遠方の不動産は現地の法務局で相続登記をする

1遠方の不動産は現地の法務局で相続登記をする

①相続登記は不動産の所在地の法務局に申請する

被相続人が不動産を保有していた場合、相続登記をします。

相続登記とは、不動産の名義変更です。

相続登記は、不動産の所在地の法務局に申請します。

相続人が不動産の所在地から遠方に住んでいることがあります。

相続人の住所地の法務局に、申請することはできません。

②複数の不動産があるときはそれぞれの所在地の法務局

被相続人が複数の不動産を保有していることがあります。

相続登記は、不動産の所在地の法務局に申請します。

複数の不動産が同一の管轄であれば、まとめて相続登記をすることができます。

複数の不動産が別の管轄であれば、それぞれの法務局に相続登記をする必要があります。

相続登記は、不動産の所在地の法務局に申請する必要があるからです。

③現地に行かなくても郵送で相続登記ができる

相続登記は、郵送で申請することができます。

登記申請をする場合、出頭義務はありません。

相続人が法務局へ出向いて、本人確認を受ける必要はありません。

相続登記では、たくさんの書類を提出します。

登記申請は、書面審査です。

登記申請書と添付書類を取りまとめて、郵送することができます。

相続登記が完了したら、権利証が発行されます。

添付書類の多くは、希望すれば原本還付をしてもらうことができます。

登記申請書と一緒に返信用封筒と切手を提出すると、郵送で返送してもらうことができます。

現地の法務局に行くことなく、相続登記をすることができます。

④現地の法務局へ出向いて補正ができる

登記申請書と添付書類を提出したら、法務局は内容を審査します。

書類に不備がある場合、法務局から補正の連絡があります。

軽微な不備がある場合、法務局に出向いて補正をすることができます。

法務局に出向くことができるなら、その場で補正するのがいいでしょう。

⑤郵送で相続登記の取下げができる

重大な不備がある場合、法務局に出向いて補正をすることができません。

いったん登記申請を取り下げて、再提出をすることになるでしょう。

法務局に出向くことができないなら、登記申請を取り下げることができます。

相続登記の取下書は、郵送で提出することができます。

⑥郵送で収入印紙の再使用証明申出書

相続登記では、登録免許税が課されます。

登記申請書に、収入印紙を貼り付けて納入します。

法務局は登記申請書を受付すると、直ちに収入印紙に消印をします。

登記申請を取り下げた場合、登記簿には何も登録はされていません。

結果として登録免許税を納入する必要はないのに、消印がされてしまっています。

再使用証明とは、登記申請書に貼り付けた収入印紙について税として使用されていないことを証明する制度です。

再使用証明を受けると、次の申請で使用することができます。

再使用証明を受けたい場合、再使用証明申出書を提出します。

再使用証明申出書は、郵送で提出することができます。

取下書と再使用証明申出書は、一緒に郵送することができます。

⑦郵送で登録免許税の過誤納は還付請求ができる

相続登記で課される登録免許税は、相続人が自分で計算する必要があります。

ときには、計算を間違えてしまうことがあるでしょう。

納入すべき登録免許税が不足した場合、法務局から補正連絡があります。

不足分の収入印紙を提出すれば、問題はありません。

納入すべき登録免許税が過誤納である場合、法務局から補正連絡があります。

過誤納分を還付してもらうことができます。

過誤納金の還付請求書を提出します。

過誤納金の還付請求書は、法務局対して郵送することができます。

法務局から管轄の税務署に回付されて、還付されます。

登録免許税は、国税だからです。

還付請求書を提出してから、還付されるまでに1か月程度かかります。

⑧相続登記は近くの司法書士に依頼できる

相続登記は、たくさんある相続手続の中でも難しい手続です。

司法書士などの専門家に、依頼したい人もいるでしょう。

司法書士は、全国どこにある不動産であっても登記申請を扱うことができます。

相続人の近くの司法書士であっても不動産の近くの司法書士であっても、問題ありません。

相続人の近くの司法書士の方がコミュニケーションが取りやすいでしょう。

相続人の近くの司法書士に依頼して、相続登記を任せることができます。

2遠方の不動産があると相続リスクが現実化

①遠方の相続登記を先延ばしする理由

理由(1)書類収集が面倒

不動産が遠方にあっても、相続登記が難しくなることはありません。

不動産が遠方にあると、相続人の心理的負担になりがちです。

心理的負担が大きいから、先延ばししやすくなります。

相続登記では、たくさんの書類を提出します。

戸籍謄本や住民票、固定資産評価証明書などです。

戸籍謄本は、本籍地の市町村役場に請求します。

住民票は、住民票を置く市町村役場に請求します。

固定資産評価証明書は、不動産の所在地の市町村役場に請求します。

相続人にとって近隣の市区町村役場であれば、窓口に出向いて請求することができます。

出向くことができなければ、代理人を立てるか郵送請求をします。

代理人を立てる場合、委任状が必要になります。

郵送請求をする場合、窓口で聞きながら請求書を書くことはできません。

窓口請求をするより、手間と時間がかかります。

書類に不備があれば、郵便でやり取りが必要になります。

不動産が遠方にあると、書類収集が面倒になりがちです。

理由(2)法務局が遠いことに心理的負担

相続登記は、郵送で申請をすることができます。

法務局へ出頭する義務は、10年以上前に廃止されました。

廃止されたはずの制度のイメージから、心理的負担を感じることがあります。

相続登記は難しい手続だから、知識がないと補正は避けられないかもしれません。

補正指示があれば、法務局に出向くことが多いでしょう。

申請を取り下げるにも、手続が必要になります。

補正指示があったときのことを考えると、心理的負担が大きくなります。

法務局が遠いことに心理的負担を感じて、先延ばししがちになります。

理由(3)相続人が各地に散らばっている

不動産が遠方にある場合、相続人が各地に散らばっていることが多いです。

相続手続は、相続人全員の協力が必要です。

相続人が各地に散らばっていると、連絡が取りにくいでしょう。

相続手続が進めにくくなりがちです。

相続手続が進めにくくなることで、相続登記を先延ばししがちです。

理由(4)不動産の現地確認ができない

相続登記は、不動産の名義変更です。

不動産の現地の状況を確認しなくても、名義を変更することができます。

不動産の現地確認ができないと、根拠なく不安になることがあります。

根拠がない不安を言い訳にして、相続登記を先延ばしすることがあります。

登記簿の記録を書き換える手続に過ぎません。

たとえ隣地と境界争いがあっても、相続登記をすることができます。

たとえ建物が老朽化していても、相続登記を先延ばしする理由にはなりません。

現地を確認しても確認しなくても、何も変わることはありません。

現地の状況で、相続登記に変更する点はないからです。

不動産の現地確認ができないことを言い訳にして、相続登記を先延ばししがちです。

②相続登記を先延ばしするデメリット

デメリット(1)相続登記義務化でペナルティー

令和6年4月1日から、相続登記をする義務が課されました。

相続登記の義務を果たしていない場合、ペナルティーが課されます。

ペナルティーの内容は、10万円以下過料です。

デメリット(2)遺産分割協議が難しくなる

相続登記をするためには、遺産分割協議をする必要があります。

遺産分割協議とは、相続財産の分け方を決めるため相続人全員でする話し合いです。

相続登記を先延ばしすると、相続人が認知症になったり行方不明になったり死亡したりします。

相続人が認知症になったり行方不明になったり死亡したりすると、遺産分割協議が難しくなります。

デメリット(3)不動産の利活用ができなくなる

相続登記をしていないと、事実上不動産を売却することができません。

相続登記をしていないと、事実上不動産を担保に差し出すことができません。

相続登記をしていない不動産は、客観的に所有者が分からない状態です。

所有者が分からない不動産を取引対象にすると、トラブルに巻き込まれる恐れが大きいからです。

デメリット(4)第三者と共有のおそれ

遺産分割協議中は、相続人全員が法定相続分で共有していると言えます。

相続人全員が法定相続分で共有する相続登記は、相続人が単独で申請することができます。

法定相続分で相続登記をした後、不動産の持分を売却することができます。

相続人が共有持分を売却すると、第三者と不動産を共有することになります。

デメリット(5)固定資産税負担で相続人間のトラブル

遺産分割協議中であっても、固定資産税はかかります。

相続登記を先延ばしすると、固定資産税がかさみます。

遺産分割協議中の固定資産税の負担について、相続人間でトラブルになるおそれがあります。

③遠方の不動産がデメリットが顕在化する

遠方の不動産があるだけでは、相続リスクを生むわけではありません。

遠方の不動産があると、相続手続を先延ばしにしがちです。

相続手続を先延ばしすると、デメリットが顕在化します。

遠方の不動産であっても、相続手続は必要です。

遠方の不動産であっても、相続登記の義務は逃れられません。

デメリットが顕在化する前に、相続登記をするのがおすすめです。

自分で相続登記をするのが難しいなら、司法書士などの専門家に依頼することができます。

3遠方の不動産に相続登記をする方法

手順①相続財産と相続人を調査

名寄帳や固定資産税課税明細書を確認して、被相続人の不動産を特定します。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得して、すべての相続人を特定します。

手順②相続人全員で遺産分割協議

相続人各地に散らばっていても、遺産分割協議をすることができます。

話し合いは、一堂に会する必要はないからです。

電話やメールで、分け方の合意をすることができます。

遺産分割協議書は、郵送で押印してもらうことができます。

手順③必要書類を準備

遺言書がない場合の必要書類は、次のとおりです。

・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

・相続人の現在戸籍

・被相続人の住民票の除票

・不動産を相続する人の住民票

・遺産分割協議書

・相続人全員の印鑑証明書

・不動産の評価証明書

必要書類は、郵送で取り寄せることができます。

手順④法務局へ提出

登記申請書と必要書類を取りまとめて、法務局へ提出します。

提出先の法務局は、不動産の所在地を管轄する法務局です。

法務局の管轄は、法務局のホームページで確認することができます。

手順⑤権利証は郵送で返送

相続登記が完了したら、権利証が発行されます。

登記申請で返信用封筒と切手を同封しておけば、権利証は郵送で返送してもらえます。

4相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人はたくさんの相続手続に追われて悲しむ暇もありません。

相続は、何度も経験するものではないでしょう。

手続に不慣れで聞き慣れない法律用語で、へとへとになります。

一般的にいって、相続登記は、その中でも難しい手間のかかる手続です。

不動産は重要な財産であることが多いので、些細なことと思えるようなことでやり直しになります。

簡単そうに見えても、思わぬ落とし穴があることもあります。

数次相続が発生している場合、難易度は高くなります。

相続登記を自分でやってみたけど、挫折した方の相談も受け付けております。

相続登記をスムーズに完了させたい方は、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

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