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1同性婚は法律上「他人」扱い
①同性婚は法律上認められない
現在のところ日本では、同性婚は認められていません。
法律婚が認められるのは、異性婚のみです。
残念ながら、同性婚は法律上「他人」扱いです。
同性婚は、法律上認められません。
②パートナーシップ制度は法律上の効力がない
パートナーシップ制度とは、法律上の婚姻と異なる形態のカップルについて各自治体が婚姻に相当する関係と認め証明書を発行する制度です。
愛知県では、2024年4月からファミリーシップ宣誓制度が施行されました。
名古屋市では、2022年12月からファミリーシップ宣誓制度が施行されました。
すべての自治体で、施行されているわけではありません。
パートナーシップ制度が施行されている自治体では、パートナーシップ宣誓をすることができます。
自治体から、パートナーシップ宣誓受領証を発行してもらうことができます。
パートナーシップ宣誓受領証を提示することで、婚姻に相当する関係と認めてもらいやすくなるでしょう。
同性婚は、法律上「他人」扱いです。
パートナーシップ宣誓をしても、法律上の効力はありません。
③婚姻契約を締結しても法律上は「他人」扱い
現在のところ同性婚は、法律上の効力がありません。
後々のトラブルを避けるため、婚姻契約を締結することがあります。
口約束だけでは、言った言わないになるからです。
婚姻契約をすることは、当事者にとって大きな意味があるでしょう。
当事者以外の第三者に対しても、婚姻に相当する関係であることを認められやすくなるでしょう。
婚姻契約をしても、法律上は「他人」扱いです。
2同性婚の財産管理で任意後見契約
①任意後見契約で財産管理を依頼する
元気なとき、自分の財産は自分で管理します。
高齢になると、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなります。
成年後見は、物事のメリットデメリットを適切に判断することができなくなった人をサポートする制度です。
任意後見契約をして、財産管理などのサポートを依頼することができます。
②任意後見は信頼できる人と契約
任意後見は、信頼できる人とする契約です。
自分の財産を適切に管理してくれる人は、信頼できる人でないと不安になります。
任意後見は、自分の財産を適切に管理してくれる人を自分で選ぶことができます。
同性婚パートナー、家族、専門家などと任意後見契約をすることができます。
任意後見契約をする相手は、自分で決めることができるからです。
法定後見は家庭裁判所が選ぶから、サポートする人を自分で選べる点は大きなメリットです。
任意後見は、信頼できる人とする契約です。
③サポート内容は自分で決める
任意後見は、サポートを依頼する契約です。
どのようなことをサポートして欲しいのか、契約書ではっきりさせます。
本人の希望を反映させて、契約書を作ることができます。
任意後見に効力が発生するのは、本人の判断能力が低下した後です。
どんなことを依頼したのか、はっきりしていないとサポートする人が困ります。
サポートする人が勝手にやったことと、判断されるからです。
サポートして欲しいことは、契約書にはっきり記載します。
契約書の内容は、登記簿に記録されます。
サポートする人の権限は、登記簿謄本で証明することができます。
サポート内容は、自分で決めることができます。
④任意後見人の報酬は契約で決める
任意後見人の報酬は、任意後見契約ではっきりさせます。
家族や同性婚パートナーが任意後見人になる場合、合意によって無報酬にすることもできます。
任意後見契約をすると、費用負担が少なくできるのがメリットです。
任意後見人の報酬は、契約で決めることができます。
⑤元気なときに任意後見契約
本人が元気なときに、任意後見契約を締結します。
任意後見は、契約だからです。
契約当事者が判断能力を失った場合、有効に契約をすることができません。
任意後見契約締結には、公証人が関与します。
公証人が契約内容を読み聞かせ、意思確認をします。
判断能力を失っていると、適切な受け答えができないでしょう。
元気なときに、任意後見契約をします。
⑥公正証書で任意後見契約
任意後見契約は、公正証書で契約する必要があります。
公正証書とは、公証人が作成する公文書です。
公証人が関与して作られるから、高い信頼性があります。
任意後見契約は、判断能力が低下した後で財産管理を依頼する契約です。
重要な契約だから、公正証書で契約する必要があります。
公正証書で、任意後見契約をします。
3任意後見契約締結の手順
手順①任意後見契約の内容の検討
本人とサポートをする人で、契約内容を検討します。
契約内容を自分で考えるのが難しい場合、司法書士などの専門家にサポートしてもらうことができます。
任意後見契約締結の手順1つ目は、任意後見契約の内容の検討です。
手順②任意後見契約の文案作成
任意後見契約書の文案を作成します。
どのようなことをサポートして欲しいのか、契約書ではっきりさせます。
任意後見契約締結の手順2つ目は、任意後見契約の文案作成です。
手順③必要書類の準備
本人は、次の書類を準備します。
(1)印鑑証明書
(2)実印
(3)戸籍謄本
(4)住民票
サポートをする人は、次の書類を準備します。
(1)印鑑証明書
(2)実印
(3)住民票
同性婚カップルが任意後見契約をする場合、お互いにパートナーをサポートする契約をするでしょう。
当事者双方がお互いに書類を準備します。
任意後見契約締結の手順3つ目は、必要書類の準備です。
手順④公証役場と打合せ
手順②で作成した契約文案を提示して、公証人と打合せをします。
公証役場に出向いて打ち合わせをする場合、公証人を予約します。
任意後見契約締結の手順4つ目は、公証役場と打合せです。
手順⑤任意後見契約を締結
公証役場に出向いて、任意後見契約を締結します。
公証役場に出向くことが難しい場合は、公証人に出張してもらうことができます。
任意後見契約を締結すると、公証人が登記を嘱託します。
任意後見契約締結の手順5つ目は、任意後見契約の締結です。
4任意後見契約の注意点
注意①任意後見監督人選任で効力発生
任意後見契約をしただけでは、財産管理をすることはできません。
本人が元気なときに、任意後見契約を締結するからです。
本人は元気だから、サポートは不要のはずです。
サポートが必要になるのは、本人の判断能力が低下した後です。
本人の判断能力が低下した場合、家庭裁判所に対して任意後見監督人の選任を申立てます。
家庭裁判所が任意後見監督人を選任したら、任意後見がスタートします。
任意後見人は、任意後見監督人の監督を受けます。
任意後見監督人は、家庭裁判所の監督を受けます。
みんなで本人をサポートするから、安心して任意後見制度を利用することができます。
任意後見契約の注意点1つ目は、任意後見監督人選任で効力発生することです。
注意②任意後見契約と一緒に財産管理契約
任意後見がスタートするのは、本人の判断能力が低下した後です。
本人の判断能力が充分あっても、病気などで外出が不自由になることがあります。
本人の判断能力が充分ある場合、任意後見契約に基づいてサポートをすることができません。
身体が不自由になったときに備えて、財産管理委任契約をすることができます。
本人の判断能力が充分ある間は、財産管理委任契約でサポートします。
本人の判断能力が失われたら、任意後見契約でサポートします。
任意後見契約の注意点2つ目は、任意後見契約と一緒に財産管理契約をすることです。
注意③任意後見契約をしても遺言書
任意後見契約は、財産管理を依頼する契約です。
任意後見契約は、本人が死亡すると終了します。
本人が死亡した後は、本人の財産は相続人が引き継ぐからです。
同性婚パートナーは、相続人ではありません。
婚姻に相当する関係と認めてもらっても、法律上の配偶者ではないからです。
遺言書を作成すれば、自分の財産を同性婚パートナーに引き継ぐことができます。
遺言書で、遺贈することができるからです。
協力して財産を築いてきたなら、パートナーに財産を引き継がせたいでしょう。
対策をしないと、財産を引き継がせることができません。
任意後見契約の注意点3つ目は、任意後見契約をしても遺言書を作成することです。
5成年後見(法定後見)のデメリット
デメリット①成年後見開始の申立てができない
成年後見には、2種類あります。
法定後見と任意後見です。
法定後見は、判断能力を失った後に家庭裁判所がサポートをする人を決める制度です。
任意後見は、判断能力を失う前にサポートを依頼する契約です。
任意後見を利用する人は、多くはありません。
成年後見と言うと、圧倒的に法定後見です。
何も準備しないまま判断能力を失ってしまったら、成年後見開始の申立てをします。
本人の配偶者は、成年後見開始の申立てをすることができます。
同性婚パートナーは法律上の配偶者ではないから、申立てをすることができません。
本人にサポートが必要であっても、成年後見開始の申立てをすることができません。
成年後見(法定後見)のデメリット1つ目は、同性婚パートナーが成年後見開始の申立てができないことです。
デメリット②成年後見人は家庭裁判所が決める
成年後見開始の申立てを受け付けたら、家庭裁判所を成年後見人を選任します。
成年後見人は、弁護士など見知らぬ専門家がほとんどです。
実際のところ、80%程度は見知らぬ専門家です。
家族や同性婚パートナーが成年後見人に選ばれることは少ないでしょう。
成年後見開始の申立てにおいて、成年後見人候補者を立てることができます。
成年後見人候補者を選ぶか見知らぬ専門家を選ぶか、家庭裁判所は自由に決定することができます。
家庭裁判所が選任した成年後見人に、異議を述べることはできません。
成年後見(法定後見)のデメリット2つ目は、成年後見人は家庭裁判所が決めることです。
デメリット③成年後見人に報酬の支払い
弁護士など専門家が成年後見人になる場合、ボランティアではありません。
本人の財産から、成年後見人報酬を支払う必要があります。
ときには成年後見人の他に、成年後見監督人が選任されることがあります。
本人の財産から、成年後見監督人報酬を支払う必要があります。
成年後見(法定後見)のデメリット3つ目は、成年後見人に報酬の支払う必要があることです。
デメリット④成年後見人を解任しても成年後見はやめられない
成年後見が開始したら、原則として本人が死亡するまで成年後見が続きます。
家庭裁判所が選任した成年後見人に、異議を述べることはできません。
見知らぬ成年後見人だから、成年後見をやめることはできません。
成年後見人が辞任しても解任されても、新しい成年後見人が選任されます。
成年後見(法定後見)のデメリット4つ目は、成年後見人を解任しても成年後見はやめられないことです。
6任意後見契約を司法書士に依頼するメリット
任意後見契約はあれこれ自分で決められなくなる前に、自分らしい生き方を自分で決めて、自分らしく生きようという制度です。
前向きに生きていくためにみんながサポートしますが、メリットもデメリットもたくさんあります。
ひとりで判断できるうちに、メリットとデメリットを確認して、自分らしい生き方、自分らしい好み、自分らしい趣味を家族や周囲の人と共有しましょう。
特に、不動産は重要な財産であることが多いので、処分や管理についての意見共有は重要です。
任意後見契約をする人は年々増加していますが、多くの方は良く知らない状況です。
任意後見契約をする前から司法書士などの専門家に相談し、その内容を周囲の人と共有しましょう。
任意後見契約の認知度があまり高くなく、契約について誤解や不理解でトラブルを起こしたり、トラブルに巻き込まれたりする事例が多く起きています。
任意後見契約でサポートをお願いする人もサポートをする予定の人も安易に考えず、司法書士などの専門家に相談し、家族と意見共有することをおすすめします。