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1遺産相続で健康保険料は変わらない
①遺産相続をしても所得ではない
相続が発生したら、被相続人の財産は相続人が相続します。
普段より大きな金額を目にすると、何らかの負担が大きくなるのではないか不安になるかもしれません。
財産を相続したときに、相続税が課されます。
相続税が課されるのは、10%未満のわずかな富裕層です。
90%以上の人は、心配ない税金と言えます。
相続した財産は、収入ではありません。
相続財産を引き継いでも、所得が増えることはありません。
②国民健康保険料は前年の所得で決まる
国民健康保険は、フリーランスや自営業者が加入する公的健康保険です。
国民健康保険の保険料は、次の要素の合計です。
(1)所得割
所得割は、加入者の所得に応じて算定します。
加入者が高所得であれば、健康保険料が高額になります。
(2)均等割
均等割は、世帯当たりの加入者の人数に応じて算定します。
所得の金額に関わらず、1人いくらと計算します。
加入者が多くなれば、健康保険料が高額になります。
(3)平等割
平等割は、国民健康保険に加入する世帯に対して平等に算定します。
所得の金額に関わらず、1世帯いくらと計算します。
加入者が多くなっても、健康保険料が平等です。
多くの市町村で、平等割は廃止されています。
(4)資産割
資産割は、加入者が保有する固定資産に応じて算定します。
資産額が多くなれば、健康保険料が高額になります。
多くの市町村で、資産割は廃止されています。
平等割と資産割は多くの市町村で廃止されているから、所得割と均等割で保険料が決まると言えます。
国民健康保険料額は、前年の所得で決まります。
③会社員・公務員の健康保険料は4~6月の給料で決まる
会社などで雇用されている人は、社会保険料が給料から天引きされています。
社会保険料の一部が健康保険料です。
社会保険料は、標準報酬月額に応じて算定します。
標準報酬月額は、毎年4~6月の給料から算定されます。
給料以外から多額の収入があっても、社会保険料に影響はありません。
標準報酬月額は、給料だけで算定されるからです。
会社員・公務員の健康保険料は、4~6月の給料で決まります。
④遺産相続をしても扶養家族
会社などで雇用されている人が無収入の家族を扶養していることがあります。
扶養されている家族の収入が一定額より低い場合、健康保険の扶養家族に認定されることができます。
相続した財産は、収入ではありません。
多額の財産を相続しても、収入認定されることはありません。
多額の財産を相続しても、他に収入がなければ無収入です。
扶養されている家族が無収入であれば、扶養家族のままです。
遺産相続をしても、扶養家族のままでいることができます。
⑤後期高齢医療保険料は前年の所得で決まる
後期高齢医療保険は、75歳以上の人が加入する公的健康保険です。
生涯現役で高齢者になっても、フリーランスやサラリーマンとして働いている人もいるでしょう。
75歳になると、強制的に後期高齢医療保険に移行します。
国民健康保険の保険料は、次の要素の合計です。
(1)所得割
所得割は、加入者の所得に応じて算定します。
加入者が高所得であれば、健康保険料が高額になります。
(2)均等割
均等割は、世帯当たりの加入者の人数に応じて算定します。
所得の金額に関わらず、1人いくらと計算します。
2遺産相続で収入を得ると健康保険料が高くなる
①収益不動産を相続して賃料収入があると不動産所得
相続した財産は、収入ではありません。
相続財産を引き継いでも、所得が増えることはありません。
賃貸アパートなどの収益不動産を相続することがあります。
相続した賃貸アパート自体は、収入ではありません。
賃貸アパートを相続したら、アパート経営を引き継ぐでしょう。
収益不動産から賃料収入を得ると、不動産所得があると言えます。
遺産相続で不動産所得を得るようになると、所得が多くなります。
国民健康保険や後期高齢医療保険の加入者は、翌年の保険料が高くなるでしょう。
不動産所得を得ても、会社員・公務員の健康保険料は影響されません。
会社員・公務員の健康保険料は、4~6月の給料で決まるからです。
②換価分割で譲渡所得
相続財産には、さまざまな種類の財産が含まれるでしょう。
預貯金や現金は、分けやすい財産の代表例です。
不動産は、分けにくい財産の代表例です。
相続財産に評価額の高い不動産があると、相続財産の分け方について話し合いが難しくなるでしょう。
相続財産の大部分が不動産である場合、換価分割で合意ができることがあります。
換価分割とは、分けにくい財産を売却してお金で分ける方法です。
お金にすると、公平な遺産分割をすることができます。
不動産によっては、取得してから大きく値上がりしていることがあります。
不動産を売却すると、値上がり益を得ることができます。
譲渡所得とは、不動産を譲渡することによって生ずる所得です。
譲渡所得が生ずると、所得が多くなります。
国民健康保険や後期高齢医療保険の加入者は、翌年の保険料が高くなるでしょう。
譲渡所得を得ても、会社員・公務員の健康保険料は影響されません。
会社員・公務員の健康保険料は、4~6月の給料で決まるからです。
③不動産を代償にすると代償分割で譲渡所得
相続財産に評価額の高い不動産があると、相続財産の分け方について話し合いが難しくなるでしょう。
換価分割以外にも、代償分割で合意ができることがあります。
代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続し、残りの相続人は不動産を相続した人から、その分の代償をもらう方法です。
代償金を払ってもらうことで、公平な遺産分割をすることができます。
代償金を受け取っても、所得ではありません。
代償分割は、遺産分割の方法に過ぎないからです。
多額の代償金を受け取っても、健康保険料が高くなることはありません。
代償分割では、代償金を払う必要があります。
代償金は、現金払いが一般的です。
ときには、現金を準備できないことがあるでしょう。
相続人全員で合意できれば、現金以外の財産を代償にすることができます。
例えば、固有の財産である不動産を代償として譲渡することができます。
不動産によっては、取得してから大きく値上がりしていることがあります。
仮に不動産を売却したすると、値上がり益を得ることができます。
不動産を代償として譲渡した場合、不動産は時価で譲渡したと判断されます。
不動産を売却していなくても、値上がり益を得たと判断されます。
不動産の値上がり益は、譲渡所得になります。
譲渡所得が生ずると、所得が多くなります。
国民健康保険や後期高齢医療保険の加入者は、翌年の保険料が高くなるでしょう。
譲渡所得を得ても、会社員・公務員の健康保険料は影響されません。
会社員・公務員の健康保険料は、4~6月の給料で決まるからです。
3所得が生じたら確定申告
①被相続人の所得は準確定申告
所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得と税額を計算し、翌年3月15日までに申告と納税をします。
翌年3月15日までにする申告が確定申告です。
年の中途で死亡した場合、1月1日から死亡した日までに生じた所得と税額を計算し、相続人が4か月以内に申告と納税をします。
生きている人の確定申告と区別するため、準確定申告を言います。
準確定申告は、被相続人の確定申告です。
準確定申告が必要になるのは、主に次の人です。
・事業所得や不動産所得があった人
・給与所得が2,000万円を超えている人
・2か所以上から給与所得を受け取っている人
・公的年金による収入が400万円を超える人
・給与、退職金以外で20万円以上の所得があった人
・生前に不動産や株式を売却し、譲渡所得があった人
準確定申告は、被相続人の所得を取りまとめ適切に納税するために行います。
確定申告をするときに、さまざまな控除や特例を利用することがあるでしょう。
準確定申告で控除や特例を申告すると、納め過ぎた税金が還付されることがあります。
準確定申告をする義務はなくても、準確定申告をすることで還付金を得られるかもしれません。
被相続人の所得は、準確定申告をして納税します。
②換価分割で相続人全員確定申告
換価分割とは、分けにくい財産を売却してお金で分ける方法です。
大きく値上がりした不動産を売却すると、値上がり益を得ることができます。
換価分割ではお金で分けるから、値上がり益も分配されていると言えます。
相続人全員が売却手続に参加するのは、手間と時間がかかることが多いでしょう。
多くの場合、代表相続人のみが売却手続に関与します。
売却手続に関与していない他の相続人全員も、確定申告をする必要があります。
お金を受け取った相続人全員が値上がり益を得ているからです。
お金を受け取った相続人全員に譲渡所得が生じているから、相続人全員が確定申告をする必要があります。
譲渡所得が生ずると、所得が多くなります。
国民健康保険や後期高齢医療保険の加入者は、翌年の保険料が高くなるでしょう。
譲渡所得を得ても、会社員・公務員の健康保険料は影響されません。
会社員・公務員の健康保険料は、4~6月の給料で決まるからです。
③居住用不動産の3000万円特別控除を申告
相続した財産に限らず居住用不動産を売却したときに、譲渡所得から最高3000万円控除できる特例があります。
居住用不動産の3000万円特別控除は、所有期間に関係なく受けることができます。
居住用不動産の3000万円特別控除を利用することができるのは、居住していた相続人が売却するときに限られます。
確定申告において、住民票や戸籍の附票を提出します。
当該不動産に居住していたこと証明する必要があるからです。
居住用不動産の3000万円特別控除を使えると、譲渡所得が少なくなります。
ときには譲渡所得が0円になることがあるでしょう。
譲渡所得が0円になると、所得が変動しません。
国民健康保険や後期高齢医療保険の加入者は、翌年の保険料に影響はないでしょう。
会社員・公務員の健康保険料は、もともと影響されません。
④空き家の3000万円特別控除を申告
被相続人の居住用不動産を売却したときに、一定の条件を満たしたら譲渡所得から最高3000万円控除できる特例があります。
空き家の3000万円特別控除を利用することができるのは、相続が発生してから売却まで空き家だったときに限られます。
確定申告において、被相続人居住用家屋等確認書を提出します。
被相続人居住用家屋等確認書は、所在地の市区町村役場で取得することができます。
被相続人居住用家屋等確認書は、相続が発生してから売却まで空き家だったことを確認する書類です。
空き家の3000万円特別控除を使えると、譲渡所得が少なくなります。
ときには譲渡所得が0円になることがあるでしょう。
譲渡所得が0円になると、所得が変動しません。
国民健康保険や後期高齢医療保険の加入者は、翌年の保険料に影響はないでしょう。
会社員・公務員の健康保険料は、もともと影響されません。
4相続対策を司法書士に依頼するメリット
相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。
ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。
穏やかで温厚な人でも、疲れ果てているとトラブルに巻き込まれがちです。
インターネットの普及によって、たくさんの情報を手にすることができるようになりました。
その中には、適切なものもそうでないものも入り混じっています。
法律の知識がないと適切なのものとそうでないものの区別がつきません。
あいまいな知識で相続人全員の話し合いをすると、合意できることでさえトラブルに発展しがちで
す。
被相続人の希望が尊重されて、相続人全員にとって納得のいく財産分配が行われるのが大切です。
家族をトラブルから守るためには、事前の対策が欠かせません。
まずは相続について、家族の考えを確認してみましょう。
家族がトラブルを起こさないように対策したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。