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1不動産取得税は取得時1回のみ
①不動産を取得する人に課税
不動産取得税とは、不動産を取得したときに1回だけ課される税金です。
有償で取得しても無償で取得しても、課税されます。
登記をしても登記をしなくても、課税されます。
不動産の取得とは、売買、建築、増改築、贈与、交換です。
不動産取得税は、不動産を取得した人に課される税金です。
②不動産を取得したら県税事務所に申告
不動産取得税は、都道府県税です。
不動産を取得したら、都道府県税事務所に申告をします。
申告期限は、都道府県によって異なります。
愛知県は、不動産を取得してから60日以内です。
郵送で申告することができます。
申告期限までに登記がされた場合、原則として申告は不要です。
不動産取得税が軽減される場合、不動産取得税減額等申請書を提出します。
③不動産取得税に免税点
不動産取得税には、免税点があります。
取得した不動産の価格が次の金額未満の場合、不動産取得税は課されません。
(1)土地 10万円
(2)家屋
新築、増築、改築 23万円
その他 12万円
④納税通知書が届いたら納付
不動産の取得から1年以内に不動産取得税の納税通知書が届きます。
基本的には、納税が必要に人にのみ納税通知書が送られます。
納税通知書に記載された金額を納付します。
不動産取得税がかからないはずなのに、納税通知書が届くことがあります。
納税通知書記載の県税事務所に、納税の必要について確認しましょう。
2遺贈を受けた人に不動産取得税がかかる
①特定遺贈で相続人以外の人が不動産取得は課税
遺贈とは、遺言書を作成した相続人や相続人以外の人に財産を引き継いでもらうことです。
相続で財産を引き継ぐことができるのは、相続人だけです。
相続人になる人は、法律で決められています。
相続人は、相続で財産を引き継ぐことができるし遺贈で財産を引き継ぐことができます。
相続人以外の人は、相続で財産を引き継ぐことができないけど遺贈で財産を引き継ぐことができます。
遺贈には、2種類あります。
特定遺贈と包括遺贈です。
特定遺贈とは、遺言書に、「財産〇〇〇〇を遺贈する」と財産を具体的に書いてある場合です。
包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。
相続人以外の人に不動産を遺贈することができます。
特定遺贈で相続人以外の人が不動産を取得した場合、不動産取得税が課されます。
②相続時精算課税制度で不動産取得は課税
相続時精算課税制度とは、贈与税の制度です。
相続時精算課税を選択すると、2500万円まで特別控除があります。
累計2500万円までの贈与が非課税になります。
贈与した財産を相続財産に算入して、相続税を計算する制度です。
次の条件に該当する場合、相続時精算課税制度を選択することができます。
(1)贈与する人 60歳以上の父母または祖父母
(2)贈与を受ける人 18歳以上の子どもや孫
相続時精算課税制度を適切に利用したら、大きな節税が期待できるでしょう。
相続時精算課税制度を利用して、不動産を取得することができます。
相続時精算課税制度を利用して不動産を取得する場合、不動産取得税が課されます。
相続時精算課税制度を利用して不動産を取得するのは、贈与扱いだからです。
③夫婦間の居住用不動産の特例で不動産取得は課税
夫婦間の居住用不動産の特例とは、贈与税の制度です。
夫婦間の居住用不動産の特例を利用すると、最高2000万円まで配偶者控除を受けることができます。
次の条件に該当する場合、夫婦間の居住用不動産の特例を受けることができます。
(1)夫婦の婚姻期間20年を過ぎた後の贈与
(2)贈与された財産は居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭
(3)贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与を受けた人が現実に居住
夫婦間の居住用不動産の特例を受けることで、大きな節税が期待できるでしょう。
夫婦間の居住用不動産の特例を利用して、不動産を取得することができます。
夫婦間の居住用不動産の特例を利用して不動産を取得する場合、不動産取得税が課されます。
夫婦間の居住用不動産の特例を利用して不動産を取得するのは、贈与扱いだからです。
④死因贈与で不動産取得は課税
遺贈とは、遺言書を作成した相続人や相続人以外の人に財産を引き継いでもらうことです。
遺言書は、遺言者がひとりで作成することができます。
遺言書を作成するときに、相続人や財産を受け取る人の同意は不要です。
贈与は、贈与をする人と贈与を受け取る人の契約です。
死因贈与は、贈与をする人が死亡したときに効力が発生する贈与契約です。
贈与契約は、贈与をする人と贈与を受け取る人の合意があれば口約束でも成立します。
口約束の贈与契約は立証が難しいのでおすすめしませんが、口約束の死因贈与契約も有効です。
死因贈与で財産を受け取った場合、相続税の対象になります。
死因贈与契約によって、不動産を取得することができます。
死因贈与契約によって不動産を取得する場合、不動産取得税が課されます。
死因贈与契約によって不動産を取得するのは、贈与扱いだからです。
⑤遺産分割協議やり直しで不動産取得は課税
遺産分割協議は、相続人全員の合意があればやり直しをすることができます。
遺産分割協議のやり直しをした場合、相続財産の分け方に変更があるでしょう。
遺産分割協議のやり直しによって、不動産を取得することができます。
法律上は遺産分割協議のやり直しであっても、税務上は贈与の扱いです。
遺産分割協議のやり直しによって不動産を取得する場合、不動産取得税が課されます。
遺産分割協議のやり直しによって不動産を取得するのは、贈与扱いだからです。
3相続人に不動産取得税がかからない
①相続で不動産取得は非課税
相続人になる人は、民法で決まっています。
相続人が相続で不動産を取得することができます。
相続で不動産を取得する場合、不動産取得税が課されません。
相続で不動産を取得する場合、不動産種痘税の申告書の提出は不要です。
②特定遺贈で相続人が不動産取得は非課税
遺贈とは、遺言書を作成した相続人や相続人以外の人に財産を引き継いでもらうことです。
相続人は、相続で財産を引き継ぐことができるし遺贈で財産を引き継ぐことができます。
遺言書を作成して、相続人に不動産を遺贈することができます。
特定遺贈で相続人が不動産を取得する場合、不動産取得税が課されません。
③包括遺贈で不動産取得は非課税
包括遺贈とは、遺言書に、「財産すべてを包括遺贈する」「財産の2分の1を包括遺贈する」と割合だけ書いて財産を具体的に書いてない場合です。
遺言書を作成して、相続人や相続人以外の人に包括遺贈をすることができます。
遺言書で一部包括遺贈を受けたら、遺産分割協議が必要です。
遺言書には割合だけ書いてあって、具体的財産は書いてないからです。
遺産分割協議で包括受遺者全員と相続人全員の合意で相続財産の分け方を決定します。
遺産分割協議で、不動産を取得することができます。
包括遺贈で不動産を取得する場合、不動産取得税が課されません。
包括遺贈を受けた人が相続人であっても相続人以外の人であっても、不動産取得税が課されません。
④死因贈与で相続人が不動産取得は課税
死因贈与は、贈与をする人が死亡したときに効力が発生する贈与契約です。
被相続人と相続人間で死因贈与契約をすることがあります。
死因贈与契約によって、不動産を取得することができます。
死因贈与契約によって不動産を取得する場合、不動産取得税が課されます。
死因贈与契約によって不動産を取得するのは、贈与扱いだからです。
相続人が不動産を取得する場合であっても、死因贈与契約による場合は不動産取得税が課されます。
4不動産取得税の計算方法
①不動産取得税=不動産価格×税率
不動産取得税は、不動産価格×税率で計算できます。
不動産価格は、原則として固定資産税評価額を用います。
実際の売買価格や建築費用で計算されません。
贈与を受けた場合や交換で不動産を取得した場合、金銭のやり取りはないでしょう。
金銭のやり取りがなくても、不動産取得税は課されます。
不動産取得税には、さまざまな控除があります。
都道府県税事務所や税理士に確認するといいでしょう。
②税率に軽減措置がある
税率は、原則として4%です。
令和9年3月31日までに取得があった不動産については、軽減措置があります。
土地と住宅は、3%に軽減されます。
5不動産取得税以外にも税金がかかる
①登記申請をするときに登録免許税
不動産を取得したら、名義変更をします。
名義変更をする場合、登録免許税が課されます。
遺贈を受けた場合にも、登録免許税を納める必要があります。
遺贈を受けた場合の税率は、次のとおりです。
(1)相続人が遺贈を受けた場合、1000分の4
(2)相続人以外の人が遺贈を受けた場合、1000分の20
②固定資産税は毎年
固定資産税は、固定資産を保有している人に課される税金です。
不動産取得税は1回だけの税金ですが、固定資産税は毎年課されます。
地域によっては、都市計画税も課されます。
③遺贈を受けたら相続税
遺贈を受けた場合、贈与税でなく相続税が課されます。
相続税には、基礎控除があります。
基礎控除額は次の計算式で求めることができます。
基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の人数
相続財産が基礎控除額以内であれば、相続税は課されません。
相続税が課されるのは、全体の10%にも満たないわずかな富裕層です。
6遺言書作成を司法書士に依頼するメリット
遺言書は、遺言者の意思を示すものです。
自分が死んだことを考えたくないという気持ちがあると、抵抗したくなるかもしれません。
民法に遺言書を作ることができるのは、15歳以上と定められています。
死期が迫ってから書くものではありません。
遺言書は遺言者の意思を示すことで、家族をトラブルから守るものです。
遺贈とは、遺言によって、法定相続人や法定相続人以外の人に、財産を譲ってあげるものです。
遺贈は簡単に考えがちですが、思いのほか複雑な制度です。
特に、受け継いでもらう財産に不動産がある場合、譲ってもらう人だけでは登記申請ができません。
遺言執行者がいない場合、相続人全員の協力が必要です。
遺言書で遺言執行者を決めておきましょう。
遺言執行には法的な知識が必要になりますから、遺言の効力が発生したときに、遺言執行者からお断りをされてしまう心配もあります。
遺言の効力が発生した後の場合、遺言執行者は家庭裁判所に決めてもらう必要があります。
不動産以外の財産であっても、遺言書の内容に納得していない相続人がいる場合、受遺者に引渡そうとしないこともあります。
家族をトラブルから守ろうという気持ちを実現するために、せっかく遺言書を書くのですから、スムーズな手続を実現できるように配慮しましょう。
お互いを思いやり幸せを願う方は、遺言書作成を司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。