が死亡した後に、当事者が合意することはできません。

当事者の一方が死亡した後は、家庭裁判所の許可を得て離縁をすることができます。

死後離縁をしても、さかのぼって養子でなくなるわけではありません。

養親が死亡した後に死後離縁をしても、養子は養親の相続人です。

4大人同士の養子縁組の注意点

①相続トラブルのおそれ

被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が相続人になるはずだったのに、養子縁組をすると養子が相続人になります。

被相続人に養子がいる場合、養子は被相続人の子どもだからです。

大人同士の養子縁組では、実親の許可は不要です。

兄弟姉妹の許可も当然不要です。

兄弟姉妹が養子の存在を知らないことがあります。

相続が発生した後に養子の存在を知ると、大いに困惑するでしょう。

兄弟姉妹からみると、相続分を奪われるように感じるかもしれません。

大人同士の養子縁組で、相続トラブルになるおそれがあります。

②養子縁組解消でトラブル

養子縁組は、当時者の合意で解消することができます。

当事者が一方的に解消することはできません。

養子縁組をしても、さまざまな家族の事情から解消したいと思うことがあるでしょう。

当事者の一方が養子縁組を解消したいと思っていても、他方が合意できないことがあります。

大人同士の養子縁組では、養子縁組解消トラブルのおそれがあります。

③同性婚で養子縁組

同性婚のパートナーと相続対策で、養子縁組をすることがあります。

同性婚の配偶者は、法律上の配偶者ではありません。

同性婚の配偶者は、相続人ではありません。

養子縁組をした場合、法律上の親子になることができます。

一方に相続が発生したら、相続人になることができます。

将来、法律が改正されて同性婚が認められるかもしれません。

現在の法律で親子が婚姻することはできません。

養子縁組を解消したら、親子でなくなります。

養子縁組を解消しても、婚姻をすることはできません。

同性婚で養子縁組をした場合、法律が改正されても婚姻できないでしょう。

同性婚で養子縁組で、婚姻ができなくなるおそれがあります。

④養親死亡後に養子縁組はできない

普通養子による養子縁組をする場合、養親になる人と養子になる人の合意が必要です。

養親になる人と養子になる人が合意をしたうえで、市区町村役場に届出をすることで成立します。

養親になる人と養子になる人の合意がない場合、養子縁組をすることはできません。

遺言書に「〇〇を養子にする」と記載してあったとしても、養子縁組をすることはできません。

遺言書は、遺言者が死亡したときに効力が発生します。

遺言者が死亡した後は、養親になる人と養子になる人の合意があるとは言えません。

遺言書に「〇〇を養子にする」と記載してあったとしても、合意があるとは言えません。

当事者の死亡後に、普通養子による養子縁組をすることはできません。

⑤相続人が変わると税金に影響

被相続人に子どもがいる場合、子どもは相続人になります。

被相続人に養子がいる場合、養子は相続人です。

養子は、被相続人の子どもだからです。

被相続人に実子がいる場合、養子縁組をすると実子と養子が相続人になります。

相続人が増えると相続税を減らすことができます。

この点を過度に強調して、養子縁組をすすめられることがあります。

被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹が相続人になるはずだったのに、養子縁組をすると養子が相続人になります。

例えば、兄弟姉妹4人が相続人になるはずだったのに、養子1人が相続人になることがあります。

養子縁組をした場合、相続税の基礎控除額は少なくなります。

兄弟姉妹4人なら5400万円、養子1人なら3600万円だからです。

相続税の基礎控除額が少なくなると、たくさんの相続税を納める必要があります。

基礎控除額だけでなく、生命保険の非課税額、退職金の非課税枠なども少なくなります。

大人同士の養子縁組で、税金に影響があります。

5養子縁組がある相続を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、被相続人のものは相続財産になります。

相続財産は相続人全員の共有財産ですから、分け方を決めるためには相続人全員の合意が必要です。

相続人の一部を含めない合意や相続人でない人を含めた合意は無効になります。

相続財産の分け方の話し合いの前提として、相続人の確定はとても重要です。

被相続人に養子がいる場合、養子は相続人になります。

代襲相続や数次相続が発生している場合、一挙に難易度が上がります。

インターネットが普及したことで、多くの情報を手軽に得ることができるようになりました。

簡単に情報発信ができるようになったこともあって、適切でない情報も有益な情報もたくさん出回っています。

相続の専門家と名乗っていながら、適切でないアドバイスを見かけることも度々あります。

スムーズに相続手続を行いたい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

初期の認知症で急いで家族信託

2024-04-18

オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました

1 オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただく前に、どのようなことでお困りでしたか。

親が認知症になり、親の資産を今後どうあつかえばいいか

家族信託

2 たくさんの事務所がある中から、オリーブの木司法書士事務所にご依頼いただきまして、ありがとうございました。

オリーブの木司法書士事務所を知ったきっかけをお聞かせください。

ご紹介、インターネット

3 オリーブの木司法書士事務所に依頼するときに、重視したことをお聞かせください。

親切、ていねいな対応

5 実際にオリーブの木司法書士事務所にご依頼いただいたご感想をお聞かせください。

安心して、何でも相談にのってもらえて、大変助かります。

今後とも、ご支援よろしくお願いいたします。

6 このアンケートをオリーブの木司法書士事務所のホームページやパンフレット等に掲載してよろしいでしょうか。

イニシャルを掲載してよい

イニシャル K.Tさま 

オリーブの木司法書士事務所からコメント

オリーブの木司法書士事務所にご依頼をいただきましてありがとうございました。

K.Tさまから、家族信託をご依頼いただきました。

重度の認知症になると物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなります。

判断能力を失ったら、財産管理をすることができません。

たくさんの資産があっても、事実上、凍結されることになります。

「不動産を売却して、施設の入居費用を準備したい」などは、認知症になると不可能です。

初期の認知症の診断を受けて、資産の凍結対策を考えたのは素晴らしいことです。

司法書士が面談した際にも、充分に受け答えをしていました。

認知症の診断を受けたとは言うものの、ごく初期であると考えられました。

公正証書を作成する際には、公証人が面談します。

公証人が面談した際にも、適切に話をしていました。

判断能力は、喪失していないと考えられました。

公正証書による家族信託契約と信託口口座開設を無事に済ませることができました。

K.Tさまの家族全員の仲がよい点が印象的でした。

家族信託の大切なことは、家族が一致団結して認知症の親をサポートすることです。

家族の信頼がないと、家族信託は成功しません。

K.Tさまの家族全員に信頼があると感じられました。

今回、ご依頼をいただきましてありがとうございました。

賃貸マンションがあるときの相続放棄

2024-04-18

1相続放棄で相続財産を引き継がない

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をする前に単純承認をしていた場合、相続放棄はできません。

相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できないからです。

相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。

相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。

家庭裁判所は事情が分からず書類に問題がなければ、相続放棄を受理してしまいます。

家庭裁判所が相続放棄を受理した後でも、相続財産を処分したり、利用した場合は、無効です。

2賃貸マンションを借りる権利は相続財産

被相続人が賃貸マンションやアパートに住んでいることがあります。

お部屋を借りる権利のことを、賃借権と言います。

原則として、お部屋を借りている人が死亡しても、賃貸借契約は終了しません。

相続が発生すると、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続人が相続する財産が、相続財産です。

相続財産はプラスの財産とマイナスの財産があります。どちらも、相続財産です。

一般的に不動産、預金、株式や投資信託などの有価証券、現金などがイメージしやすいでしょう。

これ以外にも、賃借権などの権利もプラスの財産になります。

賃貸借契約よっては、お部屋を借りている人が死亡したら契約終了になるものがあります。

3賃貸マンションの明渡を求められたら

①マンションの賃貸借契約を合意解除するのは危険

被相続人が賃貸マンションを借りて一人暮らしをしているケースがあります。

しばらく姿を見ていなかったと思っていたら部屋で亡くなっていたということもあるでしょう。

このような場合、相続人が引き続き部屋を借りてくれることはないでしょう。

大家は相続人に対して、契約を解除して部屋を明け渡して欲しいと請求します。

原則として、大家は借主の所有物を勝手に処分することはできません。

相続人からクレームになることをおそれて、相続人に処分を要求するのが通常です。

相続放棄をするのであれば、被相続人の財産を処分することはできません。

被相続人の財産を処分したら、単純承認になるからです。

家庭裁判所が事情が分からずに相続放棄を認めてしまっても、後から無効になります。

賃貸マンションを借りる権利は、賃借権という財産です。

被相続人の賃借権ですから、相続財産にあたります。

賃貸マンションを借りる契約を解除することは、賃借権を処分することです。

相続財産の処分ですから、単純承認になります。

賃貸マンションを借りる契約を解除すると、相続放棄ができなくなるということです。

大家との合意で賃貸借契約を解除するのは、避けるのが賢明です。

②大家は家賃不払いで一方的に解除ができる

契約を解除しないと、マンションの家賃がかかり続けます。

マンションを借りるときに、保証人を立てていれば保証人に賃料の請求が行くことにもなるでしょう。

賃貸借契約を解除しなければ、家賃がかかり続けているはずです。

家賃を払わなければ、大家は賃料不払いを理由に一方的に解除することができます。

大家が一方的に解除したのであって、相続人は何もしていません。

相続財産を処分したのでないから、単純承認になる心配はありません。

大家に迷惑をかけている気持ちから、解除に応じるべきでないかと不安になる場合もあるでしょう。

相続放棄を考えるということは、被相続人に大きなマイナスの財産があるのでしょう。

契約の解除に応じた場合、大きなマイナスの財産を引き受けることがありますから、リスクが大きすぎます。

③価値のある家財道具は処分しない

大家は新たな募集をするために、部屋の片づけをして明け渡して欲しいと請求するでしょう。

相続財産を処分した場合、単純承認になります。

部屋の中のものを片付けたと言っても、無条件で相続放棄が無効になることはありません。

だれが見てもゴミであるようなものや腐りやすいものを片付けた場合にまで、相続財産の処分というのは不当です。

相続財産の処分でないのであれば、相続放棄が無効になることはありません。

着古した衣類や使い古した日用品などは、経済的価値はありません。

経済的価値がないものを片付けたとしても、相続財産の処分とは言えないでしょう。

経済的価値がない思い出の品を形見分けとして、持ち帰っても通常は問題になりません。

売れば値段がつくような美術品や高性能な家電品を処分するのは危険です。

次順位の相続人などが管理できるようになるまで管理するにとどめましょう。

多くの場合、大家はこのようなリスクも考えて賃貸借契約をするときに保険に加入しています。

保険に加入する以外に敷金を預かっています。

保険金や敷金を使って、大家に処分してもらえばいいでしょう。

大家が自分の責任で何かすることについて、相続人の相続放棄と関係ないのは当然です。

大家が部屋の中のものを処分しても、相続人に費用を請求することはできません。

経済的価値がないものを片付けたとしても、相続財産の処分とは言えません。

このことを、捨てるのなら相続財産の処分にならないと誤解している人がいます。

経済的価値があるものを捨てるのは、単純承認になります。

経済的価値があるものを相続したから、処分できたと言えるからです。

同じ捨てる行為でも、経済的価値のないものの場合、単純承認になりません。

経済的価値があるものを捨てる場合、単純承認になります。

④電気・ガス・水道は解約できる

相続放棄をする場合でも、電気、ガス、水道などの生活インフラは解約して差し支えありません。

生活インフラの解約は相続財産の処分にあたらないとされています。

電気会社、ガス会社などに連絡して、供給を止めてもらいましょう。

4相続人が賃貸マンションに住み続けたい場合

被相続人が借りていた部屋に引き続き住み続けたいケースもあるでしょう。

部屋を借りる権利は、本来、賃借権という相続財産です。

相続放棄をしたのであれば、被相続人の財産を引き継ぐことはできません。

賃借権も引き継ぐことはできないのです。

建前として、いったん、退去します。

同じ部屋を借りたい場合、あらためて、大家と賃貸借契約をし直します。

大家と相続人が、単に、マンションを借りる契約をするだけですから相続とは関係ありません。

賃貸マンションを契約しても、相続放棄に影響はありません。

あらためて、契約をし直すとしても被相続人が家賃を滞納していた場合、いい印象を持たないでしょう。

相続人が保証人であれば、保証人として賃料を支払うことができます。

保証人でなかった場合でも、相続人が固有の財産から賃料を払うこともできます。

相続人が自分の固有の財産から支払う場合は、相続財産の処分ではありません。

相続放棄が無効になることはありません。

5相続人が保証人になっている場合

①相続放棄をしても、保証契約は無関係

被相続人が賃貸マンションを借りたとき、相続人が保証人になっている場合があります。

相続人が相続放棄をした場合、被相続人のマイナスの財産を相続することはありません。

被相続人の未払い家賃などを支払う義務は相続していませんから、相続人は支払う必要がありません。

相続人が保証人であれば、相続人は保証人として請求されることになります。

保証契約は賃貸借契約とは別の契約だからです。

賃貸借契約とは別に、大家と保証人が家賃が滞納になったら肩代わりをしますと約束します。

相続放棄をしても、保証契約は無関係です。

保証人はマンションの賃貸借契約を解除することはできません。

②家賃減収分の損害賠償は応じなくていい

大家としても、部屋を明け渡してもらわないと、新たな募集をすることができません。

新たな募集をすることができないから、その間の家賃相当額を損害賠償として請求されることがあります。

自殺や殺人事件など入居者に故意や過失がある場合は、損害賠償が認められます。

単なる孤独死や病死の場合は、損害賠償が認められないでしょう。

単なる孤独死であれば、保証人が家賃相当額の損害賠償に応じる必要はないでしょう。

③過大な原状回復費用に注意

原則として、保証人は入居者が負担すべき原状回復費用を本人に代わって支払わなければなりません。

原状回復とは、入居者の故意や過失など通常の使用方法を超える使用によって発生した傷みを直すことです。

通常の使用で発生する傷みや経年劣化や次の入居者のためのクリーニングは、入居者が負担するものではありません。

被相続人が一人暮らしをしていたケースでは、フローリングやクロスなどの内装を新品にして請求されることがあります。

フローリングやクロスなどの内装には、耐用年数があります。

耐用年数が経過していれば、残存価値は無いと言えるでしょう。

6相続放棄を司法書士に依頼するメリット

実は、相続放棄はその相続でチャンスは1回限りです。

家庭裁判所に認められない場合、即時抗告という手続きを取ることはできますが、高等裁判所の手続きで、2週間以内に申立てが必要になります。

家庭裁判所で認めてもらえなかった場合、即時抗告で相続放棄を認めてもらえるのは、ごく例外的な場合に限られます。

一挙にハードルが上がると言ってよいでしょう。

相続放棄は撤回ができないので、慎重に判断する必要があります。

せっかく、相続放棄が認められても、相続財産を処分したと判断されたら無効になりかねません。

このような行為をしてしまわないように、予め知識を付けておく必要があります。

相続放棄を自分で手続きしたい人の中には、相続放棄が無効になることまで考えていない場合が多いです。

司法書士は、相続放棄が無効にならないようにサポートしています。

せっかく手続きしても、相続放棄が無効になったら意味がありません。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

分譲マンションがあるときの相続放棄

2024-04-18

1相続放棄で相続財産を引き継がない

相続が発生したら、原則として、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をする前に単純承認をしていた場合、相続放棄はできません。

相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できないからです。

相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。

相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。

家庭裁判所は事情が分からず書類に問題がなければ、相続放棄を受理してしまいます。

家庭裁判所が相続放棄を受理した後でも、相続財産を処分したり、利用した場合は、無効です。

2相続放棄が認められても無効になるリスクがある

被相続人が分譲マンションを所有して住んでいることがあります。

相続人が就職や進学で実家を離れた後、そのまま実家のマンションに住んでいないこともあるでしょう。

相続人が実家を離れて遠方に住んでいる場合、実家を使う人がいないかもしれません。

リゾート地の開発を見込んで、リゾートマンションを所有していることもあります。

開発されないまま、不便な立地でリゾートマンションが老朽化しているかもしれません。

マンションに高い資産価値がある場合、相続して売却するのが選択肢のひとつでしょう。

マンションが老朽化しているなど資産価値が低い場合、売却することが難しいかもしれません。

ある程度の資産価値があっても、不便な立地の場合、売却できるまでに長期間かかるかもしれません。

マンションを売却できるまで、固定資産税などの費用がかかり続けます。

遠方に住んでいるのにマンションの管理組合の役員などをしなければならなくなる可能性があります。

マンション以外にめぼしい財産がなく、マンション自体にも価値が感じられない場合、相続放棄をすることが考えられます。

家庭裁判所で相続放棄をした場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

プラスの財産もマイナスの財産も引き継いでいませんから、マンションの中のものは勝手に処分することはできません。

相続財産を処分した場合、相続を単純承認したとみなされます。

家庭裁判所が事情を知らずに相続放棄を認めると決定しても、相続放棄は無効になります。

マンションの中のものを処分した場合、相続放棄が無効になるおそれがあります。

だれの目にも明らかにゴミであるようなものや腐りやすいものを処分した場合、相続放棄が無効になることはありません。

家財道具とは言っても財産的価値がない日用品や着古した衣類などを形見分けとして持ち帰った場合、相続放棄が無効になるリスクはないでしょう。

経済的価値があるような美術品や宝飾品などを持ち帰った場合、相続財産の処分と判断されるでしょう。

相続財産を処分したと判断された場合、相続を単純承認したとみなされます。

3相続放棄をした後も遺産の管理義務がある

相続放棄をするとはじめから、相続人でなかったと扱われます。

相続人でないから、被相続人の遺産などに関与しなくていいと考えてしまうかもしれません。

相続放棄をした人は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまで管理を続けなければなりません。

自分が相続放棄をしたことによって次順位の人が相続人になる場合、その人が相続財産を管理してくれます。

固定資産税などの費用やマンションの管理組合の役員なども、次順位の相続人が引き受けてくれます。

自分の他に相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合、相続放棄をした人は相続財産の管理を続けなければなりません。

相続財産の管理を続ける義務は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまでです。

相続財産を管理すべき人が管理を始めた場合、管理を終了することができます。

4相続放棄をしても管理費や修繕積立金を払う義務がある

相続放棄をした人は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまで管理を続けなければなりません。

分譲マンションの場合、管理はお部屋の中だけにとどまりません。

例えば、エレベーターなどの施設の点検やセキュリティーシステムの管理などによって、マンションの価値が維持されています。

このようなマンションの管理は、所有者が直接するものではありません。

マンション所有者は、専門の管理会社に管理費を支払うことによって間接的に管理しています。

相続放棄をした場合であっても、管理会社は相続発生以降の管理費を請求することができます。

相続人は相続財産を管理する義務があるから、管理費を支払う義務があります。

相続が発生するまでの管理費は、被相続人の債務です。

相続放棄をした場合、被相続人の債務を引き継ぐことはありません。

相続発生までに滞納管理費があった場合、管理会社は相続人に請求することはできません。

相続放棄をした相続人に請求できるのは、相続発生後の未払い管理費のみです。

相続人が管理義務を負うのは、相続発生後だけだからです。

マンション所有者は、通常の管理費の他に大規模な修繕のために修繕積立金を負担しています。

同様に、マンションの管理組合は、所有者に修繕積立金を請求することができます。

5マンション管理義務を免れるには

相続財産の管理を続ける義務は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまでです。

相続財産を管理すべき人が管理を始めた場合、管理を終了することができます。

自分の他に相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在であることが考えられます。

法定相続人がいない場合、最終的には国庫に帰属します。

国庫に帰属する前にたくさんの手続があります。

たくさんの手続が終わるまで、相続財産を管理する必要があります。

相続財産を管理する人を家庭裁判所に選んでもらいます。

相続財産を管理する人を家庭裁判所に選んでもらうことを相続財産清算人選任の申立てと言います。

相続財産清算人選任の申立てをするためには、予納金を納めなければなりません。

事件によって違いますが、予納金はおおむね100万円程度です。

家庭裁判所が相続財産清算人を選んだ場合、相続財産は相続財産清算人に引き継ぐことができます。

相続財産清算人が相続財産を管理し始めたら、相続財産の管理義務がなくなります。

相続財産清算人は、相続財産を管理すべき人だからです。

相続財産清算人が管理を始めた後は、相続財産の管理義務がなくなりますから、管理費や修繕積立金を支払う義務がなくなります。

6マンションの新所有者が滞納管理費を負担する

家庭裁判所が相続財産清算人を選んだ場合、相続財産を管理します。

マンションの滞納管理費は、相続財産から相続財産清算人が支払をします。

マンション管理費以外の債務についても、原則として、相続財産から弁済をします。

相続人全員が相続放棄をする場合、めぼしいプラスの財産は無いことが多いでしょう。

マンションに抵当権が設定されている場合、抵当権のある債権者は抵当権を実行します。

抵当権を実行するとは、マンションを競売して売却代金からお金を返してもらうことです。

担保権のない債権者は裁判で判決を得ることで、マンションを競売にかけることができます。

競売によってマンションの買主が現れた場合、マンションの滞納管理費は買主が負担します。

競売によるマンションの買主が、マンションの滞納管理費があることを知っていても知らなくても関係ありません。

競売による買主は、滞納管理費を支払う義務があります。

7相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄するためには、家庭裁判所に手続をする必要があります。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったと扱われます。

このことから、相続放棄が認められたら相続に関する手続には関与しなくて済むと安心してしまいがちです。

相続財産は引き継ぐことはなくなりますが、管理責任があります。

管理責任があることは、あまり知られていません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合であっても、相続財産を処分した場合、相続放棄が無効になります。

相続放棄は簡単そうに見えて、実はいろいろなことを考慮しなければならない手続です。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続手続で印鑑証明書を渡したくない

2024-04-17

1遺産分割協議書に印鑑証明書を添付する

①遺産分割協議書は相続人全員による合意内容の証明書

相続が発生したら、被相続人のものは相続人が相続します。

相続人が相続する財産が相続財産です。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

一部の相続人が勝手に処分することはできません。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続財産の分け方を決めるため相続人全員でする話し合いを遺産分割協議と言います。

相続財産の分け方について相続人全員で合意がまとまったら、確定して話し合いは終了になります。

相続人全員の合意内容は、文書に取りまとめます。

相続人全員の合意内容を取りまとめた文書を遺産分割協議書と言います。

遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。

②遺産分割協議書に実印で押印し印鑑証明書を添付する理由

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続財産の分け方について相続人全員で合意がまとまったら、遺産分割協議は成立します。

相続人全員が合意できれば、口頭の合意であっても有効に成立します。

口頭で合意した場合、相続手続先の人は信用できないでしょう。

遺産分割協議書は、相続人全員による合意内容の証明書です。

相続人全員に合意内容を確認してもらって、記名し実印で押印してもらいます。

実印とは、市区町村役場に印影を登録した印章です。

重要な契約や大切な場面では、実印で押印します。

実印は、本人が大切に保管しています。

実印が押印されている場合、本人の意思で押印されたと言えるでしょう。

印鑑証明書は、市区町村役場に登録した印影の証明書です。

印鑑証明書の印影と照らし合わせることで、実印に間違いないことを証明することができます。

遺産分割協議書に実印で押印し印鑑証明書を添付する理由は、第三者に本人の意思であることを信用してもらうためです。

③相続登記で遺産分割協議書が必要なとき実印と印鑑証明書が必要になる

相続人が複数である場合や遺言書がない場合、遺産分割協議が必要になります。

相続登記で遺産分割協議書を提出する場合、実印で押印し印鑑証明書を添付します。

相続人が一人の場合、話し合いをするべき他の相続人はいません。

遺言書がある場合、相続人全員の話し合いは必要ありません。

遺産分割協議が必要ない場合、遺産分割協議書は必要ありません。

遺産分割協議書を作成しない場合、印鑑証明書を提出する必要もありません。

印鑑証明書は、遺産分割協議書の押印が実印によるものであることを証明するために添付するからです。

相続登記で遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、印鑑証明書に期限はありません。

古い印鑑証明書を提出しても、差し支えありません。

相続登記で提出した遺産分割協議書と印鑑証明書は、希望すれば原本還付をしてもらうことができます。

④相続税申告で遺産分割協議書が必要なとき実印と印鑑証明書が必要になる

相続税の申告書等の書類には実印を押印する必要はありません。

認印で差し支えありません。

実印で押印が必要になるのは、遺産分割協議書です。

遺産分割協議書に相続人全員が実印で押印する必要があります。

遺産分割協議書に実印で押印したことを証明するために印鑑証明書を添付します。

相続人が一人の場合や遺言書がある場合、印鑑証明書は不要です。

相続税申告で遺産分割協議書と印鑑証明書を提出する場合、印鑑証明書に期限はありません。

古い印鑑証明書を提出しても差し支えありません。

相続税申告で提出した印鑑証明書は、原本還付をしてもらうことができません。

⑤相続放棄に実印と印鑑証明書は不要

家庭裁判所に対して、必要な書類をを添えて相続放棄をしたい旨の申立てをします。

申立先の家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

家庭裁判所の管轄は、裁判所のホームページで調べることができます。

相続放棄をしたい旨の申立ての書類のことを、相続放棄申述書と言います。

相続放棄申述書は、相続放棄の申立てをする人が押印をします。

実印で押印してももちろんいいのですが、押印は認印で充分です。

実印を押さないから、印鑑証明書を提出することもありません。

にもかかわらず、相続放棄の手続のため実印と印鑑証明書を用意して欲しいと他の相続人に言われたというケースがあります。

相続放棄のためと称していますが、相続放棄の手続のはずがありません。

相続放棄の手続は、相続放棄をする相続人が自分でするものだからです。

相続放棄の手続には、実印も印鑑証明書も不要です。

実印と印鑑証明書を渡して欲しいと言ってきた場合、別の手続をしようとしています。

具体的には、遺産分割協議と相続放棄を混同していると言えます。

自称専門家の場合、遺産分割協議と相続放棄を混同しているケースは度々あります。

2相続手続で印鑑証明書を渡したくないときの対処法

①司法書士などの専門家に相続手続を依頼する

遺産分割協議書は、相続人全員が記名して実印で押印します。

遺産分割協議書の押印が実印であることを証明するために、印鑑証明書を添付します。

相続人全員の印鑑証明書がない場合、原則として、相続手続を進めることはできません。

一部の相続人から一方的に印鑑証明書を渡すように迫られた場合、不安な気持ちになるでしょう。

遺産分割協議の内容に納得しているが、印鑑証明書などの悪用が心配になります。

相続手続は、司法書士などの専門家に依頼することができます。

司法書士などの専門家に依頼して、直接、司法書士に渡すといいでしょう。

相続手続が終わった後も、直接返して欲しい旨を伝えると直接やり取りができます。

②自分が代表相続人として相続手続をする

司法書士などの専門家に依頼しない場合で、自分が代表相続人として相続手続をする方法があります。

相続手続は、一般的に手間と時間がかかります。

自分が面倒な手続をすると申し出ると、喜んで印鑑証明書などの相続書類を渡してくれるかもしれません。

3相続手続で印鑑証明書を渡してもらえないときの対処法

①印鑑登録をしてもらう

遺産分割協議書に押印をしてくれない場合、印鑑登録をしていないことがあります。

印鑑登録をしたはずだけど、実印を紛失してしまっていることもあります。

市町村役場に出向いて印鑑登録をしてもらうといいでしょう。

本人が市区町村役場に出向いた場合、即日、印鑑証明書の発行をしてくれます。

②代償金の支払いと同時履行

被相続人の財産には、さまざまな財産があるでしょう。

現金や預貯金は、分けやすい財産です。

不動産は、分けにくい財産です。

相続財産の大部分が不動産のような分けにくい財産の場合、相続人全員の合意が難しくなるでしょう。

相続財産の大部分が不動産のような分けにくい財産の場合、代償分割をすることで合意ができることがあります。

代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらう方法です。

代償金を払うと合意したのに、代償金の支払いが惜しくなることがあります。

代償金を払うと合意したけど、資力に不安があることがあります。

代償の支払いがない場合、遺産分割協議をやり直ししたいと考えるかもしれません。

一般的な売買契約において、代金を支払わない場合、契約を一方的に解除することができます。

遺産分割協議においては、このような一方的な解除制度はありません。

代償金を払ってくれないのではないかと疑心暗鬼になることがあります。

代償の支払いと印鑑証明書の引渡しを同時履行とするといいでしょう。

代償が高額である場合、銀行振出の小切手による支払をしてもらうことができます。

振込で代償を支払う場合、口座残高はスマートフォンやパソコンで確認することができます。

代償金の支払いと印鑑証明書の引渡しを同時履行にしたら、安心してもらえるでしょう。

③遺産分割協議書真否確認の訴え

相続人全員の合意内容を遺産分割協議書に取りまとめて記名押印をしたのに、印鑑証明書を渡してくれない場合があります。

遺産分割協議は、口頭でも成立します。

口頭で成立した遺産分割協議では相続手続ができません。

口頭で遺産分割協議が成立した後、印鑑証明書を渡してくれない場合、相続手続ができなくなって困ります。

印鑑証明書を渡してくれない場合、遺産分割協議書真否確認の訴えを提起することができます。

裁判所で遺産分割協議書が真正であると確認してもらいます。

遺産分割協議書真否確認の訴えの勝訴判決を得ることで、印鑑証明書に代えることができます。

④所有権確認の訴え

相続財産の分け方について相続人全員で合意したのに、遺産分割協議書に押印をしてくれない場合があります。

このような場合は印鑑証明書を渡してくれないでしょう。

遺産分割協議書に押印をしてくれない場合、所有権確認の訴えを提起することができます。

相続財産の分け方について相続人全員で合意した時点で、合意した人の財産になるからです。

裁判所で所有権者であると確認してもらいます。

所有権確認の訴えの勝訴判決を得ることで、協力しない相続人の記名押印と印鑑証明書に代えることができます。

⑤遺産分割調停

一部の相続人が相続財産の分け方について合意していないと主張していることがあります。

合意していないと主張する場合、遺産分割協議書に押印をしてくれないのは当然です。

相続人全員による話し合いで相続財産の分け方について合意をする必要があります。

相続人間で話し合いがつかない場合、遺産分割調停を申し立てることができます。

遺産分割調停とは、家庭裁判所のアドバイスを受けてする相続人全員の話し合いです。

裁判所の助力を借りて、相続人全員の合意を目指します。

遺産分割調停で相続人全員の合意がまとまったら、合意内容は調停調書に取りまとめられます。

調停成立の調停調書があれば、印鑑証明書は不要です。

4遺産分割協議書作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書は遺産の分け方について、相続人全員による合意を取りまとめた文書です。

合意がきちんと文書になっているからこそトラブルが防止できるといえます。

書き方に不備があるとトラブルを起こしてしまう危険があります。

せっかくお話合いによる合意ができたのに、取りまとめた文書の不備でトラブルになるのは残念なことです。

トラブルを防止するため、遺産分割協議書を作成したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄しても不動産の管理義務

2024-04-16

1相続放棄をすると相続人でなくなる

相続が発生したら、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

プラスの財産もマイナスの財産も、相続人が受け継ぎます。

相続人は、相続を単純承認するか相続放棄をするか選択することができます。

相続の放棄は、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことです。

相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。

相続人でなくなるから、プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をする前に単純承認をしていた場合、相続放棄はできません。

相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できないからです。

相続財産を処分したり、利用した場合、単純承認をしたとみなされます。

相続財産を処分したり、利用した場合は相続放棄ができなくなります。

家庭裁判所は事情が分からず書類に問題がなければ、相続放棄を受理してしまいます。

家庭裁判所が相続放棄を受理した後でも、相続財産を処分したり、利用した場合は、無効です。

相続放棄をすると、相続人でなくなります。

2相続放棄が認められても無効になるリスクがある

被相続人が自宅を所有して住んでいることがあります。

相続人が就職や進学で実家を離れた後、そのまま実家に住んでいないこともあるでしょう。

相続人が実家を離れて遠方に住んでいる場合、実家を使う人がいないかもしれません。

実家に高い資産価値がある場合、相続して売却するのが選択肢のひとつでしょう。

老朽化しているなど資産価値が低い場合、売却することが難しいかもしれません。

ある程度の資産価値があっても、不便な立地の場合、売却できるまでに長期間かかるかもしれません

実家を売却できるまで、固定資産税などの費用がかかり続けます。

実家以外にめぼしい財産がなく、実家自体にも価値が感じられない場合、相続放棄をすることが考えられます。

家庭裁判所で相続放棄をした場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をしたら、実家の中のものは勝手に処分することはできません。

実家の中のものを引き継いでいないからです。

相続財産を処分した場合、相続を単純承認したとみなされます。

相続放棄が撤回できないように、単純承認も撤回できません。

家庭裁判所が相続放棄を認めると決定しても、相続放棄は無効になります。

実家の中のものを処分した場合、相続放棄が無効になるおそれがあります。

だれの目にも明らかにゴミであるようなものや腐りやすいものを処分した場合、相続放棄が無効になることはありません。

使い古した日用品や着古した衣類などを形見分けとして持ち帰ることがあります。

財産的価値がないものを処分した場合、相続放棄が無効になるリスクはないでしょう。

美術品や宝飾品などを持ち帰った場合、相続財産の処分と判断されるでしょう。

経済的価値があるような財産を処分した場合、相続放棄が無効になるでしょう。

相続財産を処分したと判断された場合、相続を単純承認したとみなされます。

3相続放棄をした後も遺産の管理義務がある

相続放棄をするとはじめから、相続人でなかったと扱われます。

プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなるから、被相続人の遺産などに関与しなくていいと考えてしまうかもしれません。

相続放棄をした人は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまで管理を続けなければなりません。

自分が相続放棄をしたことによって次順位の人が相続人になる場合、その人が相続財産を管理してくれます。

固定資産税などの費用や実家の管理なども、次順位の相続人が引き受けてくれます。

自分の他に相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合、相続放棄をした人は相続財産の管理を続けなければなりません。

相続財産の管理を続ける義務は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまでです。

相続財産を管理すべき人が管理を始めた場合、管理を終了することができます。

相続財産を管理すべき人が管理を始めるまで、自己の財産と同一の注意をもって管理が必要です。

他人の物を預かる場合、一般的には、善良なる管理者の注意を持って管理しなければなりません。

相続財産を管理するのは、他人の物を預かる場合より軽い注意で済むとされています。

他人の物を預かる場合より軽い注意で済むものの、放置しておくとトラブルに巻き込まれます。

4相続放棄をしても不動産管理をしないとトラブルになる

①被相続人の債権者から損害賠償請求をされるおそれ

被相続人に債権者がいることがあります。

債権者は相続が発生したら、相続人に払ってもらおうと考えるでしょう。

相続人全員が相続放棄をしていた場合、相続人に払ってもらうことはできません。

相続放棄をすると、マイナスの財産を引き継がないからです。

被相続人に財産がある場合、債権者は被相続人の財産から返してもらうことができます。

相続放棄をした人であっても、相続財産を管理しなければなりません。

管理が不適切な場合、財産価値が低下してしまうことがあります。

財産価値が低下すると、弁済がしてもらえなくなくなるかもしれません。

充分な弁済がしてもらえなくなった場合、被相続人の債権者は損害を受けたと言えます。

管理が不適切なため債権者が損害を受けた場合、損害賠償をしなければならなくなります。

不動産管理をしないと、被相続人の債権者から損害賠償請求をされるおそれがあります。

②近隣住民から損害賠償請求をされるおそれ

空き家を放置していると、老朽化します。

壁や屋根が傷んで崩れることがあります。

通行人や近隣の家に被害を及ぼすことがあるでしょう。

人が住んでいない建物に野生動物や病害虫が住み着くことがあります。

管理が不適切なため近隣住民が損害を受けた場合、損害賠償をしなければならなくなります。

③倒壊のおそれのある危険な空き家に指定されるおそれがある

空き家を放置していると、倒壊のおそれのある危険な空き家に指定されるかもしれません。

役所から、適切な管理をするように助言、指導、勧告、命令がされます。

助言、指導、勧告、命令がされても無視される場合、行政代執行がされます。

行政代執行では、多くの場合、空き家が解体されます。

④苦情を受けるおそれがある

管理が不適切で雑草が繁茂している場合、粗大ごみなどが不法投棄されるかもしれません。

犯罪者集団の隠れ家に使われるかもしれません。

空き家が放火される危険もあります。

損害賠償請求がされないまでも、付近住民から苦情を受けることになるでしょう。

5相続放棄後の管理義務を免れるには

自分の他に相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合、相続人不存在であることが考えられます。

法定相続人がいない場合、最終的には国庫に帰属します。

国のものになる前にたくさんの手続があります。

相続財産の管理を続ける義務は、相続財産を管理すべき人が管理を始めるまでです。

相続財産を管理すべき人が管理を始めた場合、管理を終了することができます。

相続人不存在である場合、相続財産清算人が財産を清算し国庫に帰属します。

相続財産清算人は、国庫に帰属するまで相続財産を管理します。

相続財産清算人は、相続財産清算人選任の申立てによって家庭裁判所が選任します。

相続財産清算人選任の申立てをすることができる人は、被相続人の債権者や利害関係人です。

相続放棄をした後、財産を管理している人は、利害関係人です。

利害関係人として、相続財産清算人選任の申立てをすることができます。

相続財産清算人選任の申立てをするためには、予納金を納めなければなりません。

事件によって違いますが、予納金はおおむね100万円程度です。

予納金は、相続財産を整理して国に引き継ぐための経費として使われるお金です。

相続財産は、相続財産清算人に引き継ぐことができます。

相続財産清算人が相続財産を管理し始めたら、相続財産の管理義務がなくなります。

6自治体への寄付は難しい

不動産を相続放棄をしても管理責任があります。

管理責任から逃れるため、相続財産清算人選任の申立てをするためには100万円程度の予納金の負担があります。

自治体に寄付してもいいから手放したいと考えることも少なくありません。

自治体にとってメリットがある不動産であれば、寄付を受け付けてくれます。

自治体で相談するといいでしょう。

自治体にとって使い道のない不動産であれば、ご辞退されるでしょう。

管理責任があるうえに固定資産税という税収を失うことになります。

使い道のない不動産の管理のために、管理費用がかかっても予算がつかないからです。

7相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄するためには、家庭裁判所に手続をする必要があります。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続放棄をすると、はじめから相続人でなかったと扱われます。

相続放棄が認められたら、相続に関する手続には関与しなくて済むと安心してしまいがちです。

相続財産は引き継ぐことはなくなりますが、管理責任があります。

管理責任があることは、あまり知られていません。

家庭裁判所で相続放棄が認められた場合であっても、相続財産を処分した場合、相続放棄が無効になります。

相続放棄は簡単そうに見えて、実はいろいろなことを考慮しなければならない手続です。

相続放棄を考えている方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続放棄しても遺贈

2024-04-16

1相続放棄をすると相続人でなくなる

相続が発生したら、原則として、被相続人の財産は相続人が相続します。

プラスの財産もマイナスの財産も、相続人が受け継ぎます。

被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も受け継がないことを相続の放棄といいます。

相続放棄をすると、はじめから相続人でなくなります。

プラスの財産を引き継がなくなりますが、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。

相続の放棄は、被相続人ごとに判断できます。

例えば、父について相続放棄をするが、母について単純承認するでも差し支えありません。

相続の放棄は、相続人ごとに判断します。

例えば、父の相続人ついて長男は相続放棄するが、長女は単純承認するでも差し支えありません。

相続放棄が認められると、はじめから相続人でなくなります。

2遺贈は遺言書で財産を譲ること

遺贈とは、遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげることです。

遺贈で財産を譲ってあげる人のことを遺贈者、譲ってもらう人を受遺者と言います。

相続では、法定相続人だけに譲ってあげることができます。

遺贈では、法定相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができます。

譲ってもらう人は自然人でもいいし、法人などの団体でも差し支えありません。

遺言書に「遺贈する」とあれば、譲ってもらう人が相続人であっても相続人以外の人でも、遺贈で手続します。

3相続放棄しても遺贈は受け取れる

相続人が家庭裁判所に相続放棄の申出をした後で、遺言書が見つかることがあります。

自筆証書遺言は、本人が自宅で保管していることが多いものです。

家族が保管場所を共有していない場合、相続発生後、長期間経過してから見つかることも多々あります。

遺言書の内容を確認したところ、法定相続人に遺贈すると書いてあることがあります。

このような遺言書も、有効です。

遺贈では、法定相続人に譲ってあげることもできるし、相続人以外の人に譲ってあげることができるからです。

遺贈を受ける相続人が相続放棄をしていても、差し支えありません。

相続を放棄することと遺贈を受けることは、別問題だからです。

遺贈を放棄するのであれば、あらためて遺贈を放棄する手続が必要です。

相続を放棄した後、遺贈を承認することができます。

相続放棄しても、遺贈を受け取ることができます。

4税金のデメリットがある

①遺贈の登記にかかる登録免許税は5倍になる

相続放棄をしたら、はじめから相続人でなくなります。

相続人であれば受けられた税金のメリットが受けられなくなります。

不動産の遺贈を受ける場合、遺贈による所有権移転登記をする必要があります。

遺贈による所有権移転登記の登録免許税は、相続人の場合、評価額の1000分の4です。

相続人以外の人の場合、評価額の1000分の20です。

相続放棄をしたら、相続人でなくなります。

相続放棄をした人は、相続人以外の人の扱いです。

相続人以外の人は相続人と比べると、登録免許税が5倍になります。

②不動産取得税がかかるおそれがある

不動産を取得した場合、不動産取得税がかかるおそれがあります。

不動産取得税は、特定遺贈で、かつ、相続人以外の人が不動産を取得した場合に発生します。

5遺贈で遺留分を侵害するおそれ

被相続人は、原則として、自分の財産をだれに受け継がせるかは自由に決めることができます。

とはいえ、財産は被相続人がひとりで築いたものないでしょう。

家族の協力があったからこそ、築くことができた財産のはずです。

被相続人の名義になっているからといって、まったく無制約の自由にすることはできません。

今まで協力してきた家族に酷な結果となることがあるからです。

被相続人に近い関係の相続人には、相続財産に対して最低限の権利が認められています。

相続財産に対して、認められる最低限の権利のことを遺留分と言います。

財産の状況によっては、遺贈によって他の相続人の遺留分を侵害してしまうことがあります。

遺留分を侵害された相続人は、遺留分額侵害額請求をすることができます。

6遺贈が無効になることも

①詐害行為になる場合、遺贈が取り消される

原則として、相続放棄をしても遺贈は受け取れます。

被相続人の財産がわずかなプラスの財産と莫大なマイナスの財産ということがあります。

この状況で、わずかなプラスの財産を相続人に遺贈するという遺言書が見つかることがあります。

おそらく、被相続人に頼んで、このような遺言書を書いてもらった場合でしょう。

原則どおりでは、相続放棄をしているから、相続人は莫大なマイナスの財産を受け継ぐことはありません。

原則どおりでは、遺贈は相続放棄と別物だから、わずかなプラスの財産を受け取ることができるとなってしまいます。

このようなことが許されると、債権者にとってあまりに理不尽です。

債権者は、裁判所に訴えて、理不尽な遺贈の取り消しを請求することができます。

借りたお金を返さなければならないのに、自分の財産を不当に減少させて、結果、お金を返せなくしているからです。

自分の財産を不当に減少させたら、お金を貸した人はお金を返してもらえなくなる結果になります。

お金を貸した人が困ることを知っているのに、自分の財産を不当に減少させることを詐害行為と言います。

理不尽な遺贈として裁判所に認められれば、詐害行為は取り消すことができます。

適切な遺言書によってされた遺贈であっても、理不尽な遺贈は詐害行為にあたります。

②相続財産管理人が選任されたら債権者が優先

例えば、相続財産の内容が、少しのプラスの財産と莫大なマイナスの財産の場合があります。

被相続人に「プラスの財産を遺贈する」遺言を書いもらって相続が発生した場合、「相続は放棄するけど遺贈は承認する」が問題になります。

被相続人の債権者はまったくお金を払ってもらえないのに、相続人はプラスの財産を受け取れることになるのは、不公平だからです。

少しのプラスの財産と莫大なマイナスの財産の場合、相続人はいても相続放棄するでしょう。

相続人全員が相続放棄したら、相続人不存在になります。

相続人不存在になったら、利害関係人は家庭裁判所に相続財産管理人を選んでもらうことができます。

相続財産管理人が選任されている場合で、かつ、受遺者と被相続人の債権者両方がいる場合、債権者への弁済が優先されます。

債権者に弁済が済んだ後でないと、遺贈を執行できません。

事実上、遺贈は執行できなくなります。

7相続放棄は詐害行為ではない

①被相続人が借金をしていた場合

被相続人が多額の借金を抱えたまま死亡した場合、お金を貸した人は相続人にお金を返してもらおうとするでしょう。

相続人は被相続人の借金を引き継がないために、相続放棄をすることが考えられます。

お金を貸した人は相続人にお金を返してもらおうと思っていたのに、相続放棄をされたら、請求できなくなって困ります。

お金を貸した人が困るのは知っていると言えるから、相続放棄を詐害行為として取り消したいと思うでしょう。

このような場合、相続放棄を詐害行為として取り消すことはできません。

相続放棄をしても、自己の財産を不当に減らしたわけではないからです。

②相続人が借金をしている場合

被相続人が多額のプラスの財産を残して死亡することがあります。

相続人が多額の借金を抱えている場合、お金を貸した人は相続した財産からお金を返してもらいたいと期待するでしょう。

プラスの財産が多いことを知っていても、他の相続人のために相続放棄をすることがあります。

相続すれば多額の財産がたやすく手に入るのに、相続放棄をしたら相続財産は受け継ぐことはできません。

お金を貸した人は相続財産からお金を返してもらおうと思っていたのに、相続放棄をされたら、返してもらえなくなって困ります。

お金を貸した人が困るのは知っていると言えるから、相続放棄を詐害行為として取り消したいと思うでしょう。

このような場合、相続放棄を詐害行為として取り消すことはできません。

相続放棄をしても、自己の財産を積極的に減らしたわけではありません。

自己の財産が増えるのを消極的に妨げたに過ぎないからです。

8相続放棄を司法書士に依頼するメリット

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぎませんという裁判所に対する届出です。

相続人らとのお話合いで、プラスの財産を相続しませんと申し入れをすることではありません。

つまり、家庭裁判所で認められないとマイナスの財産を引き継がなくて済むというメリットは受けられないのです。

相続放棄をする場合、相続問題だけでなく、被相続人や相続人の借金の問題が隠れている場合が多いです。

このような複雑な事情がある場合、相続人だけでなく債権者を巻き込んでトラブルになりがちです。

あいまいな知識では、余計トラブルが大きくなります。

相続放棄を考えている人は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

相続登記を家族が代理申請

2024-04-15

1相続登記を家族が代理申請

①相続登記は相続人本人が自分で申請できる

被相続人が不動産を所有していた場合、不動産は相続人が相続します。

相続登記は、不動産の名義変更のことです。

不動産を相続する相続人が自分で相続登記をすることができます。

相続登記は、相続手続の中でも複雑で手間のかかる手続です。

不動産は、多くの人にとって重要な財産です。

法務局は、重要な財産の名義変更を慎重に審査するからです。

(1)法律の素養がある

(2)調べものが好き

(3)平日の日中に役所に何度も足を運ぶ充分な時間と根気熱意がある

上記にあてはまる人は、相続登記に向いているかもしれません。

相続登記は、相続人本人が自分で申請することができます。

②無報酬で1回限りなら家族が代理申請できる

相続登記は、相続手続の中でも複雑で手間のかかる手続です。

自分で登記申請をするのが難しい場合は、代わりの人に申請してもらうことができます。

無報酬でかつ、業務として代理するのでないのなら、家族に依頼して申請してもらうことができます。

業務として代理するとは、反復継続する意思が認められることです。

今回が1回目でも今後も同じことをする意思がある場合、業務として代理していると判断されます。

今後も同じことをする意思がある場合、違法になります。

無報酬で1回限りなら、家族が代理で申請することができます。

③報酬を受けて業務として代理できるのは司法書士と弁護士だけ

報酬を受けて業務として代理できるのは、国家資格者だけです。

登記申請を報酬を受けて業務として代理できるのは、司法書士と弁護士だけです。

2代理申請に委任状が必要

①委任状は依頼されたことの証明書

相続登記は、家族に依頼して代理で申請してもらうことができます。

相続人本人以外の人が登記申請をする場合、家族であっても委任状が必要です。

委任状は、相続人本人から依頼されたことの証明書です。

相続登記を申請する場合、たくさんの添付書類と一緒に委任状を法務局に提出します。

相続人本人以外の人が申請する場合、書面で依頼を受けたことを証明する必要があるからです。

申請する権限が認められない場合、相続登記をすることができません。

司法書士や弁護士に依頼する場合であっても家族であっても、委任状は必要です。

委任状は、相続人本人から依頼されたことの証明書です。

②不適切な委任状は認められない

適切な依頼を受けていない場合、相続登記を取り下げることになるでしょう。

適切な依頼を受けていない場合、相続登記を代理する権限が認められないからです。

不動産は、多くの人にとって重要な財産です。

登記申請書だけでなく、委任状についても法務局は慎重に審査します。

委任状は、依頼されたことの証明書だからです。

委任状の記載が不適切であった場合、適切な依頼を受けたとは言えなくなります。

だいたい合っているから大丈夫ではなく、完璧な記載が求められます。

一般の人から見ると、些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

相続登記に委任状には、登記申請書の内容と同じ内容を記載します。

登記申請書を訂正することができても、代理人は委任状の記載を訂正できないことが多いものです。

委任状の内容は、本人が依頼した内容だからです。

適切な委任を受けていないと判断されることになります。

適切な委任を受けていない場合、相続登記の申請を取り下げることになります。

不適切な委任状は、相続登記が認められなくなります。

③委任状の押印は認印で良い

委任状は、代理人に依頼した内容を証明する書類です。

依頼した人は、委任状に押印しなければなりません。

押印は、実印である必要はありません。

依頼した人の認印で差し支えありません。

委任状に書き間違いを見つけた場合、名前の横に押した印と同一印を押印して、訂正します。

④委任状に契印・割印

委任状に書くべき内容は、たくさんあります。

複数ページに渡る委任状になることがあります。

1通の委任状であることが分かるように、割印・契印を施します。

クリップでとめるだけなど差し替えができる状態では、委任内容を証明できるとは言えないからです。

適切な委任があったと認められない場合、相続登記を取り下げなければならなくなります。

委任状が複数枚になる場合、割印・契印を施します。

3家族が代理申請をするときの委任状の書き方

司法書士などの専門家に依頼する場合、委任状は司法書士が用意します。

登記申請を依頼するのであれば、司法書士が作成した委任状に記名押印するだけで済みます。

相続登記に必要な委任状には、次のことを記載します。

①相続登記を依頼される人の名前と住所

②相続登記を依頼する旨

 「次の登記申請に関する一切の権限を委任します。」と記載すると分かりやすいでしょう。

③登記の目的

④登記原因

⑤相続人

③~⑤は、相続登記の申請書と同じです。

あらかじめ申請書を作ってあるのであれば、そのまま丸写しすれば記載できます。

申請書の記載を書き直す場合、委任状の記載を一緒に書き直す必要があります。

内容が一致していない場合、適切な委任を受けていないと判断されるおそれがあります。

適切な委任を受けていない場合、登記申請を受け付けてもらえないかもしれません。

⑤相続人は、まず括弧をつけて被相続人の氏名をフルネームで記載します。

相続人が複数で共有する場合、相続人の住所氏名だけでなく持分も記載します。

⑥不動産の表示

相続登記の対象になる不動産の表示を記載します。

目的になる不動産の登記簿謄本を確認して、そのまま書き写せば記載できます。

記載事項は、申請書の内容と同じです。

土地であれば、次の事項を記載するといいでしょう。

(1)所在

(2)地番

(3)地目

(4)地積

建物であれば次の事項を記載するといいでしょう。

(1)所在

(2)家屋番号

(3)種類

(4)構造

(5)床面積

建物でも敷地権のあるマンションの一室であれば次の事項を記載するといいでしょう。

(1)一棟の建物の表示

i所在

ii建物の名称

(2)専有部分の建物の表示

i家屋番号

ii建物の名称

iii種類

iv構造

v床面積

(3)敷地権の目的である土地の表示

i土地の符号

ii所在及び地番

iii地目

iv地積

(4)敷地権の表示

i土地の符号

ii敷地権の種類

iii敷地権の割合

相続の対象が土地と建物など不動産が複数ある場合、順番に書き連ねれば差し支えありません。

不動産がたくさんある場合、書くべき項目の書き忘れに注意しましょう。

書くべき項目の書き忘れがあった場合、不動産が特定できないと指摘されるおそれがあります。

不動産を特定できない委任状の場合、登記申請を受け付けてもらえません。

⑦依頼する項目の補足事項

相続登記を申請する場合、登記申請だけでなく付随する手続があります。

手続の一環として一緒にお願いしておくと、手続がスムーズになります。

付随項目を書き忘れてしまうと、代理人が手続できなくなります。

具体的には、次のような項目です。

 1.登記識別情報の受領の件及びその受領について復代理人選任に関する一切の件

 1.登記識別情報の受領に関する一切の件

 1.原本還付請求及び受領に関する一切の件

 1.復代理人選任に関する一切の件

 1.登記に係る登録免許税の還付金を受領する件

特に「登記識別情報の受領に関する一切の件」は重要です。

登記識別情報とは、権利証のことです。

代わりに登記申請をお願いしたのに、権利証を受け取りするために法務局に出向かなければならなくなるからです。

⑧日付

⑨登記申請をお願いする人の住所氏名

ふだん住所は簡単な記載をしている場合であっても、住民票の記載どおり書きましょう。

⓾押印

名前の横に押印します。

4委任状が不要になる例外

①相続人が未成年で親権者が申請

相続人本人が赤ちゃんであることがあります。

赤ちゃんなどの未成年者は、物事の良しあしを適切に判断することができません。

相続人が赤ちゃんである場合、親などの親権者が代わりに相続登記をすることができます。

未成年者は充分な判断ができないから、親などの親権者があらゆることを代理することが認められています。

未成年者に代わって親などの親権者が相続登記をする場合、委任状は不要です。

委任状の代わりに、親などの親権者であることを証明する書類が必要です。

親などの親権者と言えども、他人だからです。

親などの親権者であることを証明する書類とは、親子関係を証明する戸籍謄本です。

相続登記をする場合、親子関係を証明する戸籍謄本は発行後3か月以内のものでなければなりません。

②相続人が認知症で成年後見人が申請

相続人が認知症であることがあります。

認知症になると、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなります。

記憶があいまいになることがあるでしょう。

認知症の人は自分で判断することができないから、成年後見人が代わりに判断します。

成年後見人は、認知症の人をサポートする人です。

認知症の人に代わって成年後見人が相続登記をする場合、委任状は不要です。

委任状の代わりに、成年後見人であることを証明する書類が必要です。

成年後見人と言えども、他人だからです。

成年後見制度を利用している場合、登記がされます。

成年後見人であることは、後見登記事項証明書で証明することができます。

相続登記をする場合、成年後見人であることを証明する後見登記事項証明書は発行後3か月以内のものでなければなりません。

③遺言執行者が相続登記

被相続人が遺言書を作成していることがあります。

遺言書がある場合、遺言書の内容どおりに財産を分けることができます。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者は、相続人のため相続登記を申請することができます。

遺言執行者が相続登記を申請する場合、委任状は不要です。

委任状の代わりに、遺言執行者であることを証明する書類が必要です。

遺言執行者が遺言書で指名された場合、遺言書で証明することができます。

遺言執行者が家庭裁判所で選任された場合、選任審判書と確定証明書で証明することができます。

④法定相続で権利証が発行されない

相続人になる人は、法律で決まっています。

相続人になる人の相続分も、法律で決まっています。

法律で決まっている相続分を法定相続分と言います。

相続人は、法定相続分で相続することができます。

法定相続分で相続すると、相続人全員で共有することになります。

不動産の共有はデメリットが多いので、おすすめできません。

相続人全員の合意があれば、法定相続分以外の分け方をすることができます。

多くの場合、相続人全員の合意で分け方を決めます。

相続人全員が法定相続分で共有する相続をする場合、原則として、相続人全員が相続手続に参加します。

相続登記をする場合、相続人全員が申請するのが原則です。

例外として、一部の相続人から委任状なしで相続登記を申請することができます。

一部の相続人から相続登記を申請する場合であっても、相続人全員が登記名義人になります。

相続人全員が登記名義人になるのに、登記申請人になった相続人にだけ権利証が発行されます。

登記申請人になっていない相続人に対して、権利証は発行されません。

後から権利証を発行してもらうこともできません。

一部の相続人が相続人全員のために相続登記をすることができるけど、おすすめできません。

権利証がないと、不動産を売却するときや担保に差し出すときに困るからです。

5相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

ほとんどの方は、相続を何度も経験するものではありません。

手続に不慣れで、聞き慣れない法律用語でへとへとになります。

一般的にいって、相続登記は、その中でも難しい手間のかかる手続です。

不動産は、重要な財産であることが多いものです。

一般の方からすると、些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

本人が自分で申請している場合、些細なことであれば法務局の窓口まで出向いて申請書の記載を補正することができるケースがあります。

申請書の記載誤りがあると、委任状も記載誤りになります。

代理人に依頼して申請している場合、委任状の記載も一緒に補正する必要があります。

委任状の記載内容は、本人が依頼したことのはずです。

代理人が補正することを認めてもらえない場合が多いものです。

申請書と委任状の記載が一致していない場合、適切な委任を受けていないと判断されます。

適切な委任を受けていない場合、申請書は受け付けてもらえません。

いったん申請を取り下げて、やり直しになります。

相続登記は簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

法務局の登記相談に行っても、何が良くないのか分からなかったというケースも多いです。

司法書士はこのような方をサポートしております。

相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

登記されていないことの証明書の委任状は押印不要

2024-04-12

1成年後見は登記事項証明書で確認できる

①成年後見は登記される

成年後見は、物事のメリットデメリットを充分に判断することができなくなった人をサポートする制度です。

成年後見制度を利用している人は、自分で判断することができません。

後見人などの保護者が本人のために契約などの法律行為をします。

本人のために契約するとは言うものの、そのための権限があるのか分かりません。

成年後見制度を利用している人は、登記されています。

後見人などの保護者の権限内容や任意後見契約の内容は、登記事項証明書で確認することができます。

②成年後見制度を利用していない人は登記されていないことの証明書

成年後見制度を利用していない人は、登記されていません。

成年後見制度を利用していないことを証明してもらうことができます。

成年後見制度を利用していないことの証明書が、登記されていないことの証明書です。

2登記されていないことの証明書の取得方法

①申請書はダウンロードできる

登記されていないことの証明申請書は、法務局のホームページに出ています。

ホームページからダウンロードして使うことができます。

②申請できる人

登記されていないことの証明申請書を提出することができるのは、次の人です。

(1)証明対象者本人

(2))証明対象者本人の4親等内の親族

(3)上記(1)(2)の人から委任を受けた人

③申請書の提出先

登記されていないことの証明申請書の提出先は、次のとおりです。

(1)東京法務局後見登録課

(2)全国の法務局、地方法務局本局の戸籍課

愛知県であれば、名古屋法務局本局のみです。

名古屋市内には、熱田出張所や名東出張所があります。

熱田出張所や名東出張所では、登記されていないことの証明書の申請書は受け付けてもらえません。

名古屋市外にある各支局でも、登記されていないことの証明書の申請書は受け付けてもらえません。

④郵送で申請できる

登記されていないことの証明申請書の提出先は、愛知県であれば、名古屋法務局本局のみです。

名古屋法務局本局に出向くのは難しい人もいるでしょう。

登記されていないことの証明書の申請書は、郵送で提出することができます。

郵送で提出する場合は、東京法務局後見登録課のみの対応です。

郵送先

〒102-8226

東京都千代田区九段南1-1-15

九段第2合同庁舎

東京法務局 民事行政部

後見登録課 あて

名古屋法務局本局に郵送しても、受け付けてもらえません。

⑤オンライン申請はおすすめできない

登記されていないことの証明書は、窓口請求や郵送請求の他にオンラインで請求することができます。

オンラインで請求することができるものの、おすすめできる方法ではありません。

登記されていないことの証明申請には、電子署名をする必要があります。

電子証明書を取得するのに、手間と時間がかかります。

電子証明書は、氏名と住所の情報が確認できるものに限られています。

基本型証明書や司法書士電子証明書は、住所の確認ができないため、使うことができません。

3委任状なしで4親等内の親族が請求できる

①4親等内の親族は登記されていないことの証明書を取得できる

成年後見開始の申立てをする場合、登記されていないことの証明書が必要になります。

成年後見開始の申立てとは、認知症などの人のためにサポートする人を選任してもらう手続です。

認知症などで判断力が低下した場合、成年後見開始の申立てをします。

認知症などになった場合、徐々に判断力が低下していきます。

物事のメリットデメリットを充分に判断できなくなっていく様子は、近くでお世話をしている家族が気がつきます。

認知症になると、委任状の意味が分からないでしょう。

意味が分からずに、委任状を書いても無効です。

成年後見開始の申立ては、認知症の人の家族がします。

4親等内の親族は、認知症の人のため登記されていないことの証明書を取得することができます。

4親等内の親族が登記されていないことの証明書を請求する場合、委任状は不要です。

②4親等内の親族が申請するときの必要書類

4親等内の親族が申請する場合、登記されていないことの証明申請書には、次の書類を添付します。

(1) 4親等内の親族の本人確認書類

運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード等です。

(2) 4親等内の親族であることが分かる書類

発行から3か月以内の戸籍謄本や住民票です。

住民票には、続柄の記載が必要です。

4親等内の親族であることが分かる戸籍謄本が現在戸籍でない場合、発行後3か月以上経過したものでも差し支えありません。

4親等内の親族が登記されていないことの証明書を請求する場合、委任状は不要です。

委任状の代わりに、4親等内の親族であることが分かる書類が必要です。

③必要書類は原本還付してもらえる

4親等内の親族は登記されていないことの証明書を取得する場合、4親等内の親族であることが分かる書類が必要になります。

4親等内の親族であることが分かる書類は、希望すれば原本還付をしてもらうことができます。

原本還付を希望する場合、還付してもらいたい書類をコピーして一緒に提出します。

コピーの余白に「原本に相違ありません」と記載して記名します。

余白がない場合、裏面に記載しても差し支えありません。

記名するだけで押印は不要です。

④4親等内の親族はオンライン申請ができない

4親等内の親族が登記されていないことの証明申請をする場合、親族関係を証明する書類が必要です。

オンラインにより送信可能な電子化した戸籍謄本を発行している市区町村はありません。

事実上、4親等内の親族はオンライン申請ができません。

4委任状を出して代理人に依頼ができる

①委任状は手書きでいい

委任状は、依頼したことの証明書です。

委任状の様式は、法務局のホームページからダウンロードすることができます。

ホームページの様式を印刷して、手書きで作成することができます。

法務局の様式を使わずに、自分で作成した委任状でも差し支えありません。

委任状には、次の項目を記載します。

(1)代理人の住所、氏名

(2)依頼した内容

(3)日付

(4)申請人の住所、氏名

②委任状は押印不要

登記されていないことの証明申請書は押印不要です。

代理人を立てて、登記されていないことの証明申請書を提出することができます。

代理人に依頼して手続をする場合、委任状が必要です。

委任状は、押印不要です。

③法人を代理人に立てることができる

登記されていないことの証明申請書は、代理人を立てて依頼することができます。

代理人は、自然人だけでなく法人でも差し支えありません。

法人が代理人になる場合、代表者資格証明書が必要です。

代表者資格証明書は、発行から3か月以内のものでなければなりません。

登記されていないことの証明申請書に、会社法人等番号を記載することができます。

会社法人等番号を記載した場合、代表者資格証明書の提出を省略することができます。

④委任状は原本還付されない

登記されていないことの証明申請書の必要書類は、希望すれば原本還付を受けることができます。

代表者資格証明書は、原本還付を受けることができます。

登記されていないことの証明申請のためだけに作成された書類は、原本還付を受けることができません。

代理人を立てるために委任状を作成する場合、登記されていないことの証明申請のためだけの書類です。

コピーをつけて「原本に相違ありません」と記載のうえ記名しても、委任状は原本還付してもらうことはできません。

5成年後見開始の申立てを司法書士に依頼するメリット

認知症や精神障害や知的障害などで、判断能力が低下すると、物事の良しあしが適切に判断することができなくなります。

記憶があいまいになる人もいるでしょう。

ひとりで判断することが不安になったり心細くなったりしてしまう人をサポートする制度が成年後見の制度です。

本人自身も不安になりますし、家族も不安になります。

身のまわりの不自由を補うために、身近な家族がお世話をすることが多くなるでしょう。

成年後見の申立ては家庭裁判所へ手続が必要です。

身のまわりのお世話をしている家族が本人の判断能力の低下に気づくことが多いです。

身のまわりのお世話をしながら、たくさんの書類を用意して煩雑な手続をするのは負担が大きいでしょう。

司法書士は、裁判所に提出する書類作成もサポートしております。

成年後見開始の申立てが必要なのに忙しくて手続をすすめられない方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

養子の兄弟姉妹が相続人

2024-04-11

1相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生すると、配偶者や子どもが相続することは多くの方がご存知でしょう。

相続人になる人は、民法で決められています。

相続人になる人は、次のとおりです。

①配偶者は必ず相続人になる

②被相続人に子どもがいる場合、子ども

③被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

④被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

2養子には普通養子と特別養子の2種類がある

養子には2種類あります。

①普通養子とは

養子縁組とは、血縁関係による親子関係の他に、法律上の親子関係を作る制度です。

子どものいない夫婦が養子縁組をする、配偶者の連れ子と養子縁組するといったことは日常的に聞くことあります。

一般的に、単に「養子」と言ったら、普通養子を指していることがほとんどです。

養子縁組をした後も、血縁関係のある実親との親子関係は続きます。

普通養子は、養親も相続するし、実親も相続します。

②特別養子とは

特別養子では、養子縁組をした後、血縁関係のある実親との親子関係がなくなります。

親子の縁を切る重大な決定なので、厳格な要件で家庭裁判所が決定します。

実の父母による著しい虐待がある場合やその他特別の事情がある場合で、かつ、子の利益のため特に必要があるときに、認められます。

特別養子は、養親を相続しますが、実親は相続しません。

3養子も実子も同じ子どもで区別はない

被相続人に子どもがいる場合、子どもが相続人になります。

子どもというと血縁関係がある実子だけをイメージするかもしれません。

被相続人と養子縁組をした養子は、被相続人の子どもです。

被相続人に血縁関係がある実子がいる場合でもいない場合でも、養子は被相続人の子どもです。

被相続人と養子縁組をした養子と血縁関係がある実子に区別はありません。

同じ被相続人の子どもだから、同じように相続人になります。

被相続人と血縁関係がある実子が第三者と養子縁組をして養子になっている場合があります。

普通養子による養子縁組をした場合、血縁関係のある実親との親子関係は続きます。

実親との親子関係は続くから、養子縁組後も被相続人の子どもです。

特別養子による養子縁組の場合、血縁関係のある実親との親子関係がなくなります。

普通養子による養子縁組の場合、養子縁組後も被相続人の子どもだから、同じように相続人になります。

養子縁組が普通養子による養子縁組であれば、第三者と養子縁組をした実子と第三者と養子縁組をしていない実子にも区別はありません。

4養子の兄弟姉妹が相続人になる場合

①養親の実子は兄弟姉妹

養親と養子縁組をした養子は、養親の子どもになります。

養親が死亡した場合、養子は養親を相続します。

養親に実子がいても実子がいなくても、実子と養子は区別されないからです。

養子に子どもや親などの尊属がいない状態で養子が死亡したとき、養子の兄弟姉妹が相続人になります。

養親の実子は、養子の相続人になります。

養親の実子と養子は区別されないからです。

養親と血縁関係がある実子が第三者と養子縁組をして養子になっている場合、普通養子による養子縁組であれば相続人になります。

普通養子による養子縁組は、実親との親子関係が続くからです。

②養親の他の養子は兄弟姉妹

養親と養子縁組をした養子は、養親の子どもになります。

養子縁組をするのに、法律上人数制限はありません。

養親に複数の養子がいる場合があります。

養親に何人も養子がいたとしても、養親と養子縁組をした養子は、養親の子どもになります。

何人目の養子であっても区別はされません。

養親の他の養子は相続人になります。

養子同士であっても、兄弟姉妹になるからです。

③養子が別の養親の養子になることができる

養子縁組をするのに、法律上人数制限はありません。

養親が複数の養子と養子縁組をすることができます。

同様に、養子が複数の養親と養子縁組をすることができます。

普通養子による養子縁組の場合、実親との親子関係は続きます。

養子が複数の養親と養子縁組をする場合、普通養子による養子縁組であれば最初の養親との親子関係は続きます。

養子には、実親と最初の養親と次の養親がいることになります。

養子縁組を解消する手続は、離縁と言います。

離縁をした場合、戸籍の身分事項で確認することができます。

戸籍の身分事項に離縁が記載されていなければ、親子関係は続いていると判断できます。

複数の養子縁組をしても親子関係は続くからです。

戸籍に記載されている者欄で氏名の下に、父の氏名、母の氏名、養父の氏名、養母の氏名が記載されます。

複数の養子縁組をしている場合、最終の養父の氏名、最終の養母の氏名のみ記載される取り扱いです。

戸籍に記載されている者欄に記載されていない養父や養母がいる場合があり得ます。

親子関係は続くから、養親の子どもは兄弟姉妹になります。

最初の養親と次の養親に区別はないからです。

④養親が認知した子どもは兄弟姉妹

婚姻関係にないカップルの間に生まれた子どもについて、自分の子どもと認めることを認知と言います。

養親が認知した子どもは、養親の実子だから養親の子どもです。

養子の相続人になります。

養子の兄弟姉妹だからです。

⑤実親の子どもは兄弟姉妹

普通養子による養子縁組をした場合、血縁関係のある実親との親子関係は続きます。

実親と親子関係は続くから、実親の子どもは相続人になります。

実親の子どもは、兄弟姉妹だからです。

⑥実親の一方だけ同じ子どもは兄弟姉妹

兄弟姉妹というと、父母同じ兄弟姉妹だけをイメージしがちです。

父母のうち一方だけ同じ兄弟姉妹であっても、兄弟姉妹になります。

父母のうち一方だけであっても、実親であることに変わりはないからです。

5兄弟姉妹が先に死亡したら代襲相続が発生する

相続人になるはずだった人が被相続人より先に死亡したため、相続人になるはずだった人の子どもや子どもの子どもが相続することがあります。

これを代襲相続と言います。

代襲相続ができるのは、相続人になるはずだった人の子どもなど被代襲者の直系卑属だけです。

相続人になるはずだった人を被代襲者と言います。

被代襲者になれるのは、被相続人の子どもなどの直系卑属と被相続人の兄弟姉妹だけです。

被相続人の配偶者は、被代襲者になることはできません。

被相続人の親などの直系尊属は、被代襲者になることはできません。

代襲相続ができるのは、被相続人の卑属で、かつ、被代襲者の子どもなどの直系卑属だけです。

兄弟姉妹が被相続人より先に死亡した場合、代襲相続が発生します。

兄弟姉妹の子どもが代襲相続することができます。

兄弟姉妹の代襲相続は、一代限りです。

兄弟姉妹の子どもが被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹の子どもの子どもは代襲相続をすることができません。

被代襲者が兄弟姉妹の場合、再代襲相続はできません。

6養子がいる相続を司法書士に依頼するメリット

相続税を減らすために、税金の専門家から養子縁組をすすめられることがあります。

税金を減ることだけ強調されて、他のことに考えが及んでいない方も多いです。

特に養子が未成年である場合、手続は大変複雑です。

特別代理人選任の申立など家庭裁判所に手続が必要になる場合など通常ではあまり聞かない手続になると専門家のサポートが必要になることが多いでしょう。

信託銀行などは、高額な手数料で相続手続を代行しています。

信託銀行はこのような手間のかかる手続は引き受けません。

税金の専門家なども対応できず、困っている遺族はどうしていいか分からないまま途方に暮れてしまいます。

裁判所に提出する書類作成は司法書士の専門分野です。

書類作成だけでなく、途方に暮れた相続人をサポートして相続手続を進めることができます。

自分たちでやってみて挫折した方も、銀行などから断られた方も、相続手続で不安がある方は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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