相続税申告不要でも確定申告が必要になる

1遺産相続で確定申告は原則不要

①確定申告は所得税の申告

確定申告とは、所得税の申告です。

1年間の所得から納めるべき所得税を計算して、国に申告します。

毎年1月1日から12月31日の所得を取りまとめて、翌年3月15日までに申告し納税します。

遺産相続で多額の財産を引き継ぐことがあるでしょう。

遺産相続で財産を引き継いでも、所得ではありません。

所得税の申告は、原則として不要です。

確定申告は、所得税の申告です。

②準確定申告は被相続人の確定申告

確定申告は、毎年1月1日から12月31日の所得を取りまとめて申告します。

所得税を申告・納税すべき人が年の途中で死亡することがあります。

準確定申告とは、被相続人の生前の所得について相続人がする確定申告です。

生きている人の確定申告と区別するため、準確定申告を言います。

準確定申告は、被相続人の確定申告です。

③遺産相続は相続税の対象

遺産相続で多額の財産を手にしても、原則として所得税の対象ではありません。

相続によって財産を引き継いだ場合、相続税の対象になります。

相続税と所得税は、課税される対象が異なります。

相続税申告が必要であるうえ、確定申告が必要であることがあります。

相続税申告が不要であるうえ、確定申告が必要であることがあります。

相続税申告が不要であるうえ、確定申告が不要であることがあります。

相続税と所得税は、課税される対象が異なるからです。

遺産相続は、相続税の対象です。

2遺産相続で相続人の確定申告が必要になるケース

①生命保険の死亡保険金を受取

被相続人に生命保険がかけてあった場合、死亡保険金が払われます。

被相続人が自分で保険料を負担していた場合、死亡保険金は相続税の対象です。

死亡保険金の受取人が保険料を負担していた場合、死亡保険金は所得税の対象です。

死亡保険金の受取人と保険料負担者が同一人物の場合、確定申告が必要です。

死亡保険金の受取方法によって、一時所得または雑所得で課税されます。

生命保険の死亡保険金を受取ったケースでは、確定申告が必要です。

②相続した不動産を売却

相続した不動産を売却することがあります。

不動産の売却によって、不動産の値上がり益を得ることがあるでしょう。

不動産譲渡所得税は、不動産を売却したときに得られた利益に対して課されます。

不動産の売却代金から、購入価格と必要経費を差し引きた利益に課税されます。

不動産の売却によって損失が出たときは、確定申告は不要です。

譲渡所得には、さまざまな控除や特例があります。

控除や特例を受けて、所得が0円になることがあります。

控除や所得を受けるため、所得0円であっても確定申告が必要です。

相続した不動産を売却したケースでは、確定申告が必要です。

③事業を引継

被相続人が個人事業を営んでいることがあります。

相続の発生で、相続人が事業を引き継ぐことがあるでしょう。

被相続人の事業を引き継いだ場合、相続発生後は相続人の収入になります。

相続発生日以降の所得を取りまとめて、確定申告が必要です。

事業を引継いだケースでは、確定申告が必要です。

④収益不動産を引継

被相続人が収益不動産などを保有していることがあります。

遺産相続にによって、収益不動産を引き継ぎます。

相続発生日以降にも、収益を生み続けるでしょう。

相続発生日以降の収益は、相続人の収入です。

相続発生日以降の所得を取りまとめて、確定申告が必要です。

収益不動産を引継いだケースでは、確定申告が必要です。

⑤国などへ遺産を寄付

相続した財産から国などへ寄付をすることがあります。

寄付した団体によっては、寄付金控除を受けることができます。

寄付を受けた団体からの受領書を添えて、確定申告をすることができます。

確定申告をすることは、義務ではありません。

寄付金控除を受けることで、所得税を減らすチャンスがあります。

せっかく寄付をするのだから、確定申告をするのがおすすめです。

国などへ遺産を寄付したケースでは、確定申告がおすすめです。

⑥換価分割

相続財産は、相続人全員の共有財産です。

相続財産の分け方は、相続人全員の合意で決定します。

相続財産の大部分が高価な不動産である場合、相続財産の分け方の合意が難しくなるでしょう。

換価分割とは、高価な不動産を売却してお金にして分ける方法です。

不動産の売却によって、不動産の値上がり益を得ることがあるでしょう。

不動産譲渡所得税は、不動産を売却したときに得られた利益に対して課されます。

不動産の売却代金から、購入価格と必要経費を差し引きた利益に課税されます。

換価分割では、売却代金を合意した割合で相続人に分割します。

不動産の値上がり益は、合意した割合で相続人が得たと言えます。

遺産分割協議書を添付して、各相続人が確定申告をします。

売却代金を受け取っただけの相続人は、確定申告を忘れがちです。

確定申告を怠ると、ペナルティーの対象になります。

換価分割したケースでは、確定申告が必要です。

⑦未支給年金の受取

年金は、後払いで支給されます。

年金受給者が死亡した月の分まで、支給されます。

例えば、4月分と5月分の年金は、6月に支給されます。

年金を受け取っている人が4月に死亡した場合、4月分の年金まで支給されます。

4月分の年金は、6月に振込みがされます。

多くの場合、6月の年金支払い日には、口座が凍結されているでしょう。

6月に支給される年金の振込みを受けることができません。

4月分の年金が未支給年金です。

未支給年金は、遺族の固有の財産です。

税務上は、遺族の一時所得として取り扱われます。

一時所得がある場合、原則として確定申告の対象です。

一時所得には、50万円の特別控除があります。

未支給年金を含めて一時所得が50万円未満であれば、確定申告は不要です。

未支給年金の受取したケースでは、確定申告が必要です。

3被相続人の準確定申告が必要になるケース

①準確定申告が必要になる人

準確定申告とは、被相続人の生前の所得について相続人がする確定申告です。

準確定申告が必要になるのは、主に次の人です。

・事業所得や不動産所得があった人

・給与所得が2,000万円を超えている人

・2か所以上から給与所得を受け取っている人

・公的年金による収入が400万円を超える人

・給与、退職金以外で20万円以上の所得があった人

・生前に不動産や株式を売却し、譲渡所得があった人

②準確定申告をすると還付金が発生することがある

準確定申告は、被相続人の所得を取りまとめ適切に納税するために行います。

確定申告をするときに、さまざまな控除や特例を利用することがあるでしょう。

準確定申告で控除や特例を申告すると、納め過ぎた税金が還付されることがあります。

準確定申告をする義務はなくても、準確定申告をすることで還付金を得られるかもしれません。

③準確定申告の期限は4か月

準確定申告は、期限があります。

相続があったことを知った日の翌日から起算して、4か月以内に管轄の税務署に申告し納税します。

相続手続には、想像以上に手間と時間がかかります。

あっという間に、4か月の期限になります。

準確定申告の期限は、相続が発生してから4か月です。

4相続税申告が必要なケースは10%未満

①基礎控除額以内なら相続税申告不要

税制は複雑なうえに、改正が度々あります。

相続税大増税!最高税率55%!!などと不安を煽っている専門家がたくさんいます。

相続税申告が必要なケースは、全体のわずか10%未満です。

相続税の税率が55%になるのは、資産額6億円以上の富裕層です。

90%以上の庶民には、心配する必要がない税金です。

相続税の申告が必要になるのは、一定以上の資産額があるケースです。

申告する必要があるか判断する基準となる一定額のことを、基礎控除と言います。

資産額が基礎控除より少ないのであれば、相続税申告は必要ありません。

基礎控除額は、次の計算式で求められます。

基礎控除=3000万円+法定相続人の人数×600万円

基礎控除額以内なら、相続税申告は不要です。

②特例や控除を活用して相続税がかからない

相続税には、さまざまな特例や控除があります。

相続税申告をする人の中には、納める税金がない人がたくさんいます。

家族にとって自宅などは、重要な財産であることが多いでしょう。

例えば、相続税には小規模宅地の特例という特例があります。

小規模宅地の特例を利用できれば、宅地等の評価額が80%減になります。

相続財産の大部分が自宅であるケースは、少なくありません。

自宅の評価額が80%減になれば、相続税が課されないことが多いでしょう。

特例や控除を活用して、相続税がかからないケースは珍しくありません。

③相続税申告の期限は10か月

相続税申告は、期限があります。

相続があったことを知った日の翌日から起算して、10か月以内に管轄の税務署に申告し納税します。

相続手続には、想像以上に手間と時間がかかります。

あっという間に、10か月の期限になります。

相続税申告の期限は、相続が発生してから10か月です。

5相続対策を司法書士に依頼するメリット

相続が発生すると、相続人は悲しむ暇もなく相続手続に追われます。

ほとんどの人は相続手続は不慣れで、聞き慣れない法律用語で疲れ果ててしまいます。

穏やかで温厚な人でも、疲れ果てているとトラブルに巻き込まれがちです。

インターネットの普及によって、たくさんの情報を手にすることができるようになりました。

その中には、適切なものもそうでないものも入り混じっています。

法律の知識がないと適切なのものとそうでないものの区別がつきません。

あいまいな知識で相続人全員の話し合いをすると、合意できることでさえ、トラブルに発展しがちで

す。

被相続人の希望が尊重されて、相続人全員にとって納得のいく財産分配が行われるのが大切です。

家族をトラブルから守るためには、事前の対策が欠かせません。

まずは相続について、家族の考えを確認してみましょう。

家族がトラブルを起こさないように対策したい方は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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