絶縁した親兄弟の死亡を知る方法

1絶縁した親兄弟の死亡を自分で確認する方法

①死亡すると戸籍に記載される

戸籍とは、その人の身分事項が記録される帳簿です。

身分事項とは、出生、死亡、婚姻、離婚、養子縁組、離縁、認知、分籍、名の変更など事柄です。

人が死亡すると、死亡届を提出します。

死亡届が提出されると、戸籍に記載されます。

死亡届提出直後に戸籍謄本を取得しても、死亡の記載はされていないかもしれません。

市区町村役場で、事務処理の時間がかかるからです。

本籍地の市区町村役場以外に死亡届を提出した場合、戸籍に記録されるまで時間がかかりがちです。

人が死亡すると、戸籍に記載されます。

②本人・配偶者・直系血族の戸籍謄本は広域交付の対象

相続手続をする場合、相続手続先に対してたくさんの戸籍謄本を提出する必要があります。

戸籍謄本は、原則として、本籍地の市区町村役場に請求します。

本人・配偶者・直系血族の戸籍謄本は、広域交付の対象です。

戸籍謄本の広域交付とは、本籍地の市区町村役場以外の市区町村役場で戸籍謄本を取得する制度です。

例えば、本籍地が名古屋市以外の人が名古屋市内の各区役所で、戸籍謄本を取得することができます。

本籍地が名古屋市の人が名古屋市以外の市区町村役場で、戸籍謄本を取得することができます。

広域交付を利用できると、近隣の市区町村役場で戸籍謄本を取得することができます。

本籍地でなくても近隣の市区町村役場に出向いて取得することができるので、とても便利です。

本人・配偶者・直系血族の戸籍謄本は、広域交付の対象です。

③自分の住民票から本籍地を確認

戸籍謄本を請求する場合、証明書交付申請書に本籍地を記載する必要があります。

親兄弟の本籍地が分からないことがあるでしょう。

まず、自分の本籍地の記載入りの住民票を取得します。

何も言わないと、住民票の本籍地の記載は省略されます。

自分の本籍地が分かれば、自分の戸籍謄本を取得することができます。

自分の戸籍謄本から辿っていくと、親兄弟の本籍地が判明します。

親兄弟の本籍地が分からないときは、自分の住民票から確認することができます。

④正当な理由があるとき兄弟姉妹の戸籍謄本を取得できる

戸籍に記載されている人の配偶者は、委任状なしで戸籍謄本を請求することができます。

戸籍に記載されている人の直系尊属と直系卑属は、委任状なしで戸籍謄本を請求することができます。

本人から、委任状を出してもらう必要はありません。

兄弟姉妹の戸籍謄本は、無条件で発行してもらうことはできません。

本人・配偶者・直系血族の戸籍謄本は、原則として、その人から委任状を出してもらう必要があります。

正当な理由があれば、委任状なしで発行してもらうことができます。

権利行使や義務の履行に必要な場合、委任状なしで戸籍謄本を請求することができます。

権利行使や義務の履行に必要な場合、戸籍を取得するための正当な理由があると言えます。

権利行使や義務の履行に必要な場合であると認められるためには、客観的な具体的な理由が必要です。

客観的な具体的な理由の裏付けとなる書類を準備する必要があります。

相続手続のため戸籍が必要な場合、権利行使や義務の履行に必要な場合と言えます。

権利行使や義務の履行に必要なとき取得できることは、戸籍法第10条の2第1項第1号にはっきり書いてあります。

担当者に法律の条文を示して説得する必要があるかもしれません。

正当な理由があるとき、兄弟姉妹の戸籍謄本を取得できます。

⑤国等に提出する必要があるとき兄弟姉妹の戸籍謄本を取得できる

国や地方自治体に提出する必要がある場合、委任状なしで戸籍謄本を請求することができます。

国や地方自治体に提出する必要がある場合、戸籍謄本を取得するための正当な理由があると言えます。

相続登記をする場合、法務局にたくさんの戸籍謄本を提出します。

相続登記は、国や地方自治体に提出する必要がある場合です。

国に提出する必要がある場合だから、委任状なしで戸籍謄本を請求することができます。

国や地方自治体に提出する必要があると認められるためには、客観的な具体的な書類が必要です。

国等に提出する必要があるとき取得できることは、戸籍法第10条の2第1項第2号にはっきり書いてあります。

担当者に法律の条文を示して説得する必要があるかもしれません。

国等に提出する必要があるとき、兄弟姉妹の戸籍謄本を取得できます。

⑥遠方の市区町村役場へ郵送請求

戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場に請求するのが原則です。

兄弟姉妹の戸籍謄本は、広域交付の対象ではありません。

広域交付を利用するためには、請求人本人が市区町村役場の窓口に出向く必要があります。

仕事や家事で忙しい人は、近隣の市区町村役場であっても出向くことができないでしょう。

戸籍謄本は、郵送で請求することができます。

広域交付を利用できない場合、郵送請求が便利です。

遠方の市区町村役場へ、戸籍謄本の郵送請求ができます。

2絶縁した親兄弟の死亡連絡が来る

①被相続人の家族から死亡連絡

相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

相続財産の分け方を決めるための話し合いを遺産分割協議と言います。

遺産分割協議のため、被相続人の家族から連絡されることがあります。

一部の相続人を含めないで、分け方を決めても無効だからです。

遺産分割協議は、相続人全員の合意で成立します。

遺産分割協議のため、被相続人の家族から死亡連絡があります。

②家庭裁判所から遺産分割調停の呼出し

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決める必要があります。

絶縁した親兄弟の家族と関わりたくないかもしれません。

相続人全員の合意がないと、相続財産を分けることができません。

絶縁しても行方不明でも、相続人全員の協力が必要です。

協力が得られない場合、家庭裁判所の助力を得て話し合いをすることができます。

遺産分割調停とは、家庭裁判所の助力を得てする話し合いです。

遺産分割調停の申立てがあった場合、家庭裁判所は相続人を呼び出します。

相続人だけで話し合いをすると、感情的になるかもしれません。

調停委員の客観的なアドバイスを受けて話し合いをすると、納得しやすくなるかもしれません。

家庭裁判所の助力を得て、相続人全員の合意を目指します。

遺産分割調停のため、家庭裁判所から呼出しがあります。

③家庭裁判所から自筆証書遺言の検認で呼出し

被相続人が生前に自筆証書遺言を作成していることがあります。

自筆証書遺言とは、遺言者が自分で書いて作った遺言書です。

自筆証書遺言を見つけた人や預かっている人は、家庭裁判所に提出しなければなりません。

自筆証書遺言の検認とは、遺言書を開封して確認してもらう手続です。

自筆証書遺言の検認の申立てがあった場合、家庭裁判所は相続人全員を家庭裁判所に呼び出します。

相続人立会いで遺言書を開封してもらって、確認するためです。

自筆証書遺言の検認のため家庭裁判所から呼び出されても、欠席しても差し支えありません。

自筆証書遺言の検認のため、家庭裁判所から呼出しがあります。

④法務局から関係遺言書保管通知

被相続人が自筆証書遺言を作成した場合、遺言書は自分で保管するのが原則です。

遺言書を自分で保管すると、紛失してしまう心配があります。

遺言書の保管場所を家族と共有していない場合、家族が遺言書を見つけられないかもしれません。

遺言書の保管場所を家族と共有していた場合、家族が遺言書を破棄・変造する心配があります。

自筆証書遺言は、法務局で保管してもらうことができます。

遺言者が死亡したら、相続人に関係遺言書保管通知を出します。

自筆証書遺言保管制度を利用している人が死亡した場合、法務局は関係遺言書保管通知を出します。

⑤法務局から指定者通知

自筆証書遺言保管制度では、遺言者が指定した人に通知してもらうことができます。

遺言者が死亡したことを法務局が知ったとき、通知されます。

遺言者は、通知してもらいたい人を3名まで指定することができます。

指定者通知は、遺言者が希望したときだけ実施されます。

自筆証書遺言保管制度を利用している人が死亡した場合、法務局は指定者通知を出します。

⑥遺言執行者から遺言書の内容通知

被相続人が生前に遺言書を作成していることがあります。

遺言書を作成する場合、遺言執行者を選任することができます。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人です。

遺言執行者が就任した場合、相続人に対して遺言書の内容を通知しなければなりません。

遺言執行者から遺言書の内容通知がされます。

⑦警察から死亡連絡

被相続人が事件や事故に巻き込まれて死亡することがあります。

自宅などで死亡した後に発見された場合、警察が死亡時の調査をするでしょう。

事故や事件の可能性があるからです。

調査の過程で遺留品などから家族の手掛かりを得て、連絡されることがあります。

遺留品などを見ても家族の詳しい事情は、分からないのが通常です。

血縁関係が近いと思われる人に連絡するでしょう。

事件や事故の可能性がある場合、警察から死亡の連絡がされます。

⑧市区町村役場から遺体の引取依頼

死亡した人の身元が分からない場合、死亡地の自治体が遺体を引き取ります。

身元が分からない死亡者を行旅死亡人と言います。

行旅死亡人は、行旅病人及行旅死亡人取扱法の規定に基づいて自治体が火葬します。

死亡した人が身分証明書を持っていたとしても、本人と断定できないことがあります。

身元が分からない死亡者と同様に扱われます。

埋火葬の費用は、次の順序で負担します。

(1)死亡した人に遺留金銭や有価証券

(2)不足分は相続人の負担

(3)相続人から支払が得られない場合、死亡した人の扶養義務者の負担

市区町村役場は、戸籍をたどって調査をします。

死亡地の自治体が遺体を引き取った場合、市区町村役場から死亡の連絡がされます。

3絶縁しても相続人

①相続人になる人は法律で決まっている

相続が発生したら、親族のうち一定の範囲の人が相続人になります。

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になる人は、次のとおりです。

(2)~(4)の場合、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。

(1)配偶者は必ず相続人になる

(2)被相続人に子どもがいる場合、子ども

(3)被相続人に子どもがいない場合、親などの直系尊属

(4)被相続人に子どもがいない場合で、かつ、親などの直系尊属が被相続人より先に死亡している場合、兄弟姉妹

②絶縁しても疎遠になっても相続人

だれが相続人になるかについては、民法で決められています。

相続人になるかどうかは、法律の定めで決まります。

被相続人と絶縁していても、相続人になるかどうかとは関係ありません。

絶縁していたとか、絶交していたとかいう事情は、法律の定めとは無関係です。

たとえ、何十年も音信不通でも親子は親子です。

何十年も会っていなくても、兄弟姉妹は兄弟姉妹です。

子どもが重大な親不孝をした場合に、親が子どもを勘当にすることがあります。

子どもを勘当にして、絶縁状を作ることがあります。

絶縁状に、法的な効力はありません。

絶縁しても疎遠になっても、相続人です。

③関わりたくないから相続放棄

遺産分割協議のため、被相続人の家族から連絡されることがあります。

一部の相続人を含めないで、分け方を決めても無効だからです。

さまざまな家族の事情から、被相続人や被相続人の家族と疎遠になっていることがあります。

被相続人の家族と遺産分割協議をするのは、精神的負担が大きいことがあるでしょう。

家庭裁判所で相続放棄を認めてもらえたら、はじめから相続人でなくなります。

相続放棄の理由は、被相続人の債務超過であることが多いでしょう。

被相続人や被相続人の家族と疎遠だからを理由に、相続放棄をすることができます。

相続放棄をすれば、疎遠な相続人と話し合いを避けることができます。

相続手続に関わりたくないから、相続放棄をすることができます。

4相続人調査を司法書士に依頼するメリット

本籍地の変更や国による戸籍の作り直し(改製)で多くの方は、何通もの戸籍を渡り歩いています。

古い戸籍は、現在と形式が違っていて読みにくいものです。

手書きの達筆な崩し字で書いてあると、分かりにくいでしょう。

慣れないと、戸籍集めはタイヘンです。

本籍地を何度も変更している方や結婚、離婚、養子縁組、離縁を何度もしている方は、戸籍をたくさん渡り歩いています。

膨大な手間と時間がかかることが多くなります。

戸籍には被相続人の結婚や離婚、子どもや養子の存在といった身分関係がすべて記録されています。

家族が知らない相続人が明らかになることもあります。

相続人を確定させるために戸籍を集めるだけでも、知識のない一般の人にはタイヘンな作業です。

家族の方が知らない相続人が明らかになると、精神的な負担はさらに大きいものになります。

相続手続のうち、専門家に任せられるものは任せてしまうといいでしょう。

家族の事務負担を軽減することができます。

相続人調査でお困りの方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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